JP2898898B2 - 断熱発泡体の製造方法 - Google Patents

断熱発泡体の製造方法

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JP2898898B2 JP4853095A JP4853095A JP2898898B2 JP 2898898 B2 JP2898898 B2 JP 2898898B2 JP 4853095 A JP4853095 A JP 4853095A JP 4853095 A JP4853095 A JP 4853095A JP 2898898 B2 JP2898898 B2 JP 2898898B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫、冷凍室等に用
いられる断熱発泡体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾン層破壊あるいは地球の温暖
化等フロンによる環境破壊が社会的問題となり、硬質ウ
レタンフォーム等の発泡断熱材の発泡剤であるトリクロ
ロモノフルオロメタンなどの特定フロンの削減全廃が大
きな課題となっている。このため、発泡剤としてオゾン
破壊係数の小さな物質である例えば、1,1−ジクロロ
−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1,1
−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(HCF
C−123)等を用いることによってポリウレタンフォ
ームが形成されている。また、オゾン層破壊あるいは地
球の温暖化等の環境破壊の小さいシクロペンタンなど炭
化水素を発泡剤とするポリウレタンフォームの製造法も
よく知られている(例えば1993年5月ポリウレタン
国際フォーラム93の発表予稿集197頁、ゲルハルト
ハイリッヒと木原良徳『ペンタン発泡硬質ウレタンフォ
ーム』)。しかし、ペンタンは、沸点が高くやや発泡し
にくいという問題があった。
【0003】こで、ペンタン等の炭化水素と水とを発
泡剤として併用すれば、炭化水素の発泡性を改善するこ
とが可能になる。ところが、気泡中には炭化水素に匹敵
するほどの量の二酸化炭素が残るために、高い断熱性を
得ることができないという問題があった。また、発泡剤
としてハイドロクロロフルオロカーボンを用いる際に、
フルオロカーボンを添加することにより気泡の微細化を
促進してポリウレタン発泡体の断熱性能を向上しようと
する試み(特開平5−186629公報)があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにオゾン層
破壊や地球温暖化等の地球環境問題への負荷が小さい、
炭化水素や水を発泡剤として用いただけでは、高い断熱
性を満足するものが得られないという問題点がある。本
発明は、地球環境への負荷低減に配慮しつつ、断熱特
優れた断熱発泡体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の断熱発泡体の製
造方法は、発泡核剤としてエポキシ基を含む官能基によ
って表面修飾された微粒子をコロイド分散させ、二酸化
炭素固定化触媒を含有したポリオール組成物を含むポリ
ウレタン原料を混合・発泡させて、揮発性化合物と二酸
化炭素とを含む独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂
組成物を形成させる工程、および前記気泡中の二酸化炭
素を前記エポキシ基と反応させて固定化する工程を有す
るものである。
【0006】
【作用】発明の製造方法において、発泡核剤として
エポキシ基を含む官能基によって表面修飾された微粒子
をコロイド分散させたポリオ−ル組成物を含むポリウレ
タン原料を用いる。発泡剤が微粒子を発泡核として発泡
するため、気泡の孔径が均一でより微細化された断熱発
泡体を形成することができる。このような孔径がより均
一にかつ微細化されたポリウレタン発泡体においては、
気泡数が増えるために固体中の熱伝導が抑えられ、断熱
性が向上する。発泡核としての微粒子の平均粒径が0.
1μm以下であると、微粒子の発泡剤中でのコロイド分
散がより安定化され、また単位重量当たりの粒子数が多
くなるので、気泡の微細化がより促進されるという効果
が生じる。
【0007】ハイドロカーボンより選ばれた揮発性化合
物である有機液体とアルキル基との組合せ、ならびにフ
ルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボンおよびハイ
ドロクロロフルオロカーボンよりなる群から選ばれた揮
発性化合物である有機液体とフルオロアルキル基との組
合せが、特に親和性が強く、微粒子の発泡剤中での分散
安定性が向上するために、気泡の微細化に効果的であ
る。また、発泡核として金属微粒子や無機微粒子を水中
に分散する場合、以下のような表面修飾をするのがよ
い。カルボン酸のカルボキシル基は金属微粒子や無機微
粒子に吸着し易いため、まず微粒子をカルボン酸により
表面修飾し、その後アルキルアンモニウム塩、スルホン
酸金属塩あるいはカルボン酸金属塩により表面修飾す
る。前記の処理により、微粒子表面にイオン性が付与さ
れ、微粒子の水中における分散安定性が向上する。この
ような微粒子を発泡核として用いると、気泡の微細化に
役立つ。また、有機高分子を壁材とする中空微粒子を用
いると、比重が小さいのでコロイド溶液中での分散安定
性が向上するため、気泡の微細化に効果的である。
【0008】上で述べてきたポリオール組成物中には、
発泡剤として水以外に、二酸化炭素より気体熱伝導率の
低い揮発性化合物が共存する。この場合は、水発泡によ
る二酸化炭素および前記有機液体により気泡が形成され
た後に、二酸化炭素固定化触媒の作用により、微粒子の
表面のエポキシ基が二酸化炭素と反応してこれを環状カ
ーボネートとして固定化する。これによって、熱伝導率
の悪い二酸化炭素が気泡内から取り除かれ、熱伝導率の
低い有機液体の蒸気が気泡内に残り、断熱性能に優れた
ポリウレタン発泡体を得ることができる。さらに、前記
微粒子をコロイド分散させたポリオール組成物を用い
る製造方法によると、上述したような気泡が均一に微細
化される効果に加えて、二酸化炭素固定化能を有する微
粒子が水(発泡剤)あるいは揮発性化合物に親和性があ
り、発泡過程において前記微粒子が発泡剤から分離する
ことなく気泡が形成される。このために、気泡近傍に前
記微粒子が高濃度に偏析し、気泡形成後の二酸化炭素の
固定が効率化されるという効果がある。また、微粒子は
表面積が大きいため、二酸化炭素の固定化速度が速いと
いう特徴がある。
【0009】次に、本発明をさらに具体的な例に基づい
て説明する。発明に用いられる気泡充填気体となる揮
発性化合物としては、シクロペンタン、シクロヘキサン
などの熱伝導率の低い炭化水素が適している。 た、熱
伝導率低減の観点から、弗化物分子量の大きい炭素数3
〜7の高弗化あるいは全弗化した弗化炭化水素、炭素数
3〜8の弗化エーテル、炭素数3〜6の弗化第3級アミ
ン、炭素数4以下のヨウ素化弗化炭化水素も揮発性化合
物として好ましい。高弗化あるいは全弗化した炭素数3
〜11の弗化炭化水素としては、直鎖状、分岐状、環状
のものがある。例えば、1,1,1,4,4,4−ヘキ
サフルオロブタン(分子量166、沸点24.6℃)、
1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(分子量
134、沸点26℃)、パーフルオロヘキサン(分子量
338、沸点60℃)、パーフルオロシクロヘキサン
(分子量300)、パーフルオロヘプタン(分子量37
0、沸点80℃)、パーフルオロ(メチルシクロヘキサ
ン)(分子量350、沸点76℃)、パーフルオロ(メ
チルシクロペンタン)(分子量300、沸点60℃)、
パーフルオロペンタン(分子量288、沸点29.5
℃)、パーフルオロシクロペンタン(分子量250)、
パーフルオロイソペンタン(分子量288)、パーフル
オロ−3−メチルブタン(分子量288)、パーフルオ
ロ−2,2−ジメチルプロパン(分子量288)、パー
フルオロイソヘキサン(分子量338)、パーフルオロ
−3−メチルペンタン(分子量338)、パーフルオロ
−2,2−ジメチルブタン(分子量338)、パーフル
オロ−2,3−ジメチルブタン(分子量338)、パー
フルオロジメチルシクロブタン(分子量300)などが
適用できる。また、大気中での寿命が短く地球温暖化へ
の影響が小さいと考えられる高弗化炭化水素として、高
弗化アルケンがあり、パ−フルオロ−ルオロ−2−メチ
ル−2−ペンテン、パ−フルオロ−4−メチル−2−ペ
ンテンペンテン、パ−フルオロ−2−ペンテン、(パ−
フルオロブチル)エチレン、(パ−フルオロイソプロピ
ル)エチレン、ヘキサフルオロプロペン、ヘキサフルオ
ロ−1,3−ブタジエン、オクタフルオロ−2−ブテ
ン、オクタフルオロシクペンテン、3,3,4,4,4
−ペンタフルオロブテン−1、パ−フルオロヘプテン−
1、パ−フルオロオクテン−1、1H,1H,2H−パ
−フルオロ−1−オクテン、テトラフルオロエチレン等
が適用できる。
【0010】また、高弗化あるいは全弗化した炭素数3
〜8の弗化エーテルとしては、直鎖状、分岐状、環状な
どのものがある。例えば、2,2,3,3,3−ペンタ
フルオロプロピルメチルエーテル(分子量164、沸点
46℃)、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピ
ルー1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル
(分子量250、沸点58℃)、1,1,2,2−テト
ラフルオロエチルメチルエーテル(分子量132、沸点
38℃)、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−
トリフルオロメチルプロピルメチルエーテル(分子量2
32、沸点68−74℃)、パーフルオロジエチルエー
テル(分子量254)、パーフルオロ−2−ブチルテト
ラヒドロフラン(分子量416、沸点99−107℃)
などが適用できる。また、高弗化あるいは全弗化した炭
素数3〜6の弗化第3級アミンとしては、直鎖状、分岐
状、環状のどの構造でも適用できる。例えば、パーフル
オロトリエチルアミン(分子量371)、パーフルオル
ピリジン(分子量169、沸点89℃)などが好適に用
いられる。
【0011】また、炭素数4以下のヨウ素化弗化炭化水
素は、気体状態の熱伝導率が特に低く、大気中の寿命も
他の弗化物に比較して短く地球温暖化への影響も小さい
ために、気泡中に充填される揮発性化合物としては好ま
しい。具体的な化合物としては、ヘプタフルオロ−1−
アイオドプロパン、ヘプタフルオロ−2−アイオドプロ
パン、ノナフルオロ−1−アイオドプロパン、アイオド
−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、アイオドト
リフルオロメタン、1,2−ジアイオドテトラフルオロ
エタン、3−アイオド−1,1,1−トリフルオロプロ
パン、2−アイオド−1,1,1−トリフルオロエタン
等がある。また、トリフルオロ酢酸メチル、トチフルオ
ロ酢酸エチル、ペンタフルオロプロピオン酸メチル等の
弗化エステルも気体熱伝導率が低いために、本発明の断
熱発泡体の気泡中に充填される揮発性化合物として好適
に用いることができる。
【0012】二酸化炭素固定化触媒として、塩化亜鉛や
臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛等の金属ハロゲン化物と、アンモ
ニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、オキソニ
ウム塩、アルソニウム塩、スチボニウム塩、セレノニウ
ム塩、ヨードニウム塩、スタンノニウム塩等のオニウム
塩との組み合わせを用いれば、環状カ−ボネ−トが形成
される。また、オニウム塩の中でもハロゲン化オニウム
を用いることが好ましく、その中でもテトラブチルアン
モニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアイオ
ダイド等のアンモニウムハライドやスルホニウムハライ
ドが好ましい。その他、環状カ−ボネ−トの生成には、
塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ
化リチウム等のアルカリ金属のハロゲン化物と前記オニ
ウム塩を各々単独であるいは両者を併用したものも用い
ることができる。
【0013】また、ポリオ−ル中に不純物として含まれ
る微量の水がポリイソシアネートと反応して二酸化炭素
を発生したり、ウレタン反応の副反応によって二酸化炭
素が発生したりする場合でも、本発明はこの二酸化炭素
を固体化することができる。このため、断熱性の高い発
泡体が得られる。従って、発泡剤としての水を加えない
上述の製造方法においても、前記のようにして発生する
ことのある二酸化炭素の蓄積を抑えて、高い断熱性を有
する発泡体を得ることができる。さらに、本発明の製造
方法に用いる上記微粒子を含むポリオール組成物の一態
様においては、例えば図1に示すように、反応性発泡剤
および揮発性化合物が溶解したポリオール1中に、微粒
子2がコロイド分散している。また、反応性発泡剤とし
ての水のみを用い、揮発性化合物を用いない場合でも、
水単独で構成したコロイド水溶液として発泡剤を形成す
ることができる。
【0014】次に、本発明で用いる発泡核剤としての微
粒子について説明する。微粒子としては、金属微粒子、
無機微粒子、有機微粒子のいずれも用いることができ
る。金、鉄、鉛などの金属微粒子やスピネル、ムライ
ト、コーディェライト、アルミナ、タルク、チタン酸ア
ルミニウム、シリカ、ジルコニア、珪酸バリウム、酸化
チタン、酸化鉄、酸化タングステン、酸化インジウムな
どの無機微粒子がある。また、有機微粒子としては、カ
ーボンブラックやフタロシアニンなどの顔料、あるいは
アクリル樹脂、スチレン樹脂などの高分子微粒子、有機
高分子を壁材とする中空微粒子などがある。これら微粒
子は、ポリオール1gに対して10 5 個程度以上になる
ように添加すると効果があらわれる。表面修飾基として
は、エポキシ基以外に分散性の調製のために種々のもの
が用いられ、揮発性化合物あるいは反応性発泡剤が疎水
性である場合、アルキル基、芳香族アルキル基、ハロゲ
ン化アルキル基などをあげることができる。一方、揮発
性化合物あるいは反応性発泡剤が親水性である場合、カ
ルボン酸アルカリ金属塩、スルホン酸アルカリ金属塩、
ホスホン酸アルカリ金属塩、4級アンモニウム塩、4級
ホスホニウム塩、4級スルホニウム塩、水酸基、アミノ
基などがあげられる。実際に、揮発性化合物、反応性発
泡剤および表面修飾基の組合わせは、それぞれの親水
性、疎水性のバランスや各原子の親和性を十分に考慮し
て選択する必要がある。
【0015】面修飾する方法は特に限定されないが、
通常界面活性剤による表面修飾、マイクロカプセル化に
よる表面修飾や化学反応による表面修飾などが一般的で
ある。界面活性剤による表面修飾として、例えば、金属
微粒子や無機微粒子の表面を疎水性に表面修飾する場
合、水溶性の界面活性剤により金属微粒子や無機微粒子
を水中で処理した後、水溶性カルシウム塩やバリウム塩
などを添加して界面活性剤をカルシウム塩やバリウム塩
として沈澱させ、ろ過乾燥することにより、微粒子表面
を疎水化することができる。また、金属微粒子や無機微
粒子を水中に分散する場合は、まず微粒子を核としてス
テアリン酸などのカルボン酸で修飾し、修飾された表面
をさらにオクタデシルスルホン酸ナトリウムなどのスル
ホン酸アルカリ金属塩やアルキルアンモニウム塩あるい
はカルボン酸アルカリ金属塩で表面を修飾する。
【0016】マイクロカプセル化による表面修飾の方法
としては、スプレードライ法、単純コアセルベーション
法、界面反応法などがある。例えば、スプレードライ法
は、表面修飾物質を溶解した溶液中に微粒子を分散さ
せ、その分散液を瞬時に乾燥あるいは凝固させて表面修
飾を行う。一方、トポケミカルな方法は、微粒子表面で
化学反応を行わせて共有結合により表面修飾基を微粒子
に導入する方法である。この場合、水酸基やカルボキシ
ル基を有する微粒子表面に対するシランなどのカップリ
ング反応やアルコールによるエステル化反応など様々な
反応を利用することができる。
【0017】本発明の微粒子を用いた断熱発泡体の製造
時には、まず、発泡剤に親和性の修飾表面基を有する微
粒子を分散してコロイド溶液を作製し、これをポリオー
ル中に混合分散する方法がある。この方法によると、微
粒子の分散を損なうことなく、容易にポリオール組成物
を作製することができる。ポリオール組成物3中では、
図1に示すように発泡剤はポリオールに溶解していても
よいが、ポリオールに発泡剤が半溶解している状態、あ
るいは図2に示すように発泡剤5がポリオールに不溶な
状態でエマルジョン分散している場合であっても、発泡
剤中の微粒子2が発泡核の働きをするため、良好な発泡
状態を得ることができる。特に、発泡剤がポリオール組
成物中にエマルジョン分散している場合には、気泡径均
一化の効果が著しい。発泡剤中に微粒子が分散していな
い場合は、不均一な径の気泡が形成され易くなるのであ
る。
【0018】図3は、気泡6、ウレタン樹脂7および微
粒子2を含むポリウレタン発泡体の模式図である。二酸
化炭素固定化能を有するエポキシ基により表面修飾され
た微粒子を用いているため、発泡工程において発生した
気泡内の二酸化炭素は、前記微粒子と反応して有機カー
ボネート化合物を形成し固定化される。二酸化炭素と反
応する微粒子2は、発泡剤と親和性があるために、図3
のように発泡後気泡6近傍に偏析されるから、二酸化炭
素の固定化が効率的に行われる。図4では、微粒子2の
表面は、発泡剤に親和性を有する表面修飾基8およびエ
ポキシド部を有する二酸化炭素反応性基9により修飾さ
れている。エポキシド部は、表面修飾基の末端にある方
が二酸化炭素と反応しやすくなるが、表面修飾基の途中
に導入されていても二酸化炭素との反応は進行する。ま
た、エポキシ基は、水に対しても揮発性化合物に対して
も比較的親和性がある表面修飾基である。二酸化炭素の
固定には、二酸化炭素固定化触媒が必要であるが、既に
述べた二酸化炭素固定化触媒が用いられる。
【0019】発明は、容器内で樹脂発泡体原料を発泡
させて独立気泡を有する発泡体を形成した後に、気泡内
二酸化炭素の固定化反応を行わせるものであるから、
種々の形状の断熱体が容易に得られる。従って、適切な
形状の密封可能な金属層含有剛体容器中で直接、発泡成
形して断熱発泡体を形成することができる。特に、この
金属層含有剛体容器を金属製外箱と硬質樹脂製内箱を組
み合せて構成された注入口を有する密閉性の冷蔵庫用箱
体で構成すれば、本発明によって容易に断熱発泡体を得
ることができ、電気冷蔵庫の断熱箱体として好適に用い
ることができる。
【0020】また、上記のポリオール、ポリイソシアネ
ートとしては、一般の硬質ウレタン発泡に用いられる材
料を用いることができる。ポリオ−ルについては、従来
使われているポリエ−テル系ポリオ−ル、ポリエステル
系ポリオ−ルの他、硬度を得るためあるいは反応性を制
御するために、多価アルコ−ルから合成される水酸基を
多く分子内に有するポリオ−ルが適している。
【0021】本発明に用いられるポリイソシアネート
は、ジフェニルメタンジイソシアネート系、トリレンジ
イソシアネート系、キシリレンジイソシアネート系、メ
タキシリレンジイソシアネート系、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート系、リジンジイソシアネート系、イソホロ
ンジイソシアネート系、トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネート系、ダイマー酸ジイソシアネート系等が適
しており、これらに難燃性を付与したポリイソシアネー
トが最も適している。本発明において用いられるウレタ
ン反応触媒は、ゲル化触媒、泡化触媒、遅延触媒等ウレ
タン原料の反応性によって最も効果的な触媒を選ぶのが
好ましい。一般に用いられる触媒は、第3級アミン、有
機金属化合物である。アミン系触媒には、モノアミン
類、ジアミン類、トリアミン類、環状アミン類、アルコ
ールアミン類、エーテルアミン類などがある。有機金属
化合物では、有機すず化合物が最もよく用いられる。本
発明においては、一般的処方用の触媒が利用される。し
かし、沸点によっては使い分けたり各種の触媒を混合す
ることが必要である。また、その他の添加剤として、酸
化防止剤、難燃化剤等を加えることができる。
【0022】
【実施例】以下の具体的実施例では、触媒Aとして花王
(株)製カオライザーNo.1、整泡剤Aとして信越化
学(株)製F373、ポリオ−ルAとして芳香族アミン
系ポリエーテルポリオールで水酸基価500mgKOH
/g、ポリイソシアネ−トAとしてアミン等量170の
ポリイソシアネ−トを用いた。
【0023】《実施例1》 シリカ微粒子(平均粒径0.03μm)と1,2−エポ
キシプロピルメチルジクロロシランとを反応させること
により、微粒子表面をメチル基および二酸化炭素反応性
基である1,2−エポキシプロピル基で修飾した。この
微粒子1重量部、付加反応触媒としての臭化テトラブチ
ルアンモニウム0.1重量部および水1重量部をシクロ
ペンタン17重量部中に分散することで含水コロイド溶
液を作製した。この含水コロイド溶液19.1重量部
と、ポリオールA100重量部、整泡剤A3重量部およ
び触媒A3重量部を混合しポリオール組成物を調製した
ところ、発泡剤はポリオール組成物中でエマルジョン状
態であった。このポリオール組成物125.1重量部と
ポリイソシアネート138重量部とを混合して発泡を行
わせ断熱発泡体を得た。
【0024】《比較例1》 メチル基および1,2−エポキシプロピル基で修飾した
微粒子を添加しない他は実施例9と同様にして断熱発泡
体を形成した。
【0025】これらの発泡体について、断熱性能を比較
した。比較しけんは、25℃の室内で、50℃のホット
プレート上に厚さ5cmの断熱発泡体を乗せ、発泡体の
上面と下面の温度差を測定して熱伝導率を求めた。その
結果、実施例1の発泡体の断熱性は、比較例1に比べて
15%優れていた。また、平均気泡径は、比較例1が2
20μm、実施例1が120μmであった。実施例1
断熱性能が向上したのは、二酸化炭素の固定と気泡径の
微細化によると考えられる。
【0026】《実施例2》 界面活性剤である11,12−エポキシステアリン酸
0.1重量部を溶解したシクロペンタン17重量部中
に、酸化チタン微粒子(平均粒径0.02μm)1重量
部、付加反応触媒としての臭化テトラブチルアンモニウ
ム0.1重量部および水1重量部を添加し、高速で撹拌
することにより、二酸化炭素反応性基である11,12
−エポキシステアリン酸で表面修飾された酸化チタン微
粒子を分散した含水コロイド溶液を作製した。この含水
コロイド溶液19.2重量部と、ポリオールA100重
量部、整泡剤A3重量部および触媒A3重量部を混合し
ポリオール組成物を調製したところ、発泡剤はポリオー
ル組成物中でエマルジョン状態であった。このポリオー
ル組成物125.2重量部とイソシアネート138重量
部とを混合して発泡を行わせて断熱発泡体を得た。実施
例1と同様にして断熱特性を測定した結果、実施例2
発泡体の断熱性は、比較例1に比べて20%優れてい
た。また、実施例2の発泡体の平均気泡径は130μm
であった。このように断熱性能が向上したのは、二酸化
炭素の固定と気泡径の微細化によると考えられる。
【0027】
【発明の効果】発明の微粒子を添加した構成では、微
粒子が安定に分散するため製造の安定性を高めることが
できる上、原料を長期間安定に保存することもできる。
また、発泡時に気泡核剤として働くため、微細で均一な
気泡が形成され、その結果断熱性能に優れた断熱発泡体
を得ることができる。また、二酸化炭素固定化能を有す
る微粒子を用いた構成であるため、上記のように微粒子
が発泡核剤として働く他に、二酸化炭素の固定化も効率
的に行うことから、高い断熱性の発泡体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の断熱発泡体の製造に用いる
ポリオ−ル組成物を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施例の断熱発泡体の製造に用いる
ポリオール組成物を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施例により得た断熱発泡体を示す
模式図である。
【図4】本発明のエポキシド部を有する二酸化炭素反応
性基により表面修飾された微粒子の模式図である。
【符号の説明】
1 発泡剤が溶解したポリオール 2 微粒子 3 ポリオール組成物 4 ポリオール 5 反応性発泡剤あるいは揮発性化合物 6 気泡 7 ウレタン樹脂 8 表面修飾基 9 エポキシド部を有する二酸化炭素反応性基
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 貴由 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 岸本 良雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−206625(JP,A) 特開 平3−121142(JP,A) 特開 平6−322166(JP,A) 特開 平7−53757(JP,A) 特開 平7−173314(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 9/00 - 9/42 B01D 53/34 B01J 19/00 - 19/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡核剤としてエポキシ基を含む官能基
    によって表面修飾された微粒子をコロイド分散させ、二
    酸化炭素固定化触媒を含有したポリオール組成物を含む
    ポリウレタン原料を混合・発泡させて、揮発性化合物と
    二酸化炭素とを含む独立気泡を有する発泡ポリウレタン
    樹脂組成物を形成させる工程、および前記気泡中の二酸
    化炭素を前記エポキシ基と反応させて固定化する工程を
    有することを特徴とする断熱発泡体の製造方法。
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