JP3942700B2 - 発泡断熱材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫,冷凍庫などに用いる発泡断熱材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、省エネルギーの観点より発泡断熱材の熱伝導率を低減し、断熱性を向上させるというニーズがあると同時に、クロロフルオロカーボン(以下CFCと称する)、更にはハイドロクロロフルオロカーボン(以下HCFCと称する)によるオゾン層破壊、及び、地球温暖化等の環境問題が注目されており、これらを解決することが極めて重要なテーマとなっている。
【0003】
このため、代表的な発泡断熱材である硬質ウレタンフォームの製造にあたっては、CFC、及び、HCFCの使用量削減を目的として、オゾン層破壊に対する影響が全く無く、ハイドロフルオロカーボン(以下HFC)、更に地球温暖化に対しても影響の少ないハイドロカーボン(以下HCと称する)による発泡について、種々取り組みが検討されている。
【0004】
基本的に、硬質ウレタンフォームの断熱性能を向上するには、フォーム気泡内ガス成分の気体熱伝導率を低減することが重要であり、独立気泡内部のガス成分の中から気体熱伝導率の大きい炭酸ガスを取り除き、揮発性発泡剤で満たすことが効果的手段とされてきた。一方においては、揮発性発泡剤の使用量低減、発泡剤と原料成分との相溶性の問題、及び、フォーム諸物性の改善等を目的に、水などの反応性発泡剤と有機ポリイソシアネートとの反応により発生する炭酸ガスを発泡剤成分として用いることが必要不可欠であった。
【0005】
しかし、このような構成においては、気体熱伝導率の大きい炭酸ガスが発泡断熱材の気泡内に残存するため、発泡断熱材の断熱性能は悪いものとなる。こうした課題解決のアプローチとして例えば、特開平6−322166号公報で示されているように炭酸ガス吸着剤で炭酸ガス成分を除去する方法が提案されている。すなわち、炭酸ガス吸着性能に優れたアルカリ金属の水酸化物等から成る吸着剤を原料中にあらかじめ添加混合し、生成した炭酸ガスを吸着剤にて吸着除去し、気泡内を発泡剤ガスで満たすことにより断熱性能を向上させることが特徴となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−322166号公報において用いられている構成では、アルカリ金属の水酸化物等から成る吸着剤は、炭酸ガスを吸着する反応において次式に示すようにアルカリ金属炭酸塩を反応物として生成する。
【0007】
【化1】
【0008】
すなわち、発泡断熱材の独立気泡内部の炭酸ガスは、アルカリ金属の水酸化物等から成る吸着剤によって吸着除去され、独立気泡内部は、熱伝導率の低い揮発性発泡剤の比率を増加させることが可能となるが、廃棄後埋めたてられるなど反応生成物であるアルカリ金属炭酸塩を含む断熱材が積極的に水分と接触するような条件においては、周辺環境に影響を与える可能性が考えられる。
【0009】
従って、アルカリ金属の水酸化物などの炭酸ガス吸着剤によって発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去すると共に、反応物として生じるアルカリ金属炭酸塩による環境への悪影響のない優れた断熱性能を有する発泡断熱材、及び、断熱箱体を得ることが課題であった。
【0010】
本発明は、上記課題を鑑み、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを速やかに吸着除去し、さらに副反応により発生した水を水分吸着剤によって吸着除去し、かつ廃棄後反応生成物であるアルカリ金属またはアルカリ土金属の炭酸塩を含む断熱材が水分を含有した場合にも、炭酸塩が土壌に溶出し周辺環境に影響を与えることのない優れた断熱性能を有する発泡断熱材の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の発泡断熱材の製造方法は、水酸化リチウムと塩化カルシウムとシリカゲルとをシリコン系界面活性剤に分散させた懸濁液を調整する懸濁液調製ステップと、前記懸濁液とポリオール,整泡剤,触媒,反応性発泡剤,揮発性発泡剤、及び、ポリイソシアネートを同時に混合して発泡させ、独立気泡内部に水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガス、及び、揮発性発泡剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物を形成する樹脂形成ステップと、前記水酸化リチウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着して炭酸リチウムを形成し、前記独立気泡内を実質的に揮発性発泡剤で満たす炭酸ガス除去ステップと、前記水酸化リチウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着する時に発生する水分が、前記シリカゲルに吸水される水分除去ステップと、前記塩化カルシウムが前記炭酸リチウムと反応して中性の炭酸カルシウムを生成するステップとを有し、前記懸濁液中の前記シリカゲルが、前記水酸化リチウムの重量に対して0.4から1.2の範囲内であり、かつ、前記懸濁液中の塩化カルシウムが、前記水酸化リチウムのモル数に対して0.5モルから1モルの範囲内であり、かつ、懸濁液中の界面活性剤が、全固体成分の重量に対して0.5から3の範囲内にあり、前記懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し40乃至80重量部の範囲内にあることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の発泡断熱材の製造方法は、水酸化ナトリウムと塩化カルシウムとをシリコン系界面活性剤に分散させた懸濁液を調整する懸濁液調製ステップと、前記懸濁液とポリオール,整泡剤,触媒,反応性発泡剤,揮発性発泡剤、及び、ポリイソシアネートを同時に混合して発泡させ、独立気泡内部に水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガス、及び、揮発性発泡剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物を形成する樹脂形成ステップと、前記水酸化ナトリウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着して炭酸ナトリウムを形成し、前記独立気泡内を実質的に揮発性発泡剤で満たす炭酸ガス除去ステップと、前記水酸化ナトリウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着する時に発生する水分が、前記水酸化ナトリウムに吸水される水分除去ステップと、前記塩化カルシウムが前記炭酸ナトリウムと反応して中性の炭酸カルシウムを生成するステップとを有し、懸濁液中の塩化カルシウムが、水酸化ナトリウムのモル数に対して0.5モルから1モルの範囲内であり、かつ、懸濁液中の界面活性剤が、全固体成分の重量に対して0.5から3の範囲内にあり、懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し30乃至60重量部の範囲内にあることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発泡断熱材の製造方法は、水酸化リチウムと塩化カルシウムとシリカゲルとをシリコン系界面活性剤に分散させた懸濁液を調整する懸濁液調製ステップと、前記懸濁液とポリオール,整泡剤,触媒,反応性発泡剤,揮発性発泡剤、及び、ポリイソシアネートを同時に混合して発泡させ、独立気泡内部に水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガス、及び、揮発性発泡剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物を形成する樹脂形成ステップと、前記水酸化リチウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独 立気泡内の炭酸ガスを吸着して炭酸リチウムを形成し、前記独立気泡内を実質的に揮発性発泡剤で満たす炭酸ガス除去ステップと、前記水酸化リチウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着する時に発生する水分が、前記シリカゲルに吸水される水分除去ステップと、前記塩化カルシウムが前記炭酸リチウムと反応して中性の炭酸カルシウムを生成するステップとを有し、前記懸濁液中の前記シリカゲルが、前記水酸化リチウムの重量に対して0.4から1.2の範囲内であり、かつ、前記懸濁液中の塩化カルシウムが、前記水酸化リチウムのモル数に対して0.5モルから1モルの範囲内であり、かつ、懸濁液中の界面活性剤が、全固体成分の重量に対して0.5から3の範囲内にあり、前記懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し40乃至80重量部の範囲内にあることを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によって、界面活性剤の親油基のみが水酸化リチウムと接触し、水酸化リチウムは、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。また、ウレタン反応系への水酸化リチウムの溶出によるpH上昇もないため、ゲルタイムを早期化するといった弊害もなく、発泡断熱材の形成後、水酸化リチウムは、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去することが可能となる。
【0015】
また、水酸化リチウムと同時に懸濁液中の界面活性剤に分散されたシリカゲルもまた、同様の作用により、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。また、発泡断熱材の形成後には、シリカゲルは、水酸化リチウムと炭酸ガスとの副反応物として発生し、気泡中に水蒸気として存在する水分を吸着除去するため、断熱性能に優れた発泡断熱材の製造が可能である。
【0016】
また、懸濁液中の界面活性剤に分散された塩化カルシウムも同様の作用により、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン反応に影響を与えることはない。
【0017】
また、界面活性剤としてシリコン系界面活性剤を使用したため、水酸化リチウムと激しく反応することなく、水酸化リチウムをコロイド分散させた懸濁液として存在することが可能であると共に、ウレタン気泡形成にあたっても起泡の安定化を図ることができ、気泡径の微細化にも効果がある。
【0018】
また、気泡中に水蒸気として存在する水分を吸着除去するための十分なシリカゲルが供給され、また、過剰量のシリカゲルのため樹脂熱伝導率が悪化することもない。また、廃棄後反応生成物である炭酸リチウムを含む断熱材が水分を含有した場合にも、炭酸リチウムを中和するための十分な塩化カルシウムが供給され、また、過剰量の塩化カルシウムのため樹脂熱伝導率が悪化することもない。
【0019】
また、懸濁液には、水酸化リチウムおよびシリカゲルおよび塩化カルシウムがウレタン原料中においてコロイド分散微粒子となるための十分な界面活性剤が供給され、また、過剰量の界面活性剤のために樹脂熱伝導率が悪化することもなく、水酸化リチウムおよびシリカゲルおよび塩化カルシウムとウレタン原料中の水とが非接触の状態を維持できるため、ウレタン反応系に悪影響を及ぼさない。
【0020】
また、懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し40乃至80重量部の範囲内であるため、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去し、かつ、固体成分の添加による熱伝導率の悪化も抑制されている。
【0021】
また、ポリオール,整泡剤,触媒,反応性発泡剤、及び、揮発性発泡剤を含む成分と、ポリイソシアネート成分と、水酸化リチウムシリカゲルとを界面活性剤に分散させた懸濁液成分を同時に混合したため、懸濁液成分が安定な状態でウレタン発泡工程へと供給され、断熱性能の向上が得られる。
【0022】
また、塩化カルシウムは廃棄後断熱箱体が水分を含有した場合など、水の存在下で炭酸リチウムと反応し炭酸カルシウムを生成する。この反応により、フォームを含浸した水溶液のpHは7となり、アルカリ成分が環境へ与える影響が低減される。
【0023】
また、本発明の請求項2に記載の発泡断熱材の製造方法は、水酸化ナトリウムと塩化カルシウムとをシリコン系界面活性剤に分散させた懸濁液を調整する懸濁液調製ステップと、前記懸濁液とポリオール,整泡剤,触媒,反応性発泡剤,揮発性発泡剤、及び、ポリイソシアネートを同時に混合して発泡させ、独立気泡内部に水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガス、及び、揮発性発泡剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物を形成する樹脂形成ステップと、前記水酸化ナトリウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着して炭酸ナトリウムを形成し、前記独立気泡内を実質的に揮発性発泡剤で満たす炭酸ガス除去ステップと、前記水酸化ナトリウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着する時に発生する水分が、前記水酸化ナトリウムに吸水される水分除去ステップと、前記塩化カルシウムが前記炭酸ナトリウムと反応して中性の炭酸カルシウムを生成するステップとを有し、懸濁液中の塩化カルシウムが、水酸化ナトリウムのモル数に対して0.5モルから1モルの範囲内であり、かつ、懸濁液中の界面活性剤が、全固体成分の重量に対して0.5から3の範囲内にあり、懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し30乃至60重量部の範囲内にあることを特徴とするものである。
【0024】
上記構成によって、界面活性剤の親油基のみが水酸化ナトリウムと接触し、水酸化ナトリウムは、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。また、ウレタン反応系への水酸化ナトリウムの溶出によるpH上昇もないため、ゲルタイムを早期化するといった弊害もなく、発泡断熱材の形成後、水酸化ナトリウムは、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去することが可能となる。
【0025】
また、懸濁液中の界面活性剤に分散された塩化カルシウムも同様の作用により、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン反応に影響を与えることはない。
【0026】
さらに、発泡断熱材の形成後、水酸化ナトリウムは、水酸化ナトリウムと炭酸ガスとの副反応物として発生し、気泡中に水蒸気として存在する水分を吸着除去するため、吸水性物質を添加する必要がなく、熱伝導率の悪化が抑えられ、断熱性能に優れた発泡断熱材の製造が可能である。
【0027】
また、界面活性剤としてシリコン系界面活性剤を使用したため、水酸化ナトリウムと激しく反応することなく、水酸化ナトリウムをコロイド分散させた懸濁液として存在することが可能であると共に、ウレタン気泡形成にあたっても起泡の安定化を図ることができ、気泡径の微細化にも効果がある。
【0028】
また、廃棄後反応生成物である炭酸ナトリウムを含む断熱材が水分を含有した場合にも、炭酸ナトリウムを中和するための十分な塩化カルシウムが供給され、また、過剰量の塩化カルシウムのため樹脂熱伝導率が悪化することもない。
【0029】
また、懸濁液には、水酸化ナトリウムおよび塩化カルシウムがウレタン原料中においてコロイド分散微粒子となるための十分な界面活性剤が供給され、また、過剰量の界面活性剤のために樹脂熱伝導率が悪化することもなく、水酸化ナトリウムおよび塩化カルシウムとウレタン原料中の水とが非接触の状態を維持できるため、ウレタン反応系に悪影響を及ぼさない。
【0030】
また、懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し30乃至60重量部の範囲内であるため、フォーム気泡内の炭酸ガスを吸着除去し、かつ、固体成分の添加による熱伝導率の悪化も抑制されている。
【0031】
また、ポリオール,整泡剤,触媒,反応性発泡剤、及び、揮発性発泡剤を含む成分と、ポリイソシアネート成分と、水酸化ナトリウムを界面活性剤に分散させた懸濁液成分を同時に混合したため、懸濁液成分が安定な状態でウレタン発泡工程へと供給され、断熱性能の向上が得られる。
【0032】
また、塩化カルシウムは廃棄後断熱箱体が水分を含有した場合など、水の存在下で炭酸ナトリウムと反応し炭酸カルシウムを生成する。この反応により、フォームを含浸した水溶液のpHは7となり、アルカリ成分が環境へ与える影響が低減される。
【0033】
以下実施の形態について図1から図3を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例における断熱箱体を一部切り欠いた斜視図であり、図において、1は断熱箱体を示し、ABS樹脂組成物の真空成形体である第一の壁部材2と、鋼板を成形加工した第二の壁部材3とによって形成される空間部に、ポリウレタン樹脂組成物からなる発泡断熱材4が充填埋設されている。
【0034】
(実施の形態1)
実施の形態1における発泡断熱材4を図2を用いて説明すると、独立気泡5と、気泡壁6で構成され、独立気泡5の内部に揮発性発泡剤が充填されている。また、独立気泡5内部には、アルカリ金属またはアルカリ土金属の水酸化物と炭酸ガスが反応して生成したアルカリ金属またはアルカリ土金属の炭酸塩7と、前記炭酸塩を中和する性質を有する金属化合物8と、水分を含有した吸水性物質9がそれぞれ分散されているものである。
【0035】
(実施の形態2)
実施の形態2における発泡断熱材4を図3を用いて説明すると、独立気泡5と、気泡壁6で構成され、独立気泡5の内部に揮発性発泡剤が充填されている。また、独立気泡5内部には、アルカリ金属水酸化物と炭酸ガスが反応して生成したアルカリ金属炭酸塩7と、前記炭酸塩を中和する性質を有する金属化合物8がそれぞれ分散されているものである。
【0036】
(実施例1)
図4に本発明の製造方法のフローチャートを示す。懸濁液調製ステップ1においては、アルカリ金属水酸化物には平均粒径300μmの東洋ケミカルズ製水酸化リチウム(1水和物)試薬を、水分吸着剤には平均粒子径200μmの富士シリシア化学製シリカゲルA型を、炭酸塩を中性化する金属化合物には和光純薬(株)製塩化カルシウムを、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化リチウム対吸水性物質の重量比が1:0.4であり、かつ、水酸化リチウム対塩化カルシウムのモル比が1:0.5であり、かつ、全固形成分対界面活性剤の重量比が1:0.5のコロイド分散懸濁液を調製した。また、ポリオールは芳香族アミン系ポリエーテルポリオールとエチレンジアミン系ポリエーテルポリオールの混合物でトータル水酸基価460mgKOH/g、整泡剤は信越化学(株)社製F−335、触媒は花王(株)製カオライザーNo.1、反応性発泡剤は純水、揮発性発泡剤はシクロペンタンを使用した。以上の各原料を所定の配合部数で混合し、プレミックス成分として構成した。
【0037】
一方、イソシアネート成分は、アミン当量135のポリメリックMDIから成る有機ポリイソシアネートである。
【0038】
樹脂形成ステップ2において、上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化リチウムを10部、シリカゲルを4部、塩化カルシウム14部含むコロイド分散懸濁液成分42重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。樹脂形成後、炭酸ガス除去ステップ3および水分除去ステップ4を経て、高断熱発泡ウレタン断熱材を得た。
【0039】
(実施例2)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径50μmの関東電化工業(株)製水酸化ナトリウム試薬を、炭酸塩を中性化する金属化合物には和光純薬(株)製塩化カルシウムを、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対塩化カルシウムのモル比が1:0.5であり、かつ、全固形成分対界面活性剤の重量比が1:0.5であるコロイド分散懸濁液液を調製した。
【0040】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0041】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを10部、塩化カルシウムを14部含むコロイド分散懸濁液成分36重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0042】
(比較例A)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径300μmの東洋ケミカルズ製水酸化リチウム(1水和物)試薬を、水分吸着物質には平均粒子径200μmの富士シリシア化学製シリカゲルA型を、炭酸塩を中性化する金属化合物には和光純薬(株)製塩化マグネシウムを、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化リチウム対吸水性物質の重量比が1:0.4であり、かつ、水酸化リチウム対塩化マグネシウムのモル比が1:0.5であり、かつ、全固形成分対界面活性剤の重量比が1:0.5のコロイド分散懸濁液を調製した。
【0043】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0044】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化リチウムを10部、シリカゲルを4部、塩化マグネシウムを12部含むコロイド分散懸濁液成分39重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0045】
(比較例B)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径300μmの東洋ケミカルズ製水酸化リチウム(1水和物)試薬を、水分吸着物質には平均粒子径200μmの富士シリシア化学製シリカゲルA型を、炭酸塩を中性化する金属化合物には和光純薬(株)製塩化カルシウムを、担体液体には旭電化工業製エポキシ樹脂EP−4300を使用し、水酸化リチウム対吸水性物質の重量比が1:0.4であり、かつ、水酸化リチウム対塩化カルシウムのモル比が1:0.5であり、かつ、全固形成分対担体液体の重量比が1:0.5のコロイド分散懸濁液を調製した。
【0046】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0047】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化リチウムを10部、シリカゲルを4部、塩化カルシウムを14部含む懸濁液成分42重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0048】
(比較例C)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径300μmの東洋ケミカルズ製水酸化リチウム(1水和物)試薬を、水分吸着物質には平均粒子径200μmの富士シリシア化学製シリカゲルA型を、炭酸塩を中性化する金属化合物には和光純薬(株)製塩化カルシウムを、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化リチウム対吸水性物質の重量比が1:0.2であり、かつ、水酸化リチウム対塩化カルシウムのモル比が1:0.5であり、かつ、全固形成分対界面活性剤の重量比が1:0.5のコロイド分散懸濁液を調製した。
【0049】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0050】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化リチウムを10部、シリカゲルを2部、塩化カルシウムを14部含むコロイド分散懸濁液成分39重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0051】
(比較例D)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径300μmの東洋ケミカルズ製水酸化リチウム(1水和物)試薬を、水分吸着物質には平均粒子径200μmの富士シリシア化学製シリカゲルA型を、炭酸塩を中性化する金属化合物には和光純薬(株)製塩化カルシウムを、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化リチウム対吸水性物質の重量比が1:1.5であり、かつ、水酸化リチウム対塩化カルシウムのモル比が1:0.5であり、かつ、全固形成分対界面活性剤の重量比が1:0.5のコロイド分散懸濁液を調製した。
【0052】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0053】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化リチウムを10部、シリカゲルを15部、塩化カルシウムを14部含むコロイド分散懸濁液成分59重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0054】
(比較例E)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径300μmの東洋ケミカルズ製水酸化リチウム(1水和物)試薬を、水分吸着物質には平均粒子径200μmの富士シリシア化学製シリカゲルA型を、炭酸塩を中性化する金属化合物には和光純薬(株)製塩化カルシウムを、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化リチウム対吸水性物質の重量比が1:0.4であり、かつ、水酸化リチウム対塩化カルシウムのモル比が1:0.5であり、かつ、全固形成分対界面活性剤の重量比が1:0.5のコロイド分散懸濁液を調製した。
【0055】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0056】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化リチウムを9部、シリカゲルを4部、塩化カルシウムを12部含むコロイド分散懸濁液成分38重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0057】
(比較例F)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径300μmの東洋ケミカルズ製水酸化リチウム(1水和物)試薬を、水分吸着物質には平均粒子径200μmの富士シリシア化学製シリカゲルA型を、炭酸塩を中性化する金属化合物には和光純薬(株)製塩化カルシウムを、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化リチウム対吸水性物質の重量比が1:0.4であり、かつ、水酸化リチウム対塩化カルシウムのモル比が1:0.5であり、かつ、全固形成分対界面活性剤の重量比が1:0.5のコロイド分散懸濁液を調製した。
【0058】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0059】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化リチウムを20部、シリカゲルを8部、塩化カルシウムを28部含むコロイド分散懸濁液成分84重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0060】
(比較例G)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径50μmの関東電化工業製水酸化ナトリウム試薬を、炭酸塩を中性化する金属化合物には和光純薬(株)製塩化カルシウムを、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対塩化カルシウムのモル比が1:0.4であり、かつ、全固形成分対界面活性剤の重量比が1:0.5のコロイド分散懸濁液を調製した。
【0061】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0062】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを10部、塩化カルシウムを12部含むコロイド分散懸濁液成分33重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0063】
(比較例H)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径50μmの関東電化工業製水酸化ナトリウム試薬を、炭酸塩を中性化する金属化合物には和光純薬(株)製塩化カルシウムを、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対塩化カルシウムのモル比が1:1.1であり、かつ、全固形成分対界面活性剤の重量比が1:0.5のコロイド分散懸濁液を調製した。
【0064】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0065】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを10部、塩化カルシウムを31部含むコロイド分散懸濁液成分61重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0066】
(比較例I)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径50μmの関東電化工業製水酸化ナトリウム試薬を、炭酸塩を中性化する金属化合物には和光純薬(株)製塩化カルシウムを、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対塩化カルシウムのモル比が1:0.5であり、かつ、全固形成分対界面活性剤の重量比が1:0.4のコロイド分散懸濁液を調製した。
【0067】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0068】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを10部、塩化カルシウムを14部含むコロイド分散懸濁液成分34重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0069】
(比較例J)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径50μmの関東電化工業製水酸化ナトリウム試薬を、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対塩化カルシウムのモル比が1:0.5であり、かつ、全固形成分対界面活性剤の重量比が1:3.1のコロイド分散懸濁液を調製した。
【0070】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0071】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを10部、塩化カルシウムを14部含むコロイド分散懸濁液成分98重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0072】
(比較例K)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径50μmの関東電化工業製水酸化ナトリウム試薬を、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対塩化カルシウムのモル比が1:0.5であり、かつ、全固形成分対界面活性剤の重量比が1:0.5のコロイド分散懸濁液を調製した。
【0073】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0074】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを7部、塩化カルシウムを10部含むコロイド分散懸濁液成分25重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0075】
(比較例L)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径50μmの関東電化工業製水酸化ナトリウム試薬を、炭酸塩を中性化する金属化合物には和光純薬(株)製塩化カルシウムを、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対塩化カルシウムのモル比が1:0.5であり、かつ、全固形成分対界面活性剤の重量比が1:0.5のコロイド分散懸濁液を調製した。
【0076】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0077】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを18部、塩化カルシウムを25部含むコロイド分散懸濁液成分65重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0078】
(比較例M)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径50μmの関東電化工業製水酸化ナトリウム試薬を、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、全固形成分対界面活性剤の重量比が1:0.5のコロイド分散懸濁液を調製した。
【0079】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0080】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを10部含むコロイド分散懸濁液成分15重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0081】
以上の実施例1、及び、実施例2,比較例Aから比較例Mの発泡断熱材を解体し、フォームサンプルの初期密度と、気泡内ガス組成と、発泡1日後、及び、7日後のフォーム熱伝導率,ゲルタイム、及び、フォームを含浸した水溶液のpH値を測定した。
【0082】
なお、熱伝導率は、発泡断熱材から20×20×2.5cmサイズのフォームを切り出し、英弘精機(株)社製AUTO−Aにて測定した。また、気泡内ガス組成は、(株)島津製作所社製ガスクロマトグラフィーに測定した。
【0083】
(表1)に実施例1、及び、比較例A,比較例B,比較例C,比較例D,比較例E,比較例Fについて配合部数と評価結果について示す。
【0084】
(表2)に実施例2、及び、比較例G,比較例H,比較例I,比較例J,比較例K,比較例L,比較例Mについて配合部数と評価結果について示す。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
このように本発明における実施例1では、炭酸ガスと反応する水酸化物として水酸化リチウムを、水酸化リチウムと炭酸ガスとの反応の副生成物として生成する水分を吸着する水分吸着剤としてシリカゲルを、炭酸塩を中性化する金属化合物として塩化カルシウムを、また、水酸化リチウム及びシリカゲル及び金属化合物を表面修飾し、コロイド分散微粒子とするための界面活性剤としてシリコン系界面活性剤を用いることにより、界面活性剤の親油基のみが水酸化リチウムと接触し、水酸化リチウムは、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。また、ウレタン反応系への水酸化リチウムの溶出によるpH上昇もないため、ゲルタイムを早期化するといった弊害もなく、発泡断熱材の形成後、水酸化リチウムは、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去することが可能となる。
【0088】
また、水酸化リチウムと同時に懸濁液中の界面活性剤に分散されたシリカゲルもまた、同様の作用により、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。また、発泡断熱材の形成後には、シリカゲルは、水酸化リチウムと炭酸ガスとの副反応物として発生し、気泡中に水蒸気として存在する水分を吸着除去するため、断熱性能に優れた発泡断熱材の製造が可能であることが判った。
【0089】
また、懸濁液中の界面活性剤に分散された金属化合物も同様の作用により、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン反応に影響を与えることはない。
【0090】
また、界面活性剤としてシリコン系界面活性剤を使用したため、水酸化リチウムと激しく反応することなく、水酸化リチウムをコロイド分散させた懸濁液として存在することが可能であると共に、ウレタン気泡形成にあたっても起泡の安定化を図ることができ、気泡径の微細化にも効果がある。
【0091】
また、懸濁液中の界面活性剤対水酸化リチウムの重量比が0.5:1であるため、水酸化リチウムがウレタン原料中でコロイド分散微粒子となるための十分な界面活性剤が供給され、また、過剰量の界面活性剤のために樹脂熱伝導率が悪化することもなく、水酸化リチウムとウレタン原料中の純水とが非接触の状態を維持できるため、ウレタン反応系に悪影響を及ぼさない。
【0092】
また、懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し42重量部であるため、フォーム気泡内の炭酸ガスを完全に吸着除去し、かつ、固体成分の添加による熱伝導率の悪化も抑制されている。
【0093】
また、ポリオール,整泡剤,触媒,反応性発泡剤、及び、揮発性発泡剤を含む成分と、ポリイソシアネート成分と、水酸化リチウムシリカゲルとを界面活性剤に分散させた懸濁液成分を同時に混合したため、懸濁液成分が安定な状態でウレタン発泡工程へと供給され、断熱性能の向上が得られたものである。
【0094】
また、塩化カルシウムは廃棄後断熱箱体が水分を含有した場合など、水の存在下で炭酸リチウムと反応し炭酸カルシウムを生成する。この反応により、フォームを含浸した水溶液のpHは7となり、アルカリ成分が環境へ与える影響が低減されることが予想される。
【0095】
比較例Aでは、フォームを含浸した水溶液のpHは8とややアルカリ性であった。これは塩化マグネシウムと炭酸リチウムとの反応生成物である炭酸マグネシウムの水への溶解度が9.4mgであることによるものと考えられる。
【0096】
比較例Bでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは、水酸化リチウム及びシリカゲル及び塩化カルシウムをエポキシ樹脂による懸濁液で供給したため、水酸化リチウム及びシリカゲルがウレタン原料と直接接触し、水酸化リチウム及びシリカゲルによる純水の吸着が生じ、その結果フォーム密度が増大したことによるものと考えられる。また、水酸化リチウムとウレタン原料との反応が生じたことにより、ゲルタイムが短縮され充填性も悪化した。
【0097】
比較例Cでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは吸水性物質量が少ないために、炭酸ガスと水酸化リチウムとの反応によって生じる水分が気泡内に拡散しているためであると考えられる。
【0098】
比較例Dでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは、吸水性物質量が過剰であるために、樹脂熱伝導率が悪化したためであると考えられる。
【0099】
比較例Eでは、炭酸ガスの吸着除去量が少なく、熱伝導率の低減も小さかった。これは、懸濁液の添加量が38部であることから、水酸化リチウムの添加量が十分でないためであると考えられる。
【0100】
比較例Fでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは、懸濁液の添加量が84部であることから、添加量が過剰であったため樹脂熱伝導率が悪化したものと考えられる。
【0101】
本発明における実施例2では、炭酸ガスと反応する水酸化物として水酸化ナトリウムを、炭酸塩を中性化する金属化合物として塩化カルシウムを、また、水酸化ナトリウム及び金属化合物を表面修飾し、コロイド分散微粒子とするための界面活性剤としてシリコン系界面活性剤を用いることにより、懸濁液中で界面活性剤に分散された水酸化ナトリウムは、ウレタン原料と混合されることによって界面活性剤に表面修飾されたコロイド分散微粒子を形成する。このため、界面活性剤の親油基のみが水酸化ナトリウムと接触し、水酸化ナトリウムは、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。また、ウレタン反応系への水酸化ナトリウムの溶出によるpH上昇もないため、ゲルタイムを早期化するといった弊害もなく、発泡断熱材の形成後、水酸化ナトリウムは、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去することが可能となる。
【0102】
また、懸濁液中の界面活性剤に分散された金属化合物も同様の作用により、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン反応に影響を与えることはない。
【0103】
さらに、発泡断熱材の形成後、水酸化ナトリウムは、水酸化ナトリウムと炭酸ガスとの副反応物として発生し、気泡中に水蒸気として存在する水分を吸着除去するため、吸水性物質を添加する必要がなく、熱伝導率の悪化が抑えられ、断熱性能に優れた発泡断熱材の製造が可能であることが判った。
【0104】
さらに、アルカリ金属水酸化物が、吸湿性の高い水酸化ナトリウムであるため、発泡断熱材形成後の炭酸ガス吸着反応過程において副反応物として生成する水分を吸着除去する。これによって、水分吸着剤を添加することなく水酸化物と炭酸ガスとの反応の副生成物である水分を吸着除去できるため、水分吸着剤の添加による樹脂熱伝導率の悪化が抑制できると考える。
【0105】
また、界面活性剤としてシリコン系界面活性剤を使用したため、水酸化ナトリウムと激しく反応することなく、水酸化ナトリウムをコロイド分散させた懸濁液として存在することが可能であると共に、ウレタン気泡形成にあたっても起泡の安定化を図ることができ、気泡径の微細化にも効果がある。
【0106】
また、懸濁液中の界面活性剤対全固形成分の重量比が0.5:1であるため、水酸化ナトリウムがウレタン原料中でコロイド分散微粒子となるための十分な界面活性剤が供給され、また、過剰量の界面活性剤のために樹脂熱伝導率が悪化することもなく、水酸化ナトリウムとウレタン原料中の純水とが非接触の状態を維持できるため、ウレタン反応系に悪影響を及ぼさない。
【0107】
また、懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し36重量部であるため、フォーム気泡内の炭酸ガスを完全に吸着除去し、かつ、固体成分の添加による熱伝導率の悪化も抑制されている。
【0108】
また、ポリオール,整泡剤,触媒,反応性発泡剤、及び、揮発性発泡剤を含む成分と、ポリイソシアネート成分と、水酸化ナトリウムを界面活性剤に分散させた懸濁液成分を同時に混合したため、懸濁液成分が安定な状態でウレタン発泡工程へと供給され、断熱性能の向上が得られたものと考える。
【0109】
また、塩化カルシウムは廃棄後断熱箱体が水分を含有した場合など、水の存在下で炭酸ナトリウムと反応し炭酸カルシウムを生成する。この反応により、フォームを含浸した水溶液のpHは7となり、アルカリ成分が環境へ与える影響が低減されることが予想される。
【0110】
比較例Iでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは、全固形成分に対する界面活性剤量が少ないために、ウレタン原料中で十分なコロイド分散微粒子とならなかった水酸化リチウムの一部による純水の吸着が生じ、その結果フォーム密度が増大したことによるものと考えられる。また、水酸化ナトリウムとウレタン原料との反応が生じたことにより、ゲルタイムが短縮され充填性も悪化した。
【0111】
比較例Jでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは、界面活性剤の添加量が過剰であるために、樹脂熱伝導率が悪化したためであると考えられる。
【0112】
比較例Kでは、炭酸ガスの吸着除去量が少なく、熱伝導率の低減も小さかった。これは、懸濁液の添加量が25部であることから、水酸化ナトリウムの添加量が十分でないためであると考えられる。
【0113】
比較例Lでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは、懸濁液の添加量が65部であることから、添加量が過剰であったため樹脂熱伝導率が悪化したものと考えられる。
【0114】
なお、比較例Mでは、炭酸ガス及び水分が除去されているが、炭酸塩を中性化する金属化合物が添加されていないため、フォーム含浸水溶液のpHは13と高く、環境に影響を与える可能性がある。
【0115】
以上の結果から、本発明により、地球環境を守る上で必要不可欠なオゾン破壊係数0、地球温暖化に与える影響も殆ど無いハイドロカーボンの一つであるシクロペンタンをウレタンフォーム用発泡剤として、高断熱性能を有し、かつ環境負荷の低い高品質な発泡断熱材と発泡断熱材の製造方法、および、前記発泡断熱材を発泡充填した高品質な断熱箱体が提供できるのである。
【0116】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発泡断熱材の製造方法は、水酸化リチウムと塩化カルシウムとシリカゲルとをシリコン系界面活性剤に分散させた懸濁液を調整する懸濁液調製ステップと、前記懸濁液とポリオール,整泡剤,触媒,反応性発泡剤,揮発性発泡剤、及び、ポリイソシアネートを同時に混合して発泡させ、独立気泡内部に水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガス、及び、揮発性発泡剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物を形成する樹脂形成ステップと、前記水酸化リチウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着して炭酸リチウムを形成し、前記独立気泡内を実質的に揮発性発泡剤で満たす炭酸ガス除去ステップと、前記水酸化リチウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着する時に発生する水分が、前記シリカゲルに吸水される水分除去ステップと、前記塩化カルシウムが前記炭酸リチウムと反応して中性の炭酸カルシウムを生成するステップとを有し、前記懸濁液中の前記シリカゲルが、前記水酸化リチウムの重量に対して0.4から1.2の範囲内であり、かつ、前記懸濁液中の塩化カルシウムが、前記水酸化リチウムのモル数に対して0.5モルから1モルの範囲内であり、かつ、懸濁液中の界面活性剤が、全固体成分の重量に対して0.5から3の範囲内にあり、前記懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し40乃至80重量部の範囲内にあることを特徴とするものである。
【0117】
上記構成によって、界面活性剤の親油基のみが水酸化リチウムと接触し、水酸化リチウムは、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。また、ウレタン反応系への水酸化リチウムの溶出によるpH上昇もないため、ゲルタイムを早期化するといった弊害もなく、発泡断熱材の形成後、水酸化リチウムは、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去す ることが可能となる。
【0118】
また、水酸化リチウムと同時に懸濁液中の界面活性剤に分散されたシリカゲルもまた、同様の作用により、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。また、発泡断熱材の形成後には、シリカゲルは、水酸化リチウムと炭酸ガスとの副反応物として発生し、気泡中に水蒸気として存在する水分を吸着除去するため、断熱性能に優れた発泡断熱材の製造が可能である。
【0119】
また、懸濁液中の界面活性剤に分散された塩化カルシウムも同様の作用により、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン反応に影響を与えることはない。
【0120】
また、界面活性剤としてシリコン系界面活性剤を使用したため、水酸化リチウムと激しく反応することなく、水酸化リチウムをコロイド分散させた懸濁液として存在することが可能であると共に、ウレタン気泡形成にあたっても起泡の安定化を図ることができ、気泡径の微細化にも効果がある。
【0121】
また、気泡中に水蒸気として存在する水分を吸着除去するための十分なシリカゲルが供給され、また、過剰量のシリカゲルのため樹脂熱伝導率が悪化することもない。また、廃棄後反応生成物である炭酸リチウムを含む断熱材が水分を含有した場合にも、炭酸リチウムを中和するための十分な塩化カルシウムが供給され、また、過剰量の塩化カルシウムのため樹脂熱伝導率が悪化することもない。
【0122】
また、懸濁液には、水酸化リチウムおよびシリカゲルおよび塩化カルシウムがウレタン原料中においてコロイド分散微粒子となるための十分な界面活性剤が供給され、また、過剰量の界面活性剤のために樹脂熱伝導率が悪化することもなく、水酸化リチウムおよびシリカゲルおよび塩化カルシウムとウレタン原料中の水とが非接触の状態を維持できるため、ウレタン反応系に悪影響を及ぼさない。
【0123】
また、懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し40乃至80重量部の範囲内であるため、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去し、かつ、固体成分の添加による熱伝導率の悪化も抑制されている。
【0124】
また、ポリオール,整泡剤,触媒,反応性発泡剤、及び、揮発性発泡剤を含む成分と、ポリイソシアネート成分と、水酸化リチウムシリカゲルとを界面活性剤に分散させた懸濁液成分を同時に混合したため、懸濁液成分が安定な状態でウレタン発泡工程へと供給され、断熱性能の向上が得られる。
【0125】
また、塩化カルシウムは廃棄後断熱箱体が水分を含有した場合など、水の存在下で炭酸リチウムと反応し炭酸カルシウムを生成する。この反応により、フォームを含浸した水溶液のpHは7となり、アルカリ成分が環境へ与える影響が低減される。
【0126】
また、本発明の請求項2に記載の発泡断熱材の製造方法は、水酸化ナトリウムと塩化カルシウムとをシリコン系界面活性剤に分散させた懸濁液を調整する懸濁液調製ステップと、前記懸濁液とポリオール,整泡剤,触媒,反応性発泡剤,揮発性発泡剤、及び、ポリイソシアネートを同時に混合して発泡させ、独立気泡内部に水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガス、及び、揮発性発泡剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物を形成する樹脂形成ステップと、前記水酸化ナトリウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着して炭酸ナトリウムを形成し、前記独立気泡内を実質的に揮発性 発泡剤で満たす炭酸ガス除去ステップと、前記水酸化ナトリウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着する時に発生する水分が、前記水酸化ナトリウムに吸水される水分除去ステップと、前記塩化カルシウムが前記炭酸ナトリウムと反応して中性の炭酸カルシウムを生成するステップとを有し、懸濁液中の塩化カルシウムが、水酸化ナトリウムのモル数に対して0.5モルから1モルの範囲内であり、かつ、懸濁液中の界面活性剤が、全固体成分の重量に対して0.5から3の範囲内にあり、懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し30乃至60重量部の範囲内にあることを特徴とするものである。
【0127】
上記構成によって、界面活性剤の親油基のみが水酸化ナトリウムと接触し、水酸化ナトリウムは、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。また、ウレタン反応系への水酸化ナトリウムの溶出によるpH上昇もないため、ゲルタイムを早期化するといった弊害もなく、発泡断熱材の形成後、水酸化ナトリウムは、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去することが可能となる。
【0128】
また、懸濁液中の界面活性剤に分散された塩化カルシウムも同様の作用により、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン反応に影響を与えることはない。
【0129】
さらに、発泡断熱材の形成後、水酸化ナトリウムは、水酸化ナトリウムと炭酸ガスとの副反応物として発生し、気泡中に水蒸気として存在する水分を吸着除去するため、吸水性物質を添加する必要がなく、熱伝導率の悪化が抑えられ、断熱性能に優れた発泡断熱材の製造が可能である。
【0130】
また、界面活性剤としてシリコン系界面活性剤を使用したため、水酸化ナトリウムと激しく反応することなく、水酸化ナトリウムをコロイド分散させた懸濁液として存在することが可能であると共に、ウレタン気泡形成にあたっても起泡の安定化を図ることができ、気泡径の微細化にも効果がある。
【0131】
また、廃棄後反応生成物である炭酸ナトリウムを含む断熱材が水分を含有した場合にも、炭酸ナトリウムを中和するための十分な塩化カルシウムが供給され、また、過剰量の塩化カルシウムのため樹脂熱伝導率が悪化することもない。
【0132】
また、懸濁液には、水酸化ナトリウムおよび塩化カルシウムがウレタン原料中においてコロイド分散微粒子となるための十分な界面活性剤が供給され、また、過剰量の界面活性剤のために樹脂熱伝導率が悪化することもなく、水酸化ナトリウムおよび塩化カルシウムとウレタン原料中の水とが非接触の状態を維持できるため、ウレタン反応系に悪影響を及ぼさない。
【0133】
また、懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し30乃至60重量部の範囲内であるため、フォーム気泡内の炭酸ガスを吸着除去し、かつ、固体成分の添加による熱伝導率の悪化も抑制されている。
【0134】
また、ポリオール,整泡剤,触媒,反応性発泡剤、及び、揮発性発泡剤を含む成分と、ポリイソシアネート成分と、水酸化ナトリウムを界面活性剤に分散させた懸濁液成分を同時に混合したため、懸濁液成分が安定な状態でウレタン発泡工程へと供給され、断熱性能の向上が得られる。
【0135】
また、塩化カルシウムは廃棄後断熱箱体が水分を含有した場合など、水の存在下で炭酸 ナトリウムと反応し炭酸カルシウムを生成する。この反応により、フォームを含浸した水溶液のpHは7となり、アルカリ成分が環境へ与える影響が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例における断熱箱体の一部切り欠いた斜視図
【図2】本発明の実施形態1による発泡断熱材の模式図
【図3】本発明の実施形態2による発泡断熱材の模式図
【図4】本発明による発泡断熱材製造方法のフローチャート
【符号の説明】
1 断熱箱体
2 第一の壁部材
3 第二の壁部材
4 発泡断熱材
5 気泡
6 気泡壁
7 アルカリ金属またはアルカリ土金属の炭酸塩
8 吸水性物質
9 金属化合物
10 懸濁液調製ステップ
11 樹脂形成ステップ
12 炭酸ガス除去ステップ
13 水分除去ステップ
Claims (2)
- 水酸化リチウムと塩化カルシウムとシリカゲルとをシリコン系界面活性剤に分散させた懸濁液を調整する懸濁液調製ステップと、前記懸濁液とポリオール,整泡剤,触媒,反応性発泡剤,揮発性発泡剤、及び、ポリイソシアネートを同時に混合して発泡させ、独立気泡内部に水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガス、及び、揮発性発泡剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物を形成する樹脂形成ステップと、前記水酸化リチウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着して炭酸リチウムを形成し、前記独立気泡内を実質的に揮発性発泡剤で満たす炭酸ガス除去ステップと、前記水酸化リチウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着する時に発生する水分が、前記シリカゲルに吸水される水分除去ステップと、前記塩化カルシウムが前記炭酸リチウムと反応して中性の炭酸カルシウムを生成するステップとを有し、前記懸濁液中の前記シリカゲルが、前記水酸化リチウムの重量に対して0.4から1.2の範囲内であり、かつ、前記懸濁液中の塩化カルシウムが、前記水酸化リチウムのモル数に対して0.5モルから1モルの範囲内であり、かつ、懸濁液中の界面活性剤が、全固体成分の重量に対して0.5から3の範囲内にあり、前記懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し40乃至80重量部の範囲内にある発泡断熱材の製造方法。
- 水酸化ナトリウムと塩化カルシウムとをシリコン系界面活性剤に分散させた懸濁液を調整する懸濁液調製ステップと、前記懸濁液とポリオール,整泡剤,触媒,反応性発泡剤,揮発性発泡剤、及び、ポリイソシアネートを同時に混合して発泡させ、独立気泡内部に水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガス、及び、揮発性発泡剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物を形成する樹脂形成ステップと、前記水酸化ナトリウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着して炭酸ナトリウムを形成し、前記独立気泡内を実質的に揮発性発泡剤で満たす炭酸ガス除去ステップと、前記水酸化ナトリウムが発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着する時に発生する水分が、前記水酸化ナトリウムに吸水される水分除去ステップと、前記塩化カルシウムが前記炭酸ナトリウムと反応して中性の炭酸カルシウムを生成するステップとを有し、懸濁液中の塩化カルシウムが、水酸化ナトリウムのモル数に対して0.5モルから1モルの範囲内であり、かつ、懸濁液中の界面活性剤が、全固体成分の重量に対して0.5から3の範囲内にあり、懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し30乃至60重量部の範囲内にある発泡断熱材の製造方法。
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