JP3641080B2 - 発泡断熱材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫、冷凍庫などに用いる発泡断熱材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、省エネルギーの観点より発泡断熱材の熱伝導率を低減し、断熱性を向上させるというニーズがあると同時に、クロロフルオロカーボン(以下CFCと称する)、更にはハイドロクロロフルオロカーボン(以下HCFCと称する)によるオゾン層破壊、及び、地球温暖化等の環境問題が注目されており、これらを解決することが極めて重要なテーマとなっている。
【0003】
このため、代表的な発泡断熱材である硬質ウレタンフォームの製造にあたっては、CFC、及び、HCFCの使用量削減を目的として、オゾン層破壊に対する影響が全く無く、ハイドロフルオロカーボン(以下HFC)、更に地球温暖化に対しても影響の少ないハイドロカーボン(以下HC称する)による発泡について、種々取り組みが検討されている。
【0004】
基本的に、硬質ウレタンフォームの断熱性能を向上するには、フォーム気泡内ガス成分の気体熱伝導率を低減することが重要であり、独立気泡内部のガス成分の中から気体熱伝導率の大きい炭酸ガスを取り除き、揮発性発泡剤で満たすことが効果的手段とされてきた。
【0005】
一方においては、揮発性発泡剤の使用量低減、発泡剤と原料成分との相溶性の問題、及び、フォーム諸物性の改善等を目的に、水などの反応性発泡剤と有機ポリイソシアネートとの反応により発生する炭酸ガスを発泡剤成分として用いることが必要不可欠であった。
【0006】
しかし、このような構成においては、気体熱伝導率の大きい炭酸ガスが発泡断熱材の気泡内に残存するため、発泡断熱材の断熱性能は悪いものとなる。
【0007】
こうした課題解決のアプローチとして例えば、特開平8−81574号公報で示されているように炭酸ガス吸着性試薬で炭酸ガス成分を除去する方法が提案されている。すなわち、炭酸ガス吸着性能にすぐれたアルカリ金属水酸化物を100センチポイズ〜1000センチポイズの範囲内の粘度を25℃で有している担体液体により懸濁質としたものを原料中にあらかじめ添加混合し、生成した炭酸ガスを吸着除去し、気泡内を発泡剤ガスで満たすことにより断熱性能を向上させることが特徴となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−81574号公報において用いられている構成では、ウレタン原料と混合過程において、アルカリ金属水酸化物とウレタン原料が反応し、フォーム密度やウレタン反応の反応性に悪影響を与える。
【0009】
すなわち、アルカリ金属水酸化物は吸水性が高く、原料と直接接触することにより原料中の水分を吸収するため、発泡効率が低下し、その結果フォーム密度が増大する。また、アルカリ金属水酸化物の添加により反応系のpHが上昇することにより、反応性が向上しゲル化が促進される。
【0010】
よって、発泡断熱材の独立気泡内部の炭酸ガスはアルカリ金属水酸化物によって吸着除去され、実質的に独立気泡内部のガス組成中の揮発性発泡剤の比率は高くなり、気体熱伝導率は低下するが、フォーム密度の増加による樹脂熱伝導率の悪化、及び、ゲルタイムの短縮による充填性の悪化が問題として予想される。
【0011】
従って、アルカリ金属、または、アルカリ土金属の水酸化物によって発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去し、断熱性の向上、かつ、良好な充填性を得るためには、アルカリ金属、またはアルカリ土金属の水酸化物をウレタン原料と非接触の状態にし、ウレタン反応系に影響のない発泡断熱材の製造方法を提供することが課題であった。
【0012】
本発明は、上記課題を鑑み、アルカリ金属、または、アルカリ土金属の水酸化物とウレタン原料とを非接触にすることにより、ウレタン反応系に影響を与えずに発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを速やかに吸着除去し、高断熱性能を有する発泡断熱材の製造方法を供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の発泡断熱材の製造方法は、アルカリ金属、または、アルカリ土金属の少なくとも一種以上の水酸化物と、有機または無機化合物の少なくとも一種以上の吸水性物質とを親水基と親油基を有する界面活性剤に分散させた懸濁液を調整する懸濁液調整ステップと、前記懸濁液とポリオール、整泡剤、触媒、反応性発泡剤、揮発性発泡剤、及び、ポリイソシアネートを混合して発泡させ、独立気泡内部に水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガス、及び、揮発性発泡剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物を形成する樹脂形成ステップと、前記水酸化物が発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着して炭酸塩を形成し、前記独立気泡内を実質的に揮発性発泡剤で満たす炭酸ガス除去ステップと、前記水酸化物が発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着する時に発生する水分が、前記吸水性物質に吸水される水分除去ステップとを有するものである。
【0014】
また、アルカリ金属、または、アルカリ土金属の少なくとも一種以上の水酸化物が、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムの少なくとも一種以上を含んでなることを特徴とするものである。
【0015】
また、アルカリ金属水酸化物を親水基と親油基を有する界面活性剤に分散させた懸濁液を調整する懸濁液調整ステップと、前記懸濁液とポリオール、整泡剤、触媒、反応性発泡剤、揮発性発泡剤、及び、ポリイソシアネートを混合して発泡させ、独立気泡内部に水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガス、及び、揮発性発泡剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物を形成する樹脂形成ステップと、前記水酸化物が発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着して炭酸塩を形成し、前記独立気泡内を実質的に揮発性発泡剤で満たす炭酸ガス除去ステップと、前記水酸化物が発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着する時に発生する水分が、前記水酸化物に吸水される水分除去ステップとを有するものである。
【0016】
また、アルカリ金属水酸化物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び石灰ソーダの少なくとも一種以上を含んでなることを特徴とするものである。
【0017】
また、界面活性剤が、シリコン系界面活性剤であることを特徴とするものである。
【0018】
また、懸濁液中の界面活性剤対アルカリ金属水酸化物の重量比が0.5及至3:1の範囲内にあることを特徴とするものである。
【0019】
また、懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し10乃至30重量部の範囲内にあることを特徴とするものである。
【0020】
また、ポリオール、整泡剤、触媒、反応性発泡剤、及び、揮発性発泡剤を含む成分と、ポリイソシアネート成分と、アルカリ金属水酸化物と有機または無機化合物の少なくとも一種からなる吸水性物質とを界面活性剤に分散させた懸濁液成分を同時に混合することを特徴とするものである。
【0021】
本発明によればウレタン反応系に悪影響を及ぼさず、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去し、断熱性能に優れた発泡断熱材の製造方法が提供できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発泡断熱材の製造方法は、アルカリ金属、または、アルカリ土金属の少なくとも一種以上の水酸化物と有機または無機化合物の少なくとも一種以上の吸水性物質とを親水基と親油基を有する界面活性剤に分散させた懸濁液を調整する懸濁液調整ステップと、前記懸濁液とポリオール、整泡剤、触媒、反応性発泡剤、揮発性発泡剤、及び、ポリイソシアネートを混合して発泡させ、独立気泡内部に水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガス、及び、揮発性発泡剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物を形成する樹脂形成ステップと、前記水酸化物が発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着して炭酸塩を形成し、前記独立気泡内を実質的に揮発性発泡剤で満たす炭酸ガス除去ステップと、前記水酸化物が発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着する時に発生する水分が、前記吸水性物質に吸水される水分除去ステップとを有するものである。
【0023】
上記構成によって、懸濁液中で界面活性剤に分散された水酸化物は、ウレタン原料と混合されることによって界面活性剤に表面修飾されたコロイド分散微粒子を形成する。このため、界面活性剤の親油基のみが水酸化物と接触し、水酸化物は、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。
【0024】
また、ウレタン反応系への水酸化物の溶出によるpH上昇もないため、ゲルタイムを早期化するといった弊害もなく、発泡断熱材の形成後、水酸化物は、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去することが可能となる。
【0025】
また、水酸化物と同時に懸濁液中の界面活性剤に分散された吸水物質もまた、同様の作用により、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。
【0026】
また、発泡断熱材の形成後には、吸水性物質は、水酸化物と炭酸ガスとの副反応物として発生し、気泡中に水蒸気として存在する水分を吸着除去するため、優れた断熱性能を有する発泡断熱材が得られる。
【0027】
本発明の請求項2に記載の発泡断熱材の製造方法は、水酸化物が、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムの少なくとも一種以上を含んでいることを特徴とするものであり、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスが吸着除去された、断熱性能に優れた発泡断熱材が得られる。
【0028】
本発明の請求項3に記載の発泡断熱材の製造方法は、アルカリ金属水酸化物を親水基と親油基を有する界面活性剤に分散させた懸濁液を調整する懸濁液調整ステップと、前記懸濁液とポリオール、整泡剤、触媒、反応性発泡剤、揮発性発泡剤、及び、ポリイソシアネートを混合して発泡させ、独立気泡内部に水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガス、及び、揮発性発泡剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物を形成する樹脂形成ステップと、前記水酸化物が発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着して炭酸塩を形成し、前記独立気泡内を実質的に揮発性発泡剤で満たす炭酸ガス除去ステップと、前記水酸化物が発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着するときに発生する水分が、前記アルカリ金属水酸化物に吸水される水分除去ステップとを有するものである。
【0029】
上記構成によって、懸濁液中で界面活性剤に分散されたアルカリ金属水酸化物は、ウレタン原料と混合されることによって界面活性剤に表面修飾されたコロイド分散微粒子を形成する。
【0030】
このため、界面活性剤の親油基のみがアルカリ金属水酸化物と接触し、水酸化物は、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。
【0031】
また、ウレタン反応系への水酸化物の溶出によるpH上昇もないため、ゲルタイムを早期化するといった弊害もなく、発泡断熱材の形成後、水酸化物は、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去することが可能となる。
【0032】
また、発泡断熱材の形成後、アルカリ金属水酸化物は、アルカリ金属水酸化物と炭酸ガスとの副反応として発生し、気泡中に水蒸気として存在する水分を吸着除去するため、吸水性物質を添加する必要がなく、熱伝導率の悪化が抑えられ、断熱性能に優れた発泡断熱材が得られる。
【0033】
本発明の請求項4に記載の発泡断熱材の製造方法は、アルカリ金属水酸化物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、及び、石灰ソーダの少なくとも一種以上を含んでなることを特徴とするものであり、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスが吸着除去された、断熱性能に優れた発泡断熱材が得られる。
【0034】
上記構成によって、水分吸着性の高い水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、及び、石灰ソーダは、自身と炭酸ガスとの副反応物として生成した水分を自ら吸着するため吸水性物質を添加する必要がなく、樹脂熱伝導率の悪化が抑えられ、かつ、生成した水の独立気泡内部への拡散を防ぎ、断熱性能に悪影響を及ぼさない。
【0035】
本発明の請求項5に記載の発泡断熱材の製造方法は、界面活性剤が、シリコン系界面活性剤であることを特徴とするものであり、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスが吸着除去された、断熱性能に優れた発泡断熱材が得られる。
【0036】
上記構成によって、シリコン系界面活性剤は、水酸化物および水分吸着物質と激しく反応することなく、水酸化物をコロイド分散させた懸濁液として存在することが可能であると共に、ウレタン気泡形成にあたっても起泡の安定化を図ることができ、気泡径の微細化にも効果がある。
【0037】
本発明の請求項6に記載の発泡断熱材の製造方法は、懸濁液中の界面活性剤対水酸化物の重量比が0.5及至3:1の範囲内にあることを特徴とするものであり、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスが吸着除去された、断熱性能に優れた発泡断熱材が得られる。
【0038】
上記構成によって、懸濁液には、水酸化物がウレタン原料中コロイド分散微粒子となるための十分な界面活性剤が供給され、また、過剰量の界面活性剤のために樹脂熱伝導率が悪化することもなく、水酸化物とウレタン原料中の水とが非接触の状態を維持できるため、ウレタン反応系に悪影響を及ぼさない。
【0039】
本発明の請求項7に記載の発泡断熱材の製造方法は、懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し10及至30重量部の範囲内にあることを特徴とするものであり、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスが吸着除去された、断熱性能に優れた発泡断熱材が得られる。
【0040】
上記構成によって、フォーム内の炭酸ガスは完全に除去され、また、固体成分添加による熱伝導率への影響も極めて小さいものである。
【0041】
本発明の請求項8に記載の発泡断熱材の製造方法は、ポリオール、整泡剤、触媒、反応性発泡剤、及び、揮発性発泡剤を含む成分と、ポリイソシアネート成分と、アルカリ金属水酸化物を界面活性剤に分散させた懸濁液成分を同時に混合することを特徴とするものであり、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスが吸着除去された、断熱性能に優れた発泡断熱材が得られる。
【0042】
上記構成によって、懸濁液は、ウレタン原料中において長時間曝露されることはなく、安定性の低いコロイド分散状態のアルカリ水酸化物の微粒子を、安定な状態で発泡工程に導入することができる。
【0043】
本発明の吸水性物質としては、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、塩化カルシウム等のように水分を吸着除去し得る化合物であれば、同様の効果が得られる。
【0044】
本発明の揮発性発泡剤は、樹脂組成物の主要発泡剤として作用させるものであり、ポリオール組成物との相溶性が良好な化合物で、かつ気体熱伝導率が小さい化合物が望ましい。具体例としては、シクロペンタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタンなど炭化水素系化合物が地球環境保護の観点から適しており、それらの中でも、気体熱伝導率の低いシクロペンタンを適用する事がより望ましい。また、同様にハイドロフルオロカーボン系の発泡剤であるHFC−356mmf、HFC−245faなどが適用できる。
【0045】
また、揮発性発泡剤を2種類以上混合して適用しても何ら問題ない。
次に、本発明の具体例を説明する。
【0046】
(実施例1)
図1に本発明の製造方法のフローチャートを示す。懸濁液調整ステップ1においては、アルカリ金属水酸化物には平均粒径300μmの東洋ケミカルズ製水酸化リチウム試薬を、水分吸着剤には平均粒子径200μmの富士シリシア化学製シリカゲルA型を、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対界面活性剤の重量比が1:1であるコロイド分散懸濁液を調整した。また、ポリオールは芳香族アミン系ポリエーテルポリオールとエチレンジアミン系ポリエーテルポリオールの混合物でトータル水酸基価460mgKOH/g、整泡剤は信越化学(株)社製F−335、触媒は花王(株)製カオライザーNo.1、反応性発泡剤は純水、揮発性発泡剤はシクロペンタンを使用した。以上の各原料を所定の配合部数で混合し、フレミックス成分として構成した。
【0047】
一方、イソシアネート成分は、アミン当量135のポリメリックMDIから成る有機ポリイソシアネートである。
【0048】
樹脂形成ステップ2において、上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを10部、シリカゲルを4部含むコロイド分散懸濁液成分25重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。樹脂形成後、炭酸ガス除去ステップ3および水分除去ステップ4を経て、高断熱発泡ウレタン断熱材を得た。
【0049】
(実施例2)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径50μmの関東電化工業製水酸化ナトリウム試薬を、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対界面活性剤の重量比が1:1であるコロイド分散懸濁液を調整した。
【0050】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0051】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを10部含むコロイド分散懸濁液成分20重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0052】
(比較例A)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径300μmの東洋ケミカルズ製水酸化リチウム試薬を、水分吸着物質には平均粒子径200μmの富士シリシア化学製シリカゲルA型を、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対界面活性剤の重量比が1:0.3であるコロイド分散懸濁液を調整した。
【0053】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0054】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを10部、シリカゲルを4部含むコロイド分散懸濁液成分17重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0055】
(比較例B)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径300μmの東洋ケミカルズ製水酸化リチウム試薬を、水分吸着物質には平均粒子径200μmの富士シリシア化学製シリカゲルA型を、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対界面活性剤の重量比1:3.5であるコロイド分散懸濁液を調整した。
【0056】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0057】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを10部、シリカゲルを4部含むコロイド分散懸濁液成分49重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0058】
(比較例C)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径300μmの東洋ケミカルズ製水酸化リチウム試薬を、水分吸着物質には平均粒子径200μmの富士シリシア化学製シリカゲルA型を、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対界面活性剤の重量比1:1であるコロイド分散懸濁液を調整した。
【0059】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0060】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを2.5部、シリカゲルを4部含むコロイド分散懸濁液成分9重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0061】
(比較例D)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径300μmの東洋ケミカルズ製水酸化リチウム試薬を、水分吸着物質には平均粒子径200μmの富士シリシア化学製シリカゲルA型を、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対界面活性剤の重量比が1:1であるコロイド分散懸濁液を調整した。
【0062】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0063】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを20部、シリカゲルを4部含むコロイド分散懸濁液成分44重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0064】
(比較例E)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径300μmの東洋ケミカルズ製水酸化リチウム試薬を、水分吸着物質には平均粒子径200μmの富士シリシア化学製シリカゲルA型を、担体液体には旭電化工業製エポキシ樹脂EP−4300を使用し、水酸化ナトリウム対担体液体の重量比が1:1であるコロイド分散懸濁液を調整した。
【0065】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0066】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを10部、シリカゲルを4部含む懸濁液成分24重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0067】
(比較例F)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径50μmの関東電化工業製水酸化ナトリウム試薬を、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対界面活性剤の重量比が1:0.3であるコロイド分散懸濁液を調整した。
【0068】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0069】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを10部含むコロイド分散懸濁液成分13重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0070】
(比較例G)
アルカリ金属水酸物には平均粒径50μmの関東電化工業製水酸化ナトリウム試薬を、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対界面活性剤の重量比が1:3.5であるコロイド分散懸濁液を調整した。
【0071】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0072】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを10部含むコロイド分散懸濁液成分45重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0073】
(比較例H)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径50μmの関東電化工業製水酸化ナトリウム試薬を、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対界面活性剤の重量比が1:1であるコロイド分散懸濁液を調整した。
【0074】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0075】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを2.5部含むコロイド分散懸濁液成分5重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0076】
(比較例I)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径50μmの関東電化工業製水酸化ナトリウム試薬を、界面活性剤には信越化学(株)社製F−335を使用し、水酸化ナトリウム対界面活性剤の重量比が1:1であるコロイド分散懸濁液を調整した。
【0077】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0078】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを20部含むコロイド分散懸濁液成分40重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0079】
(比較例J)
アルカリ金属水酸化物には平均粒径50μmの関東電化工業製水酸化ナトリウム試薬を、担体液体には旭電化工業製エポキシ樹脂EP−4300を使用し、水酸化ナトリウム対担体液体の重量比が1:1である懸濁液を調整した。
【0080】
プレミックス成分、及び、イソシアネート成分は実施例1と同様のものを使用した。
【0081】
上記プレミックス成分とイソシアネート成分と水酸化ナトリウムを10部含む懸濁液成分20重量部を高圧発泡機にて混合攪拌し、発泡断熱材を成型した。なお、キュアは45℃にて5分とした。
【0082】
以上の実施例1、及び、実施例2、比較例Aから比較例Jの発泡断熱材を解体し、フォームサンプルの初期密度と、気泡内ガス組成と、発泡1日後、及び、7日後のフォーム熱伝導率を測定した。
【0083】
なお、熱伝導率は、発泡断熱材から20×20×2.5cmサイズのフォームを切り出し、英弘精機(株)社製AUTO−Λにて測定した。また、気泡内ガス組成は、(株)島津製作所社製ガスクロマトグラフィーにて測定した。
【0084】
(表1)に実施例1、及び、比較例A、比較例B、比較例C、比較例D、比較例Eについて配合部数と評価結果について示す。
【0085】
(表2)に実施例2、及び、比較例F、比較例G、比較例H、比較例I、比較例Jについて配合部数と評価結果について示す。
【0086】
【表1】
Figure 0003641080
【0087】
【表2】
Figure 0003641080
【0088】
このように本発明における実施例1では、炭酸ガスと反応する水酸化物として水酸化リチウムを、水酸化リチウムと炭酸ガスとの反応の副生成物として生成する水分を吸着する水分吸着剤としてシリカゲルを、また、水酸化リチウム及びシリカゲルを表面修飾し、コロイド分散微粒子とするための界面活性剤としてシリコン系界面活性剤を用いることにより、界面活性剤の親油基のみが水酸化リチウムと接触し、水酸化リチウムは、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。また、ウレタン反応系への水酸化リチウムの溶出によるpH上昇もないため、ゲルタイムを早期化するといった弊害もなく、発泡断熱材の形成後、水酸化リチウムは、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去することが可能となる。
【0089】
また、水酸化リチウムと同時に懸濁液中の界面活性剤に分散されたシリカゲルもまた、同様の作用によりウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。また、発泡断熱材の形成後には、シリカゲルは、水酸化リチウムと炭酸ガスとの副反応物として発生し、気泡中に水蒸気として存在する水分を吸着除去するため、断熱性能に優れた発泡断熱材の製造が可能であること判った。
【0090】
また、界面活性剤としてシリコン系界面活性剤を使用したため、水酸化リチウムと激しく反応することなく、水酸化リチウムをコロイド分散させた懸濁液として存在することが可能であると共に、ウレタン気泡形成にあたっても起泡の安定化を図ることができ、気泡径の微細化にも効果がある。
【0091】
また、懸濁液中の界面活性剤対水酸化リチウムの重量比が1:1であるため、水酸化リチウムがウレタン原料中でコロイド分散微粒子となるための十分な界面活性剤が供給され、また、過剰量の界面活性剤のために樹脂熱伝導率が悪化することもなく、水酸化リチウムとウレタン原料中の純水とが非接触の状態を維持できるため、ウレタン反応系に悪影響を及ぼさない。
【0092】
また、懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し20重量部であるため、フォーム気泡内の炭酸ガスを完全に吸着除去し、かつ、固体成分の添加による熱伝導率の悪化も抑制されている。
【0093】
また、ポリオール、整泡剤、触媒、反応性発泡剤、及び、揮発製発泡剤を含む成分と、ポリイソシアネート成分と、水酸化リチウムシリカゲルとを界面活性剤に分散させた懸濁液成分を同時に混合したため、懸濁液成分が安定な状態でウレタン発泡工程へと供給され、断熱性能の向上が得られたものである。
【0094】
比較例Aでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは、水酸化リチウム量に対する界面活性剤量が少ないために、ウレタン原料中で十分なコロイド分散微粒子とならなかった水酸化リチウム及びシリカゲルの一部による純水の吸着が生じ、その結果フォーム密度が増大したことによるものと考えられる。また、水酸化リチウムとウレタン原料との反応が生じたことにより、ゲルタイムが短縮され充填性も悪化した。
【0095】
比較例Bでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは、界面活性剤の添加量が過剰であるために、樹脂熱伝導率が悪化したためであると考えられる。
【0096】
比較例Cでは、炭酸ガスの吸着除去量が少なく、熱伝導率の低減も小さかった。これは、懸濁液の添加量が5部であることから、水酸化リチウムの添加量が十分でないためであると考えられる。
【0097】
比較例Dでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは、懸濁液の添加量が44部であることから、添加量が過剰であったため樹脂熱伝導率が悪化したものと考えられる。
【0098】
比較例Eでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは、水酸化リチウム及びシリカゲルをエポキシ樹脂による懸濁液で供給したため、水酸化リチウム及びシリカゲルがウレタン原料と直接接触し、水酸化リチウム及びシリカゲルによる純水の吸着が生じ、その結果フォーム密度が増大したことによるものと考えられる。また、水酸化リチウムとウレタン原料との反応が生じたことにより、ゲルタイムが短縮され充填性も悪化した。
【0099】
本発明における実施例2では、炭酸ガスと反応する水酸化物として水酸化ナトリウムを、また、水酸化ナトリウムを表面修飾し、コロイド分散微粒子とするための界面活性剤としてシリコン系界面活性剤を用いることにより、懸濁液中で界面活性剤に分散された水酸化ナトリウムは、ウレタン原料と混合されることによって界面活性剤に表面修飾されたコロイド分散微粒子を形成する。このため、界面活性剤の親油基のみが水酸化ナトリウムと接触し、水酸化ナトリウムは、ウレタン原料とは隔離された状態を維持することができ、ウレタン原料中の水を吸着することはなく、発泡効率を低下させることもない。また、ウレタン反応系への水酸化ナトリウムの溶出によるpH上昇もないため、ゲルタイムを早期化するといった弊害もなく、発泡断熱材の形成後、水酸化ナトリウムは、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスを吸着除去することが可能となる。
【0100】
更に、発泡断熱材の形成後、水酸化ナトリウムは、水酸化ナトリウムと炭酸ガスとの副反応物して発生し、気泡中に水蒸気として存在する水分を吸着除去するため、吸水性物質を添加する必要がなく、熱伝導率の悪化が抑えられ、断熱性能に優れた発泡断熱材の製造が可能であること判った。
【0101】
さらに、アルカリ金属水酸化物が、吸湿性の高い水酸化ナトリウムであるため、発泡断熱材形成後の炭酸ガス吸着反応過程において副反応物として生成する水分を吸着除去する。これによって、水分吸着剤を添加することなく水酸化物と炭酸ガスとの反応の副生成物である水分を吸着除去できるため、水分吸着剤の添加による樹脂熱伝導率の悪化が抑制できると考える。
【0102】
また、界面活性剤としてシリコン系界面活性剤を使用したため、水酸ナトリウムと激しく反応することなく、水酸化ナトリウムをコロイド分散させた懸濁液として存在することが可能であると共に、ウレタン気泡形成にあたっても起泡の安定化を図ることができ、気泡径の微細化にも効果がある。
【0103】
また、懸濁液中の界面活性剤対水酸化ナトリウムの重量比が1:1であるため、水酸化ナトリウムがウレタン原料中でコロイド分散微粒子となるための十分な界面活性剤が供給され、また、過剰量の界面活性剤のために樹脂熱伝導率が悪化することもなく、水酸化ナトリウムとウレタン原料中の純水とが非接触の状態を維持できるため、ウレタン反応系に悪影響を及ぼさない。
【0104】
また、懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し20重量部であるため、フォーム気泡内の炭酸ガスを完全に吸着除去し、かつ、固体成分の添加による熱伝導率の悪化も抑制されている。
【0105】
また、ポリオール、整泡剤、触媒、反応性発泡剤、及び、揮発性発泡剤を含む成分と、ポリイソシアネート成分と、水酸化ナトリウムを界面活性剤に分散させた懸濁液成分を同時に混合したため、懸濁液成分が安定な状態でウレタン発泡工程へと供給され、断熱性能の向上が得られたものと考える。比較例Fでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは、水酸化ナトリウム量に対する界面活性剤量が少ないために、ウレタン原料中で十分なコロイド分散微粒子とならなかった水酸化ナトリウムの一部による純水の吸着が生じ、その結果フォーム密度が増大したことによるものと考えられる。また、水酸化ナトリウムとウレタン原料との反応が生じたことにより、ゲルタイムが短縮され充填性も悪化した。
【0106】
比較例Gでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは、界面活性剤の添加量が過剰であるために、樹脂熱伝導率が悪化したためであると考えられる。
【0107】
比較例Hでは、炭酸ガスの吸着除去量が少なく、熱伝導率の低減も小さかった。これは、懸濁液の添加量が5部であることから、水酸化ナトリウムの添加量が十分でないためであると考えられる。
【0108】
比較例Iでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは、懸濁液の添加量が40部であることから、添加量が過剰であったため樹脂熱伝導率が悪化したものと考えられる。
【0109】
比較例Jでは、炭酸ガスが吸着除去されているにも関わらず、熱伝導率の低減が小さかった。これは、水酸化ナトリウムをエポキシ樹脂による懸濁液で供給したため、水酸化ナトリウムがウレタン原料と直接接触し、アルカリ金属水酸化物による純水の吸着が生じ、その結果フォーム密度が増大したことによるものと考えられる。また、アルカリ金属水酸化物とウレタン原料との反応が生じたことにより、ゲルタイムが短縮され充填性も悪化した。
【0110】
以上の結果から、本発明により、地球環境を守る上で必要不可欠なオゾン破壊係数0、地球温暖化に与える影響も殆ど無いハイドロカーボンの一つであるシクロペンタンをウレタンフォーム用発泡剤として、高断熱性能を有する高品質な発泡断熱材の製造方法が提供できると考えられる。
【0111】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、発泡断熱材の気泡内の炭酸ガスが吸着除去され、かつ炭酸ガスの吸着反応により発生する水分が断熱性能に悪影響を及ぼさない、断熱性能に優れた発泡断熱材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発泡断熱材製造方法のフローチャート
【符号の説明】
1 懸濁液調整ステップ
2 樹脂形成ステップ
3 炭酸ガス除去ステップ
4 水分除去ステップ

Claims (8)

  1. アルカリ金属、または、アルカリ土金属の少なくとも一種以上の水酸化物と、有機または無機化合物の少なくとも一種以上の吸水性物質とを親水基と親油基を有する界面活性剤に分散させた懸濁液を調整する懸濁液調整ステップと、前記懸濁液とポリオール、整泡剤、触媒、反応性発泡剤、揮発性発泡剤、及び、ポリイソシアネートを混合して発泡させ、独立気泡内部に水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガス、及び、揮発性発泡剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物を形成する樹脂形成ステップと、前記水酸化物が発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着して炭酸塩を形成し、前記独立気泡内を実質的に揮発性発泡剤で満たす炭酸ガス除去ステップと、前記水酸化物が発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着する時に発生する水分が、前記吸水性物質に吸水される水分除去ステップとを有する発泡断熱材の製造方法。
  2. アルカリ金属、または、アルカリ土金属の少なくとも一種以上の水酸化物が、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムの少なくとも一種以上を含んでいることを特徴とする請求項1記載の発泡断熱材の製造方法。
  3. アルカリ金属水酸化物を親水基と親油基を有する界面活性剤に分散させた懸濁液を調整する懸濁液調整ステップと、前記懸濁液とポリオール、整泡剤、触媒、反応性発泡剤、揮発性発泡剤、及び、ポリイソシアネートを混合して発泡させ、独立気泡内部に水とポリイソシアネートとの反応により発生した炭酸ガス、及び、揮発性発泡剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物を形成する樹脂形成ステップと、前記水酸化物が発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着して炭酸塩を形成し、前記独立気泡内を実質的に揮発性発泡剤で満たす炭酸ガス除去ステップと、前記水酸化物が発泡ポリウレタン樹脂組成物の独立気泡内の炭酸ガスを吸着する時に発生する水分が、前記水酸化物に吸水される水分除去ステップとを有する発泡断熱材の製造方法。
  4. アルカリ金属水酸化物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び、石灰ソーダの少なくとも一種以上を含んでいることを特徴とする請求項3記載の発泡断熱材の製造方法。
  5. 界面活性剤が、シリコン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1または請求項3記載の発泡断熱材の製造方法。
  6. 懸濁液中の界面活性剤対アルカリ金属水酸化物の重量比が、0.5及至3:1の範囲内にあることを特徴とする請求項1または請求項3記載の発泡断熱材の製造方法。
  7. 懸濁液の添加量が、ポリオール100重量部に対し10及至30重量部の範囲内にあることを特徴とする請求項1または請求項3記載の発泡断熱材の製造方法。
  8. ポリオール、整泡剤、触媒、反応性発泡剤、及び、揮発性発泡剤を含む成分と、ポリイソシアネート成分と、アルカリ金属水酸化物と有機または無機化合物の少なくとも一種からなる吸水性物質とを界面活性剤に分散させた懸濁液成分を、同時に混合することを特徴とする請求項1または請求項3記載の発泡断熱材の製造方法。
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