JPH08105687A - 真空断熱材 - Google Patents
真空断熱材Info
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- JPH08105687A JPH08105687A JP6240912A JP24091294A JPH08105687A JP H08105687 A JPH08105687 A JP H08105687A JP 6240912 A JP6240912 A JP 6240912A JP 24091294 A JP24091294 A JP 24091294A JP H08105687 A JPH08105687 A JP H08105687A
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- Japan
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- insulating material
- heat insulating
- vacuum
- container
- vacuum heat
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- Thermal Insulation (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】減圧度0.1Torrで熱伝導率を従来の0.
005kcal/m・h・℃よりも著しく低減させて、
例えば0.003kcal/m・h・℃を満足させ、軽
量で、しかも断熱性能の経時劣化が少なく、信頼性の高
い高性能の真空断熱材を提供することにある。 【構成】偏平状の気泡を形成した水発泡連続気泡硬質ウ
レタンフォームから成るコア材4を、熱溶着性プラスチ
ックをラミネートとしたステンレス箔と、熱溶着性プラ
スチックをラミネートとしたアルミニウム箔とを組合せ
た外包容器1で包装し、空孔径の大きな合成ゼオライト
および活性炭を組合せたゲッター剤4として共存させ、
減圧、密閉する。外包容器1の平坦部2はステンレス箔
で、有底屈曲部3はアルミニウム箔で構成し、熱溶着性
プラスチックフィルムが容器の周縁部で相互に溶着して
真空シール部6を形成する。
005kcal/m・h・℃よりも著しく低減させて、
例えば0.003kcal/m・h・℃を満足させ、軽
量で、しかも断熱性能の経時劣化が少なく、信頼性の高
い高性能の真空断熱材を提供することにある。 【構成】偏平状の気泡を形成した水発泡連続気泡硬質ウ
レタンフォームから成るコア材4を、熱溶着性プラスチ
ックをラミネートとしたステンレス箔と、熱溶着性プラ
スチックをラミネートとしたアルミニウム箔とを組合せ
た外包容器1で包装し、空孔径の大きな合成ゼオライト
および活性炭を組合せたゲッター剤4として共存させ、
減圧、密閉する。外包容器1の平坦部2はステンレス箔
で、有底屈曲部3はアルミニウム箔で構成し、熱溶着性
プラスチックフィルムが容器の周縁部で相互に溶着して
真空シール部6を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば冷蔵庫、保温
庫、建築材等の断熱材として用いられる真空断熱材の構
造に関する。
庫、建築材等の断熱材として用いられる真空断熱材の構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫等の断熱材として用いられる真空
断熱材は、一般に、ガスバリヤー性を保持させた金属−
プラスチックラミネートフィルムから成る容器に補強材
としてコア材を充填し、その内部を減圧して密封したも
のが使用される。このような真空断熱材の断熱性能は、
容器の材質およびコア材の種類によって大きく左右され
るが、容器の材質としては、アルミ箔と熱溶着性プラス
チックのラミネートフィルムが比較的安価であり良く用
いられる。
断熱材は、一般に、ガスバリヤー性を保持させた金属−
プラスチックラミネートフィルムから成る容器に補強材
としてコア材を充填し、その内部を減圧して密封したも
のが使用される。このような真空断熱材の断熱性能は、
容器の材質およびコア材の種類によって大きく左右され
るが、容器の材質としては、アルミ箔と熱溶着性プラス
チックのラミネートフィルムが比較的安価であり良く用
いられる。
【0003】また、コア材としては、無機質微粉末やガ
ラス繊維、連続気泡発泡体などが優れた断熱性能を得ら
れ、中でも、連続気泡ウレタンフォームをコア材とした
ものが軽量で生産性が良く冷蔵庫等の断熱材として注目
されている。なお、この種の真空断熱材に関連するもの
としては、例えば特公平4−63992号公報等が挙げ
られる。
ラス繊維、連続気泡発泡体などが優れた断熱性能を得ら
れ、中でも、連続気泡ウレタンフォームをコア材とした
ものが軽量で生産性が良く冷蔵庫等の断熱材として注目
されている。なお、この種の真空断熱材に関連するもの
としては、例えば特公平4−63992号公報等が挙げ
られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】コア材に連続気泡硬質
ウレタンフォームを用いた上記従来技術においては、得
られる熱伝導率は減圧度0.1Torrで0.005〜
0.006kcal/m・h・℃程度である。また、連
続気泡硬質ウレタンフォーム中には少量の未反応物や触
媒が残留するため、減圧密封後にこれらの成分がガス化
して真空度を劣化させ、初期の断熱性能を長期間維持で
きないという欠点があった。
ウレタンフォームを用いた上記従来技術においては、得
られる熱伝導率は減圧度0.1Torrで0.005〜
0.006kcal/m・h・℃程度である。また、連
続気泡硬質ウレタンフォーム中には少量の未反応物や触
媒が残留するため、減圧密封後にこれらの成分がガス化
して真空度を劣化させ、初期の断熱性能を長期間維持で
きないという欠点があった。
【0005】さらに、アルミニウムは熱伝導率が大き
く、これを用いた真空断熱材は周囲からの熱の回り込み
であるヒートブリッジが大きいという問題があった。ま
た、連続気泡硬質ウレタンフォームの発泡剤としてフロ
ンの一種であるCFC−11(chlorofluorocarbonの略
称)を使用しているため、環境問題となっているフロン
規制に対応できないという問題もあった。
く、これを用いた真空断熱材は周囲からの熱の回り込み
であるヒートブリッジが大きいという問題があった。ま
た、連続気泡硬質ウレタンフォームの発泡剤としてフロ
ンの一種であるCFC−11(chlorofluorocarbonの略
称)を使用しているため、環境問題となっているフロン
規制に対応できないという問題もあった。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
することにあり、量産可能な減圧度0.1Torrで熱
伝導率をさらに低減させた、軽量で高性能な真空断熱材
を、さらにはノンフロンのコア材を用いた真空断熱材を
提供することにある。
することにあり、量産可能な減圧度0.1Torrで熱
伝導率をさらに低減させた、軽量で高性能な真空断熱材
を、さらにはノンフロンのコア材を用いた真空断熱材を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ガスバリヤ
ー性を有する外包容器(以下、容器と略称)中に、コア
材と気体を吸着するゲッター剤が充填され、容器内が真
空に保持された偏平状の真空断熱材であって、前記容器
はステンレススチール箔からなる平坦部と、アルミニウ
ム箔からなる有底屈曲部とで構成されると共に、前記ス
テンレススチール箔及びアルミニウム箔の内側にはそれ
ぞれ熱溶着性プラスチックフィルム材がラミネートされ
ており、ヒートシールによってこれら熱溶着性プラスチ
ックフィルムが容器の周縁部で相互に溶着して真空シー
ル部を構成して成る真空断熱材によって、達成される。
ー性を有する外包容器(以下、容器と略称)中に、コア
材と気体を吸着するゲッター剤が充填され、容器内が真
空に保持された偏平状の真空断熱材であって、前記容器
はステンレススチール箔からなる平坦部と、アルミニウ
ム箔からなる有底屈曲部とで構成されると共に、前記ス
テンレススチール箔及びアルミニウム箔の内側にはそれ
ぞれ熱溶着性プラスチックフィルム材がラミネートされ
ており、ヒートシールによってこれら熱溶着性プラスチ
ックフィルムが容器の周縁部で相互に溶着して真空シー
ル部を構成して成る真空断熱材によって、達成される。
【0008】そして、かかる真空断熱材は、例えば偏平
状の気泡を形成した連続気泡硬質ウレタンフォームをコ
ア材として、片面がステンレススチール箔に熱溶着性プ
ラスチックをラミネートした平坦なフィルムで、残りの
面がアルミニウム箔に熱溶着性プラスチックをラミネー
トしたフィルムで成形された有底屈曲部を構成する容器
で被い、その中に合成ゼオライト、活性炭等を共存さ
せ、内部を減圧してヒートシールすることにより、密封
された平板状真空断熱材を容易に得ることができる。容
器の周縁部では、熱溶着性プラスチックフィルムが相互
に溶着して真空シール部を構成する。
状の気泡を形成した連続気泡硬質ウレタンフォームをコ
ア材として、片面がステンレススチール箔に熱溶着性プ
ラスチックをラミネートした平坦なフィルムで、残りの
面がアルミニウム箔に熱溶着性プラスチックをラミネー
トしたフィルムで成形された有底屈曲部を構成する容器
で被い、その中に合成ゼオライト、活性炭等を共存さ
せ、内部を減圧してヒートシールすることにより、密封
された平板状真空断熱材を容易に得ることができる。容
器の周縁部では、熱溶着性プラスチックフィルムが相互
に溶着して真空シール部を構成する。
【0009】コア材となる連続気泡硬質ウレタンフォー
ムは、気泡径0.1〜1.0mm程度のもので良く、気
泡の厚みが0.01〜0.1mmの偏平状に形成されて
いることが重要である。このような偏平状気泡はいかな
る方法で形成しても良いが、例えば、連続気泡硬質ウレ
タンフォームを発泡直後の反応硬化が完了する以前に、
高圧プレス等で圧縮して気泡が偏平状に押しつぶされた
状態で硬化させた後、所定の寸法にカットしてコア材と
して使用することが望ましい。
ムは、気泡径0.1〜1.0mm程度のもので良く、気
泡の厚みが0.01〜0.1mmの偏平状に形成されて
いることが重要である。このような偏平状気泡はいかな
る方法で形成しても良いが、例えば、連続気泡硬質ウレ
タンフォームを発泡直後の反応硬化が完了する以前に、
高圧プレス等で圧縮して気泡が偏平状に押しつぶされた
状態で硬化させた後、所定の寸法にカットしてコア材と
して使用することが望ましい。
【0010】また、フロン規制に対応するため、上記連
続気泡硬質ウレタンフォームはノンフロンで発泡したも
のが好ましく、例えば、発泡剤の全てに水を使用した水
発泡硬質ウレタンフォームを用いることが好ましい。
続気泡硬質ウレタンフォームはノンフロンで発泡したも
のが好ましく、例えば、発泡剤の全てに水を使用した水
発泡硬質ウレタンフォームを用いることが好ましい。
【0011】ステンレススチール箔の厚さは20μm以
下であればヒートブリッジの影響を少なくおさえられる
が、さらに好ましくは10μm以下であり、アルミニウ
ム箔の厚さは7μmから10μmがガスバリヤー性およ
び作業性から好ましい。
下であればヒートブリッジの影響を少なくおさえられる
が、さらに好ましくは10μm以下であり、アルミニウ
ム箔の厚さは7μmから10μmがガスバリヤー性およ
び作業性から好ましい。
【0012】また、熱溶着性プラスチックは、熱溶着が
可能であればどの種類でも良いが、特にガス透過性の小
さいポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
ビニルアルコール共重合体などが好適である。合成ゼオ
ライトは水分の吸着を目的とした空孔径4Å〜5Åの一
般的なグレードよりも空孔径の大きい8Å〜13Åのも
のが好ましく、他のゲッター剤、例えば、活性炭、酸化
カルシウム等と併用して用いても良い。
可能であればどの種類でも良いが、特にガス透過性の小
さいポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
ビニルアルコール共重合体などが好適である。合成ゼオ
ライトは水分の吸着を目的とした空孔径4Å〜5Åの一
般的なグレードよりも空孔径の大きい8Å〜13Åのも
のが好ましく、他のゲッター剤、例えば、活性炭、酸化
カルシウム等と併用して用いても良い。
【0013】このような真空断熱材の代表的な用途は冷
蔵庫等の断熱材であるが、その他、例えば保冷庫、保温
庫、建築材となるプレハブパネル等の断熱材として広く
適用できるものである。
蔵庫等の断熱材であるが、その他、例えば保冷庫、保温
庫、建築材となるプレハブパネル等の断熱材として広く
適用できるものである。
【0014】
【作用】本発明は上記構成のように、コア材の連続気泡
硬質ウレタンフォームが偏平状の気泡を形成しているた
め膜間の空隙距離が気泡径より数倍小さくなり、気体の
運動論における平均自由行程が短かくなり有効熱伝導率
が小さくなる。さらに、ステンレススチールの熱伝導率
はアルミニウムに比べて約1/8であるため、外包容器
の平坦面を熱溶着プラスチックでラミネートしたステン
レススチール箔で形成することによりヒートブリッジが
小さくなる。また、熱溶着性プラスチックをラミネート
したアルミニウム箔は、ステンレススチール箔に比べて
成形し易いため、有底屈曲部を容易に形成することがで
きる。
硬質ウレタンフォームが偏平状の気泡を形成しているた
め膜間の空隙距離が気泡径より数倍小さくなり、気体の
運動論における平均自由行程が短かくなり有効熱伝導率
が小さくなる。さらに、ステンレススチールの熱伝導率
はアルミニウムに比べて約1/8であるため、外包容器
の平坦面を熱溶着プラスチックでラミネートしたステン
レススチール箔で形成することによりヒートブリッジが
小さくなる。また、熱溶着性プラスチックをラミネート
したアルミニウム箔は、ステンレススチール箔に比べて
成形し易いため、有底屈曲部を容易に形成することがで
きる。
【0015】また、連続気泡硬質ウレタンフォーム内に
残留する未反応物や触媒から発生するガスは、空孔径の
大きい合成ゼオライトや活性炭に吸着保持されるため、
長期にわたり初期の真空度を維持することができる。こ
のような構成で、その内部を減圧して密封することによ
り、減圧度0.1Torrで、初期の熱伝導率が従来の
0.005kcal/m・h・℃以下の例えば0.00
3kcal/m・h・℃、もしくはそれ以下の特性を満
足させることのできる高性能で、かつ、長期信頼性を保
持した真空断熱材が得られるものである。
残留する未反応物や触媒から発生するガスは、空孔径の
大きい合成ゼオライトや活性炭に吸着保持されるため、
長期にわたり初期の真空度を維持することができる。こ
のような構成で、その内部を減圧して密封することによ
り、減圧度0.1Torrで、初期の熱伝導率が従来の
0.005kcal/m・h・℃以下の例えば0.00
3kcal/m・h・℃、もしくはそれ以下の特性を満
足させることのできる高性能で、かつ、長期信頼性を保
持した真空断熱材が得られるものである。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1は、本発明にかかる真空断熱材の斜視図、
図2は図1のA−A´線断面図である。真空断熱材は、
水発泡連続気泡硬質ウレタンフォームから成るコア材4
と、合成ゼオライトおよび活性炭から成るゲッター剤6
を、内側に熱溶着性プラスチックフィルムがラミネート
されたアルミニウム箔からなる有底屈曲部3と、内側に
熱溶着性プラスチックフィルムがラミネートされたステ
ンレススチール箔の平坦部2とから成る外包容器1で包
装し、減圧度0.1Torrに達するまで内部の空気を
排気し、ヒートシールで密封したものである。図中の6
はヒートシール部6を示している。
明する。図1は、本発明にかかる真空断熱材の斜視図、
図2は図1のA−A´線断面図である。真空断熱材は、
水発泡連続気泡硬質ウレタンフォームから成るコア材4
と、合成ゼオライトおよび活性炭から成るゲッター剤6
を、内側に熱溶着性プラスチックフィルムがラミネート
されたアルミニウム箔からなる有底屈曲部3と、内側に
熱溶着性プラスチックフィルムがラミネートされたステ
ンレススチール箔の平坦部2とから成る外包容器1で包
装し、減圧度0.1Torrに達するまで内部の空気を
排気し、ヒートシールで密封したものである。図中の6
はヒートシール部6を示している。
【0017】コア材4の水発泡連続気泡硬質ウレタンフ
ォームは、発泡剤として蒸留水を、連通化剤としてステ
アリン酸バリウムをそれぞれ使用し、型温60℃に調整
した金型の空間部に注入発泡したものを、その直後に約
1/3の厚さになるように高圧プレスで圧縮したもので
ある。これにより、偏平状の気泡を形成させ、所定の寸
法にカットしたのち、110℃、2時間エージング処理
したものを用いた。
ォームは、発泡剤として蒸留水を、連通化剤としてステ
アリン酸バリウムをそれぞれ使用し、型温60℃に調整
した金型の空間部に注入発泡したものを、その直後に約
1/3の厚さになるように高圧プレスで圧縮したもので
ある。これにより、偏平状の気泡を形成させ、所定の寸
法にカットしたのち、110℃、2時間エージング処理
したものを用いた。
【0018】ゲッター剤5の合成ゼオライトは、空孔径
が約9Åのユニオン昭和社製のモレキュラシーブス(商
品名「13X」)を300℃で2時間加熱乾燥したもの
と、活性炭としては、粒状白鷺S2×4/6(武田薬品
工業製の商品名)を150℃で2時間加熱乾燥したもの
である。
が約9Åのユニオン昭和社製のモレキュラシーブス(商
品名「13X」)を300℃で2時間加熱乾燥したもの
と、活性炭としては、粒状白鷺S2×4/6(武田薬品
工業製の商品名)を150℃で2時間加熱乾燥したもの
である。
【0019】また、外包容器1の平坦部2は、厚さ10
μmのステンレススチール箔(SuS430)に厚さ5
0μmのポリアクリロニトリルをラミネートしたもので
あり、他方の有底屈曲部3は、厚さ10μmのアルミニ
ウム箔に厚さ50μmのポリアクリロニトリルをラミネ
ートしたものであり、所定の寸法にカットしたフィルム
を内面側がポリアクリロニトリルになるように重ね合
せ、成形して周囲を10mm巾でヒートシールして構成
したものである。図2に示したように、ヒートシール部
6から有底屈曲部3により片面に突出した断面形状を有
している。
μmのステンレススチール箔(SuS430)に厚さ5
0μmのポリアクリロニトリルをラミネートしたもので
あり、他方の有底屈曲部3は、厚さ10μmのアルミニ
ウム箔に厚さ50μmのポリアクリロニトリルをラミネ
ートしたものであり、所定の寸法にカットしたフィルム
を内面側がポリアクリロニトリルになるように重ね合
せ、成形して周囲を10mm巾でヒートシールして構成
したものである。図2に示したように、ヒートシール部
6から有底屈曲部3により片面に突出した断面形状を有
している。
【0020】本実施例で得られた真空断熱材の初期熱伝
導率を、英弘精機社製の熱伝導率測定装置(商品名HC
−071)を用いて平均温度24℃で測定したのち、長
期的な経時劣化を予測するため60℃空気中、4ヶ月放
置の促進試験を行い、その後の熱伝導率を同様に測定し
た結果を表1に示した。
導率を、英弘精機社製の熱伝導率測定装置(商品名HC
−071)を用いて平均温度24℃で測定したのち、長
期的な経時劣化を予測するため60℃空気中、4ヶ月放
置の促進試験を行い、その後の熱伝導率を同様に測定し
た結果を表1に示した。
【0021】なお、表1には比較例として、外包容器に
ポリエチレンテレフタレート25μm/アルミ箔7μm
/ポリアクリロニトリル30μmの構成であるアルミ箔
ラミネートフィルムを、コア材に本実施例の水発砲連続
気泡硬質ウレタンフォームを、ゲッター剤に空孔径が約
13Åのユニオン昭和社製のモレキュラシーブス13X
(商品名)を、それぞれ用いて真空断熱材を製造し、本
実施例のものと同一測定条件で両者の特性を対比し示し
た。
ポリエチレンテレフタレート25μm/アルミ箔7μm
/ポリアクリロニトリル30μmの構成であるアルミ箔
ラミネートフィルムを、コア材に本実施例の水発砲連続
気泡硬質ウレタンフォームを、ゲッター剤に空孔径が約
13Åのユニオン昭和社製のモレキュラシーブス13X
(商品名)を、それぞれ用いて真空断熱材を製造し、本
実施例のものと同一測定条件で両者の特性を対比し示し
た。
【0022】
【表1】
【0023】表1から明らかなように、本実施例で得ら
れた真空断熱材は、測定開始初期の熱伝導率(初期値)
が0.003kcal/m・h・℃であるのに対し、比
較例の外包容器のすべてにアルミニウム箔を用いたもの
は0.0048kcal/m・h・℃であり、極めて優
れた性能を得ることができ、外包容器の片面に熱伝導率
の小さいステンレススチール箔を用いれば、ヒートブリ
ッジの影響を少なくできるために、残りの他の面に安価
なアルミニウム箔を用いることができる。
れた真空断熱材は、測定開始初期の熱伝導率(初期値)
が0.003kcal/m・h・℃であるのに対し、比
較例の外包容器のすべてにアルミニウム箔を用いたもの
は0.0048kcal/m・h・℃であり、極めて優
れた性能を得ることができ、外包容器の片面に熱伝導率
の小さいステンレススチール箔を用いれば、ヒートブリ
ッジの影響を少なくできるために、残りの他の面に安価
なアルミニウム箔を用いることができる。
【0024】また、真空断熱材1を60℃空気中に4ヶ
月間放置しても、内部で発生する比較的分子径の大きな
ウレタン未反応物や触媒のガスをゲッター剤のモレキュ
ラシーブス13Xおよび活性炭白鷺S2×4/6が有効
に吸着するため、長期にわたり優れた断熱性能を維持で
きることから、高性能、長期信頼性を兼ね備えた安価な
真空断熱材が得られるものである。
月間放置しても、内部で発生する比較的分子径の大きな
ウレタン未反応物や触媒のガスをゲッター剤のモレキュ
ラシーブス13Xおよび活性炭白鷺S2×4/6が有効
に吸着するため、長期にわたり優れた断熱性能を維持で
きることから、高性能、長期信頼性を兼ね備えた安価な
真空断熱材が得られるものである。
【0025】さらに、コア材4を構成する連続気泡硬質
ウレタンフォームは、発泡剤の全てに水を使用したノン
フロンの水発泡硬質ウレタンフォームであるため、フロ
ン規制上全く問題ないものである。なお、コア材4とし
ては水発泡硬質ウレタンフォームが優れているが、これ
に限定するものではなく、粉体および発泡体、繊維状の
ものを用いてもよく、またゲッター剤5は合成ゼオライ
トおよび活性炭と他のゲッター剤、例えば酸化カルシウ
ム等と併用しても良い。
ウレタンフォームは、発泡剤の全てに水を使用したノン
フロンの水発泡硬質ウレタンフォームであるため、フロ
ン規制上全く問題ないものである。なお、コア材4とし
ては水発泡硬質ウレタンフォームが優れているが、これ
に限定するものではなく、粉体および発泡体、繊維状の
ものを用いてもよく、またゲッター剤5は合成ゼオライ
トおよび活性炭と他のゲッター剤、例えば酸化カルシウ
ム等と併用しても良い。
【0026】このようにして得られた真空断熱材を、在
来の冷蔵庫の断熱材(硬質発泡ウレタンフォーム)の代
わりに適用してみたところ、断熱材の厚さが薄くできた
分だけ冷蔵庫の薄壁化による内容積効率の向上が達成で
き、内容積当たりの省電力化が容易になると共に、重量
の軽い冷蔵庫を安価に製造することができるようになっ
た。
来の冷蔵庫の断熱材(硬質発泡ウレタンフォーム)の代
わりに適用してみたところ、断熱材の厚さが薄くできた
分だけ冷蔵庫の薄壁化による内容積効率の向上が達成で
き、内容積当たりの省電力化が容易になると共に、重量
の軽い冷蔵庫を安価に製造することができるようになっ
た。
【0027】以上詳述したように、このように高性能、
高信頼性で安価な真空断熱材を各種断熱壁に用いれば、
冷蔵庫のみならず、温蔵庫、建築材等の断熱材としても
有効に適用できるものである。
高信頼性で安価な真空断熱材を各種断熱壁に用いれば、
冷蔵庫のみならず、温蔵庫、建築材等の断熱材としても
有効に適用できるものである。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により所期
の目的を達成することができた。すなわち、量産可能な
減圧度0.1Torrで熱伝導率が従来より格段に小さ
い、例えば0.003kcal/m・h・℃、もしくは
それ以下の高性能な、しかも経時劣化が少なく信頼性の
高い、軽量化された真空断熱材が、安価に提供できるよ
うになった。また、コア材に水発泡連続気泡硬質ウレタ
ンフォームを使用した場合には、ノンフロンのコア材を
使用することができ、在来のフロン使用による環境問題
に対処することができる。
の目的を達成することができた。すなわち、量産可能な
減圧度0.1Torrで熱伝導率が従来より格段に小さ
い、例えば0.003kcal/m・h・℃、もしくは
それ以下の高性能な、しかも経時劣化が少なく信頼性の
高い、軽量化された真空断熱材が、安価に提供できるよ
うになった。また、コア材に水発泡連続気泡硬質ウレタ
ンフォームを使用した場合には、ノンフロンのコア材を
使用することができ、在来のフロン使用による環境問題
に対処することができる。
【図1】本発明の一実施例となる真空断熱材の斜視図。
【図2】図1のA−A´線断面図。
1…外包容器(真空断熱材の外観)、 2…外包容器の平坦部(ステンレススチール箔)、 3…外包容器の有底屈曲部(アルミニウム箔)、 4…コア材、 5…ゲッター剤、 6…ヒートシール面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16L 59/06 (72)発明者 北畠 正一 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業部内
Claims (5)
- 【請求項1】ガスバリヤー性を有する容器中に、コア材
と気体を吸着するゲッター剤が充填され、容器内が真空
に保持された偏平状の真空断熱材であって、前記容器は
ステンレススチール箔からなる平坦部と、アルミニウム
箔からなる有底屈曲部とで構成されると共に、前記ステ
ンレススチール箔及びアルミニウム箔の内側には、それ
ぞれ熱溶着性プラスチックフィルム材がラミネートされ
ており、ヒートシールによってこれら熱溶着性プラスチ
ックフィルムが容器の周縁部で相互に溶着して真空シー
ル部を構成して成る真空断熱材。 - 【請求項2】ステンレススチール箔の膜厚を20μm以
下とし、アルミニウム箔の膜厚を7〜10μmとして成
る請求項1記載の真空断熱材。 - 【請求項3】熱溶着性プラスチックフィルムをポリアク
リロニトリルで構成して成る請求項1記載の真空断熱
材。 - 【請求項4】コア材を、気泡の厚みが0.01〜0.1m
mの偏平状に形成された水発泡連続気泡硬質ウレタンフ
ォームで構成して成る請求項1記載の真空断熱材。 - 【請求項5】請求項1乃至4何れか一に記載の真空断熱
材を断熱材として具備して成る冷蔵庫。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6240912A JPH08105687A (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 真空断熱材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6240912A JPH08105687A (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 真空断熱材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08105687A true JPH08105687A (ja) | 1996-04-23 |
Family
ID=17066521
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6240912A Pending JPH08105687A (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 真空断熱材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08105687A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5877100A (en) * | 1996-09-27 | 1999-03-02 | Cabot Corporation | Compositions and insulation bodies having low thermal conductivity |
JPH11106539A (ja) * | 1997-10-03 | 1999-04-20 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 真空断熱材用ゲッタおよびその製造法 |
JP2004257684A (ja) * | 2003-02-27 | 2004-09-16 | Sanyo Electric Co Ltd | 断熱箱体及び真空断熱材 |
CN107830683A (zh) * | 2017-11-30 | 2018-03-23 | 合肥美菱股份有限公司 | 一种真空绝热板结构 |
WO2019167666A1 (ja) * | 2018-02-27 | 2019-09-06 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 真空断熱材、それを用いた断熱構造体、ならびに、それらを用いた家電製品、住宅壁および輸送機器 |
-
1994
- 1994-10-05 JP JP6240912A patent/JPH08105687A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPWO2019167666A1 (ja) * | 2018-02-27 | 2020-12-10 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 真空断熱材、それを用いた断熱構造体、ならびに、それらを用いた家電製品、住宅壁および輸送機器 |
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