JPWO2019163993A1 - 細長い粒子形状を有するシリカゾルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
活性珪酸水溶液にアニオン源となる化合物とアルカリ源としてアンモニアを加え、所定の温度で加熱する事で、金属不純物の少ない、細長い粒子形状のコロイダルシリカ粒子が溶媒に分散したシリカゾルの製造方法を提供する。(a)工程:SiO2濃度が1〜6質量%であり、かつ、pHが2〜5である活性珪酸のコロイド水溶液に、SiO2に対して質量比3.0〜7.0となる量の無機酸、有機酸、及びそのアンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン源となる化合物と、アンモニアとを加える事とを含む原料液を作製する工程、(b)工程:(a)工程により得られた原料液を80〜200℃で0.5〜20時間加熱して、シリカゾルを製造する工程を含む、動的光散乱法による平均粒子径(DLnm)と窒素ガス吸着法による一次粒子径(DBnm)との比DL/DBが2.5以上であるシリカゾル製造方法。
Description
本発明は細長い形状のコロイダルシリカ粒子が液状媒体に分散してなるシリカゾルの製造方法に関し、特にアルカリ金属やアルカリ土類金属の含有量が低いシリカゾルを効率的に製造する方法に関する。
コロイダルシリカ粒子の形状は球状に近い形状と、非球状の2つのタイプに大別される。非球状タイプはその形状をコントロールすることにより、種々の効果(例えば、結合力、吸着力、光透過性)が期待でき、各種コーティング剤のマイクロフィラー、結合剤、改質剤、触媒担体、電子材料用研磨剤(例えばシリコンウエハー用研磨剤、シリコン酸化膜や銅、アルミニウム等の金属を研磨するためのデバイスウエハー用CMP研磨剤)等の用途に用いられている。
球状に近い形状のシリカ粒子が鎖状もしくは数珠状につながった細長い形状を有するシリカ粒子も非球状タイプのシリカ粒子であり、この非球状タイプのシリカ粒子が水性媒体や有機媒体に安定に分散したシリカゾルが存在する。
球状に近い形状のシリカ粒子が鎖状もしくは数珠状につながった細長い形状を有するシリカ粒子も非球状タイプのシリカ粒子であり、この非球状タイプのシリカ粒子が水性媒体や有機媒体に安定に分散したシリカゾルが存在する。
例えば、細長い形状を有するコロイダルシリカ粒子が液状媒体に分散してなるシリカゾルの製造方法については、SiO2濃度1ないし6質量%の活性珪酸のコロイド水溶液に、水溶性のカルシウム塩、マグネシウム塩又はこれらの混合物を含有する水溶液を活性珪酸のSiO2(シリカ)に対してCaO(酸化カルシウム)、MgO(酸化マグネシウム)又はその両者の質量比が1500ないし8500ppmとなる量で添加し、更にアルカリ金属水酸化物、有機塩基又はそれらの水溶液の珪酸塩を添加し、SiO2/M2Oで表される式(但し、SiO2は上記活性珪酸に由来するシリカ分と上記水溶性珪酸塩のシリカ分を合わせた総含有量を表し、そしてMは上記アルカリ金属原子又は有機塩基の分子を表す。)に換算したモル比を20ないし300とした後、60ないし300℃で0.5ないし40時間加熱する方法が開示されている(特許文献1参照。)。
また、鎖状につながったシリカ粒子であって還元粘度とシリカ濃度との関係が特定の関数で示されるシリカゾルが開示されていて、その製造方法はアルカリ金属ケイ酸塩水溶液にケイ酸を添加する前にCa、Mg、Al、In、Ti、Zr、Sn、Si、Sb、Fe、Cu、又は希土類金属等の多価金属イオンを添加し、60℃以上の温度に加熱し、再度ケイ酸を加える方法が開示されている(特許文献2参照)。
また、カリウムイオンの存在下で活性珪酸を原料として製造されるコロイダルシリカであって、カリウムイオンを含有し且つ透過型電子顕微鏡観察による長径/短径比が1.2〜10の範囲にある非球状の異形シリカ粒子群を含有するコロイダルシリカが開示されていて、活性珪酸水溶基にカリウムイオンの供給源となる化合物と、アルカリ剤とを添加しアルカリ性にした後に加熱してシリカ粒子を形成し、加熱下に活性珪酸水溶液とアルカリ剤とカリウムイオン供給減となる化合物を添加するコロイダルシリカの製造方法が開示されている(特許文献3参照)。
シリカゾル中に含まれる金属不純物により、用途によってはそのシリカゾルは使用不可となる事がある。本発明は金属不純物の含有量が低い非球状シリカが溶媒に分散したシリカゾルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は活性珪酸水溶液にアニオン源となる化合物とアルカリ源としてアンモニアを加え、所定の温度で加熱する事で容易に、金属不純物の少ない、細長い粒子形状のコロイダルシリカが溶媒に分散したシリカゾルを製造することができる。
本発明は活性珪酸水溶液にアニオン源となる化合物とアルカリ源としてアンモニアを加え、所定の温度で加熱する事で容易に、金属不純物の少ない、細長い粒子形状のコロイダルシリカが溶媒に分散したシリカゾルを製造することができる。
本発明は第1観点として、下記(a)及び(b)工程を含む、動的光散乱法による平均粒子径(DLnm)と窒素ガス吸着法による一次粒子径(DBnm)との比DL/DBが2.5以上であり、該DLは30〜300nmであり、かつ、電子顕微鏡観察による50〜1000nmの範囲内の長さの粒子長を有する、細長い形状のコロイダルシリカ粒子が液状媒体に分散してなるSiO2濃度6〜30質量%のシリカゾルの製造方法;
(a)工程 SiO2濃度が1〜6質量%であり、かつ、pHが2〜5である活性珪酸のコロイド水溶液に、SiO2に対して質量比3.0〜7.0%となる量の無機酸、有機酸、及びそのアンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン源となる化合物と、アンモニアとを加える事とを含む原料液を作製する工程、
(b)工程 (a)工程により得られた原料液を80〜200℃で0.5〜20時間加熱して、シリカゾルを製造する工程、
第2観点として、(a)工程に用いる活性珪酸のコロイド水溶液がSiO2/M2Oモル比(ただしMはナトリウム又はカリウムを表す。)1〜4.5の珪酸アルカリ水溶液を、強酸型陽イオン交換樹脂、又は強酸型陽イオン交換樹脂及び強塩基型陰イオン交換樹脂に接触させる事により得られたものである第1観点に記載のシリカゾルの製造方法、
第3観点として、(a)工程に用いる活性珪酸のコロイド水溶液が、上記珪酸アルカリ水溶液に更に強酸を加えて1〜98℃の温度で処理した後に、該処理した水溶液を強酸型陽イオン交換樹脂、又は強酸型陽イオン交換樹脂及び強塩基型陰イオン交換樹脂に接触させる事により得られたものである第2観点に記載のシリカゾルの製造方法、
第4観点として、(a)工程に用いる活性珪酸のコロイド水溶液が、上記アルカリ水溶液又は上記処理した水溶液を、強酸型陽イオン交換樹脂、又は強酸型陽イオン交換樹脂及び強塩基型陰イオン交換樹脂との接触の前又は後に更にカルボン酸型キレート樹脂、水酸基型キレート樹脂、及び/又はアミン型キレート樹脂と接触させたものである第2観点又は第3観点に記載のシリカゾルの製造方法、
第5観点として、(a)工程に使用するアニオン源となる化合物が、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、フッ化水素酸、塩酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、及びそれらのアンモニウム塩からなる群より選ばれた少なくとも1種のアニオン源となる化合物である第1観点乃至第4観点のいずれか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第6観点として、(a)工程に用いる活性珪酸のコロイド水溶液に含まれるコロイド粒子の平均粒子径が5nm未満である第1観点乃至第5観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第7観点として、(a)工程で加えられるアンモニアが、アンモニアガス又はアンモニア水溶液の形態で加えられるものである第1観点乃至第6観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第8観点として、(a)工程が上記活性珪酸のコロイド水溶液に上記アニオン源となる化合物を加え、その後に上記アンモニアを加える工程を含む第1観点乃至第7観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第9観点として、(a)工程が上記活性珪酸のコロイド水溶液に上記アンモニアを加え、その後に上記アニオン源となる化合物を加え、その後に上記アンモニアを加える工程を含む第1観点乃至第7観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第10観点として、(a)工程で得られる原料液のpHが8〜12である第1観点乃至第9観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第11観点として、(b)工程における原料液の加熱は、がオートクレーブ装置内で原料液を100℃〜180℃で加熱する方法によるものである第1観点乃至第10観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第12観点として、(b)工程で得られたシリカゾルを強酸性イオン交換樹脂及び/又は強塩基性イオン交換樹脂に接触させる工程を更に含む第1観点乃至第11観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第13観点として、(b)工程で得られたシリカゾルを、強酸性イオン交換樹脂及び/又は強塩基性イオン交換樹脂との接触の前又は後に、カルボン酸型キレート樹脂、水酸基型キレート樹脂、及び/又はアミン型キレート樹脂と接触させる工程を更に含む、第12観点に記載のシリカゾルの製造方法、
第14観点として、得られたシリカゾルの水性媒体を有機媒体に溶媒置換する工程を更に有する、第1観点乃至第13観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第15観点として、上記シリカゾルにおいて、SiO2に対するCa、及びMgの質量比がそれぞれ2〜100ppmである第1観点乃至第14観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第16観点として、上記シリカゾルにおいて、SiO2に対するNaの質量比が2〜1000ppm、及びKの質量比が2〜100ppmである第1観点乃至第15観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第17観点として、上記細長い形状のコロイダルシリカ粒子は、動的光散乱法による平均粒子径(DLnm)と窒素ガス吸着法による一次粒子径(DBnm)との比DL/DBが3〜30である第1観点乃至第16観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、及び
第18観点として、上記シリカゾルが、酸性シリカゾル又はアンモニア型アルカリ性シリカゾルである第1観点乃至第17観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法である。
(a)工程 SiO2濃度が1〜6質量%であり、かつ、pHが2〜5である活性珪酸のコロイド水溶液に、SiO2に対して質量比3.0〜7.0%となる量の無機酸、有機酸、及びそのアンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン源となる化合物と、アンモニアとを加える事とを含む原料液を作製する工程、
(b)工程 (a)工程により得られた原料液を80〜200℃で0.5〜20時間加熱して、シリカゾルを製造する工程、
第2観点として、(a)工程に用いる活性珪酸のコロイド水溶液がSiO2/M2Oモル比(ただしMはナトリウム又はカリウムを表す。)1〜4.5の珪酸アルカリ水溶液を、強酸型陽イオン交換樹脂、又は強酸型陽イオン交換樹脂及び強塩基型陰イオン交換樹脂に接触させる事により得られたものである第1観点に記載のシリカゾルの製造方法、
第3観点として、(a)工程に用いる活性珪酸のコロイド水溶液が、上記珪酸アルカリ水溶液に更に強酸を加えて1〜98℃の温度で処理した後に、該処理した水溶液を強酸型陽イオン交換樹脂、又は強酸型陽イオン交換樹脂及び強塩基型陰イオン交換樹脂に接触させる事により得られたものである第2観点に記載のシリカゾルの製造方法、
第4観点として、(a)工程に用いる活性珪酸のコロイド水溶液が、上記アルカリ水溶液又は上記処理した水溶液を、強酸型陽イオン交換樹脂、又は強酸型陽イオン交換樹脂及び強塩基型陰イオン交換樹脂との接触の前又は後に更にカルボン酸型キレート樹脂、水酸基型キレート樹脂、及び/又はアミン型キレート樹脂と接触させたものである第2観点又は第3観点に記載のシリカゾルの製造方法、
第5観点として、(a)工程に使用するアニオン源となる化合物が、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、フッ化水素酸、塩酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、及びそれらのアンモニウム塩からなる群より選ばれた少なくとも1種のアニオン源となる化合物である第1観点乃至第4観点のいずれか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第6観点として、(a)工程に用いる活性珪酸のコロイド水溶液に含まれるコロイド粒子の平均粒子径が5nm未満である第1観点乃至第5観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第7観点として、(a)工程で加えられるアンモニアが、アンモニアガス又はアンモニア水溶液の形態で加えられるものである第1観点乃至第6観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第8観点として、(a)工程が上記活性珪酸のコロイド水溶液に上記アニオン源となる化合物を加え、その後に上記アンモニアを加える工程を含む第1観点乃至第7観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第9観点として、(a)工程が上記活性珪酸のコロイド水溶液に上記アンモニアを加え、その後に上記アニオン源となる化合物を加え、その後に上記アンモニアを加える工程を含む第1観点乃至第7観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第10観点として、(a)工程で得られる原料液のpHが8〜12である第1観点乃至第9観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第11観点として、(b)工程における原料液の加熱は、がオートクレーブ装置内で原料液を100℃〜180℃で加熱する方法によるものである第1観点乃至第10観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第12観点として、(b)工程で得られたシリカゾルを強酸性イオン交換樹脂及び/又は強塩基性イオン交換樹脂に接触させる工程を更に含む第1観点乃至第11観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第13観点として、(b)工程で得られたシリカゾルを、強酸性イオン交換樹脂及び/又は強塩基性イオン交換樹脂との接触の前又は後に、カルボン酸型キレート樹脂、水酸基型キレート樹脂、及び/又はアミン型キレート樹脂と接触させる工程を更に含む、第12観点に記載のシリカゾルの製造方法、
第14観点として、得られたシリカゾルの水性媒体を有機媒体に溶媒置換する工程を更に有する、第1観点乃至第13観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第15観点として、上記シリカゾルにおいて、SiO2に対するCa、及びMgの質量比がそれぞれ2〜100ppmである第1観点乃至第14観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第16観点として、上記シリカゾルにおいて、SiO2に対するNaの質量比が2〜1000ppm、及びKの質量比が2〜100ppmである第1観点乃至第15観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、
第17観点として、上記細長い形状のコロイダルシリカ粒子は、動的光散乱法による平均粒子径(DLnm)と窒素ガス吸着法による一次粒子径(DBnm)との比DL/DBが3〜30である第1観点乃至第16観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法、及び
第18観点として、上記シリカゾルが、酸性シリカゾル又はアンモニア型アルカリ性シリカゾルである第1観点乃至第17観点の何れか一つに記載のシリカゾルの製造方法である。
本発明はアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を陽イオン交換樹脂、又は陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂に接触させることにより活性珪酸を製造し、その活性珪酸に無機酸、有機酸、及びそのアンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン源となる化合物と、アルカリ源としてのアンモニアとを加えて調製された活性珪酸(原料液)を得て、それを加熱(好ましくはオートクレーブ処理)する事により、金属不純物の少ない高純度化された、細長い形状のコロイダルシリカ粒子が分散してなるシリカゾルを得る事ができる。
非球状のシリカ粒子が分散してなるシリカゾルはその粒子形状に起因して、種々の効果(例えば、結合力、吸着力、光透過性)が期待でき、各種コーティング剤のマイクロフィラー、結合剤、改質剤、触媒担体、電子材料用研磨剤(例えばシリコンウエハー用研磨剤、シリコン酸化膜や銅、アルミニウム等の金属を研磨するためのデバイスウエハー用CMP研磨剤)等の用途に用いられている。
これらの用途には金属不純物の含有量が厳しく制限されている分野があり、本発明で得られるシリカゾルは金属不純物含有量が少なく高純度化されたものであり、それらの用途に適用する事ができる。
上記高純度化は、アルカリ源としてNaやKに基づくアルカリ金属を用いるものではなく、アンモニアを用いる事に基づくものである。
これらの用途には金属不純物の含有量が厳しく制限されている分野があり、本発明で得られるシリカゾルは金属不純物含有量が少なく高純度化されたものであり、それらの用途に適用する事ができる。
上記高純度化は、アルカリ源としてNaやKに基づくアルカリ金属を用いるものではなく、アンモニアを用いる事に基づくものである。
また、高純度化は、活性珪酸を準備する(a)工程で行われる場合、又はシリカゾルを形成する(b)工程で行われる場合、又はその両工程で行われる場合が挙げられる。
その高純度化は(a)工程の活性珪酸のコロイド水溶液、もしくは(b)工程で得られるシリカゾルを、強酸型陽イオン交換樹脂及び/又は強塩基型陰イオン交換樹脂、更に弱酸型(カルボン酸型)キレート樹脂及び/又は弱塩基型(アミン型)キレート樹脂に接触させる事により、活性珪酸のコロイド水溶液及びシリカゾルから金属不純物を取り除く事が可能である。
その高純度化は(a)工程の活性珪酸のコロイド水溶液、もしくは(b)工程で得られるシリカゾルを、強酸型陽イオン交換樹脂及び/又は強塩基型陰イオン交換樹脂、更に弱酸型(カルボン酸型)キレート樹脂及び/又は弱塩基型(アミン型)キレート樹脂に接触させる事により、活性珪酸のコロイド水溶液及びシリカゾルから金属不純物を取り除く事が可能である。
また、(a)工程で用いられる活性珪酸のコロイド水溶液は、強酸を加えて室温乃至加熱による処理を行って、活性珪酸のコロイド中に取り込まれた金属不純物を水溶液中に溶出(リーチング)させ、強酸型陽イオン交換樹脂や強塩基型陰イオン交換樹脂、更に弱酸型(カルボン酸型)キレート樹脂や弱塩基型(アミン型)キレート樹脂と接触させることにより、その溶出物を取り除き、高純度化させることが可能である。
上記金属不純物はNa、K、Ca、Mg、Ni、Cu、Fe、Co、Zn、Ti等であり、本発明ではアルカリ源としてアンモニアを用いるためにNa及びKの含有量が低く、また細長い形状に調整するためにCa及びMg源を用いない事により、Ca及びMgの含有量が低いシリカゾルの製造方法を提供する事ができる。またイオン交換樹脂やキレート樹脂を併用する事でシリカゾルから多価金属を除去することができる。
本発明は下記(a)及び(b)工程を含む、動的光散乱法による平均粒子径(DLnm)と窒素ガス吸着法による一次粒子径(DBnm)との比DL/DBが2.5以上であり、該DLは30〜300nmであり、かつ、電子顕微鏡観察による50〜1000nmの範囲内の長さの粒子長を有する、細長い形状のコロイダルシリカ粒子が液状媒体に分散したSiO2濃度6〜30質量%のシリカゾルの製造方法である;
(a)工程 SiO2濃度が1〜6質量%であり、かつ、pHが2〜5である活性珪酸のコロイド水溶液に、SiO2に対して質量比3.0〜7.0%となる量の無機酸、有機酸、及びそのアンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン源となる化合物と、アンモニアとを加える事とを含む原料液を作製する工程、
(b)工程 (a)工程により得られた原料液を80〜200℃で0.5〜20時間加熱して、シリカゾルを製造する工程。
(a)工程 SiO2濃度が1〜6質量%であり、かつ、pHが2〜5である活性珪酸のコロイド水溶液に、SiO2に対して質量比3.0〜7.0%となる量の無機酸、有機酸、及びそのアンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン源となる化合物と、アンモニアとを加える事とを含む原料液を作製する工程、
(b)工程 (a)工程により得られた原料液を80〜200℃で0.5〜20時間加熱して、シリカゾルを製造する工程。
上記液状媒体は水性媒体(水)又は有機媒体(有機溶媒)である。
動的光散乱法による平均粒子径(DLnm)の測定は、測定原理が動的光散乱法によるものであり、例えば動的光散乱法粒子径測定装置(スペクトリス社製の商品名ゼーターサイザー ナノ)で測定する事ができる。動的光散乱法による平均粒子径(DLnm)は30〜300nmの範囲にある。
一次粒子径(DBnm)は、窒素ガス吸着法(BET法)によって測定された比表面積Sm2/gから、(DBnm)=2720/Sの式によって計算される一次粒子径であり、細長い形状のコロイダルシリカ粒子の比表面積と同じ比表面積を有する仮想の球状シリカ粒子の直径を意味する。従って、DL/DBは細長い形状のシリカ粒子の伸長度を意味すると考えられる。細長い形状のコロイダルシリカ粒子は粒子同士が3次元に凝集したものではなく、3次元網目構造を有するものでもない。粒子同士が数珠状及び/又は鎖状につながった構造を示し、粒子同士は同一粒径及び/又は異なる粒径のシリカ粒子が数珠状又は鎖状に連結したものであると考えられる。
本明細書において、シリカ粒子の伸長度とは、数珠状及び又は鎖状に連結したコロイダルシリカ粒子の連結度合(長さの度合)を意味する。
本発明ではDL/DB比が2.5以上であって、例えば2.5〜50.0、又は3.0〜30.0、又は3.0〜15.0とする事ができる。
また、本発明の細長い形状のコロイダルシリカ粒子は、結晶質及び非晶質のいずれであってもよく、また、結晶質及び非晶質の混合体であってもよい。好ましくは、細長い形状の非晶質コロイダルシリカ粒子である。
一次粒子径(DBnm)は、窒素ガス吸着法(BET法)によって測定された比表面積Sm2/gから、(DBnm)=2720/Sの式によって計算される一次粒子径であり、細長い形状のコロイダルシリカ粒子の比表面積と同じ比表面積を有する仮想の球状シリカ粒子の直径を意味する。従って、DL/DBは細長い形状のシリカ粒子の伸長度を意味すると考えられる。細長い形状のコロイダルシリカ粒子は粒子同士が3次元に凝集したものではなく、3次元網目構造を有するものでもない。粒子同士が数珠状及び/又は鎖状につながった構造を示し、粒子同士は同一粒径及び/又は異なる粒径のシリカ粒子が数珠状又は鎖状に連結したものであると考えられる。
本明細書において、シリカ粒子の伸長度とは、数珠状及び又は鎖状に連結したコロイダルシリカ粒子の連結度合(長さの度合)を意味する。
本発明ではDL/DB比が2.5以上であって、例えば2.5〜50.0、又は3.0〜30.0、又は3.0〜15.0とする事ができる。
また、本発明の細長い形状のコロイダルシリカ粒子は、結晶質及び非晶質のいずれであってもよく、また、結晶質及び非晶質の混合体であってもよい。好ましくは、細長い形状の非晶質コロイダルシリカ粒子である。
これらのコロイダルシリカ粒子の粒子長は電子顕微鏡(透過型電子顕微鏡)観察によって粒子形状を観察することにより確認でき、その粒子長は50〜1000nm、又は60〜800nmである。
本願明細書において、細長い形状のコロイダルシリカ粒子の粒子長は、図7に示すように、数珠状及び/又は鎖状に連結したコロイダルシリカ粒子を1個のシリカ粒子とみなし、その粒子を平面上に投影した像に接する、面積を最小とする外接長方形の長辺の長さ(L)を表す。
本願明細書において、細長い形状のコロイダルシリカ粒子の粒子長は、図7に示すように、数珠状及び/又は鎖状に連結したコロイダルシリカ粒子を1個のシリカ粒子とみなし、その粒子を平面上に投影した像に接する、面積を最小とする外接長方形の長辺の長さ(L)を表す。
(a)工程に用いる活性珪酸のコロイド水溶液は、SiO2/M2Oモル比(ただしMはナトリウム又はカリウムを表す。)1〜4.5の珪酸アルカリ水溶液を、強酸型陽イオン交換樹脂、又は強酸型陽イオン交換樹脂及び強塩基型陰イオン交換樹脂等のイオン交換樹脂に接触させる事により得られたものを用いることができる。珪酸アルカリ水溶液をイオン交換樹脂に接触させる方法としては特に限定されず、例えば、イオン交換樹脂を充填したカラムに珪酸アルカリ水溶液を通液させて、珪酸アルカリ水溶液とイオン交換樹脂とを接触させる方法等が挙げられる。
上記珪酸アルカリ水溶液を、固形分1〜10質量%に調製し、イオン交換樹脂に接触させることにより、活性珪酸のコロイド水溶液を製造する事ができる。本明細書において、固形分とは水溶液又はシリカゾルの全成分から水性媒体又は有機媒体成分を除いたものである。また、珪酸アルカリ水溶液としては、市販の1号珪曹、2号珪曹、3号珪曹を純水等で希釈したものを用いることができる。
上記珪酸アルカリ水溶液を、固形分1〜10質量%に調製し、イオン交換樹脂に接触させることにより、活性珪酸のコロイド水溶液を製造する事ができる。本明細書において、固形分とは水溶液又はシリカゾルの全成分から水性媒体又は有機媒体成分を除いたものである。また、珪酸アルカリ水溶液としては、市販の1号珪曹、2号珪曹、3号珪曹を純水等で希釈したものを用いることができる。
強酸型陽イオン交換樹脂は水素型陽イオン交換樹脂であり、陽イオン交換樹脂をカラムに装填し、該カラムに強酸水溶液を通液して水素型に変換した陽イオン交換樹脂を用いる事ができる。強酸型陽イオン交換樹脂としては、例えばダウ・ケミカル社製、商品名アンバーライトIR−120B、アンバージェット1020、DOWEX MARATHON
GH、三菱ケミカルホールディングス社製、商品名ダイヤイオンSK104、ダイヤイオンPK208、住化ケムテック社製、商品名デュオライトC20J等が挙げられる。
強塩基型イオン交換樹脂は水酸基型イオン交換樹脂であり、陰イオン交換樹脂をカラムに装填し、該カラム中に強アルカリ水溶液を通液して水酸基型に変換した陰イオン交換樹脂を用いる事ができる。強塩基型陰イオン交換樹脂としては、例えばダウ・ケミカル社製、商品名アンバーライトIRA400J、アンバーライトIRA410J、アンバージェット4400、三菱ケミカルホールディングス社製、商品名ダイヤイオンSA10A、ダイヤイオンSA20A、住化ケムテック社製、商品名 デュオライトUBA120等が挙げられる。
上記活性珪酸のコロイド水溶液は、SiO2の固形分濃度が1〜10質量%、好ましくは1〜6質量%の範囲のものを用いる事ができる
GH、三菱ケミカルホールディングス社製、商品名ダイヤイオンSK104、ダイヤイオンPK208、住化ケムテック社製、商品名デュオライトC20J等が挙げられる。
強塩基型イオン交換樹脂は水酸基型イオン交換樹脂であり、陰イオン交換樹脂をカラムに装填し、該カラム中に強アルカリ水溶液を通液して水酸基型に変換した陰イオン交換樹脂を用いる事ができる。強塩基型陰イオン交換樹脂としては、例えばダウ・ケミカル社製、商品名アンバーライトIRA400J、アンバーライトIRA410J、アンバージェット4400、三菱ケミカルホールディングス社製、商品名ダイヤイオンSA10A、ダイヤイオンSA20A、住化ケムテック社製、商品名 デュオライトUBA120等が挙げられる。
上記活性珪酸のコロイド水溶液は、SiO2の固形分濃度が1〜10質量%、好ましくは1〜6質量%の範囲のものを用いる事ができる
また(a)工程で用いられる活性珪酸のコロイド水溶液としては、更にカルボン酸型キレート樹脂、水酸基型キレート樹脂、及び/又はアミン型キレート樹脂に接触させたものを用いる事ができる。
これらキレート樹脂はN、S、O、P等の電子供与性原子を2個以上含んだものが使われ、例えばN−O系、S−N系、N−N系、O−O系のキレート樹脂が挙げられ、例えばイミノ二酢酸型(−N(CH2COO−)2)、ポリアミン型(−NH(CH2CH2NH)nH)のものが挙げられる。例えば三菱ケミカル社製、商品名ダイヤイオンCR11、ダイヤイオンCR20、ダイヤイオンCRB03、ダイヤイオンCRB05が挙げられる。吸着された金属イオンは砿酸水溶液(塩酸水溶液、硫酸水溶液)で再生して使用する事ができる。また、金属イオンが吸着したキレート樹脂は、鉱酸水溶液(塩酸水溶液、硫酸水溶液)を用いて金属イオンを取り除くことで、再生して使用することができる。
これらキレート樹脂はN、S、O、P等の電子供与性原子を2個以上含んだものが使われ、例えばN−O系、S−N系、N−N系、O−O系のキレート樹脂が挙げられ、例えばイミノ二酢酸型(−N(CH2COO−)2)、ポリアミン型(−NH(CH2CH2NH)nH)のものが挙げられる。例えば三菱ケミカル社製、商品名ダイヤイオンCR11、ダイヤイオンCR20、ダイヤイオンCRB03、ダイヤイオンCRB05が挙げられる。吸着された金属イオンは砿酸水溶液(塩酸水溶液、硫酸水溶液)で再生して使用する事ができる。また、金属イオンが吸着したキレート樹脂は、鉱酸水溶液(塩酸水溶液、硫酸水溶液)を用いて金属イオンを取り除くことで、再生して使用することができる。
(a)工程で用いる活性珪酸のコロイド水溶液は上記イオン交換樹脂やキレート樹脂を装填(充填)したカラムに繰り返し通液する事により、更に高純度化する事ができる。
上記イオン交換樹脂やキレート樹脂をカラムに装填(充填)し、上記水溶液を1〜30h−1、又は1〜15h−1の空間速度で通液することができる。
(a)工程で用いる活性珪酸のコロイド水溶液は、更に強酸を加え1〜98℃の温度で処理した後に、強酸型陽イオン交換樹脂、又は強酸型陽イオン交換樹脂及び強塩基型陰イオン交換樹脂に接触させる事により高純度化させることができる。活性珪酸のコロイド水溶液は微小なコロイド水溶液(例えば、粒子径が5nm以下、又は5nm未満、又は3nm以下、又は1nm以下である。)を形成していると考えられ、それらコロイド粒子中に金属不純物が取り込まれている場合がある。コロイド粒子中の金属不純物をイオン交換樹脂やキレート樹脂では取り除くことが出来ない場合は、活性珪酸のコロイド水溶液に酸水溶液を添加して1〜98℃、好ましくは室温で処理することにより、コロイド粒子内部から水溶液中に金属不純物を溶出することができる。これらの金属不純物は上記イオン交換樹脂やキレート樹脂に接触させる事で水溶液中から吸着分離されるので、活性珪酸のコロイド水溶液を高純度化する事ができる。それにより最終的に得られるシリカゾルも高純度化する事ができる。
上記イオン交換樹脂やキレート樹脂をカラムに装填(充填)し、上記水溶液を1〜30h−1、又は1〜15h−1の空間速度で通液することができる。
(a)工程で用いる活性珪酸のコロイド水溶液は、更に強酸を加え1〜98℃の温度で処理した後に、強酸型陽イオン交換樹脂、又は強酸型陽イオン交換樹脂及び強塩基型陰イオン交換樹脂に接触させる事により高純度化させることができる。活性珪酸のコロイド水溶液は微小なコロイド水溶液(例えば、粒子径が5nm以下、又は5nm未満、又は3nm以下、又は1nm以下である。)を形成していると考えられ、それらコロイド粒子中に金属不純物が取り込まれている場合がある。コロイド粒子中の金属不純物をイオン交換樹脂やキレート樹脂では取り除くことが出来ない場合は、活性珪酸のコロイド水溶液に酸水溶液を添加して1〜98℃、好ましくは室温で処理することにより、コロイド粒子内部から水溶液中に金属不純物を溶出することができる。これらの金属不純物は上記イオン交換樹脂やキレート樹脂に接触させる事で水溶液中から吸着分離されるので、活性珪酸のコロイド水溶液を高純度化する事ができる。それにより最終的に得られるシリカゾルも高純度化する事ができる。
(a)工程に使用するアニオン源となる化合物としては、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、フッ化水素酸、塩酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、及びそれらのアンモニウム塩からなる群より選ばれた少なくとも1種のアニオン源となる化合物を用いることができる。例えば、硝酸、硫酸又はシュウ酸等の水溶液を用いることができる。これらのアニオン源はアンモニウム塩として添加する事も、pH調整に用いるアンモニアによってアンモニウム塩に変換されて用いることもできる。水溶液の濃度は例えば0.1〜50質量%、又は0.1〜10質量%、又は0.1〜5質量%、又は0.1〜1質量%、又は0.1〜0.2質量%の範囲で用いることができる。
(a)工程でpH調整に用いるアンモニアとしては、アンモニアガス又はアンモニア水溶液の形態で用いることができる。活性珪酸のコロイド水溶液に直接、アンモニアガスを導入してpH調整する方法、又は活性珪酸のコロイド水溶液にアンモニア水溶液を添加してpHを調製する方法が挙げられる。アンモニア水溶液は濃度28質量%で用いることも、純水で濃度1〜28質量%未満に希釈して用いることもできる。
(a)工程の例として、上記活性珪酸のコロイド水溶液に上記アニオン源となる化合物を加え、その後に上記アンモニアを加える工程を含む方法が挙げられる。
また(a)工程の例として、上記活性珪酸のコロイド水溶液に上記アンモニアを加え、その後に上記アニオン源となる化合物を加え、その後に上記アンモニアを加える工程を含む方法が挙げられる。
pH調整して(a)工程で得られる原料液(活性珪酸のコロイド水溶液)のpHを8〜12、又は9〜11、又は9〜10に調製することができる。
また(a)工程の例として、上記活性珪酸のコロイド水溶液に上記アンモニアを加え、その後に上記アニオン源となる化合物を加え、その後に上記アンモニアを加える工程を含む方法が挙げられる。
pH調整して(a)工程で得られる原料液(活性珪酸のコロイド水溶液)のpHを8〜12、又は9〜11、又は9〜10に調製することができる。
(b)工程は(a)工程により得られた原料液(活性珪酸のコロイド水溶液)を攪拌下に80〜200℃、又は100〜180℃、又は120〜150℃で0.5〜20時間加熱してシリカゾルを得る工程である。オートクレーブ装置を用いる事により100〜200℃、又は100〜180℃の温度に加熱して、異形度の高い細長い形状のコロイダルシリカ粒子が分散してなるシリカゾルを製造することができる。(b)工程ではpHが8〜11、又は9〜11の範囲のアンモニア型アルカリ性シリカゾルが得られる。
(b)工程で得られたシリカゾルは、必要に応じて限外ろ過膜を使用した濃縮、又は減圧下若しくは常圧下での蒸発濃縮により、SiO2濃度を6乃至30質量%に調整するこができる。
(b)工程で得られたシリカゾルを強酸性イオン交換樹脂及び/又は強塩基性イオン交換樹脂に接触させて高純度のシリカゾルを得る事ができる。例えば、(b)工程で得られたシリカゾルを強酸性イオン交換樹脂、又は強酸性オン交換樹脂及び強塩基性イオン交換樹脂に接触させて高純度のシリカゾルを得る事ができる。
更に、(b)工程で得られたシリカゾルを、強酸性イオン交換樹脂及び/又は強塩基性イオン交換樹脂との接触の前又は後に、カルボン酸型キレート樹脂、水酸基型キレート樹脂、及び/又はアミン型キレート樹脂に接触させ高純度のシリカゾルを得る事ができる。例えは、(b)工程で得られたシリカゾルを強酸性イオン交換樹脂、又は強酸性オン交換樹脂及び強塩基性イオン交換樹脂に接触させた後に、カルボン酸型キレート樹脂、水酸基型キレート樹脂、及び/又はアミン型キレート樹脂に接触させ高純度のシリカゾルを得る事ができる。
(b)工程で得られたシリカゾルを強酸性イオン交換樹脂と接触させる事により酸性シリカゾルを製造する事ができる。
そして上記酸性シリカゾルはその水性媒体を有機媒体(有機溶媒)に置換してオルガノシリカゾルを製造することができる。この溶媒置換はロータリーエバポレーター等の装置を用いた蒸発法で行う事ができる。溶媒置換によっても細長い形状のコロイダルシリカ粒子のDL/DB比に変化はない。
更に、(b)工程で得られたシリカゾルを、強酸性イオン交換樹脂及び/又は強塩基性イオン交換樹脂との接触の前又は後に、カルボン酸型キレート樹脂、水酸基型キレート樹脂、及び/又はアミン型キレート樹脂に接触させ高純度のシリカゾルを得る事ができる。例えは、(b)工程で得られたシリカゾルを強酸性イオン交換樹脂、又は強酸性オン交換樹脂及び強塩基性イオン交換樹脂に接触させた後に、カルボン酸型キレート樹脂、水酸基型キレート樹脂、及び/又はアミン型キレート樹脂に接触させ高純度のシリカゾルを得る事ができる。
(b)工程で得られたシリカゾルを強酸性イオン交換樹脂と接触させる事により酸性シリカゾルを製造する事ができる。
そして上記酸性シリカゾルはその水性媒体を有機媒体(有機溶媒)に置換してオルガノシリカゾルを製造することができる。この溶媒置換はロータリーエバポレーター等の装置を用いた蒸発法で行う事ができる。溶媒置換によっても細長い形状のコロイダルシリカ粒子のDL/DB比に変化はない。
有機溶媒としては、アルコール、グリコール、エステル、ケトン、含窒素溶媒、芳香族系溶媒を使用する事ができる。これらの溶媒としては例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、キシレン、ジメチルエタン等の有機溶媒を例示する事ができる。また、ポリエチレングリコール、シリコーンオイル、ラジカル重合性のビニル基やエポキシ基を含む反応性希釈溶剤等も用いる事ができる。
更に細長い形状のコロイダルシリカ粒子の表面をテトラエトキシシラン、トリメチルモノエトキシシラン、ヘキサメチルジシラン等のシランカップリング剤で処理する事ができる。
得られたシリカゾルは、金属不純物として、CaをSiO2に対する質量比2〜100ppm、又は2〜50ppmで含有し、MgをSiO2に対する質量比2〜100ppm、又は2〜50ppmで含有する事ができる。
そして、シリカゾルは、NaをSiO2に対する質量比2〜1000ppm、又は2〜500ppmで含有し、KをSiO2に対する質量比2〜100ppm、又は2〜50ppmで含有する事ができる。
そして、シリカゾルは、NaをSiO2に対する質量比2〜1000ppm、又は2〜500ppmで含有し、KをSiO2に対する質量比2〜100ppm、又は2〜50ppmで含有する事ができる。
(b)工程で得られたシリカゾルは強酸性イオン交換樹脂と接触させ酸性シリカゾルとした後、高純度アンモニアガス又はアンモニア水溶液を添加してアンモニア型アルカリ性シリカゾルとすることができる。
[シリカゾル物性評価]
1)pH
pHメーター(東亞ディーケーケー(株)製)を用いて測定した。
2)電気伝導率
電気伝導率計(東亞ディーケーケー(株)製)を用いて測定した。
3)SiO2濃度
シリカゾルを1000℃で焼成した際の焼成残分の質量と、下記7)金属元素分析により測定される金属元素のうち、シリカゾル中に1ppm以上含有する金属元素の酸化物換算した際の質量との差をSiO2質量とし、SiO2濃度を算出した。
4)DL粒子径(動的光散乱法により測定される平均粒子径)
動的光散乱法粒子径測定装置(スペクトリス社製 ゼーターサイザー ナノ)により測定した。
5)DB粒子径(窒素ガス吸着法により測定される一次粒子径)
水素型強酸性陽イオン交換樹脂と水性シリカゾルを接触させ、シリカゾルの表面に吸着しているナトリウムを除去した後に、300℃で乾燥し、その後粉砕して粉末試料を調製した。調製した粉末試料は、窒素吸着法比表面積測定装置(ユアサアイオニクス社製 Monosorb MS−16)にてBET法による比表面積S(m2/g)を測定して、DB粒子径(nm)を求めた。
なお、計算式はコロイダルシリカ粒子を球状粒子に換算して得られる下記の式(II)を用いた。
DB(nm)=2720/S(m2/g) (II)
6)電子顕微鏡観察
透過型電子顕微鏡(日本電子社製 JEM−1010)を用いて、加速電圧100kVにて粒子の撮影を行った。
また、撮影されたTEM(透過型電子顕微鏡)写真を用いて、図7に示すように、数珠状及び/又は鎖状に連結した細長い形状のコロイダルシリカ粒子を1個のシリカ粒子とみなし、その粒子を平面上に投影した像に接する、面積を最小とする外接長方形の長辺の長さ(L)を、細長い形状のコロイダルシリカ粒子の粒子長(無作為に選ばれた50個の粒子の平均値)とした。
7)金属元素分析
原子吸光分光光度計(アジレントテクノロジー社製 Spectra AA)、およびICP発光分光分析装置(リガク社製CIROS120 E0P)を使用して金属元素分析を行った。
測定された金属(Si、Na、K、Mg、Ca)量より、上記3)SiO2濃度で測定されたSiO2量との質量比を算出した。
1)pH
pHメーター(東亞ディーケーケー(株)製)を用いて測定した。
2)電気伝導率
電気伝導率計(東亞ディーケーケー(株)製)を用いて測定した。
3)SiO2濃度
シリカゾルを1000℃で焼成した際の焼成残分の質量と、下記7)金属元素分析により測定される金属元素のうち、シリカゾル中に1ppm以上含有する金属元素の酸化物換算した際の質量との差をSiO2質量とし、SiO2濃度を算出した。
4)DL粒子径(動的光散乱法により測定される平均粒子径)
動的光散乱法粒子径測定装置(スペクトリス社製 ゼーターサイザー ナノ)により測定した。
5)DB粒子径(窒素ガス吸着法により測定される一次粒子径)
水素型強酸性陽イオン交換樹脂と水性シリカゾルを接触させ、シリカゾルの表面に吸着しているナトリウムを除去した後に、300℃で乾燥し、その後粉砕して粉末試料を調製した。調製した粉末試料は、窒素吸着法比表面積測定装置(ユアサアイオニクス社製 Monosorb MS−16)にてBET法による比表面積S(m2/g)を測定して、DB粒子径(nm)を求めた。
なお、計算式はコロイダルシリカ粒子を球状粒子に換算して得られる下記の式(II)を用いた。
DB(nm)=2720/S(m2/g) (II)
6)電子顕微鏡観察
透過型電子顕微鏡(日本電子社製 JEM−1010)を用いて、加速電圧100kVにて粒子の撮影を行った。
また、撮影されたTEM(透過型電子顕微鏡)写真を用いて、図7に示すように、数珠状及び/又は鎖状に連結した細長い形状のコロイダルシリカ粒子を1個のシリカ粒子とみなし、その粒子を平面上に投影した像に接する、面積を最小とする外接長方形の長辺の長さ(L)を、細長い形状のコロイダルシリカ粒子の粒子長(無作為に選ばれた50個の粒子の平均値)とした。
7)金属元素分析
原子吸光分光光度計(アジレントテクノロジー社製 Spectra AA)、およびICP発光分光分析装置(リガク社製CIROS120 E0P)を使用して金属元素分析を行った。
測定された金属(Si、Na、K、Mg、Ca)量より、上記3)SiO2濃度で測定されたSiO2量との質量比を算出した。
[異形化の判定]
○:DL粒子径/DB粒子径=2.5以上
透過型電子顕微鏡観察よりシリカ粒子が細長く成長していることを判定する。
×:DL粒子径/DB粒子径=2.5未満
シリカ粒子が十分に細長く成長していない。
ゲル化:ゲル化した場合はゲル化と表記した。
○:DL粒子径/DB粒子径=2.5以上
透過型電子顕微鏡観察よりシリカ粒子が細長く成長していることを判定する。
×:DL粒子径/DB粒子径=2.5未満
シリカ粒子が十分に細長く成長していない。
ゲル化:ゲル化した場合はゲル化と表記した。
〔実施例1〕
市販のナトリウム水ガラス(JIS3号ナトリウム水ガラス:SiO2濃度28.8質量%、Na2O濃度9.47質量%、SiO2/Na2Oモル比3.1乃至3.3)に水を添加して、SiO2濃度3.8質量%の珪酸ナトリウム水溶液を得た。この珪酸ナトリウム水溶液を水素型強酸性陽イオン交換樹脂(ダウ・ケミカル社製、アンバーライトIR−120B)を充填したカラムに通すことによりSiO2濃度3.4質量%、pH2.9の活性珪酸のコロイド水溶液を得た。
500mlのスチロール瓶に撹拌子を入れ、先ほど作製した活性珪酸351.3gを投入した。マグネチックスターラーで撹拌しながらアニオン源となる10質量%硝酸水溶液5.2gを投入し、続いて28%アンモニア水溶液4.8gを投入した後、純水8.7gを加え、1時間撹拌してSiO2濃度3.2%の原料液を調整した。
該原料液260gを内容積300mlのSUS製オートクレーブに入れ、140℃で8時間加熱した後、室温まで冷却してシリカゾルを取り出した。得られたシリカゾルは、シリカゾル物性評価、異形化の判定に従って評価した。
市販のナトリウム水ガラス(JIS3号ナトリウム水ガラス:SiO2濃度28.8質量%、Na2O濃度9.47質量%、SiO2/Na2Oモル比3.1乃至3.3)に水を添加して、SiO2濃度3.8質量%の珪酸ナトリウム水溶液を得た。この珪酸ナトリウム水溶液を水素型強酸性陽イオン交換樹脂(ダウ・ケミカル社製、アンバーライトIR−120B)を充填したカラムに通すことによりSiO2濃度3.4質量%、pH2.9の活性珪酸のコロイド水溶液を得た。
500mlのスチロール瓶に撹拌子を入れ、先ほど作製した活性珪酸351.3gを投入した。マグネチックスターラーで撹拌しながらアニオン源となる10質量%硝酸水溶液5.2gを投入し、続いて28%アンモニア水溶液4.8gを投入した後、純水8.7gを加え、1時間撹拌してSiO2濃度3.2%の原料液を調整した。
該原料液260gを内容積300mlのSUS製オートクレーブに入れ、140℃で8時間加熱した後、室温まで冷却してシリカゾルを取り出した。得られたシリカゾルは、シリカゾル物性評価、異形化の判定に従って評価した。
〔実施例2〕
10質量%硝酸水溶液の投入量を8.1g、28質量%アンモニア水溶液を5.9g、純水を4.7gとした以外は、実施例1と同じ操作で実施例2の原料液を製造した。
該原料液260gを内容積300mlのSUS製オートクレーブに入れ、140℃で8時間加熱した後、室温まで冷却してシリカゾルを取り出した。得られたシリカゾルは、シリカゾル物性評価、異形化の判定に従って評価した。
10質量%硝酸水溶液の投入量を8.1g、28質量%アンモニア水溶液を5.9g、純水を4.7gとした以外は、実施例1と同じ操作で実施例2の原料液を製造した。
該原料液260gを内容積300mlのSUS製オートクレーブに入れ、140℃で8時間加熱した後、室温まで冷却してシリカゾルを取り出した。得られたシリカゾルは、シリカゾル物性評価、異形化の判定に従って評価した。
〔実施例3〕
アニオン源の10質量%硝酸をシュウ酸・2水和物0.5g、28質量%アンモニア水溶液を4.1g、純水を14.0gとした以外は、実施例1と同じ操作で実施例3の原料液を製造した。
該原料液260gを内容積300mlのSUS製オートクレーブに入れ、140℃で8時間加熱した後、室温まで冷却してシリカゾルを取り出した。得られたシリカゾルは、シリカゾル物性評価、異形化の判定に従って評価した。
アニオン源の10質量%硝酸をシュウ酸・2水和物0.5g、28質量%アンモニア水溶液を4.1g、純水を14.0gとした以外は、実施例1と同じ操作で実施例3の原料液を製造した。
該原料液260gを内容積300mlのSUS製オートクレーブに入れ、140℃で8時間加熱した後、室温まで冷却してシリカゾルを取り出した。得られたシリカゾルは、シリカゾル物性評価、異形化の判定に従って評価した。
〔実施例4〕
アニオン源の10質量%硝酸をシュウ酸・2水和物0.6g、28%アンモニア水溶液を3.6g、純水を14.4gとした以外は、実施例1と同じ操作で実施例4の原料液を製造した。
該原料液260gを内容積300mlのSUS製オートクレーブに入れ、140℃で8時間加熱した後、室温まで冷却してシリカゾルを取り出した。得られたシリカゾルは、シリカゾル物性評価、異形化の判定に従って評価した。
アニオン源の10質量%硝酸をシュウ酸・2水和物0.6g、28%アンモニア水溶液を3.6g、純水を14.4gとした以外は、実施例1と同じ操作で実施例4の原料液を製造した。
該原料液260gを内容積300mlのSUS製オートクレーブに入れ、140℃で8時間加熱した後、室温まで冷却してシリカゾルを取り出した。得られたシリカゾルは、シリカゾル物性評価、異形化の判定に従って評価した。
〔実施例5〕
アニオン源の10質量%硝酸を8質量%硫酸7.4g、28質量%アンモニア水溶液を5.4g、純水を14.4gとした以外は、実施例1と同じ操作で実施例5の原料液を製造した。
該原料液260gを内容積300mlのSUS製オートクレーブに入れ、140℃で8時間加熱した後、室温まで冷却してシリカゾルを取り出した。得られたシリカゾルは、シリカゾル物性評価、異形化の判定に従って評価した。
アニオン源の10質量%硝酸を8質量%硫酸7.4g、28質量%アンモニア水溶液を5.4g、純水を14.4gとした以外は、実施例1と同じ操作で実施例5の原料液を製造した。
該原料液260gを内容積300mlのSUS製オートクレーブに入れ、140℃で8時間加熱した後、室温まで冷却してシリカゾルを取り出した。得られたシリカゾルは、シリカゾル物性評価、異形化の判定に従って評価した。
〔比較例1〕
10質量%硝酸水溶液の投入量を3.0g、28質量%アンモニア水溶液を3.9g、純水を11.8gとした以外は、実施例1と同じ操作で比較例1の原料液を製造した。
該原料液260gを内容積300mlのSUS製オートクレーブに入れ、140℃で8時間加熱した後、室温まで冷却してシリカゾルを取り出した。得られたシリカゾルは、シリカゾル物性評価、異形化の判定に従って評価した。
10質量%硝酸水溶液の投入量を3.0g、28質量%アンモニア水溶液を3.9g、純水を11.8gとした以外は、実施例1と同じ操作で比較例1の原料液を製造した。
該原料液260gを内容積300mlのSUS製オートクレーブに入れ、140℃で8時間加熱した後、室温まで冷却してシリカゾルを取り出した。得られたシリカゾルは、シリカゾル物性評価、異形化の判定に従って評価した。
〔比較例2〕
10質量%硝酸水溶液の投入量を9.3g、28質量%アンモニア水溶液を4.9g、純水を4.5gとした以外は、実施例1と同じ操作で比較例2の原料液を製造した。
該原料液260gを内容積300mlのSUS製オートクレーブに入れ、140℃で8時間加熱した後、室温まで冷却した。取り出した内容物はゲル化していた。
10質量%硝酸水溶液の投入量を9.3g、28質量%アンモニア水溶液を4.9g、純水を4.5gとした以外は、実施例1と同じ操作で比較例2の原料液を製造した。
該原料液260gを内容積300mlのSUS製オートクレーブに入れ、140℃で8時間加熱した後、室温まで冷却した。取り出した内容物はゲル化していた。
実施例1乃至実施例5、比較例1及び比較例2の原料液の製造に用いた活性珪酸のコロイド水溶液のシリカ源、SiO2濃度及びpH、並びに活性珪酸のコロイド水溶液に添加したアニオン源及びその添加量を夫々下記表1及び表2に示す。
また、実施例1乃至実施例5、比較例1及び比較例2で得られた原料液の物性値及び加熱条件を夫々下記表3及び表4に示す。
また、実施例1乃至実施例5及び比較例1で得られたシリカゾル、並びに比較例2で得られたゲルの物性評価及び異形化の判定評価を夫々下記表5乃至表7に示す。
また、実施例1乃至実施例5、比較例1で得られたシリカゾルの物性評価及び異形化の判定評価を夫々下記表4及び表5に示す。
また、実施例1乃至実施例5、比較例1及び比較例1で得られたシリカゾル中のコロイダルシリカ粒子のTEM(透過型電子顕微鏡)写真(倍率25万倍)を夫々図1乃至図6に示す。
また、実施例1乃至実施例5、比較例1及び比較例2で得られた原料液の物性値及び加熱条件を夫々下記表3及び表4に示す。
また、実施例1乃至実施例5及び比較例1で得られたシリカゾル、並びに比較例2で得られたゲルの物性評価及び異形化の判定評価を夫々下記表5乃至表7に示す。
また、実施例1乃至実施例5、比較例1で得られたシリカゾルの物性評価及び異形化の判定評価を夫々下記表4及び表5に示す。
また、実施例1乃至実施例5、比較例1及び比較例1で得られたシリカゾル中のコロイダルシリカ粒子のTEM(透過型電子顕微鏡)写真(倍率25万倍)を夫々図1乃至図6に示す。
活性珪酸水溶液にアニオン源となる化合物とアルカリ源としてアンモニアを加え、所定の温度で加熱する事で容易に、金属不純物の少ない、細長い粒子形状のコロイダルシリカが溶媒に分散したシリカゾルを製造することができる。
非球状のコロイダルシリカ粒子からなるシリカゾルはその粒子形状に起因して、種々の効果(例えば、結合力、吸着力、光透過性)が期待でき、各種コーティング剤のマイクロフィラー、結合剤、改質剤、触媒担体、電子材料用研磨剤(例えばシリコンウエハー用研磨剤、シリコン酸化膜や銅、アルミニウム等の金属を研磨するためのデバイスウエハー用CMP研磨剤)等の用途に用いることができる。
非球状のコロイダルシリカ粒子からなるシリカゾルはその粒子形状に起因して、種々の効果(例えば、結合力、吸着力、光透過性)が期待でき、各種コーティング剤のマイクロフィラー、結合剤、改質剤、触媒担体、電子材料用研磨剤(例えばシリコンウエハー用研磨剤、シリコン酸化膜や銅、アルミニウム等の金属を研磨するためのデバイスウエハー用CMP研磨剤)等の用途に用いることができる。
Claims (18)
- 下記(a)及び(b)工程を含む、動的光散乱法による平均粒子径(DLnm)と窒素ガス吸着法による一次粒子径(DBnm)との比DL/DBが2.5以上であり、該DLは30〜300nmであり、かつ、電子顕微鏡観察による50〜1000nmの範囲内の長さの粒子長を有する、細長い形状のコロイダルシリカ粒子が液状媒体に分散してなるSiO2濃度6〜30質量%のシリカゾルの製造方法;
(a)工程 SiO2濃度が1〜6質量%であり、かつ、pHが2〜5である活性珪酸のコロイド水溶液に、SiO2に対して質量比3.0〜7.0%となる量の無機酸、有機酸、及びそのアンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン源となる化合物と、アンモニアとを加える事とを含む原料液を作製する工程、
(b)工程 (a)工程により得られた原料液を80〜200℃で0.5〜20時間加熱して、シリカゾルを製造する工程。 - (a)工程に用いる活性珪酸のコロイド水溶液がSiO2/M2Oモル比(ただしMはナトリウム又はカリウムを表す。)1〜4.5の珪酸アルカリ水溶液を、強酸型陽イオン交換樹脂、又は強酸型陽イオン交換樹脂及び強塩基型陰イオン交換樹脂に接触させる事により得られたものである請求項1に記載のシリカゾルの製造方法。
- (a)工程に用いる活性珪酸のコロイド水溶液が、上記珪酸アルカリ水溶液に更に強酸を加えて1〜98℃の温度で処理した後に、該処理した水溶液を強酸型陽イオン交換樹脂、又は強酸型陽イオン交換樹脂及び強塩基型陰イオン交換樹脂に接触させる事により得られたものである請求項2に記載のシリカゾルの製造方法。
- (a)工程に用いる活性珪酸のコロイド水溶液が、上記アルカリ水溶液又は上記処理した水溶液を、強酸型陽イオン交換樹脂、又は強酸型陽イオン交換樹脂及び強塩基型陰イオン交換樹脂との接触の前又は後に更にカルボン酸型キレート樹脂、水酸基型キレート樹脂、及び/又はアミン型キレート樹脂と接触させたものである請求項2又は請求項3に記載のシリカゾルの製造方法。
- (a)工程に使用するアニオン源となる化合物が、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、フッ化水素酸、塩酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、及びそれらのアンモニウム塩からなる群より選ばれた少なくとも1種のアニオン源となる化合物である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のシリカゾルの製造方法。
- (a)工程に用いる活性珪酸のコロイド水溶液に含まれるコロイド粒子の平均粒子径が5nm未満である請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のシリカゾルの製造方法。
- (a)工程で加えられるアンモニアが、アンモニアガス又はアンモニア水溶液の形態で加えられるものである、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のシリカゾルの製造方法。
- (a)工程が上記活性珪酸のコロイド水溶液に上記アニオン源となる化合物を加え、その後に上記アンモニアを加える工程を含む請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のシリカゾルの製造方法。
- (a)工程が上記活性珪酸のコロイド水溶液に上記アンモニアを加え、その後に上記アニオン源となる化合物を加え、その後に上記アンモニアを加える工程を含む請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のシリカゾルの製造方法。
- (a)工程で得られる原料液のpHが8〜12である請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載のシリカゾルの製造方法。
- (b)工程における原料液の加熱は、オートクレーブ装置内で原料液を100℃〜180℃で加熱する方法によるものである請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載のシリカゾルの製造方法。
- (b)工程で得られたシリカゾルを強酸性イオン交換樹脂及び/又は強塩基性イオン交換樹脂に接触させる工程を更に含む請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載のシリカゾルの製造方法。
- (b)工程で得られたシリカゾルを、強酸性イオン交換樹脂及び/又は強塩基性イオン交換樹脂との接触の前又は後に、カルボン酸型キレート樹脂、水酸基型キレート樹脂、及び/又はアミン型キレート樹脂と接触させる工程を更に含む、請求項12に記載のシリカゾルの製造方法。
- 得られたシリカゾルの水性媒体を有機媒体に溶媒置換する工程を更に有する、請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載のシリカゾルの製造方法。
- 上記シリカゾルにおいて、SiO2に対するCa、及びMgの質量比がそれぞれ2〜100ppmである請求項1乃至請求項14の何れか1項に記載のシリカゾルの製造方法。
- 上記シリカゾルにおいて、SiO2に対するNaの質量比が2〜1000ppm、及びKの質量比が2〜100ppmである請求項1乃至請求項15の何れか1項に記載のシリカゾルの製造方法。
- 上記細長い形状のコロイダルシリカ粒子は、動的光散乱法による平均粒子径(DLnm)と窒素ガス吸着法による一次粒子径(DBnm)との比DL/DBが3〜30である請求項1乃至請求項16の何れか1項に記載のシリカゾルの製造方法。
- 上記シリカゾルが、酸性シリカゾル又はアンモニア型アルカリ性シリカゾルである請求項1乃至請求項17の何れか1項に記載のシリカゾルの製造方法。
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