JPWO2019092808A1 - 吸収性物品の個別包装体 - Google Patents

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Abstract

揮発性成分を含有する吸収性物品と包装材とを備えるとともに折り畳み構造を有する吸収性物品の個別包装体であって、包装材が、長手方向の両側外方において融着層同士が対向して接合された一対の融着シール領域と、開封口に配された封止固定領域とを備え、吸収性物品の衣類と対向する面に止着部及び止着部非配置部を有し、止着部が互いに離間して配されており、下記(A1)及び(A2)の少なくともいずれか一方の構造を備える、吸収性物品の個別包装体。(A1)吸収性物品の止着部非配置部が幅方向に延びる部分を有し、包装材の融着シール領域にガス抜き部が配される構造。(A2)吸収性物品の止着部非配置部が長手方向に延びる部分を有し、包装材の封止固定領域にガス抜き部が配される構造。

Description

本発明は、吸収性物品の個別包装体に関する。
生理用ナプキン等の衛生用品には、単に体液を吸収させるためだけでなく、排泄液の臭いを抑えるためや不快な気分を払拭するために、揮発性成分として香料を含有させる場合がある。また、防臭や香りを楽しむという目的以外にも、メントールや乳酸メンチルといった、感覚神経を刺激する揮発性成分を製品中に含有させ、より快適に製品を使用できるように工夫する技術がある。
例えば、特許文献1には、よい匂いや冷感といった知覚を着用者に伝達できる非水性揮発性物質を含み、包装された婦人衛生用吸収性物品が記載されている。包装材料としては透過性の低いものを用いることが記載されている。
特許文献2には、気密性を高める観点から、気密層と該気密層よりも融点の低い融着層とを含む包装シートを用いた、吸収性物品の個包装体が記載されている。
特許文献3には、酸素透過度の低い包装シートを用い、含有される揮発性成分を揮発させにくくする、吸収性物品の個包装体が記載されている。該個包装体においては、揮発性成分と該揮発性成分を保持する溶媒とを含む薬剤が、包装シートのシール領域に含浸してシール液として作用し、個包装体の収納空間の気密性が高まるとされる。また、前記シール領域において、通気路が形成され難くする技術が記載されている。
国際公開第2004/103235号 特開2016−209211号公報 特開2016−209215号公報
本発明は、着用者の腹側部、股下部及び背側部を繋ぐ方向に対応する長手方向と、該長手方向と直交する幅方向とを有し、揮発性成分を含有する吸収性物品と、該吸収性物品の衣類と対向する面を覆う包装材とを備えた吸収性物品の個別包装体であって、前記個別包装体は、前記吸収性物品と前記包装材とが共に、前記長手方向に2つ以上の折り畳み線に沿って折り畳まれて、前記吸収性物品の肌当接面が包み込まれた折り畳み構造を有し、前記包装材は、融着層と気密層とを積層した構成を有し、折り畳まれた前記包装材が、前記吸収性物品の長手方向の両側外方において前記融着層同士が対向して接合された一対の融着シール領域と、前記個別包装体の折り畳み構造における開封口に配された封止固定領域とを備え、前記吸収性物品の衣類と対向する面には、前記包装材に覆われた複数の、止着部及び止着部非配置部を有し、前記止着部が互いに離間して配されており、下記(A1)及び(A2)の少なくともいずれか一方の構造を備える、吸収性物品の個別包装体を提供する。
(A1)前記吸収性物品の前記止着部非配置部が前記幅方向に延びる部分を有し、前記包装材の前記融着シール領域にガス抜き部が配され、前記止着部非配置部の前記幅方向に延びる部分と前記融着シール領域のガス抜き部とが前記幅方向に連通している構造。
(A2)前記吸収性物品の前記止着部非配置部が前記長手方向に延びる部分を有し、前記包装材の前記封止固定領域にガス抜き部が配され、前記止着部非配置部の前記長手方向に延びる部分と前記封止固定領域のガス抜き部とが前記長手方向に連通している構造。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
本発明に係る吸収性物品の個別包装体の好ましい一実施形態を、開封口側から模式的に示す斜視図である。 図1に示す個別包装体おけるII−II線断面を模式的に示す断面図である。 個別包装体を構成する包装材の層構造の一部を拡大して模式的に示す断面図である。 図1に示す個別包装体を構成する生理用ナプキンについて、個別包装される前の展開した状態(折り畳む前の状態)を一部切欠して、包装材と共に模式的に示す斜視図である。 本実施形態の個別包装体における、揮発性成分の揮発ガスを排気する構造の第1実施態様を示す平面図であり、(A)は個別包装体の包装を解いて衣類と対向する面側から示した平面図であり、(B)は個別包装体の折り畳み中央部側から示した平面図であり、(C)は個別包装体の第1折り畳み端部及び第2折り畳み端部が重なる面側(開封口がある側)から示した平面図である。 (A)は図5(B)及び(C)における包装材の融着シール領域のガス抜き部の配置パターンを、ナプキンの止着部非配置部と共に示す一部拡大平面図であり、(B)は融着シール領域のガス抜き部の別の好ましい配置パターンを、ナプキンの止着部非配置部と共に示す一部拡大平面図である。 本実施形態の個別包装体における、揮発性成分の揮発ガスを排気する構造の第2実施態様を示す平面図であり、(A)は個別包装体の包装を解いて衣類と対向する面側から示した平面図であり、(B)は個別包装体の折り畳み中央部側から示した平面図であり、(C)は個別包装体の第1折り畳み端部及び第2折り畳み端部が重なる面側(開封口がある側)から示した平面図である。 封止固定領域におけるガス抜き部の別の好ましい配置パターンを部分的に拡大して示す平面図である。 本実施形態の個別包装体における、揮発性成分の揮発ガスを排気する構造の第3実施態様を示す平面図であり、(A)は個別包装体の包装を解いて衣類と対向する面側から示した平面図であり、(B)は個別包装体の折り畳み中央部側から示した平面図であり、(C)は個別包装体の第1折り畳み端部及び第2折り畳み端部が重なる面側(開封口がある側)から示した平面図である。 本実施形態の個別包装体における生理用ナプキンの形状等の好ましい態様について、第1折り畳み端部及び第2折り畳み端部が重なる面側(開封口がある側)から示した平面図である。 本実施形態の個別包装体における生理用ナプキンが有する吸収体の別の好ましい態様を模式的に示す、生理用ナプキンの断面図である。
発明の詳細な説明
本発明は、揮発性成分が吸収性物品から揮発しても個別包装体から徐々に抜け、包装材の破裂を抑制する仕組みを有する吸収性物品の個別包装体に関する。
従来の吸収性物品の個別包装体において、揮発性成分は香り立ちの良いものほど室温で容易に揮発してしまい、使用前に効果が弱まったり、隣接物に匂い移りしたりすることがある。このような有効成分の消失を防止し、更に衛生を保つ観点から、上記特許文献1〜3に記載のように、ガスバリア性の高い包装材を用いることがある。
しかし、ガスバリア性の高い包装材を使用すると、有効成分の揮発により個別包装体が膨らんで包装材が破裂する可能性があり、その場合、却って、有効成分が消失すると共に、衛生状態を保てなくなる。特に、個別包装体を携帯する際にはポーチに入れるなどして圧力がかかるために、上述したメカニズムにより有効成分と衛生状態の維持が難しいことがある。個別包装体がこのような使用形態を前提とするものであることから、包装材の破裂防止は強く望まれている。
本発明の吸収性物品の個別包装体は、揮発性成分が吸収性物品から揮発しても個別包装体から徐々に抜け、包装材の破裂を抑制することができる。
本発明に係る吸収性物品の個別包装体の好ましい一実施形態について図面を参照して以下に説明する。
本発明において、吸収性物品とは、下着などの衣類に固定して着用者の身体に装着し、排泄物等を吸収保持するものをいう。例えば、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)などが挙げられる。
吸収性物品は、着用者(肌)と対向する側と、衣類と対向する側とを有する。着用者と対向する側は、肌面側、肌当接面側又は表面側ともいい、これと反対側の衣類と対向する側は、非肌面側、非肌当接面側又は裏面側ともいう。また吸収性物品は、個別包装を解いて展開させた状態で縦長形状であり、着用者の腹側部、股下部及び背側部に対応する、前方部、中間部及び後方部を有する。この形状において、着用者の腹側部、股下部及び背側部を繋ぐ方向に対応する長手方向と、該長手方向と直交する幅方向とを有する。同様に、包装材は、個別包装を解いて展開させた状態で、長手方向と幅方向とを有する。
個別包装体においては、吸収性物品及び包装材における長手方向は、吸収性物品及び包装材が折り畳まれる方向に一致する。そのため、個別包装体において、長手方向とは、吸収性物品及び包装材の長手方向を意味し、また吸収性物品及び包装材が折り畳まれる方向を意味する。
以下、本実施形態の個別包装体を、生理用ナプキン10(以下、単にナプキン10とも言う。)の個別包装体30として説明する。該実施形態において、前述した前方部、中間部及び後方部を符号F、C及びRを付して示し、長手方向及び幅方向をY方向及びX方向ともいう。
図1及び2に示すように、本実施形態の個別包装体30は、生理用ナプキン10と包装材20とが共に、生理用ナプキン10の長手方向(Y方向)に、2つ以上の折り畳み線に沿って折り畳まれてなる。具体的には、生理用ナプキン10及び包装材20は、生理用ナプキン10の長手方向における中間部Cを含む部分を折り畳み中央部31とし、その前後において折り畳み線L1及びL2に沿って折り畳まれている。
本実施形態においては、折り畳み中央部31の前後の生理用ナプキン10及び包装材20の部分を、それぞれ、第1折り畳み端部32、第2折り畳み端部33という。また、連続した包装材20について、折り畳み中央部31、第1折り畳み端部32、第2折り畳み端部33の区分に合わせ、中央包装部21、第1折り包装部22、第2折り包装部23という。
個別包装体30は、ナプキン10の肌当接面10Aを包み込む折り畳み構造を備える。具体的には、ナプキン10の衣類と対向する面10Bを包装材20が覆った状態で、ナプキン10の肌当接面10Aを内側にして第1折り畳み端部32を折り、次いでその上側に第2折り畳み端部33を折り重ねている。ナプキン10の肌当接面10Aが露出しないで包み込まれる。ここで、個別包装体30の厚み方向(Z方向)において、開封時の状態を考慮して、開封される面側を上側Z1、開封される面と反対側を下側Z2とする。上側Z1と下側Z2とは、個別包装体30の折り畳み構造の厚み方向における相対的な位置関係を示す。
折り畳み中央部31におけるナプキン10の長手方向(Y方向)の長さは、第1、第2折り畳み部32、33におけるナプキン10の長手方向の長さよりも長くされている。この場合の個別包装体30は、折り畳み中央部31の上側Z1において、第1折り畳み端部32と第2折り畳み端部33とが重なる部分と重ならない部分とを有する。すなわち、折り畳みの3層構造と2層構造とを有する。個別包装体30の外面は、折り畳み中央部31に対応する外面51、第1折り畳み端部32が第2折り畳み端部33に重ならない部分に対応する外面52、第2折り畳み端部33に対応する外面53を有する。ただし個別包装体30において、ナプキン10が折り畳まれる長さは、これに限定されるものではなく、種々設定できる。
個別包装体30における折り畳み回数(折り畳み線の数)及び折り畳み線の位置は、上記の実施形態に限定されるものではなく、適宜設定できる。例えば、ナプキン10の長さに応じて、肌当接面10Aを包み込む折り畳み構造となるよう折り畳み回数や折り畳み線の位置を設定する。基本的には、ナプキン10と包装材20との積層体について、ナプキン10の中間部Cが折り畳み中央部31となるようにして、折り畳み回数、折り畳み線の位置を設定することが好ましい。例えば、夜用ナプキンなど後方部Rが長くされているものなどでは、後方部Rを2つ折りにし、全体で4つ折りすることができる。
また、包装材20は、本実施形態ではナプキン10よりも長いものとして示しているが、これに限らずナプキン10よりも短いものであってもよい。短い場合であっても、最後に折り畳まれる上側の第2折り畳み端部33において、包装材20がナプキン10の端部を越える配置とすることが好ましい。この場合、下側の第1折り畳み端部32においては、包装材20がナプキン10の長さに対して足りず、一部被覆しない部分が生じる。そのため、包装材20がナプキン10の衣類と対向する面10Bを「覆う」とは、ナプキン10の衣類と対向する面10Bの全面を覆う場合に限らず、一部を残して覆う場合をも含む。
ここで包装材20及びプキン10の概要を説明する。
包装材20は、図3に示すように、融着層24と気密層25とを有し気密性が高い部材である。融着層24は融着性樹脂成分からなり、気密層25よりも融点が低くされている。融着層24と気密層25は、それらの間に接着剤層を配置することで互いの界面剥離を防止することができる。気密層25は、ガスバリア性が高く、酸素透過度が融着層24よりも低く抑えられている。酸素透過度は、クーロメチリック法あるいは差圧法に基づいて測定できる。差圧法にて測定した場合の酸素透過度は23℃環境下で900mL/m・day・atm以下が好ましく、100mL/m・day・atm以下がより好ましく、50mL/m・day・atm以下が更に好ましい。
本実施形態においては、包装材20は、気密層25の両面を融着層24で覆った3層からなる。ただし、これに限定されず、融着層24と気密層25との2層であってもよく、他の積層態様を有していてもよい。いずれの場合も、包装材20の融着層24が、ナプキン10の衣類と対向する面10Bに対応配置される。
ナプキン10は、図4に示すように、着用者と対向する肌当接面側の表面シート1、衣類と対向する非肌当接面側の裏面シート2、及び、両シート間の液保持性の吸収体3を備える。表面シート1は、排泄液を吸収体3へと送り込む液透過性を有し、裏面シート2は排泄液に対する防漏性を有する。表面シート1及び裏面シート2は、吸収体3の両面を覆いつつ、吸収体3の外縁外方へと延出する大きさを有する。さらに、表面シート1の肌当接面側の両側に、排泄液の横漏れを防ぐサイドシート5が積層されている。
図4に示すナプキン10は、前方部F、中間部C及び後方部Rが3等分に区分され、昼用などとして設定される形状を有する。個別包装体30においては、これに限定されない。例えば夜用などとして、臀部を覆う幅広の後方フラップを有し、後方部Rが前方部F及び中間部Cよりも長くされた形状であってもよい。
ナプキン10は、上記の構成のほか、他の部材を有していてもよい。例えば、表面シート1と吸収体3との間に液拡散性の中間シートが配されていてもよい。また、中間部Cの位置に、衣類等への固定手段の1つとして1対のウイング部を有していてもよい。ウイング部は、前記サイドシートによって形成されていてもよい。さらに、表面シート1から吸収体3にかけて圧搾した防漏溝、表面シート1上の複数のエンボスなどを有していてもよい。
ナプキン10は、香料や冷感剤などの揮発性成分を含有する。含有する位置は、用途等により適宜設定することができる。ただし、揮発性成分が使用前にできるだけ外部へ拡散しないで使用時の効果を十分に発揮させる観点から、吸収体3に含有されることが好ましい。少なくとも、液体状の揮発性成分又は揮発性成分含有液の塗布部(総称して単に「揮発性成分の塗布部」ということがある。)が吸収体にあることが好ましい。また、揮発性成分の塗布部は、ナプキン10の厚み方向において、後述の互いに離間配置された止着部8と重ならない位置にあることがより好ましい。
なお、揮発性成分含有液とは、揮発性成分と溶媒とを混合した塗布液のことである。前記溶媒としては、通常用いられる種々のものを採用できる。例えば、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリエチルシトレート、ベンジルベンゾエート等が挙げられる。揮発性成分の塗布部は、ナプキン10の製造工程において最初に含有させられる部位である。そのため、揮発性成分の塗布部は、ナプキン10の中で、揮発性成分が最も多くなる部分(含有坪量が最も多くなる部分)である。
ナプキン10は、裏面シート2の非肌面側である、衣類と対向する面10B側に、ナプキン10を着衣に固定するための止着部8を複数有する。止着部8とは、ナプキン10を使用する際に衣類に固定する手段であり、剥離可能で、かつ、ナプキン10と衣類とがずれないようにする粘着力を有する。
止着部8は、裏面シート2の非肌面側において複数が互いに離間して配されている。衣類と対向する面10Bにおいて、止着部8の配されない部分が止着部非配置部9となって複数配されている。止着部8及び止着部非配置部9の好ましい配置については後述する。
これらナプキン10と包装材20とが、表面シート1側を内側にして、折り畳み線L1及びL2に沿って折り畳まれて(図4に示す矢印S1、S2の順に折り畳まれて)、前述した個別包装体30となっている。
次に、個別包装体30における融着シール領域34、及び開封口35における封止固定領域36について、図1及び2を参照して説明する。
個別包装体30は、ナプキン10の長手方向の両側外方(幅方向(X方向)の端部外方)に、折り畳まれた包装材20が接合されてなる一対の融着シール領域34を有する。融着シール領域34は、折り畳み中央部31、第1折り畳み端部32及び第2折り畳み端部33の重なりの数に合わせて、包装材20が2枚積層された部分と3枚積層された部分とを有する。
融着シール領域34では、包装材20の重なりの枚数に拘らず、折り畳まれた包装材20の融着層24同士が対向して融着接合されている。これにより、融着された部分の接合強度は、接着剤によって接合する場合よりも高められている。ただし、融着シール領域34の接合強度は、個別包装体30の開封時に加えられる力によって剥離可能な程度のものとされている。
融着シール領域34において、包装材20の融着層24同士の融着接合は、通常用いられる種々の方法によって行うことができる。例えば、熱エンボス処理、超音波エンボス処理、コロナ処理、プラズマ処理などが挙げられる。なかでも、熱エンボス処理によって融着接合を行うと、エンボス形状やサイズを調整することにより剥離強度や気密性を所望の範囲に調整することができ、更にコロナ処理やプラズマ処理を行うことにより融着接合部の接着性を高めることができて好ましい。
個別包装体30は、第1、第2折り畳み端部32、33同士の重なり部分に開封口35を有する。開封口35は、上側に位置する第2折り畳み端部33においてナプキン10よりも長くした第2折り包装部23の延出部分23Aと、下側の第1折り畳み端部32の第1折り包装部22とが積層する部分である。
開封口35には、封止固定領域36が包装材20の幅方向(X方向)に沿って配されている。封止固定領域36は、平面視において、個別包装体30の両側縁に位置する一対の融着シール領域34、34に重なり、幅方向内方へと延出している。封止固定領域36では、個別包装体30の厚み方向において、第2折り包装部23の延出部分23Aと下側の第1折り包装部22とが、開封時の力で剥離可能な程度に接合されている。この接合は種々の方法によって行うことができる。融着シール領域34のように、熱溶融による接合であってもよく、接着剤による接合であってもよい。
開封口35近傍の包装材20には、開封用タブテープ37が配されている。開封用タブテープ37は任意で配置でき、無い態様であってもよい。開封性を高める観点から、開封用タブテープ37を有することが好ましい。また、開封用タブテープ37に代えて、開封口35に当たる包装材20の一部に突起部(摘まみ部)を設けてもよい。
個別包装体30において、ナプキン10が含有する揮発性成分は、包装材20の融着シール領域34、34及び封止固定領域36によって外に漏れにくくされている。また、包装材20の気密層25によって気密性が高められている。
これに対し、本実施形態の個別包装体30は、ナプキン10が含有する揮発性成分が揮発しても徐々に抜け、包装材が破裂しない仕組みを備えている。この仕組みは、次に示す構造によって実現される。
個別包装体30は、内部に生じる、揮発性成分の揮発ガスを排気する構造を有する。前記構造は、個別包装体30の外面51、52及び53側における、ナプキン10の裏面シート2(衣類と対向する面10B)側と包装材20との間に設けられている。この配置は、揮発性成分が揮発ガスとなって、ガス濃度が高くなり易い包装体内部側より大気側のナプキン10の裏面シート2及び止着部8側に移行しやすいことに対応する。
図5〜9は、揮発性成分の揮発ガスを排気する構造の第1実施態様から第3実施態様を示している。
第1実施態様は、下記の構造(A1)を備える。
(A1)ナプキン10の止着部非配置部9が幅方向に延びる部分を有し、包装材20の融着シール領域34にガス抜き部341が配され、止着部非配置部9の前記幅方向に延びる部分と融着シール領域34のガス抜き部341とが幅方向に連通している構造。
第2実施態様は、下記の構造(A2)を備える。
(A2)ナプキン10の止着部非配置部9が長手方向に延びる部分を有し、包装材20の封止固定領域36にガス抜き部361が配され、止着部非配置部9の長手方向に延びる部分と封止固定領域36のガス抜き部361とが長手方向に連通している構造。
第3実施態様は、上記(A1)及び(A2)の両方を備える。
まず、図5(A)〜(C)を参照して、揮発ガスの排気を実現する、第1実施態様の構造(A1)について説明する。
第1実施態様において、止着部8が、衣類と対向する面10Bに、幅方向に延出する長さを有し、長手方向に複数が互いに等間隔で離間して配置されている(図5(A))。複数の止着部8が間欠的に配置された領域85には、隣り合う止着部8の間に止着部非配置部9が配されている。この止着部非配置部9は、止着部8に沿って、幅方向に延出している(以下、この幅方向に延出する部分を他と区別して止着部非配置部91と言う。)。
加えて、衣類と対向する面10Bには、止着部8が配置された領域85の幅方向外方に所定幅を有して長手方向に延びる止着部非配置部9、9を一対有する(以下、この部分を他と区別して止着部非配置部92と言う。)。
個別包装体30において、止着部8及び止着部非配置部9が、包装材20に覆われた状態で、個別包装体30の折り畳み構造の外面側に位置する。
具体的には、折り畳み中央部31においては、図5(B)に示すように、個別包装体30の外面51の全面に、幅方向に延びる止着部8及び止着部非配置部91が長手方向(折り畳み方向)に交互に配されている。加えて、止着部8が配置された領域85の幅方向最外端部85Aと融着シール領域34の幅方向最内端部34Aとの間に、止着部非配置部92が配されている。第1、第2折り畳み端部32、33においても同様に、図5(C)に示すように、それぞれの外面52、53に、止着部8が配された領域85があり、止着部非配置部91及び止着部非配置部92が配されている。外面51、52及び53のいずれにおいても、止着部8、止着部非配置部91及び止着部非配置部92が包装材20によって覆われている。
止着部8は、包装材20と剥離可能に接合されており、止着部非配置部91及び止着部非配置部92は包装材20と接合されず、両部材間に空間が形成されている。すなわち、止着部8が配された領域85内に、止着部非配置部9のうち幅方向に延びる止着部非配置部91に沿って、幅方向に延びる通気路911が長手方向に間欠的に生じる。また、止着部8が配された領域85の幅方向外方に、止着部非配置部92の部分に対応して、融着シール領域34に接続する、長手方向に延びる通気路921、921が一対生じる。
通気路911、921は、個別包装体30内において揮発性成分の揮発ガスが集まりやすい領域にあり、該揮発ガスの通り道となる。
第1実施態様においては、幅方向に延びる止着部非配置部91の通気路911を利用して、個別包装体30に、揮発性成分の揮発ガスを排気する下記構造(A1)を有する。
止着部非配置部91に生じる通気路911を通過して幅方向端部へと行き着いた先には融着シール領域34があり、融着シール領域34がガス抜き部341を有する。止着部非配置部91とガス抜き部341とは気密性の高い包装材20に覆われて連続する空間を成しており、揮発性成分の揮発ガスを幅方向外方へと誘導する構造を成している。
これにより、幅方向に延びる止着部非配置部91と融着シール領域34のガス抜き部341とが幅方向に連通している構造(A1)が形成されている。該構造(A1)が、ナプキン10の衣類と対向する面10Bであって、個別包装体30の各外面51、52及び53に配されている。前記「連通」とは、揮発ガスが個別包装体30内において構造(A1)に沿って移動して外方へと排気され得ることを意味する(以下、第2実施態様の構造(A2)並びに第3実施態様の構造(A1)及び(A2)においても同様。)。
左右両側の融着シール領域34、34のガス抜き部341は、図5(B)及び(C)の円内に示す拡大図のように、融着シール領域34に配された複数の融着部342の間に形成されている。具体的には、複数の融着部342がナプキン10の長手方向に互いに離間して配列し、該配列における離間部分がガス抜き部341となっている。ガス抜き部341では、包装材20同士が融着されずに隙間が開閉し得る状態にある。ガス抜き部341は、融着部342の間にあって包装材20同士が融着しないことから、誘導される揮発ガスの圧力によって開通され得る。このように融着シール領域34のガス抜き部341は、揮発ガスの圧力に伴って機能し、漸次的な揮発ガスの排気を可能にする。
構造(A1)において、連通によって前記排気をより良く発現させる観点から、止着部非配置部91に沿って揮発ガスが流れる方向とガス抜き部341に沿って揮発ガスが流れる方向とが同じであることが好ましい。また、止着部非配置部91の延長線上の近傍にガス抜き部341があることがより好ましく、止着部非配置部91の延長線上に少なくとも1つのガス抜き部341があることが更に好ましい。
この構造(A1)において、揮発性成分の揮発ガスの幅方向外方への排気は、例えば、包装材20に対する押圧力を駆動力として生じ得る。
例えば個別包装体30の外面51、52及び53から内方へと押し潰す力が加わった際に、ナプキン10の衣類と対向する面10Bに集まる揮発性成分の揮発ガスが止着部非配置部91に沿って幅方向に誘導される。誘導される揮発ガスの圧力によって、融着シール領域34のガス抜き部341が開通し、揮発ガスが徐々に抜けていく(図5(B)及び(C)に示す矢印)。これにより、個別包装体30内に揮発性成分の揮発ガスが溜まり過ぎずに破裂を抑えることができる。
漸次的な排気性をより高める観点から、ナプキン10の長手方向に並ぶ融着部342の列が幅方向に複数配列していることが好ましい。幅方向に並ぶ融着部342の列に沿って、ガス抜き部341が所定長さを有し、揮発ガスの排気量を好適に制御することができる。この場合、長手方向に並ぶ融着部342の各列において、融着部342の列が同じピッチで配列されていてもよく(図6(A))、異なるピッチで配列されていてもよい(図6(B))。異なるピッチである場合、連通機構を保持しながら、ガス抜け量を好適に制御できるよう前記ピッチを適宜設定する。
さらに、止着部8が配された領域85の幅方向外方に、止着部非配置部92に対応して、融着シール領域34に接続し長手方向に延びる通気路921、921があることが好ましい。これにより、止着部非配置部91にある幅方向に延びる通気路911からの揮発ガスを一旦貯蔵しながら、長手方向に分散させて融着シール領域34の全体で均等に排気することができる。これにより、融着シール領域34に過度な圧力がかかり難くなり、より効率的に、破裂を抑えて漸次的な揮発ガスの排気を可能にする。
さらに、ガス抜け量をより好適に制御する観点から、融着シール領域34に配されたガス抜き部341の間隔(H1)が、止着部8、8間の間隔(H2)よりも小さいことが好ましい。ここで言う「ガス抜き部341の間隔」とは、各ガス抜き部341の長手方向の長さであり、長手方向に離間する融着部342、342間の長手方向の長さである。「止着部8、8間の間隔」とは長手方向に離間する止着部8、8間の長手方向の長さであり、幅方向に延びる各止着部非配置部91の長手方向の長さ(通気路911の幅)である。なお、ガス抜き部341の間隔(H1)は、少なくとも融着シール領域34の幅方向最内端部34Aにおける値として把握される。
これにより、ガス抜き部341は、止着部非配置部91に沿って移動する揮発ガスを、許容し得る範囲で貯留しながら抑制的に排気することができる。
止着部8、8間の間隔(H2)に対する、融着シール領域34に配されたガス抜き部341の間隔(H1)の比(H1/H2)は、揮発ガスの排気性を高める観点から、1/10以上が好ましく、1/5以上がより好ましい。また、前記比(H1/H2)は、ガス抜け量を好適に抑制する観点から、4/5以下が好ましく、7/10以下がより好ましい。
ガス抜き部341の間隔(H1)は、破裂回避のための揮発ガスの排気を高める観点から、0.3mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましい。また、ガス抜き部341の間隔(H1)は、排気を漸次的にして揮発性成分の効果が保持されるようにする観点から、1.0mm以下が好ましく、0.8mm以下がより好ましい。
止着部8、8間の間隔(H2)は、破裂回避のための揮発ガスの排気を高める観点から、0.75mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましい。また、止着部8、8間の間隔(H2)は、揮発ガスの移動量の増大による融着シール領域34の破裂を抑える観点、止着部8本来のナプキン10の衣類への固定性を保持する観点から、3.0mm以下が好ましく、2.5mm以下がより好ましい。
ガス抜き部341を有する融着シール領域34の幅方向の幅(W1)は、排気を漸次的にして揮発性成分の効果が保持されるようにする観点から、2.5mm以上が好ましく、4.0mm以上がより好ましい。また、融着シール領域34の幅方向の幅(W1)は、破裂回避のための揮発ガスの排気を高める観点から、7.5mm以下が好ましく、6.0mm以下がより好ましい。
次に、図7(A)〜(C)を参照して、揮発ガスの排気を実現する、第2実施態様の構造(A2)について説明する。
第2実施態様においては、第1実施態様と異なり、止着部8がナプキン10の長手方向に延在する長さを有し、幅方向に互いに離間して配置されている。図7(A)においては、2条の止着部8が幅方向の左右に分かれて配されている。止着部8、8の間に、長手方向に延びる止着部非配置部9が配されている(以下、この長手方向に延在する部分を他と区別して止着部非配置部93と言う。)。止着部非配置部93は、幅方向の中央部分に配されている。なお、止着部8及び止着部非配置部93の数は、図7(A)に示す態様に限定されず、適宜設定できる。その場合、少なくとも幅方向の中央付近に止着部非配置部93が配されることが好ましい。
個別包装体30においては、止着部8及び止着部非配置部93が包装材20に覆われ、止着部非配置部93と包装材20とが接合されずに空間を形成している。止着部非配置部93と包装材20との間の空間が、個別包装体30の外面側において、長手方向(折り畳み方向)に延びる通気路931が生じる。通気路931は、第1実施態様と同様に、個別包装体30内において揮発性成分の揮発ガスが集まりやすい領域にあり、該揮発ガスの通り道となる。
止着部非配置部93と包装材20とがなす通気路931は、折り畳み中央部31の外面51、第1折り畳み端部32の外面52、第2折り畳み端部33の外面53を通じて連続して配されている。これにより、揮発ガスが、個別包装体30の折り畳み方向に沿って移動され得る(図7(B)及び(C))。
第2実施態様においては、長手方向に延びる止着部非配置部93の通気路931を利用して、個別包装体30に、揮発性成分の揮発ガスを排気する下記構造(A2)を有する。
すなわち、止着部非配置部93に生じる通気路931を通過して第2折り畳み端部33の開封口35へと長手方向に行き着いた先には封止固定領域36があり、封止固定領域36がガス抜き部361を有する(図7(C))。止着部非配置部93とガス抜き部361とは気密性の高い包装材20に覆われて連続する空間を成し、揮発ガスを封止固定領域36から長手方向外方へと誘導する構造を成している。
これにより、長手方向に延びる止着部非配置部93と封止固定領域36のガス抜き部361とが長手方向に連通している構造(A2)が形成されている。該構造(A2)が、第1折り畳み端部32の外面52から折り畳み中央部31の外面51を通って、第2折り畳み端部33の外面53へと繋がって配されている。
構造(A2)において封止固定領域36におけるガス抜き部361は、図7(C)に示すように、幅方向に延在する封止固定領域36の接合がされていない部分である。より詳細には、第2折り包装部23の延出部分23Aと下側の第1折り包装部22との接合がされていない部分である。
構造(A2)において、連通によって揮発ガスの排気をより良く発現させる観点から、止着部非配置部93に沿って揮発ガスが流れる方向とガス抜き部361に沿って揮発ガスが流れる方向とが同じであることが好ましい。また、止着部非配置部93の延長線上の近傍にガス抜き部361があることがより好ましく、止着部非配置部93の延長線上に少なくとも1つのガス抜き部361があることが更に好ましい。具体的には、図7(C)に示すように、長手方向に延びる止着部非配置部93の幅方向の範囲内に、ガス抜き部361があることが好ましい。また、揮発性成分の揮発ガスを漸次的に排気させる観点から、1つのガス抜き部361の幅方向の長さ(H3)が、1つの止着部非配置部93の幅方向の長さ(H4)よりも小さいことがより好ましい。
1つの止着部非配置部93の幅方向の長さ(H4)に対する、封止固定領域36における1つのガス抜き部361の幅方向の長さ(H3)の比(H3/H4)は、揮発ガスの排気性を高める観点から、1/10以上が好ましく、1/5以上がより好ましい。また、前記比(H3/H4)は、ガス抜け量を好適に抑制する観点から、4/5以下が好ましく、7/10以下がより好ましい。
ガス抜き部361の幅方向の長さ(H3)は、破裂回避のための揮発ガスの排気を高める観点から、1.5mm以上が好ましく、3.0mm以上がより好ましい。また、ガス抜き部361の幅方向の長さ(H3)は、排気を漸次的にして揮発性成分の効果が保持されるようにする観点から、10mm以下が好ましく、7.5mm以下がより好ましい。
止着部非配置部93の幅方向の長さ(H4)は、破裂回避のための揮発ガスの排気を高める観点から、10mm以上が好ましく、15mm以上がより好ましい。また、止着部非配置部93の幅方向の長さ(H4)は、揮発ガスの移動量の増大による融着シール領域の破裂を抑える観点、止着部8本来のナプキン10の衣類への固定性を保持する観点から、30mm以下が好ましく、25mm以下がより好ましい。
ガス抜き部361を有する封止固定領域36の長手方向の幅(W2)は、排気を漸次的にして揮発性成分の効果が保持されるようにする観点から、0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましい。また、封止固定領域36の長手方向の幅(W2)は、破裂回避のための揮発ガスの排気を高める観点から、3.0mm以下が好ましく、2.5mm以下がより好ましい。
この構造(A2)において、揮発性成分の揮発ガスの長手方向外方への排気は、第1実施態様と同様に、例えば個別包装体30に対する押圧力を駆動力として生じ得る。
例えば、第2折り畳み端部33の外面53から内方へと押し潰す力が加わった際に、ナプキン10の衣類と対向する面10Bに集まる揮発性成分の揮発ガスが止着部非配置部93に沿って長手方向に誘導される。誘導される揮発ガスの圧力によって、封止固定領域36のガス抜き部361が開通し、揮発ガスが徐々に抜けていく(図7(C)に示す矢印)。これに連動して、折り畳み中央部31の外面51側にある揮発ガスが徐々に折り畳み線L2を越え、封止固定領域36のガス抜き部361から排気され得る(図7(B)に示す矢印)。さらに、第1折り畳み端部32の外面52側にある揮発ガスが徐々に折り畳み線L1及びL2を越え、封止固定領域36のガス抜き部361から排気され得る。これにより、個別包装体30内に揮発性成分の揮発ガスが溜まり過ぎずに漸次的に排気され、個別包装体30の破裂が抑えられる。
封止固定領域36におけるガス抜き部361は、図7(C)に示す態様においては、開封用タブテープ37の両側外側に配されている。これにより、開封用タブテープ37がガス抜き部361以外の部分の破裂を抑制することができ好ましい。ただし、封止固定領域36におけるガス抜き部361はこの態様に限定されるものではなく、止着部非配置部93と連通し得る種々の形態をとり得る。また開封用タブテープ37を有さない態様であってもよい。少なくとも、幅方向の中央付近に封止固定領域36におけるガス抜き部361があることが好ましい。例えば封止機能を阻害しない範囲において、図8に示すように、幅方向の中央付近に加え、封止固定領域36に沿ってガス抜き部361を複数配置してもよい。
また、長手方向の止着部非配置部93が幅方向に複数条配されるよう、止着部8を幅方向に複数条に分割して配置してもよい。これに合わせて、封止固定領域36におけるガス抜き部361を、封止機能を阻害しない範囲において適宜設定できる。
開封用タブテープ37の配置については、次のような態様が好ましい。すなわち、揮発性成分がナプキン10の吸収体3に含まれる場合は、開封用タブテープ37の固定端371がナプキン10の吸収体3と重ならない位置に配置されていることが好ましい。この場合の吸収体3とは、開封用タブテープ37の固定端371が直接配された第2折り畳み端部33にある吸収体3である。これにより、開封用タブテープ37の固定力が、吸収体3にある揮発性成分の揮発ガスの作用の影響を受けずに、保持され得る。加えて、開封用タブテープ37の自由端372がナプキン10の吸収体3と重なる位置に配置されていることが好ましい。この場合の吸収体3とは、開封用タブテープ37の自由端372が直接配された第1折り畳み端部32にある吸収体3である。これにより、開封用タブテープ37の自由端372が、吸収体3にある揮発性成分の揮発ガスの作用の影響を受けて、固定力低下による開封操作性が良好となり得る。
次に、図9(A)〜(C)を参照して、揮発ガスの排気を実現する、第3実施態様の構造について説明する。
第3実施態様においては、第1実施態様における構造(A1)と第2実施態様における構造(A2)とを有する。
すなわち、ナプキン10の衣類と対向する面10Bにおいて、幅方向に延出する止着部8が、幅方向に複数分割、離間されて配列されている。この配列が、長手方向に複数互いに等間隔で離間して配置されている。これにより、複数の止着部8が配置された領域85には、幅方向に延びる止着部非配置部91と、長手方向に延びる止着部非配置部93とが配されている。加えて、止着部8が配置された領域85の幅方向外方に所定幅を有して長手方向に延びる止着部非配置部92を有する。
これにより、幅方向に延びる止着部非配置部91と融着シール領域34におけるガス抜き部341と連通している構造(A1)、長手方向に延びる止着部非配置部93と封止固定領域36におけるガス抜き部361とが連通している構造(A2)の両方が組み合わされて存在している。しかも、構造(A1)と構造(A2)とは互いに交差し、連通するようにされている。
そのため、第3実施態様においては、構造(A1)と構造(A2)とを相互に連関させて揮発性成分の揮発ガスをより効率的に排気することができる。これにより、個別包装体30の破裂をより好適に抑えることができる。また、止着部非配置部92が、前述したように、揮発ガスを一旦貯蔵しながら長手方向に分散させて融着シール領域34の全体で均等に排気でき、漸次的な排気に寄与する。
第3実施態様において、止着部非配置部91及び止着部非配置部93の数及び配置は、図9に示すものに限定されず、種々設定できる。
本実施形態の個別包装体30は、前述の第1〜第3実施態様のいずれを有していても、揮発性成分の揮発ガスを徐々に排気し、包装材が破裂しないようにすることができる。
また、個別包装体30自体が膨らみにくいことに伴い、揮発性成分の消失を抑え、包装材の衛生状態を保持することができる。
本実施形態の個別包装体30において、包装材20は、融着層24の表面に剥離処理が施されたもの(剥離処理層を有するもの)であることが好ましい。これにより、包装材20は、剥離紙を介在させること無く、融着層24の面を、ナプキン10の衣類と対向する面10Bの止着部8に直接当接させること(止着部8を剥離処理層に対向配置させること)ができる。揮発性成分は揮発ガスとなって、ガス濃度が高くなりやすい包装体内部側より大気側に向かって揮発し、個別包装体30のナプキン10と包装材20との間に形成される空間でガスが溜められやすくなる。剥離紙を介在させること無く、包装材20を、ナプキン10の止着部8に直接当接させることで、包装材20と剥離紙との間におけるガス溜りを回避できる。これにより、より揮発ガスによる個別包装体30の膨らみを抑えることができる。さらに、封止固定領域36のガス抜き部361、ナプキン10と包装材20との間に形成される止着部非配置部91、92及び93、並びに融着シール領域34のガス抜き部341が同一面上で連続することは、より良好に連通するようになり好ましい。また、融着シール領域34のガス抜き部341、封止固定領域36のガス抜き部361において、包装材20の融着層24同士が密着せずに円滑な開閉が生じ得て好ましい。
個別包装体30において、包装材20のバルクソフトネスが13cN以上であることが好ましい。これにより、包装材20は、揮発ガスの圧力による膨張を抑制する剛性を備える。この観点から、包装材20のバルクソフトネスは、20cN以上がより好ましく、40cN以上が更に好ましい。また、包装材20のバルクソフトネスは、個別包装体30からナプキン10の取り出しやすさの観点から、75cN以下が好ましく、65cN以下がより好ましく、60cN以下が更に好ましい。包装材20の機械流れ方向(MD、Machine Direcion)と幅方向(CD、Cross Direction)とでバルクソフトネスが異なる場合には、少なくともいずれか一方の方向におけるバルクソフトネスが上記範囲を満たすことが好ましい。
(包装材20のバルクソフトネスの測定方法)
機械流れ方向におけるバルクソフトネスの測定方法は次のとおりである。包装材20を機械流れ方向に沿って30mm、幅方向に沿って150mmの大きさにカットし矩形状の試験片を得る。この試験片から短辺方向(30mmの方向)を高さとする直径45mmの円筒を作る。円筒の円周方向の重なり幅は約10mmとする。重なった部分の上端及び下端をMAX製ステープラHD−10D、針No.10−1Mで固定する。このようにして得られた円筒状の測定サンプルを円筒の高さ方向に圧縮したときの最大荷重を圧縮試験機によって測定し、その値をバルクソフトネスの値とする。圧縮試験機はオリエンテック(株)社製RTA−100型(商品名)を用いる。圧縮速度は10mm/minとする。
一方、幅方向におけるバルクソフトネスは、包装材20を幅方向に沿って30mm、機械流れ方向に沿って150mmの大きさにカットし矩形状の試験片を採取し、上述と同じ方法で測定する。
個別包装体30において、前述した揮発性成分の塗布部が、ナプキン10の厚み方向において止着部8と重ならないことが好ましい。揮発性成分の塗布部が止着部8と重ならないことによって、揮発性成分の揮発ガスが、裏面シート2側から止着部8間の止着部非配置部9へと拡散しやすくなる。これにより、前述した構造(A1)、(A2)による漸次的な排気がより効果的に生じやすくなる。また、表面シート1側への揮発ガスの拡散が抑えられる。これによって、表面シート1の吸収性の低下や肌への刺激を抑えることができる。
さらに、製品としてのナプキン10においては、止着部8に重なる部分においても、液体状の揮発成分又は揮発性成分含有液が滲出して広がっている場合がある。この場合、止着部8と塗布部との配置関係によって、止着部8による揮発ガスの拡散抑制と止着部非配置部9による裏面シート2側からの拡散とのバランスを制御することができる。すなわち、揮発性成分による効果を好適に保持しながら、個別包装体30の破裂を抑えることができる。
加えて、個別包装体30は、破裂をより効果的に回避する観点から、次に示す構造を有することが好ましい。個別包装体30は、下記の少なくともいずれか1を有していることが好ましく、2以上を組み合わせて有していることがより好ましく、全てを有していることが更に好ましい。
第1に、第1、第2折り畳み端部32及び33それぞれにおいて、ナプキン10がその長手方向前後の先端部に向かって幅が狭くなる形状を有することが好ましい(図10)。これによって、開封口35付近においてナプキン10が配されない包装材20同士(第1折り包装部22と第2折り包装部23)が対向する領域27を広くとることができる。この包装材20同士が対向する領域27は剛性が低く、揮発ガスを一時的に貯留可能な領域となる。これによって、ガス抜け速度が揮発速度を下回るようなことがあっても、個別包装体30の破裂を抑えることができる。
第2に、個別包装体30の上側Z1に位置する第2折り畳み端部33において、ナプキン10の長手方向端縁と包装材20の開封口端縁との距離が最も長くされた位置に対応する開封口35の部分351に、ガス抜き部361が存在しないことが好ましい(図10)。上記の開封口35の部分351は、言い換えると、包装材20の開封口端縁から垂線を伸ばしたときにナプキン10の第2折り畳み端部33のナプキン10の外縁と垂線が交わる点までの距離が最も長くされた位置に対応する開封口35の部位である。
この部分においては、開封口35が封止され、揮発ガスを一時貯留できる袋状部分となっていることが好ましい。これにより、溜まったガスが個別包装体30の内部から大気中へ逃げていくことが防止され、ナプキン10が配されない剛性の低い領域27において揮発ガスを所定濃度まで溜めておくことができ、ガスが所定濃度に保たれ領域27中で平衡状態となることで、揮発性成分の揮発化を抑制することができる。
第3に、第1折り畳み端部32と第2折り畳み端部33との重なり部分において、ナプキン10の両側縁に沿って引いた仮想線K1、K2よりも内方に、ナプキン10が存在しない領域27を有することが好ましい(図10)。領域27は、前述したとおり、剛性が低く、揮発ガスを一時的に貯留可能な領域となって、個別包装体30の膨張、破裂を抑えることができる。
第4に、第1折り畳み端部32及び第2折り畳み端部33それぞれにおいて、ナプキン10の長手方向端部には止着部8が配されていないことが好ましい(図10)。ここで言う「ナプキン10の長手方向端部」とは、ナプキン10の前方部F及び後方部Rにおける長手方向の前端と後端領域のことである。この部分に止着部がないことで、包装材20(第2折り包装部23)とナプキン10との間の空間ができ、揮発ガスを所定濃度まで溜めて平衡状態とし、揮発性成分の揮発化を抑制することができる。それだけでなく、ナプキン10の長手方向端部領域における空間の近傍では、ナプキン10と包装材20は止着部8により密着されているため、前記空間が非常に小さく膨張が抑えられている。そのため、ナプキン10の長手方向端部領域の空間においてガス濃度は高密になりやすくなる一方で、隣接する、ナプキンを介さず包装材20同士が重なる空間領域(例えば図10の領域27。)ではそれに対して大きな空間を形成しガス濃度が薄められ、ガスの濃度差を生じる。これにより、ナプキン10の長手方向端部領域からその周囲の包装材20同士が重なる空間領域を通り、ガス抜き部341や361から排気しやすくなる。
上記に関連し、止着部8は、衣類と対向する面10Bのうち、吸収体3の配置に対応する領域にあることが好ましい。これにより、ナプキン10の使用時において、吸収体3の厚みによってナプキン10の剛性が高められた部分において衣類への固定性を高めることができる。また、個別包装体30において、ナプキン10の剛性が高められた部分以外の比較的柔らかい部分が止着部非配置部94となる(図10)。これにより、止着部非配置部94は、包装材20との間の空間に揮発性成分の揮発ガスを一時貯留した場合に、吸収体3の剛性の影響を抑えた適度な膨潤を可能にし、破裂が回避されやすくなる。
第5に、ナプキン10は、前述した表面シート1、裏面シート2及び吸収体3の構造において、吸収体3に揮発性成分が配されていることが好ましい。これにより、折り畳まれた個別包装体30において、揮発ガスが過度に拡散されるのを抑えることができる。また、揮発性成分の揮発性を抑えることができる。加えて、揮発性成分がナプキン10の厚み中間位置にあることから、揮発ガスの裏面シート2側への移動が生じやすくなる。
上記の効果をより高める観点から、揮発性成分を含有する吸収体3が、図11に示すように、中央吸収性シート3Aとこれを包む本体吸収性シート3Bとからなることが好ましい。中央吸収性シート3Aは、幅方向の両端部を重ね合わせて三つ折りさており、本体吸収性シート3Bはさらにその周りを包むようにして幅方向の両端部を重ね合わせて三つ折りされている。このように吸収体3が幾重にも積層された構造であると、個別包装体30の折り畳み構造において、揮発性成分の揮発性がより効果的に抑えられる。特に、このような吸収体3の積層構造において、中央吸収性シート3Aに揮発性成分が配されていることが好ましい。少なくとも前述した揮発性成分の塗布部が中央吸収性シート3Aにあることが好ましい。
第6に、第1、第2折り畳み端部32及び33それぞれにおいて、吸収体3がナプキン長手方向先端部に向かって幅が狭くなる形状を有することが好ましい(図10)。これによって、開封口35付近において吸収体3が配されない領域28を広くとることができ、揮発ガスを一時的に貯留して、個別包装体30の膨張、破裂を抑えることができる。
第7に、第1、第2折り畳み端部32及び33それぞれにおいて、前述した吸収体3が配されない領域28に、止着部8が配されないことが好ましい(図10)。これにより、前述した揮発ガスを一時的に貯留して、個別包装体30の膨張、破裂を抑える効果をより一層高めることができる。
なお、吸収性物品(ナプキン10)において、揮発性成分は、幅方向Xの中央領域に配置されていると、揮発性成分による、鼠蹊部等の敏感な部分への刺激を和らげるよう設定することが容易となる。また、上記揮発性成分の配置は、個別包装体が構造(A1)を有する場合には、揮発成分の過度な蒸散を抑制する観点から好ましく、構造(A2)を有する場合には、ガス抜き部への連通性の観点から好ましい。特に、揮発性成分が冷感剤である場合には、前記吸収性物品において鼠蹊部等の刺激に敏感な部分を避けて冷感効果を選択的に及ぼすことが可能になるので好ましい。また、揮発性成分は、前記吸収性物品(ナプキン10)の幅方向の中央領域において、止着部非配置部9と平面視重なるように配されていることが、個別包装体において、揮発ガスがガス抜き部へと移動し易いので好ましい。なお、幅方向の中央領域とは、吸収性物品の吸収体を幅方向に3等分した際の中央に位置する領域のことである。
一方で、前記吸収性物品において揮発性成分の有する効果を広い範囲で発揮させる目的で、揮発性成分を長手方向Yに沿って配してもよいが、揮発性成分の過度な蒸散を抑制する観点からは、少なくとも中間部に配すること好ましい。特に、揮発性成分が冷感剤である場合には、着用者の排泄部及びその近傍に冷感効果を選択的に及ぼすことができるので好ましい。図1等に示す構造(A1)のように、止着部8と止着部非配置部9とが長手方向に交互に配されている場合には、前記揮発性成分が、止着部8とも平面視重なるように配されることが好ましい。そのような構造であっても、個別包装体においては、揮発ガスは止着部非配置部9を介してガス抜き部へと移動することによって、上述した本発明の効果が奏される。
個別包装体30を構成するナプキン10及び包装材20の形成材料は、この種の物品に用いられるものを特に制限なく用いることができる。
包装材20を構成する融着層24としては、融着シール領域34を形成できる種々の材料を特に制限なく用いることができる。例えば、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系のポリマー樹脂などを用いて形成することができる。ポリエチレン〔直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)〕、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EA)、スチレン−イソプレン共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS)、オレフィン系エラストマー等の一種又はそれらの混合物が挙げられる。融着層24は、これらの材料の単層フィルム又は積層フィルムから構成される。また、ナプキン10の止着部8を包装材20と剥離可能に接合する場合に融着層24に剥離処理を行うが、融着層24に耐熱性が要求されることから、融着層24の密度が0.93g/cm 以上のポリエチレンやポリプロピレン等の耐熱性を有する樹脂を用いることが好ましい。また融着層24にコロナ放電処理等の表面処理を施すことで、剥離処理層との密着性を高めてもよい。剥離処理には、シリコーン等の剥離剤が用いられる。剥離剤をムラなく均一に塗工する点から、融着層24の平均表面粗さ(Ra)は0〜10μm、特に0〜5μmであることが好ましい。また、ポリエチレンやポリプロピレンは、耐水性にも優れ、ナプキン10中に含まれる高吸水性ポリマーの吸水性能を保護することも可能になる。
気密層25としては、個別包装体の気密性を保持できる種々の材料を特に制限なく用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、延伸ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリアミドの他、アルミ箔ラミネートフィルムや揮発性不透過性ラッカーでコーティングされたポリマーフィルム、又はこれらを組み合わせて使用することができる。
ナプキン10に含有される揮発性成分としては、吸収性物品に通常用いられる種々のものを用いることができる。例えば、香料や冷感剤などが挙げられる。
冷感剤としては、着用者の皮膚及び/又は粘膜表面の温度受容器を刺激して、皮膚及び/又は粘膜表面上の温度を変化させる必要なしに、着用者に爽快感を伝えることのできる種々の剤を用いることができる。例えば、シクロヘキシル誘導体、シクロヘキサノール誘導体、カルボキサミド類など、特開2015−12918号公報の段落[0006]〜[0086]に記載のものが挙げられる。その中でも、匂いによる爽快感と速効性、持続性の観点から、非水溶性のものが好ましい。非水溶性のもとしては、乳酸メンチル、メントールが好ましい。
冷感剤は、種々の方法によってナプキン10に含ませることができる。例えば、溶媒に溶解させた状態でナプキン10に含ませてもよく、溶媒を用いずに含ませてもよい。また冷感剤はマイクロカプセルに包むなどデリバリー手段を伴ってナプキン10に含ませてもよい。
吸収体3としては、吸収性物品において通常用いられる種々の形態のものを特に制限なく採用することができる。例えば、親水性繊維の積繊体または親水性繊維と高吸収性ポリマー材との混合積繊体を親水性の被覆シートで覆ったものでもよい。また、親水性繊維からなる2つのシート状の繊維層間に高吸収性ポリマー材を挟持して固定した薄い吸収性シートから構成されていてもよい(前述した中央吸収性シート3A及び本体吸収性シート3B)。吸収性シートの形成にあたっては、高吸収性ポリマー材が湿潤によって発現する粘着力や別に添加した接着剤や接着性繊維等のバインダーを利用して一体化することができる。作製は通常用いられる種々の方法によって行うことができ、湿式、乾式いずれの方式によってもよい。
吸収性シートは厚みを3.0mm以下に抑えながら、高吸収性ポリマー材をシートの平面方向に分散配置させているためゲルブロッキングを起こし難く、高い吸収力を有する。例えば、特開平8−246395号公報の段落[0019]〜[0131]に記載のものなどが挙げられる。
吸収体3を構成する親水性繊維としては、疎水性の繊維を親水化処理したもの、それ自体が親水性であるものが挙げられる。特に、それ自体が親水性でかつ保水性を有するものが好ましい。後者の親水性繊維としては、天然系の繊維、セルロース系の再生繊維又は半合成繊維が好ましい例として挙げられる。親水性繊維としては、特にパルプ、レーヨンが好ましく、パルプがより好ましい。さらに、セルロース繊維の分子内及び/又は分子間を架橋させた架橋セルロース繊維や木材パルプをマーセル化処理して得られるような嵩高性のセルロース繊維を用いてもよい。パルプとしては、針葉樹クラフトパルプ或いは広葉樹クラフトパルプのような木材パルプ、木綿パルプ或いはワラパルプ等の天然セルロース繊維等が挙げられるが、それらに限定されるものではない。これらのパルプは1種又は2種以上を用いることができる。
吸収体3を構成する高吸収性ポリマー材としては、例えば、アクリル酸又はアクリル酸塩を主成分とし、場合によって架橋剤を添加してなる水溶性のエチレン性不飽和モノマーを重合させて得られるヒドロゲル材料が挙げられる。また、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン及びポリビニルピリジンの架橋物、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合物のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸グラフト共重合物、デンプン−ポリ(メタ)アクリルエステルグラフト共重合物の加水分解物などが挙げられる。これらの吸水性ポリマー材は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。自重の20倍以上の液を吸収・保持できゲル化し得るものが好ましい。
高吸収性ポリマー材の形状は、吸収体に用いられる種々ものを特に制限なく用いることができる。例えば、球状、粒状、繊維状、俵状、塊状などが挙げられる。
表面シート1は、液透過性を有する種々のものを用いることができる。肌触りの良さを考慮すると、親水性の不織布が好ましく、サーマルボンド不織布がより好ましく、エアスルー不織布が特に好ましい。親水化処理された熱可塑性樹脂繊維であり、かつ、該繊維が2次クリンプ又は3次クリンプのような立体捲縮がなされた繊維であることが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、及びこれらの複合繊維を作成し、所定の長さにカットしてステープルを形成する前の段階で、各種親水化剤を塗工する。親水化剤としては、αオレフィンスルホン酸塩に代表される各種アルキルスルホン酸塩、アクリル酸塩、アクリル酸塩/アクリルアミド共重合体、エステルアミド、エステルアミドの塩、ポリエチレングリコール及びその誘導物、水溶性ポリエステル樹脂、各種シリコーン誘導物、各種糖類誘導物、及びこれらの混合物など、通常用いられる親水化剤による親水化処理を用いることができる。
裏面シート2としては、防漏性を有する種々のものを用いることができる。例えば、非透湿性若しくは透湿性フィルム単独、又はフィルムと不織布とを貼り合わせたもの、撥水性の不織布(SMSやSMMS等)を用いることができる。コスト面やズレ止め粘着剤とのマッチングなどから、非透湿性フィルム単独を防漏材として用いることが最も好ましい。この場合の透湿性フィルム材としては、熱可塑性樹脂と、これと相溶性のない無機フィラーを溶融混練して押し出したフィルムを所定の寸法に延伸して微細孔をあけたフィルム、または、本質的に水分の相溶性が高く、浸透膜のように水蒸気排出可能な無孔性のフィルムが挙げられる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の吸収性物品の個別包装体を開示する。
<1>
着用者の腹側部、股下部及び背側部を繋ぐ方向に対応する長手方向と、該長手方向と直交する幅方向とを有し、揮発性成分を含有する吸収性物品と、該吸収性物品の衣類と対向する面を覆う包装材とを備えた吸収性物品の個別包装体であって、前記個別包装体は、前記吸収性物品と前記包装材とが共に、前記長手方向に2つ以上の折り畳み線に沿って折り畳まれて、前記吸収性物品の肌当接面が包み込まれた折り畳み構造を有し、前記包装材は、融着層と気密層とを積層した構成を有し、折り畳まれた前記包装材が、前記吸収性物品の長手方向の両側外方において前記融着層同士が対向して接合された一対の融着シール領域と、前記個別包装体の折り畳み構造における開封口に配された封止固定領域とを備え、前記吸収性物品の衣類と対向する面には、前記包装材に覆われた複数の、止着部及び止着部非配置部を有し、前記止着部が互いに離間して配されており、下記(A1)及び(A2)の少なくともいずれか一方の構造を備える、吸収性物品の個別包装体。
(A1)前記吸収性物品の前記止着部非配置部が前記幅方向に延びる部分を有し、前記包装材の前記融着シール領域にガス抜き部が配され、前記止着部非配置部の前記幅方向に延びる部分と前記融着シール領域のガス抜き部とが前記幅方向に連通している構造。
(A2)前記吸収性物品の前記止着部非配置部が前記長手方向に延びる部分を有し、前記包装材の前記封止固定領域にガス抜き部が配され、前記止着部非配置部の前記長手方向に延びる部分と前記封止固定領域のガス抜き部とが前記長手方向に連通している構造。
<2>
前記包装材が前記融着層の表面に剥離処理層を有し、前記吸収性物品の前記止着部が前記剥離処理層に対向配置されている、前記<1>に記載の吸収性物品の個別包装体。
<3>
前記(A1)及び(A2)の構造を備える、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品の個別包装体。
<4>
前記包装材のバルクソフトネスが13cN以上である、前記<1>〜<3>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<5>
前記揮発性成分が含まれる少なくとも、揮発性成分の塗布部が、前記吸収性物品の厚み方向において前記止着部と重ならない、前記<1>〜<4>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<6>
前記止着部が前記長手方向に間欠的に配置され、隣り合う止着部の間に前記止着部非配置部が配されている、前記<1>〜<5>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<7>
前記融着シール領域に配されたガス抜き部の間隔が、前記止着部間の間隔よりも小さい、前記<1>〜<6>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<8>
前記止着部が配置された領域の幅方向最外端部と前記融着シール領域の幅方向最内端部との間に、前記止着部非配置部が配されている、前記<1>〜<7>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<9>
前記融着シール領域には複数の融着部が配列されており、前記吸収性物品の長手方向に並ぶ前記融着部の列が前記幅方向に複数配され、各列において前記融着部が同じピッチで配列されている、前記<1>〜<8>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<10>
前記融着シール領域には複数の融着部が配列されており、前記吸収性物品の長手方向に並ぶ前記融着部の列が前記幅方向に複数配され、各列において前記融着部が異なるピッチで配列されている、前記<1>〜<8>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。<11>
前記止着部非配置部が前記吸収性物品の長手方向に延びる部分を有する、前記<1>〜<10>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<12>
前記個別包装体の折り畳み構造が、前記吸収性物品及び包装材の折り畳み端部を一対、上下に重ねて有し、一対の前記折り畳み端部それぞれにおいて、前記吸収性物品がその長手方向端部に向かって幅が狭くなる形状を有する、前記<1>〜<11>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<13>
前記個別包装体の折り畳み構造が、前記吸収性物品及び包装材の折り畳み端部を一対、上下に重ねて有し、該折り畳み端部同士の重なり部分に前記包装材の開封口が配されており、上側に位置する前記折り畳み端部において、前記吸収性物品の長手方向端縁と前記包装材の開封口端縁との距離が最も長くされた位置に対応する開封口の部分に、前記ガス抜き部が存在しない、前記<1>〜<12>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<14>
前記個別包装体の折り畳み構造が、前記吸収性物品及び包装材の折り畳み端部を一対、上下に重ねて有し、前記折り畳み端部同士の重なり部分において、前記吸収性物品の両側縁に沿って引いた仮想線より内方に、前記吸収性物品が存在しない領域を有する、前記<1>〜<13>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<15>
前記個別包装体の折り畳み構造が、前記吸収性物品及び包装材の折り畳み端部を一対、上下に重ねて有し、一対の前記折り畳み端部それぞれにおいて、前記吸収性物品の長手方向端部には前記止着部が配されていない、前記<1>〜<14>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<16>
前記吸収性物品が、着用者と対向する肌当接面側の表面シート、衣類と対向する非肌当接面側の裏面シート及び両シート間の吸収体を備えるものであって、前記吸収体に前記揮発性成分が配されている、前記<1>〜<15>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<17>
前記個別包装体の折り畳み構造が、前記吸収性物品及び包装材の折り畳み端部を一対、上下に重ねて有し、一対の前記折り畳み端部それぞれにおいて、前記吸収体が吸収性物品の長手方向端部に向かって幅が狭くなる形状を有する、前記<16>に記載の吸収性物品の個別包装体。
<18>
前記個別包装体の折り畳み構造が、前記吸収性物品及び包装材の折り畳み端部を一対、上下に重ねて有し、一対の前記折り畳み端部それぞれにおいて、前記吸収体が配されていない領域には、前記止着部が配されない、前記<16>又は<17>に記載の吸収性物品の個別包装体。
<19>
前記開封口近傍の包装材に開封用タブテープが配されている、前記<1>〜<18>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<20>
前記開封用タブテープの両側外側に、前記封止固定領域のガス抜き部が配されている、前記<19>に記載の吸収性物品の個別包装体。
<21>
前記開封用タブテープの固定端が、前記吸収体と重ならない位置に配置されている、前記<19>又は<20>に記載の吸収性物品の個別包装体。
<22>
前記開封用タブテープの自由端が、前記吸収体と重なる位置に配置されている、前記<19>〜<21>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<23>
前記揮発性成分が、前記吸収性物品の幅方向の中央領域に、前記止着部非配置部と平面視重なるように配されている、前記<1>〜<22>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
<24>
前記(A1)の構造を備え、前記揮発性成分が、前記吸収性物品の長手方向における中間部に、前記止着部と平面視重なるように配されている、前記<23>に記載の吸収性物品の個別包装体。
<25>
前記揮発性成分が冷感剤である、前記<1>〜<24>のいずれか1に記載の吸収性物品の個別包装体。
本発明をその実施形態および実施例とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
1 表面シート
2 裏面シート
3 吸収体
3A 中央吸収性シート
3B 本体吸収性シート
8 止着部
85 止着部が配置された領域
9 止着部非配置部
91 幅方向に延びる止着部非配置部
92 止着部が配置された領域の外側に所定幅を有して長手方向に延びる止着部非配置部93 長手方向に延びる止着部非配置部
94 吸収体が配されない領域における止着部非配置部
10 生理用ナプキン
20 包装材
21 中央包装部
22 第1折り包装部
23 第2折り包装部
23A 第2折り包装部の延出部分
24 融着層
25 気密層
27 生理用ナプキンが配されない包装材同士(第1折り包装部と第2折り包装部)が対向する領域
28 吸収体が配されない領域
30 個別包装体
31 折り畳み中央部
32 第1折り畳み端部
33 第2折り畳み端部
34 融着シール領域
341 融着シール領域におけるガス抜き部
342 融着部
35 開封口
36 封止固定領域
361 封止固定領域におけるガス抜き部
37 開封用タブテープ
371 開封用タブテープの固定端
372 開封用タブテープの自由端

Claims (25)

  1. 着用者の腹側部、股下部及び背側部を繋ぐ方向に対応する長手方向と、該長手方向と直交する幅方向とを有し、揮発性成分を含有する吸収性物品と、該吸収性物品の衣類と対向する面を覆う包装材とを備えた吸収性物品の個別包装体であって、
    前記個別包装体は、前記吸収性物品と前記包装材とが共に、前記長手方向に2つ以上の折り畳み線に沿って折り畳まれて、前記吸収性物品の肌当接面が包み込まれた折り畳み構造を有し、
    前記包装材は、融着層と気密層とを積層した構成を有し、折り畳まれた前記包装材が、前記吸収性物品の長手方向の両側外方において前記融着層同士が対向して接合された一対の融着シール領域と、前記個別包装体の折り畳み構造における開封口に配された封止固定領域とを備え、
    前記吸収性物品の衣類と対向する面には、前記包装材に覆われた複数の、止着部及び止着部非配置部を有し、前記止着部が互いに離間して配されており、
    下記(A1)及び(A2)の少なくともいずれか一方の構造を備える、吸収性物品の個別包装体。
    (A1)前記吸収性物品の前記止着部非配置部が前記幅方向に延びる部分を有し、前記包装材の前記融着シール領域にガス抜き部が配され、前記止着部非配置部の前記幅方向に延びる部分と前記融着シール領域のガス抜き部とが前記幅方向に連通している構造。
    (A2)前記吸収性物品の前記止着部非配置部が前記長手方向に延びる部分を有し、前記包装材の前記封止固定領域にガス抜き部が配され、前記止着部非配置部の前記長手方向に延びる部分と前記封止固定領域のガス抜き部とが前記長手方向に連通している構造。
  2. 前記包装材が前記融着層の表面に剥離処理層を有し、前記吸収性物品の前記止着部が前記剥離処理層に対向配置されている、請求項1記載の吸収性物品の個別包装体。
  3. 前記(A1)及び(A2)の構造を備える、請求項1又は2に記載の吸収性物品の個別包装体。
  4. 前記包装材のバルクソフトネスが13cN以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  5. 前記揮発性成分が含まれる少なくとも、揮発性成分の塗布部が、前記吸収性物品の厚み方向において前記止着部と重ならない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  6. 前記止着部が前記長手方向に間欠的に配置され、隣り合う止着部の間に前記止着部非配置部が配されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  7. 前記融着シール領域に配されたガス抜き部の間隔が、前記止着部間の間隔よりも小さい、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  8. 前記止着部が配置された領域の幅方向最外端部と前記融着シール領域の幅方向最内端部との間に、前記止着部非配置部が配されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  9. 前記融着シール領域には複数の融着部が配列されており、前記吸収性物品の長手方向に並ぶ前記融着部の列が前記幅方向に複数配され、各列において前記融着部が同じピッチで配列されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  10. 前記融着シール領域には複数の融着部が配列されており、前記吸収性物品の長手方向に並ぶ前記融着部の列が前記幅方向に複数配され、各列において前記融着部が異なるピッチで配列されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  11. 前記止着部非配置部が前記吸収性物品の長手方向に延びる部分を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  12. 前記個別包装体の折り畳み構造が、前記吸収性物品及び包装材の折り畳み端部を一対、上下に重ねて有し、
    一対の前記折り畳み端部それぞれにおいて、前記吸収性物品がその長手方向端部に向かって幅が狭くなる形状を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  13. 前記個別包装体の折り畳み構造が、前記吸収性物品及び包装材の折り畳み端部を一対、上下に重ねて有し、該折り畳み端部同士の重なり部分に前記包装材の開封口が配されており、
    上側に位置する前記折り畳み端部において、前記吸収性物品の長手方向端縁と前記包装材の開封口端縁との距離が最も長くされた位置に対応する開封口の部分に、前記ガス抜き部が存在しない、請求項1〜12のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  14. 前記個別包装体の折り畳み構造が、前記吸収性物品及び包装材の折り畳み端部を一対、上下に重ねて有し、
    前記折り畳み端部同士の重なり部分において、前記吸収性物品の両側縁に沿って引いた仮想線より内方に、前記吸収性物品が存在しない領域を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  15. 前記個別包装体の折り畳み構造が、前記吸収性物品及び包装材の折り畳み端部を一対、上下に重ねて有し、
    一対の前記折り畳み端部それぞれにおいて、前記吸収性物品の長手方向端部には前記止着部が配されていない、請求項1〜14のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  16. 前記吸収性物品が、着用者と対向する肌当接面側の表面シート、衣類と対向する非肌当接面側の裏面シート及び両シート間の吸収体を備えるものであって、前記吸収体に前記揮発性成分が配されている、請求項1〜15のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  17. 前記個別包装体の折り畳み構造が、前記吸収性物品及び包装材の折り畳み端部を一対、上下に重ねて有し、
    一対の前記折り畳み端部それぞれにおいて、前記吸収体が吸収性物品の長手方向端部に向かって幅が狭くなる形状を有する、請求項16に記載の吸収性物品の個別包装体。
  18. 前記個別包装体の折り畳み構造が、前記吸収性物品及び包装材の折り畳み端部を一対、上下に重ねて有し、
    一対の前記折り畳み端部それぞれにおいて、前記吸収体が配されていない領域には、前記止着部が配されない、請求項16又は17に記載の吸収性物品の個別包装体。
  19. 前記開封口近傍の包装材に開封用タブテープが配されている、請求項1〜18のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  20. 前記開封用タブテープの両側外側に、前記封止固定領域のガス抜き部が配されている、請求項19に記載の吸収性物品の個別包装体。
  21. 前記開封用タブテープの固定端が、前記吸収体と重ならない位置に配置されている、請求項19又は20に記載の吸収性物品の個別包装体。
  22. 前記開封用タブテープの自由端が、前記吸収体と重なる位置に配置されている、請求項19〜21のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  23. 前記揮発性成分が、前記吸収性物品の幅方向の中央領域に、前記止着部非配置部と平面視重なるように配されている、請求項1〜22のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
  24. 前記(A1)の構造を備え、前記揮発性成分が、前記吸収性物品の長手方向における中間部に、前記止着部と平面視重なるように配されている、請求項23に記載の吸収性物品の個別包装体。
  25. 前記揮発性成分が冷感剤である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の吸収性物品の個別包装体。
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