JP3236883U - 吸収性物品の個包装体、及びこれを収容した包装体 - Google Patents

吸収性物品の個包装体、及びこれを収容した包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】本考案は、吸収性物品が揮発性成分を含む場合に、使用者に、開封前に揮発性成分の存在を知覚させつつ、使用時に開封した際にも、揮発性成分の存在を知覚させることが可能な吸収性物品の個包装体を提供する。【解決手段】本考案は、展開状態において、幅方向DWに沿って延びる折り線を備えるとともに、吸収性物品1が、少なくとも折り線よりも長手方向DLの一方向側の端部に、揮発性成分含有領域20を備え、個包装状態において、吸収性物品1が、少なくとも折り線により肌対向面側を内側にして折り畳まれており、幅方向DWにおける、気密性包装部材の両端部が閉塞されており、気密性包装部材の、上記一方向側の端部が、対向する気密性包装部材の対向面に固定されており、気密性包装部材の上記端部が気体連通部を備える、吸収性物品の個包装体とする。【選択図】図2

Description

本考案は、吸収性物品の個包装体、及びこれを収容した包装体に関する。
吸収性物品と、気密性包装部材と、を備えた、吸収性物品の個包装体が知られている。
例えば、特許文献1には、揮発性成分を含有する吸収性物品と、吸収性物品の非肌対向面側に固着された気密性包装部材と、を備え、吸収性物品が、幅方向に延びる2以上の折り線により折り畳まれた吸収性物品の個包装体であって、この吸収性物品の個包装体が、吸収性物品の幅方向両端部において融着シール領域、及び折り畳み構造の開口部に設けられた封止固定領域を備え、吸収性物品と、気密性包装部材との間に長手方向又は幅方向に沿って延びる非固着部が備えられるとともに、融着シール領域又は封止固定領域が、気体連通部を備える、吸収性物品の個包装体が開示されている。
特許第6442646号公報
特許文献1に記載の吸収性物品の個包装体は、気密性包装部材を備える個包装体として提供される吸収性物品が揮発性成分を含む際に、揮発性成分の揮発により、気密性包装部材が膨張し、破裂することを防止するため、融着シール領域又は封止固定領域から揮発した揮発性成分を放出することを目的とするものである。一方、揮発性成分の中には、気体の状態で皮膚感覚又は嗅覚を通じて知覚されうる成分もあるが、特許文献1に記載の発明は、このような揮発性成分が、使用前及び使用時において、吸収性物品の個包装体の周囲に放出されること目的としたものではない。
よって、吸収性物品が、揮発性成分を含む場合に、吸収性物品の個包装体の開封前に、使用者に揮発性成分の存在を知覚させつつ、吸収性物品の使用時に開封した際にも、揮発性成分の存在を知覚させることが可能な、吸収性物品の個包装体を提供することを目的とする。
本考案の考案者らは、上記課題にかんがみ、鋭意研究を行った。そして、上記課題を解決するため、一方向及び他方向を含む長手方向と、幅方向と、を有する吸収性物品、並びに上記吸収性物品の非肌対向面側に固着された気密性包装部材、を備える、吸収性物品の個包装体であって、上記個包装体の展開状態において、上記吸収性物品の個包装体が、上記幅方向に沿って延びる折り線を備えるとともに、上記吸収性物品が、少なくとも上記折り線よりも上記一方向側の端部に、揮発性成分を含有する揮発性成分含有領域を備え、個包装状態において、上記吸収性物品が、少なくとも上記折り線により肌対向面側を内側にして折り畳まれており、上記幅方向における、気密性包装部材の両端部が閉塞されており、上記気密性包装部材の、上記一方向側の端部が、対向する上記気密性包装部材の対向面に固定されており、上記気密性包装部材の上記端部が、上記個包装体の内部及び外部を連通する気体連通部を備える、吸収性物品の個包装体を提供する。
本考案の吸収性物品の個包装体は、開封前に、使用者が揮発性成分の存在を知覚可能であり、使用時に開封した際にも、揮発性成分の存在を知覚できる。
本考案の一実施形態に係る、生理用ナプキン1を折り畳んでなる個包装体10の斜視図であり、(a)は、個包装体10を第1表面S側から見た斜視図であり、(b)は、個包装体10を第2表面S側から見た斜視図である。 生理用ナプキン1を、展開した状態で表面シート2側から厚さ方向Dに見た平面図である。 生理用ナプキン1を、展開した状態で裏面シート3側から厚さ方向Dに見た平面図である。 生理用ナプキン1の、長手方向Dに延びる中央軸線Cに沿った断面の端面図である。 個包装体10を形成するための、生理用ナプキン1の折り畳み方法を説明するための斜視図である。
本考案は、以下の態様に関する。
[態様1]
(構成)
一方向及び他方向を含む長手方向と、幅方向と、を有する吸収性物品、並びに上記吸収性物品の非肌対向面側に固着された気密性包装部材、を備える、吸収性物品の個包装体であって、
上記個包装体の展開状態において、
上記吸収性物品の個包装体が、上記幅方向に沿って延びる折り線を備えるとともに、
上記吸収性物品が、少なくとも上記折り線よりも上記一方向側の端部に、揮発性成分を含有する揮発性成分含有領域を備え、
個包装状態において、
上記吸収性物品が、少なくとも上記折り線により肌対向面側を内側にして折り畳まれており、
上記幅方向における、気密性包装部材の両端部が閉塞されており、
上記気密性包装部材の、上記一方向側の端部が、対向する上記気密性包装部材の対向面に固定されており、
上記気密性包装部材の上記端部が、上記個包装体の内部及び外部を連通する気体連通部を備える、吸収性物品の個包装体。
(効果)
本考案の第1の態様によれば、吸収性物品の個包装体が、展開状態において、幅方向に沿って延びる折り線を備えるとともに、吸収性物品が、この折り線よりも長手方向の一方向側の端部に、揮発性成分を含有する揮発性成分含有領域を備え、個包装状態において、気密性包装部材の、上記一方向側の端部が、対向する上記気密性包装部材の対向面に固定されているので、気体連通部を介して、揮発性成分が吸収性物品の個包装体の周囲に放出され、使用者が、吸収性物品の個包装体の開封前に、揮発性成分の存在を知覚できる。
また、吸収性物品の個包装体が、気密性包装部材を備え、幅方向における、気密性包装部材の両端部が閉塞されているので、吸収性物品に含まれる揮発性成分が、吸収性物品の個包装体の外部に多量に放出され難い。したがって、吸収性物品に含まれる揮発性成分の存在を、使用時に個包装体を開封した際にも知覚できる。
[態様2]
(構成)
上記個包装状態において、
上記個包装体が、上記長手方向及び上記幅方向により規定される一方面と、上記一方面の反対面を構成する他方面と、を有し、
上記気体連通部が上記一方面側に配置され、
上記揮発性成分含有領域が、少なくとも、上記吸収性物品の個包装体の、厚さ方向中心線よりも上記一方面側に配置される、上記第1の態様に記載の吸収性物品の個包装体。
(効果)
本考案の第2の態様によれば、吸収性物品が、個包装状態において、上記気体連通部と、上記揮発性成分含有領域が、厚さ方向の同じ側に配置されるので、気体連通部を介して揮発性成分が、吸収性物品の個包装体の周囲に放出されやすく、使用者が、吸収性物品の個包装体の開封前に、揮発性成分の存在を知覚しやすい。
[態様3]
(構成)
上記展開状態において、
上記揮発性成分含有領域に加えて、上記折り線の上記他方向側に追加の揮発性成分含有領域を有する、上記第1又は第2の態様に記載の吸収性物品の個包装体。
(効果)
本考案の第3の態様によれば、揮発性成分含有領域に加えて、個包装体の展開状態において、折り線の他方向側に追加の揮発性成分含有領域を有するので、吸収性物品に含まれる揮発性成分の持続性がより高まる。
[態様4]
(構成)
上記吸収性物品が、上記揮発性成分以外の追加の機能剤を含有し、上記揮発性成分が、上記追加の機能剤の機能と対応した感覚を惹起する、上記第1から第3の態様のいずれか1の態様に記載の吸収性物品の個包装体。
(効果)
本考案の第4の態様によれば、吸収性物品が、揮発性成分以外に、追加の機能剤を含有し、揮発性成分が、この追加の機能剤の機能と対応した感覚を惹起するので、使用者が、吸収性物品の個包装体の開封前に、揮発性成分の存在を知覚することによって、追加の機能剤の機能を推定することができる。
[態様5]
(構成)
上記揮発性成分が香料である、上記第4の態様に記載の吸収性物品の個包装体。
(効果)
本考案の第5の態様によれば、揮発性成分が香料であるので、嗅覚を介して、揮発性成分の存在を知覚することができる。
[態様6]
(構成)
上記追加の機能剤が冷感剤であり、上記香料が冷感と対応した匂いをもたらす、上記第5の態様に記載の吸収性物品の個包装体。
(効果)
本考案の第6の態様によれば、追加の機能剤が冷感剤であることにより、追加の機能剤の機能と対応した感覚を惹起する揮発性成分として、冷感と対応した匂いをもたらす香料を選択できる。
[態様7]
(構成)
上記追加の機能剤が温感剤であり、上記香料が温感と対応した匂いをもたらす、上記第5の態様に記載の吸収性物品の個包装体。
(効果)
本考案の第7の態様によれば、追加の機能剤が温感剤であることにより、追加の機能剤の機能と対応した感覚を惹起する揮発性成分として、温感と対応した匂いをもたらす香料を選択できる。
[態様8]
(構成)
上記展開状態において、
上記揮発性成分含有領域と、上記追加の機能剤を含有する領域とが、平面方向において異なる、上記第4から第7の態様のいずれか1の態様に記載の吸収性物品の個包装体。
(効果)
本考案の第8の態様によれば、展開状態において、揮発性成分含有領域と、追加の機能剤を含有する領域とが、平面方向において異なるので、揮発性成分と、追加の機能剤とが、相互に干渉し難い。
[態様9]
(構成)
上記展開状態において、
上記揮発性成分を含有する位置と、上記追加の機能剤を含有する位置とが、厚さ方向において異なる、上記第4から第8の態様のいずれか1の態様に記載の吸収性物品の個包装体。
(効果)
本考案の第9の態様によれば、展開状態において、揮発性成分を含有する位置と、追加の機能剤を含有する位置とが、厚さ方向において異なるので、揮発性成分と、追加の機能剤とが、相互に干渉し難い。
[態様10]
(構成)
上記展開状態において、
上記幅方向に沿って延びる上記折り線の本数が少なくとも2本であるとともに、上記長手方向に沿って延びる2本の追加の折り線を備え、
上記個包装状態において、
上記吸収性物品が、追加の折り線により折り畳まれた状態で、上記折り線により折り畳まれている、上記第1から第9の態様のいずれか1の態様に記載の吸収性物品の個包装体。
(効果)
本考案の第10の態様によれば、吸収性物品の個包装体が、展開状態において、幅方向に沿って延びる上記折り線の本数が少なくとも2本であるとともに、長手方向に沿って延びる2本の追加の折り線を備え、個包装体状態において、吸収性物品が、少なくとも2本の折り線と、2本の追加の折り線により折り畳まれているので、吸収性物品の個包装体を片手の掌で保持する際に、吸収性物品の個包装体が圧迫されやすく、吸収性物品の個包装体の内部の空気が、気体連通部を介して周囲に放出されるので、吸収性物品の個包装体の開封直前に、吸収性物品に含まれる揮発性成分の存在を、使用者が知覚しやすい。
[態様11]
(構成)
上記個包装状態において、
上記長手方向における寸法が、上記幅方向における寸法に比べて長い、上記第10の態様に記載の吸収性物品の個包装体。
(効果)
本考案の第11の態様によれば、個包装体状態において、長手方向における寸法が、幅方向における寸法に比べて長いことにより、吸収性物品の個包装体を片手の掌で保持する際に、吸収性物品の個包装体が短手方向に圧迫されても、幅方向に沿って延びる気体連通部が閉塞され難く、使用者が、吸収性物品の個包装体の開封前に、揮発性成分の存在を知覚しやすい。
[態様12]
(構成)
上記展開状態において、
上記吸収性物品の、上記一方向側の坪量が、上記他方向側の坪量よりも小さい、上記第10又は第11の態様に記載の吸収性物品の個包装体。
(効果)
本考案の第12の態様によれば、吸収性物品の、長手方向の一方向側の坪量が、他方向側の坪量よりも小さいことにより、吸収性物品の個包装体の状態で、揮発性成分含有領域が配置される、長手方向の一方向側が圧迫されやすくなり、吸収性物品に含まれる揮発性成分の存在を、使用者が、吸収性物品の個包装体の開封前に、揮発性成分の存在を知覚しやすい。
[態様13]
(構成)
上記展開状態において、
上記吸収性物品が、上記一方向側の端部に、幅広部を有し、
前記揮発性成分含有領域が、前記幅広部に配置され、
上記幅広部の上記幅方向における端部が、上記追加の折り線を越えて延在する、上記第10から第12の態様のいずれか1の態様に記載の吸収性物品の個包装体。
(効果)
本考案の第13の態様によれば、吸収性物品が一方向側の端部に、幅広部を有し、揮発性成分含有領域がこの幅広部に配置されるとともに、幅広部の幅方向における端部が、上記追加の折り線を越えて延在しているので、吸収性物品の個包装体を、個包装状態とするとき、追加の折り線で折り畳む際に、揮発性成分含有量域が配置された、幅広部の肌対向面側同士が対向することとなり、気密性包装部材に揮発性成分が付着し難い。
[態様14]
(構成)
上記第1から第13の態様のいずれか1の態様に記載の吸収性物品の個包装体を複数収容し、通気部を有する、包装体。
(効果)
本考案の第14の態様によれば、吸収性物品の個包装体を複数収容した包装体が、通気部を有することにより、包装体が店頭に陳列された状態においても、使用者となりうる消費者が、吸収性物品に含まれる揮発性成分の存在を知覚しやすい。
以下、本考案の吸収性物品の個包装体の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書においては、特に断りのない限り、「水平面上に置いた対象物(例えば、個包装体、吸収性物品等)を、垂直方向の上方側から対象物の厚さ方向に見ること」を、単に「平面視」という。
[各種定義]
本明細書において用いられる各種方向等については、特に断りのない限り、以下のとおりである。
本明細書において、「長手方向」は、「平面視における展開状態の吸収性物品の長さの長い方向」を指し、「幅方向」は、「平面視における展開状態の吸収性物品の長さの短い方向」を指し、「厚さ方向」は、「水平面上に置いた展開状態の吸収性物品に対して垂直方向」を指し、これらの方向は互いに直交する関係にある。
本明細書において、長手方向又は幅方向の「端部」とは、「平面視における対象物(例えば、個包装体、展開した状態の吸収性物品、吸収性物品の各種構成部材等)の、長手方向又は幅方向における、末端各33%に収まる部分」をいう。
なお、本明細書において、吸収性物品の個包装体等、展開状態の吸収性物品以外の対象物について、「長手方向」、「幅方向」、及び「厚さ方向」に言及するとき、これらは、上記展開状態の吸収性物品についての長手方向、幅方向、及び厚さ方向と、それぞれ平行であるものとする。
さらに、本明細書では、「縦長の対象物の幅方向の中央に位置し且つ長手方向に延びる軸線」を、当該対象物の「長手方向の中央軸線」といい、「縦長の対象物の長手方向の中央に位置し且つ幅方向に延びる軸線」を、当該対象物の「幅方向の中央軸線」という。
また、本明細書では、「吸収性物品の長手方向において、着用者が吸収性物品を着用した際に着用者の腹部に対して相対的に近位側となる長手方向の一方向」を、「吸収性物品の前方向」といい、「吸収性物品の長手方向において、着用者の背部に対して相対的に近位側となる他方向」を、「吸収性物品の後方向」という。
なお、本明細書において、吸収性物品の個包装体等、展開状態の吸収性物品以外の対象物について、「前方向」及び「後方向」に言及するとき、これらは、上記展開状態の吸収性物品についての前方向及び後方向と、向きが一致するとともに、それぞれ平行であるものとする。
そして、本明細書では、特に断りのない限り、展開状態の吸収性物品の厚さ方向において、「吸収性物品の着用時に、着用者の肌面に対して相対的に近位側に位置する表面」を「肌対向面」といい、「吸収性物品の着用時に、着用者の肌面に対して相対的に遠位側に位置する表面」を「非肌対向面」という。
なお、本明細書において、「使用者」は、吸収性物品を実際に着用する者(すなわち、着用者)のほか、吸収性物品を他者に装着する者(例えば、介護者等)を含む。
[個包装体]
図1は、本考案の吸収性物品の一例である、本実施形態に係る生理用ナプキン1を折り畳んでなる個包装体10の斜視図であり、(a)は、個包装体10を長手方向D及び幅方向Dにより規定される一方面としての第1表面S側から見た斜視図であり、(b)は、個包装体10を一方面の反対面を構成する他方面としての第2表面S側から見た斜視図である。また、図2は、生理用ナプキン1を、展開した状態で表面シート2側から厚さ方向Dに見た平面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る個包装体10は、生理用ナプキン1の非肌対向面Sに固着された気密性包装部材を備える。そして、生理用ナプキン1及び気密性包装部材は、幅方向Dに沿って延びる幅方向第1折り線LL及び幅方向第2折り線LL、並びに長手方向Dに沿って延びる長手方向第1折り線LW及び長手方向第2折り線LWを備え、これらの折り線により、生理用ナプキン1の肌対向面Sが内側となるように長手方向D及び幅方向Dの各々において三つ折りに折り畳むことによって形成されている。より具体的には、後述するように、生理用ナプキン1は、長手方向第1折り線LW及び長手方向第2折り線LWにより折り畳まれた状態で、幅方向第1折り線LL及び幅方向第2折り線LLにより折り畳まれている。そして、図1に示すように、個包装体10は、幅方向Dにおける気密性包装部材の両端部が閉塞された、平坦な略直方体の外形形状を有しているとともに、気密性包装部材の、前方向D側の端部が、当該端部とその他の部分とに跨って配置されたリードテープ12によって、対向する気密性包装部材の対向面に固定されており、折り畳まれた生理用ナプキン1の個包装状態が維持されている。そして、気密性包装部材の端部が、個包装体10の内部及び外部を連通する気体連通部13を備え、この気体連通部13は、第1表面S側に配置されている。
このような構成を採用することにより、気体連通部13を介して、生理用ナプキン1に含まれる、後述する香料が個包装体10の周囲に放出されるので、使用者が、個包装体10の開封前に、香料の存在を知覚できる。また、個包装体10が、気密性包装部材を備え、幅方向における、気密性包装部材の両端部が閉塞されているので、吸収性物品に含まれる揮発性成分が、個包装体10の外部に多量に放出され難い。したがって、生理用ナプキン1に含まれる揮発性成分の存在を、使用時に個包装体10を開封した際にも知覚できる。なお、本考案においては、気密性包装部材における、折り線よりも一方向側の端部を構成する、向かい合って接触する気密性フィルム同士を、接着剤を用いたり、融着したりすることにより、相互に接合して、接合領域を設けてもよい。本考案における気体連通部は、対向する気密性フィルム同士において、少なくとも部分的に、個包装体の内部及び外部を連通する部位が形成されていればよく、例えば、個包装体の外側から肉眼で気体連通部を視認できなかったとしても、個包装状態において、揮発性成分の存在を知覚できる程度に、個包装体の内部及び外部を連通する部位が形成されていればよい。
また、本実施形態において、個包装体10の長手方向Dにおける寸法は、幅方向Dにおける寸法に比べて長くなっている。これにより、個包装体10を片手の掌で保持する際に、個包装体10が幅方向Dに圧迫されても、上述の、幅方向Dに沿って延びる気体連通部13が閉塞され難く、使用者が、個包装体10の開封前に、揮発性成分の存在を知覚しやすい。
また、個包装体10は、長手方向D及び幅方向Dが、それぞれ展開した状態の生理用ナプキン1の長手方向D及び幅方向Dに対応するように折り畳まれているが、本考案においては、このような折り畳み形態に限定されない。
なお、本考案の別の態様においては、生理用ナプキンは、長手方向Dに沿って延びる長手方向第1折り線LW及び長手方向第2折り線LWを有していなくてもよく、生理用ナプキンの折り畳み方式も、長手方向Dに三つ折りに折り畳まれ、幅方向Dに折り畳まれていなくてもよい。この場合、幅方向Dにおける気密性包装部材の両端部を閉塞するため、当該両端部を、ヒートシールや、接着剤によって、密閉していてもよい。また、幅方向Dに延びる折り線の本数は、2本でなくてもよく、例えば、1本であってもよいし、3本以上であってもよい。さらに、本考案の吸収性物品においては、幅方向Dに沿って延びる折り線の本数は、2本を超えてもよく、例えば、3本、又は4本以上であってもよい。この場合、本考案の吸収性物品は、長手方向Dに四つ折り以上に折り畳まれる。
以下、本考案の個包装体に用い得る吸収性物品について、上述の生理用ナプキン1を用いて更に詳細に説明する。
[吸収性物品]
図3は、生理用ナプキン1を、展開した状態で裏面シート3側から厚さ方向Dに見た平面図である。図2及び図3に示すように、生理用ナプキン1は、平面視にて、長手方向D及び幅方向Dを有する縦長の外形形状を有しており、さらに、幅方向Dの中央軸線Cよりも前方向Dの端部に、生理用ナプキン1の幅方向Dの両端部が、外方に向かって突出することにより、幅方向Dの寸法が周囲と比較して幅広となった、幅広部20が設けられている。また、生理用ナプキン1の後方向Dの所定位置においては、生理用ナプキン1の幅方向Dの一方側端部及び他方側端部の各々が幅方向Dの外方側に向かって略台形状に突出した、一対のフラップ部6、6を有している。
なお、本考案において、吸収性物品の外形形状は、幅方向Dの中央軸線Cよりも前方向Dの端部に、幅広部20が設けられている形状や、一対のフラップ部6、6を有している形状に限定されるものではなく、幅方向Dの中央軸線Cよりも後方向Dの端部に、幅広部が設けられている形状や、一対のフラップ部6、6を有していない形状であってもよい。また、吸収性物品の全体形状も各種用途等に応じた任意の縦長の形状(例えば、長方形、楕円形、砂時計形等)を採用することもできる。
図4は、生理用ナプキン1の、長手方向Dに延びる中央軸線Cに沿った断面の端面図である。上述の生理用ナプキン1は、図4に示すように、厚さ方向Dにおいて、生理用ナプキン1の肌対向面Sを形成する液透過性の表面シート2と;生理用ナプキン1の非肌対向面Sを形成する液不透過性の裏面シート3と;これら両シートの間に位置する吸水性の吸収体4と;生理用ナプキン1の前方向Dに位置する幅広部20において表面シート2と裏面シート3の間に位置し且つ揮発性物質として香料を含む吸収層21とを、主な構成部材として備えている。
また、生理用ナプキン1は、図2に示すように、幅方向Dの両端部においてそれぞれ長手方向Dに延在する一対のサイドシート5、5を備えている。さらに、図3に示すように、生理用ナプキン1は、裏面シート3の非肌対向面Sにおいて、本考案の第2接着部としての固定用接着部を有している。より具体的には、吸収体4と厚さ方向Dに重複し且つ長手方向Dに延びる複数本の帯状の形態で配置された着衣固定用接着部7と;一対のフラップ部6、6の各々の非肌対向面Sにおいて長手方向Dに延びる複数本の帯状の形態で配置された一対のフラップ部固定用接着部71、71と;生理用ナプキン1の前方向Dに位置する幅広部20において幅方向Dの両端部において、長手方向Dに延びる複数の帯状の形態で配置された一対の前方向接着部72、72とを、構成部材として備えている。
さらに、上述の生理用ナプキン1は、図2に示すように、平面視にて、生理用ナプキン1の最も前方向Dに位置する長手方向前方向端部を通るように幅方向Dに延びる前方端仮想線LEと、生理用ナプキン1の最も後方向Dに位置する長手方向後方向端部を通るように幅方向Dに延びる後方端仮想線LEとを有し、さらに、これら前方端仮想線LE及び後方端仮想線LEの間には、長手方向Dの前方向Dにおいて香料を含む上記吸収層21を備える幅広部20と、当該幅広部20の後方向Dに隣接し、着用者から排出された経血等の液状排泄物を吸収する、吸収体4を含む吸収領域30とを有している。
なお、図2及び図4に示すように、吸収層21は、吸収体4の前方向Dに隣接して配置されており、幅広部20には、吸収領域30の吸収体4がこれら領域の境界を超えて延在していないが、吸収領域30には、幅広部20の吸収層21がこれら領域の境界を超えて延在しており、さらに、吸収領域30における幅広部20との隣接部分には、相対的に肌対向面側に位置する吸収体4と、相対的に非肌対向面側に位置する吸収層21とが厚さ方向Dに重なる重複部40を有している。このような形態で吸収体4と吸収層21が部分的に重なっていることにより、重複部40は、着用者から排出された液状排泄物を吸収する作用を主な作用として備えている。ただし、本考案において、吸収体と吸収層は、互いに重なって重複部を形成していなくてもよい。
なお、吸収領域30は、長手方向Dにおいて吸収領域30の略中央部に位置するとともに、上記一対のフラップ部6、6と幅方向Dに重複し、生理用ナプキン1の着用時に着用者の排泄口に対向する排泄口対向領域と;当該排泄口対向領域の前方向Dに隣接する前方向吸収領域と;当該排泄口対向領域の後方向Dに隣接する後方向吸収領域との、3つの領域に区分することができる。
そして、上述の生理用ナプキン1は、図2に示すように、平面視にて、生理用ナプキン1を幅方向Dに三つ折りするための、長手方向Dに沿って延びる長手方向第1折り線LW(仮想線)及び長手方向第2折り線LW(仮想線)と;生理用ナプキン1を長手方向Dに三つ折りするための、幅方向Dに沿って延びる幅方向第1折り線LL(仮想線)及び幅方向第2折り線LL(仮想線)とを有している。生理用ナプキン1は、固着された個包装シート11とともに、肌対向面Sが内側となるように、長手方向第1折り線LW及び長手方向第2折り線LWによって三つ折りに折り畳まれた後、幅方向第1折り線LL及び幅方向第2折り線LLによって三つ折りに折り畳まれて、上述の個包装体10を形成している。
このように構成される生理用ナプキン1は、着用する際に、生理用ナプキン1の非肌対向面Sを、着衣固定用接着部7、及び一対の前方向接着部72、72を介して使用者の着衣(例えば、下着等)の内面に貼り付けた後、一対のフラップ部6、6をそれぞれ着衣の外面側に折り返しつつ一対のフラップ部固定用接着部71、71を介して着衣の外面に貼り付けることにより、着用者の着衣に固定される。
なお、本考案において、上記一対のフラップ部を有することは必須の構成要件でないため、吸収性物品の形態等によっては、必ずしもこのようなフラップ部を有していなくてもよい。
以下、本考案の個包装体に用い得る吸収性物品の各種構成部材について、上述の生理用ナプキン1を用いて更に詳細に説明する。
[吸収層]
上述の生理用ナプキン1において、吸収層21は、図2に示すように、平面視にて、少なくとも生理用ナプキン1の前方向Dに位置する、幅方向Dの寸法が周囲に比較して大きくなっている幅広部20において長手方向D及び幅方向Dの広範囲にわたって延在する所定の外形形状を有している。かかる吸収層21は、図4に示すように、生理用ナプキン1の厚さ方向Dにおいて、後述の表面シート2及び裏面シート3の間に配置され、揮発性成分としての、後述する香料を含む、シート状部材によって形成されている。
吸収層21を形成するシート状部材は、揮発性成分としての香料を保持し得る基材とによって構成されている。なお、本考案において、幅広部は、香料を含む吸収層が配置されたものに限定されず、香料を含まない吸収層が、表面シート及び裏面シートの間に配置されたものであってもよく、その場合、揮発性成分としての香料は、表面シート等、吸収性物品を構成する他の部材に含有させればよい。
本実施形態において、上記香料を保持し得る基材としては、一般に、製造過程においては液体状である香料を保持し得るものであれば特に制限されず、例えば、布帛(例えば、不織布、織布、編布等)や多孔質樹脂シート(例えば、スポンジシート等)等が挙げられる。かかる基材は、吸収層用の基材として単独で用いられるものでなくてもよく、他の構成部材(例えば、表面シートや裏面シート、中間シート、コアラップシート等)と兼用されていてもよい。なお、吸収層21の坪量は、後述する吸収体4の坪量と比較して小さく、これにより、展開状態において、生理用ナプキン1の前方向D側の坪量が、後方向D側の坪量よりも小さくなっている。これにより、個包装体10を片手の掌で把持した際に、後述の香料含有領域が配置される、前方向D側が幅方向Dに向かって圧迫されやすくなり、生理用ナプキン1に含まれる香料が、個包装体10の外部に放出されやすくなって、使用者が、個包装体10の開封前に、香料の存在を知覚しやすい。
(揮発性成分含有領域)
生理用ナプキン1は、幅方向第1折り線LLよりも前方向D側の端部に、揮発性成分としての、香料を含有する香料含有領域20を備えており、より具体的には、吸収層21が香料を含有している。揮発性成分として、香料を用いることにより、個包装体10を片手の掌で把持した際に、嗅覚を介して、香料の存在を知覚することができる。
ここで、個包装状態において、香料含有領域20は、少なくとも、個包装体10の厚さ方向Dにおける中心線よりも第1表面S側に配置され、上述のとおり、気体連通部13もこの第1表面S側に配置されている。このため、気体連通部13を介して香料が、個包装体10の周囲に放出されやすく、使用者が、個包装体10の開封前に、香料の存在を知覚しやすい。なお、上述の香料含有領域20は、幅方向第1折り線LLの後方向端部側にも延びており、これが、追加の揮発性成分含有領域を形成している。生理用ナプキン1が、追加の揮発性成分含有量域を備えていることにより、生理用ナプキン1に含まれる香料の持続性がより高まる。ただし、本考案において、生理用ナプキン1は、追加の揮発性成分含有領域を備えていなくてもよく、香料含有領域20と連続しない追加の香料含有領域が、追加の揮発性成分含有量域を構成していてもよい。また、本考案において使用する香料としては、吸収性物品の製造時に液体である香料が好ましいが、吸収性物品の製造時に液体である香料に限定されず、例えば、溶液状、固体状、又は半固体状の香料であってもよい。
本実施形態においては、生理用ナプキン1が、香料以外に、後述する追加の機能剤としての温感剤を含有し、香料が、温感剤の機能と対応した匂いをもたらす。これにより、使用者が、個包装体10の開封前に、香料の存在を知覚することによって、追加の機能剤である温感剤の機能を推定することができる。温感剤の機能と対応した匂いをもたらす香料としては、皮膚や粘膜と接触することにより温感を生起する植物の匂いをもたらす香料を挙げることができ、例えば、ショウガ様の香気をもたらす、リナロール、ゲラニオール、ゲラニアール、ネラール、ボルネオール、イソボルネオール、1,8-シネオール、4ーテラピネオール、酢酸ゲラニル、2-ピネン-5-オール、(E)-2-オクテナール、(E)-2-デセナール、(E)-2-ドデセナール等を挙げることができる。また、温感剤の機能と対応した匂いをもたらす香料としては、温感を想起する植物の匂いをもたらす香料を挙げることができ、例えば、ユズ様の香気をもたらす、d-リモネン、(6S)-メチルオクタナール、(8S)-メチルデカナール、トランス-4,5-エポキシ-2E-デセナール、(6Z,8E)-ウンデカ-6,8,10-トリエン-3-オン等;ヒノキ様の香気をもたらす、ヒノキオイル、ヒノキチオール、フィトンチッド、α-ピネン等を挙げることができる。その他の香料として、ハスの花様の香気をもたらす香料も挙げることができる。なお、後述するように、本考案において、追加の機能剤は、温感剤に限定されない。例えば、追加の機能剤が冷感剤である場合、冷感剤の機能と対応した匂いをもたらす香料としては、皮膚や粘膜と接触することにより冷感を生起する植物の匂いをもたらす香料を挙げることができ、例えば、ミント様の香気をもたらす、メントン、酢酸メンチル等を挙げることができる。また、追加の機能剤が抗菌剤である場合、抗菌剤の機能と対応した匂いをもたらす香料としては、抗菌機能が広く知られている植物の匂いをもたらす香料を挙げることができ、例えば、チャ(茶)の葉様の香気をもたらす、青葉アルコール、リナロール、ゲラニオール等を挙げることができる。
なお、本考案において、吸収層の外形形状や各種寸法、坪量等は、機能剤の種類や配置形態等に応じた任意の外形形状や各種寸法、坪量等を採用することができる。また、機能剤の性状は、特に限定されるものではなく、例えば、有効成分を含む溶液状のものであってもよいし、塗布可能な固体状の成分であってもよいし、液状の有効成分からなるものであってもよく、揮発性の成分であってもよい。
このような液透過性のシート状部材としては、吸収性物品の表面シートとして用い得る諸特性(例えば、液透過性や肌触り、柔軟性、強度等)を有するものであれば特に制限されず、例えば、エアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布等の各種不織布や多孔樹脂フィルム等を用いることができる。さらに、シート状部材の構造も特に制限されず、平坦な無孔のシート状構造のほか、例えば、複数の開口部を有する平坦なシート状構造や凹凸構造等の種々のシート状構造を採用することができる。
なお、表面シートとして不織布を用いる場合、その構成繊維の種類は、特に制限されず、例えば、セルロース系繊維や親水化処理を施した熱可塑性樹脂繊維(例えば、親水化処理を施したオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂等)等の親水性繊維が挙げられる。これらの繊維は単独で用いても、2種類以上の繊維を併用してもよい。
(機能剤)
生理用ナプキン1は、上述の香料以外に、機能剤を含んでおり、機能剤としては、例えば温感剤を挙げることができる。本実施形態において、機能剤は、表面シート2の非肌対向面S側に塗布されている。機能剤として用いられる温感剤は、それ自体が発熱せずに着用者の皮膚の温熱知覚受容器を刺激して、着用者に温感を知覚させる温感成分と、当該温感成分を溶解させる溶媒成分とを含むものである。
なお、上述の生理用ナプキン1においては、温感剤は、平面視にて、幅広部20の表面シート2の非肌対向面S側の略全体に含まれているが、所定の温感機能を発揮し得るのであれば一部分(例えば、中央部のみ等)に含まれていてもよい。
なお、上述のとおり、香料は幅広部20に配置される吸収層21に含まれているため、機能剤が表面シート2に含まれていることにより、生理用ナプキン1の展開状態において、香料を含有する位置と、機能剤を含有する位置とが、厚さ方向Dにおいて異なっている。このため、香料と、機能剤とが、相互に干渉し難く、香料と、機能剤とが、それぞれの機能を十分に発揮できる。ただし、本考案は、香料を含有する位置と、機能剤を含有する位置とが、厚さ方向Dにおいて異なる態様に限定されるものではなく、展開状態において、揮発性成分含有領域と、追加の機能剤を含有する領域とが、平面方向において異なっていてもよく、厚さ方向D及び平面方向の両者において異なっていてもよく、厚さ方向D及び/又は平面方向に重複していてもよい。
上述の生理用ナプキン1では、温感剤が表面シート2の非肌対向面S側に塗布されていても、温感剤が、生理用ナプキン1の着用時に表面シート2の肌対向面S側に浸透して着用者の下腹部の肌に接触することができるため、かかる温感剤の温感成分が皮膚の温熱知覚受容器を刺激して、着用者の下腹部に温感を付与することができる。
このようにして着用者の下腹部、すなわち着用者の子宮に近い部分が温められることによって、着用者の生理痛を緩和したり、月経前症候群や冷え性、更年期障害等の症状を軽減したりすることが期待される。
なお、本考案において、追加の機能剤を配置する厚さ方向Dの位置は、吸収性物品の着用時に温感剤が着用者の肌に接触し得る位置であれば特に制限されない。
上記温感剤に含まれる温感成分としては、使用者へ安心感を与える観点から、植物由来の化合物であることが好ましく、例えば、カプサイシン類、バニリルアルコールアルキルエーテル誘導体(例えば、バニリルエチルエーテル、バニリルブチルエーテル、バニリルペンチルエーテル、バニリルヘキシルエーテル等)、ショウガエキス、ジンジャーオイル等が挙げられる。これらの化合物の中でも、皮膚への刺激性の点から、バニリルアルコールアルキルエーテル誘導体、ショウガエキス、ジンジャーオイル等を用いることが好ましい。なお、これらの化合物は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
また、上記温感剤を、塗工等することにより基材に適用する際は、温感成分とともに当該温感成分を溶解ないし分散し得る溶媒成分を用いてもよく、そのような溶媒成分としては、例えば、親油性溶媒や親水性溶媒等が挙げられる。
上記親油性溶媒としては、例えば、天然油(例えば、トリグリセリド等の脂肪酸エステル、ヤシ油、アマニ油等)や炭化水素(例えば、パラフィン等)等の油脂が挙げられる。一方、上記親水性溶媒としては、例えば、水やアルコール等が挙げられ、さらに、アルコールとしては、例えば、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等)、高級アルコール(例えば、カプリルアルコール、ラウリルアルコール等)等が挙げられる。
これらの溶媒の中でも、揮発性を制御しやすいという点で、油脂等の親油性溶媒又はアルコールを用いることが好ましく、さらに、吸収性物品の吸収性能を維持しやすいという点から、油脂等の親油性溶媒を用いることがより好ましい。
なお、このような溶媒は、基材に適用した後に、溶媒が固化又は半固化した状態で適用対象部位に留まっていてもよく、又は溶媒が揮発して溶質のみが残存していてもよい。
また、上記温感剤が溶媒を含む場合における温感剤中の温感成分の濃度は、温感効果の点から、好ましくは0.0001質量%以上5.0質量%以下であり、より好ましくは0.0005質量%以上3.0質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以上1.0質量%以下である。
なお、本考案において、機能剤は、上記温感剤に限定されず、所望の作用に応じた任意の機能剤を採用することができる。そのような機能剤としては、例えば、冷感剤や発熱剤、薬剤(例えば、皮膚収斂剤、抗炎症剤、抗菌剤、pH調整剤、保湿剤等)等が挙げられる。これらの機能剤は、例えば、平面視にて、吸収層の一部の部分に1種類の機能剤(例えば、温感剤)を配置し、他の部分に別の種類の機能剤(例えば、冷感剤)を配置する形態で、併用してもよい。
本考案において、上記機能剤として用い得る冷感剤は、それ自体が吸熱せずに着用者の皮膚の冷感知覚受容器を刺激して、着用者に冷感を知覚させる冷感成分を含むものであり、必要に応じて、当該冷感成分を溶解ないし分散させる溶媒成分を含んでいてもよい。上記冷感成分としては、例えば、メントール(例えば、l-メントール等);メントール誘導体(例えば、乳酸メンチル、メンチルグリセリルエーテル等);サリチル酸メチル;ミントやユーカリ等の植物由来の精油等が挙げられる。なお、冷感剤に含まれていてもよい溶媒成分は、上記温感剤に含まれていてもよい溶媒成分と同様のものを用いることができる。
また、上記冷感剤が溶媒を含む場合における冷感剤中の冷感成分の濃度は、冷感効果の点から、好ましくは0.0001質量%以上5.0質量%以下であり、より好ましくは0.0005質量%以上3.0質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以上1.0質量%以下である。
本考案において、上記機能剤として用い得る発熱剤は、それ自体が発熱することで着用者の皮膚を温める作用を有するものであり、例えば、鉄粉等の金属粉の酸化熱、酸又はアルカリの中和熱、無機塩の水和熱等の化学エネルギーを利用するものが挙げられる。なお、発熱剤は、溶媒成分又は分散媒体に溶解又は分散させて用いてもよい。
本考案において、上記機能剤として用い得る薬剤は、着用者の皮膚に所定の薬理作用をもたらすものであり、例えば、皮膚収斂剤、抗炎症剤、抗菌剤、pH調整剤、保湿剤等が挙げられる。
上記皮膚収斂剤としては、例えば、酸化亜鉛や硫酸アルミニウム、タンニン酸、油溶性ポリフェノール(例えば、オオバクエキス、オトギリソウエキス、カモミラエキス、シラカバエキス、ビワ葉エキス、ボダイジュエキス、ホップエキス等)等の収斂成分を含むものが挙げられる。
上記抗炎症剤としては、例えば、天然由来の抗炎症成分(例えば、ボタンエキス、オトギリソウエキス、カモミラエキス、ヨモギエキス、シソエキス等)や合成抗炎症成分(例えば、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム等)等の抗炎症成分を含むものが挙げられる。
上記抗菌剤としては、例えば、天然由来の抗菌成分(例えば、オウバクエキス、オリーブ葉エキス、カモミラエキス、クマザサエキス、サンショウエキス、シソエキス、ドクダミエキス、ホップエキス、ユーカリエキス、ヨモギエキス等)や合成抗菌成分(例えば、エチルヘキシルグリセリン等)等の抗菌成分を含むものが挙げられる。
上記pH調整剤としては、例えば、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、乳酸等の肌を弱酸性に保つための弱酸性成分を含むものが挙げられる。
上記保湿剤としては、例えば、多価アルコール類(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ソルビット等)、尿素、エモリエント成分(例えば、ワセリン等)等の保湿成分を含むものが挙げられる。
本考案において、表面シートにおける機能剤の含有量(坪量)は、機能剤の種類等に応じた所定の含有量を採用することができる。例えば、機能剤として温感剤又は冷感剤を採用する場合には、機能剤は、有効成分としての温感成分又は冷感成分の坪量が、好ましくは0.001g/m以上10g/m以下、より好ましくは0.003g/m以上5g/m以下、更に好ましくは0.01g/m以上2.5g/m以下となるような坪量で、表面シートに塗布することができる。
本考案において、表面シートの外形形状や各種寸法、坪量等は、所望の液透過性や肌触り、柔軟性等に応じた任意の外形形状や各種寸法、坪量等を採用することができる。
[吸収体]
上述の生理用ナプキン1において、吸収体4は、図2に示すように、平面視にて、生理用ナプキン1の排泄口対向領域の略中央部を中心にして、長手方向D及び幅方向Dの広範囲に延在するとともに、長手方向Dの両端部がそれぞれ長手方向Dの外方側に向かって円弧を描くように突出した縦長の外形形状を有している。かかる吸収体4は、図4に示すように、生理用ナプキン1の厚さ方向Dにおいて表面シート2と裏面シート3の間に配置されて、表面シート2を透過してきた経血等の液状排泄物を吸収して保持し得る、所定の吸水性及び液保持性を備えた吸水性部材によって形成されている。
このような吸水性部材は、着用者から排出される経血等の液状排泄物を吸収して保持し得るものであれば特に制限されず、当分野において公知の任意の吸水性部材を採用することができる。そのような吸水性部材の例としては、任意の吸水性材料によって構成される少なくとも一つの吸収コアを、ティッシュ等の親水性のコアラップシートで覆ったもの等が挙げられる。ここで、吸収コアを構成する吸水性材料としては、例えば、親水性繊維や高吸収性ポリマー等が挙げられ、更に具体的には、粉砕パルプ、コットン、レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維;アクリル酸ナトリウムコポリマー等の高吸収性ポリマーからなる粒状物;及びこれらの混合物等が挙げられる。
なお、生理用ナプキン1は、幅広部20を有していることにより、吸収体4の長手方向Dの寸法に対して、生理用ナプキン1の長手方向Dの寸法が、相対的に大きくなっている。これにより、吸収体4の長手方向の最大寸法は、吸収体4の長手方向の最大寸法に対して、相対的に小さくなり、吸収体4の長手方向Dの最大寸法に対する、裏面シート3の長手方向Dの最大寸法の比が、吸収体4の幅方向Dの最大寸法に対する、裏面シート3の幅方向Dの最大寸法の比と比較して大きくなる。つまり、生理用ナプキン1は、裏面シート3が、長手方向Dにより長く延在し、生理用ナプキン1の長手方向Dの寸法が大きい。ただし、本考案の吸収性物品は、吸収体の長手方向Dの最大寸法に対する、裏面シートの長手方向Dの最大寸法の比が、吸収体の幅方向Dの最大寸法に対する、裏面シートの幅方向Dの最大寸法の比と比較して大きい吸収性物品に限定されるものではなく、吸収体の長手方向Dの最大寸法に対する、裏面シートの長手方向Dの最大寸法の比が、吸収体の幅方向Dの最大寸法に対する、裏面シートの幅方向Dの最大寸法の比と比較して、同等であっても、小さくてもよい。
本考案において、吸収体の外形形状や各種寸法、坪量等は、所望の吸収性能や柔軟性、強度等に応じた任意の外形形状や各種寸法、坪量等を採用することができる。
[裏面シート]
上述の生理用ナプキン1において、裏面シート3は、図3及び図4に示すように、平面視にて、生理用ナプキン1の長手方向の前方向端部から後方向端部にわたって延在するとともに、生理用ナプキン1の幅方向Dの一方側端部から他方側端部にわたって延在する縦長の外形形状を有している。かかる裏面シート3は、図4に示すように、生理用ナプキン1の厚さ方向Dにおいて非肌対向面側の位置に配置されて、着用者の肌面に対する非接触面(すなわち、生理用ナプキン1の非肌対向面S)を形成する、液不透過性のシート状部材によって形成されている。
このような液不透過性のシート状部材としては、少なくとも着用者から排出される液状排泄物の透過を防止し得る程度の液不透過性を有するものであれば特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂繊維(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂繊維、芯鞘型等の各種複合繊維等)によって形成された疎水性不織布;ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂によって形成された疎水性樹脂フィルム;該樹脂フィルムに不織布を貼り合わせた積層体;SMS不織布等の積層不織布等を用いることができる。さらに、シート状部材の構造も特に制限されず、平坦な無孔のシート状構造のほか、例えば、所定の液不透過性を保持しつつ通気性を確保するための複数の開口部を備えた平坦なシート状構造や凹凸構造等の種々のシート状構造を採用することができる。
本考案において、裏面シートの外形形状や各種寸法、坪量等は、所望の防漏性能や通気性等に応じた任意の外形形状や各種寸法、坪量等を採用することができる。
[サイドシート]
上述の生理用ナプキン1において、一対のサイドシート5、5は、図2に示すように、平面視にて、生理用ナプキン1の幅方向Dの両端部においてそれぞれ長手方向Dに延在する、一対の帯状のシート状部材によって形成されている。かかる一対のサイドシート5、5は、生理用ナプキン1の厚さ方向Dにおいて肌対向面側の位置に配置されて、上記表面シート2とともに生理用ナプキン1の肌対向面Sを形成している。
さらに、一対のサイドシート5、5の各々は、幅方向Dの外方側端部が裏面シート3の肌対向面に接合されて固定端部を形成している一方、幅方向Dの中心側端部が表面シート2等のいずれの構成部材とも接合されておらず、自由端部を形成している。これにより、一対のサイドシート5、5は、生理用ナプキン1の着用時に幅方向Dの中心側端部(自由端部)が起立して、着用者から排出される液状排泄物の漏洩を防止するための防漏壁部を形成することができる。
サイドシートに用いられる帯状のシート状部材としては、吸収性物品のサイドシートとして用い得る諸特性(例えば、液不透過性(防漏性)や肌触り、柔軟性、強度等)を有するものであれば特に制限されず、例えば、上記裏面シートと同様の液不透過性のシート状部材(すなわち、疎水性不織布や疎水性樹脂フィルム等のシート状部材)を帯状に裁断したもの等を用いることができる。
本考案において、サイドシートの外形形状や各種寸法、坪量等は、所望の防漏性や肌触り、柔軟性等に応じた任意の外形形状や各種寸法、坪量等を採用することができる。
なお、本考案において、上記一対のサイドシートを備えることは必須の構成要件でないため、吸収性物品の形態等によっては、必ずしもこのようなサイドシートを有していなくてもよい。
[粘着部]
上述の生理用ナプキン1は、図3に示すように、裏面シート3の非肌対向面Sにおいて複数の粘着部、すなわち着衣固定用粘着部7、一対のフラップ部固定用粘着部71、71、一対の前方側第1粘着部72、72及び前方側第2粘着部73を備えており、これらの粘着部は、それぞれ上述の所定の形態で配置された粘着剤によって形成されている。
このような粘着部に用いられる粘着剤としては、当分野において公知の任意の粘着剤を採用することができ、例えば、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン(SEBS)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)等のスチレン系コポリマーを主体とした感圧型粘着剤などが挙げられる。
本考案において、各種粘着部の配置形態や外形形状、各種寸法等は、着衣への固定のしやすさなどを考慮した任意の配置形態や外形形状、各種寸法等を採用することができる。
なお、本考案において、上記粘着部を備えることは必須の構成要件でないため、吸収性物品の形態等によっては、必ずしもこのような粘着部を備えていなくてもよい。
本考案において、上記の各粘着部の配置形態や外形形状、各種寸法等は、着衣への固定のしやすさ等を考慮した任意の配置形態や外形形状、各種寸法等を採用してもよい。
[気密性包装部材]
上述の実施形態では、個包装体10は、図2及び図3に示すように、生理用ナプキン1の非肌対向面Sに配置された上記複数の粘着部を介して生理用ナプキン1に固着された、気密性包装部材を有している。斯かる気密性包装部材は、生理用ナプキン1とともに折り畳まれて、折り畳まれた生理用ナプキン1を個別に包装するものであり、以下に説明するような、気密性フィルム11と剥離シート(図示せず)によって形成されている。
つまり、気密性包装部材は、上記複数の粘着部が、気密性包装部材に固着されるそれぞれの部位に、剥離シートを備えており、剥離シートを介して、気密性フィルム11と、上記複数の粘着部とが、固定されるように構成されている。
なお、図3においては、気密性包装部材を図示していない。
気密性包装部材に用いられる気密性フィルム11は、気密性を有するバリア層を有するものであり、さらに、耐久性や引張強度を高める観点から、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を含む、高強度の樹脂層を有していることが好ましい。気密性フィルム11は、例えば、バリア層単層からなる構造であってもよいし、バリア層及び高強度の樹脂層を含む、複数層の積層構造であってもよい。なお、バリア層としては、例えば、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂等によって形成された樹脂層を挙げることができる。
本考案において、気密性フィルム11及び剥離シートの外形形状や各種寸法、坪量等は、包装のしやすさや気密性などを考慮した任意の外形形状や各種寸法、坪量等を採用すればよい。
なお、本考案の別の態様において、個包装体の気密性包装部材は、剥離シートを有さずに気密性フィルムのみからなり、生理用ナプキンの非肌面と対向する表面に離型処理が施されていてもよい。これにより、個包装体が、生理用ナプキンの粘着部を保護するための剥離シートを別途備える必要がないため、個包装体の構成部材の数を低減することができる。
[リードテープ]
上述の実施形態では、個包装体10は、図1(a)及び図2に示すように、気密性包装部材の外表面において当該気密性包装部材の端部とその他の部分とに跨って配置されたリードテープ12を備えている。斯かるリードテープ12は、生理用ナプキン1とともに折り畳まれた気密性包装部材の開放端を封止して、折り畳まれた生理用ナプキン1の個包装状態を維持するものであり、帯状のテープ部材によって形成されている。
リードテープとして用いられるテープ部材は、当分野において公知の任意のテープ部材を採用することができ、例えば、帯状のテープ基材(例えば、フィルム、不織布、紙等)と、該テープ基材の表面に配置された粘着剤(例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤等)とによって構成されたものなどが挙げられる。さらに、上記テープ基材として用い得るフィルムや不織布の構成材料は、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリウレタン系樹脂などが挙げられる。斯かるテープ基材は、伸縮性を有するものであってもよい。
本考案において、リードテープの配置形態や外形形状、各種寸法等は、リードテープとして求められる強度や開封のしやすさなどを考慮した任意の配置形態や外形形状、各種寸法等を採用することができる。
なお、本考案において、このようなリードテープを備えることは必須の構成要件でないため、リードテープ以外の手段(例えば、熱融着手段等)で個包装状態を維持し得るのであれば、個包装体はこのようなリードテープを備えていなくてもよい。
[個包装体の形成方法]
以下、本考案の個包装体を形成するための、吸収性物品の折り畳み方法(すなわち、個包装体の形成方法)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
上述の実施形態の個包装体10は、図5(a)に示すような展開した状態の生理用ナプキン1を、図5(b)に示すように、長手方向Dに延びる長手方向第1折り線LW及び長手方向第2折り線LWの各々において、肌対向面Sが内側となるように幅方向Dに三つ折りに折り畳んだ後、図5(c)及び(d)に示すように、幅方向Dに延びる幅方向第1折り線LL及び幅方向第2折り線LLの各々において、肌対向面Sが内側となるように長手方向Dに三つ折りに折り畳むことによって形成することができる。
なお、生理用ナプキン1を折り畳むにあたっては、生理用ナプキン1を、非肌対向面Sに貼付された気密性包装部材とともに折り畳み、さらに、折り畳んだ後は、気密性包装部材の外表面において当該気密性包装部材の端部に配置されたリードテープ12によって、折り畳まれた気密性包装部材の開放端を封止して、包装状態を維持する。このような個包装体10は、個包装体10を片手の掌で保持する際に、生理用ナプキン1の個包装体10が幅方向Dに向けて圧迫されやすく、個包装体10の内部の空気が、気体連通部13を介して周囲に放出されるので、個包装体10の開封直前に、生理用ナプキン1に含まれる香料の存在を、使用者が知覚しやすい。
なお、上述のとおり、生理用ナプキン1は、展開状態において、前方向D側の端部に、幅広部20を有し、香料含有領域20が、少なくとも幅広部20に配置されている。この幅広部20の幅方向Dにおける端部は、長手方向Dに延びる中央軸線Cから、幅方向Dの端部に向けて、長手方向第1折り線LW及び長手方向第2折り線LWを越えて延在しているので、個包装体10を個包装状態とするとき、長手方向第1折り線LW及び長手方向第2折り線LWで折り畳む際に、香料含有領域20が配置された、幅広部20の肌対向面S側同士が対向することとなり、気密性包装部材に香料が付着し難い。
なお、本考案において、個包装体を形成するための吸収性物品の折り畳み方法は、上述の実施形態の態様に限定されず、個包装体のコンパクト性や開封のしやすさなどを考慮した任意の折り畳み方法を採用することができる。
[包装体]
なお、本考案の吸収性物品の個包装体は、これを複数収容する包装体に包装されていてもよく、この場合、包装体は通気部を有していてもよい。通気部としては、例えば、開口部や、包装体の開封口を形成するミシン目の破断部等が挙げられる。このような態様によれば、包装体が店頭に陳列された状態においても、使用者となりうる消費者が、吸収性物品に含まれる、香料などの揮発性成分の存在を知覚しやすくなる。
本考案の個包装体における吸収性物品は、上述の各実施形態の生理用ナプキンに限定されず、パンティーライナー、失禁パッド、母乳パッド、使い捨ておむつなどの様々な吸収性物品に適用することができる。
また、本考案の個包装体は、上述した各実施形態等に制限されることなく、本考案の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組み合わせや代替、変更等が可能である。なお、本明細書において、「第1」、「第2」等の序数は、当該序数が付された事項を区別するためのものであり、各事項の順序や優先度、重要度等を意味するものではない。
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 サイドシート
6 フラップ部
7 着衣固定用粘着部
71 フラップ部固定用粘着部
72 前方向第1粘着部
73 前方向第2粘着部
10 個包装体
11 気密性フィルム
12 リードテープ
13 気体連通部
20 香料含有領域
21 吸収層
30 吸収領域
40 重複部

Claims (14)

  1. 一方向及び他方向を含む長手方向と、幅方向と、を有する吸収性物品、並びに前記吸収性物品の非肌対向面側に固着された気密性包装部材、を備える、吸収性物品の個包装体であって、
    前記個包装体の展開状態において、
    前記吸収性物品の個包装体が、前記幅方向に沿って延びる折り線を備えるとともに、
    前記吸収性物品が、少なくとも前記折り線よりも前記一方向側の端部に、揮発性成分を含有する揮発性成分含有領域を備え、
    個包装状態において、
    前記吸収性物品が、少なくとも前記折り線により肌対向面側を内側にして折り畳まれており、
    前記幅方向における、気密性包装部材の両端部が閉塞されており、
    前記気密性包装部材の、前記一方向側の端部が、対向する前記気密性包装部材の対向面に固定されており、
    前記気密性包装部材の前記端部が、前記個包装体の内部及び外部を連通する気体連通部を備える、吸収性物品の個包装体。
  2. 前記個包装状態において、
    前記個包装体が、前記長手方向及び前記幅方向により規定される一方面と、前記一方面の反対面を構成する他方面と、を有し、
    前記気体連通部が前記一方面側に配置され、
    前記揮発性成分含有領域が、少なくとも、前記吸収性物品の個包装体の、厚さ方向中心線よりも前記一方面側に配置される、請求項1に記載の吸収性物品の個包装体。
  3. 前記展開状態において、
    前記揮発性成分含有領域に加えて、前記折り線の前記他方向側に追加の揮発性成分含有領域を有する、請求項1又は2に記載の吸収性物品の個包装体。
  4. 前記吸収性物品が、前記揮発性成分以外の追加の機能剤を含有し、前記揮発性成分が、前記追加の機能剤の機能と対応した感覚を惹起する、請求項1から3のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体。
  5. 前記揮発性成分が香料である、請求項4に記載の吸収性物品の個包装体。
  6. 前記追加の機能剤が冷感剤であり、前記香料が冷感と対応した匂いをもたらす、請求項5に記載の吸収性物品の個包装体。
  7. 前記追加の機能剤が温感剤であり、前記香料が温感と対応した匂いをもたらす、請求項5に記載の吸収性物品の個包装体。
  8. 前記展開状態において、
    前記揮発性成分含有領域と、前記追加の機能剤を含有する領域とが、平面方向において異なる、請求項4から7のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体。
  9. 前記展開状態において、
    前記揮発性成分を含有する位置と、前記追加の機能剤を含有する位置とが、厚さ方向において異なる、請求項4から8のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体。
  10. 前記展開状態において、
    前記幅方向に沿って延びる前記折り線の本数が少なくとも2本であるとともに、前記長手方向に沿って延びる2本の追加の折り線を備え、
    前記個包装状態において、
    前記吸収性物品が、追加の折り線により折り畳まれた状態で、前記折り線により折り畳まれている、請求項1から9のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体。
  11. 前記個包装状態において、
    前記長手方向における寸法が、前記幅方向における寸法に比べて長い、請求項10に記載の吸収性物品の個包装体。
  12. 前記展開状態において、
    前記吸収性物品の、前記一方向側の坪量が、前記他方向側の坪量よりも小さい、請求項10又は11に記載の吸収性物品の個包装体。
  13. 前記展開状態において、
    前記吸収性物品が、前記一方向側の端部に、幅広部を有し、
    前記揮発性成分含有領域が、前記幅広部に配置され、
    前記幅広部の前記幅方向における端部が、前記追加の折り線を越えて延在する、請求項10から12のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体を複数収容し、通気部を有する、包装体。
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