JP7437198B2 - 吸収性物品の包装体 - Google Patents
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Description
前記包装体は、前記第1折り線によって区画され前記包装体の前記縦方向における第1端部を含む第1折り領域と、前記第2折り線によって区画され前記包装体の前記縦方向における第2端部を含む第2折り領域と、前記第1折り領域と前記第2折り領域の間に位置する第3折り領域と、を備え、前記第1折り領域が、前記第3折り領域の上に折り畳まれた前記第2折り領域の上にさらに折り重なるように折り畳まれる。
前記包装体は、さらに、
前記第1端部の前記包装シートに固定された固定部を含む封止用テープと、
前記横方向側縁を封止する側縁シール部と、を備える。
前記吸収性物品は、
前記第1折り領域から前記第3折り領域を通って前記第2折り領域まで延び、前記表面シートと前記吸収体とが圧搾され、前記横方向両側に配された一対の圧搾溝と、
前記第1折り領域において、前記一対の圧搾溝から前記縦方向外方に離間して配置された、前記表面シートと前記吸収体とが圧搾された第1独立圧搾部と、
前記第2折り領域において、前記一対の圧搾溝から前記縦方向外方に離間して配置された、前記表面シートと前記吸収体とが圧搾された第2独立圧搾部と、を有する。
前記第1独立圧搾部は、前記吸収性物品を前記横方向に2等分する縦中心線によって区画された前記吸収性物品の右側領域又は左側領域の一方に配置される。
前記第2独立圧搾部は、前記右側領域又は前記左側領域の、前記第1独立圧搾部とは異なる他方に配置される。
前記第1独立圧搾部及び前記第2独立圧搾部は、前記固定部を前記包装体の前記縦方向全長にわたって延長させた仮想的なテープ延長領域に重ならないように配置される。
本発明の吸収性物品1は、図1に示すように、本体Mと、一対のウイング部Wと、を備える。吸収性物品1は、生理用ナプキンとして構成され、以下、ナプキン1と称する。
ナプキン1は、着用者の前後方向に対応する縦方向Xと、着用者の左右方向に対応し縦方向Xに直交する横方向Yとを有する。さらに、ナプキン1は、縦方向X及び横方向Yの双方に直交する厚み方向Zを有する。なお、本明細書では、厚み方向Zに関しては、着用時に着用者の肌に近い側を上又は肌側、着衣に近い側を下又は非肌側という事がある。
吸収体4は、吸収性コア7と、コアラップシート8と、を有する。
吸収性コア7は、図2に示す例では、パルプ繊維等の親水性繊維で構成された繊維集合体に高吸水性ポリマーPを保持させた構成を有しているが、この構成に限定されない。
コアラップシート8は、吸収性コア7を被覆し、例えば吸収性コア7の形状を保持する機能等を有する。コアラップシート8は、例えばティッシュペーパー状の薄く柔らかい紙や液透過性の不織布等で形成される。
裏面シート3は、例えば、液難透過性、水蒸気透過性及び撥水性等の機能を有するシート材で形成される。当該シート材としては、例えば熱可塑性樹脂のフィルムや、当該フィルムと不織布とのラミネート等を用いることができる。
消臭剤含有シートは、一例として、消臭剤としての活性炭と繊維原料を主体として構成される。活性炭は、ガス状物質に対して高い吸着性を示し、良好な消臭機能を得ることができる。消臭剤含有シート中における活性炭の含有率は、好ましくは1~50重量%、より好ましくは3~30重量%である。
繊維原料としては、NBKP、LBKP等の木材パルプや、藁、綿等の非木材パルプ等の公知の天然繊維等が使用される。また、シート強度を向上させる目的で、ポリエチレン繊維等の剛性繊維を併用してもよい。消臭剤含有シート中における繊維原料の含有率は、好ましくは50質量%以上99質量%以下、より好ましくは70質量%以上97質量%以下である。
被覆シートとしては、繊維原料からなるシート材、例えば紙、不織布等が用いられる。紙とした場合の繊維原料としては、消臭剤含有シートと同様のものが使用できる。また、不織布としては、例えば、スパンレース不織布、スパンボンド不織布等の公知の不織布が使用できる。
消臭剤含有シートと両被覆シートとは、例えば、抄き合わせ又は接着剤等を用いた貼り合わせ等により、積層し一体化することができる。消臭剤含有シートを被覆シートによって覆うことにより、活性炭の脱落が抑制される。
一対の圧搾溝6は、表面シート2と吸収体4とが圧搾されている。つまり、一対の圧搾溝6は、表面シート2と吸収体4とが一体に陥凹した構成を有する線状溝である。圧搾溝6における「線状」は、溝の形状が平面視において直線状の態様に限られず、曲線状の態様や、直線状と曲線状とからなる態様を含む。また、この「線状」は、高圧搾部が延在方向にわずかに離間して並んでおり、全体として線状の溝が形成される態様も含む。図1に示す例では、ドット状の高圧搾部が並んで線状の圧搾溝6を形成している。
図1及び図3に示す包装体10は、上述したナプキン1を、横方向Yに延びる第1折り線L1及び第2折り線L2(図1参照)に沿って包装シート12とともに縦方向Xに折り畳み、個別に包装したものである。なお、図1では、折り畳み前及び開封後の、ナプキン1をX-Y平面上に引き伸ばした態様の包装体10を示している。
包装シート12としては、吸収性物品の包装シートとして従来使用されている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば、樹脂製フィルム、不織布、紙等を用いることができる。このような包装シート12は、一般に吸収体4よりも剛性が低く、ナプキン1に沿った形状に容易に折り曲げられることが可能である。
まず図1に示すように、ナプキン1が、包装シート12の略中央に、粘着部9を介して配置される。これにより、ナプキン1と包装シート12との積層体を得る。この際、ナプキン1の一対のウイング部Wは、本体Mの縦方向Xに沿う両側部に沿って表面シート2側(肌対向面側)に折り曲げられることが好ましい。また、ウイング部Wに粘着部9が形成されている場合には、折り曲げられた状態のウイング部Wの粘着部9が、剥離シートによって被覆されることが好ましい。
図3に示すように、側縁シール部Fは、包装体10の横方向Y側端を封止し、ヒートエンボス加工等の公知の接合方法により接合される。
封止用テープTは、第1折り領域R1の第1端部10aと、第2折り領域R2の包装シート12とを封止する。封止用テープTは、縦方向Xに長手を有する矩形状に構成され、例えば、ナプキン1を横方向Yに2等分する縦中心線CL上に配置される。
さらに封止用テープTは、突出部T2を含む。突出部T2は、固定部T1から第1折り領域R1の外方へ突出し、第2折り領域R2の包装シート12に剥離可能に接着される。突出部T2の接着面には、粘着剤が塗布されている。
図1に示すように、横方向Yの両側に設けられた一対の圧搾溝6は、第1折り領域R1から第3折り領域R3を通って第2折り領域R2まで延びる。つまり、一対の圧搾溝6は、第3折り領域R3において、縦方向Xに延びる。圧搾溝6が「縦方向Xに延びる」とは、圧搾溝6が縦方向Xに平行に延びる態様に限定されず、圧搾溝6が全体として縦方向Xと平行なベクトル成分を含む方向に延びていればよい。一対の圧搾溝6は、例えば、第3折り領域R3において、横方向Y内方に括れた括れ部を有していてもよい。また、一対の圧搾溝6は、途切れなく連続して延びる構成に限定されず、例えば4mm程度のわずかな途切れ部を含んでいてもよい。
なお、「横方向Yの両側に設けられた一対」とは、一対の圧搾溝同士が横方向Y両側に分割され得る関係を意味する。このとき、吸収性物品(ナプキン1)を横方向Yに2等分する縦方向中心線に対して左右両側に配された一対の関係であることが好ましく、一対の圧搾溝6は、縦方向中心線に対して線対称の形状・配置であることが好ましい。また、一対の圧搾溝6は、例えば、ナプキン1を横方向Yに2等分する縦中心線CLに関して左右対称に構成されることが好ましい。
ナプキン1は、一対の圧搾溝6の他、第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17を備える。
第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17は、一対の圧搾溝6から独立して配置され、表面シート2と吸収体4とが圧搾されて一体に陥凹した構成を有する。第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17も、熱エンボス加工又は超音波シール加工等の圧搾加工により常法に従って形成することができる。第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17では、表面シート2及び吸収体4が熱融着等により一体化している。第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17は、圧搾の度合いが異なる高圧搾部及び低圧搾部を含んでいてもよいし、圧搾の度合いが一定の圧搾部により構成されていてもよい。
上記構成により、第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17では、剛性が高まるとともに、表面シート2及び吸収体4の皺やヨレが生じにくくなる。
第2独立圧搾部17は、第2折り領域R2に配置され、一対の圧搾溝6から縦方向X外方に離間して配置される。
「第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17が一対の圧搾溝6から縦方向X外方に離間して配置される」とは、第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17が、圧搾溝6における第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17と縦方向Xに関して最も離れた部分の縦方向X外方に位置することを意味する。また、「独立圧搾部」とは一対の圧搾溝6と連接されていない圧搾部のことである。つまり、圧搾溝6と第1独立圧搾部16又は第2独立圧搾部17とは、横方向Yに関して完全に離間して連接しておらず、縦方向Xの一部で重なって他の部分で離間している形態も本発明に含まれる。また、「縦方向X外方」とは、本実施形態において、第1独立圧搾部16に関しては縦方向X前方、第2独立圧搾部17に関しては縦方向X後方を意味する。
なお、第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17は、表面シート2及び吸収体4を圧搾して形成されるため、吸収体4上に配置される。
また、「各要素が近接して配置される」とは、具体的には、隣接する要素の最も近接した部分間の距離が2mm以下となるように配置されることをいう。
一方で、第2独立圧搾部17は、ナプキン1の右側領域RR又は左側領域LRの、第1独立圧搾部16とは異なる他方に配置される。第2独立圧搾部17は、図1に示す例では、着用時に着用者の左側に対向するナプキン1の左側領域LRに配置されている。
テープ延長領域VRは、図1のように包装体10をX-Y平面上に引き伸ばした態様において、固定部T1を包装体10の縦方向X全長にわたって延長させた仮想的な領域である。テープ延長領域VRの横方向Yにおける側縁は、固定部T1の横方向Yにおける側縁から、縦方向Xに延びる仮想的な延長線となる。本実施形態において、固定部T1は縦中心線CL上に配置されるため、テープ延長領域VRも、縦中心線CLに沿って配置される。
「第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17がテープ延長領域VRに重ならない」とは、X-Y平面上に引き伸ばした包装体10を厚み方向Zから見た平面視において、第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17の少なくとも一部がテープ延長領域VR上に配置されないことを意味する。
まず、包装体10の開封時について説明する。包装体10の開封時には、まず使用者が封止用テープTを掴み、第1端部10aを上方に持ち上げる。これにより、包装シート12には、持ち上げられた封止用テープTの固定部T1から側縁シール部Fに向かって張力が付加され、側縁シール部Fの封止が維持できなくなった場合に、第1端部10aの側縁シール部Fが開封される。そして、第1折り線L1を軸として第1折り領域R1が縦方向Xに開かれることで、側縁シール部Fが第1端部10a側から第1折り線L1に向かって順次開封され、第1折り領域R1側が開封される。
この後、第2端部10bが使用者の親指等によって上方に持ち上げられ、第2折り線L2を軸として縦方向Xに第2折り領域R2が開かれることで、包装体10全体が開封され、図1に示す態様となる。
包装体10では、第1独立圧搾部16が、第1折り領域R1の右側領域RR又は左側領域LRに配置される。これにより、包装シート12の上記変形によってナプキン1が力を受けた場合でも、第1独立圧搾部16が、表面シート2及び吸収体4に皺やヨレが発生することを抑制できる。
同様に、第2端部10bが使用者の指によって第3折り領域R3から大きく上方に離間するように持ち上げられる場合も、第2折り領域R2の包装シート12の横方向Y側部は、指から第2折り線L2近傍の側縁シール部Fに向かって延びる稜線を有する傾斜面状に変形する。この包装シート12の変形によって、第2折り領域R2のナプキン1は、右側領域RR及び左側領域LRの横方向Y側部が内方に折れ曲げられるような力を受ける。
包装体10では、第2独立圧搾部17が、第2折り領域R2の左側領域LR又は右側領域RRに配置される。これにより、包装シート12の上記変形によって力を受けた場合でも、第2独立圧搾部17が、表面シート2及び吸収体4に皺やヨレが発生することを抑制できる。
さらに、第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17がテープ延長領域VRに重ならないように配置されることで、開封時の力の作用点から離間した、包装シート12の上記変形の影響を特に受け易い領域に第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17を設けることができる。これにより、第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17が、ナプキン1の皺やヨレの発生を効果的に抑制できる。
また、第1独立圧搾部16が、右側領域RR又は左側領域LRの一方に配置されていることで、第1折り領域R1において高剛性領域の占める割合を抑えることができる。これにより、第1折り領域R1の柔軟性が確保され、包装体10の開封し易さが維持される。
同様に、第2独立圧搾部17が、右側領域RR又は左側領域LRの第1独立圧搾部16とは異なる他方に配置されていることで、第2折り領域R2の柔軟性が確保され、包装体10の開封し易さが維持される。加えて、この構成により、右側領域RR及び左側領域LRの双方に独立圧搾部16,17を設けることができる。したがって、右側領域RR及び左側領域LRの双方において皺やヨレの発生が抑制される。
さらに、第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17が、一対の圧搾溝6から縦方向X外方に離間して配置されることで、高剛性領域が連続的に配置されない。これにより、ナプキン1の柔軟性が確保され、包装体10の開封し易さが維持される。また、第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17が、開封時の力の作用点となる第1端部10a及び第2端部10bの近傍に配置され易くなり、上記皺やヨレの発生を一層効果的に抑制できる。
したがって、包装体10によれば、開封時におけるナプキン1の皺やヨレを効果的に抑制しつつ、開封し易さを維持することができる。
図1に示すように、第1独立圧搾部16は、平面視において、第2独立圧搾部17よりも大きい面積を有していてもよい。
第1独立圧搾部16の面積は、第1独立圧搾部16が高圧搾部及び低圧搾部を有している場合は高圧搾部の面積、第1独立圧搾部16が一定の圧搾の度合いの圧搾部により構成される場合は、第1独立圧搾部16全体の面積を意味する。
同様に、第2独立圧搾部17の面積は、第2独立圧搾部17が高圧搾部及び低圧搾部を有している場合は高圧搾部の面積、第2独立圧搾部17が一定の圧搾の度合いの圧搾部により構成される場合は、第2独立圧搾部17全体の面積を意味する。
したがって、第1折り領域R1に設けられた第1独立圧搾部16の面積を第2独立圧搾部17よりも大きくすることで、第1折り領域R1において特に発生しやすい開封時の皺やヨレを効果的に抑制できる。
図1に示すように、第1独立圧搾部16の縦方向Xにおいて最も外方に位置する部分を、第1縦方向外端部(縦方向外端部)16aとする。同様に、第2独立圧搾部17の縦方向Xにおいて最も外方に位置する部分を、第2縦方向外端部(縦方向外端部)17aとする。縦方向外端部16a,17aは、第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17が複数の要素を含む場合、最も縦方向X外方に位置する要素の縦方向外端部である。
縦方向外端部16a,17aは、一対の圧搾溝6の縦方向Xにおける端部6a,6bよりも縦方向X外方に位置する。
第1圧搾溝端部6aは、第1折り領域R1において、一対の圧搾溝6の最も縦方向X外方に位置する部分である。図1に示す例において、第1圧搾溝端部6aは、第1延出部14の縦方向X外方(前方)に突出した部分である。
第2圧搾溝端部6bは、第2折り領域R2において、一対の圧搾溝6の最も縦方向X外方に位置する部分である。図1に示す例において、第2圧搾溝端部6bは、第2延出部15の縦方向X外方(後方)に突出した部分である。
第1縦方向外端部16aは、第1圧搾溝端部6aよりも縦方向X外方(前方)に位置する。第2縦方向外端部17aは、第2圧搾溝端部6bよりも縦方向X外方(後方)に位置する。
縦方向内端部16b,17bは、一対の圧搾溝6と横方向Yに離間するとともに、縦方向Xには重なっている。一実施形態では、第1縦方向内端部16bは、第1圧搾溝端部6aと横方向Yに離間するとともに、縦方向Xには重なっている。また、一実施形態では、第2縦方向内端部17bは、第2圧搾溝端部6bと横方向Yに離間するとともに、縦方向Xには重なっている。
ここで、「縦方向内端部16b,17bが縦方向Xに重なっている」とは、縦方向内端部16b,17b各々を通り横方向Yに延びる第1直線と、端部6a,6b各々を通り横方向Yに延びる第2直線とが、一致しているか、第2直線が第1直線よりも、吸収性物品1の縦方向X端部側に位置することを意味する。好ましくは、第2直線は、第1直線と一致している。「第2直線が第1直線と一致する」とは、第2直線と第1直線とが完全に一致している他、最も近接している第1直線と第2直線において、第2直線が第1直線より吸収性物品1の縦方向X端部側に離間し、これらの離間距離が、2mm以下であることを意味する。
加えて、ナプキン1では、圧搾溝6と第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17とが、横方向Yに関しては離間しつつ、縦方向Xに関しては連続して配置される。したがって、圧搾溝6から第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17まで、縦方向Xに連続的に高剛性領域を配置することができ、包装体10の開封時におけるナプキン1の皺やヨレをより効果的に抑制できる。
表面シート2は、包装体10の開封し易さの観点から、以下の構成を有することができる。
図4及び図5に示すように、表面シート2は、厚み方向Zに圧縮され、横方向Yに対して鋭角をなして傾斜する線状エンボス部18を有する。線状エンボス部18は、例えば表面シート2全体に形成されているが、少なくとも第1折り領域R1及び第2折り領域R2に形成されているとよい。
なお、表面シート2は、ナプキン1において、その厚み方向とナプキン1の厚み方向とが一致するように配置される。このため、以下では、厚み方向Zを表面シート2の厚み方向Zと同義に用いる。
第1線状エンボス群18a及び第2線状エンボス群18bの横方向Yに対する鋭角α,βは、好ましくは15度以上、より好ましくは25度以上であり、そして好ましくは75度以下、より好ましくは65度以下である。鋭角α,βは、同一でもよいし、異なっていてもよい。また、第1線状エンボス群18a及び第2線状エンボス群18bの各線状エンボスの交差する角度は、鋭角(鈍角)でも、90度でもよく、限定されない。
線状エンボス部18は、厚み方向Zに圧縮されているため、凸部19と比較して厚みが薄く、変形の起点となりやすい。当該変形の起点となる線状エンボス部18が上記稜線と近い又は同一の方向に沿って延びるため、表面シート2が当該稜線に沿って曲がり易くなる。これにより、包装体10の開封時に第1端部10a及び第2端部10bを捲り易くし、より開封し易くすることができる。さらに、表面シート2の線状エンボス部18が変形の起点となることで、表面シート2に不要な皺やヨレが発生しにくくなる。
以下、本実施形態の説明を補足する。
第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17は、例えば、縦中心線CLと、ナプキン1の横方向Y側縁との間を横方向Yに2等分する線上に配置されていることが好ましい。これにより、開封時に包装シート12からの力の影響を受け易い領域上に第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17を配置することができ、ナプキン1の皺及びヨレの発生をより効果的に抑制できる。
第2独立圧搾部17と第2端部10bとの縦方向Xにおける距離は、包装体10の開封時の皺及びヨレの発生を効果的に抑制する観点から、好ましくは20mm以上、より好ましくは25mm以上であり、好ましくは60mm以下、より好ましくは55mm以下である。
第1独立圧搾部16又は第2独立圧搾部17と縦中心線CLとの横方向Yにおける距離は、包装体10の開封時の皺及びヨレの発生を効果的に抑制する観点から、好ましくは5mm以上、より好ましくは8mm以上であり、好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下である。
第1独立圧搾部16又は第2独立圧搾部17と圧搾溝6との距離は、圧搾溝6を伝ってきた液の第1独立圧搾部16又は第2独立圧搾部17への拡散を確実に防止する観点から、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上である。
第1縦方向外端部16aと第1圧搾溝端部6aとの間の縦方向Xにおける距離は、ナプキン1の柔軟性を確保し、包装体10の開封時の皺及びヨレの発生を効果的に抑制する観点から、好ましくは5mm以上、より好ましくは8mm以上であり、好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下である。
第2縦方向外端部17aと第2圧搾溝端部6bとの間の縦方向Xにおける距離は、ナプキン1の柔軟性を確保し、包装体10の開封時の皺及びヨレの発生を効果的に抑制する観点から、好ましくは5mm以上、より好ましくは8mm以上であり、好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下である。
第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17の横方向Yにおける長さは、包装体10の開封時の皺及びヨレの発生を効果的に抑制する観点から、好ましくは5mm以上、より好ましくは8mm以上であり、好ましくは15mm以下、より好ましくは12mm以下である。
封止用テープTの横方向Yにおける幅は、封止用テープTの掴み易さ及び第1端部10aの捲り易さの観点から、好ましくは7mm以上、より好ましくは10mm以上であり、好ましくは15mm以下、より好ましくは18mm以下である。
第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17は、図1に示すように、消臭シート11の縁部を跨いで配置されていることが好ましい。つまり、第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17は、消臭シート11と厚み方向Zに対向する消臭シート対向部と、消臭シート11と厚み方向Zに対向しない消臭シート非対向部と、を含んでいることが好ましい。第1独立圧搾部16及び第2独立圧搾部17がこのように配置されていることで、消臭シート11の縁部による段差に起因するナプキン1の折れ変形を抑制することができる。
一対の圧搾溝6は、図1に示す形状に限定されず、ナプキン1の変形制御や防漏性等の観点から、種々の形状を採り得る。例えば、一対の圧搾溝6は、第1延出部14及び第2延出部15を有しておらず、環状溝部13のみで構成されてもよい。また、一対の圧搾溝6は、全体にわたって相互に離間しており、環状に構成されていなくてもよい。
また、ナプキン1は、一対の圧搾溝6の他、一対の圧搾溝6の内側に配置された内側圧搾溝20を有していてもよい。
内側圧搾溝20は、一対の圧搾溝6と同様に、表面シート2と吸収体4とが圧搾され一体に陥凹した構成を有する線状溝である。内側圧搾溝20は、例えば、一対の圧搾溝6によって形成された環状溝部13の内側に配置される。内側圧搾溝20は、例えば、横方向Yに延び、かつ縦方向X外方に膨出する。内側圧搾溝20は、縦方向Xに拡散する液を毛管作用によって吸液及び保持することができ、縦方向Xにおける防漏作用を発揮することができる。
表面シート2を構成する不織布の坪量は、好ましくは10g/m2以上、より好ましくは15g/m2以上であり、そして好ましくは80g/m2以下、より好ましくは60g/m2以下である。
2…表面シート
3…裏面シート
4…吸収体
6…圧搾溝
10…包装体(吸収性物品の包装体)
10a…第1端部
10b…第2端部
16…第1独立圧搾部
17…第2独立圧搾部
L1…第1折り線
L2…第2折り線
R1…第1折り領域
R2…第2折り領域
R3…第3折り領域
T…封止用テープ
F…側縁シール部
LR…左側領域
RR…右側領域
VR…テープ延長領域
Claims (3)
- 液透過性の表面シートと、裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置された吸収体と、を含み、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する吸収性物品を、該横方向に延びる第1折り線及び第2折り線に沿って包装シートとともに該縦方向に折り畳み、個別に包装した前記吸収性物品の包装体であって、
前記包装体は、前記第1折り線によって区画され前記包装体の前記縦方向における第1端部を含む第1折り領域と、前記第2折り線によって区画され前記包装体の前記縦方向における第2端部を含む第2折り領域と、前記第1折り領域と前記第2折り領域の間に位置する第3折り領域と、を備え、前記第1折り領域が、前記第3折り領域の上に折り畳まれた前記第2折り領域の上にさらに折り重なるように折り畳まれ、
前記包装体は、さらに、
前記第1端部の前記包装シートに固定された固定部を含む封止用テープと、
前記横方向側縁を封止する側縁シール部と、を備え、
前記吸収性物品は、
前記第1折り領域から前記第3折り領域を通って前記第2折り領域まで延び、前記表面シートと前記吸収体とが圧搾され、前記横方向両側に設けられた一対の圧搾溝と、
前記第1折り領域において、前記一対の圧搾溝から前記縦方向外方に離間して配置され、前記表面シートと前記吸収体とが圧搾された第1独立圧搾部と、
前記第2折り領域において、前記一対の圧搾溝から前記縦方向外方に離間して配置され、前記表面シートと前記吸収体とが圧搾された第2独立圧搾部と、を有し、
前記第1独立圧搾部は、前記吸収性物品を前記横方向に2等分する縦中心線によって区画された前記吸収性物品の右側領域又は左側領域の一方に配置され、
前記第2独立圧搾部は、前記右側領域又は前記左側領域の、前記第1独立圧搾部とは異なる他方に配置され、
前記第1独立圧搾部及び前記第2独立圧搾部は、前記固定部を前記包装体の前記縦方向全長にわたって延長させた仮想的なテープ延長領域に重ならないように配置され、
前記第1独立圧搾部及び前記第2独立圧搾部は、さらに、
前記縦方向において最も内方に位置する縦方向内端部と、
前記縦方向において最も外方に位置する縦方向外端部と、を含み、
前記縦方向内端部は、前記一対の圧搾溝と前記横方向に離間するとともに、前記一対の圧搾溝と前記縦方向には重なっており、
前記縦方向外端部は、前記一対の圧搾溝の前記縦方向における端部よりも、前記縦方向外方に位置する
吸収性物品の包装体。 - 前記第1独立圧搾部は、平面視において、前記第2独立圧搾部よりも大きい面積を有する
請求項1に記載の吸収性物品の包装体。 - 前記表面シートは、厚み方向に圧縮され、前記横方向に対して鋭角をなして傾斜する線状エンボス部を有する
請求項1又は2に記載の吸収性物品の包装体。
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