JPWO2019065523A1 - ポリイミド樹脂、ポリイミドワニス及びポリイミドフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の課題は、機械的特性、耐熱性及び透明性が良好であって、熱に対する寸法安定性及びレーザー剥離性に優れたポリイミド樹脂を提供することにある。
[1]テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位Aと、ジアミンに由来する構成単位Bとを含むポリイミド樹脂であって、
構成単位Aが下記式(a−1)で表される化合物に由来する構成単位(A−1)と、下記式(a−2)で表される化合物に由来する構成単位(A−2)とを含み、
構成単位Bが下記式(b−1)で表される化合物に由来する構成単位(B−1)と、下記式(b−2)で表される化合物に由来する構成単位(B−2)とを含む、ポリイミド樹脂。
式(b−2)中、Rはそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又はメチル基である。)
構成単位A中における構成単位(A−2)の比率が5〜50モル%である、上記[1]に記載のポリイミド樹脂。
[3]構成単位(A−2)が、下記式(a−2−1)で表される化合物に由来する構成単位(A−2−1)、下記式(a−2−2)で表される化合物に由来する構成単位(A−2−2)及び下記式(a−2−3)で表される化合物に由来する構成単位(A−2−3)からなる群より選ばれる少なくとも一つである、上記[1]又は[2]に記載のポリイミド樹脂。
構成単位B中における構成単位(B−2)の比率が10〜80モル%である、上記[1]〜[3]のいずれかにポリイミド樹脂。
[5]Rが水素原子を表わす、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリイミド樹脂。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリイミド樹脂が有機溶媒に溶解してなるポリイミドワニス。
[7]上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリイミド樹脂を含む、ポリイミドフィルム。
本発明のポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位Aとジアミンに由来する構成単位Bとを含むものであって、構成単位Aが下記式(a−1)で表される化合物に由来する構成単位(A−1)と下記式(a−2)で表される化合物に由来する構成単位(A−2)とを含み、構成単位Bが下記式(b−1)で表される化合物に由来する構成単位(B−1)と下記式(b−2)で表される化合物に由来する構成単位(B−2)とを含む。
式(b−2)中、Rはそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又はメチル基である。)
構成単位Aは、テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位であり、式(a−1)で表される化合物に由来する構成単位(A−1)及び式(a−2)で表される化合物に由来する構成単位(A−2)を含む。構成単位(A−1)によって、耐熱性、透明性及び寸法安定性が向上し、構成単位(A−2)によって、寸法安定性及びレーザー剥離性が向上する。
式(a−2)中において、Lは単結合又は二価の連結基である。前記二価の連結基は、好ましくは置換又は無置換のアルキレン基であり、より好ましくは−CR1R2−(ここで、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは無置換アルキル基であるか、あるいは、R1及びR2は互いに結合して環を形成する。)である。
Lは、単結合、下記式(L−1)で表される基及び下記式(L−2)で表される基からなる群より選ばれることが好ましい。
式(a−2−3)で表される化合物は、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物である。
構成単位A中における構成単位(A−2)の比率は、好ましくは5〜50モル%であり、より好ましくは5〜45モル%であり、更に好ましくは5〜40モル%であり、特に好ましくは5〜25モル%である。
構成単位A中における構成単位(A−1)と構成単位(A−2)の合計の含有比率は、好ましくは55モル%以上であり、より好ましくは60モル%以上であり、更に好ましくは65モル%以上であり、特に好ましくは80モル%以上である。構成単位(A−1)と構成単位(A−2)の合計の含有比率の上限値は特に限定されず、即ち、100モル%である。構成単位Aは構成単位(A−1)と構成単位(A−2)とのみからなっていてもよい。
なお、本明細書において、芳香族テトラカルボン酸二無水物とは芳香環を1つ以上含むテトラカルボン酸二無水物を意味し、脂環式テトラカルボン酸二無水物とは脂環を1つ以上含み、かつ芳香環を含まないテトラカルボン酸二無水物を意味し、脂肪族テトラカルボン酸二無水物とは芳香環も脂環も含まないテトラカルボン酸二無水物を意味する。
構成単位Aに任意に含まれる構成単位(即ち、構成単位(A−1)及び(A−2)以外の構成単位)は、1種でもよいし、2種以上であってもよい。
構成単位Bは、ジアミンに由来する構成単位であって、式(b−1)で表される化合物に由来する構成単位(B−1)及び式(b−2)で表される化合物に由来する構成単位(B−2)を含む。構成単位(B−1)によって、機械的特性及び寸法安定性が向上し、構成単位(B−2)によって、耐熱性が向上する。
式(b−2)中において、Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、及びメチル基からなる群より選択され、水素原子であることが好ましい。式(b−2)で表される化合物としては、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレン、及び9,9−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)フルオレン等が挙げられ、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンが好ましい。
構成単位B中における構成単位(B−2)の比率は、好ましくは10〜80モル%であり、より好ましくは15〜55モル%であり、更に好ましくは20〜50モル%である。
構成単位B中における構成単位(B−1)と構成単位(B−2)の合計の含有比率は、好ましくは30モル%以上であるが、より好ましくは60モル%以上であり、更に好ましくは70%以上である。構成単位(B−1)と構成単位(B−2)の合計の含有比率の上限値は特に限定されず、即ち、100モル%である。構成単位Bは構成単位(B−1)と構成単位(B−2)とのみからなっていてもよい。
なお、本明細書において、芳香族ジアミンとは芳香環を1つ以上含むジアミンを意味し、脂環式ジアミンとは脂環を1つ以上含み、かつ芳香環を含まないジアミンを意味し、脂肪族ジアミンとは芳香環も脂環も含まないジアミンを意味する。
構成単位Bに任意に含まれる構成単位(即ち、構成単位(B−1)及び(B−2)以外の構成単位)は、1種でもよいし、2種以上であってもよい。
本発明のポリイミド樹脂の引張強度は、好ましくは70MPa以上であり、より好ましくは85MPa以上であり、更に好ましくは90MPa以上であり、特に好ましく105MPa以上である。
本発明のポリイミド樹脂の引張弾性率は、好ましくは2.2GPa以上であり、より好ましくは2.4GPa以上であり、更に好ましくは2.8GPa以上であり、特に好ましく3.0GPa以上である。
なお、本発明における引張弾性率、引張強度、ガラス転移温度(Tg)、全光線透過率、線熱膨張係数(CTE)、波長308nmにおける光線透過率は、具体的には実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、本発明におけるイエローインデックス(YI)は、具体的には実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明のポリイミド樹脂は、上述の構成単位(A−1)を与える化合物及び上述の構成単位(A−2)を与える化合物を含有するテトラカルボン酸成分と、上述の構成単位(B−1)を与える化合物及び上述の構成単位(B−2)を与える化合物を含むジアミン成分とを反応させることにより製造することができる。
構成単位(A−2)を与える化合物としては、式(a−2)で表される化合物が挙げられるが、それに限られず、同じ構成単位を形成できる範囲でその誘導体であってもよい。当該誘導体としては、式(a−2)で表されるテトラカルボン酸二無水物に対応するテトラカルボン酸及び当該テトラカルボン酸のアルキルエステルが挙げられる。構成単位(A−2)を与える化合物としては、式(a−2)で表される化合物(即ち、二無水物)が好ましい。
構成単位(B−2)を与える化合物としては、式(b−2)で表される化合物が挙げられるが、それに限られず、同じ構成単位を形成できる範囲でその誘導体であってもよい。当該誘導体としては、式(b−2)で表されるジアミンに対応するジイソシアネートが挙げられる。構成単位(B−2)を与える化合物としては、式(b−2)で表される化合物(即ち、ジアミン)が好ましい。
テトラカルボン酸成分は、構成単位(A−1)を与える化合物と構成単位(A−2)を与える化合物を合計で、好ましくは55モル%以上含み、より好ましくは60モル%以上含み、更に好ましくは65モル%以上含み、特に好ましくは80モル%以上含む。構成単位(A−1)を与える化合物と構成単位(A−2)を与える化合物の合計の含有比率の上限値は特に限定されず、即ち、100モル%である。テトラカルボン酸成分は構成単位(A−1)を与える化合物と構成単位(A−2)を与える化合物とのみからなっていてもよい。
テトラカルボン酸成分に任意に含まれる化合物(即ち、構成単位(A−1)を与える化合物及び構成単位(A−2)を与える化合物以外の化合物)は、1種でもよいし、2種以上であってもよい。
ジアミン成分は、構成単位(B−1)を与える化合物と構成単位(B−2)を与える化合物を合計で、好ましくは30モル%以上含み、より好ましくは60モル%以上含み、更に好ましくは70モル%以上含む。構成単位(B−1)を与える化合物と構成単位(B−2)を与える化合物の合計の含有比率の上限値は特に限定されず、即ち、100モル%である。ジアミン成分は構成単位(B−1)を与える化合物と構成単位(B−2)を与える化合物とのみからなっていてもよい。
ジアミン成分に任意に含まれる化合物(即ち、構成単位(B−1)を与える化合物及び構成単位(B−2)を与える化合物以外の化合物)は、1種でもよいし、2種以上であってもよい。
具体的な反応方法としては、(1)テトラカルボン酸成分、ジアミン成分、及び反応溶剤を反応器に仕込み、室温〜80℃で0.5〜30時間撹拌し、その後に昇温してイミド化反応を行う方法、(2)ジアミン成分及び反応溶剤を反応器に仕込んで溶解させた後、テトラカルボン酸成分を仕込み、必要に応じて室温〜80℃で0.5〜30時間撹拌し、その後に昇温してイミド化反応を行う方法、(3)テトラカルボン酸成分、ジアミン成分、及び反応溶剤を反応器に仕込み、直ちに昇温してイミド化反応を行う方法等が挙げられる。
エーテル系溶剤の具体例としては、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
また、カーボネート系溶剤の具体的な例としては、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
上記反応溶剤の中でも、アミド系溶剤又はラクトン系溶剤が好ましい。また、上記の反応溶剤は単独で又は2種以上混合して用いてもよい。
塩基触媒としては、ピリジン、キノリン、イソキノリン、α−ピコリン、β−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、イミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の有機塩基触媒、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基触媒が挙げられる。
また、酸触媒としては、クロトン酸、アクリル酸、トランス−3−ヘキセノイック酸、桂皮酸、安息香酸、メチル安息香酸、オキシ安息香酸、テレフタル酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等が挙げられる。上記のイミド化触媒は単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のうち、取り扱い性の観点から、塩基触媒を用いることが好ましく、有機塩基触媒を用いることがより好ましく、トリエチルアミンを用いることが更に好ましく、トリエチルアミンとトリエチレンジアミンを組み合わせて用いること特に好ましい。
本発明のポリイミドワニスは、本発明のポリイミド樹脂が有機溶媒に溶解してなるものである。即ち、本発明のポリイミドワニスは、本発明のポリイミド樹脂及び有機溶媒を含み、当該ポリイミド樹脂は当該有機溶媒に溶解している。
有機溶媒はポリイミド樹脂が溶解するものであればよく、特に限定されないが、ポリイミド樹脂の製造に用いられる反応溶剤として上述した化合物を、単独又は2種以上を混合して用いることが好ましい。
本発明のポリイミド樹脂は溶媒溶解性を有しているため、室温で安定な高濃度のワニスとすることができる。本発明のポリイミドワニスは、本発明のポリイミド樹脂を5〜40質量%含むことが好ましく、10〜30質量%含むことがより好ましい。ポリイミドワニスの粘度は1〜200Pa・sが好ましく、5〜150Pa・sがより好ましい。
また、本発明のポリイミドワニスは、ポリイミドフィルムの要求特性を損なわない範囲で、無機フィラー、接着促進剤、剥離剤、難燃剤、紫外線安定剤、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、架橋剤、重合開始剤、感光剤等各種添加剤を含んでもよい。
本発明のポリイミドワニスの製造方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。
本発明のポリイミドフィルムは、本発明のポリイミド樹脂を含む。したがって、本発明のポリイミドフィルムは、機械的特性、耐熱性及び透明性が良好であって、熱に対する寸法安定性及びレーザー剥離性に優れる。
本発明のポリイミドフィルムの作製方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、本発明のポリイミドワニスをフィルム状に塗布又は成形した後、有機溶媒を除去する方法等が挙げられる。
実施例及び比較例で得たワニスの固形分濃度及びポリイミドフィルムの各物性は以下に示す方法によって測定した。
ワニスの固形分濃度の測定は、アズワン株式会社製の小型電気炉「MMF−1」で試料を320℃×120minで加熱し、加熱前後の試料の質量差から算出した。
(2)フィルム厚さ
フィルム厚さは、株式会社ミツトヨ製のマイクロメーターを用いて測定した。
(3)引張強度、引張弾性率
測定はJIS K7127に準拠し、東洋精機株式会社製の引張試験機「ストログラフVG−1E」を用いて行った。
(4)ガラス転移温度(Tg)
株式会社日立ハイテクサイエンス製の熱機械的分析装置「TMA/SS6100」を用いて、引張モードで試料サイズ2mm×20mm、荷重0.1N、昇温速度10℃/minの条件でTg以上まで昇温して残留応力を取り除き、その後同条件で50℃から500℃までTMA測定を行い、Tgを求めた。
(5)全光線透過率、イエローインデックス(YI)
測定はJIS K7361−1準拠し、日本電色工業株式会社製の色彩・濁度同時測定器「COH400」を用いて行った。
(6)線熱膨張係数(CTE)
株式会社日立ハイテクサイエンス製の熱機械的分析装置「TMA/SS6100」を用いて、引張モードで試料サイズ2mm×20mm、荷重0.1N、昇温速度10℃/minの条件でTMA測定を行い、100〜200℃のCTE及び100〜350℃のCTEを求めた。
(7)波長308nmにおける光線透過率
株式会社島津製作所製の紫外可視近赤外分光光度計「UV−3100PC」を用いて測定した。
ステンレス製半月型撹拌翼、窒素導入管、冷却管を取り付けたディーンスターク、温度計、ガラス製エンドキャップを備えた500mLの5つ口丸底フラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(和歌山精化工業株式会社製)16.012g(0.050モル)、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(田岡化学工業株式会社製)17.423g(0.050モル)、γ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)87.573g、を投入し、系内温度70℃、窒素雰囲気下、回転数200rpmで撹拌して溶液を得た。
この溶液に、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(JXエネルギー株式会社製)34.594g(0.090モル)、9,9’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物(JFEケミカル株式会社製)4.584g(0.010モル)、及びγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)21.893gを一括で添加した後、イミド化触媒としてトリエチルアミン(関東化学株式会社製)0.506g及びトリエチレンジアミン(東京化成工業株式会社製)0.056gを投入し、マントルヒーターで加熱し、約20分かけて反応系内温度を190℃まで上げた。留去される成分を捕集し、回転数を粘度上昇に合わせて調整しつつ、反応系内温度を190℃に保持して5時間還流した。
その後、γ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)193.524gを添加して、反応系内温度を120℃まで冷却した後、更に約3時間撹拌して均一化し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。続いてガラス板上へ、得られたポリイミドワニスを塗布し、ホットプレートで80℃、20分間保持し、その後、窒素雰囲気下、熱風乾燥機中400℃で30分加熱し溶媒を蒸発させ、厚み10μmのフィルムを得た。結果を表1−1に示す。
9,9’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物(JFEケミカル株式会社製)を同じモル量の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)(三菱化学株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み11μmのフィルムを得た。結果を表1−1に示す。
2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(和歌山精化工業株式会社製)の量を16.012g(0.050モル)から25.619g(0.080モル)に変更し、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(田岡化学工業株式会社製)の量を17.423g(0.050モル)から6.969g(0.020モル)に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み10μmのフィルムを得た。結果を表1−1に示す。
9,9’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物(JFEケミカル株式会社製)を同じモル量の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)(三菱化学株式会社製)に変更した以外は、実施例3と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み10μmのフィルムを得た。結果を表1−1に示す。
ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(JXエネルギー株式会社製)の量を34.594g(0.090モル)から30.750g(0.080モル)に変更し、9,9’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物(JFEケミカル株式会社製)の量を4.584g(0.010モル)から9.169g(0.020モル)に変更した以外は、実施例3と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み10μmのフィルムを得た。結果を表1−1に示す。
9,9’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物(JFEケミカル株式会社製)を同じモル量の4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物に変更した以外は、実施例5と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み11μmのフィルムを得た。結果を表1−1に示す。
9,9’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物(JFEケミカル株式会社製)を同じモル量の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)(三菱化学株式会社製)に変更した以外は、実施例5と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み11μmのフィルムを得た。結果を表1−1に示す。
2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(和歌山精化工業株式会社製)の量を25.619g(0.080モル)から19.214g(0.060モル)に変更し、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(田岡化学工業株式会社製)の量を6.969g(0.020モル)から13.938g(0.040モル)に変更した以外は、実施例4と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み14μmのフィルムを得た。結果を表1−1に示す。
ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(JXエネルギー株式会社製)の量を34.594g(0.090モル)から30.750g(0.080モル)に変更し、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)(三菱化学株式会社製)の量を2.942g(0.010モル)を5.884g(0.020モル)に変更した以外は、実施例8と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み10μmのフィルムを得た。結果を表1−2に示す。
ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(JXエネルギー株式会社製)の量を30.750g(0.080モル)から23.063g(0.060モル)に変更し、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)(三菱化学株式会社製)の量を5.884g(0.020モル)から11.768g(0.040モル)に変更した以外は、実施例9と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み11μmのフィルムを得た。結果を表1−2に示す。
ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(JXエネルギー株式会社製)の量を34.594g(0.090モル)から19.219g(0.050モル)に変更し、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)(三菱化学株式会社製)の量を2.942g(0.010モル)から14.711g(0.050モル)に変更し、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(和歌山精化工業株式会社製)の量を16.012g(0.050モル)から6.405g(0.020モル)に変更し、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(田岡化学工業株式会社製)の量を17.423g(0.050モル)から27.876g(0.080モル)に変更した以外は、実施例2と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み10μmのフィルムを得た。結果を表1−2に示す。
ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(JXエネルギー株式会社製)の量を34.594g(0.090モル)から26.906g(0.070モル)に変更し、9,9’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物(JFEケミカル株式会社製)の量を4.584g(0.010モル)から13.753g(0.030モル)に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み10μmのフィルムを得た。結果を表1−2に示す。
ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(JXエネルギー株式会社製)の量を34.594g(0.090モル)から19.219g(0.050モル)に変更し、9,9’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物(JFEケミカル株式会社製)の量を4.584g(0.010モル)から22.922g(0.050モル)に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み10μmのフィルムを得た。結果を表1−2に示す。
ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(JXエネルギー株式会社製)の量を34.594g(0.090モル)から19.219g(0.050モル)に変更し、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)(三菱化学株式会社製)の量を2.942g(0.010モル)から14.711g(0.050モル)に変更した以外は、実施例4と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み10μmのフィルムを得た。結果を表1−2に示す。
2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(和歌山精化工業株式会社製)の量を25.619g(0.080モル)から17.613g(0.055モル)に変更し、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(田岡化学工業株式会社製)の量を6.969g(0.020モル)から15.680g(0.045モル)に変更した以外は、実施例3と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み10μmのフィルムを得た。結果を表1−2に示す。
ステンレス製半月型撹拌翼、窒素導入管、冷却管を取り付けたディーンスターク、温度計、ガラス製エンドキャップを備えた500mLの5つ口丸底フラスコに、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(田岡化学工業株式会社製)34.845g(0.100モル)、γ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)88.395g、を投入し、系内温度70℃、窒素雰囲気下、回転数200rpmで撹拌して溶液を得た。
この溶液に、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(JXエネルギー株式会社製)38.438g(0.100モル)及びγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)22.099gを一括で添加した後、イミド化触媒としてトリエチルアミン(関東化学株式会社製)0.506g及びトリエチレンジアミン(東京化成工業株式会社製)0.056gを投入し、マントルヒーターで加熱し、約20分かけて反応系内温度を190℃まで上げた。留去される成分を捕集し、回転数を粘度上昇に合わせて調整しつつ、反応系内温度を190℃に保持して5時間還流した。
その後、γ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)191.840gを添加して、反応系内温度を120℃まで冷却した後、更に約3時間撹拌して均一化し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。続いてガラス板上へ、得られたポリイミドワニスを塗布し、ホットプレートで80℃、20分間保持し、その後、窒素雰囲気下、熱風乾燥機中400℃で30分加熱し溶媒を蒸発させ、厚み10μmのフィルムを得た。結果を表2に示す。
9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(田岡化学工業株式会社製)の量を34.845g(0.100モル)から6.969g(0.020モル)に変更し、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(和歌山精化工業株式会社製)を25.619g(0.080モル)追加した以外は、比較例1と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み10μmのフィルムを得た。結果を表2に示す。
2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(和歌山精化工業株式会社製)の量を25.619g(0.080モル)から16.012g(0.050モル)に変更し、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(田岡化学工業株式会社製)の量を6.969g(0.020モル)から17.423g(0.050モル)に変更した以外は、比較例2と同様の方法によりポリイミドワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリイミドワニスを得た。得られたポリイミドワニスを用いて、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み10μmのフィルムを得た。結果を表2に示す。
ステンレス製半月型撹拌翼、窒素導入管、冷却管を取り付けたディーンスターク、温度計、ガラス製エンドキャップを備えた500mLの5つ口丸底フラスコに、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(田岡化学工業株式会社製)34.845g(0.100モル)、N,N−ジメチルホルムアミド(三菱ガス化学株式会社製)77.404g、を投入し、系内温度50℃、窒素雰囲気下、回転数200rpmで撹拌して溶液を得た。
この溶液に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)(三菱化学株式会社製)29.420g(0.100モル)及びN,N−ジメチルホルムアミド(三菱ガス化学株式会社製)19.351gを一括で添加した後、約20分かけて溶解し、回転数を粘度上昇に合わせて調整しつつ、室温で5時間撹拌した。
その後、N,N−ジメチルホルムアミド(三菱ガス化学株式会社製)166.194gを添加して、約1時間撹拌して均一化し、固形分濃度20質量%のポリアミック酸ワニスを得た。続いてガラス板上へ、得られたポリアミック酸ワニスを塗布し、ホットプレートで80℃、20分間保持し、その後、窒素雰囲気下、熱風乾燥機中400℃で30分加熱することで、ポリアミック酸をイミド化するとともに、ワニス中の溶媒を蒸発させ、厚み8μmのフィルムを得た。結果を表2に示す。
9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(田岡化学工業株式会社製)を同じモル量の2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(和歌山精化工業株式会社製)に変更した以外は、比較例4と同様の方法によりポリアミック酸ワニスを作製し、固形分濃度20質量%のポリアミック酸ワニスを得た。得られたポリアミック酸ワニスを用いて、比較例4と同様の方法によりフィルムを作製し、厚み22μmのフィルムを得た。結果を表2に示す。
CpODA:ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(式(a−1)で表される化合物)
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(式(a−2)で表される化合物)
BPAF:9,9’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物(式(a−2)で表される化合物)
6FDA:4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(式(a−2)で表される化合物)
TFMB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(式(b−1)で表される化合物)
BAFL:9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(式(b−2)で表される化合物)
一方、表2に示すように、比較例1のポリイミドフィルムは熱に対する寸法安定性が大きく劣り、比較例2及び3のポリイミドフィルムはレーザー剥離性が大きく劣り、比較例4のポリイミドフィルムは熱に対する寸法安定性が大きく劣るだけでなく、さらに機械的特性も劣り、比較例5のポリイミドフィルムは熱に対する寸法安定性が大きく劣るだけでなく、さらに耐熱性も劣る。
Claims (7)
- 構成単位A中における構成単位(A−1)の比率が50〜95モル%であり、
構成単位A中における構成単位(A−2)の比率が5〜50モル%である、請求項1に記載のポリイミド樹脂。 - 構成単位B中における構成単位(B−1)の比率が20〜90モル%であり、
構成単位B中における構成単位(B−2)の比率が10〜80モル%である、請求項1〜3のいずれかにポリイミド樹脂。 - Rが水素原子を表わす、請求項1〜4のいずれかに記載のポリイミド樹脂。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリイミド樹脂が有機溶媒に溶解してなるポリイミドワニス。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリイミド樹脂を含む、ポリイミドフィルム。
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