JP6492934B2 - ポリアミック酸溶液組成物およびポリイミドフィルム - Google Patents

ポリアミック酸溶液組成物およびポリイミドフィルム Download PDF

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本発明はポリアミック酸溶液組成物およびポリイミドフィルムに関する。
従来、液晶表示素子や有機EL表示素子を用いたフラットパネルディスプレイなどの電子デバイスにはガラス基板が用いられてきたが、ガラスは軽量化のために薄膜化すると強度が不足して壊れやすいという問題がある。そこで、軽量化や薄膜化が容易な樹脂材料、例えば、ポリイミドフィルムをガラスの代替材料にしようという検討がなされており、種々の基板用ポリイミドフィルムが提案されている。
特開2007−231224号公報 国際公開第2013/179727 国際公開第2014/162733
ディスプレイ装置においては、基板を通して素子が表示する像を観察するため、ディスプレイ用の基板は、光透過性が高く、厚さ方向の位相差(Rth)が小さいことが必要である。しかし、ポリイミドフィルムにおいてこれらの光学特性を向上させようとすると、線膨張係数(CTE)や耐熱性などの機械的特性が低下し、これらの特性を両立させるのは困難であった。
本発明は、光透過性が高く、厚さ方向の位相差が小さく、かつ、線膨張係数が小さく、耐熱性にも優れたポリイミドフィルムを提供することを目的とする。
本発明は以下の項に関する。
1.テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを反応させて得られるポリアミック酸と溶媒とを含有するポリアミック酸溶液組成物であって、
テトラカルボン酸成分およびジアミン成分は、芳香環を有する化合物と脂環式化合物とからなる群から選ばれる化合物で構成され、
テトラカルボン酸成分とジアミン成分の合計200モル%中、芳香環を有する化合物の割合が10〜90モル%であり、脂環式化合物の割合が110〜190モル%であり、
テトラカルボン酸成分またはジアミン成分のいずれか一方が、脂環式化合物のみで構成される、ポリアミック酸溶液組成物。
2.テトラカルボン酸成分として用いる脂環式化合物が、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物及びシクロブタンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる化合物であり、ジアミン成分として用いる脂環式化合物が1,4−ジアミノシクロヘキサンである、前記項1に記載のポリアミック酸溶液組成物。
3.テトラカルボン酸成分として用いる芳香環を有する化合物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物およびN,N’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソオクタヒドロベンゾフラン−5−カルボキシアミド)から選ばれる化合物であり、ジアミン成分として用いる芳香環を有する化合物が、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる化合物である、前記項1または2に記載のポリアミック酸溶液組成物。
4.前記項1〜3のいずれかに記載のポリアミック酸溶液組成物をキャリア基板上に塗布し、加熱処理してポリイミドフィルムを形成する工程、前記ポリイミドフィルム上に回路を形成する工程、及び、前記回路が表面に形成されたポリイミドフィルムを前記キャリア基板から剥離する工程を含むことを特徴とするフレキシブルデバイスの製造方法。
5.テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合して得られるポリイミドから主としてなるポリイミドフィルムであって、
テトラカルボン酸成分およびジアミン成分は、芳香環を有する化合物と脂環式化合物とからなる群から選ばれる化合物で構成され、
テトラカルボン酸成分とジアミン成分の合計200モル%中、芳香環を有する化合物の割合が10〜90モル%であり、脂環式化合物の割合が110〜190モル%であり、
テトラカルボン酸成分またはジアミン成分のいずれか一方が、脂環式化合物のみで構成される、ポリイミドフィルム。
6.テトラカルボン酸成分として用いる脂環式化合物が、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物及びシクロブタンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる化合物であり、ジアミン成分として用いる脂環式化合物が1,4−ジアミノシクロヘキサンである、前記項5に記載のポリイミドフィルム。
7.テトラカルボン酸成分として用いる芳香環を有する化合物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物およびN,N’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソオクタヒドロベンゾフラン−5−カルボキシアミド)から選ばれる化合物であり、ジアミン成分として用いる芳香環を有する化合物が、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる化合物である、前記項5または6に記載のポリイミドフィルム。
8.ガラス転移温度(Tg)が300℃以上であり、熱膨張係数(CTE)が50ppm以下であり、厚さ方向の位相差(Rth)が300nm以下である、前記項5〜7のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
9.前記項5〜8のいずれかに記載のポリイミドフィルムを基板として用いたフレキシブルデバイス。
本発明によれば、光透過性が高く、厚さ方向の位相差が小さく、かつ、線膨張係数が小さく、耐熱性にも優れたポリイミドフィルムが得られる。このポリイミドフィルムは、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等の表示デバイス、薄膜太陽電池の受光素子等の受光デバイスなどのフレキシブルデバイスの基板として好適に用いることができる。
本発明のポリアミック酸溶液組成物は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを反応させて得られるポリアミック酸を溶媒に溶解したものである。テトラカルボン酸成分およびジアミン成分は、芳香環を有する化合物と脂環式化合物からなる群から選ばれる化合物で構成される。テトラカルボン酸成分とジアミン成分の両方に、芳香環を有する化合物をそれぞれ含むことは着色の原因となる場合があり、テトラカルボン酸成分またはジアミン成分のいずれか一方が、脂環式化合物のみで構成されることが好ましい。また、テトラカルボン酸成分またはジアミン成分のいずれか一方が、芳香環を有する化合物のみで構成されると厚さ方向の位相差が大きくなる場合があり、テトラカルボン酸成分およびジアミン成分は、それぞれ10モル%以上の脂環式化合物を含むことが好ましい。
したがって、本発明で用いるポリアミック酸は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分の合計200モル%中、芳香環を有する化合物の割合が10〜90モル%、好ましくは20〜70モル%であり、脂環式化合物の割合が110〜190モル%、好ましくは130〜180モル%であり、テトラカルボン酸成分またはジアミン成分のいずれか一方が、脂環式化合物のみで構成されることが好ましい。
テトラカルボン酸成分に用いる芳香環を有する化合物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)、4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物(BPAF)、1,4−ジフルオロピロメリット酸二無水物、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソオクタヒドロベンゾフラン−5−カルボキシアミド)(HTAC(PPD))、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、m−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビスカルボキシフェニルジメチルシラン二無水物、ビスジカルボキシフェノキシジフェニルスルフィド二無水物、スルホニルジフタル酸二無水物、イソプロピリデンジフェノキシビスフタル酸二無水物などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数の化合物を組み合わせて使用することもできる。
本発明においては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)、4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)およびN,N’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソオクタヒドロベンゾフラン−5−カルボキシアミド)(HTAC(PPD))から選ばれる化合物を用いることが好ましい。
テトラカルボン酸成分として用いる脂環式化合物は、例えば、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(CpODA)、デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物(DNDA)、[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−メチレンビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、4,4’−オキシビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、4,4’−チオビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、4,4’−スルホニルビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、4,4’−(ジメチルシランジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、4,4’−(テトラフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、オクタヒドロペンタレン−1,3,4,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、6−(カルボキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5−トリカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−2,3,7,8−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[4.2.2.02,5]デカン−3,4,7,8−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[4.2.2.02,5]デカ−7−エン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、9−オキサトリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−3,4,7,8−テトラカルボン酸二無水物、デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数の化合物を組み合わせて使用することもできる。
本発明においては1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)およびノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(CpODA)から選ばれる化合物を用いることが好ましい。
ジアミン成分として用いる芳香環を有する化合物は、例えば、p−フェニレンジアミン(PPD)、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、m−トリジン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−メチレンジアニリン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ビフェニル(BAPB)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、4,4’−ジアミノベンズアニリド(DABAN)、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(BAFL)、9,9−ビス[(4−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ビス((アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)ジフェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)ジフェニル)スルホン、オクタフルオロベンジジン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノビフェニルなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数の化合物を組み合わせて使用することもできる。
本発明においては、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)および4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)から選ばれる化合物を用いることが好ましい。
ジアミン成分として用いる脂環式化合物は、例えば、1,4−ジアミノシクロヘキサン(CHDA)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロへキシルアミン)、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、1,4−ジアミノ−2−メチルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2−エチルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2−n−プロピルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2−イソプロピルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2−n−ブチルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2−イソブチルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2―sec―ブチルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2―tert―ブチルシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロへキサン、1,3−ジアミノシクロブタン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノビシクロヘプタン、ジアミノメチルビシクロヘプタン、ジアミノオキシビシクロヘプタン、ジアミノメチルオキシビシクロヘプタン、イソホロンジアミン、ジアミノトリシクロデカン、ジアミノメチルトリシクロデカン、ビス(アミノシクロへキシル)メタン、ビス(アミノシクロヘキシル)イソプロピリデン6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、6,6’−ビス(4-アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダンなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数の化合物を組み合わせて使用することもできる。
本発明においては、1,4−ジアミノシクロヘキサン(CHDA)を用いることが好ましい。
本発明で用いるポリアミック酸は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを溶媒中で反応させることによって、ポリアミック酸溶液組成物として得ることができる。この反応では、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを略等モル用いる。具体的には、テトラカルボン酸成分とジアミン成分のモル比[テトラカルボン酸成分/ジアミン成分]は、好ましくは0.90〜1.10程度、より好ましくは0.95〜1.05程度である。反応は、イミド化を抑制するために、例えば100℃以下、好ましくは80℃以下の比較的低温で行なわれる。限定するものではないが、通常、反応温度は25℃〜100℃、好ましくは40℃〜80℃、より好ましくは50℃〜80℃であり、反応時間は0.1〜24時間程度、好ましくは2〜12時間程度であることが好ましい。反応温度及び反応時間を前記範囲内とすることによって、効率よく高分子量のポリアミック酸の溶液組成物を得ることができる。なお、反応は、空気雰囲気下でも行うことができるが、通常は不活性ガス雰囲気下、好ましくは窒素ガス雰囲気下で好適に行われる。
ポリアミック酸を調製する際に使用する溶媒としては、特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等のアミド溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等の環状エステル溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、トリエチレングリコール等のグリコール系溶媒、m−クレゾール、p−クレゾール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール等のフェノール系溶媒、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、テトラメチル尿素などが挙げられる。使用する有機溶剤は、1種類であっても、2種類以上の混合物であってもよい。
本発明において、ポリアミック酸の対数粘度は、特に限定されないが、30℃での濃度0.5g/dLのN,N−ジメチルアセトアミド溶液における対数粘度が0.2dL/g以上、好ましくは0.4dL/g以上であることが好ましい。対数粘度が0.2dL/g以上では、ポリイミド前駆体の分子量が高く、得られるポリイミドの機械強度や耐熱性に優れる。
本発明のポリアミック酸溶液組成物は、ポリアミック酸に起因する固形分濃度が、特に限定されるものではないが、ポリイミド前駆体と溶媒との合計量に対して、好ましくは5質量%〜45質量%、より好ましくは7質量%〜40質量%、さらに好ましくは9質量%〜30質量%であることが好適である。固形分濃度が5質量%より低いと生産性、及び使用時の取り扱いが悪くなることがあり、45質量%より高いと溶液の流動性がなくなることがある。
また、本発明のポリアミック酸溶液組成物の30℃における溶液粘度は、特に限定されないが、好ましくは1000Pa・sec以下、より好ましくは0.1〜500Pa・sec、さらに好ましくは0.1〜300Pa・sec、特に好ましくは0.1〜200Pa・secであることが取り扱い上好適である。溶液粘度が1000Pa・secを超えると、流動性がなくなり、金属やガラスなどの支持体への均一な塗布が困難となることがあり、また、0.1Pa・secよりも低いと、金属やガラスなどの支持体への塗布時にたれやハジキなどが生じることがあり、また高い特性のポリイミド、或いはポリイミドフィルム、ポリイミドフレキシブルデバイス用基板等を得ることが難しくなることがある。
本発明のポリアミック酸溶液組成物は、少なくとも前記のポリアミック酸と溶媒とを含む。溶媒としては、ポリアミック酸が溶解すればよく、特に限定されないが、ポリアミック酸を調製する際に使用する溶媒と同じものを挙げることができる。
本発明のポリアミック酸溶液組成物は、シリカを含んでいてもよい。シリカは動的光散乱法で測定した粒子径が100nm以下、より好ましくは1〜60nm、特に好ましくは1〜50nm、さらに10〜30nmのものであることが好ましい。また、シリカの含有量は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分の合計量100質量部に対して1〜100質量部、好ましくは5〜90質量部、より好ましくは10〜90質量部である。
シリカは、有機溶媒にコロイダルシリカを分散させてなるコロイド溶液としてポリアミック酸溶液に添加し、混合することが好ましい。コロイダルシリカの溶媒としては、特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル(NPC)、エチレングリコール(EG)、イソプロパノール(IPA)、メタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。コロイダルシリカの溶媒は、所望の物性が得られるように、ポリアミック酸溶液の溶媒に応じて選択することが好ましく、通常、ポリアミック酸溶液との相溶性が高い溶媒であることが好ましい。なお、使用する有機溶媒は、1種類であっても、2種類以上の混合物であってもよい。
本発明のポリアミック酸溶液組成物を基材に塗布し、加熱処理によって溶媒を除去するとともにイミド化(脱水閉環)することによってポリイミドフィルムが得られる。加熱処理条件は、特に限定されないが、50℃〜150℃の温度範囲で乾燥した後、最高加熱温度が300℃〜500℃、好ましくは350℃〜450℃で処理することが好ましい。なお、加熱処理は空気雰囲気下でも行うことができるが、通常は不活性ガス雰囲気下、好ましくは窒素ガス雰囲気下で好適に行われる。
本発明の前記ポリイミドフィルムは高い透明性を有し、例えば、膜厚10μmのとき、波長400nmの光透過率が70%以上、さらには75%以上、さらには80%以上である。また、厚さ方向の位相差(Rth)が小さく、例えば、膜厚10μmのとき、500nm以下、さらには300nm以下である。なお、厚さ方向の位相差(Rth)は以下で定義される。
Rth(nm)=[(nx+ny)/2−nz]×d
(nx、ny、nzはそれぞれポリイミドフィルムのX軸、Y軸、Z軸の屈折率を表し、dはポリイミドフィルムの厚さを表す。ここで、X軸は面内で最大の屈折率を示す方向であり、Y軸は面内でX軸と直交する方向であり、Z軸はこれらの軸と直交する厚さ方向である。)
さらに、本発明のポリイミドフィルムはガラス転移温度(Tg)が高く、例えば、300℃以上であり、さらには350℃以上である。また、特に200℃を超える高温の線膨張係数(CTE)が比較的低く制御されており、例えば、150〜300℃の線膨張係数が50ppm/℃以下、さらには40ppm/℃以下、さらに35ppm/℃以下である。
本発明のフレキシブルデバイスの製造方法は、まず、ポリアミック酸溶液組成物をキャリア基板上に流延し、加熱処理によりイミド化することによってポリイミドフィルムを形成する。キャリア基板に制限はないが、一般に、ソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス等のガラス基板や鉄、ステンレス等の金属基板が使用される。ポリアミック酸溶液のガラス基材上への流延方法は特に限定されないが、例えばスピンコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、電着法などの従来公知の方法が挙げられる。加熱処理条件は、特に限定されないが、50℃〜150℃の温度範囲で乾燥した後、最高加熱温度が300℃〜500℃、好ましくは350℃〜450℃で処理することが好ましい。
形成するポリイミドフィルムの厚さは、1〜20μmであることが望ましい。厚さが1μm未満である場合、ポリイミドフィルムが十分な機械的強度を保持できず、フレキシブルデバイス基板などとして使用するとき、応力に耐えきれず破壊されることがある。また、ポリイミドフィルムの厚さが20μmを超えて厚くなると、フレキシブルデバイスの薄型化が困難となってしまう。フレキシブルデバイスとして十分な耐性を保持しながら、より薄膜化するには、ポリイミド樹脂膜の厚さは、2〜10μmであることがより望ましい。
以上のようにして形成したポリイミドフィルムの上に、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーなどの表示デバイス、太陽電池、CMOSなどの受光デバイスなどに必要な回路を形成する。この工程はデバイスの種類により異なる。例えば、TFT液晶ディスプレイデバイスを製造する場合には、ポリイミドフィルム上にアモルファスシリコンのTFTを形成する。TFTは、ゲート金属層、窒化ケイ素ゲート誘電体層、ITI画素電極を含む。この上に、さらに液晶ディスプレイに必要な構造を、公知の方法によって形成することもできる。
次いで、回路等を表面に形成したポリイミドフィルムをキャリア基板から剥離する。剥離方法に特に制限はなく、例えばキャリア基板側からレーザー等を照射することで剥離を行うことができる。
本発明におけるフレキシブルデバイスとしては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーといった表示デバイス、太陽電池、CMOSなどの受光デバイスを挙げることが出来る。本発明は、特に、薄型化かつフレキシブル性を付与したいデバイスへの適用に好適である。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の例で使用した化合物の略号は以下のとおりである。
CpODA:ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物
s−BPDA:3,3’4,4’−テトラカルボン酸二無水物
ODPA:4,4’−オキシジフタル酸無水物
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
HTAC(PPD):N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソオクタヒドロベンゾフラン−5−カルボキシアミド)
CHDA:1,4−ジアミノシクロヘキサン
TFMB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
以下の例で用いた特性の測定方法を以下に示す。
(固形分濃度)
ポリアミック酸溶液の固形分濃度は、ポリアミック酸溶液を350℃で30分間乾燥し、乾燥前の重量W1と乾燥後の重量W2とから次式によって求めた値である。
固形分濃度(重量%)=(W2/W1)×100
(光透過率)
分光光度計U−2910(日立ハイテク製)を用いて、ポリイミド膜の400nmにおける透過率を測定した。そして、ランバード・ベール法(Lambert−Beer Law)を用いて膜厚10μmにおける透過率を算出した。
(厚さ方向の位相差)
位相差測定装置KOBRA−WR(王子計測機器株式会社製)を用いて厚さ方向の位相差Rthを測定した。
(線膨張係数(CTE)およびガラス転移温度(Tg))
膜厚10μmのポリイミド膜を幅4mmの短冊状に切り取って試験片とし、TMA/SS6100(エスアイアイ・テクノロジー社製)を用い、チャック間長15mm、荷重2g、昇温速度20℃/minで400℃まで昇温した。得られたTMA曲線から、50℃から200℃までの線膨張係数を求めた。また、TMA曲線の変曲点より、Tgを算出した。
〔実施例1〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを450g加え、TFMB13.3056g(0.0416モル)、CHDA4.7446g(0.0416モル)、CpODA31.9240g(0.0831モル)を加えて50℃で撹拌して、固形分濃度9.40%のポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、窒素雰囲気下、昇温速度5℃/minで50℃から350℃まで昇温し、350℃で5分間加熱処理し、ガラス板上に厚さが10μmのポリイミド膜を形成した。
得られたポリイミド膜をガラス板から剥離して透過率測定、Rth測定、CTE測定を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例2〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを450g加え、CHDA12.1041g(0.1060モル)、s−BPDA9.3562g(0.0318モル)、CpODA28.5210g(0.0742モル)を加えて50℃で撹拌して、固形分濃度9.24%のポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてガラス板上に厚さが10μmのポリイミド膜を形成した。
得られたポリイミド膜をガラス板から剥離して透過率測定、Rth測定、CTE測定を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例3〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを450g加え、CHDA12.3782g(0.1084モル)、ODPA16.8139g(0.0542モル)、CpODA20.8334g(0.0542モル)を加えて50℃で撹拌して、固形分濃度9.22%のポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてガラス板上に厚さが10μmのポリイミド膜を形成した。
得られたポリイミド膜をガラス板から剥離して透過率測定、Rth測定、CTE測定を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例4〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを450g加え、CHDA5.2756g(0.0462モル)、ODA9.2520g(0.0462モル)、CpODA35.5167g(0.0924モル)を加えて50℃で撹拌して、固形分濃度9.33%のポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてガラス板上に厚さが10μmのポリイミド膜を形成した。
得られたポリイミド膜をガラス板から剥離して透過率測定、Rth測定、CTE測定を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例5〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを450g加え、CHDA6.3832g(0.0559モル)、ODA11.1945g(0.0559モル)、CpODA21.4868g(0.0559モル)、CBDA10.9625(0.0599モル)を加えて50℃で撹拌して、固形分濃度9.19%のポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてガラス板上に厚さが10μmのポリイミド膜を形成した。
得られたポリイミド膜をガラス板から剥離して透過率測定、Rth測定、CTE測定を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例6〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを450g加え、CHDA10.5512g(0.0924モル)、CpODA17.7584g(0.0462モル)、HTAC(PPD)21.6429(0.0462モル)を加えて50℃で撹拌して、固形分濃度9.33%のポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてガラス板上に厚さが10μmのポリイミド膜を形成した。
得られたポリイミド膜をガラス板から剥離して透過率測定、Rth測定、CTE測定を行った。その結果を表1に示す。
〔比較例1〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを450g加え、CHDA13.9883g(0.1225モル)、s−BPDA36.0420(0.1225モル)を加えて50℃で撹拌して、固形分濃度9.12%のポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液を用いて、実施例1と同様にしてガラス板上に厚さが10μmのポリイミド膜を形成した。
得られたポリイミド膜をガラス板から剥離して透過率測定、Rth測定、CTE測定を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0006492934

Claims (9)

  1. テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを反応させて得られるポリアミック酸と溶媒とを含有するポリアミック酸溶液組成物であって、テトラカルボン酸成分およびジアミン成分は、芳香環を有する化合物と脂環式化合物とからなる群から選ばれる化合物で構成され、テトラカルボン酸成分とジアミン成分の合計200モル%中、芳香環を有する化合物の割合が10〜90モル%であり、脂環式化合物の割合が110〜190モル%であり、テトラカルボン酸成分またはジアミン成分のいずれか一方が、脂環式化合物のみで構成される、厚さ1〜20μmのフレキシブルデバイス基板用ポリアミック酸溶液組成物。
  2. テトラカルボン酸成分として用いる脂環式化合物が、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物及びシクロブタンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる化合物であり、ジアミン成分として用いる脂環式化合物が1,4−ジアミノシクロヘキサンである、請求項1に記載の厚さ1〜20μmのフレキシブルデバイス基板用ポリアミック酸溶液組成物。
  3. テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを反応させて得られるポリアミック酸と溶媒とを含有するポリアミック酸溶液組成物であって、テトラカルボン酸成分およびジアミン成分は、芳香環を有する化合物と脂環式化合物とからなる群から選ばれる化合物で構成され、テトラカルボン酸成分とジアミン成分の合計200モル%中、芳香環を有する化合物の割合が10〜90モル%であり、脂環式化合物の割合が110〜190モル%であり、テトラカルボン酸成分またはジアミン成分のいずれか一方が、脂環式化合物のみで構成され、前記テトラカルボン酸成分として用いる芳香環を有する化合物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物およびN,N’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソオクタヒドロベンゾフラン−5−カルボキシアミド)から選ばれる化合物であり、前記ジアミン成分として用いる芳香環を有する化合物が、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる化合物である、ポリアミック酸溶液組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミック酸溶液組成物をキャリア基板上に塗布し、加熱処理して厚さ1〜20μmのポリイミドフィルムを形成する工程、前記ポリイミドフィルム上に回路を形成する工程、及び、前記回路が表面に形成されたポリイミドフィルムを前記キャリア基板から剥離する工程を含むことを特徴とするフレキシブルデバイスの製造方法。
  5. テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合して得られるポリイミドから主としてなるポリイミドフィルムであって、テトラカルボン酸成分およびジアミン成分は、芳香環を有する化合物と脂環式化合物とからなる群から選ばれる化合物で構成され、テトラカルボン酸成分とジアミン成分の合計200モル%中、芳香環を有する化合物の割合が10〜90モル%であり、脂環式化合物の割合が110〜190モル%であり、テトラカルボン酸成分またはジアミン成分のいずれか一方が、脂環式化合物のみで構成され、厚さ1〜20μmのフレキシブルデバイス基板用ポリイミドフィルム。
  6. テトラカルボン酸成分として用いる脂環式化合物が、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物及びシクロブタンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる化合物であり、ジアミン成分として用いる脂環式化合物が1,4−ジアミノシクロヘキサンである、請求項5に記載の厚さ1〜20μmのフレキシブルデバイス基板用ポリイミドフィルム。
  7. テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合して得られるポリイミドから主としてなるポリイミドフィルムであって、テトラカルボン酸成分およびジアミン成分は、芳香環を有する化合物と脂環式化合物とからなる群から選ばれる化合物で構成され、テトラカルボン酸成分とジアミン成分の合計200モル%中、芳香環を有する化合物の割合が10〜90モル%であり、脂環式化合物の割合が110〜190モル%であり、テトラカルボン酸成分またはジアミン成分のいずれか一方が、脂環式化合物のみで構成され、前記テトラカルボン酸成分として用いる芳香環を有する化合物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物およびN,N’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソオクタヒドロベンゾフラン−5−カルボキシアミド)から選ばれる化合物であり、前記ジアミン成分として用いる芳香環を有する化合物が、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる化合物である、ポリイミドフィルム。
  8. ガラス転移温度(Tg)が300℃以上であり、熱膨張係数(CTE)が50ppm以下であり、厚さ方向の位相差(Rth)が300nm以下である、請求項5〜7のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載のポリイミドフィルムを基板として用いたフレキシブルデバイス。
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