JPWO2019021545A1 - 太陽電池、及び、その製造方法 - Google Patents

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Abstract

太陽電池の開放電圧を高めることが可能な技術を提供することを目的とする。太陽電池は、半導体層と、第1不純物層と、酸素を含むトンネル層と、第2不純物層と、電極とを備える。トンネル層は、半導体層と第1不純物層との間に配設され、第2不純物層は、半導体層とトンネル層との間に配設され、電極は、第1不純物層に接続される。トンネル層及び第1不純物層は、第2不純物層の不純物と同じ不純物を含み、トンネル層の不純物の濃度は、第1不純物層及び第2不純物層のそれぞれの不純物の濃度よりも高い。

Description

本発明は、太陽電池、及び、その製造方法に関する。
典型的な太陽電池として、結晶系のシリコン太陽電池がある。結晶系シリコン太陽電池には、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンの基板が用いられ、特に単結晶基板を用いた太陽電池は、高い変換効率を有している。結晶系シリコン太陽電池において、その開放電圧の向上のために、パッシベーション技術が広く適用されている。具体的には、基板表面に非常に薄い酸化膜が形成され、その上にシリコンドープ層が配設される。この薄い酸化膜は、トンネル酸化物層として機能する。トンネル酸化物層が形成するバンド障壁と、ドープ層による電界効果とによって、少数キャリアが基板側に追い返される。これにより少数キャリアの再結合が抑制されるので、700mVを超える高い開放電圧を得ることができる。一方、多数キャリアの輸送はトンネル効果によってスムーズに行われ得るため、トンネル酸化物層に起因した直列抵抗の増大が避けられる。以上から、パッシベーション技術によって、高い開放電圧と曲線因子とを両立することが可能である。
非特許文献1に開示の技術では、n型シリコン基板の裏面にトンネル酸化物層及びリンドープシリコン層が順に形成された後、600℃より大きく1000℃より小さい温度で熱処理が行われる。その後、リンドープシリコン層上に直接、裏面電極が全面に形成される。この電極の形成として、Ti/Pd/Agのシード層を熱蒸着した後にAgめっきが行われる。
特許文献1には、エミッタ領域などの導電型領域に含まれる複数の部分が、トンネル酸化物層を挟む構成が開示されている。このような構成によれば、再結合を最小化しながら、電極との電気的接続における特性を向上することが可能となっている。
非特許文献1に開示の技術では、トンネル酸化物層とともにトンネル接合を構成するドープ層上に、光電流収集のための電極が、蒸着法及びめっき法を用いて形成される。しかし、このような技術では、基板とトンネル酸化物層との界面に再結合準位が存在する場合に、開放電圧が低下する恐れがある。
一方、特許文献1のように、導電型領域に含まれる複数の部分が、トンネル酸化物層を挟む構成では、基板とトンネル酸化物層との間の低濃度のドープ層によって電界効果が生じる。この電界効果によって、基板とトンネル酸化物層との界面の準位から少数キャリアが遠ざけられるので、開放電圧が改善される。しかしながら低濃度のドープ層におけるドープ濃度の安定化及び面内均一性の確保が難しい。しかも、低濃度ドープ層のドープ濃度が高すぎた場合は、オージェ再結合が増加し開放電圧が低下し、逆に低濃度ドープ層のドープ濃度が低すぎた場合は、電界効果が弱まり、界面再結合が増加し開放電圧が低下する。このため、低濃度ドープ層のドープ濃度の安定化が図れない構成では、開放電圧を高く維持できないという問題がある。
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、開放電圧を高めることが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明に係る太陽電池は、半導体層と、第1不純物層と、前記半導体層と前記第1不純物層との間に配設された、酸素を含むトンネル層と、前記半導体層と前記トンネル層との間に配設された第2不純物層と、前記第1不純物層に接続された電極とを備え、前記トンネル層及び前記第1不純物層は、前記第2不純物層の不純物と同じ不純物を含み、前記トンネル層の不純物の濃度は、前記第1不純物層及び前記第2不純物層のそれぞれの不純物の濃度よりも高い。
本発明によれば、トンネル層及び第1不純物層は、第2不純物層の不純物と同じ不純物を含み、トンネル層の不純物の濃度は、第1不純物層及び第2不純物層のそれぞれの不純物の濃度よりも高い。このような構成によれば、第2不純物層の不純物の濃度を均一化することができるので、開放電圧を高めることができる。
本発明の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
実施の形態1に係る太陽電池の構成を概略的に例示する平面図である。 実施の形態1に係る太陽電池の構成を概略的に例示する断面図である。 実施の形態1に係る太陽電池の製造方法を例示するフローチャートである。 実施の形態1に係る太陽電池の製造方法を例示する断面図である。 実施の形態1に係る太陽電池の製造方法を例示する断面図である。 実施の形態1に係る太陽電池の製造方法を例示する断面図である。 実施の形態1に係る太陽電池の製造方法を例示する断面図である。 実施の形態1に係る太陽電池の製造方法を例示する断面図である。 実施の形態1に係る太陽電池の製造方法を例示する断面図である。 太陽電池のドーピング層のシート抵抗と開放電圧との関係を例示する図である。 太陽電池のドーピング層のシート抵抗を例示する図である。 実施の形態1に係る太陽電池の開放電圧を例示する図である。 実施の形態2に係る太陽電池の構成を概略的に例示する断面図である。 実施の形態2に係る太陽電池の製造方法を例示するフローチャートである。 実施の形態2に係る太陽電池の製造方法を例示する断面図である。 実施の形態2に係る太陽電池の製造方法を例示する断面図である。 実施の形態2に係る太陽電池の開放電圧を例示する図である。
以下、添付される図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、図面は概略的に示されるものであり、異なる図面にそれぞれ示される画像の大きさと位置との相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。また、以下の説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能についても同様とする。この結果として、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。また記載される説明において、「上」、「下」、「側」、「底」、「表」または「裏」などの特定の位置及び方向を意味する用語が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、実際に実施される際の位置及び方向とは関係しないものである。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1に係る太陽電池、及び、太陽電池の製造方法について説明する。
<太陽電池の構成について>
図1は、本実施の形態1に係る太陽電池の構成を概略的に例示する平面図である。図2は、図1におけるA−A’断面図である。
本実施の形態1に係る太陽電池の詳細な製造方法の説明に先立ち、まず、当該太陽電池の構成及び製造方法の概要について説明する。本実施の形態1に係る太陽電池では、図1及び図2に例示されるように、受光面120Aと裏面120Bとを有するn型の単結晶シリコン基板120を、結晶系の半導体基板として用いる。
図2に示すように、本実施の形態1に係る太陽電池は、単結晶シリコン基板120に形成された様々な構成要素を備える。具体的には、図2の太陽電池は、n型の半導体層100と、p型の不純物拡散層103と、誘電体層108と、反射防止膜109と、受光面電極110と、電極である裏面電極111と、酸素及びn型ドーパント(不純物)を含むトンネル層であるトンネル酸化物層114と、第1不純物層であるn型の結晶系薄膜シリコン層115と、第2不純物層であるn型のドーピング層116とを備える。
トンネル酸化物層114は、半導体層100と結晶系薄膜シリコン層115との間に配設されている。トンネル酸化物層114は、後述するように、単結晶シリコン基板120の裏面120Bに形成されたトンネル酸化物層104(図6)から形成される。結晶系薄膜シリコン層115は、後述するように、トンネル酸化物層104の下面に形成された、n型ドーパントを含むn型の非晶質シリコン層105(図6)から形成される。
例えば、非晶質シリコン層105に含まれるn型ドーパントを活性化するとともに、非晶質シリコン層105の一部または全体を結晶化させる熱処理を行うことによって、結晶系薄膜シリコン層115が形成される。このとき、非晶質シリコン層105に含まれるn型ドーパントがトンネル酸化物層104へ移動及び拡散することで、n型ドーパントを含有するトンネル酸化物層114が形成される。
ドーピング層116は、半導体層100とトンネル酸化物層114との間に配設されている。ここで、トンネル酸化物層114は、ドーピング層116のドーパントと同じドーパントを含み、結晶系薄膜シリコン層115は、ドーピング層116のドーパントと同じドーパントを含んでいる。そして、結晶系薄膜シリコン層115のドーパント濃度は、トンネル酸化物層114のドーパント濃度よりも低く、トンネル酸化物層114のドーパント濃度は、ドーピング層116のドーパント濃度よりも高くなっている。さらに、ドーピング層116のドーパント濃度は、結晶系薄膜シリコン層115のドーパント濃度よりも低くなっている。
上述したトンネル酸化物層114等の形成後に熱処理を行うことによって、トンネル酸化物層114のn型ドーパントが単結晶シリコン基板120へ移動及び拡散する。これにより、上述のようなドーピング層116が、単結晶シリコン基板120とトンネル酸化物層114との境界部分に形成される。なお、単結晶シリコン基板120のうちドーピング層116以外の部分は、概ね半導体層100となる。以上のことを換言すれば、単結晶シリコン基板120にトンネル酸化物層114を隣接させて形成し、トンネル酸化物層114のドーパントを単結晶シリコン基板120に熱拡散することによって、単結晶シリコン基板120のうちトンネル酸化物層114に隣接する部分にドーピング層116が形成され、それ以外の部分に半導体層100が形成される。
以上のように構成された本実施の形態1に係る太陽電池によれば、トンネル酸化物層114と、結晶系薄膜シリコン層115と、ドーピング層116との積層構造を備える。このような構成によれば、トンネル酸化物層114が形成するバンド障壁と、ドーピング層116による電界効果とによって、少数キャリアを半導体層100内に留めることができるので、少数キャリアの再結合を抑制することができ、その結果として開放電圧を高めることができる。また、多数キャリアの収集効率を高めることができる。
次に、図2の太陽電池の残りの構成要素について説明する。単結晶シリコン基板120の受光面120A側、つまり半導体層100の上側には、不純物拡散層103、誘電体層108及び反射防止膜109が順に配設されている。そして、グリッド電極110Gとバス電極110B(図1)とを備える受光面電極110が、誘電体層108及び反射防止膜109の貫通孔を介して反射防止膜109から突出するように不純物拡散層103の上面に配設されている。一方、グリッド電極111Gと図示しないバス電極とを備える裏面電極111が、結晶系薄膜シリコン層115から突出するように結晶系薄膜シリコン層115の下面に配設されている。
ここで、トンネル酸化物層114がドーパントを含有しない、若しくはトンネル酸化物層114のドーパント濃度がドーピング層116のドーパント濃度よりも低い場合は、ドーピング層116のドーパント濃度が不均一となる。このため、開放電圧が低下し、太陽電池特性が低下するおそれがある。
これに対して上述したように、本実施の形態1に係る太陽電池の製造方法では、ドーパントを含有するトンネル酸化物層114が、ドーピング層116を形成するためのドーパント供給源となり、トンネル酸化物層114のドーパント濃度がドーピング層116のドーパント濃度よりも高くなる。これにより、ドーピング層116のドーパント濃度を、低濃度で均一化させることができる。この結果、後で詳細に説明するように、高い開放電圧を得ることができ、太陽電池特性を高めることができる。
<製造方法>
以下、図3から図9を参照しつつ、本実施の形態1に係る太陽電池の製造方法を詳細に説明する。ここで、図3は、本実施の形態1に係る太陽電池の製造方法を例示するフローチャートである。また、図4から図9は、本実施の形態1に係る太陽電池の製造方法を例示する太陽電池の断面図である。
<ステップS1>
まず、図4に例示されるように単結晶シリコン基板120を用意する。単結晶シリコン基板120は、シリコンインゴットをワイヤーソーなどによる機械的切断法を用いてカット、及び、スライスすることによって製造される。このように製造された単結晶シリコン基板120の表面には汚染、または、ダメージが残存する場合がある。
そこで、水酸化ナトリウム溶液などのアルカリ溶液と、添加剤とを用いたウェットエッチングプロセスを実施することによって、単結晶シリコン基板120の表面の汚染などを除去し、かつ、テクスチャ構造と呼ばれる図示しない微小な凹凸構造を当該表面に形成する。
単結晶シリコン基板120の表面における微小な凹凸構造によって、単結晶シリコン基板120に入射する光が、当該表面で多重反射する。したがって、光の反射損失を低減することができる。加えて、光路長の増加によって光吸収が増大する結果、短絡電流の向上が見込める。
テクスチャ構造を形成した後、例えば、過酸化水素をベースに、アルカリまたは酸を加えた濃厚薬液を高温で用いる洗浄方法であるRCA洗浄、SPM(Sulfuric Acid Hydrogen Peroxide Mixture)洗浄、または、HPM(Hydrochloric Acid Hydrogen Peroxide Mixture)洗浄などを行い、単結晶シリコン基板120の表面に付着している有機物または、金属汚染などによる付着物を取り除く。
<ステップS2>
次に、図4に例示されるように、単結晶シリコン基板120の受光面120Aに、p型の不純物拡散源101及び不純物拡散層103を形成する。
例えば、単結晶シリコン基板120上に、BBrを用いた気相反応、または、Bを用いた大気圧化学気相堆積(Atmospheric Pressure Chemical Vapor Deposition、すなわち、APCVD)法などの気相法によって、ボロンドープシリコンガラス(Boron Silicate Glass:BSG)膜を、不純物拡散源101として形成する。その後、拡散炉中で、不純物拡散源101中のボロンを単結晶シリコン基板120に熱拡散することによって、不純物拡散層103を形成する。
なお、上述の形成を行う代わりに、イオン注入によって単結晶シリコン基板120の表面にボロンを打ち込み、その後、拡散炉中でボロンを熱拡散することによって、不純物拡散層103を形成してもよい。この場合、形成される不純物拡散層103のシート抵抗は、例えば、50Ω/sq以上、かつ、150Ω/sq未満とすることができる。シート抵抗は、拡散層内での少数キャリアの再結合、光吸収、及び、電極とのコンタクト抵抗などを考慮して設計される。
上述のように、BSG膜からなる不純物拡散源101を形成する際にAPCVDを用いる場合、BSG膜は、単結晶シリコン基板120の受光面120Aに主に形成される。ただし、この場合には、単結晶シリコン基板120の端面、及び、単結晶シリコン基板120の裏面120BにもBSG膜が僅かに回り込んで形成される。そこで、BSG膜を形成した後に、例えば、0.5%以上、かつ、1.0%以下のフッ酸を用いることによって、単結晶シリコン基板120の端面、及び、単結晶シリコン基板120の裏面に回り込んだ分の不要なBSG膜を除去することが好ましい。
なお、BSG膜がフッ酸から保護されるように、フッ酸を用いる前に、当該BSG膜の上面に熱酸化膜または窒化膜によるバリア層を形成してもよい。そして、単結晶シリコン基板120の裏面120Bに形成されたBSG膜をフッ酸で除去したり、単結晶シリコン基板120の端面に形成されたBSG膜をフッ硝酸、または、水酸化ナトリウムなどの処理剤で片面ずつ除去したりしてもよい。
ここで、上述の窒化膜は、例えば、シランガス、窒素ガス、または、アンモニアガスなどを用いたプラズマCVD法を用いて形成することができる。この窒化膜などのバリア層は、後述するドーパント活性化のための熱処理時にもバリア層として働く。このため、窒化膜などのバリア層を形成する場合には、その厚さは例えば、50nm以上の厚さにすることが好ましい。
なお、不純物拡散源101であるBSG膜の膜厚は、例えば、30nm以上、かつ、150nm未満である。不純物拡散源101であるBSG膜の膜厚が薄すぎると、p型不純物の拡散源としての役割を果たすことができなくなる。一方、不純物拡散源101であるBSG膜の膜厚が厚すぎると、BSG膜の形成、及び、不要なBSG膜の除去が困難となる。
ここで、図4に例示されるように、不純物拡散源101を形成した後には、誘電体膜としてノンドープシリコンガラス(Non doped Silicate Glass:NSG)膜102を、不純物拡散源101上に形成することが好ましい。
このNSG膜102は、キャップ層の働きをして、BSG膜からなる不純物拡散源101中のボロンが気相中に脱離することを抑制する。これにより、不純物拡散源101のボロンが単結晶シリコン基板120に効率的に拡散される。また、NSG膜102は、後述する非晶質シリコン層105(図6)のドーパント活性化のための熱処理時には、拡散バリア層としても働く。
NSG膜102の膜厚は、例えば、100nm以上、かつ、500nm未満である。NSG膜102の膜厚が薄すぎると、キャップ層としての役割、または、拡散バリア層としての役割を果たすことができなくなる。一方で、NSG膜102の膜厚が厚すぎると、NSG膜の形成、及び、不要なNSG膜の除去が困難となる。
<ステップS3>
次に、図5に例示されるように、単結晶シリコン基板120の裏面120Bに、トンネル酸化物層104を形成する。
例えば、トンネル酸化物層104の材料には、シリコン酸化膜、または、酸化アルミニウム膜などの誘電体材料を用いることができる。シリコン酸化膜の形成は、例えば、オゾン水へ単結晶シリコン基板120の裏面120Bを浸漬することによって行う。この場合、所望の厚さの酸化膜が得られるように、オゾン濃度、及び、浸漬時間を制御する。
この方法以外にも、シリコン酸化膜の形成には、熱酸化、硝酸酸化、プラズマ化学気相堆積(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:PECVD)法、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法、UV照射、または、オゾン照射などの方法も用いることができる。
トンネル酸化物層104の膜厚は、例えば、0.5nm以上、かつ、5nm未満である。トンネル酸化物層104の膜厚が薄すぎる場合には、多数キャリアのみならず少数キャリアもトンネル酸化物層104を通過してしまう。この結果、再結合の増加によって開放電圧が低下してしまう。その一方で、トンネル酸化物層104の膜厚が厚すぎる場合には、多数キャリアのトンネル輸送が妨げられる。この結果、直列抵抗が増加することによって、電気的特性が劣化してしまう。
<ステップS4>
次に、図6に例示されるように、トンネル酸化物層104の下面に、n型の非晶質シリコン層105を形成する。SiH、または、PHを用いたPECVD法などの化学気相堆積法によって、リンがドープされた非晶質シリコン層105を形成する。
非晶質シリコン層105の膜厚は、例えば、5nm以上、かつ、100nm未満である。非晶質シリコン層105の膜厚が薄すぎると、電界効果が弱くなる。その結果、トンネル接合層における電気的抵抗が増大し、かつ、少数キャリアの追い返し効果も小さくなるため、非晶質シリコン層105の特性が劣化する。一方、非晶質シリコン層105の膜厚が厚すぎると、熱歪みが大きくなる。その結果、非晶質シリコン層105の膜厚が適正な範囲である場合に比べて、シリコン層のパッシベーション効果が低下する。
<ステップS5>
その後、図6に例示された構造を熱処理して、図7に例示した構造が得られる。熱処理の一例について説明すると、これまでの工程が行われた単結晶シリコン基板120を横型石英炉内に設置し、窒素ガスを導入し、800℃まで昇温し、1分間温度維持した後、700℃まで降温し、さらに30分間温度維持する。その後室温まで降温して石英炉から取り出す。800℃保持の間に非晶質シリコン層105の一部、または、全体が結晶化して、結晶系薄膜シリコン層115が形成される。結晶系薄膜シリコン層115の膜厚は、例えば、5nm以上、かつ、100nm未満である。800℃保持の間に非晶質シリコン層105中のn型ドーパントが活性化することによって、シート抵抗が低下する。これと並行して、非晶質シリコン層105に含まれるn型ドーパントがトンネル酸化物層104中に拡散され、ドーパントを含有するトンネル酸化物層114が形成される。
さらに引き続き700℃で保持する間に、トンネル酸化物層114中のn型ドーパントが単結晶シリコン基板120に低濃度で拡散され、ドーピング層116が形成される。
ここで、本実施の形態1では、ドーピング層116中のドーパント濃度は、トンネル酸化物層114中のドーピング濃度よりも低い。以上のように、トンネル酸化物層114からドーピング層116への低濃度のn型ドーパントの拡散によって、ドーピング層116のn型ドーパント濃度の均一性を向上させることができる。
以上では熱処理条件の一例を示したが、これに限らず他の条件で実施することもできる。ただし熱処理時の保持温度は、下記の理由により400℃以上、かつ、900℃未満とするのがよい。
熱処理温度が低すぎると、非晶質シリコン層105の結晶化が十分に促進されず、結晶系薄膜シリコン層115が十分に形成されない。この結果、裏面120Bにおける電界効果が低下し、高いパッシベーション効果を得られない。さらに、非晶質シリコン層105は比較的抵抗が高いため、多数キャリアの輸送が妨げられる恐れがある。熱処理温度が400℃を超える場合には、非晶質シリコン層105中から水素が脱離し始め、結晶化が促進される。
熱処理温度が低すぎる場合には、これ以外にも別の問題が生じる。すなわち非晶質シリコン層105からトンネル酸化物層104にn型ドーパントが十分に移動しないという問題が生じる。この場合、トンネル酸化物層104がドーピング層116を形成するためのドーパント供給源として機能し難いので、ドーピング層116を形成することできない。
一方、熱処理温度が900℃を超えるなどのように高すぎると、パッシベーション効果が著しく低下し始める。この結果、開放電圧が低下する。これは、高温の熱処理によってトンネル酸化物層114から単結晶シリコン基板120にn型ドーパントが過剰に拡散し、ドーピング層116のドープ濃度が高くなりすぎて、少数キャリアの再結合が増加してしまうためである。
なお、結晶系薄膜シリコン層115、トンネル酸化物層114及びドーピング層116の形成方法は、上記に限ったものではない。例えば、ノンドープ(真性)非晶質シリコン層を形成した後に、n型ドーパントをドープし拡散させることによって結晶系薄膜シリコン層115を形成してもよい。具体的には、ステップS4にて、SiHを用いたPECVD法などの化学気相堆積法によって、ノンドープ非晶質シリコン層を形成する。その後、ステップS5にて、POClを用いた気相反応及び熱拡散、または、リンのイオン注入及び熱拡散によって、n型ドーパントであるリンをノンドープ非晶質シリコン層中に拡散させる。そして、熱処理を行うことにより、結晶系薄膜シリコン層115、トンネル酸化物層114及びドーピング層116を形成してもよい。
また別の形成方法として、結晶系薄膜シリコン層115は、SiH、及び、PHを用いた減圧化学気相堆積(Low Pressure Chemical Vapor Deposition、すなわち、LPCVD)法などの化学気相堆積法によって、一工程で形成してもよい。この場合、非晶質シリコン層105の形成を経ずに、例えば500℃以上の温度で結晶系薄膜シリコン層115の成膜を行うことができる。なお、結晶系薄膜シリコン層115の成膜後の熱処理は必要に応じて行えばよい。
さらに別の形成方法として、トンネル酸化物層104を形成した直後にPOClを用いた気相反応及び熱拡散、またはリンのイオン注入及び熱拡散を行うことにより、トンネル酸化物層114を形成してもよい。そして、非晶質シリコン層105を形成し、その後に、熱処理を行うことで結晶系薄膜シリコン層115を形成するとともに、トンネル酸化物層114から単結晶シリコン基板120にn型ドーパントであるリンを拡散させてドーピング層116を形成してもよい。
さらに別の形成方法として、トンネル酸化物層104を形成する前にPOClを用いた気相反応及び熱拡散、またはリンのイオン注入及び熱拡散によってドーピング層116をある程度形成してもよい。
<ステップS6>
次に、図8に例示されるように、単結晶シリコン基板120の受光面120Aに形成されていた不純物拡散源101であるBSG膜と、NSG膜102とを、フッ酸を用いて完全に除去して、p型の不純物拡散層103を露出させる。本ステップS6は、ステップS5の熱処理工程前に行うことも可能である。
ステップS6をステップS5の前に行う場合、ステップS5の熱処理の際に、不純物拡散源101であるBSG膜からボロンが雰囲気中に拡散すること、当該ボロンが非晶質シリコン層105に付着すること、さらに、非晶質シリコン層105内に拡散することを防ぐことができる。しかしながら、この場合には、ステップS5の熱処理の際に、非晶質シリコン層105からn型ドーパントであるリンが雰囲気中に拡散して、p型の不純物拡散層103中に拡散してしまう可能性がある。
ここで、本実施の形態1のように、不純物拡散源101であるBSG膜の上面にキャップ層であるNSG膜102が形成されている場合には、非晶質シリコン層105のリンが不純物拡散層103中に拡散する可能性よりも、不純物拡散源101のボロンが非晶質シリコン層105中に拡散する可能性が低い。このことから、そのような場合には、ステップS5の熱処理後に、不純物拡散源101であるBSG膜と、NSG膜102とを除去するステップS6を行うことが好ましい。
<ステップS7>
次に、図9に例示されるように、単結晶シリコン基板120の受光面120A、つまり不純物拡散層103の上面に誘電体層108を形成し、誘電体層108の上面に反射防止膜109を形成する。
誘電体層108として、例えば、酸化シリコン膜などの酸化膜を用いることができる。また、誘電体層108として、例えば、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition:ALD)、または、CVD法によって形成される酸化アルミニウム膜などの誘電体層を用いることができる。特に、酸化アルミニウム膜は負の固定電荷を有しているため、p型の不純物拡散層103に対して優れたパッシベーション効果を発揮することができる。誘電体層108の膜厚は、例えば、2nm以上、かつ、50nm未満である。
誘電体層108の上面に形成される反射防止膜109として、例えば、プラズマCVD法によって形成される窒化シリコン膜を用いる。反射防止膜109の膜厚は、誘電体層108の厚さに応じた膜厚であって、太陽光スペクトルに対して最適な膜厚、例えば、30nm以上、かつ、80nm未満程度の膜厚に設計する。
<ステップS8>
最後に、単結晶シリコン基板120の受光面120Aに、受光面電極110を形成する。また、結晶系薄膜シリコン層115の下面に、裏面電極111を形成する。これによって、図1及び図2に例示された太陽電池が形成される。
受光面電極110の形成としては、例えば、金属粒子及びガラス粒子を含むペーストをスクリーン印刷法などの塗布法によって、反射防止膜109の上面上に櫛形パターン状に塗布する。そして、それを乾燥させることによって受光面電極110が形成される。ここで、ガラス粒子の含有量は、金属粒子の重量に対して0.5重量%以上、かつ、10.0重量%以下、好ましくは、1.0重量%以上、かつ、3.0重量%以下である。
上記のペーストの乾燥は、例えば、200℃の乾燥オーブン中で10分程度行う。乾燥後、受光面電極110を800℃程度の高温で熱処理し、焼成する。この際、受光面120A側では、焼成によって、受光面電極110内のガラス粒子が、反射防止膜109及び誘電体層108をエッチングする。これにより、不純物拡散層103を露出する貫通孔が、反射防止膜109及び誘電体層108に形成され、受光面電極110は、当該貫通孔を介して不純物拡散層103に電気的に接続される。
裏面電極111の形成としては、例えば、ガラス粒子を含まずに金属粒子を含むペーストをスクリーン印刷法などの塗布法によって、結晶系薄膜シリコン層115の下面上に櫛型パターン状に塗布し、それを乾燥、高温焼成する。これによって、結晶系薄膜シリコン層115に電気的に接続された裏面電極111が形成される。なお、ペーストの乾燥及び高温焼成は、受光面電極110の乾燥及び高温焼成と同時に実施されてもよい。さらに裏面電極111は、スクリーン印刷法によらず、金属薄膜のスパッタ法で形成されてもよいし、めっき法で形成されてもよい。
ここで裏面電極111と、結晶系薄膜シリコン層115との間に接触抵抗の低い接続を実現するためには、結晶系薄膜シリコン層115内のドーパント濃度を高くすればよい。例えば、結晶系薄膜シリコン層115内のドーパント濃度を1×1020(atm/cm)以上にすればよい。
ドーピング層116については、ドーパント濃度を低くしたほうが、ドーピング層116での少数キャリアの再結合を抑制でき、高いVocを得ることができる。逆に、ドーピング層116のドーパント濃度を、電極との接触抵抗の低い接続を実現できるぐらい高い濃度、すなわち1×1020(atm/cm)以上としてしまうと、トンネル酸化物層114を形成する意味はなくなってしまう。したがって、ドーピング層116のドーパント濃度は、結晶系薄膜シリコン層115のドーパント濃度よりも低くする。
<実施の形態1のまとめ>
本実施の形態1に係る太陽電池に関連する太陽電池(以下「関連太陽電池」と記すこともある)の製造方法(以下「関連製造方法」と記すこともある)としては、例えば次のようなものが考えられる。すなわち、関連製造方法として、トンネル酸化物層104を形成する前にPOClを用いた熱拡散及びフッ酸による洗浄によってn型のドーピング層116を完全に形成し、引き続き、トンネル酸化物層104及び非晶質シリコン層を形成した後、600℃30分で熱処理することで非晶質シリコン層を結晶系薄膜シリコン層115に変化させる方法が考えられる。ここでドーピング層116は電界を発生させるために必要であるが、ドーピング層116のドーパント濃度が高すぎると再結合が増加するため、関連製造方法では、ドーピング層116のドーパント濃度を多少低くしている。
図10はドーピング層116のシート抵抗を変化させた時の太陽電池セルの開放電圧Vocの変化を示す図である。シート抵抗230Ω/sqでVocが最も高くなる。この図10は、太陽電池セルのドーピング層116のシート抵抗の面内平均値と開放電圧Vocとの関係を示しているが、当該シート抵抗に面内分布がある場合は、230Ω/sqから外れたシート抵抗の領域で開放電圧Vocが低下していると予想される。したがって、シート抵抗は、面内で均一に230Ω/sqとなることが望ましい。
図11は、関連太陽電池及び本実施の形態1に係る太陽電池について、ドーピング層116のシート抵抗の面内平均値、面内最大値、面内最小値の関係を示す図である。裏面側のドーピング層、トンネル酸化物層、結晶系薄膜シリコン層を形成した後に、面内25点のシート抵抗を測定し、平均値(図11の棒グラフ)、最大値(図11のmax)、最小値(図11のmin)を図示したものである。関連製造方法では、シート抵抗の最大値は370Ω/sqであり、シート抵抗が大幅に高い領域、すなわちリンの拡散量が非常に少ない領域が見られる。これはドーピング層116のシート抵抗が200Ω/sqを超えるような高抵抗(低リン濃度)となる拡散条件では、単結晶シリコン基板120の一部の領域にPOCl蒸気が行き渡りにくくなるためである。
一方、本実施の形態1に係る製造方法では、シート抵抗の最大値が抑制されている。これは、トンネル酸化物層104内のリンが拡散源となり、単結晶シリコン基板120にリンが均一に供給されて、シート抵抗が高い領域が局所的に発生しないためである。
図12は、関連太陽電池の開放電圧Vocと、本実施の形態1に係る太陽電池の開放電圧Vocとを比較した結果を示す図である。本実施の形態1に係る製造方法によれば、ドーピング層116のドーピング濃度及びシート抵抗を均一化することができ、その結果として、関連製造方法よりも開放電圧Vocが例えば4mV程度高い太陽電池を得ることができる。
また本実施の形態1によれば、ドーピング層116のドーパント濃度は、結晶系薄膜シリコン層115のドーパント濃度よりも低くなっている。これにより、ドーピング層116及びその界面において少数キャリアが再結合することを抑制することができるので、開放電圧を高めることができる。
<実施の形態2>
図13は、本発明の実施の形態2に係る太陽電池の構成を概略的に例示する断面図である。本実施の形態2に係る太陽電池は、実施の形態1に係る太陽電池(図2)と、次の点で異なっている。
誘電体膜である保護膜117が追加されており、保護膜117は、結晶系薄膜シリコン層115の半導体層100と逆側の面に配設されている。裏面電極111は、保護膜117,結晶系薄膜シリコン層115及びトンネル酸化物層114に設けられた貫通孔を介してドーピング層116に接続されている。ドーピング層116の厚さは、結晶系薄膜シリコン層115の厚さよりも大きくなっている。
<製造方法>
以下、図14から図16を参照しつつ、本実施の形態2に係る太陽電池の製造方法を詳細に説明する。ここで、図14は、本実施の形態2に係る太陽電池の製造方法を例示するフローチャートである。また、図15及び図16は、本実施の形態2に係る太陽電池の製造方法を例示する太陽電池の断面図である。
以下、本実施の形態2に係る太陽電池の製造方法のうち、実施の形態1に係る太陽電池の製造方法と異なる部分について主に説明する。
<ステップS11〜S14>
ステップS11〜S14にて、図3に示されるステップS1〜S4と同様の工程を行う。
<ステップS15>
ステップS14によって図6に示される構造を形成した後、本ステップS15いて、ステップS5と同様の熱処理を行なうことにより、図7に例示した構造が得られる。熱処理の一例について説明すると、これまでの工程が行われた単結晶シリコン基板120を横型石英炉内に設置し、窒素ガスを導入し、800℃まで昇温し、1分間温度維持した後、750℃まで降温し、さらに30分間温度維持する。その後室温まで降温して石英炉から取り出す。800℃保持の間に非晶質シリコン層105の一部、または、全体が結晶化して、結晶系薄膜シリコン層115が形成される。結晶系薄膜シリコン層115の膜厚は、例えば、5nm以上、かつ、100nm未満である。800℃保持の間に非晶質シリコン層105中のn型ドーパントが活性化することによって、シート抵抗が低下する。これと並行して、非晶質シリコン層105に含まれるn型ドーパントがトンネル酸化物層104中に拡散され、ドーパントを含有するトンネル酸化物層114が形成される。
さらに引き続き750℃で保持する間に、トンネル酸化物層114中のn型ドーパントが単結晶シリコン基板120に低濃度で拡散され、ドーピング層116が形成される。
ここで、本実施の形態2では、熱処理中に750℃で保持することで、ドーピング層116の厚さが結晶系薄膜シリコン層115の厚さよりも大きくなっている。このような構成は上記で説明した熱処理を経ることで形成することができるが、上記で説明した熱処理以外の方法を用いてもよい。ここでドーピング層116の厚さが結晶系薄膜シリコン層115の厚さよりも大きいことの意義は、裏面電極の関係とともに後述する。
<ステップS16〜S17>
次に、ステップS16にて、図3に示されるステップS6と同様の工程を行うことにより、図8に例示される構造と同様の構造が得られる。そして、ステップS17にて、図3に示されるステップS7と同様の工程を行うことにより、図9に例示される構造と同様の構造が得られる。
<ステップS18>
次に、図15に例示されるように、単結晶シリコン基板120の裏面120B側の結晶系薄膜シリコン層115の下面に、保護膜117を形成する。保護膜117の材料は、例えば窒化シリコン、酸化シリコン、窒酸化シリコン、非晶質シリコン、微結晶シリコン、または、ケイ化物などである。ここで保護膜117は、結晶系薄膜シリコン層115よりも硬度が高いことが望ましい。これは次の工程で行われる、保護膜117上に裏面電極の材料をスクリーン印刷する工程を行う際に、スクリーン版との接触または摩擦などによる物理ダメージから結晶系薄膜シリコン層115を保護するためである。
なお、保護膜117中に十分な水素が含まれていると、電極焼成時に当該水素が脱離する。そして、結晶系薄膜シリコン層115中のダングリングボンド、及び、トンネル酸化物層114とドーピング層116との界面のダングリングボンドが、保護膜117中から脱離した水素によって終端される。この結果、結晶系薄膜シリコン層115のパッシベーション効果、及び、トンネル酸化物層114のパッシベーション効果が向上する。このため、保護膜117中の水素濃度は、結晶系薄膜シリコン層115中の水素濃度よりも高いことが望ましい。
<ステップS19>
次に図16に例示されるように、単結晶シリコン基板120の受光面120A側の反射防止膜109の上面に、受光面電極110の材料を形成する。また保護膜117の下面に、裏面電極111の材料を形成する。例えば、金属粒子及びガラス粒子を含むペーストをスクリーン印刷法などの塗布法によって、反射防止膜109の上面、及び、保護膜117の下面のそれぞれに塗布する。そして、例えば200℃の乾燥オーブン中で10分程度乾燥した後、800℃程度の高温で熱処理し、焼成することで、図13に例示される受光面電極110、裏面電極111及び太陽電池が形成される。
本実施の形態2では、裏面電極111は、保護膜117を貫通して結晶系薄膜シリコン層115に接続されている。保護膜117の貫通は、裏面電極111のファイアスルー効果が適用されている。すなわち裏面電極111中に含まれるガラス粒子が、電極焼成中に保護膜117を部分的にエッチングして貫通し、裏面電極111が結晶系薄膜シリコン層115に接続する効果が適用されている。同様に、裏面電極111中に含まれるガラス粒子が、電極焼成中に結晶系薄膜シリコン層115及びトンネル酸化物層114も部分的にエッチングして貫通し、裏面電極111がドーピング層116に接続する。
<実施の形態2のまとめ>
まず、ドーピング層116の厚さが結晶系薄膜シリコン層115の厚さよりも大きいことの意義について説明する。上記のファイアスルー効果では、ガラス粒子によるエッチングの深さはばらつきを含んでいるのが一般的である。このばらつきのため、本来であれば、裏面電極111には、結晶系薄膜シリコン層115に到達する部分、トンネル酸化物層104に到達する部分、ドーピング層116に到達する部分、及び、半導体層100に到達する部分が混在している。もし、裏面電極111が半導体層100に到達する部分を有すると、裏面電極111と半導体層100との界面において非常に多くの欠陥順位形成がされ、半導体層100内で生成された少数キャリアが欠陥順位で消滅して、開放電圧Vocが低下してしまう。
そこで本実施の形態2では、ドーピング層116の厚さが結晶系薄膜シリコン層115よりも大きくしている。このような構成によれば、ガラス粒子によるエッチングの先端部分が、ドーピング層116内になるように調節することが可能となる。これにより、裏面電極111が半導体層100に到達してしまうことを抑制することができるので、開放電圧Vocの低下を抑制することができる。
なお、ドーピング層116に裏面電極111が接続される部分でも界面に欠陥順位が形成される。しかしながら、ドーピング層116内部にはドーパントによる内部電界が形成されており、半導体層100内部で生成された少数キャリアはこの内部電界から反発力を受けることで界面の欠陥順位には近づかない。したがって少数キャリアの消滅は少ないことから、開放電圧Vocの低下は低減される。
図17は、関連太陽電池の開放電圧Vocと、本実施の形態2に係る太陽電池の開放電圧Vocとを比較した結果を示す図である。本実施の形態2の太陽電池によれば、保護膜117の保護効果、及び、界面での少数キャリア消滅の抑制効果が得られるので、関連太陽電池よりも開放電圧Vocを例えば7mV程度高くすることができた。
また本実施の形態2によれば、裏面電極111は、保護膜117,結晶系薄膜シリコン層115及びトンネル酸化物層114に設けられた貫通孔を介してドーピング層116に接続されている。これにより、安定して接触抵抗を下げることができるので、FF及び曲線因子を高めることができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての態様において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
100 半導体層、111 裏面電極、114 トンネル酸化物層、115 結晶系薄膜シリコン層、116 ドーピング層、117 保護膜、120 単結晶シリコン基板。

Claims (7)

  1. 半導体層と、
    第1不純物層と、
    前記半導体層と前記第1不純物層との間に配設された、酸素を含むトンネル層と、
    前記半導体層と前記トンネル層との間に配設された第2不純物層と、
    前記第1不純物層に接続された電極と
    を備え、
    前記トンネル層及び前記第1不純物層は、前記第2不純物層の不純物と同じ不純物を含み、
    前記トンネル層の不純物の濃度は、前記第1不純物層及び前記第2不純物層のそれぞれの不純物の濃度よりも高い、太陽電池。
  2. 請求項1に記載の太陽電池であって、
    前記第2不純物層の不純物の濃度は、前記第1不純物層の不純物の濃度よりも低い、太陽電池。
  3. 請求項1または請求項2に記載の太陽電池であって、
    前記電極はガラス粒子を含む、太陽電池。
  4. 請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の太陽電池であって、
    前記電極は、前記第1不純物層及び前記トンネル層に設けられた貫通孔を介して前記第2不純物層に接続されている、太陽電池。
  5. 請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の太陽電池であって、
    前記第2不純物層の厚さは、前記第1不純物層の厚さよりも大きい、太陽電池。
  6. 請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の太陽電池であって、
    前記第1不純物層の前記半導体層と逆側の面に配設された誘電体膜をさらに備える、太陽電池。
  7. 請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法であって、
    半導体基板に前記トンネル層を隣接させて形成し、前記トンネル層の不純物を前記半導体基板に熱拡散することによって、前記半導体基板のうち前記トンネル層に隣接する部分に前記第2不純物層を形成し、それ以外の部分に前記半導体層を形成する、太陽電池の製造方法。
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