JP5338702B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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本発明は、太陽電池の製造方法及び太陽電池に関し、さらに詳述すると、リン等の不純物を基板表面に熱拡散させて不純物拡散層を形成して太陽電池を製造する熱処理工程において、不純物拡散層を形成するための高温熱処理後、さらに低温熱処理を行うことで、基板中に存在する金属不純物を、n型拡散層、PSG(Phospho Silicate Glass、リン珪酸塩)層等のデバイス不活性な領域内にゲッタリング(捕獲)し、基板の少数キャリアライフタイムを向上させることができる太陽電池の製造方法に関する。
現在、民生用の太陽電池を製造するにあたって、太陽電池の高効率化及び製造コストの低減が重要課題となっている。一般的には、以下のような工程で太陽電池を製造する方法が広く採用されている。その詳細は例えば次の通りである。
まず、図1に示すように、チョクラルスキー(CZ)法により作製した単結晶シリコンインゴットやキャスト法により作製した多結晶シリコンインゴットをマルチワイヤー法でスライスすることにより得られたp型シリコン基板1を用意する。次に、アルカリ溶液で基板表面のスライスによるダメージを取り除いた後、最大高さ10μm程度の微細凹凸(テクスチャ)を受光面及び裏面の両面に形成する。続いて、種々の方法により基板にPSG層を形成して、ドーパントを熱拡散させてn型拡散層2を形成する。さらに受光面にはTiO2又はSiNを、例えば70nm程度の膜厚で堆積させて、反射防止膜3を形成する。次に、アルミニウムを主成分とする裏面電極用ペーストを、裏面外周部を除く裏面全面にわたり印刷し、焼成することにより裏面電極4を形成すると同時に、p+高濃度層であるBack Surface Field(BSF)層5を形成し、銀ペーストにより電極6を形成する。一方、受光面電極7は、銀を主成分とする受光面電極用ペーストを、例えば幅100〜200μm程度の櫛形状に印刷、焼成することにより形成する。
このような手法は、デバイスを構成する上で必要最小限の工程数となっているにもかかわらず、エネルギー変換効率等の太陽電池の特性を高める様々な効果が付随している点で優れた手法である。例えば、基板に拡散層を形成する際のドーパントの熱処理工程では、その後の低温熱処理におけるゲッタリング作用により、少数キャリアのバルクライフタイムを改善する働きがある。また、裏面電極を形成する際、裏面に印刷したアルミニウムの焼成は、電極を形成すると同時に裏面に電界層(BSF)効果のあるp+高濃度層を形成することができる。さらに、反射防止膜は、光学的効果(反射率低減)とともに、シリコン表面近傍で発生する少数キャリアの再結合速度を低減する働きがある。
このような必要最小限の工程数とこれによって得られるいくつかの有用な効果により、民生用太陽電池は以前より高効率化及び低コスト化が図られている。
少数キャリアのバルクライフタイムを改善する熱処理方法については、特開2005−116906号公報や、特開2005−129714号公報(特許文献1,2)に提案されている。特許文献1には、p型シリコン基板の裏面にボロンを熱拡散させた後、表面にリンを熱拡散させ、次いでアニール処理する方法が提案されており、特許文献2には、シリコン基板表面にリンを熱拡散させてPSG層及びリン拡散層を形成した後、酸処理してPSG層を除去し、熱処理する方法が提案されている。しかしながら、これらの熱処理方法は、金属不純物を効果的にゲッタリングするには十分ではない。
さらに、特許文献2では、リンの熱拡散とその後の熱処理の2つの熱処理の間に酸処理によるPSG層除去工程が含まれており、それに伴う基板の移載作業が煩雑である。また、一般的には、pn接合形成及びゲッタリング処理を行う二段階の熱処理工程は、同一炉内で連続して行うものであるが、石英管及びヒータへの負担低減の観点から熱処理炉の降温レートに限界があり、熱処理にかかる時間が長くなってしまう問題があった。そのため、基板1枚当たりに要する処理時間が長くなり、装置数増大によるコスト増に繋がっていた。
特開2005−116906号公報 特開2005−129714号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、少数キャリアバルクライフタイムの高い、高効率な太陽電池を安価に製造できる太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、シリコン基板を、この基板とは異なる導電型の不純物存在下で高温熱処理して不純物拡散層を形成した後、この不純物拡散層に電気的に接続する電極を形成して太陽電池を製造するに際し、上記高温熱処理して不純物拡散層を形成した後、この高温熱処理温度よりも低い温度で、好ましくは高温熱処理炉とは異なる熱処理炉を用いて低温熱処理を行うことで、基板中に存在する鉄や亜鉛等の金属不純物をn型拡散層、PSG(リン珪酸塩)層等のデバイス不活性な領域内にゲッタリング(捕獲)して、少数キャリアバルクライフタイムの高い基板を作製することができ、高効率な太陽電池を安価に製造できることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の太陽電池の製造方法を提供する。
請求項1:
シリコン基板を、これとは異なる導電型の不純物存在下で熱処理炉内に直接入れて高温熱処理して該基板表面に上記不純物を拡散した不純物拡散層を形成した後、該基板を上記炉内から直接取り出すことを行い、上記不純物拡散層に電気的に接続する電極を形成する工程を含む太陽電池の製造方法であって、上記高温熱処理を800〜1050℃で行い、この高温熱処理後、該高温熱処理の熱処理炉とは別の熱処理炉内に上記基板を直接入れて上記高温熱処理温度より低い処理温度である600〜800℃で処理時間15〜75分間の低温熱処理した後、該基板を上記炉内から直接取り出す低温熱処理工程を有し、このときの上記基板を上記それぞれの熱処理炉内に入れる際及び取り出す際に熱処理炉内を処理温度の±50℃以内の温度に保持することを特徴とする太陽電池の製造方法。
請求項2:
上記高温熱処理のプロセスガスを不活性ガスとし、低温熱処理のプロセスガスを酸素ガスとする請求項1記載の太陽電池の製造方法。
本発明によれば、基板の少数キャリアバルクライフタイムを向上させることができ、変換効率の高い太陽電池を作製することができる。また、温度の異なる二段階の高温及び低温熱処理を別々の熱処理炉で連続して行うことで、長大な炉内降温時間を省略することができるため、熱処理工程全体の処理時間が短縮でき、大幅なコスト削減に繋がる。
一般的な太陽電池の構造の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る太陽電池の製造方法の一例を示す説明図である。 本発明に係る太陽電池の製造工程の一例を示す概略断面図である。(a)は基板、(b)は不純物拡散層を形成した状態、(c)は接合分離した状態、(d)は表面保護膜(反射防止膜)を形成した状態、(e)は表面及び裏面電極を形成した状態、(f)はBSF層を形成した状態をそれぞれ示す。 ゲッタリング効果の温度依存性を表すグラフである。 ゲッタリング効果の時間依存性を表すグラフである。
以下、本発明に係る太陽電池の製造方法の一実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。下記実施形態は例示であり、本発明の技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、如何なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の太陽電池の製造方法は、シリコン基板を、これとは異なる導電型の不純物存在下で高温熱処理して該基板表面(受光面)に上記不純物を拡散した不純物拡散層を形成した後、この不純物拡散層に電気的に接続する電極を形成する工程を含む太陽電池の製造方法であって、上記高温熱処理後、上記高温熱処理温度より低い温度で上記基板を低温熱処理することを特徴とする。
本発明の太陽電池は、例えば図2に示す工程に従って製造することができる。また、図3には、図2の工程によって製造される太陽電池の各工程における断面の構造を示す。まず、図3(a)に示すように、ボロン(B)、ガリウム(Ga)等のIII族元素をドープしたp型単結晶シリコン基板1を用意する(図3(a))。このシリコン単結晶基板は、チョクラルスキー(CZ)法及びフロートゾーン(FZ)法のいずれの方法によって作製されていても構わない。基板の比抵抗は、例えば0.1〜20Ω・cmが好ましく、特に0.5〜2.0Ω・cmであることが高い性能の太陽電池を製造する上で好適である。なお、シリコン基板としては、リン(P)、ヒ素(As)等のV族元素をドープしたn型単結晶シリコン基板を用いてもよく、p型又はn型多結晶シリコン基板でもよい。
次に、基板1を水酸化ナトリウム水溶液に浸し、ダメージ層をエッチングで取り除く。この基板のダメージ除去は、水酸化カリウム等強アルカリ水溶液を用いても構わない。また、フッ酸と硝酸の混酸であるフッ硝酸等の水溶液でも同様の目的を達成することが可能である。
ダメージエッチングを行った基板1にランダムテクスチャを形成する。太陽電池は、通常、表面に凹凸形状を形成するのが好ましい。その理由は、可視光域の反射率を低減させるために、できる限り2回以上の反射を受光面で行わせる必要があるためである。これらランダムテクスチャの一つ一つの山のサイズは1〜20μm程度でよい。代表的な表面凹凸構造としてはV溝、U溝が挙げられる。これらは研削機を利用して形成可能である。また、ランダムな凹凸構造を作るには、水酸化ナトリウムにイソプロピルアルコールを加えた水溶液に浸したウェットエッチングを用いる方法や、他には、酸エッチングや、リアクティブ・イオン・エッチング等を用いることができる。なお、図1及び図3では両面に形成したテクスチャ構造は微細なため省略している。
次に、基板と異なる導電型の不純物を用いて基板表面に不純物拡散層を形成する。例えば、p型シリコン基板を用いる場合、不純物としてリン等を用い、不純物拡散層としてリン拡散層(n型拡散層)2を高温熱処理により形成する(図3(b))。このリン拡散層を形成するためのリンドーパントの供給源となるPSG層の形成には、熱処理炉内においてPOCl3等のガスを使用する気相拡散法や、熱処理前に基板表面にリン酸等を含む塗布剤を予め塗布してから熱処理を行う塗布拡散法などを使用することができる。
高温熱処理は、800〜1050℃、特に800℃超1050℃以下で10〜60分間行うことが好ましいが、より好ましくは850〜1000℃の温度で20〜50分である。これにより、PSG層を形成することができ、リンドーパントが拡散して基板表面に適度な濃度のリン拡散層を形成することが可能となる。
この高温熱処理の後に低温熱処理を行う。低温熱処理は600〜800℃で行うことが好ましい。この温度範囲から外れると、ゲッタリング効果が大幅に低下する場合がある。より好ましくは600℃超800℃未満であり、さらに好ましくは650〜750℃の温度である。低温熱処理することで、拡散現象により基板内の鉄や亜鉛等の金属不純物がn型拡散層、PSG層等にゲッタリングにより捕獲され、少数キャリアのバルクライフタイムを向上させることができる。上記の低温熱処理におけるリン拡散層の熱処理温度に依存したゲッタリング現象は、低温熱処理温度が低すぎると金属不純物の拡散が進行しないため、ゲッタリング効果が小さい場合があり、高すぎると拡散に必要な熱量が必要以上に与えられるため、一度ゲッタリングした金属不純物が再拡散してバルクライフタイムを低下させる場合がある。
また、低温熱処理は15〜75分間、特に20〜75分間行うことが好ましく、より好ましくは30〜60分間である。バルクライフタイムを低下させる金属不純物が効果的にゲッタリングされれば、短時間の処理で十分となり、逆に上述したゲッタリング効果の高い温度から外れれば、バルクライフタイムを向上させるのに時間がかかる。
本発明における高温と低温の二段階の熱処理におけるプロセスガスは特に限定はされないが、一般的には窒素やアルゴンなどの不活性ガスや、酸素などの酸化性ガスが用いられる。ただし、高温熱処理時に酸素ガス雰囲気が強くなると、シリコンと反応して熱酸化膜が成長するため拡散濃度が変化するおそれがある。高温熱処理における窒素ガス供給量は20〜60slm程度が好ましく、窒素以外にアルゴン等のガスを用いた雰囲気にしてもよい。また、低温熱処理における酸素ガス供給量は3〜10slm程度が好ましい。
また、リン等の不純物拡散層を形成する高温熱処理と、その後の低温熱処理の二段階の熱処理を異なる炉で行い、それぞれ温度一定の条件で基板を直接入れて取り出しを行うことで、通常は同一炉内処理で必要となる長大な降温時間を省略することが可能となり、熱処理工程の大幅な時間短縮が可能となり、基板の搬送時間及び熱処理時間を合わせて65分以上、特に90〜135分間の処理時間とすることができる。特に、基板を炉に出し入れする際、高温熱処理と低温熱処理で、熱処理炉内の温度をそれぞれの処理温度の±50℃以内、好ましくは±30℃以内の温度に保持した状態で、炉内に基板を直接入れて熱処理し、処理後基板を直接取り出すことが好ましい。所定温度で基板を炉内に直接入れて直接取り出すことで、長大な炉内降温時間を省略することが可能となる。基板を炉内に入れる際及び取り出す際の温度が上記範囲を外れると目標とする拡散濃度やバルクライフタイムが得られなくなる場合がある。
ここで、リン等の不純物拡散層を形成する高温熱処理と低温熱処理は処理温度が異なるため、不純物拡散層の濃度と深さで決定されるシート抵抗は高温熱処理条件に依存する。この不純物拡散層のシート抵抗は、電極とのオーミックコンタクトを得る目的で、面内均一な拡散層であるシングルエミッタ構造では、40〜50Ω/□とすることが好ましい。また、リンドーパントの表面濃度は、一般的にSIMS(二次イオン質量分析法)で測定することが可能であり、電極とのオーミックコンタクトを得るために、表面リンドーパント濃度が1.0×1019cm-3以上、特に1.0×1019〜1.0×1020cm-3であることが好ましい。
上記のように、基板表面全体に一定濃度のリン等の不純物拡散層を形成したシングルエミッタ構造とは異なる不純物拡散層の形成手法として、受光面電極直下のみを高濃度拡散層にして、それ以外の受光面領域はこれより不純物濃度の低い低濃度拡散層とするセレクティブエミッタ構造とすることも可能である。このようなセレクティブエミッタ構造により、オーミックコンタクトを得ながら、電極以外の受光面の表面再結合及びエミッタ内の再結合を抑制することにより、光電変換効率を向上させることができる。
熱処理後、プラズマエッチング装置を用い、接合分離を行う(図3(c))。このプロセスでは、プラズマやラジカルが受光面や裏面に侵入しないよう、サンプルをスタックし、その状態で端面(側面)を数μm削る。これにより、太陽電池にした場合の漏れ電流を防ぐことができる。
引き続き、表面に形成されたPSG層を5〜25質量%のフッ酸でエッチングした後、ダイレクトプラズマCVD装置等を用い、エミッタ層上に表面保護膜である窒化珪素膜3を堆積する(図3(d))。この膜厚は、反射防止膜も兼ねさせるため70〜100nmが適している。他の反射防止膜として酸化珪素膜、二酸化チタン膜、酸化亜鉛膜、酸化スズ膜等があり、代替が可能である。また、形成法も上記以外にリモートプラズマCVD法、コーティング法、真空蒸着法等があるが、経済的な観点から、窒化珪素膜をダイレクトプラズマCVD法によって形成するのが好ましい。
さらに、上記反射防止膜上にトータルの反射率が最も小さくなるような条件、例えば二フッ化マグネシウム膜といった屈折率が1〜2の間の膜を形成すれば、反射率がさらに低減し、生成電流密度は高くなる。
次に、スクリーン印刷装置等を用い、裏面に、例えば銀ペースト6やアルミニウムペースト4を塗布し、乾燥させる(図3(e))。さらに表面側もスクリーン印刷装置等を用い、櫛形電極パターン印刷版等を用いて銀電極7を印刷し、乾燥させる。
その後、最高温度700〜800℃で1分間以下の焼成を行うRapid Thermal Processing(RTP;高速熱処理)焼成を行い、裏面電極及び表面櫛形電極を形成する。この焼成工程により、電極ペースト中のガラスフリットがシリコンの自然酸化膜及びシリコン窒化膜をファイアスルーして、電極と拡散層との電気的な導通が達成される。また、裏面にアルミニウム電極を形成すると同時に、p+高濃度層であるBSF層5が形成され、電界効果によって裏面アルミニウム電極近傍のシリコン表面において少数キャリアの追い返しが起こり、その結果、基板の少数キャリアバルクライフタイムが向上する(図3(f))。なお、これら電極形成は、真空蒸着法、スパッタリング法等、上記印刷法だけによらなくとも可能である。
以上の工程により、図1に示すような太陽電池を簡単な手法で製造することができる。
なお、本発明の太陽電池の製造方法の一実施形態としてp型ボロンドープ基板を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばp型ガリウムドープ基板やn型リンドープシリコン基板を使用してもよく、さらにリン拡散層に加えてリン拡散層を形成した領域とは異なる領域にボロン拡散層を形成したようなシリコン基板を使用してもよい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
結晶面方位(100)、15.65cm角200μm厚、アズスライス比抵抗2Ω・cm(ドーパント濃度7.2×1015cm-3)ボロンドープp型単結晶シリコン基板を用意した。
続いて、n型拡散層を形成するためにリンドーパント源となるリン酸を含むリン塗布液(濃度2質量%)を受光面側にスピン塗布して200℃で10分間乾燥させた。
次に、リン拡散層を形成する高温熱処理工程と、その後の低温熱処理工程の二段階の熱処理工程を異なる熱処理炉で行った。まず、高温熱処理炉において、920℃に保持した炉にリンを塗布した基板を投入して、30分の熱処理を行った後、基板を取り出した。基板の投入時及び取り出し時の炉内温度は920℃であった。この高温熱処理における条件は、流量が20slmの窒素雰囲気下で、表面シート抵抗が約45Ω/□になるように熱処理温度、熱処理時間及びリン塗布液の濃度を調整した。
次に、高温熱処理した基板を、異なる熱処理炉を用いて低温熱処理を行った。その低温熱処理温度は450、500、550、600、650、700、750、800及び850℃でそれぞれ30分間熱処理を行った。また、プロセスガスは酸素ガスを使用し、その流量は5slmであった。基板の投入時及び取り出し時の炉内温度はそれぞれ上記熱処理温度と同じ温度であった。
なお、1つの熱処理において、基板の搬送時間は、炉に入れる時間と出す時間を合計して15分かかるため、本実施例の異なる熱処理炉で二段階の熱処理を行うと合計30分の搬送時間を要する。
次いで、一般的なCF4ガス及び酸素ガスを用いたプラズマエッチング装置を用いて端面のリン拡散層をエッチングし、受光面と裏面側とのpn接合分離を行った。
その後、基板表面のPSG層を25質量%のフッ酸水溶液で除去し、洗浄を行った。
続いて、ダイレクトプラズマCVD装置を用いてモノシラン(SiH4)とアンモニア(NH3)の混合ガスにより、シリコン窒化膜を受光面全体に膜厚80nm形成し、反射防止膜とした。
最後に、受光面側に銀ペースト、裏面側にアルミニウムペーストと銀ペーストを電極印刷し、200℃で10分乾燥後、最高温度が750℃で1分以下のRTP焼成を行い、受光面電極及び裏面電極を形成し、太陽電池を作製した。
[比較例1]
920℃で30分間高温熱処理した基板を低温熱処理しない以外は実施例1と同様に処理して太陽電池を作製した。
参考例2]
920℃で30分間高温熱処理した基板に、550℃で15、45、60及び75分間の低温熱処理をそれぞれ施した以外は実施例1と同様に処理して太陽電池を作製した。
[実施例3]
低温熱処理温度700℃で処理した以外は実施例2と同様に処理して太陽電池を作製した。
参考例4]
低温熱処理温度850℃で処理した以外は実施例2と同様に処理して太陽電池を作製した。
[参考例1]
同一の熱処理炉を用いて降温工程を含む二段階の熱処理を行った以外は実施例1と同様に処理して太陽電池を作製した。熱処理は、具体的には920℃に保持した炉にリン塗布剤を塗布した基板を投入し、流量20slmの窒素雰囲気下、920℃で30分間保持し、その後、流量5slmの酸素ガス雰囲気に切り替え、降温レート3℃/分で700℃まで降温し、最後に700℃で30分保持して、炉から基板を取り出した。
特性評価
実施例1、3、比較例1及び参考例1、2、4における熱処理条件と、基板の少数キャリアバルクライフタイムの結果を表1に示す。なお、基板の少数キャリアバルクライフタイムの測定方法は、一般的なcp法を利用した。具体的には、熱処理工程後の基板を25質量%HF水溶液に浸して表面のPSG層を除去し、さらにKOH溶液などのアルカリエッチング溶液に浸して表面拡散層除去後、ヨウ素−メタノール溶液による表面ケミカルパッシベーション処理により、基板の少数キャリアのバルクライフタイムをSemilab社製WT−2000装置により測定した。
実施例1、3、比較例1及び参考例1、2、4で得られた太陽電池を、25℃の雰囲気の中、ソーラーシミュレータ(光強度:1kW/m2,スペクトル:AM1.5グローバル)の下で電流電圧特性を測定した。結果を表2に示す。また、バルクライフタイムとの相関を見るために各条件のバルクライフタイムデータも併せて示した。なお、表中の太陽電池特性の数値は、それぞれ上記実施例、比較例及び参考例で作製したセル10枚の平均値である。
Figure 0005338702
Figure 0005338702
表1及び表2の結果より、熱処理工程後に測定したバルクライフタイムの値とその条件の太陽電池は変換効率において正の相関があることが分かる。
図4に低温熱処理温度とバルクライフタイムの関係を、図5に低温熱処理時間とバルクライフタイムの関係を示した。それぞれの図には、比較例1及び参考例1のバルクライフタイム値を参考として入れた(比較例1の低温熱処理条件は0℃、0分とした。)。
図4において、ゲッタリング効果の高い熱処理温度が650〜750℃であることが分かる。また図5において、低温熱処理温度が低い場合(<600℃)、あるいは高い場合(800℃<)でもバルクライフタイムが飽和するのに時間がかかり、中間の700℃条件では、30分でバルクライフタイム及びセル特性が飽和しており、参考例1と比べても同等以上のバルクライフタイム値が得られている。
この熱処理温度に依存したゲッタリング現象は、600℃より低いと金属不純物の基板中の拡散が進行しないため、ゲッタリング効果が小さく、800℃より高いと拡散に必要な熱量が十分に与えられるため、一度ゲッタリングした金属不純物が再度デバイス活性領域に拡散してバルクライフタイムを低下させているためである。
本発明により、高効率な太陽電池を作製するために必要な高いバルクライフタイムを有する基板を短時間の熱処理工程で作製することが可能となった。
1 (p型)シリコン基板
2 n型拡散層
3 表面保護膜(反射防止膜)
4 裏面電極
5 BSF層
6 裏面電極
7 表面電極
10 太陽電池

Claims (2)

  1. シリコン基板を、これとは異なる導電型の不純物存在下で熱処理炉内に直接入れて高温熱処理して該基板表面に上記不純物を拡散した不純物拡散層を形成した後、該基板を上記炉内から直接取り出すことを行い、上記不純物拡散層に電気的に接続する電極を形成する工程を含む太陽電池の製造方法であって、上記高温熱処理を800〜1050℃で行い、この高温熱処理後、該高温熱処理の熱処理炉とは別の熱処理炉内に上記基板を直接入れて上記高温熱処理温度より低い処理温度である600〜800℃で処理時間15〜75分間の低温熱処理した後、該基板を上記炉内から直接取り出す低温熱処理工程を有し、このときの上記基板を上記それぞれの熱処理炉内に入れる際及び取り出す際に熱処理炉内を処理温度の±50℃以内の温度に保持することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 上記高温熱処理のプロセスガスを不活性ガスとし、低温熱処理のプロセスガスを酸素ガスとする請求項1記載の太陽電池の製造方法。
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