JP6537722B2 - 光起電力素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光起電力素子およびその製造方法に関するものである。
典型的な光起電力素子として、結晶系のシリコン太陽電池がある。結晶系シリコン太陽電池は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンを用いたものであり、特に単結晶基板を用いたものは、高い変換効率を有している。結晶系シリコン太陽電池において、その開放電圧の向上のために、パッシベーション技術が広く適用されている。具体的には、基板表面に非常に薄い酸化膜が形成され、その上にシリコンドープ層が形成される。この薄い酸化膜は、トンネル酸化物層として機能する。トンネル酸化物層が形成するバンド障壁と、ドープ層による電界効果とによって、少数キャリアが追い返される。これにより少数キャリアの再結合が抑制される。パッシベーション技術により、700mVを超える高い開放電圧を得ることができる。一方で、多数キャリアの輸送はトンネル効果によってスムーズに行われ得るため、トンネル酸化物層に起因した直列抵抗の増大は避けることができる。以上から、パッシベーション技術により、高い開放電圧と曲線因子とを両立することが可能である。
下記の非特許文献1の方法では、n型シリコン基板の裏面にトンネル酸化物層/リンドープシリコン層が形成された後、600℃超1000℃未満で熱処理が行われる。その後、リンドープシリコン層上に直接、裏面電極が全面に形成される。電極を形成する方法として、Ti/Pd/Agのシード層を熱蒸着した後、Agめっきが行われる。
下記の特許文献1の方法では、トンネル酸化物層/半導体層上に、透明導電膜と、この透明導電膜上のくし型電極とが設けられる。透明導電膜は、ドープ層を電極形成ダメージから保護する保護膜としての機能を有している。また、透明導電膜は導電性有するため、保護膜として絶縁層が用いられる場合とは異なり、電極と半導体層とのコンタクトを設けるために開口を設ける必要がないという利点がある。
下記の特許文献2の方法では、薄膜半導体層と絶縁膜とが交互に低温で形成される。その上にドープ層およびパッシベーション膜が形成される。その後に電極が、例えば、スクリーン印刷法により形成される。具体的には、銀ペーストを用いたスクリーン印刷と、印刷された銀ペーストの焼成とが行われる。
特開2012−60080号公報 特表2015−526894号公報
上記非特許文献1の方法では、トンネル酸化物層とともにトンネル接合を構成するドープ層上に、光電流収集のための電極が、蒸着法およびめっき法を用いて形成される。しかし、量産時の生産性を考慮すると、電極は、特許文献2の方法のように、銀ペーストを用いた印刷法を用いて形成されることが好ましい。印刷法によれば、高温焼成プロセスが行われることで、信頼性の高いコンタクト性と、低い抵抗とを有する電極を形成することができる。一方で印刷法によると、焼成プロセスに起因した熱ダメージまたは銀の浸食などにより、トンネル接合層の特性劣化が生じ得る。焼成による特性劣化は、トンネル接合層側に焼成電極を用いる場合のみならず、トンネル接合層とは反対側の面にのみ焼成電極が用いられる場合においても生じ得る。すなわち、焼成時の高温過程によってトンネル酸化物層/ドープ層の構造の劣化が生じ得る。焼成プロセスを用いてドープ層上に電極が直接に形成される場合、特性劣化は、ファイアースルーによって電極が100nm以下のドープ層を突き破って基板を浸食することにより生じる。これを防ぐためには、焼成温度を低くし、さらには、低温焼結可能な銀ペーストを用いるという方法が考えられる。しかしながらこの方法は、電気抵抗の増大と電気的コンタクト性の悪化とを招く。また、電極印刷時の摩擦などによる物理ダメージがドープ層を傷付けることも問題である。単純にドープ層を厚くする方法では、ドープ層中での再結合の影響が基板界面に到達することを抑制することができず、急激な特性の劣化につながり得る。
上記特許文献1の方法では、ドープ層と電極との間に透明導電膜が設けられる。これにより、焼成電極が基板へ浸食したり、印刷時に物理ダメージが生じたりすることが抑制されると考えられる。しかしながら、透明導電膜は高いキャリア濃度を有しており、よって光を吸収しやすい。よって電流ロスが増加する。また透明導電膜は耐熱性に乏しいため、焼成時に電気特性または構造が劣化しやすい。このためプロセス温度が制限される。よって、簡易で量産性および信頼性の高いプロセスを選択することが必ずしもできないことがある。
特許文献2の方法では、薄膜半導体層と絶縁膜とを交互に成膜する工程が低温で行われる。このため、薄膜半導体層中のドーパントの活性化率が低く、よってその電界効果が弱い。よって、得られるパッシベーション効果も弱くなる。さらに、成膜が低温で行われることから、多くの水素が含有されたり、または、大きな歪が内包されたりする。このため、電極の焼成のために800℃程度の熱処理が行われると、層間に挟まれた水素の脱離、または、歪の開放により、膜はがれが起きやすい。膜はがれは、高いパッシベーション効果を得るための構造を乱し得る。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、高いパッシベーション効果を、より確実に得ることができる光起電力素子およびその製造方法を提供することである。
本発明の光起電力素子は、半導体基板と、積層構造と、保護膜とを有している。半導体基板は、第1の導電型、および第1の導電型と反対の第2の導電型のいずれかを有している。積層構造は、半導体基板上に交互に設けられた複数のトンネル酸化物層および複数の結晶系薄膜半導体層を有している。保護膜は、積層構造上に設けられており、誘電体から作られている。複数のトンネル酸化物層は、半導体基板上に順に配置された第1から第nのトンネル酸化物層からなる。第1のトンネル酸化物層は、半導体基板に当接しており、かつ半導体基板の少数キャリアに対して障壁を有している。複数の結晶系薄膜半導体層の各々は第1の導電型を有している。複数の結晶系薄膜半導体層は、半導体基板上に順に配置された第1から第nの結晶系薄膜半導体層からなる。複数の結晶系薄膜半導体層の各々は、50%以上の厚さ範囲において1原子%以下の平均水素含有量を有しており、かつ、50%以上の結晶化率を有している。
本発明の一の局面に従う光起電力素子の製造方法は、以下の工程を有している。第1の導電型および第1の導電型と反対の第2の導電型のいずれかを有する半導体基板上に交互に配置される複数のトンネル酸化物層および複数の結晶系薄膜半導体層を有する積層構造が形成される。積層構造上に、誘電体から作られた保護膜が形成される。複数のトンネル酸化物層は、半導体基板上に順に配置された第1から第nのトンネル酸化物層からなる。第1のトンネル酸化物層は、半導体基板に当接しており、かつ半導体基板の少数キャリアに対して障壁を有している。複数の結晶系薄膜半導体層の各々は第1の導電型を有している。複数の結晶系薄膜半導体層は、半導体基板上に順に配置された第1から第nの結晶系薄膜半導体層からなる。第1から第nの結晶系薄膜半導体層のそれぞれは第1から第nの不純物濃度を有している。第1から第nの不純物濃度のうち第1の不純物濃度は他のいずれの不純物濃度よりも低い。積層構造を形成する工程は、第1から第nの結晶系薄膜半導体層を順に形成する工程を含み、第1から第nの結晶系薄膜半導体層のそれぞれを形成する工程のうち、第2から第nの結晶系薄膜半導体層を形成する工程の各々で用いられる温度は、第1の結晶系薄膜半導体層を形成する工程で用いられる温度よりも低い。
本発明の他の局面に従う光起電力素子の製造方法は、以下の工程を有している。第1の導電型および第1の導電型と反対の第2の導電型のいずれかを有する半導体基板上に交互に配置される複数のトンネル酸化物層および複数の結晶系薄膜半導体層を有する積層構造が形成される。積層構造上に、誘電体から作られた保護膜が形成される。複数のトンネル酸化物層は、半導体基板上に順に配置された第1から第nのトンネル酸化物層からなる。第1のトンネル酸化物層は、半導体基板に当接しており、かつ半導体基板の少数キャリアに対して障壁を有している。複数の結晶系薄膜半導体層の各々は第1の導電型を有している。複数の結晶系薄膜半導体層は、半導体基板上に順に配置された第1から第nの結晶系薄膜半導体層からなる。第1から第nの結晶系薄膜半導体層のそれぞれは第1から第nの不純物濃度を有している。第1から第nの不純物濃度のうち第k(n≧k≧2)の不純物濃度の各々は第k−1の不純物濃度よりも高い。積層構造を形成する工程は、第1から第nの結晶系薄膜半導体層を順に形成する工程を含む。第1から第nの結晶系薄膜半導体層のそれぞれを形成する工程のうち、第k(n≧k≧2)の結晶系薄膜半導体層を形成する工程の各々で用いられる温度は、第k−1の結晶系薄膜半導体層を形成する工程で用いられる温度よりも低い。
本発明の光起電力素子によれば、第1に、結晶系薄膜半導体層の各々は、50%以上の厚さ範囲において1原子%以下の平均水素含有量を有している。これにより、光起電力素子の製造における熱処理工程および焼成工程において、水素の脱離に起因した膜はがれを抑制することができる。第2に、結晶系薄膜半導体層の各々が50%以上の結晶化率を有している。これにより、熱による歪開放が少なくなる。よって膜はがれを、より確実に抑制することができる。さらに、結晶化率が高いことによって、結晶系薄膜半導体層中のドーパントが十分に活性化される。これにより、結晶系薄膜半導体層がトンネル酸化物層に対して強い電界効果を発揮することで、高いパッシベーション効果が得られる。高いパッシベーション効果によって、開放電圧を高めることができる。また、膜はがれの抑制により、高いパッシベーション効果を得るための構造が適切に維持される。以上から、高いパッシベーション効果を、より確実に得ることができる。これにより、高い開放電圧を、より確実に得ることができる。
本発明の一の局面に従う光起電力素子の製造方法によれば、第2から第nの結晶系薄膜半導体層を形成する工程の各々で用いられる温度は、第1の結晶系薄膜半導体層を形成する工程で用いられる温度よりも低い。これにより、第2から第nの結晶系薄膜半導体層が形成される際に生じ得る第1の結晶系薄膜半導体層の熱劣化が抑制される。よって光起電力素子の性能を高めることができる。
本発明の他の局面に従う光起電力素子の製造方法によれば、第k(n≧k≧2)の結晶系薄膜半導体層を形成する工程の各々で用いられる温度は、第k−1の結晶系薄膜半導体層を形成する工程で用いられる温度よりも低い。これにより、第kの結晶系薄膜半導体層が形成される際に生じ得る第k−1の結晶系薄膜半導体層の熱劣化が抑制される。よって、第1から第nの結晶系薄膜半導体層のすべての熱劣化が抑制される。よって光起電力素子の性能を高めることができる。
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本発明の実施の形態1における光起電力素子の構成を概略的に示す断面図である。 図1の光起電力素子の製造方法の構成を概略的に示すフロー図である。 図1の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図1の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図1の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図1の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図1の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図1の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図1の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図1の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図1の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図1の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における光起電力素子の製造方法の構成を概略的に示すフロー図である。 本発明の実施の形態3における光起電力素子の構成を概略的に示す断面図である。 図14の光起電力素子の製造方法の構成を概略的に示すフロー図である。 図14の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図14の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図14の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図14の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図14の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図14の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図14の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図14の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図14の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図14の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 n型結晶系薄膜シリコン層のシート抵抗と、潜在的開放端電圧との関係を、結晶化率とともに示す評価結果の例である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
<実施の形態1>
(構成の概要)
図1を参照して、本実施の形態の太陽電池201(光起電力素子)は、n型単結晶シリコン基板100(半導体基板)と、積層構造STと、p型不純物拡散層103(エミッタ層)と、保護膜107と、受光面側誘電体層108と、反射防止膜109と、受光面電極110と、裏面電極111とを有している。
積層構造STは、n=6として、第1から第nのトンネル酸化物層104a〜104fと、第1から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106a〜106f(結晶系薄膜半導体層)とを有している。以下において、第1から第nのトンネル酸化物層104a〜104fは「トンネル酸化物層104」と総称されることがあり、またn型結晶系薄膜シリコン層106a〜106fは「n型結晶系薄膜シリコン層106」と総称されることがある。複数のトンネル酸化物層104および複数のn型結晶系薄膜シリコン層106は、n型単結晶シリコン基板100の裏面100B上に交互にn回設けられている。本実施の形態においては、上述したようにn=6の場合について具体的に説明するが、nは6に限定されるものではなく、2以上の任意の整数であり得る。
第1から第nのトンネル酸化物層104a〜104fは、n型単結晶シリコン基板100上に順に位置している。第1のトンネル酸化物層104aは、n型単結晶シリコン基板100に当接している。また第1のトンネル酸化物層104aは、n型単結晶シリコン基板100の少数キャリアに対して障壁を有している。
第1から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106a〜106fは、n型単結晶シリコン基板100上に順に位置している。複数のn型結晶系薄膜シリコン層106の各々は、50%以上の厚さ範囲において1原子%以下の平均水素含有量を有している。また複数のn型結晶系薄膜シリコン層106の各々は、50%以上の結晶化率を有している。
第1から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106a〜106fのそれぞれは、ドーパントの濃度として、第1から第nの不純物濃度を有している。好ましくは、第1から第nの不純物濃度のうち第1の不純物濃度は、他のいずれの不純物濃度よりも低い。好ましくは、第1から第nの不純物濃度のうち第k(n≧k≧2)の不純物濃度の各々は、第k−1の不純物濃度よりも高い。好ましくは、第1の不純物濃度は1原子%以下である。好ましくは、第1から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106a〜106fの各々は、ドーパントとしてリン原子を含有している。
保護膜107は積層構造ST上に設けられている。保護膜107は誘電体から作られている。
p型不純物拡散層103はn型単結晶シリコン基板100の受光面100A上に設けられている。受光面側誘電体層108はp型不純物拡散層103上に設けられている。反射防止膜109は、受光面側誘電体層108を介してp型不純物拡散層103上に設けられている。
受光面電極110は、反射防止膜109および受光面側誘電体層108を貫通してp型不純物拡散層103に達している。これにより受光面電極110はp型不純物拡散層103に電気的に接続されている。受光面電極110は、グリッド電極およびバス電極(図示せず)を含んでいてよい。
裏面電極111は、保護膜107を貫通して積層構造STに達している。これにより裏面電極111は積層構造STに電気的に接続されている。裏面電極111は、グリッド電極およびバス電極(図示せず)を含んでいてよい。
(製造方法の概要)
太陽電池201の製造方法の概要について、以下に説明する。
n型単結晶シリコン基板100の受光面100A上にp型不純物拡散層103が形成される(図2:ステップS100)。
次に、n型単結晶シリコン基板100の裏面100B上に積層構造STが形成される。積層構造STを形成する工程は、第1から第nのトンネル酸化物層104a〜104fを順に形成する工程(図2:ステップS110)と、第1から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106a〜106fを順に形成する工程(図2:ステップS120)とを含む。ステップS110およびS120は交互に行われる。より具体的には、n回のサイクルの各々において、ステップS110が行われ、続いてステップS120が行われる。
ステップS120の各々においては、1つのn型結晶系薄膜シリコン層106へと変化することになるn型非晶質薄膜シリコン層が形成される(図2:ステップS121)。n型非晶質薄膜シリコン層は、n型を付与するためのドーパントを含有している。n型非晶質薄膜シリコン層には、その堆積工程において用いられた水素原子が含有される。続いて、熱処理によってn型非晶質薄膜シリコン層の結晶化工程が行われる(図2:ステップS122)。この結晶化により、n型非晶質薄膜シリコン層の一部または全部が結晶化される。すなわち、n型非晶質薄膜シリコン層がn型結晶系薄膜シリコン層106へと変化する。この際に上記ドーパントが活性化される。またn型非晶質薄膜シリコン層中の水素原子の一部が脱離させられる。本実施の形態においては、この熱処理の温度が、n型結晶系薄膜シリコン層106の形成に用いられる温度に相当する。n型結晶系薄膜シリコン層106a〜106fを形成する工程で用いられる温度は、同じ温度である必要はなく、工程ごとに調整され得る。
好ましくは、第1から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106a〜106fを形成する工程は、第1から第nの不純物濃度のうち第1の不純物濃度が他のいずれの不純物濃度よりも低くなるように行われる。さらに、第1から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106a〜106fのそれぞれを形成する工程のうち、第2から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106b〜106fを形成する工程の各々で用いられる温度は、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aを形成する工程で用いられる温度よりも低くされる。
より好ましくは、第1から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106a〜106fを形成する工程は、第1から第nの不純物濃度のうち第k(n≧k≧2)の不純物濃度の各々が第k−1の不純物濃度よりも高くなるように行われる。さらに、第1から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106a〜106fのそれぞれを形成する工程のうち、第k(n≧k≧2)のn型結晶系薄膜シリコン層106を形成する工程の各々で用いられる温度は、第k−1のn型結晶系薄膜シリコン層106を形成する工程で用いられる温度よりも低くされる。
積層構造STが形成された後、その上に保護膜107が形成される(図2:ステップS130)。次に、p型不純物拡散層103上に受光面側誘電体層108および反射防止膜109が形成される(図2:ステップS140)。次に、受光面電極110および裏面電極111が印刷される(図2:ステップS150)。次に、受光面電極110および裏面電極111が焼成される(図2:ステップS160)。これにより生じるファイアースルーにより、受光面電極110は、反射防止膜109および受光面側誘電体層108を貫通してp型不純物拡散層103に達する。また裏面電極111は、保護膜107を貫通して積層構造STに達する。以上により、太陽電池201が製造される。
(製造方法の詳細)
上記概要と部分的に重複するところもあるが、以下、製造方法の詳細について説明する。
図3を参照して、まず、n型単結晶シリコン基板100が用意される。n型単結晶シリコン基板100は、シリコンインゴットをワイヤーソーなどによる機械的切断法を用いてカットおよびスライスすることで製造される。機械的切断の直後においては、その表面に汚染あるいはダメージが残存している。そこで、水酸化ナトリウム溶液などのアルカリ溶液を用いたウェットエッチングプロセスにより、表面のエッチングが行われる。このましくは、このエッチングの際に、表面に、テクスチャ構造と呼ばれる微小な凹凸構造(図示せず)が形成される。テクスチャ構造の形成には、アルカリ溶液および添加剤が用いられる。表面の微小な凹凸構造によって、n型単結晶シリコン基板100に入射する光が表面で多重反射し、それにより光の反射損失を低減することができる。加えて、光路長の増加による光吸収の増大により、短絡電流の向上が見込まれる。
エッチング後、n型単結晶シリコン基板100の表面上の、有機物あるいは金属汚染などによる付着物が、洗浄により取り除かれる。例えば、RCA洗浄、SPM(Sulfuric Acid Hydrogen Peroxide Mixture)洗浄、またはHPM(Hydrochloric Acid Hydrogen Peroxide Mixture)が行われる。
次にステップS100(図2)で,n型単結晶シリコン基板100の受光面100A上にp型不純物拡散層103が形成される。その手法の例として、ボロンドープシリコンガラス(Boron Silicate Glass:BSG)膜101(不純物拡散源)を用いる場合について説明する。BSG膜101は、Bを用いた大気圧化学堆積(Air Pressure Chemical Vapor Deposition:APCVD)法により形成され得る。BSG膜101は、n型単結晶シリコン基板100の受光面100A上に形成される。ただしBSGは、n型単結晶シリコン基板100の裏面100Bおよび端面にもわずかに回り込む。このためBSG膜101の堆積後に、回り込みによって堆積された不要部が除去されることが好ましい。この除去には、例えば0.5〜1.0%程度のフッ酸を用い得る。またBSG膜101上に、誘電体膜としてのノンドープシリコンガラス(Non doped Silicate Glass:NSG)膜102(キャップ層)を形成することが好ましい。NSG膜102がキャップ層の働きをすることで、BSG膜101中のボロンが気相中に脱離することが防止される。このためボロンを効率的に拡散させることができる。また、NSG膜102は、後にn型単結晶シリコン基板100の裏面100B上に形成されるn型結晶系薄膜シリコン層106の熱処理時に、ドーパントの拡散バリア層としても働く。BSG膜101およびNSG膜102のそれぞれの膜厚は、例えば、30nm以上150nm未満および100nm以上500nm未満である。これらの膜厚は、薄過ぎればその役割を果たすことができず、厚過ぎればその形成および除去が困難となる。
図4を参照して、拡散炉を用いて、BSG膜101のボロンが熱拡散させられる。これにより、p型不純物拡散層103が形成される。このとき、形成されたp型不純物拡散層103のシート抵抗は、例えば50Ω/□以上150Ω/□未満とするのが望ましい。シート抵抗は、p型不純物拡散層103内での少数キャリアの再結合、光吸収、および受光面電極110とのコンタクト抵抗を考慮して決定される。
なお、BSG膜101の形成にBBr気相反応を用いる場合には、受光面100A上だけでなく裏面100B上にもBSG膜が形成される。このため、受光面100A上のBSG膜101上に、熱酸化膜あるいは窒化膜によるバリア層(図示せず)を形成した後に、裏面100B上のBSG膜がフッ酸で除去される。この後、裏面100B上のBSG膜がフッ硝酸あるいは水酸化ナトリウムなどの処理剤で片面除去される。上記窒化膜は、例えば、シランガスと、窒素ガスまたはアンモニアガスとを用いたプラズマCVD法により形成することができる。なお、これらのバリア層は、後のドーパント活性化熱処理時のバリア層としても働くため、50nm以上の厚さで形成しておくことが好ましい。
なお、p型不純物拡散層103は、BSG膜101のような不純物拡散源を用いる代わりに、イオン注入法によって形成されてもよい。具体的には、n型単結晶シリコン基板100の受光面100A上にイオン注入によってボロンを打ち込み、その後、拡散炉中で熱拡散が行われることで、p型不純物拡散層103が形成されてもよい。
次に、ステップS110およびS120(図2)の組をn回繰り返すことで、積層構造ST(図1)が形成される。この工程について、以下に説明する。
図5を参照して、1回目のステップS110(図2)で、n型単結晶シリコン基板100の裏面100B上に、第1のトンネル酸化物層104aが形成される。トンネル接合を構成することだけが考慮されたとすると、シリコン酸化膜または酸化アルミニウム膜などの、様々な誘電体膜を用いることができる。ただし、十分なパッシベーション効果を得るためには、トンネル酸化物層104aは、n型単結晶シリコン基板100の少数キャリアに対して障壁を有している必要がある。本実施の形態ではn型単結晶シリコン基板100を用いていることから、半導体基板中の少数キャリアは正孔である。このため、トンネル酸化物層104aは、n型単結晶シリコン基板100の正孔に対して障壁を有している必要がある。言い換えれば、トンネル酸化物層104aの材料は、n型単結晶シリコン基板100の裏面100B上に、価電子帯における障壁を構成する誘電体材料である必要がある。この観点で、本実施の形態においては、トンネル酸化物層104aとして、シリコン酸化膜が用いられる。なお、変形例として、半導体基板の少数キャリアが電子の場合は、トンネル酸化物層の材料は、半導体基板の裏面上に、伝導帯における障壁を構成する誘電体材料である必要がある。障壁の高さは、好ましくは、0.2eV以上であり、より好ましくは0.5eV以上である。障壁が低過ぎると、トンネル酸化物層による少数キャリアのパッシベーション効果が著しく低下する。
シリコン酸化膜の形成方法としては、例えば、オゾン水への浸漬が行われる。シリコン酸化膜の膜厚は、オゾン濃度および浸漬時間により制御される。他の方法として、熱酸化、硝酸酸化、プラズマ化学気相堆積(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:PECVD)法、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法、またはUV/オゾン照射法などの方法を用いることができる。第1のトンネル酸化物層104aの膜厚は、例えば0.5nm以上5nm未満である。膜厚が小さ過ぎると、多数キャリアのみならず少数キャリアも第1のトンネル酸化物層104aを通過してしまうため、再結合が増加してしまう。よって開放電圧が低下してしまう。逆に膜厚が大き過ぎると、多数キャリアのトンネル輸送が妨げられるため、直列抵抗が増加してしまう。よって電気的特性が劣化してしまう。第1のトンネル酸化物層104aの膜厚の高精度での制御のために、第1のトンネル酸化物層104aの形成前に、熱処理などに起因して既に形成されてしまっている酸化膜を、フッ酸などを用いて事前に除去してもよい。
図6を参照して、1回目のステップS120(図2)として、ステップS121と、それに続くステップS122とが行われる。
ステップS121(図2)において、第1のトンネル酸化物層104a上に第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aが形成される。形成方法としては、水素原子を含む原料ガスを用いた堆積法が用いられる。例えば、SiHを用いたPECVD法などの化学気相堆積法が用いられる。このため、形成された第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aは水素を含有し、その濃度は、たとえば10原子%程度である。n型を付与するために添加される不純物、すなわちドナー、は、リンが望ましい。リンの添加は、ドーピングガスとしてPHを用いることにより行われ得る。PHガスの水素原子の一部は、形成された第1のn型非晶質薄膜シリコン層105a中に残留し得る。第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aの膜厚は、好ましくは5nm以上50nm未満であり、より好ましくは5nm以上20nm以下である。第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aの膜厚が小さ過ぎると、それを結晶化することで得られる第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aの膜厚も小さくなり過ぎる。このため電界効果が弱くなるので、トンネル接合部での電気的抵抗が増大してしまい、かつ、少数キャリアの追い返し効果が小さくなってしまう。よって特性が劣化してしまう。逆に膜厚が大き過ぎると、熱歪みが大きくなるため、膜はがれが生じやすくなってしまう。また、発電に寄与し得る光が過度に厚い第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aで吸収されてしまう場合、発電効率が低下する。
さらに図7を参照して、ステップS122(図2)において、第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aの一部あるいは全体を結晶化することにより、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aが形成される。結晶化は熱処理によって行われる。例えば、n型単結晶シリコン基板100が拡散炉に導入され、窒素ガスを流しながらn型単結晶シリコン基板100の温度が熱処理温度にまで高められ、この熱処理温度が一定時間保持される。またこの熱処理によって、第1のn型非晶質薄膜シリコン層105a中のn型ドーパントが活性化されることで、そのシート抵抗が低下する。このとき、第1のn型非晶質薄膜シリコン層105a中に含まれる不純物濃度は、1原子%以下が望ましい。不純物濃度が高過ぎると、不純物が、第1のトンネル酸化物層104aを突き破って拡散し、シリコン基板に多量に到達し得る。その結果、パッシベーション効果が劣化してしまう。
第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aに比して第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aにおいては、n型ドーパントの活性化率が高く、電界効果が強くなる。このため、第1のトンネル酸化物層104aとn型単結晶シリコン基板100とに対して、少数キャリアの十分な追い返し効果が期待される。キャリアの追い返し効果を評価するため、潜在的開放端電圧(Implied Open Circuit Voltage(いわゆるImplied VOC))を測定した結果を図26に示す。n型ドーパントの活性化率が高くなるにつれてn型結晶系薄膜シリコン層のシート抵抗は減少していく。本測定結果においてImplied VOCは、シート抵抗2000Ω/□程度より小さい領域である程度高くなり、500Ω/□程度で飽和しはじめて500Ω/□程度から300Ω/□程度までの領域ではほぼ一定となる傾向が見られた。このときのn型結晶系薄膜シリコン層の結晶性を調べたところ、前者の領域では結晶化率が50%以上であり、後者の領域では結晶化率が80%以上であった。よって、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aの結晶化率は50%以上であり、望ましくは80%以上である。ここでいう結晶化率は、例えば、ラマン散乱スペクトル法により測定され得る。その場合、480cm−1、510cm−1、および520cm−1のそれぞれにおけるピーク強度I480、I510、およびI520が測定される。そして、比(I510+I520)/(I480+I510+I520)×100(%)によって、結晶化率が算出される。ドーパントとしてのリンが添加された非晶質薄膜シリコン層を結晶化するのに最適な熱処理温度は、厳密には、リン濃度および膜厚の両方に依存する。しかしながら、膜厚5nm〜50nmの範囲では、最適な熱処理温度は、主にリン濃度で決定される。ここで好ましくは、第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aの熱処理温度は、400℃以上900℃未満である。熱処理温度が低過ぎると、第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aの結晶化が十分に促進されない。このため、裏面電界効果が低下し、よって、高いパッシベーション効果が得られない。また、電気抵抗の低減が不十分となるため、多数キャリアの輸送が妨げられる恐れがある。熱処理温度が400℃を越えれば、第1のn型非晶質薄膜シリコン層105a中から水素が脱離し始め、その結晶化が促進される。一方、熱処理温度が900℃を超えると、リン濃度に関係なくパッシベーション効果が著しく低下し始め、開放電圧の低下につながる。これは、高温の熱処理によって第1のn型非晶質薄膜シリコン層105a中のn型ドーパントが第1のトンネル酸化物層104aを貫通してn型単結晶シリコン基板100まで拡散することで、第1のトンネル酸化物層104aの構造破壊、または、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aの電界効果の低下が起きるためである。
ここで、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aは、後に、第2のトンネル酸化物層104bおよび第2のn型非晶質薄膜シリコン層105b(図8)によって閉塞されることになる。このため、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aが過度に水素を含有していると、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aの形成後に行われる結晶化および焼成時の熱により、多量の水素が急激に脱離する。その際に第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aが剥離し得る。このため、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aに平均して含まれる水素濃度は十分に低い必要がある。一方で、第1のトンネル酸化物層104aおよび第2のトンネル酸化物層104bの各々との界面においては水素が脱離しにくく、これら界面においては水素濃度が比較的高くなる。界面における水素濃度が高いことで、ダングリングボンドがより十分に終端され、パッシベーション効果が高められる、という利点が得られる。熱処理温度を変動させることによって膜はがれの発生しない最低処理温度が見出され、当該処理温度を用いた場合の膜中の水素濃度が、二次イオン質量分析により評価された。その結果、成膜直後の第1のn型非晶質薄膜シリコン層105a(図6)には10〜20%の水素が含まれていた。熱処理後は、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106a(図8)のうち第2のトンネル酸化物層104bに接した領域では数%程度の水素が残存しており、パッシベーション効果が保持されていた。一方、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aの、厚み方向における中央付近では、水素濃度は1%以下であった。また、後に行われることになる他のn型結晶系薄膜シリコン層106を形成する工程における熱処理温度のプロセスマージンに鑑みれば、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aを形成する熱処理の温度は、なるべく高いことが望ましい。高温で処理された第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aの水素濃度を同様に二次イオン質量分析によって測定したところ、同測定の検出限界以下(0.1%以下)であることが明らかとなった。このため、第2のトンネル酸化物層104bとの界面から離れた50%以上99%以下の厚さ範囲においては、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aに平均して含まれる水素濃度は、好ましくは1原子%以下であり、より好ましくは0.1%以下とされる。第1のn型結晶系薄膜シリコン層106a以外の他のn型結晶系薄膜シリコン層106についても同様である。
図8を参照して、次に、2回目のステップS110(図2)として、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106a上に第2のトンネル酸化物層104bが形成される。その形成方法および膜厚は、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aの場合と同様であってよい。
次に、2回目のステップS120(図2)が行われる。具体的には、まず、第2のトンネル酸化物層104b上に2回目のステップS121(図2)で、第2のn型非晶質薄膜シリコン層105bが形成される。その形成方法および膜厚は、第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aの場合とほぼ同様であってよいが、第2のn型非晶質薄膜シリコン層105bのn型ドーパントの濃度は、既に形成されている第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aのn型ドーパントの濃度よりも高くされることが好ましい。
図9を参照して、その後、2回目のステップS122(図2)において、第2のn型非晶質薄膜シリコン層105bの一部あるいは全体を結晶化することにより、第2のn型結晶系薄膜シリコン層106bが形成される。1回目の場合と同様、結晶化は熱処理によって行われ、その際にn型ドーパントが活性化される。第2のn型結晶系薄膜シリコン層106bの結晶化率は、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aと同様に、好ましくは50%以上であり、より好ましくは80%以上である。他のn型結晶系薄膜シリコン層106についても同様である。
熱処理温度が結晶化に必要な最適温度よりも高過ぎる場合、または熱処理時間が結晶化に必要な最適時間よりも長過ぎる場合は、余分な熱量により、ドーパントとしてのリンの拡散が過度に促進される。それによってリンがトンネル酸化物層104との界面近傍に偏析したり、リンがトンネル酸化物層104中に拡散することで欠陥を生成したりする、といった熱劣化が引き起こされる恐れがある。特に第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aは、他のn型結晶系薄膜シリコン層106と比較してn型単結晶シリコン基板100に近いため、上述した余分な熱量による熱劣化が大きくなりやすい。このため、既に形成されている第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aの熱劣化の発生を十分に抑制するためには、第2のn型非晶質薄膜シリコン層105bの熱処理温度を第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aの熱処理温度よりも下げなければならない。しかしながら、単に熱処理温度を下げると、第2のn型非晶質薄膜シリコン層105bの結晶化が不十分となる恐れがある。また、第2のn型結晶系薄膜シリコン層106b中に多量の水素が残ってしまうことで、後の熱処理工程または焼成工程において、急激な水素脱離に起因した膜はがれを引き起こす恐れがある。これを防ぐためには、第2のn型非晶質薄膜シリコン層105bのn型ドーパントの濃度が、既に形成されている第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aのn型ドーパントの濃度よりも高くされる。前述したように、結晶化に必要な最適な熱処理温度は主にリン濃度で決定され、リン濃度が高いほど最適な熱処理温度は低くなる。そのため、より高いリン濃度を有する第2のn型非晶質薄膜シリコン層105bの最適な熱処理温度は、第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aのものよりも低くなる。よって、第1のn型非晶質薄膜シリコン層105aの熱処理温度に比して、第2のn型非晶質薄膜シリコン層105bの熱処理温度を、結晶化度の大きな低下を招くことなく、下げることができる。すなわち、熱ダメージを抑制しつつ、高い結晶化度を得ることができる。
図10を参照して、この後、n≧3の場合は、ステップS110およびS120の組がさらに繰り返される。例えば、図1のようにn=6の太陽電池201が製造される場合は、さらに4回の繰り返しが行われる。これにより、第3〜第6のトンネル酸化物層104c〜104fと、第3〜第6のn型結晶系薄膜シリコン層106c〜106fとが、交互に形成される。よってステップS110およびS120の組は計6回行われる。これにより、6組のトンネル酸化物層104およびn型結晶系薄膜シリコン層106が形成される。すなわち積層構造STの全体が形成される。なお、nは6に限定されるものではなく、2以上であればよい。第k(n≧k≧2)のn型結晶系薄膜シリコン層106のリン濃度を、第k−1のn型結晶系薄膜シリコン層106のリン濃度よりも高くすることで、結晶化工程における熱処理温度を、結晶化度の不足をともなうことなく、下げることができる。これにより熱劣化を抑制することができる。
望ましくは第kのn型結晶系薄膜シリコン層106中での活性化したドナー濃度が、第k−1のn型結晶系薄膜シリコン層中での活性化したドナー濃度より高くされる。これにより、n型単結晶シリコン基板100の表面から離れるほど、積層されたn型結晶系薄膜シリコン層106中での正孔に対するポテンシャルが増大する。よって、n型結晶系薄膜シリコン層106中で光が吸収されることにより生成された少数キャリアが、ポテンシャル勾配による電界により、n型単結晶シリコン基板100の方へ引っ張られる。よってこの少数キャリアも発電に寄与することができる。よって発電効率を高めることができる。
なお、複数のn型結晶系薄膜シリコン層106の各々のシート抵抗は、そのリン濃度以外に、その膜厚にも依存する。よって、複数のn型結晶系薄膜シリコン層106の間での、上述したリン濃度の大きさの関係が、そのままシート抵抗の大きさの関係に反映される必要はない。
さらに図11を参照して、n型単結晶シリコン基板100の受光面100A上に形成されているBSG膜101およびNSG膜102(図10)が、フッ酸を用いて完全に除去される。なお本工程は、n回行われる結晶化工程(ステップS122(図2))のいずれかの前に行われてもよい。その場合、BSG膜101が除去された後の結晶化工程においては、結晶化のための熱処理中にp型不純物拡散源としてのBSG膜101からボロンが雰囲気中に拡散することがない。よって、その結晶化工程において形成されるn型結晶系薄膜シリコン層106にボロン原子が付着および拡散することが防止される。一方でその場合は、p型不純物拡散層103が露出されて以降のn型結晶系薄膜シリコン層106の形成工程において、n型結晶系薄膜シリコン層106から雰囲気中に拡散したn型ドーパントがp型不純物拡散層103中へ拡散してしまう可能性がある。このため、BSG膜101およびNSG膜102の除去は、最後の結晶化工程(ステップS122(図2))の後に行われることが好ましい。結晶化工程においてBSG膜101が存在していても、それがキャップ層としてのNSG膜102に覆われていれば、BSG膜101から雰囲気中へのボロンの拡散はおおよそ防止される。
図11を参照して、ステップS130(図2)で、n型単結晶シリコン基板100の裏面100B上に積層構造STを介して保護膜107が形成される。言い換えれば、n型結晶系薄膜シリコン層106f(第nのn型結晶系薄膜シリコン層)上に保護膜107が形成される。保護膜107の材料は、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、窒酸化シリコン、非晶質シリコン、または微結晶シリコンである。保護膜107は複数の膜の積層構造を有してもよい。ここで、保護膜107は、n型結晶系薄膜シリコン層106の硬度よりも高い硬度を有することが好ましい。これは、後の工程において保護膜107上に電極のスクリーン印刷が行われる際に、版との接触あるいは摩擦などによる物理ダメージからn型結晶系薄膜シリコン層106を保護するためである。また、保護膜107中の水素濃度は、いずれのn型結晶系薄膜シリコン層106中の平均水素濃度よりも高いことが好ましい。保護膜107中に十分な水素が含まれていると、熱処理時および電極焼成時にn型結晶系薄膜シリコン層106またはn型単結晶シリコン基板100とトンネル酸化物層104との界面に存在するダングリングボンドが、保護膜107から拡散する水素によって十分に終端される。これにより、積層構造STによるパッシベーション効果が向上する。また、保護膜107の膜厚は5nm以上200nm未満であることが好ましい。膜厚が小さ過ぎると、後の電極焼成時に、電極が積層構造STを突き抜けてn型結晶系薄膜シリコン層106を浸食しやすくなる。また、保護膜107からの、上述した水素の供給が不十分となりやすい。逆に膜厚が大き過ぎると、後の電極焼成を経ても、電極が積層構造STのn型結晶系薄膜シリコン層106eに接触しにくくなる。その結果、電極のコンタクト抵抗が増大してしまう。
図12を参照して、ステップS140(図2)で、n型単結晶シリコン基板100の受光面100A上にp型不純物拡散層103を介して受光面側誘電体層108および反射防止膜109が順に形成される。言い換えれば、p型不純物拡散層103上に受光面側誘電体層108および反射防止膜109が順に形成される。受光面側誘電体層108は、酸化膜であってよく、好ましくは酸化アルミニウム膜である。酸化アルミニウム膜は負の固定電荷を有しているため、p型不純物拡散層103に対して優れたパッシベーション効果を発揮することが知られている。酸化アルミニウム膜は、例えば、ALD法またはCVD法により形成され得る。酸化アルミニウム膜の膜厚は、例えば2nm以上50nm未満である。反射防止膜109は、例えば、プラズマCVD法で形成される窒化シリコン膜である。反射防止膜109の膜厚は、受光面側誘電体層108の膜厚に応じて、太陽光スペクトルに対して最適なものとされ、例えば30nm以上80nm未満程度とされる。
次にステップS150(図2)で、n型単結晶シリコン基板100の受光面100Aおよび裏面100Bのそれぞれの上に、いくつかの部材を介して、受光面電極110および裏面電極111が印刷される。具体的には、金属粒子およびガラス粒子を含んだペーストが、スクリーン印刷法などの塗布法によって、櫛形パターン状に塗布される。そして、塗布されたペーストが乾燥される。この乾燥は、例えば、乾燥オーブン中での200℃での10分程度での処理によって行われる。この時点では、受光面電極110および裏面電極111のそれぞれは、反射防止膜109および保護膜107上に印刷されている。
再び図1を参照して、ステップS160(図2)で、受光面電極110および裏面電極111の電極焼成が行われる。受光面電極110および裏面電極111は同時に焼成され得る。焼成工程の温度は、例えば800℃程度である。焼成工程において、受光面電極110のガラス粒子が受光面側誘電体層108および反射防止膜109をエッチングすることで、受光面電極110がp型不純物拡散層103へ向かって浸食する。これにより受光面電極110がp型不純物拡散層103に電気的に接続される。同様に、裏面電極111のガラス粒子が保護膜107をエッチングすることで、裏面電極111がn型結晶系薄膜シリコン層106fへ向かって浸食する。これにより裏面電極111がn型結晶系薄膜シリコン層106fに電気的に接続される。
以上により太陽電池201が得られる。
(効果)
本実施の形態の太陽電池201(図1)によれば、第1に、n型結晶系薄膜シリコン層106の各々は、50%以上の厚さ範囲において1原子%以下の平均水素含有量を有している。これにより、太陽電池201の製造における熱処理工程および焼成工程において、水素の脱離に起因した膜はがれを抑制することができる。第2に、n型結晶系薄膜シリコン層106の各々が50%以上の結晶化率を有している。これにより、熱による歪開放が少なくなる。よって膜はがれを、より確実に抑制することができる。さらに、結晶化率が高いことによって、n型結晶系薄膜シリコン層106中のドーパントが十分に活性化される。これにより、n型結晶系薄膜シリコン層106がトンネル酸化物層に対して強い電界効果を発揮することで、高いパッシベーション効果が得られる。高いパッシベーション効果によって、開放電圧を高めることができる。また、膜はがれの抑制により、高いパッシベーション効果を得るための構造が適切に維持される。以上から、高いパッシベーション効果を、より確実に得ることができる。これにより、高い開放電圧を、より確実に得ることができる。
また、上述したようにn型結晶系薄膜シリコン層106中のドーパントが十分に活性化されることで、n型結晶系薄膜シリコン層106の導電性が高められる。これにより、太陽電池201の性能が高められる。
好ましくは、第1から第nの不純物濃度のうち第1の不純物濃度は他のいずれの不純物濃度よりも低い。このことは、第2から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106b〜106fの不純物濃度が、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aの不純物濃度よりも高いことを意味する。より高い不純物濃度を有することにより、第2から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106b〜106fの各々を十分に結晶化するための熱処理温度が、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aを十分に結晶化するための熱処理温度よりも低くなる。これにより、十分な結晶化を行いつつ、第2から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106b〜106fの各々の熱処理温度を、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aの熱処理温度よりも低くすることができる。よって、第2から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106b〜106fが形成される際に、既に形成されている層である第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aに生じ得る熱劣化が抑制される。よって太陽電池201の性能を高めることができる。
好ましくは、第1から第nの不純物濃度のうち第k(n≧k≧2)の不純物濃度の各々は第k−1の不純物濃度よりも高い。より高い不純物濃度を有することにより、第kのn型結晶系薄膜シリコン層106を十分に結晶化するための熱処理温度が、第k−1のn型結晶系薄膜シリコン層106を十分に結晶化するための熱処理温度よりも低くなる。これにより、十分な結晶化を行いつつ、第kのn型結晶系薄膜シリコン層106の熱処理温度を、第k−1のn型結晶系薄膜シリコン層106の熱処理温度よりも低くすることができる。これにより、第k(n≧k≧2)のn型結晶系薄膜シリコン層106の各々が形成される際に、既に形成されている層である第k−1のn型結晶系薄膜シリコン層106に生じ得る熱劣化が抑制される。よって太陽電池201の性能を高めることができる。また、n型結晶系薄膜シリコン層106中で吸収された光により生成されたキャリアを取り出すことが容易となる。
n型結晶系薄膜シリコン層106の各々の不純物濃度が同じとされたとすると、各層の結晶化の際の熱処理によって、既に形成されている層へ必要以上の熱負荷がかかるため、特性が大きく劣化しやすい。熱負荷を軽減するために、熱処理温度を低くしたり熱処理回数を減したりすると、結晶化が十分に進まないことで、電界効果によるパッシベーション効果が弱くなる。また、n型結晶系薄膜シリコン層106中の水素が熱処理によって十分に脱離されない。このため、その後に行われる、加熱をともなう工程において、膜はがれが生じやすい。よって結果的に、高い開放電圧を維持することができなくなる。
好ましくは、第1から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106a〜106fの各々は、ドーパントとしてリン原子を含有している。これにより、リン濃度を変更することで、最適な熱処理温度を容易に制御することができる。
好ましくは、第1の不純物濃度は1原子%以下である。これにより、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aのドーパントが第1のトンネル酸化物層104aを突き破る現象を抑制することができる。よって、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aのドーパントがn型単結晶シリコン基板100に多量に到達することを抑制することができる。
裏面電極111は、n型単結晶シリコン基板100の裏面100B上に積層構造STを介して設けられている。積層構造STは、1組のみのトンネル酸化物層およびn型結晶系薄膜シリコン層ではなく、複数組のトンネル酸化物層104およびn型結晶系薄膜シリコン層106を有している。これにより、パッシベーション効果を高めることができる。また、裏面電極111がn型単結晶シリコン基板100へ向かって浸食することを、より抑制することができる。よって、この浸食に起因したn型単結晶シリコン基板100のダメージを、より抑制することができる。よって、高い開放電圧を、より確実に得ることができる。
仮に、1組のみのトンネル酸化物層104およびn型結晶系薄膜シリコン層106しか設けられなかったとすると、ファイアースルーによる裏面電極111の浸食によって裏面電極111が1つのn型結晶系薄膜シリコン層106を突き破っただけで、n型単結晶シリコン基板100に直接接するトンネル酸化物層104に達してしまう。さらに裏面電極111がこのトンネル酸化物層104を突き破っただけで、n型単結晶シリコン基板100に達してしまう。その結果、再結合が増加することで、開放電圧が低下してしまう。裏面電極111によるn型単結晶シリコン基板100への直接の浸食を抑えられたとしても、再結合速度の増大の影響がn型単結晶シリコン基板100の界面に容易に及ぶことから、特性の劣化を抑制するのは難しい。また、これを防ぐ意図で、n型結晶系薄膜シリコン層106が厚くされたとすると、n型結晶系薄膜シリコン層106中での再結合が増加することで、開放電圧が低下してしまう。
なお、受光面電極110はn型単結晶シリコン基板100からp型不純物拡散層103によって隔てられている。p型不純物拡散層103の膜厚は、n型結晶系薄膜シリコン層106の各々の膜厚よりも大きく、通常、数百nm程度である。よって、浸食によって受光面電極110がn型単結晶シリコン基板100に達してしまう可能性は比較的小さい。また、受光面電極110がアルミニウム(Al)原子を含有する場合、受光面電極110からp型不純物拡散層103中へ拡散したAl原子がアクセプタとして機能することで、パッシベーション効果が高められる。よって、パッシベーション効果を高めるための積層構造STは、p型不純物拡散層103が設けられた面(本実施の形態においては受光面100A)とは反対の面(本実施の形態においては裏面100B)上に配置されることが好ましい。
本実施の形態の太陽電池201の製造方法によれば、好ましくは、第2から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106b〜106fを形成する工程の各々で用いられる温度は、第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aを形成する工程で用いられる温度よりも低い。これにより、第2から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106b〜106fが形成される際に生じ得る第1のn型結晶系薄膜シリコン層106aの熱劣化が抑制される。よって太陽電池201の性能を高めることができる。
より好ましくは、第k(n≧k≧2)のn型結晶系薄膜シリコン層106を形成する工程の各々で用いられる温度は、第k−1のn型結晶系薄膜シリコン層106を形成する工程で用いられる温度よりも低い。これにより、第kのn型結晶系薄膜シリコン層106が形成される際に生じ得る第k−1のn型結晶系薄膜シリコン層106の熱劣化が抑制される。よって、第1から第nのn型結晶系薄膜シリコン層106a〜106fのすべての熱劣化が抑制される。よって太陽電池201の性能を高めることができる。
<実施の形態2>
図13を参照して、本実施の形態においては、実施の形態1におけるステップS120(図2)に代わり、ステップ120Vが行われる。ステップS120においては、トンネル酸化物層104上にn型結晶系薄膜シリコン層が堆積され、そしてそれが結晶化されることによってn型結晶系薄膜シリコン層106が形成される。一方、ステップ120Vにおいては、トンネル酸化物層104上にn型結晶系薄膜シリコン層106が堆積される。すなわち、シリコン層が、直接、結晶系の状態で堆積される。よって本実施の形態の製造方法においては、図5の構成から、図6の構成を経ることなく図7の構成へと工程が移行し、そして図8の構成を経ることなく図9の構成へと工程が移行する。
上述した、n型結晶系薄膜シリコン層106の直接の堆積は、例えば減圧化学堆積法(Low Pressure Chemical Vapor Deposition:LPCVD)により行われ得る。堆積時のn型単結晶シリコン基板100の温度(堆積温度)は、600℃以上900℃以下程度が好ましい。複数のn型結晶系薄膜シリコン層106の形成に用いられる温度は、すべて同じである必要はなく、実施の形態1の場合と同様に制御されることが好ましい。本実施の形態においては、上述した堆積温度が、n型結晶系薄膜シリコン層106の形成に用いられる温度に相当する。
本実施の形態によっても、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。さらに、結晶化のための熱処理工程(ステップS122(図2))を省略することができる。熱処理工程が省略される場合、n型結晶系薄膜シリコン層106に加えてトンネル酸化物層104も堆積法によって形成されることで、生産性をより高めることができる。堆積法によるトンネル酸化物層104の形成は、例えば、SiHガスおよびNOガスを用いて行われ得る。
<実施の形態3>
(構成)
図14を参照して、本実施の形態の太陽電池202(光起電力素子)においては、積層構造STがn型単結晶シリコン基板100の受光面100A上に配置されている。具体的には、積層構造STの第1のトンネル酸化物層104aがn型単結晶シリコン基板100の受光面100A上に配置されている。またp型不純物拡散層103(エミッタ層)がn型単結晶シリコン基板100の裏面100B上に配置されている。言い換えれば、太陽電池202は、太陽電池201(図1)と異なり、バックエミッタ構造を有している。
また太陽電池202は、受光面側誘電体層108および反射防止膜109(図1)に代わり、裏面側誘電体層108Aおよび裏面側保護膜109Aを有している。本実施の形態においては、受光面電極110は、保護膜107を貫通して積層構造STに達している。これにより受光面電極110は積層構造STに電気的に接続されている。また裏面電極111は、裏面側保護膜109Aおよび裏面側誘電体層108Aを貫通してp型不純物拡散層103に達している。これにより裏面電極111はp型不純物拡散層103に電気的に接続されている。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
(製造方法)
次に、太陽電池202の製造方法について、フロー図(図15)を参照しつつ、以下に説明する。
図16および図17を参照して、ステップS100(図15)で、p型不純物拡散層103が形成される。形成が行われる面がn型単結晶シリコン基板100の受光面100Aではなく裏面100Bであること以外は、実施の形態1の工程(図3および図4)と同様の工程が行われる。
図18〜図23を参照して、ステップS110およびS120(図15)の組のn回繰り返しにより、積層構造STが形成される。形成が行われる面がn型単結晶シリコン基板100の裏面100Bではなく受光面100Aであること以外は、実施の形態1の工程(図5〜図10)と同様の工程が行われる。なお変形例として、ステップS120に代わり、ステップS120V(図13:実施の形態2)が行われてもよい。すなわち、シリコン層が、直接、結晶系の状態で堆積されることで、結晶化のための熱処理工程が省略されてもよい。
次に、p型不純物拡散層103上のBSG膜101およびNSG膜102(図10)が、フッ酸を用いて除去される。除去方法は実施の形態1と同様である。
図24を参照して、次に、ステップS130(図13)で、積層構造ST上に保護膜107が形成される。本実施の形態においては保護膜107が受光面側に配置されるため、保護膜107は低光吸収材料から作られることが望ましい。保護膜107の材料および膜厚は、単層あるいは積層構造体として太陽光スペクトルに対して最適な反射率が得られるように選択される。例えば、窒化シリコンの単層膜が用いられる場合、膜厚は60nm以上100nm未満程度とされる。
図25を参照して、次に、ステップS140W(図13)で、p型不純物拡散層103上に裏面側誘電体層108Aおよび裏面側保護膜109Aが順に形成される。
次に、ステップS150(図15)で、実施の形態1(図12)とほぼ同様に、n型単結晶シリコン基板100の受光面100Aおよび裏面100Bのそれぞれの上に、いくつかの部材を介して、受光面電極110および裏面電極111が印刷される。本実施の形態においては、この時点では、受光面電極110および裏面電極111のそれぞれは、保護膜107および裏面側保護膜109A上に印刷されている。
再び図14を参照して、ステップS160(図15)で、実施の形態1(図1)とほぼ同様に、受光面電極110および裏面電極111の電極焼成が行われる。本実施の形態においては、焼成工程において、受光面電極110のガラス粒子が保護膜107をエッチングすることで、受光面電極110がn型結晶系薄膜シリコン層106fへ向かって浸食する。これにより受光面電極110がn型結晶系薄膜シリコン層106fに電気的に接続される。同様に、裏面電極111のガラス粒子が裏面側保護膜109Aおよび裏面側誘電体層108Aをエッチングすることで、裏面電極111がp型不純物拡散層103へ向かって浸食する。これにより裏面電極111がp型不純物拡散層103に電気的に接続される。
以上により太陽電池202が得られる。
(効果)
本実施の形態によっても、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。さらに、p型不純物拡散層103上に設けられる電極が受光面電極110ではなく裏面電極111である。裏面電極111は、遮光ロスを増大させることなく、狭ピッチのグリッド電極を有することができる。これにより、p型不純物拡散層103の抵抗をより高めることが許容される。よってパッシベーション効果を向上させることができる。
上記各実施の形態においては、複数の結晶系薄膜半導体層の各々としてn型結晶系薄膜シリコン層が用いられている。よって、結晶系薄膜半導体層の各々の導電型を「第1の導電型」と定義すれば、第1の導電型はn型である。しかしながら第1の導電型は、n型に限定されるものではなく、p型であってもよい。また上記各実施の形態においては、半導体基板としてn型単結晶シリコン基板が用いられている。よって、半導体基板の導電型はn型である。しかしながら半導体基板の導電型は、n型に限定されるものではなく、p型であってもよい。言い換えれば、半導体基板の導電型は、第1の導電型、および、第1の導電型と反対の第2の導電型のいずれかであればよい。
本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
201,202 太陽電池(光起電力素子)、ST 積層構造、100 n型単結晶シリコン基板(半導体基板)、100A 受光面、100B 裏面、101 BSG膜(不純物拡散源)、102 NSG膜(キャップ層)、103 p型不純物拡散層(エミッタ層)、104 トンネル酸化物層、104a〜104f 第1〜第6のトンネル酸化物層、105a,105b 第1および第2のn型非晶質薄膜シリコン層、106 n型結晶系薄膜シリコン層(結晶系薄膜半導体層)、106a〜106f 第1〜第6のn型結晶系薄膜シリコン層(第1〜第6の結晶系薄膜半導体層)、107 保護膜、108 受光面側誘電体層、108A 裏面側誘電体層、109 反射防止膜、109A 裏面側保護膜、110 受光面電極、111 裏面電極。

Claims (7)

  1. 第1の導電型および前記第1の導電型と反対の第2の導電型のいずれかを有する半導体基板(100)と、
    前記半導体基板(100)上に交互に設けられた複数のトンネル酸化物層(104)および複数の結晶系薄膜半導体層(106)を有する積層構造(ST)と、
    前記積層構造(ST)上に設けられ、誘電体から作られた保護膜(107)と、
    を備え、
    前記複数のトンネル酸化物層(104)は、前記半導体基板(100)上に順に配置された第1から第nのトンネル酸化物層からなり、前記第1のトンネル酸化物層は、前記半導体基板(100)に当接しており、かつ前記半導体基板(100)の少数キャリアに対して障壁を有しており、
    前記複数の結晶系薄膜半導体層(106)の各々は前記第1の導電型を有し、前記複数の結晶系薄膜半導体層(106)は、前記半導体基板(100)上に順に配置された第1から第nの結晶系薄膜半導体層からなり、
    前記複数の結晶系薄膜半導体層(106)の各々は、50%以上の厚さ範囲において1原子%以下の平均水素含有量を有しており、かつ、50%以上の結晶化率を有している、
    光起電力素子(201,202)。
  2. 前記第1から第nの結晶系薄膜半導体層のそれぞれは第1から第nの不純物濃度を有しており、前記第1から第nの不純物濃度のうち前記第1の不純物濃度は他のいずれの不純物濃度よりも低いことを特徴とする、請求項1に記載の光起電力素子(201,202)。
  3. 前記第1から第nの結晶系薄膜半導体層のそれぞれは第1から第nの不純物濃度を有しており、前記第1から第nの不純物濃度のうち第k(n≧k≧2)の不純物濃度の各々は第k−1の不純物濃度よりも高いことを特徴とする、請求項1に記載の光起電力素子(201,202)。
  4. 前記第1から第nの結晶系薄膜半導体層の各々は、ドーパントとしてリン原子を含有している、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光起電力素子(201,202)。
  5. 前記第1の不純物濃度は1原子%以下であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光起電力素子(201,202)。
  6. 第1の導電型および前記第1の導電型と反対の第2の導電型のいずれかを有する半導体基板(100)上に交互に配置される複数のトンネル酸化物層(104)および複数の結晶系薄膜半導体層(106)を有する積層構造(ST)を形成する工程と、
    前記積層構造(ST)上に、誘電体から作られた保護膜(107)を形成する工程と、
    を備え、
    前記複数のトンネル酸化物層(104)は、前記半導体基板(100)上に順に配置された第1から第nのトンネル酸化物層からなり、前記第1のトンネル酸化物層は、前記半導体基板(100)に当接しており、かつ前記半導体基板(100)の少数キャリアに対して障壁を有しており、
    前記複数の結晶系薄膜半導体層(106)の各々は前記第1の導電型を有し、前記複数の結晶系薄膜半導体層(106)は、前記半導体基板(100)上に順に配置された第1から第nの結晶系薄膜半導体層からなり、前記第1から第nの結晶系薄膜半導体層のそれぞれは第1から第nの不純物濃度を有しており、前記第1から第nの不純物濃度のうち前記第1の不純物濃度は他のいずれの不純物濃度よりも低く、
    前記積層構造(ST)を形成する工程は、前記第1から第nの結晶系薄膜半導体層を順に形成する工程を含み、前記第1から第nの結晶系薄膜半導体層のそれぞれを形成する工程のうち、第2から第nの結晶系薄膜半導体層を形成する工程の各々で用いられる温度は、前記第1の結晶系薄膜半導体層を形成する工程で用いられる温度よりも低い、
    光起電力素子(201,202)の製造方法。
  7. 第1の導電型および前記第1の導電型と反対の第2の導電型のいずれかを有する半導体基板(100)上に交互に配置される複数のトンネル酸化物層(104)および複数の結晶系薄膜半導体層(106)を有する積層構造(ST)を形成する工程と、
    前記積層構造(ST)上に、誘電体から作られた保護膜(107)を形成する工程と、
    を備え、
    前記複数のトンネル酸化物層(104)は、前記半導体基板(100)上に順に配置された第1から第nのトンネル酸化物層からなり、前記第1のトンネル酸化物層は、前記半導体基板(100)に当接しており、かつ前記半導体基板(100)の少数キャリアに対して障壁を有しており、
    前記複数の結晶系薄膜半導体層(106)の各々は前記第1の導電型を有し、前記複数の結晶系薄膜半導体層(106)は、前記半導体基板(100)上に順に配置された第1から第nの結晶系薄膜半導体層からなり、前記第1から第nの結晶系薄膜半導体層のそれぞれは第1から第nの不純物濃度を有しており、前記第1から第nの不純物濃度のうち第k(n≧k≧2)の不純物濃度の各々は第k−1の不純物濃度よりも高く、
    前記積層構造(ST)を形成する工程は、前記第1から第nの結晶系薄膜半導体層を順に形成する工程を含み、前記第1から第nの結晶系薄膜半導体層のそれぞれを形成する工程のうち、第k(n≧k≧2)の結晶系薄膜半導体層を形成する工程の各々で用いられる温度は、第k−1の結晶系薄膜半導体層を形成する工程で用いられる温度よりも低い、
    光起電力素子(201,202)の製造方法。
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