JPWO2019004270A1 - シート構造 - Google Patents

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Abstract

カバーを確実にシートに固定すると共にフレキシブルにカバーの張りを調整できる構造を提供できるようにする。座部を構成するクッション部材20と、クッション部材20の下面に位置する底板21と、クッション部材20を覆うカバー部材22と、で構成するシート構造において、カバー部材22の端縁は底板21にかかる締結片46を備え、締結片46と底板21の内側にはそれぞれを係合するカバー係合構造100を備える。

Description

本発明は、シート構造に関する。
特許文献1には、メッシュからなるカバーの端部に伸縮材を備える取付部を形成し、この取付部をシート底板の縦壁の内側に配置させて伸縮材の伸縮を利用してカバーをシートに取り付ける構成が記載されている。また特許文献1には、カバーの端部には帯部材が設けられており、この帯部材の端部には面ファスナーが設けられ、一対の帯部同士で係合する構造が記載されている。
特開2008−29752号公報
従来技術では、カバー端縁に設けられる取付部がシート底板の縦壁内側に位置し、見えない箇所でカバーを取り付ける構造が開示され、さらにはカバーの端縁に設けられる少なくとも一対の帯部材同士を面ファスナーで係合して取り付けを確実にすることを開示している。しかし、カバーをシートに固定するような機構は無く、またカバーのフィット感を出すフレキシブルな構造がないため、ユーザの好みに合わせた取り付けができない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、カバーを確実にシートに固定すると共にフレキシブルにカバーの張りを調整できるシート構造を提供することを目的とする。
この明細書には、2017年6月30日に出願された日本国特許出願・特願2017−129777の全ての内容が含まれる。
本発明は、座部を構成するクッション部材(20)と、該クッション部材(20)の下面に位置する底板(21、221)と、前記クッション部材(20)を覆うカバー部材(22、222、322、422)と、で構成するシート構造において、前記カバー部材(22、222、322、422)の端縁は前記底板(21、221)にかかる締結片(46、246、370、446)を備え、該締結片(46、246、370、446)と前記底板(21、221)の内側にはそれぞれを係合するカバー係合構造(100、200、300、400)を備えることを特徴とする。
上記発明において、前記カバー係合構造(100、200、300、400)は面ファスナー(72、272、372、472)であっても良い。
また、上記発明において、前記底板(21、221)の幅方向端部には下方に指向する縦壁(21c、221c)を備え、前記カバー係合構造(100、200、300、400)は該縦壁(21c、221c)の内側に位置しても良い。
また、上記発明において、前記締結片(46、370)にはめくれ防止機構(101、301)が設けられても良い。
また、上記発明において、前記めくれ防止機構(101、301)は前記面ファスナー(72、372)と別体に形成され、前記面ファスナー(72、372)よりも前記締結片(46、370)の端部(47、374)側に位置しても良い。
また、上記発明において、前記めくれ防止機構(101、301)は前記底板(21)に設けられるフック(27a)と前記締結片(46、370)に設けられる開口(46b、346b)とからなっても良い。
また、上記発明において、前記開口(46b、346b)は前記締結片(46、370)に複数設けられても良い。
また、上記発明において、前記底板(221)に設けられる前記面ファスナー(272、474)は、前記カバー部材(222、422)の引張り方向に対して対向する方向に傾斜して設けられる突起形状(272a、472a)をなしても良い。
本発明に係るシート構造によれば、座部を構成するクッション部材と、該クッション部材の下面に位置する底板と、前記クッション部材を覆うカバー部材と、で構成するシート構造において、前記カバー部材の端縁は前記底板にかかる締結片を備え、該締結片と前記底板の内側にはそれぞれを係合するカバー係合構造を備える。この構成によれば、簡単な構造でカバー部材をシートに固定することができ、カバー部材のフィット感を出すことができる。
上記発明において、前記係合構造は面ファスナーであっても良い。この構成によれば、カバー部材と底板とのフレキシブルな取り付けが可能で、カバー部材の張りを調整できると共に、簡単な取り付けとすることができる。
また、上記発明において、前記底板の幅方向端部には下方に指向する縦壁を備え、前記カバー係合構造は該縦壁の内側に位置する。カバーを折り返して引っ張りさせやすく、係合および張りを調整できる。また簡単な係合構造なので、ユーザが好みの張りにし易い。
また、上記発明において、前記締結片にはめくれ防止機構が設けられても良い。この構成によれば、面ファスナーの動きを規制して剥がれ難くすることができ、確実にカバー部材をシートに係合できる。
また、上記発明において、前記めくれ防止機構は前記面ファスナーと別体に形成され、前記面ファスナーよりも前記締結片の端部側に位置しても良い。この構成によれば、締結片の余り代を押さえることで確実に締結片の動きを規制して面ファスナーに影響が出ないようにすることができる。
また、上記発明において、前記めくれ防止機構は前記底板に設けられるフックと前記締結片に設けられる開口とからなっても良い。この構成によれば、簡単な形状でカバー部材のめくれを防止できる。
また、上記発明において、前記開口は前記締結片に複数設けられても良い。この構成によれば、余り代の長さに応じてフレキシブルに底板に締結片を係止できる。
また、上記発明において、前記底板に設けられる前記面ファスナーは、前記カバー部材の引張り方向に対して対向する方向に傾斜して設けられる突起形状をなしても良い。この構成によれば、突起形状の先端が引張り方向に対して締結片に向かって食い込む方向なので、締結片の剥がれを防止できる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車のシートの周辺部の斜視図である。 図2は、シートの周辺部の右側面図である。 図3は、シートの周辺部を上方から見た平面図である。 図4は、シートを下方から見た平面図である。 図5は、図2のV−V断面図である。 図6は、縦壁と折り返し部の構造を模式的に示した図であり、図6(A)は図5の要部に対応する図、図6(B)は図6(A)において矢印VIA方向に見た図である。 図7は、図5におけるメッシュ部及びクッション体の構造を模式的に示した拡大断面図である。 図8は、シート底板に対して折り返し部が取り付けられる場合の説明図であり、図8(A)が本実施形態の説明図、図8(B)は変形例の説明図である。 図9は、引っ掛け孔の加工工程の一例を示す図である。 図10は、図4のX−X断面図である。 図11は、第2の実施の形態に係るシートの要部断面図である。 図12は、第3の実施の形態に係るシートの断面図である。 図13は、第4の実施の形態に係るシートの要部断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
なお、説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体の各方向と同一である。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号RHは車体右方を示す。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車1のシート10の周辺部の斜視図である。図2は、シート10の周辺部の右側面図である。
自動二輪車1は、前輪(不図示)と、後輪(不図示)と、車体フレーム11(図2)と、駆動輪である後輪を駆動する動力を発生させるパワーユニット(不図示)とを備える。
自動二輪車1は、上記前輪の後方且つ上方にタンク状部材12を備える。タンク状部材12は車体フレーム11に支持される。ここでは、タンク状部材12は、燃料タンクであるが、エアクリーナーや収納箱等を覆うタンク状のカウルであっても良い。
自動二輪車1は、車体フレーム11の後部に支持されるリアカウル13とタンク状部材12との間に、乗員が跨るようにして着座するシート10(跨座式シート)を備える鞍乗り型車両である。
シート10は、車体フレーム11上に支持される。シート10は、シートロック機構(不図示)を介して車体フレーム11側に着脱自在に取り付けられる。シートロック機構を操作するためのキーシリンダ操作部14は、リアカウル13の前部に設けられる。
図3は、シート10の周辺部を上方から見た平面図である。
図1〜図3を参照し、シート10は、運転者用のシングルシートである。シート10は、その前縁がタンク状部材12の後縁に沿うとともに、その後縁がリアカウル13の前面に沿うように設けられる。シート10は、その後部から前方側に行くほど車幅方向(左右方向)の幅が小さくなるように形成されており、平面視では、左右の側縁部10a,10aは、前方側に行くほど車幅方向内側に位置するように傾斜している。
図2に示すように、運転者Rは、シート10の上面に着座するとともに、左右の脚Lをシート10の左右の側面にそれぞれ沿わせて下方に伸ばす。
シート10は、前方に行くほど幅狭となるので、シート10に着座した運転者Rの脚Lの移動の自由度が確保される。また、シート10は後方に行くほど幅広になるので、運転者Rの姿勢変化などに対応した広いシート面積が確保される。なお、シングルシートでない二人乗り用のシートである場合にも、前方に行くほどシートが幅狭となる形状の場合がある。
図4は、シート10を下方から見た平面図である。図5は、図2のV−V断面図である。
シート10は、座部を構成するクッション体(クッション部材)20と、クッション体20の下面に位置するシート底板21と、クッション体20を覆うシートカバー(カバー部材)22と、を備える。
シート底板21は、シート10の骨格として機能する板状のフレーム部材であり、例えば硬質合成樹脂などの比較的高い剛性を有する材料で形成される。シート底板21は、平面視では、シート10の外形と略同一の外形に形成されている。
シート底板21の左右の側縁部21a,21aは、平面視において、シート底板21の幅が前方側ほど小さくなるようにシート10の側縁部10a,10aに沿って傾斜している。また、シート底板21の側縁部21a,21aは、図2の側面視では、その前端から後部までは後下がりに後方へ延び、その後端部は、後上がりに後方へ延びている。
図3及び図4を参照し、シート底板21の前端部は、タンク状部材12の後面に沿って後方に凹む湾曲形状に形成される。詳細には、シート底板21の前端部の左右側部には、前方に突出する前方突出部21b,21bが形成されている。前方突出部21b,21bは、タンク状部材12の後端部の左右の側面に沿うように前方に延びる。
図5は、図2のV−V断面図である。図6は、縦壁と折り返し部の構造を模式的に示した図であり、図6(A)は図5の要部に対応する図、図6(B)は図6(A)において矢印VIA方向に見た図である。
図5に示すように、シート底板21は、幅方向(左右方向)へ略水平に延びる上面部26と、上面部26の左右の側縁から車幅方向外側且つ下方へ延びる左右の傾斜部27,27とを一体に備える。上面部26及び傾斜部27,27は、シート底板21の前後方向の略全体に亘って形成されている。シート底板21の側縁部21a,21aは、傾斜部27,27の外側縁部である。側縁部21a,21aは、その下面部が下方に膨出している。すなわち、本実施形態のシート底板21の幅方向端部には、傾斜部27および側縁部21aが形成されており、傾斜部27および側縁部21aが、シート底板21の上面部26に対して下方に曲がり、下方に指向する縦壁21c、21cを構成している。第1の実施の形態では、傾斜部27,27および側縁部21a,21aが縦壁21c、21cを構成するが、図6に示すように、縦壁21c、21cは、上面部26に対して下方に曲がり、上下方向(縦方向)に延びて下方に指向する壁形状であってもよい。
図2及び図4を参照し、シート底板21の下面には、その前部及び後部に設けられる脚部28・・・と、その前部から下方に延びるステー部29,29と、その後部から後方へ延びる係止部30,30とが設けられる。
シート10は、脚部28・・・を介して車体フレーム11側に受けられる。また、シート10は、係止部30,30を介して車体フレーム11側に係止されるとともに、ステー部29,29に係合されるボルト等の固定具を介して車体フレーム11に固定される。
図1〜図5を参照し、シートカバー22は、メッシュ素材で形成されたメッシュ部40と、メッシュ部40とは異なる素材で形成された表皮部41とを備える。
また、シートカバー22は、シート底板21の前方突出部21b,21b(図4)に被さる前側袋部42,42と、シート底板21の後端に被さる後側袋部43とを備える。
前側袋部42,42は、前方突出部21b,21bを上下左右及び前方から覆うように袋状に形成されており、前方突出部21b,21bに前方から引っ掛けられる。
後側袋部43は、シート底板21の後端の全体を上下左右及び後方から覆うように袋状に形成されており、シート底板21の後端に後方から引っ掛けられる。
前側袋部42,42及び後側袋部43は、表皮部41で構成されている。また、シートカバー22は、図3に示すように、前側袋部42,42と後側袋部43との間の部分が、メッシュ部40で構成されている。すなわち、シートカバー22は、その前端部と後端部との間がメッシュ部40で構成されており、運転者の着座面の大部分がメッシュ素材で構成されている。
表皮部41は、メッシュ部40よりも強度や剛性が高い素材で構成されても良い。また、表皮部41は、メッシュ部40よりも通気性が低く防水性が高い素材で構成されても良い。例えば、表皮部41は、PVCレザーなどの合成樹脂製のシート材で形成される。
なお、表皮部41は、メッシュ部40の素材の表面を覆うように設けても良く、或は、メッシュ部40の素材の外縁に縫合して設けても良い。
図7は、図5におけるメッシュ部40及びクッション体20の構造を模式的に示した拡大断面図である。
図7に示すように、シートカバー22のメッシュ部40は、表層40aと、裏層40bと、表層40aと裏層40bとを連結する連結層40cとを備え、各層40a〜40cが、合成樹脂などからなる繊維素材を編んで形成された編地からなる三層構造の立体編物で構成されている。表層40a及び裏層40bは、メッシュ状の孔空き組織の編地で形成され、通気性を有する。なお、表層40aには、表面の肌触りを良好にし、かつ、保水性の少ない繊維素材(例えば嵩高糸)を用いることが好ましい。
連結層40cは、表層40a及び裏層40bをモノフィラメントの連結糸40dで連結して構成される。より具体的には、連結層40cは、表層40a及び裏層40bを連結する際に少なくとも2本の連結糸40dが公差するクロス構造の編地で形成される。クロス構造にすることで、立体編物であるシートカバー22の通気性、形態安定性、弾力性(衝撃吸収性)及び耐久性(弾力性の持続性)などを両立し易くなる。しかも、メッシュ部40の全体に隙間が形成されるので、シートカバー22の軽量化にも有利である。
なお、連結層40cはクロス構造に限定されず、表層40a及び裏層40bを略垂直に連結する柱構造、又は、少なくとも2本の連結糸40dと表裏の編地とが三角形を形成するトラス構造でもよい。
また、メッシュ部40は三層以外の多層構造にしてもよい。また、表層40a又は裏層40bを1枚のメッシュ生地に変更する等、各層40a〜40cの一部或いは全てを編地以外で構成してもよい。また、多層構造に限らず、公知のメッシュ素材を使用しても良い。
図4及び図5に示すように、シートカバー22は、左右方向の端縁に、シート底板21にかかるフラップ状の折り返し部(締結片)46・・・を備える。折り返し部46・・・は、シート底板21の下面に回り込むようにメッシュ部40を延長して形成されている。すなわち、折り返し部46・・・はメッシュ素材で構成されている。折り返し部46・・・は左右に複数設けられている。折り返し部46・・・は、前後方向では、前側袋部42,42と後側袋部43との間に設けられている。
折り返し部46・・・は、シート底板21において、下方に指向する縦壁21c、21cの先端(側縁部21a)を、下方から覆う屈曲部46a・・・でシート10の内側方向へ折り返される。よって、シートカバー22を縦壁21c、21cの先端で折り返して引っ張らせやすく、縦壁21c、21cを利用して、係合および張りを調整し易くできる。
図8は、シート底板21に対して折り返し部46が取り付けられる場合の説明図であり、図8(A)が本実施形態の説明図、図8(B)は変形例の説明図である。
図8(A)に示すように、側縁部21a,21aよりも幅方向内側となる傾斜部27,27の下面(縦壁21c、21cの内側面)には、面ファスナー72が設けられている。面ファスナー72は、フック状に密集して起毛されたフック72aが複数形成されたフック面である。すなわち、一般には、面ファスナーは、フック状に密集して起毛されたフック面と、ループ状に密集して起毛されたループ面とを対として構成されているが、本第1の実施の形態では、片側のフック面のみで構成されている。
面ファスナー72よりも左右方向内側、すなわち、折り返し部46・・・の先端部47(端部)側となる位置に対応して、傾斜部27、27には、めくれ防止フック27a(フック)が設けられている。めくれ防止フック27a(フック)は、シート底板21の傾斜部27、27の下面から、下方に突出し且つ先端がそれぞれ左右方向内側に向かって曲がった棒状に形成されている。なお、本実施形態のめくれ防止フック27aは、シート底板21と別体の構成であるが、シート底板21と一体成形でも良い。
折り返し部46・・・が折り返されて面ファスナー72に押当てられると、面ファスナー72のフック72aが、折り返し部46・・・のメッシュ部分に引っ掛かる。折り返し部46および面ファスナー72により第1の実施の形態のカバー係合構造100が構成される。折り返し部46・・・が傾斜部27,27に対して結合される。よって、簡単な構造でシートカバー22をシート10に固定することができる、また、面ファスナー72により係合されるので、シートカバー22とシート底板21とのフレキシブルな取り付けが可能で、シートカバー22の張りを調整でき、簡単な取り付けが可能である。また、シートカバー22のフィット感を出すことができる。
ここで、折り返し部46・・・の先端部47には、めくれ防止フック27aに係合する引っ掛け孔46b(開口)が形成されている。引っ掛け孔46bは、幅方向(左右方向)に間隔を空けて3つ形成されている。3つの引っ掛け孔46b、46b、46bのうち、1つの引っ掛け孔46bに対してめくれ防止フック27aが通される。引っ掛け孔46bが複数設けられているため、シートカバー22の張り具合(フィット具合)に応じて、めくれ防止フック27aに引っ掛ける引っ掛け孔46bを変えることが可能である。すなわち、3つの引っ掛け孔46b、46b、46bとめくれ防止フック27aにより、折り返し部46・・・の余り代の長さに応じてフレキシブルにシート底板21に係止でき、シートカバー22の張り具合(フィット具合)を調整可能になっている。引っ掛け孔46b、46b、46bおよびめくれ防止フック27aにより、めくれ防止機構101が構成される。めくれ防止機構101により、シートカバー22のめくれを防止できる。なお、めくれ防止機構101において、引っ掛け孔46b、46b、46bは3つに限定されず、それ以上になっても良い。
一般的に、面ファスナーによる結合では、面ファスナー全体に垂直な力が作用する場合には剥がれ難いが、折り返し部46がめくれたりして、面ファスナー72に対して面方向に沿った力が加わると、面ファスナー72と折り返し部46との結合が解除されて剥がれ易くなる。
シート10に運転者R(乗員)が座る場合、運転者Rの重量によりシート10上面が下方に押し下げられるため、シート10を覆うシートカバー22も下方に押し下げられシートカバー22には面に沿って引っ張り力が作用する。よって、シートカバー22の側部や、側縁部21aよりも内側の折り返し部46では、シートカバー22の側部や折り返し部46の面に沿った方向に引っ張られる。このとき、折り返し部46では面ファスナー72の面に沿った方向に引っ張り力が作用するため、時間の経過もしくは、他の外乱が入った場合に、折り返し部46が面ファスナー72から剥がれる場合がある。
これに対して、本実施形態では、めくれ防止機構101が設けられており、折り返し部46・・・がめくれ防止フック27aに係合している。よって、運転者Rの重量によって折り返し部46に対して引っ張る力が作用しても、面ファスナー72の近傍では、めくれ防止機構101により、引っ張る力が打ち消され、折り返し部46がめくれる方向へ動くことが規制される。よって、折り返し部46がめくれ難くなっており、折り返し部46と面ファスナー72の結合が保持され易くなっている。
なお、本実施形態では、面ファスナー72がフック72aを有する構成を説明したが、例えば、図8(B)に示すように、先端が膨出したキノコ状の引掛け部72bによる面ファスナーの構成も可能である。
図5の折り返し部46と縦壁21cとを模式的に示す図6を用いて説明すると、折り返し部46は、縦壁21cの先端(側縁部21a)で内側方向へ折り返される。これにより、シートカバー22を縦壁21cの先端(側縁部21a)で折り返して引っ張らせ易く、係合および張りを調整し易くできる。また、折り返し部46は、縦壁21cの内側に設けられた面ファスナー72に押し当てられて、面ファスナー72のフック72a(図7)が、折り返し部46のメッシュ部分に引っ掛かる。よって、シートカバー22がシート10に固定される。また、めくれ防止フック27aが、縦壁21cにおいて面ファスナー72よりも折り返し部46の先端部47側となる位置に設けられており、折り返し部46の引っ掛け孔46bには、めくれ防止フック27aが係合される。これにより、折り返し部46が面ファスナー72から剥がれ難くなる。なお、面ファスナー72や、めくれ防止機構101は、縦壁21cの内側に設けられているため、シート10の外部からシートカバー22の取り付け構造が外部から見難くなっており、外観性が良くなっている。
図9は、引っ掛け孔46bの加工工程の一例を示す図である。
メッシュ素材で構成される折り返し部46の先端部は、加熱された治具Tによって圧縮加工され、熱によって硬化した板状の先端部47になる。その後、プレス加工等による孔抜き加工によって先端部47に係合孔46bが形成される。上記圧縮加工により生じた余剰部分47aは、切断されて除去される。
なお、折り返し部46は、シートカバー22に設けられた別部材でも良く、その場合には、別部材に面ファスナー72(カバー係合部100)と、めくれ防止機構101としての孔46b(開口)を設ける。
図3及び図5を参照し、クッション体20は、シートカバー22とシート底板21との間の空間Sに配置される。クッション体20は、第1のクッション体20aと、第2のクッション体20bと、第3のクッション体20cとに3分割して設けられている。
第1のクッション体20aは、シート底板21の上面部26に支持される。第2のクッション体20b及び第3のクッション体20cは、第1のクッション体20aの左右に配置され、シート底板21の傾斜部27,27にそれぞれ支持される。
第1のクッション体20a、第2のクッション体20b及び第3のクッション体20cは、シート底板21の前後の略全体に亘って設けられる。
図7に示すように、クッション体20は、熱可塑性エラストマー等の合成樹脂からなる繊維45(連続線状体とも称する)を曲がりくねらせてループを形成し、各ループの接触部分を融着などで接合した三次元網状構造体である。クッション体20の各部材は、必要なサイズに合わせ、大型な定形サイズのものから切断加工されて、必要な形状に形成される。
つまり、クッション体20は、熱可塑性エラストマー網状体で構成される。これにより、クッション性及び耐久性に優れ、且つ、通気性に優れたクッションが得られる。特に、ウレタン製の従来の車両用クッションと比べ、格段に通気性に優れたクッションが得られる。
また、繊維45の材料、繊維径、中空率(単位面積当たりの中空面積)などを調整することによって、クッション性、通気性及び耐久性(クッション性の持続性)などを所望の性能に調整可能である。このようにして、比較的厚さが薄いシート10であっても、十分なクッション性を得ながら通気性が得られ、且つ、放熱性及び水排出性(透水性)も得られる。クッション体20の全体に隙間が形成されるので、シート10の軽量化にも有利である。
なお、クッション体20は、熱可塑性エラストマー網状体に限定されない。要は、クッション体20に三次元網状構造を適用することで、所望のクッション性及び通気性などを得ることができる。
図5に示すように、袋体23は、第1のクッション体20aを収納する第1の袋体23aと、第2のクッション体20bを収納する第2の袋体23bと、第3のクッション体20cを収納する第3の袋体23cとを備える。袋体23は、通気性が高い素材で構成され、例えば、メッシュ素材のシートによって構成される。
第1の袋体23aは、メッシュ部40の裏面に縫合されるシート状部材50とメッシュ部40とによって袋状に構成される。
詳細には、シート状部材50は、第1のクッション体20aの一側側縁に沿うように前後に延在する表皮結合部51(図3及び図5参照)でメッシュ部40に結合される一側シート状部材50aと、第1のクッション体20aの他側側縁に沿うように前後に延在する表皮結合部52(図3及び図5参照)でメッシュ部40に結合される他側シート状部材50bとを備える。
シート状部材50は、一側シート状部材50a及び他側シート状部材50bの内縁部が互いに重なり合う結合部50cを備える。結合部50cは、第1のクッション体20aとシート底板21との間に挟まれることで摩擦力によって結合されている。
第2の袋体23bは、メッシュ部40の裏面に結合されるシート状部材53とメッシュ部40とによって袋状に構成される。
詳細には、シート状部材53は、右側の折り返し部46の屈曲部46aの裏面の下側表皮結合部51aで結合される一側シート状部材53aと、表皮結合部51でメッシュ部40に結合される他側シート状部材53bとを備える。
シート状部材53は、一側シート状部材53a及び他側シート状部材53bの内縁部が互いに重なり合う結合部53cを備える。
結合部53cは、第2のクッション体20bとシート底板21との間に挟まれることで結合されている。
なお、表皮結合部51で縫合される一側シート状部材50a及び他側シート状部材53bは、一体のシートで構成しても良い。
第3の袋体23cは、メッシュ部40の裏面に結合されるシート状部材54とメッシュ部40とによって袋状に構成される。
詳細には、シート状部材54は、表皮結合部52でメッシュ部40に結合される一側シート状部材54aと、左側の折り返し部46の屈曲部46aの裏面の下側表皮結合部52aで結合される他側シート状部材54bとを備える。
シート状部材54は、一側シート状部材54a及び他側シート状部材54bの内縁部が互いに重なり合う結合部54cを備える。
結合部54cは、第3のクッション体20cとシート底板21との間に挟まれることで結合されている。
なお、表皮結合部52で縫合される他側シート状部材50b及び一側シート状部材54aは、一体のシートで構成しても良い。
また、結合部50c,53c,54cは、例えば面ファスナー等の結合手段によってそれぞれ結合されても良い。
第1のクッション体20a、第2のクッション体20b及び第3のクッション体20cは、袋体23に収納された状態において、シートカバー22とシート底板21とによって規定される空間Sの形状に追随するようにそれぞれ成形されている。このため、クッション体20を袋体23に収納して空間Sに配置した状態であっても、クッション体20は、ほとんど変形せず、外力が付与されていない自然状態の形状となる。
袋体23は、クッション体20を上下左右から覆う。なお、袋体23は、クッション体20を上下左右及び前後から覆っても良い。
図5に示すように、第2のクッション体20b及び第3のクッション体20cは、シート底板21の側縁部21a,21aの外側面とメッシュ部40との間に挟まれる側方クッション部20d,20dをその下端に備える。側方クッション部20d,20dが設けられることで、脚L(図2)に側縁部21a,21aが強く当たり難くなるため、座り心地が良い。
図3及び図5に示すように、メッシュ部40において表皮結合部51の幅方向内側には、表皮結合部51に沿って前後に延在するステッチ部55が設けられている。
また、メッシュ部40において表皮結合部52の幅方向内側には、表皮結合部52に沿って前後に延在するステッチ部56が設けられている。
表皮結合部51,52は、メッシュ部40と袋体23とを重ねた部分に樹脂製の紐状部材を溶着し、メッシュ部40と袋体23とを結合させた部分である。
また、ステッチ部55,56は、メッシュ部40の表面に樹脂製の紐状部材を溶着し、ステッチ状に形成した部分である。
表皮結合部51,52及びステッチ部55,56は、メッシュ部40の表面に凹凸として露出する。これにより、メッシュ部40と着座者との摩擦が増加し、表皮結合部51,52及びステッチ部55,56を着座者の滑り止めとして利用できる。
なお、表皮結合部51,52及びステッチ部55,56は、溶着に限らず、メッシュ部40に糸を縫合して形成しても良い。
本第1の実施の形態では、シートカバー22及びクッション体20の通気性が高いため、シート10の座り心地が良い。
シートカバー22及びクッション体20の通気性が高いため、シートカバー22及びクッション体20に雨等の水が侵入することがある。
図5を参照し、シート10に上方から侵入した水Wは、シートカバー22及びクッション体20を伝って下方に移動するとともに、シート底板21の上面に沿うように移動し、傾斜部27,27を下って屈曲部46a,46a側に流れる。
また、水Wは、傾斜部27,27の外側に位置するシートカバー22及びクッション体20を伝うようにして、下方の屈曲部46a,46aに流れる。
シート10の側縁部10a,10aは、シート底板21の側縁部21a,21aの外側面よりも外側に位置する。よって、屈曲部46a,46aに流れついた水Wは、メッシュ状の屈曲部46a,46aを下方に通過して落下しシート10の下方に排出されるため、シート10に着座する運転者Rの脚Lに水Wが付着し難い。
シート10を組み立てる際には、メッシュ部40に一体に設けられる袋体23にクッション体20を収納した状態でシートカバー22及びクッション体20をシート底板21に組み付けでき、作業性が良い。また、シート10をメンテナンス等で分解する場合には、シートカバー22及びクッション体20をシート底板21から一体に外すことができ、作業性が良い。また、袋体23の結合部50c,53c,54cの結合を解除することで、クッション体20を容易に取り外すことができ、クッション体20のメンテナンス等が容易である。
また、クッション体20がメッシュ部40に設けられる袋体23に収納されるため、クッション体20を簡単な構造で保持でき、クッション体20が三次元網状構造体であっても形状の自由度が高い、このため、通気性の良いシート10を容易に製造できる。
クッション体20は、定形の形状、例えば直方体で提供されるものを所望の形状にカットすることで製造される。クッション体20は、第1のクッション体20a、第2のクッション体20b及び第3のクッション体20cに分割されているため、クッション体20の形状をシート10の所定の形状に合わせ易い。
また、複数に分割された第1のクッション体20a、第2のクッション体20b及び第3のクッション体20cが、第1の袋体23a、第2の袋体23b及び第3の袋体23cにそれぞれ収納されるため、クッション体20の形状をその配置場所に合わせ易くなり、クッション体20の形状の自由度が高い。
第1のクッション体20a、第2のクッション体20b及び第3のクッション体20cは、空間S内で互いに隣接して配置されることで、互いに位置を規制し合っている。
図10は、図4のX−X断面図である。
図4及び図10を参照し、シートカバー22の後側袋部43は、下面に係止孔43a,43aを備える。係止孔43a,43aには、シート底板21から後方に延設された係止部30,30が挿通される。シートカバー22は、係止孔43a,43aに係止部30,30が引っ掛かることで、シート底板21側に係止される。これにより、シートカバー22を無理に剥がそうとしてもシートカバー22が外れないため、シートカバー22の盗難を防止できる。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、座部を構成するクッション体20と、クッション体20の下面に位置するシート底板21と、クッション体20を覆うシートカバー22と、で構成するシート構造において、シートカバー22の端縁はシート底板21にかかる折り返し部46を備え、折り返し部46とシート底板21の内側にはそれぞれを係合するカバー係合構造100を備える。したがって、簡単な構造でシートカバー22をシート10に固定することができ、シートカバー22のフィット感を出すことができる。
また、第1の実施の形態では、カバー係合構造100は面ファスナー72である。したがって、シートカバー22とシート底板21とのフレキシブルな取り付けが可能で、シートカバー22の張りを調整できると共に、簡単な取り付けとすることができる。
また、第1の実施の形態では、シート底板21の幅方向端部には下方に指向する縦壁21cを備え、カバー係合構造100は縦壁21cの幅方向内側に位置する。したがって、シートカバー22を折り返して引っ張りさせやすく、係合および張りを調整できる。また簡単な係合構造なので、運転者Rが好みの張りにし易い。
また、第1の実施の形態では、折り返し部46にはめくれ防止機構101が設けられている。したがって、面ファスナー72の動きを規制して剥がれ難くすることができ、確実にシートカバー22をシート10に係合できる。
また、第1の実施の形態では、めくれ防止機構101は面ファスナー72と別体に形成され、面ファスナー72よりも折り返し部46の端部側に位置する。したがって、折り返し部46の余り代を押さえることで確実に折り返し部46の動きを規制して面ファスナー72に影響が出ないようにすることができる。
また、第1の実施の形態では、めくれ防止機構101はシート底板21に設けられるフック27aと、折り返し部46に設けられる引っ掛け孔46bとからなる。したがって、簡単な形状でシートカバー22のめくれを防止できる。
また、第1の実施の形態では、引っ掛け孔46bは折り返し部46に複数設けられる。したがって、余り代の長さに応じてフレキシブルにシート底板21に折り返し部46を係止できる。
[第2の実施の形態]
以下、図11を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第2の実施の形態では、第1の実施の形態のめくれ防止機構101が省略されている。よって、第2の実施の形態の折り返し部246では、係合孔46bが省略されている。また、シート底板221の傾斜部227、227の下面から、めくれ防止フック27a・・・が省略されている。
第2の実施の形態では、シート底板221の傾斜部227、227の下面(縦壁221cの内側面)に、第1の実施の形態の面ファスナー72に代えて、面ファスナー272が設けられている。第2の実施の形態の面ファスナー272には、棘部272aが複数形成されている。棘部272aは、シートカバー222が引っ張られる引張り方向に対して対向する方向に傾斜して設けられる突起形状をなしている。棘部272aは、基端部において面ファスナー272と棘部272aとの間の角度が小さい鋭角に設定されている。よって、傾斜部27、27においては、棘部272aは先端が幅方向(左右方向)内側に向かっている。
第2の実施形態では、折り返し部246および面ファスナー272により第2の実施の形態のカバー係合構造200が構成される。折り返し部246が面ファスナー272に押当てられると、面ファスナー272の棘部272aが、折り返し部246のメッシュ部分に引っ掛かる。このとき、運転者Rがシート210に乗車すると、シートカバー222が引っ張られ、折り返し部246が面ファスナー272の面に沿った方向に移動しようとする。ここで、棘部272aの先端が引張り方向に対して対向する方向に傾斜しており、棘部272aは折り返し部246に食い込む。すなわち、棘部272aの先端が、折り返し部246が面ファスナー272に食い込む方向に傾斜している。よって、棘部272aにより、折り返し部246が面ファスナー72からめくれ難くなっており、折り返し部246が面ファスナー72から剥がれることが防止される。
以上説明したように、本発明を適用した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に面ファスナー272を利用して、折り返し部246とシート底板221が係合されており、簡単な構造でシートカバー222をシート210に固定することができ、シートカバー222のフィット感を出すことができる。
また、本第2の実施の形態では、シート底板221に設けられる面ファスナー272は、シートカバー222の引張り方向に対して対向する方向に傾斜して設けられる棘部272aを備える。したがって、棘部272aの先端がシートカバー222が引っ張られる引張り方向に対して折り返し部246のメッシュ状の部分に食い込む方向に突出しているので、折り返し部246のめくれを防止できる。
なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態のめくれ防止機構101を省略したが、めくれ防止機構101を設けることによって、より確実にシートカバー222を固定する構造としても良い。すなわち、シート底板221にめくれ防止フックを設けると共に、押し返し部246に、めくれ防止フックに引っ掛かる引っ掛け孔を設けても良い。
[第3の実施の形態]
以下、図12を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第3の実施の形態は、シートカバー322が折り返し部46に代えて、メッシュ部40とは別体の取付体370(締結片)を備えている。すなわち、シートカバー322が、取付体370および面ファスナー372を介してシート底板21に固定される点等が、上記第1の実施の形態と異なる。
シート310は、シート底板21と、クッション体20と、シートカバー322と、袋体23とを備える。
シートカバー322は、メッシュ部340と、表皮部41とを備える。メッシュ部340は、上記第1の実施の形態のメッシュ部40と同様にメッシュ素材で形成されているが、折り返し部46,46を備えていない点が、第1の実施の形態のメッシュ部40と異なる。
シートカバー322は、メッシュ部340の左右の側部の下縁340a,340aに結合される取付体370・・・を備える。シートカバー322は、取付体370・・・によってシート底板21に固定される。
取付体370・・・は、外形形状は、折り返し部46・・・と同様の形状に形成されており、メッシュ部340の下縁340a,340aから延びるフラップ状に形成されている。取付体370は、シート底板21の下面に回り込むように折り返され、傾斜部27,27の下面に固定される。
取付体370は、メッシュ部340よりも強度や剛性が高い素材で構成されても良い。また、取付体370は、メッシュ部340よりも通気性が低く防水性が高い素材で構成されても良い。例えば、取付体370は、PVCレザーなどの合成樹脂製のシート材で形成される。
取付体370の基端部は、メッシュ部340の下縁340aに外側から重ねて設けられ、下縁340aに形成される結合部371によってメッシュ部340に結合される。結合部371では、取付体370、メッシュ部340及び一側シート状部材53aの基端部の3層が、一体に結合される。ここでは、結合部371は、溶着によって形成されるが、糸でこれら3層を縫合して形成されても良い。
取付体370は、面ファスナー372(カバー係合構造)によって傾斜部27の下面に固定される。面ファスナー372は、傾斜部27の下面に設けられる一側ファスナー面72と、取付体370の先端部に設けられる他側ファスナー面373と、を備える。一側ファスナー面72は、第1の実施の形態の面ファスナー72と同じである。他側ファスナー面373面は、ループ状に密集して起毛されたループ面を備える。面ファスナー372により、第3の実施の形態のカバー係合構造300が構成される。
本第3の実施の形態の面ファスナー372は、フック状に密集して起毛されたフック面と、ループ状に密集して起毛されたループ面とを対として構成されている。一側ファスナー面72はフック面であり、他側ファスナー面373はループ面である。本第3の実施の形態では、面ファスナー372は、フックと、ループが別々の面に設けられた構成を説明するが、1つの面にフックとループの両方が植え込まれたフック面とループ面との区別のないタイプなど、どのような面ファスナーを用いることも可能である。
取付体370の先端部374には、めくれ防止フック27aに引っ掛け可能な引っ掛け孔370b(開口)が、折り返し部46と同様に3つ形成されている。引っ掛け孔370b、370b、370bおよびめくれ防止フック27aにより、めくれ防止機構301が構成される。
なお、前後方向において、取付体370・・・は、下縁340aに沿うように互いに前後に離間して配置されている、よって、取付体370が水を通過させ難い部材であっても、水Wは、下縁340a近傍において前後の取付体370,370の間から下方に排出される。
[第4の実施の形態]
以下、図13を参照して、本発明を適用した第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態において、上記第2の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第4の実施の形態では、第2の実施の形態の折り返し部246に代えて、折り返し部446を備える点が第2の実施の形態とは異なっている。
第4の実施の形態の折り返し部446の上面には、他側ファスナー面473が設けられている。傾斜部227、227に設けられた一側ファスナー面272は、第2の実施の形態の面ファスナー272と同様に構成されている。他側ファスナー面473は、ループ状に密集して起毛されたループ面に形成されている。すなわち、第4の実施形態では、一側ファスナー面272と他側ファスナー面473により、対をなす面ファスナー472が構成される。面ファスナー472により、第4の実施の形態のカバー係合構造400が構成される。
第4の実施の形態では、折り返し部446のメッシュ部分に一側ファスナー面272を引っ掛けるのではなく、別部材であるループ面を有する他側ファスナー面473に引っ掛けて、折り返し部446を傾斜部227、227の下面に結合させる。
以上説明したように、本発明を適用した第4の実施の形態によれば、面ファスナー472を利用して、折り返し部446とシート底板221が係合されており、簡単な構造でシートカバー422をシート410に固定することができ、シートカバー422のフィット感を出すことができる。
また、本第4の実施の形態では、シート底板221に設けられる一側ファスナー面272は、シートカバー422の引張り方向に対して対向する方向に傾斜して設けられる棘部272aを備える。したがって、棘部272aの先端が、シートカバー422が引っ張られる場合に、折り返し部446の他側ファスナー面473に食い込むので、折り返し部446のめくれを防止できる。
なお、上記第1〜第4の実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記第1の実施の形態では、面ファスナー72に代えて、第2の実施の形態や第4の実施の形態の棘部272aを有する面ファスナー272を使用することが可能である。
上記第3の実施の形態では、面ファスナー72に代えて、キノコ状の引掛け部72bを有する面ファスナー72や、第2の実施の形態や第4の実施の形態の棘部272aを有する面ファスナー272を、対をなす一方の一側面ファスナーとして使用することも可能である。
上記第3の実施の形態では、シートカバー322は、メッシュ部40を備えるものとして説明したが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、シートカバー322の全体が防水性の高いPVCレザーのような素材で構成される場合であっても良い。
さらに、上記第1の実施の形態では、シートが車両に設けられる例として、自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両、4輪以上を備えた鞍乗り型車両、及び、スクーターなどの鞍乗り型車両に適用可能である。また、本発明のシートは、車両以外の例えば家具等の跨座式のシートにも適用可能である。
20 クッション部材
21、221 底板
21c、221c 縦壁
22、222、322、422 カバー部材
27a フック
72、272、372、474 面ファスナー
46、246、370、446 締結片
46b、346b 開口
47、374 端部
100、200、300、400 カバー係合構造
101、301 めくれ防止機構
272a、472a 突起形状

Claims (8)

  1. 座部を構成するクッション部材(20)と、該クッション部材(20)の下面に位置する底板(21、221)と、前記クッション部材(20)を覆うカバー部材(22、222、322、422)と、で構成するシート構造において、
    前記カバー部材(22、222、322、422)の端縁は前記底板(21、221)にかかる締結片(46、246、370、446)を備え、該締結片(46、246、370、446)と前記底板(21、221)の内側にはそれぞれを係合するカバー係合構造(100、200、300、400)を備えることを特徴とするシート構造。
  2. 前記カバー係合構造(100、200、300、400)は面ファスナー(72、272、372、472)であることを特徴とする請求項1に記載のシート構造。
  3. 前記底板(21、221)の幅方向端部には下方に指向する縦壁(21c、221c)を備え、前記カバー係合構造(100、200、300、400)は該縦壁(21c、221c)の内側に位置することを特徴とする請求項2に記載のシート構造。
  4. 前記締結片(46、370)にはめくれ防止機構(101、301)が設けられることを特徴とする請求項2に記載のシート構造。
  5. 前記めくれ防止機構(101、301)は前記面ファスナー(72、372)と別体に形成され、前記面ファスナー(72、372)よりも前記締結片(46、370)の端部(47、374)側に位置することを特徴とする請求項4に記載のシート構造。
  6. 前記めくれ防止機構(101、301)は前記底板(21)に設けられるフック(27a)と前記締結片(46、370)に設けられる開口(46b、346b)とからなることを特徴とする請求項4または5に記載のシート構造。
  7. 前記開口(46b、346b)は前記締結片(46、370)に複数設けられることを特徴とする請求項6に記載のシート構造。
  8. 前記底板(221)に設けられる前記面ファスナー(272、474)は、前記カバー部材(222、422)の引張り方向に対して対向する方向に傾斜して設けられる突起形状(272a、472a)をなすことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載のシート構造。
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