JPWO2018186379A1 - フランジを有する鋼矢板の製造方法及び製造設備 - Google Patents

フランジを有する鋼矢板の製造方法及び製造設備 Download PDF

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Abstract

リバース圧延によるフランジ波等の形状不良が発生するのを抑制し、製品寸法精度や圧延の安定性の向上を図る。孔型ロール圧延によって被圧延材からフランジを有する鋼矢板を形成する製造方法であって、同一の孔型により前記被圧延材に対してリバース圧延を行う工程を具備し、前記リバース圧延を行う工程は、中立線を跨ぐ第1フランジ部と、当該第1フランジ部の両側に配置される第2及び第3フランジ部を形成する工程を含み、前記孔型は、前記第1フランジ部を形成するための第1フランジ対向部分と、前記第2フランジ部を形成するための第2フランジ対向部分と、前記第3フランジ部を形成するための第3フランジ対向部分と、を備え、水平面に対する、前記第1フランジ対向部分の傾斜角度は、前記第2及び第3フランジ対向部分の傾斜角度よりも大きい。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2017年4月3日に日本国に出願された特願2017−073578号に基づき、優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本発明は、例えばハット形鋼矢板、U形鋼矢板等のフランジを有する鋼矢板の製造方法及び製造設備に関する。
従来より、ハット形等の両端に継手を有する鋼矢板の製造は孔型圧延法によって行われている。この孔型圧延法の一般的な工程としては、先ず加熱炉において所定の温度に加熱した矩形材を、孔型を備えた粗圧延機、中間圧延機及び仕上圧延機によって順に圧延することが知られている。孔型圧延法として例えば特許文献1には、粗圧延、中間圧延及び仕上圧延においてロールに複数の孔型を配置し、それら各孔型において1〜2パスずつ圧延を行ってハット形鋼矢板を製造する技術が開示されている。
また、例えば特許文献2には、U形鋼矢板の製造においてウェブとフランジの延伸釣り合いが保たれるように孔型を構成し、同一孔型中で被圧延材を複数回往復させて圧延を行う技術が開示されている。また、例えば特許文献3には、鋼矢板の施工時の打設抵抗を低減させる事を目的とした技術が開示され、フランジ部に緩傾斜部を設けるような構成が提案されている。
また、例えば特許文献4には、圧延面に並行な2つのフランジ/ウェブ遷移セクションと、中立線近傍において圧延面に対して傾斜した中央セクションを有するプリフォームを成形する工程を備えたZ形鋼矢板(シートパイル)の製造技術が開示されている。
このように、鋼矢板の製造方法として孔型圧延法や、同一孔型において被圧延材を複数回往復させて圧延を行う技術(いわゆる1孔型多パス圧延)が従来より創案されている。
特開2006−88176号公報 特開昭60−44101号公報 特開2004−76580号公報 特開平8−224634号公報
しかしながら、上記特許文献1に例示される従来の孔型圧延方法では、粗圧延、中間圧延工程〜仕上圧延工程にて、フランジを製品とほぼ同じ角度の直線状態として1孔型で1〜2パスの圧延を行うが、特にフランジ幅が大きく板厚が薄い場合には、リバース圧延を行うと被圧延材の断面内での各部位ごとの延伸バランスが取れず、フランジ波が生じてしまう場合がある。なお、本明細書における「孔型」とは、上下孔型ロール間に形成された隙間で、被圧延材を通過させ圧延する部分を示す。以下では、上下孔型ロール間の距離が変動しても、孔型を形成するロール上の溝が同一であれば、その孔型を「同一の孔型」と称して説明する。又、本明細書における「リバース圧延」とは、上下孔型ロールにより構成される同一の孔型において、ロール隙を徐々に狭めながら複数パス被圧延材を往復させて繰り返し圧延を行う工程のことである。
また、上記特許文献2に記載された技術では、ハット形鋼矢板のように、特に従来に比べフランジ幅が大きくフランジ厚が薄い大型鋼矢板に対して延伸を大きくとるような圧延を実施した場合に、上記特許文献2に記載された延伸の釣り合いを保ったとしても、フランジ波等の形状不良が発生し、安定した圧延・造形が難しく、製品形状不良が発生する恐れがある。また、圧延機の制約の中ではフランジ波等の形状不良の発生を抑制するのに適正な釣り合い条件を実現できない場合がある。近年、経済性や施工性の観点から高さが大きく板厚の薄い大型断面の鋼矢板が求められており、このような大型鋼矢板の製造において更なる技術の向上が求められているのが実情である。
また、上記特許文献3に記載された技術では、ウェブ部(本発明ではフランジ部と定義)の一部分(端フランジ部とウェブ部とにより形成されるコーナー部及びウェブ部の中央部の少なくとも一箇所以上)に緩傾斜部を設けることにより、打設抵抗を低減し施工性を向上させる旨の記載はあるものの、製造工程におけるフランジ波等の形状不良については何ら言及されておらず、大型鋼矢板の製造における形状不良の抑制、安定した圧延・造形等の実現に関し更なる技術の向上が求められている。
また、上記特許文献4に記載された技術は、1孔型1パス圧延を行う技術であると推察され、同一の孔型で上下ロール隙を徐々に狭めていき複数パス圧延を行う、いわゆるリバース圧延を行うとの記載は無い。これは、特許文献4に記載の技術において、同一の孔型でリバース圧延を行った場合、断面内で部位ごとに延伸が不均一となり、メタルフローが生じて継手部の充満状態が変化することに加え、フランジ/ウェブ遷移セクションの延伸が中央セクションの延伸に比べ幾何学的に大きくなり、ねじれが発生しやすくなることが理由であると考えられる。1孔型1パス圧延を行う場合には、孔型形状を1パス圧延時に最適な形状とすることができるため、孔型形状に起因した被圧延材の形状不良といった問題は起こり得ない。即ち、上記特許文献4には、リバース圧延時に発生する恐れのあるフランジ波の発生に関しては何ら言及されておらず、当然、当該フランジ波の抑制についても何ら言及されていない。
そこで、上記事情に鑑み、本発明の目的は、リバース圧延によるフランジ波等の形状不良が発生するのを抑制し、製品寸法精度や圧延の安定性の向上を図ることが可能なフランジを有する鋼矢板の製造技術を提供することにある。
前記の目的を達成するため、本発明によれば、孔型ロール圧延によって被圧延材からフランジを有する鋼矢板を形成する製造方法であって、同一の孔型により前記被圧延材に対してリバース圧延を行う工程を具備し、前記リバース圧延を行う工程は、中立線を跨ぐ第1フランジ部と、当該第1フランジ部の両側に配置される第2及び第3フランジ部を形成する工程を含み、前記孔型は、前記第1フランジ部を形成するための第1フランジ対向部分と、前記第2フランジ部を形成するための第2フランジ対向部分と、前記第3フランジ部を形成するための第3フランジ対向部分と、を備え、水平面に対する、前記第1フランジ対向部分の傾斜角度は、前記第2及び第3フランジ対向部分の傾斜角度よりも大きいことを特徴とする、フランジを有する鋼矢板の製造方法が提供される。
前記リバース圧延を行う工程は、ウェブ対応部と、腕対応部を形成する工程を含み、前記孔型は、前記ウェブ対応部を形成するためのウェブ対向部分と、前記腕対応部を形成するための腕対向部分と、を備え、前記孔型は、前記第2フランジ対向部分を少なくとも一つ含むウェブ側フランジ対向部分群と、前記第3フランジ対向部分を少なくとも一つ含む腕側フランジ対向部分群と、を備え、前記ウェブ側フランジ対向部分群と前記ウェブ対向部分との境界部と、前記腕側フランジ対向部分群と前記腕対向部分との境界部と、を結ぶ直線に対し、前記第2フランジ対向部分は、フランジ外側方向に凸形状であり、前記第3フランジ対向部分は、フランジ内側方向に凸形状であっても良い。
前記孔型においては、前記第1フランジ部におけるフランジ延伸λf1が、前記第2フランジ部及び第3フランジ部におけるフランジ延伸λf2、λf3よりも小さい圧延が行われても良い。
前記第1フランジ部、第2フランジ部、及び、第3フランジ部を形成する工程は、中間圧延工程であっても良い。
前記孔型は、幅方向の両端部が開放された孔型形状を有しても良い。
前記第1フランジ部、第2フランジ部、及び、第3フランジ部を形成する工程により被圧延材に形成された屈曲形状のフランジ対応部は、当該工程の後段孔型での圧延により所望の平坦形状に圧延造形されても良い。
前記孔型においては、前記第1フランジ部におけるフランジ延伸λf1が、ウェブ延伸λw以下となるように圧延が行われても良い。
前記鋼矢板がハット形鋼矢板であっても良い。
別な観点からの本発明によれば、孔型ロール圧延によって被圧延材からフランジを有する鋼矢板を形成する製造設備であって、同一の孔型により前記被圧延材に対してリバース圧延を行う圧延機を具備し、前記リバース圧延を行う圧延機は、中立線を跨ぐ第1フランジ部と、当該第1フランジ部の両側に配置される第2及び第3フランジ部を形成する孔型を含み、当該孔型は、前記第1フランジ部を形成するための第1フランジ対向部分と、前記第2フランジ部を形成するための第2フランジ対向部分と、前記第3フランジ部を形成するための第3フランジ対向部分と、を備え、水平面に対する、前記第1フランジ対向部分の傾斜角度は、前記第2及び第3フランジ対向部分の傾斜角度よりも大きいことを特徴とする、フランジを有する鋼矢板の製造設備が提供される。
前記リバース圧延を行う圧延機は、ウェブ対応部と、腕対応部を形成する孔型を含み、前記孔型は、前記ウェブ対応部を形成するためのウェブ対向部分と、前記腕対応部を形成するための腕対向部分と、を備え、前記孔型は、前記第2フランジ対向部分を少なくとも一つ含むウェブ側フランジ対向部分群と、前記第3フランジ対向部分を少なくとも一つ含む腕側フランジ対向部分群と、を備え、前記ウェブ側フランジ対向部分群と前記ウェブ対向部分との境界部と、前記腕側フランジ対向部分群と前記腕対向部分との境界部と、を結ぶ直線に対し、前記第2フランジ対向部分は、フランジ外側方向に凸形状であり、前記第3フランジ対向部分は、フランジ内側方向に凸形状であっても良い。
前記孔型においては、前記第1フランジ部におけるフランジ延伸λf1が、前記第2フランジ部及び第3フランジ部におけるフランジ延伸λf2、λf3よりも小さくても良い。
前記孔型は、中間圧延機に設けられる孔型であっても良い。
前記孔型は、幅方向の両端部が開放された孔型形状を有しても良い。
前記第1フランジ部、第2フランジ部、及び、第3フランジ部を形成する孔型での圧延により被圧延材に形成された屈曲形状のフランジ対応部を所望の平坦形状に圧延造形する後段孔型を備えても良い。
前記孔型においては、前記第1フランジ部におけるフランジ延伸λf1が、ウェブ延伸λw以下であっても良い。
前記鋼矢板がハット形鋼矢板であっても良い。
本発明によれば、リバース圧延によるフランジ波等の形状不良が発生するのを抑制し、製品寸法精度や圧延の安定性の向上を図ることが可能となる。
圧延ラインの概略説明図である。 第1の孔型の孔型形状を示す概略断面図である。 第2の孔型の孔型形状を示す概略断面図である。 第3の孔型の孔型形状を示す概略断面図である。 第4の孔型の孔型形状を示す概略断面図である。 第5の孔型の孔型形状を示す概略断面図である。 第3の孔型が改良された構成の孔型の概略説明図であり、(a)に概略全体図を示し、(b)にフランジ対応部に対向する箇所近傍の拡大図を示す。 本発明の変形例に係る概略説明図である。 実施例についての説明図である。 本発明の変形例に係る概略説明図である。 本発明の変形例に係る概略説明図である。 本発明の変形例に係る概略説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、本実施の形態において略ハット形鋼矢板形状の被圧延材はウェブがフランジよりも下方に位置する姿勢(いわゆるU姿勢)で圧延されるものとして説明するが、当然本発明の適用範囲はその他の姿勢(例えば逆U姿勢)での圧延にも及ぶ。また、本発明の適用範囲はハット形、U形等の種々のフランジを有する鋼矢板製品であるが、本実施の形態において製造される鋼矢板製品はハット形鋼矢板製品であるものとして説明する。
また、以下に記載の被圧延材Aとは、ハット形鋼矢板製品を製造する場合に圧延される鋼材を示しており、圧延ラインL上を通材される鋼材を総称して被圧延材Aと呼称し、それぞれの圧延機において圧下された状態の被圧延材Aについては必要に応じて別途異なる呼称(以下に記載のA1〜A5)で記載する。この被圧延材Aは略ハット形形状であり、略水平であるウェブ対応部3と、ウェブ対応部3の両端に所定の角度でもって連結しているフランジ対応部5、6と、各フランジ対応部5、6においてウェブ対応部3との連結側と異なる端部に連結している腕対応部8、9と、腕対応部8、9の先端に連結される継手対応部10、11から構成されている。なお、継手対応部10、11の端部はそれぞれ爪部14、15と呼称される。以下では、被圧延材Aを構成する各部位については、上記各符号にて図示、説明する。
なお、本明細書では、被圧延材Aに関し、圧延方向を被圧延材の「長手方向」と称し、当該長手方向に直交し且つ圧延ロール軸に平行な方向を被圧延材の「幅方向」と称し、長手方向及び幅方向の両方に直交する方向を被圧延材の「高さ方向」と称し説明する。また、被圧延材の「厚み圧下」とは、被圧延材の板厚方向に対する板厚圧下を示すものである。
先ず、ハット形鋼矢板を製造する製造装置1として基本的な構成である圧延ラインLの概略について説明する。図1は、ハット形鋼矢板を製造する圧延ラインLと、圧延ラインLに備えられる圧延機等についての説明図である。図1において圧延ラインLの圧延進行方向は矢印で示されている方向であり、当該方向へ被圧延材Aが流れ、ライン上の各孔型圧延機(以下に説明する粗圧延機、中間圧延機、仕上圧延機)において圧延が行われ、製品が造形される。なお、圧延ラインL上には図示しない複数の搬送ロールが設置されており、それら搬送ロールによって被圧延材Aは圧延ラインL上を搬送される。
図1に示すように、圧延ラインLには、圧延上流側から順に粗圧延機(BD)17、第1中間圧延機(R1)18、第2中間圧延機(R2)19、仕上圧延機(F)30が配置されている。
図1に示す圧延ラインLにおいては、図示しない加熱炉(圧延ラインL上流に位置)において加熱された例えばスラブ、ブルーム等の被圧延材Aが、粗圧延機17〜仕上圧延機30において順次圧延されることで最終製品であるハット形鋼矢板が製造される。
次に、圧延ラインLに配置される粗圧延機17、第1中間圧延機18、第2中間圧延機19、仕上圧延機30のいずれかに設けられる孔型の形状について上流側から順に図面を参照して簡単に説明する。なお、以下の説明において参照する図2〜6には、参考のため各孔型における圧下が完了したときの被圧延材Aの断面を一点鎖線にて図示している。
図2は、第1の孔型49(以下、単に孔型49とも記載)の孔型形状を示す概略断面図である。図2に示すように、孔型49は、上孔型ロール45と、下孔型ロール48によって構成される。これら上孔型ロール45と下孔型ロール48によって構成される孔型49は例えば粗圧延機17に設けられ、孔型49における孔型圧延によって被圧延材A全体に対して厚み圧下(即ち、粗圧延)が行われる。具体的には、加熱炉において所定温度に加熱されたスラブ等を略ハット形形状に近づけるような孔型圧延が行われ、図2中の一点鎖線に示す粗形材A1が造形される。なお、この時の粗圧延は、例えば同一孔型49におけるリバース圧延によって行われても良い。
また、図3は第2の孔型59(以下、単に孔型59とも記載)の孔型形状を示す概略断面図である。図3に示すように、孔型59は、上孔型ロール55と、下孔型ロール58によって構成される。これら上孔型ロール55と下孔型ロール58によって構成される孔型59は例えば第1中間圧延機18に設けられ、孔型59における孔型圧延によって被圧延材A全体に対して厚み圧下(即ち、第1中間圧延)が行われる。孔型59では厚み圧下と同時に爪部14、15の爪高さを所望の高さに揃える圧下も行われ、具体的には、上記孔型49から搬出された粗形材A1を更にハット形形状に近づけるような孔型圧延が行われる。これにより、図3中の一点鎖線に示す第1中間材A2が造形される。なお、ここでの圧延は、例えば同一孔型59におけるリバース圧延によって行われる。
また、図4は第3の孔型69(以下、単に孔型69とも記載)の孔型形状を示す概略断面図である。図4に示すように、孔型69は、上孔型ロール65と、下孔型ロール68によって構成される。これら上孔型ロール65と下孔型ロール68によって構成される孔型69は例えば第2中間圧延機19に設けられ、孔型69における孔型圧延によって被圧延材A全体に対して厚み圧下(即ち、第2中間圧延)が行われる。具体的には、上記孔型59から搬出された第1中間材A2を更にハット形形状に近づけるような孔型圧延が行われ、図4中の一点鎖線に示す第2中間材A3が造形される。この孔型69は幅方向の両端部が開放された形状となっているため、厚み圧下により被圧延材Aの爪部14、15は幅方向に伸びた形状となっている。なお、ここでの圧延は、例えば同一孔型69におけるリバース圧延によって行われる。
図5は第4の孔型79(以下、単に孔型79とも記載)の孔型形状を示す概略断面図である。図5に示すように、孔型79は、上孔型ロール75と、下孔型ロール78によって構成される。これら上孔型ロール75と下孔型ロール78によって構成される孔型79は例えば第2中間圧延機19に設けられ、当該孔型79によって例えば被圧延材Aの爪部14、15の成形が重点的に行われる。具体的には、第3の孔型69で伸びた状態の爪部14、15の爪高さを所望の高さに揃えて成形するような圧下が行われ第2中間材A4が造形される。なお、ここでの圧延は、厚みを圧下するものでも良い。
また、図6は第5の孔型89(以下、単に孔型89とも記載)の孔型形状を示す概略断面図である。図6に示すように、孔型89は、上孔型ロール85と、下孔型ロール88によって構成される。これら上孔型ロール85と下孔型ロール88によって構成される孔型89は例えば仕上圧延機30に設けられ、当該孔型89によって被圧延材Aに対して主に爪部14、15の曲げ成形(即ち、仕上圧延)が行われる。具体的には、上記第2中間材A4を略ハット形形状(略ハット形鋼矢板製品形状)の仕上材A5とする圧下が行われる。なお、仕上圧延は通常リバース圧延では行われず、1パスのみの圧延にて行われる。
以上、図2〜図6を参照して説明した各圧延において被圧延材Aが孔型圧延され、最終的に仕上材A5が造形される。
なお、本実施の形態において上述してきた第1の孔型〜第5の孔型の構成は、例示であり、図示の形態に限られるものではなく、例えば孔型の配置順や、各圧延機に配置する孔型形状、各種孔型の修正孔型の増減配列については設備状況や製品寸法等の条件に応じて適宜変更可能である。また、素材の種類によっては、素材からの粗造形過程に用いる予備成形孔型といった孔型を別途設けることも考えられる。
本発明者らの検討によれば、上記製造工程における孔型59や孔型69による中間圧延工程では、ウェブ対応部3とフランジ対応部5、6との延伸の釣り合いを保って圧延が行われた場合でも、図3、4に示すように、上下孔型ロールは部位によって上下のロール径が異なるため、被圧延材A(特にフランジ対応部5、6)とロールとの相対滑り速度が部位によって異なる。フランジ対応部5、6において、上下のロール径の差が大きい部位では上下ロールの周速差によって被圧延材の伸びが抑制され、一方、上下ロールの直径が等しいピッチラインに対応する位置(以下、「中立線」と記載する)では伸びが生じやすいため、ロールバイト出口の中立線近傍のフランジに長手方向に圧縮応力が発生しやすく、圧縮応力が座屈限界を超えた場合、フランジ対応部5、6にはいわゆるフランジ波と呼ばれる形状不良が発生する。
特に、フランジ幅/フランジ厚の比率が大きいハット形鋼矢板のような大型鋼矢板の製造においては、中立線近傍のフランジの伸びがウェブの伸びに対し相対的に大きくなりやすく、フランジ対応部5、6の中央部にはロールバイト内から長手方向の圧縮応力が作用する。また、座屈限界応力も低下するため、その結果、フランジ波が顕著に発生しやすくなる。
同一の孔型により1パスの圧延を行う場合、直前の孔型の形状との関係によりフランジ延伸やウェブ延伸を考慮した形状の孔型を設計することで、フランジ波を抑制することができる。しかし、同一の孔型により2パス以上の圧延を行う場合、第2パス以降の圧延ではウェブ対応部とフランジ対応部及び腕対応部の各延伸が当該孔型の形状により規定されるため、従来のように孔型の形状を設計しても、リバース圧延途中におけるフランジ波の発生を抑制することはできないことが判明した。例えば、これら孔型59、69でリバース圧延が行われる場合、フランジ対応部5、6では、圧延のたびにこれらフランジ対応部5、6の中央部(中立線近傍)に肉が集まり、フランジ厚みの復元といった現象が発生しやすいことが検討の結果明らかとなった。厚みの復元が発生すると、次パスでのフランジ延伸が増大してしまい、更にフランジ波が生じやすくなり好ましくない。
また、孔型59と孔型69を比較すると、後段の孔型である孔型69の方がより被圧延材A(特にフランジ対応部5、6)を薄く圧延するため、上述したフランジ波の発生といった形状不良が顕著になりやすい。また、より仕上圧延に近い工程の方が、形状不良が発生すると、製品形状不良に直結しやすい。即ち、製品寸法精度や圧延の安定性といった観点から、特に後段の孔型である孔型69での上記のような問題点を解決することが重要となる。
このような問題点に鑑み、本発明者らは、図3、4を参照して説明した孔型59、69の形状について鋭意検討を行い、上記フランジ波と呼ばれる形状不良が生じないような所定の条件を満たすような孔型形状を創案するに至った。以下では、孔型69の形状に更なる改良を施し、フランジ波が生じないような構成とした孔型69’の詳細な形状について図面を参照して説明する。なお、以下では孔型69’の特にフランジ対応部6に係る圧延造形を例に挙げて図示・説明するが、本発明で対象とする孔型は被圧延材A全体に対して厚み圧下を行う孔型であり、孔型59、69に限定されるものではない。
図7は、上記第3の孔型69が改良された構成の孔型69’の概略説明図であり、(a)に概略全体図を示し、(b)にフランジ対応部6に対向する箇所近傍(図7(a)における破線で囲んだ部分)の拡大図を示す。ここで、図7(b)は孔型69’における圧延後の様子を示しており、圧延された被圧延材Aを一点鎖線で図示している。なお、図7において、上記図4を参照して説明した孔型69と同様の機能構成を有する構成要素については同一の符号を付して図示し、その説明については省略する。
図7に示す改良された孔型69’において、被圧延材Aのフランジ対応部6に対向する対向部分100は、上記孔型69と形状が異なっており、具体的には、ウェブに近い側から順に、傾斜の異なる複数のフランジ対向部分100a、100b、100cから構成されている。これらフランジ対向部分100a、100b、100cに関し、本明細書では、フランジ対向部分100bを「第1フランジ対向部分」、その両側に配置されたフランジ対向部分100a、100cを「第2フランジ対向部分」、「第3フランジ対向部分」と規定し、呼称する場合もある。また、中央に位置するフランジ対向部分100bによって圧延造形されるフランジ対応部6の部位を「第1フランジ部」、その両側に配置されるフランジ対応部6の各部位(フランジ対向部分100a、100cによって圧延造形される部位)を「第2フランジ部」、「第3フランジ部」と規定し、呼称する場合もある。
なお、図7(a)に示すように、被圧延材Aのフランジ対応部5に対向する部分101についても、同様にフランジ対向部分101a、101b、101cから構成されている。
フランジ対向部分100a、100b、100cの水平線に対する傾斜角度はそれぞれθf2、θf1、θf3であり、θf1はθf2ならびにθf3よりも大きい角度となっている。また、θf2とθf3は等しい角度でも良い。フランジ対向部分100a、100b、100cにおける上孔型ロール65と下孔型ロール68の間隔tf2、tf1、tf3(ロール隙とも称す)が、それぞれにおいて一定(上孔型ロール65と下孔型ロール68のフランジ対向部分100a、100b、100cが平行)の場合、上孔型ロール65と下孔型ロール68のそれぞれにおける角度θf2、θf1、θf3は等しい。一方、フランジ対向部分100a、100b、100cと水平線のなす角度が上孔型ロール65と下孔型ロール68で異なる場合、角度θf2、θf1、θf3は上孔型ロール65と下孔型ロール68のフランジ対向部分と水平線のなす角度の平均値とすれば良い。また、これら傾斜角度θf2、θf1、θf3は上下孔型ロールのロール隙における中心線Sと水平線とのなす角度で規定しても実質的に同じである。
また、フランジ対向部分100bは、高さ方向において中立線Oを跨ぐような位置に構成され、そのフランジ対向部分100bよりもウェブに近い側にフランジ対向部分100aが位置し、腕(継手)に近い側にフランジ対向部分100cが位置している。即ち、フランジ対向部分100bは中立線Oを跨ぐように位置し、その両側にフランジ対向部分100a、100cが位置する構成となっている。
ここで、1パスあたりの延伸を圧延後(1パス後)の厚みに対する圧延前の厚みの比で定義し、厚みを孔型69’における板厚方向のロール隙で代表し、孔型69’におけるリバース圧延中の1パスの鉛直方向のロール隙圧下量をΔgとした場合、フランジ対向部分100b、100a、100cの1パスあたりの延伸λf1、λf2、λf3は以下の式(1)〜(3)で表される。
λf1=tf’1/tf1=(tf1+Δg・cosθf1)/tf1 ・・・(1)
λf2=tf’2/tf2=(tf2+Δg・cosθf2)/tf2 ・・・(2)
λf3=tf’3/tf3=(tf3+Δg・cosθf3)/tf3 ・・・(3)
なお、tf’1、tf’2、tf’3とは、孔型69’においてフランジ対向部分100b、100a、100cのそれぞれに対応するフランジ対応部6の圧延前の厚みに対応するロール隙である。また、tf1、tf2、tf3とは、孔型69’においてフランジ対向部分100b、100a、100cのそれぞれで圧延されたフランジ対応部6の厚みに対応するロール隙である。
即ち、tf1、tf2、tf3の関係に基づきθf1をθf2ならびにθf3よりも大きい角度とすることで、この孔型69’での圧延においては、以下の式(4)、(5)が満たされる。
λf1<λf2 ・・・(4)
λf1<λf3 ・・・(5)
ここで、上記式(1)〜(3)は圧延1パスあたりの延伸を示したものであるが、複数パスで行われるリバース圧延での延伸を総計した場合についても、式(1)〜(3)と同様の関係性が成立する。従って、孔型69’において、θf1をθf2ならびにθf3よりも大きい角度とすることで、1パスあたりの延伸の場合だけでなく、リバース圧延時の複数パスでの延伸を総計した場合についても、上記式(4)、(5)は満たされる。
この孔型69’で圧延造形された被圧延材Aは、フランジ対応部5、6に複数の傾斜角度を有する屈曲形状となる。この形状は、中間圧延機に設けられた孔型69’よりも後段の孔型、例えば、第4の孔型79や仕上圧延機30(仕上圧延工程)の第5の孔型89、あるいはそれら両方の孔型などによって所望の平坦なフランジ形状(ハット形鋼矢板製品のフランジ形状)とされる。このようなフランジ平坦化では、リバース圧延は行われない。なお、フランジ部の曲げ戻し後、屈曲部の境界部分には他の部分とのスケールの付着状態等の相違による長手方向に筋状の痕跡が見られる場合があるが、このような痕跡はフランジ部の強度等を低下させるものではなく、鋼矢板としての品質に影響はない。
図7に示すような孔型構成によれば、角度θf1を大きくすることで圧縮応力が生じやすい中立線O近傍のフランジ延伸を、図4に示すようなフランジ対向部分が直線状の孔型69に対して相対的に低下させ、且つ、中立線Oより離れた位置のフランジ延伸に対して相対的に低下させ、フランジ波の発生を抑制するといった効果が実現される。一方で、角度θf2、θf3を小さくすることでフランジ高さの増加を抑え、フランジ対応部6の断面の延伸は維持される。例えば、フランジ波抑制条件として決めた角度θf1に対し、後段孔型による圧延で所望の平坦なフランジ形状に造形する際の寸法のばらつき抑制を考慮して、孔型69’のフランジ対向部分(100a、100b、100c)に対応する中心線Sの線長を孔型69のフランジ対向部分の中心線の線長と同一とし、継手の水平方向の位置が変化しないように角度θf2、θf3を設計すれば良い。即ち、改良された孔型69’でリバース圧延を行うと、フランジ対向部分100bでは図4に示す孔型69に比べてフランジ延伸が低下するものの、フランジ対向部分100a、100cでは孔型69に比べてフランジ延伸が増加するために、フランジ全体としては、孔型69と同様のフランジ断面延伸を維持できる。なお、孔型69’のフランジ対向部分(100a、100b、100c)に対応する中心線Sの線長を孔型69のフランジ対向部分の中心線の線長と同一とするとは、完全同一を意味するものではなく、誤差の範囲(例えばフランジ対向部分の中心線の線長に対して±1%未満)で同一であれば良い。
ここで、中立線O近傍のフランジ対向部分100b(以下、急傾斜部100bとも呼称する)でのフランジ波を抑制するためには、当該急傾斜部100bにおけるフランジの延伸λf1と、ウェブ対応部3の延伸λwとの関係が以下の式(6)を満たすように角度θf1を設定することが好ましい。
λf1≦λw ・・・(6)
なお、より詳細な条件としては、1パスあたりのλf1/λwを0.967≦λf1/λw≦1.000の範囲内とすることが望ましい。この数値の根拠については後述する実施例にて説明する。
フランジの延伸はウェブの延伸の影響を強く受けるため、本発明の技術でも中立線O近傍のフランジ対応部の延伸をウェブの延伸との関係で表現した。ハット形鋼矢板の場合、腕対応部8、9の延伸とウェブ対応部5、6の延伸とは実質的に等しいと考えられ、U形鋼矢板は腕対応部がないため、中立線O近傍のフランジ対応部の延伸を実質的にウェブ延伸との関係で表すことができる。リバース圧延中の1パスのウェブの延伸λwは以下の式(7)で表される。
λw=tw’/tw=(tw+Δg・cosθw)/tw ・・・(7)
ここで、tw’とは、孔型69’でのウェブ対応部3の圧延前の厚みに対応するロール隙である。また、twは、孔型69’で圧延されたウェブ対応部3の厚みに対応するロール隙である。また、θwはウェブ対応部3に対応するロール隙の水平線に対する傾斜角度である。
また、フランジ幅方向に厚みが一定のハット形鋼矢板の場合、仕上圧延直前の孔型69’では、ロール摩耗等に伴う誤差を除き、最終パスでフランジ対向部分100a、100b、100cの各厚みが一定となるように孔型形状を設計するが、フランジ対向部分100bの傾斜角度θf1はフランジ対向部分100a、100cの傾斜角度θf2、θf3と異なるため、孔型69’の途中パスでは各厚みが一定にはならない。そのため、各フランジ対向部分の厚みと延伸、およびウェブ対応部の延伸の関係からフランジ波が最も発生しやすいパスでの延伸比λf1/λw、λf2/λw、λf3/λwを考慮して、各フランジ対向部分の傾斜角度と幅を決定してもよい。
以上説明したように、急傾斜部100bの傾斜角度θf1を大きくすることで中立線O近傍のフランジ延伸を低下させ、この部分に発生する圧縮応力を低減させることができる。
以上、図7を参照して説明したように、第2中間圧延機19に設けられる孔型69’の孔型形状を、傾斜角度の異なる複数のフランジ対向部分100a、100b、100cを有する形状とし、これらフランジ対向部分100a、100b、100cの傾斜角度を上記式(1)〜(6)で示したような好適な条件に設定することで、当該孔型69’での圧延造形においてフランジ対応部6の中立線O近傍に発生する圧縮応力を低減させフランジ波の発生を抑制することが可能となる。更には、リバース圧延においてフランジ対応部6の中立線近傍に肉が集まり発生するフランジ厚みの復元についても減少させることができ、フランジ波の発生が更に抑制される。
一方で、フランジ対向部分100a及び100cにおいて発生するフランジの延伸は、中立線O近傍において発生するフランジの延伸(即ち、フランジ対向部分100bでのフランジの延伸)に比べ相対的に増加し、そこに生じる圧縮応力も増大するが、中立線Oから離れていることに加え、ウェブ対応部3や腕対応部9へのメタルフローが生じやすいために圧縮応力が過大にならない。また、フランジ対応部6において、フランジ対向部分100a及び100cに対応する部位は、ウェブ対応部3や腕対応部9に接続され座屈が生じにくいといった点から、これらの部位にはフランジ波が発生しにくい。
このように、孔型69’の孔型形状を、傾斜角度の異なる複数のフランジ対向部分100a、100b、100cを有する形状としたことで、図4に図示したような従来の孔型形状(孔型69)での圧延造形に比べ、被圧延材Aのフランジ対応部5、6の中立線O近傍に生じるフランジ波を抑制させることが可能となり、製品寸法精度や圧延の安定性の向上が実現される。製品形状によっては、図4に図示したような従来の孔型形状(孔型69)では、フランジ対応部5、6の延伸がウェブ対応部3の延伸よりも大きくなり、釣り合いを保つことができずにフランジ波を抑制することができない場合がある。その場合、フランジ全体の傾斜角度を変更するのでなく、図7に示すように急傾斜部100bの傾斜角度θf1を従来の孔型形状のフランジ傾斜角度よりも大きくし、且つ、フランジ対向部分100a及び100cより大きくすることで圧延造形時の被圧延材Aの高さの増加を抑制し、効果的にフランジ波を抑制できる。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施の形態では、本発明技術を適用させ、孔型形状の改良を行う対象を第3の孔型69として説明し、特に被圧延材Aのフランジ対応部6の圧延造形に関して図7を参照して説明したが、本発明の適用範囲はこれに限られるものではない。即ち、第3の孔型69での圧延造形においてフランジ対応部5、6の両方に適用させることは勿論、第2の孔型59の圧延造形にも適用可能である。即ち、図3を参照して説明した孔型59に関しても同様の改良を施し、例えば第1中間圧延で発生するフランジ波の抑制を図ることも可能である。また、当然、第2の孔型59及び第3の孔型69の両方の孔型形状に対して本発明技術を適用しても良い。あるいは、厚み圧下を主体とする第2の孔型59および第3の孔型69に関して、第2の孔型59を幅方向の両端部が開放された孔型形状とし、第3の孔型69を爪高さの成形を同時に行う孔型形状とした場合についても、同様の改良を適用することが可能である。更には、粗圧延を行う第1の孔型に適用しても良い。
また、上記実施の形態では、孔型69’の孔型形状を、傾斜角度の異なる複数のフランジ対向部分100a、100b、100cを有する形状であるとして説明したが、本発明技術の重要な点は、中間圧延を行う孔型において、中立線O近傍のフランジ対向部分100bの傾斜角度θf1を他のフランジ対向部分に比べ大きい角度とし、中立線O近傍で被圧延材Aに作用する圧縮応力を低減させることにある。このような観点から、本発明技術において、中間圧延機の孔型を傾斜角度の異なる複数のフランジ対向部分を有する形状として構成する場合に、必ずしも図7に示すような3つのフランジ対向部分とする必要は無く、中立線O近傍のフランジ対向部分100bの傾斜角度θf1が他のフランジ対向部分に比べ大きい角度となっていれば、傾斜角度の異なるフランジ対向部分はいくつであっても良い。即ち、例えば、図10に示すように、中間圧延を行う孔型が、傾斜角度の異なる4以上のフランジ対向部分を有するように構成されていても良い。
また、被圧延材Aのフランジ対応部5、6に対向する孔型部位(即ち、フランジ対向部分100)において、(被圧延材の)腕側の境界部と(被圧延材の)ウェブ側の境界部を結ぶ直線に対して、中立線O近傍のフランジ対向部分より腕側ではフランジ内側方向に凸形状であり、中立線O近傍のフランジ対向部分よりウェブ側ではフランジ外側方向に凸形状であっても良い。
具体的には、上記実施の形態において説明した急傾斜部100bを設けたようなフランジ対向部分100の形状については、各フランジ対向部分100a〜100cの形状を必ずしも直線形状で構成する必要は無く、フランジ対向部分100a、100b、100cの傾斜角度が上記式(4)〜(6)で示したような好適な条件となっていれば、例えば各フランジ対向部分100a〜100cの一部又は全部が曲線によって構成されても良い。この場合、急傾斜部100bは、フランジ対向部分100aとの交点、及び、フランジ対向部分100cとの交点で挟まれる範囲として定義され、急傾斜部100bが中立線Oを跨ぐように構成される。
図8は、本発明の変形例に係る概略説明図であり、フランジ対応部6に対向する箇所近傍の一例を示す概略拡大図である。図8に示すように、本変形例ではフランジ対向部分100a、100cは曲線形状で構成されている。他の実施の形態を含め、リバース圧延を行う工程は、第2フランジ部を少なくとも一つ含むフランジ部(ウェブ側フランジ部とも称す)に接続されるウェブ対応部3と、第3フランジ部を少なくとも一つ含むフランジ部(腕側フランジ部とも称す)に接続される腕対応部9を形成する工程を含むことが好ましい。この場合、本発明に係る孔型は、ウェブ対応部3を形成するためのウェブ対向部分100dと、腕対応部9を形成するための腕対向部分100eとを備えることが好ましい。ここで、孔型は、フランジ対向部分100a(第2フランジ対向部分)を少なくとも一つ含むウェブ側フランジ対向部分群と、フランジ対向部分100c(第3フランジ対向部分)を少なくとも一つ含む腕側フランジ対向部分群とを備えることが好ましい。ここで、ウェブ側フランジ対向部分群とウェブ対向部分100dとの境界をPa、腕側フランジ対向部分群と腕対向部分100eとの境界をPcとする。
図8に示す一例では、腕側の境界部Pc(腕対応部9に対向する腕対向部分100eとフランジ対向部分100cとの境界)とウェブ側の境界部Pa(孔型65において、ウェブ対応部3に対向するウェブ対向部分100dとフランジ対向部分100aとの境界)を結ぶ直線Qに対し、フランジ対向部分100aはフランジ外側方向に凸形状となるような曲線形状であり、フランジ対向部分100cはフランジ内側方向に凸形状となるような曲線形状である。また、本変形例では急傾斜部100bは直線形状として図示したが、当該急傾斜部100bを曲線形状としても良い。
図8に示すようなフランジ対向部分100a、100cが曲線形状である場合、当該フランジ対向部分100a、100cの傾斜角度θf2、θf3は、水平線に対するフランジ対向部分100a、100cの高さ方向中央部における接線(図8中のQa、Qc)の傾斜角度により定めれば良い。急傾斜部100bが曲線形状である場合は、角度が最大となる接線に基づき傾斜角度を定めれば良い。図8では直線Qおよび接線Qa、Qcを下孔型ロール68で説明したが、上孔型65ロールでも同様に定めれば良い。その上で、フランジ対向部分100a、100b、100cと水平線のなす角度が上孔型ロール65と下孔型ロール68で異なる場合、θf2、θf1、θf3は上孔型ロール65と下孔型ロール68のフランジ対向部分と水平線のなす角度の平均値とすればよい。このように定義された各フランジ対向部分100a〜100cの傾斜角度に関しても、上記実施の形態と同様に、上記式(1)〜(6)で示したような好適な条件に設定することで、同様の作用効果が得られる。
即ち、上記実施の形態では、孔型69’の孔型形状を、傾斜角度の異なる複数のフランジ対向部分100a、100b、100cを有する形状であるとして説明し、各部分100a、100b、100cの詳細な形状については言及していない。フランジ対応部5、6の形状は複数の直線又は曲線、あるいはその両方の組み合わせによって構成されれば良く、それに合わせて各部分100a、100b、100cの形状は任意に設計可能である。仮にフランジ対応部5、6に曲線部分が構成されるような場合には、当該曲線部分の傾斜角度はその接線の角度で定義すればよい。
また、フランジ対応部が、当該フランジ対応部の表面に沿った方向において厚みが変化するといった厚み分布を有するような製品や、フランジ対応部が中立線近傍において傾斜角度が大きくなるような複数の屈曲部を有する形状からなる製品に対して適用することも非常に有効であり、本発明の範囲に含まれる。フランジ対応部がその表面に沿った方向に厚みの分布を有する場合、ハット形鋼矢板製品の断面効率から、中立線近傍の厚みを相対的に小さくすることが考えられる。このような場合に本発明技術を適用すると、フランジ対向部分100aや100cに比べ、フランジ対向部分100bの傾斜角度が大きいため、フランジ対向部分100bにおけるフランジの延伸が、従来の孔型形状よりも大きくなりにくく、上記実施の形態と同様もしくはそれ以上の作用効果が得られる。また、製品形状においてフランジが中立線近傍において傾斜角度が大きくなるように屈曲している鋼矢板製品についても、図7や図8に示す屈曲形状での圧延状態を製品形状に適用できるため、非常に有用である。
また、孔型69’の孔型形状において、それぞれのフランジ対向部分100a、100b、100cの境界部は、Rを有しても良い。その場合、各部分100a、100b、100cそれぞれの境界はコーナーRの中間点とすれば良い。
さらには、本発明者らの詳細な検討の結果、従来の孔型69で発生したフランジ波は、フランジ対応部の断面内における波高さのピーク位置が、図4に示す孔型69の中立線Oから高さ方向に孔型深さDの10%の範囲内に含まれていることが明らかとなった。その為、中立線O近傍の急傾斜部100bが直線の場合、図11に示すように、フランジ延伸を低減させる急傾斜部100bは、中立線Oから高さ方向上下に孔型深さDの10%の範囲を含んでいることが望ましい。また、中心線Sのうち、急傾斜部100bにおける線分の中点位置Fcが中立線Oと一致した場合に、上記実施の形態で説明した作用効果が顕著に得られる。なお、孔型深さDとは、孔型を形成する下孔型ロールのフランジ対向部分(100a、100b、100c)全体の鉛直方向高さで定義され、図11に示すように、孔型深さDの上端位置はフランジ対応部と腕対応部との境界の高さ方向上端、下端位置はフランジ対応部とウェブ対応部との境界の高さ方向下端である。
また、中立線O近傍のフランジ対向部分100bが曲線の場合や複数の線分の組みあわせの場合においても、図12に示すように、急傾斜部100b(図中のP1〜P2の範囲)は、中立線Oから高さ方向上下において、孔型深さDの10%の範囲を含んでいることが望ましい。これらの場合には、中心線Sのうち、急傾斜部100bに対応する線分において、水平線に対する角度が最大となる位置Fdが中立線Oに一致した場合に前述した効果がさらに顕著である。但し、図12に示すように、位置Fdが、孔型深さDの10%の範囲であれば中立線Oから高さ方向にずれていても本発明の効果が享受できる。これもフランジ対向部分100bが直線の場合と同じ理由である。この場合、最大の傾斜角度の位置における傾斜角度をθf1、フランジ延伸をλ1とすればよい。したがって、これらの場合についても中立線近傍として本発明の範囲に含まれる。
なお、上記実施の形態及び他の実施の形態では、第2フランジ対向部分及び第3フランジ対向部分が第1フランジ対向部分に隣接して配置される場合について説明したが、必ずしもこれらは隣接して配置される必要はない。即ち、第2フランジ対向部分及び第3フランジ対向部分は、第1フランジ対向部分よりも傾斜角度の小さく、それぞれ、第1フランジ対向部分とウェブ対向部分との間、第1フランジ対向部分と腕対向部分との間で、製品形状に応じて設定することもできる。
また、上記実施の形態及び他の実施の形態では、ハット形鋼矢板を圧延する場合を例に挙げて図示・説明したが、本発明の適用範囲はこれに限られるものではない。即ち、中間圧延においてフランジ波が発生する恐れがある種々の形状のフランジを有する鋼矢板に対して本発明は適用可能である。具体的には、ハット形鋼矢板に加え、U形鋼矢板にも適用することができる。
(実施例1)
本発明の実施例1として、図7を参照して上記説明した改良孔型69’に相当する孔型を中間圧延孔型(上記実施の形態における第2の孔型及び第3の孔型)に適用し、以下の表1に示す条件1〜5で被圧延材の圧延造形を実施した。
条件1〜5に示す孔型の中立線を第1フランジ部が跨ぐように、孔型のフランジ対向部分を3つの部分に屈曲させた構成とした。ここでは、各フランジ対向部分の角度と長さをそれぞれ調整した。また、圧延造形した後の被圧延材のフランジ対応部は、その後段の孔型(上記実施の形態における第4の孔型及び第5の孔型)で平坦化することとした。
また、比較例としては、従来の孔型(改良前の孔型69に相当する孔型)を中間圧延孔型に適用し、以下の表1に示す条件6、7で被圧延材の圧延造形を実施した。
条件1〜7のそれぞれに示した条件の孔型での圧延造形は複数パスで行い、表1に示すフランジ/ウェブ延伸比λf1/λw、λf2/λw、λf3/λwは複数パスでの圧延造形の1パスあたりの延伸比である。なお、実施例及び比較例において、製造する最終製品としてのハット形鋼矢板製品のフランジ角度θfは48°とした。図9は、本実施例についての説明図であり、実施例に係る第3の孔型での圧延造形の最終パスの様子を示す概略断面図である。なお、図9には、最終製品と同様のフランジ角度θf=48°を有するフランジ対向部分の形状を破線で図示している。表1に示す各符号θf1、θf2、θf3等の値は、図9に示した箇所の値である。
Figure 2018186379
表1に示すように、各条件1〜5においては、孔型に急傾斜部を形成させるに際し、角度θf1、θf2、θf3の値を表1のように変更し、各条件で中間圧延を行った。そして、その後、各条件で圧延造形された被圧延材のフランジ対応部を後段の圧延機にて直線状(平坦形状)に整形し、フランジ波の発生の有無等の形状不良を確認した。
条件1〜5においては、孔型にθf1>θf2、θf1>θf3となる急傾斜部を形成させたため、λf1<λf2、λf1<λf3であり、λf1/λwの値は0.967〜1.004となっている。このような条件下では、急傾斜部におけるフランジ延伸が低下しフランジ波の発生が抑制された。条件1〜4については、上記式(6)を満たすようにλf1/λwの値は0.967〜1.000となっており、中間圧延時からフランジ波の発生は無いことが確認された。また、条件5に関しては、上記式(6)の範囲からは少しはずれたため、中間圧延時に一部のパスで軽微なフランジ波が確認されたものの、後段圧延等を経た製品ではフランジ波は確認されず十分な効果が確認された。
一方、条件6(比較例)においては、孔型に急傾斜部を形成させずに圧延造形を行ったため、フランジ延伸λf1>ウェブ延伸λwであり、上記実施の形態で説明した式(6)を満たさないような圧延造形であるため、フランジ波の発生が確認された。
また、条件7(比較例)では、製品のフランジ厚を1.2mm厚くして、式(6)を満たすようにλf1/λwの値が0.995の条件で圧延を行ったが、条件6と同様に孔型に急傾斜部を形成させずに圧延造形を行ったため、フランジ波の発生が確認された。
即ち、条件6、7の比較例では、孔型に急傾斜部を形成させず、フランジ部の傾斜角度がどの位置でも一定であるような条件下で圧延造形を行ったため、フランジ部の位置(部位)によって延伸が異なり、フランジ波が発生していた。
以上のことから、孔型のフランジ対向部分を3つの部分に屈曲させることでフランジ波の抑制を抑え、フランジ厚が薄いサイズの製造が可能となることがわかる。
本発明は、例えばハット形鋼矢板、U形鋼矢板等のフランジを有する鋼矢板の製造技術に適用できる。
1…圧延設備
3…ウェブ対応部
5、6…フランジ対応部
8、9…腕対応部
10、11…継手対応部
14、15…爪部
17…粗圧延機
18…第1中間圧延機
19…第2中間圧延機
30…仕上圧延機
45…(第1の孔型の)上孔型ロール
48…(第1の孔型の)下孔型ロール
49…第1の孔型
55…(第2の孔型の)上孔型ロール
58…(第2の孔型の)下孔型ロール
59…第2の孔型
65…(第3の孔型の)上孔型ロール
68…(第3の孔型の)下孔型ロール
69…第3の孔型
69’…改良された第3の孔型
75…(第4の孔型の)上孔型ロール
78…(第4の孔型の)下孔型ロール
79…第4の孔型
85…(第5の孔型の)上孔型ロール
88…(第5の孔型の)下孔型ロール
89…第5の孔型
100…対向部分
100a〜100c…フランジ対向部分
101a〜101c…フランジ対向部分
A(A1〜A5)…被圧延材
L…圧延ライン
O…中立線

Claims (16)

  1. 孔型ロール圧延によって被圧延材からフランジを有する鋼矢板を形成する製造方法であって、
    同一の孔型により前記被圧延材に対してリバース圧延を行う工程を具備し、
    前記リバース圧延を行う工程は、中立線を跨ぐ第1フランジ部と、当該第1フランジ部の両側に配置される第2及び第3フランジ部を形成する工程を含み、
    前記孔型は、前記第1フランジ部を形成するための第1フランジ対向部分と、前記第2フランジ部を形成するための第2フランジ対向部分と、前記第3フランジ部を形成するための第3フランジ対向部分と、を備え、
    水平面に対する、前記第1フランジ対向部分の傾斜角度は、前記第2及び第3フランジ対向部分の傾斜角度よりも大きいことを特徴とする、フランジを有する鋼矢板の製造方法。
  2. 前記リバース圧延を行う工程は、ウェブ対応部と、腕対応部を形成する工程を含み、
    前記孔型は、前記ウェブ対応部を形成するためのウェブ対向部分と、前記腕対応部を形成するための腕対向部分と、を備え、
    前記孔型は、前記第2フランジ対向部分を少なくとも一つ含むウェブ側フランジ対向部分群と、前記第3フランジ対向部分を少なくとも一つ含む腕側フランジ対向部分群と、を備え、
    前記ウェブ側フランジ対向部分群と前記ウェブ対向部分との境界部と、前記腕側フランジ対向部分群と前記腕対向部分との境界部と、を結ぶ直線に対し、
    前記第2フランジ対向部分は、フランジ外側方向に凸形状であり、
    前記第3フランジ対向部分は、フランジ内側方向に凸形状であることを特徴とする、請求項1に記載のフランジを有する鋼矢板の製造方法。
  3. 前記孔型においては、前記第1フランジ部におけるフランジ延伸λf1が、前記第2フランジ部及び第3フランジ部におけるフランジ延伸λf2、λf3よりも小さい圧延が行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフランジを有する鋼矢板の製造方法。
  4. 前記第1フランジ部、第2フランジ部、及び、第3フランジ部を形成する工程は、中間圧延工程であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフランジを有する鋼矢板の製造方法。
  5. 前記孔型は、幅方向の両端部が開放された孔型形状を有することを特徴とする、請求項4に記載のフランジを有する鋼矢板の製造方法。
  6. 前記第1フランジ部、第2フランジ部、及び、第3フランジ部を形成する工程により被圧延材に形成された屈曲形状のフランジ対応部は、当該工程の後段孔型での圧延により所望の平坦形状に圧延造形されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフランジを有する鋼矢板の製造方法。
  7. 前記孔型においては、前記第1フランジ部におけるフランジ延伸λf1が、ウェブ延伸λw以下となるように圧延が行われることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフランジを有する鋼矢板の製造方法。
  8. 前記鋼矢板がハット形鋼矢板であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフランジを有する鋼矢板の製造方法。
  9. 孔型ロール圧延によって被圧延材からフランジを有する鋼矢板を形成する製造設備であって、
    同一の孔型により前記被圧延材に対してリバース圧延を行う圧延機を具備し、
    前記リバース圧延を行う圧延機は、中立線を跨ぐ第1フランジ部と、当該第1フランジ部の両側に配置される第2及び第3フランジ部を形成する孔型を含み、
    当該孔型は、前記第1フランジ部を形成するための第1フランジ対向部分と、前記第2フランジ部を形成するための第2フランジ対向部分と、前記第3フランジ部を形成するための第3フランジ対向部分と、を備え、
    水平面に対する、前記第1フランジ対向部分の傾斜角度は、前記第2及び第3フランジ対向部分の傾斜角度よりも大きいことを特徴とする、フランジを有する鋼矢板の製造設備。
  10. 前記リバース圧延を行う圧延機は、ウェブ対応部と、腕対応部を形成する孔型を含み、
    前記孔型は、前記ウェブ対応部を形成するためのウェブ対向部分と、前記腕対応部を形成するための腕対向部分と、を備え、
    前記孔型は、前記第2フランジ対向部分を少なくとも一つ含むウェブ側フランジ対向部分群と、前記第3フランジ対向部分を少なくとも一つ含む腕側フランジ対向部分群と、を備え、
    前記ウェブ側フランジ対向部分群と前記ウェブ対向部分との境界部と、前記腕側フランジ対向部分群と前記腕対向部分との境界部と、を結ぶ直線に対し、
    前記第2フランジ対向部分は、フランジ外側方向に凸形状であり、
    前記第3フランジ対向部分は、フランジ内側方向に凸形状であることを特徴とする、請求項9に記載のフランジを有する鋼矢板の製造設備。
  11. 前記孔型においては、前記第1フランジ部におけるフランジ延伸λf1が、前記第2フランジ部及び第3フランジ部におけるフランジ延伸λf2、λf3よりも小さいことを特徴とする、請求項9又は10に記載のフランジを有する鋼矢板の製造設備。
  12. 前記孔型は、中間圧延機に設けられる孔型であることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載のフランジを有する鋼矢板の製造設備。
  13. 前記孔型は、幅方向の両端部が開放された孔型形状を有することを特徴とする、請求項12に記載のフランジを有する鋼矢板の製造設備。
  14. 前記第1フランジ部、第2フランジ部、及び、第3フランジ部を形成する孔型での圧延により被圧延材に形成された屈曲形状のフランジ対応部を所望の平坦形状に圧延造形する後段孔型を備えることを特徴とする、請求項9〜13のいずれか一項に記載のフランジを有する鋼矢板の製造設備。
  15. 前記孔型においては、前記第1フランジ部におけるフランジ延伸λf1が、ウェブ延伸λw以下であることを特徴とする、請求項9〜14のいずれか一項に記載のフランジを有する鋼矢板の製造設備。
  16. 前記鋼矢板がハット形鋼矢板であることを特徴とする、請求項9〜15のいずれか一項に記載のフランジを有する鋼矢板の製造設備。
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