JP6816483B2 - H形鋼の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば矩形断面であるスラブ等を素材としてH形鋼を製造する製造方法に関する。
H形鋼を製造する場合には、加熱炉から抽出されたスラブやブルーム等の素材を粗圧延機(BD)によって粗形材(所謂ドッグボーン形状の被圧延材)に造形し、中間ユニバーサル圧延機によって上記粗形材のウェブやフランジの厚さを圧下し、併せて前記中間ユニバーサル圧延機に近接したエッジャー圧延機によって被圧延材のフランジに対し幅圧下や端面の鍛錬と整形が施される。そして、仕上ユニバーサル圧延機によってH形鋼製品が造形される。
H形鋼製品の造形における粗圧延工程は、一般的に、複数の孔型を刻設した孔型ロールによって行われることが知られているが、当該孔型ロールのロール胴幅には設備的な制約が存在しており、できるだけ多くの孔型を所定胴長の孔型ロールに刻設するための技術が鋭意創案されている。例えば特許文献1には、孔型ロールに複数の孔型(第1割孔型、第2割孔型等)を刻設するに際し、複数の孔型でそれぞれの孔型が備える突起部等の側壁を共用する際に問題となる素材鋼片のフランジ部分の形状ばらつきを抑制させる技術が開示されている。
特許第5870974号
上記特許文献1に記載の技術は一般的なエッジング圧延に関するものであり、各孔型のいずれにも孔型側壁が存在しているような構成について適用する技術である。しかしながら、本発明者らは、鋭意検討の結果、H形鋼製品の粗圧延工程において、ロールに孔型を刻設する際に、必ずしも全ての孔型が側壁を有しているような構成である必要はないことを見出し、側壁を有していない孔型を含むような孔型構成によって粗圧延工程を実施する技術を創案した。即ち、孔型内部に形成される突起部の先端角度や高さによっては、孔型側壁が存在していない状態でも被圧延材を誘導することが可能であることを見出し、側壁を有していない孔型を含むような孔型構成で粗圧延工程が実施可能であることが判明した。
側壁を有していない孔型を含むような孔型構成で粗圧延を実施する場合には、各孔型間のカラー部を共用化する、あるいは、孔型内部の突起部をカラー部として代用することで、ロール胴幅寸法を効率的に活用することが考えられ、従来に比べ更なる効率化が求められる。
上記事情に鑑み、本発明の目的は、H形鋼の製造において孔型を用いた粗圧延工程を行う場合に、複数の孔型の一部又は全てに孔型側壁が設けられていないような孔型構成を採用し、当該孔型構成においてロール胴幅寸法を効率的に活用することが可能なH形鋼の製造方法を提供することにある。
前記の目的を達成するため、本発明によれば、粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を備えたH形鋼の製造方法であって、前記粗圧延工程を行う圧延機には、被圧延材を造形する複数の孔型が刻設され、当該複数の孔型は、被圧延材の幅方向に対し鉛直に割り込みを入れて被圧延材端部に分割部位を形成させる突起部が形成された複数の割り込み孔型と、前記割り込みに当接し、前記割り込み孔型において形成された分割部位を順次折り曲げる突起部が形成された複数の折り曲げ孔型と、を含み、前記複数の割り込み孔型は、同一の孔型ロールに隣接して刻設され、被圧延材の幅方向に対し入れられる割り込み深さの異なる2種類の割り込み孔型から構成され、当該2種類の割り込み孔型の孔型上面及び孔型底面には、被圧延材の上下端部に対向する孔型共用部分が設けられ、前記複数の孔型には、被圧延材の幅方向に対し鉛直に溝を付与する溝付け孔型を含み、前記2種類の割り込み孔型のうちの後段孔型は、被圧延材を拘束する孔型側壁を備えた袋型孔型形状であり、当該後段孔型は前記溝付け孔型に隣接して刻設されることを特徴とする、H形鋼の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を備えたH形鋼の製造方法であって、前記粗圧延工程を行う圧延機には、被圧延材を造形する複数の孔型が刻設され、当該複数の孔型は、被圧延材の幅方向に対し鉛直に割り込みを入れて被圧延材端部に分割部位を形成させる突起部が形成された複数の割り込み孔型と、前記割り込みに当接し、前記割り込み孔型において形成された分割部位を順次折り曲げる突起部が形成された複数の折り曲げ孔型と、を含み、前記複数の割り込み孔型は、同一の孔型ロールに隣接して刻設され、被圧延材の幅方向に対し入れられる割り込み深さの異なる2種類の割り込み孔型から構成され、当該2種類の割り込み孔型の孔型上面及び孔型底面には、被圧延材の上下端部に対向する孔型共用部分が設けられ、前記2種類の割り込み孔型のうちの後段孔型での圧延造形仕上がりにおいて、被圧延材の上下端部に以下の式(2)で示される所定のフランジ幅Δfを予め増肉し、前記複数の折り曲げ孔型では、前記割り込み孔型において形成された分割部位を順次折り曲げる造形に加え、前記所定のフランジ幅Δfを圧下する圧延造形を行うことを特徴とする、H形鋼の製造方法が提供される。
Δf=tf×sin(θ1b/2) ・・・(2)
但し、tf:前記後段孔型での圧延造形仕上がり時のフランジ相当部の先端厚み、θ1b:前記後段孔型に形成された突起部の先端部角度である。
前記孔型共用部分は、前記2種類の割り込み孔型に形成された突起部間に設けられた孔型上面及び孔型底面であり、当該孔型共用部分の幅長さは、前記2種類の割り込み孔型のうちの後段孔型において圧延造形される被圧延材と割り込み孔型との接触幅に基づき決定されても良い。
前記孔型共用部分は圧延ピッチラインに平行な面であっても良い。
本発明によれば、H形鋼の製造において孔型を用いた粗圧延工程を行う場合に、複数の孔型の一部又は全てに孔型側壁が設けられていないような孔型構成を採用し、当該孔型構成においてロール胴幅寸法を効率的に活用することが可能となる。
H形鋼の製造ラインについての概略説明図である。 第1孔型の概略説明図である。 第2−1孔型の概略説明図である。 第2−2孔型の概略説明図である。 第3孔型の概略説明図である。 第4孔型の概略説明図である。 第5孔型(平造形孔型)の概略説明図である。 従前の孔型ロールの概略説明図である。 改善後の孔型ロールの概略説明図である。 従前の孔型ロールに刻設された第2−1孔型及び第2−2孔型の概略拡大図である。 改善後の孔型ロールに刻設された第2−2孔型及び第2−1孔型の概略拡大図である。 改善後の孔型ロールの第2−2孔型での圧延造形仕上がり時の被圧延材の形状を示す概略説明図である。 第2−2孔型を袋型孔型形状とした従前の孔型ロールの概略説明図である。 第2−2孔型を袋型孔型形状とした改善後の孔型ロールの概略説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本実施の形態にかかる圧延設備1を含むH形鋼の製造ラインTについての説明図である。図1に示すように、製造ラインTには上流側から順に、加熱炉2、サイジングミル3、粗圧延機4、中間ユニバーサル圧延機5、仕上ユニバーサル圧延機8が配置されている。また、中間ユニバーサル圧延機5に近接してエッジャー圧延機9が設けられている。なお、以下では、説明のために製造ラインTにおける鋼材を、総称して「被圧延材A」と記載し、各図において適宜その形状を破線・斜線等を用いて図示する場合がある。
図1に示すように、製造ラインTでは、加熱炉2から抽出された例えばスラブ11等の被圧延材Aがサイジングミル3ならびに粗圧延機4において粗圧延される。次いで、中間ユニバーサル圧延機5において中間圧延される。この中間圧延時には、必要に応じてエッジャー圧延機9によって被圧延材の端部等(後述するフランジ部80)に対して圧下が施される。通常の場合、サイジングミル3及び粗圧延機4のロールには、合わせて4〜6個程度の孔型が刻設されており、これらを経由して複数パス程度のリバース圧延でH形粗形材13が造形され、該H形粗形材13を前記中間ユニバーサル圧延機5−エッジャー圧延機9の2つの圧延機からなる圧延機列を用いて、複数パスの圧下が加えられ、中間材14が造形される。そして中間材14は、仕上ユニバーサル圧延機8において製品形状に仕上圧延され、H形鋼製品16が製造される。
次に、以下では図1に示したサイジングミル3及び粗圧延機4に刻設される孔型構成や孔型形状について図面を参照して説明する。図2〜図7は粗圧延工程を行うサイジングミル3及び粗圧延機4に刻設される孔型についての概略説明図である。ここで、説明する第1孔型〜第4孔型は、例えばサイジングミル3に全て刻設されても良く、サイジングミル3及び粗圧延機4に第1孔型〜第5孔型の5つの孔型が分けて刻設されても良い。即ち、第1孔型〜第4孔型はサイジングミル3及び粗圧延機4の両方に亘って刻設されても良く、どちらか一方の圧延機に刻設されても良い。通常のH形鋼の製造における粗圧延工程では、これら各孔型において1又は複数パスでの造形が行われる。
また、本実施の形態では刻設される孔型の基本的な構成が6孔型である場合を例示して説明するが、その孔型数についても、必ずしも6孔型である必要はなく、6以上の複数の孔型数であっても良い。即ち、H形粗形材13を造形するために好適な孔型構成であれば良い。なお、図2〜図7では、各孔型における造形時の被圧延材Aの概略最終パス形状を破線にて図示している。
図2は第1孔型K1の概略説明図である。第1孔型K1は、一対の水平ロールである上孔型ロール20と下孔型ロール21に刻設され、これら上孔型ロール20と下孔型ロール21のロール隙において被圧延材Aが圧下・造形される。また、上孔型ロール20の周面(即ち、第1孔型K1の上面)には、孔型内部に向かって突出する突起部25が形成されている。更に、下孔型ロール21の周面(即ち、第1孔型K1の底面)には、孔型内部に向かって突出する突起部26が形成されている。これら突起部25、26はテーパー形状を有しており、その突出長さ等の寸法は、突起部25と突起部26とでそれぞれ等しく構成されている。突起部25、26の高さ(突出長さ)をh1とし、先端部角度をθ1aとする。
この第1孔型K1においては、突起部25、26が被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に押し当てられ、割り込み28、29が形成される。第1孔型K1は、スラブ端面に溝(割り込み28、29)を付与する孔型であることから「溝付け孔型」とも呼称される。ここで、突起部25、26の先端部角度(ウェッジ角度とも呼称される)θ1aは例えば25°以上40°以下であることが望ましい。
ここで、第1孔型K1の孔型幅は、被圧延材Aの厚み(即ち、スラブ厚)とほぼ等しいことが好ましい。具体的には、第1孔型K1に形成された突起部25、26の先端部における孔型の幅と、スラブ厚を同一にすることで、被圧延材Aの左右センタリング性が好適に確保される。また、このような孔型寸法の構成とすることで、図2に示すように、第1孔型K1での造形時において、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)においては、上記突起部25、26及び孔型側面(側壁)の一部が被圧延材Aと接していて、割り込み28、29により4つの要素(部位)に分割されたスラブ上下端部に対して、第1孔型K1の上面及び底面にて積極的な圧下が行われない方が好ましい。孔型の上面及び底面による圧下は、被圧延材Aの長手方向への伸びを生じさせてしまい、フランジ(後述するフランジ部80)の生成効率を低下させてしまうからである。即ち、第1孔型K1においては、突起部25、26が被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に押し当てられ、割り込み28、29が形成される際の突起部25、26における圧下量(ウェッジ先端圧下量)は、スラブ上下端部における圧下量(スラブ端面圧下量)よりも十分に大きなものとされ、これにより割り込み28、29が形成される。
図3は第2−1孔型K2−1の概略説明図である。第2−1孔型K2−1は、一対の水平ロールである上孔型ロール30と下孔型ロール31に刻設される。上孔型ロール30の周面(即ち、第2−1孔型K2−1の上面)には、孔型内部に向かって突出する突起部35が形成されている。更に、下孔型ロール31の周面(即ち、第2−1孔型K2−1の底面)には、孔型内部に向かって突出する突起部36が形成されている。これら突起部35、36はテーパー形状を有しており、その突出長さ等の寸法は、突起部35と突起部36とでそれぞれ等しく構成されている。これら突起部35、36の先端部角度は25°以上40°以下のウェッジ角度θ1bであることが望ましい。
ここで、上記第1孔型K1のウェッジ角度θ1aは、フランジ相当部の先端部厚みを確保し、誘導性を高め、圧延の安定性を担保するために、後段の第2−1孔型K2−1のウェッジ角度θ1bと同じ角度であることが好ましい。
突起部35、36の高さ(突出長さ)h2aは、上記第1孔型K1の突起部25、26の高さh1より高く構成されており、h2a>h1となっている。また、突起部35、36の先端部角度は上記第1孔型K1の突起部25、26の先端部角度と同じであることが圧延寸法精度上、好ましい。これら上孔型ロール30と下孔型ロール31のロール隙において、上記第1孔型K1通材後の被圧延材Aが更に造形される。
ここで、第1孔型K1に形成される突起部25、26の高さh1より、第2−1孔型K2−1に形成される突起部35、36の高さh2aの方が高く、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)への侵入長さも同様に第2−1孔型K2−1の方が長くなる。第2−1孔型K2−1での突起部35、36の被圧延材Aへの侵入深さは、突起部35、36の高さh2aと同じである。即ち、第1孔型K1での突起部25、26の被圧延材Aへの侵入深さh1’と、第2−1孔型K2−1での突起部35、36の被圧延材Aへの侵入深さh2aはh1’<h2aとの関係になっている。
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面30a、30b及び孔型底面31a、31bと、突起部35、36の傾斜面とのなす角度θfは、図3に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
図3に示すように、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)へ押し当てられた時の突起部の侵入長さが長いことから、第2−1孔型K2−1においては、第1孔型K1において形成された割り込み28、29が更に深くなるように造形が行われ、割り込み38、39が形成される。この第2−1孔型K2−1は、「割り込み孔型」とも呼称される。
また、第2−1孔型K2−1での造形は多パスにより行われるが、当該多パス造形においては、最終パスにて被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)と、それに対向する孔型上面30a、30b及び孔型底面31a、31bとが接触するような造形が行われる。これは、第2−1孔型K2−1での全てのパスにおいて被圧延材Aの上下端部と孔型内部とを非接触とすると、フランジ相当部(後述するフランジ部80に対応する部位)が左右非対称に造形されるといった形状不良が生じる恐れがあり、通材性の面で問題があるからである。
図4は第2−2孔型K2−2の概略説明図である。第2−2孔型K2−2は、一対の水平ロールである上孔型ロール40と下孔型ロール41に刻設される。上孔型ロール40の周面(即ち、第2−2孔型K2−2の上面)には、孔型内部に向かって突出する突起部45が形成されている。更に、下孔型ロール41の周面(即ち、第2−2孔型K2−2の底面)には、孔型内部に向かって突出する突起部46が形成されている。これら突起部45、46はテーパー形状を有しており、その突出長さ等の寸法は、突起部45と突起部46とでそれぞれ等しく構成されている。これら突起部45、46の先端部角度は25°以上40°以下のウェッジ角度θ1bであり、上記第2−1孔型K2−1のウェッジ角度と同じ角度に設計されることが望ましい。
突起部45、46の高さ(突出長さ)h2bは、上記第2−1孔型K2−1の突起部35、36の高さh2aより高く構成されており、h2b>h2aとなっている。これら上孔型ロール40と下孔型ロール41のロール隙において、上記第2−1孔型K2−1通材後の被圧延材Aが更に造形される。
ここで、第2−1孔型K2−1に形成される突起部35、36の高さh2aより、第2−2孔型K2−2に形成される突起部45、46の高さh2bの方が高く、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)への侵入長さも同様に第2−2孔型K2−2の方が長くなる。第2−2孔型K2−2での突起部45、46の被圧延材Aへの侵入深さは、突起部45、46の高さh2bと同じである。即ち、第2−1孔型K2−1での突起部35、36の被圧延材Aへの侵入深さh2aと、第2−2孔型K2−2での突起部45、46の被圧延材Aへの侵入深さh2bはh2a<h2bとの関係になっている。
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面40a、40b及び孔型底面41a、41bと、突起部45、46の傾斜面とのなす角度θfは、図4に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
図4に示すように、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)へ押し当てられた時の突起部の侵入長さが長いことから、第2−2孔型K2−2においては、第2−1孔型K2−1において形成された割り込み38、39が更に深くなるように造形が行われ、割り込み48、49が形成される。この第2−2孔型K2−2は、「割り込み孔型」とも呼称される。
なお、ここで形成される割り込み48、49の寸法に基づき粗圧延工程でのフランジ造形工程終了時のフランジ片幅が決定される。
また、第2−2孔型K2−2での造形は多パスにより行われるが、当該多パス造形においては、最終パスにて被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)と、それに対向する孔型上面40a、40b及び孔型底面41a、41bとが接触するような造形が行われる。これは、第2−2孔型K2−2での全てのパスにおいて被圧延材Aの上下端部と孔型内部とを非接触とすると、フランジ相当部(後述するフランジ部80に対応する部位)が左右非対称に造形されるといった形状不良が生じる恐れがあり、通材性の面で問題があるからである。
図5は第3孔型K3の概略説明図である。第3孔型K3は、一対の水平ロールである上孔型ロール50と下孔型ロール51に刻設される。上孔型ロール50の周面(即ち、第3孔型K3の上面)には、孔型内部に向かって突出する突起部55が形成されている。更に、下孔型ロール51の周面(即ち、第3孔型K3の底面)には、孔型内部に向かって突出する突起部56が形成されている。これら突起部55、56はテーパー形状を有しており、その突出長さ等の寸法は、突起部55と突起部56とでそれぞれ等しく構成されている。
上記突起部55、56の先端部角度θ2は、上記角度θ1bに比べ広角に構成され、突起部55、56の被圧延材Aへの侵入深さh3は、上記突起部45、46の侵入深さh2bよりも短くなっている(即ち、h3<h2b)。この角度θ2は例えば70°以上110°以下が好ましい。
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面50a、50b及び孔型底面51a、51bと、突起部55、56の傾斜面とのなす角度θfは、図5に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
図5に示すように、第3孔型K3では、第2−2孔型K2−2通材後の被圧延材Aに対し、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)において第2−2孔型K2−2において形成された割り込み48、49が、突起部55、56が押し当てられることにより、割り込み58、59となる。即ち、第3孔型K3での造形における最終パスでは、割り込み58、59の最深部角度(以下、割り込み角度とも呼称する)がθ2となる。換言すると、第2−2孔型K2−2において割り込み48、49の形成と共に造形された分割部位(後述するフランジ部80に対応する部位)が外側に折り曲げられるような造形が行われる。この第3孔型K3は「折り曲げ孔型」とも呼称される。
また、図5に示す第3孔型K3での造形は少なくとも1パス以上によって行われ、このうちの少なくとも1パス以上は、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)と孔型内部(第3孔型K3の上面及び底面)が接触した状態で行われる。この被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)と孔型内部が接触した状態においては、当該端部の軽圧下が行われることが好ましい。
図6は第4孔型K4の概略説明図である。第4孔型K4は、一対の水平ロールである上孔型ロール60と下孔型ロール61に刻設される。上孔型ロール60の周面(即ち、第4孔型K4の上面)には、孔型内部に向かって突出する突起部65が形成されている。更に、下孔型ロール61の周面(即ち、第4孔型K4の底面)には、孔型内部に向かって突出する突起部66が形成されている。これら突起部65、66はテーパー形状を有しており、その突出長さ等の寸法は、突起部65と突起部66とでそれぞれ等しく構成されている。
上記突起部65、66の先端部角度θ3は、上記角度θ2に比べ広角に構成され、突起部65、66の被圧延材Aへの侵入深さh4は、上記突起部55、56の侵入深さh3よりも短くなっている(即ち、h4<h3)。
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面60a、60b及び孔型底面61a、61bと、突起部65、66の傾斜面とのなす角度θfは、上記第3孔型K3と同様に、図6に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
第4孔型K4では、第3孔型K3通材後の被圧延材Aに対し、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)において第3孔型K3において形成された割り込み58、59が、突起部65、66が押し当てられることにより押し広げられ、割り込み68、69となる。即ち、第4孔型K4での造形における最終パスでは、割り込み68、69の最深部角度(以下、割り込み角度とも呼称する)がθ3となる。換言すると、第3孔型K3において割り込み58、59の形成と共に造形された分割部位(後述するフランジ部80に対応する部位)が更に外側に折り曲げられるような造形が行われる。この第4孔型K4は「折り曲げ孔型」とも呼称される。
このようにして造形された被圧延材Aの上下端部の部位は、後のH形鋼製品のフランジに相当する部位であり、ここではフランジ部80と呼称する。
図6に示す第4孔型K4での造形は少なくとも1パス以上によって行われ、このうちの少なくとも1パス以上は、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)と孔型内部(第4孔型K4の上面及び底面)が接触した状態で行われる。この被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)と孔型内部が接触した状態においては、当該端部の軽圧下が行われることが好ましい。
図7は第5孔型K5の概略説明図である。第5孔型K5は、一対の水平ロールである上孔型ロール85と下孔型ロール86から構成される。図7に示すように、第5孔型K5では、第4孔型K4までに造形された被圧延材Aが90°あるいは270°回転させられ、第4孔型K4までは被圧延材Aの上下端に位置していたフランジ部80が、圧延ピッチライン上に来るような配置となる。そして、第5孔型K5では、2か所のフランジ部80を繋ぐ接続部であるウェブ部82の圧下及びフランジ部80のフランジ先端部を圧下することでフランジ幅の寸法調整が行われる。このようにしていわゆるドッグボーン形状のH形粗形材(図1に示すH形粗形材13)が造形される。なお、この第5孔型K5はウェブ部82を圧下して減厚させることから、「ウェブ減厚孔型」あるいは「平造形孔型」とも呼称される。なお、この平造形孔型(第5孔型K5)における圧延造形は、1又は任意の複数パスで行われる。
このように造形されたH形粗形材13に対し、既知の圧延機である中間ユニバーサル圧延機5−エッジャー圧延機9の2つの圧延機からなる圧延機列を用いて、複数パスのリバース圧延が加えられ、中間材14が造形される。そして中間材14は、仕上ユニバーサル圧延機8において製品形状に仕上圧延され、H形鋼製品16が製造される(図1参照)。
上述したように、本実施の形態にかかる第1孔型K1〜第4孔型K4を用いて被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に割り込みを入れ、それら割り込みによって左右に分かれた各部分を左右に折り曲げる加工を行い、フランジ部80を形成するといった造形をすることで、従来行われていたスラブ端面を常に圧下する粗圧延方法に比べ、フランジ幅を広幅化させてH形粗形材13を造形することが可能となり、その結果、フランジ幅の大きな最終製品(H形鋼)を製造することができる。
ここで、本発明者らは、サイジングミル3及び/又は粗圧延機4の孔型ロールに第1孔型K1〜第5孔型K5の一部又は全部を刻設する場合に、ロール胴幅寸法を効率的に活用するといった観点から、孔型の共用化を図るための技術を鋭意検討した。以下では、上記第1孔型K1〜第4孔型K4が同一の孔型ロールに刻設されているような孔型構成の場合において、更なるロール胴幅寸法の効率化を図る場合について図面等を参照して説明する。
(従前の孔型ロール)
先ず、従前の孔型ロールとして、上記第1孔型K1〜第4孔型K4がロール共用化を行うことなく並べて刻設されている場合について説明する。図8は、従前の孔型ロール100の概略説明図であり、第1孔型K1〜第4孔型K4が図中の孔型ロール100の左から順に刻設されている場合を図示したものである。なお、図8では、煩雑化を避けるため、上下一対の孔型ロールのうち、上孔型ロールの形状のみを図示している。
図8に示すように、この孔型構成では、第1孔型K1及びロール端部に刻設された第4孔型K4の端部側を除き、孔型に側壁が設けられておらず、原則として被圧延材Aの外面が非拘束な状態で圧延造形が実施される。これは、本実施の形態に係る製造方法では、素材として用いる矩形断面の素材(スラブ)の端部形状を変えることなく、割り込みを入れて造形した分割部位(フランジ部80)を折り曲げる加工を行うといった造形技術を採用していることに起因する。
本発明者らは、このような図8に示す孔型構成において、第2−1孔型K2−1と、第2−2孔型K2−2においては、両方の孔型ともにウェッジ角度がθ1bの突起部を用いた圧延造形を行っていることから、これらの第2−1孔型K2−1及び第2−2孔型K2−2の一部を共用させることが可能であると考え、更なる孔型構成の改善を行った。そこで以下では、図9〜図12を参照して、改善後の孔型ロールについて説明する。
(改善後の孔型ロール)
図9は、改善後の孔型ロール110の概略説明図である。図9に示すように、孔型ロール110には、第1孔型K1、第2−2孔型K2−2、第2−1孔型K2−1、第3孔型K3、第4孔型K4が図中左から順に刻設されている。なお、図9でも、煩雑化を避けるため、上下一対の孔型ロールのうち、上孔型ロールの形状のみを図示している。
図9に示すように、孔型ロール110では、第2−2孔型K2−2の孔型上面40bと、第2−1孔型K2−1の孔型上面30aが孔型共用部分として共用されており、ロール胴幅寸法の効率化が図られている。このような共用化は、図示していない孔型底面に関しても同様に行われる。
しかしながら、図8に示す従前の孔型ロール100で示したように、第2−1孔型K2−1及び第2−2孔型K2−2の孔型上面、孔型底面は水平方向(圧延ピッチライン方向)に対し所定角度の傾斜を有した構成となっている。これは、上述したように、フランジ相当部(後述するフランジ部80に対応する部位)の先端を略矩形形状とすることが好ましいといった観点から、孔型上面(及び孔型底面)と、突起部の傾斜面とのなす角度θfが約90°(略直角)となっているからである。
第2−2孔型K2−2の孔型上面40bと、第2−1孔型K2−1の孔型上面30aを共用化するため、孔型共用面30a(40b)では、両方向での被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)の圧下が実施される。そこで本発明者らは、図9に示すように、この孔型共用面30a(40b)は水平な面(圧延ピッチラインに平行な面)とする孔型設計を創案し、被圧延材Aの対称性から、第2−1孔型K2−1及び第2−2孔型K2−2のその他の孔型上面30b、40aも同様に水平な面として構成した。なお、図示していない孔型底面についても同様に水平面に設計する必要がある。
一方で、上述したように孔型共用面30a(40b)や孔型上面30b、40a、その他の孔型底面等を水平面にしたことにより、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)の形状への影響を考慮する必要がある。即ち、従前の孔型ロール100において第2−1孔型K2−1と第2−2孔型K2−2とを独立して刻設させた場合の孔型寸法形状と、改善後の孔型ロール110における孔型寸法形状と、を比較し、好適な設計値にする必要がある。そこで、以下では、図10及び図11を参照し孔型ロール110における好適な孔型寸法形状の設計について説明する。
図10は、従前の孔型ロール100に刻設された第2−1孔型K2−1及び第2−2孔型K2−2の概略拡大図である。また、図11は、改善後の孔型ロール110に刻設された第2−2孔型K2−2及び第2−1孔型K2−1の概略拡大図である。
図10に示すように、従前の孔型ロール100に刻設された第2−1孔型K2−1の孔型先端幅をb1とし、第2−2孔型K2−2の孔型先端幅をb2とする。
これに対応するように、改善後の孔型ロール110に刻設された第2−1孔型K2−1の孔型先端幅はb1とすることが好ましく、第2−2孔型K2−2の孔型先端幅はb2とすることが好ましい。ここで、孔型共用面30a(40b)の幅長さをXとすると、当該Xの値は、第2−2孔型K2−2の孔型先端幅b2と同じ値に設計することが好ましい。これは、粗圧延工程におけるエッジング圧延では、後段の孔型にいく程、フランジ相当部の先端部幅は厚みを増すことになるため、より後段の孔型の寸法に合わせた設計とすることが好ましいからである。
また、改善後の孔型ロール110に刻設された第2−2孔型K2−2及び第2−1孔型K2−1における孔型上面(及び孔型底面)と突起部の傾斜面とのなす角度をθx(°)とすると、θxは以下の式(1)で定められる。
θx=90+θ1b/2 ・・・(1)
また、図11に示す孔型ロール110では、孔型共用面30a(40b)や孔型上面30b、40a、その他の孔型底面等を水平面となるような孔型設計としたことで、従前の孔型ロール100によるエッジング圧延と比較して、同じパススケジュールによる圧延造形では、被圧延材Aのフランジ相当部が後段の孔型内(即ち、第3孔型K3以降の孔型内)において未充満となってしまう恐れがある。そこで、改善後の孔型ロール110による圧延造形時には、従前の孔型ロール100を用いる場合とパススケジュールを変更し、第2−2孔型K2−2での圧延造形仕上がり時に、フランジ相当部の先端を所定長さ(所定フランジ幅)だけ予め増肉しておき、第3孔型K3以降において増肉した所定フランジ幅を圧下することで対応することが望ましい。
図12は、改善後の孔型ロール110の第2−2孔型K2−2での圧延造形仕上がり時の被圧延材Aの形状を示す概略説明図であり、被圧延材Aの一方の幅方向端部を拡大した概略拡大図である。
第2−2孔型K2−2での圧延造形仕上がり時に増肉しておく所定フランジ幅Δfは、第2−2孔型K2−2での圧延造形仕上がり時のフランジ相当部の先端部厚みをtfとすると、図12に示すように、幾何学的な寸法関係から、以下の式(2)で表される。
Δf=tf×sin(θ1b/2) ・・・(2)
なお、実際の第2−2孔型K2−2での圧延造形時には、被圧延材Aの上下端部両方の幅方向端部において増肉を行うため、2×Δfだけフランジ厚み方向の最も外側の位置のフランジ幅を増肉させることになる。
以上説明したように、改善後の孔型ロール110においては、図11に示すように、第2−1孔型K2−1の孔型先端幅をb1、第2−2孔型K2−2の孔型先端幅をb2とし、孔型共用面30a(40b)の幅長さXもb2とすることが好ましい。また、孔型上面(及び孔型底面)と突起部の傾斜面とのなす角度θx(°)は上記式(1)に示す角度とすることが好ましい。加えて、改善後の孔型ロール110に刻設された第2−2孔型K2−2での圧延仕上がり時に上記式(2)で示す所定フランジ幅Δfだけ増肉しておくパススケジュールを採用することで、第3孔型K3、第4孔型K4での圧延造形により、所望のフランジ相当部形状とするような圧延造形が可能となる。このような孔型設計、パススケジュールを採用することで、第2−2孔型K2−2の孔型上面40bと、第2−1孔型K2−1の孔型上面30aを共用して圧延造形が実施でき、それによりロール胴幅寸法の効率化が実現される。また、従前と同様の所望のフランジ相当部形状を得ることができるため、ロール胴幅寸法の効率化を図ったとしても、被圧延材の寸法精度等は従前と変わらず維持される。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記実施の形態では、図4に示すように、第2−2孔型K2−2は孔型側面によって被圧延材Aの側面を拘束するような構成となっていない。即ち、被圧延材Aの側面を孔型によって拘束するといった構成を採っていないために、被圧延材Aの左右方向に関する溝ずれ等のセンタリング不良が懸念され、これにより、造形されるフランジ相当部の厚みが上下左右方向において不均一になり、特にフランジ左右厚みに差異が生じ易いといった事が問題となる場合がある。特に、例えば、フランジ幅を500mm以上に造形するために第2−1孔型K2−1の突起部高さと第2−2孔型K2−2の突起部高さとの差が大きい場合や、スラブ厚260mm未満の素材から製品フランジ幅400mm以上の大型H形鋼製品を製造する場合には、このような問題が顕著に起こり易い。即ち、突起部による割り込み量が大きく、フランジ先端部のエッジング圧延までに要するエッジング量が大きい場合や、スラブ厚/スラブ幅の比率が小さく、エッジング圧延によるスラブの座屈が発生し易い場合には、このようなフランジ厚の不均一が発生し易い。
そこで、このような場合には、割り込み孔型である第2−2孔型K2−2の形状を側壁を有する形状(いわゆる袋型孔型形状)とすることで寸法の悪化が防止できる。図13は、第2−2孔型K2−2を袋型孔型形状とした従前の孔型ロール200の概略説明図である。また、図14は、第2−2孔型K2−2を袋型孔型形状とした際の、改善後の孔型ロール210の概略説明図である。なお、これら図13、図14では、煩雑化を避けるため、上下一対の孔型ロールのうち、上孔型ロールの形状のみを図示している。
図13に示すように、従前の孔型ロール200の第2−2孔型K2−2においては、孔型の底幅をフランジ厚に見合った寸法に設計することで、左右のフランジ厚に差異が生じる、あるいは、差異が生じた場合に、ロール側壁に被圧延材Aが接触することで、センタリング力が作用し、左右のフランジ厚の均等化が図られる。更にその後、スラブ端面がエッジング圧延されることで、フランジ先端部に対する均等化がなされる。
このような点から、図14に示すように、改善後の孔型ロール210の第2−2孔型K2−2においても、孔型の底幅がフランジ厚に見合った寸法に設計される。
図13に示すように、第2−2孔型K2−2に側壁を設け、袋型孔型形状とした場合、当該孔型の両側にカラー部が存在する。従って、上記実施の形態で示した従前の孔型ロール100と比べ、カラー部を設けた分だけ更なるロール胴幅が必要となる。このような場合に関し、図14に示した改善後の孔型ロール210によれば、第2−2孔型K2−2の孔型上面40bと、第2−1孔型K2−1の孔型上面30aを共用化し、孔型共用面30a(40b)とするような孔型設計とし、孔型の底幅をフランジ厚み見合った寸法に設計していることに加え、第2−1孔型K2−1の突起部35の側面をカラー部として代用している。これにより、従前の孔型ロール200に比べ、大幅なロール胴幅の削減、ロール胴幅寸法の効率化が実現され、且つ、袋型孔型形状と同様に側壁を備えた孔型による圧延造形を実現させることが可能となる。
即ち、第2−2孔型K2−2として袋型の孔型を用いる必要がある場合であっても、本発明技術を適用することで、袋型孔型とほぼ同等のセンタリング性が担保され、フランジ部厚みの左右非対称性や、フランジ部厚みの不均一性といった形状不良の発生を抑制させ、且つ、ロール胴幅寸法の効率化を図ることができる。
なお、図14に示す改善後の孔型ロール210では、第2−1孔型K2−1の突起部35の側面をカラー部として代用しており、その場合、突起部35の高さh2aは、被圧延材Aの接触高さが超えない程度の高さに設計されることが望ましい。実際の操業時には、第2−1孔型K2−1での圧延造形時に被圧延材Aが側壁まで充満した段階で、次工程の第2−2孔型K2−2での圧延造形に移行することで、第2−2孔型K2−2での圧延造形時に誘導性が担保され、左右のフランジ厚の均等化が図られることになる。
また、上記実施の形態において、第1孔型K1〜第4孔型K4として図示・説明した孔型群を用いて被圧延材Aの造形を行い、その後、第5孔型K5を用いて平造形圧延を行う技術を説明したが、粗圧延工程を実施する孔型数はこれに限られるものではなく、更に多くの孔型を用いて実施しても良い。即ち、上記実施の形態に示した孔型構成は一例であり、サイジングミル3や粗圧延機4に刻設される孔型の数は任意に変更可能であり、好適に粗圧延工程を実施することができる程度に適宜変更される。但し、本発明に係る技術を実現させるためには、少なくとも第2−1孔型K2−1と第2−2孔型K2−2は同一の孔型ロールに刻設され、その一部が共用化されるような構成で孔型設計を行う必要がある。
本発明は、例えば矩形断面であるスラブ等を素材としてH形鋼を製造する製造方法に適用できる。
1…圧延設備
2…加熱炉
3…サイジングミル
4…粗圧延機
5…中間ユニバーサル圧延機
8…仕上ユニバーサル圧延機
9…エッジャー圧延機
11…スラブ
13…H形粗形材
14…中間材
16…H形鋼製品
20…上孔型ロール(第1孔型)
21…下孔型ロール(第1孔型)
25、26…突起部(第1孔型)
28、29…割り込み(第1孔型)
30…上孔型ロール(第2−1孔型)
31…下孔型ロール(第2−1孔型)
35、36…突起部(第2−1孔型)
38、39…割り込み(第2−1孔型)
40…上孔型ロール(第2−2孔型)
41…下孔型ロール(第2−2孔型)
45、46…突起部(第2−2孔型)
48、49…割り込み(第2−2孔型)
50…上孔型ロール(第3孔型)
51…下孔型ロール(第3孔型)
55、56…突起部(第3孔型)
58、59…割り込み(第3孔型)
60…上孔型ロール(第4孔型)
61…下孔型ロール(第4孔型)
65、66…突起部(第4孔型)
68、69…割り込み(第4孔型)
80…フランジ部
82…ウェブ部
85…上孔型ロール(第5孔型)
86…下孔型ロール(第5孔型)
100…(従前の)孔型ロール
110…(改善後の)孔型ロール
200…(第2−2孔型を袋型孔型形状とした従前の)孔型ロール
210…(第2−2孔型を袋型孔型形状とした改善後の)孔型ロール
K1…第1孔型
K2−1…第2−1孔型
K2−2…第2−2孔型
K3…第3孔型
K4…第4孔型
K5…第5孔型(平造形孔型)
T…製造ライン
A…被圧延材

Claims (4)

  1. 粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を備えたH形鋼の製造方法であって、
    前記粗圧延工程を行う圧延機には、被圧延材を造形する複数の孔型が刻設され、
    当該複数の孔型は、
    被圧延材の幅方向に対し鉛直に割り込みを入れて被圧延材端部に分割部位を形成させる突起部が形成された複数の割り込み孔型と、
    前記割り込みに当接し、前記割り込み孔型において形成された分割部位を順次折り曲げる突起部が形成された複数の折り曲げ孔型と、を含み、
    前記複数の割り込み孔型は、同一の孔型ロールに隣接して刻設され、被圧延材の幅方向に対し入れられる割り込み深さの異なる2種類の割り込み孔型から構成され、
    当該2種類の割り込み孔型の孔型上面及び孔型底面には、被圧延材の上下端部に対向する孔型共用部分が設けられ、
    前記複数の孔型には、被圧延材の幅方向に対し鉛直に溝を付与する溝付け孔型を含み、
    前記2種類の割り込み孔型のうちの後段孔型は、被圧延材を拘束する孔型側壁を備えた袋型孔型形状であり、当該後段孔型は前記溝付け孔型に隣接して刻設されることを特徴とする、H形鋼の製造方法。
  2. 粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を備えたH形鋼の製造方法であって、
    前記粗圧延工程を行う圧延機には、被圧延材を造形する複数の孔型が刻設され、
    当該複数の孔型は、
    被圧延材の幅方向に対し鉛直に割り込みを入れて被圧延材端部に分割部位を形成させる突起部が形成された複数の割り込み孔型と、
    前記割り込みに当接し、前記割り込み孔型において形成された分割部位を順次折り曲げる突起部が形成された複数の折り曲げ孔型と、を含み、
    前記複数の割り込み孔型は、同一の孔型ロールに隣接して刻設され、被圧延材の幅方向に対し入れられる割り込み深さの異なる2種類の割り込み孔型から構成され、
    当該2種類の割り込み孔型の孔型上面及び孔型底面には、被圧延材の上下端部に対向する孔型共用部分が設けられ、
    前記2種類の割り込み孔型のうちの後段孔型での圧延造形仕上がりにおいて、被圧延材の上下端部に以下の式(2)で示される所定のフランジ幅Δfを予め増肉し、
    前記複数の折り曲げ孔型では、前記割り込み孔型において形成された分割部位を順次折り曲げる造形に加え、前記所定のフランジ幅Δfを圧下する圧延造形を行うことを特徴とする、H形鋼の製造方法。
    Δf=tf×sin(θ1b/2) ・・・(2)
    但し、tf:前記後段孔型での圧延造形仕上がり時のフランジ相当部の先端厚み、θ1b:前記後段孔型に形成された突起部の先端部角度である。
  3. 前記孔型共用部分は、前記2種類の割り込み孔型に形成された突起部間に設けられた孔型上面及び孔型底面であり、
    当該孔型共用部分の幅長さは、前記2種類の割り込み孔型のうちの後段孔型において圧延造形される被圧延材と割り込み孔型との接触幅に基づき決定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のH形鋼の製造方法。
  4. 前記孔型共用部分は圧延ピッチラインに平行な面であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のH形鋼の製造方法。
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