JP6699415B2 - H形鋼の製造方法 - Google Patents
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フランジ幅拡がり率=a×Δθ+b ・・・(2)
但し、a、bは所定の定数であり、Δθは前記折り曲げ造形工程での前記分割部位の折り曲げ角度である。
予測された折り曲げ造形後の被圧延材のフランジ幅−孔型フランジ幅=c×θ−d ・・・(3)
但し、c、dは所定の定数であり、θは第4孔型に形成される突起部の先端角度である。
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面30a、30b及び孔型底面31a、31bと、突起部35、36の傾斜面とのなす角度θfは、図3に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
一方で、その他のパスにおいては、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)において上記突起部35、36を除き孔型と被圧延材Aは接触しておらず、これらのパスにおいて被圧延材Aの積極的な圧下は行われない。これは、圧下により被圧延材Aの長手方向への伸びを生じさせ、フランジ相当部(後述するフランジ部80に相当)の生成効率を低下させてしまうからである。
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面40a、40b及び孔型底面41a、41bと、突起部45、46の傾斜面とのなす角度θfは、図4に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
一方で、その他のパスにおいては、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)において上記突起部45、46を除き孔型と被圧延材Aは接触しておらず、これらのパスにおいて被圧延材Aの積極的な圧下は行われない。これは、圧下により被圧延材Aの長手方向への伸びを生じさせ、フランジ相当部(後述するフランジ部80に相当)の生成効率を低下させてしまうからである。
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面50a、50b及び孔型底面51a、51bと、突起部55、56の傾斜面とのなす角度θfは、上記第3孔型K3と同様に、図5に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
なお、上記説明した第3孔型K3及び第4孔型K4は、折り曲げ造形によってフランジ部80の造形を行うことから、「折り曲げ孔型」とも呼称される。
一方で、その他のパスにおいては、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)において上記突起部55、56を除き孔型と被圧延材Aは接触しておらず、これらのパスにおいて被圧延材Aの積極的な圧下は行われない。これは、圧下により被圧延材Aの長手方向への伸びを生じさせ、フランジ部80の生成効率を低下させてしまうからである。
本発明者らは、このような第3孔型K3及び第4孔型K4で行われるいわゆる折り曲げ造形について鋭意検討を行った結果、これら折り曲げ造形においては、被圧延材Aのフランジ相当部の変形は曲げ変形が支配的になり、ロール(孔型)と接触するフランジ外面部には引張力が働き、且つ、フランジ内面部には圧縮力が働くことが知見された。このような引張力、圧縮力により、折り曲げ造形での折り曲げ角度に応じて、フランジ相当部の幅長さ(以下、単にフランジ幅とも記載する)が拡がるとの知見が得られた。
即ち、本実施の形態に係る第3孔型K3及び第4孔型K4での圧延造形では、フランジ幅の拡がりを考慮しつつ、且つ、通材性やフランジ寸法精度を確保するといった観点から、被圧延材Aの上下端部を孔型内部に接触させ、且つ、フランジ幅ができるだけ最大になるような孔型設計を実現させることが求められる。
図6に示すように、フランジ相当部(後のフランジ部80)の幅長さ、即ち、フランジ幅は、上記割り込み38の割り込み線長Lの長さに基いて定まる。割り込み線長Lは、割り込み38の両側の側壁における直線部の長さL1及びL3と、割り込み38の深さ端部の曲率を有する部位の曲線長さL2の合計である。即ち、L=L1+L2+L3である。
また、上記フランジ幅拡がり率とは、第2孔型K2(割り込み孔型)での圧延造形仕上がり後のフランジ幅(割り込み線長)と、折り曲げ造形後のフランジ幅(割り込み線長)との比であり、以下の式(1)で示す値である。
フランジ幅拡がり率=折り曲げ孔型仕上がり幅/割り込み孔型仕上がり幅 ・・・(1)
フランジ幅拡がり率=a×Δθ+b ・・・(2)
一方、折り曲げ孔型のウェッジ角度が所定の角度である場合に、予測された折り曲げ造形後のフランジ幅の値と、実際に設計される折り曲げ孔型の孔型幅設定値との差が所定値以下であると、圧延不安定(グラフ中の×)となってしまう。
圧延不安定になる要因としては、折り曲げ孔型のウェッジ角度が大きい程、被圧延材Aに対するセンターリング作用が低下するからである。圧延不安定の具体例としては、被圧延材誘導性が低下し、座屈等の圧延不良が生じてしまう。
例えば、図9からは、折り曲げ孔型のウェッジ角度が90°以下であると、被圧延材Aのセンターリング性が十分であるために、折り曲げ孔型においてフランジ相当部の先端(スラブ端面)と孔型内部(孔型ロール)を接触させて被圧延材Aの拘束を行うことなく圧延安定が実現されることが分かる。
以上のことから、以下の式(3)を満たす条件で折り曲げ孔型の孔型幅の設計を行うことが、フランジ幅の値をできるだけ大きな値とし、且つ、圧延安定性を確保するといった観点から望ましい。
予測された折り曲げ造形後の被圧延材のフランジ幅−孔型フランジ幅=c×θ−d ・・・(3)
ここで、cは図9に示すグラフの傾き、dは図9に示すグラフの切片であり、所定の定数である。また、θは、孔型幅の設計対象である折り曲げ孔型のウェッジ角度である。
なお、折り曲げ造形を行う孔型を多段とした場合に関し、上記実施の形態で図8を参照して説明したように、折り曲げ造形の段階数によるフランジ幅への影響は極めて小さいものであるため、本発明技術は、折り曲げ造形を行う孔型の段階数に依らず適用可能である。
2…加熱炉
3…サイジングミル
4…粗圧延機
5…中間ユニバーサル圧延機
8…仕上ユニバーサル圧延機
9…エッジャー圧延機
11…スラブ
12…フランジ対応部
13…H形粗形材
14…中間材
16…H形鋼製品
20…上孔型ロール(第1孔型)
21…下孔型ロール(第1孔型)
25、26…突起部(第1孔型)
28、29…割り込み(第1孔型)
30…上孔型ロール(第2孔型)
31…下孔型ロール(第2孔型)
35、36…突起部(第2孔型)
38、39…割り込み(第2孔型)
40…上孔型ロール(第3孔型)
41…下孔型ロール(第3孔型)
45、46…突起部(第3孔型)
48、49…割り込み(第3孔型)
50…上孔型ロール(第4孔型)
51…下孔型ロール(第4孔型)
55、56…突起部(第4孔型)
58、59…割り込み(第4孔型)
80…フランジ部
K1…第1孔型
K2…第2孔型
K3…第3孔型
K4…第4孔型
T…製造ライン
A…被圧延材
Claims (3)
- 粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を備えたH形鋼の製造方法であって、
矩形断面素材に対し前記粗圧延工程を行う圧延機には、被圧延材を造形する4以上の複数の孔型が刻設され、
当該複数の孔型では被圧延材の1又は複数パス造形が行われ、
前記複数の孔型のうち第1孔型及び第2孔型には、被圧延材の幅方向に対し鉛直に割り込みを入れる突起部が形成され、
前記複数の孔型のうち第2孔型以降では少なくとも1パス以上の造形において被圧延材の端面と孔型周面とが接触した状態で圧下が行われ、
前記複数の孔型のうち第3孔型以降では前記割り込みによって成形された分割部位を順次折り曲げる、折り曲げ造形工程が行われ、
前記矩形断面素材の厚みが290mm以上310mm以下である場合に、前記第2孔型での造形後の前記割り込みの線長である被圧延材フランジ幅と、前記折り曲げ造形工程の最終形状における前記割り込みの線長に相当する被圧延材フランジ幅との比であるフランジ幅拡がり率は、以下の式(2)で定められ、
前記折り曲げ造形工程を行う孔型は当該式(2)に基づき設計されることを特徴とする、H形鋼の製造方法。
フランジ幅拡がり率=a×Δθ+b ・・・(2)
但し、a、bは所定の定数であり、Δθは前記折り曲げ造形工程での前記分割部位の折り曲げ角度である。 - 前記複数の孔型は、被圧延材を造形する第1孔型〜第4孔型の4つの孔型であり、
前記複数の孔型のうち、第3孔型及び第4孔型には、前記分割部位に押し当てることで当該分割部位を折り曲げる突起部が形成され、
前記第1孔型及び第2孔型に形成される突起部の先端角度は25°以上40°以下であり、
前記第3孔型及び/又は前記第4孔型における折り曲げ造形工程での折り曲げ角度Δθが30°以上150°以下の範囲内において、前記式(2)に基づき前記フランジ幅拡がり率は定められることを特徴とする、請求項1に記載のH形鋼の製造方法。 - 前記式(2)によって定められるフランジ幅拡がり率に基づき、前記折り曲げ造形工程後の前記割り込みの線長に相当する被圧延材のフランジ幅の値を予測し、
当該予測された被圧延材のフランジ幅と、折り曲げ造形工程を行う第4孔型との関係が以下の式(3)を満たすように前記第4孔型の前記割り込みの線長に対応する孔型フランジ幅を設計することを特徴とする、請求項2に記載のH形鋼の製造方法。
予測された折り曲げ造形後の被圧延材のフランジ幅−孔型フランジ幅=c×θ−d ・・・(3)
但し、c、dは所定の定数であり、θは第4孔型に形成される突起部の先端角度である。
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