JPWO2018139573A1 - 電解コンデンサ用電解液、電解コンデンサ、及び電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ用電解液、電解コンデンサ、及び電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

更なる耐電圧効果を有する電解液、その電解液を用いた電解コンデンサ、及びその電解コンデンサの製造方法を提供する。電解液は、溶媒、溶質、シリカ、及び特定の一般式で表されるシリル化剤又はシランカップリング剤を混合して成り、陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して対向させたコンデンサ素子に当該電解液を含浸させることで、電解コンデンサが作製される。

Description

本発明は、電解コンデンサ用電解液、電解コンデンサ、及び電解コンデンサの製造方法に関する。
電解コンデンサは、タンタルあるいはアルミニウム等のような弁作用金属を陽極箔及び陰極箔として備えている。陽極箔は、弁作用金属を焼結体あるいはエッチング箔等の形状にすることで拡面化され、拡面化された表面に誘電体酸化皮膜層を有する。陽極箔と陰極箔の間には電解液が介在する。電解液は、陽極箔の凹凸面に密接し、真の陰極として機能する。
電解液は、陽極箔の誘電体酸化皮膜層と陰極箔との間に介在し、陽極箔と陰極箔との間の電子の授受を行う。そのため、電解液の電気伝導率及び温度特性等は、インピーダンス、誘電損失(tanδ)及び等価直列抵抗(ESR)等の電解コンデンサの電気的特性に大きな影響を及ぼす。また、電解液は、陽極箔に形成された誘電体酸化皮膜の劣化や損傷等の劣化部を修復する化成性を有し、電解コンデンサの漏れ電流(LC)や寿命特性への影響を及ぼす。
従って、電解コンデンサには少なくとも高電気伝導率の電解液が適当であるが、電解液の導電性を高めると火花電圧が低下する傾向があり、電解コンデンサの耐電圧特性が損なわれる虞がある。安全性の観点から、電解コンデンサに定格電圧を超える異常電圧が印加されるような過酷な条件下であっても、ショートや発火を起こさぬよう高い耐電圧を有することが望ましい。
そこで、高電気伝導率を維持しつつ耐圧向上を図るべく、シリル化剤又はシランカップリング剤で表面が修飾されたシリカを電解液に含有させる案が提示されている(特許文献1参照)。シリカの表面がシリル化剤又はシランカップリング剤で修飾されているために、シリカのゲル化や沈殿が抑制され、シリカが安定的なコロイド状を維持する。このコロイド状粒子が陽極箔の誘電体酸化皮膜の表面に絶縁層として存在するため、耐電圧向上効果が長時間持続するものである。
特開平10−241999号公報
しかしながら、シリル化剤又はシランカップリング剤で表面が修飾されたシリカを添加した電解液は、電解液のゲル化や、シリカの沈殿や凝集が抑制されるものの、表面修飾されていないシリカを添加した電解液と比較し、初期耐圧の向上効果が小さいことが本発明者らの研究により判明した。これはシリカ表面の水酸基が修飾され、親水性である誘電体酸化皮膜との親和性が低下したことにより、初期の耐圧向上効果が小さくなったと推察される。シリル化剤又はシランカップリング剤で表面が修飾されたシリカと誘電体酸化皮膜層との親和性を高めることで、更なる耐電圧の向上効果が期待できる。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、更なる耐電圧効果を有する電解液、その電解液を用いた電解コンデンサ、及びその電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、電解コンデンサ内でシリカをシリル化剤又はシランカップリング剤で表面修飾反応を行うことにより、表面修飾済みのシリカを添加した電解液をコンデンサ素子に含浸させる場合よりも高い初期耐圧を有する電解コンデンサが得られることを見い出した。
本発明者らは、本発明は次の推測メカニズムに限定されるものではないが、この理由を次のように推測する。まず、電極箔の表面にシリカが吸着し、抵抗分となることで電解コンデンサの耐圧が向上するものである。
ここで、誘電体酸化皮膜が親水性であるために、シリカ表面に存在する水酸基と電極箔表面の誘電体酸化皮膜は、親和性が高いと考えられる。そのため、シリカとシリル化剤又はシランカップリング剤を添加した電解液を用いて電解コンデンサを作製すると、初期においては、水酸基が多く残っているシリカと誘電体酸化皮膜との物理吸着が先に生じ、次に、誘電体酸化皮膜に吸着したシリカがシリル化剤又はシランカップリング剤によって表面修飾される現象が、電解コンデンサ内で多く生じるものと考えられる。
従って、電解コンデンサ内でシリカをシリル化剤又はシランカップリング剤で表面修飾すると、電極箔表面にシリカが吸着することにより初期耐圧が向上するものと考えられる。
また、放置後においては、シリル化剤又はシランカップリング剤によるシリカの表面修飾反応が進行するとともに、誘電体酸化皮膜とシリル化剤又はシランカップリング剤との結合も起こると考えられる。シリカに結合したシリル化剤又はシランカップリング剤と誘電体酸化皮膜に結合したシリル化剤又はシランカップリング剤によって、誘電体酸化皮膜とシリカの親和性が高まり、誘電体酸化皮膜にシリカが近づき易くなる。
従って、電解コンデンサ内でシリカをシリル化剤又はシランカップリング剤で表面修飾すると、シリル化剤又はシランカップリング剤と結合した電極箔表面とシリル化剤又はシランカップリング剤と結合したシリカとの親和性向上と、シリカの凝集による電解液のゲル化の抑制とが相まって、放置後の耐圧を高いまま維持できるものと考えられる。
本発明は、この知見に基づきなされたものであり、本発明の電解液は、電解コンデンサ用であり、溶媒、溶質、シリカ及び下記一般式(化1)で表されるシリル化剤又はシランカップリング剤とを含むこと、を特徴とする。この電解液をコンデンサ素子に含浸させた後、電解液に含有のシリカを当該電解液に含有のシリル化剤又はシランカップリング剤で表面修飾させることで、初期耐圧及び放置後耐圧が向上した電解コンデンサが得られるものである。
Figure 2018139573
[式中、Xは、炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基であり、その水素の一部がカルボキシル基、エステル基、アミド基、シアノ基、ケトン基、ホルミル基、エーテル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、スルフィド基、スルホキシド基、スルホン基、イソシアネート基、ウレイド基で置換されていてもよい炭化水素基(−R)である。X〜Xはアセトキシ基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はアルキル基であって、X〜Xの少なくとも2個以上はアルコキシ基である。]
前記一般式(化1)で表されるシリル化剤又はシランカップリング剤は、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの群から選ばれる1種以上であるようにしてもよい。
前記シリカに対する前記シリル化剤又はシランカップリング剤の添加量は、重量比で1:0.01以上〜3.33以下であるようにしてもよい。この範囲であると、シリカの凝集による電解液のゲル化が起こらず、シリカによる耐電圧向上効果が顕著になる。
また、本発明者らは、鋭意研究の結果、シリカに対する前記シリル化剤又はシランカップリング剤の添加量は、重量比で1:0.03以上とすると、経時的な耐電圧の低下が抑制された電解コンデンサが得られることを見い出した。
本発明者らは、本発明は次の推測メカニズムに限定されるものではないが、この理由を次のように推測する。即ち、時間が経過した後においては、シリル化剤又はシランカップリング剤によるシリカの表面修飾反応が進行するとともに、シリカの表面修飾に関与しなかったシリル化剤又はシランカップリング剤が誘電体酸化皮膜と結合する現象も起こると考えられる。シリカに結合したシリル化剤又はシランカップリング剤と誘電体酸化皮膜に結合したシリル化剤又はシランカップリング剤によって、誘電体酸化皮膜とシリカの親和性が高まり、誘電体酸化皮膜にシリカが近づき易くなる。
従って、電解コンデンサ内でシリカをシリル化剤又はシランカップリング剤で表面修飾すると、シリル化剤又はシランカップリング剤と結合した電極箔表面とシリル化剤又はシランカップリング剤と結合したシリカの親和性向上と、シリカの凝集による電解液のゲル化の抑制とが相まって、経時的な耐電圧の低下が抑制されるものと考えられる。
そこで、前記シリカに対する前記シリル化剤又はシランカップリング剤の添加量は、重量比で1:0.03以上であるようにしてもよい。これにより、高い初期耐圧の経時的な低下が抑制される。
また、前記シリカの添加量は、当該電解コンデンサ用電解液全体に対して2wt%以上35wt%以下であるようにしてもよい。これにより、高い初期耐圧の経時的な低下が抑制されるとともに、シリカによる耐電圧向上効果が顕著になる。
この電解コンデンサ用の電解液を備える電解コンデンサも本発明の一態様である。この電解コンデンサは、一対の電極箔を備え、前記シリル化剤又は前記シランカップリング剤は、シリカ及び/又は前記電極箔の表面に結合し、前記電極箔の表面に前記シリカが存在していることが望ましい。また、前記シリル化剤又は前記シランカップリング剤で表面修飾された前記シリカが水酸基で前記電極箔の表面に吸着していることが望ましい。さらに、この電解コンデンサは、前記シリル化剤又は前記シランカップリング剤は、シリカ及び前記電極箔の表面に結合し、前記シリル化剤又は前記シランカップリング剤を介して、前記電極箔の表面に前記シリカが近接していることが望ましい。ここで、シリカが電極箔に近接しているとは、シリカが電極箔表面に接していてもよく、シリカが電極箔に接しておらず電極箔表面の近傍に存在していてもよい。
また、本発明の電解コンデンサの製造方法は、誘電体酸化皮膜が形成された陽極箔と陰極箔をセパレータを介して対向させてコンデンサ素子を形成し、前記コンデンサ素子に、少なくとも溶媒、溶質、シリカ及び上記一般式(化1)で表されるシリル化剤又はシランカップリング剤を含浸させること、を特徴とする。
この電解コンデンサの製造方法では、前記コンデンサ素子への前記電解液の含浸工程以降に、前記電解液中の前記シリカを前記電解液中の前記シリル化剤又は前記シランカップリング剤で表面修飾するのがよい。例えば、前記コンデンサ素子への前記電解液の含浸工程以降に、熱処理するようにしてもよい。
本発明によれば、電解液のシリカと陽極箔の誘電体酸化皮膜との親和性が高まり、高電導性を維持しつつ、更に高い耐圧向上効果を生じる。
本発明の実施形態に係る電解液及び電解コンデンサについて説明する。電解コンデンサは、静電容量により電荷の蓄電及び放電を行う受動素子である。電解コンデンサは、陽極箔と陰極箔をセパレータを介して対向させたコンデンサ素子を有し、コンデンサ素子には電解液が含浸されている。陽極箔と陰極箔は表面に多孔質構造を有し、少なくとも陽極箔の多孔質構造部分には誘電体酸化皮膜層が形成されている。電解液は、陽極箔と陰極箔の間に介在し、陽極箔の誘電体酸化皮膜層に密接し、箔の電界を伝達する真の陰極となる。セパレータは、陽極箔と陰極箔のショートを防止し、また電解液を保持する。
陽極箔及び陰極箔は、弁作用金属を材料とする長尺の箔体である。弁作用金属は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、酸化ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス及びアンチモン等である。純度は、陽極箔に関して99.9%程度以上が望ましく、陰極に関して99%程度以上が望ましいが、ケイ素、鉄、銅、マグネシウム、亜鉛等の不純物が含まれていても良い。
陽極箔及び陰極箔は、弁作用金属の粉体を焼結した焼結体、又は延伸された箔にエッチング処理を施したエッチング箔であり、即ち、多孔質構造は、トンネル状のピット、海綿状のピット、又は密集した粉体間の空隙により成る。多孔質構造は、典型的には、塩酸等のハロゲンイオンが存在する酸性水溶液中で直流又は交流を印加する直流エッチング又は交流エッチングにより形成され、若しくは芯部に金属粒子等を蒸着又は焼結することにより形成される。尚、陰極箔は、陽極箔と比べて電解コンデンサの静電容量に対する表面積の影響が少ないため、多孔質構造による表面粗さは小さくともよい。
誘電体酸化皮膜層は、典型的には、陽極箔の表層に形成される酸化皮膜であり、陽極箔がアルミニウム製であれば多孔質構造領域を酸化させた酸化アルミニウム層である。また、陰極箔に誘電体酸化皮膜層を設けてもよい。この誘電体酸化皮膜層は、硼酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム等の酸あるいはこれらの酸の水溶液等のハロゲンイオン不在の溶液中で電圧印加する化成処理により形成される。
セパレータは、クラフト、マニラ麻、エスパルト、ヘンプ、レーヨン等のセルロースおよびこれらの混合紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、それらの誘導体などのポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ビニロン系樹脂、脂肪族ポリアミド,半芳香族ポリアミド,全芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、これらの樹脂を単独で又は混合して用いることができる。
電解液は、溶媒に対して溶質を溶解し、また添加剤が添加された混合液である。溶媒はプロトン性の有機極性溶媒又は非プロトン性の有機極性溶媒の何れでもよい。プロトン性の有機極性溶媒として、一価アルコール類、及び多価アルコール類、オキシアルコール化合物類などが代表として挙げられる。非プロトン性の有機極性溶媒としては、スルホン系、アミド系、ラクトン類、環状アミド系、ニトリル系、オキシド系などが代表として挙げられる。
一価アルコール類としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。多価アルコール類およびオキシアルコール化合物類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等が挙げられる。スルホン系としては、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等が挙げられる。アミド系としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N‐ジエチルホルムアミド、N‐メチルアセトアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N‐エチルアセトアミド、N,N‐ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等が挙げられる。ラクトン類、環状アミド系としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、N‐メチル‐2‐ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、イソブチレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等が挙げられる。ニトリル系としては、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル等が挙げられる。オキシド系としてはジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶媒として、これらが単独で用いられてもよく、また2種類以上を組み合わせても良い。
尚、エチレングリコールは吸湿性が高く、エチレングリコールが多量に存在すると電解液の水分率を高度に管理する必要がある。この点、溶媒中、エチレングリコールが35wt%未満であれば、電解液の水分率に対する管理が容易になり、例えばリフロー時に電解コンデンサが膨れる可能性も低くなるため、好ましい。
電解液に含まれる溶質としては、通常電解コンデンサ駆動用電解液に用いられる、有機酸、無機酸ならびに有機酸と無機酸との複合化合物の少なくとも1種の塩を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、アジピン酸、安息香酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、1,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸等のカルボン酸、フェノール類、スルホン酸が挙げられる。また、無機酸としては、ホウ酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、炭酸、ケイ酸等が挙げられる。有機酸と無機酸の複合化合物としては、ボロジサリチル酸、ボロジ蓚酸、ボロジグリコール酸等が挙げられる。
また、有機酸、無機酸、ならびに有機酸と無機酸の複合化合物の少なくとも1種の塩として、アンモニウム塩、四級アンモニウム塩、四級化アミジニウム塩、アミン塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。四級アンモニウム塩の四級アンモニウムイオンとしてはテトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。四級化アミジニウムとしては、エチルジメチルイミダゾリニウム、テトラメチルイミダゾリニウムなどが挙げられる。アミン塩のアミンとしては、一級アミン、二級アミン、三級アミンが挙げられる。一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンなど、二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、ジブチルアミンなど、三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、エチルジメチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等が挙げられる。
電解液には添加剤として、シリカ、及びシリル化剤又はシランカップリング剤を含有させる。シリル化剤又はシランカップリング剤は、下記一般式(化2)で表されるモノマーである。以下、シランカップリング剤とは、シリル化剤又はシランカップリング剤を指す。
Figure 2018139573
[式中、Xは、炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基であり、その水素の一部がカルボキシル基、エステル基、アミド基、シアノ基、ケトン基、ホルミル基、エーテル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、スルフィド基、スルホキシド基、スルホン基、イソシアネート基、ウレイド基で置換されていてもよい炭化水素基(−R)である。X〜Xはアセトキシ基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はアルキル基であって、X〜Xの少なくとも2個以上はアルコキシ基である。]
1の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、デシル基、オクタデシル基などのアルキル基類;ビニル基、アリル基などのアルケニル基類;フェニル基、ナフチル基、スチリル基などのアリール基類;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基類などの炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ビニルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのオキシ炭化水素基あるいは水酸基を挙げることができる。さらに、置換基を有する場合の例として、3−メタクリロキシプロピル基、3−アクリロキシプロピル基などのアクリル基類;3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基などのエポキシ基類;3−アミノプロピル基、N−フェニル−3−アミノプロピル基、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピル基などのアミノ基類;3−メルカプトプロピル基などのメルカプト基類;3−イソシアネートプロピル基などのイソシアネート基類;3−ウレイドプロピル基などのウレイド基などを挙げることができる。X〜Xの具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基類;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、デシル基、オクタデシル基などのアルキル基類;アセトキシ基を挙げることができ、X〜X4の少なくとも2個以上はアルコキシ基である。
これらの組み合わせの中でもメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシランなどが好ましい。
また、電解液には添加剤として、シリカ、シリル化剤又はシランカップリング剤以外のものをさらに添加してもよい。例えば、ポリアルキレンポリオール、ホウ酸、ホウ酸と多糖類(マンニット、ソルビットなど)との錯化合物、ホウ酸と多価アルコール(エチレングリコール、マンニトール、ソルビトール)との錯化合物、ホウ酸エステルなどのホウ酸化合物、ニトロ化合物(o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、m−ニトロアセトフェノンなど)、リン酸、リン酸エステルなどのリン化合物が挙げられる。
このような電解液は次のようにして調製される。ここではシランカップリング剤を用いた場合について説明するが、シリル化剤を用いた場合も同様の方法で電解液を調製することができる。
即ち、少なくとも溶媒、溶質、シリカ及びシランカップリング剤を混合し、電解液を作製する。電解液にシリカ及びシランカップリング剤を添加する順序は特に限定されず、シリカを添加した後にシランカップリング剤を添加してもよく、シランカップリング剤を添加した後にシリカを添加してもよく、さらにシリカとシランカップリング剤とを同時に添加してもよい。この時点でシランカップリング剤の加水分解反応が開始される。必要であれば、副生成物の除去を行っても構わない。
更に、この電解液をコンデンサ素子に含浸させ、電解液を含浸させたコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに挿入し、外装ケースを加締めにより封口ゴムで封止する。若しくは、溶媒、溶質、シリカ及びシランカップリング剤を別々にコンデンサ素子に含浸させてもよい。例えば、溶質を溶媒に混合した溶液を最初にコンデンサ素子に含浸させ、その後、シリカを溶媒に混合した溶液をコンデンサ素子に含浸させ、最後にシランカップリング剤を溶媒に混合した溶液をコンデンサ素子に含浸さてもよい。また例えば、溶質を溶媒に混合した溶液を最初にコンデンサ素子に含浸させ、その後、シランカップリング剤を溶媒に混合した溶液をコンデンサ素子に含浸させ、最後にシリカを溶媒に混合した溶液をコンデンサ素子に含浸させてもよい。
そして、この封止後の電解コンデンサに対して熱処理を施す。熱処理の方法は特に限定されず、エージング処理や、高温下での放置などが挙げられる。エージング処理の際には電解コンデンサ中で熱が生じたり、また、電解コンデンサに加熱を施したりする。この熱処理中に、シランカップリング剤によるシリカの表面修飾反応が生じる。シリカの表面修飾反応は、完了させる必要は無く、電解コンデンサ使用時に反応し続けていてもよい。
熱処理の前は、シリカ表面に水酸基が多く存在している。また、陽極箔の誘電体酸化皮膜は親水性である。そのため、熱処理の前には、陽極箔の誘電体酸化皮膜にシリカが物理的に吸着する現象が多く起こり、このシリカが抵抗分となり、電解コンデンサの初期耐圧を向上させる。
また、熱処理の後は、加熱されることで、陽極箔の誘電体酸化皮膜とシリカの各々に、シリル化剤又はシランカップリング剤が結合する。そのため、互いのシリル化剤又はシランカップリング剤を介して陽極箔の誘電体酸化皮膜とシリカとの親和性が高くなっており、陽極箔の誘電体酸化皮膜とシリカとが離れてしまっても、誘電体酸化皮膜にシリカが近接し易くなっている。従って、シリカがシリル化剤又はシランカップリング剤で表面修飾されても、誘電体酸化皮膜に吸着するシリカが多く存在し、このシリカが抵抗分となって、電解コンデンサの経時的な耐圧低下を抑制する。
ここで、シリカに対するシリル化剤又はシランカップリング剤の添加量は、1:0.01以上〜3.33以下が望ましい。この範囲であると、シリカが電解液内のシリル化剤又はシランカップリング剤で表面修飾されて、シリカの凝集による電解液のゲル化が抑制され、分散安定性が向上する。また、この範囲であると、陽極箔の誘電体酸化皮膜もシリカもシリル化剤又はシランカップリング剤と結合し、シリル化剤又はシランカップリング剤を介して誘電体酸化皮膜とシリカとの親和性が高まり、誘電体酸化皮膜にシリカが近づき易くなる。これらによって、電解コンデンサの耐電圧特性が向上する。
また、耐電圧特性の観点で更に好ましくは、シリカに対するシリル化剤又はシランカップリング剤の添加量は1:0.03以上である。シリカの表面修飾反応に関与しなかったシリル化剤又はシランカップリング剤が電解液中に存在し、陽極箔の誘電体酸化皮膜と結合し易くなるため、シランカップリング剤で表面修飾されたシリカのみが添加された電解液に比べて、経時的な耐電圧の低下が抑制される。
また、電解コンデンサの諸特性を加味すると好ましくは、シリカに対するシリル化剤又はシランカップリング剤の添加量は1:1.67以下である。この範囲であれば、良好な耐電圧特性を備えつつ、電解コンデンサの初期の等価直列抵抗(ESR)が良好な範囲に収まり、電解コンデンサの無負荷放置後の誘電正接(tanδ)及び漏れ電流(LC)の上昇も少ない。シリル化剤又はシランカップリング剤が過剰となると、イオン伝導を阻害する物質が多くなるため、ESRが悪化するものと考えられる。また、tanδ及びLCについては、この範囲であれば、表面修飾に関与していないシランカップリング剤とシリカとが電極箔に反応し、熱による誘電体酸化皮膜の劣化を抑制しているものと考えられる。一方、シリカに対するシリル化剤又はシランカップリング剤の添加量が1:1.67を超えると、表面修飾に関与していないシランカップリング剤とシリカとが電極箔に過剰に堆積して抵抗分となることで、tanδやLCの特性を劣化させるものと考えられる。
また、電解コンデンサの諸特性を加味すると更に好ましくは、シリカに対するシリル化剤又はシランカップリング剤の添加量は1:0.84以下である。この範囲であれば、良好な耐電圧特性を備えつつ、電解液にシリカ、シリル化剤及びシランカップリング剤を未添加とする場合、表面修飾されていないシリカのみを電解液へ添加してシリル化剤及びシランカップリング剤を未添加とする場合、及び表面修飾されたシリカのみを電解液へ添加する場合と比べて、放置後の静電容量変化率(ΔCap)が小さく、放置後の誘電正接変化率(Δtanδ)も小さく、また漏れ電流(LC)も小さい。
シランカップリング剤としては、更に好ましくは、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの群から選ばれる1種以上である。
尚、シリカの電解液全量に対する添加量は、経時的な耐電圧の低下抑制効果に影響がない、若しくは影響が少ないので特に限定はされないが、2wt%以上35wt%以下であると、耐電圧が向上するため好ましい。2wt%を下回ると、耐電圧の低下抑制効果は奏するものの、耐電圧が相対的に低くなる。また、35wt%を上回ると、耐電圧の低下抑制効果、及び耐電圧の向上効果は見られるものの、等価直列抵抗(ESR)及び誘電正接(tanδ)が悪化する。
このような電解コンデンサは、例えば巻回型であり、コンデンサ素子は、リード線が接続された陽極箔及び陰極箔の間にセパレータを挟み込み、巻回して形成される。このコンデンサ素子に電解液を含浸させ、電解液を含浸させたコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに挿入する。外装ケースを加締めにより封口ゴムで封止する。そして、この電解コンデンサをエージング処理する。このエージング処理中に、シリカの表面修飾反応が起こると考えられ、表面修飾反応は電解コンデンサの作製時に完了しなくてもよく、作製した電解コンデンサの高温放置中にも反応が行われていてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の実施形態に係る電解コンデンサの実施例1として、定格電圧が50WV、定格容量が47μF、コンデンサ素子寸法が径6.3mm及び長さ8mmの巻回型の電解コンデンサを作製した。
まず、アルミニウム箔をエッチング処理により拡面化し、次いで化成処理により誘電体酸化皮膜層が形成されたアルミニウム製の陽極箔を作製した。また、アルミニウム箔をエッチング処理により拡面化し、アルミニウム製の陰極箔を作製した。作製した陽極箔および陰極箔に電極引き出し手段を接続し、セルロース系セパレータを介在させて巻回することで、コンデンサ素子を作製した。
また、電解液は、溶質としてフタル酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム(以下、TMIPという)を用い、γ‐ブチロラクトンとスルホランを溶媒とし、シリカとシランカップリング剤とニトロ化合物を添加剤として調製した。γ‐ブチロラクトンとスルホランの割合は重量比で8:2とした。シランカップリング剤は3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越シリコーン製 KBM−402)とした。ニトロ化合物は、p−ニトロフェノールを用いた。
電解液中、TMIPは20wt%、シリカは6wt%、p−ニトロフェノールは1wt%、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランは1wt%とした。シリカに対する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.17となる。
まず、γ‐ブチロラクトンとスルホランの混合液に対してTMIPとシリカとp−ニトロフェノールを混合し、この混合液に3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを添加した。この電解液をコンデンサ素子に含浸させた後、有底筒状の外装ケースに収納し、封口ゴムで封止した。
尚、この電解コンデンサに対してエージング処理を行わずに、ゲル化の評価試験、耐圧特性の評価試験、初期の諸特性の評価試験、無負荷放置後の諸特性の評価試験の各評価試験を行った。以下の他の実施例及び比較例も同様にエージング処理は行わずに、各評価試験を行った。
(実施例2)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例2の電解コンデンサを作製した。但し、電解液に添加する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランは、電解液の全量に対して3wt%とした。シリカに対する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.5となる。
(実施例3)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例3の電解コンデンサを作製した。但し、電解液に添加する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランは、電解液の全量に対して5wt%とした。シリカに対する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.83となる。
(実施例4)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例4の電解コンデンサを作製した。但し、電解液に添加する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランは、電解液の全量に対して10wt%とした。シリカに対する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で1.67となる。
(実施例5)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例5の電解コンデンサを作製した。但し、電解液に添加する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランは、電解液の全量に対して20wt%とした。シリカに対する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で3.33となる。
(実施例6)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例6の電解コンデンサを作製した。但し、電解液には、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン製 KBE−503)を添加した。3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランは、電解液の全量に対して1wt%とした。シリカに対する3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.17となる。
(実施例7)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例7の電解コンデンサを作製した。但し、電解液には、シランカップリング剤としてN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(信越シリコーン製 KBM−602)を添加した。N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランは、電解液の全量に対して1wt%とした。シリカに対するN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.17となる。
(実施例8)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例8の電解コンデンサを作製した。但し、電解液に添加する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランは、電解液の全量に対して0.06wt%とした。シリカに対する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.01となる。
(実施例9)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例9の電解コンデンサを作製した。但し、電解液に添加する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランは、電解液の全量に対して0.5wt%とした。シリカに対する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.083となる。
(実施例10)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例10の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤として、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越シリコーン製 KBM−303)を用い、電解液の全量に対して1wt%添加した。シリカに対する2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.17となる。
(実施例11)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例11の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤として、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを用い、電解液の全量に対して3wt%添加した。シリカに対する2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.5となる。
(実施例12)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例12の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤として、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを用い、電解液の全量に対して5wt%添加した。シリカに対する2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.83となる。
(実施例13)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例13の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤として、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを用い、電解液の全量に対して10wt%添加した。シリカに対する2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で1.67となる。
(実施例14)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例14の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤として、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを用い、電解液の全量に対して20wt%とした。シリカに対する2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で3.33となる。
(実施例15)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例15の電解コンデンサを作製した。但し、電解液に添加する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランは、電解液の全量に対して0.1wt%とした。シリカに対する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.017となる。
(実施例16)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例16の電解コンデンサを作製した。但し、電解液に添加する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランは、電解液の全量に対して0.2wt%とした。シリカに対する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.033となる。
(実施例17)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例17の電解コンデンサを作製した。但し、電解液に添加する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランは、電解液の全量に対して0.3wt%とした。シリカに対する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.05となる。
(実施例18)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例18の電解コンデンサを作製した。但し、電解液に添加する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランは、電解液の全量に対して0.4wt%とした。シリカに対する3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.067となる。
(実施例19)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例19の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤として、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランを用い、電解液の全量に対して0.06wt%添加した。シリカに対する3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.01となる。
(実施例20)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例20の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤として、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランを用い、電解液の全量に対して0.1wt%添加した。シリカに対する3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.017となる。
(実施例21)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例21の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤として、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランを用い、電解液の全量に対して0.3wt%添加した。シリカに対する3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.05となる。
(実施例22)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例22の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤として、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランを用い、電解液の全量に対して0.5wt%添加した。シリカに対する3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.083となる。
(実施例23)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例23の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤として、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランを用い、電解液の全量に対して2wt%添加した。シリカに対する3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.33となる。
(実施例24)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例24の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤として、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランを用い、電解液の全量に対して3wt%添加した。シリカに対する3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.5となる。
(実施例25)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例25の電解コンデンサを作製した。但し、電解液には、シランカップリング剤として、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを用い、溶質としてフタル酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム(以下、EDMIPという)を用いた。2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランは電解液の全量に対して3wt%、また、EDMIPは電解液の全量に対して20wt%添加した。シリカに対する3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.5となる。
(実施例26)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例26の電解コンデンサを作製した。但し、予めシリカと3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランとを混合したものを、γ‐ブチロラクトンとスルホランの混合溶媒に、TMIPおよびニトロ化合物と共に添加し、電解液を調製した。
(実施例27)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例27の電解コンデンサを作製した。但し、電解液には、シランカップリング剤として、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを用い、溶質としてフタル酸トリエチルアミン(以下、PhA/TEAという)を用いた。2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランは電解液の全量に対して3wt%、また、PhA/TEAは電解液の全量に対して20wt%添加した。シリカに対する3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.5となる。
(実施例28)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例28の電解コンデンサを作製した。但し、電解液には、シランカップリング剤としてビニルトリメトキシシラン(信越シリコーン製 KBM−1003)を添加した。ビニルトリメトキシシランは、電解液の全量に対して1wt%とした。シリカに対するビニルトリメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.17となる。
(実施例29)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例29の電解コンデンサを作製した。但し、電解液には、シランカップリング剤としてp−スチリルトリメトキシシラン(信越シリコーン製 KBM−1403)を添加した。p−スチリルトリメトキシシランは、電解液の全量に対して1wt%とした。シリカに対するp−スチリルトリメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.17となる。
(実施例30)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例30の電解コンデンサを作製した。但し、電解液には、シランカップリング剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン製 KBM−5103)を添加した。3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランは、電解液の全量に対して1wt%とした。シリカに対する3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.17となる。
(実施例31)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例31の電解コンデンサを作製した。但し、電解液には、シランカップリング剤として3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン製 KBE−9007)を添加した。3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランは、電解液の全量に対して1wt%とした。シリカに対する3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.17となる。
(実施例32)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例32の電解コンデンサを作製した。但し、電解液中、シリカは1wt%とした。また、シランカップリング剤として、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを用いた。2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランは、電解液の全量に対して0.33wt%添加した。シリカに対する2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.33となる。
(実施例33)
実施例32の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例33の電解コンデンサを作製した。但し、電解液中、シリカは2wt%とした。また、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランは、電解液の全量に対して0.66wt%添加した。シリカに対する2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランの添加量は、実施例32と同じく、シリカを1として重量比で0.33となる。
(実施例34)
実施例32の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例34の電解コンデンサを作製した。但し、電解液中、シリカは6wt%とした。また、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランは、電解液の全量に対して2wt%添加した。シリカに対する2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランの添加量は、実施例32と同じく、シリカを1として重量比で0.33となる。
(実施例35)
実施例32の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例35の電解コンデンサを作製した。但し、電解液中、シリカは9wt%とした。また、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランは、電解液の全量に対して3wt%添加した。シリカに対する2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランの添加量は、実施例32と同じく、シリカを1として重量比で0.33となる。
(実施例36)
実施例32の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例36の電解コンデンサを作製した。但し、電解液中、シリカは15wt%とした。また、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランは、電解液の全量に対して4wt%添加した。シリカに対する2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランの添加量は、実施例32と同じく、シリカを1として重量比で0.33となる。
(実施例37)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて実施例37の電解コンデンサを作製した。但し、電解液には、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越シリコーン製 KBE−402)を添加した。3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランは、電解液の全量に対して1wt%とした。シリカに対する3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの添加量は、シリカを1として重量比で0.17となる。
(比較例1)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて比較例1の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシリカもシランカップリング剤も添加しなかった。
(比較例2)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて比較例2の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤を添加しなかった。
(比較例3)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて比較例3の電解コンデンサを作製した。但し、予めシリカと3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランとを混合し、加熱(125℃、45分間)したものを、溶質およびニトロ化合物とともに、γ−ブチロラクトンとスルホランとの混合溶媒に添加し、電解液とした。
この加熱工程により、電解液中では、電解液をコンデンサ素子に含浸する前に、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランによるシリカの表面修飾が起こっているものと考えられる。また、この加熱工程によりシリカの表面修飾に関与しなかった3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランは揮発しているものと考えられる。即ち、比較例3の電解液には、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランで表面修飾されたシリカが存在し、シリカと結合していない3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランはほぼ存在せず、その状態で電解液がコンデンサ素子に含浸されているものと考えられる。
(比較例4)
実施例1の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて比較例4の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシリカを添加しなかった。
(比較例5)
実施例32の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて比較例5の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤を添加せず、シリカの添加量を電解液全量に対して2wt%とした。
(比較例6)
実施例32の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて比較例6の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤を添加せず、シリカの添加量を電解液全量に対して9wt%とした。
(比較例7)
実施例32の電解コンデンサと同一材料、同一方法及び同一条件にて比較例7の電解コンデンサを作製した。但し、電解液にはシランカップリング剤を添加せず、シリカの添加量を電解液全量に対して15wt%とした。
(ゲル化の評価)
実施例1及び8並びに比較例2の電解コンデンサの電解液を用い、各電解液がゲル化するまでの時間を計測した。各電解液をアンプル管に入れ、150℃で保持し、各測定時間においてゲル化しているか目視にて確認した。電解液を収容したアンプル管を傾けても内容物に流動性がない状態をゲル化とした。その結果を表1に示す。表1に記載の時間は、ゲル化したことを確認した時間を記載しており、ゲル化した時間ではない。また、表1中、シランカップリング剤Aは3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを示す。
Figure 2018139573
表1に示すように、シリカのみを添加した比較例2は48時間でゲル化を確認したのに対し、実施例1及び8はそれぞれ950時間、170時間とゲル化までにかかる時間が長くなっていることがわかる。実施例1及び8は、シリカの表面修飾反応が起こったことにより、シリカの凝集を抑制し、その結果、電解液のゲル化を抑制したと考えられる。
(耐圧特性の評価1)
次に、シリカの添加量が6wt%である各実施例及び比較例の電解コンデンサの耐圧特性を評価した(実施例32〜36及び比較例5〜7を除く)。評価のために、各実施例および比較例の初期耐圧と125℃、100時間無負荷放置後の耐圧を測定し、また耐圧変化率(Δ耐圧)を算出した。尚、耐圧変化率を検証するために、外装ケースの加締め後にエージング処理を行っていない電解コンデンサを用いた。その結果を表2及び表3に示す。ここで、シランカップリング剤Aは3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、Bは3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、CはN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、Dは2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、Eはビニルトリメトキシシラン、Fはp−スチリルトリメトキシシラン、Gは3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、Hは3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、Iは3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランである。
Figure 2018139573
Figure 2018139573
表2及び表3に示すように、各実施例の電解コンデンサは、シリカ及びシランカップリング剤を未添加とした比較例1及び比較例4に比べて初期及び放置後の耐圧が向上している。シリカが誘電体酸化皮膜に吸着することで、シリカが抵抗分となっているものと考えられ、この推測メカニズムに沿って初期及び放置後の耐圧が向上していることが確認された。
また、各実施例の電解コンデンサは、シリカのみを添加してシランカップリング剤を未添加とした比較例2に比べて耐圧変化率が小さくなっている。即ち、表1の結果と合わせると、シリカの凝集による電解液のゲル化が抑制され、これによって耐圧が向上し、また放置後耐圧の変化率も小さくなることが確認された。
各実施例とシリカが予め表面修飾された比較例3の初期耐圧を比較すると、実施例のほぼ全てにおいて初期耐圧が高くなっている。実施例のシリカは初期において表面修飾されておらず、水酸基の数が多いため、親水性である誘電体酸化皮膜への吸着性が高くなっているものと考えられ、この推測メカニズムに沿って初期耐圧が向上していることが確認されたものである。
更に、シリカに対してシリル化剤又はシランカップリング剤を、シリカを1として重量比で1:0.03以上添加した略全ての実施例の電解コンデンサは、予め表面修飾されたシリカを含む電解液をコンデンサ素子に含浸させた比較例3と比べて、放置後の耐圧も高く維持されている。シリカと誘電体酸化皮膜の両方にシリル化剤又はシランカップリング剤が結合し、このシリル化剤又はシランカップリング剤を介してシリカと誘電体酸化皮膜との親和性が高くなっているものと考えられ、この推測メカニズムに沿って、シリカに対してシリル化剤又はシランカップリング剤を、シリカを1として重量比で1:0.03以上添加すると、放置後の耐圧低下が抑制されることが確認されたものである。
尚、シランカップリング剤とシリカとを予め混合した実施例26は、実施例1と同等の耐圧特性であることがわかった。この結果より、シリカ及びシランカップリング剤の添加順序を変化させても、耐圧特性に影響は無いことがわかる。
(耐圧特性の評価2)
シリカの添加量を変化させた実施例32〜36及び比較例2及び5〜7の電解コンデンサの耐圧特性を評価した。評価のために、各実施例および比較例の初期耐圧と125℃、100時間無負荷放置後の耐圧を測定し、また耐圧変化率(Δ耐圧)を算出した。尚、耐圧変化率を検証するために、外装ケースの加締め後にエージング処理を行っていない電解コンデンサを用いた。その結果を表4に示す。
Figure 2018139573
表4に示すように、各実施例の電解コンデンサは、シリカとシランカップリング剤とが添加されていれば、シリカの添加量に関わらず放置後耐圧の変化率が小さくなっていることが確認された。また、実施例32を基準にして実施例33〜36に注目すると、シリカの電解液全量に対する添加量が2wt%以上であると、初期及び放置後の耐圧も向上することが確認された。
(初期特性の評価)
実施例1〜7及び10〜14、並びに比較例1、2及び4の電解コンデンサの初期特性を評価した。電解コンデンサの初期特性として、静電容量(Cap)、等価直列抵抗(ESR)及び誘電正接(tanδ)を測定した。その結果を表5に示す。シランカップリング剤Aは3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、Bは3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、CはN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、Dは2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである。
Figure 2018139573
表5に示すように、シランカップリング剤の種類を変化させても電解コンデンサの初期特性に大きな影響がなかった。もっとも、実施例1〜実施例5の結果が示すように、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量を増量していくと、等価直列抵抗(ESR)及び誘電正接(tanδ)が上昇した。特に、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量を電解液全量に対して20wt%とすると、等価直列抵抗(ESR)及び誘電正接(tanδ)が急上昇した。但し、実施例1〜4は、シリカもシランカップリング剤も電解液に添加しなかった比較例1及びシリカのみを電解液に添加した比較例2と同等の初期特性を有していた。
この表5が示す結果より、シリル化剤又はシランカップリング剤とシリカを電解液に添加することで耐圧向上効果が高まるが、電解コンデンサの初期特性を加味すると、シリル化剤又はシランカップリング剤の添加量は、電解液全量に対して10wt%以下、換言するとシリカを1として、重量比で1.67以下が望ましいことが確認された。また、更に望ましくは、シリル化剤又はシランカップリング剤の添加量が電解液全量に対して5wt%以下、換言するとシリカを1として、重量比で0.84以下であることが確認された。尚、等価直列抵抗等の上昇は、シリル化剤又はシランカップリング剤が有する有機修飾基に依存しないと考えられる。
(無負荷放置後の特性の評価)
実施例1〜5及び10〜14、並びに比較例1、2及び4の電解コンデンサの無負荷放置試験を行った。試験の評価のために、実施例1〜5及び比較例1及び2の初期と155℃、270時間無負荷放置後との間の静電容量変化率(ΔCap)、等価直列抵抗変化率(ΔESR)、誘電正接変化率(Δtanδ)を算出し、また無負荷放置試験後の漏れ電流(LC)を測定した。その結果を表6に示す。シランカップリング剤Aは3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、Bは3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、CはN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、Dは2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである。
Figure 2018139573
表6に示すように、実施例1〜実施例5の結果が示すように、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量を増量していくと、放置後の等価直列抵抗(ESR)及び誘電正接(tanδ)及び漏れ電流(LC)が上昇した。特に、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの添加量を電解液全量に対して20wt%とすると、誘電正接(tanδ)及び漏れ電流(LC)が急上昇した。但し、実施例1〜3は、シリカもシランカップリング剤も電解液に添加しなかった比較例1及びシリカのみを電解液に添加した比較例2と比べて、放置後の静電容量の低下(ΔCap)が小さく、放置後の誘電正接の増加(Δtanδ)も小さく、また漏れ電流(LC)も小さくなった。
この表6が示す結果より、シランカップリング剤とシリカを電解液に添加することで耐圧向上効果が高まるが、電解コンデンサの無負荷放置試験を加味すると、シリル化剤又はシランカップリング剤の添加量が電解液全量に対して10wt%以下であることが望ましく、更に望ましくは5wt%であることが確認された。電解液全量に対して5wt%以下のシリル化剤又はシランカップリング剤の添加量とは、換言するとシリカを1として重量比で0.84以下である。

Claims (13)

  1. 溶媒、溶質、シリカ及び下記一般式(化1)で表されるシリル化剤又はシランカップリング剤とを含むこと、
    を特徴とする電解コンデンサ用電解液。
    Figure 2018139573
    [式中、Xは、炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基であり、その水素の一部がカルボキシル基、エステル基、アミド基、シアノ基、ケトン基、ホルミル基、エーテル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、スルフィド基、スルホキシド基、スルホン基、イソシアネート基、ウレイド基で置換されていてもよい炭化水素基(−R)である。X〜Xはアセトキシ基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はアルキル基であって、X〜Xの少なくとも2個以上はアルコキシ基である。]
  2. 前記一般式(化1)で表されるシリル化剤又はシランカップリング剤は、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの群から選ばれる1種以上であること、
    を特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ用電解液。
  3. 前記シリカに対する前記シリル化剤又はシランカップリング剤の添加量は、重量比で1:0.01以上〜3.33以下であること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の電解コンデンサ用電解液。
  4. 前記シリカに対する前記シリル化剤又はシランカップリング剤の添加量は、
    重量比で1:0.03以上であること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の電解コンデンサ用電解液。
  5. 前記シリカの添加量は、当該電解コンデンサ用電解液全体に対して2wt%以上35wt%以下であること、
    を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電解コンデンサ用電解液。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の電解コンデンサ用電解液を備えること、
    を特徴とする電解コンデンサ。
  7. 一対の電極箔を備え、
    前記シリル化剤又は前記シランカップリング剤は、シリカ及び/又は前記電極箔の表面に結合し、
    前記電極箔の表面に前記シリカが存在していること、
    を特徴とする請求項6記載の電解コンデンサ。
  8. 前記シリル化剤又は前記シランカップリング剤で表面修飾された前記シリカが水酸基で前記電極箔の表面に吸着していること、
    を特徴とする請求項7記載の電解コンデンサ。
  9. 前記シリル化剤又は前記シランカップリング剤は、シリカ及び前記電極箔の表面に結合し、
    前記シリル化剤又は前記シランカップリング剤を介して、前記電極箔の表面に前記シリカが近接していること、
    を特徴とする請求項8記載の電解コンデンサ。
  10. 誘電体酸化皮膜が形成された陽極箔と陰極箔をセパレータを介して対向させてコンデンサ素子を形成し、
    前記コンデンサ素子に、少なくとも溶媒、溶質、シリカ及び下記一般式(化2)で表されるシリル化剤又はシランカップリング剤を含浸させること、
    を特徴とする電解コンデンサの製造方法。
    Figure 2018139573
    [式中、Xは、炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基であり、その水素の一部がカルボキシル基、エステル基、アミド基、シアノ基、ケトン基、ホルミル基、エーテル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、スルフィド基、スルホキシド基、スルホン基、イソシアネート基、ウレイド基で置換されていてもよい炭化水素基(−R)である。X〜Xはアセトキシ基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はアルキル基であって、X〜Xの少なくとも2個以上はアルコキシ基である。]
  11. 前記一般式(化2)で表されるシリル化剤又はシランカップリング剤は、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポシキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの群から選ばれる1種以上であること、
    を特徴とする請求項10記載の電解コンデンサの製造方法。
  12. 前記コンデンサ素子への前記電解液の含浸工程以降に、前記電解液中の前記シリカを前記電解液中の前記シリル化剤又は前記シランカップリング剤で表面修飾すること、
    を特徴とする請求項10又は11記載の電解コンデンサの製造方法。
  13. 前記コンデンサ素子への前記電解液の含浸工程以降に、熱処理すること、
    を特徴とする請求項12記載の電解コンデンサの製造方法。
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