JPH1140464A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ用電解液

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JPH1140464A
JPH1140464A JP9195550A JP19555097A JPH1140464A JP H1140464 A JPH1140464 A JP H1140464A JP 9195550 A JP9195550 A JP 9195550A JP 19555097 A JP19555097 A JP 19555097A JP H1140464 A JPH1140464 A JP H1140464A
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JP
Japan
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acid
adamantane
electrolytic capacitor
electrolytic solution
electrolytic
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JP9195550A
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English (en)
Inventor
Makoto Ue
誠 宇恵
Masayuki Takeda
政幸 武田
Takahito Ito
隆人 伊藤
Makoto Shimizu
誠 清水
Kyoko Fukui
京子 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemi Con Corp
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Nippon Chemi Con Corp
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の電解コンデンサよりも高い耐電圧を有
する電解コンデンサの提供。 【解決手段】 溶質としてアダマンタン骨格を有するカ
ルボン酸の塩を溶媒(例えばエチレングリコール)に溶
解した電解コンデンサ用電解液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電解コンデンサ用電
解液に関する。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサは、アルミニウム、タン
タルなどの絶縁性酸化皮膜層が形成され得るいわゆる弁
金属を陽極に用い、その表面を陽極酸化処理等によって
前記の絶縁性の酸化皮膜薄膜を誘電体層として形成した
ものを陽極側電極に用いる。そして、この例として図1
に例示されるような巻回型素子構造が一般に知られてお
り、陽極側電極(1)に対向させて陰極側電極(2)を
配置し、陽極側電極(1)と陰極側電極(2)の間にセ
パレータ(3)を介在させ、このセパレータ(3)に溶
質を溶媒に溶解した電解液を保持させている。これを図
2に示すようなアルミニウム等の材質の外装ケース
(5)に入れ、該ケースをブチルゴム、エチレンプロピ
レンゴム、シリコーンゴムなどのゴムパッキン(6)を
介してフェノール樹脂積層板、ポリプロピレン、ポリフ
ェニレンスルフィドなどの封口板(7)を用いて密閉し
てなるものを電解コンデンサと言う。図中、(8)は電
極外部端子、(9)は素子固定剤、(10)はコンデン
サ素子である。
【0003】陽極側電極(1)は、通常表面積の拡大の
ためエッチング処理されている。電解コンデンサの中で
も、酸化アルミニウムを誘電体に用いたアルミニウム電
解コンデンサでは、陽極側電極でエッチング処理された
凹凸面に、陰極側電極の電界を伝達するために電解液が
使用される。電解液は、陽極の凹凸面に密接して、実質
的な陰極として機能するものである。このため電解液の
電導度、温度特性などが電解コンデンサとしての電気的
特性(インピーダンス、誘電損失(tanδ)、等価直
列抵抗(ESR)等)を決定する要因となる。
【0004】又、電解液には、絶縁性の酸化皮膜薄膜の
劣化や損傷を修復する役割(化成性)が要求され、これ
が電解コンデンサの漏れ電流(LC)や寿命特性へ影響
を及ぼす。このように電解液は電解コンデンサの特性を
左右する重要な構成要素である。従来、電解液の電導度
は、電解コンデンサのエネルギー損失、インピーダンス
特性などに直接関わることから、高い電導度を有する電
解液の開発が盛んに行われている。
【0005】一方、安全性に対する要求の高まりから、
電解コンデンサに対して定格電圧を越える異常電圧が印
加されるような過酷な条件下においても、ショートや発
火を起こさないようにより高い耐電圧を有する電解コン
デンサが求められている。しかし、一般に用いる電解液
の電導度が高くなると電解コンデンサの耐電圧は低下す
る傾向にあり、高い電導度を有する電解液を用いた電解
コンデンサの開発を困難なものにしている(宇恵ら、ニ
ューキャパシタ、3巻、55頁、1996年)。そのた
め、高い電導度を有する電解液を使用しつつ、高い耐電
圧を有する電解コンデンサの開発が望まれている。
【0006】従来の電解コンデンサ用電解液としては、
エチレングリコールを溶媒とし、1,6−デカンジカル
ボン酸の塩を主たる溶質として含有した電解液が広く用
いられている(特開昭56−108229号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記電解
液を使用した電解コンデンサは耐電圧が必ずしも十分に
高いとは言えず、より高い耐電圧を有する電解コンデン
サの開発が期待されている。本発明は、従来と同程度の
電導度を有し、かつ従来よりも高い耐電圧を有する電解
液を使用することにより、高い耐電圧を有する電解コン
デンサを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的のため、鋭意検
討した結果、アダマンタン骨格を有するカルボン酸の塩
を含有する電解液が従来の電解液と同程度の電導度を有
し、かつ従来よりも高い耐電圧を有し、この電解液を使
用することにより高い耐電圧を有する電解コンデンサが
得られることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発
明は溶質としてアダマンタン骨格を有するカルボン酸の
塩を含有することを特徴とする電解コンデンサ用電解液
を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
電解液は、溶質を溶媒に溶解したものであり、本発明に
おいて、溶質としてアダマンタン骨格を有するカルボン
酸の塩が使用される。かかるアダマンタン骨格を有する
カルボン酸の具体例としては1−アダマンタンカルボン
酸、1−アダマンタン酢酸、3−メチル−1−アダマン
タン酢酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,3
−アダマンタン二酢酸などを挙げることができる。中で
も化成性に優れる1,3−アダマンタンジカルボン酸、
1,3−アダマンタン二酢酸が好ましい。
【0010】本発明ではアダマンタン骨格を有するカル
ボン酸の塩以外に他のカルボン酸の塩と混合して用いる
ことができる。その具体例としては、安息香酸、フタル
酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、1,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジ
カルボン酸あるいはこれらの混合物の塩が挙げられる。
アダマンタン骨格を有するカルボン酸またはこれ以外の
カルボン酸と反応して塩を形成する塩基の好適な具体例
としては、アンモニア;トリメチルアミン、エチルジメ
チルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン
などのアミン類;テトラメチルアンモニウム、トリエチ
ルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムなど
の四級アンモニウム類;1,2,3,4−テトラメチル
イミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミ
ダゾリニウムなどのアミジニウム類等あるいはこれらの
混合物が挙げられる。
【0011】本発明で用いる溶媒の好適な具体例として
は、エチレングリコール、グリセリン、メチルセロソル
ブなどのアルコール溶媒;γ−ブチロラクトン、γ−バ
レロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン溶
媒;N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリジノンなどのアミド溶
媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
ブチレンカーボネートなどのカーボネート溶媒;3−メ
トキシプロピオニトリル、グルタロニトリルなどのニト
リル溶媒;リン酸トリメチル、リン酸トリエチルなどの
リン酸エステル溶媒等あるいはこれらの混合物が挙げら
れる。中でもカルボン酸およびその塩に対して大きな溶
解力を有し、また温度特性に優れた電解液が得られる溶
媒であるエチレングリコールが好ましい。
【0012】中高圧用コンデンサには高い耐電圧を有す
る電解液が得られるエチレングリコール溶媒とアダマン
タン骨格を有するカルボン酸アンモニウム塩との組み合
わせが好ましい。溶質の使用量は、溶媒と該溶質よりな
る電解液中の3〜20重量%の量が好ましい。
【0013】また、化成性の向上などの目的で電解液中
の0.01〜20重量%の範囲で水を含有させることも
できる。更に、必要により電解液にさらに添加剤を含有
させることもできる。その添加剤としては、ホウ酸およ
びその塩類、ホウ酸と多価アルコール類(エチレングリ
コール、マンニトール、ポリビニルアルコールなど)と
の錯化合物などのホウ素化合物類;リン酸およびその塩
類、酸性リン酸エステル類(リン酸ジブチル、リン酸ビ
ス(2−エチルヘキシル))、酸性ホスホン酸エステル
類(2−エチルヘキシルホスホン酸(2−エチルヘキシ
ル)など)のリン化合物類;ニトロ安息香酸、ニトロフ
ェノール、ニトロアセトフェノン、ジニトロベンゼン、
ニトロベンジルアルコールなどの芳香族ニトロ化合物
類;シリカ、アルミノシリケートなどの無機酸化物コロ
イド粒子などなどが挙げられる。
【0014】本発明の電解液は、例えば図1に示す巻回
型のアルミニウム電解コンデンサに用いることができ、
該電解液は、図中、(3)で示されるセパレータ(スペ
ーサーとも言う)に含浸される。該セパレータは、クラ
フト紙、マニラ紙などが一般に使用される。
【0015】
【実施例】以下、実施例に基づいてこの発明を具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定され
るものではない。 実施例1 表1に示すように、電解液として1,3−アダマンタン
ジカルボン酸アンモニウム5重量部をエチレングリコー
ル95重量部に溶解し、これに水1重量部を加えて電解
液を調製し、電導度(25℃)及び耐電圧性を評価し
た。
【0016】耐電圧は、電解液を図1に示した巻回型素
子のセパレータ(3)に含浸し、これに定電流を印加し
たときの電圧−時間の上昇カーブではじめにスパイクあ
るいはシンチレーションが観測された電圧値とした。実
施例で使用したアルミニウム電解コンデンサ素子の仕様
は、定格電圧450V、定格静電容量10μFのもので
ある。耐電圧の測定で印荷した電流値は3mAである。
【0017】電導度は10mS/cm、耐電圧は630
Vであった。表2にこの電解液を用いて作製した図2に
示す定格電圧450V、定格静電容量10μFのアルミ
ニウム電解コンデンサの特性を示す。静電容量、損失角
の正接(tanδ)はいずれも120Hzにおける値、
等価直列抵抗(ESR)は100kHzにおける値であ
る。
【0018】比較例1、実施例2 表1に示す組成の電解液を用いる他は実施例1と同様に
してアルミニウム電解コンデンサを作製した。物性を表
1および表2に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】表1の実験結果から理解されるように、
本発明の電解液は従来の電解液と同等の電導度と、より
高い耐電圧を有する。また、表2から理解されるよう
に、本発明の電解液を用いて作製した電解コンデンサは
従来の電解液を用いて作製した電解コンデンサと同等以
上の電気特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解コンデンサの巻回型素子の斜視図である。
【図2】電解コンデンサの断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 隆人 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1 日本ケミコン株式会社内 (72)発明者 清水 誠 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1 日本ケミコン株式会社内 (72)発明者 福井 京子 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1 日本ケミコン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶質としてアダマンタン骨格を有するカ
    ルボン酸の塩を用いることを特徴とする電解コンデンサ
    用電解液。
  2. 【請求項2】 アダマンタン骨格を有するカルボン酸が
    1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,3−アダマン
    タン二酢酸より選ばれたものである請求項1記載の電解
    コンデンサ用電解液。
  3. 【請求項3】 溶質としてアダマンタン骨格を有するカ
    ルボン酸のアンモニウム塩を、溶媒のエチレングリコー
    ルに溶解した電解コンデンサ用電解液。
JP9195550A 1997-07-22 1997-07-22 電解コンデンサ用電解液 Pending JPH1140464A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100738848B1 (ko) * 2001-01-15 2007-07-12 우베 고산 가부시키가이샤 데칸디카르복실산 조성물 및 이를 수득하기 위한 방법
KR101172763B1 (ko) 2010-12-24 2012-08-09 금호석유화학 주식회사 공중합체, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 레지스트 조성물
WO2014017298A1 (ja) * 2012-07-26 2014-01-30 保土谷化学工業株式会社 電荷制御剤及びそれを用いたトナー

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