JP2003249422A - アルミ電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

アルミ電解コンデンサ及びその製造方法

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JP2003249422A
JP2003249422A JP2002315720A JP2002315720A JP2003249422A JP 2003249422 A JP2003249422 A JP 2003249422A JP 2002315720 A JP2002315720 A JP 2002315720A JP 2002315720 A JP2002315720 A JP 2002315720A JP 2003249422 A JP2003249422 A JP 2003249422A
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chemical
aluminum electrolytic
acid
electrolytic capacitor
capacitor element
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JP2002315720A
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Kazumitsu Honda
一光 本田
Shigeo Shinpo
成生 新保
Hisao Miyazawa
久男 宮澤
Yoshihiro Watanabe
善博 渡辺
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性が低く高温環境中ショートが発生する
という課題を解決し、高耐圧性、高耐熱性、耐振動性に
優れたアルミ電解コンデンサを提供することを目的とす
るものである。 【解決手段】 外部接続用のリードが接続された陽極箔
と陰極箔をセパレータを介在させて巻回することにより
構成されたコンデンサ素子11と、このコンデンサ素子
11を収納する有底筒状の金属ケース16と、この金属
ケース16の開口部を封止する封口板15とを備え、前
記コンデンサ素子11の内部および外面部にイオン伝導
性を有するゲル状高分子14が形成され、かつ前記ゲル
状高分子14が前記金属ケース16の内面に固着してコ
ンデンサ素子11を固定した構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器に用い
られるアルミ電解コンデンサ及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来のアルミ電解コンデンサに
ついて、以下に図面を用いて説明する。
【0003】図3は従来のアルミ電解コンデンサの構成
を示す部分断面斜視図である。同図3において、アルミ
ニウム箔をエッチング処理によって実効表面積を拡大さ
せた表面に化成処理により誘電体酸化皮膜を形成した陽
極箔31とアルミニウム箔をエッチング処理した陰極箔
32とをクラフト紙やマニラ紙などからなるセパレータ
33を介して巻回することによりコンデンサ素子39が
構成されている。このコンデンサ素子39は陽極箔31
および陰極箔32にそれぞれ陽極リード35、陰極リー
ド36を接続し、駆動用電解液34を含浸させるととも
に、このコンデンサ素子39をアルミニウムケースなど
の金属ケース38内に挿入してゴム等の封口板37で封
止することによりアルミ電解コンデンサが得られる。
【0004】前記駆動用電解液34は、有機溶媒と溶質
として硼酸もしくは硼酸アンモニウムを用いたものや、
非水系の溶質として、アゼライン酸、ブチルオクタン二
酸、5,6−デカンジカルボン酸、側鎖を有する二塩基
酸等の二塩基酸及びそれらの塩を用いたものが知られて
いる。これら有機カルボン酸は、駆動用電解液34中の
水分を低減できるため、100℃以上の環境下において
も水分の内圧上昇によるアルミ電解コンデンサの開弁を
抑制することができるとされている。
【0005】また、前記駆動用電解液34の火花発生電
圧および化成性を改善する目的でポリエチレングリコー
ル(特許文献1)、ポリグセリン(特許文献2)、ポリ
ビニルアルコール(特許文献3)、アルキレンブロック
ポリマー(特許文献4)等の界面活性剤を添加すること
も知られている。また、漏液防止の観点から電解液にゲ
ル化剤を添加することは報告されている(特許文献
5)。しかし、これまで広告されているゲル化剤は、寒
天、セルロース、ゼラチン等を添加する方法であり、材
料の耐熱性が足りず高温で安定な形状保持が出来なかっ
たり、高分子を添加するのみのため均一性に乏しかっ
た。
【0006】
【特許文献1】特公平3−76776号公報
【特許文献2】特公平7−70443号公報
【特許文献3】特公平7−22087号公報
【特許文献4】特開平2−312218号公報
【特許文献5】特公平2−14506号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年高
調波対策回路や車両用に用いられるアルミ電解コンデン
サは、従来のアルミ電解コンデンサ以上の高耐圧、高耐
熱、長寿命と耐振動性などの高信頼性が必要とされてお
り、その要求を満足させるためには、前記従来の駆動用
電解液34に使用していた有機カルボン酸もしくはその
塩に溶質として界面活性剤を添加した駆動用電解液34
では、更なる高耐圧化(火花発生電圧の向上)、高耐
熱、長寿命の点で満足することができないという課題が
あった。
【0008】また、コンデンサ素子は外部衝撃によって
容易に振動しないように固定材(アタクチックポリプロ
ピレン樹脂等)で固定されたアルミ電解コンデンサも提
案されているが、固定材がアタクチックポリプロピレン
樹脂等の熱可塑性樹脂で構成されているため、アルミ電
解コンデンサの周囲温度が高くなると固定材が軟化して
しまい、そして振動が加わると、コンデンサ素子を固定
する機能が低下し、これにより、コンデンサ素子の引き
出しリード部が断線し、コンデンサとして機能しなくな
り、信頼性に欠けるという問題点を有していた。
【0009】本発明は前記従来の課題を解決するもの
で、高耐圧性、高耐熱性、耐振動性、長寿命に優れた高
信頼性のアルミ電解コンデンサを提供することを目的と
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明の請求項1に記載の発明は、外部接続用のリー
ドが接続された陽極箔と陰極箔をその間にセパレータを
介在させて巻回することにより構成されたコンデンサ素
子と、このコンデンサ素子を収納する有底筒状の金属ケ
ースと、この金属ケースの開口部を封止する封口板とを
備え、前記コンデンサ素子の内部および外面部に10時
間半減期温度が70℃〜130℃の有機過酸化物の重合
開始剤を用いてゲル化されたイオン伝導性を有するゲル
状高分子が形成され、かつ前記ゲル状高分子が前記金属
ケースの内面に固着してコンデンサ素子を固定した構成
とするものであり、コンデンサ素子の内部および外部に
イオン伝導性を有するゲル状高分子を形成させることに
より、耐圧性および耐熱性に優れたものを得ることがで
き、また、コンデンサ素子をゲル状高分子で金属ケース
の内面に固定することができるので、高耐圧性、高耐熱
性、耐振動性に優れたアルミ電解コンデンサを得ること
ができるという作用効果が得られる。
【0011】請求項2に記載の発明は、ゲル状高分子が
極性溶媒と無機酸もしくは有機酸またはこれらの塩のい
ずれか1種以上の溶質と、有機過酸化物の10時間半減
期温度が70℃〜110℃の有機過酸化物の重合開始剤
により得られたアクリル酸エステルの共重合体により構
成されたものである。この場合、用いる重合開始剤の1
0時間半減期温度が70℃より低いと、通常の保管時
が、冷凍庫保管または冷蔵庫保管等になり保管時の管理
が厳重になるばかりか、活性度が増すために取扱い時の
危険度が増すことが危惧される。また、10時間半減期
温度が110℃より高いと、実際の重合時の反応温度を
非常に高くするか、長時間の反応時間を要するため、コ
ンデンサ内の極性溶媒と無機酸もしくは有機酸またはこ
れらの塩に与える熱ストレスが大きくなるばかりか、封
口板にも熱ストレスを与えることになるものである。ま
た、一般的には重合開始剤としてはα、α′−アゾビス
イソブチロニトリル(以下AIBN)が取扱いも容易な
材料として知られているが、この材料の場合、自身が分
解しラジカルを発生した際、同時に窒素ガスを発生しゲ
ル内部に気泡を内包したまま固化するため均一なゲル状
高分子が形成しにくいことが挙げられる。それに対し、
有機過酸化物ではAIBNのような窒素ガスの発生がな
いため、均一なゲル状高分子を形成しうるものである。
【0012】また請求項2に記載の発明は、ゲル状高分
子が極性溶媒と無機酸もしくは有機酸またはこれらの塩
のいずれか1種以上の溶質と、アクリル酸エステルとの
共重合体を含む構成とするものであり、アクリル酸エス
テルの共重合体は溶媒との親和性が良く、無機酸もしく
は有機酸またはこれらの塩のいずれか1種以上の溶質を
溶かし込んだ極性溶媒を架橋した共重合体のマトリック
ス中に取り込みやすく、常温におけるイオン伝導度が高
いものを得ることができるという作用効果が得られる。
【0013】また、マトリックスが物理的極間距離を維
持するため、アルミ電解コンデンサに適用した時ショー
ト性において優れた特性を示し、さらに、陽極箔や陰極
箔と反応することもなく、形成性ならびに長寿命化の点
で優れたものを得ることができる。
【0014】なお、前記極性溶媒としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、グリセリン、ポリオキシアルキレンポリオール
(分子量200以下のポリオチレンオキシド、ポリプロ
ピレンオキシド、ポリオキシエチレン・オキシプロピレ
ングリコールならびに、これら2種類以上の併用)等、
アミド溶媒(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチル
ピロジリノン等)、アルコール溶媒(メタノール、エタ
ノール等)、エーテル溶媒(メチラール、1,2−ジメ
トキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、
1,2−ジエトキシエタン等)、ニトリル溶媒(アセト
ニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等)、フラン
溶媒(2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン等)、ス
ルホラン溶媒(スルホラン、3−メチルスルホラン、
2,4−ジメチルスルホラン等)、カーボネート溶媒
(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジ
エチルカーボネート、スチレンカーボネート、ジメチル
カーボネート、またはメチルエチルカーボネート等)、
ラクトン溶媒(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクト
ン、δ−バレロラクトン、3−メチル−1,3−オキサ
ジリジン−2−オン、3−エチル−1,3−オキサゾリ
ジン−2−オン等)、イミダゾリジノン溶媒(1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、ピロリドン溶媒
の単独あるいは2種以上の併用が挙げられる。このうち
ではエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、水、ラクトン溶媒、アルコール溶
媒、カーボネート溶媒、エーテル溶媒、ニトリル溶媒お
よびフラン溶媒が好ましい。
【0015】また、無機酸もしくは有機酸としては、ポ
リカルボン酸(2〜4価):脂肪族ポリカルボン酸〔飽
和ポリカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,6−デカンジカル
ボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタ
ンジカルボン酸、7−メチル−7−メトキシカルボニル
−1,9−デカンジカルボン酸、7,9−ジメチル−
7,9−ジメトキシカルボニル−1,11−ドデカンジ
カルボン酸、7,8−ジメチル−7,8−ジメトキシカ
ルボニル−1,14−テトラデカンジカルボン酸:不飽
和ポリカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、イコ
タン酸〕;芳香族ポリカルボン酸、例えばフタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸;脂環式ポリカルボン酸、例えばテトラヒドロフ
タル酸(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸等)、
ヘキサヒドロフタル酸;これらのポリカルボン酸のアル
キル(炭素数1〜3)もしくはニトロ置換体、例えばシ
トラコン酸、ジメチルマレイン酸、ニトロフタル酸(3
−ニトロフタル酸、4−ニトロフタル酸);および硫黄
含有ポリカルボン酸、例えばチオプロピオン酸;モノカ
ルボン酸;脂肪族モノカルボン酸(炭素数1〜30)
〔飽和モノカルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント
酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リンゴ酸、酒石酸:不
飽和モノカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、オレイン酸〕;芳香族モノカルボン酸、例えば安息
香酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、ケイ
皮酸、ナフトエ酸;オキシカルボン酸、例えばサリチル
酸、マンデル酸、レゾルシン酸等が挙げられ、さらに、
ほう酸、りん酸、:けいタングステン酸、けいモリブデ
ン酸、りんタングステン酸、りんモリブデン酸等があ
り、特に電気二重層コンデンサ用としては、4−フッ化
ホウ酸、6−フッ化リン酸、過塩素酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸等やこれらの塩が挙げられる。
【0016】請求項3に記載の発明は、無機酸もしくは
有機酸の塩がアンモニウム塩、アミン塩またはアミジン
塩から選ばれる1種以上の溶質である構成とするもの
で、これらの溶質はカチオンとして金属塩を用いないた
めに、アルミ電解コンデンサに適用した場合、耐ショー
ト性を向上させつつ、高いイオン伝導度を引き出すこと
ができるという作用効果が得られる。
【0017】なお、アンモニウム塩としては前記無機酸
もしくは有機酸の塩がアンモニウム塩などが挙げられ、
アミン塩を構成するアミンとして1級アミン(メチルア
ミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、
エチレンジアミン等)、2級アミン(ジメチルアミン、
ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチレンア
ミン、ジフェニルアミン、ジエタノールアミン等)、3
級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
プロピルアミン、トリフェニルアミン、トリエタノール
アミン等)、4級アミン(テトラメチルアミン、テトラ
エチルアミン、テトラプロピルアミン等)が挙げられ、
アミジン塩として、アルキル置換アミジン基を有する化
合物およびアルキル置換アミジン基を有する化合物の4
級化物が、炭素数1〜11のアルキル基またはアリール
アルキル基で4級化されたイミダゾール化合物、ベンゾ
イミダゾール化合物、脂環式アミジン化合物から選ばれ
る化合物が挙げられる。
【0018】具体的には、アルキル置換アミジン基を有
する化合物の4級化物が1−メチル−1,8−ジアザビ
シクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7、1−メチル−
1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン−5、
1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,
3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,2−ジメ
チル−3−エチル−イミダゾリニウム、1,3,4−ト
リメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメ
チル−2−ヘプチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチ
ル−2−(−3′ヘプチル)イミダゾリニウム、1,3
−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリニウム、1,2,
3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミ
ジウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−メチ
ル−3−エチル−イミダゾリニウム、1,3−ジメチル
ベンゾイミダゾリニウムが挙げられる。
【0019】請求項4に記載の発明は、アクリル系誘導
体の末端に水酸基を有する(化1)〜(化4)で表され
る第1グループおよび(化5)〜(化16)で表される
第2グループの中からそれぞれ少なくとも1種以上を用
いて重合された共重合体を含む構成とするものであり、
アクリル系誘導体の末端に水酸基を有することにより無
機酸、有機酸またはこれらの塩の溶質を溶かし込んだ極
性溶媒との親和性が向上し、これらを架橋した共重合体
のマトリックス中に取り込みやすくなり、イオン伝導性
を有するゲル状高分子の適用範囲を広げることができる
という作用効果が得られる。
【0020】請求項5に記載の発明は、アクリル系誘導
体の末端に水酸基を有する(化1)〜(化4)で表され
る第1グループおよび(化5)〜(化16)で表される
第2グループの中からそれぞれ少なくとも1種以上を用
いて重合された共重合体の化合物の混合比が、重量比で
100:3〜3:100としたアクリル酸エステルの共
重合体マトリックスである構成としたものであり、好ま
しくは100:10〜10:100である。これによ
り、マトリックスの骨格維持がより安定するものであ
り、その効果をより効率良く引き出すことができるとい
う作用効果が得られる。
【0021】請求項6に記載の発明は、極性溶媒と無機
酸もしくは有機酸またはこれらの塩のいずれか1種以上
の溶質を合わせた重量に対しアクリル酸エステルの含有
量が5〜50wt%である構成とするものであり、アク
リル酸エステルの含有量が5wt%より少ないと架橋し
た共重合体のマトリックスが不十分で、硬化ができな
い。また、含有量が50wt%以上になると、マトリッ
クス中に取り込める電解液の絶対量が減るため、イオン
伝導度が大幅に低下し十分な特性を引き出せないことに
なる。
【0022】請求項7に記載の発明は、10時間半減期
温度が70℃〜110℃の有機過酸化物がパーオキシエ
ステルである構成とするものであり、有機過酸化物の種
類にも数多くの化合物が存在するが、コンデンサ用で用
いられる極性溶媒中では油状物となって分散し、均一に
溶解できないものも数多くある。その場合、その後の重
合過程において均一な重合に支障をきたし、局部的に重
合不十分な状態になり、ついにはショートに至る可能性
が危惧される。それに対し、有機過酸化物がパーオキシ
エステル類では、極性溶媒への溶解性もよく均一な重合
を可能にし、強いてはショートの防止に繋がるものであ
る。なお、パ−オキシエステルの類としては、t−ヘキ
シルパ−オキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチル
パ−オキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパ−
オキシイソブチレート、t−ヘキシルパ−オキシイソプ
ロピルモノカーボネート、t−ブチルパ−オキシマレイ
ン酸、t−ブチルパ−オキシ−3,3,5−トリメチル
ヘキサネート、t−ブチルパ−オキシラウレート、2,
5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパ−オキ
シ)ヘキサン、t−ブチルパ−オキシイソプロピルモノ
カーボネート、t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキ
シルモノカーボネート、t−ヘキシルパ−オキシベンゾ
エート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイル
パ−オキシ)ヘキサン、t−ブチルパ−オキシアセテー
ト、t−ブチルパ−オキシベンゾエート、ジ−t−ブチ
ルパ−オキシイソフタレートが挙げられる。
【0023】請求項8に記載の発明は、セパレータの秤
量が0.01〜55g/m2の範囲のものを用いて構成
したものであり、従来の電解液または高分子固体電解質
では、これら秤量の低いセパレータを用いた場合、ショ
ートを引き起こし安定な特性を保つことができないのに
対し、本発明のゲル状高分子を用いた場合、セパレータ
に高分子マトリックスが網目状に張り巡らされるため、
各電極間の極間距離を物理的に保つことができるため耐
圧の安定性が向上し、従来では適用できなかった中高圧
のコンデンサにも秤量の低いセパレータの使用を可能に
し、良好な特性の引き出しが可能となるという作用効果
が得られる。
【0024】ここで、セパレータの種類としてはマニラ
紙、クラフト紙、セルロース紙、Hemp紙、不織布、
およびこれらの混抄セパレータが挙げられる。
【0025】請求項9に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、セパレータが空孔率10〜90%の範
囲である多孔質樹脂フィルムもしくは不織布とした構成
とするものであり、多孔質樹脂フィルムもしくは不織布
にゲル状高分子が網目状に張り巡らされ、その中に溶質
の溶け込んだ極性溶媒を含有するため、コンデンサ素子
の電極間の極間距離を物理的に保つことができるため、
耐圧を安定に保つことができると共に、良好な特性の引
き出しを可能にすることができるという作用効果が得ら
れる。
【0026】特に、これらのセパレータを使用すること
により、コンデンサ素子内のセパレータの占める抵抗分
を大きく下げることが可能となるため、低ESR化、低
インピーダンス化に多基く寄与することができるもので
ある。
【0027】なお、前記多孔質樹脂フィルムもしくは不
織布としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリウレタン樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂、塩化ビニル樹脂、ビニルカルバゾール樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、メタクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、セ
ルロース樹脂等の熱可塑性樹脂およびフェノール樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、アニリン樹
脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂、キシレン樹脂、シリコン樹脂、フラン樹脂等の熱
硬化性樹脂が挙げられる。
【0028】請求項10に記載の発明は、外部接続用の
リードが接続された陽極箔と陰極箔をその間にセパレー
タを介在させて巻回することによりコンデンサ素子を作
製する素子作製工程と、コンデンサ素子に電解液とゲル
化剤の混合溶液を含浸させる含浸工程と、電解液とゲル
化剤の混合溶液が含浸されたコンデンサ素子を金属ケー
ス内に収納して組み立てを行う組み立て工程と、組み立
て品を加熱することによりコンデンサ素子に含浸された
電解液とゲル化剤の混合溶液を硬化させてゲル状高分子
を形成する加熱工程とを少なくとも有したアルミ電解コ
ンデンサの製造方法であり、これらの工程を少なくとも
有することで、素子内部にゲル化されたイオン伝導性を
有するゲル状高分子が形成され、かつ前記ゲル状高分子
が前記金属ケースの内面に固着してコンデンサ素子を固
定したアルミ電解コンデンサを提供するものである。
【0029】請求項11に記載の発明は、ゲル化剤がモ
ノマーと、架橋剤と、重合開始剤からなるものを用いた
アルミ電解コンデンサの製造方法であり、これにより効
率よくゲル状高分子を形成することが可能となり、高耐
圧性、高耐熱性、耐振動性、長寿命のアルミ電解コンデ
ンサを提供できるものである。
【0030】請求項12に記載の発明は、加熱工程を7
0〜160℃の温度範囲内で行うようにしたアルミ電解
コンデンサの製造方法であり、70℃未満では反応が不
十分であり、逆に160℃を越えると極性溶媒と無機酸
もしくは有機酸またはこれらの塩のいずれか1種以上の
溶質を含むゲル状高分子が熱劣化を起こすものであり、
この温度範囲で加熱工程を行うことで安定したゲル状高
分子を短時間で形成させることが可能となり、高耐圧
性、高耐熱性、耐振動性、長寿命のアルミ電解コンデン
サを提供できるものである。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態にお
けるアルミ電解コンデンサの構成を示す部分断面正面図
である。同図1において、アルミ箔をエッチング処理に
より実効表面積を拡大した表面に陽極酸化により誘電体
酸化皮膜を形成して引き出し陽極リード12を接続した
陽極箔と、アルミニウム箔をエッチング処理して陰極リ
ード13を接続した陰極箔とをセパレータを介して巻回
することによりコンデンサ素子11を構成し、このコン
デンサ素子11をイオン伝導性を有するゲル状高分子を
形成することができる溶液を含浸してアルミニウムの金
属ケース16内に挿入して金属ケース16の開口部を封
口板15で封止する。
【0032】その後、この金属ケース16を加熱などの
熱を加えることによりコンデンサ素子11の内部および
外表面と、金属ケース16の内面にイオン伝導性を有す
るゲル状高分子14が形成され、コンデンサ素子11が
金属ケース16に固定された状態でアルミ電解コンデン
サが構成されている。なお、金属ケース16は外装樹脂
17で覆われている。
【0033】前記イオン伝導性を有するゲル状高分子
は、アクリル酸エステル類が10時間半減期温度が70
℃〜110℃の有機過酸化物の重合開始剤の存在下で加
熱することでラジカル重合反応を起こし、マトリックス
を形成すると同時に無機酸もしくは有機酸またはこれら
の塩いずれか1種以上の溶質を溶かし込んだ極性溶媒が
架橋した共重合体のマトリックス中に取り込まれたゲル
状高分子として生成するものである。なお、加熱温度と
反応時間は、重合開始剤の半減期と温度の関係より算出
し、その中の一部を図4に示す。
【0034】なお、ここでいうゲル状高分子とは半固体
状の高分子をいう。
【0035】以下、本実施の形態について実施例を用い
て詳細に説明する。
【0036】(実施例1〜8)エッチング処理により表
面を粗面化した後に陽極酸化処理により誘電体酸化皮膜
(化成電圧520V)を形成したアルミニウム箔からな
る陽極箔とアルミニウム箔をエッチング処理した陰極箔
とをポリエチレン樹脂のスパンボンド法により得られた
不織布セパレータ(厚さ50μm、秤量25g/m2
を介在させて巻回することによりコンデンサ素子を得
た。
【0037】次に、本発明の実施例1〜8のイオン伝動
性を有するゲル状高分子と比較例1および2の固体電解
質の組成と物性を(表1)に示す。これらゲル状高分子
溶液を用いて、前記コンデンサ素子に含浸した。なお、
(表1)中のゲル状高分子溶液中の水分は2wt%に調
整した。また、(化1)および(化5)のアクリル酸エ
ステル誘導体の構造を(表2)及び(表3)に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】次に、前記コンデンサ素子を樹脂加硫ブチ
ルゴム封口材(ブチルゴムポリマー30部、カーボン2
0部、無機充填剤50部から構成、封口体硬度:70I
RHD〔国際ゴム硬さ単位〕)と共に有底筒状のアルミ
ニウムの金属ケースに封入した後、カーリング処理によ
り開口部を封止した。
【0042】続いて、このものに熱を加えることによ
り、コンデンサ素子の内部および外表面と、金属ケース
の内面にイオン伝導性を有するゲル状高分子が形成し、
かつコンデンサ素子が金属ケースの内面に固定された状
態でアルミ電解コンデンサを得た。
【0043】以上の実施例1〜8および比較例1のアル
ミ電解コンデンサを各20個用意し、寿命試験および耐
振動試験を行った結果を(表4)に示す。
【0044】なお、アルミ電解コンデンサの定格はいず
れも350WV470μFであり、試験温度は105℃
でリップル負荷試験を行った。また、耐振動試験は10
〜500Hzの範囲で10段階にパターン化した振動を
加えて断線ショートの判断を行った。その結果を(表
4)に示す。
【0045】
【表4】
【0046】(表4)の結果から、比較例1はエージン
グ中にショートが発生し、正常な製品が作製できなかっ
たのに対し、実施例1〜8のアルミ電解コンデンサは初
期特性が安定し、105℃リップル負荷試験5000時
間後でもショートかつ開弁等の不具合も発生していな
い。
【0047】また、耐振動試験においても、各実施例の
アルミ電解コンデンサは全く問題はなかった。
【0048】ここで、実施例1と比較例1のアルミ電解
コンデンサによる電極箔への化成能力を比較した結果を
図2に示す。本発明のイオン伝導性を有するゲル状高分
子を用いた場合、比較例1に対し100V以上の高い化
成能力を有することが示される。これにより高温環境下
でも比較例1に対し高い化成能力を有し、これが耐ショ
ート性の向上を来すものである。これにより、セパレー
タに従来に比べ秤量の小さいセパレータもしくは多孔質
樹脂フィルムを用いることが可能となり、従来に無い優
れた特性を実現できるものである。
【0049】このように本実施例1〜8のイオン伝導性
を有するゲル状高分子を用いたアルミ電解コンデンサは
特性が安定し、耐熱性に大きな効果があることが判っ
た。
【0050】(実施例9〜12)本発明の実施例9〜1
2のゲル状高分子と比較例2の固体電解質の電解液の組
成および物性を(表5)に示す。なお、実施例9〜12
のゲル状高分子中の水分は2wt%に調整した。
【0051】
【表5】
【0052】次に、(表5)に示したゲル状高分子を用
いてアルミ電解コンデンサを各20個用意し、その寿命
試験および耐振動試験を行った結果を(表6)に示す。
なお、アルミ電解コンデンサの定格はいずれも63V3
30μFで、試験温度は125℃中でDC負荷試験を行
った。
【0053】
【表6】
【0054】(表6)の結果から、実施例9〜12のア
ルミ電解コンデンサは、比較例2と駆動用電解質の電気
的な特性は同等であったが、高温中でのアルミ電解コン
デンサの長時間の安定性については、比較例2では全数
ショートが発生したのに対し、実施例9〜12は非常に
安定であり、歴然とした差があることが判る。
【0055】また、実施例9〜12のアルミ電解コンデ
ンサは、セパレータの秤量を0.1〜12.0g/m2
の範囲のものを用いても、負荷試験および耐振動試験に
おいて全くショートは発生しなかった。
【0056】(実施例13〜17)本発明の実施例13
〜17のゲル状高分子と比較例3の駆動用電解液の組成
および物性を(表7)に示す。なお、実施例13〜17
および比較例3の水分は25wt%に調整した。
【0057】
【表7】
【0058】次に、(表7)に示したゲル状高分子を用
いてアルミ電解コンデンサを各20個用意し、その寿命
試験および耐振動試験を行った結果を(表8)に示す。
なお、アルミ電解コンデンサの定格はいずれも350V
330μFで、試験温度は95℃中でDC負荷試験を行
った。
【0059】
【表8】
【0060】(表8)の結果から、実施例13〜17の
アルミ電解コンデンサは、比較例3と比べて伝導度は多
少低下するが、火花発生電圧を向上させることができ、
これにより、初期特性および寿命試験後のLC値を小さ
くすることができる。特にアクリル酸エステルの中でも
(化1)〜(化4)で表される第1グループおよび(化
5)〜(化16)で表される第2グループの中からそれ
ぞれ少なくとも1種以上を用いて重合された共重合体を
用いたものは寿命試験後の特性が優れている。
【0061】また、耐振動試験においても、各実施例の
アルミ電解コンデンサは全く問題はなかったが、比較例
3は全数断線してしまった。
【0062】また、(表7)に示した効果をより明確な
ものにするために、実施例13と比較例3のアルミ電解
コンデンサについて、寿命試験終了後、分解し、陰極箔
の容量と外観を検査した。その結果を(表9)に示す。
【0063】
【表9】
【0064】(表9)の結果より明らかなように、比較
例3の試験後の陰極箔は初期容量比が1/2以下まで減
少し、かつ表面が黒色に変色していたが、本発明の実施
例13の陰極箔は容量変化は殆ど観察されず、変色も見
当たらなかった。これにより、本発明の極性溶媒と無機
酸、有機酸もしくはこれらの塩のいずれか1種以上の溶
質と、アクリル酸エステルからなる共重合体マトリック
スとを含むイオン伝導性を有するゲル状高分子は、高温
環境下においても陰極箔表面を保護できる特性を有する
ことが確認されたため、高温で長寿命の安定性を有する
アルミ電解コンデンサを提供することができるものであ
る。
【0065】なお、ゲル状高分子によるコンデンサ素子
の固定は、コンデンサ素子の底面部を最低限固定すれば
良く、最大コンデンサ素子の2/3程度まで固定しても
構わない。
【0066】
【発明の効果】以上のように本発明は、外部接続用のリ
ードが接続された陽極箔と陰極箔をセパレータを介在さ
せて巻回することにより構成されたコンデンサ素子と、
このコンデンサ素子を収納する有底筒状の金属ケース
と、この金属ケースの開口部を封止する封口板とを備
え、前記コンデンサ素子の内部および外面部にイオン伝
導性を有するゲル状高分子が形成され、かつ前記ゲル状
高分子が前記金属ケースの内面に固着してコンデンサ素
子を固定した構成とするものであり、コンデンサ素子の
内部および外部にイオン伝導性を有するゲル状高分子を
形成させることにより、耐圧性および耐熱性に優れたも
のを得ることができる。
【0067】また、コンデンサ素子をゲル状高分子で金
属ケースの内面に固定することにより、容易に耐振動性
に優れたアルミ電解コンデンサを得ることができること
から、音響用のアルミ電解コンデンサとして用いても音
質の優れたものが得られ、その工業的価値は大なるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるアルミ電解コンデ
ンサの構成を示す部分断面正面図
【図2】本発明の一実施の形態による電極箔の化成能力
を示す特性図
【図3】従来のアルミ電解コンデンサの構成を示す部分
断面斜視図
【図4】加熱温度と反応時間を重合開始剤の半減期と温
度の関係より示す図
【符号の説明】
11 コンデンサ素子 12 陽極リード 13 陰極リード 14 イオン伝導性を有するゲル状高分子 15 封口板 16 金属ケース 17 外装樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮澤 久男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 渡辺 善博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部接続用のリードが接続された陽極箔
    と陰極箔をその間にセパレータを介在させて巻回するこ
    とにより構成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ
    素子を収納する有底筒状の金属ケースと、この金属ケー
    スの開口部を封止する封口板とを備え、前記コンデンサ
    素子の内部および外面部に10時間半減期温度が70℃
    〜110℃の有機過酸化物の重合開始剤を用いてゲル化
    されたイオン伝導性を有するゲル状高分子が形成され、
    かつ前記ゲル状高分子が前記金属ケースの内面に固着し
    てコンデンサ素子を固定したアルミ電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 ゲル状高分子が極性溶媒と無機酸もしく
    は有機酸またはこれらの塩のいずれか1種以上の溶質
    と、有機過酸化物の10時間半減期温度が70℃〜11
    0℃の有機過酸化物の重合開始剤により得られたアクリ
    ル酸エステルの共重合体を含む請求項1に記載のアルミ
    電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 無機酸もしくは有機酸の塩がアンモニウ
    ム塩、アミン塩またはアミジン塩から選ばれる1種以上
    の溶質である請求項2に記載のアルミ電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 アクリル酸エステルの共重合体が、アク
    リル系誘導体の末端に水酸基を有する(化1)〜(化
    4)で表される第1グループおよび(化5)〜(化1
    6)で表される第2グループの中からそれぞれ少なくと
    も1種以上を用いて重合された共重合体である請求項2
    に記載のアルミ電解コンデンサ。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 【化16】
  5. 【請求項5】 アクリル系誘導体の末端に水酸基を有す
    る(化1)〜(化4)で表される第1グループおよび
    (化5)〜(化16)で表される第2グループの中から
    それぞれ少なくとも1種以上を用いて重合された共重合
    体の混合比が、重量比で100:3〜3:100とした
    アクリル酸エステルの共重合体マトリックスからなる請
    求項2に記載のアルミ電解コンデンサ。
  6. 【請求項6】 ゲル状高分子が極性溶媒と無機酸もしく
    は有機酸またはこれらの塩のいずれか1種以上の溶質を
    合わせた重量に対し、アクリル酸エステルの共重合体の
    含有量が5〜50wt%である請求項2に記載のアルミ
    電解コンデンサ。
  7. 【請求項7】 10時間半減期温度が70℃〜110℃
    の有機過酸化物がパーオキシエステルである請求項1に
    記載のアルミ電解コンデンサ。
  8. 【請求項8】 セパレータの秤量が0.01〜55g/
    2の範囲である請求項1に記載のアルミ電解コンデン
    サ。
  9. 【請求項9】 セパレータが空孔率10〜90%の多孔
    質樹脂フィルムまたは不織布を用いた請求項1に記載の
    アルミ電解コンデンサ。
  10. 【請求項10】 外部接続用のリードが接続された陽極
    箔と陰極箔をその間にセパレータを介在させて巻回する
    ことによりコンデンサ素子を作製する素子作製工程と、
    コンデンサ素子に電解液とゲル化剤の混合溶液を含浸さ
    せる含浸工程と、電解液とゲル化剤の混合溶液が含浸さ
    れたコンデンサ素子を金属ケース内に収納して組み立て
    を行う組み立て工程と、組み立て品を加熱することによ
    りコンデンサ素子に含浸された電解液とゲル化剤の混合
    溶液を硬化させてゲル状高分子を形成する加熱工程とを
    少なくとも有したアルミ電解コンデンサの製造方法。
  11. 【請求項11】 ゲル化剤がモノマーと、架橋剤と、重
    合開始剤からなるものを用いた請求項10に記載のアル
    ミ電解コンデンサの製造方法。
  12. 【請求項12】 加熱工程を70〜160℃の温度範囲
    内で行うようにした請求項10に記載のアルミ電解コン
    デンサの製造方法。
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