JP5327255B2 - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は各種電子機器に使用される電解コンデンサに関するものである。
電子機器の高周波化に伴い、電子部品である電解コンデンサにおいても高周波領域での等価直列抵抗(以下、ESRという)特性に優れた大容量の電解コンデンサが求められてきている。最近では、この高周波領域のESRを低減するために、電気電導度の高い導電性高分子等の固体電解質を用いた固体電解コンデンサが検討されてきており、また、その大容量化の要求に対しては、陽極箔と陰極箔とをその間にセパレータを介在させて巻回したコンデンサ素子の内部に導電性高分子を有した巻回形構造の固体電解コンデンサが製品化されている。
前記巻回形の固体電解コンデンサにおいて、コンデンサ素子の内部に導電性高分子を形成するために、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマーをp−トルエンスルホン酸第二鉄で化学酸化重合する方法や、ピロールモノマーを塩化第二鉄や過硫塩酸によって化学酸化重合する方法などが一般に知られている。これらは、コンデンサ素子内部に反応物質を含浸させ、その場で反応を起こすことが特徴である。
一方、導電性高分子からなる固体電解質と駆動用電解液の両方を陰極引き出し材料に利用した巻回形の電解コンデンサ(例えば、特許文献1参照)が提案されている。この場合でも前記の固体電解コンデンサと同様に、導電性高分子を形成する際は、コンデンサ素子内部に含浸させたモノマー、酸化剤、ドーパントを用いて化学酸化重合を行って形成している。
また、セパレータに予め導電性高分子を形成してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸させた電解コンデンサ(例えば、特許文献2,3参照)なども提案されている。
特開平11−186110号公報 特開平01−090517号公報 特開平07−249543号公報
しかしながら、従来の巻回形の固体電解コンデンサにおいて、導電性高分子をコンデンサ素子内部に形成するためにはモノマー、ドーパント、酸化剤などの反応物質をコンデンサ素子に含浸させ、その場で反応させるので、反応をコンデンサ素子内部で均一に制御することが困難であった。そのため、導電性高分子を均一に形成するには複数回反応を起こす方法が必要になり、プロセスが複雑化し、製造コストも増加するといった課題を有している。
また、その場で化学反応を起こしているため、反応副生成物や未反応部分が存在し、それらを除去するために洗浄工程を実施する必要がある。この洗浄工程も、反応回数に応じて毎回実施する必要があるため、プロセスの複雑化によるコスト増加の要因の一つとなる。
さらには、誘電体酸化皮膜の修復性の乏しい導電性高分子を用いているため、耐電圧の高いコンデンサを構成することが困難であり、定格電圧にして25〜30V程度のものしか得ることができず、また、この定格電圧範囲内であっても、使用中に突発的な漏れ電流の増大や誘電体酸化皮膜欠陥の発生に伴うショート故障などの発生の恐れがある。ショート性を向上するため、酸化皮膜の厚みを増加させ耐電圧を上げる方法が一般的だが、この場合、酸化皮膜厚みの増加に伴い静電容量が低下し、コンデンサ単位体積あたりの静電容量が大きく低下するといった欠点もある。
また、ドーパントや酸化剤に強酸である過硫酸ナトリウムやp−トルエンスルホン酸第二鉄を使用しているため、洗浄工程を行っても、コンデンサ内部の不純物を完全に除去することは困難である。これらの不純物が強酸として酸化皮膜に悪影響をあたえるため、耐圧低下や、湿度環境で使用した場合、水に強酸が遊離して各部材を腐食する恐れがあるため、信頼性を十分満足することが難しい。
一方、導電性高分子からなる固体電解質と駆動用電解液の両方を陰極引き出し材料に利用した電解コンデンサが提案されているが、導電性高分子を形成する工程が前述の巻回形の固体電解コンデンサと同じ方法をとるため、耐圧や腐食性に影響を及ぼすドーパントや酸化剤の不純物が存在しており、駆動用電解液の影響で不純物がコンデンサ素子内に拡散しやすく、信頼性が大幅に低下する。また導電性高分子と駆動用電解液を使用した場合、導電性高分子に含まれるドーパントが駆動用電解液中に溶け出す現象、いわゆる脱ドープ反応により電気伝導度が著しく低下し、信頼性が低下する。さらにコンデンサ素子内で化学反応により導電性高分子を重合しているため、誘電体酸化皮膜の欠陥部分に導電性高分子が形成され、ESRは低減されるが、欠陥部分での駆動用電解液の酸化皮膜修復性の効果が発揮できず、高耐圧化は困難である。
また、導電化したセパレータと駆動用電解液を用いた電解コンデンサにおいても、セパレータのみが導電化されているため、電極箔との接触抵抗が大きく、ESRの低減効果が少ないといった課題がある。
本発明はこのような従来の課題を解決し、ESRが低く、静電容量も大きく、かつ耐電圧が高いといった信頼性に優れた電解コンデンサ及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために本発明は、誘電体皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回することにより構成されたコンデンサ素子と、前記陽極箔、前記陰極箔及び前記セパレータに付着した導電性高分子微粒子と、前記コンデンサ素子に含浸された電解液と、前記コンデンサ素子を収納した有底の外装ケースと、この外装ケースの開口部を封口した封口材とを備える電解コンデンサの製造方法であって、前記コンデンサ素子に、前記導電性高分子微粒子が水または低級アルコールを含む溶媒に分散された分散液を含浸させ、次に、前記溶媒を残存させるようにして前記コンデンサ素子を減圧状態にし、その後、前記コンデンサ素子を加熱することにより、前記分散液の溶媒を蒸発させて前記導電性高分子微粒子を前記陽極箔と前記陰極箔の表面及び前記セパレータの繊維表面に付着させ、次に、前記コンデンサ素子に電解液を含浸させる工程を備えた電解コンデンサの製造方法とするものである。
本発明は、セパレータの繊維表面に導電性高分子微粒子が付着し、かつセパレータの繊維間に導電性高分子微粒子が充填され、さらに陽極箔及び陰極箔の表面にも導電性高分子微粒子が付着した電解コンデンサとすることにより、プロセスを簡素化することができ、低コストで低ESRの電解コンデンサを得ることができる。
また、導電性高分子微粒子がコンデンサ素子の端部から中心に向かって少なくなるように付着及び充填することにより、全面導電性高分子微粒子に覆われているよりも、電解液含浸後の静電容量を効率よく引き出すことができ、また電解液による誘電体皮膜欠陥部の修復が効率よく行われる。付着及び充填割合としては、コンデンサ素子の端部から中心に向かって、コンデンサ素子体積あたり、10%〜50%の範囲が好ましい。
また、陰極箔表面に酸化物や炭化物、または窒化物などを形成することで導電性高分子微粒子の密着性が向上し、さらなる低ESR化が可能となる。これは、通常使用するアルミニウム箔などの金属と比べて、酸化物や炭化物または窒化物などと導電性高分子微粒子の親和性がよいことに起因すると考えられる。
また、電解質として導電性高分子微粒子の他に駆動用電解液を使用していることから、エッチングにより形成された微細なエッチングピット内部まで駆動用電解液が含浸されやすく、静電容量を効率よく引き出すことができる。また、導電性高分子微粒子は粒子を電極表面に吸着させてつくるため、化学重合で形成した導電性高分子と異なり、エッチングピットの内部まで導電性高分子が形成されることがない。そのため、誘電体皮膜の欠陥部分には入り込まず、駆動用電解液による誘電体皮膜欠陥部の再修復が効率よく行われ、耐圧の高い電解コンデンサが得られる。
また、駆動用電解液にアミジン塩を電解質として使用することにより、長時間の高温試験後でもコンデンサ内部にアミジン塩が残留するため、酸化皮膜の修復性は維持される。これにより、長期の高温試験後でもショートが発生せず信頼性が高いコンデンサが得られる。また、駆動用電解液に酸成分が塩基成分より多く存在することで、高温試験においても導電性高分子の劣化が抑制される。これは、導電性高分子に含まれるドーパント材料の脱ドープを抑制していることに起因している。通常ドーパントは、スルホン酸などの酸性の物質を使用しているため、駆動用電解液中のアミジンなどのアルカリ成分があると導電性高分子から電解液側へ移動しやすくなる。このような脱ドープ反応により、導電性高分子の電気伝導度が著しく低下するため、駆動用電解液に酸成分を塩基成分より多く存在させ、酸性状態にすることで脱ドープを抑制し、信頼性の高いコンデンサを得ることが可能となる。
また、導電性高分子微粒子が分散された分散液に界面活性剤を添加することで含浸性が向上し、導電性高分子微粒子がコンデンサ素子に充填されやすくなり、化学重合反応をコンデンサ素子内で発生させることなく容易に導電性高分子微粒子をコンデンサ素子内に形成することができる。この結果、プロセスも簡素化し、低コストで低ESRの電解コンデンサを得ることができる。
以上のようにセパレータの繊維表面に導電性高分子微粒子を付着させ、かつセパレータの繊維間に導電性高分子微粒子を充填し、駆動用電解液と併用することにより、はじめて高容量化と高耐圧化の両立が可能となり、低ESRで高信頼性の特性を兼ね備えた電解コンデンサを得ることができる。
本発明の一実施の形態による電解コンデンサの構成を示した部分断面斜視図
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施の形態による電解コンデンサの構成を示す部分断面斜視図であり、同図においてコンデンサ素子9はエッチング処理により表面を粗面化した後に陽極酸化処理により誘電体酸化皮膜を形成したアルミニウム箔からなる陽極箔1と、アルミニウム箔を少なくともエッチング処理した陰極箔2とを、その間に、セパレータ3を介在させて巻回することにより構成されたものである。また、陽極箔1と陰極箔2には夫々外部導出用の陽極リード4と陰極リード5が接続されている。
そして、前記コンデンサ素子9を有底円筒状のアルミニウムからなる金属ケース7に挿入し、金属ケース7の開口部を前記陽極リード4と陰極リード5が挿通する孔を備えた封口部材6で封止した構成からなる。
また、前記電解コンデンサを面実装用とするため、前記陽極リード4と陰極リード5が挿通する孔を備えて封口部材6側に絶縁性樹脂からなる絶縁座板8を装着させ、この絶縁座板8の外表面に設けられた溝に沿って陽極リード4と陰極リード5を折り曲げることにより面実装用の電解コンデンサとするものである。
前記コンデンサ素子9は、そのセパレータ3の繊維表面及び繊維間に図示しない導電性高分子微粒子が付着・充填されており、また、駆動用電解液が含浸されている。
前記セパレータ3は、セルロース系繊維や化学繊維などの素材のものが使用可能である。特にセルロース系繊維は、熱的に安定であり、特に密度を0.4g/cm3以下に抄紙した場合にピンホールなどの欠陥部分がないため、信頼性に優れている。化学繊維についても繊維径を自由に制御できるので、導電性高分子微粒子の大きさにあったセパレータ密度に制御することが可能である。
なお、セパレータ3の密度が0.4g/cm3を超えると、溶液など分子レベルの大きさの物質は容易にコンデンサ素子内に含浸されるが、サブミクロン以下の大きさの導電性高分子微粒子は、セパレータ3の空隙の中に侵入することが困難となり、ESRを低下することは不可能となるため、セパレータ3の密度を0.4g/cm3以下にするのが好ましい。
前記導電性高分子微粒子は、導電化されたポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどが使用可能であり、その微粒子の大きさとしては、直径1μm以下の大きさのものが好ましい。直径1μm以上の微粒子を使用した場合は、セパレータ3の空隙部分に微粒子が充填されにくく低ESR化が困難となるので好ましくない。
また、前記導電性高分子微粒子は、その微粒子を分散させた分散液を用いてセパレータ3に付着・充填させる。この分散液の溶剤としては、水や低級アルコールなどの低粘度の溶剤が好ましい。さらに揮発性が高いほうが、コンデンサ素子に微粒子の溶剤を含浸した後、溶剤を除去しやすいため、導電性高分子微粒子の充填効果が高まる。
また、前記分散液に界面活性剤を添加することにより、よりセパレータ3への充填を高めることができる。添加する界面活性剤としては、アニオン性の界面活性剤やカチオン性の界面活性剤、ノンイオン性の界面活性剤が使用可能である。
前記陰極箔2としては、アルミニウム箔が一般的に使用されるが、アルミニウム箔を化成処理により表面にアルミニウムの酸化物を形成したものを使用すると導電性高分子微粒子が接着しやすく低ESR化が容易となる。アルミニウム酸化物以外に、チタンやシリコンの酸化物をゾルゲル法などにより形成することも可能である。
前記駆動用電解液の溶媒として、アルコール類[メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロプレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、グリコール類の重縮合物]、非プロトン性の有機溶媒としてアミド系[N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等]、ラクトン類[γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、α−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等]、スルホキシド類[スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホキシド]等を用いることができる。これらの中で、γ−ブチロラクトンやエチレングリコール、スルホランが熱的に安定であり、高温の環境下でコンデンサの信頼性試験を行った場合でも、駆動用電解液の蒸発が少ないため、導電性高分子を用いた電解コンデンサにおいてドライアップ時の耐ショート性に優れた性能を発揮する。
また、電解質成分の塩基成分としては、アルキル置換アミジン基を有する化合物で、イミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、脂環式アミジン化合物(ピリミジン化合物、イミダゾリン化合物)が挙げられ、また、アルキル置換アミジン基を有する化合物の4級塩を用いることもでき、炭素数1〜11のアルキル基またはアリールアルキル基で4級化されたイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、脂環式アミジン化合物(ピリミジン化合物、イミダゾリン化合物)が挙げられる。特にアミジン化合物は酸と溶融塩を形成するため、低揮発性であり、駆動用電解液のドライアップ時に電解質が残存しやすいため、耐ショート性に優れた性能を示す。また第4級アンモニウム塩を比べて、アルカリ性が低いため高温高湿度での耐漏液性に優れ、さらに脱ドープ性も良好である。第3級アミンなどもアルカリ性が低いため脱ドープ反応には効果的であり、低揮発性の溶媒と組み合わせることによりドライアップ時の耐ショート性を確保することができる。
また電解質の酸成分としては、脂肪族カルボン酸:([飽和カルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸]、[不飽和カルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、イコタン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸])、芳香族カルボン酸:(例えばフタル酸、サリチル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、安息香酸、レゾルシン酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸)等で、これらの中で好ましいのは電導度が高く熱的にも安定な、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、マレイン酸、サリチル酸、安息香酸、レゾルシン酸等の有機酸が好ましい。無機系のホウ素を利用した有機酸との錯体も脱ドープ反応の抑制に効果があるため使用可能である。これらのカルボン酸以外にもカルボン酸のニトロ誘導体やスルホン酸誘導体、無機酸であるリン酸誘導体やホウ酸誘導体などを前記の塩基成分のモル数以上に加えることで電解液の酸性度が増加し、脱ドープ反応の抑制に効果を発揮することができる。
次に、本実施の形態の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
エッチング処理により表面を粗面化した後に陽極酸化処理により誘電体酸化皮膜(化成電圧45V)を形成したアルミニウム箔からなる陽極箔と、アルミニウム箔をエッチング処理した陰極箔とを、セルロースのセパレータ(基材の厚さ50μm、密度0.40g/cm3)を介在させて巻回することによりコンデンサ素子を得た。得られたコンデンサ素子を導電化したポリチオフェンポリマー微粒子(40nm)2%の分散液(イソプロピルアルコール溶液)に浸漬し、減圧状態にすることにより、微粒子をコンデンサ素子内(セパレータの繊維表面及び繊維間及び両電極箔の表面)に充填した。その後、60℃の雰囲気温度にて5分間放置し、さらに120℃の温度で10分間放置することで余分な水分を除去した。
続いて前記コンデンサ素子をフタル1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(濃度25重量%)、p−ニトロ安息香酸(濃度0.5重量%)、モノブチル燐酸エステル(濃度0.5重量%)を含有するγ−ブチロラクトン溶液(以下、これを駆動用電解液Aとする)に減圧条件下で浸漬し、コンデンサ素子の空隙部に駆動用電解液Aを含浸させた。なお、駆動用電解液Aの電解質の酸成分と塩基成分のモル数は1:0.97である。
次に、このコンデンサ素子を有底筒状のアルミニウムケースに挿入後、そのアルミニウムケースの開口部を樹脂加硫ブチルゴム封口材でカーリング処理により封止し、更に陽極箔、陰極箔から夫々導出された両リードをポリフェニレンサルファイド製の絶縁座板に通し、そのリード部を扁平に折り曲げ加工して前記絶縁座板を固定した。
最後に、直流電圧35Vを1h連続的に印加(雰囲気温度105℃)することによりエージングを行い、面実装型の電解コンデンサを作製した(サイズ:直径10mm×高さ10mm)。
(実施例2)
前記実施例1において、セルロースのセパレータ(基材の厚さ50μm、密度0.25/cm3)を使用した以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製した。
(実施例3)
前記実施例1において、分散剤の溶液にアニオン性の界面活性剤(ポリスチレンスルホン酸)を1重量%添加した以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製した。
(実施例4)
前記実施例1において、陰極箔に2V化成を施したアルミニウム化成箔を用いた以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製した。
(実施例5)
前記実施例1において、駆動用電解液Aに有機酸であるピロメリット酸を4重量%添加した以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製した。なお、駆動用電解液の電解質の酸成分と塩基成分のモル数は1:0.9である。
(比較例1)
前記実施例1と同様に、エッチング処理により表面を粗面化した後に陽極酸化処理により誘電体酸化皮膜(化成電圧45V)を形成したアルミニウム箔からなる陽極箔と、アルミニウム箔をエッチング処理した陰極箔とを、セルロースのセパレータ(基材の厚さ50μm、密度0.40g/cm3)を介在させて巻回することによりコンデンサ素子を得た。その後、コンデンサ素子をチオフェンモノマーとp−トルエンスルホン酸酸化第二鉄のブタノール溶液の混合溶液に含浸し、含浸後、加熱することで化学重合反応を起こし、コンデンサ素子内に導電性高分子を形成した。その後、このコンデンサ素子を有底筒状のアルミニウムケースに挿入後、そのアルミニウムケースの開口部を樹脂加硫ブチルゴム封口材でカーリング処理により封止し、更に陽極箔、陰極箔から夫々導出された両リードをポリフェニレンサルファイド製の絶縁座板に通し、そのリード部を扁平に折り曲げ加工して前記絶縁座板を固定した。
最後に、直流電圧35Vを1h連続的に印加(雰囲気温度105℃)することによりエージングを行い、面実装型の電解コンデンサを作製した(サイズ:直径10mm×高さ10mm)。
(比較例2)
前記実施例1において、セルロースのセパレータ(基材の厚さ50μm、密度0.5/cm3)を使用した以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製した。
(比較例3)
前記実施例1において、駆動用電解液にフタル酸第4級アンモニウム塩のγ−ブチロラクトン溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製した。
(比較例4)
前記実施例1において、駆動用電解液Aの塩基成分である1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムを2重量%過剰にした以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製した。なお、駆動用電解液の電解質の酸成分と塩基成分のモル数は1:1.2である。
以上の実施例1〜5と比較例1〜4のアルミ電解コンデンサを各20個作製し、寿命試験として105℃で35Vの電圧印加試験を行った。その結果を(表1)に示す。なお、ESR特性は100kHzで測定した。
Figure 0005327255
(表1)から明らかなように、本発明の実施例1の電解コンデンサは、導電性高分子の分散体がコンデンサ素子の端部に集中して充填されるので、従来の化学重合による導電性高分子を形成した比較例1の電解コンデンサに比べて、静電容量が高く、高温試験後の特性変化も少なくなり、信頼性が高いコンデンサとなっていることがわかる。また、実施例2のように低密度のセパレータを使用することで、比較例2の電解コンデンサに比べて導電性高分子の分散体の含浸性が向上し初期ESRが低下することがわかる。また、実施例3のように分散体の溶液に界面活性剤を添加することで、コンデンサ素子内への含浸性が向上し、初期ESRが低下する。さらに、実施例4のように陰極箔に酸化物を形成することにより、初期のESRがさらに低くなることがわかる。
また、実施例1〜5の電解コンデンサは駆動用電解液Aにアミジン塩の電解質を用いているので、高温劣化後のドライアップ状態においても、比較例3の電解コンデンサと比べてアルミ酸化皮膜の修復作用を有しており、漏れ電流LCも安定し、耐ショート性に優れており、また、実施例5のように駆動用電解液Aの酸成分を過剰に添加することにより、比較例4の電解コンデンサと比べて高温劣化後のESR変化が非常に少なくなる。
本発明において、導電性高分子の分散体をコンデンサ素子内に含浸することで低ESRが可能となり、さらに電解液の効果もあわせて高容量化と高耐圧化さらに高信頼化といった特性を兼ね備えた電解コンデンサを得ることが可能となった。
1 陽極箔
2 陰極箔
3 セパレータ
4 陽極リード
5 陰極リード
6 封口部材
7 金属ケース
8 座板
9 コンデンサ素子

Claims (2)

  1. 誘電体皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回することにより構成されたコンデンサ素子と、前記陽極箔、前記陰極箔及び前記セパレータに付着した導電性高分子微粒子と、前記コンデンサ素子に含浸された電解液と、前記コンデンサ素子を収納した有底の外装ケースと、この外装ケースの開口部を封口した封口材とを備える電解コンデンサの製造方法であって、
    前記コンデンサ素子に、前記導電性高分子微粒子が水または低級アルコールを含む溶媒に分散された分散液を含浸させ、
    次に、前記溶媒を残存させるようにして前記コンデンサ素子を減圧状態にし、
    その後、前記コンデンサ素子を加熱することにより、前記分散液の溶媒を蒸発させて前記導電性高分子微粒子を前記陽極箔と前記陰極箔の表面及び前記セパレータの繊維表面に付着させ、
    次に、前記コンデンサ素子に電解液を含浸させる工程を備えた電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記セパレータの密度が0.4g/cm3以下であると共に前記導電性高分子微粒子の直径が1μm以下である請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
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