JP2021163864A - 電解コンデンサ及び電力変換器 - Google Patents

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太一 梅原
Taichi Umehara
佳祐 佐藤
Keisuke Sato
暉 土田
Akira Tsuchida
薫 石川
Kaoru Ishikawa
明弘 小池
Akihiro Koike
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Abstract

【課題】従来と比べ等価直列抵抗が低く、許容リプル電流が大きな電解コンデンサを提供するとともに、当該を電解コンデンサを用いることにより並列接続数の低減、電解コンデンサの小型化により、電力変換器を小型化する。【解決手段】電圧平滑回路を備える電力変換器において、電解コンデンサは、空隙率が50%以上であって、少なくとも一部が多孔質によって貫通している多孔質ポリイミド系フィルムからなるセパレータと、プロトン性の極性溶媒を含む電解液とを備える。【選択図】なし

Description

本発明は、電解コンデンサ及び電力変換器に関する。
一般にコンデンサ、特に電解コンデンサは以下のような構成を取っている。まず、電解コンデンサはコンデンサ素子を備えている。コンデンサ素子は、陽極箔と陰極箔をセパレータを介して巻回して形成される。陽極箔は、拡面処理した表面に酸化被膜層を形成させたアルミニウム箔である。拡面処理では、帯状に形成された高純度のアルミニウム箔を化学的あるいは電気化学的にエッチングする。酸化被膜層は、拡面処理したアルミニウム箔をホウ酸アンモニウム水溶液等の化成液中にて化成処理することにより得られる。陰極箔は、帯状に形成された高純度のアルミニウム箔を拡面処理して成る。コンデンサ素子には駆動用の電解液が含浸される。このコンデンサ素子は金属製の有底筒状の外装ケースに収納される。さらに外装ケースの開口端部には封口体が嵌め込まれ、さらに外装ケースの開口端部を絞り加工により封口を行う。これにより、電解コンデンサが作製される。電解液としては、従来から、エチレングリコールを主溶媒とし、アジピン酸、安息香酸などのアンモニウム塩を溶質とするもの等が知られている。
このような電解コンデンサは、例えば電力変換器の主要部品であり、電力変換器内では電圧平滑回路の部品として組み込まれている。近年、電力変換器は、パワー半導体としてMOSFETやIGBT等が適用されることが多くなっている。これらパワー半導体が適用された電力変換器は、低いオン抵抗および高速スイッチングが可能であり、電力損失の抑制による高効率化が図られる。その結果、冷却ファンやヒートシンクなどの冷却部品の簡略化や高周波化による受動部品の小型化、さらにはコスト削減や省エネ化に貢献することになる。
特開2000−100664号公報
電解コンデンサは、電力変換器の小型化又は高効率化に密接に関連している。電解コンデンサは、等価直列抵抗(ESR)の影響を受け、許容リプル電流が制限される。電解コンデンサを電力変換器の電圧平滑回路に用いる場合、多くの電解コンデンサを並列に接続してリプル電流に対応させている。従って、電力変換器の更なる小型化を進展させるためには、等価直列抵抗がより低い電解コンデンサが要望されることになる。
このような等価直列抵抗がより低い電解コンデンサは、電力変換器の分野に限らず要望されているものである。本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、等価直列抵抗が低い電解コンデンサを提供することである。
上記の課題を達成するため、本発明に係る電解コンデンサは、空隙率が50%以上の多孔質ポリイミド系フィルムからなるセパレータと、プロトン性の極性溶媒を含む電解液とを備えることを特徴とする。
また、多孔質ポリイミド系フィルムは、少なくとも一部が多孔質によって貫通していてもよい。
また、本発明に係る電力変換器は、前記多孔質ポリイミドフィルムを用いたコンデンサを含む電圧平滑回路を備えることを特徴とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、多孔質ポリイミド系フィルムの空隙率を50%以上とすることで等価直列抵抗がより低い電解コンデンサを得られるとの知見を得た。また、本発明の電解コンデンサは、等価直列抵抗が低減することに伴い、許容リプル電流が高められる。そのため、本発明の電解コンデンサを電圧平滑回路に用いるとき、その並列接続数を低減することが可能であり、電力変換器の小型化に寄与できるとの効果がある。
本発明によれば、等価直列抵抗が低い電解コンデンサを得ることができる。
本発明の実施形態に係る電解コンデンサについて説明する。本実施形態では、電解液を有する電解コンデンサを例示して説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものでない。
(電解コンデンサ)
電解コンデンサは、静電容量に応じた電荷の蓄電及び放電を行う受動素子である。この電解コンデンサは、たとえば巻回型のコンデンサ素子を有する。コンデンサ素子は、誘電体酸化被膜が表面に形成された陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して対向させ、電解液が含浸されて成る。電解液は、陽極箔が備える誘電体酸化被膜の凹凸面に密接し、真の陰極として機能する。
(陽極箔)
陽極箔は、弁作用金属を材料とする長尺の箔体である。純度は、陽極箔に関して99.9%程度以上が望ましい。この陽極箔は、延伸された箔に拡面層を形成し、拡面層の表面に誘電体酸化被膜を形成して成る。拡面層は、100V以上の中高圧用途に対応し、直流エッチングにより、箔表面から厚み方向に掘り込まれたトンネル状のピットを多数有する。100V以上の中高圧用途に対応すべく、トンネル状のピットは、陽極箔を貫通するように形成されていてもよい。または、100V未満の低圧用途に対応し、塩酸や食塩等の塩化物水溶液中での交流エッチングにより、表面に海綿状のエッチングピットを形成してもよい。または、拡面層は、弁作用金属の粉体を焼結して成り、または金属粒子等の被膜を箔に蒸着させて被膜を施して成る。
陽極箔に形成される誘電体酸化被膜は、たとえば、陽極箔の表層に形成される酸化被膜であり、陽極箔がアルミニウム製であれば、多孔質構造領域を酸化させた酸化アルミニウム層である。この誘電体酸化被膜は、硼酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム等の酸あるいはこれらの酸の水溶液等のハロゲンイオン不在の溶液中で電圧印加する化成処理により形成される。
(陰極箔)
陰極箔は、陽極箔と同様にアルミニウム等の金属箔であり、表面にエッチング処理のみが施されているものを用いる。陽極箔及び陰極箔にはそれぞれの電極を外部に接続するためのリード線が、ステッチ、超音波溶接等により接続されている。このリード線は、アルミニウム等の金属線であり、封口体に設けられた外部端子と接続することで、陽極箔、陰極箔と接続部と外部との電気的な接続を担う。リード線は、巻回したコンデンサ素子の端面から導出される。
(セパレータ)
セパレータは、陽極箔と陰極箔のショートを防止すべく、陽極箔と陰極箔との間に介在し、また電解液を保持する。セパレータは、空隙率が50%以上の多孔質となったポリイミド系樹脂をフィルム状に成型して成る。ポリイミド系樹脂としては、ポリイミド及びポリアミドイミドが挙げられる。このポリイミド系樹脂又はその前駆体樹脂と微粒子とを含む複合膜から、微粒子を除去することで空隙が形成される。
空隙率が50%以上の多孔質のポリイミド系樹脂により成るセパレータは、電解コンデンサの等価直列抵抗を低下させる。空隙率は、好ましくは50%以上85%以下であり、より好ましくは52%以上80%以下であり、さらに好ましくは65%以上80%以下である。
複合膜形成用のポリイミド系樹脂またはポリイミド系樹脂の前駆体樹脂と微粒子とを含む複合膜形成用組成物、複合膜、及び多孔質ポリイミド系フィルムは、それぞれ公知の方法により作製することができる。例えば、特許第5745195号公報、又は特許第6147069号公報に記載の製造方法により製造できる。
複合膜形成用組成物に用いる微粒子の含有割合によって空隙率を50%以上に調整できることがわかった。複合膜形成用組成物における微粒子の含有割合は例えば樹脂と微粒子の総和を100としたときに、例えば40体積%以上90体積%以下であり、50体積%以上85体積%以下である。当該範囲の複合膜形成用組成物を用いることで、多孔質ポリイミド系フィルムは、少なくとも一部が多孔質によって貫通する。
このセパレータにおいて、微粒子由来の空隙は球形状空間が連通孔を介して連通した空隙構造を有する。連通孔は、球状空間同士の接面である。このような空隙態様は、低ESR化と共に、セパレータの薄膜化 をも両立させると考えられる。球形状空間の球径は、複合膜形成用組成物の微粒子の平均粒径や粒度分布により適宜調整すればよく、例えば50nm〜2500nmの範囲の球径を有する。セパレータの強度等の点で、好ましくは100nm〜2000nmの範囲の球形を有するセパレータであることが好ましい。
球径を50nm〜2500nmの範囲とすることで、セパレータの膜厚を30μm未満にする場合でも、セパレータ強度の維持と高空隙率化が可能となり等価直列抵抗の低い電解コンデンサになると考えられる。また、上記連通孔を介して連通した空隙構造をセパレータ全体に均一に分布させる点で、複合膜形成用組成物の粘度を300cP以上2000cP以下とすることが好ましい。
セパレータの膜厚は特に限定されず、例えば5μm以上50μm以下である。セパレータ強度を維持しつつ、等価直列抵抗の低い電解コンデンサとする点で、セパレータの膜厚は、好ましくは10μm以上30μm未満であり、15μm以上25μm以下がより好ましい。なお、セパレータの強度について、引張強度は例えば10MPa以上200MPa以下であり、引張弾性率(ヤング率)は例えば、1MPa以上130MPa以下である。測定には島津製作所社製の計測器EZ Test等を用いればよい。
尚、空隙率は、下記(式1)で定義される。
(式1)
空隙率(%)={1−((Ws/Vs)/Dm)}×100
式中、Wsはセパレータの質量、Vsはセパレータの体積、Dmはセパレータの原材料の密度である。
上記(式1)において、(Ws/Vs)の項は、セパレータの単位体積当たりの質量、即ちセパレータの密度である。(Ws/Vs)/Dm)の項は、セパレータの密度とセパレータの原材料の密度の比であり、セパレータの単位体積中に原材料が占める割合を表す。従って、{1−((Ws/Vs)/Dm)}の項は、セパレータの単位体積中に空隙が占める割合を表す。
(コンデンサ素子)
コンデンサ素子は、陽極箔と陰極箔とをセパレータを介在させて巻回した円筒体である。コンデンサ素子は巻回により生じたダメージの修復化成が施されてもよい。修復化成の化成液としては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等のリン酸系の化成液、ホウ酸アンモニウム等のホウ酸系の化成液、アジピン酸アンモニウム等のアジピン酸系の化成液を用いることができる。コンデンサ素子を化成液に漬けた上で、コンデンサ素子に電圧を印加する。この修復化成によって陽極箔及び陰極箔の表面に酸化被膜を形成する。
そして、コンデンサ素子に電解液を含浸し、電解液を含浸したコンデンサ素子を、有底筒状のアルミニウムよりなるケースに収納し、ケースの開口部に封口体を装着するとともに、ケースの端部に絞り加工を施してケースを密封する。封口体は、合成樹脂板等の硬質基板絶縁板の表面および裏面にゴム板等の弾性絶縁体が貼り付けられた板状であり、陽極側の外部端子及び陰極側の外部端子が設けられている。陽極側の外部端子及び陰極側の外部端子は陽極箔および陰極箔に接続されたリード線とそれぞれ接続される。その後、エージング処理されることで、巻回形コンデンサの態様を採る。
(電解液)
電解液の溶媒として選択されるプロトン性溶媒としては、例えばエチレングリコールが挙げられる。エチレングリコールを溶媒とすると、電解コンデンサの耐電圧が向上し、100V以上の中高圧用途として好適となる。但し、陽極箔に対する拡面処理及び化成処理により必要とする耐電圧を得られるのであれば、エチレングリコール以外の溶媒を併用してもよい。
エチレングリコール以外の溶媒は、プロトン性の極性溶媒又は非プロトン性の極性溶媒の何れでもよい。プロトン性の極性溶媒として、一価アルコール類、及び多価アルコール類、オキシアルコール化合物類、水などが代表として挙げられる。非プロトン性の極性溶媒としては、スルホン系、アミド系、ラクトン類、環状アミド系、ニトリル系、オキシド系などが代表として挙げられる。
一価アルコール類としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。多価アルコール類およびオキシアルコール化合物類としては、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等が挙げられる。スルホン系としては、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等が挙げられる。アミド系としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等が挙げられる。ラクトン類、環状アミド系としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等が挙げられる。ニトリル系としては、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル等が挙げられる。オキシド系としてはジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶媒として、これらが単独で用いられてもよく、また2種類以上を組み合わせても良い。
電解液に含まれる溶質は、アニオン及びカチオンの成分が含まれ、典型的には、有機酸若しくはその塩、無機酸若しくはその塩、又は有機酸と無機酸との複合化合物若しくはそのイオン解離性のある塩であり、単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。アニオンとなる酸及びカチオンとなる塩基を溶質成分として別々に電解液に添加してもよい。
電解液中でアニオン成分となる有機酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、アジピン酸、安息香酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、1,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸等のカルボン酸、フェノール類、スルホン酸が挙げられる。また、無機酸としては、ホウ酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、炭酸、ケイ酸等が挙げられる。有機酸と無機酸の複合化合物としては、ボロジサリチル酸、ボロジ蓚酸、ボロジグリコール酸等が挙げられる。
また、有機酸、無機酸、ならびに有機酸と無機酸の複合化合物の少なくとも1種の塩として、アンモニウム塩、四級アンモニウム塩、四級化アミジニウム塩、アミン塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。四級アンモニウム塩の四級アンモニウムイオンとしてはテトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。四級化アミジニウムとしては、エチルジメチルイミダゾリニウム、テトラメチルイミダゾリニウムなどが挙げられる。アミン塩のアミンとしては、一級アミン、二級アミン、三級アミンが挙げられる。一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンなど、二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、ジブチルアミンなど、三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、エチルジメチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等が挙げられる。
さらに、電解液には他の添加剤を添加することもできる。添加剤としては、リン酸、リン酸エステル等のリン酸化合物、ホウ酸、ホウ酸エステル等のホウ酸化合物、ホウ酸とマンニットやソルビット等の糖アルコールとの錯化合物、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、ポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレンポリオール、コロイダルシリカ等が含まれていても良く、これらは電解コンデンサの耐電圧を向上させる。
また、添加剤としてはニトロ化合物が含まれてもよい。ニトロ化合物としては、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、p−ニトロベンセン、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、及びp−ニトロフェノール等が挙げられる。ニトロ化合物は、水素ガスの吸収作用を有する。
以下の各実施例、比較例及び参考例の空隙率は、(式1)に従って計算された。
(実施例1)
ポリイミド樹脂からなり、空隙率が80%、厚さが23μmの多孔質の樹脂フィルムをセパレータとして用いた実施例1のコンデンサ素子を作成した。詳細には、10mm×50mmの広さのアルミニウム箔を陽極箔とした。この陽極箔にエッチング処理を施し、トンネル状のエッチングピットを形成した。エッチングピットを形成した電極箔をホウ酸アンモニウム水溶液中で化成化処理し、表面に酸化被膜層を形成した。
また、30mm×75mmの広さのアルミニウム箔を陰極箔とし、この陰極箔には交流エッチング処理を施し、表面に海綿状のエッチングピットを形成した。
この陽極箔と陰極箔に、首部をシリコーンで被覆したアルミニウム製のリード線を取り付けた。この陰極箔を2枚用意し、陰極箔が最外層になるように、20mm×70mmの大きさに成形した前記セパレータを介在させて、陽極箔1枚を重ね合わせて積層体を形成した。リード線は積層体から突出するように配置した。
更に、陽極箔及びセパレータが積層されている陰極箔の外側にガラスプレートを積層させて、400WV相当の簡易セルを作成した。
この簡易セルに、エチレングリコールを主溶媒とし、アゼライン酸を主溶質とする電解液を含浸し、実施例1のコンデンサ素子を完成させた。
(実施例2)
セパレータとしてポリイミド樹脂からなり、空隙率が70%であり、厚さが24μmの樹脂フィルムをセパレータとして用いた。その他は、実施例1のコンデンサ素子と同一方法及び同一条件で製作した。
(実施例3)
セパレータとしてポリイミド樹脂からなり、空隙率が60%であり、厚さが19μmの樹脂フィルムをセパレータとして用いた。その他は、実施例1のコンデンサ素子と同一方法及び同一条件で製作した。
(実施例4)
セパレータとしてポリイミド樹脂からなり、空隙率が55%であり、厚さが23μmの樹脂フィルムをセパレータとして用いた。その他は、実施例1のコンデンサ素子と同一方法及び同一条件で製作した。
(実施例5)
セパレータとしてポリイミド樹脂からなり、空隙率が50%であり、厚さが24μmの樹脂フィルムをセパレータとして用いた。その他は、実施例1のコンデンサ素子と同一方法及び同一条件で製作した。
なお、実施例1乃至5は及び比較例1の空隙は球形状空間が連通孔を介して連通した空隙構造であり、100nm〜2000nmの範囲の球径を有する球形状空間を有する多孔質ポリイミド系フィルムである。
(比較例1)
セパレータとしてポリイミド樹脂からなり、空隙率が45%であり、厚さが23μmの樹脂フィルムをセパレータとして用いた。その他は、実施例1のコンデンサ素子と同一方法及び同一条件で製作した。
(参考例1)
セパレータとしてクラフトからなり、空隙率が67%であり、厚さが30μmのものを用いた。その他は、実施例1のコンデンサ素子と同一方法及び同一条件で製作した。
(参考例2)
セパレータとしてクラフトからなり、空隙率が50%であり、厚さが20μmのものを用いた。その他は、実施例1のコンデンサ素子と同一方法及び同一条件で製作した。
(等価直列抵抗(ESR)の測定)
実施例1〜5、比較例1、参考例1及び参考例2のコンデンサ素子の等価直列抵抗を測定した。測定は、陽極箔の突出部と、陰極箔の露出部にLCRメータの端子を接続して行った。測定条件は、周囲温度を20℃、交流電圧レベルを1.0Vrmsの正弦波、測定周波数を100kHzとした。測定結果を以下の表1に示す。
Figure 2021163864
表1からも明らかな通り、実施例1乃至5の等価直列抵抗は低く抑えられているが、比較例1の等価直列抵抗は大きく劣化している。具体的には、空隙率が78.3〜51%、すなわち、空隙率が50%以上の多孔質ポリイミド樹脂フィルムをセパレータとして用いた実施例1乃至5については、等価直列抵抗が8Ω以下のコンデンサが得られる。一方、空隙率が47.6%、すなわち、空隙率が50%未満の多孔質ポリイミド樹脂フィルムをセパレータとして用いた比較例1については、等価直列抵抗が17.63Ωとなり、急激に上昇した。このことから、空隙率50%が、等価直列抵抗が急激に悪化する基点であることがわかる。
また表1から明らかな通り、略同一の空隙率を備える実施例2と参考例1を比較すると、参考例1のセパレータの厚みは、実施例2のセパレータの厚みの1.25倍であるが、等価直列抵抗は約1.84倍となる。
実施例1乃至5は、多孔質ポリイミドをセパレータとして用い、空隙率が50%以上に調整された電解コンデンサである。一方、比較例1は、実施例1乃至5と同じく多孔質ポリイミドのセパレータを用いてはいるが、空隙率は50%を若干下回っている。また、参考例1及び2は、実施例1乃至5と同じく空隙率が50%以上ではあるが、クラフトをセパレータとして用いている。これにより、セパレータの条件として、多孔質ポリイミドで、且つ空隙率を50%以上とすると、この条件に当てはまらない場合と比べて飛躍的に等価直列抵抗が低くなることが確認された。
このように、空隙率が50%以上の多孔質ポリイミドフィルムを用いた電解コンデンサは、従来と比べ等価直列抵抗が低くなり、許容リプル電流を大きくすることができる。このような電解コンデンサを電圧平滑回路に用いることで、電解コンデンサの並列接続数を低減することが可能であり、電力変換器の小型化に寄与する。
また、実施例2と参考例1との比較結果は、換言すれば、空隙率50%以上の多孔質ポリイミドのセパレータであると、厚み当たりの等価直列抵抗が低いことが示れている。したがって、セパレータの厚みと空隙率が同等の場合には、空隙率50%以上の多孔質ポリイミドのセパレータを用いた電解コンデンサでは、ある等価直列抵抗を実現するためのセパレータの厚さを薄くすることができる。そのため、電解コンデンサを小さくでき、電解コンデンサが並ぶ電圧平滑回路も小型化でき、電力変換器の小型化が可能になる。
また、実施例5の多孔質ポリイミドのセパレータと、参考例2のクラフトのセパレータは、ほぼ同じ空隙率である。但し、実施例5の多孔質ポリイミドのセパレータのほうが厚い。しかしながら、実施例5の多孔質ポリイミドのセパレータのほうが低い等価直列抵抗になっている。つまり、同程度の厚みのセパレータであれば、多孔質ポリイミドのセパレータを用いた電解コンデンサは、クラフトのセパレータを用いた電解コンデンサより低い等価直列抵抗を実現できることが確認された。
更には、実施例3と実施例4とを比較すると、似た空隙率であれば、セパレータの厚さが薄い実施例3の方が、等価直列抵抗が低くなっている。電解コンデンサに求められる等価直列抵抗によって、薄いセパレータを用いることによって、巻回型のコンデンサ素子は大型化せずに、電極箔をより多く収容できる。そのようにすることで、電解コンデンサの単位体積当たりの容量を向上さることができる。

Claims (3)

  1. 空隙率が50%以上の多孔質ポリイミド系フィルムからなるセパレータと、
    プロトン性の極性溶媒を含む電解液と、
    を備える電解コンデンサ。
  2. 前記多孔質ポリイミド系フィルムは、少なくとも一部が多孔質によって貫通している、
    請求項1記載の電解コンデンサ。
  3. 前記請求項1又は請求項2に記載の電解コンデンサを含む電圧平滑回路を備える電力変換器。
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