JP2009182275A - 電解コンデンサの駆動用電解液および電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサの駆動用電解液および電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】−40〜125℃の温度範囲で、電気特性、ヒートサイクル特性などにおいて、600V以上の電圧領域で動作保証が可能な電解コンデンサの駆動用電解液および電解コンデンサを提供する。
【解決手段】γ−ブチロラクトンを含む溶媒に、アゼライン酸N−メトキシエチルモルホリンをはじめとする、アルコキシアルキルモルホリンと有機カルボン酸の塩を溶解することにより、低温下における比抵抗増大が起こらず、高温下においても高い耐電圧を保つことができる電解液が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム電解コンデンサ用の駆動用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサに関するものであり、さらに詳しくは、アルミニウム電解コンデンサの高耐電圧化に関するものである。
電解コンデンサとは、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁金属と呼ばれる金属を電極に使用して、陽極酸化することで得られる酸化皮膜層を誘電体として利用するコンデンサのことである。これらの電解コンデンサのうち、アルミニウム電解コンデンサは、陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、電解液を含浸してなる。
ここで、電解液は、真の陰極として作用している。また、電解液は、酸化皮膜が電気的ストレスなどにより絶縁破壊を起こしたときに、電解液の化成能力により、酸化皮膜を成長させ、直ちに補修する機能を担っており、電解コンデンサの特性に大きな影響を与える重要な構成要素である。
また、電解液の比抵抗はそのままコンデンサの等価直列抵抗値に影響を与えるため、比抵抗を低くするための試みが常になされている。
従来、中高圧用電解コンデンサの電解液には、エチレングリコールを主溶媒とし、有機カルボン酸またはそのアンモニウム塩や、ホウ酸またはそのアンモニウム塩を溶解し、電解液の耐電圧を上昇させるため、マンニトール、ソルビトール等の多価アルコールを添加した電解液が用いられてきた(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、エチレングリコールは構造中に−OH基を持つため水素結合性が強く、低温環境下では粘度上昇が激しいため、主溶媒がエチレングリコールである電解液を用いた電解コンデンサは、低温環境下で電解液の比抵抗が増大する。それに伴い、特に−25℃以下の温度においては製品の等価直列抵抗値の上昇、静電容量の低下が顕著となるため、従来技術では−25℃を下回る温度での使用は不可能であった。
一方、電解液の低温における比抵抗増大を抑制する手段として、γ−ブチロラクトンを溶媒とする、いわゆるγ−ブチロラクトン系電解液が知られている(例えば、特許文献3、4参照)。
特公平7−48460号公報 特公平7−63047号公報 特開平6−36974号公報 特開平6−36975号公報
γ−ブチロラクトンは主に高周波数低インピーダンスの長寿命電解コンデンサに使用されている溶媒であり、エチレングリコールと比較して広い温度範囲で液粘度が低く、また、低温での粘度上昇も小さいため、低温での比抵抗増大を抑制する効果に優れている。
しかしながら、γ−ブチロラクトン系電解液は分子内に−OH基がなく、水素結合が形成されないため、分子内に−OH基が多数存在する電解紙への濡れ性が悪いという問題を有している。特に、中・高電圧の製品に用いられている高密度の電解紙に含浸した場合、製品の等価直列抵抗が著しく上昇する。
とはいえ、高耐電圧の製品にγ−ブチロラクトン系電解液を適用させるために電解紙を低密度紙(例えばレーヨン紙)に変更すると、コンデンサの耐電圧が著しく低下するため、高電圧の製品に使用できない。
また、γ−ブチロラクトンとエチレングリコールの混合溶媒系においては、初期においては安定した比抵抗値と耐電圧を有するが、高温下にて試験を行った場合、従来の溶質では、耐電圧の低下が著しく、ショートパンク発生が避けられないため、高耐電圧(特に400V以上)の製品には使用できない。
それ故、従来の溶質でγ−ブチロラクトン系電解液を構成しても、中高圧用の電解コンデンサでは、損失および耐電圧の面で実用的ではないという問題がある。
近年のハイブリッド自動車、燃料電池車等、インバータユニットを必要とする自動車の台頭は著しく、今後、電解コンデンサの市場は拡大の一途をたどると考えられるため、高圧用電解コンデンサには、より高い耐電圧を有しながら、−40〜125℃等の広い温度範囲で使用可能な特性を持ち、さらにより低い誘電損失や長期信頼性が求められている。これらの現状から、電解コンデンサに用いる電解液として、−40〜125℃の温度範囲において比抵抗の変化が小さく、かつ高温下における耐電圧安定性が高いものが求められている。
本発明は、上記の現状を鑑みてなされたものであり、−40〜125℃の温度範囲で、電気特性に優れ、400V以上の電圧範囲での動作保障が可能な電解コンデンサの駆動用電解液および電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明は、高温度下での長期にわたる使用後においても安定な耐電圧を保持できる電解コンデンサの駆動用電解液(以下、電解液という)を提供するもので、γ−ブチロラクトンと好ましくは1種以上のγ−ブチロラクトンと異なる溶媒とを混合して溶媒に用い、かつ、側鎖にアルキルエーテル基を持ったモルホリン類(以下、アルコキシアルキルモルホリンと称す)と有機カルボン酸との塩を主溶質とすることで、400Vを超える高耐電圧特性を持ち、広い温度範囲においても比抵抗変動が小さい電解液を提供しようとするものである。
すなわち、本発明に係る電解コンデンサの駆動用電解液は、γ-ブチロラクトンを含む溶媒中に、下式で表されるアルコキシアルキルモルホリンと有機カルボン酸との塩を溶解したことを特徴とする。
Figure 2009182275
アルコキシアルキルモルホリンとしては、N-メトキシメチルモルホリン、N-メトキシエチルモルホリン、N-メトキシプロピルモルホリン、N-エトキシメチルモルホリン、N-エトキシエチルモルホリン、N-エトキシプロピルモルホリン、N-プロポキシメチルモルホリン、N-プロポキシエチルモルホリン、N-プロポキシプロピルモルホリン等が挙げられる。
これらのアルコキシアルキルモルホリンのうち、最も好適なものは、N−メトキシエチルモルホリンである。
本発明において、アルコキシアルキルモルホリンと組み合わせる有機カルボン酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン酸、安息香酸、2−メチルアゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、7−ビニルヘキサデカン−1,16−ジカルボン酸等の有機カルボン酸を例示することができる。また、使用温度、電圧等の用途区分に応じて2種またはそれ以上の有機カルボン酸を使用してもよい。
本発明において、前記のアルコキシアルキルモルホリンと有機カルボン酸との塩を電解液全体に対して5.0〜20.0重量%溶解することが好ましい。塩の濃度が低すぎると目的とする比抵抗が得られず、高すぎると低温下で溶質が析出するおそれがあり、また、耐電圧の低下が著しくなる。
本発明において、前記γ-ブチロラクトンが電解液全体に対して25.0重量%以上配合されていることが好ましい。γ−ブチロラクトンの濃度が25.0重量%未満では、−40℃において低い比抵抗を得ることができないためである。
本発明においては、γ-ブチロラクトンに混合する溶媒として、アルコール類、エーテル類、アミド類、オキサゾリジノン類、γ-ブチロラクトン以外のラクトン類、ニトリル類、カーボネート類、およびスルホン類からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の溶媒を含むことが好ましい。
アルコール類として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミルアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ヘキシトール等が挙げられる。
エーテル類として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
アミド類として、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等が挙げられる。
オキサゾリジノン類として、N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン等が挙げられる。
γ-ブチロラクトン以外のラクトン類として、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
ニトリル類として、アセトニトリル、アクリロニトリル、アジポニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等が挙げられる。
カーボネート類として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
スルホン類として、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等が挙げられる。
その他の混合溶媒としては、水、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トルエン、キシレン、パラフィン類、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールおよびその共重合体(以下、ポリアルキレングリコール)等の高分子量体が挙げられる。
上記のγ−ブチロラクトンと混合する溶媒のうちで、特に好適なものは、エチレングリコールである。
本発明では、必要により、添加剤を配合してもよい。添加剤を加える目的は多岐にわたるが、例えば、熱安定性の向上、水和などの電極劣化の抑制、耐電圧の向上、ガス発生の抑制、ハロゲン化物に対する耐性の付与等が挙げられる。添加剤の含有量は特に制限はないが、0.01〜20.0重量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜10.0重量%の範囲である。
上記の添加剤の例として、p−ニトロフェノール、m−ニトロアセトフェノン、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロベンジルアルコール、p−ニトロクレゾール、p−ニトロトルエン等のニトロ化合物、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸ブチル、リン酸イソプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル等のリン酸化合物、ホウ酸およびその錯化合物等のホウ酸化合物、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、コロイダルシリカ、アルミノシリケート、シリコーン化合物(例えば、反応性シリコーンであるヒドロキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン等)やシランカップリング剤(例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等)等のケイ素化合物が挙げられる。
さらに、本発明に用いられる電解液は、ラジカル重合性モノマー(例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル系モノマー、ポリエチレングリコールジメタアクリレート等のジビニル系モノマー等)を重合開始剤(例えば、ジベンゾイルパーオキシド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等)によって重合し、ゲル状電解質を形成させてもよい。
アルコキシアルキルモルホリンは、その環状構造により、同分子量の他のアミン種と比較して使用した電解液の耐電圧が高い。
また、モルホリン環およびその側鎖基中に有するエーテル構造により適度な極性を有しており、高温下における蒸散性が低いため、高温安定性が高く、かつ、低温における粘度上昇が小さいため、低温下における電導度の低下が小さいなど、広い温度範囲で良好な特性を示すことができる。
すなわち、本発明によれば、−40〜125℃の温度範囲で、低温側での比抵抗(等価直列抵抗)、高温側での高耐電圧特性、低インピーダンス特性などの電気特性を保証でき、かつ、高温放置試験においても静電容量、tanδ、耐電圧特性が安定した電解コンデンサを提供することができる。
本発明が適用される電解コンデンサの基本的な構造についての詳細な説明は省略するが、電解コンデンサでは、エッチング処理および酸化皮膜形成処理を施した陽極箔と、エッチング処理を施した陰極箔とを、電解紙等のセパレータを介して巻回したコンデンサ素子が用いられている。
エッチング処理では、アルミニウム箔に対して、酸性溶液中での化学的エッチングや電気化学的エッチングを行い、電極箔の表面を拡大する。また、酸化皮膜形成処理では、リン酸やホウ酸などのアンモニウム塩を配合した水溶液中での陽極酸化を行う。なお、陰極箔の表面には、気中酸化皮膜や薄い陽極酸化皮膜が形成されていることもある。かかるコンデンサ素子は、駆動用電解液が含浸された後、有底筒状の外装ケースに収納される。その際、外装ケースの開口部に対して絞り加工を施し、外装ケースの開口部を弾性封口体より封止する。
このような電解コンデンサを作製するにあたって、本形態では、γ−ブチロラクトンまたはγ-ブチロラクトンと1種以上の溶媒とを含む溶媒中に、アルコキシアルキルモルホリンと有機カルボン酸との塩を溶解した電解液を用いる。
ここで、前記のアルコキシアルキルモルホリンと有機カルボン酸との塩を電解液全体に対して5.0〜20.0重量%含むことが好ましく、溶媒は、γ-ブチロラクトンを電解液全体に対して25.0重量%以上含むことが好ましい。
また、電解液は、混合溶媒として、アルコール類、エーテル類、アミド類、オキサゾリジノン類、ラクトン類、ニトリル類、カーボネート類、またはスルホン類を含んでいることが好ましく、さらに、ニトロ化合物、リン酸化合物、ホウ酸化合物、多価アルコール類、ケイ素化合物などの添加剤が配合されることが好ましい。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
まず、表1および表2に示す組成にて電解液を調製し、30℃と−40℃における比抵抗測定を行い、上記組成の電解液による電解コンデンサの作製、および耐電圧の評価を行った。
電解コンデンサを作製するにあたっては、陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に電解液を含浸した後、該素子をアルミニウムケースに収納して弾性封口体で封止した。
耐電圧の評価にあたっては、電解コンデンサに10mAの定電流を125℃にて印加したときの時間−電圧の上昇カーブを測定し、初めにスパークまたはシンチレーションが観測された電圧値を測定し、これを初期耐電圧とした。使用した電解コンデンサ素子は、ケースサイズφ35×50L、定格電圧650V(陽極箔の耐電圧820V)、静電容量120μF用の素子である。
次に、上記の電解コンデンサを125℃恒温条件下に放置し、2000時間を経過した後、上述の初期耐電圧測定方法と同様の手段により耐電圧を測定した。これを125℃、2000時間放置後の耐電圧とした。
Figure 2009182275
Figure 2009182275
表1、2から明らかなように、実施例1〜34は、エチレングリコールのみを溶媒とした従来例1と比較し、125℃2000時間放置後耐電圧の低下を抑制しながら、比抵抗変化率が低く優れていることが分かる。
また、γ−ブチロラクトンとエチレングリコールとの混合溶媒とした従来例2は、比抵抗変化率を従来例1より低減でき、初期耐電圧も高いが、125℃2000時間放置後耐電圧が大きく低下しており、信頼性に問題があることが分かる。
ここで、γ−ブチロラクトンとエチレングリコールとの混合量について検討すると、γ−ブチロラクトンが20.0重量%(実施例1)では、−40℃での比抵抗が高いことから、γ−ブチロラクトンの含有量が25.0重量%以上であれば、−40℃での比抵抗を低くすることができる。
また、溶媒がγ−ブチロラクトンのみの場合(実施例8)も、−40℃での比抵抗が高いことから、γ−ブチロラクトンを含む混合溶媒とすることが好ましい。
次に、アルコキシアルキルモルホリンと有機カルボン酸との塩の溶解量について検討すると、溶解量が1.0重量%(実施例9)では−40℃での比抵抗が高く、30.0重量%(実施例13)では、初期耐電圧が低下するので、アルコキシアルキルモルホリンと有機カルボン酸との塩の溶解量は、5.0〜20.0重量%が好ましい。
また、本発明による比抵抗、耐電圧への効果は、実施例7、14〜21より、組み合わせるアルコキシアルキルモルホリンの種類によらず現れ、また、実施例7、22〜31より、組み合わせる有機カルボン酸の種類によらず現れている。
さらに、実施例32〜34より、本発明による比抵抗、耐電圧への効果は、2種の有機カルボン酸を混合した場合にも現れており、使用温度、電圧等の用途区分に応じて使い分けることができる。
次に、表1および表2に示す組成のうち、実施例7、14、15、17、19、25、29、33および従来例2の電解液を用い、ケースサイズφ35×50L、定格電圧400V(陽極箔の耐電圧610V)、静電容量400μFの電解コンデンサを作製し、初期静電容量およびtanδの値を測定した後、125℃恒温条件下にて放置し、3000時間後、静電容量およびtanδの値を測定し、初期特性と比較したときの変化率を求めた。その結果を表3に示す。
Figure 2009182275
表3に示す実施例7、14、15、17、19、25、29、33、および従来例2について、125℃無負荷放置後の静電容量およびtanδの変化率を比較すると、従来例2はカチオン種であるトリエチルアミンの揮散の影響により静電容量およびtanδの倍率が大幅に変化しているのに対し、カチオンにN−メトキシエチルモルホリンを使用した上記8つの実施例は、放置試験後もカチオンの揮散の発生が少ないため、静電容量およびtanδの変化が安定していることが分かる。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、先に記載した各種化合物を単独または複数溶解した電解液に用いることができ、また、いずれの構造の電解コンデンサにおいても同様の効果を得ることができた。

Claims (8)

  1. γ-ブチロラクトンを含む溶媒中に、下式で示されるアルコキシアルキルモルホリンと有機カルボン酸との塩を溶解したことを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液。
    Figure 2009182275
  2. 前記のアルコキシアルキルモルホリンと有機カルボン酸との塩を電解液全体に対して5.0〜20.0重量%溶解したことを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  3. 前記アルコキシアルキルモルホリンが、N-メトキシメチルモルホリン、N-メトキシエチルモルホリン、N-メトキシプロピルモルホリン、N-エトキシメチルモルホリン、N-エトキシエチルモルホリン、N-エトキシプロピルモルホリン、N-プロポキシメチルモルホリン、N-プロポキシエチルモルホリン、N-プロポキシプロピルモルホリンであることを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  4. 前記アルコキシアルキルモルホリンと組み合わせる有機カルボン酸が、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン酸、安息香酸、2−メチルアゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、7−ビニルヘキサデカン−1,16−ジカルボン酸の1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  5. 前記γ-ブチロラクトンが電解液全体に対して25.0重量%以上配合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  6. 前記γ-ブチロラクトンに混合する溶媒が、アルコール類、エーテル類、アミド類、オキサノリジノン類、ラクトン類、ニトリル類、カーボネート類、およびスルホン類からなる群より選ばれる1種以上の溶媒であることを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  7. さらに、ニトロ化合物、リン酸化合物、ホウ酸化合物、多価アルコール類、およびケイ素化合物からなる群より選ばれる1種以上の添加剤を溶解したことを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の駆動用電解液がコンデンサ素子に含浸されていることを特徴とする電解コンデンサ。
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