JP2009182275A - 電解コンデンサの駆動用電解液および電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】γ−ブチロラクトンを含む溶媒に、アゼライン酸N−メトキシエチルモルホリンをはじめとする、アルコキシアルキルモルホリンと有機カルボン酸の塩を溶解することにより、低温下における比抵抗増大が起こらず、高温下においても高い耐電圧を保つことができる電解液が得られる。
【選択図】なし
Description
ここで、電解液は、真の陰極として作用している。また、電解液は、酸化皮膜が電気的ストレスなどにより絶縁破壊を起こしたときに、電解液の化成能力により、酸化皮膜を成長させ、直ちに補修する機能を担っており、電解コンデンサの特性に大きな影響を与える重要な構成要素である。
また、電解液の比抵抗はそのままコンデンサの等価直列抵抗値に影響を与えるため、比抵抗を低くするための試みが常になされている。
とはいえ、高耐電圧の製品にγ−ブチロラクトン系電解液を適用させるために電解紙を低密度紙(例えばレーヨン紙)に変更すると、コンデンサの耐電圧が著しく低下するため、高電圧の製品に使用できない。
また、γ−ブチロラクトンとエチレングリコールの混合溶媒系においては、初期においては安定した比抵抗値と耐電圧を有するが、高温下にて試験を行った場合、従来の溶質では、耐電圧の低下が著しく、ショートパンク発生が避けられないため、高耐電圧(特に400V以上)の製品には使用できない。
それ故、従来の溶質でγ−ブチロラクトン系電解液を構成しても、中高圧用の電解コンデンサでは、損失および耐電圧の面で実用的ではないという問題がある。
上記の添加剤の例として、p−ニトロフェノール、m−ニトロアセトフェノン、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロベンジルアルコール、p−ニトロクレゾール、p−ニトロトルエン等のニトロ化合物、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸ブチル、リン酸イソプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル等のリン酸化合物、ホウ酸およびその錯化合物等のホウ酸化合物、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、コロイダルシリカ、アルミノシリケート、シリコーン化合物(例えば、反応性シリコーンであるヒドロキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン等)やシランカップリング剤(例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等)等のケイ素化合物が挙げられる。
また、モルホリン環およびその側鎖基中に有するエーテル構造により適度な極性を有しており、高温下における蒸散性が低いため、高温安定性が高く、かつ、低温における粘度上昇が小さいため、低温下における電導度の低下が小さいなど、広い温度範囲で良好な特性を示すことができる。
エッチング処理では、アルミニウム箔に対して、酸性溶液中での化学的エッチングや電気化学的エッチングを行い、電極箔の表面を拡大する。また、酸化皮膜形成処理では、リン酸やホウ酸などのアンモニウム塩を配合した水溶液中での陽極酸化を行う。なお、陰極箔の表面には、気中酸化皮膜や薄い陽極酸化皮膜が形成されていることもある。かかるコンデンサ素子は、駆動用電解液が含浸された後、有底筒状の外装ケースに収納される。その際、外装ケースの開口部に対して絞り加工を施し、外装ケースの開口部を弾性封口体より封止する。
ここで、前記のアルコキシアルキルモルホリンと有機カルボン酸との塩を電解液全体に対して5.0〜20.0重量%含むことが好ましく、溶媒は、γ-ブチロラクトンを電解液全体に対して25.0重量%以上含むことが好ましい。
また、電解液は、混合溶媒として、アルコール類、エーテル類、アミド類、オキサゾリジノン類、ラクトン類、ニトリル類、カーボネート類、またはスルホン類を含んでいることが好ましく、さらに、ニトロ化合物、リン酸化合物、ホウ酸化合物、多価アルコール類、ケイ素化合物などの添加剤が配合されることが好ましい。
電解コンデンサを作製するにあたっては、陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に電解液を含浸した後、該素子をアルミニウムケースに収納して弾性封口体で封止した。
耐電圧の評価にあたっては、電解コンデンサに10mAの定電流を125℃にて印加したときの時間−電圧の上昇カーブを測定し、初めにスパークまたはシンチレーションが観測された電圧値を測定し、これを初期耐電圧とした。使用した電解コンデンサ素子は、ケースサイズφ35×50L、定格電圧650V(陽極箔の耐電圧820V)、静電容量120μF用の素子である。
次に、上記の電解コンデンサを125℃恒温条件下に放置し、2000時間を経過した後、上述の初期耐電圧測定方法と同様の手段により耐電圧を測定した。これを125℃、2000時間放置後の耐電圧とした。
また、γ−ブチロラクトンとエチレングリコールとの混合溶媒とした従来例2は、比抵抗変化率を従来例1より低減でき、初期耐電圧も高いが、125℃2000時間放置後耐電圧が大きく低下しており、信頼性に問題があることが分かる。
また、溶媒がγ−ブチロラクトンのみの場合(実施例8)も、−40℃での比抵抗が高いことから、γ−ブチロラクトンを含む混合溶媒とすることが好ましい。
Claims (8)
- 前記のアルコキシアルキルモルホリンと有機カルボン酸との塩を電解液全体に対して5.0〜20.0重量%溶解したことを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
- 前記アルコキシアルキルモルホリンが、N-メトキシメチルモルホリン、N-メトキシエチルモルホリン、N-メトキシプロピルモルホリン、N-エトキシメチルモルホリン、N-エトキシエチルモルホリン、N-エトキシプロピルモルホリン、N-プロポキシメチルモルホリン、N-プロポキシエチルモルホリン、N-プロポキシプロピルモルホリンであることを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
- 前記アルコキシアルキルモルホリンと組み合わせる有機カルボン酸が、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン酸、安息香酸、2−メチルアゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、7−ビニルヘキサデカン−1,16−ジカルボン酸の1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
- 前記γ-ブチロラクトンが電解液全体に対して25.0重量%以上配合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
- 前記γ-ブチロラクトンに混合する溶媒が、アルコール類、エーテル類、アミド類、オキサノリジノン類、ラクトン類、ニトリル類、カーボネート類、およびスルホン類からなる群より選ばれる1種以上の溶媒であることを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
- さらに、ニトロ化合物、リン酸化合物、ホウ酸化合物、多価アルコール類、およびケイ素化合物からなる群より選ばれる1種以上の添加剤を溶解したことを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の駆動用電解液がコンデンサ素子に含浸されていることを特徴とする電解コンデンサ。
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