JPWO2018131164A1 - 温度センサ - Google Patents
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Abstract
Description
温度センサとして種々の形態が存在するが、例えば特許文献1に記載されるように、センサ本体と、センサ本体を装着するセンサ取付端子と、センサ本体から延出されたリード線と、を備える温度センサが知られている。この温度センサは、温度によって抵抗値が変化するという特性を有するサーミスタがセンサ本体を構成する。
特許文献1に記載される温度センサは、センサ取付端子に形成されたネジ取付孔を介して、測定対象物にねじ止めにより固定される。
また、特許文献1に記載される温度センサは、リード線の先端に取り付けられたコネクタを介して、温度を検知するための回路に電気的に接続され、リード線が当該回路との電気的な接続を担う。
しかし、温度センサを例えば回路基板に実装する際の工程を少なくすることで、作業負担を軽減することが好ましい。
そこで本発明は、装着対象物に実装する際の作業負担を軽減できる温度センサを提供することを課題とする。
リードフレームは、電線に比べて剛性が高いので、ケースを装着対象物に位置合わせして装着するだけで、リードフレームを例えば回路基板の挿通孔へ挿入できる。したがって、本発明の温度センサによれば、回路基板に実装する際の作業工程を減らすことができ、作業効率を向上させることができる。
また、リードフレームは、電線のようにその先端を挿通孔に挿入するため長さに余裕を持たせる必要がないため、回路基板の周囲のスペースを占めることがなく、省スペース化を図ることができる。
[第1実施形態]
温度センサ1は、図1及び図2に示すように、感温素子10と、感温素子10を収容するケース20と、感温素子10と電気的に接続されるリードフレーム40と、ケース20に収容される感温素子10とリードフレーム40をケース20に保持する充填材50と、を備えている。
第1実施形態に係る温度センサ1は、図1(b)に示すように、装着対象物である回路基板90との電気的な接続をリードフレーム40が担うところに特徴を有する。以下、温度センサ1の各構成要素について順に説明する。
なお、温度センサ1において、ケース20のラグ端子部31が設けられる側を前(F)と定義し、その逆側でリードフレーム40が引き出される側を後(R)と定義する。また、温度センサ1において、長手方向L、幅方向W及び高さ方向Hを、図1に示す通りに定義する。
感温素子10は、図2に示すように、素子本体11と、素子本体11から引き出される一対のリード線12,12と、を備える。
素子本体11は、好ましくはサーミスタ(thermistor)からなる。サーミスタは、温度変化に対して電気抵抗の変化が大きい特性を有し、温度が上がると抵抗値が下がるNTC(negative temperature coefficient)サーミスタと、ある温度まで抵抗値が一定で、ある温度を境に急激に抵抗値が高くなるPTC(positive temperature coefficient)サーミスタがある。素子本体11としては、サーミスタに限らず、他の公知の感温素子を用いることができる。
リード線12,12は、素子本体11とリードフレーム40を電気的に接続する。リード線12,12としては、典型的にはジュメット線(Dumet wire)が用いられるが、他の電線を用いることもできる。なお、ジュメット線は、中心に鉄ニッケル合金を配し、外層に導電率の良い銅をクラッドした複合線である。
感温素子10は、ガラスからなる封止体13を備え、素子本体11と、素子本体11と接続されるリード線12,12の所定範囲とが封止体13により覆われる。
次に、ケース20について、図1及び図2を参照して説明する。
ケース20は、二つの機能を有している。第一の機能は、感温素子10とリードフレーム40の一部とを収容する機能であり、第二の機能は、温度センサ1を測定対象物に固定するとともに、測定対象物と接触する部位から測定対象物の熱を感温素子10に向けて伝達する機能である。
なお、ケース20は、金属板に打ち抜き加工、折り曲げ加工などの機械加工を施すことにより、収容保持部21とラグ端子部31が一体的に形成されている。熱伝達の機能を担保するために、ケース20は熱伝達率の高い金属材料、例えばアルミニウム合金、銅合金から構成されることが好ましい。
収容保持部21は、支持壁22と、支持壁22に対向する側壁23,23と、前壁27とによって取り囲まれる収容空間28を備え、この収容空間28は、側壁23,23と前壁27の先端部が開放されているとともに、側壁23,23と支持壁22の後端側が開放されている。感温素子10及びリードフレーム40の一部は、この収容空間28に収容されるとともに、充填材50を介して収容保持部21に保持される。
ねじ孔32を介してねじを測定対象物にねじ込むことにより、温度センサ1を測定対象物に固定するとともに、伝熱面33を測定対象物に密着できる。測定対象物と接する伝熱面33は回路基板90と平行をなす。
ラグ端子部31は、支持壁22から前方に向けて延設された連結部29により収容保持部21と繋がっており、温度センサ1を測定対象物に固定すれば、連結部29及び支持壁22も熱を伝える機能を果たす。
リードフレーム40は、図2(a),(b)に示すように、感温素子10の一対のリード線12,12と電気的に接続される。また、リードフレーム40は、回路基板90に形成された挿通孔93に挿入されることで回路基板90に固定されるとともに、回路基板90の対応する回路部分と電気的に接続される。
リードフレーム40は、図1(a),図2(b)に示すように、リード線12,12のそれぞれ一方に対応する第一端子41と第二端子45を備えている。第一端子41と第二端子45は、互いに対称の形状をなしていることを除く基本的な構成は同じであるから、以下では第一端子41についてその構成を説明する。
なお、第一端子41及び第二端子45の材質はその目的を達成できる限り任意であるが、例えば電気伝導度の優れる銅、銅合金を用いることができる。また、第一端子41及び第二端子45の表面に表面処理、例えばメッキを施すこともできる。
接続部42は真っ直ぐに延びており、図2(a)に示すように、その上下の一方の面、本実施形態では図中の上面にリード線12が載せられることで、接続部42とリード線12が電気的に接続される。接続部42とリード線12は、電気的な接続を確保するために、互いに重複する部分の一部または全部が溶接、その他の手段により接合されることが好ましい。
開脚部43は、接続部42に対して所定の傾斜角度を有して連なっており、幅方向Wの外側に向けて拡開する。こうすることで、図1(a),図2(b)に示すように、第一端子41の開脚部43と第二端子45の開脚部43の間隔を後側に向けて広げることができる。
挿入部44は、回路基板90に形成された挿通孔93に挿入するために、接続部42及び開脚部43に対して直交するように、折り曲げられる。挿入部44の先端は、回路基板90に形成された挿通孔93に挿入しやすいようにテーパ状にすることが好ましい。
充填材50は、図2(a)に示すように、収容保持部21の収容空間28において、感温素子10のリード線12,12とリードフレーム40(第一端子41と第二端子45)の接続部42,42の接続部分の少なくとも一部を覆うとともに、感温素子10とリードフレーム40を収容保持部21に保持する。
酸化アルミニウムの粒子は、充填材50を構成する樹脂が溶融する際に、樹脂の中で沈降しないように、球状ではなく、リーフ状、薄板状に形成されているのが好ましい。
添加剤としては、酸化アルミニウムに限るものではなく、例えば、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)等のアルミニウム化合物、又は酸化チタン(TiO2)等のチタン化合物を用いることができる。
第一端子41と第二端子45は、リード線12,12と電気的な接続を保ったままで充填材50に覆われる。第一端子41と第二端子45もまた、支持壁22、側壁23,23及び前壁27のそれぞれから所定の間隔を隔てて、収容空間28の内部に保持される。
充填材50は、リード線12,12の先端まで覆うことが、リード線12,12とリードフレーム40(第一端子41と第二端子45)の接続状態を確保する上で好ましい。ただし、図2(b)に示すようにリード線12,12の先端の微小量が露出していてもよい。
次に、温度センサ1を製造する手順について、図3を参照して説明する。
この製造方法は、接続工程、被覆工程、配置工程、充填工程及び硬化工程を有している。
なお、当該製造方法において、ケース20は、図4に示すように、ラグ端子部31の側でキャリア34を介して複数のケース20の前駆体が並列に繋がっている部材として提供される。図示を省略するが、リードフレーム40も、接続部42の側でキャリアを介して並列に繋がっている部材として提供される。
本工程は、感温素子10とリードフレーム40を電気的に接続する工程である。
具体的には、まず、キャリアにより繋がった複数のリードフレーム40の挿入部44の側を、図示を省略する冶具で固定し、その状態でキャリアを切り離す。キャリアを切り離しても、複数のリードフレーム40は、治具により固定されているので、整列した状態が維持される。
そして、感温素子10のリード線12をリードフレーム40の接続部42に載せて接触させた状態で、リード線12と接続部42を溶接により接続する。
次に、感温素子10とリードフレーム40の一部を充填材50により構成される内層51で被覆する。
具体的には、感温素子10とリードフレーム40の一部を、図示を省略するエポキシ樹脂槽に浸漬することで、感温素子10とリードフレーム40の一部に内層51をなすエポキシ樹脂を付着させる。エポキシ樹脂槽から引き揚げた後に、付着したエポキシ樹脂を加熱することにより硬化させて、内層51を形成する。リード線12は内層51によりほとんどが覆い隠されるので、硬化した内層51によりリード線12を含めた感温素子10は、リードフレーム40に高い剛性をもって接合される。
次に、内層51が形成された感温素子10とリードフレーム40は、ケース20の収容保持部21の所定位置に配置される。
具体的には、ラグ端子部31及びラグ端子部31を繋いでいるキャリア34を、図示を省略する冶具により固定する。次に、収容保持部21に、リードフレーム40の挿入部44が上になるようにして、内層51が形成された部分とリードフレーム40の一部を収容保持部21内に収容する。内層51とリードフレーム40は、収容保持部21の支持壁22、側壁23及び前壁27と接触しない位置に保持される。
次に、収容保持部21に、外層53を構成するエポキシ樹脂を充填してから硬化させることで、充填材50を形成する。
具体的には、収容保持部21に保持されている感温素子10とリードフレーム40の上に外層53をなす固体状のエポキシ樹脂を載せる。エポキシ樹脂を載せるのは室温で行われる。
次に、外層53をなすエポキシ樹脂を加温して粘度を下げることで、収容保持部21と内層51の間の隙間にエポキシ樹脂を行き渡らせる。ここで、ケース20には、脱気孔30が設けられているので、エポキシ樹脂が充填される際に、収容空間28の空気が外部に排出され、収容空間28の内部にエポキシ樹脂を行き渡らせることができる。
その後、ラグ端子部31の側と繋がっているキャリア34をケース20から切り離す。これで、本実施形態の温度センサ1の一連の製造方法が完了する。
以下、本実施形態の温度センサ1及びその製造方法が奏する効果について説明する。
温度センサ1は、図1及び図2に示すように、リードフレーム40と、測定対象物と接触する伝熱面33を有するケース20を有しており、リード線12によって感温素子10に接続されるリードフレーム40が回路基板90との電気的な接続を担う。しかも、リードフレーム40は充填材50によりケース20に強固に固定される。
したがって、温度センサ1を回路基板90に実装する際の作業負担を軽減することができる。つまり、特許文献1のように感温素子10の回路基板90との電気的な接続をリード線12が担うものとすると、ケース20を回路基板90に設置する工程の他に、リード線12の先端を回路基板90に形成された挿通孔93に挿入する工程が必要になる。これに対し温度センサ1は、リードフレーム40が充填材50を介してケース20に強固に固定されている。リードフレーム40は、電線に比べて剛性が高いので、ケース20から挿通孔93までの距離に合わせたものが用いられていれば、ケース20を回路基板90の切り込み91に位置合わせして装着するだけで、リードフレーム40を回路基板90の挿通孔93へ挿入される。したがって、温度センサ1は、回路基板90に実装する際の作業工程を減らすことができ、作業効率を向上させることができる。
また、電線を用いる場合は、温度センサ1を回路基板90に実装する際に、電線の先端を挿通孔93に挿入するのに、電線の長さにある程度余裕を持たせる必要がある。このため、電線を配線した後にも、長さに余裕を持たせた分だけ、回路基板90の周囲のスペースを占める。これに対し、リードフレーム40は、電線のように余裕を持たせる必要がないため、回路基板90の周囲のスペースを占めることがなく、省スペース化を図ることができる。
特に、前方支持体25と後方支持体26は、接続体24の前側と後側とで所定の間隔をあけて複数の箇所に設けられているので、支持壁22と回路基板90の平行な状態を安定して得ることができる。
したがって温度センサ1によれば、回路基板90にリフロー方式で半田付けされても、ケース20と充填材50の間に隙間ができたり、充填材50に亀裂が入ったりするのを防止できるので、充填材50を介する素子本体11への伝熱性能の低下を防ぐことができる。
図5は、第1実施形態の変形例を示す。
この変形例にかかる温度センサ1は、ケース20に前方支持体25を設ける代わりに、ラグ端子部31に前方支持体35を設けている。
具体的には、図5(a)に示すように、ラグ端子部31の前端寄りに、一対の前方支持体35,35が設けられている。それぞれの前方支持体35は、図5(b)に示すように、ラグ端子部31とその側面で繋がっており、高さ方向Hにケース20の後方支持体26と同じ向きに立ち上がっている。前方支持体35の先端は、後方支持体26と同じ高さになっている。
次に、本発明の第2実施形態に係る温度センサ2について、図6を参照して説明する。
温度センサ2は、図6(a)に示すように、ケース80に保持されるリードフレーム60が、第1実施形態の温度センサ1よりも長く、かつ、平面視して、第一端子41と第二端子45が前端から後端まで平行に延びている。なお、第2実施形態において第1実施形態と同様の構成要素には、第1実施形態と同じ符号を用いる。以下、温度センサ2について、温度センサ1との相違点を中心に説明する。
10 感温素子
11 素子本体
12 リード線
13 封止体
20 ケース
21 収容保持部
22 支持壁
23 側壁
24 接続体
25 前方支持体
251 当接面
26 後方支持体
27 前壁
28 収容空間
29 連結部
30 脱気孔
31 ラグ端子部
32 ねじ孔
33 伝熱面
34 キャリア
35 前方支持体
40 リードフレーム
41 第一端子
42 接続部
43 開脚部
44 挿入部
45 第二端子
50 充填材
51 内層
53 外層
60 リードフレーム
61 第一水平部
62 第一垂直部
63 第二水平部
64 第二垂直部
70 スペーサ
90 回路基板
91 切込み
92 外枠
93 挿通孔
H 高さ方向
L 長手方向
W 幅方向
リードフレームは、電線に比べて剛性が高いので、ケースを装着対象物に位置合わせして装着するだけで、リードフレームを例えば回路基板の挿通孔へ挿入できる。したがって、本発明の温度センサによれば、回路基板に実装する際の作業工程を減らすことができ、作業効率を向上させることができる。
また、リードフレームは、電線のようにその先端を挿通孔に挿入するため長さに余裕を持たせる必要がないため、回路基板の周囲のスペースを占めることがなく、省スペース化を図ることができる。
また、ケースが伝熱面を備えるラグ端子を備えることによって、伝熱面を測定対象物に密着できるので、測定対象物の温度を正確に測定することができる。
Claims (8)
- 素子本体と、前記素子本体から引き出される一対のリード線と、を有する感温素子と、
前記感温素子を収容し、温度の測定対象物に接する伝熱面を有するケースと、
前記リード線のそれぞれと電気的に接続され、前記ケースから引き出される一対のリードフレームと、
前記ケースに収容される前記感温素子と前記リードフレームとを覆い、前記接続の状態を維持して前記感温素子と前記リードフレームを前記ケースに保持する充填材と、
を備えることを特徴とする温度センサ。 - 前記充填材は、
前記ケースの内部において、または、前記ケースの内部と外部において、前記リード線と前記リードフレームの接続部分の少なくとも一部を覆う、
請求項1に記載の温度センサ。 - 前記ケースは、
前記充填材を取り囲む、
請求項1又は請求項2に記載の温度センサ。 - 前記ケースは、
前記測定対象物に前記ケースを固定し、前記伝熱面を有するラグ端子を備える、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の温度センサ。 - 前記温度センサは、
装着対象物に装着されて前記測定対象物の温度を測定し、
前記ケースは、
前記伝熱面と対向する側に、前記装着対象物との接続を担う接続体を備える、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の温度センサ。 - 前記ケースは、
前記装着対象物と前記伝熱面の相対的な位置関係を規制する支持体を備える、
請求項4又は請求項5に記載の温度センサ。 - 前記支持体は、
前記リードフレームが引き出される前後方向であって、前記接続体を挟む複数の箇所に設けられる、
請求項6に記載の温度センサ。 - 一対の前記リードフレームは、相互の間隔を維持するスペーサを備える、
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の温度センサ。
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