JPWO2018110148A1 - 消臭剤 - Google Patents

消臭剤 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2018110148A1
JPWO2018110148A1 JP2018556250A JP2018556250A JPWO2018110148A1 JP WO2018110148 A1 JPWO2018110148 A1 JP WO2018110148A1 JP 2018556250 A JP2018556250 A JP 2018556250A JP 2018556250 A JP2018556250 A JP 2018556250A JP WO2018110148 A1 JPWO2018110148 A1 JP WO2018110148A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
hydroxy
deodorant
mass
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018556250A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7159871B2 (ja
Inventor
悠平 村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIKEN PERFUMERY HOLDINGS CO., LTD.
Original Assignee
RIKEN PERFUMERY HOLDINGS CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RIKEN PERFUMERY HOLDINGS CO., LTD. filed Critical RIKEN PERFUMERY HOLDINGS CO., LTD.
Publication of JPWO2018110148A1 publication Critical patent/JPWO2018110148A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7159871B2 publication Critical patent/JP7159871B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L9/00Disinfection, sterilisation or deodorisation of air
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L9/00Disinfection, sterilisation or deodorisation of air
    • A61L9/01Deodorant compositions
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/74General processes for purification of waste gases; Apparatus or devices specially adapted therefor
    • B01D53/86Catalytic processes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J31/00Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds
    • B01J31/26Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds containing in addition, inorganic metal compounds not provided for in groups B01J31/02 - B01J31/24
    • B01J31/28Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds containing in addition, inorganic metal compounds not provided for in groups B01J31/02 - B01J31/24 of the platinum group metals, iron group metals or copper
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J35/00Catalysts, in general, characterised by their form or physical properties
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J35/00Catalysts, in general, characterised by their form or physical properties
    • B01J35/30Catalysts, in general, characterised by their form or physical properties characterised by their physical properties

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

アンモニアやアミン類を再放出させることなく根本的に除去することのできる消臭剤を提供することを課題とする。更に、これらのガスに加えて、アルデヒド類、硫化水素、メルカプタン類についても効果を発揮する消臭剤を提供することを課題とする。水と、ヒドロキシ酸又はケト酸であるカルボン酸と、該カルボン酸と結合することにより水溶性となる金属塩(特に、酸化亜鉛等の亜鉛塩)とを含有させることにより、アンモニアやアミン類に対する消臭効果を発揮するようにした。更に、ヒドラジド化合物や、多価アルコール又はその誘導体等を含有させることにより、アルデヒド類に対する消臭効果を発揮するようにした。

Description

本発明は、消臭剤に関し、更に詳しくは、安全性の高い成分のみを使用し、様々な悪臭(特に、アンモニアやアミン類)に対して消臭効果を発揮する消臭剤に関する。
日常生活において発生する様々な臭気は、アンモニアやアミン類等の窒素系化合物;硫化水素やメルカプタン類等の硫黄系化合物;酢酸等の低級脂肪酸;ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等のアルデヒド系化合物;等に起因している。
これらの臭気の原因物質への対策として、様々な消臭剤が提案されている。例えば、金属塩を有効成分として含有する消臭剤が、特許文献1〜3にて提案されている。
特許文献1には、硫酸第一鉄や硫酸亜鉛等の消臭性金属塩と、リン酸アルカリ金属塩とを含有する消臭性組成物が記載され、アンモニア、アミン、硫化水素、メルカプタン等に対する消臭効果があるとされている。また、更に、該消臭性組成物にヒドラジド化合物を添加すると、アルデヒド類の消臭にも効果を発揮するとされている。
特許文献2には、塩化亜鉛等の亜鉛塩と、水溶性の第二銅塩とからなる汚泥用消臭剤が開示され、硫化水素とメルカプタン類を除去することができる旨記載されている。
特許文献3には、2−エチルヘキサン酸亜鉛を有効成分とする消臭剤が開示され、アミン類、メルカプタン類、硫化水素等の臭気に効果を発揮すると記載されている。
しかし、これらの従来技術は、悪臭の種類によっては消臭性能が十分ではない場合があった。
特に、アンモニアやアミン類は、水溶性であるため、水が存在すれば、ある程度は除去することができてしまう。特許文献1や特許文献3に記載の消臭性組成物は、アンモニアやアミン類に効果があるとされているが、これらの文献に記載の金属塩等の有効成分により、アンモニアやアミン類が除去できているとは限らない。
アンモニアやアミン類に効果があるとされる消臭剤は、アンモニアやアミン類が単に水に溶解しているだけである場合、昇温により、アンモニアやアミン類は再放出されてしまうという問題があり、これらのガスによる臭気の問題を根本的に解決できることにはならない。
このため、様々な臭気、特に、アンモニアやアミン類を根本的に除去する(再放出させない)ことのできる消臭剤の開発が切望されていた。
特開2008−259804号公報 特開2000−024693号公報 特開平9−276381号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、様々な臭気に対して消臭効果を持ち、特に、アンモニアやアミン類を再放出させることなく根本的に除去することのできる消臭剤を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、金属塩と、ヒドロキシ酸又はケト酸を併用することにより、アンモニアやアミン類に対する消臭効果が高く、加熱してもアンモニアやアミン類を再放出させない(すなわち、一時的に捕捉するのでなくこれらを分解する)ようにできることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、水と、ヒドロキシ酸又はケト酸であるカルボン酸と、該カルボン酸と結合することにより水溶性となる金属塩とを含有することを特徴とする消臭剤を提供するものである。
本発明によれば、様々な臭気に対して消臭効果を持ち、特に、アンモニアやアミン類を再放出させることなく根本的に除去することのできる消臭剤を提供することができる。
本発明では、詳細は不明であるが、ヒドロキシ酸又はケト酸の作用により、難水溶性の金属塩であっても水溶性にしやすく、消臭剤をスプレー剤、塗布剤等にすることができ、また、難水溶性ではあるものの安全性の高い金属塩を消臭剤の有効成分として選択することができる。更に、ヒドロキシ酸又はケト酸の中には、生体内に存在する成分もあるので、このような成分を使用することで、安全性の高い消臭剤とすることができる。
本発明の消臭剤の有効成分である金属塩と、ヒドロキシ酸又はケト酸は、アミノアルコール、ヒドラジド化合物、多価アルコール又はその誘導体等との相性が良く、これらの成分を更に添加することにより、アルデヒド類の消臭にも効果を発揮する。
ガスクロマトグラフィーによるアンモニアの測定結果である。 (a)フラスコに注入した直後 (b)消臭剤水溶液1を希釈した希釈消臭剤水溶液に接触させてから120分経過後 ガスクロマトグラフィーによるトリメチルアミンの測定結果である。 (a)フラスコに注入した直後 (b)消臭剤水溶液1を希釈した希釈消臭剤水溶液に接触させてから120分経過後
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、任意に変形して実施することができる。
本発明の消臭剤は、水と、ヒドロキシ酸又はケト酸であるカルボン酸(以下、「特定カルボン酸」という場合がある。)と、該カルボン酸と結合することにより水溶性となる金属塩とを含有する。
本発明の消臭剤は、詳細は不明であり以下に限定はされないが、金属塩と特定カルボン酸が、水溶液中において何らかの相互作用により結合した状態となっていると考えられる。この、金属塩と特定カルボン酸が結合したものの作用により、本発明の消臭剤は、アンモニア、アミン類、硫化水素、メルカプタン類、アルデヒド類等の様々な悪臭ガスに対して消臭効果を発揮すると考えられる。
金属塩としては、特定カルボン酸と結合することにより水溶性となるものであれば特に限定はない。通常では難水溶性の金属塩であっても、該特定カルボン酸と結合することにより水溶性となるのであれば、本発明の消臭剤の金属塩として使用することができる。
金属塩の例としては、亜鉛塩、鉄塩、マンガン塩、コバルト塩、ニッケル塩、銅塩、銀塩、マグネシウム塩等が例示できる。硫化水素やメルカプタン類の硫黄と反応して硫化物を生成しやすい点から、亜鉛塩、鉄塩、銅塩、マグネシウム塩が好ましく、亜鉛塩が特に好ましい。
亜鉛塩の例としては、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛等が挙げられる。
このうち、酸化亜鉛は、化粧品や医薬品等の原料として使用される人体に無害な物質であり、安全性、入手のしやすさ、消臭効果の高さの点等から特に好ましい。酸化亜鉛は、通常、難水溶性であるが、特定カルボン酸と結合することにより水溶性となる。
鉄塩の例としては、酸化鉄(II)、硫酸鉄(II)、塩化鉄(II)、臭化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)、酸化鉄(III)、硫酸鉄(III)、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、ヨウ化鉄(III)等が挙げられる。
銅塩の例としては、酸化銅(II)、硫酸銅(II)、硝酸銅(II)、リン酸銅(II)等が挙げられる。
マグネシウム塩の例としては、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水酸化マグネシウム、硫酸ナトリウムマグネシウム、硫酸カリウムマグネシウム、炭酸水素カリウムマグネシウム等が挙げられる。
本発明において、金属塩は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の消臭剤に含有される特定カルボン酸は、ヒドロキシ酸(ヒドロキシ基を持つカルボン酸)又はケト酸(ケトン基を持つカルボン酸)である。
特定カルボン酸は、金属塩と何らかの相互作用により結合し、難水溶性の金属塩を水溶性にし、また、アンモニアやアミン類と反応すると考えられる。
本発明の消臭剤に含有される特定カルボン酸がヒドロキシ酸の場合、その炭素数に制限は無い。
分子内のヒドロキシ基(−OH)の数について制限は無く、1個、2個、3個、4個等のものを適宜使用することができる。
分子内のカルボキシル基(−COOH)の数についても制限は無く、1個、2個、3個等のものを適宜使用することができる。
このうち、コスト、入手のしやすさ、安全性の高さ等の観点から、ヒドロキシ基とカルボキシル基を分子内にそれぞれ1個ずつ有するものが好ましい。
この場合、ヒドロキシ基は、例えば、α位にあってもよいし、β位にあってもよいし、γ位にあってもよいし、δ位にあってもよい。
本発明に使用することのできるヒドロキシ酸の具体例としては、2−ヒドロキシエタン酸、2−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸、2−ヒドロキシ−4−メチルペンタン酸、2−ヒドロキシテトラコサン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸、3−ヒドロキシペンタン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸、4−ヒドロキシブタン酸、12−ヒドロキシオクタデカ−9−エン酸(以上、分子内にヒドロキシ基1個とカルボキシル基1個を持つ);2,3−ジヒドロキシプロパン酸、3,5−ジヒドロキシ−3−メチルペンタン酸、2,4−ジヒドロキシ−3,3−ジメチルブタン酸(以上、分子内にヒドロキシ基2個とカルボキシル基1個を持つ);3,4,5−トリヒドロキシ−1−シクロヘキセンカルボン酸(分子内にヒドロキシ基3個とカルボキシル基1個を持つ);1,3,4,5−テトラヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸(分子内にヒドロキシ基4個とカルボキシル基1個を持つ);2−ヒドロキシプロパン二酸、2−ヒドロキシブタン二酸、2,3−ジヒドロキシブタン二酸、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン二酸(以上、分子内にヒドロキシ基1個とカルボキシル基2個を持つ);2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、1−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸(以上、分子内にヒドロキシ基1個とカルボキシル基3個を持つ);等が挙げられる。
本発明の消臭剤に含有される特定カルボン酸がケト酸の場合、その炭素数に制限は無い。
分子内のケトン基(−CO−)の数について制限は無く、1個、2個、3個等のものを適宜使用することができる。
分子内のカルボキシル基(−COOH)の数についても制限は無く、1個、2個、3個等のものを適宜使用することができる。
このうち、コスト、入手のしやすさ、安全性の高さ等の観点から、ケトン基とカルボキシル基を分子内にそれぞれ1個ずつ有するものが好ましい。
この場合、ケトン基は、例えば、α位にあってもよいし、β位にあってもよいし、γ位にあってもよいし、δ位にあってもよい。
本発明に使用することのできるケト酸の具体例としては、2−オキソプロパン酸、2−オキソブタン酸、2−オキソペンタン酸、2−オキソ−3−メチルブタン酸、3−オキソブタン酸、3−オキソペンタン酸、及び、4−オキソペンタン酸等が挙げられる。
本発明の消臭剤において、特定カルボン酸(ヒドロキシ酸・ケト酸)は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上混合して使用する場合、その組み合わせにも特に限定は無い(ヒドロキシ酸のみ2種以上、ケト酸のみ2種以上、ヒドロキシ酸とケト酸の両方を使用等)。
本発明の消臭剤に使用する特定カルボン酸は常温で液体のものであると、析出しにくいので好ましい。また、人体への安全性が高いものを使用するのが好ましい。
このような観点から特に好ましい特定カルボン酸としては、2−ヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸が挙げられる。
本発明の消臭剤は、金属塩1質量部に対して、特定カルボン酸を、使用されている全特定カルボン酸の合計で0.5質量部以上50質量部以下の割合で含有するのが好ましく、1質量部以上30質量部以下の割合で含有するのがより好ましく、3質量部以上20質量部以下の割合で含有するのが特に好ましい。なお、金属塩の質量部については、該金属塩の結晶水は含まれない。
上記下限よりも特定カルボン酸の含有割合が多いと、水溶性が十分となりやすい。上記上限よりも特定カルボン酸の含有割合が少ないと、コスト的に有利である(上記上限を超えて特定カルボン酸を多量に含有しても消臭効果は上がらない)。
本発明の消臭剤は、本発明の効果を阻害しない範囲内において、他の成分を含有することができる。以下に詳述する添加成分は、本発明の消臭剤の有効成分である金属塩や特定カルボン酸との相性が良く、本発明の消臭剤を長期間保存しても安定性を保つことができる成分が多い。
本発明の消臭剤は、特定カルボン酸以外のカルボン酸(カルボキシル基(−COOH)を持つ化合物)を含有していてもよい。この場合、特定カルボン酸以外のカルボン酸を1種のみ含有してもよいし、2種以上含有してもよい。
特定カルボン酸以外のカルボン酸の例としては、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、サルコシン、グルタミン酸等のアミノ酸が好ましいものとして挙げられる。アミノ酸は、D体、L体、ラセミ体の何れであってもよい。また、本発明の消臭剤は、アミノ酸の塩を含有していてもよい。
アミノ酸は、特定カルボン酸(ヒドロキシ酸・ケト酸)と同様に、金属塩と相互作用し、難水溶性の金属塩を水溶性にする傾向がある。ヒドロキシ酸やケト酸は比較的強い酸であり、pHをある程度大きくした状態で使用したい場合等に、本発明の消臭剤にアミノ酸を添加することができる。
本発明の消臭剤は、金属塩1質量部に対して、カルボキシル基を持つ化合物(特定カルボン酸、及び、特定カルボン酸以外のカルボキシル基を持つ化合物)を、使用されているカルボキシル基を持つ全化合物の合計で3質量部以上50質量部以下の割合で含有するのが好ましく、4質量部以上30質量部以下の割合で含有するのがより好ましく、5質量部以上20質量部以下の割合で含有するのが特に好ましい。なお、金属塩の質量部については、該金属塩の結晶水は含まれない。
上記下限よりもカルボキシル基を持つ化合物の含有割合が多いと、水溶性が十分となりやすい。上記上限よりもカルボキシル基を持つ化合物の含有割合が少ないと、コスト的に有利である(上記上限を超えてカルボキシル基を持つ化合物を多量に含有しても、消臭効果は上がらない)。
本発明の消臭剤において、水の含有量と、「特定カルボン酸と金属塩との合計」の含有量の割合については、特に限定はないが、特定カルボン酸と金属塩との合計で1質量部に対して、水が10質量部以上500質量部以下の割合で含有するのが好ましく、20質量部以上300質量部以下の割合で含有するのがより好ましく、30質量部以上100質量部以下の割合で含有するのが特に好ましい。
上記下限以上であると、均一な(水)溶液になり易く、上記上限以下であると、無駄に希釈されずに消臭効果が上がる。
本発明の消臭剤は、ヒドラジド化合物(ヒドラジド基(−CO−NH−NH)を有する化合物)を含有していてもよい。この場合、ヒドラジド化合物を1種のみ含有してもよいし、2種以上含有してもよい。
一般に、ヒドラジド化合物は、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等のアルデヒド類の消臭に効果を発揮するものの、悪臭物質であるアンモニア(NH)を遊離しやすいという欠点がある。
本発明の消臭剤では、ヒドロキシ酸又はケト酸のカルボキシル基(−COOH)とアンモニアが反応することによりアンモニアが除去されると考えられ、ヒドラジド化合物を含有させても上記欠点が問題になりにくい。
ヒドラジド化合物としては、分子内にヒドラジド基を1個有するモノヒドラジド化合物、分子内にヒドラジド基を2個有するジヒドラジド化合物等を使用することができる。
モノヒドラジド化合物の例としては、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド等が挙げられる。
ジヒドラジド化合物の例としては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド等が挙げられる。
入手のしやすさ等から、アジピン酸ジヒドラジドが特に好ましい。
本発明の消臭剤は、多価アルコール又はその誘導体を含有していてもよい。上記のように、ヒドラジド化合物は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の消臭に効果を発揮しやすいが、ヘキサナールやオクタナール等の水に溶解しにくい中鎖アルデヒド類には効果を発揮しにくい場合がある。多価アルコールやその誘導体は、界面活性剤の作用を持ち、中鎖アルデヒド類を水に溶解させやすくして反応場を提供して、中鎖アルデヒド類の消臭性能を上げる効果を持つ。
本発明の消臭剤に含有させる多価アルコールの例としては、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。多価アルコールの誘導体の例としては、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の消臭剤は、アミノアルコールを含有していてもよい。アミノアルコールは、アルデヒドの消臭効果を持ち、特定カルボン酸や金属塩によるアンモニア、アミン類の消臭効果に悪影響を及ぼさない。
アミノアルコールの例としては、アミノプロパノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−アミノ−1−ブタノール、4−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−3−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−エチルプロパンジオール、トリスヒドロキシアミノメタン等が挙げられ、2−アミノ−3−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−エチルプロパンジオール、トリスヒドロキシアミノメタンが特に好ましい。
本発明の消臭剤は、他に、界面活性剤、pH調整剤、香料、酸化防止剤、防カビ剤・殺菌剤、紫外線吸収剤等を添加剤として含有させることができる。
これらの成分は、金属塩と特定カルボン酸等が、均一に溶解した後で溶液に添加してもよいし、金属塩と特定カルボン酸等と同時に添加して溶解させてもよい。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤等が例示できる。
pH調整剤としては、炭酸塩、水酸化塩、リン酸塩、リン酸水素塩等の無機酸塩;クエン酸塩、酒石酸塩等の有機酸塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類が例示できる。
香料としては、精油等の天然香料や、合成香料が例示できる。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸ナトリウム、BHT(ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン)、オイゲノール、イソオイゲノール、チモール等が例示できる。
防カビ剤・殺菌剤としては、第4級アンモニウム塩、オイゲノール、オクタノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム等が例示できる。
紫外線吸収剤としては、タンニン、サポニン、桂皮酸エステル、サリチル酸エステル等が例示できる。
本発明の消臭剤は、水を含有するが、溶媒として、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を使用してもよい。水と混合して使用することのできる水溶性有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等のグリコール;これらのグリコールの低級アルキルエーテル等のグリコールモノエーテル;等が挙げられる。
これらの混合溶媒は、添加剤(例えば香料等)の溶解性に優れる場合がある。
水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合、混合溶媒中における水溶性有機溶媒の含有比率の下限は、1質量%以上が好ましく、3質量%以上が特に好ましい。上限は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
本発明の消臭剤は、任意のpHで使用することができ、必須成分である特定カルボン酸及び金属塩以外の添加成分等の条件により、最適なpHの範囲は異なる(例えば、アミノ酸であるグリシンを含有する場合、強酸性であるとグリシンが析出するおそれがあるので、強酸性での使用は避けるべきである)。
添加成分等による影響がなければ、本発明の消臭剤は、酸性又は中性(pH7以下)で使用するのが好ましく、pH5.5以下で使用するのがより好ましく、pH3.9以下で使用するのが特に好ましく、pH3.1以下で使用するのが最も好ましい。また、pH1.2以上で使用するのが好ましく、pH2.2以上で使用するのが特に好ましい。
pHの上限が上記以下であると、アンモニアやアミン類と十分に反応し、これらの再放出が起こりにくく、これらのガスを根本的に除去することができる。また、消臭即効性が飛躍的に向上するという効果を奏する。
pHの下限が上記以上であると、コスト的に有利である(上記下限よりもpHを下げても、本発明の効果は向上しない)。
特定カルボン酸(ヒドロキシ酸・ケト酸)の含有量を調整することにより、pHを調整することができる。特定カルボン酸は、比較的強い酸であるので、特定カルボン酸の含有量を調整することのみにより(別途pH調整剤を添加しなくても)上記好ましいpH範囲にしやすい。
カルボキシル基を持つ化合物(特定カルボン酸、及び、特定カルボン酸以外のカルボキシル基を持つ化合物)以外にpHに影響を及ぼす添加成分が無い場合、金属塩に対するカルボキシル基を持つ化合物の含有割合を、前述の範囲とすることにより、上記好ましいpH範囲にしやすい。
本発明の消臭剤の形態としては特に限定はなく、均一な溶液であることが好ましい。使用方法も特に限定はなく、例えば、該溶液を直接噴霧して使用してもよいし、基材に含浸させて使用してもよい。
本発明の消臭剤が様々な悪臭ガスに対して優れた消臭性を示す作用・効果は明らかではないが、以下のことが考えられる。ただし本発明は、以下の作用効果の範囲に限定されるわけではない。
本発明の消臭剤は、金属塩がヒドロキシ酸又はケト酸と何らかの相互作用を起こしている(反応しているか、又は、キレートを形成していると推察されるが、詳細は不明である)と考えられ、このため、難水溶性の金属塩が水溶性になると思われる。本発明の消臭剤において、硫化水素やメルカプタン類は、金属塩との反応により、硫化物を形成することで除去されると推察される。また、アンモニアやアミン類は、水に溶解しただけでなく、ヒドロキシ酸又はケト酸のカルボキシル基と反応することにより除去されると推察される。また、本発明の消臭剤は、金属塩による光触媒作用により悪臭を消臭するものと推察される。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
<調製例1>
以下の成分を常温で混合し、撹拌することにより、消臭剤水溶液1を得た。

酸化亜鉛 0.50質量部
2−ヒドロキシプロパン酸 3.60質量部
防腐剤(第4級アンモニウム塩) 0.10質量部
水 95.80質量部
消臭剤水溶液1の外観は、無色透明であり、pHは2.98であった。消臭剤水溶液1を、常温で4か月間保存したが、外観に特に変化は無かった。
<調製例2>
以下の成分を常温で混合し、撹拌することにより、消臭剤水溶液2を得た。

酸化亜鉛 0.50質量部
2−ヒドロキシプロパン酸 1.80質量部
トリエタノールアミン 4.00質量部
防腐剤(第4級アンモニウム塩) 0.10質量部
水 93.60質量部
消臭剤水溶液2の外観は、無色透明であり、pHは8.2であった。消臭剤水溶液2を、常温で4か月間保存したが、外観に特に変化は無かった。
<調製例3>
以下の成分を常温で混合し、撹拌することにより、消臭剤水溶液3を得た。

酸化亜鉛 0.50質量部
2−ヒドロキシプロパン酸 2.70質量部
トリエタノールアミン 4.00質量部
防腐剤(第4級アンモニウム塩) 0.10質量部
水 93.70質量部
消臭剤水溶液3の外観は、無色透明であり、pHは7.93であった。消臭剤水溶液3を、常温で4か月間保存したが、外観に特に変化は無かった。
<調製例4>
以下の成分を常温で混合し、撹拌することにより、消臭剤水溶液4を得た。

酸化亜鉛 1.00質量部
グリシン 6.00質量部
2−オキソプロパン酸 0.90質量部
アジピン酸ジヒドラジド 3.00質量部
グリセリン 3.00質量部
メチルプロピレンジグリコール 5.00質量部
(ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)
防腐剤(第4級アンモニウム塩) 0.10質量部
水 81.00質量部
消臭剤水溶液4の外観は、無色透明であり、pHは6.88であった。消臭剤水溶液4を、常温で1か月間保存したが、外観に特に変化は無かった。
<調製例5>
以下の成分を常温で混合し、撹拌することにより、消臭剤水溶液5を得た。消臭剤水溶液5は、特定カルボン酸を含有しない。

酸化亜鉛 1.00質量部
グリシン 9.00質量部
防腐剤(第4級アンモニウム塩) 0.10質量部
水 89.90質量部
消臭剤水溶液5の外観は、無色透明であり、pHは6.8であった。消臭剤水溶液5を、常温で6か月間保存したが、外観に特に変化は無かった。
<調製例6>
以下の成分を常温で混合し、撹拌することにより、消臭剤水溶液6を得た。

酸化亜鉛 0.10質量部
2−ヒドロキシプロパン酸 0.45質量部
トリエタノールアミン 0.26質量部
防腐剤(第4級アンモニウム塩) 0.10質量部
水 99.19質量部
消臭剤水溶液6の外観は、無色透明であり、pHは7.92であった。消臭剤水溶液6を、常温で4か月間保存したが、外観に特に変化は無かった。
<調製例7>
以下の成分を常温で混合し、撹拌することにより、消臭剤水溶液7を得た。

酸化鉄(III) 0.50質量部
2−ヒドロキシプロパン酸 3.60質量部
防腐剤(第4級アンモニウム塩) 0.10質量部
水 95.80質量部
消臭剤水溶液7の外観は、無色透明であり、pHは2.96であった。消臭剤水溶液7を、常温で4か月間保存したが、外観に特に変化は無かった。
<調製例8>
以下の成分を常温で混合し、撹拌することにより、消臭剤水溶液8を得た。

酸化銅(II) 0.50質量部
2−ヒドロキシプロパン酸 3.60質量部
防腐剤(第4級アンモニウム塩) 0.10質量部
水 95.80質量部
消臭剤水溶液8の外観は、青色透明であり、pHは2.76であった。消臭剤水溶液8を、常温で4か月間保存したが、外観に特に変化は無かった。
<調製例9>
以下の成分を常温で混合し、撹拌することにより、消臭剤水溶液9を得た。

酸化マグネシウム 0.50質量部
2−ヒドロキシプロパン酸 3.60質量部
防腐剤(第4級アンモニウム塩) 0.10質量部
水 95.80質量部
消臭剤水溶液9の外観は、無色透明であり、pHは2.83であった。消臭剤水溶液9を、常温で4か月間保存したが、外観に特に変化は無かった。
<調製例10>
以下の成分を常温で混合し、撹拌することにより、消臭剤水溶液10を得た。

酸化亜鉛 0.50質量部
2−オキソプロパン酸 3.60質量部
防腐剤(第4級アンモニウム塩) 0.10質量部
水 95.80質量部
消臭剤水溶液10の外観は、無色透明であり、pHは3.06であった。消臭剤水溶液10を、常温で4か月間保存したが、外観に特に変化は無かった。
<調製例11>
以下の成分を常温で混合し、撹拌することにより、消臭剤水溶液11を得た。

酸化鉄(III) 0.50質量部
2−オキソプロパン酸 3.60質量部
防腐剤(第4級アンモニウム塩) 0.10質量部
水 95.80質量部
消臭剤水溶液11の外観は、無色透明であり、pHは2.97であった。消臭剤水溶液11を、常温で4か月間保存したが、外観に特に変化は無かった。
上記各調製例で調製した消臭剤水溶液1〜11のうちのいくつかを使用し、硫化水素、アンモニア、トリメチルアミン、及び、アセトアルデヒドの消臭試験を実施した。消臭試験を実施する際には、特に断りの無い限り、消臭剤水溶液1〜11をそれぞれ水で100倍に希釈した溶液(以下、「希釈消臭剤水溶液」という。)を使用した。
[評価例1:硫化水素の消臭試験]
除去対象ガス注入口、圧力調整口、検知管測定口及び予備口を備えた容量3Lのガラス製セパラブルフラスコを用意し、それぞれのガス注入口から注射器を用いて、硫化水素ガスを注入して、10秒間撹拌した。その後、硫化水素ガスの初期濃度をガステック検知管から測定した。
次いで、表1に示す希釈消臭剤水溶液3mLを注入した後、表1に示す経過時間後の硫化水素ガスの濃度(質量ppm)をガステック検知管により測定し、下記式(1)から消臭率(%)を測定した。結果を表1に示す。これらの消臭剤水溶液はアンモニア、アミン類に特に有効だが、硫化水素に対しても効果があることを示している。
Figure 2018110148
Figure 2018110148
[評価例2:アンモニアの消臭試験]
測定対象ガスを硫化水素ではなくアンモニアに変更した以外は、評価例1と同様にして、表2に示す希釈消臭剤水溶液を希釈した希釈消臭剤水溶液を使用して消臭率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2018110148
また、消臭剤水溶液1を希釈した希釈消臭剤水溶液をサンプルとして、アンモニアをフラスコに注入した直後と、希釈消臭剤水溶液を注入してから120分経過後に、フラスコ内のガス1mLを採取し、ガスクロマトグラフィーで測定した。測定条件は以下の通りである。
使用機種:GC−2014((株)島津製作所)
カラム
種類:HR−20M
膜厚:0.25μm
長さ:50.0m
内径:0.25mmID
試料気化室温度:230℃
キャリアガス:He
モード:スプリット
検出器種類:FID
検出器温度:250℃
圧力:191kPa
線速度:30.5
注入量:ガス1mL
スプリット比:100
図1に、アンモニアをフラスコに注入した直後と、希釈消臭剤水溶液をフラスコに注入してから120分経過後の測定結果を示す。
アンモニアをフラスコに注入した直後には、アンモニアのピークと、アンモニアの誘導体と考えられる不純物のピークが確認できた。
アンモニアをフラスコに注入した直後のアンモニアのピーク面積は5533、希釈消臭剤水溶液をフラスコに注入してから120分経過後のアンモニアのピーク面積は261であり、ピークの減衰を確認できた。
[評価例3:トリメチルアミンの消臭試験]
測定対象ガスを硫化水素ではなくトリメチルアミンに変更した以外は、評価例1と同様にして、表3に示す希釈消臭剤水溶液を使用して消臭率を測定した。更に、トリメチルアミンを注入してから120分経過後、フラスコをウォーターバスにより40℃に加熱し、加熱開始から60分経過後の消臭率を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2018110148
本発明の消臭剤水溶液(消臭剤水溶液1を希釈した希釈消臭剤水溶液)を使用した場合は、加熱後にトリメチルアミンは完全に除去できていた。これに対して、消臭剤水溶液5を希釈した希釈消臭剤水溶液を使用した場合、加熱後にトリメチルアミンの濃度が上昇しており、溶解していたトリメチルアミンが再放出されたことがわかる。
また、消臭剤水溶液1を希釈した希釈消臭剤水溶液を使用し、トリメチルアミンの初期濃度を230ppmとした場合について、評価例2の場合と同様にして、トリメチルアミンをフラスコに注入した直後と、希釈消臭剤水溶液を注入してから120分経過後に、フラスコ内のガス1mLを採取し、ガスクロマトグラフィーで測定した。測定条件は、スプリット比を10とした以外は、評価例2の場合と同様にした。
図2に、トリメチルアミンをフラスコに注入した直後と、希釈消臭剤水溶液をフラスコに注入してから120分経過後の測定結果を示す。
トリメチルアミンをフラスコに注入した直後のトリメチルアミンのピーク面積は619813、希釈消臭剤水溶液をフラスコに注入してから120分経過後のトリメチルアミンのピーク面積は13141であり、ピークの減衰を確認できた。
更に、短時間でのトリメチルアミンの消臭率を測定した。結果を表4に示す。消臭剤水溶液1は、トリメチルアミンに対して、短時間で極めて高い消臭率を実現でき、消臭即効性があることがわかる。
Figure 2018110148
[評価例4:アセトアルデヒドの消臭試験]
測定対象ガスを硫化水素ではなくアセトアルデヒドに変更した以外は、評価例1と同様にして、表5に示す希釈消臭剤水溶液を使用して消臭率を測定した。これらの消臭剤水溶液はアンモニア、アミン類に特に有効だが、アルデヒドに対しても効果があることを示している。
Figure 2018110148
本発明の消臭剤は、様々な臭気に対して消臭効果を持ち、特に、アンモニアやアミン類を再放出させることなく根本的に除去することができるため、業務用、家庭用等の消臭剤として広く利用されるものである。

Claims (7)

  1. 水と、ヒドロキシ酸又はケト酸であるカルボン酸と、該カルボン酸と結合することにより水溶性となる金属塩とを含有することを特徴とする消臭剤。
  2. 上記金属塩1質量部に対して、カルボキシル基を持つ化合物を3質量部以上50質量部以下の割合で含有する請求項1に記載の消臭剤。
  3. 更に、ヒドラジド化合物を含有する請求項1又は請求項2に記載の消臭剤。
  4. 更に、多価アルコール又はその誘導体を含有する請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の消臭剤。
  5. 更に、アミノアルコールを含有する請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の消臭剤。
  6. 上記ヒドロキシ酸又はケト酸が、2−ヒドロキシエタン酸、2−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸、2−ヒドロキシ−4−メチルペンタン酸、2−ヒドロキシテトラコサン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸、3−ヒドロキシペンタン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸、4−ヒドロキシブタン酸、12−ヒドロキシオクタデカ−9−エン酸、2,3−ジヒドロキシプロパン酸、3,5−ジヒドロキシ−3−メチルペンタン酸、2,4−ジヒドロキシ−3,3−ジメチルブタン酸、3,4,5−トリヒドロキシ−1−シクロヘキセンカルボン酸、1,3,4,5−テトラヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、2−ヒドロキシプロパン二酸、2−ヒドロキシブタン二酸、2,3−ジヒドロキシブタン二酸、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン二酸、2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、1−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、2−オキソプロパン酸、2−オキソブタン酸、2−オキソペンタン酸、2−オキソ−3−メチルブタン酸、3−オキソブタン酸、3−オキソペンタン酸、及び、4−オキソペンタン酸からなる群より選択される1種以上の化合物である請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の消臭剤。
  7. 光触媒作用により悪臭を消臭する請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の消臭剤。
JP2018556250A 2016-12-12 2017-11-07 消臭剤 Active JP7159871B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016240206 2016-12-12
JP2016240206 2016-12-12
PCT/JP2017/040069 WO2018110148A1 (ja) 2016-12-12 2017-11-07 消臭剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018110148A1 true JPWO2018110148A1 (ja) 2019-10-24
JP7159871B2 JP7159871B2 (ja) 2022-10-25

Family

ID=62558517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018556250A Active JP7159871B2 (ja) 2016-12-12 2017-11-07 消臭剤

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7159871B2 (ja)
CN (1) CN109982724B (ja)
WO (1) WO2018110148A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7471781B2 (ja) * 2018-12-17 2024-04-22 小林製薬株式会社 消臭剤
WO2020129809A1 (ja) * 2018-12-17 2020-06-25 小林製薬株式会社 消臭剤
CN111214690A (zh) * 2020-03-18 2020-06-02 谷双 一种除臭剂及其制备方法
KR102428140B1 (ko) * 2020-05-29 2022-08-08 (주)일산 공기청정기 탈취 필터용 코팅 조성물 및 이를 적용한 탈취 필터
CN113082270A (zh) * 2021-04-15 2021-07-09 何明磊 一种扩香除异味香薰油及其制备方法
CN113387523B (zh) 2021-04-26 2022-07-29 福州大学 金属盐协同栲胶脱除污泥臭味的方法、脱臭污泥及其应用

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10277139A (ja) * 1997-04-04 1998-10-20 Lion Corp 抗菌・消臭剤組成物
JPH10328284A (ja) * 1997-05-29 1998-12-15 Lion Corp 抗菌・消臭剤組成物
JP2006288782A (ja) * 2005-04-12 2006-10-26 Okada Giken:Kk 水性消臭剤
JP2008259804A (ja) * 2007-03-19 2008-10-30 Nankyou Efunika Kk 消臭性組成物、消臭性水溶液、消臭性水性スラリー液、消臭性粉末状組成物及び消臭性マスターバッチ
JP2015073603A (ja) * 2013-10-07 2015-04-20 小林製薬株式会社 消臭装置及び消臭方法
JP2016043251A (ja) * 2014-08-22 2016-04-04 穗曄實業股▲ふん▼有限公司 臭気浄化作用を具える水性溶液

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4172123A (en) * 1968-07-19 1979-10-23 Grillo-Werke Aktiengesellschaft Deodorants for both cosmetic and commercial use
JPS62218478A (ja) * 1986-03-19 1987-09-25 Toshihiro Ijichi 消臭性酸化防止剤
JP4279915B2 (ja) * 1997-12-22 2009-06-17 ダイセル化学工業株式会社 α−シアンヒドリンエステル及びα−ヒドロキシ酸の製造方法
JP3443058B2 (ja) * 1999-11-30 2003-09-02 株式会社オーシカ アルデヒド消臭剤組成物
WO2001062309A1 (fr) * 2000-02-23 2001-08-30 Otsuka Kagaku Kabushiki Kaisha Compositions de desodorisant
US6610648B2 (en) * 2000-12-22 2003-08-26 Givaudan Sa Malodor counteractant compositions
CN1463753A (zh) * 2002-06-11 2003-12-31 成都航利生物材料研究所 一种新型甲醛清除剂
JP4568018B2 (ja) * 2004-04-30 2010-10-27 ポリプラスチックス株式会社 消臭剤及び樹脂組成物
JP2006225178A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Tokyo Institute Of Technology 含炭素金属酸化物の製造方法
EP1868657A1 (en) * 2005-03-31 2007-12-26 Bioneutral Laboratories Corporation USA Deodorizing compositions for biowast
JP5383323B2 (ja) * 2009-05-29 2014-01-08 高砂香料工業株式会社 タンク式トイレ用液体消臭剤
JP5869510B2 (ja) * 2013-03-25 2016-02-24 理研香料ホールディングス株式会社 消臭剤
CN104288816A (zh) * 2014-09-27 2015-01-21 青岛高远光电测控技术有限公司 一种高效空气除味剂

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10277139A (ja) * 1997-04-04 1998-10-20 Lion Corp 抗菌・消臭剤組成物
JPH10328284A (ja) * 1997-05-29 1998-12-15 Lion Corp 抗菌・消臭剤組成物
JP2006288782A (ja) * 2005-04-12 2006-10-26 Okada Giken:Kk 水性消臭剤
JP2008259804A (ja) * 2007-03-19 2008-10-30 Nankyou Efunika Kk 消臭性組成物、消臭性水溶液、消臭性水性スラリー液、消臭性粉末状組成物及び消臭性マスターバッチ
JP2015073603A (ja) * 2013-10-07 2015-04-20 小林製薬株式会社 消臭装置及び消臭方法
JP2016043251A (ja) * 2014-08-22 2016-04-04 穗曄實業股▲ふん▼有限公司 臭気浄化作用を具える水性溶液

Also Published As

Publication number Publication date
JP7159871B2 (ja) 2022-10-25
WO2018110148A1 (ja) 2018-06-21
CN109982724B (zh) 2021-06-22
CN109982724A (zh) 2019-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2018110148A1 (ja) 消臭剤
CN107281922B (zh) 除臭组合物及其制备方法
US8003823B2 (en) Halo active aromatic sulfonamide organic compounds and odor control uses therefor
JP2006026156A (ja) 抗菌性消臭剤
JPH059402B2 (ja)
CN115397477A (zh) 除臭剂
JPH10328284A (ja) 抗菌・消臭剤組成物
TWI624283B (zh) 消臭劑
KR20130128512A (ko) 탈취제 겔 조성물의 제조방법 및 상기 제조방법에 따라 얻어진 탈취제 겔 조성물
CN107511067A (zh) 工业废气的除臭剂及其制备方法
CN111888909A (zh) 去除氨及氮化合物相关臭气的组合物、制剂及应用
JP6896296B2 (ja) 亜硫酸塩水溶液の安定化剤および消臭剤
CN107432950B (zh) 液体除臭剂及其应用
JP6183998B2 (ja) 液体消臭剤
JP2013215650A (ja) 液体消臭剤組成物
JP6371682B2 (ja) 油溶性金属化合物および油溶性消臭剤
JPH10328280A (ja) 抗菌・消臭剤組成物
JP2002177376A (ja) 消臭剤組成物
JP4170155B2 (ja) スプレー式液体消臭剤
JP4942137B2 (ja) 防臭組成物
JP2009028530A (ja) 消臭剤
JPH01320062A (ja) 腐食抑制作用をもつ反応型脱臭剤
JP2021115347A (ja) 消臭ペアリング剤
JPH0788168A (ja) 消臭・脱臭剤
JP2016043251A (ja) 臭気浄化作用を具える水性溶液

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210907

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220830

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7159871

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150