JP4170155B2 - スプレー式液体消臭剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプレー式液体消臭剤に関する。より詳しくは、室内、とりわけキッチン、洗面所、トイレ、浴室等の悪臭を瞬時に低減し、且つ長期間にわたり効果を持続するスプレー式液体消臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、生活様式の変化に伴いキッチン、洗面所、トイレ、浴室等の住空間ユーティリティーはシステム化、ユニット化され便利になり、住宅自体も高気密化により快適な生活空間を作りだしている。反面、快適な住宅事情は雑菌の繁殖を促し、水回りから発生するニオイは高気密住宅と相まり住空間に漂う雰囲気臭として顕在化し、綺麗に見えてもいやなニオイのする空間を生み出している。このような生活様式の変化に伴い、従来の消臭剤では悪臭を瞬時に和らげる効果は有しても、いやなニオイの発生を長期にわたり抑制しうるものはなく、即効性と持続性を両立した消臭剤が望まれている。
【0003】
一般に悪臭の発生理由として、食物カスや石鹸汚れ、皮脂などを微生物が栄養源として繁殖し、代謝物質が空気中に気化することで悪臭として感じられることが挙げられる。
【0004】
微生物を低減する効果のある化合物としては硫酸第一鉄や硫酸銅、硫酸亜鉛等の無機系抗菌剤、あるいは両性界面活性剤等の有機系抗菌剤が挙げられる。
【0005】
無機系抗菌剤では、硫酸第一鉄や硫酸銅、硫酸亜鉛を用いた消臭剤は以前から知られている。たとえば特許文献1には活性アルミナに硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸第一鉄、硫酸マグネシウムなどを坦持させた消臭剤が記載されている。しかしながら、発生した悪臭を吸収するだけでは消臭効果の持続性に限界があり、悪臭の発生を根本から防止する必要がある。また、前記無機系の抗菌剤を使用する場合、液自体が着色するため対象表面を着色してしまうという問題がある。
【0006】
また、有機系抗菌剤を用いた消臭剤の例としては特許文献2にベタイン型両性化合物と有機酸性物質、カルボニル化合物及びハロゲン酸アルカリを用いた消臭剤が記載されているが、有機系抗菌剤のみでは抗菌効果の持続性に欠け、長期間にわたり消臭効果を維持することは出来ない。
【0007】
なお、悪臭の消臭方法として、香料を用いてのマスキングや相殺による感覚消臭、中和、付加、あるいは酸化還元による化学的消臭、活性炭などの吸着材を用いた物理消臭なども知られているが、微生物の繁殖による悪臭を瞬時に和らげ且つ悪臭の発生を長期にわたって抑制することは困難である。
【0008】
本発明は、悪臭を瞬時に和らげ、長期間にわたり悪臭の発生を抑制する持続性に優れた液体消臭剤組成物の提供を目的とする。
【0009】
【特許文献1】
特開昭63−154178号公報
【特許文献2】
特開平1−284256号公報
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のスプレー式液体消臭剤には、(a)亜鉛〔以下、(a)成分という〕、(b)イソチアゾリン類、ポリリジン類、ヒドロキシ安息香酸エステル類から選ばれる有機系抗菌剤〔以下、(b)成分という〕、(c)有機ホスホン酸及びその塩、少なくとも1つのカルボキシ基を有する総炭素数2〜16の有機酸及びその塩から選ばれる酸類〔以下、(c)成分という〕、(d)下記一般式(2)で表される界面活性剤〔以下、(d)成分という〕0.1〜2質量%、並びに(e)水〔以下、(e)成分という〕を含有し、25℃でのpHが6〜8である液体消臭剤組成物(以下、本発明の液体消臭剤組成物という)が用いられる。
【0011】
【化1】
【0012】
〔式中、R 1 は炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示す。nは0〜5の数である。〕
【0013】
すなわち、本発明は、上記本発明の液体消臭剤組成物を、手動式噴霧装置を備えた容器に充填してなるスプレー式液体消臭剤に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
<(a)成分>
(a)成分の亜鉛は、解離した亜鉛イオンと解離平衡にある全ての亜鉛であり、亜鉛イオンが好ましい。また、亜鉛は、組成物中に溶解したときに解離した亜鉛イオンを生成する化合物として配合されることが好ましく、具体的には硫酸亜鉛、塩化亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、グルコン酸亜鉛、酢酸亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛から選ばれる亜鉛化合物が好ましく、より好ましくは硫酸亜鉛、塩化亜鉛である。亜鉛は、微生物の繁殖による悪臭を瞬時に和らげ且つ悪臭の発生を長期にわたって抑制するために効果的であるのみならず、水溶液にした際の金属化合物特有の着色がなく、噴霧による対象物の着色の問題がないことからも好ましい。
【0015】
<(b)成分>
本発明の(b)成分の有機系抗菌剤は、イソチアゾリン類、ポリリジン類、ヒドロキシ安息香酸エステル類であり、以下、具体的に説明する。
【0016】
(b−1)イソチアゾリン類
イソチアゾリン類としては5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下CMIという)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾロン−3が好ましく、なお好ましくは5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンである。
【0017】
(b−2)ポリリジン類
ポリリジン類としては、α−ポリリジン、ε−ポリリジンが好ましく、なお好ましくはε−ポリリジンである。
【0018】
(b−3)ヒドロキシ安息香酸エステル類
ヒドロキシ安息香酸エステル類としては、パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、パラヒドロキシ安息香酸ブチルが好ましく、なお好ましくはパラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸エチルである。
【0019】
<(c)成分>
本発明の(c)成分は、有機ホスホン酸及びその塩、少なくとも1つのカルボキシ基を有する総炭素数2〜16の有機酸及びその塩から選ばれる酸類である。以下具体的に説明する。
【0020】
(c−1)有機ホスホン酸及びその塩
有機ホスホン酸としては、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1−トリホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸等が挙げられ、塩の場合は対イオンとしてナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムが挙げられる。本発明ではエタン−1,1−ジホスホン酸が好ましい。
【0021】
(c−2)少なくとも1つのカルボキシ基を有する総炭素数2〜16の有機酸及びその塩
少なくとも1つのカルボキシ基を有する総炭素数2〜16の有機酸としては、エチレンジアミン二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジェンコール酸等のアミノポリカルボン酸類、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸類、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、グルタル酸、リンゴ酸、、アジピン酸、イタコン酸、グルコン酸、グルタル酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸、乳酸、安息香酸、サリチル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘプタンジカルボン酸、1,2−シクロオクタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸等の有機カルボン酸類が挙げられ、それらの化合物が塩の場合は、対イオンとして、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムが挙げられる。
【0022】
(c)成分のうち、クエン酸、アジピン酸、フタル酸、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸及びこれらの塩(特にはカリウム塩やカリウム塩)は、(a)成分の発生源として亜鉛化合物(特には硫酸亜鉛)と(b)成分としてポリリジンを含有する場合に、より顕著に白濁を抑制できることから最も好ましい。
【0023】
<(d)成分>
本発明の液体消臭剤組成物は、臭いの元となる対象物に対して特に噴霧して処理することで、消臭性能と処理後も悪臭発生を抑制する持続性に優れた効果を発現するものであるため、特に形状が複雑な対象表面への濡れ性及び付着性を高める目的から(d)成分として特定の界面活性剤を0.1〜2質量%の量で配合する。なお本発明の液体消臭剤組成物は、対象物の対して噴霧する場合に、多少の泡を形成してもよいが、実質的には起泡することなく霧状態で対象物に処理されることが好ましく、従って、立体的な泡で対象表面に附着しないように、(d)成分の種類や配合量を調整したり、あるいは噴霧装置のノズルを工夫することが好ましい。
【0024】
本発明では、消臭効果を低減させないこと、且つ表面への濡れ性の点より、非イオン界面活性剤である下記一般式(2)の化合物から選ばれるものが用いられる。中でもアルキルポリグリコシド、特にアルキルポリグルコシドが好ましい。
【0025】
【化2】
【0026】
〔式中、R1は炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示す。nは0〜5の数である。〕
【0027】
十分な消臭効果及びその持続性を得るために(d)成分は、本発明の組成物中、0.1〜2質量%含有される。但し陰イオン界面活性剤は、好ましい消臭持続性を得るために、組成物中、1質量%を超えない濃度に設定することがよい。
【0028】
<(e)成分>
本発明の液体消臭剤組成物の残部は水であり、イオン交換水を用いることが好ましい。
【0029】
<その他の成分>
本発明の液体消臭剤組成物は有機溶剤、好ましくは水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。有機溶剤は香料等の可溶化を補助するだけではなく消臭剤の表面張力を下げ消臭剤と消臭対象物の接触効率を上げる効果や保存時の安定性を向上させる効果を持つ。有機溶剤としては(1)炭素数1〜5の1価アルコール、(2)炭素数2〜12の多価アルコール、(3)下記の一般式(9)で表される化合物、(4)下記の一般式(10)で表される化合物、(5)下記の一般式(11)で表される化合物が好ましい。
【0030】
【化3】
【0031】
〔式中、R30及びR31は、それぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を示すが、R30及びR31の双方が水素原子となる場合を除く。bは0〜10の数を、cは0〜10の数を示すが、b及びcの双方が0である場合を除く。R32及びR33は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示す。R34は炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕
【0032】
(1)の炭素数1〜5の1価アルコールとしては、一般的にエタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールが挙げられる。これらの低級アルコールを配合することにより低温における系の安定性を更に向上させることができる。
【0033】
(2)の炭素数2〜12の多価アルコールとしては、イソプレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
【0034】
(3)の化合物は、一般式(9)において、R30、R31がアルキル基である場合の炭素数は1〜4が特に好ましい。また、一般式(9)中、EO及びプロピレンオキシドの平均付加モル数のb及びcは、それぞれ0〜10の数である(b及びcの双方が0である場合を除く)が、これらの付加順序は特に限定されず、ランダム付加したものであってもよい。(3)の化合物の具体例としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチレン(p=2〜3)ポリオキシプロピレン(p=2〜3)グリコールジメチルエーテル(pは平均付加モル数を示す、以下同様)、ポリオキシエチレン(p=3)グリコールフェニルエーテル、フェニルカルビトール、フェニルセロソルブ、ベンジルカルビトール等が挙げられる。このうち、香料の可溶化及び使用感の点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシエチレン(p=1〜4)グリコールモノフェニルエーテル、フェニルカルビトール、フェニルセロソルブ、ベンジルカルビトールが好ましい。
【0035】
また、(4)の化合物としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノンが好適なものとして例示され、(5)の化合物としてはアルキルグリセリルエーテル化合物が好適なものとして例示され、好ましくはR34が炭素数3〜8のアルキル基の化合物である。
【0036】
これらのなかでも本発明の性質を満たすために(1)、(2)、(3)、(5)の水溶性溶剤が好ましく、空間消臭剤として用いる場合は、エタノール、イソプロピルアルコール、が好ましく、特にはエタノールが好ましい。また、対象表面に直接噴霧又は塗付して使用する消臭剤の場合、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ペンチルグリセリルエーテル、オクチルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(p=1〜4)グリコールモノフェニルエーテルから選ばれる溶剤が好ましい。
【0037】
本発明には、金属イオン封鎖剤を含有することが貯蔵安定性の点から好ましい。金属イオン封鎖剤としては、上記の(b)成分の化合物と重なる部分が多く、本発明では、(b)成分との兼用できる物質が好ましい。具体的な物としては、トリポリリン酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、並びにそれらの塩を挙げることができる。
【0038】
本発明にはpH調整のための剤を配合することができる。pH調整剤は(b)成分や前記金属イオン封鎖剤を用いることができる。また酸側に調整するためには、硫酸、塩酸、スルホン酸などが挙げられる。またアルカリ側に調整する場合は、アルカリ金属水酸化物の水溶液、アルカリ金属炭酸塩等が好ましい、エタノールアミンはアミン独特の匂いがあるため、なるべく匂いの少ないものが選ばれる。
【0039】
本発明の液体消臭剤組成物には消臭性能を損なわない範囲で増粘剤、香料、色素等を配合することができる。特に、本発明の液体消臭剤組成物は香料成分を併用することで、より好ましい消臭効果を示すことができる。
【0040】
<液体消臭剤組成物>
本発明の液体消臭剤組成物において、組成物中の(a)成分の含有量(亜鉛として)は、好ましくは0.001〜2質量%、より好ましくは0.01〜2質量%、更に好ましくは0.03〜1質量%、(b)成分の含有量は、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%、更に好ましくは0.005〜0.8質量%、(c)成分の含有量は、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜8質量%、更に好ましくは0.2〜5質量%、(d)成分の含有量は、0.1〜2質量%である。
【0041】
また、本発明の液体消臭剤組成物の25℃でのpHは6〜8、好ましくは6.3〜7.7、より好ましくは6.5〜7.5である。組成物のpHは、前記の剤を用いて調整することができる。
【0042】
液体消臭剤組成物は、消臭対象の濡れ性のために界面活性剤を配合するが、空間消臭については噴霧時の噴霧径が大きくならないような組成を工夫することが好ましい。本発明の液体消臭剤組成物は、ゴミ箱内又はその廻り、生ゴミ、シンク廻り、排水口などの対象物へ噴霧して用いるが、対象物までの空間の消臭を目的としてもよい。
【0043】
液体消臭剤組成物には前記有機溶剤を用いることが好ましいが、空間の消臭を考慮すると、前記(1)〜(3)で示される有機溶剤のうちエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンから選ばれる有機溶剤を配合することが好ましい。これら有機溶剤は液体消臭剤組成物中0.1〜30質量%、特にはエタノールを1〜30質量%含有することが好ましく、組成物中、有機溶剤と水との合計が81〜99.8質量%、更に88〜99.5質量%であることがが好ましい。
【0044】
液体消臭剤組成物の最も好ましい態様を以下に示す。
(a)硫酸亜鉛 0.05〜3質量%(亜鉛として0.02〜1.2質量%)
(b)有機系抗菌剤(特にはCMI、パラヒドロキシ安息項酸メチル又はε−ポリリジンなど) 0.005〜0.8質量%
(c)クエン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸およびそのナトリウムまたはカリウム塩 0.2〜5質量%
(d)成分の界面活性剤(特にはアルキルポリグルコシド) 0.1〜2質量%
(その他成分)
・有機溶剤(特にはエタノール) 0.1〜20質量%
・香料 0.01〜2質量%
・水 残部
上記組成を含有し、pH6.5〜7.5の水性組成物であって、トリガー式噴霧装置が備えられた容器に充填したもの。
【0045】
<使用方法>
本発明の液体消臭剤組成物は、空間に直接噴霧する方法のほかに、臭気物質に直接処理する方法に用いられる。後者は対象表面にスプレーすることにより噴霧する方法がある。本発明では、対象表面に噴霧装置を用いてスプレーで噴霧する方法が用いられる。
【0046】
噴霧装置としては、手動噴霧装置である手動式トリガー又は手動式ポンプが好ましく、特に手動式トリガーが好ましい。本発明では、液体消臭剤組成物を、これら手動式噴霧装置を備えた容器に充填してなる物品として使用する。手動式噴霧装置は、1回の噴霧で0.1〜2.0g、好ましくは0.2〜1.5g、特に好ましくは0.3〜1.2gの処理剤が噴出するものが良好である。さらに繊維製品から15cm離れた場所から噴霧したとき、1回の噴霧で繊維製品に該組成物処理剤が付着する面積は50〜800cm2、好ましくは100〜600cm2になる容器が好ましい。また、噴霧装置は、液体消臭剤組成物を噴霧したときに泡立たないものを用いる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、悪臭を瞬時に和らげ、かつ長期間にわたり悪臭の発生を抑制する持続性に優れたスプレー式液体消臭剤が得られる。
【0048】
【実施例】
表1に示す成分により得た液体消臭剤組成物を用い、消臭効果を評価した。結果を表1に示す。なお、全ての組成物の25℃におけるpHは7に調整した。また、保存後の組成物の外観を併せて表1に示す。
【0049】
単一悪臭に対する消臭効果は、200ml蓋付きサンプルカップ中に各消臭剤2mlに対し、100mg/Lアンモニア水溶液1ml、又は5mg/Lイソ吉草酸水溶液1mlを添加し20秒攪拌、10分静置後のニオイ強度を官能評価にて比較した。なお、このときの初期ニオイ強度はそれぞれ3である。
【0050】
また、生ゴミに対する消臭効果は、米飯、キュウリ、キャベツ、釜ゆでしらすを等質量ずつ混合したものに30質量%の水を添加し37℃にて3日間腐敗させた生ゴミ6gを200ml蓋付きサンプルカップにとり消臭剤1.5gを噴霧した直後及び噴霧2日後のニオイ強度を官能評価にて比較した。噴霧はトリガー式噴霧器を用いて行なった。噴霧器の1回噴霧量は0.7gであり、15cm離れたところから噴霧した場合の噴霧面積は150cm2であった。
【0051】
なお、ニオイ強度とは、ニオイの強さを0から5の6段階に数値化したもので朝倉書店刊 高木貞敬 渋谷達明 編 「匂いの科学」5頁を参照すると、下記基準で表される。
0:無臭
1:何の匂いかわからないがやっとかすかに感じる程度
2:何の匂いか判別できる弱いニオイ
3:楽に感じるニオイ
4:強いニオイ
5:耐えられないほど強いニオイ
【0052】
【表1】
【0053】
*アルキルポリグルコシド:一般式(2)中のR1が炭素数12の飽和の直鎖のアルキル基、nが平均で1.35の化合物
Claims (4)
- 液体消臭剤組成物における(a)が硫酸亜鉛、塩化亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、グルコン酸亜鉛、酢酸亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛から選ばれる亜鉛化合物として配合され、液体消臭剤組成物がこれら亜鉛化合物を亜鉛として0.001〜2質量%含有する請求項1記載のスプレー式液体消臭剤。
- 液体消臭剤組成物が(b)を0.0001〜2質量%含有する請求項1又は2記載のスプレー式液体消臭剤。
- 液体消臭剤組成物が(c)を0.05〜10質量%含有する請求項1〜3の何れか1項記載のスプレー式液体消臭剤。
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