JP2014150864A - 液状消臭剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性が高く、且つ抗菌効果を有する消臭剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)ポリエチレンイミンまたはε―ポリリジンであるアミン類、(b)植物抽出物としてヒノキチオールである植物抽出物、および水を含有し、さらに(c)脂肪族有機酸または無機酸を含有し、pHが6〜9であることを特徴とする液状消臭剤組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(a)ポリエチレンイミンまたはε―ポリリジンであるアミン類、(b)植物抽出物としてヒノキチオールである植物抽出物、および水を含有し、さらに(c)脂肪族有機酸または無機酸を含有し、pHが6〜9であることを特徴とする液状消臭剤組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、広範な微生物に対して優れた抗菌性を有し、かつ広範な悪臭に対して優れた消臭性を有する液状消臭剤組成物に関する。
微生物が生ごみ、靴内、衣服等に増殖すると悪臭が発生し、不快な環境が生じる。このような悪臭に対しては、一般に、化学的方法(化学反応による分解等)、物理的方法(吸着、包接等)、官能的方法(マスキング等)が採られる。しかし、これらの方法では悪臭の除去は一時的であり、悪臭の発生そのものを止める必要がある。微生物の増殖を抑制する目的で、第四級アンモニウム塩型抗菌剤を用いることが提案されている(特許文献1)。しかし、第四級アンモニウム塩型抗菌剤は脂肪酸と不溶性の塩を形成して抗菌活性を消失することが問題である。また、四級アンモニウム塩は悪臭の発生を防止する効果はあるが、悪臭を除去する効果は不十分である。
消臭剤は人体に接触する可能性が高いので、これに用いる抗菌剤には安全性が高いことが望まれる。ヒノキチオールは比較的高い安全性を有し、消臭効果を有することが知られているので、ヒノキチオールを消臭剤に配合することが提案されている(特許文献2および3)。しかし、その消臭効果は弱く、またヒノキチオールは高価であるので、その使用は限定的である。
このように、悪臭の除去効果と、悪臭の発生防止効果を兼ね備えた消臭剤は開発されていない。
本発明の目的は、安全性が高く、且つ抗菌効果を有する消臭剤組成物を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、ヒノキチオールと、アミン類を併用することによって、高い消臭活性が得られることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものであり、以下の様態の液状組成物を提供する。
項1 (a)アミン類、(b)ヒノキチオール、および水を含有し、pHが6〜9であることを特徴とする液状消臭剤組成物
項2 (a)のアミン類が、ポリエチレンイミンまたはε―ポリリジンであることを特徴とする請求項1記載の液状消臭剤組成物
項3 さらに(c)脂肪族有機酸または無機酸を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液状消臭剤組成物
項1 (a)アミン類、(b)ヒノキチオール、および水を含有し、pHが6〜9であることを特徴とする液状消臭剤組成物
項2 (a)のアミン類が、ポリエチレンイミンまたはε―ポリリジンであることを特徴とする請求項1記載の液状消臭剤組成物
項3 さらに(c)脂肪族有機酸または無機酸を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液状消臭剤組成物
本発明によると、安全性が高く、且つ悪臭の除去効果と、悪臭の発生防止効果を兼ね備えた消臭剤を提供することができる。本発明の好ましい実施形態においては、液状消臭剤組成物を対象物に噴霧し、または、液状消臭剤組成物しみ込ませた布で対象物を拭いて使用する。
本発明の液状抗菌消臭剤に用いられるアミン類は水に溶けやすくいものであれば特に限定されるものではないが、25℃においてpH6〜9、好ましくはpH7〜8の範囲で緩衝液となるアミンが好ましい。このようなアミン類、例えば、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエタノールアミン、2−メチルイミダゾール、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ポリエチレンイミン、ポリオルニチン、ポリアミノ酸(例えばε―ポリリジン、ポリアルギニン等)等が挙げられるが、広いpH範囲で緩衝作用を示すこと、安全性が高いことからポリエチレンイミンおよびε―ポリリジンが特に好ましい。本発明に用いられるポリエチレンイミンの分子量は特に限定されず、300〜100000のものが使用される。
本発明の液状組成物におけるアミン類の濃度は、アミンの種類によって異なるので限定できないが、ポリエチレンイミンまたはε―ポリリジンの場合には0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。この濃度以下では性能が不十分であり、これ以上の濃度の液を調製することが困難である。
本発明の液状組成物におけるヒノキチオールの濃度は、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%である。また、アミン類に対するヒノキチオールの比(ヒノキチオール/アミン類)は0.001〜0.3、好ましくは0.005〜0.1、更に好ましくは0.01〜0.05である。この濃度以下では性能が不十分であり、これ以上添加しても性能が向上することはない。
本発明の液状抗菌消臭剤は、25℃においてpH6〜9、好ましくはpH7〜8に調整される。これよりも低いpH域ではイソ吉草酸等の低級脂肪酸に対しての消臭効果が不十分であり、これよりも高いpH域ではアンモニア及びアミン類に対しての消臭効果が不十分である。
本発明の液状消臭剤組成物に配合される脂肪族有機酸または無機酸は特に限定されるものではなく、脂肪族有機酸としては、酢酸、ギ酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸等が、無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等が挙げられる。
本発明の液状消臭剤組成物における水は、アミン類、ヒノキチオール、その他の添加物を除く残量として組成物に含まれる。
本発明の液状組成物には、適宜、界面活性剤(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤)、キレート剤、植物抽出物、溶剤、保湿剤、香料、増粘剤、消泡剤等を添加することができる。
本発明に用いられる非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート)、グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ひまし油誘導体、グリセリンアルキレート、POE−ソルビタンエステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレート、POE−ソルビタンモノステアレート等)、POR−脂肪酸エステル類、POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウルリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル等)、プルロニック類、POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−モノセチルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−グリセリンエーテル等)、テトロニック類、POE−ひまし油誘導体(例えば、POE−ひまし油、POE−硬化ひまし油、POE−硬化ひまし油イソステアレート等)、アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等)、POE−プロピレングリコールエステル、POE−脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、アセチレン系アルコールのポリエーテル化物等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸(例えば、ラウリル酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等)、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等)、リン酸エステル塩(例えば、POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等)、スルホコハク酸塩(例えば、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等)、高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等)、N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等)、硫酸化油(例えば、ロート油等)、POE−アルキルエーテルカルボン酸、POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸、α―オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩等が挙げられる。
キレート剤としては、通常使用されるものであればいずれのものも使用でき、特に限定されないが、例えば、リン酸系化合物(例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸等)、ホスホン酸類(例えば、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1―ヒドロキシ−1,2−ジホスホン酸、エタン−1―ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1―ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸等)、ホスホノカルボン酸類(例えば、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等)、アミノポリ酢酸類(例えば、ニトリロトリ酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸等)、有機酸(例えば、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、グルコン酸、アジピン酸、スベリン酸等)、アミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等)、これらのアルカリ金属塩、アンモニア塩又はアルカノールアミン塩が挙げられる。
植物抽出物としては、竹抽出物、茶抽出物、スギ抽出物、松抽出物、ユーカリ抽出物、レモン抽出物、カタバミ抽出物、モミ抽出物、ヒバ抽出物、柿タンニン、グレープフルーツ抽出物、クローバー抽出物、椿抽出物、ヨモギ抽出物、オオウメガサソウ抽出物、クチジャコウ草抽出物、ジオウ抽出物、ショウガ根抽出物、イラクサ抽出物、パンシル抽出物、ルイボスティー抽出物、アロエ抽出物、ヤシ抽出物、ダイコン抽出物、ダマスクロース抽出物、サヴォーリ抽出物、ローズマリー抽出物、ペパーミント抽出物、トウキ根抽出物、シャクヤク根抽出物、大豆抽出物、わさび抽出物等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、低級アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール、t−ブチルアルコール等)、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリグリセリン、ポリグリセリン等)、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、グリセンモノエチルエーテル、グリセリンモノプロピルエーテル、グリセンモノブチルエーテル、等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、アラビアゴム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカンドガム、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、ポリアクリル酸ナトリウム、グアーガム、タマリントガム、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ラポナイト等が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、キシリトール、ソルビトール、マルチトール等が挙げられる。
着色料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、チタン酸鉄、黄酸化鉄、黄土、黒酸化鉄、コバルトバイオレット、チタン酸コバルト、群青、パール顔料、金属粉末顔料、有機顔料、クロロフィル、β―カロチン等が挙げられる。
香料としては、ジャコウ、ライム、ビャクダン、ハッカ、バニリン、シトロネラール、オイゲノール、リナロール、クマリン、ケイ皮酸エチル等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン系消泡剤等が挙げられる。
本発明の液状組成物は、以上に列挙した添加剤の1種以上と適宜併用することで、各目的により適した防臭消臭剤とすることが出来る。
本発明の液状消臭剤組成物の使用に際しては、そのまま、或いは高濃度品を水で希釈して対象物にスプレーまたは塗布し、または液状組成物を滲みこませた紙や布で対象物を拭き取る。また、液状組成物をスクラバー等の脱臭装置の洗浄液・脱臭液として用いても良い。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明する。
実施例1〜3、比較例1〜4
表1に示す配合品を調製して、下記の基準に基づいて液状態、消臭性、防臭性を評価した。
表1に示す配合品を調製して、下記の基準に基づいて液状態、消臭性、防臭性を評価した。
<液状態>
〇:透明
×:白濁または沈殿を形成
<消臭効果>
1%硫化ナトリウム溶液、1%アンモニア、1%トリメチルアミン、または1%プロピオンアルデヒド、1%イソ吉草酸の0.1mlを50ml容のサンプル瓶に採取し、各配合品0.1mlと水0.9mlを加えた。直ちに蓋をして撹拌し、臭気を下記の基準で評価した。
◎:全く臭気を感じない。
〇:殆ど臭気を感じない。
×:臭気が感じられる。
〇:透明
×:白濁または沈殿を形成
<消臭効果>
1%硫化ナトリウム溶液、1%アンモニア、1%トリメチルアミン、または1%プロピオンアルデヒド、1%イソ吉草酸の0.1mlを50ml容のサンプル瓶に採取し、各配合品0.1mlと水0.9mlを加えた。直ちに蓋をして撹拌し、臭気を下記の基準で評価した。
◎:全く臭気を感じない。
〇:殆ど臭気を感じない。
×:臭気が感じられる。
表1に示したように、アミン類とヒノキチオールを含有する溶液であってpH6〜9の実施例1〜3では高い消臭効果を示した。pHが6より低い場合は硫化ナトリウム、イソ吉草酸の消臭効果が不十分であり、pHが9より高い場合はアンモニア、トリメチルアミンの消臭効果が不十分であった。また、アミン類のみ、ヒノキチオールのみの場合も消臭効果が不十分であった。
Claims (3)
- (a)アミン類、(b)ヒノキチオール、および水を含有し、pHが6〜9であることを特徴とする液状消臭剤組成物
- (a)のアミン類が、ポリエチレンイミンまたはε―ポリリジンであることを特徴とする請求項1記載の液状消臭剤組成物
- さらに(c)脂肪族有機酸または無機酸を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液状消臭剤組成物
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