JPH10328280A - 抗菌・消臭剤組成物 - Google Patents

抗菌・消臭剤組成物

Info

Publication number
JPH10328280A
JPH10328280A JP9155816A JP15581697A JPH10328280A JP H10328280 A JPH10328280 A JP H10328280A JP 9155816 A JP9155816 A JP 9155816A JP 15581697 A JP15581697 A JP 15581697A JP H10328280 A JPH10328280 A JP H10328280A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibacterial
composition
zinc oxide
zinc carbonate
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9155816A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Otaguro
隆浩 大田黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lion Corp filed Critical Lion Corp
Priority to JP9155816A priority Critical patent/JPH10328280A/ja
Publication of JPH10328280A publication Critical patent/JPH10328280A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 抗菌・消臭剤成分、pH調整剤及び溶媒
からなる抗菌・消臭剤組成物において、抗菌・消臭剤成
分が塩基性炭酸亜鉛及び/又は酸化亜鉛とオキシカルボ
ン酸からなり、そのモル比が1:0.7〜1:5であ
り、かつそのpHが4〜9であることを特徴とする抗菌
・消臭剤組成物。 【効果】 本発明の抗菌・消臭剤組成物は、家庭内にお
いて発生するあらゆる悪臭に対して、優れた消臭効果及
び抗菌作用を同時に発現すると共に、安全性が高い組成
物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌・消臭剤組成
物に関し、更に詳しくは、台所、冷蔵庫、ゴミ箱、トイ
レ、浴室等で発生するあらゆる悪臭に対して優れた消臭
効力を有し、かつ抗菌作用を同時に発現し、しかも人
体、動物、家畜に対して安全性を有する抗菌・消臭剤組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般家
庭内において発生する悪臭には、種々のものがある。家
庭内の生活環境において悪臭が発生する場所は、例えば
台所、冷蔵庫、ゴミ箱、トイレ、浴室等である。これら
の悪臭は、アンモニア、アミン等の含窒素化合物或いは
硫化水素、メチルメルカプタン臭等の硫黄含有物質によ
るものが直接の原因である。これらの悪臭物質は、バク
テリア等を含む微生物が介在して、栄養源の脂肪酸系化
合物、蛋白質、炭水化物等を分解した結果、悪臭物質を
発生するものである。
【0003】そこで、これらの発生した種々の悪臭物質
を除去、脱臭するために、最近脱臭効果の高い物質とし
て、酸化亜鉛及び弱アルカリ性物質、バインダー樹脂を
有効成分とする脱臭剤水分散体(特公平5−10950
号公報)や亜鉛化合物及び脂肪族ポリカルボン酸又はそ
の塩、バインダー樹脂を有効成分とする脱臭剤水分散体
(特公平5−10951号公報)が提案されている。
【0004】しかし、これらの脱臭剤水分散体にはそれ
ぞれの下記の問題点がある。即ち、これらの脱臭剤水分
散体は、主に各種塗料、合成樹脂、合成繊維、紙等に混
合したり、練り込んだり、含浸及び塗工するなどの工程
を行って使用する場合には、亜鉛化合物の塩基性炭酸亜
鉛又は酸化亜鉛が未溶解の状態でも、悪臭成分に対して
脱臭効果が得られ利用可能である。ところが、家庭内の
台所、冷蔵庫、ゴミ箱、トイレ、浴室等で発生する悪臭
に対する処置としては、手軽で便利に利用できかつ使い
勝手がよいことが必要であるが、上記の提案は家庭用の
用途には適用し難い。
【0005】実際、特公平5−10950号公報の提案
に従い、例えば、酸化亜鉛に対してリンゴ酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウム等の弱アルカリ性薬剤を混ぜて
水溶液中で溶解させて実施してみると、酸化亜鉛が不溶
であるために有効成分が沈殿し、不均一な状態となり組
成物の外観が低下する。このような組成物をトリガー容
器を用いて、悪臭場所の浴室や台所まわりに対してスプ
レーすると、有効成分が沈殿しているため、十分な消臭
効果を得ることができないことがわかった。また、不均
一な酸化亜鉛含有組成物をトリガー付きスプレー容器で
スプレーすると、不溶物がトリガー部のノズル部分を詰
まらせたり、出にくくさせて不便である。更に、使用し
たあと十分に水洗しないと不溶物の白色粉末が残留する
ため、その処理に手が掛かり面倒で時間がかかる。
【0006】また、特公平5−10951号公報の提案
に関しても同様に、例えば、酸化亜鉛又は塩基性炭酸亜
鉛にフマル酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、リン
ゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等の脂肪族ポリカ
ルボン酸塩を混ぜて水溶液中で溶解させて実施してみる
と、酸化亜鉛や塩基性炭酸亜鉛が不溶であるために有効
成分が沈殿し、不均一な状態となり組成物の外観が低下
し、トリガー容器を用いてスプレーすると上記と同様の
不利が生じる。
【0007】更に、酸化亜鉛や塩基性炭酸亜鉛にコハク
酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ポリカルボン酸等
を混ぜて、水溶液中で溶解させて実施してみると、酸化
亜鉛や塩基性炭酸亜鉛が一時的に溶解するが、水酸化ナ
トリウム等の無機塩やトリエタノールアミン等の有機塩
を用いてpH7〜7.5付近にpH調整すると、組成中
に溶解している有効成分のゲル化が起こり、析出、沈殿
し、外観が低下することがわかった。前記と同様に悪臭
発生場所である浴室や台所まわりに対して、この組成物
をトリガー容器でスプレーすると、同様の問題が起こ
る。
【0008】一方、家庭における生活環境で発生する悪
臭成分は、アンモニア、アミン等の窒素系物質或いは硫
化水素、メチルメルカプタン等の硫黄系物質が直接の原
因であるが、バクテリア等を含む微生物が介在して、脂
肪酸系化合物、蛋白質等の栄養源を分解した結果、上記
窒素系及び硫黄系化合物を発生することがある。これら
の悪臭物質を除去、脱臭するために、最近脱臭効果の高
い物質として、グルコン酸銅を活用した抗菌・脱臭剤
(特開平8−198709号公報)が提案されている。
【0009】しかし、グルコン酸銅を含む組成物を栄養
条件等が異なる実祭の生活環境下において、抗菌性試験
を行うと十分に満足できる抗菌性が得られないことがわ
かった。
【0010】以上のように酸化亜鉛又は塩基性炭酸亜鉛
に対する溶解性向上と同時に、組成中における有効成分
の安定性向上を行い、家庭内の生活環境で発生するあら
ゆる悪臭を確実に、安全に、かつ手軽に除去できる抗菌
・消臭剤組成物は、未だに開発されていないのが現状で
ある。
【0011】従って、本発明の課題は、酸化亜鉛又は塩
基性炭酸亜鉛に対する溶解性向上と同時に、組成中にお
ける有効成分の安定性向上を行い、家庭内の生活環境で
発生するあらゆる悪臭に対して優れた消臭効力を有し、
かつ抗菌作用を同時に発現する安全な抗菌・消臭剤組成
物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、酸化亜鉛又は塩基性炭酸亜鉛の溶解性向上と
同時に、組成中における有効成分の安定性向上を行い、
安全性が高く、しかも優れた消臭効果及び抗菌効果を有
する抗菌・消臭剤組成物について鋭意研究を重ねた結
果、抗菌・消臭剤成分、pH調整剤及び溶媒からなる組
成物において、抗菌・消臭剤成分として塩基性炭酸亜鉛
又は酸化亜鉛の亜鉛化合物及びオキシカルボン酸を用
い、そのモル比を1:0.7〜1:5とし、かつそのp
Hを4〜9に調整した組成物にすることにより、前記の
課題を解決し得ることを見出し、本発明をなすに至った
ものである。
【0013】従って、本発明は、抗菌・消臭剤成分、p
H調整剤及び溶媒からなる抗菌・消臭剤組成物におい
て、抗菌・消臭剤成分が塩基性炭酸亜鉛及び/又は酸化
亜鉛とオキシカルボン酸からなり、そのモル比が1:
0.7〜1:5であり、かつそのpHが4〜9であるこ
とを特徴とする抗菌・消臭剤組成物を提供する。
【0014】本発明の抗菌・消臭剤組成物は、冷蔵庫や
トイレ、浴室、台所、下駄箱、玄関、ペットまわり等の
悪臭の発生する場所に使用することにより、雰囲気中の
悪臭に対して優れた消臭効力を有し、かつ抗菌作用を同
時に発現し、しかも、安全性が高いものである。
【0015】以下、本発明につき更に詳述する。本発明
に係る塩基性炭酸亜鉛又は酸化亜鉛の亜鉛化合物、オキ
シカルボン酸及びpHを4〜9にするために配合される
pH調整剤を含有する組成物は、悪臭成分と化学的な反
応及び物理的な吸着作用等により悪臭ガスを除去するも
のである。また、亜鉛イオン等の効果により抗菌性を有
するものである。
【0016】本発明では、塩基性炭酸亜鉛又は酸化亜鉛
((A)成分)が用いられる。本発明に用いられる塩基
性炭酸亜鉛は、ヒドロキシ炭酸亜鉛とも言われ、下記式
(I) 2ZnCO3・3Zn(OH)2・H2O (I) で示される化合物である。
【0017】また、酸化亜鉛は下記式(II) ZnO (II) で示される。
【0018】塩基性炭酸亜鉛又は酸化亜鉛は、白色粉末
で、水、エタノールに不溶である。また、毒性が無く、
それ自身の臭気もなく、人体と皮膚に接触しても毒性が
ないのでハンドリングが容易で、吸湿性が少ない物質で
ある。また、塩基性炭酸亜鉛又は酸化亜鉛は、化粧品用
原料の基剤としても用いられているため、安全性等の面
で好ましい。
【0019】塩基性炭酸亜鉛又は酸化亜鉛の抗菌・消臭
剤組成物に対する割合は、0.005〜15重量%、好
ましくは0.01〜10重量%である。その配合量が
0.005重量%未満では、消臭効果及び抗菌効果が不
十分である。一方、15重量%を超える配合量では、著
しい消臭効果及び抗菌効果は見られず、組成中の安定性
が低下し、不経済である。なお、塩基性炭酸亜鉛又は酸
化亜鉛は単独で用いても、両者を併用してもよい。
【0020】また、本発明では、オキシカルボン酸
((B)成分)が使用される。本発明者は、塩基性炭酸
亜鉛又は酸化亜鉛の溶解性と同時に、組成中の安定性に
関して、有機カルボン酸を種々検討した結果、水溶液中
で、塩基性炭酸亜鉛又は酸化亜鉛の溶解性向上と、同時
に組成中の有効成分の安定性を向上させる基剤として、
オキシカルボン酸が有効な基剤であることを知見したも
のである。
【0021】即ち、用いるオキシカルボン酸の役割は、
塩基性炭酸亜鉛又は酸化亜鉛の溶解性を促進させると共
に、組成物中の亜鉛イオンを安定な形にするために有効
な基剤である。
【0022】オキシカルボン酸としては、水溶液中(2
5℃)における酸解離定数pkaが7以下を示すもので
あればいずれでも使用できる。例えば、塩基性炭酸亜鉛
を用いる場合のオキシカルボン酸は、塩基性炭酸亜鉛と
併用して水に溶かしたときに、塩基性炭酸亜鉛を溶解
し、かつpH調整後、組成中における有効成分の安定性
を向上させるものであれば差し支えない。オキシカルボ
ン酸の1種或いは2種以上を用いても差し支えない。
【0023】例えば、オキシカルボン酸の具体例とし
て、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、グリセリン
酸、リンゴ酸、酒石酸、メチルリンゴ酸、クエン酸、イ
ソクエン酸、安息香酸、サリチル酸等を使用できるが、
特に好ましいものは、安全性の面で食品添加物に指定さ
れている乳酸、リンゴ酸、酒石酸及びクエン酸である。
【0024】塩基性炭酸亜鉛又は酸化亜鉛の亜鉛化合物
とオキシカルボン酸とは、モル比を1:0.7〜1:5
とする比率で組み合わせ、かつpH範囲を4〜9、好ま
しくは5〜8に設定することにより、本発明の目的が最
良に達成される。オキシカルボン酸量が上記範囲より少
なくなると(モル比が上記範囲より小さくなると)、塩
基性炭酸亜鉛又は酸化亜鉛が溶解せず、沈殿が起こり、
十分な消臭効果及び抗菌効果が得られない。また、モル
比が上記範囲より大きくなると亜鉛化合物は十分に溶解
するが、pH調整剤の使用量が多くなり、無駄となって
不経済である。
【0025】また、本発明では、上記pHに調整するた
め、pH調整剤((C)成分)が使用される。pH調整
剤としては、水溶液中(25℃)における酸解離定数p
kaが12以下を示す有機酸塩或いは無機酸塩であれば
いずれでも使用できる。例えば、塩基性炭酸亜鉛とリン
ゴ酸を用いる場合のpH調整剤は、炭酸亜鉛とリンゴ酸
とを併用して水に溶かしたときに、溶液pHが4〜9を
呈するものであればいずれでも差し支えない。有機酸塩
及び無機酸塩の1種或いは2種以上を用いても差し支え
ない。
【0026】有機酸塩及び無機酸塩としては、グリコー
ル酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ヒドロキシ酪酸ナト
リウム、グリセリン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウ
ム、メチルリンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、ク
エン酸ナトリウム、イソクエン酸ナトリウム、安息香酸
ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、炭
酸ナトリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが
挙げられる。塩の対イオンは、ナトリウム、カリウム、
アンモニウム等でも差し支えない。
【0027】この場合、消臭剤として実用性と安全性が
必要であることを考慮すると、抗菌・消臭剤組成物に用
いるには、食品添加物に指定されている乳酸ナトリウ
ム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、安息香
酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムが好ましい。
【0028】本発明の抗菌・消臭剤組成物では、塩基性
炭酸亜鉛又は酸化亜鉛の亜鉛化合物及びオキシカルボン
酸の特定モル比率に対して、pH調整剤は組成物のpH
を4〜9とする任意の割合で配合できるが、更に好まし
いpH調整範囲は5〜8の弱酸性及び中性付近である。
このようにpH調整剤により本発明の抗菌・消臭剤組成
物のpHを5〜8の弱酸性及び中性領域付近に調整する
ことにより、酸性の悪臭、アルカリ性の悪臭に対して優
れた消臭効果を与えるばかりでなく、安全性の面でも好
ましい。
【0029】また、このように塩基性炭酸亜鉛又は酸化
亜鉛の亜鉛化合物及びオキシカルボン酸との特定比率に
対して、pH調整剤を用いて上記pHに調整すると、安
定な亜鉛イオンを含む本発明の抗菌・消臭剤組成物が得
られ、これは経日においても安定であり、この組成物を
用いて、消臭試験及び抗菌性試験を行うと、製造直後
(初期)の消臭効果及び抗菌効果と同等であった。
【0030】本発明では、溶媒((D)成分)が用いら
れる。この溶媒は、塩基性炭酸亜鉛又は酸化亜鉛の亜鉛
化合物及びオキシカルボン酸を液状で安定に保つと共
に、pH調整剤を溶液状に保持し、抗菌・消臭剤組成物
のpHを4〜9の範囲に維持させる作用を有するもので
ある。
【0031】溶媒としては、塩基性炭酸亜鉛又は酸化亜
鉛の亜鉛化合物及びオキシカルボン酸及びpH調整剤を
溶液状に保つことができるものであれば差し支えない。
【0032】具体的な溶媒としては、水、アルコール
類、グリコールアルキルエーテル類などを用いることが
できる。アルコール類としては、脂肪族アルコールを挙
げることができる。脂肪族アルコールとしては、メチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ンなどが挙げられる。グリコールアルキルエーテル類と
しては、アルキレングリコールアルキルエーテル系溶媒
を挙げることができる。アルキレングリコールエーテル
系の化合物としては、例えば、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
ブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエー
テル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、
トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレン
エチレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテ
ル等を挙げることができる。これらは1種或いは2種以
上を組み合わせて使用できる。なお、アルコール類やグ
リコール類は、水を含んだ状態で差し支えない。
【0033】溶媒は、抗菌・消臭剤組成物100重量%
に対して70〜99重量%、好ましくは90〜99重量
%含有させることができる。この範囲を超えるときは、
塩基性炭酸亜鉛等の亜鉛化合物に対する溶解性や組成物
の安定性が低下し、かつ不経済である。また、この範囲
未満では十分な消臭効果及び抗菌性が得られない。
【0034】本発明の抗菌・消臭剤組成物には、必要に
応じて他の任意成分を適宜配合することができる。任意
成分としては、界面活性剤、低温下又は高温下での液性
を保持するのに配合される低級アルキルベンゼンスルホ
ン酸又はその塩、エチレングリコールなどのハイドロト
ロープ剤、殺菌剤、防腐剤及び防カビ剤、香料、色素、
酸化防止剤、増粘剤、紫外線吸収剤がある。また、本発
明の抗菌・消臭剤組成物を他の消臭剤や脱臭剤と組み合
わせて使用することも可能である。なお、これら任意成
分に用いられる化合物は、通常消臭剤に使用されるもの
ならばどのようなものでもよく、特に限定されるもので
はない。
【0035】本発明の抗菌・消臭剤組成物は、任意の使
用形態で使用できる。具体的には、ゲル形態及び多孔質
の含浸体に含浸させる形態やスプレー(トリガータイプ
やディスペンサータイプ)、更にエアゾール形態で噴霧
して使用したり、或いは容器に抗菌・消臭剤組成物を入
れ、薬液中に吸い上げ芯を挿入し、毛細管現象により吸
い上げ揮散に展開させて揮散させる形態等が挙げられ
る。
【0036】本発明の抗菌・消臭剤組成物は、このよう
にゲル及びスプレー、ディスペンサー、エアゾール形態
で含有するか、或いは噴霧して使用した場合、家具や被
服、皮膚、器物等に付着しても安全で、傷めないもので
ある。従って、本発明組成物の具体的用途は、一般家庭
内におけるペットの糞尿の消臭、ペットまわり、生ゴ
ミ、台所、シンクタンク内の三角コーナーやストレーナ
ー、トイレの便器やその空間、風呂内の配水管や目皿、
靴、ゴミ箱、排水口、下駄箱、エアコン、カーテン、
畳、床、カーペット、ロッカー、自動車内等の嫌な臭い
の除去、その他、乗り物内のタバコの臭いの除去、ワキ
ガ、生理臭、足の臭い、オムツ、タオル、フキン、ハン
カチの臭いの除去など、窒素酸化物や硫黄酸化物の臭い
の除去等、幅広い臭いにおいて有効に使用できるという
優れた消臭効果を発揮するものである。
【0037】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0038】本発明の抗菌・消臭剤組成物の効果を確認
するために、塩基性炭酸亜鉛又は酸化亜鉛の溶解性試験
とpH調整後の組成物の液外観及びその安定性評価、ア
ンモニア及び硫化水素の消臭力試験、抗菌性試験を行っ
た。これらの試験方法は以下の通りである。溶解性試験、組成物の液外観及びその安定性評価 各基剤と所定の水(約20℃)を1000mlのビーカ
ーに添加した後、マグネットスターラーにて60〜90
分間撹拌して静置し、塩基性炭酸亜鉛又は酸化亜鉛の溶
解性を目視で評価した。その時、均一な溶液状態であれ
ばpH調整剤にて液pHを調整して、組成物の液外観及
び安定性について評価した。アンモニアの消臭試験方法 横20cm、縦20cm、高さ20cm(8リットル)
の密閉ガラス容器の中央部に試料1.0ccずつ取り、
直径70mmの濾紙に含浸させて作製した試験片を配置
し、一定量のアンモニアを注入し、アンモニア注入直後
及び注入後90分経過後の気体のアンモニア濃度変化を
アンモニア検知管を用いて測定した。硫化水素の消臭試験方法 横25cm、縦25cm、高さ20cm(12.5リッ
トル)の密閉ガラス容器の中央部に試料(直径70mm
の濾紙に試料1.0ccを含浸させた試験片)を配置
し、一定量の硫化水素を注入し、硫化水素注入直後及び
注入後90分経過後の硫化水素濃度変化を硫化水素検知
管を用いて測定した。抗菌性試験 本発明組成物の抗菌性試験に関しては、菌の発育有無に
よって確認した。
【0039】〔接種用菌液の調製法〕予め寒天培地で前
培養した菌体を白金耳で滅菌生理食塩水に、マックファ
ーランドスタンダード3(約108CFU/ml)相当
に懸濁した。供試菌は、この懸濁液1容量に対して生理
食塩水100容量を加えて希釈したものを接種用菌液と
して用いた。菌体としては、S.aureu 209P
及びE.coli IFO3301を用いた。評価用サ
ンプルは、0.1重量%濃度の後述する実施例の組成物
を用いた。
【0040】次に、0.1重量%濃度に調整した前記実
施例の各サンプル1mlを標準寒天培地19mlに混釈
(1/20倍)したものを測定用平板培地とし、ここに
上記で調製した接種菌液一白金耳を画線し、35℃で4
8時間培養した。培養後、菌の発育の有無を肉眼で判定
した。
【0041】比較例として、実施例と同量(0.1重量
%)のグルコン酸銅、乳酸ナトリウム、酒石酸ナトリウ
ム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムについて
調製し、実施例と同様に抗菌性評価を行った。
【0042】〔実施例1,2、比較例1〜24〕表1〜
4に示す割合で各基剤と所定の水(約20℃)を100
0mlのビーカーに添加した後、マグネットスターラー
にて60〜90分間撹拌して静置し、塩基性炭酸亜鉛又
は酸化亜鉛の亜鉛化合物及びオキシカルボン酸の溶解性
を目視で評価した。その時、均一な溶液状態であればp
H調整剤にて液pHを調整した。pH調整後、組成物の
液外観及び安定性について評価した。また作製したサン
プルを5℃及び15℃の恒温槽において1ヶ月間安定性
を評価した。その結果を表1〜4に示す。
【0043】
【表1】 * :炭酸亜鉛は塩基性炭酸亜鉛で化学式は、2ZnC
3・3Zn(OH)2・H2Oである。 **:塩基性炭酸亜鉛の溶解性及び組成物の安定性評価 ○:透明な溶液 ×:白濁溶液、或いは不溶物あり、沈殿物、析出物あり
【0044】
【表2】 * :炭酸亜鉛は塩基性炭酸亜鉛で化学式は、2ZnC
3・3Zn(OH)2・H2Oである。 **:塩基性炭酸亜鉛の溶解性及び組成物の安定性評価 ○:透明な溶液 ×:白濁溶液、或いは不溶物あり、沈殿物、析出物あり
【0045】
【表3】 * :酸化亜鉛の化学式は、ZnOである。 **:酸化亜鉛の溶解性及び組成物の安定性評価 ○:透明な溶液 ×:白濁溶液、或いは不溶物あり、沈殿物、析出物あり
【0046】
【表4】 * :酸化亜鉛の化学式は、ZnOである。 **:酸化亜鉛の溶解性及び組成物の安定性評価 ○:透明な溶液 ×:白濁溶液、或いは不溶物あり、沈殿物、析出物あり
【0047】〔実施例3〜12、比較例25,26〕表
5,6に示す割合で各基剤と所定の水(約20℃)を1
000mlのビーカーに添加した後、マグネットスター
ラーにて60〜90分間撹拌して静置し、塩基性炭酸亜
鉛又は酸化亜鉛の亜鉛化合物及びオキシカルボン酸の溶
解性を目視で評価した。その時、均一な溶液状態であれ
ばpH調整剤にて液pHを調整した。pH調整後、組成
物の液外観及び安定性について評価した。また作製した
サンプルを5℃及び15℃の恒温槽において1ヶ月間安
定性を評価した。その結果を表5,6に示す。なお、表
5,6には上記実施例1,2の結果を併記する。
【0048】
【表5】 * :炭酸亜鉛は塩基性炭酸亜鉛で化学式は、2Zn
CO3・3Zn(OH)2・H2Oである。モル数の計算
は、炭酸亜鉛として分子量を125とした。 ** :クエン酸一水和塩の分子量210;dl−リン
ゴ酸の分子量134 ***:塩基性炭酸亜鉛の溶解性及び組成物の安定性評
価 ○:透明な溶液 ×:白濁溶液、或いは不溶物あり、沈殿物、析出物あり
【0049】
【表6】 * :酸化亜鉛の化学式は、ZnOである。モル数の
計算は、酸化亜鉛として分子量を81とした。 ** :クエン酸一水和塩の分子量210;dl−リン
ゴ酸の分子量134 ***:酸化亜鉛の溶解性及び組成物の安定性評価 ○:透明な溶液 ×:白濁溶液、或いは不溶物あり、沈殿物、析出物あり
【0050】〔実施例13〜18、比較例27〜30〕
表7,8に示す割合で各基剤と所定の水(約20℃)を
1000mlのビーカーに添加した後、マグネットスタ
ーラーにて60〜90分間撹拌して、塩基性炭酸亜鉛又
は酸化亜鉛の亜鉛化合物及びオキシカルボン酸を水に溶
解させた後、pH調整剤で設定pHに調整して、消臭試
験用サンプル(アンモニア及び硫化水素)とした。この
サンプルを用いて消臭試験を行った。
【0051】
【表7】 *:炭酸亜鉛は塩基性炭酸亜鉛で化学式は、2ZnCO
3・3Zn(OH)2・H2Oである。
【0052】
【表8】 *:酸化亜鉛の化学式は、ZnOである。
【0053】〔実施例19〜40〕表9〜12に示す割
合で各基剤と所定の水(約20℃)を1000mlのビ
ーカーに添加した後、マグネットスターラーにて60〜
90分間撹拌して、塩基性炭酸亜鉛又は酸化亜鉛の亜鉛
化合物及びオキシカルボン酸を水に溶解させた後、pH
調整剤にて液pHを調製し、pH調整後の組成物の液外
観及びその安定性について評価した。また作製したサン
プルを5℃及び15℃の恒温槽において1ヶ月間安定性
を評価した。その結果を表9〜12に示す。
【0054】
【表9】 * :炭酸亜鉛は塩基性炭酸亜鉛で化学式は、2ZnC
3・3Zn(OH)2・H2Oである。 **:塩基性炭酸亜鉛の溶解性及び組成物の安定性評価 ○:透明な溶液 ×:白濁溶液、或いは不溶物あり、沈殿物、析出物あり
【0055】
【表10】 * :炭酸亜鉛は塩基性炭酸亜鉛で化学式は、2ZnC
3・3Zn(OH)2・H2Oである。 **:塩基性炭酸亜鉛の溶解性及び組成物の安定性評価 ○:透明な溶液 ×:白濁溶液、或いは不溶物あり、沈殿物、析出物あり
【0056】
【表11】 * :酸化亜鉛の化学式は、ZnOである。 **:塩基性炭酸亜鉛の溶解性及び組成物の安定性評価 ○:透明な溶液 ×:白濁溶液、或いは不溶物あり、沈殿物、析出物あり
【0057】
【表12】 * :酸化亜鉛の化学式は、ZnOである。 **:塩基性炭酸亜鉛の溶解性及び組成物の安定性評価 ○:透明な溶液 ×:白濁溶液、或いは不溶物あり、沈殿物、析出物あり
【0058】〔実施例19,22,25,27,30,
33,36,38、比較例31〜35〕 上記実施例の組成物の抗菌性試験を行った。また、比較
例31〜35として、実施例と同量(0.1重量%)の
グルコン酸銅、乳酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リ
ンゴ酸ナトリウム、クエン酸3ナトリウムについて調製
し、抗菌性評価を行った。その結果を表13に示す。
【0059】
【表13】
【0060】以上の結果より、本発明の抗菌・消臭剤組
成物は、酸化亜鉛及び塩基性炭酸亜鉛の溶解性向上を促
進させると同時に、組成中における有効成分の安定性を
改善し、アンモニアや硫化水素の悪臭に対して優れた消
臭効力を有し、5℃の低温や15℃の条件下でも組成物
が安定であることが確認された。
【0061】また、本発明の抗菌・消臭剤組成物は、消
臭作用を有すると共に、グルコン酸銅含有組成物よりも
抗菌効果があることが確認された。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の抗菌・消
臭剤組成物は、家庭内において発生するあらゆる悪臭に
対して、優れた消臭効果及び抗菌作用を同時に発現する
と共に、安全性が高い組成物である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌・消臭剤成分、pH調整剤及び溶媒
    からなる抗菌・消臭剤組成物において、抗菌・消臭剤成
    分が塩基性炭酸亜鉛及び/又は酸化亜鉛とオキシカルボ
    ン酸からなり、そのモル比が1:0.7〜1:5であ
    り、かつそのpHが4〜9であることを特徴とする抗菌
    ・消臭剤組成物。
JP9155816A 1997-05-29 1997-05-29 抗菌・消臭剤組成物 Pending JPH10328280A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9155816A JPH10328280A (ja) 1997-05-29 1997-05-29 抗菌・消臭剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9155816A JPH10328280A (ja) 1997-05-29 1997-05-29 抗菌・消臭剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10328280A true JPH10328280A (ja) 1998-12-15

Family

ID=15614113

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9155816A Pending JPH10328280A (ja) 1997-05-29 1997-05-29 抗菌・消臭剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10328280A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002011777A1 (fr) * 2000-08-08 2002-02-14 Bridgestone Corporation Desodorisant et milieu filtrant desodorisant
JP2006515331A (ja) * 2003-03-18 2006-05-25 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 相対亜鉛反応活性度の高い亜鉛含有層状物質を含む組成物
JP2009001593A (ja) * 2003-03-18 2009-01-08 Procter & Gamble Co パーソナルケア組成物及びその調製方法
EP2108446A1 (de) * 2008-04-08 2009-10-14 Süd-Chemie Ag Feste Geruchsadsorber auf der Basis von Zinkricinoleaten und verwandten Verbindungen
US9381382B2 (en) 2002-06-04 2016-07-05 The Procter & Gamble Company Composition comprising a particulate zinc material, a pyrithione or a polyvalent metal salt of a pyrithione and a gel network
JP2019122443A (ja) * 2018-01-12 2019-07-25 加地貿易 株式会社 塩素系洗浄剤の消臭剤及び清掃方法
DE102019115279B3 (de) * 2019-06-06 2020-10-15 Schill + Seilacher Gmbh Verfahren zur Herstellung eines Zinkderivats einer N-Acylaminosäure und dessen Verwendung

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002011777A1 (fr) * 2000-08-08 2002-02-14 Bridgestone Corporation Desodorisant et milieu filtrant desodorisant
US9381382B2 (en) 2002-06-04 2016-07-05 The Procter & Gamble Company Composition comprising a particulate zinc material, a pyrithione or a polyvalent metal salt of a pyrithione and a gel network
JP2006515331A (ja) * 2003-03-18 2006-05-25 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 相対亜鉛反応活性度の高い亜鉛含有層状物質を含む組成物
JP2009001593A (ja) * 2003-03-18 2009-01-08 Procter & Gamble Co パーソナルケア組成物及びその調製方法
EP2108446A1 (de) * 2008-04-08 2009-10-14 Süd-Chemie Ag Feste Geruchsadsorber auf der Basis von Zinkricinoleaten und verwandten Verbindungen
WO2009124750A1 (de) * 2008-04-08 2009-10-15 Süd-Chemie AG Feste geruchsadsorber auf der basis von zinkricinoleaten und verwandten verbindungen
JP2019122443A (ja) * 2018-01-12 2019-07-25 加地貿易 株式会社 塩素系洗浄剤の消臭剤及び清掃方法
DE102019115279B3 (de) * 2019-06-06 2020-10-15 Schill + Seilacher Gmbh Verfahren zur Herstellung eines Zinkderivats einer N-Acylaminosäure und dessen Verwendung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1675995B (zh) 消毒剂及其制造方法
US20030007945A1 (en) Odor absorption and deodorization description
CN109481713B (zh) 一种液体除臭剂及其制备方法
JPH10328284A (ja) 抗菌・消臭剤組成物
JP2007044422A (ja) 消臭剤組成物
CN113115789A (zh) 一种消毒除味剂及其制备方法
JPH10236904A (ja) 抗菌・消臭剤組成物
US20210204552A1 (en) Antimicrobial composition
JPH10328280A (ja) 抗菌・消臭剤組成物
EP1452188A1 (en) Deodorant and cosmetic shampoo preparation containing the same
KR20230008134A (ko) 소취제
CN107441541A (zh) 液体除臭剂的制备方法
US6358469B1 (en) Odor eliminating aqueous formulation
JP4772274B2 (ja) 無生物材料の臭気を減少させる液体組成物および方法
TWI292789B (ja)
JPH10277139A (ja) 抗菌・消臭剤組成物
US6703010B1 (en) Spray containing amphoteric material to reduce malodors
JP4170155B2 (ja) スプレー式液体消臭剤
JP4256653B2 (ja) 溶液型消臭剤
JP2007296064A (ja) 消臭剤
JP3548011B2 (ja) 溶液型消臭剤
CN110692652A (zh) 一种宠物家用的祛味除臭留香型消毒液及其制备方法
JPH0527423B2 (ja)
JP2009028530A (ja) 消臭剤
JP2000342672A (ja) 消臭剤組成物