JPWO2018056162A1 - リパーゼ活性の測定方法及び測定試薬並びにリパーゼ活性測定用基質溶液 - Google Patents
リパーゼ活性の測定方法及び測定試薬並びにリパーゼ活性測定用基質溶液 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル[DGGMR]をリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液において、例えアジ化物が混入しても、DGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるリパーゼ活性測定用基質溶液、リパーゼ活性測定試薬、リパーゼ活性測定方法、及びアジ化物の影響の抑制方法を提供する。【解決手段】 1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液において、還元剤を含有させる。【選択図】なし
Description
本発明は、リパーゼ活性測定に対するアジ化物の影響を抑制できる、リパーゼ活性測定用基質溶液、リパーゼ活性の測定試薬、及びリパーゼ活性の測定方法に関するものである。
また、本発明は、リパーゼ活性測定に対するアジ化物の影響を抑制できる方法に関するものである。
また、本発明は、リパーゼ活性測定に対するアジ化物の影響を抑制できる方法に関するものである。
本発明は、臨床検査などの生命科学分野、及び分析化学などの化学分野等において有用なものである。
血清又は血漿中のリパーゼ活性は、急性膵炎、慢性膵炎又は膵臓癌等の膵疾患において上昇することから、これらの膵炎等のマーカーとして有用なものである。
このリパーゼは、長鎖脂肪酸の3分子がそれぞれグリセロールにエステル結合したトリグリセライド(TG)のα位(1位、3位)のエステル結合を加水分解して、2分子の脂肪酸及び1分子のβ−モノグリセライドを生成する反応を触媒する酵素である。
この1分子のβ−モノグリセライドは、α型に異性化され、これがリパーゼの作用を受けて加水分解されてグリセロールと脂肪酸とになる。
このリパーゼは、長鎖脂肪酸の3分子がそれぞれグリセロールにエステル結合したトリグリセライド(TG)のα位(1位、3位)のエステル結合を加水分解して、2分子の脂肪酸及び1分子のβ−モノグリセライドを生成する反応を触媒する酵素である。
この1分子のβ−モノグリセライドは、α型に異性化され、これがリパーゼの作用を受けて加水分解されてグリセロールと脂肪酸とになる。
血清又は血漿中のリパーゼ活性の測定方法としては、次のような方法が知られていた(非特許文献1及び非特許文献2参照。)。
例えば、オリーブ油のエマルジョンをリパーゼの基質として用い、このオリーブ油のエマルジョンを血清試料等と接触させ、37℃で24時間反応させた後、リパーゼによる加水分解反応により生成した脂肪酸をアルカリで滴定するCherry−Crandallの方法が知られていた。
しかし、この方法は反応時間が長く、測定しようとするリパーゼの不活性化や反応阻害が著しい方法であった。
例えば、オリーブ油のエマルジョンをリパーゼの基質として用い、このオリーブ油のエマルジョンを血清試料等と接触させ、37℃で24時間反応させた後、リパーゼによる加水分解反応により生成した脂肪酸をアルカリで滴定するCherry−Crandallの方法が知られていた。
しかし、この方法は反応時間が長く、測定しようとするリパーゼの不活性化や反応阻害が著しい方法であった。
また、トリオレイン又はオリーブ油のエマルジョンをリパーゼの基質として用い、このトリオレイン又はオリーブ油のエマルジョンを血清試料等と接触させ、反応させて、リパーゼによる乳化ミセルの加水分解反応にともなって起こる反応液の濁度の減少からリパーゼ活性を測定するVogel−Zieve法及びこの変法が知られていた。
しかし、これらの方法は、血清蛋白による阻害やリウマチ因子による凝集塊の干渉を受け、均一かつ安定なエマルジョンを作るのが難しく、再現性に乏しいという短所を有する方法であった。
しかし、これらの方法は、血清蛋白による阻害やリウマチ因子による凝集塊の干渉を受け、均一かつ安定なエマルジョンを作るのが難しく、再現性に乏しいという短所を有する方法であった。
また、BALB(2,3−ジメルカプト−1−プロパノール 三酪酸)をリパーゼの基質として用い、このBALBを血清試料等と接触させ、反応させて、リパーゼによる加水分解反応により生成したBAL(2,3−ジメルカプト−1−プロパノール)をDTNB(5,5’−ジチオビス−2−ニトロ安息香酸)と反応させて、生じたTNBアニオンの黄色の発色を412nmで測定することによってリパーゼ活性を測定する方法が知られていた。
しかし、この方法は、高濃度の肝エステラーゼの存在下でその干渉を受けてしまうため、他の測定項目の測定試薬から反応セル又はノズル(プローブ)を介して混入する肝エステラーゼの影響を受けて測定値に誤差が生じるという短所を有する方法であった。
しかし、この方法は、高濃度の肝エステラーゼの存在下でその干渉を受けてしまうため、他の測定項目の測定試薬から反応セル又はノズル(プローブ)を介して混入する肝エステラーゼの影響を受けて測定値に誤差が生じるという短所を有する方法であった。
また、天然型基質である1,2−ジリノレオイルグリセロールをリパーゼの基質として用い、この1,2−ジリノレオイルグリセロールを血清試料等と接触させ、反応させて、リパーゼによる加水分解反応により生成したリノール酸が、コエンザイムA、NAD+及びATPの存在下で、アシル−CoAシンセターゼ、アシル−CoAオキシダーゼ、エノイル−CoAヒドラターゼ−3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ−3−ケトアシル−CoAチオラーゼ複合酵素の共同作用によってβ−酸化を受ける際に起こるNADHの生成速度を測定することによってリパーゼ活性を測定する方法が知られていた。
しかし、この方法も、高濃度の肝エステラーゼの存在下でその干渉を受けてしまうため、他の測定項目の測定試薬から反応セル又はノズル(プローブ)を介して混入する肝エステラーゼの影響を受けて測定値に誤差が生じるという短所を有する方法であった。
しかし、この方法も、高濃度の肝エステラーゼの存在下でその干渉を受けてしまうため、他の測定項目の測定試薬から反応セル又はノズル(プローブ)を介して混入する肝エステラーゼの影響を受けて測定値に誤差が生じるという短所を有する方法であった。
前記の各測定方法に加えて、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル[以下、「DGGMR」ということがある]をリパーゼの基質として用いる血清又は血漿中のリパーゼ活性の測定方法が開発された(特許文献1及び非特許文献2参照。)。
この方法では、この1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル[DGGMR]を血清試料等と接触させ、反応させることにより、リパーゼが触媒する加水分解反応によって、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロール及びグルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルが生成する。
このグルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルは不安定であって、容易に自然に加水分解されて6’−メチルレゾルフィン(λmax:580nm)を生成する。
この生成する6’−メチルレゾルフィンの増加を580nm又はその近辺の波長の吸光度を測ることによって測定し、試料中に含まれていたリパーゼの活性値を求めることができる。
このDGGMRをリパーゼの基質として用いるリパーゼ活性の測定方法は、測定が一連の反応で進むシンプルなものであり、かつ他の測定試薬から反応セル又はノズル(プローブ)を介して混入するエステラーゼの影響を受けにくいという長所を有する方法である。
この方法では、この1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル[DGGMR]を血清試料等と接触させ、反応させることにより、リパーゼが触媒する加水分解反応によって、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロール及びグルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルが生成する。
このグルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルは不安定であって、容易に自然に加水分解されて6’−メチルレゾルフィン(λmax:580nm)を生成する。
この生成する6’−メチルレゾルフィンの増加を580nm又はその近辺の波長の吸光度を測ることによって測定し、試料中に含まれていたリパーゼの活性値を求めることができる。
このDGGMRをリパーゼの基質として用いるリパーゼ活性の測定方法は、測定が一連の反応で進むシンプルなものであり、かつ他の測定試薬から反応セル又はノズル(プローブ)を介して混入するエステラーゼの影響を受けにくいという長所を有する方法である。
また、血清又は血漿等に含まれるリパーゼは、エマルジョン化したトリグリセライド基質の水と油との界面で最も効率よく作用し、このリパーゼの反応速度は分散した基質の表面積に関係するので、このリパーゼの活性測定には安定で均一なミセル粒子からなる基質の調製が重要であるとされている(非特許文献2参照。)。
このため、従来、リパーゼ活性の測定に使用するための基質溶液(リパーゼ活性測定用基質溶液)を製造するに当っては、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン化(乳化)した基質溶液となるよう、種々の方法が考えられてきたが、基質を界面活性剤を含む水溶液に混合したり、基質をアルコールなどの有機溶媒を含む溶液に混合したり、基質含有液を滴々と滴下して溶液に混合したり、基質含有液を溶液に噴射注入したり、基質溶液を強力なミキサーで高速に撹拌したり、又は基質溶液に超音波を掛ける処理を行ったり等の煩雑な若しくは熟練を要する等の特別な処理が必要であったり、又は特別な装置若しくは器具などの物等が必要であった。
このため、従来、リパーゼ活性の測定に使用するための基質溶液(リパーゼ活性測定用基質溶液)を製造するに当っては、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン化(乳化)した基質溶液となるよう、種々の方法が考えられてきたが、基質を界面活性剤を含む水溶液に混合したり、基質をアルコールなどの有機溶媒を含む溶液に混合したり、基質含有液を滴々と滴下して溶液に混合したり、基質含有液を溶液に噴射注入したり、基質溶液を強力なミキサーで高速に撹拌したり、又は基質溶液に超音波を掛ける処理を行ったり等の煩雑な若しくは熟練を要する等の特別な処理が必要であったり、又は特別な装置若しくは器具などの物等が必要であった。
ところで、リパーゼ活性測定用基質を含有する溶液は一般に不安定であり、その保存安定性に問題があった。
このため、リパーゼ活性測定用基質を含有する溶液の保存安定性の改善を目的として種々の試みが行われた。
このため、リパーゼ活性測定用基質を含有する溶液の保存安定性の改善を目的として種々の試みが行われた。
例えば、リパーゼの基質となるトリグリセライド等の非水溶性物質を非イオン性界面活性剤を含む水溶液に加え、撹拌しながら加熱し、一度非イオン性界面活性剤の曇点より高い温度に上げ、更に撹拌を続けながら曇点以下に冷却することを特徴とする、非水溶性物質の透明な可溶化水溶液の製造方法が、従来困難であった非水溶性物質の可溶化を可能にし、しかも得られる可溶化水溶液は極めて安定であるとの効果を奏するものとして開示された(特許文献2参照。)。
また、低濃度のpH緩衝液、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤等の非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とするリパーゼ活性測定用ジグリセリド溶液が、長期保存安定性に優れたジグリセリドの水溶液を提供すること等が可能であるとの効果を奏するものとして開示された(特許文献3参照。)。
また、少なくともポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤等の非イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリドを基質として用いることを特徴とする植物由来及び/又は微生物由来リパーゼ活性測定用組成物が、長期保存安定性に優れたジグリセリドの水溶液を含有するキット、組成物の提供が可能になる等の効果を奏するものとして開示された(特許文献4参照。)。
また、前記のDGGMRよりなるリパーゼ基質等に対して、新規なリパーゼ基質可溶化剤である1,2−ジフタノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンにより可溶化した酵素活性測定用リパーゼ基質溶液等が、保存安定性が大きく、溶液の高い透明度を長期間にわたって保持することも可能であるとの効果を奏するものとして開示された(特許文献5参照。)。
また、前記のDGGMRよりなるリパーゼ基質と側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイル又はポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン縮合物を混合し混合物を調製し、当該混合物の全部又は一部を水又は水溶液と混合する工程を含むことを特徴とするリパーゼ活性測定溶液の製造方法として開示された(特許文献6参照。)。
臨床検査法提要,第30版,第670頁〜第674頁,金井正光編著,金原出版,1993年8月20日発行
臨床検査法提要,第33版,第545頁〜第547頁,金井正光監修,金原出版,2010年4月1日発行
試薬には、不安定なものが多く、保存中に劣化して使用できなくなってしまうことが多々ある。
特に、臨床検査試薬を自動分析装置で使用するといった、試薬を開封状態で使用せざるを得ない場合には、開封状態とすることにより生じる種々の要因により、試薬の劣化は著しい。
特に、臨床検査試薬を自動分析装置で使用するといった、試薬を開封状態で使用せざるを得ない場合には、開封状態とすることにより生じる種々の要因により、試薬の劣化は著しい。
例えば、空気中の酸素が試薬に溶け込むことにより、試薬中の成分が酸化され、劣化してしまうことがある。
また、空気中の二酸化炭素が試薬中に溶け込むことにより、試薬のpHが低下し、本来の機能が果たせなくなってしまうことがある。
更に、試薬中に二酸化炭素が溶け込むことにより、被検物質(測定しようとする物質)が二酸化炭素により阻害を受けてしまい、正確な測定が出来なくなってしまう場合もある。
また、空気中の二酸化炭素が試薬中に溶け込むことにより、試薬のpHが低下し、本来の機能が果たせなくなってしまうことがある。
更に、試薬中に二酸化炭素が溶け込むことにより、被検物質(測定しようとする物質)が二酸化炭素により阻害を受けてしまい、正確な測定が出来なくなってしまう場合もある。
本発明者らは、DGGMRをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定試薬を自動分析装置にセットして試料中のリパーゼ活性値の測定を行なってゆく際に、測定により得られる吸光度値が経時的に低下してゆくことに気付いた。
本発明者らは、検討の結果、自動分析装置の試薬庫における近傍の他の臨床検査用試薬中に防腐剤として含有させたアジ化ナトリウム等のアジ化物がアジ化水素として気化し、その気化したアジ化物が同じ試薬庫中のリパーゼ活性測定用基質溶液に溶け込むことにより、当該リパーゼ活性測定用基質溶液に含まれるDGGMRが劣化してしまい、試料中のリパーゼ活性値の測定により得られる吸光度値が経時的に低下してゆくことを見い出した。
更に、本発明者らは、自動分析装置において、試薬に含まれるアジ化物が自動分析装置の試薬プローブ(試薬採取口)に付着することにより、この試薬プローブが次の試薬であるリパーゼ活性測定用基質溶液(DGGMRをリパーゼ活性測定用基質として含むもの)を採取した際に、試薬プローブに付着したアジ化物がそのリパーゼ活性測定用基質溶液に混入し、当該リパーゼ活性測定用基質溶液に含まれるDGGMRを劣化させ、試料中のリパーゼ活性値の測定により得られる吸光度値が低下することを見い出した。
このようにDGGMRをリパーゼ活性測定用基質として含む従来のリパーゼ活性測定用基質溶液は、他の臨床検査用試薬中に含まれるアジ化物が混入することにより、DGGMRが劣化してしまい、測定により得られる吸光度値が低下してしまうものであった。
これに対して、本発明の課題は、DGGMRをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液において、例えアジ化物が混入しても、DGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるリパーゼ活性測定用基質溶液を提供することである。
また、本発明の課題は、DGGMRをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定試薬において、例えアジ化物が混入しても、DGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるリパーゼ活性測定試薬を提供することである。
また、本発明の課題は、DGGMRをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液を使用するリパーゼ活性測定方法において、例えアジ化物が混入しても、DGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるリパーゼ活性測定方法を提供することである。
更に、本発明の課題は、DGGMRをリパーゼ活性測定用基質として使用するリパーゼ活性測定において、例えアジ化物が混入しても、DGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるアジ化物の影響の抑制方法を提供することである。
本発明者らは、DGGMRをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液及びリパーゼ活性測定試薬、リパーゼ活性測定方法並びにアジ化物の影響の抑制方法について検討を重ねたところ、リパーゼ活性測定用基質溶液において、DGGMRと共に還元剤を含有させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液において、還元剤を含有することを特徴とするリパーゼ活性測定用基質溶液。
(2)前記(1)に記載のリパーゼ活性測定用基質溶液を含むことを特徴とするリパーゼ活性測定試薬。
(3)1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液を使用するリパーゼ活性測定方法において、リパーゼ活性測定用基質溶液に還元剤を含有させることを特徴とするリパーゼ活性測定方法。
(4)1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液に還元剤を含有させることを特徴とするリパーゼ活性測定に対するアジ化物の影響の抑制方法。
(1)1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液において、還元剤を含有することを特徴とするリパーゼ活性測定用基質溶液。
(2)前記(1)に記載のリパーゼ活性測定用基質溶液を含むことを特徴とするリパーゼ活性測定試薬。
(3)1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液を使用するリパーゼ活性測定方法において、リパーゼ活性測定用基質溶液に還元剤を含有させることを特徴とするリパーゼ活性測定方法。
(4)1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液に還元剤を含有させることを特徴とするリパーゼ活性測定に対するアジ化物の影響の抑制方法。
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるリパーゼ活性測定用基質溶液である。
また、本発明のリパーゼ活性測定試薬は、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるリパーゼ活性測定試薬である。
また、本発明のリパーゼ活性測定方法は、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるリパーゼ活性測定方法である。
また、本発明のアジ化物の影響の抑制方法は、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるアジ化物の影響の抑制方法である。
また、本発明のリパーゼ活性測定試薬は、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるリパーゼ活性測定試薬である。
また、本発明のリパーゼ活性測定方法は、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるリパーゼ活性測定方法である。
また、本発明のアジ化物の影響の抑制方法は、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるアジ化物の影響の抑制方法である。
〔1〕本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液
I.総論
1.リパーゼ活性測定用基質溶液
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル[DGGMR]をリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液において、還元剤を含有することを特徴とするものである。
I.総論
1.リパーゼ活性測定用基質溶液
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル[DGGMR]をリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液において、還元剤を含有することを特徴とするものである。
そして、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、上記の構成により、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるものである。
2.リパーゼ
本発明において、リパーゼは、リパーゼとしての活性、すなわちリパーゼ活性を有するものであればよく、このリパーゼ活性を有するものであれば特に限定はない。
本発明において、リパーゼは、リパーゼとしての活性、すなわちリパーゼ活性を有するものであればよく、このリパーゼ活性を有するものであれば特に限定はない。
本発明において、リパーゼとしては、例えば、長鎖脂肪酸の3分子がそれぞれグリセロールにエステル結合したトリグリセライド(TG)のα位(1位、3位)のエステル結合を加水分解して、2分子の脂肪酸及び1分子のβ−モノグリセライドを生成する反応を触媒する膵リパーゼ[EC 3.1.1.3]等を挙げることができる。
本発明は、体液、臓器又は組織に存在するリパーゼの活性測定にとって好適であり、体液に存在するリパーゼの活性測定にとってより好適であり、血液、血清又は血漿に存在するリパーゼの活性測定にとって更に好適であり、血清又は血漿に存在するリパーゼの活性測定にとって特に好適である。
また、本発明は、膵リパーゼの活性測定にとって好適である。
II.リパーゼ活性測定用基質溶液
1.総論
前記の通り、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル、及び界面活性剤よりなるミセル粒子からなるエマルジョン溶液であって、還元剤を含有するものであることが好ましい。
1.総論
前記の通り、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル、及び界面活性剤よりなるミセル粒子からなるエマルジョン溶液であって、還元剤を含有するものであることが好ましい。
本発明における、このDGGMR、及び界面活性剤よりなるミセル粒子からなるエマルジョン溶液であって、還元剤を含有するものについて、以下説明する。
なお、この本発明におけるエマルジョン溶液[すなわち、DGGMR、及び界面活性剤よりなるミセル粒子からなるエマルジョン溶液であって、還元剤を含有するもの]は、後述の通り、DGGMR、界面活性剤、及び還元剤以外の物を含んでよいものである。
2.リパーゼ活性測定用基質
(1)総論
本発明において、試料中に含まれるリパーゼの活性の測定に使用するためのリパーゼの基質、すなわちリパーゼ活性測定用基質は、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル[DGGMR]である。
(1)総論
本発明において、試料中に含まれるリパーゼの活性の測定に使用するためのリパーゼの基質、すなわちリパーゼ活性測定用基質は、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル[DGGMR]である。
本発明においては、リパーゼ活性測定用基質であるDGGMRを試料と接触させ、試料中に含まれるリパーゼと反応させることにより、リパーゼが触媒する加水分解反応によって、DGGMRより1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロール及びグルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルが生成する。
このグルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルは不安定であって、容易に自然に加水分解されて6’−メチルレゾルフィン(λmax:580nm)を生成する。
本発明においては、この生成する6’−メチルレゾルフィンの増加を580nm又はその近辺の波長の吸光度を測ることによって測定し、試料中に含まれていたリパーゼの活性値を求めることができる。
このグルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルは不安定であって、容易に自然に加水分解されて6’−メチルレゾルフィン(λmax:580nm)を生成する。
本発明においては、この生成する6’−メチルレゾルフィンの増加を580nm又はその近辺の波長の吸光度を測ることによって測定し、試料中に含まれていたリパーゼの活性値を求めることができる。
なお、DGGMRは、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]、又はシグマ アルドリッチ ジャパン合同会社[日本国]等より市販されている。
(2)リパーゼ活性測定用基質の濃度
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液におけるDGGMRの濃度であるが、この本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液におけるDGGMRの濃度が0.05mM以上であることが、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液とする上で好ましい。
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液におけるDGGMRの濃度であるが、この本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液におけるDGGMRの濃度が0.05mM以上であることが、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液とする上で好ましい。
なお、この本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液におけるDGGMRの濃度は、前記の目的の上から、より好ましくは0.1mM以上であり、特に好ましくは0.2mM以上である。
また、この本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液に含有させるDGGMRの濃度であるが、前記の目的の上から、2mM以下であることが好ましい。
なお、この本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液におけるDGGMRの濃度は、前記の目的の上から、より好ましくは1mM以下であり、特に好ましくは0.8mM以下である。
3.還元剤
(1)総論
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、DGGMRをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液において、還元剤を含有することを特徴とするものである。
(1)総論
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、DGGMRをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液において、還元剤を含有することを特徴とするものである。
これにより、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるものである。
そして、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、DGGMR、及び界面活性剤よりなるミセル粒子からなるエマルジョン溶液であって、還元剤を含有するものであることが好ましい。
そして、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、DGGMR、及び界面活性剤よりなるミセル粒子からなるエマルジョン溶液であって、還元剤を含有するものであることが好ましい。
(2)本発明における還元剤
本発明における還元剤としては、特に限定はなく、還元能力を有するものであればよい。
本発明における還元剤としては、特に限定はなく、還元能力を有するものであればよい。
この還元剤としては、例えば、ヒドロキシルアンモニウム塩、又はチオール化合物等を挙げることができる。
(a)ヒドロキシルアンモニウム塩
本発明において、このヒドロキシルアンモニウム塩としては、例えば、塩化ヒドロキシルアンモニウム、硝酸ヒドロキシルアンモニウム、又は硫酸ヒドロキシルアンモニウム等を挙げることができる。
本発明において、このヒドロキシルアンモニウム塩としては、例えば、塩化ヒドロキシルアンモニウム、硝酸ヒドロキシルアンモニウム、又は硫酸ヒドロキシルアンモニウム等を挙げることができる。
(b)チオール化合物
本発明において、このチオール化合物としては、例えば、ジチオスレイトール(DTT)、N−アセチル−L−システイン(NAC)、チオグリセロール、還元型グルタチオン、システイン、ジチオエリスリトール、臭化2−アミノエチルイソチオウロニウム、2−チオグルコース、チオグリコール酸、2−メルカプトエタノール、N−グアニル−L−システイン、メルカプト酢酸、メルカプトコハク酸、2−メルカプトエタンスルホン酸、又はシステアミン等のSH基を有する化合物を挙げることができる。
本発明において、このチオール化合物としては、例えば、ジチオスレイトール(DTT)、N−アセチル−L−システイン(NAC)、チオグリセロール、還元型グルタチオン、システイン、ジチオエリスリトール、臭化2−アミノエチルイソチオウロニウム、2−チオグルコース、チオグリコール酸、2−メルカプトエタノール、N−グアニル−L−システイン、メルカプト酢酸、メルカプトコハク酸、2−メルカプトエタンスルホン酸、又はシステアミン等のSH基を有する化合物を挙げることができる。
(3)濃度
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液における還元剤の濃度は、特に限定されないが、0.01mM以上であることが好ましい。
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液における還元剤の濃度は、特に限定されないが、0.01mM以上であることが好ましい。
なお、この還元剤の好ましい濃度の下限は、より好ましくは0.1mM以上であり、特に好ましくは0.5mM以上である。
また、この還元剤の濃度であるが、上限は特にはないが、コスト等のことを考えると100mM迄で十分である。
なお、この還元剤の好ましい濃度の下限は、より好ましくは10mM以下であり、特に好ましくは5mM以下である。
(4)還元剤の使用等
本発明において、還元剤は、1種類のものを使用してもよく、又は複数種類のものを使用してもよい。
本発明において、還元剤は、1種類のものを使用してもよく、又は複数種類のものを使用してもよい。
本発明において、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制する目的のためには、還元剤としては、ヒドロキシルアンモニウム塩が好ましく、特に塩化ヒドロキシルアンモニウムが好ましい。
4.界面活性剤
(1)総論
前記の通り、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、DGGMR、及び界面活性剤よりなるミセル粒子からなるエマルジョン溶液であって、還元剤を含有するものであることが好ましい。
(1)総論
前記の通り、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、DGGMR、及び界面活性剤よりなるミセル粒子からなるエマルジョン溶液であって、還元剤を含有するものであることが好ましい。
この界面活性剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、及び陽イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
この、非イオン性界面活性剤としては、例えば、側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイル又はポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン縮合物等を挙げることができる。
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイル、又はポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン縮合物が好ましく、側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイルが特に好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイル、又はポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン縮合物が好ましく、側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイルが特に好ましい。
DGGMR、及び界面活性剤よりなるミセル粒子からなるエマルジョン溶液であって、還元剤を含有するものであるリパーゼ活性測定用基質溶液は、すなわち、エマルジョン溶液であって、DGGMR、界面活性剤、及び還元剤を含有するものである。
(2)側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイル
側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイル[以下、「本変性シリコーンオイル」ということがある]について、以下説明する。
側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイル[以下、「本変性シリコーンオイル」ということがある]について、以下説明する。
シリコーン化合物は、シロキサン結合〔−Si−O−Si−〕が主鎖であって、側鎖としてメチル基〔CH3−〕等の有機基がケイ素原子に結合した重合体化合物である。
そして、直鎖状のシリコーン化合物がシリコーンオイルである。
そして、直鎖状のシリコーン化合物がシリコーンオイルである。
なお、変性シリコーンオイルは、直鎖状のジメチルシリコーン化合物〔Si(CH3)3−O−[Si(CH3)2−O−]m−Si(CH3)3〕の一部のケイ素原子に有機基を導入した化合物である。
この変性シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖の一部、ポリシロキサンのどちらか片方の末端、ポリシロキサンの両方の末端、又はポリシロキサンの側鎖の一部と両方の末端に、各種の有機基を導入したシリコーンオイルが存在する。
この変性シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖の一部、ポリシロキサンのどちらか片方の末端、ポリシロキサンの両方の末端、又はポリシロキサンの側鎖の一部と両方の末端に、各種の有機基を導入したシリコーンオイルが存在する。
この内、ポリシロキサンの側鎖の一部に各種の有機基を導入したシリコーンオイルが、側鎖型の変性シリコーンオイル〔Si(CH3)3−O−[Si(CH3)2−O−]m−[Si(CH3)(有機基)−O−]n−Si(CH3)3〕である。
なお、この導入する有機基の性質によって、変性シリコーンオイルは、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルに分類される。
この内、非反応性の変性シリコーンオイルとしては、その導入有機基により、ポリエーテル変性タイプ、アラルキル変性タイプ、フロロアルキル変性タイプ、長鎖アルキル変性タイプ、高級脂肪酸エステル変性タイプ、高級脂肪酸アミド変性タイプ、ポリエーテル・長鎖アルキル・アラルキル変性タイプ、長鎖アルキル・アラルキル変性タイプ、又はフェニル変性タイプ等を挙げることができる。
そして、側鎖型の非反応性の変性シリコーンオイル〔Si(CH3)3−O−[Si(CH3)2−O−]m−[Si(CH3)(有機基)−O−]n−Si(CH3)3〕としては、その変性タイプが、例えば、ポリエーテル変性タイプのもの〔有機基:−R(C2H4O)a(C3H6O)bR’〕、ポリエーテル・長鎖アルキル・アラルキル変性タイプのもの〔有機基:−R(C2H4O)a(C3H6O)bR’、−CaH2a+1、−CH2−CH(CH3)−C6H5〕、アラルキル変性タイプのもの〔有機基:−CH2−CH(CH3)−C6H5〕、フロロアルキル変性タイプのもの〔有機基:−CH2CH2CF3〕、長鎖アルキル変性タイプのもの〔有機基:−CaH2a+1〕、長鎖アルキル・アラルキル変性タイプのもの〔有機基:−CaH2a+1、−CH2−CH(CH3)−C6H5〕、高級脂肪酸エステル変性タイプのもの〔有機基:−OCOR〕、高級脂肪酸アミド変性タイプのもの〔有機基:−RNHCOR’〕、又はフェニル変性タイプのもの〔有機基:−C6H5〕等を挙げることができる。
本発明においては、この側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイル〔Si(CH3)3−O−[Si(CH3)2−O−]m−[Si(CH3)(有機基)−O−]n−Si(CH3)3〕[有機基:−R(C2H4O)a(C3H6O)bR’]を用いることが好ましい。
この側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイルとしては、例えば、「KF−351A」、「KF−354L」、「KF−355A」、又は「KF−6011」[販売元はいずれの製品も信越化学工業株式会社(日本国)]等が市販されている。
(3)ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン縮合物
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン縮合物[以下、「本POE・POP縮合物」ということがある]について、以下説明する。
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン縮合物[以下、「本POE・POP縮合物」ということがある]について、以下説明する。
前記の通り、非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物〔HO(C2H4O)a−(C3H6O)b−(C2H4O)cH〕を挙げることができる。
このポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物(本POE・POP縮合物)としては、例えば、ポリオキシエチレン(16)ポリオキシプロピレングリコール(17)〔医薬部外品原料規格名:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(16E.O.)(17P.O.)〕、又はポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレングリコール(20)〔医薬部外品原料規格名:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(20E.O.)(20P.O.)〕等を挙げることができる。
この本POE・POP縮合物としては、例えば、ポリオキシエチレン(16)ポリオキシプロピレングリコール(17)[製品名:「プルロニック L−34」、販売元:株式会社ADEKA(日本国)]、又はポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレングリコール(20)[製品名:「プルロニック L−44」、販売元:株式会社ADEKA(日本国)]等が市販されている。
(4)界面活性剤の濃度
DGGMR、及び界面活性剤よりなるミセル粒子からなるエマルジョン溶液であって、還元剤を含有するものであるリパーゼ活性測定用基質溶液において、界面活性剤の濃度は0.01%(w/v)以上であることが、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液とする上で好ましい。
DGGMR、及び界面活性剤よりなるミセル粒子からなるエマルジョン溶液であって、還元剤を含有するものであるリパーゼ活性測定用基質溶液において、界面活性剤の濃度は0.01%(w/v)以上であることが、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液とする上で好ましい。
なお、このリパーゼ活性測定用基質溶液における界面活性剤の濃度は、前記の目的の上から、より好ましくは0.05%(w/v)以上であり、特に好ましくは0.1%(w/v)以上である。
また、このリパーゼ活性測定用基質溶液に含有させる界面活性剤の濃度であるが、前記の目的の上から、20%(w/v)以下であることが好ましい。
なお、このリパーゼ活性測定用基質溶液における界面活性剤の濃度は、前記の目的の上から、より好ましくは10%(w/v)以下であり、特に好ましくは5%(w/v)以下である。
5.リパーゼ賦活化剤
(1)リパーゼ賦活化剤
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液には、リパーゼ賦活化剤を含有させてもよい。
(1)リパーゼ賦活化剤
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液には、リパーゼ賦活化剤を含有させてもよい。
本発明において、リパーゼ賦活化剤としては、リパーゼを賦活化することができる物質であればよく、特に限定はないが、例えば、胆汁酸又はその塩等を挙げることができる。
この胆汁酸としては、例えば、デオキシコール酸、タウロデオキシコール酸、グリコデオキシコール酸、コール酸、リトコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、7−オキソリトコール酸、12−オキソリトコール酸、12−オキソケノデオキシコール酸、7−オキソデオキシコール酸、ヒオコール酸、ヒオデオキシコール酸、デヒドロコール酸、又はコール酸誘導体等を挙げることができる。
また、この胆汁酸の塩としては、例えば、胆汁酸とアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属との塩又はアンモニウム塩等を挙げることができる。
このアルカリ金属としては、例えば、カリウム、ナトリウム又はリチウム等を挙げることができ、また、このアルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム又はカルシウム等を挙げることができる。
このアルカリ金属としては、例えば、カリウム、ナトリウム又はリチウム等を挙げることができ、また、このアルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム又はカルシウム等を挙げることができる。
リパーゼ賦活化剤としては、そのリパーゼ賦活化能、リパーゼ活性測定用基質よりなる界面の形成能力、水溶性、及びコスト等の点から、胆汁酸又はその塩が好ましい。
そして、胆汁酸としては、リパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRが安定な酸性域において溶解可能な点でタウロデオキシコール酸が好ましく、また、コストの点からデオキシコール酸が好ましい。
この胆汁酸としては、タウロデオキシコール酸が特に好ましい。
この胆汁酸としては、タウロデオキシコール酸が特に好ましい。
そして、胆汁酸の塩としては、胆汁酸とアルカリ金属の塩が好ましく、胆汁酸のカリウム塩又はナトリウム塩がより好ましく、胆汁酸のナトリウム塩が特に好ましい。
よって、胆汁酸の塩としては、デオキシコール酸又はタウロデオキシコール酸のアルカリ金属(カリウム若しくはナトリウム等)の塩が好ましく、タウロデオキシコール酸のアルカリ金属(カリウム又はナトリウム等)の塩がより好ましく、タウロデオキシコール酸のナトリウム塩が特に好ましい。
(2)リパーゼ賦活化剤の濃度
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、リパーゼ賦活化剤は、その濃度が0.2%(w/v)以上の濃度であることが好ましい。
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、リパーゼ賦活化剤は、その濃度が0.2%(w/v)以上の濃度であることが好ましい。
なお、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、このリパーゼ賦活化剤の好ましい濃度は、より好ましくは0.4%(w/v)以上であり、特に好ましくは1%(w/v)以上である。
また、このリパーゼ賦活化剤の濃度であるが、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、20%(w/v)以下であることが好ましい。
なお、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、このリパーゼ賦活化剤の好ましい濃度は、より好ましくは10%(w/v)以下であり、特に好ましくは5%(w/v)以下である。
6.リパーゼ活性化剤
(1)リパーゼ活性化剤
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液には、リパーゼ活性化剤を含有させてもよい。
(1)リパーゼ活性化剤
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液には、リパーゼ活性化剤を含有させてもよい。
本発明において、リパーゼ活性化剤としては、リパーゼを活性化することができる物質であればよく、特に限定はないが、例えば、アルカリ土類金属イオン又はその塩等を挙げることができる。
このアルカリ土類金属イオン又はその塩としては、例えば、ベリリウムイオン若しくはベリリウム塩、マグネシウムイオン若しくはマグネシウム塩、又はカルシウムイオン若しくはカルシウム塩等を挙げることができる。
このカルシウム塩としては、例えば、水溶性のカルシウム塩等を挙げることができ、より具体的には、1価又は2価以上の陰イオンとカルシウムイオンよりなる塩であって水溶性であるもの等を挙げることができる。
なお、この陰イオンとしては、例えば、ハロゲンイオン、有機化合物よりなる酸基、又はその他の無機化合物よりなる酸基等を挙げることができる。
そして、ハロゲンイオンとしては、例えば、フッ素イオン、又は塩素イオン等を挙げることができる。
有機化合物よりなる酸基としては、例えば、酢酸イオン、クエン酸イオン、又はグルコン酸イオン等を挙げることができる。
その他の無機化合物よりなる酸基としては、例えば、硫酸イオン、リン酸イオン、又は炭酸イオン等を挙げることができる。
このリパーゼ活性化剤としては、アルカリ土類金属イオン又はその塩が好ましい。
なお、アルカリ土類金属イオン又はその塩としては、次の(i)及び(ii)の点から、カルシウムイオン又はカルシウム塩が好ましい。
(i) リパーゼの活性化能。
(ii) リパーゼの触媒作用を受けることによりリパーゼ活性測定用基質から遊離した脂肪酸は、リパーゼ活性測定用基質よりなる界面を壊すが、カルシウムイオン又はカルシウム塩はこの遊離した脂肪酸を捕捉し、当該界面が壊れるのを抑制することができる。
(i) リパーゼの活性化能。
(ii) リパーゼの触媒作用を受けることによりリパーゼ活性測定用基質から遊離した脂肪酸は、リパーゼ活性測定用基質よりなる界面を壊すが、カルシウムイオン又はカルシウム塩はこの遊離した脂肪酸を捕捉し、当該界面が壊れるのを抑制することができる。
そして、このカルシウム塩としては、陰イオンとカルシウムイオンよりなる塩であって水溶性であるものが好ましい。
そして、この陰イオンとしては、ハロゲンイオン又は有機化合物よりなる酸基が好ましい。より具体的には、塩素イオン又は酢酸イオンが特に好ましい。
よって、カルシウム塩としては、ハロゲンイオンのカルシウム塩又は有機化合物よりなる酸基のカルシウム塩が好ましく、より具体的には、塩化カルシウム又は酢酸カルシウムが特に好ましい。
(2)リパーゼ活性化剤の濃度
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、リパーゼ活性化剤は、その濃度が0.1mM以上の濃度であることが好ましい。
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、リパーゼ活性化剤は、その濃度が0.1mM以上の濃度であることが好ましい。
なお、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、このリパーゼ活性化剤の好ましい濃度は、より好ましくは1mM以上であり、特に好ましくは5mM以上である。
また、このリパーゼ活性化剤の濃度であるが、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、100mM以下であることが好ましい。
なお、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、このリパーゼ活性化剤の好ましい濃度は、より好ましくは50mM以下であり、特に好ましくは25mM以下である。
7.コリパーゼ
(1)コリパーゼ
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液には、コリパーゼを含有させてもよい。
(1)コリパーゼ
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液には、コリパーゼを含有させてもよい。
本発明において、コリパーゼとしては、コリパーゼの作用、機能又は活性を有しているものであればよく、特に限定はないが、例えば、ヒト、若しくはブタなどの哺乳類由来のコリパーゼ又は遺伝子工学等を用いて調製、修飾若しくは改変されたコリパーゼ等を挙げることができる。
このコリパーゼとしては、ブタなどの哺乳類由来のコリパーゼが好ましく、ブタなどの哺乳類の膵臓由来のコリパーゼがより好ましい。
(2)コリパーゼの活性値
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、コリパーゼは、その活性値が15K単位/L(15K Unit/L)以上であることが好ましい。
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、コリパーゼは、その活性値が15K単位/L(15K Unit/L)以上であることが好ましい。
なお、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、このコリパーゼの好ましい活性値は、より好ましくは150K単位/L以上であり、特に好ましくは750K単位/L以上である。
また、このコリパーゼの活性値であるが、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、7,500K単位/L以下であることが好ましい。
なお、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、このコリパーゼの好ましい活性値は、より好ましくは3,750K単位/L以下であり、特に好ましくは2,250K単位/L以下である。
なお、本明細書におけるコリパーゼの各活性値(単位/L)は、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]のブタ膵臓由来のコリパーゼの活性値の表示に基づくものである。[1mg/L=75K単位/L]
なお、コリパーゼは、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]、又はシグマ アルドリッチ ジャパン合同会社[日本国]等より市販されている。
8.水
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液には、水を含有させてもよい。
すなわち、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、水溶液又は水性懸濁液であってよい。
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液には、水を含有させてもよい。
すなわち、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、水溶液又は水性懸濁液であってよい。
この本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液に含有させる水は、特に限定はないが、例えば、純水、蒸留水又は精製水等を挙げることができる。
9.pH
本発明におけるリパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRは、pH4又はその付近のpHにおいて安定である。
よって、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、そのpHはpH4を中心とする一定の範囲内のものであることが好ましい。
本発明におけるリパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRは、pH4又はその付近のpHにおいて安定である。
よって、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、そのpHはpH4を中心とする一定の範囲内のものであることが好ましい。
具体的には、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、DGGMRの安定性の点から、pH2〜pH7の範囲内にあることが好ましく、pH3〜pH5の範囲内にあることがより好ましく、そして、pH3.5〜pH4.5の範囲内にあることが特に好ましい。(前記のpH値はいずれも20℃での値である。)
10.緩衝剤
(1)緩衝剤
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液には、緩衝剤を含有させてもよい。
(1)緩衝剤
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液には、緩衝剤を含有させてもよい。
本発明においては、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液のpHを、前記9に記載のpH範囲に保つため、前記9記載のpH範囲に緩衝能を有する緩衝剤を本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液に適宜含有させてもよい。
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液に含有させることができる緩衝剤としては、特に限定はないが、例えば、酒石酸、コハク酸、マロン酸、若しくはクエン酸などの有機酸、又はグリシン、若しくはリン酸、或いはこれらの塩等を挙げることができる。
(2)緩衝剤の濃度
本発明において、緩衝剤を本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液に含有させる場合の濃度は、特に限定はなく、設定するpHの範囲において緩衝能を発揮することができる濃度であればよい。
本発明において、緩衝剤を本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液に含有させる場合の濃度は、特に限定はなく、設定するpHの範囲において緩衝能を発揮することができる濃度であればよい。
例えば、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、この緩衝剤の濃度は、好ましくは5mM以上であり、より好ましくは10mM以上であり、特に好ましくは30mM以上である。
また、この緩衝剤の濃度は、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液において、好ましくは500mM以下であり、より好ましくは100mM以下であり、特に好ましくは50mM以下である。
11.リパーゼ活性測定用基質溶液のエマルジョンのミセル径
先に記載した通り、リパーゼは、エマルジョン化したトリグリセライド基質の水と油との界面で最も効率よく作用し、このリパーゼの反応速度は分散した基質の表面積に関係するので、このリパーゼの活性測定には安定で均一なミセル粒子からなる基質の調製が重要であるとされている(非特許文献2参照。)。
先に記載した通り、リパーゼは、エマルジョン化したトリグリセライド基質の水と油との界面で最も効率よく作用し、このリパーゼの反応速度は分散した基質の表面積に関係するので、このリパーゼの活性測定には安定で均一なミセル粒子からなる基質の調製が重要であるとされている(非特許文献2参照。)。
本発明において、リパーゼ活性測定用基質[DGGMR]を含有するリパーゼ活性測定用基質溶液は、そのエマルジョンのミセル径(ミセル粒子径)が60〜1,500nmの範囲にあると、リパーゼとの反応の速度が高く、また、このエマルジョンが安定であり、リパーゼ活性測定用基質溶液を長期間保存・使用できるので好ましい。
この理由により、リパーゼ活性測定用基質溶液は、そのエマルジョンのミセル径(ミセル粒子径)が70〜1,000nmの範囲にあることがより好ましく、80〜600nmの範囲にあることが更に好ましく、そして、100〜200nmの範囲にあることが特に好ましい。
III.リパーゼ活性測定用基質溶液の製造方法
1.総論
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液を製造する方法であるが、上記の「DGGMRをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液において、還元剤を含有することを特徴とするリパーゼ活性測定用基質溶液」という構成の本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液を製造することができる方法であればよく、特に限定はない。
1.総論
本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液を製造する方法であるが、上記の「DGGMRをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液において、還元剤を含有することを特徴とするリパーゼ活性測定用基質溶液」という構成の本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液を製造することができる方法であればよく、特に限定はない。
なお、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液を製造する方法としては、例えば、次の(a)及び(b)の工程よりなる方法等を挙げることができる。なお、本発明において、この「次の(a)及び(b)の工程よりなる方法」は、「次の(a)及び(b)の工程を含む方法」をも含むことを意味するものである。
この(a)及び(b)の工程よりなる方法は、煩雑な若しくは熟練を要する等の特別な処理、又は特別な装置若しくは器具などの物等を必要とせずに、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液を製造することができるので、好ましい。
この(a)及び(b)の工程よりなる方法は、煩雑な若しくは熟練を要する等の特別な処理、又は特別な装置若しくは器具などの物等を必要とせずに、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液を製造することができるので、好ましい。
(a) DGGMRと、界面活性剤を混合し混合物を調製する工程
(b) 前記(a)の混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程
2.DGGMRと界面活性剤を混合し混合物を調製する工程
前記1における(a)の工程、すなわち、「DGGMRと、界面活性剤を混合し混合物を調製する工程」について、以下、詳細に説明する。
前記1における(a)の工程、すなわち、「DGGMRと、界面活性剤を混合し混合物を調製する工程」について、以下、詳細に説明する。
(1)DGGMRと界面活性剤の混合
前記1の(a)の工程、すなわち、「DGGMRと、界面活性剤を混合し混合物を調製する工程」においては、リパーゼ活性測定用基質であるDGGMRと界面活性剤を混合する。
すなわち、DGGMRと界面活性剤とを直接混合する。
前記1の(a)の工程、すなわち、「DGGMRと、界面活性剤を混合し混合物を調製する工程」においては、リパーゼ活性測定用基質であるDGGMRと界面活性剤を混合する。
すなわち、DGGMRと界面活性剤とを直接混合する。
なお、界面活性剤は、1種類のものをDGGMRと混合してもよく、又は複数種類のものをDGGMRと混合してもよい。
(2)DGGMRの混合量
リパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRと、界面活性剤を混合し混合物を調製する工程において、このDGGMRを混合する量は、特に限定されない。
リパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRと、界面活性剤を混合し混合物を調製する工程において、このDGGMRを混合する量は、特に限定されない。
なお、このDGGMRは、前記1の(b)の工程である「DGGMRと界面活性剤の混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程」における当該「DGGMRと界面活性剤の混合物の全部又は一部」と当該「水又は水溶液」との混合(以下、「第2混合」ということがある)の後に、その濃度が0.05mM以上であることが、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液を製造する目的の上から好ましい。
なお、この第2混合の後(第2混合後)、このDGGMRの好ましい濃度は、前記の目的の上から、より好ましくは0.1mM以上であり、特に好ましくは0.2mM以上である。
また、このDGGMRの濃度であるが、第2混合後、前記の目的の上から、2mM以下であることが好ましい。
なお、第2混合後、このDGGMRの好ましい濃度は、前記の目的の上から、より好ましくは1mM以下であり、特に好ましくは0.8mM以下である。
第2混合後のDGGMRの好ましい濃度は、以上述べた通りである。
なお、前記1の(a)の「DGGMRと、界面活性剤を混合し混合物を調製する工程」における当該DGGMRと当該界面活性剤との混合(以下、「第1混合」ということがある)の時の当該DGGMR及び当該界面活性剤それぞれの混合量を、第2混合後にDGGMRの濃度が上記の通りになるように、考慮の上決めてもよく、このようにすることが、その製造手順の上から好ましい。
なお、前記1の(a)の「DGGMRと、界面活性剤を混合し混合物を調製する工程」における当該DGGMRと当該界面活性剤との混合(以下、「第1混合」ということがある)の時の当該DGGMR及び当該界面活性剤それぞれの混合量を、第2混合後にDGGMRの濃度が上記の通りになるように、考慮の上決めてもよく、このようにすることが、その製造手順の上から好ましい。
なお、このDGGMRの混合量及び濃度であるが、例えば、次の(a)又は(b)などのように考えることができる。
(a)リパーゼ活性測定用基質と界面活性剤の混合物の全部を水又は水溶液と混合する場合
第1混合時に混合させるリパーゼ活性測定用基質の混合量をWs[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とし、そしてリパーゼ活性測定用基質の分子量をMWsとした場合、第2混合後のリパーゼ活性測定用基質の濃度Cs[単位:mM]は次の式で表すことができる。
第1混合時に混合させるリパーゼ活性測定用基質の混合量をWs[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とし、そしてリパーゼ活性測定用基質の分子量をMWsとした場合、第2混合後のリパーゼ活性測定用基質の濃度Cs[単位:mM]は次の式で表すことができる。
Cs=(Ws×106)÷(Vf×MWs)
なお、リパーゼ活性測定用基質であるDGGMRの分子量MWsは752.05であるので、上記の式は次のようになる。
Cs=(Ws×106)÷(Vf×752.05)
よって、この場合の第1混合時に混合させるリパーゼ活性測定用基質(DGGMR)の混合量Ws[単位:グラム]は次のように表すことができる。
Ws=(Cs×Vf×MWs)÷106
すなわち、Ws=(Cs×Vf×752.05)÷106
(b)リパーゼ活性測定用基質と界面活性剤の混合物の一部を水又は水溶液と混合する場合
第1混合時に混合させるリパーゼ活性測定用基質の混合量をWs[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とし、リパーゼ活性測定用基質の分子量をMWsとし、そして第1混合時の混合物のA%(重量又は容量)を第2混合時に水又は水溶液と混合した場合、第2混合後のリパーゼ活性測定用基質の濃度Cs[単位:mM]は次の式で表すことができる。
第1混合時に混合させるリパーゼ活性測定用基質の混合量をWs[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とし、リパーゼ活性測定用基質の分子量をMWsとし、そして第1混合時の混合物のA%(重量又は容量)を第2混合時に水又は水溶液と混合した場合、第2混合後のリパーゼ活性測定用基質の濃度Cs[単位:mM]は次の式で表すことができる。
Cs=(Ws×106)×(A÷100)÷(Vf×MWs)=(Ws×A×104)÷(Vf×MWs)
なお、リパーゼ活性測定用基質であるDGGMRの分子量MWsは752.05であるので、上記の式は次のようになる。
Cs=(Ws×A×104)÷(Vf×752.05)
よって、この場合の第1混合時に混合させるリパーゼ活性測定用基質の混合量Ws[単位:グラム]は次のように表すことができる。
Ws=(Cs×Vf×MWs)÷(A×104)
すなわち、Ws=(Cs×Vf×752.05)÷(A×104)
(3)界面活性剤の混合量
リパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRと界面活性剤を混合し混合物を調製する工程において、この界面活性剤を混合する量は、特に限定されない。
リパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRと界面活性剤を混合し混合物を調製する工程において、この界面活性剤を混合する量は、特に限定されない。
なお、界面活性剤は、第2混合の後に、その濃度が0.01%(w/v)以上であることが、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液を製造する目的の上から好ましい。
なお、第2混合の後(第2混合後)、この界面活性剤の好ましい濃度は、前記の目的の上から、より好ましくは0.05%(w/v)以上であり、特に好ましくは0.1%(w/v)以上である。
また、この濃度であるが、第2混合後、前記の目的の上から、20%(w/v)以下であることが好ましい。
なお、第2混合後、この界面活性剤の好ましい濃度は、前記の目的の上から、より好ましくは10%(w/v)以下であり、特に好ましくは5%(w/v)以下である。
第2混合後の界面活性剤の好ましい濃度は、以上述べた通りである。
なお、第1混合時の当該DGGMR及び当該界面活性剤それぞれの混合量を、第2混合後に界面活性剤の濃度が上記の通りになるように、考慮の上決めてもよく、このようにすることが、その製造手順の上から好ましい。
なお、この界面活性剤の混合量及び濃度であるが、例えば、次の(a)又は(b)などのように考えることができる。
(a)リパーゼ活性測定用基質と界面活性剤の混合物の全部を水又は水溶液と混合する場合
第1混合時に混合させる界面活性剤の混合量をWp[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とした場合、第2混合後の界面活性剤の濃度Cp[単位:%(w/v)]は次の式で表すことができる。
第1混合時に混合させる界面活性剤の混合量をWp[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とした場合、第2混合後の界面活性剤の濃度Cp[単位:%(w/v)]は次の式で表すことができる。
Cp=(Wp×100)÷Vf
よって、この場合の第1混合時に混合させる界面活性剤の混合量Wp[単位:グラム]は次のように表すことができる。
Wp=(Cp×Vf)÷100
(b)リパーゼ活性測定用基質と界面活性剤の混合物の一部を水又は水溶液と混合する場合
第1混合時に混合させる界面活性剤の混合量をWp[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とし、そして第1混合時の混合物のA%(重量又は容量)を第2混合時に水又は水溶液と混合した場合、第2混合後の界面活性剤の濃度Cp[単位:%(w/v)]は次の式で表すことができる。
第1混合時に混合させる界面活性剤の混合量をWp[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とし、そして第1混合時の混合物のA%(重量又は容量)を第2混合時に水又は水溶液と混合した場合、第2混合後の界面活性剤の濃度Cp[単位:%(w/v)]は次の式で表すことができる。
Cp=(Wp×100)×(A÷100)÷Vf=(Wp×A)÷Vf
よって、この場合の第1混合時に混合させる界面活性剤の混合量Wp(単位:グラム)は次のように表すことができる。
Wp=(Cp×Vf)÷A
(4)混合の方法
DGGMRと界面活性剤を混合し混合物を調製する工程において、このDGGMRと界面活性剤とを混合する方法は、このDGGMRと界面活性剤が混合するのであればいずれの方法でもよく、特に限定はない。
DGGMRと界面活性剤を混合し混合物を調製する工程において、このDGGMRと界面活性剤とを混合する方法は、このDGGMRと界面活性剤が混合するのであればいずれの方法でもよく、特に限定はない。
なお、当該混合においては、DGGMRをアルコールなどの有機溶媒及び界面活性剤を含む溶液に混合したり、DGGMRを含有する液を滴々と滴下して界面活性剤を含む溶液に混合したり、DGGMRを含有する液を界面活性剤を含む溶液に噴射注入したり、DGGMR及び界面活性剤を含有する溶液を強力なミキサーで高速に撹拌したり、又はDGGMR及び界面活性剤を含有する溶液に超音波を掛ける処理を行ったり等の煩雑な若しくは熟練を要する等の特別な処理や特別な装置等は必要なく、一般的なミキサーを用いて一般的な速度で撹拌する等、通常の方法で混合すればよく、これによりDGGMRと界面活性剤の混合物を調製することができる。
(5)混合時の温度
DGGMRと界面活性剤を混合し混合物を調製する工程において、このDGGMRと界面活性剤とを混合する時の温度は、特に限定されないが、用いる界面活性剤の曇点付近の温度又はこの曇点付近の温度以下の温度においてこの工程を行うことが、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液を製造する目的の上から好ましい。
DGGMRと界面活性剤を混合し混合物を調製する工程において、このDGGMRと界面活性剤とを混合する時の温度は、特に限定されないが、用いる界面活性剤の曇点付近の温度又はこの曇点付近の温度以下の温度においてこの工程を行うことが、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液を製造する目的の上から好ましい。
なお、曇点は、非イオン性の界面活性剤等の水溶液の温度を上げていった場合にその界面活性剤等のミセルが形成できなくなる温度であり、その水溶液が白濁する温度であって、その界面活性剤等毎に異なるものである。
また、本発明において、界面活性剤の曇点付近の温度としては、その界面活性剤の曇点の温度のプラスマイナス(±)25℃の範囲を意味する。
この界面活性剤の曇点付近の温度としては、その界面活性剤の曇点の温度のプラスマイナス(±)15℃の範囲が好ましく、プラスマイナス(±)10℃の範囲がより好ましく、プラスマイナス(±)5℃の範囲が特に好ましい。
この界面活性剤の曇点付近の温度としては、その界面活性剤の曇点の温度のプラスマイナス(±)15℃の範囲が好ましく、プラスマイナス(±)10℃の範囲がより好ましく、プラスマイナス(±)5℃の範囲が特に好ましい。
そして、本発明においては、上記の界面活性剤の曇点付近の温度以下の温度において、DGGMRと界面活性剤を混合し混合物を調製する工程を行うことも好ましい。
なお、例えば、界面活性剤である、KF−351Aの曇点は52℃(自己実測値)であり、KF−355Aの曇点は67℃(自己実測値)であり、そして、KF−6011の曇点は64℃(自己実測値)である
なお、KF−354Lは、曇点の測定に使用した恒温水槽の設定温度の上限の77℃においても曇点に至らなかったので、これの曇点は77℃超である。
なお、KF−354Lは、曇点の測定に使用した恒温水槽の設定温度の上限の77℃においても曇点に至らなかったので、これの曇点は77℃超である。
前記のDGGMRと界面活性剤を混合し混合物を調製する工程は、前記の目的の上から、用いる界面活性剤の曇点の温度のプラスマイナス25℃の範囲の温度若しくはこの範囲の温度以下の温度で行うことが好ましく、用いる界面活性剤の曇点の温度のプラスマイナス15℃の範囲の温度若しくはこの範囲の温度以下の温度で行うことがより好ましく、用いる界面活性剤の曇点の温度のプラスマイナス10℃の範囲の温度若しくはこの範囲の温度以下の温度で行うことが更に好ましく、そして、用いる界面活性剤の曇点の温度のプラスマイナス5℃の範囲の温度若しくはこの範囲の温度以下の温度で行うことが特に好ましい。
また、本発明におけるDGGMRと界面活性剤を混合し混合物を調製する工程において、このDGGMRと界面活性剤とを混合する時の温度であるが、この工程を、DGGMR、及び用いる界面活性剤それぞれの融点以上の温度において行うことが、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液を製造する目的の上から好ましい。
そして、このDGGMRと界面活性剤を混合し混合物を調製する工程は、前記の目的の上から、2℃以上で行うことがより好ましく、5℃以上で行うことが更に好ましく、10℃以上で行うことが特に好ましい。
(6)混合の時間
DGGMRと界面活性剤を混合し混合物を調製する工程において、このDGGMRと界面活性剤とを混合する時間であるが、このDGGMRと界面活性剤とが均質に混合されればよく、特に限定されない。
通常は、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液を製造する目的の上から、この混合を5分間又はそれ以上行うことが好ましい。なお、一般的には、5分間で十分である。
DGGMRと界面活性剤を混合し混合物を調製する工程において、このDGGMRと界面活性剤とを混合する時間であるが、このDGGMRと界面活性剤とが均質に混合されればよく、特に限定されない。
通常は、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液を製造する目的の上から、この混合を5分間又はそれ以上行うことが好ましい。なお、一般的には、5分間で十分である。
また、このDGGMRと界面活性剤とを混合する時間は、特に上限はなく、例えば数時間混合しても構わないのであるが、時間もコストであるという観点から考えると、念入りに行うとしても通常は10分間以内でよい。
3.DGGMRと界面活性剤の混合物を水又は水溶液と混合する工程
前記1における(b)の工程、すなわち、『「DGGMRと、界面活性剤を混合し混合物を調製する工程」において調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程』について、以下、詳細に説明する。
前記1における(b)の工程、すなわち、『「DGGMRと、界面活性剤を混合し混合物を調製する工程」において調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程』について、以下、詳細に説明する。
(1)水又は水溶液
前記1の(b)の工程、すなわち、「前記1の(a)の工程において調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程」において、この水又は水溶液については、特に限定はない。
前記1の(b)の工程、すなわち、「前記1の(a)の工程において調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程」において、この水又は水溶液については、特に限定はない。
この水としては、特に限定はないが、例えば、純水、蒸留水又は精製水等を挙げることができる。
また、この水溶液としては、水を溶媒とするものであればよく、特に限定はないが、例えば、還元剤、リパーゼ賦活化剤、リパーゼ活性化剤、コリパーゼ、及び緩衝剤からなる群から選ばれる少なくとも一つのもの等を含有する水溶液等を挙げることができる。
(a)還元剤
本発明において、前記の水溶液に含有させることができる還元剤としては、還元能力を有するものであればよく、特に限定はないが、例えば、ヒドロキシルアンモニウム塩、チオール化合物等を挙げることができる。
本発明において、前記の水溶液に含有させることができる還元剤としては、還元能力を有するものであればよく、特に限定はないが、例えば、ヒドロキシルアンモニウム塩、チオール化合物等を挙げることができる。
この還元剤については、前記IIの「3.還元剤」の項に記載した通りである。
なお、この還元剤は、第2混合後、その濃度が0.01mM以上であることが好ましい。
なお、第2混合後、この還元剤の好ましい濃度は、より好ましくは0.1mM以上であり、特に好ましくは0.5mM以上である。
また、この還元剤の濃度であるが、第2混合後、100mM以下であることが好ましい。
なお、第2混合後、この還元剤の好ましい濃度は、より好ましくは10mM以下であり、特に好ましくは5mM以下である。
この第2混合後の還元剤の好ましい濃度は、以上述べた通りである。
第2混合後の還元剤の濃度が上記の濃度となるよう、前記の「DGGMR及び界面活性剤の混合物」と前記水溶液との混合比率等を勘案した上で、当該水溶液に還元剤を適当な濃度で含有させることが好ましい。
第2混合後の還元剤の濃度が上記の濃度となるよう、前記の「DGGMR及び界面活性剤の混合物」と前記水溶液との混合比率等を勘案した上で、当該水溶液に還元剤を適当な濃度で含有させることが好ましい。
(b)リパーゼ賦活化剤
本発明において、前記の水溶液に含有させることができるリパーゼ賦活化剤としては、リパーゼを賦活化することができる物質であればよく、特に限定はないが、例えば、胆汁酸又はその塩等を挙げることができる。
本発明において、前記の水溶液に含有させることができるリパーゼ賦活化剤としては、リパーゼを賦活化することができる物質であればよく、特に限定はないが、例えば、胆汁酸又はその塩等を挙げることができる。
このリパーゼ賦活化剤としての胆汁酸又はその塩については、前記IIの5の「(1)リパーゼ賦活化剤」の項に記載した通りである。
なお、このリパーゼ賦活化剤は、第2混合後、その濃度が0.2%(w/v)以上であることが好ましい。
なお、第2混合後、このリパーゼ賦活化剤の好ましい濃度は、より好ましくは0.4%(w/v)以上であり、特に好ましくは1%(w/v)以上である。
また、このリパーゼ賦活化剤の濃度であるが、第2混合後、20%(w/v)以下であることが好ましい。
なお、第2混合後、このリパーゼ賦活化剤の好ましい濃度は、より好ましくは10%(w/v)以下であり、特に好ましくは5%(w/v)以下である。
この第2混合後のリパーゼ賦活化剤の好ましい濃度は、以上述べた通りである。
第2混合後のリパーゼ賦活化剤の濃度が上記の濃度となるよう、前記の「DGGMR及び界面活性剤の混合物」と前記水溶液との混合比率等を勘案した上で、当該水溶液にリパーゼ賦活化剤を適当な濃度で含有させることが好ましい。
第2混合後のリパーゼ賦活化剤の濃度が上記の濃度となるよう、前記の「DGGMR及び界面活性剤の混合物」と前記水溶液との混合比率等を勘案した上で、当該水溶液にリパーゼ賦活化剤を適当な濃度で含有させることが好ましい。
(c)リパーゼ活性化剤
本発明において、前記の水溶液に含有させることができるリパーゼ活性化剤としては、リパーゼを活性化することができる物質であればよく、特に限定はないが、例えば、アルカリ土類金属イオン又はその塩等を挙げることができる。
本発明において、前記の水溶液に含有させることができるリパーゼ活性化剤としては、リパーゼを活性化することができる物質であればよく、特に限定はないが、例えば、アルカリ土類金属イオン又はその塩等を挙げることができる。
このリパーゼ活性化剤としてのアルカリ土類金属イオン又はその塩については、前記IIの6の「(1)リパーゼ活性化剤」の項に記載した通りである。
なお、このリパーゼ活性化剤は、第2混合後、その濃度が0.1mM以上であることが好ましい。
なお、第2混合後、このリパーゼ活性化剤の好ましい濃度は、より好ましくは1mM以上であり、特に好ましくは5mM以上である。
また、このリパーゼ活性化剤の濃度であるが、第2混合後、100mM以下であることが好ましい。
なお、第2混合後、このリパーゼ活性化剤の好ましい濃度は、より好ましくは50mM以下であり、特に好ましくは25mM以下である。
この第2混合後のリパーゼ活性化剤の好ましい濃度は、以上述べた通りである。
第2混合後のリパーゼ活性化剤の濃度が上記の濃度となるよう、前記の「DGGMR及び界面活性剤の混合物」と前記水溶液との混合比率等を勘案した上で、当該水溶液にリパーゼ活性化剤を適当な濃度で含有させることが好ましい。
第2混合後のリパーゼ活性化剤の濃度が上記の濃度となるよう、前記の「DGGMR及び界面活性剤の混合物」と前記水溶液との混合比率等を勘案した上で、当該水溶液にリパーゼ活性化剤を適当な濃度で含有させることが好ましい。
(d)コリパーゼ
本発明において、水溶液に含有させることができるコリパーゼとしては、コリパーゼの作用、機能又は活性を有しているものであればよく、特に限定はない。
本発明において、水溶液に含有させることができるコリパーゼとしては、コリパーゼの作用、機能又は活性を有しているものであればよく、特に限定はない。
このコリパーゼについては、前記IIの7の「(1)コリパーゼ」の項に記載した通りである。
なお、このコリパーゼは、第2混合後、その活性値が15K単位/L(15K Unit/L)以上であることが好ましい。
なお、第2混合後、このコリパーゼの好ましい活性値は、より好ましくは150K単位/L以上であり、特に好ましくは750K単位/L以上である。
また、このコリパーゼの活性値であるが、第2混合後、7,500K単位/L以下であることが好ましい。
なお、第2混合後、このコリパーゼの好ましい活性値は、より好ましくは3,750K単位/L以下であり、特に好ましくは2,250K単位/L以下である。
この第2混合後のコリパーゼの好ましい活性値は、以上述べた通りである。
第2混合後のコリパーゼの活性値が上記の活性値となるよう、前記の「DGGMR及び界面活性剤の混合物」と前記水溶液との混合比率等を勘案した上で、当該水溶液にコリパーゼを適当な活性値で含有させることが好ましい。
第2混合後のコリパーゼの活性値が上記の活性値となるよう、前記の「DGGMR及び界面活性剤の混合物」と前記水溶液との混合比率等を勘案した上で、当該水溶液にコリパーゼを適当な活性値で含有させることが好ましい。
(e)pH
本発明においてリパーゼ活性測定用基質として用いるDGGMRは、pH4又はその付近のpHにおいて安定である。
よって、第2混合後、そのpHはpH4を中心とする一定の範囲内のものであることが好ましい。
本発明においてリパーゼ活性測定用基質として用いるDGGMRは、pH4又はその付近のpHにおいて安定である。
よって、第2混合後、そのpHはpH4を中心とする一定の範囲内のものであることが好ましい。
具体的には、第2混合後のpHは、DGGMRの安定性の点から、pH2〜pH7の範囲内にあることが好ましく、pH3〜pH5の範囲内にあることがより好ましく、そして、pH3.5〜pH4.5の範囲内にあることが特に好ましい。(前記のpH値はいずれも20℃での値である。)
この第2混合後のpHは、以上述べた通りである。
第2混合後のpHが上記のpHとなるよう、前記水溶液のpHを適当なpHにすることが好ましい。
第2混合後のpHが上記のpHとなるよう、前記水溶液のpHを適当なpHにすることが好ましい。
(f)緩衝剤
本発明においては、第2混合後のpHを、前記(e)に記載のpH範囲に保つため、前記(e)のpH範囲に緩衝能を有する緩衝剤を前記水溶液に適宜含有させてもよい。
本発明においては、第2混合後のpHを、前記(e)に記載のpH範囲に保つため、前記(e)のpH範囲に緩衝能を有する緩衝剤を前記水溶液に適宜含有させてもよい。
この緩衝剤については、前記IIの10の「(1)緩衝剤」の項に記載した通りである。
この緩衝剤を含有する水溶液(すなわち、緩衝液)における緩衝剤の濃度は、特に限定はなく、設定するpHの範囲において緩衝能を発揮することができる濃度であればよい。
例えば、第2混合後、この緩衝剤の濃度は、好ましくは5mM以上であり、より好ましくは10mM以上であり、特に好ましくは30mM以上である。
また、この緩衝剤の濃度は、第2混合後、好ましくは500mM以下であり、より好ましくは100mM以下であり、特に好ましくは50mM以下である。
この第2混合後の緩衝剤の好ましい濃度は、以上述べた通りである。
第2混合後の緩衝剤の濃度が上記の濃度となるよう、前記の水溶液に緩衝剤を適当な濃度で含有させることが好ましい。
第2混合後の緩衝剤の濃度が上記の濃度となるよう、前記の水溶液に緩衝剤を適当な濃度で含有させることが好ましい。
(2)DGGMR及び界面活性剤の混合物の水又は水溶液との混合
前記1における(b)の工程、すなわち、『「DGGMRと、界面活性剤を混合し混合物を調製する工程」において調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程』においては、当該「DGGMRと界面活性剤の混合物」の全部又は一部を、当該「水又は水溶液」と混合する。
前記1における(b)の工程、すなわち、『「DGGMRと、界面活性剤を混合し混合物を調製する工程」において調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程』においては、当該「DGGMRと界面活性剤の混合物」の全部又は一部を、当該「水又は水溶液」と混合する。
ところで、リパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程であるが、特に限定はなく、例えば、「DGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物」の全部又は一部を「水又は水溶液」へ添加し、混合するという態様でもよく、又は「水又は水溶液」を「DGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物」の全部又は一部へ添加し、混合するという態様でもよく、或いはその他の態様でもよい。
なお、前記の「DGGMRと界面活性剤の混合物」と、前記の「水又は水溶液」との混合の比率は、特に限定はなく適宜定めればよい。
なお、この「DGGMRと界面活性剤の混合物」と「水又は水溶液」との混合については、例えば、次の(i)及び(ii)のように考えることができる。
(i)DGGMRの濃度の面から
前記2の「(2)DGGMRの混合量」の項に詳述した通り、第2混合後、DGGMRの好ましい濃度は、前記の目的の上から、好ましくは0.05mM以上であり、より好ましくは0.1mM以上であり、そして、特に好ましくは0.2mM以上である。
また、これも前記2の「(2)DGGMRの混合量」の項に詳述した通り、第2混合後、DGGMRの好ましい濃度は、前記の目的の上から、好ましくは2mM以下であり、より好ましくは1mM以下であり、そして、特に好ましくは0.8mM以下である。
前記2の「(2)DGGMRの混合量」の項に詳述した通り、第2混合後、DGGMRの好ましい濃度は、前記の目的の上から、好ましくは0.05mM以上であり、より好ましくは0.1mM以上であり、そして、特に好ましくは0.2mM以上である。
また、これも前記2の「(2)DGGMRの混合量」の項に詳述した通り、第2混合後、DGGMRの好ましい濃度は、前記の目的の上から、好ましくは2mM以下であり、より好ましくは1mM以下であり、そして、特に好ましくは0.8mM以下である。
そして、このDGGMRの好ましい濃度と、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量との関係は、例えば、次の(a)又は(b)などのように考えることができる。
(a)リパーゼ活性測定用基質と界面活性剤の混合物の全部を水又は水溶液と混合する場合
第1混合時に混合させるリパーゼ活性測定用基質の混合量をWs[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とし、そしてリパーゼ活性測定用基質の分子量をMWsとした場合、第2混合後のリパーゼ活性測定用基質の濃度Cs[単位:mM]は次の式で表すことができる。
第1混合時に混合させるリパーゼ活性測定用基質の混合量をWs[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とし、そしてリパーゼ活性測定用基質の分子量をMWsとした場合、第2混合後のリパーゼ活性測定用基質の濃度Cs[単位:mM]は次の式で表すことができる。
Cs=(Ws×106)÷(Vf×MWs)
なお、リパーゼ活性測定用基質であるDGGMRの分子量MWsは752.05であるので、上記の式は次のようになる。
Cs=(Ws×106)÷(Vf×752.05)
よって、この場合の第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量Vf[単位:mL]は、次のように表すことができる。
Vf=(Ws×106)÷(Cs×MWs)
すなわち、Vf=(Ws×106)÷(Cs×752.05)
従って、上記の式により求めた容量Vf[単位:mL]になるよう、第2混合時に水又は水溶液を混合することにより、希望するリパーゼ活性測定用基質(DGGMR)の濃度のリパーゼ活性測定用基質溶液を得ることができる。
(b)リパーゼ活性測定用基質と界面活性剤の混合物の一部を水又は水溶液と混合する場合
第1混合時に混合させるリパーゼ活性測定用基質の混合量をWs[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とし、リパーゼ活性測定用基質の分子量をMWsとし、そして第1混合時の混合物のA%(重量又は容量)を第2混合時に水又は水溶液と混合した場合、第2混合後のリパーゼ活性測定用基質の濃度Cs[単位:mM]は次の式で表すことができる。
第1混合時に混合させるリパーゼ活性測定用基質の混合量をWs[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とし、リパーゼ活性測定用基質の分子量をMWsとし、そして第1混合時の混合物のA%(重量又は容量)を第2混合時に水又は水溶液と混合した場合、第2混合後のリパーゼ活性測定用基質の濃度Cs[単位:mM]は次の式で表すことができる。
Cs=(Ws×106)×(A÷100)÷(Vf×MWs)=(Ws×A×104)÷(Vf×MWs)
なお、リパーゼ活性測定用基質であるDGGMRの分子量MWsは752.05であるので、上記の式は次のようになる。
Cs=(Ws×A×104)÷(Vf×752.05)
よって、この場合の第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量Vf[単位:mL]は、次のように表すことができる。
Vf=(Ws×A×104)÷(Cs×MWs)
すなわち、Vf=(Ws×A×104)÷(Cs×752.05)
従って、上記の式により求めた容量Vf[単位:mL]になるよう、第2混合時に水又は水溶液を混合することにより、希望するリパーゼ活性測定用基質(DGGMR)の濃度のリパーゼ活性測定用基質溶液を得ることができる。
(ii)界面活性剤の濃度の面から
前記2の「(3)界面活性剤の混合量」の項に詳述した通り、第2混合後、界面活性剤の好ましい濃度は、前記の目的の上から、好ましくは0.01%(w/v)以上であり、より好ましくは0.05%(w/v)以上であり、そして、特に好ましくは0.1%(w/v)以上である。
前記2の「(3)界面活性剤の混合量」の項に詳述した通り、第2混合後、界面活性剤の好ましい濃度は、前記の目的の上から、好ましくは0.01%(w/v)以上であり、より好ましくは0.05%(w/v)以上であり、そして、特に好ましくは0.1%(w/v)以上である。
また、これも前記2の「(3)界面活性剤の混合量」の項に詳述した通り、第2混合後、界面活性剤の好ましい濃度は、前記の目的の上から、好ましくは20%(w/v)以下であり、より好ましくは10%(w/v)以下であり、そして、特に好ましくは5%(w/v)以下である。
そして、この界面活性剤の好ましい濃度と、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量との関係は、例えば、次の(a)又は(b)などのように考えることができる。
(a)リパーゼ活性測定用基質と界面活性剤の混合物の全部を水又は水溶液と混合する場合
第1混合時に混合させる界面活性剤の混合量をWp[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とした場合、第2混合後の界面活性剤の濃度Cp[単位:%(w/v)]は次の式で表すことができる。
第1混合時に混合させる界面活性剤の混合量をWp[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とした場合、第2混合後の界面活性剤の濃度Cp[単位:%(w/v)]は次の式で表すことができる。
Cp=(Wp×100)÷Vf
よって、この場合の第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量Vf[単位:mL]は、次のように表すことができる。
Vf=(Wp×100)÷Cp
従って、上記の式により求めた容量Vf[単位:mL]になるよう、第2混合時に水又は水溶液を混合することにより、希望する界面活性剤の濃度のリパーゼ活性測定用基質溶液を得ることができる。
(b)リパーゼ活性測定用基質と界面活性剤の混合物の一部を水又は水溶液と混合する場合
第1混合時に混合させる界面活性剤の混合量をWp[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とし、そして第1混合時の混合物のA%(重量又は容量)を第2混合時に水又は水溶液と混合した場合、第2混合後の界面活性剤の濃度Cp[単位:%(w/v)]は次の式で表すことができる。
第1混合時に混合させる界面活性剤の混合量をWp[単位:グラム]とし、第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量(メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]とし、そして第1混合時の混合物のA%(重量又は容量)を第2混合時に水又は水溶液と混合した場合、第2混合後の界面活性剤の濃度Cp[単位:%(w/v)]は次の式で表すことができる。
Cp=(Wp×100)×(A÷100)÷Vf=(Wp×A)÷Vf
よって、この場合の第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量Vf[単位:mL]は、次のように表すことができる。
Vf=(Wp×A)÷Cp
従って、上記の式により求めた容量Vf[単位:mL]になるよう、第2混合時に水又は水溶液を混合することにより、希望する界面活性剤の濃度のリパーゼ活性測定用基質溶液を得ることができる。
なお、このリパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程は、二段階以上の複数の段階(ステップ)によって行ってもよい。
なお、このように、この工程を複数の段階(ステップ)によって行うことが、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液を製造する目的の上から好ましい。
なお、このように、この工程を複数の段階(ステップ)によって行うことが、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液を製造する目的の上から好ましい。
この工程を複数の段階によって行う方法であるが、これは当該工程を複数の段階によって行うものであればよく、特に限定はないが、例えば、次の[A]及び[B]の段階によって行うもの等を挙げることができる。
[A] DGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物の全部又は一部を、一定量の水又は水溶液と混合する段階
[B] 前記[A]の段階における当該混合物(DGGMRと界面活性剤との混合物)と水又は水溶液との混合後の混合液に、更に一定量の水又は水溶液を混合する段階
[B] 前記[A]の段階における当該混合物(DGGMRと界面活性剤との混合物)と水又は水溶液との混合後の混合液に、更に一定量の水又は水溶液を混合する段階
なお、この場合、前記[A]の段階において「DGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物の全部又は一部」と混合する「水又は水溶液」の容量(一定量)をVa[単位:mL]とし、前記[B]の段階において当該混合液に「更に一定量の水又は水溶液」を混合した後の最終的な容量[すなわち、前記の第2混合時に水又は水溶液を混合した後の最終的な容量](メスアップ後の容量等)をVf[単位:mL]としたとき、VaによりVfを除した比の値(Vf/Va)は、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液を製造する目的の上から、1〜500の範囲にあることが好ましい。
すなわち、VaによりVfを除した比の値(Vf/Va)が1〜500の範囲内になるように、前記のVa及びVfの値(容量)を選択することが、前記の目的の上から好ましい。
なお、同様に、前記の目的の上から、VaによりVfを除した比の値(Vf/Va)は、2〜200の範囲にあることがより好ましく、5〜100の範囲にあることが特に好ましい。
すなわち、前記の目的の上から、VaによりVfを除した比の値(Vf/Va)が、2〜200の範囲内になるように前記のVa及びVfの値(容量)を選択することがより好ましく、5〜100の範囲内になるように前記のVa及びVfの値(容量)を選択することが特に好ましい。
なお、前記[A]の「DGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物の全部又は一部を、一定量の水又は水溶液と混合する段階」であるが、特に限定はなく、例えば、「DGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物」の全部又は一部を一定量の「水又は水溶液」へ添加し、混合するという態様でもよく、又は一定量の「水又は水溶液」を「DGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物」の全部又は一部へ添加し、混合するという態様でもよく、或いはその他の態様でもよい。
また、前記[B]の「前記[A]の段階における当該混合物(DGGMRと界面活性剤との混合物)と水又は水溶液との混合後の混合液に、更に一定量の水又は水溶液を混合する段階」であるが、特に限定はなく、例えば、「前記[A]の段階における当該混合物(DGGMRと界面活性剤との混合物)と水又は水溶液との混合後の混合液」を一定量の「水又は水溶液」へ添加し、混合するという態様でもよく、又は一定量の「水又は水溶液」を「前記[A]の段階における当該混合物(DGGMRと界面活性剤との混合物)と水又は水溶液との混合後の混合液」へ添加し、混合するという態様でもよく、或いはその他の態様でもよい。
(3)混合の方法
リパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程において、当該混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する方法は、当該混合物と、当該水又は水溶液が混合するのであればいずれの方法でもよく、特に限定はない。
リパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程において、当該混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する方法は、当該混合物と、当該水又は水溶液が混合するのであればいずれの方法でもよく、特に限定はない。
なお、当該混合においては、リパーゼ活性測定用基質をアルコールなどの有機溶媒を含む溶液に混合したり、リパーゼ活性測定用基質含有液を滴々と滴下して溶液に混合したり、リパーゼ活性測定用基質含有液を溶液に噴射注入したり、リパーゼ活性測定用基質溶液を強力なミキサーで高速に撹拌したり、又はリパーゼ活性測定用基質溶液に超音波を掛ける処理を行ったり等の煩雑な若しくは熟練を要する等の特別な処理や特別な装置等は必要なく、一般的なミキサーを用いて一般的な速度で撹拌する等、通常の方法で混合すればよく、これにより、リパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRと界面活性剤の混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合することができる。
(4)混合時の温度
リパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程において、当該混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する時の温度は、特に限定されないが、用いる界面活性剤の曇点以下の温度においてこの工程を行うことが、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液を製造する目的の上から好ましい。
リパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程において、当該混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する時の温度は、特に限定されないが、用いる界面活性剤の曇点以下の温度においてこの工程を行うことが、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液を製造する目的の上から好ましい。
そして、このDGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程は、前記の目的の上から、用いる界面活性剤の曇点より10℃低い温度以下で行うことがより好ましく、25℃以下で行うことが特に好ましい。
また、このDGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程において、このDGGMRと界面活性剤の混合物の全部又は一部を、水又は水溶液とを混合する時の温度であるが、この工程を、DGGMR、及び用いる界面活性剤それぞれの融点以上の温度において行うことが、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン溶液を製造する目的の上から好ましい。
そして、このDGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程は、前記の目的の上から、10℃以上で行うことがより好ましく、15℃以上で行うことが特に好ましい。
(5)混合の時間
リパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程において、当該混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する時間であるが、このDGGMRと界面活性剤の混合物と、この水又は水溶液とが、均質に混合されればよく、特に限定されない。
リパーゼ活性測定用基質としてのDGGMRと界面活性剤を混合して調製した混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する工程において、当該混合物の全部又は一部を、水又は水溶液と混合する時間であるが、このDGGMRと界面活性剤の混合物と、この水又は水溶液とが、均質に混合されればよく、特に限定されない。
通常は、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン化したリパーゼ活性測定用基質の溶液を製造する目的の上から、この混合を5分間又はそれ以上行うことが好ましい。なお、一般的には、5分間で十分である。
また、このDGGMRと界面活性剤の混合物と、水又は水溶液とを混合する時間は、特に上限はなく、例えば数時間混合しても構わないのであるが、時間もコストであるという観点から考えると、念入りに行うとしても通常は10分間以内でよい。
〔2〕本発明のリパーゼ活性測定試薬
I.総論
本発明のリパーゼ活性測定試薬は、「1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル[DGGMR]をリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液において、還元剤を含有することを特徴とするリパーゼ活性測定用基質溶液」を含むことを特徴とするリパーゼ活性測定試薬である。(なお、リパーゼ活性測定用基質溶液の詳細については、前記の「〔1〕本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液」の項に記載した通りである。)
I.総論
本発明のリパーゼ活性測定試薬は、「1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル[DGGMR]をリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液において、還元剤を含有することを特徴とするリパーゼ活性測定用基質溶液」を含むことを特徴とするリパーゼ活性測定試薬である。(なお、リパーゼ活性測定用基質溶液の詳細については、前記の「〔1〕本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液」の項に記載した通りである。)
そして、本発明のリパーゼ活性測定試薬は、上記の構成により、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるものである。
II.リパーゼ活性測定試薬
1.リパーゼ活性測定試薬の構成等
本発明のリパーゼ活性測定試薬は、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液のみからなるものであってもよく、又は本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液と他の構成試薬からなるもの、すなわち試薬キットであってもよい。
1.リパーゼ活性測定試薬の構成等
本発明のリパーゼ活性測定試薬は、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液のみからなるものであってもよく、又は本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液と他の構成試薬からなるもの、すなわち試薬キットであってもよい。
なお、次の(a)及び(b)の理由から、本発明のリパーゼ活性測定試薬としては、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液と他の構成試薬からなる試薬キットであることが好ましい。
(a) 本発明におけるリパーゼ活性測定用基質[DGGMR]はpH4又はその付近のpHにおいて安定であるのに対して、リパーゼはpH8又はその付近のpHにおいてその活性は至適であり、それぞれ適するpH域が異なっている。
(b) 本発明におけるリパーゼ活性測定用基質[DGGMR]、コリパーゼ、及びリパーゼ賦活化剤としての胆汁酸又はその塩を、一つの試薬に共存させると、本発明におけるリパーゼ活性測定用基質[DGGMR]の安定性が良くなくなる。
(a) 本発明におけるリパーゼ活性測定用基質[DGGMR]はpH4又はその付近のpHにおいて安定であるのに対して、リパーゼはpH8又はその付近のpHにおいてその活性は至適であり、それぞれ適するpH域が異なっている。
(b) 本発明におけるリパーゼ活性測定用基質[DGGMR]、コリパーゼ、及びリパーゼ賦活化剤としての胆汁酸又はその塩を、一つの試薬に共存させると、本発明におけるリパーゼ活性測定用基質[DGGMR]の安定性が良くなくなる。
よって、本発明のリパーゼ活性測定試薬は、リパーゼ活性測定用基質溶液と他の構成試薬からなる試薬キットであることが好ましく、この場合、リパーゼ活性測定用基質[DGGMR]を含む試薬のpHはpH4又はその付近のpHとし、これと組み合わせる他の構成試薬のうち少なくとも一つの試薬のpHはpH8又はそれ以上とすることが好ましく、また、リパーゼ活性測定用基質[DGGMR]、コリパーゼ、及びリパーゼ賦活化剤としての胆汁酸又はその塩を、一つの試薬に共存させないことが好ましい。
この本発明のリパーゼ活性測定試薬としては、リパーゼ活性測定用基質溶液と一つの他の構成試薬からなる2試薬系の試薬キットであることが好ましい。
この場合、当該他の構成試薬を第1試薬とし、リパーゼ活性測定用基質溶液を第2試薬として用いるものであることがより好ましい。
そして、この場合に、当該他の構成試薬のpHはpH8又はそれ以上とし、リパーゼ活性測定用基質溶液のpHはpH4又はその付近のpHとすることが更に好ましい。
また、リパーゼ活性測定用基質溶液に、「コリパーゼ」、及び「リパーゼ賦活化剤としての胆汁酸又はその塩」の両方を含有させることはせず、「コリパーゼ」、及び「リパーゼ賦活化剤としての胆汁酸又はその塩」の少なくとも一方は当該他の構成試薬に含有させることが更に好ましい。
本発明のリパーゼ活性測定試薬は、終点法(エンドポイント法)により測定を行うものであってもよく、又は反応速度法(レート法)により測定を行うものであってもよく、適宜選択すればよいが、反応速度法(レート法)によるものが好ましい。
また、本発明のリパーゼ活性測定試薬においては、リパーゼ活性測定用基質[DGGMR]と試料を接触させ、反応させることにより、リパーゼが触媒する加水分解反応によって、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロール及びグルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルが生成するが、このグルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルは不安定であって、容易に自然に加水分解されて6’−メチルレゾルフィン(λmax:580nm)を生成する。
よって、この生成する6’−メチルレゾルフィンの増加を580nm又はその近辺の波長の吸光度等を測ることによって測定し、試料中に含まれていたリパーゼの活性値を求めればよい。なお、この場合、一波長法でもよく、又は二波長法でもよい。
また、本発明のリパーゼ活性測定試薬において、測定反応時の温度は、30℃又は37℃等測定反応が進行しかつ測定反応に係わる酵素等の反応成分が熱により失活、変性又は変質しない範囲内の温度を設定すればよい。
また、本発明のリパーゼ活性測定試薬において、測定反応の開始方法は、本発明におけるリパーゼ活性測定用基質[DGGMR]等を加えることにより行う方法、又は試料を加えることにより行う方法等のいずれの方法のものでもよい。
また、本発明のリパーゼ活性測定試薬において、その測定は、用手法により行うものであってもよく、又は自動分析装置等の装置を用いて行うものであってもよい。
また、本発明のリパーゼ活性測定試薬は、その構成試薬の全て又は一部が液状試薬であってよい。
なお、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、そのもの単独にて、販売し、又は試料中のリパーゼ活性の測定に使用することができる。
また、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液は、前記の他の構成試薬又はそれ以外の試薬と組み合わせて、販売し、又は試料中のリパーゼ活性の測定に使用することもできる。
前記の他の構成試薬、又はそれ以外の試薬としては、例えば、緩衝液、試料希釈液、試薬希釈液、校正(キャリブレーション)を行うための物質を含有する試薬、又は精度管理を行うための物質を含有する試薬等を挙げることができる。
前記の他の構成試薬、又はそれ以外の試薬としては、例えば、緩衝液、試料希釈液、試薬希釈液、校正(キャリブレーション)を行うための物質を含有する試薬、又は精度管理を行うための物質を含有する試薬等を挙げることができる。
2.本発明のリパーゼ活性の測定試薬の具体例
本発明のリパーゼ活性測定試薬の具体例を以下挙げる。
本発明のリパーゼ活性測定試薬の具体例を以下挙げる。
(1)例1
(a)第1試薬 [下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度で含む水溶液;pH8.3(20℃)]
デオキシコール酸ナトリウム [リパーゼ賦活化剤] 2%(w/v)
塩化カルシウム [リパーゼ活性化剤] 5mM
コリパーゼ (ブタ膵臓由来;ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]) 375K単位/L(5mg/L)
Bicine [緩衝剤] 40mM
(a)第1試薬 [下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度で含む水溶液;pH8.3(20℃)]
デオキシコール酸ナトリウム [リパーゼ賦活化剤] 2%(w/v)
塩化カルシウム [リパーゼ活性化剤] 5mM
コリパーゼ (ブタ膵臓由来;ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]) 375K単位/L(5mg/L)
Bicine [緩衝剤] 40mM
(b)第2試薬(本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液) [下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度で含む水溶液;pH4.0(20℃)]
1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル 〔DGGMR〕 (ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]) [リパーゼ活性測定用基質] 0.3mM
側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイル 0.3%(w/v)
塩化ヒドロキシルアンモニウム [還元剤] 0.5mM
L−酒石酸 [緩衝剤] 40mM
1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル 〔DGGMR〕 (ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]) [リパーゼ活性測定用基質] 0.3mM
側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイル 0.3%(w/v)
塩化ヒドロキシルアンモニウム [還元剤] 0.5mM
L−酒石酸 [緩衝剤] 40mM
(2)例2
(a)第1試薬 [下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度で含む水溶液;pH8.4(20℃)]
タウロデオキシコール酸ナトリウム [リパーゼ賦活化剤] 2%(w/v)
デオキシコール酸ナトリウム [リパーゼ賦活化剤] 0.2%(w/v)
塩化カルシウム [リパーゼ活性化剤] 5mM
コリパーゼ (ブタ膵臓由来;ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]) 150K単位/L(2mg/L)
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン 〔Tris〕 [緩衝剤] 40mM
(a)第1試薬 [下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度で含む水溶液;pH8.4(20℃)]
タウロデオキシコール酸ナトリウム [リパーゼ賦活化剤] 2%(w/v)
デオキシコール酸ナトリウム [リパーゼ賦活化剤] 0.2%(w/v)
塩化カルシウム [リパーゼ活性化剤] 5mM
コリパーゼ (ブタ膵臓由来;ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]) 150K単位/L(2mg/L)
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン 〔Tris〕 [緩衝剤] 40mM
(b)第2試薬(本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液) [下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度で含む水溶液]
1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル 〔DGGMR〕 (ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]) [リパーゼ活性測定用基質] 0.6mM
側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイル 0.3%(w/v)
塩化ヒドロキシルアンモニウム [還元剤] 1mM
タウロデオキシコール酸ナトリウム [リパーゼ賦活化剤] 2%(w/v)
1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル 〔DGGMR〕 (ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]) [リパーゼ活性測定用基質] 0.6mM
側鎖型の非反応性のポリエーテル変性タイプの変性シリコーンオイル 0.3%(w/v)
塩化ヒドロキシルアンモニウム [還元剤] 1mM
タウロデオキシコール酸ナトリウム [リパーゼ賦活化剤] 2%(w/v)
〔3〕本発明のリパーゼ活性測定方法
I.総論
本発明のリパーゼ活性の測定方法は、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル[DGGMR]をリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液を使用するリパーゼ活性測定方法において、リパーゼ活性測定用基質溶液に還元剤を含有させることを特徴とするものである。(なお、リパーゼ活性測定用基質溶液の詳細については、前記の「〔1〕本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液」の項に記載した通りである。また、リパーゼ活性測定試薬の詳細については、前記の「〔2〕本発明のリパーゼ活性測定試薬」の項に記載した通りである。)
I.総論
本発明のリパーゼ活性の測定方法は、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル[DGGMR]をリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液を使用するリパーゼ活性測定方法において、リパーゼ活性測定用基質溶液に還元剤を含有させることを特徴とするものである。(なお、リパーゼ活性測定用基質溶液の詳細については、前記の「〔1〕本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液」の項に記載した通りである。また、リパーゼ活性測定試薬の詳細については、前記の「〔2〕本発明のリパーゼ活性測定試薬」の項に記載した通りである。)
そして、本発明のリパーゼ活性測定方法は、上記の構成により、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができるものである。
II.リパーゼ活性の測定方法
1.リパーゼ活性測定方法
1.リパーゼ活性測定方法
(1).試料
本発明において、リパーゼの活性を測定する試料は、リパーゼを含む可能性がある試料であればよく、リパーゼを含む可能性があるものであれば特に限定されない。
この試料としては、例えば、ヒト若しくは動物又は植物に由来する試料等を挙げることができる。
本発明において、リパーゼの活性を測定する試料は、リパーゼを含む可能性がある試料であればよく、リパーゼを含む可能性があるものであれば特に限定されない。
この試料としては、例えば、ヒト若しくは動物又は植物に由来する試料等を挙げることができる。
ヒト若しくは動物に由来する試料としては、特に限定されず、例えば、ヒト或いは動物の、血液、血清、血漿、精液、髄液、唾液、汗、涙、腹水、若しくは羊水などの体液;尿若しくは大便などの排泄物;膵臓、肝臓、若しくは胃などの臓器;毛髪、皮膚、爪、筋肉、若しくは神経などの組織;又は細胞等を挙げることができる。
本発明は、ヒト又は動物に由来する試料を試料とする場合に好適であり、ヒトに由来する試料を試料とする場合に特に好適である。
また、本発明は、体液、臓器又は組織を試料とする場合に好適であり、体液を試料とする場合により好適であり、血液、血清又は血漿を試料とする場合に更に好適であり、血清又は血漿を試料とする場合に特に好適である。
なお、本発明において、試料は、液体である場合に好適であるので、もし試料が液体でない場合には、抽出処理又は可溶化処理等の前処理を既知の方法に従って行い、液体試料とすればよい。
また、試料は、必要に応じて、希釈又は濃縮処理等を行ってもよい。
また、試料は、必要に応じて、希釈又は濃縮処理等を行ってもよい。
(2)測定の詳細
本発明のリパーゼ活性測定方法により、試料中のリパーゼ活性の測定を行う場合、その測定は終点法(エンドポイント法)により測定を行うものであってもよく、又は反応速度法(レート法)により測定を行うものであってもよく、適宜選択すればよいが、反応速度法(レート法)によるものが好ましい。
本発明のリパーゼ活性測定方法により、試料中のリパーゼ活性の測定を行う場合、その測定は終点法(エンドポイント法)により測定を行うものであってもよく、又は反応速度法(レート法)により測定を行うものであってもよく、適宜選択すればよいが、反応速度法(レート法)によるものが好ましい。
また、本発明のリパーゼ活性測定方法により、試料中のリパーゼ活性の測定を行う場合、その測定は、一段階のステップにより行う1ステップ法、又は二段階若しくはそれ以上の多段階のステップにより行う多ステップ法を適宜選択して測定を行えばよい。
なお、リパーゼ活性の測定に使用するリパーゼ活性測定試薬が、第1試薬、第2試薬、及び他の試薬(一つ又は二つ以上の試薬)よりなる場合、すなわち3以上の試薬よりなる場合は、これらの試薬を使用して測定を行うのに必要な数の段階(必要に応じ二段階又は三段階以上の段階)を経て測定反応を行わせ、試料中のリパーゼ活性の測定を行えばよい。
また、本発明のリパーゼ活性測定方法においては、リパーゼ活性測定用基質[DGGMR]と試料を接触させ、反応させることにより、リパーゼが触媒する加水分解反応によって、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロール及びグルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルが生成するが、このグルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルは不安定であって、容易に自然に加水分解されて6’−メチルレゾルフィン(λmax:580nm)を生成する。
よって、この生成する6’−メチルレゾルフィンの増加を580nm又はその近辺の波長の吸光度等を測ることによって測定し、試料中に含まれていたリパーゼの活性値を求めればよい。なお、この場合、一波長法でもよく、又は二波長法でもよい。
なお、測定した吸光度(若しくは透過率)、又は吸光度(若しくは透過率)の変化量より、試料に含まれていたリパーゼの活性値を算出することは、6’−メチルレゾルフィンのモル吸光係数を基に測定した吸光度(若しくは透過率)より算出する方法、又はリパーゼ活性値が分かっている標準物質(標準液、若しくは標準血清等)の吸光度(若しくは透過率)と対比して算出する方法等の方法を適宜選択して行えばよい。
また、試料を測定して得た吸光度(若しくは透過率)より試薬盲検(試薬ブランク)を差し引いて、試料に含まれていたリパーゼの活性値を算出することが好ましい。
また、本発明のリパーゼ活性測定方法において、その測定反応時の温度は、30℃又は37℃等測定反応が進行しかつ測定反応に係わる酵素等の反応成分が熱により失活、変性又は変質しない範囲内の温度を設定すればよい。
また、本発明のリパーゼ活性測定方法において、その測定反応の開始方法は、リパーゼ活性測定用基質等を加えることにより行う方法、又は試料を加えることにより行う方法等のいずれの方法のものでもよい。
また、本発明のリパーゼ活性測定方法において、その測定は、用手法により行うものであってもよく、又は自動分析装置等の装置を用いて行うものであってもよい。
2.リパーゼ活性測定方法の具体例
本発明のリパーゼ活性測定方法の具体例を以下挙げる。
本発明のリパーゼ活性測定方法の具体例を以下挙げる。
(1)リパーゼ活性測定試薬
(a)第1試薬
前記の〔2〕のIIの2の(1)の(a)の第1試薬を、この測定方法の具体例における第1試薬として用いた。
(a)第1試薬
前記の〔2〕のIIの2の(1)の(a)の第1試薬を、この測定方法の具体例における第1試薬として用いた。
(b)第2試薬
前記の〔2〕のIIの2の(1)の(b)の第2試薬を、この測定方法の具体例における第2試薬として用いた。
前記の〔2〕のIIの2の(1)の(b)の第2試薬を、この測定方法の具体例における第2試薬として用いた。
(2)試料
ヒトの血清を試料として用いた。
ヒトの血清を試料として用いた。
(3)測定
(a)第1段階
前記(2)の試料と前記(1)の(a)の第1試薬を混合して、混合液を調製する。
(a)第1段階
前記(2)の試料と前記(1)の(a)の第1試薬を混合して、混合液を調製する。
この混合する試料及び第1試薬それぞれの量は、第2試薬の量、試料に含まれるリパーゼの活性値、及び他の条件に応じて適宜決めればよい。
なお、一般的には、例えば、試料の量は0.5〜100μL、第1試薬の量は20〜1,000μLの範囲のもの等とすることが好ましい。
なお、一般的には、例えば、試料の量は0.5〜100μL、第1試薬の量は20〜1,000μLの範囲のもの等とすることが好ましい。
この混合液の調製後、インキュベートを行う。
このインキュベートの時間は、特に制限はないのであるが、通常は20分以内であることが好ましく、10分以内であることがより好ましく、5分以内であることが特に好ましい。
このインキュベートの時間は、特に制限はないのであるが、通常は20分以内であることが好ましく、10分以内であることがより好ましく、5分以内であることが特に好ましい。
また、インキュベートする際の温度は、前記の混合液が凍結する温度より上の温度であればよい。
なお、一般的に測定反応時の温度は、高い程、反応速度が高くなるので好ましい。
しかし、温度が高すぎると測定反応に係わる酵素等の成分が変性、失活してしまうので、インキュベートする際の温度は、測定反応に係わる酵素等の成分が変性、失活する温度未満の温度とする必要がある。
このインキュベートする際の温度は、通常は2〜70℃であるが、20〜37℃が好ましく、30〜37℃がより好ましい。
なお、測定反応に係わる酵素等の成分が耐熱性酵素など耐熱性の成分であれば更に高温でもよい。
なお、一般的に測定反応時の温度は、高い程、反応速度が高くなるので好ましい。
しかし、温度が高すぎると測定反応に係わる酵素等の成分が変性、失活してしまうので、インキュベートする際の温度は、測定反応に係わる酵素等の成分が変性、失活する温度未満の温度とする必要がある。
このインキュベートする際の温度は、通常は2〜70℃であるが、20〜37℃が好ましく、30〜37℃がより好ましい。
なお、測定反応に係わる酵素等の成分が耐熱性酵素など耐熱性の成分であれば更に高温でもよい。
この試料と第1試薬の混合液の調製及びインキュベートにより、試料に含まれていたリパーゼと、第1試薬に含まれる試薬成分とが接触し、これらの成分によるリパーゼの賦活化や活性化等が行われる。
(b)第2段階
前記の第1段階で調製した「試料と第1試薬の混合液」に、前記(1)の(b)の第2試薬を混合する。これを最終反応液とする。
前記の第1段階で調製した「試料と第1試薬の混合液」に、前記(1)の(b)の第2試薬を混合する。これを最終反応液とする。
この混合する第2試薬の量は、試料の量、第1試薬の量、試料に含まれるリパーゼの活性値、使用する分析装置の仕様等、及び他の条件に応じて適宜決めればよい。
なお、一般的には、例えば、第2試薬の量は10〜1,000μLの範囲のもの等とすることが好ましい。
なお、一般的には、例えば、第2試薬の量は10〜1,000μLの範囲のもの等とすることが好ましい。
この最終反応液の調製後、インキュベートを行う。
このインキュベートの時間は、特に制限はないのであるが、通常は20分以内であることが好ましく、10分以内であることがより好ましく、5分以内であることが特に好ましい。
このインキュベートの時間は、特に制限はないのであるが、通常は20分以内であることが好ましく、10分以内であることがより好ましく、5分以内であることが特に好ましい。
また、インキュベートする際の温度は、前記の最終反応液が凍結する温度より上の温度であればよい。
なお、一般的に測定反応時の温度は、高い程、反応速度が高くなるので好ましい。
しかし、温度が高すぎると測定反応に係わる酵素等の成分が変性、失活してしまうので、インキュベートする際の温度は、測定反応に係わる酵素等の成分が変性、失活する温度未満の温度とする必要がある。
このインキュベートする際の温度は、通常は2〜70℃であるが、20〜37℃が好ましく、30〜37℃がより好ましい。
なお、測定反応に係わる酵素等の成分が耐熱性酵素など耐熱性の成分であれば更に高温でもよい。
なお、一般的に測定反応時の温度は、高い程、反応速度が高くなるので好ましい。
しかし、温度が高すぎると測定反応に係わる酵素等の成分が変性、失活してしまうので、インキュベートする際の温度は、測定反応に係わる酵素等の成分が変性、失活する温度未満の温度とする必要がある。
このインキュベートする際の温度は、通常は2〜70℃であるが、20〜37℃が好ましく、30〜37℃がより好ましい。
なお、測定反応に係わる酵素等の成分が耐熱性酵素など耐熱性の成分であれば更に高温でもよい。
この最終反応液の調製及びインキュベートにより、前記の第1段階におけるリパーゼの賦活化や活性化等に引き続き、この第2段階における測定反応が開始し、試料に含まれていたリパーゼの活性測定反応が進められる。
すなわち、安定で均一なミセル粒子からなるエマルジョン化した基質溶液となっている第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)が、この第2段階において試料に含まれていたリパーゼと接触することにより、リパーゼが触媒する加水分解反応によって、リパーゼ活性測定用基質[DGGMR]より1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロール及びグルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルが生成する。
そして、このグルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルは不安定であるので、容易に自然に加水分解されて、6’−メチルレゾルフィン(λmax:580nm)を生成する。
そして、このグルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルは不安定であるので、容易に自然に加水分解されて、6’−メチルレゾルフィン(λmax:580nm)を生成する。
この生成した6’−メチルレゾルフィンは、その極大吸収波長(λmax)が580nmであるので、この6’−メチルレゾルフィンに由来する最終反応液の吸光度(又は透過率)を、580nm又はその近辺の波長の吸光度(又は透過率)を測ることによって測定する。
次に、測定した吸光度(若しくは透過率)、又は吸光度(若しくは透過率)の変化量より、試料に含まれていたリパーゼの活性値を算出する。
なお、これは、6’−メチルレゾルフィンのモル吸光係数を基に測定した吸光度(若しくは透過率)より算出する方法、又はリパーゼ活性値が分かっている標準物質(標準液、若しくは標準血清等)の吸光度(若しくは透過率)と対比して算出する方法等の方法を適宜選択して行う。
なお、上記の試料に含まれていたリパーゼの活性値の算出は、試料を測定して得た最終反応液の吸光度(若しくは透過率)より試薬盲検(試薬ブランク)を差し引いて求めた吸光度差(ΔAbs.)を用いて行うことが好ましい。
〔4〕本発明のリパーゼ活性測定に対するアジ化物の影響の抑制方法
本発明のリパーゼ活性測定に対するアジ化物の影響の抑制方法は、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル[DGGMR]をリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液に還元剤を含有させることを特徴とするものである。(なお、リパーゼ活性測定用基質溶液の詳細については、前記の「〔1〕本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液」の項に記載した通りである。また、リパーゼ活性測定試薬の詳細については、前記の「〔2〕本発明のリパーゼ活性測定試薬」の項に記載した通りである。また、リパーゼ活性測定方法の詳細については、前記の「〔3〕本発明のリパーゼ活性測定方法」の項に記載した通りである。)
本発明のリパーゼ活性測定に対するアジ化物の影響の抑制方法は、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル[DGGMR]をリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液に還元剤を含有させることを特徴とするものである。(なお、リパーゼ活性測定用基質溶液の詳細については、前記の「〔1〕本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液」の項に記載した通りである。また、リパーゼ活性測定試薬の詳細については、前記の「〔2〕本発明のリパーゼ活性測定試薬」の項に記載した通りである。また、リパーゼ活性測定方法の詳細については、前記の「〔3〕本発明のリパーゼ活性測定方法」の項に記載した通りである。)
そして、本発明のリパーゼ活性測定に対するアジ化物の影響の抑制方法は、上記の構成により、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができる方法である。
以下、実施例により本発明をより具体的に詳述するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
〔実施例1〕(本発明のアジ化物の影響の抑制効果の確認−1)
本発明におけるアジ化物の影響の抑制効果を確認した。
本発明におけるアジ化物の影響の抑制効果を確認した。
1.本発明のリパーゼ活性測定試薬
本発明のリパーゼ活性測定試薬の第1試薬及び第2試薬をそれぞれ調製した。
本発明のリパーゼ活性測定試薬の第1試薬及び第2試薬をそれぞれ調製した。
〔1〕第1試薬
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHをpH8.4(20℃)に調整して、リパーゼ活性測定試薬の第1試薬を調製した。
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHをpH8.4(20℃)に調整して、リパーゼ活性測定試薬の第1試薬を調製した。
デオキシコール酸ナトリウム [リパーゼ賦活化剤] 2%(w/v)
塩化カルシウム [リパーゼ活性化剤] 20mM
コリパーゼ (ブタ膵臓由来、販売元:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]) 750K単位/L(10mg/L)
Bicine [緩衝剤] 80mM
塩化カルシウム [リパーゼ活性化剤] 20mM
コリパーゼ (ブタ膵臓由来、販売元:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]) 750K単位/L(10mg/L)
Bicine [緩衝剤] 80mM
〔2〕第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)
[1]アジ化物添加第2試薬(本発明)
本発明のリパーゼ活性測定試薬の第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)に、アジ化物混入の影響を確かめるため、アジ化物を添加した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」を調製した。
[1]アジ化物添加第2試薬(本発明)
本発明のリパーゼ活性測定試薬の第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)に、アジ化物混入の影響を確かめるため、アジ化物を添加した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」を調製した。
(1) リパーゼ活性測定用基質である、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル〔DGGMR〕(販売元:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国])の0.045グラム[g]を、ビーカー(容量:10mL)に量り取った。
(2) 次に、側鎖型の非反応性の変性シリコーンオイル(ポリエーテル変性タイプ)である、KF−355A(販売元:信越化学工業株式会社[日本国])の0.6グラム[g]を量り取り、これを前記(1)のビーカーに添加した。
(3) 前記(2)の添加後、このビーカーを67℃において撹拌して、ビーカー内のリパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤であるKF−355Aとを混合した。
この混合(撹拌)を5分間行い、「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物」を調製した。
なお、当該撹拌は、前記のビーカーをマルチスターラー(型式:M−3、販売元:アズワン株式会社[日本国])の上に載せ、このビーカー内の回転子をこのマルチスターラーの目盛り「3」で回転させることにより行った。
(4) 次に、前記(3)のビーカー内の「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物」(全部)に、撹拌しながら「一定量(4.0mL)の1mMの塩化ヒドロキシルアンモニウム(還元剤)を含む40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]」を室温(25℃)においてマイクロピペットより添加した。
そして、当該添加後、この撹拌を室温(25℃)にて5分間継続して行うことにより、前記の「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤を混合して調製した混合物」(全部)と、前記の「一定量(4.0mL)の1mMの塩化ヒドロキシルアンモニウムを含む40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]」との混合を行った。
なお、当該撹拌は、前記のビーカーをマルチスターラー(型式:M−3、販売元:アズワン株式会社[日本国])の上に載せ、このビーカー内の回転子をこのマルチスターラーの目盛り「3」で回転させることにより行った。
(5) 次に、前記(4)の「当該混合物(リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物)と一定量の1mMの塩化ヒドロキシルアンモニウムを含む40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]との混合後の混合液」に、更に一定量の1mMの塩化ヒドロキシルアンモニウムを含む40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]を混合して、最終的な容量を200mLとした。
(6) 以上の操作により、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液である「リパーゼ活性測定用基質溶液(リパーゼ活性測定用基質:DGGMR、界面活性剤:KF−355A、還元剤:塩化ヒドロキシルアンモニウム)」を調製した。
これを本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液である「第2試薬(本発明)」とした。
これを本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液である「第2試薬(本発明)」とした。
(7)
前記(6)の「第2試薬(本発明)」の10mLに0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム水溶液の10μLを添加し、「アジ化物添加第2試薬(本発明)」とした。
前記(6)の「第2試薬(本発明)」の10mLに0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム水溶液の10μLを添加し、「アジ化物添加第2試薬(本発明)」とした。
(8) なお、前記(1)〜(7)において調製した、「アジ化物添加第2試薬(本発明)」において、リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕の濃度は0.3mMであり、界面活性剤(KF−355A)の濃度は0.3%(w/v)であり、還元剤(塩化ヒドロキシルアンモニウム)の濃度は1mMであり、そして アジ化ナトリウムの濃度は0.0001%(w/v)である。
また、この「アジ化物添加第2試薬(本発明)」において、濃度勾配や強い濁り等は見られず、均質に混合されていることを目視にて確認した。
また、この「アジ化物添加第2試薬(本発明)」において、濃度勾配や強い濁り等は見られず、均質に混合されていることを目視にて確認した。
[2]アジ化物添加第2試薬(従来発明)
従来発明のリパーゼ活性測定試薬の第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)に、アジ化物混入の影響を確かめるため、アジ化物を添加した「第2試薬(従来発明)」を調製した。
従来発明のリパーゼ活性測定試薬の第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)に、アジ化物混入の影響を確かめるため、アジ化物を添加した「第2試薬(従来発明)」を調製した。
(1) リパーゼ活性測定用基質である、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル〔DGGMR〕(販売元:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国])の0.045グラム[g]を、ビーカー(容量:10mL)に量り取った。
(2) 次に、側鎖型の非反応性の変性シリコーンオイル(ポリエーテル変性タイプ)である、KF−355A(販売元:信越化学工業株式会社[日本国])の0.6グラム[g]を量り取り、これを前記(1)のビーカーに添加した。
(3) 前記(2)の添加後、このビーカーを67℃において撹拌して、ビーカー内のリパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤であるKF−355Aとを混合した。
この混合(撹拌)を5分間行い、「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物」を調製した。
なお、当該撹拌は、前記のビーカーをマルチスターラー(型式:M−3、販売元:アズワン株式会社[日本国])の上に載せ、このビーカー内の回転子をこのマルチスターラーの目盛り「3」で回転させることにより行った。
(4) 次に、前記(3)のビーカー内の「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物」(全部)に、撹拌しながら「一定量(4.0mL)の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]」を室温(25℃)においてマイクロピペットより添加した。
そして、当該添加後、この撹拌を室温(25℃)にて5分間継続して行うことにより、前記の「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤を混合して調製した混合物」(全部)と、前記の「一定量(4.0mL)の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]」との混合を行った。
なお、当該撹拌は、前記のビーカーをマルチスターラー(型式:M−3、販売元:アズワン株式会社[日本国])の上に載せ、このビーカー内の回転子をこのマルチスターラーの目盛り「3」で回転させることにより行った。
(5) 次に、前記(4)の「当該混合物(リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物)と一定量の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]との混合後の混合液」に、更に一定量の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]を混合して、最終的な容量を200mLとした。
(6) 以上の操作により、従来発明のリパーゼ活性測定用基質溶液である「リパーゼ活性測定用基質溶液(リパーゼ活性測定用基質:DGGMR、界面活性剤:KF−355A)」を調製した。
これを従来発明のリパーゼ活性測定用基質溶液である「第2試薬(従来発明)」とした。
これを従来発明のリパーゼ活性測定用基質溶液である「第2試薬(従来発明)」とした。
(7)
前記(6)の「第2試薬(従来発明)」の10mLに0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム水溶液の10μLを添加し、「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」とした。
前記(6)の「第2試薬(従来発明)」の10mLに0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム水溶液の10μLを添加し、「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」とした。
(8) なお、前記(1)〜(7)において調製した、「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」において、リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕の濃度は0.3mMであり、界面活性剤(KF−355A)の濃度は0.3%(w/v)であり、そして アジ化ナトリウムの濃度は0.0001%(w/v)である。
また、この「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」において、濃度勾配や強い濁り等は見られず、均質に混合されていることを目視にて確認した。
また、この「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」において、濃度勾配や強い濁り等は見られず、均質に混合されていることを目視にて確認した。
[3]対照第2試薬
対照としてのリパーゼ活性測定試薬の第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)である「対照第2試薬」を調製した。なお、この「対照第2試薬」にはアジ化物を添加していない。
対照としてのリパーゼ活性測定試薬の第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)である「対照第2試薬」を調製した。なお、この「対照第2試薬」にはアジ化物を添加していない。
(1) リパーゼ活性測定用基質である、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル〔DGGMR〕(販売元:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国])の0.045グラム[g]を、ビーカー(容量:10mL)に量り取った。
(2) 次に、側鎖型の非反応性の変性シリコーンオイル(ポリエーテル変性タイプ)である、KF−355A(販売元:信越化学工業株式会社[日本国])の0.6グラム[g]を量り取り、これを前記(1)のビーカーに添加した。
(3) 前記(2)の添加後、このビーカーを67℃において撹拌して、ビーカー内のリパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤であるKF−355Aとを混合した。
この混合(撹拌)を5分間行い、「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物」を調製した。
なお、当該撹拌は、前記のビーカーをマルチスターラー(型式:M−3、販売元:アズワン株式会社[日本国])の上に載せ、このビーカー内の回転子をこのマルチスターラーの目盛り「3」で回転させることにより行った。
(4) 次に、前記(3)のビーカー内の「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物」(全部)に、撹拌しながら「一定量(4.0mL)の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]」を室温(25℃)においてマイクロピペットより添加した。
そして、当該添加後、この撹拌を室温(25℃)にて5分間継続して行うことにより、前記の「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤を混合して調製した混合物」(全部)と、前記の「一定量(4.0mL)の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]」との混合を行った。
なお、当該撹拌は、前記のビーカーをマルチスターラー(型式:M−3、販売元:アズワン株式会社[日本国])の上に載せ、このビーカー内の回転子をこのマルチスターラーの目盛り「3」で回転させることにより行った。
(5) 次に、前記(4)の「当該混合物(リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物)と一定量の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]との混合後の混合液」に、更に一定量の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]を混合して、最終的な容量を200mLとした。
(6) 以上の操作により、「リパーゼ活性測定用基質溶液(リパーゼ活性測定用基質:DGGMR、界面活性剤:KF−355A)」を調製した。
これを対照としてのリパーゼ活性測定用基質溶液である「対照第2試薬」とした。
これを対照としてのリパーゼ活性測定用基質溶液である「対照第2試薬」とした。
(7) なお、前記(1)〜(6)において調製した、「対照第2試薬」において、リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕の濃度は0.3mMであり、界面活性剤(KF−355A)の濃度は0.3%(w/v)である。
また、この「対照第2試薬」において、濃度勾配や強い濁り等は見られず、均質に混合されていることを目視にて確認した。
また、この「対照第2試薬」において、濃度勾配や強い濁り等は見られず、均質に混合されていることを目視にて確認した。
2.試薬の保存
前記1の〔2〕の[1]において調製した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」、及び前記1の〔2〕の[2]において調製した「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」のそれぞれを、5℃で暗所に7日間保存した。
前記1の〔2〕の[1]において調製した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」、及び前記1の〔2〕の[2]において調製した「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」のそれぞれを、5℃で暗所に7日間保存した。
3.試料
下の「(1)標準物質」、「(2)標準血清」、及び「(3)管理血清」をそれぞれ試料として用いた。
下の「(1)標準物質」、「(2)標準血清」、及び「(3)管理血清」をそれぞれ試料として用いた。
(1)標準物質
「常用参照標準物質:JSCC常用酵素 JCCLS CRM−001c」(販売元:特定非営利活動法人日本臨床検査標準協議会[日本国])を、「標準物質」として用いた。
「常用参照標準物質:JSCC常用酵素 JCCLS CRM−001c」(販売元:特定非営利活動法人日本臨床検査標準協議会[日本国])を、「標準物質」として用いた。
(2)標準血清
市販の標準血清である「シグナスオート LIP 標準血清」[製造番号:G501](販売元:株式会社シノテスト[日本国])を、「標準血清」として用いた。
市販の標準血清である「シグナスオート LIP 標準血清」[製造番号:G501](販売元:株式会社シノテスト[日本国])を、「標準血清」として用いた。
(3)管理血清
市販の精度管理用管理血清である「シグナスオート LIP コントロール」[製造番号:G501](販売元:株式会社シノテスト[日本国])を、「管理血清」として用いた。
市販の精度管理用管理血清である「シグナスオート LIP コントロール」[製造番号:G501](販売元:株式会社シノテスト[日本国])を、「管理血清」として用いた。
4.試料中のリパーゼ活性の測定
「第1試薬」及び「対照第2試薬」、並びに前記2において5℃(暗所)にて7日間保存した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」及び「アジ化物添加第2試薬(従来発明)を使用して、7180形汎用自動分析装置(販売元:株式会社日立ハイテクノロジーズ[日本国])により、前記3の各試料の測定を行った。
「第1試薬」及び「対照第2試薬」、並びに前記2において5℃(暗所)にて7日間保存した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」及び「アジ化物添加第2試薬(従来発明)を使用して、7180形汎用自動分析装置(販売元:株式会社日立ハイテクノロジーズ[日本国])により、前記3の各試料の測定を行った。
(1) 前記の7180形汎用自動分析装置において、前記3のそれぞれの試料(「(1)標準物質」、「(2)標準血清」、及び「(3)管理血清」)について、これらの試料の2.6μLに、それぞれ前記1の〔1〕で調製した「第1試薬」の160μLを第1試薬として添加し、37℃で反応させた。
(2) 次に、16ポイント(第1試薬添加後270.093秒)から17ポイント(第1試薬添加後286.977秒)の間に、前記2で保存した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」の96μLを第2試薬として添加し、37℃で反応させた。
(3) 次に、20ポイント(第1試薬添加後340.510秒)から24ポイント(第1試薬添加後411.887秒)に掛けての吸光度変化量を主波長570nm、副波長700nmにて測定した。(試料中に含まれていたリパーゼの活性値に応じて生成する6’−メチルレゾルフィンの濃度増加に基づく吸光度変化量の測定)
(4) また、試薬盲検(試薬ブランク)の測定のため、生理食塩水を用いた。
この生理食塩水を試料とすること以外は、前記(1)〜(3)の記載の通りに操作を行い、生理食塩水を測定したときの吸光度変化量を測定した。(試薬盲検の吸光度変化量の測定)
この生理食塩水を試料とすること以外は、前記(1)〜(3)の記載の通りに操作を行い、生理食塩水を測定したときの吸光度変化量を測定した。(試薬盲検の吸光度変化量の測定)
(5) 次に、前記(3)において求めた前記3のそれぞれの試料についての当該ポイント間の吸光度変化量から、前記(4)において求めた当該ポイント間の試薬盲検の吸光度変化量を差し引いて、「試料の吸光度変化量差の値」を求めた。
(6) また、前記(2)における第2試薬を「アジ化物添加第2試薬(本発明)」から前記2で保存した「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」に替えること以外は、前記(1)〜(5)の記載の通りに操作を行い、前記3の各試料のリパーゼ活性値(試料の吸光度変化量差の値)を求めた。
(7) また、前記(2)における第2試薬を「アジ化物添加第2試薬(本発明)」から前記1の〔2〕の[3]で調製した「対照第2試薬」に替えること以外は、前記(1)〜(5)の記載の通りに操作を行い、前記3の各試料のリパーゼ活性値(試料の吸光度変化量差の値)を求めた。
5.測定結果
前記4において測定し、求めた前記3の各試料のリパーゼ活性値(試料の吸光度変化量差の値)を表1に示した。
前記4において測定し、求めた前記3の各試料のリパーゼ活性値(試料の吸光度変化量差の値)を表1に示した。
なお、この表1において示した測定値(各試料のリパーゼ活性値)の単位は、「吸光度差(ΔAbs.)」である。
また、この表1において、(カッコ)の中の数値は、各測定値(リパーゼ活性値[試料の吸光度変化量差の値])を、第2試薬としてアジ化物を添加していない「対照第2試薬」を使用したときの各試料の測定値(リパーゼ活性値[試料の吸光度変化量差の値])で除した値をパーセント表示で表したものである。
6.考察
(1) この表1より、第2試薬として「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」を使用したときの測定値(リパーゼ活性値[試料の吸光度変化量差の値])は、第2試薬としてアジ化物を添加していない「対照第2試薬」を使用したときに比べ、「(1)標準物質」においては67%であり、「(2)標準血清」においては67%であり、そして、「(3)管理血清」においては70%であり、測定により得られた吸光度が大幅に低下していることが分かる。
(1) この表1より、第2試薬として「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」を使用したときの測定値(リパーゼ活性値[試料の吸光度変化量差の値])は、第2試薬としてアジ化物を添加していない「対照第2試薬」を使用したときに比べ、「(1)標準物質」においては67%であり、「(2)標準血清」においては67%であり、そして、「(3)管理血清」においては70%であり、測定により得られた吸光度が大幅に低下していることが分かる。
(2) これに対して、同じくこの表1より、第2試薬として「アジ化物添加第2試薬(本発明)」を使用したときの測定値(リパーゼ活性値[試料の吸光度変化量差の値])は、第2試薬としてアジ化物を添加していない「対照第2試薬」を使用したときに比べ、「(1)標準物質」においては105%であり、「(2)標準血清」においては101%であり、そして、「(3)管理血清」においては101%であり、ほぼ差がないことが分かる。
(3) すなわち、本発明においては、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができることが確かめられた。
〔実施例2〕(本発明のアジ化物の影響の抑制効果の確認−2)
本発明におけるアジ化物の影響の抑制効果を再度確認した。
本発明におけるアジ化物の影響の抑制効果を再度確認した。
1.本発明のリパーゼ活性測定試薬
本発明のリパーゼ活性測定試薬の第1試薬及び第2試薬をそれぞれ調製した。
本発明のリパーゼ活性測定試薬の第1試薬及び第2試薬をそれぞれ調製した。
〔1〕第1試薬
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHをpH8.4(20℃)に調整して、リパーゼ活性測定試薬の第1試薬を調製した。
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHをpH8.4(20℃)に調整して、リパーゼ活性測定試薬の第1試薬を調製した。
デオキシコール酸ナトリウム [リパーゼ賦活化剤] 2%(w/v)
塩化カルシウム [リパーゼ活性化剤] 20mM
コリパーゼ (ブタ膵臓由来、販売元:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]) 750K単位/L(10mg/L)
Bicine [緩衝剤] 80mM
塩化カルシウム [リパーゼ活性化剤] 20mM
コリパーゼ (ブタ膵臓由来、販売元:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国]) 750K単位/L(10mg/L)
Bicine [緩衝剤] 80mM
なお、この第1試薬を個別に計3回調製し、これらをそれぞれリパーゼ活性測定試薬の第1試薬の第1ロット、第2ロット及び第3ロットとした。
〔2〕第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)
[1]アジ化物添加第2試薬(本発明)
本発明のリパーゼ活性測定試薬の第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)に、アジ化物混入の影響を確かめるため、アジ化物を添加した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」を計3ロット調製した。
[1]アジ化物添加第2試薬(本発明)
本発明のリパーゼ活性測定試薬の第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)に、アジ化物混入の影響を確かめるため、アジ化物を添加した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」を計3ロット調製した。
(1) リパーゼ活性測定用基質である、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル〔DGGMR〕(販売元:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国])の0.045グラム[g]を、ビーカー(容量:10mL)に量り取った。
(2) 次に、側鎖型の非反応性の変性シリコーンオイル(ポリエーテル変性タイプ)である、KF−355A(販売元:信越化学工業株式会社[日本国])の0.6グラム[g]を量り取り、これを前記(1)のビーカーに添加した。
(3) 前記(2)の添加後、このビーカーを67℃において撹拌して、ビーカー内のリパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤であるKF−355Aとを混合した。
この混合(撹拌)を5分間行い、「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物」を調製した。
なお、当該撹拌は、前記のビーカーをマルチスターラー(型式:M−3、販売元:アズワン株式会社[日本国])の上に載せ、このビーカー内の回転子をこのマルチスターラーの目盛り「3」で回転させることにより行った。
(4) 次に、前記(3)のビーカー内の「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物」(全部)に、撹拌しながら「一定量(4.0mL)の0.6mMの塩化ヒドロキシルアンモニウム(還元剤)を含む40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]」を室温(25℃)においてマイクロピペットより添加した。
そして、当該添加後、この撹拌を室温(25℃)にて5分間継続して行うことにより、前記の「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤を混合して調製した混合物」(全部)と、前記の「一定量(4.0mL)の0.6mMの塩化ヒドロキシルアンモニウムを含む40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]」との混合を行った。
なお、当該撹拌は、前記のビーカーをマルチスターラー(型式:M−3、販売元:アズワン株式会社[日本国])の上に載せ、このビーカー内の回転子をこのマルチスターラーの目盛り「3」で回転させることにより行った。
(5) 次に、前記(4)の「当該混合物(リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物)と一定量の0.6mMの塩化ヒドロキシルアンモニウムを含む40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]との混合後の混合液」に、更に一定量の0.6mMの塩化ヒドロキシルアンモニウムを含む40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]を混合して、最終的な容量を200mLとした。
(6) 以上の操作により、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液である「リパーゼ活性測定用基質溶液(リパーゼ活性測定用基質:DGGMR、界面活性剤:KF−355A、還元剤:塩化ヒドロキシルアンモニウム)」を調製した。
これを本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液である「第2試薬(本発明)」の第1ロットとした。
これを本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液である「第2試薬(本発明)」の第1ロットとした。
(7)
前記(6)の「第2試薬(本発明)」の10mLに0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム水溶液の10μLを添加し、「アジ化物添加第2試薬(本発明)」の第1ロットとした。
前記(6)の「第2試薬(本発明)」の10mLに0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム水溶液の10μLを添加し、「アジ化物添加第2試薬(本発明)」の第1ロットとした。
(8) また、更に2回ずつ前記(1)〜(7)の記載の通りに操作を行うことにより、本発明のリパーゼ活性測定用基質溶液である「リパーゼ活性測定用基質溶液(リパーゼ活性測定用基質:DGGMR、界面活性剤:KF−355A、還元剤:塩化ヒドロキシルアンモニウム)」にアジ化ナトリウムを添加したものを個別に2回調製した。
これらをそれぞれ「アジ化物添加第2試薬(本発明)」の第2ロット及び第3ロットとした。
これらをそれぞれ「アジ化物添加第2試薬(本発明)」の第2ロット及び第3ロットとした。
(9) なお、前記(1)〜(8)において調製した、「アジ化物添加第2試薬(本発明)」の第1ロット、第2ロット、及び第3ロットそれぞれにおいて、いずれもリパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕の濃度は0.3mMであり、界面活性剤(KF−355A)の濃度は0.3%(w/v)であり、還元剤(塩化ヒドロキシルアンモニウム)の濃度は0.6mMであり、そして アジ化ナトリウムの濃度は0.0001%(w/v)である。
また、これらのいずれの「アジ化物添加第2試薬(本発明)」においても、濃度勾配や強い濁り等は見られず、均質に混合されていることを目視にて確認した。
また、これらのいずれの「アジ化物添加第2試薬(本発明)」においても、濃度勾配や強い濁り等は見られず、均質に混合されていることを目視にて確認した。
[2]アジ化物添加第2試薬(従来発明)
従来発明のリパーゼ活性測定試薬の第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)に、アジ化物混入の影響を確かめるため、アジ化物を添加した「第2試薬(従来発明)」を計3ロット調製した。
従来発明のリパーゼ活性測定試薬の第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)に、アジ化物混入の影響を確かめるため、アジ化物を添加した「第2試薬(従来発明)」を計3ロット調製した。
(1) リパーゼ活性測定用基質である、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル〔DGGMR〕(販売元:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国])の0.045グラム[g]を、ビーカー(容量:10mL)に量り取った。
(2) 次に、側鎖型の非反応性の変性シリコーンオイル(ポリエーテル変性タイプ)である、KF−355A(販売元:信越化学工業株式会社[日本国])の0.6グラム[g]を量り取り、これを前記(1)のビーカーに添加した。
(3) 前記(2)の添加後、このビーカーを67℃において撹拌して、ビーカー内のリパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤であるKF−355Aとを混合した。
この混合(撹拌)を5分間行い、「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物」を調製した。
なお、当該撹拌は、前記のビーカーをマルチスターラー(型式:M−3、販売元:アズワン株式会社[日本国])の上に載せ、このビーカー内の回転子をこのマルチスターラーの目盛り「3」で回転させることにより行った。
(4) 次に、前記(3)のビーカー内の「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物」(全部)に、撹拌しながら「一定量(4.0mL)の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]」を室温(25℃)においてマイクロピペットより添加した。
そして、当該添加後、この撹拌を室温(25℃)にて5分間継続して行うことにより、前記の「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤を混合して調製した混合物」(全部)と、前記の「一定量(4.0mL)の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]」との混合を行った。
なお、当該撹拌は、前記のビーカーをマルチスターラー(型式:M−3、販売元:アズワン株式会社[日本国])の上に載せ、このビーカー内の回転子をこのマルチスターラーの目盛り「3」で回転させることにより行った。
(5) 次に、前記(4)の「当該混合物(リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物)と一定量の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]との混合後の混合液」に、更に一定量の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]を混合して、最終的な容量を200mLとした。
(6) 以上の操作により、従来発明のリパーゼ活性測定用基質溶液である「リパーゼ活性測定用基質溶液(リパーゼ活性測定用基質:DGGMR、界面活性剤:KF−355A)」を調製した。
これを従来発明のリパーゼ活性測定用基質溶液である「第2試薬(従来発明)」の第1ロットとした。
これを従来発明のリパーゼ活性測定用基質溶液である「第2試薬(従来発明)」の第1ロットとした。
(7)
前記(6)の「第2試薬(従来発明)」の10mLに0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム水溶液の10μLを添加し、「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」の第1ロットとした。
前記(6)の「第2試薬(従来発明)」の10mLに0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム水溶液の10μLを添加し、「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」の第1ロットとした。
(8) また、更に2回ずつ前記(1)〜(7)の記載の通りに操作を行うことにより、従来発明のリパーゼ活性測定用基質溶液である「リパーゼ活性測定用基質溶液(リパーゼ活性測定用基質:DGGMR、界面活性剤:KF−355A)」にアジ化ナトリウムを添加したものを個別に2回調製した。
これらをそれぞれ「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」の第2ロット及び第3ロットとした。
これらをそれぞれ「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」の第2ロット及び第3ロットとした。
(9) なお、前記(1)〜(8)において調製した、「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」の第1ロット、第2ロット、及び第3ロットそれぞれにおいて、いずれもリパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕の濃度は0.3mMであり、界面活性剤(KF−355A)の濃度は0.3%(w/v)であり、そして アジ化ナトリウムの濃度は0.0001%(w/v)である。
また、これらのいずれの「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」においても、濃度勾配や強い濁り等は見られず、均質に混合されていることを目視にて確認した。
また、これらのいずれの「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」においても、濃度勾配や強い濁り等は見られず、均質に混合されていることを目視にて確認した。
[3]対照第2試薬(本発明)
対照としてのリパーゼ活性測定試薬の第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)である「対照第2試薬(本発明)」を計3ロット調製した。なお、この「対照第2試薬(本発明)」にはアジ化物を添加していない。
対照としてのリパーゼ活性測定試薬の第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)である「対照第2試薬(本発明)」を計3ロット調製した。なお、この「対照第2試薬(本発明)」にはアジ化物を添加していない。
(1) リパーゼ活性測定用基質である、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル〔DGGMR〕(販売元:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国])の0.045グラム[g]を、ビーカー(容量:10mL)に量り取った。
(2) 次に、側鎖型の非反応性の変性シリコーンオイル(ポリエーテル変性タイプ)である、KF−355A(販売元:信越化学工業株式会社[日本国])の0.6グラム[g]を量り取り、これを前記(1)のビーカーに添加した。
(3) 前記(2)の添加後、このビーカーを67℃において撹拌して、ビーカー内のリパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤であるKF−355Aとを混合した。
この混合(撹拌)を5分間行い、「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物」を調製した。
なお、当該撹拌は、前記のビーカーをマルチスターラー(型式:M−3、販売元:アズワン株式会社[日本国])の上に載せ、このビーカー内の回転子をこのマルチスターラーの目盛り「3」で回転させることにより行った。
(4) 次に、前記(3)のビーカー内の「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物」(全部)に、撹拌しながら「一定量(4.0mL)の0.6mMの塩化ヒドロキシルアンモニウムを含む40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]」を室温(25℃)においてマイクロピペットより添加した。
そして、当該添加後、この撹拌を室温(25℃)にて5分間継続して行うことにより、前記の「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤を混合して調製した混合物」(全部)と、前記の「一定量(4.0mL)の0.6mMの塩化ヒドロキシルアンモニウムを含む40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]」との混合を行った。
なお、当該撹拌は、前記のビーカーをマルチスターラー(型式:M−3、販売元:アズワン株式会社[日本国])の上に載せ、このビーカー内の回転子をこのマルチスターラーの目盛り「3」で回転させることにより行った。
(5) 次に、前記(4)の「当該混合物(リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物)と一定量の0.6mMの塩化ヒドロキシルアンモニウムを含む40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]との混合後の混合液」に、更に一定量の0.6mMの塩化ヒドロキシルアンモニウムを含む40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]を混合して、最終的な容量を200mLとした。
(6) 以上の操作により、「リパーゼ活性測定用基質溶液(リパーゼ活性測定用基質:DGGMR、界面活性剤:KF−355A)」を調製した。
これを対照としてのリパーゼ活性測定用基質溶液である「対照第2試薬(本発明)」の第1ロットとした。
これを対照としてのリパーゼ活性測定用基質溶液である「対照第2試薬(本発明)」の第1ロットとした。
(7) また、更に2回ずつ前記(1)〜(6)の記載の通りに操作を行うことにより、対照としてのリパーゼ活性測定用基質溶液である「リパーゼ活性測定用基質溶液(リパーゼ活性測定用基質:DGGMR、界面活性剤:KF−355A)」を個別に2回調製した。
これらをそれぞれ「対照第2試薬(本発明)」の第2ロット及び第3ロットとした。
これらをそれぞれ「対照第2試薬(本発明)」の第2ロット及び第3ロットとした。
(8) なお、前記(1)〜(7)において調製した、「対照第2試薬(本発明)」の第1ロット、第2ロット、及び第3ロットそれぞれにおいて、いずれもリパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕の濃度は0.3mMであり、界面活性剤(KF−355A)の濃度は0.3%(w/v)であり、そして、還元剤(塩化ヒドロキシルアンモニウム)の濃度は0.6mMである。
また、これらのいずれの「対照第2試薬(本発明)」においても、濃度勾配や強い濁り等は見られず、均質に混合されていることを目視にて確認した。
また、これらのいずれの「対照第2試薬(本発明)」においても、濃度勾配や強い濁り等は見られず、均質に混合されていることを目視にて確認した。
[4]対照第2試薬(従来発明)
対照としてのリパーゼ活性測定試薬の第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)である「対照第2試薬(従来発明)」を計3ロット調製した。なお、この「対照第2試薬(従来発明)」にはアジ化物を添加していない。
対照としてのリパーゼ活性測定試薬の第2試薬(リパーゼ活性測定用基質溶液)である「対照第2試薬(従来発明)」を計3ロット調製した。なお、この「対照第2試薬(従来発明)」にはアジ化物を添加していない。
(1) リパーゼ活性測定用基質である、1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステル〔DGGMR〕(販売元:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社[日本国])の0.045グラム[g]を、ビーカー(容量:10mL)に量り取った。
(2) 次に、側鎖型の非反応性の変性シリコーンオイル(ポリエーテル変性タイプ)である、KF−355A(販売元:信越化学工業株式会社[日本国])の0.6グラム[g]を量り取り、これを前記(1)のビーカーに添加した。
(3) 前記(2)の添加後、このビーカーを67℃において撹拌して、ビーカー内のリパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤であるKF−355Aとを混合した。
この混合(撹拌)を5分間行い、「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物」を調製した。
なお、当該撹拌は、前記のビーカーをマルチスターラー(型式:M−3、販売元:アズワン株式会社[日本国])の上に載せ、このビーカー内の回転子をこのマルチスターラーの目盛り「3」で回転させることにより行った。
(4) 次に、前記(3)のビーカー内の「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物」(全部)に、撹拌しながら「一定量(4.0mL)の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]」を室温(25℃)においてマイクロピペットより添加した。
そして、当該添加後、この撹拌を室温(25℃)にて5分間継続して行うことにより、前記の「リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤を混合して調製した混合物」(全部)と、前記の「一定量(4.0mL)の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]」との混合を行った。
なお、当該撹拌は、前記のビーカーをマルチスターラー(型式:M−3、販売元:アズワン株式会社[日本国])の上に載せ、このビーカー内の回転子をこのマルチスターラーの目盛り「3」で回転させることにより行った。
(5) 次に、前記(4)の「当該混合物(リパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕と界面活性剤の混合物)と一定量の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]との混合後の混合液」に、更に一定量の40mMのL−酒石酸ナトリウム緩衝液[pH4.0(20℃)]を混合して、最終的な容量を200mLとした。
(6) 以上の操作により、「リパーゼ活性測定用基質溶液(リパーゼ活性測定用基質:DGGMR、界面活性剤:KF−355A)」を調製した。
これを対照としてのリパーゼ活性測定用基質溶液である「対照第2試薬(従来発明)」の第1ロットとした。
これを対照としてのリパーゼ活性測定用基質溶液である「対照第2試薬(従来発明)」の第1ロットとした。
(7) また、更に2回ずつ前記(1)〜(6)の記載の通りに操作を行うことにより、対照としてのリパーゼ活性測定用基質溶液である「リパーゼ活性測定用基質溶液(リパーゼ活性測定用基質:DGGMR、界面活性剤:KF−355A)」を個別に2回調製した。
これらをそれぞれ「対照第2試薬(従来発明)」の第2ロット及び第3ロットとした。
これらをそれぞれ「対照第2試薬(従来発明)」の第2ロット及び第3ロットとした。
(8) なお、前記(1)〜(7)において調製した、「対照第2試薬(従来発明)」の第1ロット、第2ロット、及び第3ロットそれぞれにおいて、いずれもリパーゼ活性測定用基質〔DGGMR〕の濃度は0.3mMであり、界面活性剤(KF−355A)の濃度は0.3%(w/v)である。
また、これらのいずれの「対照第2試薬(従来発明)」においても、濃度勾配や強い濁り等は見られず、均質に混合されていることを目視にて確認した。
また、これらのいずれの「対照第2試薬(従来発明)」においても、濃度勾配や強い濁り等は見られず、均質に混合されていることを目視にて確認した。
2.試薬の保存
前記1の〔2〕の[1]において調製した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」の第1ロット、第2ロット及び第3ロット、並びに前記1の〔2〕の[2]において調製した「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」の第1ロット、第2ロット及び第3ロットのそれぞれを、5℃で暗所に7日間保存した。
前記1の〔2〕の[1]において調製した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」の第1ロット、第2ロット及び第3ロット、並びに前記1の〔2〕の[2]において調製した「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」の第1ロット、第2ロット及び第3ロットのそれぞれを、5℃で暗所に7日間保存した。
3.試料
下の「(1)標準物質」、「(2)管理血清−1」、「(3)管理血清−2」、「(4)管理血清−3」、「(5)管理血清−4」、「(6)標準血清」、「(7)管理血清−5」、及び「(8)プール血清」をそれぞれ試料として用いた。
下の「(1)標準物質」、「(2)管理血清−1」、「(3)管理血清−2」、「(4)管理血清−3」、「(5)管理血清−4」、「(6)標準血清」、「(7)管理血清−5」、及び「(8)プール血清」をそれぞれ試料として用いた。
(1)標準物質
「常用参照標準物質:JSCC常用酵素 JCCLS CRM−001c」(販売元:特定非営利活動法人日本臨床検査標準協議会[日本国])を、「標準物質」として用いた。
「常用参照標準物質:JSCC常用酵素 JCCLS CRM−001c」(販売元:特定非営利活動法人日本臨床検査標準協議会[日本国])を、「標準物質」として用いた。
(2)管理血清−1
市販の精度管理用管理血清である「液状コントロール血清Iワコー C&C」[製造番号:1515I](販売元:和光純薬工業株式会社[日本国])を、「管理血清−1」として用いた。
市販の精度管理用管理血清である「液状コントロール血清Iワコー C&C」[製造番号:1515I](販売元:和光純薬工業株式会社[日本国])を、「管理血清−1」として用いた。
(3)管理血清−2
市販の精度管理用管理血清である「液状コントロール血清IIワコー C&C」[製造番号:1515II](販売元:和光純薬工業株式会社[日本国])を、「管理血清−2」として用いた。
市販の精度管理用管理血清である「液状コントロール血清IIワコー C&C」[製造番号:1515II](販売元:和光純薬工業株式会社[日本国])を、「管理血清−2」として用いた。
(4)管理血清−3
市販の精度管理用管理血清である「Aalto Control I R」(販売元:株式会社シノテスト[日本国])を、「管理血清−3」として用いた。
市販の精度管理用管理血清である「Aalto Control I R」(販売元:株式会社シノテスト[日本国])を、「管理血清−3」として用いた。
(5)管理血清−4
市販の精度管理用管理血清である「Aalto Control II S」(販売元:株式会社シノテスト[日本国])を、「管理血清−4」として用いた。
市販の精度管理用管理血清である「Aalto Control II S」(販売元:株式会社シノテスト[日本国])を、「管理血清−4」として用いた。
(6)標準血清
市販の標準血清である「シグナスオート LIP 標準血清」[製造番号:G501](販売元:株式会社シノテスト[日本国])を、「標準血清」として用いた。
市販の標準血清である「シグナスオート LIP 標準血清」[製造番号:G501](販売元:株式会社シノテスト[日本国])を、「標準血清」として用いた。
(7)管理血清−5
市販の精度管理用管理血清である「シグナスオート LIP コントロール」[製造番号:G501](販売元:株式会社シノテスト[日本国])を、「管理血清−5」として用いた。
市販の精度管理用管理血清である「シグナスオート LIP コントロール」[製造番号:G501](販売元:株式会社シノテスト[日本国])を、「管理血清−5」として用いた。
(8)プール血清
ヒト血清を集めたものを、「プール血清」として用いた。
ヒト血清を集めたものを、「プール血清」として用いた。
4.試料中のリパーゼ活性の測定
「第1試薬」、「対照第2試薬(本発明)」及び「対照第2試薬(従来発明)」、並びに前記2において5℃(暗所)にて7日間保存した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」(第1ロット〜第3ロット)及び「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」(第1ロット〜第3ロット)を使用して、7180形汎用自動分析装置(販売元:株式会社日立ハイテクノロジーズ[日本国])により、前記3の各試料の測定を行った。
「第1試薬」、「対照第2試薬(本発明)」及び「対照第2試薬(従来発明)」、並びに前記2において5℃(暗所)にて7日間保存した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」(第1ロット〜第3ロット)及び「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」(第1ロット〜第3ロット)を使用して、7180形汎用自動分析装置(販売元:株式会社日立ハイテクノロジーズ[日本国])により、前記3の各試料の測定を行った。
(1) 前記の7180形汎用自動分析装置において、前記3のそれぞれの試料について、これらの試料の2.6μLに、それぞれ前記1の〔1〕で調製した「第1試薬」の第1ロットの160μLを第1試薬として添加し、37℃で反応させた。
(2) 次に、16ポイント(第1試薬添加後270.093秒)から17ポイント(第1試薬添加後286.977秒)の間に、前記2で保存した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」の96μLを第2試薬として添加し、37℃で反応させた。
(3) 次に、20ポイント(第1試薬添加後340.510秒)から24ポイント(第1試薬添加後411.887秒)に掛けての吸光度変化量を主波長570nm、副波長700nmにて測定した。(試料中に含まれていたリパーゼの活性値に応じて生成する6’−メチルレゾルフィンの濃度増加に基づく吸光度変化量の測定)
(4) また、試薬盲検(試薬ブランク)の測定のため、生理食塩水を用いた。
この生理食塩水を試料とすること以外は、前記(1)〜(3)の記載の通りに操作を行い、生理食塩水を測定したときの吸光度変化量を測定した。(試薬盲検の吸光度変化量の測定)
この生理食塩水を試料とすること以外は、前記(1)〜(3)の記載の通りに操作を行い、生理食塩水を測定したときの吸光度変化量を測定した。(試薬盲検の吸光度変化量の測定)
(5) 次に、前記(3)において求めた前記3のそれぞれの試料についての当該ポイント間の吸光度変化量から、前記(4)において求めた当該ポイント間の試薬盲検の吸光度変化量を差し引いて、「試料の吸光度変化量差の値」を求めた。
(6) また、前記(2)における第2試薬を前記2で保存した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」の第1ロットから第2ロットに替えること以外は、前記(1)〜(5)の記載の通りに操作を行い、第2試薬として第2ロットを用いた場合の前記3の各試料のリパーゼ活性値(試料の吸光度変化量差の値)を求めた。
(7) また、前記(2)における第2試薬を前記2で保存した「アジ化物添加第2試薬(本発明)」の第1ロットから第3ロットに替えること以外は、前記(1)〜(5)の記載の通りに操作を行い、第2試薬として第3ロットを用いた場合の前記3の各試料のリパーゼ活性値(試料の吸光度変化量差の値)を求めた。
(8) また、前記(2)における第2試薬を「アジ化物添加第2試薬(本発明)」から前記2で保存した「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」に替えること以外は、前記(1)〜(7)の記載の通りに操作を行い、第2試薬として第1ロット〜第3ロットを用いた場合の前記3の各試料のリパーゼ活性値(試料の吸光度変化量差の値)を求めた。
(9) また、前記(2)における第2試薬を「アジ化物添加第2試薬(本発明)」から前記1の〔2〕の[3]で調製した「対照第2試薬(本発明)」に替えること以外は、前記(1)〜(7)の記載の通りに操作を行い、第2試薬として第1ロット〜第3ロットを用いた場合の前記3の各試料のリパーゼ活性値(試料の吸光度変化量差の値)を求めた。
(10) また、前記(2)における第2試薬を「アジ化物添加第2試薬(本発明)」から前記1の〔2〕の[4]で調製した「対照第2試薬(従来発明)」に替えること以外は、前記(1)〜(7)の記載の通りに操作を行い、第2試薬として第1ロット〜第3ロットを用いた場合の前記3の各試料のリパーゼ活性値(試料の吸光度変化量差の値)を求めた。
5.測定結果
前記4において測定し、求めた前記3の各試料のリパーゼ活性値(試料の吸光度変化量差の値)を表2に示した。
前記4において測定し、求めた前記3の各試料のリパーゼ活性値(試料の吸光度変化量差の値)を表2に示した。
なお、この表2において示した測定値(各試料のリパーゼ活性値)の単位は、「吸光度差(ΔAbs.)」である。
また、この表2において、(カッコ)の中の数値は、第2試薬として「アジ化物添加第2試薬(本発明)」を使用したときの測定値(リパーゼ活性値[試料の吸光度変化量差の値])を、第2試薬としてアジ化物を添加していない「対照第2試薬(本発明)」を使用したときの測定値(リパーゼ活性値[試料の吸光度変化量差の値])で除した値をパーセント表示で表したもの、又は第2試薬として「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」を使用したときの測定値(リパーゼ活性値[試料の吸光度変化量差の値])を、第2試薬としてアジ化物を添加していない「対照第2試薬(従来発明)」を使用したときの測定値(リパーゼ活性値[試料の吸光度変化量差の値])で除した値をパーセント表示で表したものである。
6.考察
(1) この表2より、第2試薬として「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」を使用したときの測定値(リパーゼ活性値[試料の吸光度変化量差の値])は、第2試薬としてアジ化物を添加していない「対照第2試薬(従来発明)」を使用したときに比べ、第1ロットにおいては67%〜76%であり、第2ロットにおいては65%〜76%であり、そして、第3ロットにおいては65%〜79%であり、測定により得られた吸光度がいずれも大幅に低下していることが分かる。
(1) この表2より、第2試薬として「アジ化物添加第2試薬(従来発明)」を使用したときの測定値(リパーゼ活性値[試料の吸光度変化量差の値])は、第2試薬としてアジ化物を添加していない「対照第2試薬(従来発明)」を使用したときに比べ、第1ロットにおいては67%〜76%であり、第2ロットにおいては65%〜76%であり、そして、第3ロットにおいては65%〜79%であり、測定により得られた吸光度がいずれも大幅に低下していることが分かる。
(2) これに対して、同じくこの表2より、第2試薬として「アジ化物添加第2試薬(本発明)」を使用したときの測定値(リパーゼ活性値[試料の吸光度変化量差の値])は、第2試薬としてアジ化物を添加していない「対照第2試薬(本発明)」を使用したときに比べ、第1ロットにおいては96%〜100%であり、第2ロットにおいては96%〜99%であり、そして、第3ロットにおいては96%〜100%であり、いずれもほぼ差がないことが分かる。
(3) すなわち、本発明において、混入したアジ化物によるDGGMRの劣化を防ぎ、測定により得られる吸光度値の低下を抑制することができることが再度確かめられた。
Claims (4)
- 1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液において、還元剤を含有することを特徴とするリパーゼ活性測定用基質溶液。
- 請求項1に記載のリパーゼ活性測定用基質溶液を含むことを特徴とするリパーゼ活性測定試薬。
- 1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液を使用するリパーゼ活性測定方法において、リパーゼ活性測定用基質溶液に還元剤を含有させることを特徴とするリパーゼ活性測定方法。
- 1,2−o−ジラウリル−rac−グリセロ−3−グルタル酸−(6’−メチルレゾルフィン)−エステルをリパーゼ活性測定用基質として含むリパーゼ活性測定用基質溶液に還元剤を含有させることを特徴とするリパーゼ活性測定に対するアジ化物の影響の抑制方法。
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