JPWO2018020985A1 - 電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

電解コンデンサは、陽極体と、陽極体上に形成された誘電体層と、誘導体層上に形成された固体電解質層と、を備える。固体電解質層は、誘電体層の側から順に、チオフェン骨格を有する第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層、アニリン骨格またはピロール骨格を有する第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層、およびチオフェン骨格を有する第3導電性高分子を含む第3導電性高分子層を有する。

Description

本発明は、導電性高分子を含む固体電解質層を有する電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
小型かつ大容量で低ESRのコンデンサとして、誘電体層を形成した陽極体と、誘電体層の少なくとも一部を覆うように形成された固体電解質層とを具備する電解コンデンサが有望視されている。固体電解質層は、π共役系高分子などの導電性高分子を含んでいる。
電解コンデンサの性能を高める観点から、複数の導電性高分子層を順次形成することで固体電解質層を得ることが提案されている。特許文献1では、電解コンデンサを作製する際に、陽極酸化処理した陽極体を、導電性高分子のモノマー(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、酸化剤などを含む溶液に浸漬させて、モノマーを重合することでポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を含む導電性高分子層を形成し、その上に引き続きPEDOTを含む分散液を用いて導電性高分子層を形成している。
特表2002−524593号公報
しかし、誘電体層の上に形成されたPEDOTを含む導電性高分子層は、充放電の繰り返しにより収縮し易いため、充放電を繰り返すと導電性高分子層と誘電体層との密着性が低下し電解コンデンサの容量が低下するおそれがある。
そこで、本発明は、繰り返し充放電特性に優れた電解コンデンサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、陽極体と、前記陽極体上に形成された誘電体層と、前記誘導体層上に形成された固体電解質層と、を備え、前記固体電解質層は、前記誘電体層の側から順に、チオフェン骨格を有する第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層、アニリン骨格またはピロール骨格を有する第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層、およびチオフェン骨格を有する第3導電性高分子層を有する、電解コンデンサに関する。
また、本発明の別の一局面は、陽極体と、前記陽極体上に形成された誘電体層と、前記誘導体層上に形成された固体電解質層と、を備え、前記固体電解質層は、前記誘電体層の側から順に、チオフェン骨格を有する第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層、第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層、およびチオフェン骨格を有する第3導電性高分子層を有し、前記第2導電性高分子層は、前記第1導電性高分子層および前記第3導電性高分子層よりも電圧印加時の収縮率が小さい、電解コンデンサに関する。
本発明の更に別の一局面は、表面に誘電体層が形成された陽極体に、チオフェン骨格を有する第1導電性高分子を含む第1処理液を接触させ前記第1導電性高分子を付着させる第1工程と、
前記第1工程の後に、前記第1導電性高分子が付着した前記陽極体に、アニリン骨格またはピロール骨格を有する第2導電性高分子を含む第2処理液を接触させて前記第2導電性高分子を付着させる第2工程と、前記第2工程の後に、前記第2導電性高分子が付着した前記陽極体に、チオフェン骨格を有する第3導電性高分子を含む第3処理液を接触させて前記第3導電性高分子を付着させる第3工程と、を含む、電解コンデンサの製造方法に関する。
本発明によれば、電解コンデンサの充放電の繰り返しに伴う容量低下を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る電解コンデンサの断面模式図である。 図1に示す電解コンデンサの要部を拡大した断面模式図である。
[電解コンデンサ]
本発明の一実施形態に係る電解コンデンサは、陽極体と、陽極体上に形成された誘電体層と、誘導体層上に形成された固体電解質層とを備える。
固体電解質層は、誘電体層の側から順に、チオフェン骨格を有する第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層、第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層、およびチオフェン骨格を有する第3導電性高分子を含む第3導電性高分子層を有する。第1導電性高分子層は、誘電体層の少なくとも一部を覆うように形成されており、誘電体層と接触している。
上記固体電解質層を備えることにより、大容量で低ESRの電解コンデンサが得られる。チオフェン骨格を有する導電性高分子を含む第1導電性高分子層および第3導電性高分子層は、導電性および耐熱性に優れている。
第2導電性高分子層は、第1導電性高分子層および第3導電性高分子層よりも電圧印加時の収縮率が低い。このような第2導電性高分子層を第1導電性高分子層と第3導電性高分子層との間に配置することにより、充放電の繰り返しによる固体電解質層の収縮が緩和される。すなわち、充放電の繰り返しによる第1導電性高分子層の収縮が抑制され、第1導電性高分子層が誘電体層から剥がれにくくなる。よって、充放電の繰り返しに伴う電解コンデンサの容量低下が抑制される。
ここで、電圧印加時の導電性高分子層の収縮率とは、導電性高分子を含む溶液や分散液から作製した導電性高分子のフィルムに所定の電圧を印加した際の電圧印加方向における導電性高分子層の寸法の減少率を指す。
電圧印加時の導電性高分子層の収縮率は、例えば、以下の手法により測定される。
導電性高分子を含む溶液や分散液から作製した導電性高分子のフィルム(厚さ20μm)を、長さ50mm、幅2mmに切り出し試験片を得る。試験片を、長さ方向に電圧が印加されるように金メッキを施したチャックに挟み、チャック間に所定の直流電圧(10V)を印加する。その後、伸縮挙動を変位センサーで測定し、電圧印加時の導電性高分子層の収縮率(試験片の長さ方向の寸法の減少率)を算出する。例えば、チオフェン骨格を有するPEDOTを含むフィルムの収縮率は、約2.0%であり、アニリン骨格を有するポリアニリンを含むフィルムの収縮率は、約0.3%である。
第2導電性高分子は、アニリン骨格およびピロール骨格の少なくとも一方を有することが好ましく、中でもアニリン骨格を有することがより好ましい。この場合、第2導電性高分子層は良好な導電性を有するとともに、第2導電性高分子層の電圧印加時の収縮率が特に低く、充放電の繰り返しによる固体電解質層の収縮が大幅に緩和される。
陽極体に対する被覆性の観点から、第2導電性高分子はアニリン骨格を有することがより好ましい。
一般に、誘電体層の表面に形成された、アニリン骨格またはピロール骨格を有する導電性高分子を含む導電性高分子層は、リフロー処理などにより高温に加熱されると、その熱により劣化し、電解コンデンサの容量が低下し易い傾向がある。
これに対して、アニリン骨格またはピロール骨格を有する第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層が第1導電性高分子層の上に形成されている場合には、導電性高分子層の熱劣化を抑制できる。第2導電性高分子層が、優れた耐熱性を有する第1導電性高分子層を介して誘電体層の表面に形成されていることにより、第1導電性高分子層で熱的に保護されているためであると考えられる。
第2導電性高分子層は、誘電体層の近傍に形成されていることが好ましい。この場合、充放電の繰り返しに伴う第1導電性高分子層の収縮による誘電体層からの剥離が更に抑制される。陽極体の少なくとも一部が多孔質である場合、第2導電性高分子層の少なくとも一部は、陽極体の表面の孔内に存在していることが好ましい。
また、第3導電性高分子層の厚みが、第1導電性高分子層や第2導電性高分子層の厚みよりも大きいことが好ましい。第3導電性高分子層が十分に大きな厚みを有することで、電解コンデンサの耐電圧特性を高めることができる。
第1導電性高分子層の少なくとも一部が、多孔質部の孔内にまで入り込んで形成されていることが好ましい。これにより、第1導電性高分子層と誘電体層との良好な密着性が得られる。
チオフェン骨格を有する第1導電性高分子は、ポリチオフェンまたはその誘導体であることが好ましい。ポリチオフェンの誘導体としては、例えば、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジエチルチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が挙げられる。中でも、耐熱性の観点から、チオフェン骨格を有する導電性高分子は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)であることがより好ましい。
第1導電性高分子層は、良好な耐熱性を確保することができる程度に、第1導電性高分子以外の他の導電性高分子を含んでもよい。
アニリン骨格を有する第2導電性高分子は、ポリアニリン(PANI)またはその誘導体であることが好ましい。ポリアニリンの誘導体としては、例えば、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(2−エチルアニリン)、ポリ(2,6−ジメチルアニリン)が挙げられる。
ピロール骨格を有する第2導電性高分子は、ポリピロールまたはその誘導体であることが好ましい。ポリピロールの誘導体としては、例えば、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)が挙げられる。
第2導電性高分子層は、第2導電性高分子を含むことによる効果を得ることができる程度に、第2導電性高分子層は第2導電性高分子以外の他の導電性高分子を含んでもよい。
チオフェン骨格を有する第3導電性高分子としては、第1導電性高分子で例示したものを用いることができる。第3導電性高分子は、第1導電性高分子と、分子構造は同じでもよく、異なっていてもよい。第3導電性高分子層は第3導電性高分子以外の他の導電性高分子を含んでもよい。
以下に、電解コンデンサの構成について、より詳細に説明する。
(陽極体)
陽極体としては、表面積の大きな導電性材料が使用できる。導電性材料としては、弁作用金属、弁作用金属を含む合金、および弁作用金属を含む化合物などが例示できる。これらの材料は一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。弁作用金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンが好ましく使用される。表面が多孔質な陽極体は、例えば、エッチングなどにより導電性材料で形成された基材(箔状または板状の基材など)の表面を粗面化することで得られる。また、陽極体は、導電性材料の粒子の成形体またはその焼結体でもよい。なお、焼結体は、多孔質構造を有する。すなわち、陽極体が焼結体である場合、陽極体の全体が多孔質となり得る。
(誘電体層)
誘電体層は、陽極体表面の導電性材料を、化成処理などにより陽極酸化することで形成される。陽極酸化により、誘電体層は導電性材料(特に、弁作用金属)の酸化物を含む。例えば、弁作用金属としてタンタルを用いた場合の誘電体層はTa25を含み、弁作用金属としてアルミニウムを用いた場合の誘電体層はAl23を含む。尚、誘電体層はこれに限らず、誘電体として機能するものであればよい。
陽極体の表面が多孔質である場合、誘電体層は、陽極体の表面(陽極体の孔やピットの内壁面を含む表面)に沿って形成される。
(固体電解質層)
以下、固体電解質層を構成する各導電性高分子層に共通する事項について説明する。
導電性高分子の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば1,000〜1,000,000である。
導電性高分子は、例えば、導電性高分子の前駆体を重合することにより得ることができる。導電性高分子の前駆体としては、導電性高分子を構成するモノマー、および/またはモノマーがいくつか連なったオリゴマーなどが例示できる。重合方法としては、化学酸化重合および電解酸化重合のどちらも採用することができる。
導電性高分子層は、さらにドーパントを含んでもよい。導電性高分子層において、ドーパントは、導電性高分子にドープされた状態で含まれていてもよく、導電性高分子と結合した状態で含まれていてもよい。ドーパントが結合またはドープされた導電性高分子は、ドーパントの存在下で、導電性高分子の前駆体を重合させることにより得ることができる。
ドーパントとしては、スルホン酸基、カルボキシ基、リン酸基(−O−P(=O)(−OH)2)、および/またはホスホン酸基(−P(=O)(−OH)2)などのアニオン性基を有するものが使用される。ドーパントは、アニオン性基を一種有してもよく、二種以上有してもよい。アニオン性基としては、スルホン酸基が好ましく、スルホン酸基とスルホン酸基以外のアニオン性基との組み合わせでもよい。ドーパントは、低分子ドーパントでもよく、高分子ドーパントでもよい。導電性高分子層は、ドーパントを1種だけ含んでもよく、二種以上のドーパントを含んでもよい。
低分子ドーパントとしては、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのアルキルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸などが挙げられる。
高分子ドーパントとしては、スルホン酸基を有するモノマーの単独重合体、スルホン酸基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体、スルホン化フェノール樹脂などが例示できる。スルホン酸基を有するモノマーとしては、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、イソプレンスルホン酸などが例示できる。他のモノマーとしては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などが好ましい。また、他のモノマーとしては、アクリル酸などが例示できる。具体的には、高分子ドーパントとしては、ポリスチレンスルホン酸(PSS)などが例示できる。
高分子ドーパントの重量平均分子量は、例えば、1,000〜1,000,000である。このような分子量を有する高分子ドーパントを用いると、ESRを低減し易い。
導電性高分子層に含まれるドーパントの量は、導電性高分子100質量部に対して、10〜1,000質量部であることが好ましい。
図1は、本発明の一実施形態に係る電解コンデンサの構造を概略的に示す断面図である。図1に示すように、電解コンデンサ1は、コンデンサ素子2と、コンデンサ素子2を封止する樹脂封止材3と、樹脂封止材3の外部にそれぞれ少なくともその一部が露出する陽極端子4および陰極端子5と、を備えている。陽極端子4および陰極端子5は、例えば銅または銅合金などの金属で構成することができる。樹脂封止材3は、ほぼ直方体の外形を有しており、電解コンデンサ1もほぼ直方体の外形を有している。樹脂封止材3の素材としては、例えばエポキシ樹脂を用いることができる。
コンデンサ素子2は、陽極体6と、陽極体6を覆う誘電体層7と、誘電体層7を覆う陰極部8とを備える。陰極部8は、誘電体層7を覆う固体電解質層9と、固体電解質層9を覆う陰極層10とを備える。陰極層10は、陰極引出層としてのカーボン層11および銀ペースト層12を有する。
陽極体6は、陰極部8と対向する領域と、対向しない領域とを含む。陽極体6の陰極部8と対向しない領域のうち、陰極部8に隣接する部分には、陽極体6の表面を帯状に覆うように絶縁性の分離層13が形成され、陰極部8と陽極体6との接触が規制されている。陽極体6の陰極部8と対向しない領域のうち、他の一部は、陽極端子4と、溶接により電気的に接続されている。陰極端子5は、導電性接着剤により形成される接着層14を介して、陰極部8と電気的に接続している。
陽極体6としては、導電性材料で形成された基材(箔状または板状の基材など)の表面が粗面化されたものが用いられる。例えば、アルミニウム箔の表面をエッチング処理により粗面化したものが陽極体6として用いられる。誘電体層7は、例えば、Al23のようなアルミニウム酸化物を含む。
陽極端子4および陰極端子5の主面4Sおよび5Sは、樹脂封止材12の同じ面から露出している。この露出面は、電解コンデンサ1を搭載すべき基板(図示せず)との半田接続などに用いられる。
カーボン層11は、導電性を有していればよく、例えば、黒鉛などの導電性炭素材料を用いて構成することができる。銀ペースト層12には、例えば、銀粉末とバインダ樹脂(エポキシ樹脂など)を含む組成物を用いることができる。なお、陰極層10の構成は、これに限られず、集電機能を有する構成であればよい。
図2に示すように、固体電解質層9は、誘電体層7の側から順に、チオフェン骨格を有する第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層9a、アニリン骨格またはピロール骨格を有する第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層9b、およびチオフェン骨格を有する第3導電性高分子を含む第3導電性高分子層9cを有する。第2導電性高分子層9bは、第1導電性高分子層9aおよび第3導電性高分子層9cよりも電圧印加時の収縮率が低い。このような第2導電性高分子層9bに含まれる第2導電性高分子としては、例えば、アニリン骨格またはピロール骨格を有する導電性高分子が挙げられる。
第1導電性高分子層9aは、誘電体層7を覆うように形成されており、第2導電性高分子層9bは、第1導電性高分子層9aを覆うように形成され、第3導電性高分子層9cは、第2導電性高分子層9bを覆うように形成されている。なお、第1導電性高分子層9a、第2導電性高分子層9bは、必ずしも誘電体層7の全体(表面全体)を覆う必要はなく、誘電体層7の少なくとも一部を覆うように形成されていればよい。
誘電体層7は、陽極体6の表面(孔の内壁面を含む表面)に沿って形成される。誘電体層7の表面は、図2に示すように、陽極体6の表面の形状に応じた凹凸形状が形成されている。充放電の繰り返しに伴う第1導電性高分子層9aの収縮による誘電体層7からの剥離を更に抑制するためには、第1導電性高分子層9aだけでなく第2導電性高分子層9bも、このような誘電体層7の凹凸を埋めるように形成されていることが好ましい。
本発明の電解コンデンサは、上記構造の電解コンデンサに限定されず、様々な構造の電解コンデンサに適用することができる。具体的に、巻回型の電解コンデンサ、金属粉末の焼結体を陽極体として用いる電解コンデンサなどにも、本発明を適用できる。
[電解コンデンサの製造方法]
電解コンデンサの製造方法は、誘電体層が形成された陽極体の誘電体層上に、チオフェン骨格を有する第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層を形成する工程(第1工程)と、第1導電性高分子層上に、第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層を形成する工程(第2工程)と、第2導電性高分子層上に、チオフェン骨格を有する第3導電性高分子を含む第3導電性高分子層を形成する工程(第3工程)と、を含む。第2導電性高分子層は、第1導電性高分子層および第3導電性高分子層よりも電圧印加時の収縮率が低い。第2導電性高分子は、アニリン骨格またはピロール骨格を有することが好ましい。
電解コンデンサの製造方法は、第1工程に先立って、陽極体を準備する工程、および陽極体上に誘電体層を形成する工程を含んでもよい。製造方法は、さらに陰極層を形成する工程を含んでもよい。
以下に、各工程についてより詳細に説明する。
(陽極体を準備する工程)
この工程では、陽極体の種類に応じて、公知の方法により陽極体を形成する。
陽極体は、例えば、導電性材料で形成された箔状または板状の基材の表面を粗面化することにより準備することができる。粗面化は、基材表面に凹凸を形成できればよく、例えば、基材表面をエッチング(例えば、電解エッチング)することにより行ってもよく、蒸着などの気相法を利用して、基材表面に導電性材料の粒子を堆積させることにより行ってもよい。
また、弁作用金属の粉末を用意し、この粉末の中に、棒状体の陽極リードの長手方向の一端側を埋め込んだ状態で、所望の形状(例えば、ブロック状)に成形された成形体を得る。この成形体を焼結することで、陽極リードの一端が埋め込まれた多孔質構造の陽極体を形成してもよい。
(誘電体層を形成する工程)
この工程では、陽極体上に誘電体層を形成する。誘電体層は、陽極体を化成処理などにより陽極酸化することにより形成される。陽極酸化は、公知の方法、例えば、化成処理などにより行うことができる。化成処理は、例えば、陽極体を化成液中に浸漬することにより、誘電体層が形成された陽極体の表面に化成液を含浸させ、陽極体をアノードとして、化成液中に浸漬したカソードとの間に電圧を印加することにより行うことができる。化成液としては、例えば、リン酸水溶液などを用いることが好ましい。
(第1導電性高分子層を形成する工程)
第1工程では、チオフェン骨格を有する第1導電性高分子層を、誘電体層の少なくとも一部を覆うように形成する。第1工程では、誘電体層が形成された陽極体に、第1導電性高分子を含む第1処理液を接触させる。この場合、膜質が緻密な第1導電性高分子層を形成することができる。第1処理液は、さらにドーパントなどの他の成分を含んでもよい。
第1導電性高分子層の形成工程は、例えば、誘電体層が形成された陽極体を第1処理液に浸漬するか、または誘電体層が形成された陽極体に第1処理液を塗布や滴下した後、乾燥する工程aを含む。工程aを複数回繰り返し行ってもよい。
第1処理液は、例えば、第1導電性高分子の分散液または溶液である。第1処理液中に存在する第1導電性高分子の粒子の平均粒径は、例えば、5〜800nmである。導電性高分子の平均粒径は、例えば、動的光散乱法による粒径分布から求めることができる。
チオフェン骨格を有する第1導電性高分子を用いている点および誘電体層の損傷が抑制される点から、第1導電性高分子層の形成には、第1導電性高分子の分散液を用いることが好ましい。
第1導電性高分子の分散液や溶液に用いられる分散媒(溶媒)としては、例えば、水、有機溶媒、またはこれらの混合物が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどの1価アルコール、エチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール、または、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、ベンゾニトリルなどの非プロトン性極性溶媒が挙げられる。
(第2導電性高分子層を形成する工程)
第2工程では、アニリン骨格またはピロール骨格を有する第2導電性高分子層を、第1導電性高分子層の少なくとも一部を覆うように形成する。第2工程では、第1工程後の陽極体に、第2導電性高分子を含む第2処理液を接触させる。この場合、膜質が緻密な第2導電性高分子層を形成することができる。第2処理液は、さらにドーパントなどの他の成分を含んでもよい。
アニリン骨格を有する第2導電性高分子を含む第2処理液を用いる場合では、ピロール骨格を有する第2導電性高分子を含む第2処理液を用いる場合よりも、形成される第2導電性高分子層の陽極体に対する被覆性が高い。そのため、第2処理液は、アニリン骨格を有する第2導電性高分子を含むことがより好ましい。
第2工程では、陽極体の少なくとも一部が多孔質である場合、第2処理液の少なくとも一部は、陽極体の表面の孔内に入り込んでいることが好ましい。第2導電性高分子層の少なくとも一部を陽極体の表面の孔内に形成することができる。
第2導電性高分子層の形成工程は、例えば、第1導電性高分子層を第2処理液に浸漬するか、または第1導電性高分子層に第2処理液を塗布や滴下した後、乾燥する工程bを含む。工程bを複数回繰り返し行ってもよい。
第2処理液は、例えば、第2導電性高分子の分散液または溶液である。第2処理液中に存在する第2導電性高分子の粒子の平均粒径は、例えば、400nm以下である。
第2導電性高分子がアニリン骨格またはピロール骨格を有することから、第2導電性高分子層の形成には、第2導電性高分子の溶液を用いることが好ましい。第2導電性高分子の溶液を用いる場合、第2導電性高分子層の少なくとも一部を陽極体の表面の孔内に形成し易い。
第2導電性高分子の分散液や溶液に用いられる分散媒(溶媒)としては、第1導電性高分子の分散媒や溶媒で例示されたものを用いることができる。
(第3導電性高分子層を形成する工程)
第3工程では、第3導電性高分子層を、第2導電性高分子層の少なくとも一部を覆うように形成する。第3工程では、第2工程後の陽極体に、第3導電性高分子を含む第3処理液を接触させる。この場合、膜質が緻密な第3導電性高分子層を形成することができ、優れた耐電圧特性が得られ易い。第3処理液は、さらにドーパントなどの他の成分を含んでもよい。
第3導電性高分子層の形成工程は、例えば、第2工程で得られた第2導電性高分子層を第3処理液に浸漬するか、または第2工程で得られた第2導電性高分子層に第3処理液を塗布や滴下した後、乾燥する工程cを含む。工程cを複数回繰り返し行ってもよい。
第3処理液は、例えば、第3導電性高分子の分散液または溶液である。第3処理液中に存在する第3導電性高分子の粒子の平均粒径は、例えば、5〜800nmである。
第3導電性高分子がチオフェン骨格を有することから、第3導電性高分子層の形成には、第3導電性高分子の分散液を用いることが好ましい。固体電解質層(第3導電性高分子層)を十分に厚みを持たせて形成するためには、第3導電性高分子の粒子の平均粒径は、第1導電性高分子および第2導電性高分子の粒子の平均粒径よりも大きいことが好ましい。
また、第3導電性高分子層を十分に厚みを持たせて形成するために、第3処理液では、第1処理液および第2処理液と比べて、処理液中の導電性高分子の固形分濃度が大きいものを用いてもよく、第3処理液を用いる工程cの回数を増やしてもよい。
また、第3導電性高分子の粒子の平均粒径が、第1導電性高分子の粒子の平均粒径と同程度である場合、第3導電性高分子の粒子の平均粒径よりも大きい平均粒径を有する第4導電性高分子の粒子を含む第4処理液を用いて、第4導電性高分子層を、第3導電性高分子層の上に形成してもよい。この場合、固体電解質層(第4導電性高分子層)を十分に厚みを持たせて形成することができる。第4導電性高分子は、チオフェン骨格を有し、第3導電性高分子と、分子構造は同じでもよく、異なっていてもよい。
第4導電性高分子層の形成工程は、例えば、第3工程で得られた第3導電性高分子層を第4処理液に浸漬するか、または第3工程で得られた第3導電性高分子層に第4処理液を塗布や滴下した後、乾燥する工程dを含む。工程dを複数回繰り返し行ってもよい。
第4処理液は、例えば、第4導電性高分子の分散液または溶液である。第4処理液中に存在する第4導電性高分子の粒子の平均粒径は、例えば、5〜800nmである。第4導電性高分子がチオフェン骨格を有することから、第4導電性高分子層の形成には、第4導電性高分子の分散液を用いることが好ましい。
第3導電性高分子および第4導電性高分子の分散液や溶液に用いられる分散媒(溶媒)としては、第1導電性高分子の分散媒(溶媒)で例示されたものを用いることができる。
(陰極層を形成する工程)
この工程では、第2工程で得られた陽極体の表面に、カーボン層と銀ペースト層とを順次積層することにより陰極層が形成される。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
下記の要領で、図1に示す電解コンデンサ1を作製し、その特性を評価した。
(1)陽極体を準備する工程
基材としてアルミニウム箔(厚み100μm)を準備し、アルミニウム箔の表面にエッチング処理を施し、陽極体6を得た。陽極体6の所定の箇所に絶縁性のレジストテープ(分離層13)を貼り付けた。
(2)誘電体層を形成する工程
陽極体6を濃度0.3質量%のリン酸溶液(液温70℃)に浸して70Vの直流電圧を20分間印加することにより、陽極体6の表面に酸化アルミニウム(Al2)を含む誘電体層7を形成した。
(3)第1導電性高分子層を形成する工程
誘電体層7が形成された陽極体6を第1処理液(PEDOT/PSS水分散液、濃度2質量%、PEDOT/PSS粒子の平均粒子径400nm)に浸漬した後、120℃で10〜30分間乾燥する工程を2回繰り返し行い、第1導電性高分子層9aを形成した。
(4)第2導電性高分子層を形成する工程
第1導電性高分子層9a(表面に、誘電体層および第1導電性高分子層が、順次形成された陽極体)を、第2処理液(PANI水溶液、濃度5質量%)に浸漬した後、190℃で2〜5分間乾燥する工程を1回行い、第2導電性高分子層9bを形成した。
(5)第3導電性高分子層を形成する工程
第2導電性高分子層9b(表面に、誘電体層、第1導電性高分子層、および第2導電性高分子層が、順次形成された陽極体)を、第3処理液(PEDOT/PSS水分散液、濃度4質量%、PEDOT/PSS粒子の平均粒子径600nm)に浸漬した後、120℃で10〜30分間乾燥する工程を4回繰り返し行い、第3導電性高分子層9cを形成した。
(6)陰極層を形成する工程
第3導電性高分子層9c(表面に、誘電体層、第1導電性高分子層、第2導電性高分子層、および第3導電性高分子層が、順次形成された陽極体)に、黒鉛粒子を水に分散した分散液を塗布した後、大気中で乾燥して、第3導電性高分子層の表面にカーボン層11を形成した。
次いで、カーボン層11の表面に、銀粒子とバインダ樹脂(エポキシ樹脂)とを含む銀ペーストを塗布した後、加熱してバインダ樹脂を硬化させ、銀ペースト層12を形成した。このようにして、カーボン層11と銀ペースト層12とで構成される陰極層10を形成した。
このようにして、コンデンサ素子2を得た。
(7)電解コンデンサの組み立て
コンデンサ素子2に、さらに、陽極端子4、陰極端子5、接着層14を配置し、樹脂封止材3で封止することにより、電解コンデンサを製造した。
《実施例2》
以下の手順により、固体電解質層を形成した以外、実施例1と同様の方法により電解コンデンサを作製した。
(1)第1導電性高分子層を形成する工程
誘電体層が形成された陽極体を第1処理液(PEDOT/PSS水分散液、濃度2質量%、PEDOT/PSS粒子の平均粒子径400nm)に浸漬した後、120℃で10〜30分間乾燥する工程を1回行い、第1導電性高分子層を形成した。
(2)第2導電性高分子層を形成する工程
第1導電性高分子層(表面に、誘電体層および第1導電性高分子層が、順次形成された陽極体)を、第2処理液(PANI水溶液、濃度5質量%)に浸漬した後、190℃で2〜5分間乾燥する工程を1回行い、第2導電性高分子層を形成した。
(3)第3導電性高分子層を形成する工程
第2導電性高分子層(表面に、誘電体層、第1導電性高分子層、および第2導電性高分子層が、順次形成された陽極体)を、第3処理液(PEDOT/PSS水分散液、濃度2質量%、PEDOT/PSS粒子の平均粒子径400nm)に浸漬した後、120℃で10〜30分間乾燥する工程を1回行い、第3導電性高分子層を形成した。
(4)第4導電性高分子層を形成する工程
第3導電性高分子層(表面に、誘電体層、第1導電性高分子層、第2導電性高分子層、および第3導電性高分子層が、順次形成された陽極体)を、第3処理液(PEDOT/PSS水分散液、濃度4質量%、PEDOT/PSS粒子の平均粒子径600nm)に浸漬した後、120℃で10〜30分間乾燥する工程を4回行い、第4導電性高分子層を形成した。
《比較例1》
第1導電性高分子層の形成工程において第1処理液の代わりに第2処理液を用い、第2導電性高分子層の形成工程において第2処理液の代わりに第1処理液を用いた以外、実施例1と同様の方法により電解コンデンサを作製した。
《比較例2》
第2導電性高分子層の形成工程において第2処理液の代わりに第1処理液を用い、第3導電性高分子層の形成工程において第3処理液の代わりに第2処理液を用いた以外、実施例1と同様の方法により電解コンデンサを作製した。
《比較例3》
第2導電性高分子層の形成工程において第2処理液の代わりに第1処理液を用いた以外、実施例1と同様の方法により電解コンデンサを作製した。
[評価]
(1)初期容量の測定
25℃の環境下で、4端子測定用のLCRメータを用いて、電解コンデンサの周波数120Hzにおける初期の静電容量(容量A)を測定した。
各電解コンデンサの容量Aを、比較例3の容量Aを100とした指数として表した。
(2)繰り返し充放電後の容量低下率の測定
電解コンデンサを、25℃の環境下で、定格電圧の1.25倍の電圧下で、5秒間充電と5秒間放電とを交互に10000回繰り返し行った。その後、上記(1)と同様の方法で容量Bを測定した。
そして、下記式により繰り返し充放電後の容量低下率(%)を求めた。
繰り返し充放電後の容量低下率(%)=(容量A−容量B)/容量A×100
(3)高温加熱後の容量低下率の測定
電解コンデンサを、260℃で3分間加熱した。その後、上記(1)と同様の方法で容量Cを測定した。
そして、下記式により高温加熱後の容量低下率を求めた。
高温加熱後の容量低下率(%)=(容量A−容量C)/容量A×100
評価結果を表1に示す。
Figure 2018020985
表1に示されるように、実施例1および2では、比較例1〜3に比べて、容量が高く、繰り返し充放電後の容量低下率が小さくなった。
実施例2では、実施例1と比べて、繰り返し充放電後の容量低下率が小さくなった。これは、実施例2では、実施例1と比べて、第2導電性高分子層が誘電体層のより近傍に形成されたためであると考えられる。
比較例1では、実施例1と比べて、初期容量が低く、繰り返し充放電後の容量低下率が増大した。これは、第1導電性高分子層がPANIを含む比較例1の場合では、第2導電性高分子層がPANIを含む実施例1の場合に比べて、PANIを含む導電性高分子層が加熱乾燥工程を経る回数が多いことから、製造過程でPANIが熱の影響を受けて劣化する程度が大きくなり、導電性が低下したためであると考えられる。また、比較例1では、実施例1と比べて、高温加熱後の容量低下率が増大した。これは、誘電体層の上に形成されたPANIを含む第1導電性高分子層が熱により劣化したためであると考えられる。
比較例2および3では、繰り返し充放電後に容量が大幅に低下した。これは、比較例2ではPANIを含む第3導電性高分子層が誘電体層から離れて存在し、比較例3では固体電解質層がPANIを含む層を有しないことから、充放電の繰り返しによる第1導電性高分子層の誘電体層からの剥離を抑制する効果が得られなかったためであると考えられる。
本発明に係る電解コンデンサは、充放電を繰り返した後においても高容量が求められる様々な用途に利用できる。
1:電解コンデンサ、2:コンデンサ素子、3:樹脂封止材、4:陽極端子、5:陰極端子、6:陽極体、7:誘電体層、8:陰極部、9:固体電解質層、9a、第1導電性高分子層、9b:第2導電性高分子層、9c:第3導電性高分子層、10:陰極層、11:カーボン層、12:銀ペースト層、13:分離層、14:接着層
本発明の一局面は、陽極体と、前記陽極体上に形成された誘電体層と、前記誘導体層上に形成された固体電解質層と、を備え、前記固体電解質層は、前記誘電体層の側から順に、チオフェン骨格を有する第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層、アニリン骨格またはピロール骨格を有する第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層、およびチオフェン骨格を有する第3導電性高分子を含む第3導電性高分子層を有する、電解コンデンサに関する。
また、本発明の別の一局面は、陽極体と、前記陽極体上に形成された誘電体層と、前記誘導体層上に形成された固体電解質層と、を備え、前記固体電解質層は、前記誘電体層の側から順に、チオフェン骨格を有する第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層、第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層、およびチオフェン骨格を有する第3導電性高分子を含む第3導電性高分子層を有し、前記第2導電性高分子層は、前記第1導電性高分子層および前記第3導電性高分子層よりも電圧印加時の収縮率が小さい、電解コンデンサに関する。

Claims (7)

  1. 陽極体と、前記陽極体上に形成された誘電体層と、前記誘導体層上に形成された固体電解質層と、を備え、
    前記固体電解質層は、前記誘電体層の側から順に、チオフェン骨格を有する第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層、アニリン骨格またはピロール骨格を有する第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層、およびチオフェン骨格を有する第3導電性高分子を含む第3導電性高分子層を有する、電解コンデンサ。
  2. 陽極体と、前記陽極体上に形成された誘電体層と、前記誘導体層上に形成された固体電解質層と、を備え、
    前記固体電解質層は、前記誘電体層の側から順に、チオフェン骨格を有する第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層、第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層、およびチオフェン骨格を有する第3導電性高分子を含む第3導電性高分子層を有し、
    前記第2導電性高分子層は、前記第1導電性高分子層および前記第3導電性高分子層よりも電圧印加時の収縮率が小さい、電解コンデンサ。
  3. 前記陽極体は、少なくとも一部が多孔質であり、
    前記第2導電性高分子層の少なくとも一部は、前記陽極体の孔内に存在する、請求項1または2に記載の電解コンデンサ。
  4. 表面に誘電体層が形成された陽極体に、チオフェン骨格を有する第1導電性高分子を含む第1処理液を接触させて前記第1導電性高分子を付着させる第1工程と、
    前記第1工程の後に、前記第1導電性高分子が付着した前記陽極体に、アニリン骨格またはピロール骨格を有する第2導電性高分子を含む第2処理液を接触させて前記第2導電性高分子を付着させる第2工程と、
    前記第2工程の後に、前記第2導電性高分子が付着した前記陽極体に、チオフェン骨格を有する第3導電性高分子を含む第3処理液を接触させて前記第3導電性高分子を付着させる第3工程と、
    を含む、電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記第1処理液および前記第3処理液は、それぞれ前記第1導電性高分子の分散液および前記第3導電性高分子の分散液である、請求項4に記載の電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記第2処理液は、前記第2導電性高分子の溶液である、請求項4または請求項5に記載の電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記陽極体は、少なくとも一部が多孔質であり、
    前記第2工程では、前記第2処理液の少なくとも一部は、前記陽極体の表面の孔内に入り込んでいる、請求項4〜6のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
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