JPWO2018012400A1 - 高周波トランスおよび移相器 - Google Patents

高周波トランスおよび移相器 Download PDF

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Abstract

高周波トランスは、コイル巻回軸が同軸関係にあり、互いに磁界結合する、一次コイル(L1)および二次コイル(L2)、一次コイル(L1)の第1端に繋がる第1端子、二次コイル(L2)の第1端に繋がる第2端子、一次コイル(L1)の第2端および二次コイル(L2)の第2端に繋がる共通端子、を備える。一次コイル(L1)および二次コイル(L2)は、それぞれ複数層に亘って形成された複数のループ状導体パターンを含むヘリカル状のコイルであり、一次コイル(L1)を構成する複数のループ状導体パターンのうち、一次コイル(L1)の第2端に最も近い第1ループ状導体パターンは、一次コイル(L1)に含まれる他のループ状導体パターンの平均ターン数より多い。

Description

本発明は、一次コイルと二次コイルとが高い結合度で結合された高周波トランス、およびそれを備えた移相器に関する。
電子機器の小型化/薄型化に伴い、内蔵する高周波トランスについても小型化/薄型化がすすめられているが、一般に、高周波トランスは、その小型化に伴って、一次コイルと二次コイルとの結合係数が低下する。高周波トランスにおいて、一次コイルと二次コイルとの高い結合係数を得るための構造として、特許文献1のように、一次側コイルおよび二次側コイルを二つの巻回軸で互いに挟み込む積層構造(所謂バイファイラ巻き構造)にすることが有効である。
国際公開第2014/188739号 特開平3−62908号公報
しかし、特許文献1に示されている構造の高周波トランスにおいては、コイル形成領域の面積が大きく、小型化には不利である。また、導体パターンの配置構造が複雑であることに伴い、設計上の自由度や特性変更が困難である。例えば、一次コイルと二次コイルとの結合係数を高めつつ、一次コイルおよび二次コイルのインダクタンス(自己インダクタンスおよび相互インダクタンス)を高めるといったことは難しい。
高周波トランスをインピーダンス変換器として用いる場合、高周波トランスの一次コイルと二次コイルとの結合係数が高いほど、一次コイルと二次コイルの導体パターン長を短縮化でき、そのことで低損失化が図れる。また、高周波トランスを移相器として用いる場合、一次コイルと二次コイルとの結合係数が高いほど、180度に近い移相量が得られる。
また、特許文献2に示されている構造の高周波トランスにおいては、一次コイルと二次コイルのそれぞれについて、ループ状導体パターンの積層方向の分布範囲が広くなるので、一次コイル、二次コイルそれぞれの自己インダクタンスを大きくできない。また、一次コイルと二次コイルのループ状導体パターンの層間で生じる電位差が大きいので、一次コイルと二次コイルとの間の寄生容量が大きい。
本発明の目的は、一次コイルと二次コイルとの、所定の高い結合係数を得つつ、所定の高いインダクタンスを有する高周波トランスおよびそれを備える移相器を提供することにある。
また、本発明の目的は、寄生容量を抑制しつつ、一次コイルと二次コイルとが所定の高い結合係数で結合する高周波トランスおよびそれを備える移相器を提供することにある。
(1)本発明の高周波トランスは、
コイル巻回軸が同軸関係にあり、互いに磁界結合する、一次コイルおよび二次コイル、前記一次コイルの第1端に繋がる第1端子、前記二次コイルの第1端に繋がる第2端子、前記一次コイルの第2端および前記二次コイルの第2端に繋がる共通端子、を備え、
前記一次コイルおよび前記二次コイルは、それぞれ複数層に亘って形成された複数のループ状導体パターンを含むヘリカル状のコイルであり、
前記一次コイルは、前記一次コイルを構成する前記複数のループ状導体パターンのうち、前記一次コイルの第2端に最も近い第1ループ状導体パターンを備え、
前記二次コイルは、前記二次コイルを構成する前記複数のループ状導体パターンのうち、前記二次コイルの第2端に最も近い第2ループ状導体パターンを備え、
前記第1ループ状導体パターンは、前記一次コイルに含まれる他のループ状導体パターンの平均ターン数より多い、
ことを特徴とする。
上記構造により、一次コイルの電流密度の強いループ状導体パターンである第1ループ状導体パターンのターン数が多いことで、一次コイルの自己インダクタンスを大きくできる。さらに、一次コイルと二次コイルのそれぞれについて、ループ状導体パターンの積層方向の分布範囲を狭くでき、そのことで一次コイルと二次コイルとの相互インダクタンスを大きくできる。また、一次コイルと二次コイルは、ループ状導体パターンの電流密度の強いループ状導体パターン同士が互いに近接し、しかも電流密度の高い部分のターン数が多いので、高い結合係数が得られる。
(2)前記第2ループ状導体パターンは、前記二次コイルに含まれる他のループ状導体パターンの平均ターン数より多いことが好ましい。これにより、二次コイルの電流密度の強いループ状導体パターンである第2ループ状導体パターンのターン数が多いことで、二次コイルの自己インダクタンスを大きくできる。また、電流密度の強い第1ループ状導体パターンと第2ループ状導体パターンとが互いに近接し、しかも電流密度の高い部分のターン数が多いので、高い結合係数が得られる。
(3)前記第1ループ状導体パターンのターン数と前記第2ループ状導体パターンのターン数とは実質的に等しいことが好ましい。これにより、電流密度の強い第1ループ状導体パターンと第2ループ状導体パターンとの結合係数が効果的に高まり、一次コイルと二次コイルの結合係数は、より高まる。
(4)前記第1ループ状導体パターンの線幅は、前記一次コイルに含まれる他のループ状導体パターンの平均線幅より太いことが好ましい。これにより、電流密度の強い第1ループ状導体パターンでの導体損失が低減され、一次コイルの直流抵抗(DCR)が低減される。
(5)前記第2ループ状導体パターンの線幅は、前記二次コイルに含まれる他のループ状導体パターンの平均線幅より太いことが好ましい。これにより、電流密度の強い第2ループ状導体パターンでの導体損失が低減され、二次コイルの直流抵抗(DCR)が低減される。
(6)前記複数のループ状導体パターンの各層のループ状導体パターンはそれぞれ非磁性体の基材に形成されていることが好ましい。これにより、磁性体材料の透磁率の周波数特性の悪影響を受けない。また、磁性体材料による磁性体損失が生じない。
(7)前記コイル巻回軸に沿った平面視で、前記一次コイルの前記複数のループ状導体パターンの周回位置と前記二次コイルの前記複数のループ状導体パターンの周回位置とは重なることが好ましい。これにより、一次コイルと二次コイルの結合係数が効果的に高まる。
(8)前記第1ループ状導体パターンと前記第2ループ状導体パターンとの層間距離は、前記一次コイルに含まれる他のループ状導体パターン同士の層間距離または前記二次コイルに含まれる他のループ状導体パターン同士の層間距離より狭いことが好ましい。これにより、電流密度の強い第1ループ状導体パターンと第2ループ状導体パターンとがより近接するので、効果的に高い結合係数が得られる。
(9)前記一次コイルのインダクタンスと、前記二次コイルのインダクタンスとは、実質的に等しいことが好ましい。これにより、インピーダンス変換比を一定に保ったまま移相器として用いる場合に、より適する。
(10)本発明の高周波トランスは、
コイル巻回軸が同軸関係にあり、互いに磁界結合する、一次コイルおよび二次コイル、前記一次コイルの第1端に繋がる第1端子、前記二次コイルの第1端に繋がる第2端子、前記一次コイルの第2端および前記二次コイルの第2端に繋がる共通端子、を備え、
前記一次コイルおよび前記二次コイルは、それぞれ複数層に亘って形成された複数のループ状導体パターンを含むヘリカル状のコイルであり、
前記一次コイルを構成する前記複数のループ状導体パターンのうち、前記一次コイルの第2端に最も近い第1ループ状導体パターンは、前記二次コイルを構成する前記複数のループ状導体パターンのうち、前記二次コイルの第2端に最も近い第2ループ状導体パターンと当該第2ループ状導体パターンに隣接するループ状導体パターンとの層間にあり、
前記二次コイルを構成する前記複数のループ状導体パターンのうち、前記二次コイルの第2端に最も近い第2ループ状導体パターンは、前記一次コイルを構成する前記複数のループ状導体パターンのうち、前記第1ループ状導体パターンと当該第1ループ状導体パターンに隣接するループ状導体パターンとの層間にある、
ことを特徴とする。
上記構造により、一次コイルにおいて、一次コイルの第2端に最も近い第1ループ状導体パターンと当該第1ループ状導体パターンに隣接するループ状導体パターンとの層間に第2ループ状導体パターンが介在し、第1ループ状導体パターンと当該第1ループ状導体パターンに隣接するループ状導体パターンとが積層方向に離れるので、一次コイルの寄生容量は抑制される。同様に二次コイルにおいて、二次コイルの第2端に最も近い第2ループ状導体パターンと当該第2ループ状導体パターンに隣接するループ状導体パターンとの層間に第1ループ状導体パターンが介在し、第2ループ状導体パターンと当該第2ループ状導体パターンに隣接するループ状導体パターンとが積層方向に離れるので、二次コイルの寄生容量も抑制される。また一次コイルと二次コイルは、電流強度が最も強いループ状導体パターン同士が近接し、しかも、電流強度が最も強いループ状導体パターンが相手方コイルの電流強度が最も強いループ状導体パターンと2番目に強い層とで挟まれるので、一次コイルと二次コイルとの結合係数を効果的に高めることができる。さらに、一次コイルL1の共通電位(グランド電位)に近い側の層である第1ループ状導体パターンとその隣接パターンと、二次コイルL2の共通電位(グランド電位)に近い側の層である第2ループ状導体パターンとその隣接パターンとを、積層方向において一次コイルの層と二次コイルの層とが交互に配置しているので、一次コイルと二次コイルとの間に生じる寄生容量が抑制される。
(11)前記(10)において、前記第1ループ状導体パターンは、前記一次コイルに含まれる他のループ状導体パターンの平均ターン数より多いことが好ましい。これにより、一次コイルと二次コイルは、ループ状導体パターンの電流強度の強いループ状導体パターン同士が近接し、しかも電流強度の高い部分のターン数が多いので、高い結合係数が得られる。
(12)前記(11)において、前記第2ループ状導体パターンは、前記二次コイルに含まれる他のループ状導体パターンの平均ターン数より多いことが好ましい。これにより、一次コイルと二次コイルは、ループ状導体パターンの電流強度の強いループ状導体パターン同士が互いに近接し、しかも電流強度の高い部分のターン数が多いので、高い結合係数が得られる。
(13)前記(12)において前記第1ループ状導体パターンのターン数と前記第2ループ状導体パターンのターン数とは実質的に等しいことが好ましい。これにより、電流強度の強い第1ループ状導体パターンと第2ループ状導体パターンとの結合係数が効果的に高まり、一次コイルと二次コイルの結合係数は、より高まる。
(14)前記(10)〜(13)において、前記複数のループ状導体パターンの各層のループ状導体パターンはそれぞれ非磁性体の基材に形成されていることが好ましい。これにより、磁性体材料の透磁率の周波数特性の悪影響を受けない。また、磁性体材料による磁性体損失が生じない。
(15)前記(19〜(14)において、前記コイル巻回軸に沿った平面視で、前記一次コイルの前記複数のループ状導体パターンの周回位置と前記二次コイルの前記複数のループ状導体パターンの周回位置とは重なることが好ましい。これにより、一次コイルと二次コイルの結合係数が効果的に高まる。
(16)前記(10)〜(15)において、前記一次コイルのインダクタンスと、前記二次コイルのインダクタンスとは、実質的に等しいことが好ましい。これにより、インピーダンス変換比を一定に保ったまま移相器として用いる場合に、より適する。
(17)本発明の移相器は、前記(1)〜(16)に記載の高周波トランスを備え、
前記第1端子と前記共通端子とで第1入出力ポートが構成され、前記第2端子と前記共通端子とで第2入出力ポートが構成される。
本発明によれば、一次コイルと二次コイルとの、所定の高い結合係数を得つつ、所定の高いインダクタンスを有する高周波トランスおよびそれを備える移相器が得られる。
図1は第1の実施形態に係る高周波トランス11の外観斜視図である。 図2は第1の実施形態に係る高周波トランス11の内部の複数のループ状導体パターンの形状および配置を示す斜視図である。 図3は第1の実施形態に係る高周波トランス11の正面図である。 図4は第1の実施形態に係る高周波トランス11の分解平面図であり、各基材に形成されている導体パターンを示す図である。 図5は第1の実施形態に係る高周波トランス11および移相器12の回路図である。 図6はループ状導体パターンL1A,L1B,L1C,L1Dの電流密度を濃淡で表した図(コンター図)である。 図7はループ状導体パターンL1A,L1B,L1C,L1Dの各形成層における磁界強度を濃淡で表した図(コンター図)である。 図8は第2の実施形態に係る高周波トランス11の内部の複数のループ状導体パターンの形状および配置を示す斜視図である。 図9は第2の実施形態に係る高周波トランス11の正面図である。 図10は第2の実施形態に係る高周波トランス11および移相器12の回路図である。 図11は第3の実施形態に係るマルチプレクサ13の構成を示す回路図である。 図12は一般的なSAWフィルタの一方のポートから視た反射係数の周波数特性をスミスチャート上に表した図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。
《第1の実施形態》
第1の実施形態では、高周波トランスおよびそれを備える移相器の例を示す。
図1は第1の実施形態に係る高周波トランス11の外観斜視図であり、図2は高周波トランス11の内部の複数のループ状導体パターンの形状および配置を示す斜視図である。また、図3は高周波トランス11の正面図である。図2、図3においては基材を透視して表している。図4は高周波トランス11の分解平面図であり、各基材に形成されている導体パターンを示す図である。図5は高周波トランス11および移相器12の回路図である。
図1に表れているように、高周波トランス11は、ループ状導体パターンが形成された複数の基材の積層体100を備える。積層体100の外面には、第1端子T1、第2端子T2、グランド端子GND、空き端子NCがそれぞれ形成されている。
図5に表れているように、高周波トランス11は、互いに磁界結合する一次コイルL1および二次コイルL2を備える。この一次コイルL1と二次コイルL2は、図2、図3に表れているように、コイル巻回軸AXが同軸関係にある。
コイル巻回軸AXに沿った平面視で、一次コイルL1の複数のループ状導体パターンの周回位置と二次コイルL2の複数のループ状導体パターンの周回位置とは重なっている。
図1に表れているように、一次コイルL1の第1端に繋がる第1端子T1、二次コイルL2の第1端に繋がる第2端子T2、一次コイルL1の第2端および二次コイルL2の第2端に繋がるグランド端子GNDを備える。このグランド端子GNDは本発明に係る「共通端子」の一例である。移相器12は、高周波トランス11の第1端子T1とグランド端子GNDとを第1入出力ポートP1とし、第2端子T2とグランド端子GNDとを第2入出力ポートP2として構成される。
図4に表れているように、基材S1,S2,S3,S4にループ状導体パターンL1A,L1B,L1C,L1Dがそれぞれ形成されている。また、基材S5,S6,S7,S8にループ状導体パターンL2D,L2C,L2B,L2Aがそれぞれ形成されている。
ループ状導体パターンL1Aの第1端は一次コイルL1の第1端E11(図5に示した回路図上の第1端子T1)に相当する。ループ状導体パターンL1Aの第2端とループ状導体パターンL1Bの第1端とはビア導体V11で層間接続されている。ループ状導体パターンL1Bの第2端とループ状導体パターンL1Cの第1端とはビア導体V12で層間接続されている。ループ状導体パターンL1Cの第2端とループ状導体パターンL1Dの第1端とはビア導体V13で層間接続されている。ループ状導体パターンL1Dの第2端は一次コイルL1の第2端E12に相当する。
ループ状導体パターンL2Aの第1端は二次コイルL2の第1端E21に相当する。ループ状導体パターンL2Aの第2端とループ状導体パターンL2Bの第1端とはビア導体V21で層間接続されている。ループ状導体パターンL2Bの第2端とループ状導体パターンL2Cの第1端とはビア導体V22で層間接続されている。ループ状導体パターンL2Cの第2端とループ状導体パターンL2Dの第1端とはビア導体V23で層間接続されている。ループ状導体パターンL2Dの第2端は二次コイルL2の第2端E22(図5に示した回路図上の第2端子T2)に相当する。
上記一次コイルL1を構成する複数のループ状導体パターンのうち、第2端E12に最も近いループ状導体パターンL1Dは本発明に係る「第1ループ状導体パターン」に相当する。また、上記二次コイルL2を構成する複数のループ状導体パターンのうち、第2端E22に最も近いループ状導体パターンL2Dは本発明に係る「第2ループ状導体パターン」に相当する。
ループ状導体パターンL1A,L1B,L1Cはそれぞれ約1ターンの導体パターンであり、第1ループ状導体パターンL1Dは約2ターンの導体パターンである。また、ループ状導体パターンL2A,L2B,L2Cは約1ターンの導体パターンであり、第2ループ状導体パターンL2Dは約2ターンの導体パターンである。すなわち、一次コイルL1を構成する複数のループ状導体パターンのうち、一次コイルL1の第2端E12に最も近い第1ループ状導体パターンL1Dは、一次コイルL1に含まれる他のループ状導体パターン(L1A,L1B,L1C)の平均ターン数より多い。同様に、二次コイルL2を構成する複数のループ状導体パターンのうち、二次コイルL2の第2端E22に最も近い第2ループ状導体パターンL2Dは、二次コイルL2に含まれる他のループ状導体パターン(L2A,L2B,L2C)の平均ターン数より多い。
このように、一次コイルL1および二次コイルL2は、それぞれ複数層に亘って形成された複数のループ状導体パターンを含む略矩形ヘリカル状のコイルである。
第1ループ状導体パターンL1Dの線幅は、一次コイルL1に含まれる他のループ状導体パターンL1A,L1B,L1Cの平均線幅より太い。同様に、第2ループ状導体パターンL2Dの線幅は、二次コイルL2に含まれる他のループ状導体パターンL2A,L2B,L2Cの平均線幅より太い。
図3に表れているように、第1ループ状導体パターンL1Dと第2ループ状導体パターンL2Dとの層間距離d0は、一次コイルL1に含まれる他のループ状導体パターンL1A,L1B,L1Cについての層間距離d1または二次コイルL2に含まれる他のループ状導体パターンL2A,L2B,L2Cについての層間距離d2より狭い。
本実施形態では、一次コイルL1を構成する複数のループ状導体パターンと、二次コイルL2を構成する複数のループ状導体パターンとは、積層順が積層方向で互いに反対であり、対応する各層のループ状導体パターンは鏡対称である。また、一次コイルL1の第1端E11から第2端E12までの巻回方向と、二次コイルL2の第2端E22から第1端E21までの巻回方向は等しい。そのため、一次コイルL1のインダクタンスと、二次コイルL2のインダクタンスとは、実質的に等しい。
本実施形態の高周波トランス11の製造方法は次のとおりである。
(1)まず集合基板状態の、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂基材S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8の片側主面に金属箔(例えば銅箔)をラミネートし、その金属箔をフォトリソグラフィでパターンニングすることで、ループ状導体パターンL1A,L1B,L1C,L1D,L2D,L2C,L2B,L2A等を形成する。
また、集合基板状態の樹脂基材S2,S3,S4,S6,S7,S8にビア導体を形成する。ビア導体は、レーザー等で貫通孔を設けた後、銅、銀、錫等のうち1以上を含む導電性ペーストを配設し、後の加熱・加圧工程で硬化させることによって設けられる。
(2)樹脂基材S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8を積層し、加熱・加圧することで導電性ペーストを固化させるとともに、樹脂基材S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8を圧着し、集合基板状態の積層体を構成する。
(3)次に、集合基板状態の積層体を分断することで、個別の積層体100を得る。
(4)その後、積層体100の第1主面、第2主面、四側面にそれぞれ第1端子T1、第2端子T2、グランド端子GND、空き端子NCを形成する。
図6は上記ループ状導体パターンL1A,L1B,L1C,L1Dの電流密度を濃淡で表した図(コンター図)である。また、図7は上記ループ状導体パターンL1A,L1B,L1C,L1Dの各形成層における磁界強度を濃淡で表した図(コンター図)である。
図6、図7に表れているように、一次コイルL1を構成する複数のループ状導体パターンのうち、一次コイルL1の第2端E12に最も近い第1ループ状導体パターンL1Dによる磁界強度が最も強い。同様に、二次コイルL2を構成する複数のループ状導体パターンのうち、二次コイルL2の第2端E22に最も近い第2ループ状導体パターンL2Dによる磁界強度が最も強い。
本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
(1)第1ループ状導体パターンL1Dのターン数が相対的に多いことで、一次コイルの自己インダクタンスを大きくできる。さらに、バイファイラ巻き構造に比較して、一次コイルと二次コイルのそれぞれについて、ループ状導体パターンの積層方向の分布範囲を狭くでき、そのことで一次コイルと二次コイルとの相互インダクタンスを大きくできる。また、一次コイルと二次コイルは、ループ状導体パターンの電流密度の強いループ状導体パターン同士が互いに近接し、しかも電流密度の高い部分のターン数が多いので、高い結合係数が得られる。
(2)第2ループ状導体パターンL2Dのターン数が相対的に多いことで、二次コイルの自己インダクタンスを大きくできる。また、電流密度の強い第1ループ状導体パターンと第2ループ状導体パターンとが互いに近接し、しかも電流密度の高い部分のターン数が多いので、高い結合係数が得られる。
(3)第1ループ状導体パターンL1Dのターン数と第2ループ状導体パターンL2Dのターン数とは実質的に等しいので、電流密度の強い第1ループ状導体パターンL1Dと第2ループ状導体パターンL2Dとの結合係数が効果的に高まり、一次コイルと二次コイルの結合係数は、より高まる。
(4)第1ループ状導体パターンL1Dの線幅は、一次コイルL1に含まれる他のループ状導体パターンの平均線幅より太いので、電流密度の強い第1ループ状導体パターンL1Dでの導体損失が低減され、一次コイルL1の直流抵抗(DCR)が低減される。
(5)第2ループ状導体パターンL2Dの線幅は、二次コイルL2に含まれる他のループ状導体パターンの平均線幅より太いので、電流密度の強い第2ループ状導体パターンL2Dでの導体損失が低減され、二次コイルL2の直流抵抗(DCR)が低減される。
(6)複数のループ状導体パターンの各層のループ状導体パターンはそれぞれ非磁性体の基材(S1〜S8)に形成されているので、磁性体材料の透磁率の周波数特性の悪影響を受けない。また、磁性体材料による磁性体損失が生じない。
(7)コイル巻回軸に沿った平面視で、一次コイルL1の複数のループ状導体パターンの周回位置と二次コイルL2の複数のループ状導体パターンの周回位置とは重なっているので、一次コイルL1と二次コイルL2との高い結合係数が得られる。
(8)第1ループ状導体パターンL1Dと第2ループ状導体パターンL2Dとの層間距離は、一次コイルL1に含まれる他のループ状導体パターンL1A,L1B,L1Cについての層間距離または二次コイルL2に含まれる他のループ状導体パターンL2A,L2B,L2Cについての層間距離より狭いので、電流密度の強い第1ループ状導体パターンL1Dと第2ループ状導体パターンL2Dとがより近接して、一次コイルL1と二次コイルL2との高い結合係数が得られる。
(9)一次コイルL1のインダクタンスと二次コイルL2のインダクタンスとが実質的に等しいことにより、インピーダンス変換比を一定に保ったまま移相器として用いる場合に、より適する。
以上に示した例では、一次コイルL1を構成する複数のループ状導体パターンのうち、一次コイルL1の第2端E12に最も近い第1ループ状導体パターンL1Dのターン数が約2であり、一次コイルL1に含まれる他のループ状導体パターンL1A,L1B,L1Cのターン数がそれぞれ約1ターンである例を示したが、これら他のループ状導体パターンL1A,L1B,L1Cのターン数はそれぞれ異なっていてもよい。例えば、第1ループ状導体パターンL1Dに隣接するループ状導体パターンL1Cのターン数は1ターン以上であってもよい。同様に、第2ループ状導体パターンL2Dに隣接するループ状導体パターンL2Cのターン数は1ターン以上であってもよい。但し、一次コイルの自己インダクタンスを高めるうえで、または、一次コイルL1と二次コイルL2との結合係数を高めるうえで、一次コイルL1の第2端E12に最も近い第1ループ状導体パターンL1Dのターン数が、一次コイルL1に含まれる他のループ状導体パターンL1A,L1B,L1Cのターン数に比べて最も多いことが好ましい。同様に、二次コイルL2の第2端E22に最も近い第2ループ状導体パターンL2Dのターン数が、二次コイルL2に含まれる他のループ状導体パターンL2A,L2B,L2Cのターン数に比べて最も多いことが好ましい。
また、以上に示した例では、第1ループ状導体パターンL1Dのターン数を他のループ状導体パターンの平均ターン数より多くし、且つ、第2ループ状導体パターンL2Dのターン数を他のループ状導体パターンの平均ターン数より多くした例を示したが、この条件を一次コイルまたは二次コイルのうち一方のコイルのみが満足するように構成してもよい。
また、以上に示した例では、第1ループ状導体パターンL1Dのターン数と第2ループ状導体パターンL2Dのターン数とが等しい例を示した。この二つのループ状導体パターンのターン数は等しいことが好ましいが、実質的に等しければよい。また、この二つのループ状導体パターンのターン数は異なっていてもよい。
また、以上に示した例では、第1ループ状導体パターンL1Dの線幅が他のループ状導体パターンの平均線幅より太く、且つ第2ループ状導体パターンL2Dの線幅が他のループ状導体パターンの平均線幅より太い例を示した。この条件を第1ループ状導体パターンL1Dまたは第2ループ状導体パターンL2Dのいずれかが満足するように構成してもよい。
また、以上に示した例では、コイル巻回軸AXに沿った平面視で、一次コイルL1の複数のループ状導体パターンの周回位置と二次コイルL2の複数のループ状導体パターンの周回位置とが全周に亘って重なる例を示したが、一次コイルL1と二次コイルL2との結合係数の低下の許容範囲内で、一次コイルL1の複数のループ状導体パターンの周回位置と二次コイルL2の複数のループ状導体パターンの周回位置とは、ずれていてもよい。
また、以上に示した例では、第1ループ状導体パターンL1Dと第2ループ状導体パターンL2Dとの層間距離が、一次コイルL1に含まれる他のループ状導体パターンについての層間距離または二次コイルL2に含まれる他のループ状導体パターンについての層間距離より狭くしたが、第1ループ状導体パターンL1Dと第2ループ状導体パターンL2Dとの層間距離が他のループ状導体パターンについての層間距離と等しくてもよい。
また、以上に示した例では、各層のループ状導体パターンは鏡対称である例を示したが、鏡対称でなくてもよい。また、一次コイルL1のインダクタンスと、二次コイルL2のインダクタンスとは異なっていてもよい。
《第2の実施形態》
図8は第2の実施形態に係る高周波トランス11の内部の複数のループ状導体パターンの形状および配置を示す斜視図である。この高周波トランス11の外観は第1の実施形態で図1に示したものと同じである。図9はこの高周波トランス11の正面図である。図8、図9においては基材を透視して表している。図10は高周波トランス11および移相器12の回路図である。
図8に表れているように、高周波トランス11は、ループ状導体パターンが形成された複数の基材の積層体100を備える。積層体100の外面には、第1端子T1、第2端子T2、グランド端子GND、空き端子NCがそれぞれ形成されている(図1参照)。
図10に表れているように、高周波トランス11は、互いに磁界結合する一次コイルL1および二次コイルL2を備える。図10において、容量C1sは一次コイルL1に生じる寄生容量、容量C2sは二次コイルL2に生じる寄生容量、容量C3sは一次コイルL1と二次コイルL2との間に生じる寄生容量をそれぞれ表している。
図8、図9に表れているように、一次コイルL1と二次コイルL2は、コイル巻回軸AXが同軸関係にある。コイル巻回軸AXに沿った平面視で、一次コイルL1の複数のループ状導体パターンの周回位置と二次コイルL2の複数のループ状導体パターンの周回位置とは重なっている。
図1に示したように、一次コイルL1の第1端に繋がる第1端子T1、二次コイルL2の第1端に繋がる第2端子T2、一次コイルL1の第2端および二次コイルL2の第2端に繋がるグランド端子GNDを備える。このグランド端子GNDは本発明に係る「共通端子」の一例である。移相器12は、高周波トランス11の第1端子T1とグランド端子GNDとを第1入出力ポートP1とし、第2端子T2とグランド端子GNDとを第2入出力ポートP2として構成される。
図9に表れているように、基材S1,S2,S3,S5にループ状導体パターンL1A,L1B,L1C,L1Dがそれぞれ形成されている。また、基材S4,S6,S7,S8にループ状導体パターンL2D,L2C,L2B,L2Aがそれぞれ形成されている。
ループ状導体パターンL1Aの第1端は一次コイルL1の第1端E11(図10に示した回路図上の第1端子T1)に相当する。ループ状導体パターンL1Aの第2端とループ状導体パターンL1Bの第1端とはビア導体V11で層間接続されている。ループ状導体パターンL1Bの第2端とループ状導体パターンL1Cの第1端とはビア導体V12で層間接続されている。ループ状導体パターンL1Cの第2端とループ状導体パターンL1Dの第1端とはビア導体V13,V14で層間接続されている。ループ状導体パターンL1Dの第2端は一次コイルL1の第2端E12に相当する。
ループ状導体パターンL2Aの第1端は二次コイルL2の第1端E21に相当する。ループ状導体パターンL2Aの第2端とループ状導体パターンL2Bの第1端とはビア導体V21で層間接続されている。ループ状導体パターンL2Bの第2端とループ状導体パターンL2Cの第1端とはビア導体V22で層間接続されている。ループ状導体パターンL2Cの第2端とループ状導体パターンL2Dの第1端とはビア導体V23,V24で層間接続されている。ループ状導体パターンL2Dの第2端は二次コイルL2の第2端E22(図10に示した回路図上の第2端子T2)に相当する。
上記一次コイルL1を構成する複数のループ状導体パターンのうち、第2端E12に最も近いループ状導体パターンL1Dは本発明に係る「第1ループ状導体パターン」に相当する。また、上記二次コイルL2を構成する複数のループ状導体パターンのうち、第2端E22に最も近いループ状導体パターンL2Dは本発明に係る「第2ループ状導体パターン」に相当する。
一次コイルL1を構成する複数のループ状導体パターンのうち、一次コイルL1の第2端E12に最も近い第1ループ状導体パターンL1Dは、二次コイルL2を構成する複数のループ状導体パターンのうち、二次コイルL2の第2端E22に最も近い第2ループ状導体パターンL2Dと当該第2ループ状導体パターンL2Dに隣接するループ状導体パターンL2Cとの層間にある。また、第2ループ状導体パターンL2Dは、第1ループ状導体パターンL1Dと当該第1ループ状導体パターンL1Dに隣接するループ状導体パターンL1Cとの層間にある。
ループ状導体パターンL1A,L1Bはそれぞれ約1ターンの導体パターンであり、ループ状導体パターンL1Cは約1.5ターンの導体パターンであり、第1ループ状導体パターンL1Dは約2.5ターンの導体パターンである。また、ループ状導体パターンL2A,L2Bは約1ターンの導体パターンであり、ループ状導体パターンL2Cは約1.5ターンの導体パターンであり、第2ループ状導体パターンL2Dは約2.5ターンの導体パターンである。すなわち、一次コイルL1を構成する複数のループ状導体パターンのうち、一次コイルL1の第2端E12に最も近い第1ループ状導体パターンL1Dは、一次コイルL1に含まれる他のループ状導体パターン(L1A,L1B,L1C)の平均ターン数より多い。同様に、二次コイルL2を構成する複数のループ状導体パターンのうち、二次コイルL2の第2端E22に最も近い第2ループ状導体パターンL2Dは、二次コイルL2に含まれる他のループ状導体パターン(L2A,L2B,L2C)の平均ターン数より多い。
このように、一次コイルL1および二次コイルL2は、それぞれ複数層に亘って形成された複数のループ状導体パターンを含む略矩形ヘリカル状のコイルである。
本実施形態では、一次コイルL1を構成する複数のループ状導体パターンと、二次コイルL2を構成する複数のループ状導体パターンとは、積層順が積層方向で互いに反対であり、対応する各層のループ状導体パターンは鏡対称である。また、一次コイルL1の第1端E11から第2端E12までの巻回方向と、二次コイルL2の第2端E22から第1端E21までの巻回方向は等しい。そのため、一次コイルL1のインダクタンスと、二次コイルL2のインダクタンスとは、実質的に等しい。
本実施形態の高周波トランス11の製造方法は次のとおりである。
(1)まず集合基板状態の、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂基材S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8の片側主面に金属箔(例えば銅箔)をラミネートし、その金属箔をフォトリソグラフィでパターンニングすることで、ループ状導体パターンL1A,L1B,L1C,L1D,L2D,L2C,L2B,L2A等を形成する。
また、集合基板状態の樹脂基材S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8にビア導体を形成する。ビア導体は、レーザー等で貫通孔を設けた後、銅、銀、錫等のうち1以上を含む導電性ペーストを配設し、後の加熱・加圧工程で硬化させることによって設けられる。
(2)樹脂基材S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8,S9を積層し、加熱・加圧することで導電性ペーストを固化させるとともに、樹脂基材S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8,S9を圧着し、集合基板状態の積層体を構成する。
(3)次に、集合基板状態の積層体を分断することで、個別の積層体100を得る。
(4)その後、積層体100の第1主面、第2主面、四側面にそれぞれ第1端子T1、第2端子T2、グランド端子GND、空き端子NCを形成する。
本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
(1)一次コイルL1において、一次コイルL1の第2端E12に最も近い第1ループ状導体パターンL1Dと当該第1ループ状導体パターンL1Dに隣接するループ状導体パターンL1Cとの層間に第2ループ状導体パターンL2Dが介在し、L1DとL1Cとが積層方向に離れるので、一次コイルL1の寄生容量(図10中の容量C1s)は抑制される。同様に、二次コイルL2において、二次コイルL2の第2端E22に最も近い第2ループ状導体パターンL2Dと当該第2ループ状導体パターンL2Dに隣接するループ状導体パターンL2Cとの層間に第1ループ状導体パターンL1Dが介在し、L2DとL2Cとが積層方向に離れるので、二次コイルL2の寄生容量(図10中の容量C2s)も抑制される。また一次コイルL1と二次コイルL2は、電流強度が最も強いループ状導体パターン同士(第1ループ状導体パターンL1Dと第2ループ状導体パターンL2D)が近接し、しかも、電流強度が最も強いループ状導体パターンが相手方コイルの電流強度が最も強いループ状導体パターンと2番目に強い層とで挟まれるので、一次コイルと二次コイルとの結合係数が効果的に高まる。さらに、一次コイルL1の共通電位(グランド電位)に近い側の層であるループ状導体パターンL1Cと第1ループ状導体パターンL1Dと、二次コイルL2の共通電位(グランド電位)に近い側の層であるループ状導体パターンL2Cと第2ループ状導体パターンL2Dとを、積層方向において一次コイルL1の層と二次コイルL2の層とが交互に配置されるように、L1C、L2D、L1D、L2Cの順で配置しているので、一次コイルL1と二次コイルL2との間に生じる寄生容量(図10中の容量C3s)は抑制される。
このようにして、一次コイルL1の寄生容量Cs1、二次コイルL2の寄生容量Cs2、および一次コイルL1と二次コイルL2との間の寄生容量Cs3がそれぞれ抑制されるとともに、一次コイルL1と二次コイルL2との結合係数が高まるので、二つのポートから視たインピーダンスの周波数特性が安定化される。また、移相器として利用する際の移相量を広帯域に亘って安定化される。
(2)第1ループ状導体パターンL1Dは、一次コイルL1に含まれる他のループ状導体パターンL1A,L1B,L1Cの平均ターン数より多いので、また、第2ループ状導体パターンL2Dは、二次コイルL2に含まれる他のループ状導体パターンL2A,L2B,L2Cの平均ターン数より多いので、一次コイルL1と二次コイルL2は、ループ状導体パターンの電流強度の強いループ状導体パターン同士の磁界結合が強くなり、結合係数が効果的に高まる。
(3)第1ループ状導体パターンL1Dのターン数と第2ループ状導体パターンL2Dのターン数とは実質的に等しいので、電流強度の強い第1ループ状導体パターンL1Dと第2ループ状導体パターンL2Dとの結合係数が効果的に高まり、一次コイルと二次コイルの結合係数は、より高まる。
(4)複数のループ状導体パターンの各層のループ状導体パターンはそれぞれ非磁性体の基材(S1〜S9)に形成されているので、磁性体材料の透磁率の周波数特性の悪影響を受けない。また、磁性体材料による磁性体損失が生じない。
(5)コイル巻回軸に沿った平面視で、一次コイルL1の複数のループ状導体パターンの周回位置と二次コイルL2の複数のループ状導体パターンの周回位置とは重なっているので、一次コイルL1と二次コイルL2との高い結合係数が得られる。
(6)一次コイルL1のインダクタンスと二次コイルL2のインダクタンスとが実質的に等しいことにより、インピーダンス変換比を一定に保ったまま移相器として用いる場合に、より適する。
以上に示した例では、一次コイルL1を構成する複数のループ状導体パターンのうち、一次コイルL1の第2端E12に最も近い第1ループ状導体パターンL1Dのターン数が約2.5であり、それに続くループ状導体パターンL1Cのターン数がそれぞれ約1.5ターンである例を示したが、これら「他のループ状導体パターン」L1A,L1B,L1Cのターン数は同じであってもよい。このことは二次コイルL2についても同様である。但し、一次コイルL1の自己インダクタンスを高めるうえで、または、一次コイルL1と二次コイルL2との結合係数を高めるうえで、第1ループ状導体パターンL1Dのターン数が、一次コイルL1に含まれる他のループ状導体パターンL1A,L1B,L1Cのターン数に比べて最も多いことが好ましい。同様に、第2ループ状導体パターンL2Dのターン数が、二次コイルL2に含まれる他のループ状導体パターンL2A,L2B,L2Cのターン数に比べて最も多いことが好ましい。
また、以上に示した例では、第1ループ状導体パターンL1Dのターン数を他のループ状導体パターンの平均ターン数より多くし、且つ、第2ループ状導体パターンL2Dのターン数を他のループ状導体パターンの平均ターン数より多くした例を示したが、この条件を一次コイルまたは二次コイルのうち一方のコイルのみが満足するように構成してもよい。
また、以上に示した例では、第1ループ状導体パターンL1Dのターン数と第2ループ状導体パターンL2Dのターン数とが等しい例を示した。この二つのループ状導体パターンのターン数は等しいことが好ましいが、実質的に等しければよい。また、この二つのループ状導体パターンのターン数は異なっていてもよい。
また、以上に示した例では、各層のループ状導体パターンL1A,L1B,L1C,L1D,L2D,L2C,L2B,L2Aの線幅が等しい例を示したが、これらは互いに異なっていてもよい。特に、第1ループ状導体パターンL1Dの線幅が他のループ状導体パターンL1B,L1C,L1Dの平均線幅より太ければ、電流強度の強い第1ループ状導体パターンL1Dでの導体損失が低減され、一次コイルL1の直流抵抗(DCR)が低減される。同様に、第2ループ状導体パターンL2Dの線幅が他のループ状導体パターンL2C,L2B,L2Aの平均線幅より太ければ、電流強度の強い第2ループ状導体パターンL2Dでの導体損失が低減され、二次コイルL2の直流抵抗(DCR)が低減される。
また、以上に示した例では、コイル巻回軸AXに沿った平面視で、一次コイルL1の複数のループ状導体パターンの周回位置と二次コイルL2の複数のループ状導体パターンの周回位置とが全周に亘って重なる例を示したが、一次コイルL1と二次コイルL2との結合係数の低下の許容範囲内で、一次コイルL1の複数のループ状導体パターンの周回位置と二次コイルL2の複数のループ状導体パターンの周回位置とは、ずれていてもよい。
また、以上に示した例では、各層のループ状導体パターンL1A,L1B,L1C,L2D,L1D,L2C,L2B,L2Aの層間距離が等しい例を示したが、これらは互いに異なっていてもよい。特に、ループ状導体パターンL1C,L2D,L1D,L2Cの各層間距離が、他のループ状導体パターンについての層間距離より狭ければ、電流強度の強いループ状導体パターンL1C,L2D,L1D,L2Cが近接して、一次コイルL1と二次コイルL2との結合係数が高められる。
また、以上に示した例では、各層のループ状導体パターンは鏡対称である例を示したが、鏡対称でなくてもよい。また、一次コイルL1のインダクタンスと、二次コイルL2のインダクタンスとは異なっていてもよい。
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、複数のSAWフィルタおよびこれらSAWフィルタと共に移相器を備えるマルチプレクサについて示す。
図11は第3の実施形態に係るマルチプレクサ13の構成を示す回路図である。このマルチプレクサ13は、共通ポートPcと個別ポートPr1,Pr2,Pr3,Pr4との間にそれぞれ接続された移相器12a,12b,12c,12dとSAWフィルタSAWa,SAWb,SAWc,SAWdとを備える。移相器12a,12b,12c,12dは第1の実施形態で示した移相器である。本実施形態では、共通ポートPcに例えばアンテナが接続され、個別ポートPr1,Pr2,Pr3,Pr4には各周波数帯の通信回路が接続される。
各SAWフィルタSAWa,SAWb,SAWc,SAWdはそれぞれ第1ポートおよび第2ポートを有し、通過周波数帯がそれぞれ異なる。第1SAWフィルタSAWaは、第1ポートが移相器12aを介して共通ポートPcに接続され、第2ポートは個別ポートPr1に接続される。同様に、第2SAWフィルタSAWbは、第1ポートが移相器12bを介して共通ポートPcに接続され、第2ポートは個別ポートPr2に接続され、第3SAWフィルタSAWcは、第1ポートが移相器12cを介して共通ポートPcに接続され、第2ポートは個別ポートPr3に接続され、第4SAWフィルタSAWdは、第1ポートが移相器12dを介して共通ポートPcに接続され、第2ポートは個別ポートPr4に接続される。
例えば、第1SAWフィルタSAWaの通過帯域の中心周波数は700MHz、第2SAWフィルタSAWbの通過帯域の中心周波数は800MHz、第3SAWフィルタSAWcの通過帯域の中心周波数は900MHzである。また、第4SAWフィルタSAWdの通過帯域の中心周波数は2GHzである。すなわち、SAWフィルタSAWa,SAWb,SAWcはローバンド用、SAWフィルタSAWdはハイバンド用である。
移相器12aは、共通ポートPcから視て、SAWフィルタSAWb,SAWc,SAWdの通過周波数帯で、第1SAWフィルタSAWaが実質的にオープンになるように移相する。また、移相器12bは、共通ポートPcから視て、SAWフィルタSAWa,SAWc,SAWdの通過周波数帯で、第2SAWフィルタSAWbが実質的にオープンになるように移相する。移相器12cは、共通ポートPcから視て、SAWフィルタSAWa,SAWb,SAWdの通過周波数帯で、第3SAWフィルタSAWcが実質的にオープンになるように移相する。同様に、移相器12dは、共通ポートPcから視て、SAWフィルタSAWa,SAWb,SAWcの通過周波数帯で、第4SAWフィルタSAWdが実質的にオープンになるように移相する。
図12は一般的なSAWフィルタの一方のポートから視た反射係数の周波数特性をスミスチャート上に表した図である。通過帯域より低い周波数帯で、インピーダンスは実質的にショートであり、通過周波数帯の中心周波数fcで規定インピーダンス(50Ω)となり、通過帯域より高い周波数帯で、インピーダンスは再び実質的にショートとなる。
したがって、通過帯域周波数が大きく異なる複数のSAWフィルタを共通ポートに直接接続すると、使用周波数帯で共通ポートPcが実質的にグランドにショートされる状況が生じる。そのため、例えばローバンド用SAWフィルタとハイバンド用SAWフィルタとは互いにショート状態に見えるので、それらを共通ポートPcに直接接続することはできない。
本実施形態によれば、通過周波数帯の大きく離れたSAWフィルタ同士であっても、移相器で約180°移相されるので、SAWフィルタは互いにオープンに見える。したがって、移相器を介して共通ポートPcに直接接続できる。この状態でポート間アイソレーションが確保される。
《他の実施形態》
第1の実施形態では、樹脂基材に金属箔によるループ状導体パターンを形成したが、例えば低温同時焼成セラミックスグリーンシートに銅ペーストによるループ状導体パターンを印刷形成し、積層し、一体同時焼成によって形成してもよい。すなわちLTCC多層基板で構成してもよい。
なお、以上に示した各実施形態では、700MHz以上の高周波帯で用いる例を示したが、UHF帯以上で用いることができる。また、基材が磁性体フェライトである場合、HF帯で使用可能な高周波トランスを構成することも可能である。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
AX…コイル巻回軸
d0,d1,d2…層間距離
E11…一次コイルL1の第1端
E12…一次コイルL1の第2端
E21…二次コイルL2の第1端
E22…二次コイルL2の第2端
fc…中心周波数
GND…グランド端子
L1…一次コイル
L2…二次コイル
L1A,L1B,L1C,L1D…ループ状導体パターン
L2A,L2B,L2C,L2D…ループ状導体パターン
L1D…第1ループ状導体パターン
L2D…第2ループ状導体パターン
NC…空き端子
P1…第1入出力ポート
P2…第2入出力ポート
Pc…共通ポート
Pr1,Pr2,Pr3,Pr4…個別ポート
S1〜S9…基材
SAWa,SAWb,SAWc,SAWd…SAWフィルタ
T1…第1端子
T2…第2端子
V11,V12,V13,V14…ビア導体
V21,V22,V23,V24…ビア導体
11…高周波トランス
12,12a,12b,12c,12d…移相器
13…マルチプレクサ
100…積層体

Claims (17)

  1. コイル巻回軸が同軸関係にあり、互いに磁界結合する、一次コイルおよび二次コイル、前記一次コイルの第1端に繋がる第1端子、前記二次コイルの第1端に繋がる第2端子、前記一次コイルの第2端および前記二次コイルの第2端に繋がる共通端子、を備え、
    前記一次コイルおよび前記二次コイルは、それぞれ複数層に亘って形成された複数のループ状導体パターンを含むヘリカル状のコイルであり、
    前記一次コイルは、前記一次コイルを構成する前記複数のループ状導体パターンのうち、前記一次コイルの第2端に最も近い第1ループ状導体パターンを備え、
    前記二次コイルは、前記二次コイルを構成する前記複数のループ状導体パターンのうち、前記二次コイルの第2端に最も近い第2ループ状導体パターンを備え、
    前記第1ループ状導体パターンは、前記一次コイルに含まれる他のループ状導体パターンの平均ターン数より多い、
    ことを特徴とする、高周波トランス。
  2. 前記第2ループ状導体パターンは、前記二次コイルに含まれる他のループ状導体パターンの平均ターン数より多い、請求項1に記載の高周波トランス。
  3. 前記第1ループ状導体パターンのターン数と前記第2ループ状導体パターンのターン数とは実質的に等しい、請求項2に記載の高周波トランス。
  4. 前記第1ループ状導体パターンの線幅は、前記一次コイルに含まれる他のループ状導体パターンの平均線幅より太い、請求項1から3のいずれかに記載の高周波トランス。
  5. 前記第2ループ状導体パターンの線幅は、前記二次コイルに含まれる他のループ状導体パターンの平均線幅より太い、請求項1から4のいずれかに記載の高周波トランス。
  6. 前記複数のループ状導体パターンの各層のループ状導体パターンはそれぞれ非磁性体の基材に形成されている、請求項1から5のいずれかに記載の高周波トランス。
  7. 前記コイル巻回軸に沿った平面視で、前記一次コイルの前記複数のループ状導体パターンの周回位置と前記二次コイルの前記複数のループ状導体パターンの周回位置とは重なる、請求項1から6のいずれかに記載の高周波トランス。
  8. 前記第1ループ状導体パターンと前記第2ループ状導体パターンとの層間距離は、前記一次コイルに含まれる他のループ状導体パターン同士の層間距離または前記二次コイルに含まれる他のループ状導体パターン同士の層間距離より狭い、請求項1から7のいずれかに記載の高周波トランス。
  9. 前記一次コイルのインダクタンスと、前記二次コイルのインダクタンスとは、実質的に等しい、請求項1から8のいずれかに記載の高周波トランス。
  10. コイル巻回軸が同軸関係にあり、互いに磁界結合する、一次コイルおよび二次コイル、前記一次コイルの第1端に繋がる第1端子、前記二次コイルの第1端に繋がる第2端子、前記一次コイルの第2端および前記二次コイルの第2端に繋がる共通端子、を備え、
    前記一次コイルおよび前記二次コイルは、それぞれ複数層に亘って形成された複数のループ状導体パターンを含むヘリカル状のコイルであり、
    前記一次コイルを構成する前記複数のループ状導体パターンのうち、前記一次コイルの第2端に最も近い第1ループ状導体パターンは、前記二次コイルを構成する前記複数のループ状導体パターンのうち、前記二次コイルの第2端に最も近い第2ループ状導体パターンと当該第2ループ状導体パターンに隣接するループ状導体パターンとの層間にあり、
    前記二次コイルを構成する前記複数のループ状導体パターンのうち、前記二次コイルの第2端に最も近い第2ループ状導体パターンは、前記一次コイルを構成する前記複数のループ状導体パターンのうち、前記第1ループ状導体パターンと当該第1ループ状導体パターンに隣接するループ状導体パターンとの層間にある、
    ことを特徴とする高周波トランス。
  11. 前記第1ループ状導体パターンは、前記一次コイルに含まれる他のループ状導体パターンの平均ターン数より多い、請求項10に記載の高周波トランス。
  12. 前記第2ループ状導体パターンは、前記二次コイルに含まれる他のループ状導体パターンの平均ターン数より多い、請求項11に記載の高周波トランス。
  13. 前記第1ループ状導体パターンのターン数と前記第2ループ状導体パターンのターン数とは実質的に等しい、請求項12に記載の高周波トランス。
  14. 前記複数のループ状導体パターンの各層のループ状導体パターンはそれぞれ非磁性体の基材に形成されている、請求項10から13のいずれかに記載の高周波トランス。
  15. 前記コイル巻回軸に沿った平面視で、前記一次コイルの前記複数のループ状導体パターンの周回位置と前記二次コイルの前記複数のループ状導体パターンの周回位置とは重なる、請求項10から14のいずれかに記載の高周波トランス。
  16. 前記一次コイルのインダクタンスと、前記二次コイルのインダクタンスとは、実質的に等しい、請求項10から15のいずれかに記載の高周波トランス。
  17. 請求項1から16のいずれかに記載の高周波トランスを備え、
    前記第1端子と前記共通端子とを第1入出力ポートとし、前記第2端子と前記共通端子とを第2入出力ポートとする、移相器。
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