JP6583599B1 - アンテナ装置、通信システム、及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

回路構成が複雑になることを抑制しつつ、通信距離の低下を抑制する。アンテナ装置(1)において、第1インダクタ(2)は、第1システム用回路(71)に電気的に接続される。第2インダクタ(3)は、第1インダクタ(2)と接続されている。第1インダクタ(2)及び第2インダクタ(3)は、第2システム用回路(72)と直列接続される。第2インダクタ(3)及び並列共振回路(5)は、第1システム用回路(71)に対して、第1インダクタ(2)と並列接続されている。並列共振回路(5)は、第1システム用回路(71)の第1通信周波数よりも低い並列共振周波数で共振する。

Description

本発明は、一般にアンテナ装置、通信システム、及び電子機器に関し、より詳細には、複数のインダクタを備えるアンテナ装置、このアンテナ装置を備える通信システム、及び、このアンテナ装置を備える電子機器に関する。
従来、第1非接触伝送システム及び第2非接触伝送システムで兼用されるコイル導体を備えるアンテナ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたアンテナ装置において、コイル導体は、直列接続された第1コイル部と第2コイル部とを有する。コイル導体の両端は、第1非接触伝送システムの回路に接続され、第1コイル部の両端は、第2非接触伝送システムの回路に接続される。そして、第2コイル部は、第1コイル部と磁界を介して結合する。
国際公開第2017/122499号
特許文献1に記載された従来のアンテナ装置では、2つのシステム(第1非接触伝送システム及び第2非接触伝送システム)を切り替えるためのスイッチが必要であるため、制御系を含めて回路構成が複雑になるという問題があった。一方、スイッチ等の構成を用いずに、アンテナ装置が2つのシステムで兼用されるコイル導体を備える場合、一方のシステムでそのコイル導体が利用される際に、通信距離の低下が生じる場合があった。
本発明の目的は、回路構成が複雑になることを抑制しつつ、通信距離の低下を抑制することができるアンテナ装置、このアンテナ装置を備える通信システム、及び、このアンテナ装置を備える電子機器を提供することにある。
本発明の一態様に係るアンテナ装置は、第1通信周波数を搬送周波数として無線通信を行うための第1システム用回路及び第2通信周波数を搬送周波数として無線通信を行うための第2システム用回路と共に用いられる。前記アンテナ装置は、第1インダクタと、第2インダクタと、並列共振回路とを備える。前記第1インダクタは、スパイラル状であって、第1開口を有し、前記第1システム用回路に電気的に接続される。前記第2インダクタは、スパイラル状であって、前記第1インダクタの前記第1開口と重なる第2開口を有し、前記第1インダクタと接続されている。前記第1インダクタ及び前記第2インダクタは、前記第2システム用回路と直列接続される。前記第2インダクタ及び前記並列共振回路は、前記第1システム用回路に対して、前記第1インダクタと並列接続されている。前記並列共振回路は、前記第1通信周波数よりも低い並列共振周波数で共振する。
本発明の一態様に係る通信システムは、前記アンテナ装置と、前記第1システム用回路と、前記第2システム用回路とを備える。
本発明の一態様に係る電子機器は、前記アンテナ装置と、回路基板と、筐体とを備える。前記回路基板は、前記アンテナ装置を動作させるためのシステム回路を有する。前記筐体は、前記アンテナ装置及び前記回路基板を収容する。
本発明の上記態様に係るアンテナ装置、通信システム、及び電子機器によれば、回路構成が複雑になることを抑制しつつ、通信距離の低下を抑制することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る通信システムの回路図である。 図2Aは、本発明の実施形態1に係るアンテナ装置の上層の正面図である。図2Bは、同上のアンテナ装置における図2AのX1−X1線断面図である。 図3は、同上のアンテナ装置の下層の正面図である。 図4Aは、同上のアンテナ装置におけるコイル電流の位相の周波数特性を示すグラフである。図4Bは、同上のアンテナ装置におけるコイル電流の位相差の周波数特性を示すグラフである。 図5は、同上のアンテナ装置における第1インダクタのインダクタンスと第1通信周波数の周波数帯の最小周波数及び最大周波数との関係を示すグラフである。 図6は、同上のアンテナ装置における第2インダクタのインダクタンスと第1通信周波数の周波数帯の最小周波数及び最大周波数との関係を示すグラフである。 図7は、同上のアンテナ装置における結合係数と第1通信周波数の周波数帯の最小周波数及び最大周波数との関係を示すグラフである。 図8は、同上のアンテナ装置における周波数比の周波数特性を示すグラフである。 図9Aは、本発明の実施形態1に係る電子機器の正面図である。図9Bは、同上の電子機器における図9AのY1−Y1線断面図である。図9Cは、同上の電子機器における図9AのY2−Y2線断面図である。 図10は、本発明の実施形態1の変形例1に係る通信システムの回路図である。 図11は、本発明の実施形態1の変形例2に係る通信システムの回路図である。 図12は、本発明の実施形態1の変形例3に係る通信システムの回路図である。 図13は、本発明の実施形態1の変形例4に係る通信システムの回路図である。 図14Aは、本発明の実施形態1の変形例5に係るアンテナ装置の上層の正面図である。図14Bは、同上のアンテナ装置における図14AのX1−X1線断面図である。 図15は、同上のアンテナ装置の下層の正面図である。 図16は、本発明の実施形態1の変形例6に係るアンテナ装置の正面図である。 図17Aは、同上のアンテナ装置における要部の下層の正面図である。図17Bは、同上のアンテナ装置における要部の上層の正面図である。 図18は、本発明の実施形態1の変形例7に係る通信システムの回路図である。 図19は、本発明の実施形態2に係る通信システムの回路図である。 図20Aは、本発明の実施形態2に係るアンテナ装置の上層の正面図である。図20Bは、同上のアンテナ装置における図20AのX2−X2線断面図である。 図21は、同上のアンテナ装置の下層の正面図である。
以下、実施形態1,2に係るアンテナ装置、通信システム、及び電子機器について、図面を参照して説明する。下記の実施形態等において説明する図2A、図2B、図3、図9A〜図9C、図14A、図14B、図15、図16、図17A、図17B、図20A、図20B、及び図21は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
各実施形態に係る「アンテナ装置」は、「無線伝送システム」に用いられるアンテナ装置である。ここで、「無線伝送システム」は、伝送相手(外部機器のアンテナ)と、磁界結合による無線伝送を行うシステムである。「伝送」は、信号の送受信と電力の送受信との両方の意味を含む。また、「無線伝送システム」は、近距離無線通信システムと無線給電システムとの両方の意味を含む。アンテナ装置は磁界結合による無線伝送を行うため、アンテナ装置の電流経路の長さつまり後述のコイル導体の線路長は、無線伝送で使用する周波数における波長λに比べて十分に小さく、λ/10以下である。したがって、無線伝送の使用周波数帯においては電磁波の放射効率は低い。なお、ここでいう波長λは、コイル導体が設けられている基材の誘電性及び透磁性による波長短縮効果を考慮した実効的な波長である。コイル導体の両端は、給電回路に接続され、アンテナ装置の電流経路つまりコイル導体には、ほぼ一様な大きさの電流が流れる。
また、各実施形態に係る「アンテナ装置」に用いられる近距離無線通信としては、例えばNFC(Near Field Communication)がある。近距離無線通信で使用される周波数帯は、例えばHF帯であり、特に13.56MHz及びその近傍の周波数帯である。
また、各実施形態に係る「アンテナ装置」に用いられる無線給電の方式としては、例えば、電磁誘導方式及び磁界共鳴方式のような磁界結合方式がある。電磁誘導方式の無線給電規格としては、例えばWPC(Wireless Power Consortium)の策定する規格「Qi(登録商標)」がある。電磁誘導方式で使用される周波数帯は、例えば110kHz以上205kHz以下の範囲及び上記範囲の近傍の周波数帯に含まれている。磁界共鳴方式の無線給電規格としては、例えば、AirFuel(登録商標) Allianceの策定する規格「AirFuel Resonant」がある。磁界共鳴方式で使用される周波数帯は、例えば6.78MHz帯又は100kHz帯である。
(実施形態1)
(1)アンテナ装置の全体構成
まず、実施形態1に係るアンテナ装置の全体構成について、図面を参照して説明する。
実施形態1に係るアンテナ装置1は、図1に示すように、第1インダクタ2と、第2インダクタ3と、並列共振回路5とを備える。図2Aに示すように、第1インダクタ2は、スパイラル状であって、第1開口24を有する。第2インダクタ3は、スパイラル状であって、第2開口34を有する。第2インダクタ3は、第1インダクタ2と直列に接続されており、第2インダクタ3の第2開口34は、第1インダクタ2の第1開口24と重なる。
アンテナ装置1は、図1に示すように、第1システム用回路71及び第2システム用回路72と共に用いられる装置である。
第1システム用回路71は、第1通信周波数を搬送周波数として無線通信を行うための回路である。第2システム用回路72は、第2通信周波数を搬送周波数として無線通信を行うための回路である。ここでは、第1通信周波数のほうが第2通信周波数よりも高いことが好ましい。例えば、第1通信周波数を搬送周波数とする無線通信として、NFC等の近接無線通信が適用され、第2通信周波数を搬送周波数とする無線通信として、無線給電が適用される。
上述のようなアンテナ装置1において、並列キャパシタ13は、第1インダクタ2に並列に接続されている。第1インダクタ2は、第1システム用回路71に電気的に接続される。
また、アンテナ装置1は、キャパシタ4と、キャパシタ40とを備える。キャパシタ4は、第2システム用回路72に対して、第1インダクタ2、第2インダクタ3、及び並列共振回路5と並列に接続されている。第1インダクタ2と第2インダクタ3と並列共振回路5とキャパシタ40とで構成される直列回路は、第2システム用回路72に電気的に接続されている。また、第1インダクタ2は、第1システム用回路71に対して、第2インダクタ3及び並列共振回路5と並列接続されている。
並列キャパシタ13と第1インダクタ2は、第1通信周波数で共振する共振回路を構成する。また、第1インダクタ2と第2インダクタ3と並列共振回路5とキャパシタ40とで構成される直列回路は、第2通信周波数帯で共振する共振回路を構成する。並列共振回路5は、第1通信周波数よりも低い並列共振周波数で共振する。キャパシタ4の第1通信周波数帯におけるインピーダンスは、キャパシタ4の第2通信周波数帯におけるインピーダンスよりも低い。また、キャパシタ4の第1通信周波数帯におけるインピーダンスが低いため、キャパシタ4の両端はショートに近づく。一方、キャパシタ4の第2通信周波数帯におけるインピーダンスが高いため、キャパシタ4の両端はオープンに近づく。したがって、第1通信周波数を搬送周波数とする第1システム用回路71で動作する際に、第1通信周波数の信号の電流は、キャパシタ4を通る電流経路を流れる。また、第2通信周波数を搬送周波数とする第2システム用回路72で動作する際に、第2通信周波数の信号の電流は、キャパシタ4を通る電流経路でなく、第1インダクタ2及び第2インダクタ3を通る電流経路を流れる。
本発明の実施はこの構成に限定されるものでなく、第1通信周波数を搬送周波数とする第1システム用回路71で動作する際に、第1インダクタ2、第2インダクタ3、並列共振回路5を周回する電流経路をもつ回路が構成されればよい。例えば、キャパシタ4の代わりに、使用周波数帯によってインピーダンスが変化するフィルタ回路を用いてもよい。第2システム用回路72に対して、第1インダクタ2、第2インダクタ3、及び並列共振回路5と並列に接続されている回路素子として、実装部品としてのキャパシタ4を設けるのでなく、回路内の素子のキャパシタンス(キャパシタンス成分)を利用してもよい。上記回路素子として、第2システム用回路72内のIC素子の持つ寄生容量等を代用してもよい。
第1インダクタ2は、第2システム用回路72に対して、第2インダクタ3と直列接続されている。第2システム用回路72、第1インダクタ2及び第2インダクタ3は互いに直列接続されていれば、接続関係は図1の実施構造に限定されない。また、並列共振回路5の接続関係も図1の実施構造に限定されない。例えば、並列共振回路5の接続関係は、図10〜図12に示すような接続関係であってもよい。図10に示す接続関係では、並列共振回路5は、第2インダクタ3と第2システム用回路72との間ではなく、第1インダクタ2と第2システム用回路72との間に接続されている。図11に示す接続関係では、並列共振回路5は、第1インダクタ2と第2インダクタ3との間に接続されている。図12に示す接続関係では、並列共振回路5は、第1インダクタ2と第2インダクタ3との直列回路と並列接続されている。図10〜図12では、キャパシタ4等の回路素子の図示を省略している。
なお、第2システム用回路72が第1通信周波数帯においてショートに見える場合には、並列共振回路5は、図10及び図11に示すように、第2システム用回路72に対して、第1インダクタ2及び第2インダクタ3と直列接続されていることが好ましい。すなわち、第2システム用回路72が第1通信周波数帯においてショートに見える場合には、第1インダクタ2及び第2インダクタ3からの電流の多くが、並列共振回路5を通過するため、通信特性が向上する。
このようなアンテナ装置1によれば、第1通信周波数を搬送周波数とする第1システム用回路71で動作する際に、第1インダクタ2に流れる第1電流と第2インダクタ3に流れる第2電流とが打ち消し合わないようにすることができる。あるいは、第1インダクタ2に流れる第1電流と第2インダクタ3に流れる第2電流とが打ち消し合うのを抑制することができる。その結果、第1通信周波数を搬送周波数とする第1システム用回路71における通信距離の低下を抑制することができる。また、第1インダクタ2に流れる第1電流と第2インダクタ3に流れる第2電流とが打ち消し合わないため、第1電流により発生する磁束に対して、第2電流により発生する磁束は強め合うように発生することができる。したがって、第1通信周波数を搬送周波数とする第1システム用回路71における通信特性を向上することができる。
アンテナ装置1は、上述したように、第1システム用回路71及び第2システム用回路72と共に用いられる。つまり、アンテナ装置1は、通信システム7に用いられる。
通信システム7は、図1に示すように、アンテナ装置1と、第1システム用回路71と、第2システム用回路72とを備える。
さらに、アンテナ装置1は、図9A〜図9Cに示すように、電子機器8に搭載され、例えば、電子機器8に対する無線給電(「無線充電」を含む)に用いられる。
(2)アンテナ装置の各構成要素
次に、実施形態1に係るアンテナ装置1の各構成要素について、図面を参照して説明する。
アンテナ装置1は、図1に示すように、第1インダクタ2と、第2インダクタ3と、キャパシタ4と、キャパシタ40と、並列共振回路5とを備える。また、アンテナ装置1は、フィルタ11と、複数(図示例では2つ)の直列キャパシタ12と、並列キャパシタ13とを更に備える。
さらに、アンテナ装置1は、図2A及び図2Bに示すように、基材14と、磁性体15とを備える。また、アンテナ装置1は、図3に示すように、3つの接続端子(第1接続端子16、第2接続端子17、第3接続端子18)と、第1保護層(図示せず)と、第2保護層(図示せず)とを更に備える。図1に示す回路ブロック10が図2に示す基材14に設けられている。
(2.1)基材
基材14は、図2A及び図2Bに示すように、樹脂などの電気絶縁材料により板状又はシート状に形成されており、互いに対向する第1主面141及び第2主面142を有する。基材14に用いられる電気絶縁材料としては、例えば、ポリイミド、PET(Poly Ethylene Terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)又は液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer:LCP)がある。基材14は、厚さ方向(第1方向D1)からの平面視で正方形状である。
基材14には、単一の部材であり、第1インダクタ2及び第2インダクタ3が一体的に設けられている。また、基材14には、後述のインダクタ51及びキャパシタ52が設けられている。
なお、基材14の第1主面141及び基材14の第2主面142は互いに平行である。また、基材14の第1主面141及び基材14の第2主面142は互いに対向し、基材14の第1主面141の法線方向及び基材14の第2主面142の法線方向は第1方向D1と略一致する。
(2.2)第1インダクタ
第1インダクタ2は、図1に示すように、第1システム用回路71に電気的に接続されている。より詳細には、第1インダクタ2は、フィルタ11及び複数の直列キャパシタ12を介して第1システム用回路71に接続されている。第1インダクタ2は、並列キャパシタ13と共に共振回路を構成する。ここで、「電気的に接続されている」とは、直接導通していることだけでなく、キャパシタ等による容量結合を介して接続されていることを含む。また、本願において「直列に接続されている」は、特に断りがないかぎり、「直列に電気的に接続されている」ことを意味する。「並列に接続されている」は、特に断りがないかぎり、「並列に電気的に接続されている」ことを意味する。
第1インダクタ2は、図2A、図2B、及び図3に示すように、基材14に設けられており、スパイラル状に巻回されている。第1インダクタ2は、第1開口24を有する。より詳細には、第1インダクタ2は、第1コイル導体部21と、第2コイル導体部22と、複数の第1ビア導体23とを備える。第1インダクタ2の抵抗成分を低減するために、第1コイル導体部21と第2コイル導体部22とが並列に接続されており、第1コイル導体部21と第2コイル導体部22とを複数の第1ビア導体23が電気的に接続している。
第1コイル導体部21は、図2A及び図2Bに示すように、第1方向D1に沿った軸の周りにスパイラル状に設けられている。第1コイル導体部21は、例えば5回巻かれた状態に設けられている。第1コイル導体部21は、銅又はアルミニウムなどにより、基材14の第1主面141に設けられている。例えば、エッチング又は印刷により、銅膜又はアルミニウム膜が基材14の第1主面141上に形成されることによって、第1コイル導体部21が基材14の第1主面141に設けられる。
第2コイル導体部22は、第1コイル導体部21と同様、図2B及び図3に示すように、第1方向D1に沿った軸の周りにスパイラル状に設けられている。第2コイル導体部22は、例えば5回巻かれた状態に設けられている。第2コイル導体部22は、銅又はアルミニウムなどにより、基材14の第2主面142に設けられている。例えば、エッチング又は印刷により、銅膜又はアルミニウム膜が基材14の第2主面142上に形成されることによって、第2コイル導体部22が基材14の第2主面142に設けられる。
ここで、スパイラル状に設けられているコイル導体部(第1コイル導体部21、第2コイル導体部22)は、一の平面上において巻回軸の周りに渦巻き状に複数回巻回されているような形状の2次元のコイル導体部であってもよいし、あるいは、巻回軸の周りに巻回軸に沿ってらせん状に複数回巻回されているような形状の3次元のコイル導体部であってもよい。図2A及び図3は、2次元のコイル導体部を示す。
第2コイル導体部22は、第1方向D1からの平面視で、第1コイル導体部21と重なる位置にある。そして、第2コイル導体部22は、第1方向D1からの平面視で、第1コイル導体部21に沿って形成されている。言い換えると、第2コイル導体部22は、第1コイル導体部21と交差して形成されているのではなく、第2コイル導体部22の長手方向が第1コイル導体部21の長手方向と略一致するように形成されている。
上記のように、第2コイル導体部22が第1コイル導体部21と重なっていることにより、第1コイル導体部21及び第2コイル導体部22で囲まれている第1開口24を大きくしつつ、第1インダクタ2が大きくなることを抑制することができる。
複数の第1ビア導体23は、図2A及び図2Bに示すように、第1コイル導体部21と第2コイル導体部22との間に互いに並列に接続されており、基材14を貫通する。複数の第1ビア導体23は、図2Aに示すように、第1方向D1からの平面視で互いに異なる位置に設けられており、第1コイル導体部21と第2コイル導体部22とを電気的に接続させる。複数の第1ビア導体23は、基材14の内部において互いに異なる位置に設けられている。
第1コイル導体部21と第2コイル導体部22とは、複数の第1ビア導体23により、電気的に接続されている。これにより、第1ビア導体23を介して電流を第1方向D1に流すことができるため、第1コイル導体部21のみ、あるいは、第2コイル導体部22のみで第1インダクタが構成されている場合に比べて、抵抗成分を小さくすることができる。
(2.3)第2インダクタ
第2インダクタ3は、図1に示すように、第1インダクタ2と接続されている。より詳細には、第2インダクタ3は、第1端及び第2端を有し、第1端は、第1インダクタ2に接続されており、第2端は、並列共振回路5に接続されている。つまり、第2インダクタ3は、第1インダクタ2と共に直列回路を構成する。
第2インダクタ3は、図2A、図2B、及び図3に示すように、基材14に設けられており、スパイラル状に巻回されている。第2インダクタ3は、第2開口34を有する。第2開口34は、第1インダクタ2の第1開口24と重なる。より詳細には、第2インダクタ3は、第3コイル導体部31と、第4コイル導体部32と、複数の第2ビア導体33とを備える。第2インダクタ3の抵抗成分を低減するために、第3コイル導体部31と第4コイル導体部32とが電気的に並列に接続されており、第3コイル導体部31と第4コイル導体部32とを複数の第2ビア導体33が電気的に接続している。
ここで、第2インダクタ3の線幅は、第1インダクタ2の線幅よりも太い。より詳細には、第2インダクタ3の第3コイル導体部31の線幅は、第1インダクタ2の第1コイル導体部21の線幅よりも太い。同様に、第2インダクタ3の第4コイル導体部32の線幅は、第1インダクタ2の第2コイル導体部22の線幅よりも太い。
第3コイル導体部31は、第1インダクタ2の第1コイル導体部21と同様、図2A及び図2Bに示すように、第1方向D1に沿った軸の周りにスパイラル状に設けられている。第3コイル導体部31は、例えば5回巻かれた状態に設けられている。第3コイル導体部31は、銅又はアルミニウムなどにより、基材14の第1主面141に設けられている。例えば、エッチング又は印刷により、銅膜又はアルミニウム膜が基材14の第1主面141上に形成されることによって、第3コイル導体部31が基材14の第1主面141に設けられる。
第4コイル導体部32は、第1インダクタ2の第2コイル導体部22と同様、図2B及び図3に示すように、第1方向D1に沿った軸の周りにスパイラル状に設けられている。第4コイル導体部32は、例えば5回巻かれた状態に設けられている。第4コイル導体部32は、銅又はアルミニウムなどにより、基材14の第2主面142に設けられている。例えば、エッチング又は印刷により、銅膜又はアルミニウム膜が基材14の第2主面142上に形成されることによって、第4コイル導体部32が基材14の第2主面142に設けられる。
ここで、スパイラル状に設けられているコイル導体部(第3コイル導体部31、第4コイル導体部32)は、一の平面上において巻回軸の周りに渦巻き状に複数回巻回されているような形状の2次元のコイル導体部であってもよいし、あるいは、巻回軸の周りに巻回軸に沿ってらせん状に複数回巻回されているような形状の3次元のコイル導体部であってもよい。図2A及び図3は、2次元のコイル導体部を示す。
第4コイル導体部32は、第1方向D1からの平面視で、第3コイル導体部31と重なる位置にある。そして、第4コイル導体部32は、第1方向D1からの平面視で、第3コイル導体部31に沿って形成されている。言い換えると、第4コイル導体部32は、第3コイル導体部31と交差して形成されているのではなく、第4コイル導体部32の長手方向が第3コイル導体部31の長手方向と略一致するように形成されている。
上記のように、第4コイル導体部32が第3コイル導体部31と重なっていることにより、第3コイル導体部31及び第4コイル導体部32で囲まれている第2開口34を大きくしつつ、第2インダクタ3が大きくなることを抑制することができる。
複数の第2ビア導体33は、図2A及び図2Bに示すように、第3コイル導体部31と第4コイル導体部32との間に互いに並列に接続されており、基材14を貫通する。複数の第2ビア導体33は、図2Aに示すように、第1方向D1からの平面視で互いに異なる位置に設けられており、第3コイル導体部31と第4コイル導体部32とを電気的に接続させる。複数の第2ビア導体33は、基材14の内部において互いに異なる位置に設けられている。
第3コイル導体部31と第4コイル導体部32とは、複数の第2ビア導体33により、電気的に接続されている。これにより、第2ビア導体33を介して電流を第1方向D1に流すことができるため、第3コイル導体部31のみ、あるいは、第4コイル導体部32のみで第2インダクタが構成されている場合に比べて、抵抗成分を小さくすることができる。
(2.4)キャパシタ
キャパシタ40は、図1に示すように、第1インダクタ2、第2インダクタ3、及び並列共振回路5と直列に接続されている。
キャパシタ4は、図1に示すように、第1インダクタ2と第2インダクタ3と並列共振回路5とキャパシタ40とで構成される直列回路と並列に接続されている。つまり、キャパシタ41は、並列キャパシタである。キャパシタ41は、第2システム用回路72に電気的に接続されている。
(2.5)並列共振回路
並列共振回路5は、図1に示すように、第1インダクタ2及び第2インダクタ3と直列に接続されている。より詳細には、並列共振回路5の両端のうちの第1端は、第2インダクタ3に接続されており、上記両端のうちの第2端は、キャパシタ40を介して、第2システム用回路72に接続されている。
並列共振回路5は、インダクタ51(インダクタンス成分)と、キャパシタ52(キャパシタンス成分)とを備える。インダクタ51は、第1インダクタ2及び第2インダクタ3と直列に接続されている。キャパシタ52は、インダクタ51と並列に接続されている。
並列共振回路5は、第1インダクタ2、第2インダクタ3、及びキャパシタ40と共に、直列回路を構成する。そして、第1インダクタ2と第2インダクタ3と並列共振回路5とキャパシタ40とで構成される直列回路は、第2システム用回路72に電気的に接続されている。
また、第1インダクタ2、第2インダクタ3、並列共振回路5、及びキャパシタ40は、第2通信周波数で共振する共振回路を構成する。
並列共振回路5は、第1システム用回路71の第1通信周波数よりも低い並列共振周波数で共振する。
並列共振回路5は、図2Aに示すように、第1方向D1から平面視した場合、基材14内において、第1インダクタ2及び第2インダクタ3が設けられている領域よりも外側に設けられている。すなわち、インダクタ51とキャパシタ52は、第1インダクタ2及び第2インダクタ3が設けられている領域と基材14の角143との間のスペースに配置されている。
インダクタ51は、基材14に設けられており、スパイラル状に巻回されている。より詳細には、インダクタ51は、第1方向D1に沿った軸の周りにスパイラル状に設けられている。インダクタ51は、例えば3回巻かれた状態に設けられている。インダクタ51は、銅又はアルミニウムなどにより、基材14の第1主面141に設けられている。例えば、エッチング又は印刷により、銅膜又はアルミニウム膜が基材14の第1主面141上に形成されることによって、インダクタ51が基材14の第1主面141に設けられる。インダクタ51は、第1インダクタ2の第1コイル導体部21、及び第2インダクタ3の第3コイル導体部31と共に、基材14の第1主面141上に形成される。
ここで、スパイラル状に設けられているインダクタ51は、一の平面上において巻回軸の周りに渦巻き状に複数回巻回されているような形状の2次元のコイル導体であってもよいし、あるいは、巻回軸の周りに巻回軸に沿ってらせん状に複数回巻回されているような形状の3次元のコイル導体であってもよい。図2Aは、2次元のコイル導体を示す。なお、図2Aに示されるように、インダクタ51は、第1方向D1からの平面視において、略三角形状となるように巻き回されている。
このような回路構成のアンテナ装置1において、図1に示すように、第1通信周波数を搬送周波数とする無線通信では、第1インダクタ2のみが用いられる。一方、第2通信周波数を搬送周波数とする無線通信では、第1インダクタ2と第2インダクタ3の両方が用いられる。
ところで、第1システム用回路71で動作する際に、第1インダクタ2に流れる第1電流と第2インダクタ3に流れる第2電流との間の位相差の絶対値|Δθs|が90°未満になるように、並列共振回路5のインダクタ51のインダクタンス及びキャパシタ52のキャパシタンスが設定されている。
図4Aは、第1インダクタ2に流れる第1電流の位相特性A1と、第2インダクタ3に流れる第2電流の位相特性A2とを示す。並列共振回路5の並列共振周波数は13MHzである。
並列共振回路5が設けられていない場合、第1システム用回路71で動作する際、第1インダクタ2に流れる第1電流と、第2インダクタ3に流れる第2電流とが弱め合う。第1インダクタ2と第2インダクタ3とが同軸上に設けられているため、第1インダクタ2と第2インダクタ3とには強い磁界結合が作用する。これにより、第1インダクタ2と第2インダクタ3とには、逆位相の電流が流れる。並列共振回路5が設けられていない場合、第1電流の位相θ1は常に0°であり、第2電流の位相θ2は常に−180°である。
一方、並列共振回路5が設けられている場合、第1システム用回路71で動作する、第1インダクタ2に流れる第1電流の位相θ1は、通常0°であるのに対し、第2インダクタ3に流れる第2電流の位相θ2は、通常−180°である。ところが、第1電流の位相θ1及び第2電流の位相θ2は、並列共振回路5のインダクタンス及びキャパシタンスにより、それぞれ特定の周波数帯で変化する。第2電流の位相θ2のほうが第1電流の位相θ1よりも低周波側で変化する。
そして、上記のような位相特性A1,A2から、第1電流の位相θ1と第2電流の位相θ2との間の位相差の絶対値|Δθs|は、図4Bに示すように変化する。位相差の絶対値|Δθs|は、0°以上90°未満である場合、良好な特性となる。並列共振回路5の並列共振周波数が13MHzであるとき、第1通信周波数が13MHz〜13.8MHzの範囲で良好な特性が得られる。なお、図4Bは、第1電流の位相θ1と第2電流の位相θ2との間の位相差Δθsを示す。
続いて、第1システム用回路71で動作した際に位相差の絶対値|Δθs|が0°以上90°未満となる第1通信周波数の周波数帯について説明する。
位相差の絶対値|Δθs|が0°以上90°未満となる第1通信周波数の周波数帯の最小周波数flowは、図5〜図7に示すように、第1インダクタ2のインダクタンス、第2インダクタ3のインダクタンス、及び、第1インダクタ2と第2インダクタ3との間の結合係数のいずれにも相関なく一定である。一方、位相差の絶対値|Δθs|が0°以上90°未満となる第1通信周波数の周波数帯の最大周波数fhighは、図5〜図7に示すように、第1インダクタ2のインダクタンス、第2インダクタ3のインダクタンス、及び結合係数のいずれに対しても負の相関がある。言い換えると、図5に示すように、第1インダクタ2のインダクタンスが小さいほど、最大周波数fhighは大きい。図6に示すように、第2インダクタ3のインダクタンスが小さいほど、最大周波数fhighは大きい。図7に示すように、結合係数が小さいほど、最大周波数fhighは大きい。
図8は、本実施形態において最大周波数fhighが最大となる場合、具体的には第1インダクタ2のインダクタンスがインダクタ51のインダクタンスと等しく、第2インダクタ3のインダクタンスがインダクタ51と等しく、第1インダクタ2と第2インダクタ3との間の結合係数が0.01である場合の、並列共振回路5の並列共振周波数f3に対する第1通信周波数の周波数帯の最小周波数flowの比(flow/f3)と、並列共振回路5の並列共振周波数f3に対する上記周波数帯の最大周波数fhighの比(fhigh/f3)とを示す。図8の特性B1より、並列共振回路5の並列共振周波数f3に対する上記周波数帯の最小周波数flowの比(flow/f3)は1となる。つまり、上記周波数帯の最小周波数flowは、並列共振回路5の並列共振周波数f3に等しい。また、図8の特性B2より、並列共振回路5の並列共振周波数f3に対する上記周波数帯の最大周波数fhighの比(fhigh/f3)は、1.6以下となる。図8の特性B2では、並列共振周波数f3に対する上記周波数帯の最大周波数fhighの比(fhigh/f3)は1.43である。
上記より、位相差の絶対値|Δθs|が0°以上90°未満となるには、第1通信周波数は、並列共振回路5の並列共振周波数f3の1倍以上1.6倍以下であればよい。
(2.6)フィルタ
フィルタ11は、図1に示すように、2つのインダクタ111と、2つのキャパシタ112とを備える。各インダクタ111は、第1インダクタ2と第1システム用回路71とをつなぐ第1経路上に設けられている。各キャパシタ112は、第1経路上におけるインダクタ111と第1インダクタ2との間のノードとグランドとの間の経路上に設けられている。
(2.7)接続端子
3つの接続端子(第1接続端子16、第2接続端子17、第3接続端子18)は、図3に示すように、電子機器8の回路基板81(図9A参照)と第1インダクタ2及び第2インダクタ3とを電気的に接続するために、基材14(図2B参照)の第2主面142に形成されている。図1に示すように、第1接続端子16は、第1インダクタ2と第2インダクタ3との間に電気的に接続されている。第2接続端子17は、第1インダクタ2の他端に電気的に接続されている。第3接続端子18は、並列共振回路5に電気的に接続されている。
(2.8)第1保護層及び第2保護層
第1保護層(図示せず)は、図2Bに示す基材14の第1主面141に設けられた第1コイル導体部21及び第3コイル導体部31を覆い、外力などから第1コイル導体部21及び第3コイル導体部31を保護する。第1保護層は、樹脂などの電気絶縁材料により板状又はシート状に形成されている。第1方向D1からの平面視において、第1保護層の平面形状は、基材14と略同じ形状である。第1保護層は、図示しない接着層を介して基材14の第1主面141に貼付されている。
第2保護層(図示せず)は、図2Bに示す基材14の第2主面142に設けられた第2コイル導体部22及び第4コイル導体部32を覆い、外力などから第2コイル導体部22及び第4コイル導体部32を保護する。第2保護層は、第1保護層と同様、樹脂などの電気絶縁材料により板状又はシート状に形成されている。第1方向D1からの平面視において、第2保護層の平面形状は、基材14と略同じ形状である。第2保護層は、図示しない接着層を介して基材14の第2主面142に貼付されている。
(2.9)磁性体
磁性体15は、図2Bに示すように、第1インダクタ2及び第2インダクタ3の平面視で少なくとも一部が第1インダクタ2及び第2インダクタ3と重なる。より詳細には、磁性体15は、第1方向D1において第2コイル導体部22及び第4コイル導体部32と対向するように設けられている。磁性体15は、フェライトなどの強磁性材料により四角形の板状又は四角形のシート状に形成されている。磁性体15は、基材14よりも高い透磁率を有する。磁性体15に用いられる強磁性材料としては、例えばNi−Zn−Cu系フェライト、Mn−Zn−Fe系フェライト、又は六方晶系フェライトがある。磁性体15は、第1コイル導体部21及び第3コイル導体部31に比べて第2コイル導体部22及び第4コイル導体部32に近接する。
(3)通信システム
通信システム7は、図1に示すように、アンテナ装置1と、第1システム用回路71と、第2システム用回路72とを備える。第1システム用回路71は、第1通信周波数を搬送周波数として無線通信を行うための回路である。第2システム用回路72は、第2通信周波数を搬送周波数として無線通信を行うための回路である。
(4)電子機器
電子機器8は、図9A〜図9Cに示すように、アンテナ装置1と、回路基板81と、筐体82とを備える。電子機器8は、例えば、スマートフォンを含む携帯電話、ウェアラブル機器、腕時計型端末、ヘッドフォン又は補聴器である。回路基板81は、アンテナ装置1を動作させるためのシステム回路を有する。筐体82は、アンテナ装置1及び回路基板81を収容する。筐体82は、直方体状であり、長手方向D31と短手方向D32とを有する。さらに、電子機器8は、回路基板81に設けられた複数の回路素子83と、電子機器8を駆動するためのバッテリ84と、所定の情報を表示するディスプレイデバイス85とを備える。基材14の厚さ方向が筐体82の高さ方向D33に沿うように、アンテナ装置1は、筐体82に収容されている。
(5)効果
以上説明したように、実施形態1に係るアンテナ装置1では、第1通信周波数よりも低い並列共振周波数で共振する並列共振回路5が第1インダクタ2及び第2インダクタ3に直列に接続されている。これにより、第1システム用回路71で動作する際に、第1インダクタ2に流れる第1電流と第2インダクタ3に流れる第2電流とが打ち消し合わないようにすることができる。その結果、第1システム用回路71で動作する際の通信距離の低下を抑制することができる。
実施形態1に係るアンテナ装置1によれば、第1システム用回路71での動作と第2システム用回路72での動作とを切り替えるためのスイッチが不要である。その結果、スイッチが設けられる場合に比べて、アンテナ装置1を小型にすることができ、かつ、コストを低減させることができる。
実施形態1に係るアンテナ装置1では、第1インダクタ2の第1電流と第2インダクタ3の第2電流との間の位相差の絶対値|Δθs|が90°未満になるように並列共振回路5のインダクタ51(インダクタンス成分)及びキャパシタ52(キャパシタンス成分)が設定されている。これにより、第1インダクタ2と第2インダクタ3で発生する磁界強度を高めることができる。
実施形態1に係るアンテナ装置1では、第1通信周波数が並列共振周波数の1.6倍以下である。これにより、第1インダクタ2に流れる第1電流と第2インダクタ3に流れる第2電流とが打ち消し合うことをより抑制することができる。
実施形態1に係るアンテナ装置1では、第1インダクタ2及び第2インダクタ3が単一の基材14に一体的に設けられている。これにより、アンテナ装置1全体を小型にすることができる。
実施形態1に係るアンテナ装置1では、基材14内において第1インダクタ2及び第2インダクタ3が設けられている領域よりも外側に並列共振回路5が設けられている。これにより、第1インダクタ2と第2インダクタ3と並列共振回路5に使用されるインダクタ51との間の不要な磁界結合を軽減することができ、並列共振回路5を第1インダクタ2及び第2インダクタ3と単一の基材14に形成することができる。
(6)変形例
以下、実施形態1の変形例について説明する。
インダクタ51が設けられている部分のみ、第1通信周波数(例えば13.56MHz)において低損失な特性を有する磁性体を用いてもよい。上記磁性体の材料として、例えばNi−Zn−Fe系フェライトのような、第2通信周波数だけでなく第1通信周波数においても高透磁率を有する材料が好ましい。これにより、第1通信周波数帯での共振回路のQ値を高めることができる。
インダクタ51の上方に磁性体が設けられていてもよい。これにより、共振回路のQ値を高めることができる。さらに、インダクタ51のインダクタンスを大きくすることができる。その結果、設計自由度を高めることができる。
インダクタ51は、チップ部品であってもよい。これにより、占有面積を縮小することができる。
キャパシタ52は、チップ部品でなく、基材14に設けられた2つのパターン導体と、2つのパターン導体の間の誘電体とで構成されてもよい。
第2インダクタ3の漏洩磁界をキャンセルするように、インダクタ51を複数のコイル導体で構成してもよい。例えば、インダクタ51の巻き方及び結線の方法を調整する。これにより、インダクタ51と第2インダクタ3との結合を低減させることができ、結合による影響を低下させることができる。その結果、共振周波数の設定を容易に行うことができる。
図13に示すように、図1の回路構成から第1インダクタ2と第2インダクタ3とを逆にしてもよい。つまり、第2インダクタ3と並列共振回路5との間に第1インダクタ2が接続されていてもよい。
また、図14A、図14B、及び図15に示すように、図2A、図2B、及び図3に対して、第1インダクタ2と第2インダクタ3とを置き換えてもよい。これにより、第1インダクタ2の外形を大きくすることができるので、磁界の漏洩範囲を広げることができる。
実施形態1では、第1インダクタ2の第1開口24の全てが第2インダクタ3の第2開口34に重なっているが、第1インダクタ2の第1開口24の一部のみが第2インダクタ3の第2開口34に重なっている場合であってもよい。要するに、第1インダクタ2の第1開口24の少なくとも一部が第2インダクタ3の第2開口34に重なっていればよい。
また、第1コイル導体部21と第2コイル導体部22とが全て重なっている必要はない。同様に、第3コイル導体部31と第4コイル導体部32とが全て重なっている必要はない。
実施形態1の変形例として、アンテナ装置1は、磁性体15を備えなくてもよい。つまり、磁性体15は必須の構成ではない。
第1インダクタ2及び第2インダクタ3の形状は、円状に限定されない。第1インダクタ2及び第2インダクタ3は、第1方向D1からの平面視で、楕円状に形成されてもよいし、長方形状又は正方形状のような四角形状に形成されていてもよい。あるいは、第1インダクタ2及び第2インダクタ3は、四角形以外の多角形状に形成されていてもよい。
インダクタ51の形状は、三角形状に限定されない。インダクタ51は、第1方向D1からの平面視で、円状に形成されてもよいし、楕円状に形成されてもよいし、長方形状又は正方形状のような四角形状に形成されていてもよい。あるいは、インダクタ51は、三角形及び四角形以外の多角形状に形成されていてもよい。
また、第1インダクタ2は、第1コイル導体部21と第2コイル導体部22との2層構造には限定されず、3層以上の構造であってもよい。要するに、第1インダクタ2は、3つ以上のコイル導体部を含んでもよい。同様に、第2インダクタ3は、第3コイル導体部31と第4コイル導体部32との2層構造には限定されず、3層以上の構造であってもよい。要するに、第2インダクタ3は、3つ以上のコイル導体部を含んでもよい。
さらに、第1インダクタ2の第1コイル導体部21及び第2コイル導体部22のループ数(巻回数)は5回に限定されない。第1コイル導体部21及び第2コイル導体部22は、4回以下に巻かれた状態に設けられていてもよいし、6回以上巻かれた状態に設けられていてもよい。
同様に、第2インダクタ3の第3コイル導体部31及び第4コイル導体部32のループ数(巻回数)も5回に限定されない。第3コイル導体部31及び第4コイル導体部32は、4回以下に巻かれた状態に設けられていてもよいし、6回以上巻かれた状態に設けられていてもよい。
また、アンテナ装置1は、樹脂などの電気絶縁材料により形成されている基材14に代えて、例えば磁性材料により形成されている基材を備えてもよい。基材が磁性材料により形成されている場合においても、第1インダクタ2、第2インダクタ3、及びインダクタ51は、磁性材料の基材に直接形成される。また、基材が磁性材料で形成されている場合、基材と磁性体とを兼用することができる。これにより、アンテナ装置1の基材の厚さ方向(第1方向D1)の厚みを低減させることができる。
図16に示すように、第1インダクタ2及び第2インダクタ3はワイヤで形成されていてもよい。この場合、図17A及び図17Bに示すように、基材14には、並列共振回路5が設けられているが、第1インダクタ2及び第2インダクタ3は設けられていない。
アンテナ装置1は、図16に示すように、第1端子91と、第2端子92と、第3端子93とを備える。第1端子91は、第1インダクタ2の一端に設けられている。第2端子92は、第1インダクタ2と第2インダクタ3との間に設けられている。第3端子93は、第2インダクタ3の一端に設けられている。
アンテナ装置1は、図17Bに示すように、第1端子94と、第2端子95と、第3端子96とを備える。第1端子94、第2端子95、及び第3端子96は、基材14の第2主面142上に設けられている。第1端子94及び第2端子95は、コネクタ部品97に電気的に接続されており、第3端子96は、並列共振回路5に電気的に接続されている。第1端子94には第1端子91が電気的に接続され、第2端子95には第2端子92が電気的に接続され、第3端子96には第3端子93が電気的に接続される。
通信システム7は、図18に示すような回路構成であってもよい。通信システム7は、第1システム側の伝送を平衡伝送から不平衡伝送(シングルエンド伝送)に変えてもよい。
図18に示す通信システム7は、1つの直列キャパシタ12と、トランス98とを備える。トランス98は、一次巻線981と、二次巻線982とを含む。一次巻線981は、第1システム用回路71側に接続されている。より詳細には、一次巻線981は、フィルタ11に接続されている。二次巻線982は、アンテナ装置1側に接続されている。より詳細には、二次巻線982は、直列キャパシタ12を介して第1インダクタ2と第2インダクタ3との間に電気的に接続されている。
上記の各変形例に係るアンテナ装置1においても、実施形態1に係るアンテナ装置1と同様の効果を奏する。
(実施形態2)
実施形態2に係るアンテナ装置1aは、図19に示すように第3インダクタ6を備える点で、実施形態1に係るアンテナ装置1(図1参照)と相違する。なお、実施形態2に係るアンテナ装置1aに関し、実施形態1に係るアンテナ装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係るアンテナ装置1aは、図19に示すように、第3インダクタ6を備える。また、アンテナ装置1aは、第1インダクタ2及び第2インダクタ3(図1参照)に代えて、第1インダクタ2a及び第2インダクタ3aを備える。さらに、アンテナ装置1aは、キャパシタ4,40(図1参照)に代えて、複数(図示例では4つ)のキャパシタ41,42を備える。図19に示す回路ブロック10aが基材14(図20参照)に設けられている。
図20A、図20B、及び図21に示すように、第1インダクタ2aは、実施形態1と同様、第1コイル導体部21aと、第2コイル導体部22aと、第1ビア導体23aとを備え、第1開口24aを有する。第2インダクタ3aは、実施形態1と同様、第3コイル導体部31aと、第4コイル導体部32aと、第2ビア導体33aとを備え、第2開口34aを有する。
第3インダクタ6は、図19に示すように、第1インダクタ2a、第2インダクタ3a、及び並列共振回路5と共に共振回路を構成する。第3インダクタ6は、第1インダクタ2aのうち第2インダクタ3aと接続される端とは反対側の端と第2システム用回路72との間に電気的に接続されている。
第3インダクタ6のインピーダンスは、第2システム用回路72で動作する際に、第2インダクタ3aと並列共振回路5とのインピーダンスと等しくなるようにあらかじめ設定されている。
実施形態2に係るアンテナ装置1aでは、第1インダクタ2a、第2インダクタ3a、及び第3インダクタ6は、図20A、図20B、及び図21に示すように、基材14に設けられている。第3インダクタ6は、第1インダクタ2a及び第2インダクタ3aの最内周よりも内側に設けられている。
第3インダクタ6は、図20A、図20B、及び図21に示すように、基材14に設けられており、スパイラル状に巻回されている。第3インダクタ6は、第3開口64を有する。より詳細には、第3インダクタ6は、第5コイル導体部61と、第6コイル導体部62と、複数の第3ビア導体63とを備える。第3インダクタ6の抵抗成分を低減するために、第5コイル導体部61と第6コイル導体部62とが電気的に並列に接続されており、第5コイル導体部61と第6コイル導体部62とを複数の第3ビア導体63が電気的に接続している。
第5コイル導体部61は、図20A及び図20Bに示すように、第1方向D1に沿った軸の周りにスパイラル状に設けられている。第5コイル導体部61は、例えば2回巻かれた状態に設けられている。第5コイル導体部61は、銅又はアルミニウムなどにより、基材14の第1主面141に設けられている。例えば、エッチング又は印刷により、銅膜又はアルミニウム膜が基材14の第1主面141上に形成されることによって、第5コイル導体部61が基材14の第1主面141に設けられる。
第6コイル導体部62は、第5コイル導体部61と同様、図20B及び図21に示すように、第1方向D1に沿った軸の周りにスパイラル状に設けられている。第6コイル導体部62は、例えば2回巻かれた状態に設けられている。第6コイル導体部62は、銅又はアルミニウムなどにより、基材14の第2主面142に設けられている。例えば、エッチング又は印刷により、銅膜又はアルミニウム膜が基材14の第2主面142上に形成されることによって、第6コイル導体部62が基材14の第2主面142に設けられる。
ここで、スパイラル状に設けられているコイル導体部(第5コイル導体部61、第6コイル導体部62)は、一の平面上において巻回軸の周りに渦巻き状に複数回巻回されているような形状の2次元のコイル導体部であってもよいし、あるいは、巻回軸の周りに巻回軸に沿ってらせん状に複数回巻回されているような形状の3次元のコイル導体部であってもよい。図20A及び図21は、2次元のコイル導体部を示す。
第6コイル導体部62は、第1方向D1からの平面視で、第5コイル導体部61と重なる位置にある。そして、第6コイル導体部62は、第1方向D1からの平面視で、第5コイル導体部61に沿って形成されている。言い換えると、第6コイル導体部62は、第5コイル導体部61と交差して形成されているのではなく、第6コイル導体部62の長手方向が第5コイル導体部61の長手方向と略一致するように形成されている。
上記のように、第6コイル導体部62が第5コイル導体部61と重なっていることにより、第5コイル導体部61及び第6コイル導体部62で囲まれている第3開口64を大きくしつつ、第3インダクタ6が大きくなることを抑制することができる。
複数の第3ビア導体63は、第5コイル導体部61と第6コイル導体部62との間に互いに並列に接続されており、基材14を貫通する。複数の第3ビア導体63は、図20Aに示すように、第1方向D1からの平面視で互いに異なる位置に設けられており、第5コイル導体部61と第6コイル導体部62とを電気的に接続させる。複数の第3ビア導体63は、基材14の内部において互いに異なる位置に設けられている。
第5コイル導体部61と第6コイル導体部62とは、複数の第3ビア導体63により、電気的に接続されている。これにより、第3ビア導体63を介して電流が第1方向D1に流れることができるため、第5コイル導体部61のみ、あるいは、第6コイル導体部62のみで第3インダクタ6が構成されている場合に比べて、抵抗成分を小さくすることができる。
第5コイル導体部61は、第1インダクタ2aの第1コイル導体部21aに接続されている。第1コイル導体部21aは、実施形態1と同様、第2インダクタ3aの第3コイル導体部31aに接続されている。第6コイル導体部62は、第1インダクタ2aの第2コイル導体部22aに接続されている。第2コイル導体部22aは、実施形態1と同様、第2インダクタ3aの第4コイル導体部32aに接続されている。なお、実施形態1と同様、第1コイル導体部21aと第2コイル導体部22aとを複数の第1ビア導体23aが電気的に接続しており、第3コイル導体部31aと第4コイル導体部32aとを複数の第2ビア導体33aが電気的に接続している。
実施形態2に係るアンテナ装置1aは、図19に示すように、4つの接続端子(第1接続端子16、第2接続端子17、第3接続端子18、第4接続端子19)を備える。4つの接続端子は、図21に示すように、電子機器8の回路基板81(図9A参照)と第1インダクタ2及び第2インダクタ3とを電気的に接続するために、基材14(図20B参照)の第2主面142に形成されている。より詳細には、第1接続端子16は、第1インダクタ2と第2インダクタ3との間に電気的に接続されている。第2接続端子17は、第1インダクタ2と第3インダクタ6との間に電気的に接続されている。第3接続端子18は、並列共振回路5に電気的に接続されている。第4接続端子19は、第3インダクタ6の一端に電気的に接続されている。
なお、実施形態2に係るアンテナ装置1aの使用例については、実施形態1に係るアンテナ装置1と同様、通信システム7a及び電子機器8に用いられる。
以上説明したように、実施形態2に係るアンテナ装置1aでは、第2システム用回路72で動作する際に、第3インダクタ6のインピーダンスが第2インダクタ3aと並列共振回路5とのインピーダンスと同じである。これにより、第2システム用回路72における2つの平衡回路同士のグランドレベルを揃えることができる。
実施形態2の変形例として、第3インダクタ6は、第1インダクタ2a及び第2インダクタ3aの最外周よりも外側に設けられていてもよい。
上記の変形例に係るアンテナ装置1aにおいても、実施形態2に係るアンテナ装置1aと同様の効果を奏する。
以上説明した実施形態及び変形例は、本発明の様々な実施形態及び変形例の一部に過ぎない。また、実施形態及び変形例は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(まとめ)
以上説明した実施形態及び変形例より以下の態様が開示されている。
第1の態様に係るアンテナ装置(1;1a)は、第1通信周波数を搬送周波数として無線通信を行うための第1システム用回路(71)及び第2通信周波数を搬送周波数として無線通信を行うための第2システム用回路(72)と共に用いられる。アンテナ装置(1;1a)は、第1インダクタ(2;2a)と、第2インダクタ(3;3a)と、並列共振回路(5)とを備える。第1インダクタ(2;2a)は、スパイラル状であって、第1開口(24;24a)を有し、第1システム用回路(71)に電気的に接続される。第2インダクタ(3;3a)は、スパイラル状であって、第1インダクタ(2;2a)の第1開口(24;24a)と重なる第2開口(34;34a)を有し、第1インダクタ(2;2a)と接続されている。第1インダクタ(2;2a)及び第2インダクタ(3;3a)は、第2システム用回路(72)と直列接続される。第2インダクタ(3;3a)及び並列共振回路(5)は、第1システム用回路(71)に対して、第1インダクタ(2;2a)と並列接続されている。並列共振回路(5)は、第1通信周波数よりも低い並列共振周波数で共振する。
第1の態様に係るアンテナ装置(1;1a)によれば、第1システム用回路(71)で動作する際に、第1インダクタ(2;2a)に流れる第1電流と第2インダクタ(3;3a)に流れる第2電流とが打ち消し合わないようにすることができる。その結果、第1システム用回路(71)で動作する際の通信距離の低下を抑制することができる。
第1の態様に係るアンテナ装置(1;1a)によれば、第1システム用回路(71)での動作と第2システム用回路(72)での動作とを切り替えるためのスイッチが不要である。その結果、スイッチが設けられる場合に比べて、アンテナ装置(1;1a)を小型にすることができ、かつ、コストを低減させることができる。
第2の態様に係るアンテナ装置(1;1a)では、第1の態様において、並列共振回路(5)は、インダクタンス成分(インダクタ51)と、キャパシタンス成分(キャパシタ52)とを有する。第1システム用回路(71)で動作する際に、第1インダクタ(2;2a)に流れる第1電流と第2インダクタ(3;3a)に流れる第2電流との間の位相差の絶対値|Δθs|が90°未満になるように、並列共振回路(5)のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分が設定されている。
第2の態様に係るアンテナ装置(1;1a)によれば、第1インダクタ(2;2a)と第2インダクタ(3;3a)が生成する磁界強度を高めることができる。
第3の態様に係るアンテナ装置(1;1a)では、第1又は2の態様において、第1通信周波数は、並列共振周波数の1.6倍以下である。
第3の態様に係るアンテナ装置(1;1a)によれば、第1インダクタ(2;2a)に流れる第1電流と第2インダクタ(3;3a)に流れる第2電流とが打ち消し合うことをより抑制することができる。
第4の態様に係るアンテナ装置(1;1a)は、第1〜3の態様のいずれか1つにおいて、単一の基材(14)を更に備える。基材(14)には、第1インダクタ(2;2a)及び第2インダクタ(3;3a)が一体的に設けられている。
第4の態様に係るアンテナ装置(1;1a)によれば、アンテナ装置(1;1a)全体を小型にすることができる。
第5の態様に係るアンテナ装置(1;1a)では、第4の態様において、並列共振回路(5)は、基材(14)の平面視で、基材(14)のうち第1インダクタ(2;2a)及び第2インダクタ(3;3a)が設けられている領域よりも外側に設けられている。
第5の態様に係るアンテナ装置(1;1a)によれば、第1インダクタ(2;2a)と第2インダクタ(3;3a)と並列共振回路(5)に使用されるインダクタ(51)との間の不要な磁界結合を軽減することができ、並列共振回路(5)を第1インダクタ(2;2a)及び第2インダクタ(3;3a)と単一の基材(14)に形成することができる。
第6の態様に係るアンテナ装置(1a)は、第1〜5の態様のいずれか1つにおいて、第3インダクタ(6)を更に備える。第3インダクタ(6)のインピーダンスは、第2システム用回路(72)で動作する際に、第2インダクタ(3;3a)のインピーダンスと並列共振回路(5)のインピーダンスとの合成インピーダンスと同じとなる。
第6の態様に係るアンテナ装置(1a)によれば、第2システム用回路(72)における2つの平衡回路同士のグランドレベルを揃えることができる。
第7の態様に係る通信システム(7)は、第1〜6の態様のいずれか1つのアンテナ装置(1;1a)と、第1システム用回路(71)と、第2システム用回路(72)とを備える。
第7の態様に係る通信システム(7)によれば、アンテナ装置(1;1a)において、第1システム用回路(71)で動作する際に、第1インダクタ(2;2a)に流れる第1電流と第2インダクタ(3;3a)に流れる第2電流とが打ち消し合わないようにすることができる。その結果、第1システム用回路(2;2a)における通信距離の低下を抑制することができる。
第7の態様に係る通信システム(7)によれば、アンテナ装置(1;1a)において、第1システム用回路(71)での動作と第2システム用回路(72)での動作とを切り替えるためのスイッチが不要である。その結果、スイッチが設けられる場合に比べて、アンテナ装置(1;1a)を小型にすることができ、かつ、コストを低減させることができる。
第8の態様に係る電子機器(8)は、第1〜6の態様のいずれか1つのアンテナ装置(1;1a)と、回路基板(81)と、筐体(82)とを備える。回路基板(81)は、アンテナ装置(1;1a)を動作させるためのシステム回路を有する。筐体(82)は、アンテナ装置(1;1a)及び回路基板(81)を収容する。
第8の態様に係る電子機器(8)によれば、アンテナ装置(1;1a)において、第1システム用回路(71)で動作する際に、第1インダクタ(2;2a)に流れる第1電流と第2インダクタ(3;3a)に流れる第2電流とが打ち消し合わないようにすることができる。その結果、第1システム用回路(71)における通信距離の低下を抑制することができる。
第8の態様に係る電子機器(8)によれば、アンテナ装置(1;1a)において、第1システム用回路(71)での動作と第2システム用回路(72)での動作とを切り替えるためのスイッチが不要である。その結果、スイッチが設けられる場合に比べて、アンテナ装置(1;1a)を小型にすることができ、かつ、コストを低減させることができる。
1,1a アンテナ装置
14 基材
15 磁性体
2,2a 第1インダクタ
24,24a 第1開口
3,3a 第2インダクタ
34,34a 第2開口
5 並列共振回路
51 インダクタ(インダクタンス成分)
52 キャパシタ(キャパシタンス成分)
6 第3インダクタ
7 通信システム
71 第1システム用回路
72 第2システム用回路
8 電子機器
81 回路基板
82 筐体

Claims (8)

  1. 第1通信周波数を搬送周波数として無線通信を行うための第1システム用回路及び第2通信周波数を搬送周波数として無線通信を行うための第2システム用回路と共に用いられるアンテナ装置であって、
    第1開口を有し前記第1システム用回路に電気的に接続されるスパイラル状の第1インダクタと、
    前記第1インダクタの前記第1開口と重なる第2開口を有し前記第1インダクタと接続されているスパイラル状の第2インダクタと、
    並列共振回路と、を備え、
    前記第1インダクタ及び前記第2インダクタは、前記第2システム用回路と直列接続され、
    前記第2インダクタ及び前記並列共振回路は、前記第1システム用回路に対して、前記第1インダクタと並列接続されており、かつ、
    前記並列共振回路は、前記第1通信周波数よりも低い並列共振周波数で共振する、
    アンテナ装置。
  2. 前記並列共振回路は、
    インダクタンス成分と、
    キャパシタンス成分と、を有し、
    前記第1システム用回路で動作する際に、前記第1インダクタに流れる第1電流と前記第2インダクタに流れる第2電流との間の位相差の絶対値が90°未満になるように、前記並列共振回路の前記インダクタンス成分及び前記キャパシタンス成分が設定されている、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第1通信周波数は、前記並列共振周波数の1.6倍以下である、
    請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記第1インダクタ及び前記第2インダクタが一体的に設けられている単一の基材を更に備える、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記並列共振回路は、前記基材の平面視で、前記基材のうち前記第1インダクタ及び前記第2インダクタが設けられている領域よりも外側に設けられている、
    請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 第3インダクタを更に備え、
    前記第3インダクタのインピーダンスは、前記第2システム用回路で動作する際に、前記第2インダクタのインピーダンスと前記並列共振回路のインピーダンスとの合成インピーダンスと同じとなる、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のアンテナ装置と、
    前記第1システム用回路と、
    前記第2システム用回路と、を備える、
    通信システム。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のアンテナ装置と、
    前記アンテナ装置を動作させるためのシステム回路を有する回路基板と、
    前記アンテナ装置及び前記回路基板を収容する筐体と、を備える、
    電子機器。
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