JP5884538B2 - 表面実装型アンテナ - Google Patents

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本発明は、例えば、NFC(Near Field Communication)システムなどに用いられる表面実装型アンテナに関する。
携帯端末の回路基板などに実装し、実装面とに垂直な方向に放射方向を持つコイルアンテナとして、各層の表面にコイルパターンを備えた誘電体層を積層し、各コイルパターンを層間接続導体で接続する構成が知られている。この構成を、NFCシステムのように、例えば、13.56MHz程度の周波数帯で使用する小型のコイルアンテナに用いる場合において、コイルパターンが誘電体層の内部に形成されていることからコイル径を大きくできないため、大きなインダクタンス値を得ることは難しい。一方、大きなインダクタンス値を得るために、基材を誘電体層に代わり磁性体層で構成することはできるが、コイル中心を通る磁束の一部がコイル外部の磁性体部分に閉じ込められ、アンテナ特性が劣化する。
特許文献1には、高利得が得られる無指向性のチップアンテナが開示されている。特許文献1に記載のアンテナは、巻回軸に直交する断面の形状が長方形となるように、誘電体材料または磁性体材料からなる基体内部にコイル導体パターンを形成している。これにより、断面形状を円形または楕円形とした場合よりも、コイル導体の線路長を長くすることができ、電流分布の領域を増やすことができる。これにより、放射効率を高め、アンテナの利得をさらに向上させている。
特開平9−36639号公報
特許文献1記載のチップアンテナにおいては、コイル導体パターンが基体内部に形成されていることから、コイル径を大きくすることが難しい。特に、基体が磁性体材料からなる場合にはコイル中心を通る磁束の一部がコイル外部の磁性体部分に閉じ込められ、アンテナ特性が劣化する。
そこで、本発明の目的は、利得が高い表面実装型アンテナを提供することにある。
本発明に係る表面実装型アンテナは、複数の基材層が積層されてなり、第1の主面および該第1の主面と対向する主面である第2の主面を有する積層体と、積層体の積層方向に直交する一の方向を巻回軸方向として前記積層体に設けられたコイル導体と、前記積層体の前記積層方向に平行な面に設けられ、前記コイル導体が接続されている端子導体と、を備え、前記コイル導体は、前記基材層の面に沿って設けられた複数の第1導体と、前記基材層の面に沿って設けられた複数の第2導体と、前記積層体の積層方向に沿って平行な二側面の一方に設けられた複数の第3導体、および前記二側面の他方に設けられた複数の第4導体と、を有し、前記第1導体、前記第2導体、前記第3導体および前記第4導体が螺旋状に接続されてなることを特徴とする。
この構成では、積層体の二側面に形成した第3導体および第4導体を含むコイル導体を形成することで、積層体のサイズに対してコイル径を大きくすることができる。また、第3および第4導体は積層体の側面に露出しているので、積層体が磁性体を含む場合であってもコイル中心を通る磁束の一部が閉じ込められず、したがって、アンテナ特性が劣化することがない。この結果、表面実装型アンテナのアンテナ特性(利得)を向上させることができる。
前記第3導体および前記第4導体はそれぞれ、前記積層体の各層に形成された層間接続導体が接続されて構成されていることが好ましい。
この構成では、各層にビア導体やスルーホール導体などの層間接続導体を形成して、それら同士を接続して第3導体および第4導体としているため、積層体の積層方向に沿った導体を容易に形成することができる。
前記積層体は磁性体層を有する構成でも良い。
この構成では、磁性体で構成した場合、大きいインダクタンス値を得ることができ、アンテナの放射効率を向上させることができる。
前記積層体は、前記複数の磁性体層を挟むように設けられた非磁性体層を有し、前記コイル導体は、前記非磁性体層と前記磁性体層の間に形成されている、構成が好ましい。
この構成では、コイル導体よりも外層に位置する基材層が非磁性体であるため、磁束が磁性体によって積層体に閉じ込められることによるアンテナ特性の低下を防止できる。また、一般に非磁性体は磁性体よりtanδ(誘電正接)が小さいので、コイル導体のQ値を向上させることができる。
前記第1導体は、前記積層体の第1の主面に設けられ、前記第2導体は、前記積層体の第2の主面に設けられる構成が好ましい。
この構成では、第1導体と第2導体をともに積層体の第1の主面、第2の主面に設けることで、積層体のサイズに対してコイル径をさらに大きくすることができる。また、第3導体および第4導体に加え、第1導体および第2導体も積層体の外面に露出しているので、積層体が磁性体を含む場合であってもコイル中心を通る磁束の一部が閉じ込められず、したがって、アンテナ特性が劣化することがない。この結果、表面実装型アンテナのアンテナ特性(利得)を向上させることができる。
前記端子導体は、前記積層体の同一面に複数設けられ、前記コイル導体は、前記端子導体の一つに接続されている構成でもよい。
この構成では、端子導体が形成された面を表面実装型アンテナの実装面とすることができる。
前記コイル導体は、前記第1導体、前記第2導体、前記第3導体および前記第4導体で囲まれる領域を通り前記端子導体に接続されている構成でもよい。
この構成では、第1導体、第2導体、第3導体および第4導体で囲まれる領域(コイル開口部)を通って端子導体に接続しているため、コイル導体と端子導体とを接続する線路の引き回しを短くでき、直流抵抗を抑制して、Q値の低下を防止できる。また、引き回し線路をコイル開口部に通すことで、コイル径の大きさを確保する弊害とならないため、アンテナ特性の低下を抑制できる。
前記端子導体は、前記積層体の前記二側面に隣接し、前記積層方向に平行な面に設けられている構成が好ましい。
この構成では、積層体の積層方向に沿った二側面に導体を形成する必要があるが、層間接続導体を形成すれば、層間接続導体を端子導体として用いることができる。従って、特別な製造工程を必要としない。
前記端子導体が形成された前記積層体の面に形成されたダミー端子導体を備える構成でもよい。
この構成では、ダミー端子導体を配置することにより、実装基板に対して端子導体に加えるダミー端子導体を介しても接続することが可能となる。これにより、実装基板に対する実装性が高まり、接続信頼性を向上させることができる。
本発明によれば、コイル導体の径をより大きくすることで、アンテナ特性を向上させることができる。また、層間接続導体を形成し、それら同士を接続して、積層体の積層方向に沿った導体とすることで、二側面に第3導体および第4導体を形成するための特別な製造工程を必要とせず、容易に表面実装型アンテナを製造することができる。
プリント基板に実装する前の実施形態1に係る表面実装型アンテナの斜視図。 プリント基板への実装後の表面実装型アンテナの斜視図。 実施形態1に係る表面実装型アンテナの分解斜視図。 積層体に形成されたコイル導体の模式図。 プリント基板に実装する前の実施形態2に係る表面実装型アンテナの斜視図。 実施形態2に係る表面実装型アンテナの分解斜視図。 実施形態3に係る表面実装型アンテナの分解斜視図。 コイル導体の巻線間に構成される浮遊容量を模式的に示す図。 比較対照とするコイル導体の巻線間に構成される浮遊容量を模式的に示す図。 (A)は、表面実装型アンテナを備えた通信端末装置の正面断面図、(B)は通信端末装置の上面透視図。 グランドパターンをブースターアンテナとした場合を説明する図。
(実施形態1)
以下に説明する実施形態1に係る表面実装型アンテナは、例えば、HF帯の高周波信号をキャリア周波数とし、NFCシステムに用いられるリーダライタ用のアンテナである。実施形態1に係る表面実装型アンテナはプリント基板に実装される。
図1はプリント基板に実装する前の実施形態1に係る表面実装型アンテナの斜視図である。図2はプリント基板への実装後の表面実装型アンテナの斜視図である。図3は実施形態1に係る表面実装型アンテナ1の分解斜視図である。
表面実装型アンテナ1は、複数の磁性体層が積層された積層体2を備えている。積層体2は、例えば、磁性体グリーンシートに後述するビア導体や導体パターンなどを形成したものを複数積み重ねてマザー基板を作成したのち、所定のワークサイズ(表面実装型アンテナ1となるサイズ)にカットし、その後、焼成することにより生成される。本実施形態では、積層体2は、積層方向に沿って、第1層21、第2層22、第3層23、第4層24、第5層25、第6層26、第7層27、第8層28および第9層29の計9層の磁性体層を有している。以下では、第1層21側を積層方向における上側とする。なお、マザー基板の状態で焼成を行い、その後カットすることにより積層体2を得てもよい。
なお、積層体2の各層21〜29は、全てが同じ透磁率を有する磁性体でなくてもよく、各層によって透磁率が異なっていてもよい。また、積層体2の各層21〜29の一部は誘電体層であってもよい。
また、製造工程において、各層21〜29となる磁性体グリーンシートが重ね合わされる際、各層21〜28の磁性体グリーンシートは表面(後述のAgパターンが印刷される面)が同方向に重ね合わされ、第9層29の磁性体グリーンシートは、図3に示すように、表裏反対とされて積層体28の磁性体グリーンシートに重ね合わされる。従って、積層体2は第1層21の表面となり、積層体2の底面は第9層29の表面となる。
対向する積層体2の二側面の一方には、積層方向に沿って側面導体(第3導体)31A,32A,33A,34Aが形成され、他方には積層方向に沿って側面導体(第4導体)31B,32B,33B,34Bが形成されている。側面導体31A,32A,33A,34Aおよび側面導体31B,32B,33B,34Bはそれぞれ積層体2の側面に露出している。また、側面導体31A,32A,33A,34Aおよび側面導体31B,32B,33B,34Bはそれぞれ、図3に示すように、積層体2の各層21〜29に形成された層間接続導体であるビア導体が接続されて形成されている。
各層21〜29のビア導体は、磁性体グリーンシートにレーザで貫通させた貫通孔に、導電性ペーストが充填されて形成される。そして、磁性体グリーンシートをワークサイズにカットする際に、形成されたビア導体部分でカットすることで、各層21〜29には露出されたビア導体が形成される。これら各層21〜29のビア導体が接続されて、側面導体31A,32A,33A,34Aおよび側面導体31B,32B,33B,34Bが形成されている。
積層体2の上面(第1の主面、第1層21の表面)には導体パターン31C、32C、33C、34C(第1の導体)が形成されている。導体パターン31C、32C、33C、34Cは、第1層21となるグリーンシート表面に導体パターンが印刷され、グリーンシートの焼成時に同時焼成されることで形成される。導体パターンは例えばAgなどからなる。導体パターン31Cは側面導体31A,31Bと接続されている。導体パターン32Cは側面導体32A,32Bと接続されている。導体パターン33Cは側面導体33A,33Bと接続されている。導体パターン34Cは側面導体34A,34Bと接続されている。
さらに、図3に示すように、積層体2の底面(第2の主面、第9層29の表面)には、複数の導体パターン31D,32D,33D(第2の導体)が形成されている。導体パターン31Dは側面導体32A,32Bと接続され、導体パターン32Dは側面導体33A,33Bと接続され、導体パターン33Dは側面導体34A,34Bと接続されている。これにより、積層方向に直交する一の方向を巻回軸方向とするコイル導体が積層体2に巻回された構成となる。
このように、コイル導体を積層体2の外面に露出するように形成することで、コイル径をより大きくすることができ、その結果、インダクタンス値が大きくなり、表面実装型アンテナ1のアンテナ特性を向上させることができる。また、磁性体の外周をコイル導体が巻回された構造となるので、磁性体による磁界の閉じ込めが少なくなり、放射効率が高まる。また、積層体2の表面に形成される側面導体31A,32A,33A,34Aおよび側面導体31B,32B,33B,34Bは、各層21〜29にビア導体を形成し、そのビア導体部分で切断して形成されているため、特別な製造工程を必要としない。
また、積層体2の上面、底面および二側面に隣接する面(以下、実装面という。)には、端子電極(端子導体)51,52が積層方向に沿って形成されている。この端子電極51,52は、側面導体31A,32A,33A,34Aおよび側面導体31B,32B,33B,34Bと同様に、各層21〜29に形成されたビア導体が接続されて形成されている。端子電極51,52は、表面実装型アンテナ1が実装されるプリント基板100に設けられた電極101,102に接続される。従って、図2に示すように、表面実装型アンテナ1は、積層方向が実装面(プリント基板100の平面)に対して平行な状態でプリント基板100に実装されることとなる。
この端子電極51,52には、積層体2に巻回されたコイル導体の両端が接続されている。具体的には、第2層22には、側面導体34Bと端子電極52とを接続する導体パターン35が形成されている。また、第9層29には、側面導体31Aと電極51とを接続する導体パターン36が形成されている。
図4は積層体2に形成されたコイル導体の模式図である。図4に示すように、表面実装型アンテナ1は、実装面に形成された端子電極51,52を入出力端子とし、実装面の法線方向を巻回軸方向とするコイル導体を有する構成となる。また、コイル導体の一端から端子電極52に接続する信号ライン(導体パターン35)は、コイル導体の内側(コイル開口)を通っている。このため、コイル導体の一端と端子電極とを接続する信号ライン(導体パターン35)によってコイル径を大きくする障害とならない。また、信号ライン(導体パターン35)の引き回しを短くでき、直流抵抗を抑制して、Q値の低下を防止できる。
(実施形態2)
図5はプリント基板に実装する前の実施形態2に係る表面実装型アンテナの斜視図である。図6は実施形態2に係る表面実装型アンテナの分解斜視図である。本実施形態では、積層体2の外層となる第1層21および第9層29は、例えば誘電体材料からなる非磁性体層であって、第1層21および第9層29の間の層22〜28は磁性体層である。なお、第1層21および第9層29の間の層22〜28は一部が誘電体層であってもよい。
本実施形態に係る表面実装型アンテナ1が備える積層体2は、外層の第1層21および第9層29を非磁性体層とし、間の層22〜28を磁性体層とする構成である。そして、積層体2の各層21〜29は表面を同方向にして積層されている。従って、実施形態1とは異なり、積層体2の底面は第9層29の裏面となる。
積層体2の対向する二側面には、実施形態1と同様に、側面導体31A,32A,33A,34Aおよび側面導体31B,32B,33B,34Bが積層体2の側面に露出して形成されている。また、外層(第1層21)と接する第2層22の表面には導体パターン31C、32C、33C、34Cが形成されている。これにより、非磁性体層である第1層21と磁性体層である第2層22との間に複数の導体パターン31C,32C,33C,34Cが形成されている。導体パターン32Cは側面導体32A,32Bを接続している。導体パターン33Cは側面導体33A,33Bを接続している。導体パターン34Cは側面導体34A,34Bを接続している。第9層29の表面には複数の導体パターン31D,32D,33Dが形成されている。これにより、磁性体層である第8層28と非磁性体層である第9層29との間に複数の導体パターン31D,32D,33D,34Dが形成されている。導体パターン31Dは側面導体32A,31Bを接続し、導体パターン32Dは側面導体33A,32Bを接続し、導体パターン33Dは側面導体34A,33Bを接続している。
さらに、第1層21の表面には、側面導体34Bおよび端子電極52を接続する導体パターン35が形成されている。第9層29の表面には、側面導体31Aおよび端子電極51を接続する導体パターン36が形成されている。
この構成における表面実装型アンテナ1は、実施形態1と同様に、積層方向に直交する方向を巻回軸方向とするコイル導体が積層体2に巻回された構成となり、コイル径をより大きくすることができ、表面実装型アンテナ1のアンテナ特性を向上させることができる。また、コイル導体が形成される積層体2の各層22〜28を磁性体層とし、コイル導体の外側の第1層21および第9層29を非磁性体層としているため、コイル導体からの磁束が磁性体によって表面実装型アンテナ1のチップ内に閉じ込められることを抑制している。これにより、表面実装型アンテナ1のアンテナ特性(利得)が向上する。
(実施形態3)
図7は実施形態3に係る表面実装型アンテナの分解斜視図である。実施形態3に係る表面実装型アンテナ1は、誘電体セラミックスを使用したアンテナであり、積層体2の各層21〜29は全て誘電体層である。また、第2層22には、実施形態1と異なり、導体34Bおよび端子電極52を接続する導体パターン35が形成されていない。従って、表面実装型アンテナ1は、コイル導体の一端を端子電極51に接続し、他端を開放端とする、所謂ヘリカルアンテナを構成している。本実施形態3の場合、端子電極52はプリント基板100(図1参照)に実装するためのダミー端子電極となる。
この構成により、実施形態1,2と同様に、コイル径をより大きくすることができ、アンテナ特性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、積層体2の各層を誘電体層としている。コイル導体は、この積層体2の表面に露出して形成されている。これにより、コイル導体の各巻線間に構成される浮遊容量は、コイル導体を積層体2の内部に形成した場合と比べて小さくなる。図8は、コイル導体の巻線間に構成される浮遊容量を模式的に示す図である。図9は、比較対照とするコイル導体の巻線間に構成される浮遊容量を模式的に示す図である。図8は、実施形態3に係る表面実装型アンテナ1であり、積層体2の表面に露出してコイル導体を形成した図である。図9は積層体2の内部にコイル導体を形成した場合の図である。
本実施形態の場合、コイル導体とプリント基板100(グランド)との間に形成される浮遊容量C1、および、コイル導体の巻線間に形成される浮遊容量C2は、積層体2外部に形成される。これに対し、コイル導体を積層体2の内部に形成した場合、コイル導体とプリント基板100との間に構成される浮遊容量C3、および、コイル導体の巻線間に形成される浮遊容量C4は積層体2内部に形成される。このため、浮遊容量C1は浮遊容量C3より小さくなり、浮遊容量C2は浮遊容量C4より小さくなる。このため、本実施形態では、グランドとの電界結合を小さくすることができ、電界が積層体2内部に閉じ込められにくくすることで、表面実装型アンテナ1の放射効率をより向上させることができる。
また、本実施形態では、積層体の各層を誘電体層とし、浮遊容量コイル導体の巻線間に構成される浮遊容量を小さくしているため、本実施形態に係る表面実装型アンテナ1をUHF帯用アンテナとして用いることも可能である。(積層体2の各層が磁性体であっても、その磁性体の比透磁率が1程度となる高周波数帯で使う場合には、前記磁性体は誘電体として作用する)。
なお、表面実装型アンテナ1の具体的構成などは、適宜設計変更可能であり、上述の実施形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、上述の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、各実施形態においては、側面導体を構成する層間接続導体はビア導体で形成されていたが、貫通孔の内壁面に導体が付与されたスルーホール導体や、メッキにより形成した導体であってもよい。また、実施形態2においては、複数の磁性体層が非磁性体層で挟まれる構成となっていたが、いずれか一方の面だけが非磁性体層で覆われる構成としても構わない。また、実施形態3においては、積層体2の各層を磁性体層とした構成でもよい。この場合、実施形態3に係る表面実装型アンテナ1は、コイル導体の一端が開放端となっているため、ヘリカルアンテナとしてFM放送受信用アンテナに用いることができる。
また、上述の表面実装型アンテナ1を、表面実装型アンテナ1による電磁界を強める所謂ブースターアンテナと組み合わせて用いてもよい。以下、表面実装型アンテナ1とブースターアンテナとの組み合わせについて説明する。
図10(A)は、表面実装型アンテナ1を備えた通信端末装置の正面断面図、図10(B)は通信端末装置の上面透視図である。図10(B)では、表面実装型アンテナ1およびブースターアンテナ110のみを示し、他の素子は省略している。
表面実装型アンテナ1は通信端末装置60の端末筐体60A内に設けられている。端末筐体60Aの内面にはブースターアンテナ110が両面テープなどで貼付されている。ブースターアンテナ110は、例えばポリイミドフィルムなどからなる絶縁体または誘電体の基材111、および基材111の表裏面に形成されたコイル導体112,113を含んで構成されている。また、基材111のコイル導体113側にはフェライト等からなる磁性体シートを配設してもよい。コイル導体112,113は、平面視で互いに逆方向に巻回(透視では同方向に巻回)されたループ状導体である。コイル導体112,113によるインダクタンス成分とコイル導体112,113との間に生じるキャパシタンス成分とでLC共振回路が構成され、LC共振する。
また、端末筐体60A内には、グランドパターン41を備えたプリント配線板40およびバッテリーパック120等が収納されている。このプリント配線板40に通信回路が構成され、プリント配線板40の図における上面には、RFIC用ICチップ(給電回路)51および表面実装型アンテナ1が表面実装されている。表面実装型アンテナ1は、RFIC用ICチップ42と不図示の配線で接続されている。RFIC用ICチップ42は、メモリ回路やロジック回路、クロック回路等を有し、RF信号を処理する集積回路チップとして構成され、給電回路として機能し、高周波信号を表面実装型アンテナ1に供給する。また、表面実装型アンテナ1から電力の受電および信号の受信を行う。
図10(B)に示すように、ブースターアンテナ110は、主として、通信相手側アンテナとの無線信号の送受を行う放射素子として機能する。通信相手側アンテナとの通信距離は、アンテナ外形寸法に大きく依存するので、ブースターアンテナ110の外形寸法は、平面視したとき、表面実装型アンテナ1より大きな外形寸法を有していることが好ましい。
表面実装型アンテナ1は、平面視でブースターアンテナ110のコイル導体112,113を跨ぐように配置されている。表面実装型アンテナ1は、コイル軸がブースターアンテナ110のコイル軸と同方向に配置され、電磁界を介してブースターアンテナ110のコイル導体112,113と結合する。
具体的に、表面実装型アンテナ1のコイル導体に電流が流れると、表面実装型アンテナ1と重なっているブースターアンテナ110のコイル導体112,113とは磁界結合する。その結果、表面実装型アンテナ1およびブースターアンテナ110からの大きく拡がる磁力線(磁界)が生じる。
また、プリント配線板40が備えるグランドパターン41をブースターアンテナとしてもよい。この場合、図10に示すブースターアンテナ110は不要となる。
図11は、グランドパターン41をブースターアンテナとした場合を説明する図である。図11(A)は、表面実装型アンテナ1のコイル導体に流れる電流およびグランドパターン41に流れる電流のそれぞれの向きを示す斜視図である。また、図11(B)および図11(C)は、表面実装型アンテナ1のコイル導体に流れる電流、グランドパターン41に流れる電流、およびそれらにより発生する磁束の様子を概略的に示す図である。
表面実装型アンテナ1のコイル導体に電流aの向きに電流が流れると、グランドパターン41に電流bの方向に電流を誘起される。すなわち、コイル導体に流れる電流により平面導体の外周に誘導電流bが周回する。その結果、図11(B)に示すように表面実装型アンテナ1に矢印Aで示す磁束が生じ、グランドパターン41に矢印Bで示す磁束が生じる。図11(B)中に示す磁束A′はグランドパターン41を避ける位置を通る磁束を表している。
図11(C)は図11(B)の磁束をさらに等価的に表した図である。矢印Cで示す磁束はグランドパターン41の周囲に生じる前記磁束Bと表面実装型アンテナ1に生じる前記磁束A′との合成による磁束である。なお、表面実装型アンテナ1は、平面視でグランドパターン41と重ならないほうが矢印A’の磁束が形成されやすいが、設計に応じて一部又は全部が重なっていてもよい。
通信相手側のコイルアンテナから磁束が入る場合は、上述とは逆の現象が生じる。すなわち、通信相手側のコイルアンテナの磁束がグランドパターン41の周囲を通るとともに表面実装型アンテナ1と鎖交すると、グランドパターン41に電流bが流れ、表面実装型アンテナ1のコイル導体に電流aが流れる。
上述のように、表面実装型アンテナ1とブースターアンテナとを組み合わせた場合であって、例えば13.56MHz帯を通信周波数として利用したHF帯RFIDシステムであれば、RFIDタグを備えた電子機器(携帯電話端末)とリーダライタのアンテナ装置との間で、主に誘導磁界を介して結合し、所定の情報を送受することができる。
1−表面実装型アンテナ
2−積層体
21−第1層(基材層、第1の外層)
22−第2層(基材層)
23−第3層(基材層)
24−第4層(基材層)
25−第5層(基材層)
26−第6層(基材層)
27−第7層(基材層)
28−第8層(基材層)
29−第9層(基材層、第2の外層)
31A,32A,33A,34A−側面導体(第3導体)
31B,32B,33B,34B−側面導体(第4導体)
31C,32C,33C,34C−導体パターン(第1導体)
31D,32D,33D−導体パターン(第2導体)
35−導体パターン
36−導体パターン
51,52−端子電極(端子導体)
100−プリント基板
101,102−電極
C1,C2,C3,C4−浮遊容量

Claims (8)

  1. 複数の基材層が積層されてなり、第1の主面および該第1の主面と対向する主面である第2の主面を有する積層体と、
    積層体の積層方向に直交する一の方向を巻回軸方向として前記積層体に設けられたコイル導体と、
    前記積層体の前記積層方向に平行な面に設けられ、前記コイル導体が接続されている端子導体と、
    を備え、
    前記コイル導体は、
    前記基材層の面に沿って設けられた複数の第1導体と、
    前記基材層の面に沿って設けられた複数の第2導体と、
    前記積層体の積層方向に沿って平行な二側面の一方に設けられた複数の第3導体、および前記二側面の他方に設けられた複数の第4導体と、
    を有し、前記第1導体、前記第2導体、前記第3導体および前記第4導体が螺旋状に接続されてな
    前記端子導体は、前記積層体の同一面に複数設けられ、
    前記コイル導体は、前記端子導体の一つに接続されている、
    表面実装型アンテナ。
  2. 前記第3導体および前記第4導体はそれぞれ、前記積層体の各層に形成された層間接続導体が接続されてなる、請求項1に記載の表面実装型アンテナ。
  3. 前記積層体は磁性体層を有する、請求項1または2に記載の表面実装型アンテナ。
  4. 前記積層体は、前記複数の磁性体層を挟むように設けられた非磁性体層を有し、
    前記コイル導体は、前記非磁性体層と前記磁性体層の間に形成されている、
    請求項3に記載の表面実装型アンテナ。
  5. 前記第1導体は、前記積層体の第1の主面に設けられ、
    前記第2導体は、前記積層体の第2の主面に設けられる、
    請求項1から3の何れかに記載の表面実装型アンテナ。
  6. 前記コイル導体は、前記第1導体、前記第2導体、前記第3導体および前記第4導体で囲まれる領域を通り前記端子導体に接続されている、
    請求項1から5の何れかに記載の表面実装型アンテナ。
  7. 前記端子導体は、
    前記積層体の前記二側面に隣接し、前記積層方向に平行な面に設けられている、
    請求項1からの何れかに記載の表面実装型アンテナ。
  8. 前記端子導体が形成された前記積層体の面にダミー端子導体が形成されている、請求項1からの何れかに記載の表面実装型アンテナ。
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