JPH0737728A - 薄膜インダクタおよび薄膜トランス - Google Patents

薄膜インダクタおよび薄膜トランス

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JPH0737728A
JPH0737728A JP5179546A JP17954693A JPH0737728A JP H0737728 A JPH0737728 A JP H0737728A JP 5179546 A JP5179546 A JP 5179546A JP 17954693 A JP17954693 A JP 17954693A JP H0737728 A JPH0737728 A JP H0737728A
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coil
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film
inductor
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Isamu Ishiwata
勇 石綿
Masato Mino
正人 三野
Toshiaki Yanai
利明 谷内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄膜インダクタおよび薄膜トランスにおい
て、限られた空間的制約の下で平面コイルの銅損を最小
とする。 【構成】 ドーナツ状の絶縁層2の中にスパイラル状の
平面コイル5を埋め込み、絶縁層2の外側を下部磁性膜
3と上部磁性膜4で覆って、薄膜インダクタを基板1上
に形成する。ここで、平面コイル5の線幅を、所定の計
算式に従って、中心から離れるに従い増加させる。これ
により、平面コイル5の各部分の銅損が同一もしくは概
ね同一となるようにし、限られた空間的制約下で平面コ
イル5各部分の発熱をいたる所で均一にし、かつ平面コ
イル5全体の銅損を最小にして低損失化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバータやスイッチ
ング電源等に好適な、高周波特性に優れる薄膜インダク
タおよび薄膜トランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器構成部品の小形化・軽量
化の要請が厳しく、高品質な電力が得られるスイッチン
グ電源等においても小形化は必須の課題であり、スイッ
チング周波数の高周波化により、トランス、コンデンサ
等の部品を小さくすることで小形化が進められてきた。
半導体部品やコンデンサ部品では、LSIや積層セラミ
ックスコンデンサに代表されるように、早くから薄膜技
術が用いられ、構成部品小形化の要請に十分応えてき
た。一方、トランス・インダクタ等の磁性部品はこれま
でに最も小形化しにくく、また高周波化に伴う損失増加
を抑えることも難しいため、電源の小形化を妨げる第一
の原因であった。このため、現在、高周波スイッチング
電源の体積は、磁性部品の体積によって決定されると言
っても過言ではない。そこで近年、高周波化に対応すべ
く薄膜形成技術を用いた薄膜トランスおよび薄膜インダ
クタの研究が進められ、スイッチング周波数をMHz帯
域まで高めた小形電源の開発が検討されるようになっ
た。
【0003】図13は、従来技術(例えば、山口他、
「スパイラル形薄膜トランスの作製と特性」、電気学会
・マグネティックス研究会資料、MAG−91−62、
1991)により薄膜形成技術で作製された薄膜インダ
クタの構造図であり、(a)は上面図、(b)は(a)
の線分OPにおける断面図を示す。図中、1は基板、2
は絶縁層、3は下部磁性膜、4は上部磁性膜、5は平面
コイルを示している。また、上面図(a)では上部磁性
膜4の一部を除去してその内部の平面コイル5示してい
る。その平面コイル5はスパイラル状に形成されてお
り、所定ターン数のインダクタ用のコイル部が形成され
ている。平面コイル5はドーナツ状の絶縁層2の中に埋
め込まれており、その絶縁層2の外側が基板1上に一面
状に形成された下部磁性膜3と上部磁性膜4とで覆われ
ている。ここで、下部磁性膜3および上部磁性膜4およ
び平面コイル5はスパッタ法等の薄膜形状技術で成膜さ
れており、絶縁層2はスパッタ法によるSiO2等ある
いはフォトレジスト等の塗布で形成されている。
【0004】上記構成において、平面コイル5は、従
来、同一の線幅でスパイラス状に形成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図13
に示した上記従来技術による薄膜インダクタ(薄膜トラ
ンスの場合でも同様)では、平面コイル5の線幅が同一
であるため、スパイラル状の平面コイル5の外側のコイ
ル抵抗が内側のコイル抵抗より大きくなり、従って外側
での銅損が大きくなる。そのため、平面コイル5の発熱
が不均一となったり、平面コイル5全体の銅損が最小で
はないという問題点があった。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的は、限られた空間的制約の
下で平面コイルの銅損を最小とする薄膜インダクタおよ
び薄膜トランスを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の薄膜インダクタおよび薄膜トランスでは、
ドーナツ状の絶縁体の中にスパイラル状の導電性薄膜か
らなる1ないし複数の巻線が埋め込まれ前記絶縁体の外
側が磁性薄膜で覆われている構成において、前記巻線の
各部分の銅損が同一もしくは概ね同一となるように前記
巻線の幅が中心から遠ざかるに従い増大されていること
を特徴とする。
【0008】上記の構成においては、磁性薄膜の中心に
近い部分の膜厚が周辺部の膜厚よりも厚くすることが、
小形化の点で好適である。
【0009】
【作用】本発明の薄膜トランスおよび薄膜インダクタで
は、スパイラル状の巻線の線幅を中心から離れるに従い
増大させることで、巻線の各部分の銅損が同じ値になる
ようにし、限られた空間的制約下で巻線各部分の発熱を
いたる所で均一にし、かつ巻線全体の銅損を最小にして
低損失化を図っている。
【0010】また、中心に近い磁性薄膜の厚みを増した
構造により、磁性薄膜の磁束の集中を緩和してインダク
タンスを増加させ、そのインダクタンスが増加する分、
小形化を可能にしている。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説
明する。
【0012】図1は本発明の一実施例を示す構成図であ
り、(a)は一部を除去して内部を示した上面図、
(b)は(a)における中心から周辺への線分OPにお
ける断面図を示す。図中、1は基板、2は絶縁層、3は
下部磁性膜、4は上部磁性膜、5は中心から離れるほど
線幅を増大させた薄膜構造の平面コイル、W1は最も内
側の平面コイルの幅、W2,W3…Wnは順にその外側の
平面コイル5の幅、Wsは平面コイル部全体の幅、Dは
各コイル間の絶縁距離、Rは最も内側のコイル5の内半
径である。
【0013】平面コイル5はスパイラル状に形成されて
おり、所定ターン数のトランス用またはインダクタ用の
コイル部が形成されている。平面コイル5はドーナツ状
の絶縁層2の中に埋め込まれており、その絶縁層2の外
側が基板1上に形成された下部磁性膜3と上部磁性膜4
とで覆われている。本実施例では、限られた空間的制約
の下で銅損を最小にするために、スパイラル状の各コイ
ル5の幅W1,W2,W3,…Wnを、以下の計算式に概ね
従って中心から離れるほど増大させる。
【0014】計算式は、図2に示した本発明の平面コイ
ル部の別の構成例である同心円状コイルを例として、近
似して説明する。図中、5は同心円状の平面コイルであ
り、各コイル5は平面コイル切断部5aを有し、その切
断部5aの端部で平面コイル接続部5bにより隣接する
他のコイル5に接続され、全体としてスパイラル状に形
成されている。以下では、平面コイル切断部5aおよび
平面コイル接続部5bの影響は無視する。最も外側のコ
イル5の外周上の一点とこの点から中心に向けて下ろし
た垂線が最も内側のコイル5の内周と交わる点との距離
をWsとし、この垂線と交わる各コイル5の外周上の点
と内周上の点との距離を同心円の内側から順にW1から
n(nはコイルのターン数を示す2以上で任意の整
数)とし、各コイル5の幅の中心の一点と円の中心との
距離(半径)を同心円の内側から順にR1からRnとし、
最も内側のコイル5の内周上の一点と円の中心との距離
をRとし、さらに各コイル間の絶縁のために設けたコイ
ル間絶縁距離をDとした場合に、以下の(1)から
(3)式を満足するようにW1からWnまでを求める。こ
れらの計算式は、各コイル5の銅損が同一になるように
導かれたものである。
【0015】 R1/W1=R2/W2=…=Rn/Wn …(1) Rn=R+W1+…+Wn-1+(n−1)D+Wn/2 …(2) Wn=Ws−W1−…−Wn-1−(n−1)D …(3) 上記の計算式では、平面コイル部の巻数が3ターンまで
は代数的に解いて求めることができるが、4ターン以上
では代数的に求めることができない。そこで巻数が4タ
ーン以上の場合には数値計算を使用する。
【0016】次に、上記実施例による具体的な作製例に
より、本実施例の作用効果を説明する。
【0017】図3(a),(b)は、本発明の実施例に
よる具体的な第1の作製例を示す薄膜インダクタ用コイ
ル部の上面図(a)と薄膜インダクタの断面図(b)で
ある。図中、1は基板、2は絶縁層、3は下部磁性膜、
4は上部磁性膜、5は中心から離れるほど線幅を増大さ
せたスパイラル状の薄膜構造の平面コイル、W1は最も
内側の平面コイルの幅、W2,W3,W4は順にその外側
の平面コイル5の幅、Wsは平面コイル部全体の幅、D
は各コイル間の絶縁距離、Rは最も内側のコイル5の内
半径である。平面コイル5は、同心円状に形成されてい
て平面コイル切断部5aを有し、その切断部5aの端部
で平面コイル接続部5bにより隣接する他の平面コイル
5に接続され、全体としてスパイラル状に形成されてい
る。
【0018】本作製例において、平面コイル5の巻数は
4ターン、各ターンのコイル間に絶縁のために設ける隔
離距離Dは10μm、最も内側の同心円状のコイル5の
内半径Rは70μm、平面コイル全体の幅Wsは230
μm、下部磁性膜3および上部磁性膜4の厚さは10μ
m、平面コイル5の厚さは10μm、下部磁性膜3と平
面コイル5および上部磁性膜4と平面コイル5との隔離
距離はそれぞれ10μmとしている。この条件を
(1),(2),(3)式に代入して計算すると、W1
は25.5μm、W2は38.4μm、W3は56.0μ
m、W4は80.1μmとなる。W1からW4が50μm
と等しく設計された従来例の平面コイルの抵抗と本実施
例の抵抗をAnsoft社(米国、Pittsburg
h)の有限要素法による静磁界計算プログラムMagn
etostat Solverにより計算すると、本発
明の実施例による平面コイル5の抵抗は従来例の88%
に減少している。また、直流のインダクタンスを、下部
磁性膜3および上部磁性膜4の比透明率を1000とし
て上記Magnetostat Solverにより計
算すると、従来例の場合の99%に減少するに過ぎな
い。ここで平面コイルの性能係数Qは平面コイルの抵抗
をR、インダクタンスをL、角周波数をωとすれば次式
で表される。
【0019】Q=ωL/R …(4) 従って、抵抗Rは88%に減少、インダクタンスLは9
9%に減少したのであるから(4)式から、本作製例の
薄膜インダクタではQが13%向上することが分かる。
【0020】図4は、本発明の実施例による具体的な第
2の作製例を示す断面図である。図中、1は基板、2は
絶縁層、3は下部磁性膜、4は上部磁性膜、5は中心か
ら離れるほど線幅を増大させたスパイラル状の薄膜構造
の平面コイルである。本作製例は、図3の第1の作製例
において下部磁性膜3をドーナツ状に形成し、その上に
絶縁層2に埋め込んだ平面コイル部を形成し、絶縁層2
の回りを上部磁性膜4で覆った作製例である。本作製例
では、中心部の磁性膜が除去された構造となる。図3の
第1の作製例で上記Magnetostat Solv
erにより磁力線図を作図すると、図5に示すように中
心部の磁性膜3,4には磁束10が浸透せず、これらは
高インダクタンス化には寄与していない。図4の本作製
例の構造は、磁束が浸透せず、高インダクタンス化に寄
与していないこの中心部の磁性膜を除去したものであ
る。これを、上記Magnetostat Solve
rによりインダクタンスを計算すると従来例の場合の9
8%に減少するに過ぎず、第1の作製例とほぼ同じ性能
係数が得られる。
【0021】このように、中心部の磁性膜を除去した作
製例では、その中心部を接続用のパッドやスルーホール
の領域などとして自由に利用できる利点が得られる。
【0022】図6は、本発明の実施例による具体的な第
3の作製例を示す薄膜インダクタの断面図である。図
中、1は基板、2は絶縁層、3は下部磁性膜、4は上部
磁性膜、5は中心から離れるほど線幅を増大させたスパ
イラル状の薄膜構造の平面コイルである。
【0023】本作製例において、平面コイル部の巻数は
10ターン、各平面コイル5に絶縁のために設ける隔離
距離Dは10μm、最も内側の同心円状のコイル5の内
半径Rは70μm、平面コイル部全体の幅Wsは590
μm、下部磁性膜3および上部磁性膜4の厚さは10μ
m、平面コイル5の厚さは10μm、下部磁性膜3と平
面コイル5との隔離距離および上部磁性膜4と平面コイ
ル5との隔離距離はそれぞれ10μmである。この条件
から(1),(2),(3)式によりそれぞれ平面コイ
ル幅を求めると、最も内側のコイル幅W1は13.7μ
m、外側へ順にW2は18.3μm、W3は23.8μ
m、W4は30.4μm、W5は38.3μm、W6は4
7.7μm、W7は59.0μm、W8は72.4μm、
9は88.6μm、最も外側のコイル幅W10は10
7.8μmとなる。W1からW10が50μmと等しく設
計された従来例の場合の平面コイルの抵抗と本実施例の
抵抗をAnsoft社(米国、Pittsburgh)
の有限要素法による静磁界計算プログラムMagnet
ostat Solverにより計算すると、本発明の
実施例による平面コイル5の抵抗は従来例の77%に減
少している。また、直流のインダクタンスを、磁性膜の
比透明率を1000として上記Magnetostat
Solverにより計算すると、従来例の場合の99
%に減少するに過ぎず、従って平面コイルの性能係数Q
は(4)式により17%向上することが分かる。
【0024】図7は本発明の実施例による具体的な第4
の作製例を示す断面図である。図中、1は基板、2は絶
縁層、3は下部磁性膜、4は上部磁性膜、5は中心から
離れるほど線幅を増大させたスパイラル状の薄膜構造の
平面コイルである。本作製例では、下部磁性膜3と上部
磁性膜4を絶縁層2で離間した状態とし、開磁路構造と
したものであるが、図3の第1の実施例と同様の効果が
得られることは明らかである。
【0025】図8は、本発明の実施例による具体的な第
5の作製例を示す薄膜トランスの断面図である。図中、
1は基板、2は絶縁層、3は下部磁性膜、4は上部磁性
膜、6は1次平面コイル、7は2次平面コイルである。
1次平面コイル6と2次平面コイルはそれぞれ、巻数が
4ターンであり、中心から離れるほど線幅を増大させた
スパイラル状の薄膜構造をなしている。本作製例は、図
3の第1の作製例における平面コイル5を1次平面コイ
ル6と2次平面コイル7の2つに分けて上下に構成した
構造であり、図3の第1の作製例と同様の効果が得られ
ることは明らかである。
【0026】図9は、本発明の実施例による具体的な第
6の作製例を示す薄膜トランスの断面図である。図中、
1は基板、2は絶縁層、3は下部磁性膜、4は上部磁性
膜、6は1次平面コイル、7は2次平面コイルである。
1次平面コイル6と2次平面コイルはそれぞれ、巻数が
4ターンであり、中心から離れるほど線幅を増大させた
スパイラル状の薄膜構造をなしている。本作製例も、図
3の第1の実施例における平面コイル5を1次平面コイ
ル6と2次平面コイル7の2つに分けて平面上で互い違
いに構成した構造であり、これもまた図3の第1の作製
例と同様の効果が得られることは明らかである。
【0027】なお、第5および第6の作製例は、トラン
スの形式によっては、2以上の平面コイルで構成する場
合にも適用できる。
【0028】図10は、本発明の実施例による具体的な
第7の作製例を示す薄膜インダクタの断面図である。図
中、1は基板、2は絶縁層、3は下部磁性膜、4は上部
磁性膜、5は中心から離れるほど線幅を増大させたスパ
イラル状の薄膜構造の平面コイル、8は追加上部磁性
膜、Wmは追加上部磁性膜8の厚さである。本作製例
は、図4の第2の作製例において、中心部に追加上部磁
性膜8を積み上げた構造である。スパイラル状の薄膜イ
ンダクタでは、図6の磁力線図に示したように磁性膜内
側で磁束が集中し、磁性膜が飽和することがある。これ
を緩和するため中心部に近い磁性膜に追加上部磁性膜8
を積み上げている。図4と基本的に同一構造で下部磁性
膜3の厚みを15μm、追加上部磁性膜8の厚さは上部
磁性膜4の厚みと同一の10μmとし、Wmを100μ
mとしてMagnetostat Solverにより
インダクタンスを計算すると、図4の第2の作製例の構
造よりも39%増加した。また、下部磁性膜3の厚みを
さらに増しておけば、インダクタンスはさらに増加する
ことは明らかである。このように、追加上部磁性膜8を
積み上げることにより、磁性膜の磁束の集中が緩和さ
れ、インダクタンスが増加する。従って、インダクタン
スが増加する分、小形化が可能になるという効果が得ら
れる。
【0029】図11は、本発明の実施例による具体的な
第8の作製例を示す薄膜インダクタの断面図である。図
中、1は基板、2は絶縁層、3は下部磁性膜、4は上部
磁性膜、5は中心から離れるほど線幅を増大させたスパ
イラル状の薄膜構造の平面コイル、8は追加上部磁性
膜、9は絶縁層である。本作製例は、図10の第7の作
製例で上部磁性膜4と追加上部磁性膜8との間に絶縁層
9を設ける構造である。図10の第7の作製例では、磁
性膜の厚みが増加するため、スキンディプス以上の周波
数では、渦電流により磁性膜の損失が急激に増加する。
従って、これを避けるために磁性膜を積層構造にしたも
のである。本作製例の構造でも、上記第8の作製例と同
様の効果が得られることは明らかである。なお、この積
層構造は、第1から第7の作製例においても適用でき、
スキンディプス以上の周波数での渦電流による磁性膜の
損失の低減に効果があることは明らかである。
【0030】図12は、本発明の実施例による具体的な
第9の作製例を示す薄膜インダクタの断面図である。図
中、1は基板、2は絶縁層、3は下部磁性膜、4は上部
磁性膜、5はスパイラル状の薄膜構造の平面コイル、9
は絶縁層である。本作製例は、図4の第2の作製例にお
いて中心から離れるほど線幅を増大させたスパイラル状
の平面コイル5の各コイルを分割構造とし、さらに、下
部磁性膜3および上部磁性膜4を絶縁層9を介して積層
構造とした構造である。第8の作製例で述べたと同様
に、コイルにおいてもスキンディプス以上の周波数で
は、渦電流によりコイルの損失が急激に増加する。従っ
て、本作製例は、これを避けるために各コイルを分割構
造にしたものである。本作製例の構造では、磁性膜およ
びコイルのスキンディプス以上の周波数においても図3
の第1の作製例と同様の効果が得られることは明らかで
ある。なお、この分割構造と積層構造は、第1から第8
までの作製例においても適用できる。
【0031】以上、本発明の実施例による具体的な作製
例を9例示したが、他のターン数でも平面コイル5の抵
抗の減少の効果は同様である。また、本実施例の作製例
では、平面コイル5が同心円状のコイルを接続してスパ
イラル状に形成した場合を示したが、いわゆる渦巻形を
したスパイラル状の場合でも任意断面で平面コイル5の
各幅を(1),(2),(3)式で求めれば良い。ま
た、方形や楕円形のように多少いびつな形状であって
も、半径や円周を等価的に真円に合わせて本発明を適用
できることは言うまでもない。このように本発明は、そ
の主旨に沿って種々に応用され、種々の実施態様を取り
得るものである。
【0032】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
高周波用として好適な薄膜インダクタおよび薄膜トラン
スによれば、限られた空間的制約の下で銅損が最小で、
性能係数の高い平面コイルを得ることができる。
【0033】さらに、本発明の請求項2および4の薄膜
インダクタおよび薄膜トランスによれば、特に、中心に
近い磁性膜の厚みを増した構造としたため、磁性膜の磁
束の集中が緩和され、インダクタンスが増加するので、
インダクタンスが増加する分、小形化が可能になるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は本発明の一実施例を示す上面
図と断面図
【図2】本発明の平面コイル部の別の構成例を示す上面
【図3】(a),(b)は上記の実施例による具体的な
第1の作製例を示す上面図と断面図
【図4】上記第1の作製例の一部を変更した第2の作製
例を示す断面図
【図5】上記第1の作製例の断面における磁力線図
【図6】上記の実施例による具体的な第3の作製例を示
す断面図
【図7】上記の実施例による具体的な第4の作製例を示
す断面図
【図8】上記の実施例による具体的な第5の作製例を示
す断面図
【図9】上記の実施例による具体的な第6の作製例を示
す断面図
【図10】上記の実施例による具体的な第7の作製例を
示す断面図
【図11】上記の実施例による具体的な第8の作製例を
示す断面図
【図12】上記の実施例による具体的な第9の作製例を
示す断面図
【図13】(a),(b)は従来例を示す上面図と断面
【符号の説明】
1…基板 2…絶縁層 3…下部磁性膜 4…上部磁性膜 5…平面コイル 5a…平面コイル切断部 5b…平面コイル接続部 6…1次平面コイル 7…2次平面コイル 8…追加上部磁性膜 9…絶縁層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドーナツ状の絶縁体の中にスパイラル状
    の導電性薄膜からなる巻線が埋め込まれ前記絶縁体の外
    側が磁性薄膜で覆われている薄膜インダクタにおいて、
    前記巻線の各部分の銅損が同一もしくは概ね同一となる
    ように前記巻線の幅が中心から遠ざかるに従い増大され
    ていることを特徴とする薄膜インダクタ。
  2. 【請求項2】 磁性薄膜の中心に近い部分の膜厚が周辺
    部の膜厚よりも厚いことを特徴とする請求項1記載の薄
    膜インダクタ。
  3. 【請求項3】 ドーナツ状の絶縁体の中に複数のスパイ
    ラル状の導電性薄膜からなる巻線が埋め込まれ前記絶縁
    体の外側が磁性薄膜で覆われている薄膜トランスにおい
    て、前記巻線の各部分の銅損が同一もしくは概ね同一と
    なるように前記巻線の幅が中心から遠ざかるに従い増大
    されていることを特徴とする薄膜トランス。
  4. 【請求項4】 磁性薄膜の中心に近い部分の膜厚が周辺
    部の膜厚よりも厚いことを特徴とする請求項3記載の薄
    膜トランス。
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