JP7131711B2 - バラン - Google Patents

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Description

本開示は不平衡線路と平衡線路との間で信号を変換するバランに関し、より特定的には、積層型バランにおける特性向上のための構造に関する。
バラン(Balun)は、不平衡信号と平衡信号との相互変換に用いられる変換器である。平衡信号は、振幅が等しく互いの位相が反転した一対の信号であり、一般的に通信システムにおけるIC内の差動増幅回路などに用いられている。一方、不平衡信号は、接地電位に対する電位の変化を伝送する伝送方式に用いられる信号であり、マイクロストリップラインあるいはアンテナの入出力の信号が該当する。
特開2016-086327号公報
スマートフォンあるいは携帯電話などに代表される携帯無線通信装置においては、アンテナの不平衡線路と高周波信号を処理するIC回路の平衡線路とを接続するためのフロントエンド回路においてバランが用いられる。これらの通信装置においては、小型化および薄型化に対する要求が高く、それに伴って、バランなどの、装置を形成する個別の機器についてもさらなる小型化が求められている。さらに、通信に用いる高周波信号の周波数帯域も拡大されつつあり、各機器の広帯域化の必要性も高まっている。
代表的なバランのタイプとして、不平衡線路に接続された波長λの1/2の長さ(λ/2)を有する線路に、λ/4の長さを有し平衡線路に接続された2つの線路が結合されたマーチャントバラン、あるいは、不平衡線路と一方の平衡線路との間に接続されたλ/2の長さの線路に、他方の平衡線路に接続されたλ/2の長さの線路が結合された2線式のバランが知られている。これらのバランにおいては、互いに結合する線路を同一基板内に形成することが必要であるため、基板面積が大きくなり、機器全体の小型化には適していない。
また、不平衡線路に接続されたローパスフィルタに含まれるとインダクタと、2つの平衡線路の各々に接続されたハイパスフィルタに含まれるインダクタとを結合させて形成されたマッチドフィルタ型のバランは、小型化には適しているものの、使用可能な周波数帯域幅が比較的狭いという課題がある。
このような課題に対して、不平衡線路に接続されたλ/4の長さの線路と、2つの平衡線路の各々に接続されたλ/4の長さの線路とを結合させた、3つの線路を用いる3線式のバランが提案されている。しかしながら、このようなタイプのバランは、小型化および広帯域化には適しているものの、2つの平衡信号のバランス特性には改善の余地がある。
本開示は、この3線式バランの課題を解決するためになされたものであって、その目的は、通信装置に用いられるバランにおいて、小型化および広帯域化を図りつつ、バランス特性を向上させることである。
本開示の第1の局面に従うバランは、不平衡端子と、第1平衡端子および第2平衡端子と、第1線路~第4線路とを備える。第1線路は不平衡端子と基準電位との間に接続される。第2線路は、第1平衡端子と基準電位との間に接続され、第1線路と結合する。第3線路は、第2平衡端子と基準電位との間に接続され、第1線路と結合する。第4線路は、第2線路に並列に接続され、第3線路と結合する。第4線路は、第3線路を通過する信号に対して逆位相の信号が通過するように配置される。
本開示の第2の局面に従うバランは、不平衡端子と、第1平衡端子および第2平衡端子と、第1線路~第3線路および第5線路とを備える。第1線路は不平衡端子と基準電位との間に接続される。第2線路は、第1平衡端子と基準電位との間に接続され、第1線路と結合する。第3線路は、第2平衡端子と基準電位との間に接続され、第1線路と結合する。第5線路は、第3線路に並列に接続され、第2線路と結合する。第5線路は、第2線路を通過する信号に対して逆位相の信号が通過するように配置される。
本開示の第3の局面に従うバランは、誘電体基板と、不平衡端子と、第1平衡端子および第2平衡端子と、第1線路~第4線路とを備える。誘電体基板は、複数の誘電体層が積層された構成を有する。不平衡端子、第1平衡端子および第2平衡端子は、誘電体基板に形成される。第1線路は、不平衡端子と基準電位との間に接続される。第2線路は、第1平衡端子と基準電位との間に接続される。第3線路は、第2平衡端子と基準電位との間に接続される。第4線路は、第2線路に並列に接続される。第1線路~第4線路の各々は、誘電体基板の積層方向を巻回軸とするコイルを形成する。誘電体基板において、第1線路~第4線路は、積層方向に第2線路、第1線路、第3線路、および第4線路の順に積層されている。第1平衡端子から基準電位に向かう第2線路の巻回方向は、不平衡端子から基準電位に向かう第1線路の巻回方向と同方向である。第2平衡端子から基準電位に向かう第3線路の巻回方向は、不平衡端子から基準電位に向かう第1線路の巻回方向と逆方向である。第1平衡端子から基準電位に向かう第4線路の巻回方向は、第2平衡端子から基準電位に向かう第3線路の巻回方向と逆方向である。誘電体基板の積層方向から平面視した場合に、第1線路~第4線路の各々によって形成されるコイルの開口部が互いに重なっている。
本開示の第4の局面に従うバランは、誘電体基板と、不平衡端子と、第1平衡端子および第2平衡端子と、第1線路~第3線路および第5線路とを備える。誘電体基板は、複数の誘電体層が積層された構成を有する。不平衡端子、第1平衡端子および第2平衡端子は、誘電体基板に形成される。第1線路は、不平衡端子と基準電位との間に接続される。第2線路は、第1平衡端子と基準電位との間に接続される。第3線路は、第2平衡端子と基準電位との間に接続される。第5線路は、第3線路に並列に接続される。第1線路、第2線路、第3線路および第5線路の各々は、誘電体基板の積層方向を巻回軸とするコイルを形成する。誘電体基板において、第1線路~第3線路および第5線路は、積層方向に第5線路、第2線路、第1線路、および第3線路の順に積層されている。第1平衡端子から基準電位に向かう第2線路の巻回方向は、不平衡端子から基準電位に向かう第1線路の巻回方向と同方向である。第2平衡端子から基準電位に向かう第3線路の巻回方向は、不平衡端子から基準電位に向かう第1線路の巻回方向と逆方向である。第2平衡端子から基準電位に向かう第5線路の巻回方向は、第1平衡端子から基準電位に向かう第2線路の巻回方向と逆方向である。誘電体基板の積層方向から平面視した場合に、第1線路、第2線路、第3線路および第5線路の各々によって形成されるコイルの開口部は互いに重なっている。
本開示によるバランによれば、不平衡端子に接続された第1線路に結合される2つの平衡線路(第2線路,第3線路)の少なくとも一方について、他方の平衡線路の信号をさらに結合させる構成が用いられる。このような構成とすることによって、小型化および広帯域化を図りつつ、バランス特性を向上させることが可能となる。
実施の形態1に従うバランが適用されるフロントエンド回路を備えた通信装置のブロック図である。 図1のバランの回路図の第1例である。 図1のバランの回路図の第2例および第3例である。 図3(b)のバランの外形斜視図である。 図4において誘電体を省略した内部構造図である。 図3(b)のバランの分解斜視図である。 比較例1のバランの回路図である。 比較例2のバランの回路図である。 実施の形態1のバランの特性を説明するための図である。 変形例のバランの回路図である。 不平衡信号に対する平衡信号の位相の周波数特性を説明するための図である。 実施の形態2に従うバランの回路図である。 図12のバランの分解斜視図である。 実施の形態2のバランの特性を説明するための図である。 実施の形態3に従うバランの分解斜視図である。 実施の形態4に従うバランの分解斜視図である。 実施の形態4における第1線路の等価回路を示す図である。 実施の形態4のバランの特性を説明するための図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
(通信装置の概要)
図1は、実施の形態1に従うバラン100が適用されるフロントエンド回路10を備えた通信装置1のブロック図である。図1を参照して、通信装置1は、フロントエンド回路10に加えて、アンテナANTと、信号処理回路であるRFIC20とを備える。
RFIC20は、送信側線路TXに対して高周波信号を出力し、フロントエンド回路10を介してアンテナANTから電波を放射する。また、RFIC20は、アンテナANTで受信された電波を受信側線路RXから受け、当該受信信号を処理して後段の回路へ伝達する。
フロントエンド回路10は、バラン100に加えて、スイッチSWと、フィルタFLT1,FLT2と、パワーアンプPAと、低雑音アンプLNAとを含む。スイッチSWは、アンテナANTにおける電波の送信と受信とを切換えるために用いられる。スイッチSWは、共通端子TCと、2つの選択端子TA,TBとを含む。共通端子TCはアンテナANTに接続される。選択端子TAは、フィルタFLT1およびパワーアンプPAを介して送信側線路TXに接続される。選択端子TBは、フィルタFLT2、低雑音アンプLNAおよびバラン100を介して、受信側線路RXに接続される。
アンテナANTから電波を放射する場合には、スイッチSWの共通端子TCは選択端子TAに接続される。一方、アンテナANTで電波を受信する場合には、スイッチSWの共通端子TCは選択端子TBに接続される。
パワーアンプPAは、RFIC20から伝達された高周波信号を増幅し、フィルタFLT1に出力する。フィルタFLT1は、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、あるいはバンドパスフィルタで構成されており、パワーアンプPAで増幅された高周波信号における所望の周波数帯域の信号を通過させる。フィルタFLT1を通過した高周波信号は、スイッチSWを経由してアンテナANTから放射される。
フィルタFLT2は、上記のフィルタFLT1と同様にローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、あるいはバンドパスフィルタで構成されており、アンテナANTで受信した高周波信号の中から所望の周波数帯域の信号を通過させる。フィルタFLT2を通過した高周波信号は、低雑音アンプLNAにより低雑音で増幅され、バラン100へ伝達される。
バラン100は、不平衡信号を平衡信号に変換するための変換器である。平衡信号は振幅が等しく互いの位相が反転した一対の信号であり、不平衡信号は接地電位に対する電位の変化を伝送する伝送方式に用いられる信号である。一般的に、アンテナに接続される線路は不平衡線路で形成される。一方で、RFIC20のようなIC回路では、平衡信号により処理が行われる。そのため、不平衡信号で伝達されたアンテナANTからの受信信号は、バラン100を用いて、RFIC20における処理に適した平衡信号に変換される。
(バランの構成)
図2は、図1におけるバラン100の回路図の第1例である。図2を参照して、バラン100は、不平衡端子T1と、2つの平衡端子T2,T3と、4つの線路(第1線路L1~第4線路L4)とを備える。通過対象とする高周波信号の波長をλとした場合、基本的には各線路はλ/4の電気長を有する。
なお、以下の説明においては、不平衡端子T1を入力端子INとし、平衡端子T2および平衡端子T3をそれぞれ出力端子OUT1,OUT2として不平衡信号を平衡信号に変換する場合を例として説明するが、バラン100は、平衡端子T2および平衡端子T3に入力された平衡信号を不平衡信号に変換して不平衡端子T1から出力する場合にも用いることができる。
図2を参照して、第1線路L1の一方端は不平衡端子T1に接続され、他方端は接地電位である基準電位に接続される。第2線路L2の一方端は平衡端子T2に接続され、他方端は基準電位に接続される。第2線路L2は第1線路L1と電磁界結合するように配置されている。不平衡端子T1に高周波信号が入力信号として伝達され、第1線路L1を通過すると、電磁界結合により第2線路L2に入力信号に対応した信号が誘起される。誘起された信号は平衡端子T2から出力される。すなわち、第2線路L2には、接地電位から平衡端子T2へと向かう方向に信号が通過する。このとき、第2線路L2は、第1線路L1を通過する信号に対して逆位相の信号が通過するように配置される。
なお、図2およびそれ以降において説明するバランの回路図において、各線路に記載された矢印は、当該線路を通過する信号の位相を示している。すなわち、各回路図において隣接する線路の矢印が同じ向きである場合には、2つの線路に同位相の信号が通過することを意味する。逆に、各回路図において隣接する線路の矢印が逆向きである場合には、2つの線路には互いに逆位相の信号が通過することを意味する。
第3線路L3の一方端は平衡端子T3に接続され、他方端は基準電位に接続される。第3線路L3も第1線路L1と電磁界結合するように配置されている。不平衡端子T1に高周波信号が入力信号として伝達され、第1線路L1を通過すると、電磁界結合により第3線路L3に入力信号に対応した信号が誘起される。誘起された信号は平衡端子T3から出力される。すなわち、第3線路L3には、接地電位から平衡端子T3へと向かう方向に信号が通過する。このとき、第3線路L3は、第1線路L1を通過する信号に対して同位相の信号が通過するように配置される。
第4線路L4は、第2線路L2に電気的に並列接続された線路であり、一方端が平衡端子T2に接続され、他方端は基準電位に接続される。第4線路L4は、第3線路L3と電磁界結合するように配置されている。このとき、第4線路L4は、第3線路L3を通過する信号に対して逆位相の信号が通過するように配置される。
なお、実施の形態1のバランにおいては、所望の特性を実現するために、図3のバラン100A,100Bのように調整用のキャパシタが適宜配置されてもよい。たとえば、図3(a)バラン100Aのように、第1線路L1と基準電位との間にキャパシタC1を配置して、線路を通過する信号の波長を短縮するようにしてもよい。波長を短縮することにより、各線路の長さを短縮できるので、バランの小型化にもつながる。また、平衡端子T2と基準電位との間、および/または、平衡端子T3と基準電位との間にキャパシタ(キャパシタC2,C3)を設けて、平衡端子T2,T3から出力される平衡信号のバランスを調整してもよい。キャパシタC1~C3は必須の構成ではなく、必要に応じて配置される。たとえば、図3(b)のバラン100Bのように、キャパシタC1,C2のみが配置される構成であってもよい。
次に、図4~図6を用いてバランの構造について詳細に説明する。なお、図4~図6においては、調整用のキャパシタC1,C2が配置された場合(図3(b))のバラン100Bの例について説明する。なお、図2のバラン100の場合には、図4~図6におけるキャパシタC1,C2が省略された構成となる。
図4はバラン100Bの外形斜視図を示しており、図5は図4における誘電体の記載を省略した透過図を示している。また、図6は、バラン100Bの分解斜視図である。なお、図4~図6において、誘電体層の積層方向をZ軸とし、誘電体基板110の長辺に沿った方向をX軸、短辺に沿った方向をY軸とする。以下の説明において、誘電体基板110のZ軸の正方向の面を上面、Z軸の負方向の面を下面とも称する。また、図6および後述する図13,図15,図16の分解斜視図においては、説明を容易にするために、各誘電体の側面に形成される外部端子の記載を省略している。
図4~図6を参照して、バラン100Bは、複数の誘電体層LY1~LY14が積層された誘電体基板110で形成されており、略直方体の外形を有している。誘電体基板110の外表面には、上面、側面および下面にわたって延在する、略C型形状の複数の外部電極が形成されている。外部電極は、外部機器との接続に用いられるとともに、誘電体基板110の各層の配線パターン間の接続にも用いられる。外部電極は、不平衡端子T1、平衡端子T2,T3、基準電位に接続するための接地電極GND(基準電位端子)、および層間接続用の端子T0を含む。誘電体基板110の上面には、方向を表わす方向性マークDMが付されている。なお、本実施の形態のように、当該バランがフロントエンド回路などで使用される場合には、端子T0にはどの信号も接続されない場合がある。
図5に示されるように、各線路L1~L4は、Z軸方向を巻回方向とするコイルとして形成されている。また、積層方向(Z軸方向)から誘電体基板110を平面視した場合に、各線路L1~L4におけるコイルの開口部は、少なくとも一部が互いに重なりあっている。なお、コイル開口部とは、Z軸方向から誘電体基板を平面視した場合に、各線路L1~L4で形成されるコイルが、巻回軸の周りを環形状に囲んだ内部の部分を表わす。図6に示す例においては、各線路L1~L4は、共通の巻回軸CL1の周りに巻回され、各線路L1~L4におけるコイルの開口部が線路L1~L4にわたって重なっている。
誘電体基板110において、線路L1~L4は、上面から積層方向に、第2線路L2、第1線路L1、第3線路L3、および第4線路L4の順に隣接して積層されている。このような積層順により、第1線路L1は第2線路L2および第3線路と結合し、第3線路L3はさらに第4線路L4と結合する。
図6に示されるように、線路L1~L4の各々は隣接した2つの層にわたって形成されており、各層に形成されたコイルはビアにより接続されている。より詳細には、第1線路L1は、第4層LY4に形成されたコイルL11と、第5層LY5に形成されたコイルL12とがビアV1で接続された構成を有している。第2線路L2は、第2層LY2に形成されたコイルL21と、第3層LY3に形成されたコイルL22とがビアV2で接続された構成を有している。第3線路L3は、第6層LY6に形成されたコイルL31と、第7層LY7に形成されたコイルL32とがビアV3で接続された構成を有している。第4線路L4は、第8層LY8に形成されたコイルL41と、第9層LY9に形成されたコイルL42とがビアV4で接続された構成を有している。なお、通過帯域の仕様によっては、各コイルは1つの層で形成されていてもよいし、3つ以上の層で形成されていてもよい。
第10層LY10および第12層LY12には、接地電極GNDに接続された平板電極C10,C12がそれぞれ形成されている。また、第11層LY11には、端子T0によって第1線路L1に接続された平板電極C11が形成されている。平板電極C10~C12によって調整用のキャパシタC1が形成される。
第13層LY13には、平板電極C20が形成されており、第12層LY12の平板電極C12とともに調整用のキャパシタC2を形成している。
第1線路L1を形成するコイルL11,L12は、コイルL12の不平衡端子T1との接続点からコイルL11の端子T0との接続点へ向かって反時計回り(CCW)方向(矢印AR11,AR12)に巻回されている。コイルL11の端部は、誘電体の側面に形成された端子T0を介して第11層LY11の平板電極C11に接続され、第10層LY10~第12層LY12によって形成されるキャパシタC1を介して接地電極GNDに接続される。不平衡端子T1に入力された信号は、不平衡端子T1から接地電極GNDに向かって伝達されるため、信号はコイルL11,L12に沿ってCCW方向に伝達される。なお、以下の説明において、各コイルの巻回方向(時計回り,反時計回り)は、誘電体基板110の上面から積層方向(すなわち、第1層LY1から第14層LY14に向かう方向)に平面視したときの巻回方向を示す。
第2線路L2を形成するコイルL21,L22は、コイルL21の平衡端子T2との接続点からコイルL22の接地電極GNDとの接続点に向かってCCW方向(矢印AR21,AR22)に巻回されている。すなわち、平衡端子T2から基準電位に向かう第2線路L2の巻回方向は、不平衡端子T1から基準電位に向かう第1線路L1の巻回方向と同じである。一方、第1線路L1との結合により誘起された高周波信号は、第2線路L2の平衡端子T2から出力されるため、第2線路L2において、信号はコイルL21,L22に沿って時計回り(CW)方向に伝達される。
第3線路L3を形成するコイルL31,L32は、コイルL31の平衡端子T3との接続点からコイルL32の接地電極GNDとの接続点へ向かってCW方向(矢印AR31,AR32)に巻回されている。すなわち、平衡端子T3から基準電位に向かう第3線路L3の巻回方向は、不平衡端子T1から基準電位に向かう第1線路L1の巻回方向とは逆方向である。一方、第1線路L1との結合により誘起された高周波信号は、第3線路L3の平衡端子T3から出力されるため、第3線路L3において、信号はコイルL31,L32に沿ってCCW方向に伝達される。
第4線路L4を形成するコイルL41,L42は、コイルL42の平衡端子T2との接続点からコイルL41の接地電極GNDとの接続点へ向かってCCW方向(矢印AR41,AR42)に巻回されている。すなわち、第4線路L4の巻回方向は、第3線路L3の巻回方向とは逆方向である。第4線路L4は第2線路と並列に接続されており、誘起された高周波信号は平衡端子T2から出力されるため、第4線路L4において、信号はコイルL41,L42に沿ってCW方向に伝達される。したがって、平衡端子T2から出力される信号は、第3線路L3を通過する信号に対して逆位相となる。
以下、実施の形態1のバランの特性について、比較例を用いて説明する。
図7は、比較例1のバラン200の回路図である。比較例1のバラン200は、実施の形態1のバラン100,100Aにおける第4線路L4を有しない、3つの線路を用いる3線式の構成となっている。このような構成のバランにおいては、不平衡-平衡変換において、一般的に平衡信号間の特性に差が生じて所望のバランス特性が実現できない場合が生じ得る。特に、適用される周波数帯域が広くなると、平衡信号間の特性の差が大きくなりやすくなる。
バランス特性を改善するために、図8に示されるバラン200Aのように、図7のバラン200の2つの平衡端子にコモンモードチョークコイル105を接続した構成が採用される場合がある。コモンモードチョークコイルは、一般的には、フェライト等で形成された共通のコア(図示せず)に、線路長が等しく、かつ、巻回方向が互いに異なる2つの線路が巻回された構成を有している。図8の比較例2においては、第2線路L2と平衡端子T2との間に接続された線路L2Aと、第3線路L3と平衡端子T3との間に接続された線路L3Aとが電磁界結合するように配置されている。さらに、線路L2Aおよび線路L3Aは、線路L2Aを通過する信号の位相が、線路L3Aを通過する信号の位相に対して逆位相となるように接続される。このような構成とすると、互いの線路で生じる磁束が打ち消されるため、平衡端子T2および平衡端子T3から出力される信号におけるノイズが除去され、出力信号のバランス特性が改善される。
しかしながら、図8に示したバラン200Aの構成においては、3線式のバランの構成に加えてコモンモードチョークコイルを基板内に形成する、あるいは、コモンモードチョークコイルのチップ部品を別途組み合わせることが必要となる。そのため、全体の機器サイズが大きくなり小型化の妨げになる可能性がある。
一方で、実施の形態1に従うバラン100,100A,100Bにおいては、3線式のバランの構成の第3線路L3に結合する第4線路L4を追加することによって、第3線路L3と第4線路L4とによってコモンモードチョークコイルと同等の機能を実現することができる。したがって、比較例1のバランに比べて、サイズの増大を抑制しつつ、平衡線路間の信号のバランス特性を向上させることができる。
図9は、実施の形態1のバランの特性を説明するための図である。図9においては、図2に示したバラン100、および、図7で示した比較例1のバラン200における、挿入損失(Insertion Loss:IL)、反射損失(Return Loss:RL)、振幅バランス(Amplitude Balance:AB)、位相偏差(Phase Difference:PD)、および同相信号除去比(Common Mode Rejection Ratio:CMRR)の各特性についてのシミュレーション結果が示されている。各特性のグラフにおいて、実線LN10,LN11,LN12,LN13,LN14は実施の形態1のバラン100の場合を示しており、破線LN10X,LN11X,LN12X,LN13X,LN14Xは比較例1のバラン200の場合を示している。
なお、本シミュレーションの例における通過帯域の仕様は600MHz以上1500MHz以下の範囲である。また、不平衡端子T1および平衡端子T2,T3に接続される外部機器のインピーダンスはいずれも50Ωである。すなわち入力-出力間のインピーダンス比は1:2(50Ω:100Ω)である。
図9を参照して、挿入損失および反射損失については、実施の形態1のバラン100および比較例1のバラン200のいずれも、通過帯域の全域にわたってIL:1.5dB以下,RL:10dB以上を満たしているが、バラン100(実線LN10,LN11)のほうがバラン200(破線LN10X,LN11X)に比べて損失が若干低下している。これは、第2線路L2に並列接続される第4線路L4によって、基準電位から平衡端子T2へ至る経路の損失が低減しているためと考えられる。
振幅バランスについては、比較例1のバラン200の場合(破線LN12X)には通過帯域の特に低周波数領域において仕様範囲外となっている。一方、実施の形態1のバラン100の場合(実線LN12)には、通過帯域の全域において仕様範囲内となっており、バランス特性が改善されていることがわかる。
位相偏差については、実施の形態1のバラン100(実線LN13)および比較例1のバラン200(破線LN13X)のいずれも、通過帯域の全域にわたって±10deg以内を満たしているが、バラン100の方がより0dBに近い結果となっている。
同相信号除去比は、振幅バランスと位相偏差とを組み合わせた特性を表現した指標であり、一般的には25dB以上であることが好ましいとされる。図9より、実施の形態1のバラン100(実線LN14)は、通過帯域の全域にわたって比較例1のバラン200(破線LN14X)よりも高い同相信号除去比が実現できており、かつ、過帯域の全域にわたって25dB以上の同相信号除去比が実現できている。
以上のように、実施の形態1に従うバラン100,100A,100Bのように、平衡端子T2に接続された第2線路L2に並列接続された第4線路L4を、他方の平衡端子T3に接続された第3線路L3に結合させる構成を採用することによって、バランの機器サイズを大幅に増加することなく、広い通過帯域幅にわたって平衡端子間のバランス特性を向上させることが可能となる。
(変形例)
上記の実施の形態1のバラン100,100A,100Bにおいては、平衡端子T2に接続される第2線路L2に電気的に並列接続された第4線路L4を追加した構成であったが、それに代えて、図10の変形例のバラン100Cのように、平衡端子T3に接続される第3線路L3に電気的に並列接続された第5線路L5を追加する構成であってもよい。
図10のバラン100Cにおいては、第5線路L5の一方端は平衡端子T3に接続され、他方端は基準電位に接続される。第5線路L5は、第2線路L2に電磁界結合されるように配置される。第5線路L5は、第2線路L2を通過する信号に対して逆位相の信号が通過するように配置される。
このような構成とすることによって、バラン100Cにおいて、第2線路L2と第5線路L5とによってコモンモードチョークコイルと同等の機能が実現される。したがって、変形例のバラン100Cにおいても、実施の形態1のバラン100,100A,100Bと同様に、バランの機器サイズを大幅に増加することなく、広い通過帯域幅にわたって平衡端子間のバランス特性を向上させることができる。
上記の例においては、不平衡端子T1および平衡端子T2,T3に接続される外部機器のインピーダンスがいずれも50Ωの、入力-出力間のインピーダンス比が1:2である場合について説明したが、平衡端子に接続されるインピーダンスがより高インピーダンスの場合にも、上記と同様の構成を適用することができる。たとえば、不平衡端子T1および平衡端子T2,T3に接続される外部機器のインピーダンスがいずれも100Ωであり、入力-出力間のインピーダンス比が1:4(50Ω:200Ω)である場合にも、図7の比較例1の構成に比べて、平衡端子間のバランス特性を向上させることができる。
なお、平衡線路側のインピーダンスを不平衡線路側のインピーダンスよりも高インピーダンスにする場合、平衡線路(第2線路L2,第3線路L3)を形成するコイルの巻回数を不平衡線路(第1線路L1)を形成するコイルの巻回数よりも増加させる。または、不平衡線路を形成するコイルの巻回数を減少させてもよいし、波長短縮用のキャパシタC1のキャパシタンスを小さくしてもよい。このとき、平衡線路のコイルと不平衡線路のコイルとの間の距離を広げてコイル間の容量結合を低下させることによって、平衡線路の共振周波数を不平衡線路の共振周波数と一致させる。
上述の説明においては、不平衡端子T1に入力される入力信号に対して、平衡端子T2から出力される信号が逆位相であり、平衡端子T3から出力される信号が同位相である場合の例について説明した。しかしながら、バランにおいては、入力信号に対する出力信号の位相には周波数特性を有しており、必ずしも入力信号に対して同位相あるいは逆位相になるとは限らない。図11は、実施の形態1のバランにおける、入力信号(不平衡信号)に対する出力信号(平衡信号)の位相の周波数特性を説明するための図である。図11においては、横軸に周波数が示されており、縦軸には位相が示されている。図11において、実線LN15は平衡端子T2から出力される信号の通過特性を示し、破線LN16は平衡端子T3から出力される信号の通過特性を示している。
図11を参照して、このシミュレーションの例においては、周波数が0.7GHz付近の場合には、平衡端子T2から出力される信号は入力信号に対して逆位相となり、平衡端子T3から出力される信号は入力信号に対して同位相となっている。しかしながら、周波数が0.7GHzよりも大きくなるに従って、各出力信号の位相が入力信号に対して徐々に遅る傾向を示している。なお、周波数が変化した場合であっても、2つの平衡端子から出力される出力信号同士の位相は互いに逆位相となる。
[実施の形態2]
実施の形態1およびその変形例においては、平衡端子に接続される機器のインピーダンスが、不平衡端子に接続される機器のインピーダンスと等しい場合、あるいは、インピーダンスがより高い場合について説明した。
一方で、平衡端子に接続される機器のインピーダンスを、不平衡端子に接続される機器のインピーダンスよりも低くする場合がある。この場合、一般的には、バランにおける平衡線路を形成するコイルの巻回数を減少させる、不平衡線路を形成するコイルの巻回数を増加させる、あるいは波長調整用のキャパシタC1のキャパシタンスを大きくすることで、所望のインピーダンス比が実現される。しかしながら、平衡線路側を低インピーダンスとする場合、平衡線路の共振周波数と不平衡線路の共振周波数を一致させるために、不平衡線路と平衡線路との間の容量結合の度合いをより大きくすることが必要とされる。
不平衡線路と平衡線路との間の結合度合いを増加させるためには、線路間の距離を短縮する、すなわち各誘電体層の厚みを薄くすることが必要となるが、製造上の制約あるいは誘電体層の機械的強度などの観点から、誘電体層を形成する誘電体シートの厚みが制限される場合があり、所望の結合容量を実現できない場合が生じ得る。
誘電体層のシート厚の制限によって不足する結合容量を、調整用のキャパシタを追加することによって実現することも可能ではあるが、誘電体基板内に所望の容量のキャパシタを追加すると、機器全体のサイズが大きくなってしまい、小型化の要求を満足できない可能性がある。
そこで、実施の形態2においては、実施の形態1のバランの構成に加えて、他方の平衡端子に接続される線路にも並列接続された線路を設けて、上記構成のバランに結合させる構成を採用する。これにより、不平衡線路と平衡線路との間の結合度合いを増加させることができるので、平衡端子側のインピーダンスが不平衡端子側のインピーダンスに比べて低い場合であっても、バランの機器サイズを大幅に増加することなく、広い通過帯域幅にわたって平衡端子間のバランス特性を向上させることが可能となる。
図12は、実施の形態2に従うバラン100Dの回路図である。バラン100Dの構成は、基本的には、実施の形態1のバラン100Aと変形例のバラン100Cを組み合わせた構成に対応する。具体的には、平衡端子T2に接続された第2線路L2に対して電気的に並列接続された第4線路L4が、第3線路L3に電磁界結合するように配置され、さらに、平衡端子T3に接続された第3線路L3に対して電気的に並列接続された第5線路L5が、第2線路L2に電磁界結合するように配置されている。その他の構成については、バラン100Aおよびバラン100Cと同様である。このような構成とすることによって、不平衡線路と平衡線路との結合度合いを高めることができる。さらに、第2線路L2と第5線路L5との組み合わせ、および、第3線路L3と第4線路L4との組み合わせの各々において、実質的にコモンモードチョークコイルと同様の機能が発揮されるため、平衡線路間のバランス特性を改善することができる。
図13は、バラン100Dの分解斜視図である。図13を参照して、バラン100Dの誘電体基板110は、複数の誘電体層LY21~LY36が積層された構成を有している。
誘電体基板110において、線路L1~L5は、上面から積層方向に、第5線路L5、第2線路L2、第1線路L1、第3線路L3、および第4線路L4の順に隣接して積層されている。このような積層順により、第1線路L1は第2線路L2および第3線路L3と結合し、第2線路L2は第5線路L5とさらに結合し、第3線路L3は第4線路L4とさらに結合する。図13の例においては、線路L1~L5は、共通の巻回軸CL2の周りに巻回され、各線路L1~L5におけるコイルの開口部が線路L1~L5にわたって重なっている。
線路L1~L5の各々は隣接した2つの層にわたって形成されており、各層に形成されたコイルはビアにより接続されている。より詳細には、第1線路L1は、第6層LY26に形成されたコイルL11aと、第7層LY27に形成されたコイルL12aとがビアV1で接続された構成を有している。第2線路L2は、第4層LY24に形成されたコイルL21aと、第5層LY25に形成されたコイルL22aとがビアV2で接続された構成を有している。第3線路L3は、第8層LY28に形成されたコイルL31aと、第9層LY29に形成されたコイルL32aとがビアV3で接続された構成を有している。第4線路L4は、第10層LY30に形成されたコイルL41aと、第11層LY31に形成されたコイルL42aとがビアV4で接続された構成を有している。第5線路L5は、第2層LY22に形成されたコイルL51aと、第3層LY23に形成されたコイルL52aとがビアV5で接続された構成を有している。
第12層LY32および第14層LY34には、接地電極GNDに接続された平板電極C10,C12がそれぞれ形成されている。また、第13層LY33および第15層LY35には、端子T0によって第1線路L1に接続された平板電極C11,C13がそれぞれ形成されている。平板電極C10~C13によって調整用のキャパシタC1が形成される。
また、第15層LY35には、平板電極C21および平板電極C31がさらに形成されている。平板電極C21と第14層の平板電極C12によって調整用のキャパシタC2が形成されており、平板電極C31と平板電極C12によって調整用のキャパシタC2が形成されている。
第1線路L1を形成するコイルL11a,L12aは、コイルL12aの不平衡端子T1との接続点からコイルL11aの端子T0との接続点へ向かってCCW方向(矢印AR11,AR12)に巻回されている。コイルL11aの端子T0は、外部電極を介して、第13層LY33の平板電極C11および第15層LY35の平板電極C13に接続され、第12層LY32~第15層LY35によって形成されるキャパシタC1を介して接地電極GNDに接続される。不平衡端子T1に入力された信号は、不平衡端子T1から接地電極GNDに向かって伝達されるため、信号はコイルL11a,L12aに沿ってCCW方向に伝達される。
第2線路L2を形成するコイルL21a,L22aは、コイルL21aの平衡端子T2との接続点からコイルL22aの接地電極GNDとの接続点に向かってCCW方向(矢印AR21,AR22)に巻回されている。すなわち、平衡端子T2から基準電位に向かう第2線路L2の巻回方向は、不平衡端子T1から基準電位に向かう第1線路L1の巻回方向と同じである。一方、第1線路L1との結合により誘起された高周波信号は、第2線路L2の平衡端子T2から出力されるため、第2線路L2において、信号はコイルL21a,L22aに沿ってCW方向に伝達される。
第3線路L3を形成するコイルL31a,L32aは、コイルL31aの平衡端子T3との接続点からコイルL32aの接地電極GNDとの接続点へ向かってCW方向(矢印AR31,AR32)に巻回されている。すなわち、平衡端子T3から基準電位に向かう第3線路L3の巻回方向は、不平衡端子T1から基準電位に向かう第1線路L1の巻回方向とは逆方向である。一方、第1線路L1との結合により誘起された高周波信号は、第3線路L3の平衡端子T3から出力されるため、平衡端子T3から出力される信号は、第3線路L3において、信号はコイルL31a,L32aに沿ってCCW方向に伝達される。
第4線路L4を形成するコイルL41a,L42aは、コイルL42aの平衡端子T2との接続点からコイルL41aの接地電極GNDとの接続点へ向かってCCW方向(矢印AR41,AR42)に巻回されている。すなわち、第4線路L4の巻回方向は、第3線路L3の巻回方向とは逆方向である。一方、第4線路L4は第2線路と並列に接続されており、誘起された高周波信号は平衡端子T2から出力されるため、第4線路L4において、信号はコイルL41a,L42aに沿ってCW方向に伝達される。したがって、平衡端子T2から出力される信号は、第3線路L3を通過する信号に対して逆位相となる。
第5線路L5を形成するコイルL51a,L52aは、コイルL52aの平衡端子T3との接続点からコイルL51aの接地電極GNDとの接続点へ向かってCW方向(矢印AR51,AR52)に巻回されている。すなわち、第5線路L5の巻回方向は、第2線路L2の巻回方向とは逆方向である。一方、第5線路L5は第3線路と並列に接続されており、誘起された高周波信号は平衡端子T3から出力されるため、第5線路L5において、信号はコイルL51a,L52aに沿ってCCW方向に伝達される。したがって、平衡端子T3から出力される信号は、第2線路L2を通過する信号に対して逆位相となる。
図14は、実施の形態2のバラン100Dの特性を説明するための図である。図14においては、実施の形態2の平行5線式のバラン100D、実施の形態1の平行4線式のバラン100、および比較例1の平行3線式のバラン200についての、挿入損失(IL)、反射損失(RL)、振幅バランス(AB)、位相偏差(PD)、および同相信号除去比(CMRR)の各特性についてのシミュレーション結果が示されている。各特性のグラフにおいて、実線LN20,LN21,LN22,LN23,LN24は実施の形態2のバラン100Dの場合を示しており、破線LN20A,LN21A,LN22A,LN23A,LN24Aは実施の形態1のバラン100の場合を示しており、一点鎖線LN20B,LN21B,LN22B,LN23B,LN24Bは比較例1のバラン100の場合を示している。
なお、本シミュレーションの例における通過帯域の仕様は、実施の形態1と同様に600MHz以上1500MHz以下の範囲である。バラン100Dにおいては、不平衡端子T1に接続される外部機器のインピーダンスは50Ωであり、平衡端子T2,T3に接続される外部機器のインピーダンスは25Ωである。すなわち、入力-出力間のインピーダンス比は1:1(50Ω:50Ω)であり、平衡端子側のインピーダンスが不平衡端子側のインピーダンスに比べて低くされている。
図14を参照して、挿入損失および反射損失については、実施の形態2のバラン100D、実施の形態1のバラン100および比較例1のバラン200のいずれも、通過帯域の全域にわたってIL:1.5dB以下,RL:10dB以上を満たしている。しかしながら、振幅バランスおよび位相偏差においては、実施の形態1のバラン100(破線LN22A,LN23A)および比較例1のバラン200(一点鎖線LN22B,LN23B)については仕様範囲外となる領域が生じている。一方で、実施の形態2のバラン100D(実線LN22,LN23)については、振幅バランスおよび位相偏差のいずれも仕様範囲内が達成されている。これにより、同相信号除去比についても、実施の形態1のバラン100(破線LN24A)および比較例1のバラン200(一点鎖線LN24B)については25dBを下回る周波数帯域が生じているが、実施の形態2のバラン100D(実線LN24)では、通過帯域の全域にわたって25dB以上の同相信号除去比が実現できている。
すなわち、平衡線路側が不平衡線路側よりも低インピーダンスとなる場合において、実施の形態1で示した構成のバランでも所望のバランス特性が実現できない場合であっても、実施の形態2の構成とすることによって所望のバランス特性を実現できることがわかる。
[実施の形態3]
実施の形態1および実施の形態2で説明したバランの例においては、図6および図13で示したように、各線路が2つの層にわたるコイルで形成される構成について説明した。当該バランを低周波数の領域で使用する際には、コイルの線路長をさらに長くすることが必要となる場合がある。この場合、使用対象の周波数によっては、2つの層で所望の線路長を実現することができず、より多くの層にわたってコイルを形成する必要が生じ得る。
ここで、本開示におけるバランの例のように、外部機器との接続に用いる外部電極が誘電体基板の側面に形成される場合(図4参照)には、各線路において外部電極と接続する端部は、各誘電体層の外周部に位置するようにすることが好ましい。しかしながら、奇数(たとえば3層)の誘電体層を用いてスパイラル状のコイルを形成した場合、当該線路を形成する誘電体層の最上層あるいは最下層において、コイル端部の一方が誘電体層の外周部よりも内側に位置してしまう状態となり得る。そうすると、内側に位置するコイル端部を引き出すための配線パターンを形成する層が別途必要となり、バラン全体のサイズが大きくなる可能性がある。
また、4層以上の偶数の誘電体層を用いる場合、隣接する線路との距離が遠くなる部分が発生するため、隣接する線路との結合が弱くなってしまい、十分な特性が得られない場合が生じ得る。
そこで、実施の形態3においては、3層の誘電体層を使用しながら、形成されるコイルの両端を誘電体層の外周部に配置する構成について説明する。
図15は、実施の形態3に係るバラン100Eの分解斜視図である。図15を参照して、バラン100Eの誘電体基板110は、複数の誘電体層LY41~LY52が積層された構成を有している。バラン100Eは、実施の形態2のバラン100Dと同様に、5つの線路L1~L5により構成されている。なお、バラン100Eにおいては、バラン100Dとは線路の積層順序が逆になっている。すなわち、バラン100Eにおいては、線路L1~L5は、下面から積層方向に、第5線路L5、第2線路L2、第1線路L1、第3線路L3、および第4線路L4の順に隣接して積層されている。このような積層順により、第1線路L1は第2線路L2および第3線路L3と結合し、第2線路L2は第5線路L5とさらに結合し、第3線路L3は第4線路L4とさらに結合する。また、バラン100Eにおいては、各線路のインピーダンスを調整することによって、調整用のキャパシタを形成する層が省略されている。
図15のバラン100Eの例においては、線路L1~L5のうち、第1線路L1は隣接した3つの層にわたって形成されており、線路L2~L5についてはバラン100Dと同様に隣接する2つの層にわたって形成されている。より詳細には、第1線路L1は、第6層LY46に形成されたコイルL11bと、第7層LY47に形成されたコイルL12bとがビアV11で接続され、さらに、第7層LY47に形成されたコイルL12bと第8層LY48に形成されたコイルL13bとがビアV12で接続された構成を有している。第2線路L2は、第9層LY49に形成されたコイルL21bと、第10層LY50に形成されたコイルL22bとがビアV2で接続された構成を有している。第3線路L3は、第4層LY44に形成されたコイルL31bと、第5層LY45に形成されたコイルL32bとがビアV3で接続された構成を有している。第4線路L4は、第2層LY42に形成されたコイルL41bと、第3層LY43に形成されたコイルL42bとがビアV4で接続された構成を有している。第5線路L5は、第11層LY51に形成されたコイルL51bと、第12層LY52に形成されたコイルL52bとがビアV5で接続された構成を有している。
隣接する2つの層で形成される線路L2~L5については、平衡端子T2,T3に接続される端部が一方の層の外周部に配置され、接地電極GNDに接続される端部が他方の層の外周部に配置される。2つの層を接続するビアは、各誘電体層の外周部よりも内側に形成されている。
第1線路L1の2層目のコイルL12bの両端は、1層目のコイルL11bおよび3層目のコイルL13bにそれぞれ接続されており、不平衡端子T1にも接地電極GNDにも接続されていない。そのため、コイルL11bおよびコイルL13bにおいて、コイルL12bと接続される端部は、誘電体層の外周部よりも内側に配置される。したがって、2層目のコイルL12bは、コイルL12bが形成される誘電体層の外周部より内側に両端が配置されるように巻回される。言い換えると、2層目のコイルL12bの両端は、1層目のコイルL11bの最外周の線路導体よりも内側に配置されており、さらに、3層目のコイルL13bの最外周の線路導体よりも内側に配置されている。
以上のような形状にコイルを形成することによって、3つの誘電体層でコイルを形成する場合であっても、第1線路L1の1層目および3層目において、誘電体層の外周部にコイルの端部を配置することができる。これにより、線路間の結合を弱めることなく、線路長を長くすることができるので、比較的低い周波数帯域を対象としたバランにおいても、バラン全体のサイズが大きくなることを抑制することができる。
なお、図15の例においては、不平衡端子に接続される第1線路が3つの誘電体層で形成される場合について説明したが、第1線路に代えてあるいは加えて、他の線路を3つの誘電体層で形成してもよい。
なお、実施の形態3において第1線路を形成する「第6層LY46」は、本開示における「第1誘電体層」に対応する。第1線路を形成する「第7層LY47」は、本開示における「第2誘電体層」に対応する。第1線路を形成する「第8層LY48」は、本開示における「第3誘電体層」に対応する。
[実施の形態4]
一般的に、バランにおいては、2つの平衡端子の出力が、対象となる通過帯域において同位相であることが好ましい。すなわち、2つの不平衡端子から出力される信号の位相偏差が0°に近いことが好ましい。しかしながら、上述のような多線式のバランにおいては、各線路におけるコイルの形状等によって結合状態が必ずしも対称とはならず、位相偏差に周波数特性が生じる場合がある。特に不平衡端子に接続される第1線路については、隣接する第2線路および第3線路との結合が非対称となると、2つの平衡端子の出力に位相偏差が生じやすい。
そこで、実施の形態4においては、多線式バランにおいて、不平衡端子に接続される線路を形成するコイルを積層方向に対称な配置とすることによって、線路間の結合状態の対称性を向上し、位相偏差における周波数特性を改善する構成について説明する。
図16は、実施の形態4に係るバラン100Fの分解斜視図である。図16を参照して、バラン100Fの誘電体基板110は、複数の誘電体層LY61~LY72が積層された構成を有している。バラン100Fは、実施の形態3のバラン100Eと同様に、5つの線路L1~L5により構成されている。バラン100Fにおける線路の積層順序は、バラン100Eと同様であり、線路L1~L5は、下面から積層方向に、第5線路L5、第2線路L2、第1線路L1、第3線路L3、および第4線路L4の順に隣接して積層されている。なお、バラン100Fにおいても、各線路のインピーダンスを調整することによって、調整用のキャパシタを形成する層が省略されている。
図16のバラン100Fの例においては、線路L1~L5のうち、第1線路L1は隣接した3つの層にわたって形成されており、線路L2~L5については隣接した2つの層にわたって形成されている。より詳細には、第1線路L1は、第6層LY66に形成されたコイルL11cと、第7層LY67に形成されたコイルL12cとがビアV11で接続され、さらに、第7層LY67に形成されたコイルL12cと第8層LY68に形成されたコイルL13cとがビアV12で接続された構成を有している。第2線路L2は、第9層LY69に形成されたコイルL21cと、第10層LY70に形成されたコイルL22cとがビアV2で接続された構成を有している。第3線路L3は、第4層LY64に形成されたコイルL31cと、第5層LY65に形成されたコイルL32cとがビアV3で接続された構成を有している。第4線路L4は、第2層LY62に形成されたコイルL41cと、第3層LY63に形成されたコイルL42cとがビアV4で接続された構成を有している。第5線路L5は、第11層LY71に形成されたコイルL51cと、第12層LY72に形成されたコイルL52cとがビアV5で接続された構成を有している。
第1線路L1における2層目のコイルL12cの一方端は、誘電体層の外周部において不平衡端子T1に接続される。コイルL12cの他方端は、誘電体層の外周部より内側において、ビアV11を介して1層目のコイルL11cの一方端に接続されている。また、コイルL12cの他方端は、ビアV12を介して3層目のコイルL13cの一方端に接続されている。そして、コイルL11cおよびコイルL13cの他方端は、それぞれの誘電体層の外周部において、接地電極GNDに接続されている。すなわち、図17(a)の等価回路に示すように、2層目のコイルL12cと接地電極GNDとの間に、1層目のコイルL11cおよび3層目のコイルL13cが並列に接続されている。
さらに、バラン100Fにおいては、第1線路L1における1層目のコイルL11cおよび3層目のコイルL13cは、同じ線路長かつ同じ形状に形成されている。言い換えれば、バラン100Fを積層方向に平面視した場合に、コイルL11cとコイルL13cとは互いに全体が重なっている。不平衡端子T1に接続される第1線路をこのような対称な構成とすることによって、第2線路L2と結合するコイルL13cおよび第3線路L3と結合するコイルL11cには、同じ位相の信号が伝播することになる。これにより、平衡端子T2,T3に接続される他の線路間において、第1線路L1との電磁界結合によって生じる信号の位相偏差についての第1線路L1の影響を低減できる。したがって、位相偏差における周波数特性を改善することができる。
なお、バラン100Fの例においては、第1線路L1におけるコイルL11cおよびコイルL13cが同一形状である場合について説明したが、これらのコイルの形状は必ずしも同一でなくてもよい。たとえば、当該コイルに結合する第2線路L2および第2線路L3を形成するコイル形状が互いに異なる場合には、それに対応してコイルL11cおよびコイルL13cの各コイルの形状を個別に変更することによって、第2線路L2および第2線路L3に生じる信号の位相偏差を低減してもよい。
また、図17(b)の等価回路のように、2層目のコイル12dの一方端が接地電極GNDに接続され、コイル12dの他方端と不平衡端子T1との間に、1層目のコイル11dおよび3層目のコイル13dが並列に接続される構成であってもよい。
図18は、実施の形態4のバランの特性を説明するための図である。図18においては、第1線路L1を積層方向に対称形状とした場合(実施の形態4)、および、第1線路L1を非対称形状とした場合(比較例)の、挿入損失(IL)、反射損失(RL)、振幅バランス(AB)、および位相偏差(PD)が示されている。各特性のグラフにおいて、実線LN30,LN31,LN32,LN33は実施の形態4のバラン100Fの場合を示しており、破線LN30X,LN31X,LN32X,LN33Xは比較例の場合を示している。
本シミュレーションの例における通過帯域の仕様範囲(600MHz~1500MHz)においては、比較例の場合、挿入損失、反射損失および振幅バランスについては所望の仕様を満たしているが、位相偏差については周波数が高くなるにつれて偏差が大きくなっており、5GHzを超える範囲において仕様範囲外となている。一方で、実施の形態4のバラン100Fの場合、挿入損失、反射損失および振幅バランスについては比較例の場合と同様に所望の仕様範囲になっており、さらに、位相偏差についても通過帯域の範囲にわたってほぼ0°付近となっている。すなわち、実施の形態4のバラン100Fにおいては、位相偏差の周波数特性が改善されている。
以上のように、第1線路L1を積層方向に対称形状とすることによって、隣接する線路間の結合状態の対称性を向上させることができ、バラン全体としての位相偏差の周波数特性を改善することができる。
なお、実施の形態4における「コイル11c」または「コイル11d」は、本開示における「第1コイル」に対応する。実施の形態4における「コイル12c」または「コイル12d」は、本開示における「第2コイル」に対応する。実施の形態4における「コイル13c」または「コイル13d」は、本開示における「第3コイル」に対応する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 通信装置、10 フロントエンド回路、20 RFIC、100,100A~100F,200,200A バラン、105 コモンモードチョークコイル、110 誘電体基板、ANT アンテナ、C1~C3 キャパシタ、C10~C13,C20,C21,C31,GND 電極、DM 方向性マーク、FLT1,FLT2 フィルタ、L1~L5,L2A,L3A 線路、L11~L13,L21,L22,L31,L32,L41,L42,L51,L52 コイル、LNA 低雑音アンプ、LY1~LY14,LY21~LY36,LY41~LY52,LY61~LY72 誘電体層、PA パワーアンプ、RX 受信側線路、SW スイッチ、IN,OUT1,OUT2,T0~T3,TA~TC 端子、TX 送信側線路、V1~V5,V11,V12 ビア。

Claims (15)

  1. 不平衡端子と、
    第1平衡端子および第2平衡端子と、
    前記不平衡端子と基準電位との間に接続された第1線路と、
    前記第1平衡端子と前記基準電位との間に接続され、前記第1線路と結合する第2線路と、
    前記第2平衡端子と前記基準電位との間に接続され、前記第1線路と結合する第3線路と、
    前記第2線路に並列に接続され、前記第3線路と結合する第4線路とを備え、
    前記第4線路は、前記第3線路を通過する信号に対して逆位相の信号が通過するように配置される、バラン。
  2. 前記第3線路に並列に接続され、前記第2線路と結合する第5線路をさらに備え、
    前記第5線路は、前記第2線路を通過する信号に対して逆位相の信号が通過するように配置される、請求項1に記載のバラン。
  3. 不平衡端子と、
    第1平衡端子および第2平衡端子と、
    前記不平衡端子と基準電位との間に接続された第1線路と、
    前記第1平衡端子と前記基準電位との間に接続され、前記第1線路と結合する第2線路と、
    前記第2平衡端子と前記基準電位との間に接続され、前記第1線路と結合する第3線路と、
    前記第3線路に並列に接続され、前記第2線路と結合する第5線路とを備え、
    前記第5線路は、前記第2線路を通過する信号に対して逆位相の信号が通過するように配置される、バラン。
  4. 前記第1線路と前記基準電位との間に接続された第1キャパシタをさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載のバラン。
  5. 前記第1平衡端子と前記基準電位との間に接続された第2キャパシタをさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のバラン。
  6. 前記第2平衡端子と前記基準電位との間に接続された第3キャパシタをさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載のバラン。
  7. 複数の誘電体層が積層された誘電体基板と、
    前記誘電体基板に形成された不平衡端子と、
    前記誘電体基板に形成された第1平衡端子および第2平衡端子と、
    前記誘電体基板に形成された基準電位端子と、
    前記不平衡端子と前記基準電位端子との間に接続された第1線路と、
    前記第1平衡端子と前記基準電位端子との間に接続された第2線路と、
    前記第2平衡端子と前記基準電位端子との間に接続された第3線路と、
    前記第2線路に並列に接続された第4線路とを備え、
    前記第1線路~前記第4線路の各々は、前記誘電体基板の積層方向を巻回軸とするコイルを形成し、
    前記誘電体基板において、前記第1線路~前記第4線路は、積層方向に前記第2線路、前記第1線路、前記第3線路、および前記第4線路の順に積層されており、
    前記第1平衡端子から前記基準電位端子に向かう前記第2線路の巻回方向は、前記不平衡端子から前記基準電位端子に向かう前記第1線路の巻回方向と同方向であり、
    前記第2平衡端子から前記基準電位端子に向かう前記第3線路の巻回方向は、前記不平衡端子から前記基準電位端子に向かう前記第1線路の巻回方向と逆方向であり、
    前記第1平衡端子から前記基準電位端子に向かう前記第4線路の巻回方向は、前記第2平衡端子から前記基準電位端子に向かう前記第3線路の巻回方向と逆方向であり、
    前記誘電体基板の積層方向から平面視した場合に、前記第1線路~前記第4線路の各々によって形成されるコイルの開口部が互いに重なっている、バラン。
  8. 前記バランは、
    前記第3線路に並列に接続された第5線路をさらに備え、
    前記誘電体基板において、前記第1線路~前記第5線路は、積層方向に前記第5線路、前記第2線路、前記第1線路、前記第3線路、および前記第4線路の順に積層されており、
    前記第2平衡端子から前記基準電位端子に向かう前記第5線路の巻回方向は、前記第1平衡端子から前記基準電位端子に向かう前記第2線路の巻回方向と逆方向である、請求項7に記載のバラン。
  9. 複数の誘電体層が積層された誘電体基板と、
    前記誘電体基板に形成された不平衡端子と、
    前記誘電体基板に形成された第1平衡端子および第2平衡端子と、
    前記誘電体基板に形成された基準電位端子と、
    前記不平衡端子と前記基準電位端子との間に接続された第1線路と、
    前記第1平衡端子と前記基準電位端子との間に接続された第2線路と、
    前記第2平衡端子と前記基準電位端子との間に接続された第3線路と、
    前記第3線路に並列に接続された第5線路とを備え、
    前記第1線路、前記第2線路、前記第3線路および前記第5線路の各々は、前記誘電体基板の積層方向を巻回軸とするコイルを形成し、
    前記誘電体基板において、前記第1線路~前記第3線路および前記第5線路は、積層方向に前記第5線路、前記第2線路、前記第1線路、および前記第3線路の順に積層されており、
    前記第1平衡端子から前記基準電位端子に向かう前記第2線路の巻回方向は、前記不平衡端子から前記基準電位端子に向かう前記第1線路の巻回方向と同方向であり、
    前記第2平衡端子から前記基準電位端子に向かう前記第3線路の巻回方向は、前記不平衡端子から前記基準電位端子に向かう前記第1線路の巻回方向と逆方向であり、
    前記第2平衡端子から前記基準電位端子に向かう前記第5線路の巻回方向は、前記第1平衡端子から前記基準電位端子に向かう前記第2線路の巻回方向と逆方向であり、
    前記誘電体基板の積層方向から平面視した場合に、前記第1線路、前記第2線路、前記第3線路および前記第5線路の各々によって形成されるコイルの開口部が互いに重なっている、バラン。
  10. 前記誘電体基板に形成される各線路は、共通の巻回軸の周りに巻回されている、請求項7~9のいずれか1項に記載のバラン。
  11. 前記誘電体基板に形成される線路の少なくとも1つは、複数の誘電体層にわたって形成されている、請求項7~10のいずれか1項に記載のバラン。
  12. 前記誘電体基板に形成される線路の少なくとも1つは、第1誘電体層、第2誘電体層および第3誘電体層にわたって形成されており、
    前記第2誘電体層は、前記第1誘電体層と前記第3誘電体層との間に配置されており、
    前記第2誘電体層に形成されるコイルの両端は、前記第1誘電体層に形成されるコイルの最外周の線路導体よりも内側に配置され、さらに前記第3誘電体層に形成されるコイルの最外周の線路導体よりも内側に配置される、請求項7~10のいずれか1項に記載のバラン。
  13. 前記第1線路は、異なる誘電体層に形成された第1コイル、第2コイルおよび第3コイルにより構成されており、
    前記第1コイルは、前記第3線路に対向した誘電体層に配置されており、一方端が前記基準電位端子に接続され、他方端が前記第2コイルの一方端に接続されており、
    前記第3コイルは、前記第2線路に対向した誘電体層に配置されており、一方端が前記基準電位端子に接続され、他方端が前記第2コイルの一方端に接続されており、
    前記第2コイルは、前記第1コイルと前記第3コイルとの間の誘電体層に配置され、他方端が前記不平衡端子に接続されている、請求項7~10のいずれか1項に記載のバラン。
  14. 前記第1線路は、異なる誘電体層に形成された第1コイル、第2コイルおよび第3コイルにより構成されており、
    前記第1コイルは、前記第3線路に対向した誘電体層に配置されており、一方端が前記不平衡端子に接続され、他方端が前記第2コイルの一方端に接続されており、
    前記第3コイルは、前記第2線路に対向した誘電体層に配置されており、一方端が前記不平衡端子に接続され、他方端が前記第2コイルの一方端に接続されており、
    前記第2コイルは、前記第1コイルと前記第3コイルとの間の誘電体層に配置され、他方端が前記基準電位端子に接続されている、請求項7~10のいずれか1項に記載のバラン。
  15. 前記第1コイルおよび前記第3コイルは、同一形状に形成される、請求項13または14に記載のバラン。
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