WO2023127245A1 - フィルタ装置およびそれを搭載した高周波フロントエンド回路 - Google Patents

フィルタ装置およびそれを搭載した高周波フロントエンド回路 Download PDF

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    • H03H7/46Networks for connecting several sources or loads, working on different frequencies or frequency bands, to a common load or source

Abstract

フィルタ装置(100)は、主面を有する誘電体(110)と、誘電体(110)に配置されたフィルタ(FLT1)とを備える。フィルタ(FLT1)は、誘電体(110)内に配置されたインダクタ(L11,L12)を備える。インダクタ(L11)は、誘電体(110)の主面の法線方向を巻回軸とする第1型コイルである。インダクタ(L12)は、誘電体(110)に設けられ直線状に延在する平板電極(PL2A,PL2B)と、平板電極(PL2A,PL2B)に接続され誘電体(110)の法線方向に延在するビア(VL2A,VL2B)とを含む第2型コイルである。誘電体(110)の法線方向から平面視した場合に、インダクタ(L12)における平板電極(PL2A,PL2B)の延在方向の中央から、当該延在方向に直交する方向に描いた仮想線(CL1)は、平面コイルの内面(SF)と交差しない。

Description

フィルタ装置およびそれを搭載した高周波フロントエンド回路
 本開示は、フィルタ装置およびそれを搭載した高周波フロントエンド回路に関し、より特定的には、インダクタを含むLCフィルタにおいて、製造ばらつきに対するロバスト性を向上させる技術に関する。
 特開2021-19304号公報(特許文献1)には、ローパス回路とハイパス回路とを含むダイプレクサが開示されている。ローパス回路およびハイパス回路の各々は、誘電体内に配置された複数のインダクタおよび複数のキャパシタによって構成されるLCフィルタを含んでいる。
特開2021-19304号公報
 特開2021-19304号公報(特許文献1)のに開示されているダイプレクサのようなフィルタ装置においては、各フィルタを構成するインダクタとして、誘電体の法線方向を巻回軸とする平面コイル、および/または、誘電体の法線方向に延在する複数のビアとそれらを接続する平板電極によって構成された縦型コイルが用いられる。
 このようなフィルタ装置において、製造上のばらつきによって、各フィルタを構成するインダクタが設計上の位置からずれてしまうと、所望のフィルタ特性が得られなくなる可能性がある。
 本開示は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、フィルタ装置において、製造上のばらつきに対するロバスト性を向上させることである。
 本開示の第1の局面に係るフィルタ装置は、主面を有する誘電体と、当該誘電体に配置された第1フィルタとを備える。第1フィルタは、誘電体内に配置された第1インダクタおよび第2インダクタを備える。第1インダクタは、誘電体の上記主面の法線方向を巻回軸とする第1型コイルである。第2インダクタは、誘電体に設けられ直線状に延在する第1平板電極と、第1平板電極に接続され誘電体の上記法線方向に延在するビアとを含む第1型コイルである。誘電体の上記主面の法線方向から平面視した場合に、第2インダクタにおいて第1平板電極の延在方向の中央から、当該延在方向に直交する方向に描いた第1仮想線は、第1型コイルの内面と交差しない。
 本開示の第2の局面に係るフィルタ装置は、主面を有する誘電体と、当該誘電体に配置された第1フィルタおよび第2フィルタとを備える。第1フィルタは、第1通過帯域を有する。第2フィルタは、第1通過帯域よりも高い周波数の第2通過帯域を有する。第1フィルタは、誘電体内に配置された第1インダクタおよび第2インダクタを含む。第1インダクタは、誘電体の上記主面の法線方向を巻回軸とする第1型コイルである。第2インダクタは、誘電体に設けられ直線状に延在する第1平板電極と、第1平板電極に接続され誘電体の法線方向に延在するビアとを含む第2型コイルである。誘電体の上記主面の法線方向から平面視した場合に、第2インダクタにおいて第1平板電極の延在方向の中央から、当該延在方向に直交する方向に描いた仮想線は、第1型コイルの内面と交差しない。
 本開示によるフィルタ装置は、縦型コイル(第2型コイル)で構成される第2インダクタの巻回軸の方向が、平面コイル(第1型コイル)で構成される第1インダクタの内面と交差しないように、各インダクタが配置されている。これにより、第1インダクタおよび第2インダクタの位置が製造ばらつきによって微小にずれた場合でも、第1インダクタと第2インダクタとの間の磁気結合が抑制される。したがって、フィルタ装置において、製造上のばらつきに対するロバスト性を向上させることができる。
実施の形態1のフィルタ装置が適用される高周波フロントエンド回路を有する通信装置のブロック図である。 実施の形態1に係るフィルタ装置の等価回路図である。 実施の形態1に係るフィルタ装置の外形図である。 実施の形態1に係るフィルタ装置の内部を示す斜視図である。 実施の形態1に係るフィルタ装置の詳細な構造の一例を示す分解斜視図である。 実施の形態1、変形例1および比較例のフィルタ装置の構造と、製造ばらつきによる共振周波数の変動を説明するための図である。 減衰特性の評価ポイントを説明するための図である。 実施の形態1および比較例のフィルタ装置における減衰特性を説明するための図である。 実施の形態1のフィルタ装置の減衰特性を示す図である。 実施の形態2に係るフィルタ装置の等価回路図である。 実施の形態2のフィルタ装置の配置の第1例の平面図である。 実施の形態2のフィルタ装置の配置の第2例の平面図である。 実施の形態2のフィルタ装置の配置の第3例の平面図である。
 以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
 [実施の形態1]
 (通信装置の基本構成)
 図1は、実施の形態に従うフィルタ装置100が適用された高周波フロントエンド回路20を含む通信装置10のブロック図である。高周波フロントエンド回路20は、アンテナ装置ANTで受信された高周波信号を、予め定められた複数の周波数帯域に分波して後続の処理回路へ伝達する。高周波フロントエンド回路20は、たとえば、携帯電話、スマートフォンあるいはタブレットなどの携帯端末や、通信機能を備えたパーソナルコンピュータなどの通信装置に用いられる。
 図1を参照して、通信装置10は、フィルタ装置100を含む高周波フロントエンド回路20と、RF信号処理回路(以下、「RFIC」とも称する。)30とを含む。図1に示される高周波フロントエンド回路20は、受信系フロントエンド回路である。高周波フロントエンド回路20は、フィルタ装置100と、増幅回路LNA1,LNA2とを含む。
 フィルタ装置100は、互いに異なる周波数範囲を通過帯域とするフィルタFLT1(第1フィルタ)およびフィルタFLT2(第2フィルタ)を含むダイプレクサである。以降の説明においては、フィルタ装置100を「ダイプレクサ」と称する場合がある。
 フィルタFLT1は、共通端子であるアンテナ端子TAと、第1端子T1との間に接続される。フィルタFLT1は、ローバンド(LB)群の周波数範囲を通過帯域とし、ハイバンド(HB)群の周波数範囲を非通過帯域とするローパスフィルタである。フィルタFLT2は、アンテナ端子TAと第2端子T2との間に接続される。フィルタFLT2は、ハイバンド群の周波数範囲を通過帯域とし、ローバンド群の周波数範囲を非通過帯域とするハイパスフィルタである。なお、フィルタFLT1およびフィルタFLT2は、バンドパスフィルタとして形成されてもよい。
 フィルタFLT1,FLT2の各々は、アンテナ装置ANTで受信した高周波信号のうち、各フィルタの通過帯域に対応する高周波信号を通過させる。これにより、アンテナ装置ANTからの受信信号を予め定められた複数の周波数帯域の信号に分波する。
 増幅回路LNA1,LNA2の各々は、いわゆる低雑音増幅器である。増幅回路LNA1,LNA2は、対応するフィルタを通過した高周波信号を低雑音で増幅して、RFIC30へ伝達する。
 RFIC30は、アンテナ装置ANTで送受信された高周波信号を処理するRF信号処理回路である。具体的には、RFIC30は、アンテナ装置ANTから高周波フロントエンド回路20の受信側信号経路を介して入力された高周波信号を、ダウンコンバートなどにより信号処理し、当該信号処理により生成された受信信号をベースバンド信号処理回路(図示せず)へ出力する。
 図1のように高周波フロントエンド回路20が受信回路として用いられる場合、フィルタ装置100においては、アンテナ端子TAが入力端子INとなり、第1端子T1および第2端子T2がそれぞれ第1出力端子OUT1および第2出力端子OUT2となる。一方で、高周波フロントエンド回路は送信回路としても用いることができる。この場合には、フィルタ装置100の第1端子T1および第2端子T2の各々が入力端子となり、アンテナ端子TAが共通の出力端子となる。その場合、増幅回路に含まれる増幅器として、ローノイズアンプに代えてパワーアンプが用いられる。
 (フィルタ装置の構成)
 図2は、図1におけるフィルタ装置(ダイプレクサ)100の等価回路の一例を示す図である。図1で説明したように、フィルタFLT1はアンテナ端子TAと第1端子T1との間に接続されている。また、フィルタFLT2はアンテナ端子TAと第2端子T2との間に接続されている。
 フィルタFLT1は、直列腕回路を形成するインダクタL11,L12およびキャパシタC12と、並列腕回路を形成するキャパシタC11とを含む。インダクタL11はアンテナ端子TAに接続され、インダクタL12はインダクタL11と第1端子T1との間に接続される。すなわち、インダクタL11,L12は、アンテナ端子TAと第1端子T1との間に直列に接続されている。キャパシタC11は、インダクタL11とインダクタL12との間の接続ノードと、接地端子GNDとの間に接続される。キャパシタC12は、インダクタL12に並列に接続される。フィルタFLT1は、これらの構成によって、所定の周波数よりも低い周波数帯域の信号を通過させるローパスフィルタとして機能する。なお、キャパシタC12およびインダクタL12の並列回路で構成されるLC共振回路によって、通過帯域の高周波数側の近傍に減衰極が生じる。
 フィルタFLT2は、直列腕回路を形成するキャパシタC21,C22と、並列腕回路を形成するインダクタL21,L22およびキャパシタC23とを含む。キャパシタC21,C22はアンテナ端子TAと第2端子T2との間に直列に接続されている。インダクタL21は、キャパシタC21とキャパシタC22との間の接続ノードと、接地端子GNDとの間に接続される。インダクタL22の一方端は第2端子T2に接続される。インダクタL22の他方端は、キャパシタC23を介して接地端子GNDに接続される。フィルタFLT2は、これらの構成によって、所定の周波数よりも高い周波数帯域の信号を通過させるハイパスフィルタとして機能する。
 次に、図3~図5を用いて、フィルタ装置100の詳細な構成について説明する。図3は図2のフィルタ装置100の外形図であり、図4はフィルタ装置100の内部を示す斜視図である。図5はフィルタ装置100の積層構造の一例を示す分解斜視図である。
 図3~図5を参照して、フィルタ装置100は、複数の誘電体層LY1~LY13が所定の方向に沿って積み上げられて形成された、直方体または略直方体の誘電体110を備えている。誘電体110において、複数の誘電体層LY1~LY13が積み上げられている方向を積層方向とする。誘電体110の各誘電体層は、たとえば低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)などのセラミック、あるいは樹脂により形成されている。誘電体110の内部において、各誘電体層に設けられた複数の電極、および、誘電体層間に設けられた複数のビアによって、フィルタFLT1,FLT2を構成するためのインダクタおよびキャパシタが構成される。なお、図3~図5においては、誘電体110の誘電体は省略してあり、内部に設けられる配線パターン、ビアおよび端子の導電体のみが示されている。なお、以下の説明においては、説明を容易にするために、誘電体110が上記のような多層構造である場合を例として説明するが、誘電体110は単層構造であってもよい。
 本明細書において「ビア」とは、異なる誘電体層に設けられた電極を接続するために、誘電体層中に形成される導体を示す。ビアは、たとえば、導電ペースト、めっき、および/または金属ピンなどによって形成される。また、以下の説明においては、誘電体110における誘電体層LY1~LY13が積層されている方向を「Z軸方向」とし、Z軸方向に垂直であって誘電体110の長辺に沿った方向を「X軸方向」とし、誘電体110の短辺に沿った方向を「Y軸方向」とする。また、以下では、各図におけるZ軸の正方向を上側、負方向を下側と称する場合がある。
 誘電体110は、上面111(第1主面)と、下面112(第2主面)とを含む。誘電体110の上面111(誘電体層LY1)には、フィルタ装置100の方向を特定するための方向性マークDMが配置されている。図3に示されるように、誘電体110の下面112(誘電体層LY13)には、当該フィルタ装置100と外部機器とを接続するための外部端子として、アンテナ端子TA、第1端子T1、第2端子T2および接地端子GNDが配置されている。各外部端子は平板状の電極であり、誘電体110の下面112に規則的に配置されたLGA(Land Grid Array)端子である。図4に示されるように、概略的には、誘電体110の右側(X軸の正方向)部分にローバンド側のフィルタFLT1が配置され、左側(X軸の負方向)部分にハイバンド側のフィルタFLT2が配置されている。
 下面112の誘電体層LY13に配置されたアンテナ端子TAは、ビアVA1,VA2および平板電極PA1を介して、誘電体層LY2においてフィルタFLT1とフィルタFLT2との分岐点PB1を含む平板電極PL1Aに接続されている。ビアVA1は、アンテナ端子TAと誘電体層LY12に設けられた平板電極PA1とに接続されている。ビアVA2は、平板電極PA1と平板電極PL1Aとに接続されている。
 まず、ローパスフィルタであるフィルタFLT1の詳細について説明する。上述のように、分岐点PB1は、誘電体110の積層方向の軸(Z軸)周りに巻回された帯状の平板電極PL1Aの途中に配置されている。平板電極PL1の一方の端部にはビアVL1Aが接続されている。平板電極PL1は、ビアVL1を介して誘電体層LY6に設けられた帯状の平板電極PL1Bの一方端に接続されている。平板電極PL1Bは、略C字形状を有しており、平板電極PL1Bの他方端にはビアVL1Bが接続されている。平板電極PL1Bは、当該ビアVL1Bを介して、誘電体層LY8に設けられたキャパシタ電極PC10に接続されている。平板電極PL1A,PL1BおよびビアVL1A,VL1Bによって、図2におけるインダクタL11が構成される。インダクタL11は、Z軸方向を巻回方向とするコイルである。以下の説明では、インダクタL11のようなZ軸方向を巻回方向とするコイルを「平面コイル」とも称する。
 キャパシタ電極PC10は、ビアVC1,VC2によって、誘電体層LY10に設けられたキャパシタ電極PC12に接続されている。誘電体110を積層方向(主面の法線方向)から平面視した場合に、キャパシタ電極PC10,PC12の各々は、少なくとも一部が誘電体層LY9に設けられたキャパシタ電極PC11と重なるように配置されている。キャパシタ電極PC10とキャパシタ電極PC11とによって構成されるキャパシタ、および、キャパシタ電極PC11とキャパシタ電極PC12によって構成されるキャパシタの合成容量によって、図2におけるキャパシタC12が構成される。
 キャパシタ電極PC11は、ビアVL2Bによって、誘電体層LY12に設けられた平板電極PA2に接続される。平板電極PA2はビアV1によって、誘電体110の下面112の誘電体層LY13に配置された第1端子T1に接続されている。また、キャパシタ電極PC11は、ビアVL2Bによって、誘電体層LY2に設けられた直線状の平板電極PL2Aの一方端、および、誘電体層LY3に設けられた直線状の平板電極PL2Bの一方端にも接続されている。平板電極PL2A,PL2Bの各々の他方端は、ビアVL2Aによって、誘電体層LY8のキャパシタ電極PC10に接続されている。平板電極PL2A,PL2BおよびビアVL2A,VL2Bによって、図2におけるインダクタL12が構成される。インダクタL12は、直線状に延在する平板電極と複数のビアとによって構成され、巻回軸がZ軸方向に対して交差するコイルである。以降の説明において、インダクタL12のような構成のコイルを「縦型コイル」とも称する。
 なお、インダクタL11の線路長は、インダクタL12の線路長よりも長いことが望ましい。一般的に、縦型コイルは平面コイルと比べてQ値が高く損失は小さいが、大きなリアクタンス値を得ることには不利である。そのため、Q値の高い縦型コイルであるインダクタL12の線路長を相対的に短くし、平面コイルであるインダクタL11の線路長を相対的に長くすることによって、高いQ値を維持したまま、フィルタFLT1に必要とされるインダクタンス値を実現することができる。
 また、ダイプレクサのローバンド側のフィルタにおいては、ハイバンド側の信号をブロックするために、入力側のインダクタンス値をできるだけ高くすることが望ましい。そのため、本実施の形態1においては、相対的にインダクタンス値の大きいインダクタL11がアンテナ端子TAに接続される。
 さらに、縦型コイルについては、通過帯域近傍における急峻特性を得るためには、縦型コイルのリアクタンス値をできるだけ小さくすることが望ましい。そのため、インダクタL12の巻回数を1ターン以下となるように形成することが好ましい。
 キャパシタ電極PC10,PC12を接続するビアVC2は、誘電体層LY11に設けられたキャパシタ電極PC13にも接続されている。キャパシタ電極PC13は、誘電体110を積層方向から平面視した場合に、誘電体層LY12に設けられた接地電極PG1と部分的に重なるように配置されている。接地電極PG1は、ビアVG1によって、誘電体110の下面112の誘電体層LY13に配置された接地端子GNDに接続されている。キャパシタ電極PC13および接地電極PG1によって、図2におけるキャパシタC11が構成される。
 次に、ハイパスフィルタであるフィルタFLT2の詳細について説明する。分岐点PB1が配置される平板電極PL1Aにおける他方端は、ビアVL3を介して、誘電体層LY4に設けられたキャパシタ電極PC20に接続される。キャパシタ電極PC20は、誘電体110を積層方向から平面視した場合に、誘電体層LY3に設けられたキャパシタ電極PC21と部分的に重なるように配置されている。キャパシタ電極PC20およびキャパシタ電極PC21によって、図2におけるキャパシタC21が構成される。
 また、誘電体層LY4には、誘電体110を積層方向から平面視した場合に、誘電体層LY3に設けられたキャパシタ電極PC21と部分的に重なるようにキャパシタ電極PC22が配置されている。キャパシタ電極PC22は、ビアVL5によって、誘電体層LY8に設けられた帯状の平板電極PL5Aの一方端に接続される。平板電極PL5Aの他方端はビアVL5Bに接続されており、当該ビアVL5Bを介して誘電体層LY12に設けられた平板電極PA4に接続されている。平板電極PA4は、ビアV2を介して、誘電体110の下面112の誘電体層LY13に配置された第2端子T2に接続されている。キャパシタ電極PC21およびキャパシタ電極PC22によって、図2におけるキャパシタC22が構成される。
 キャパシタ電極PC22は、ビアVL6Aを介して、誘電体層LY5に設けられ、Z軸周りに巻回された帯状の平板電極PL6Aの一方端にも接続されている。平板電極PL6Aの他方端には、ビアVL6Bが接続されている。平板電極PL6Aは、当該ビアVL6Bを介して、誘電体層LY6に設けられ、Z軸周りに巻回された帯状の平板電極PL6Bの一方端に接続されている。平板電極PL6Bの他方端には、ビアVL6Cが接続されている。平板電極PL6Bは、当該ビアVL6Cを介して、誘電体層LY7に設けられ、Z軸周りに巻回された帯状の平板電極PL6Cの一方端に接続されている。平板電極PL6Cの他方端には、ビアVL6Dが接続されている。平板電極PL6Cは、当該ビアVL6Dを介して、誘電体層LY10に設けられたキャパシタ電極PC30に接続されている。平板電極PL6A~PL6CおよびビアVL6A~VL6Dによって、図2におけるインダクタL22が構成される。
 キャパシタ電極PC30は、誘電体110を積層方向から平面視した場合に、誘電体層LY12に設けられた接地電極PG1と部分的に重なるように配置されている。キャパシタ電極PC30および接地電極PG1によって、図2におけるキャパシタC23が構成される。
 また、キャパシタ電極PC21は、ビアVL4Aによって、誘電体層LY5に設けられた、Z軸周りに巻回された帯状の平板電極PL4Aの一方端に接続されている。平板電極PL4Aの他方端には、ビアVL4Bによって、誘電体層LY6に設けられた帯状の平板電極PL4Bの一方端に接続されている。平板電極PL4Bは、略L字形状を有しており、他方端にはビアVL4Cが接続されている。ビアVL4Cは、誘電体層LY12に設けられた平板電極PA3に接続されている。平板電極PA3は、ビアVG2によって、誘電体110の下面112の誘電体層LY13に配置された接地端子GNDに接続されている。平板電極PL4A,PL4B,PA3およびビアVL4A~VL4C,VG2によって、図2におけるインダクタL21が構成される。
 (製造ばらつきによる特性変動)
 近年では、使用される周波数帯域の増加によって、ハイバンド側の通過帯域とローバンド側の通過帯域とが近接した、バンドギャップの小さいダイプレクサが要求される場合がある。この場合、各バンドについて、通過帯域の近傍の非通過帯域における減衰の急峻性が必要とされる。たとえば、ハイバンド側が2.3GHz帯であり、ローバンド側が2.2GHzの場合、各バンドについて20MHz程度の周波数余裕度が必要とされる。
 各バンドの周波数帯域幅および減衰量は、ダイプレクサを構成する各フィルタにおける共振周波数に大きく影響される。したがって、上記のような狭いバンドギャップの要求を安定的に実現するためには、共振周波数のばらつきを抑制することが重要となる。
 上記のようなフィルタ装置100において、ハイバンド側のフィルタFLT2に含まれるインダクタL21,L22は、Z軸方向を巻回軸とする平面コイルで構成されている。一方、ローバンド側のフィルタFLT1においては、インダクタL11は平面コイルで構成され、インダクタL12はビアと直線状の平板電極とで形成される縦型コイルで構成されている。
 ここで、ローバンド側のフィルタFLT1のように、平面コイルおよび縦型コイルの双方がインダクタとして用いられる場合、縦型コイルの巻回軸方向が平面コイル方向に向いていると、平面コイルと縦型コイルとの間に磁気結合が生じる。この場合、ビア形成時の加工精度あるいは誘電体の積層プレスの際の歪みなどにより、平面コイルと縦型コイルとの間の位置関係に設計値からの微小な位置ずれが生じると、2つのコイルの磁気結合が容易に変化してしまい、結果としてフィルタの共振周波数にもずれが生じてしまうことになる。そうすると、所望の通過帯域幅および減衰量が実現できなくなる可能性がある。
 そこで、本実施の形態1においては、インダクタとして平面コイルおよび縦型コイルが用いられるフィルタにおいて、平面コイルの巻回軸方向からフィルタを平面視した場合に、縦型コイルの巻回軸(すなわち、ビアと平板電極によって構成される仮想平面の法線方向)が平面コイルと交差しないように、2つのコイルを配置する。言い換えると、コイル間に磁気結合が発生しないように、2つのコイルを配置する。このような構成にすると、もともと2つのコイル間における磁気結合が弱い、あるいは、生じていないため、仮に製造上のばらつきによって平面コイルと縦型コイルとの位置関係にズレが生じた場合でも、磁気結合の変動が発生しにくくなる。したがって、製造ばらつきに起因した特性変動を抑制することができる。
 図6は、実施の形態1のフィルタ装置100と比較例のフィルタ装置100Xにおけるコイル配置について、縦型コイルの位置ずれによって生じるフィルタの共振周波数の変動を説明するための図である。図6においては、各フィルタ装置のローバンド側のフィルタの部分を誘電体110の積層方向(Z軸方向)から平面視したときの各コイルの配置と、縦型コイルのビア位置を巻回軸方向に20μmずらした場合の共振周波数の変動量のシミュレーション値が示されている。なお、図6には、実施の形態1の変形例のフィルタ装置100Aの場合もあわせて記載されている。また、図6のコイル配置図においては、フィルタ装置のハイバンド側の構成は省略されている。
 実施の形態1のフィルタ装置100においては、縦型コイルであるインダクタL12が、平面コイルであるインダクタL11に対して傾斜して配置されている。より具体的には、インダクタL11,L12の配列方向(すなわち、Y軸方向)と、インダクタL12を構成する平板電極PL2Aの延在方向とのなす角をθとすると、0°<θ≦45°となるようにインダクタL12が配置される。なお、変形例のフィルタ装置100Aは、縦型コイルであるインダクタL12Aの巻回方向がX軸方向となるようにインダクタL12Aが配置された場合、すなわちθ=0°の場合の例である。一方、比較例のフィルタ装置100Xにおいては、縦型コイルであるインダクタL12Xの巻回軸がY軸方向になるように、インダクタL12Xが配置されている。すなわち、比較例はθ=90°の場合の例である。
 なお、各例におけるコイル配置の図において、矢印AR1,AR2,AR3は、縦型コイルであるインダクタL12,L12A,L12Xの巻回軸の方向を示している。比較例のフィルタ装置100Xにおいては、インダクタL12Xにおいて平板電極の延在方向の中央から、当該延在方向に直交する方向(すなわち、巻回軸方向)に描いた仮想線CL3は、インダクタL11と交差している。一方、フィルタ装置100,100Aにおいては、インダクタL12,L12Aの巻回軸方向に描いた仮想線CL1,CL2は、インダクタL11の内面SF1、および、インダクタL11の本体とは交差していない。なお、インダクタL11の「内面」とは、コイル形状のインダクタL11における空芯部側の面を示す。また、仮想線CL1,CL2,CL3の各々の延在方向は、各インダクタにおいて、直線状に延在する平板電極に接続される2つのビアの間の中央位置から、当該2つのビアを結ぶ方向に対して直交する方向である。
 このような構成において、縦型コイルの巻回軸方向(すなわち、矢印AR1,AR2,AR3の方向)に、ビア位置を20μm移動させたときの共振周波数の変動量は、比較例のフィルタ装置100Xでは15MHzであるが、実施の形態1のフィルタ装置100では3MHz、変形例のフィルタ装置100Aでは5MHzまで低減されている。なお、変形例のフィルタ装置100Aにおいては、実施の形態1のフィルタ装置100に比べて、インダクタL11とインダクタL12Aとの間の距離が短いことから、磁気結合の度合いがフィルタ装置100よりも大きいため、変動量への影響も大きくなったものと考えられる。
 次に図7および図8を用いて、実施の形態1および比較例のフィルタ装置における減衰特性について説明する。図7は、減衰特性の評価ポイントを説明するための図である。図8は、実施の形態1および比較例のフィルタ装置の製造ロット内における、上記評価ポイントの周波数のばらつき(標準偏差σ)を示した図である。なお、各ロットの個数は30個である。
 図7において、実線LN10はローバンド(LB)側のフィルタの挿入損失を示しており、破線LN11はハイバンド(HB)側のフィルタの挿入損失を示している。評価ポイントとして、非通過帯域において挿入損失が3dBとなる点を「fc」で示し、減衰極の位置を「fr」で示す。
 図8を参照して、ローバンド側については、実施の形態1のフィルタ装置100におけるfcのばらつきは2.9MHzであり、frのばらつきは5.7MHzである。一方、比較例のフィルタ装置100Xについては、fcのばらつきは4.7MHzであり、frのばらつきは8.7MHzである。したがって、実施の形態1においては、比較例よりも、fcのばらつきは38%低減しており、frのばらつきは34%低減している。
 また、ハイバンド側については、実施の形態1のフィルタ装置100におけるfcのばらつきは2.8MHzであり、frのばらつきは4.9MHzである。一方、比較例のフィルタ装置100Xについては、fcのばらつきは4.6MHzであり、frのばらつきは5.1MHzである。したがって、fcに関しては、実施の形態1は比較例よりも38%低減しているが、frについては5%程度の低減となっている。基本的には、ハイバンド側のフィルタ特性に対する、ローバンド側の縦型コイルの位置ずれの影響はほとんどない。しかしながら、たとえばローバンド側のfc,fr特性が高周波数側に変動した場合には、ハイバンド側の減衰量が劣化し、ハイバンド側の信号がローバンド側に漏洩する量が増加する。そうすると、ハイバンド側に流れる電流が減少し、ハイバンド側のfcが変動する。そのため、ローバンド側の特性ばらつきが抑制されたことに伴って、ハイバンド側のfc特性のばらつきについても低減したものと考えられる。
 図9は、実施の形態1のフィルタ装置100の減衰特性を示す図である。図9において、実線LN20はローバンド側のフィルタFLT1の挿入損失を示しており、破線LN21はハイバンド側のフィルタFLT2の挿入損失を示している。図9に示されているように、ローバンド側のフィルタFLT1においては、ハイバンド側よりも、減衰極における減衰量が大きく、かつ、急峻な減衰特性が実現されている。
 以上のように、インダクタとして平面コイルと縦型コイルを含むフィルタが備えられたフィルタ装置において、縦型コイルの巻回軸方向に描いた仮想線が、平面コイルの少なくとも内面と交差しないように配置することによって、縦型コイルの位置ずれに対する特性変動を低減することができる。したがって、製造上のばらつきに対するロバスト性を向上させることができる。
 なお、上記の説明においては、ローバンド側のフィルタFLT1に平面コイルと縦型コイルとが併用される場合について説明したが、ハイバンド側のフィルタFLT2に平面コイルと縦型コイルとが併用される場合も、本開示の特徴を適用することができる。
 本実施の形態1における「フィルタFLT1」および「フィルタFLT2」は、本開示における「第1フィルタ」および「第2フィルタ」にそれぞれ対応する。実施の形態1における「インダクタL11」および「インダクタL12」は、本開示における「第1インダクタ」および「第2インダクタ」にそれぞれ対応する。実施の形態1における「平板電極PL2A,PL2B」は、本開示における「第1平板電極」に対応する。本実施の形態1における「平面コイル」および「縦型コイル」は、本開示における「第1型コイル」および「第2型コイル」にそれぞれ対応する。
 [実施の形態2]
 実施の形態1においては、ダイプレクサのローバンド側のフィルタに2つのインダクタが含まれる場合の、インダクタ配置について説明した。実施の形態2においてはローバンド側のフィルタに3つのインダクタが含まれる場合について説明する。
 図10は、実施の形態2に係るフィルタ装置100Bの等価回路図である。フィルタ装置100Bにおいては、図2に示した実施の形態1のフィルタ装置100におけるローバンド側のフィルタFLT1が、フィルタFLT1Aに置き換わった構成となっている。フィルタFLT1Aは、実施の形態1のフィルタFLT1の構成に加えて、インダクタL13およびキャパシタC13をさらに備えている。なお、図10のフィルタ装置100Bにおいて、図2のフィルタ装置100と重複する要素の説明は繰り返さない。
 図10を参照して、フィルタFLT1Aにおいては、フィルタFLT1におけるインダクタL11とインダクタL12との間にインダクタL13が直列に接続されている。そして、インダクタL12とインダクタL13との間の接続ノードと接地端子GNDとの間に、キャパシタC13が配置されている。
 このように、3つのインダクタを含む構成においても、実施の形態1での説明と同様に、製造上のばらつきによる特性の変動を抑制するためには、各インダクタ間における磁気結合を抑制することが必要となる。そのため、フィルタFLT1Aにおいては、3つのインダクタのうち、インダクタL12,L13を縦型コイルで形成するとともに、インダクタL11を平面コイルで形成する。そして、フィルタ装置を平面視した場合に、縦型コイルであるインダクタL12,L13の巻回軸が、平面コイルであるインダクタL11の内面と交差しないように各インダクタが配置される。さらに、インダクタL12,L13の各々の巻回軸が、他方のインダクタと交差しないように、インダクタL12,L13が配置される。
 フィルタFLT1Aにおけるインダクタをこのような配置とすることによって、製造ばらつきが生じた場合でも、フィルタFLT1Aのフィルタ特性の変動を抑制することができる。
 以下、図11~図13に、実施の形態2に係るフィルタ装置に含まれるローバンド側のフィルタFLT1Aにおけるインダクタの配置例について説明する。
 (第1例)
 図11は、実施の形態2の第1例に係るフィルタ装置100BのフィルタFLT1Aにおけるコイル配置の平面図である。図11においては、誘電体110におけるフィルタFLT1Aの領域は長方形であり、当該領域の長辺のY軸方向に沿って、3つのインダクタが、インダクタL12,L11,L13の順に配置されている。インダクタL11は平面コイルであり、インダクタL12,L13は縦型コイルである。
 インダクタL12は、実施の形態1におけるフィルタFLT1と同様に、インダクタの配列方向(Y軸方向)に対して0°≦θ≦45°となるように配置されている。そして、インダクタL11の巻回方向(矢印AR10)に描いた仮想線CL1は、インダクタL11の内面SF1および本体、ならびに、インダクタL13とは交差していない。
 インダクタL13についても、インダクタL12と同様に、インダクタの配列方向に対して0°≦θ≦45°となるように配置されている。そして、インダクタL13の巻回方向(矢印AR11)に描いた仮想線CL4は、インダクタL11の内面SF1および本体、ならびに、インダクタL11とは交差していない。
 このように、フィルタが、インダクタとして2つの縦型コイルと1つの平面コイルを含む場合においても、縦型コイルの巻回軸の方向が平面コイルと交差しないようにすることによって、縦型コイルの位置ずれに対するロバスト性を高めることができる。
 (第2例)
 図12は、実施の形態2の第2例に係るフィルタ装置100B1のフィルタFLT1Aにおけるコイル配置の平面図である。フィルタ装置100B1においても、図11のフィルタ装置100Bの場合と同様に、誘電体110におけるフィルタFLT1Aの領域は長方形であり、当該領域の長辺のY軸方向に沿って、3つのインダクタが、インダクタL12,L11,L13Aの順に配置されている。インダクタL11は平面コイルであり、インダクタL12,L13Aは縦型コイルである。
 フィルタ装置100B1においては、インダクタL11,L12は図11と同様に配置されている。インダクタL13Aは、図11におけるインダクタL13を、誘電体110の法線(Z軸)のまわりに90°回転した位置に配置されている。
 この場合においても、インダクタL13Aの巻回方向(矢印AR12)に描いた仮想線CL4Aは、インダクタL11の内面SF1および本体、ならびに、インダクタL11とは交差していない。また、インダクタL11の巻回方向(矢印AR10)に描いた仮想線CL1は、インダクタL11の内面SF1および本体、ならびに、インダクタL13Aとは交差していない。
 第2例のようなコイル配置のフィルタ装置100B1においても、縦型コイルの巻回軸の方向が平面コイルと交差しないようにすることによって、縦型コイルの位置ずれに対するロバスト性を高めることができる。
 (第3例)
 図13は、実施の形態2の第3例に係るフィルタ装置100B2のフィルタFLT1Aにおけるコイル配置の平面図である。フィルタ装置100B2において、誘電体110におけるフィルタFLT1Aの領域は略L字形状を有しており、インダクタL13Bは、インダクタL11に対して、インダクタL12とインダクタL11の配列方向(Y軸方向)に直交する方向(X軸方向)に配置されている。
 そして、インダクタL13Bの巻回方向(矢印AR13)に描いた仮想線CL4Bは、インダクタL11の内面SF1および本体、ならびに、インダクタL12とは交差していない。また、インダクタL12の巻回方向(矢印AR10)に描いた仮想線CL1は、インダクタL11の内面SF1および本体、ならびに、インダクタL13Bとは交差していない。
 第3例のようなコイル配置のフィルタ装置100B2においても、縦型コイルの巻回軸の方向が平面コイルと交差しないようにすることによって、縦型コイルの位置ずれに対するロバスト性を高めることができる。
 なお、図13の例においては、インダクタL12の仮想線CL1がインダクタL13Bと交差しない構成であったが、インダクタL13Bの仮想線CL4BがインダクタL11と重なっていなければ、仮想線CL1がインダクタL13Bと交差していてもよい。この場合、特性ばらつきの効果はやや減少するものの、平面コイルと縦型コイルとの磁気結合は抑制されることから、一定程度のばらつき低減の効果を得ることができる。
 なお、実施の形態2における「インダクタL13,L13C,L13D」の各々は、本開示における「第3インダクタ」に対応する。
 今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
 10 通信装置、20 高周波フロントエンド回路、30 RFIC、100,100A,100B,100B1,100B2,100X フィルタ装置、110 誘電体、111 上面、112 下面、ANT アンテナ装置、C11~C13,C21~C23 キャパシタ、DM 方向性マーク、FLT1,FLT1A,FLT2 フィルタ、GND 接地端子、IN 入力端子、V1,V2,VA1,VA2,VC1,VC2,VG1,VG2,VL1,VL1A,VL1B,VL2A,VL2B,VL3,VL4A~VL4C,VL5,VL5B,VL6A~VL6D ビア、L11,L12,L12A,L12X,L13,L13A~L13D,L21,L22 インダクタ、LNA1,LNA2 増幅回路、LY1~LY13 誘電体層、OUT1,OUT2 出力端子、PA1~PA4,PL1,PL1A,PL1B,PL2A,PL2B,PL4A,PL4B,PL5A,PL6A~PL6C 平板電極、PB1 分岐点、PC10~PC13,PC20~PC22,PC30 キャパシタ電極、PG1 接地電極、SF1 内面、T1 第1端子、T2 第2端子、TA アンテナ端子。

Claims (15)

  1.  主面を有する誘電体と、
     前記誘電体に配置された第1フィルタとを備え、
     前記第1フィルタは、前記誘電体内に配置された第1インダクタおよび第2インダクタを含み、
     前記第1インダクタは、前記誘電体の前記主面の法線方向を巻回軸とする第1型コイルであり、
     前記第2インダクタは、前記誘電体に設けられ直線状に延在する第1平板電極と、前記第1平板電極に接続され前記誘電体の前記法線方向に延在するビアとを含む第2型コイルであり、
     前記誘電体の前記法線方向から平面視した場合に、前記第2インダクタにおいて前記第1平板電極の延在方向の中央から、当該延在方向に直交する方向に描いた第1仮想線は、前記第1型コイルの内面と交差しない、フィルタ装置。
  2.  前記誘電体の前記法線方向から平面視した場合に、前記第1仮想線は、前記第1インダクタと交差しない、請求項1に記載のフィルタ装置。
  3.  前記誘電体の前記法線方向から平面視した場合に、
      前記第1インダクタおよび前記第2インダクタは、第1方向に隣接して配置されており、
      前記第1平板電極の延在方向は、前記誘電体において前記第1方向に対して傾斜して配置される、請求項1または2に記載のフィルタ装置。
  4.  前記第1平板電極の延在方向は、前記第1方向に対して0°以上45°以下である、請求項3に記載のフィルタ装置。
  5.  前記第1インダクタの線路長は、前記第2インダクタの線路長よりも長い、請求項1~4のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
  6.  前記第2インダクタの巻回数は、1ターン以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
  7.  前記第1フィルタは、前記誘電体に配置された入力端子および出力端子をさらに備え、
     前記第1フィルタにおいて、前記入力端子から前記出力端子に向かう信号経路に沿って、前記第1インダクタおよび前記第2インダクタの順に配置されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
  8.  前記第1フィルタは、前記誘電体内に配置された第3インダクタをさらに備え、
     前記第3インダクタは、前記誘電体に設けられ直線状に延在する第2平板電極と、前記第2平板電極に接続され前記誘電体の前記法線方向に延在するビアとを含む前記第2型コイルであり、
     前記誘電体の前記法線方向から平面視した場合に、前記第3インダクタにおいて前記第2平板電極の延在方向の中央から、当該延在方向に直交する方向に描いた第2仮想線は、前記第1型コイルの内面と交差しない、請求項1~6のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
  9.  前記第1仮想線は、前記第3インダクタと交差しない、請求項8に記載のフィルタ装置。
  10.  前記第1フィルタは、前記誘電体に配置された入力端子および出力端子をさらに備え、
     前記第1フィルタにおいて、前記入力端子から前記出力端子に向かう信号経路に沿って、前記第2インダクタ、前記第1インダクタ、および前記第3インダクタの順に配置されている、請求項8または9に記載のフィルタ装置。
  11.  前記第1フィルタは、ローパスフィルタまたはバンドパスフィルタである、請求項1~10のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
  12.  前記フィルタ装置は、前記誘電体に配置された第2フィルタをさらに備え、
     前記第2フィルタにおける通過帯域の周波数は、前記第1フィルタにおける通過帯域の周波数よりも高い、請求項1~11のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
  13.  前記第2フィルタは、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタである、請求項12に記載のフィルタ装置。
  14.  主面を有する誘電体と、
     前記誘電体に配置され、第1通過帯域を有する第1フィルタと、
     前記誘電体に配置され、前記第1通過帯域よりも高い周波数の第2通過帯域を有する第2フィルタとを備え、
     前記第1フィルタは、前記誘電体内に配置された第1インダクタおよび第2インダクタを含み、
     前記第1インダクタは、前記誘電体の前記主面の法線方向を巻回軸とする第1型コイルであり、
     前記第2インダクタは、前記誘電体に設けられ直線状に延在する第1平板電極と、前記第1平板電極に接続され前記誘電体の法線方向に延在するビアとを含む第2型コイルであり、
     前記誘電体の前記法線方向から平面視した場合に、前記第2インダクタにおいて前記第1平板電極の延在方向の中央から、当該延在方向に直交する方向に描いた仮想線は、前記第1型コイルの内面と交差しない、フィルタ装置。
  15.  請求項1~14のいずれか1項に記載のフィルタ装置を備えた、高周波フロントエンド回路。
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