WO2022270185A1 - フィルタ装置およびそれを搭載した高周波フロントエンド回路 - Google Patents

フィルタ装置およびそれを搭載した高周波フロントエンド回路 Download PDF

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Abstract

フィルタ装置(100)は、入力端子(TA)と、互いに対向する接地電極(PG1,PG2)と、入力端子(TA)に接続されたフィルタ(FLT1,FLT2)とを備える。フィルタ(FLT1)は、第1通過帯域を有する。フィルタ(FLT2)は、第1通過帯域よりも高い第2通過帯域を有する。フィルタ(FLT1,FLT2)の各々は、接地電極(PG1)と接地電極(PG2)との間に配置された複数段の共振器を含む。フィルタ(FLT1)の1段目の共振器(RCL1)は、接地電極(PG2)に接続されたキャパシタ(C11)と、キャパシタ(C11)と接地電極(PG1)との間に接続されたインダクタ(L11)とを含む。フィルタ(FLT2)の1段目の共振器(RCH1)は、入力端子(TA)と接地電極(PG2)との間に接続されたキャパシタ(C31)と、キャパシタ(C31)と接地電極(PG2)との間に接続されたインダクタ(L31)を含む。

Description

フィルタ装置およびそれを搭載した高周波フロントエンド回路
 本開示は、フィルタ装置およびそれを搭載した高周波フロントエンド回路に関し、より特定的には、ダイプレクサにおける減衰特性を向上させる技術に関する。
 国際公開第2021/029154号明細書(特許文献1)には、ハイバンドフィルタおよびローバンドフィルタを備えたダイプレクサが開示されている。国際公開第2021/029154号明細書(特許文献1)に記載されたダイプレクサにおいて、ハイバンドフィルタおよびローバンドフィルタの各々は、複数段のLC共振回路によって構成されている。
国際公開第2021/029154号明細書
 このようなダイプレクサの各フィルタにおいては、一般的に、通過帯域における挿入損失が小さいこと、および、非通過帯域における減衰特性が大きいことが望まれる。特に、2つのフィルタの通過帯域が近接するような場合には、非通過帯域における減衰量が大きな減衰特性が必要とされる。
 本開示は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数のフィルタを含むフィルタ装置において、非通過帯域の減衰特性を向上させることである。
 本開示に係るフィルタ装置は、入力端子と、互いに対向する第1接地電極および第2接地電極と、入力端子に接続された第1フィルタおよび第2フィルタとを備える。第1フィルタは、第1通過帯域を有する。第2フィルタは、第1通過帯域よりも高い第2通過帯域を有する。第1フィルタおよび第2フィルタの各々は、第1接地電極と第2接地電極との間に配置された複数段の共振器を含む。第1フィルタにおいて、入力端子に接続される1段目の共振器は、第2接地電極に接続された第1キャパシタと、第1キャパシタと第1接地電極との間に接続された第1インダクタとを含む。第2フィルタにおいて、入力端子に接続される1段目の共振器は、入力端子と第2接地電極との間に接続された第2キャパシタと、第2キャパシタと第2接地電極との間に接続された第2インダクタとを含む。
 本開示のフィルタ装置によれば、フィルタ装置を構成する第1フィルタ(ローバンドフィルタ)および第2フィルタ(ハイバンドフィルタ)は、対向する2つの接地電極間に配置された複数段の共振器を含む。ローバンドフィルタの1段目の共振器は、2つ接地電極間に直列に接続されたキャパシタおよびインダクタにより構成されている。ハイバンドフィルタの1段目の共振器は、一方の接地電極にキャパシタおよびインダクタが共に接続された、いわゆる閉ループ型の共振器として構成されている。このような構成により、各フィルタにおいて通過帯域よりも低周波数側の非通過帯域の減衰特性を向上させることができる。
実施の形態1のフィルタ装置が適用される高周波フロントエンド回路を有する通信装置のブロック図である。 実施の形態1に係るフィルタ装置の等価回路図である。 実施の形態1に係るフィルタ装置の外形図である。 実施の形態1に係るフィルタ装置の内部を示す斜視図である。 実施の形態1に係るフィルタ装置の詳細な構造の一例を示す分解斜視図である。 実施の形態1のフィルタ装置と比較例のフィルタ装置における通過特性を説明するための図である。 実施の形態2に係るフィルタ装置の内部を示す斜視図である。 実施の形態2のフィルタ装置における通過特性を説明するための図である。 実施の形態3に係るフィルタ装置の内部を示す斜視図である。 実施の形態3のフィルタ装置における通過特性を説明するための図である。 実施の形態4に係るフィルタ装置の内部を示す斜視図である。 実施の形態4のフィルタ装置における通過特性を説明するための図である。 実施の形態5に係るフィルタ装置の内部を示す斜視図である。 実施の形態5のフィルタ装置における通過特性を説明するための図である。
 以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
 [実施の形態1]
 (通信装置の基本構成)
 図1は、実施の形態に従うフィルタ装置100が適用された高周波フロントエンド回路20を含む通信装置10のブロック図である。高周波フロントエンド回路20は、アンテナ装置ANTで受信された高周波信号を、予め定められた複数の周波数帯域に分波して後続の処理回路へ伝達する。高周波フロントエンド回路20は、たとえば、携帯電話、スマートフォンあるいはタブレットなどの携帯端末や、通信機能を備えたパーソナルコンピュータなどの通信装置に用いられる。
 図1を参照して、通信装置10は、フィルタ装置100を含む高周波フロントエンド回路20と、RF信号処理回路(以下、「RFIC」とも称する。)30とを含む。図1に示される高周波フロントエンド回路20は、受信系フロントエンド回路である。高周波フロントエンド回路20は、フィルタ装置100と、増幅回路LNA1,LNA2とを含む。
 フィルタ装置100は、共通端子であるアンテナ端子TAと、第1端子T1と、第2端子T2と、フィルタFLT1,FLT2とを含む。フィルタ装置100は、互いに異なる周波数範囲を通過帯域とするフィルタFLT1(第1フィルタ)およびフィルタFLT2(第2フィルタ)を含むダイプレクサである。以降の説明においては、フィルタ装置100を「ダイプレクサ」と称する場合がある。
 フィルタFLT1は、アンテナ端子TAと第1端子T1との間に接続される。フィルタFLT1は、ローバンド(LB)群の周波数範囲を通過帯域とし、ハイバンド(HB)群の周波数範囲を非通過帯域とするローバンドフィルタである。フィルタFLT2は、アンテナ端子TAと第2端子T2との間に接続される。フィルタFLT2は、ハイバンド群の周波数範囲を通過帯域とし、ローバンド群の周波数範囲を非通過帯域とするハイバンドフィルタである。なお、フィルタFLT1およびフィルタFLT2は、バンドパスフィルタである。
 フィルタFLT1,FLT2の各々は、アンテナ装置ANTで受信された高周波信号のうち、各フィルタの通過帯域に対応する高周波信号を通過させる。これにより、アンテナ装置ANTで受信された高周波信号を予め定められた複数の周波数帯域の信号に分波する。
 増幅回路LNA1,LNA2の各々は、いわゆる低雑音増幅器である。増幅回路LNA1,LNA2は、フィルタ装置100を通過した高周波信号を低雑音で増幅して、RFIC30へ伝達する。
 RFIC30は、アンテナ装置ANTで送受信された高周波信号を処理するRF信号処理回路である。具体的には、RFIC30は、アンテナ装置ANTから高周波フロントエンド回路20の受信側信号経路を介して入力された高周波信号を、ダウンコンバートなどにより信号処理し、当該信号処理により生成された受信信号をベースバンド信号処理回路(図示せず)へ出力する。
 図1のように高周波フロントエンド回路20が受信系フロントエンド回路である場合、フィルタ装置100においては、アンテナ端子TAが入力端子INとなり、第1端子T1および第2端子T2がそれぞれ第1出力端子OUT1および第2出力端子OUT2となる。一方で、高周波フロントエンド回路は送信系フロントエンド回路としても用いることができる。この場合には、フィルタ装置100の第1端子T1および第2端子T2の各々が入力端子となり、アンテナ端子TAが共通の出力端子となる。その場合、増幅回路に含まれる増幅器として、ローノイズアンプに代えてパワーアンプが用いられる。
 (フィルタ装置の構成)
 図2は、図1におけるフィルタ装置(ダイプレクサ)100の等価回路の一例を示す図である。図1で説明したように、フィルタFLT1はアンテナ端子TAと第1端子T1との間に接続されている。また、フィルタFLT2はアンテナ端子TAと第2端子T2との間に接続されている。
 フィルタFLT1,FLT2は、各々がキャパシタおよびインダクタにより構成される、複数段のLC並列共振器を含む。具体的には、フィルタFLT1はLC並列共振器である共振器RCL1~RCL4を含み、フィルタFLT2はLC並列共振器である共振器RCH1~RCH3を含む。
 フィルタFLT1は、共振器RCL1~RCL4に加えて、キャパシタC1~C3を含む。キャパシタC1の一方端はアンテナ端子TAに接続されており、キャパシタC1の他方端は共振器RCL1とキャパシタC2の一方端とに接続されている。共振器RCL1は、キャパシタC1の他方端と接地端子GNDとの間に接続されている。共振器RCL1は、キャパシタC1と接地端子GNDとの間に互いに並列接続されたキャパシタC11およびインダクタL11を含む。共振器RCL2は、キャパシタC2の他方端と接地端子GNDとの間に接続されている。共振器RCL2は、キャパシタC2と接地端子GNDとの間に互いに並列接続されたキャパシタC12およびインダクタL12を含む。
 キャパシタC3の一方端は第1端子T1に接続されており、他方端は共振器RCL3に接続されている。共振器RCL3は、キャパシタC3の他方端と接地端子GNDとの間に接続されている。共振器RCL3は、キャパシタC3と接地端子GNDとの間に互いに並列接続されたキャパシタC13およびインダクタL13を含む。共振器RCL4は、第1端子T1と接地端子GNDとの間に接続されている。共振器RCL4は、第1端子T1と接地端子GNDとの間に互いに並列接続されたキャパシタC14およびインダクタL14を含む。
 フィルタFLT2は、共振器RCH1~RCH3に加えて、キャパシタC21~C23と、インダクタL21とを含む。アンテナ端子TAと第2端子T2との間に、キャパシタC21,C22およびインダクタL21が直列に接続されている。キャパシタC23は、直列接続されたキャパシタC21,C22に対して並列に接続される。
 共振器RCH1は、アンテナ端子TAと接地端子GNDとの間に接続されている。共振器RCH1は、アンテナ端子TAと接地端子GNDとの間に互いに並列接続されたキャパシタC31およびインダクタL31を含む。
 共振器RCH2は、キャパシタC21とキャパシタC22との間の接続ノードN1と、接地端子GNDとの間に接続されている。共振器RCH2は、当該接続ノードN1と接地端子GNDとの間に互いに並列接続されたキャパシタC32およびインダクタL32を含む。
 共振器RCH3は、キャパシタC22とインダクタL21との間の接続ノードN2と、接地端子GNDとの間に接続されている。共振器RCH3は、当該接続ノードN2と接地端子GNDとの間に互いに並列接続されたキャパシタC33およびインダクタL33を含む。
 フィルタFLT1において、共振器RCL1~RCL4は互いに磁気結合している。また、フィルタFLT2において、共振器RCH1~RCH3は互いに磁気結合している。このような、共振器間の磁気結合によって、通過帯域よりも高周波数側および低周波数側に減衰極が形成されるので、フィルタFLT1,FLT2はバンドパスフィルタとして機能する。
 実施の形態1のフィルタ装置100の例においては、フィルタFLT1の通過帯域は超広帯域無線通信規格(UWB:Ultra Wide Band)のチャンネル5(CH5)に対応する6240MHz~6740MHzに設定されており、フィルタFLT2の通過帯域はUWBのチャンネル9(CH9)に対応する7736MHz~8238MHzに設定されている。したがって、フィルタ装置100においては、フィルタFLT1がローバンドフィルタとして機能し、フィルタFLT2がハイバンドフィルタとして機能する。
 次に、図3~図5を用いて、フィルタ装置100の詳細な構成について説明する。図3は、フィルタ装置100の外形図である。図4は図2のフィルタ装置100の内部を示す斜視図であり、図5はフィルタ装置100の詳細な構造の一例を示す分解斜視図である。
 フィルタ装置100は、複数の誘電体層LY1~LY12が所定の方向に積層されることによって形成された、直方体または略直方体の誘電体基板110を備えている。誘電体基板110の各誘電体層は、たとえば低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)などのセラミック、あるいは樹脂により形成されている。誘電体基板110の内部において、各誘電体層に設けられた複数の電極、および、誘電体層間に配置された複数のビアによって、フィルタFLT1,FLT2を構成するインダクタおよびキャパシタが構成される。なお、図4~図5においては、誘電体基板110の誘電体層は省略してあり、誘電体基板110の内部に配置される電極、ビアおよび端子の導電体のみが示されている。なお、以下の説明においては、説明を容易にするために、誘電体基板110が上記のような多層基板である場合を例として説明するが、誘電体基板110は単層の基板であってもよい。
 本明細書において「ビア」とは、異なる誘電体層に設けられた電極を接続するために、誘電体層中に設けられた導体を示す。ビアは、たとえば、導電ペースト、めっき、および/または金属ピンなどによって形成される。また、以下の説明においては、誘電体基板110における誘電体層LY1~LY12が積層されている方向を「Z軸方向」とし、Z軸方向に垂直であって誘電体基板110の長辺に沿った方向を「X軸方向」とし、誘電体基板110の短辺に沿った方向を「Y軸方向」とする。また、以下では、各図におけるZ軸の正方向を上側、負方向を下側と称する場合がある。
 図3~図5を参照して、誘電体基板110は、上面111と、下面112と、側面113~116とを含む。誘電体基板110の上面111(第1層LY1)には、フィルタ装置100の方向を特定するための方向性マークDMが配置されている。図3に示されるように、誘電体基板110の下面112(第12層LY12)には、当該フィルタ装置100と外部機器とを接続するための外部端子(アンテナ端子TA、第1端子T1、第2端子T2および接地端子GND)が配置されている。すなわち、アンテナ端子TA、第1端子T1、第2端子T2および接地端子GNDは、LGA(Land Grid Array)を構成している。
 図4においては、概略的には、誘電体基板110の左側(X軸の負方向)部分にフィルタFLT1が設けられ、右側(X軸の正方向)部分にフィルタFLT2が設けられている。フィルタFLT1においては、誘電体基板110のY軸の負方向の側面114から、Y軸の正方向の側面113に向かって、共振器RCL1~RCL4が順に配置されている。また、フィルタFLT2においては、誘電体基板110の側面114から側面113に向かって、共振器RCH1~RCH3が順に配置されている。
 まず、フィルタFLT1の詳細について説明する。図5を参照して、誘電体基板110の下面112(第12層LY12)に配置されたアンテナ端子TAは、ビアVA1およびビアVLAによって、第7層LY7に配置されたキャパシタ電極PCLAに接続される。誘電体基板110をZ軸方向から平面視した場合に、キャパシタ電極PCLAの一部は、第9層LY9に配置されたキャパシタ電極PCL1の一部と重なっている。キャパシタ電極PCLAとキャパシタ電極PCL1とによって、図2におけるキャパシタC1が構成される。
 キャパシタ電極PCL1は、ビアVL10によって第4層LY4に配置された直線状の平板電極PL3の一方端に接続される。平板電極PL3の他方端には、ビアV11が接続されている。平板電極PL3は、ビアVL11によって第2層LY2のほぼ全面にわたって配置された平板電極PG1に接続されている。ビアVL10,VL11および平板電極PL3によって、図2におけるインダクタL11が構成される。
 平板電極PG1は、ビアVGL1~VGL5,VGH2,VGH3によって、第11層LY11に配置された平板電極PG2に接続されている。平板電極PG2は、ビアVG1~VG6によって、誘電体基板110の下面112(第12層LY12)に配置された接地端子GNDに接続されている。すなわち、平板電極PG1,PG2は接地電極として機能する。
 また、キャパシタ電極PCL1の一部は、誘電体基板110をZ軸方向から平面視した場合に、第11層LY11の平板電極PG2の一部にも重なっている。キャパシタ電極PCL1と平板電極PG2とによって、図2におけるキャパシタC11が構成される。したがって、ビアVL10,VL11、平板電極PL3、キャパシタ電極PCL1および平板電極PG2によって、共振器RCL1が構成される。
 さらに、キャパシタ電極PCL1との一部は、誘電体基板110をZ軸方向から平面視した場合に、第9層LY9に配置されたキャパシタ電極PCL20にも重なっている。キャパシタ電極PCL1とキャパシタ電極PCL20とによって、図2におけるキャパシタC2が構成される。
 キャパシタ電極PCL20は、ビアVL20によって、第10層LY10に配置されたキャパシタ電極PCL21と、第2層LY2の平板電極PG1とに接続される。ビアVL20によって、図2におけるインダクタL12が構成される。誘電体基板110をZ軸方向から平面視した場合に、キャパシタ電極PCL20の一部およびキャパシタ電極PCL21の一部は、第11層LY11の平板電極PG2に重なっている。キャパシタ電極PCL20,PCL21と平板電極PG2とによって、図2におけるキャパシタC12が構成される。したがって、キャパシタ電極PCL20,PCL21およびビアVL20によって、共振器RCL2が構成される。
 第10層LY10には、キャパシタ電極PCL31が配置されている。キャパシタ電極PCL31は、ビアVL30によって、第8層LY8に配置されたキャパシタ電極PCL34と、第2層LY2の平板電極PG1とに接続される。ビアVL30によって、図2におけるインダクタL13が構成される。また、第8層LY8には、ビアVGL5,VGL6に接続されたキャパシタ電極PCL30が配置されている。誘電体基板110をZ軸方向から平面視した場合に、キャパシタ電極PCL31は、第11層LY11の平板電極PG2およびキャパシタ電極PCL30と部分的に重なっている。すなわち、キャパシタ電極PCL30,PCL31と平板電極PG2とによって、図2におけるキャパシタC13が構成される。したがって、キャパシタ電極PCL30,PCL31およびビアVL30によって、共振器RCL3が構成される。
 誘電体基板110をZ軸方向から平面視した場合に、第8層LY8のキャパシタ電極PCL34の一部は、第9層LY9に配置されたキャパシタ電極PCL4の一部と重なっている。キャパシタ電極PCL34とキャパシタ電極PCL4とによって、図2におけるキャパシタC3が構成される。また、キャパシタ電極PCL4の一部は、誘電体基板110をZ軸方向から平面視した場合に、第11層LY11の平板電極PG2にも重なっている。キャパシタ電極PCL4と平板電極PG2とによって、図2におけるキャパシタC14が構成される。キャパシタ電極PCL4は、ビアVL40によって、第2層LY2の平板電極PG1に接続されている。ビアVL40によって、図2におけるインダクタL14が構成される。したがって、キャパシタ電極PCL4およびビアVL40によって、共振器RCL4が構成される。
 キャパシタ電極PCL4は、ビアVLBによって、下面112(第12層LY12)に配置された第1端子T1に接続される。このような構成によって、アンテナ端子TAで受信された高周波信号における、フィルタFLT1の通過帯域の範囲内の信号は、共振器RCL1、共振器RCL2,共振器RCL3および共振器RCL4を伝播して第1端子T1から出力される。
 次に、フィルタFLT2の詳細について説明する。誘電体基板110の下面112に配置されたアンテナ端子TAは、ビアVA1およびビアVH10によって、第9層LY9に配置されたキャパシタ電極PCH1に接続される。キャパシタ電極PCH1の一部は、誘電体基板110をZ軸方向から平面視した場合に、第11層LY11の平板電極PG2に重なっている。キャパシタ電極PCH1と平板電極PG2とよって、図2におけるキャパシタC31が構成される。
 キャパシタ電極PCH1は、ビアVH11によって、第3層LY3に配置された直線状の平板電極PL1の一方端に接続される。平板電極PL1の他方端にはビアVGH1が接続されている。キャパシタ電極PCH1は、ビアVGH1によって第11層LY11の平板電極PG2に接続されている。ビアVH11,VGH1および平板電極PL1によって、図2におけるインダクタL31が構成される。したがって、キャパシタ電極PCH1、ビアVH11,VGH1および平板電極PL1によって、共振器RCH1が構成される。
 さらに、キャパシタ電極PCH1は、ビアVH12によって、第6層LY6に配置されたキャパシタ電極PCH12に接続される。キャパシタ電極PCH12の一部は、誘電体基板110をZ軸方向から平面視した場合に、第7層LY7に配置されたキャパシタ電極PCH2に重なっている。キャパシタ電極PCH12とキャパシタ電極PCH2とよって、図2におけるキャパシタC21が構成される。
 キャパシタ電極PCH2は、誘電体基板110をZ軸方向から平面視した場合に、第6層LY6に配置されたキャパシタ電極PCH23および第11層LY11の平板電極PG2と部分的に重なっている。キャパシタ電極PCH2とキャパシタ電極PCH23とよって、図2におけるキャパシタC23が構成される。また、キャパシタ電極PCH2と平板電極PG2とによって、図2におけるキャパシタC32が構成される。
 キャパシタ電極PCH2は、ビアVH20によって、第2層LY2の平板電極PG1に接続される。ビアVH20によって、図2におけるインダクタL32が構成される。したがって、キャパシタ電極PCH2とビアVH20とによって、共振器RCH2が構成される。
 第6層LY6のキャパシタ電極PCH12,PCH23は、誘電体基板110をZ軸方向から平面視した場合に、第5層LY5に配置されたキャパシタ電極PCH13と部分的に重なっている。キャパシタ電極PCH12,PCH23,PCH13によって、図2におけるキャパシタC13が構成される。
 さらに、キャパシタ電極PCH23は、ビアVH30によって、第9層LY9に配置されたキャパシタ電極PCH3に接続される。キャパシタ電極PCH3の一部は、誘電体基板110をZ軸方向から平面視した場合に、第11層LY11の平板電極PG2と重なっている。すなわち、キャパシタ電極PCH3と平板電極PG2とによって、図2におけるキャパシタC33が構成される。
 キャパシタ電極PCH3は、ビアVH31によって、第2層LY2の平板電極PG1および第4層LY4に配置された平板電極PL2に接続される。ビアVH31によって、図2におけるインダクタL33が構成される。したがって、キャパシタ電極PCH3とビアVH31とによって共振器RCH3が構成される。
 第4層LY4の平板電極PL2は、図4に示されるように、ビアVHAによって下面112(第12層LY12)の第2端子T2に接続される。平板電極PL2およびビアVHAによって、図2におけるインダクタL21が構成される。
 このような構成によって、アンテナ端子TAで受信された高周波信号における、フィルタFLT2の通過帯域の範囲内の信号は、共振器RCH1、共振器RCH2および共振器RCH3を伝播して第2端子T2から出力される。
 ここで、図4に示されるように、実施の形態1のフィルタ装置100においては、ローバンドフィルタであるフィルタFLT1の1段目の共振器RCL1は、平板電極PG2に接続されたキャパシタC11と、当該キャパシタC11と平板電極PG1との間に接続されたインダクタL11とによって構成されている。キャパシタC11はキャパシタ電極PCL1と平板電極PG2とによって構成され、インダクタL11はビアVL10,VL11および平板電極PL3によって構成される。このため、共振器RCL1は、平板電極PG1と平板電極PG2との間に接続されている。
 一方、ハイバンドフィルタであるフィルタFLT2の1段目の共振器RCH1は、平板電極PG2に接続されたキャパシタC31と、当該キャパシタC31と平板電極PG2との間に接続されたインダクタL31とによって構成されている。すなわち、キャパシタC31およびインダクタL31の双方が平板電極PG2に接続された構成となっており、平板電極PG1には接続されていない。キャパシタC31はキャパシタ電極PCH1と平板電極PG2とによって構成され、インダクタL31はビアVH11,VGH1および平板電極PL1によって構成される。インダクタL31はループ形状のインダクタである。このため、共振器RCH1は、ループ形状のインダクタを有する、閉ループ型の共振器となっている。
 ローバンドフィルタであるフィルタFLT1のように、平板電極PG1,PG2の2つの接地電極の間にインダクタおよびキャパシタを直列に接続した共振器の構成では、ループ形状のインダクタに比べてインダクタンスの値が小さくなる。また、他の共振器と共用される平板電極PG1に直接接続されていることから、隣接する共振器との結合が強くなる。このような構成により、ローバンドフィルタであるフィルタFLT1の通過帯域よりも高周波数側の減衰量が大きな減衰特性を実現することができる。
 一方で、ハイバンドフィルタであるフィルタFLT2の共振器RCH1のように、ループ形状のインダクタを有する構成の場合、対向するビアを流れる電流の向きが互いに反対方向となるため、ビアVL10,VL11および平板電極PL3で構成される円環形状のインダクタの空芯部における磁束が強められ、インダクタンスの値を大きくすることができる。また、共振器RCH1は複数段の共振器で共用される接地電極の平板電極PG1に接続されていないため、隣接する他の共振器との結合が弱くなる。そのため、共振器RCH1を閉ループ型の共振器とすることによって、共振器RCH1における通過帯域よりも低周波数側の減衰量が大きな減衰特性を実現することができる。
 (通過特性)
 図6は、実施の形態1のフィルタ装置100と比較例のフィルタ装置における通過特性を説明するための図である。なお、図には示していないが、比較例のフィルタ装置は、実施の形態1のフィルタ装置100とは反対に、ローバンドフィルタの1段目の共振器が閉ループ型の共振器で構成され、ハイバンドフィルタの1段目の共振器がループ形状のインダクタを含まない共振器で構成されている。図6においては、ローバンドフィルタおよびハイバンドフィルタの挿入損失および反射損失が示されている。挿入損失は、実線LN10,LN15,LN20,LN25で示されている。反射損失は、破線LN11,LN16,LN21,LN26で示されている。
 図6に示されるように、実施の形態1のフィルタ装置100のほうが、ローバンドフィルタおよびハイバンドフィルタのいずれにおいても、通過帯域よりも低い0~5GHz付近の周波数帯域における減衰量が大幅に大きくなっており、さらに減衰の急峻度が大きくなっている。
 以上のように、各フィルタが複数段の共振器を含んで構成されるフィルタ装置(ダイプレクサ)において、ハイバンドフィルタの1段目の共振器を閉ループ型の共振器として構成し、ローバンドフィルタの1段目の共振器を非ループ型の共振器として構成することによって、通過帯域よりも低周波数側の非通過帯域における減衰特性を向上させることができる。
 なお、上記の説明においては、フィルタ装置が2つのフィルタを含むダイプレクサの場合を例として説明したが、本開示の特徴は3つ以上のフィルタを含むマルチプレクサに適用してもよい。
 本実施の形態1における「フィルタFLT1」および「フィルタFLT2」は、本開示における「第1フィルタ」および「第2フィルタ」にそれぞれ対応する。本実施の形態1における「平板電極PG1」および「平板電極PG2」は、本開示における「第1接地電極」および「第2接地電極」にそれぞれ対応する。本実施の形態1における「キャパシタC11]および「キャパシタC31」は、本開示における「第1キャパシタ」および「第2キャパシタ」にそれぞれ対応する。本実施の形態1における「インダクタL11]および「インダクタL31」は、本開示における「第1インダクタ」および「第2インダクタ」にそれぞれ対応する。本実施の形態1における「ビアVH11」および「ビアVGH1」は、本開示における「第1ビア」および「第2ビア」にそれぞれ対応する。本実施の形態1における「平板電極PL1」は、本開示における「第1線路電極」に対応する。本実施の形態1における「ビアVL10」および「ビアVL11」は、本開示における「第6ビア」および「第7ビア」にそれぞれ対応する。本実施の形態1における「平板電極PL3」は、本開示における「第2線路電極」に対応する。
 [実施の形態2]
 実施の形態2においては、ハイバンドフィルタにおける1段目の共振器の他の構成について説明する。
 (フィルタ装置の構成)
 図7は、実施の形態2に係るフィルタ装置100Aの内部を示す斜視図である。図7においては、図4に示したフィルタ装置100におけるハイバンドフィルタであるフィルタFLT2の共振器RCH1が、共振器RCH1Aに置き換えられた構成となっている。より詳細には、共振器RCH1における平板電極PL1が平板電極PL1Aに置き換えられている。平板電極PL1Aは、Z軸方向から平面視した場合に略L字形状を有しており、ビアVH11,VGH1に加えてビアVGH2にも接続されている。すなわち、共振器RCH1Aは、ビアVH11,VGH1および平板電極PL1Aによって閉ループ型の共振器を構成するとともに、ビアVGH2によって平板電極PG1,PG2の双方に接続される構成となっている。閉ループ型の共振器が、共用の接地電極である平板電極PG1にも接続されることにより、実施の形態1の共振器RCH1に比べて、隣接する他の共振器との結合を強めることができる。
 なお、実施の形態2のフィルタ装置100Aにおいて、共振器RCH1A以外の構成はフィルタ装置100と同じであり、フィルタ装置100と重複する要素の説明は繰り返さない。
 (通過特性)
 図8は、実施の形態2のフィルタ装置100Aにおける通過特性を説明するための図である。図8において、実線LN30,LN35は挿入損失を示しており、破線LN31,LN36は反射損失を示している。
 図8を参照して、フィルタ装置100Aの構成においても、図6の比較例のフィルタ装置に比べると、通過帯域よりも低周波数側の周波数帯域における減衰量が大きくなっている。なお、実施の形態1のフィルタ装置100と比べると、隣接する共振器との結合が強くなっているため、通過帯域よりも低周波数側の周波数帯域全体の減衰量はやや小さくなっているが、5GHz付近の減衰量は実施の形態1のフィルタ装置100よりも大きい。
 このように、閉ループ型の共振器で構成される共振器RCH1Aが共通の接地電極に接続されることによって、インダクタスを確保しつつ、隣接する共振器との結合度合いを調整することができる。これにより、フィルタ装置100Aにおいては、通過帯域よりも低周波数側の周波数帯域における減衰量を大きくすることができ、特に5GHz付近の減衰量を大きくすることができる。
 なお、実施の形態2における「平板電極PL1A」は、本開示における「第1線路電極」に対応する。実施の形態2における「ビアVGH2」は、本開示における「第3ビア」に対応する。
 [実施の形態3]
 実施の形態3においては、ハイバンドフィルタにおける1段目の共振器のさらに他の構成について説明する。
 (フィルタ装置の構成)
 図9は、実施の形態3に係るフィルタ装置100Bの内部を示す斜視図である。図9においては、図4に示したフィルタ装置100におけるハイバンドフィルタの共振器RCH1が、共振器RCH1Bに置き換えられた構成を有している。より詳細には、共振器RCH1における平板電極PL1が平板電極PL1Bに置き換えられている。平板電極PL1Bは、Z軸方向から平面視した場合に略L字形状を有しており、ビアVH11,VGH1に加えてビアVGH2,VGH3にも接続されている。すなわち、共振器RCH1Bは、ビアVH11,VGH1および平板電極PL1Bによって閉ループ型の共振器を構成するとともに、ビアVGH2,VGH3によって平板電極PG1,PG2の双方に接続される構成となっている。そのため、実施の形態2の場合と同様に共振器RCH1Bにおけるインダクタンスを確保するとともに、実施の形態2の場合よりも隣接する共振器との結合をさらに強めることができる。
 なお、実施の形態3のフィルタ装置100Bにおいて、共振器RCH1B以外の構成はフィルタ装置100と同じであり、フィルタ装置100と重複する要素の説明は繰り返さない。
 (通過特性)
 図10は、実施の形態3のフィルタ装置100Bにおける通過特性を説明するための図である。図10において、実線LN40,LN45は挿入損失を示しており、破線LN41,LN46は反射損失を示している。
 図10を参照して、フィルタ装置100Bの構成においても、図6の比較例のフィルタ装置に比べると、通過帯域よりも低周波数側の周波数帯域における減衰量が大きくなっている。なお、フィルタ装置100Bにおいても、4~5GHz付近の減衰量は、実施の形態1のフィルタ装置100よりも大きい。
 このように、閉ループ型の共振器で構成される共振器RCH1Bが共通の接地電極に接続されることによって、インダクタスを確保しつつ、隣接する共振器との結合度合いを調整することができる。これにより、フィルタ装置100Bにおいては、通過帯域よりも低周波数側の周波数帯域における減衰量を大きくすることができ、特に4~5GHz付近の減衰量を大きくすることができる。
 なお、実施の形態3における「平板電極PL1B」は、本開示における「第1線路電極」に対応する。実施の形態3における「ビアVGH2」および「ビアVGH3」は、本開示における「第3ビア」および「第4ビア」にそれぞれ対応する。
 [実施の形態4]
 実施の形態4においては、ハイバンドフィルタにおける1段目の共振器のさらに他の構成について説明する。
 (フィルタ装置の構成)
 図11は、実施の形態4に係るフィルタ装置100Cの内部を示す斜視図である。図11においては、図4に示したフィルタ装置100におけるハイバンドフィルタであるフィルタFLT2の共振器RCH1が、共振器RCH1Cに置き換えられた構成となっている。より詳細には、共振器RCH1における平板電極PL1が平板電極PL1Cに置き換えられるとともに、ビアVGH1が除かれた構成となっている。平板電極PL1Cは、Z軸方向から平面視した場合に略L字形状を有しており、ビアVH11およびビアVGH2に接続されている。
 すなわち、共振器RCH1は、ビアVH11,VGH2および平板電極PL1Cによって閉ループ型の共振器を構成するとともに、ビアVGH2によってさらに平板電極PG1に接続される構成となっている。
 なお、実施の形態4のフィルタ装置100Cにおいて、共振器RCH1C以外の構成はフィルタ装置100と同じであり、フィルタ装置100と重複する要素の説明は繰り返さない。
 (通過特性)
 図12は、実施の形態4のフィルタ装置100Cにおける通過特性を説明するための図である。図12において、実線LN50,LN55は挿入損失を示しており、破線LN51,LN56は反射損失を示している。
 図12を参照して、フィルタ装置100Cの構成においても、図6の比較例のフィルタ装置に比べると、通過帯域よりも低周波数側の周波数帯域における減衰量が大きくなっている。なお、共振器RCH1Cにおいては、ビアVGH1に代えてビアVGH2によってループ形状のインダクタが構造されているため、実施の形態1の共振器RCH1に比べるとループ形状のインダクタの空芯径が大きくなり、共振器RCH1CのQ値が共振器RCH1に比べて向上する。これにより、図12の特性図では明確には示されていないが、挿入損失の低減が期待できる。
 なお、実施の形態4における「平板電極PL1C」は、本開示における「第1線路電極」に対応する。実施の形態4において、「ビアVGH2」における平板電極PL1Cと平板電極PG2との間の部分が本開示における「第2ビア」に対応し、「ビアVGH2」における平板電極PL1Cと平板電極PG1との間の部分が本開示における「第5ビア」に対応する。
 [実施の形態5]
 実施の形態5においては、ローバンド側のフィルタにおける1段目の共振器の他の構成について説明する。
 (フィルタ装置の構成)
 図13は、実施の形態5に係るフィルタ装置100Dの内部を示す斜視図である。図13においては、図7に示した実施の形態2のフィルタ装置100AにおけるローバンドフィルタであるフィルタFLT1の共振器RCL1が、共振器RCL1Dに置き換えられた構成となっている。より詳細には、共振器RCL1Dにおいては、インダクタL11が1つのビアVL10Dによって構成されており、当該ビアVL10DによってキャパシタC11と平板電極PG1とが接続されている。共振器RCL1Dでは、実施の形態1における共振器RCL1に比べると、インダクタの長さが短くなっているため、インダクタンスの値が小さくなる。これによって、特性図では明確には示される程ではないものの、実施の形態2の構成と比べて、挿入損失の低減が期待できる。
 なお、実施の形態5のフィルタ装置100Dにおいて、共振器RCH1C以外の構成はフィルタ装置100と同じであり、フィルタ装置100と重複する要素の説明は繰り返さない。
 (通過特性)
 図14は、実施の形態5のフィルタ装置100Dにおける通過特性を説明するための図である。図14において、実線LN60,LN65は挿入損失を示しており、破線LN61,LN66は反射損失を示している。
 図12を参照して、フィルタ装置100Dの構成においても、実施の形態2のフィルタ装置100Aと同様に、図6の比較例のフィルタ装置に比べると、通過帯域よりも低周波数側の周波数帯域における減衰量が大きくなっている。さらに、図14の特性図では明確には示されてはいないが、共振器RCL1Dのインダクタンスの値が小さくなっているため、図8の実施の形態2のフィルタ装置100Aに比べて、挿入損失の低減が期待できる。
 なお、実施の形態5においては、ハイバンドフィルタの1段目の共振器が実施の形態2の共振器RCH1Aの構成である場合について説明したが、所望のフィルタ特性に応じて、実施の形態1,3,4で説明したハイバンドフィルタの構成と組み合わせてもよい。
 実施の形態5における「ビアVL10D」は、本開示における「第8ビア」に対応する。
 今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
 10 通信装置、20 高周波フロントエンド回路、30 RFIC、100,100A~100D フィルタ装置、110 誘電体基板、111 上面、112 下面、113~116 側面、ANT アンテナ装置、C1~C3,C11~C14,C21~C23,C31~C33 キャパシタ、DM 方向性マーク、FLT1,FLT2 フィルタ、GND 接地端子、IN 入力端子、L11~L14,L21,L31~L33 インダクタ、LNA1,LNA2 増幅回路、LY1~LY12 誘電体層、N1,N2 接続ノード、OUT1,OUT2 出力端子、PCH1~PCH3,PCH12,PCH13,PCH23,PCL1,PCL4,PCL20,PCL21,PCL30,PCL31,PCL34,PCLA キャパシタ電極、PG1,PG2,PL1~PL3,PL1A~PL1C 平板電極、RCH1~RCH3,RCH1A~RCH1C,RCL1~RCL4,RCL1D 共振器、T1 第1端子、T2 第2端子、TA アンテナ端子、V11,VA1,VG1~VG6,VGH1~VGH3,VGL1~VGL6,VH10~VH12,VH20,VH30,VH31,VHA,VL10D,VL10,VL11,VL20,VL30,VL40,VLA ビア。

Claims (8)

  1.  入力端子と、
     互いに対向する第1接地電極および第2接地電極と、
     前記入力端子に接続され、第1通過帯域を有する第1フィルタと、
     前記入力端子に接続され、前記第1通過帯域よりも高い第2通過帯域を有する第2フィルタとを備え、
     前記第1フィルタおよび前記第2フィルタの各々は、前記第1接地電極と前記第2接地電極との間に配置された複数段の共振器を含み、
     前記第1フィルタにおいて、前記入力端子に接続される1段目の共振器は、
      前記第2接地電極に接続された第1キャパシタと、
      前記第1キャパシタと前記第1接地電極との間に接続された第1インダクタとを含み、
     前記第2フィルタにおいて、前記入力端子に接続される1段目の共振器は、
      前記入力端子と前記第2接地電極との間に接続された第2キャパシタと、
      前記第2キャパシタと前記第2接地電極との間に接続された第2インダクタとを含む、フィルタ装置。
  2.  前記第2インダクタは、
      前記第2キャパシタに接続された第1ビアと、
      前記第2接地電極に接続された第2ビアと、
      前記第1ビアと前記第2ビアとを接続する第1線路電極とを含む、請求項1に記載のフィルタ装置。
  3.  前記第2インダクタは、前記第1線路電極、前記第1接地電極、および前記第2接地電極に接続される第3ビアをさらに含む、請求項2に記載のフィルタ装置。
  4.  前記第2インダクタは、前記第1線路電極、前記第1接地電極、および前記第2接地電極に接続される第4ビアをさらに含む、請求項3に記載のフィルタ装置。
  5.  前記第2インダクタは、前記第2ビアと前記第1接地電極とを接続する第5ビアをさらに含む、請求項2に記載のフィルタ装置。
  6.  前記第1インダクタは、
      前記第1キャパシタに接続された第6ビアと、
      前記第1接地電極に接続された第7ビアと、
      前記第6ビアと前記第7ビアとを接続する第2線路電極とを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
  7.  前記第1インダクタは、前記第1キャパシタと前記第1接地電極とを接続する第8ビアを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
  8.  請求項1~7のいずれか1項に記載のフィルタ装置を備えた、高周波フロントエンド回路。
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