JP2001144566A - 共振器、フィルタおよびフィルタモジュール - Google Patents

共振器、フィルタおよびフィルタモジュール

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JP2001144566A
JP2001144566A JP32673499A JP32673499A JP2001144566A JP 2001144566 A JP2001144566 A JP 2001144566A JP 32673499 A JP32673499 A JP 32673499A JP 32673499 A JP32673499 A JP 32673499A JP 2001144566 A JP2001144566 A JP 2001144566A
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inductor
capacitor
pattern
resonator
patterns
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JP32673499A
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Sadayuki Matsumura
定幸 松村
Noboru Kato
登 加藤
Hiroko Nomura
浩子 野村
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高Q値のインダクタを有した小型の共振器、
フィルタおよびフィルタモジュールを提供する。 【解決手段】 インダクタ用長穴ビアホール45a〜4
5eは、シート35〜39の積み重ね方向に連接して柱
状インダクタLを構成する。周波数調整用コンデンサパ
ターン47は、それぞれシート36,37を挟んでコン
デンサパターン46a,46bに対向し、コンデンサC
を形成する。さらに、シート36上のコンデンサパター
ン46aは、同一のシート36に形成されているインダ
クタ用長穴ビアホール45bの先端部に直接に接続して
いる。同様に、シート38上のコンデンサパターン46
bは、同一のシート38に形成されているインダクタ用
長穴ビアホール45dの先端部に直接に接続している。
インダクタLとコンデンサCとは、電気的に接続されて
LC並列共振回路を形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばマイクロ波
帯で使用される共振器、フィルタおよびフィルタモジュ
ールに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の積層型共振器として、従来よ
り、図20および図21に示す構造のものが知られてい
る。図20に示すように、この積層型LC共振器1は、
インダクタ用パターン11を表面に設けた絶縁体シート
5と、周波数調整用コンデンサパターン12を表面に設
けた絶縁体シート6と、シールドパターン15をそれぞ
れ表面に設けた絶縁体シート3,8等にて構成されてい
る。
【0003】絶縁体シート2〜8は積み重ねられ、一体
的に焼成されることにより、図21に示す積層体20と
される。積層体20には、入力用端子電極21、出力用
端子電極22およびグランド用端子電極G1,G2が形
成されている。入力用端子電極21は、インダクタ用パ
ターン11に接続された入力用引出しパターン13に電
気的に接続している。出力用端子電極22は、インダク
タ用パターン11に接続された出力用引出しパターン1
4に電気的に接続している。グランド用端子電極G1
は、周波数調整用コンデンサパターン12の引出し部お
よびシールドパターン15の一方の端部に電気的に接続
している。グランド用端子電極G2は、インダクタ用パ
ターン11の引出し部およびシールドパターン15の他
方の端部に電気的に接続している。
【0004】以上のLC共振器1は、インダクタ用パタ
ーン11により形成されるインダクタと、周波数調整用
コンデンサパターン12がインダクタ用パターン11の
開放端部に対向することにより形成されるコンデンサと
でLC並列共振回路を構成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、LC共振器
の特性は、共振回路のインダクタのQ値により左右され
る。インダクタのQ値は、Lをインダクタのインダクタ
ンス値、Rをインダクタが有する抵抗値、f0を共振周
波数とすると、Q=2πf0L/Rで表される。この式
から、インダクタのQ値を大きくするためには、インダ
クタの抵抗値Rを小さくすればよい。この抵抗値Rは、
インダクタを構成するインダクタ用パターンの断面積S
に反比例するので、Q値を大きくするためにはインダク
タ用パターン11の断面積Sを大きくすればよい。
【0006】しかしながら、インダクタ用パターン11
の断面積Sを大きくするため、インダクタ用パターン1
1の厚みを厚くすると、絶縁体シート2〜8を一体的に
焼成する際に、積層体20の内部歪みが大きくなり、デ
ラミネーション等が発生するという不具合があった。ま
た、インダクタ用パターン11の断面積Sを大きくする
ために、インダクタ用パターン11のパターン幅を広く
すると、LC共振器1の大型化を招くという不具合があ
った。
【0007】そこで、本発明の目的は、高Q値のインダ
クタを有した小型の共振器、フィルタおよびフィルタモ
ジュールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】前記目的を達成す
るため、本発明に係る共振器は、絶縁体層を積み重ねて
構成した積層体にインダクタとコンデンサを形成し、該
インダクタとコンデンサとによりLC共振回路を形成し
た共振器であって、柱状の前記インダクタを、前記積層
体の実装面に対して平行に延在している長穴ビアホール
を前記絶縁体層の積み重ね方向に連接して構成するとと
もに、コンデンサパターンと前記長穴ビアホールとを直
接に接続して、前記インダクタと前記コンデンサとを電
気的に接続したことを特徴とする。
【0009】柱状のインダクタは長穴ビアホールを連接
して構成されるので、長穴ビアホールの数を増やすこと
によってインダクタの断面積が広くなる。従って、従来
のインダクタ用パターンの厚みを厚くしたり、パターン
幅を広くすることなく、インダクタのQ値を向上させる
ことができる。
【0010】また、コンデンサパターンと長穴ビアホー
ルとを直接に接続することにより、導体パターン層数が
少なくなり、構造が簡素になる。さらに、積層体の積み
重ね方向において、インダクタの配設領域内に、全ての
コンデンサパターンを配置することにより、低背の共振
器が得られる。
【0011】また、本発明に係るフィルタやフィルタモ
ジュールは、前述の特徴を有する共振器を備えることに
より、小型化を図るとともに優れた周波数特性が得られ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る共振器、フィ
ルタおよびフィルタモジュールの実施形態について添付
図面を参照して説明する。
【0013】[第1実施形態、図1〜図4]図1に示す
ように、LC共振器31は、インダクタ用長穴ビアホー
ル45a,45eをそれぞれ設けた絶縁体シート35,
39と、コンデンサパターン46a及びインダクタ用長
穴ビアホール45bを設けた絶縁体シート36と、周波
数調整用コンデンサパターン47及びインダクタ用長穴
ビアホール45cを設けた絶縁体シート37と、コンデ
ンサパターン46b及びインダクタ用長穴ビアホール4
5dを設けた絶縁体シート38と、シールドパターン5
0,51をそれぞれ設けた絶縁体シート33,41と、
ダミー用絶縁体シート34,40等にて構成されてい
る。
【0014】絶縁体シート32〜41は、誘電体粉末や
磁性体粉末を結合剤等と一緒に混練したものをシート状
にしたものである。コンデンサパターン46,47やシ
ールドパターン50,51はAg,Pd,Cu,Au,
Ag−Pd等からなり、印刷等の方法により形成され
る。また、インダクタ用長穴ビアホール45a〜45e
はAg,Pd,Cu,Au,Ag−Pd等の導電性ペー
ストを予め絶縁体シート35〜39に設けた長穴に充填
することによって形成される。
【0015】インダクタ用長穴ビアホール45a〜45
eは、それぞれの引出し部が絶縁体シート35〜39の
手前側の辺に露出するとともに、シート35〜39の手
前側の辺から奥側の辺に向かって直線状に延在してい
る。言い換えると、インダクタ用長穴ビアホール45a
〜45eは、後述の積層体55の実装面55aに対して
平行に延在している。これらのインダクタ用長穴ビアホ
ール45a〜45eは、絶縁体シート35〜39の積み
重ね方向に連接して柱状インダクタLを構成する。この
インダクタLの軸方向は絶縁体シート35〜39の表面
に対して平行である。そして、インダクタLに電流が流
れると、インダクタLの周囲に、インダクタLの軸方向
に対して垂直な面を周回する磁界が発生する。
【0016】コンデンサパターン46a,46bは、そ
れぞれ入力用引出しパターン48および出力用引出しパ
ターン49に接続している。入力用引出しパターン48
はシート36,38の左辺に露出し、出力用引出しパタ
ーン49はシート36,38の右辺に露出している。周
波数調整用コンデンサパターン47は、その引出し部が
シート37の奥側の辺に露出している。周波数調整用コ
ンデンサパターン47は、それぞれシート36,37を
挟んでコンデンサパターン46a,46bに対向し、コ
ンデンサCを形成する。
【0017】さらに、シート36上のコンデンサパター
ン46aは、同一のシート36に形成されているインダ
クタ用長穴ビアホール45bの先端部に直接に接続して
いる。同様に、シート38上のコンデンサパターン46
bは、同一のシート38に形成されているインダクタ用
長穴ビアホール45dの先端部に直接に接続している。
そして、コンデンサパターン46a,46b,47およ
びインダクタ用長穴ビアホール45a〜45eを間に挟
んで広面積のシールドパターン50,51が配置されて
いる。インダクタ用長穴ビアホール45a〜45eは、
シールドパターン50,51とともに、ストリップライ
ンを構成する。
【0018】以上の構成からなる各シート32〜41は
図1に示すように順に積み重ねられ、一体的に焼成され
ることにより、図2および図3に示す積層体55とされ
る。図2は外観斜視図であり、図3は内部透視斜視図で
ある。積層体55の左右の端面には入力用端子電極56
および出力用端子電極57が形成され、奥側および手前
側の側面にはグランド用端子電極G1,G2が形成され
ている。端子電極56,57,G1,G2は、塗布焼
付、スパッタリング、あるいは蒸着等の方法により形成
される。
【0019】入力用端子電極56は入力用引出しパター
ン48に電気的に接続し、出力用端子電極57は出力用
引出しパターン49に電気的に接続している。グランド
用端子電極G1は、周波数調整用コンデンサパターン4
7の引出し部およびシールドパターン50,51の一方
の端部に電気的に接続している。グランド用端子電極G
2は、インダクタ用長穴ビアホール45a〜45eの引
出し部およびシールドパターン50,51の他方の端部
に電気的に接続している。そして、この積層型LC共振
器31は、積層体55の底面55aを実装面としてプリ
ント基板等に表面実装される。
【0020】図4は、こうして得られた積層型LC共振
器31の電気等価回路図である。インダクタ用長穴ビア
ホール45a〜45eにて構成されたインダクタLと、
コンデンサパターン46a,46b,47にて構成され
たコンデンサCとは、電気的に接続されてLC並列共振
回路を形成している。
【0021】この積層型LC共振器31において、柱状
のインダクタLのQ値を向上させる場合には、長穴ビア
ホール45a〜45eの数を増やして連接させることに
より、インダクタLの断面積を広くし、インダクタLの
抵抗値を小さくする。これにより、従来のインダクタ用
パターンの厚みを厚くしたり、パターン幅を広くする必
要がなくなり、焼成時におけるデラミネーションや部品
の大型化の問題を解消することができる。
【0022】また、同一絶縁体シートに設けたコンデン
サパターン46aとインダクタ用長穴ビアホール45
b、並びに、コンデンサパターン46bとインダクタ用
長穴ビアホール45dをそれぞれ直接に接続することに
より、導体パターン層数を少なくすることができ、LC
共振器31の構造を簡素化して低背化を図ることができ
る。
【0023】また、長穴ビアホール45a〜45eにて
構成されたインダクタLは、積層体55を一体的に焼成
する際に膨らむことがある。そこで、第1実施形態のL
C共振器31は、コンデンサパターン46aと47の
間、および、コンデンサパターン46bと47の間に長
穴ビアホール45a〜45eを配置しないようにし、コ
ンデンサパターン46a,46b,47相互間の寸法を
安定させている。これにより、コンデンサCの容量値の
ばらつきを抑え、LC共振器31の電気特性を安定化さ
せている。
【0024】さらに、積層体55の積み重ね方向におい
て、インダクタLの配設領域(図3において符号Rで表
示している)内に、全てのコンデンサパターン46a,
46b,47が配置されている。これにより、インダク
タLの配設領域R内でコンデンサCを形成することがで
き、LC共振器31をより一層低背化することができ
る。
【0025】また、インダクタ用長穴ビアホール45a
〜45eの長さをλ/4(λ:所望の共振周波数の波
長)に設定すると、LC共振器1はλ/4共振器とされ
る。この場合、長穴ビアホール45a〜45eの接地側
部分、すなわち、インダクタLの接地側部分で電流密度
が最大となり、発生する磁界も最も大きくなる。ところ
が、共振器1は、磁界が最大となるインダクタLの接地
側部分において、コンデンサパターンを配置していない
ため、発生した磁界が阻害されない。従って、インダク
タLのQ値をより一層高くすることができる。
【0026】[第2実施形態、図5〜図7]図5に示す
ように、LC共振器61は、柱状インダクタLをコンデ
ンサパターン71aと71bの間に配置したものであ
る。なお、図5〜図7において、図1〜図3に対応する
部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0027】直線状のインダクタ用長穴ビアホール70
a〜70cはそれぞれ絶縁体シート63〜65に設けら
れ、それぞれの引出し部が絶縁体シート63〜65の手
前側の辺に露出している。これらのインダクタ用長穴ビ
アホール70a〜70cは、絶縁体シート63〜65の
積み重ね方向に連接して柱状インダクタLを構成する。
このインダクタLの軸方向は絶縁体シート63〜65の
表面に対して平行である。コンデンサパターン71a,
71bはそれぞれ絶縁体シート63,66の表面に形成
され、入力用引出しパターン73および出力用引出しパ
ターン74に接続している。入力用引出しパターン73
はシート63,66の左辺に露出し、出力用引出しパタ
ーン74はシート63,66の右辺に露出している。周
波数調整用コンデンサパターン72a,72bはそれぞ
れ絶縁体シート62,67の表面に形成され、その引出
し部がシート62,67の奥側の辺に露出している。周
波数調整用コンデンサパターン72a,72bは、それ
ぞれシート62,66を挟んでコンデンサパターン71
a,71bに対向し、コンデンサCを形成する。
【0028】さらに、シート63上のコンデンサパター
ン71aは、同一のシート63に形成されているインダ
クタ用長穴ビアホール70aの先端側に直接に接続して
いる。そして、シート66上のコンデンサパターン71
bは、シート65に形成されているインダクタ用長穴ビ
アホール70cの先端側に直接に接続される。また、イ
ンダクタ用長穴ビアホール70a〜70cは、シールド
パターン50,51とともに、ストリップラインを構成
する。
【0029】以上の構成からなる各シート32〜34,
40,41,62〜67は図5に示すように順に積み重
ねられ、一体的に焼成されることにより、図6および図
7に示す積層体75とされる。積層体75の左右の端面
には入力用端子電極56および出力用端子電極57が形
成され、奥側および手前側の側面にはグランド用端子電
極G1,G2が形成されている。入力用端子電極56は
入力用引出しパターン73に電気的に接続し、出力用端
子電極57は出力用引出しパターン74に電気的に接続
している。グランド用端子電極G1は、周波数調整用コ
ンデンサパターン72a,72bの引出し部およびシー
ルドパターン50,51の一方の端部に電気的に接続し
ている。グランド用端子電極G2は、インダクタ用長穴
ビアホール70a〜70cの引出し部およびシールドパ
ターン50,51の他方の端部に電気的に接続してい
る。そして、この積層型LC共振器61は、積層体75
の底面75aを実装面としてプリント基板等に表面実装
される。
【0030】こうして、積層体75内に、インダクタ用
長穴ビアホール70a〜70cにて構成されたインダク
タLと、コンデンサパターン71a,71b,72a,
72bにて構成されたコンデンサとでLC並列共振回路
が形成される。得られたLC共振器61は、小型かつ高
Q値のインダクタLを有したものとなる。
【0031】[第3実施形態、図8〜図10]第3実施
形態は、管状構造のインダクタを有したLC共振器につ
いて説明する。なお、本発明の柱状インダクタの形状は
任意であり、例えば断面L字状や断面コ字状のものであ
ってもよい。
【0032】図8〜図10に示すように、LC共振器8
1は、インダクタLを残して前記第1実施形態のLC共
振器31と同様のものである。なお、図8〜図10にお
いて、図1〜図3に対応する部分には同一符号を付し、
重複した説明は省略する。インダクタLは、絶縁体シー
ト35〜38にそれぞれ平行に並設された一対のインダ
クタ用長穴ビアホール82a〜82dと、絶縁体シート
35,39の表面にそれぞれ形成されたインダクタ用パ
ターン83,84とで構成されている。インダクタ用長
穴ビアホール82a〜82dとインダクタ用パターン8
3,84は、それぞれの引出し部が絶縁体シート35〜
39の手前側の辺に露出している。1対のインダクタ用
長穴ビアホール82a〜82dは、それぞれ絶縁体シー
ト35〜38の積み重ね方向に連接し、インダクタ用パ
ターン83,84と共に、内部に絶縁体が充填された断
面四角形の管状構造のインダクタLを構成する。このイ
ンダクタLの軸方向は絶縁体シート35〜39の表面に
対して平行である。また、インダクタ用長穴ビアホール
82a〜82dとインダクタ用パターン83,84は、
シールドパターン50,51とともに、ストリップライ
ンを構成する。
【0033】さらに、シート36上のコンデンサパター
ン46aは、同一のシート36に形成されている一対の
インダクタ用長穴ビアホール82bの先端部に直接に接
続している。同様に、シート38上のコンデンサパター
ン46bは、同一のシート38に形成されている一対の
インダクタ用長穴ビアホール82dの先端部に直接に接
続している。これにより、積層体55内にインダクタ用
長穴ビアホール82a〜82dおよびインダクタ用パタ
ーン83,84にて構成されたインダクタLと、コンデ
ンサパターン46a,46b,47にて構成されたコン
デンサとでLC並列共振回路が形成される。
【0034】得られたLC共振器81は、前記第1実施
形態のLC共振器31と同様の作用効果を奏する。さら
に、インダクタLはその表面積を広くすることができ、
表皮効果により導体の表面に集中して流れる性質を有す
る高周波電流の線路として有効に利用される。従って、
インダクタLの抵抗値が小さくなり、インダクタLのQ
値をより一層向上させることができる。
【0035】[第4実施形態、図11〜図14]図11
に示すように、LCバンドパスフィルタ91は、インダ
クタ用長穴ビアホール105a〜105g,106a〜
106g、コンデンサパターン107a,107b,1
08a,108b、周波数調整用コンデンサパターン1
09a,109b,110a,110b、シールドパタ
ーン113a,113bおよび結合コンデンサパターン
114等をそれぞれ設けた絶縁体シート92〜102等
にて構成されている。
【0036】絶縁体シート94〜100の左寄りの位置
に形成したインダクタ用長穴ビアホール105a〜10
5gは、それぞれの引出し部がシート94〜100の手
前側の辺に露出するとともに、シート94〜100の手
前側の辺から奥側の辺に向かって直線状に延在してい
る。言い換えると、インダクタ用長穴ビアホール105
a〜105gは、後述の積層体115の実装面115a
に対して平行に延在している。これらのインダクタ用長
穴ビアホール105a〜105gは、シート94〜10
0の積み重ね方向に連接して柱状インダクタL1を構成
する。
【0037】同様に、絶縁体シート94〜100の右寄
りの位置に形成したインダクタ用長穴ビアホール106
a〜106gは、それぞれの引出し部がシート94〜1
00の手前側の辺に露出するとともに、シート94〜1
00の手前側の辺から奥側の辺に向かって直線状に延在
している。これらのインダクタ用長穴ビアホール106
a〜106gは、シート94〜100の積み重ね方向に
連接して柱状インダクタL2を構成する。インダクタL
1,L2の軸方向はシート94〜100の表面に対して
平行である。また、インダクタ用長穴ビアホール105
a〜105g,106a〜106gは、シールドパター
ン113a,113bとともに、それぞれストリップラ
インを構成する。
【0038】絶縁体シート96,98の左寄りの位置に
形成されたコンデンサパターン107a,107bは、
入力用引出しパターン111に接続している。シート9
6,98の右寄りの位置に形成されたコンデンサパター
ン108a,108bは、出力用引出しパターン112
に接続している。
【0039】また、絶縁体シート95,99の左寄りの
位置に形成された周波数調整用コンデンサパターン10
9a,109b、並びに、右寄りの位置に形成された周
波数調整用コンデンサパターン110a,110bは、
その引出し部がシート95,99の奥側の辺に露出して
いる。周波数調整用コンデンサパターン109a,10
9bは、それぞれシート95,98を挟んでコンデンサ
パターン107a,107bに対向し、コンデンサC1
を形成する。周波数調整用コンデンサパターン110
a,110bは、それぞれシート95,98を挟んでコ
ンデンサパターン108a,108bに対向し、コンデ
ンサC2を形成する。
【0040】さらに、シート96上のコンデンサパター
ン107a,108aは、それぞれ同一のシート96に
形成されているインダクタ用長穴ビアホール105c,
106cの先端部に直接に接続している。同様に、シー
ト98上のコンデンサパターン107b,108bは、
それぞれ同一のシート98に形成されているインダクタ
用長穴ビアホール105e,106eの先端部に直接に
接続している。そして、シート97の表面に形成された
結合用コンデンサパターン114は、シート96,97
を間に挟んでコンデンサパターン107a,107b,
108a,108bに対向し、結合コンデンサCs1を
形成する。
【0041】以上の各シート92〜102は積み重ねら
れ、さらに上に保護用絶縁体シートを重ねられた後、一
体的に焼成されて図12および図13に示す積層体11
5とされる。積層体115の左右の端面には入力用端子
電極116および出力用端子電極117が形成され、奥
側および手前側の側面にはグランド用端子電極G1,G
2が形成されている。入力用端子電極116は入力用引
出しパターン111に電気的に接続し、出力用端子電極
117は出力用引出しパターン112に電気的に接続し
ている。グランド用端子電極G1は、周波数調整用コン
デンサパターン109a,109b,110a,110
bの引出し部およびシールドパターン113a,113
bの一方の端部に電気的に接続している。グランド用端
子電極G2は、インダクタ用長穴ビアホール105a〜
105g,106a〜106gの引出し部およびシール
ドパターン113a,113bの他方の端部に電気的に
接続している。そして、このLCバンドパスフィルタ9
1は、積層体115の底面115aを実装面としてプリ
ント基板等に表面実装される。
【0042】図14はLCバンドパスフィルタ91の電
気等価回路図である。インダクタ用長穴ビアホール10
5a〜105gにて構成されたインダクタL1と、コン
デンサパターン107a,107b,109a,109
bにて構成されたコンデンサC1とは、電気的に接続さ
れてLC並列共振回路を形成し、第1段のLC共振器Q
1を構成する。同様に、インダクタ用長穴ビアホール1
06a〜106gにて構成されたインダクタL2と、コ
ンデンサパターン108a,108b,110a,11
0bにて構成されたコンデンサC2とは、電気的に接続
されてLC並列共振回路を構成し、第2段のLC共振器
Q2を構成する。LC共振器Q1とQ2は結合コンデン
サCs1を介して電気的に接続されている。
【0043】この積層型LCバンドパスフィルタ91
は、各LC共振器Q1,Q2のインダクタL1,L2を
構成しているインダクタ用長穴ビアホール105a〜1
05g,106a〜106gの数を増やすことにより、
インダクタL1,L2のQ値を向上させることができ
る。また、同一絶縁体シートに設けたコンデンサパター
ン107a,108aとインダクタ用長穴ビアホール1
05c,106c、並びに、コンデンサパターン107
b,108bとインダクタ用長穴ビアホール105e,
106eをそれぞれ直接に接続することにより、導体パ
ターン層数を少なくすることができ、LCバンドパスフ
ィルタ91の構造を簡素化して低背化を図ることができ
る。
【0044】[第5実施形態、図15及び図16]図1
5に示すように、LCバンドパスフィルタ121は柱状
インダクタL1,L2を、それぞれコンデンサパターン
132aと132cの間、並びに、コンデンサパターン
133aと133cの間に配置したものである。
【0045】直線状のインダクタ用長穴ビアホール13
0a〜130dはそれぞれ絶縁体シート123〜126
の左寄りの位置に設けられ、その引出し部がシート12
3〜126の手前側の辺に露出している。これらのイン
ダクタ用長穴ビアホール130a〜130dは、シート
123〜126の積み重ね方向に連接してインダクタL
1を構成する。同様に、直線状のインダクタ用長穴ビア
ホール131a〜131dはそれぞれ絶縁体シート12
3〜126の右寄りの位置に設けられ、その引出し部が
シート123〜126の手前側の辺に露出している。こ
れらのインダクタ用長穴ビアホール131a〜131d
は、シート123〜126の積み重ね方向に連接して柱
状インダクタL2を構成する。インダクタL1,L2の
軸方向はシート123〜126の表面に対して平行であ
る。また、インダクタ用長穴ビアホール130a〜13
0d,131a〜131dは、シールドパターン113
a,113bとともに、それぞれストリップラインを構
成する。
【0046】コンデンサパターン132a,132b,
132cはそれぞれ絶縁体シート123,125,12
7の左寄りの位置に設けられ、入力用引出しパターン1
36に接続している。コンデンサパターン133a,1
33b,133cはそれぞれシート123,125,1
27の右寄りの位置に設けられ、出力用引出しパターン
137に接続している。周波数調整用コンデンサパター
ン134a,134bはそれぞれ絶縁体シート122,
128の左寄りの位置に形成され、シート122,12
7を挟んでコンデンサパターン132a,132cに対
向し、コンデンサC1を形成する。周波数調整用コンデ
ンサパターン135a,135bはそれぞれシート12
2,128の右寄りの位置に形成され、シート122,
127を挟んでコンデンサパターン133a,133c
に対向し、コンデンサC2を形成する。
【0047】さらに、シート123上のコンデンサパタ
ーン132a,133aは、それぞれ同一のシート12
3に形成されているインダクタ用長穴ビアホール130
a,131aの先端側に直接に接続している。シート1
25上のコンデンサパターン132b,133bは、そ
れぞれ同一のシート125に形成されているインダクタ
用長穴ビアホール130c,131cの先端側に直接に
接続している。そして、シート127上のコンデンサパ
ターン132c,133cは、シート126に形成され
ているインダクタ用長穴ビアホール130d,131d
の先端側に直接に接続される。
【0048】結合用コンデンサパターン138a,13
8bはそれぞれ絶縁体シート124,126に形成さ
れ、シート123〜126を間に挟んでコンデンサパタ
ーン132a〜132c、133a〜133cに対向
し、結合コンデンサCs1を形成する。
【0049】以上の構成からなる各シート92,93,
122〜128,101,102は図15に示すように
順に積み重ねられ、さらに上に保護用絶縁体シートを重
ねられた後、一体的に焼成されることにより、図16に
示す積層体140とされる。積層体140の左右の端面
には入力用端子電極116及び出力用端子電極117が
形成され、奥側および手前側の側面にはグランド用端子
電極G1,G2が形成されている。入力用端子電極11
6は入力用引出しパターン136に電気的に接続し、出
力用端子電極117は出力用引出しパターン137に電
気的に接続している。グランド用端子電極G1は、周波
数調整用コンデンサパターン134a,134b,13
5a,135bの引出し部およびシールドパターン11
3a,113bの一方の端部に電気的に接続している。
グランド用端子電極G2は、インダクタ用長穴ビアホー
ル130a〜130d,131a〜131dの引出し部
およびシールドパターン113a,113bの他方の端
部に電気的に接続している。そして、このLCバンドパ
スフィルタ121は、積層体140の底面140aを実
装面としてプリント基板等に表面実装される。
【0050】こうして、積層体140内に、インダクタ
用長穴ビアホール130a〜130dにて構成されたイ
ンダクタL1と、コンデンサパターン132a〜132
c,134a,134bにて構成されたコンデンサC1
とでLC並列共振回路が形成され、第1段のLC共振器
Q1が構成される。同様に、インダクタ用長穴ビアホー
ル131a〜131dにて構成されたインダクタL2
と、コンデンサパターン133a〜133c,135
a,135bにて構成されたコンデンサC2とでLC並
列共振回路が形成され、第2段のLC共振器Q2が構成
される。LC共振器Q1とQ2は結合コンデンサCs1
を介して電気的に接続され、2段のLCバンドパスフィ
ルタ121を構成している。得られたLCバンドパスフ
ィルタ121は、小型かつ高Q値のインダクタL1,L
2を有したものとなる。
【0051】[第6実施形態、図17〜図19]図17
に積層型デュプレクサ151の構成を示し、図18及び
図19にそれぞれ、デュプレクサ151の外観斜視図及
び電気等価回路図を示す。デュプレクサ151は、LC
並列共振器Q1,Q2を有する2段のバンドパスフィル
タBPF1と、LC並列共振器Q3〜Q5を有する3段
のバンドパスフィルタBPF2とを組み合わせたもので
ある。
【0052】図17に示すように、積層型デュプレクサ
151は、インダクタ用長穴ビアホール165a〜16
5e,…,169a〜169e、コンデンサパターン1
70a,170b,…,174a,174b、周波数調
整用コンデンサパターン181a,181b,…,18
5a,185b、シールドパターン195a,195
b,196a,196bおよび結合用コンデンサパター
ン197〜199等をそれぞれ設けた絶縁体シート15
2〜161等にて構成されている。
【0053】バンドパスフィルタBPF1のインダクタ
用長穴ビアホール165a〜165e,166a〜16
6eは、絶縁体シート155〜159の左側の領域に形
成されている。直線状のインダクタ用長穴ビアホール1
65a〜165e,166a〜166eは、それぞれの
引出し部がシート155〜159の手前側の辺に露出す
るとともに、シート155〜159の手前側の辺から奥
側の辺に向かって平行に並走された状態で配置されてい
る。言い換えると、インダクタ用長穴ビアホール165
a〜165e,166a〜166eは、後述の積層体2
00の実装面200aに対して平行に延在している。イ
ンダクタ用長穴ビアホール165a〜165eは、シー
ト155〜159の積み重ね方向に連接して柱状インダ
クタL1を構成する。同様に、インダクタ用長穴ビアホ
ール166a〜166eも連接して柱状インダクタL2
を構成する。インダクタL1,L2の軸方向は、シート
155〜159の手前側の辺から奥側に向かう方向に対
して平行である。また、インダクタ用長穴ビアホール1
65a〜165e,166a〜166eは、シールドパ
ターン195a,195bとともに、それぞれストリッ
プラインを構成する。
【0054】コンデンサパターン170a,170b,
171a,171bは、絶縁体シート156,158の
左側の領域に形成されている。コンデンサパターン17
0a,170bはそれぞれ入力用引出しパターン190
に接続し、該引出しパターン190はシート156,1
58の左辺に露出している。コンデンサパターン171
a,171bは、それぞれインダクタ用パターン186
a,186bに接続している。インダクタ用パターン1
86a,186bは、インピーダンスマッチング用イン
ダクタLs1を構成している。
【0055】周波数調整用コンデンサパターン181
a,181b,182a,182bは、絶縁体シート1
55,159の左側の領域に、シート155,159の
奥側の辺から手前側の辺に向かって延在している。周波
数調整用コンデンサパターン181a,181bは、そ
れぞれシート155,158を間に挟んでコンデンサパ
ターン170a,170bに対向し、コンデンサC1を
形成する。周波数調整用コンデンサパターン182a,
182bは、それぞれシート155,158を間に挟ん
でコンデンサパターン171a,171bに対向し、コ
ンデンサC2を形成する。
【0056】さらに、シート156上のコンデンサパタ
ーン170a,171aは、それぞれ同一のシート15
6に形成されているインダクタ用長穴ビアホール165
b,166bの先端部に直接に接続している。同様に、
シート158上のコンデンサ170b,171bは、そ
れぞれ同一のシート158に形成されているインダクタ
用長穴ビアホール165d,166dの先端部に直接に
接続している。そして、シート157の左側の領域に形
成された結合用コンデンサパターン197は、シート1
56,157を間に挟んでコンデンサパターン170
a,170b,171a,171bに対向し、結合コン
デンサCs1を形成する。
【0057】こうして、インダクタ用長穴ビアホール1
65a〜165eにて構成されたインダクタL1と、コ
ンデンサパターン170a,170b,181a,18
1bにて構成されたコンデンサC1とでLC並列共振回
路が形成され、バンドパスフィルタBPF1の第1段の
LC共振器Q1が構成される。同様に、インダクタ用長
穴ビアホール166a〜166eにて構成されたインダ
クタL2と、コンデンサパターン171a,171b,
182a,182bにて構成されたコンデンサC2とで
LC並列共振回路が形成され、第2段のLC共振器Q2
が構成される。LC共振器Q1とQ2は結合コンデンサ
Cs1を介して電気的に接続され、2段のバンドパスフ
ィルタBPF1を構成している。
【0058】一方、バンドパスフィルタBPF2のイン
ダクタ用長穴ビアホール167a〜167e,168a
〜168e,169a〜169eは、絶縁体シート15
5〜159の略右側半分の領域に形成されている。直線
状のインダクタ用長穴ビアホール167a〜167e,
168a〜168e,169a〜169eは、それぞれ
の引出し部がシート155〜159の手前側の辺に露出
するとともに、シート155〜159の手前側の辺から
奥側の辺に向かって平行に並走された状態で配置されて
いる。言い換えると、インダクタ用長穴ビアホール16
7a〜167e,168a〜168e,169a〜16
9eは、後述の積層体200の実装面200aに対して
平行に延在している。
【0059】インダクタ用長穴ビアホール167a〜1
67eは、シート155〜159の積み重ね方向に連接
して柱状インダクタL3を構成する。同様に、インダク
タ用長穴ビアホール168a〜168eは連接して柱状
インダクタL4を構成し、インダクタ用長穴ビアホール
169a〜169eは連接して柱状インダクタL5を構
成する。インダクタL3〜L5の軸方向は、シート15
5〜159の手前側の辺から奥側に向かう方向に対して
平行である。また、インダクタ用長穴ビアホール167
a〜167e,168a〜168e,169a〜169
eは、シールドパターン196a,196bとともに、
それぞれストリップラインを構成する。
【0060】インダクタ用長穴ビアホール167b,1
67dは、それぞれインダクタ用パターン187a,1
87bに接続している。インダクタ用パターン187
a,187bは、インピーダンスマッチング用インダク
タLs2を構成している。インダクタ用パターン187
a,187bは、それぞれインダクタ用パターン186
a,186bとともに、引出しパターン192に接続し
ている。引出しパターン192は、シート156,15
8の奥側の辺の中央部に露出している。
【0061】コンデンサパターン172a,172b,
173a,173b,174a,174bは、絶縁体シ
ート156,158の略右側半分の領域に形成されてい
る。コンデンサパターン174a,174bはそれぞれ
出力用引出しパターン191に接続し、該引出しパター
ン191はシート156,158の右辺に露出してい
る。
【0062】周波数調整用コンデンサパターン183
a,183b,184a,184b,185a,185
bは、絶縁体シート155,159の略右側半分の領域
に、シート155,159の奥側の辺から手前側の辺に
向かって延在している。周波数調整用コンデンサパター
ン183a,183bは、それぞれシート155,15
8を間に挟んでコンデンサパターン172a,172b
に対向し、コンデンサC3を形成する。周波数調整用コ
ンデンサパターン184a,184bは、それぞれシー
ト155,158を間に挟んでコンデンサパターン17
3a,173bに対向し、コンデンサC4を形成する。
周波数調整用コンデンサパターン185a,185b
は、それぞれシート155,158を間に挟んでコンデ
ンサパターン174a,174bに対向し、コンデンサ
C5を形成する。
【0063】さらに、シート156上のコンデンサパタ
ーン172a,173a,174aは、それぞれ同一の
シート156に形成されているインダクタ用長穴ビアホ
ール167b,168b,169bの先端部に直接に接
続している。同様に、シート158上のコンデンサ17
2b,173b,174bは、それぞれ同一のシート1
58に形成されているインダクタ用長穴ビアホール16
7d,168d,169dの先端部に直接に接続してい
る。そして、シート157の右側の領域に形成された結
合用コンデンサパターン198,199は、それぞれシ
ート156,157を間に挟んでコンデンサパターン1
72a〜173b,173a〜174bに対向し、結合
コンデンサCs2,Cs3を形成する。
【0064】こうして、インダクタ用長穴ビアホール1
67a〜167eにて構成されたインダクタL3と、コ
ンデンサパターン172a,172b,183a,18
3bにて構成されたコンデンサC3とでバンドパスフィ
ルタBFP2の第1段のLC共振器Q3が構成される。
インダクタ用長穴ビアホール168a〜168eにて構
成されたインダクタL4と、コンデンサパターン173
a,173b,184a,184bにて構成されたコン
デンサC4とで第2段のLC共振器Q4が構成される。
インダクタ用長穴ビアホール169a〜169eにて構
成されたインダクタL5と、コンデンサパターン174
a,174b,185a,185bにて構成されたコン
デンサC5とで第3段のLC共振器Q5が構成される。
LC共振器Q3〜Q5は結合コンデンサCs2,Cs3
を介して電気的に接続され、3段のバンドパスフィルタ
BPF2を構成している。
【0065】以上の構成からなる各シート152〜16
1は図17に示すように順に積み重ねられ、一体的に焼
成されることにより、図18に示す積層体200とされ
る。積層体200の左右の端面にはそれぞれ送信用端子
電極Tx及び受信用端子電極Rxが形成されている。積
層体200の奥側の側面にはアンテナ用端子電極ANT
とグランド用端子電極G1,G3が形成され、手前側の
側面にはグランド用端子電極G2,G4が形成されてい
る。
【0066】送信用端子電極Txには引出しパターン1
90が接続され、受信用端子電極Rxには引出しパター
ン191が接続され、アンテナ用端子電極ANTには引
出しパターン192が接続されている。グランド用端子
電極G1にはシールドパターン195a,195b及び
周波数調整用コンデンサパターン181a,182a,
181b,182bの端部が接続され、グランド用端子
電極G2にはシールドパターン195a,195b及び
インダクタ用長穴ビアホール165a〜165e,16
6a〜166eの端部が接続され、グランド用端子電極
G3にはシールドパターン196a,196b及び周波
数調整用コンデンサパターン183a〜185a,18
3b〜185bの端部が接続され、グランド用端子電極
G4には、シールドパターン196a,196b及びイ
ンダクタ用長穴ビアホール167a〜167e,168
a〜168e,169a〜169eの端部が接続されて
いる。
【0067】図19は、こうして得られた積層型デュプ
レクサ151の電気等価回路図である。共振器Q1,Q
2は、結合コンデンサCs1を介して電気的に接続さ
れ、2段のバンドパスフィルタBPF1を構成してい
る。共振器Q3〜Q5は結合コンデンサCs2,Cs3
を介して電気的に接続され、3段のバンドパスフィルタ
BPF2を構成している。さらに、バンドパスフィルタ
BPF1の一端(共振器Q1)は送信用端子電極Txに
接続され、他端(共振器Q2)はインピーダンスマッチ
ング用インダクタLs1を介してアンテナ用端子電極A
NTに接続されている。バンドパスフィルタBPF2の
一端(共振器Q5)は受信用端子電極Rxに接続され、
他端(共振器Q3)はインピーダンスマッチング用イン
ダクタLs2を介してアンテナ用端子電極ANTに接続
されている。
【0068】次に、以上の構成からなる積層型デュプレ
クサ151の作用効果について説明する。このデュプレ
クサ151は、送信回路系(図示せず)から送信用端子
電極Txに入った送信信号をバンドパスフィルタBPF
1を介してアンテナ用端子電極ANTから出力すると共
に、アンテナ用端子電極ANTから入った受信信号をバ
ンドパスフィルタBPF2を介して受信用端子電極Rx
から受信回路系(図示せず)に出力する。
【0069】バンドパスフィルタBPF1の通過周波数
は、インダクタL1とコンデンサC1にて構成される共
振器Q1と、インダクタL2とコンデンサC2にて構成
される共振器Q2のそれぞれの共振周波数によって決ま
る。そして、バンドパスフィルタBPF1の通過周波数
調整は、例えば、コンデンサC1,C2のコンデンサパ
ターン181a,182a,181b,182bの面積
を変えることによって、コンデンサC1,C2の静電容
量を変えて行われる。
【0070】一方、バンドパスフィルタBPF2の通過
周波数は、インダクタL3とC3にて構成される共振器
Q3と、インダクタL4とコンデンサC4にて構成され
る共振器Q4と、インダクタL5とコンデンサC5にて
構成される共振器Q5のそれぞれの共振周波数によって
決まる。そして、バンドパスフィルタBPF2の通過周
波数調整は、例えば、コンデンサC3〜C5のコンデン
サパターン183a〜185a,183b〜185bの
面積を変えることによって行われる。こうして得られた
積層型デュプレクサ151は、小型かつ高Q値のインダ
クタL1〜L5を有したものとなる。
【0071】[他の実施形態]なお、本発明に係る共振
器、フィルタおよびフィルタモジュールは前記実施形態
に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変
更することができる。例えば、インダクタ用長穴ビアホ
ールは、直線状のものの他に、ミアンダライン形状やス
パイラル形状等であってもよい。また、シールドパター
ンが積層体の上部又は下部のいずれか一方にのみ配設さ
れているものであってもよい。
【0072】また、フィルタとしては、バンドパスフィ
ルタの他に、ローパスフィルタやハイパスフィルタ等で
あってもよい。さらに、フィルタモジュールとしては、
バンドパスフィルタを組み合わせて構成したデュプレク
サの他に、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタおよび
トラップ回路、あるいは、これら異なる種類の回路を組
み合わせてデュプレクサを構成してもよい。そして、フ
ィルタモジュールは、デュプレクサ以外に、トリプレク
サ、ダイプレクサ、あるいはフィルタアレイ等のよう
に、一つの積層体内に複数個のフィルタが内蔵されたも
のを含む。ダイプレクサは、例えばローパスフィルタと
ハイパスフィルタを組み合わせて構成される。フィルタ
アレイは、例えば、機能的に独立した複数個のバンドパ
スフィルタを内蔵したものである。また、フィルタやフ
ィルタモジュールにおいて、全てのインダクタを長穴ビ
アホールにて構成させる必要はなく、インダクタのうち
のいくつかを長穴ビアホールにて構成するものであって
もよい。
【0073】さらに、前記実施形態は、それぞれ導体パ
ターンや長穴ビアホールが形成された絶縁体シートを積
み重ねた後、一体的に焼成するものであるが、必ずしも
これに限定されない。絶縁体シートは予め焼成されたも
のを用いてもよい。また、以下に説明する製法によって
共振器等を製造してもよい。印刷等の方法によりペース
ト状の絶縁材料にて絶縁体層を形成した後、その絶縁体
層の表面にペースト状の導電性材料を塗布して導体パタ
ーンや長穴ビアホールを形成する。次に、ペースト状の
絶縁材料を上から塗布して絶縁体層とする。同様にし
て、順に重ね塗りすることにより、積層構造を有する共
振器等が得られる。
【0074】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、柱状のインダクタは長穴ビアホールを連接して
構成されるので、長穴ビアホールの数を増やすことによ
ってインダクタの断面積が広くなる。従って、従来のイ
ンダクタ用パターンの厚みを厚くしたり、パターン幅を
広くすることなく、インダクタのQ値を向上させること
ができる。また、コンデンサパターンと長穴ビアホール
とを直接に接続することにより、導体パターン層数が少
なく、構造が簡素になり、低背化を図ることができる。
また、積層体の積み重ね方向において、インダクタの配
設領域内に、全てのコンデンサパターンを配置すること
により、より一層の低背の共振器が得られる。この結
果、小型でかつ優れた周波数特性を有するフィルタやフ
ィルタモジュールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る共振器の第1実施形態を示す分解
斜視図。
【図2】図1に示した共振器の外観を示す斜視図。
【図3】図2に示した共振器の内部透視斜視図。
【図4】図2に示した共振器の電気等価回路図。
【図5】本発明に係る共振器の第2実施形態を示す分解
斜視図。
【図6】図5に示した共振器の外観を示す斜視図。
【図7】図6に示した共振器の内部透視斜視図。
【図8】本発明に係る共振器の第3実施形態を示す分解
斜視図。
【図9】図8に示した共振器の外観を示す斜視図。
【図10】図9に示した共振器の内部透視斜視図。
【図11】本発明に係るフィルタの一実施形態を示す分
解斜視図。
【図12】図11に示したフィルタの外観斜視図。
【図13】図12に示したフィルタの内部透視斜視図。
【図14】図12に示したフィルタの電気等価回路図。
【図15】本発明に係るフィルタのさらに別の実施形態
を示す分解斜視図。
【図16】図15に示したフィルタの外観斜視図。
【図17】本発明に係るフィルタモジュールの一実施形
態を示す分解斜視図。
【図18】図17に示したフィルタモジュールの外観斜
視図。
【図19】図18に示したフィルタモジュールの電気等
価回路図。
【図20】従来の共振器の分解斜視図。
【図21】図20に示した共振器の外観斜視図。
【符号の説明】
31,61,81…共振器 32〜41,62〜67…絶縁体シート 45a〜45e,70a〜70c,82a〜82d…イ
ンダクタ用長穴ビアホール 46a,46b,47,71a,71b,72a,72
b…コンデンサパターン 50,51…シールドパターン 83,84…インダクタ用パターン 91,121…フィルタ 92〜102,122〜128…絶縁体シート 105a〜105g,106a〜106g,130a〜
130d,131a〜131d…インダクタ用長穴ビア
ホール 107a〜110b,132a〜135b…コンデンサ
パターン 113a,113b…シールドパターン 151…デュプレクサ 152〜161…絶縁体シート 165a〜165e,…,169a〜169e…インダ
クタ用長穴ビアホール 170a〜174b,181a〜185b…コンデンサ
パターン 195a,195b,196a,196b…シールドパ
ターン L1〜L5…インダクタ C1〜C5…コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 浩子 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J024 AA01 AA10 CA04 CA17 DA05 DA21 DA29 DA35 EA03 EA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体層を積み重ねて構成した積層体に
    インダクタとコンデンサを形成し、該インダクタとコン
    デンサとによりLC共振回路を形成した共振器におい
    て、 柱状の前記インダクタを、前記積層体の実装面に対して
    平行に延在している長穴ビアホールを前記絶縁体層の積
    み重ね方向に連接して構成するとともに、コンデンサパ
    ターンと前記長穴ビアホールとを直接に接続して、前記
    インダクタと前記コンデンサとを電気的に接続したこと
    を特徴とする共振器。
  2. 【請求項2】 前記積層体の積み重ね方向において、前
    記インダクタの配設領域内に、前記コンデンサの全ての
    コンデンサパターンが配置されていることを特徴とする
    請求項1記載の共振器。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の共振器を有したことを特
    徴とするフィルタ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の共振器又は請求項2記載
    のバンドパスフィルタの少なくともいずれか一つを備え
    たことを特徴とするフィルタモジュール。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008017242A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Tdk Corp 電子部品
US11315726B2 (en) * 2017-01-31 2022-04-26 Murata Manufacturing Co., Ltd. LC resonator
WO2022270185A1 (ja) * 2021-06-25 2022-12-29 株式会社村田製作所 フィルタ装置およびそれを搭載した高周波フロントエンド回路

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