JPWO2018012199A1 - 基板計測装置およびレーザ加工システム - Google Patents

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Abstract

基板計測装置(1)は、位置決め用のアライメントマーク(7)が設置されていてレーザ加工された被加工部(6)を有する基板(5)の画像データを取得する計測用カメラ(8)と、基板(5)を搭載し、基板(5)と計測用カメラ(8)との相対位置を変更する計測テーブル(4)と、画像データおよび計測テーブル(4)の位置情報に基づいて、アライメントマーク(7)の計測位置座標および被加工部(6)の計測位置座標を求める画像処理部(12)と、アライメントマーク(7)の計測位置座標からアライメントマーク(7)の設計位置座標への変換係数を求める変換係数計算部(13)と、変換係数を用いて被加工部(6)の計測位置座標を変換後位置座標に座標変換し、変換後位置座標と被加工部(6)の設計位置座標との差から加工誤差を求める加工誤差計算部(14)と、を備える。

Description

本発明は、レーザで穴加工されたプリント基板等の加工穴の加工位置誤差を計測する基板計測装置および基板計測装置の計測結果を用いてプリント基板にレーザ穴加工するレーザ加工システムに関する。
従来のレーザ加工システムにおいては、レーザ加工の加工精度向上を図るために、レーザ加工を行った後に加工位置精度検査ユニットで穴加工の位置誤差を計測して補正データを作成し、補正データを用いてレーザ加工するレーザドリル装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
このようなレーザ加工システムは、ガルバノスキャナと加工テーブルを備え、プリント基板(以下、基板と略す)にレーザ光を照射してレーザ穴加工を行うドリル加工ユニット(以下、加工ユニットと略す)と、カメラと計測テーブルを用いて基板のレーザ加工穴の位置計測を行う加工位置精度検査ユニット(以下、検査ユニットと略す)を備える。
加工ユニットは、レーザ加工前に計測した基板収縮量からスケーリング値を求めて検査ユニットに送信する。検査ユニットにおいては、カメラにより基板のレーザ加工穴の加工位置誤差を計測して上記スケーリング値を用いて位置補正データ、すなわちオフセット値を求めて、加工ユニットに送信する。加工ユニットは、さらに、上記オフセット値を用いてレーザの照射位置を補正し、連続運転時の加工精度の経時変化を抑制し加工精度を保証する。
なお、上記検査ユニットにおいては、穴加工位置精度の検査方法として、CCD(Charge−Coupled Device)カメラを用いて、レーザ光の照射ターゲットとなる基板上のランドの中心座標と、当該ランドにレーザ光を照射してレーザ加工した加工穴の中心座標とを計測し、両者の差を求めて加工位置誤差を求めていた。
また、基板収縮量に対応するスケーリング値は、レーザドリル加工前に加工ユニットにおいて行う基板の位置ずれを合わせる処理であるアライメント処理の時に基板収縮量を計測し、これに基づいて求めていた。
特開2003−88983号公報
しかしながら、特許文献1に示すようなレーザ加工装置においては、特にCOレーザのような熱加工に基づいたレーザ加工を行うと、レーザ加工後に基板が熱変形し、レーザ加工後は基板収縮量およびスケーリング値が変化してしまう。その結果、検査ユニットにおいて加工位置誤差および上記スケーリング値に基づいて求めた位置補正データには熱変形誤差が含まれる。したがって、この位置補正データに基づいて加工ユニットの加工位置データを補正すると加工精度が悪くなるといった問題があった。
また、加工ユニットと検査ユニットとは異なるXYテーブルを使用するので、それぞれのXYテーブルのX軸とY軸との直角度が異なっている場合のように、それぞれのXYテーブルの機械誤差特性に差異がある場合、加工ユニットと検査ユニットとの間で座標系のずれが発生し、検査ユニットで計測した加工位置誤差には座標系のずれが含まれたものとなり、この加工位置誤差に基づいて加工ユニットの加工位置データを補正すると、加工精度が悪くなるといった問題があった。
同様に、基板が検査ユニットの計測テーブルに傾いて設置されている場合も、検査ユニットで計測した加工位置誤差には基板のアライメント誤差が含まれたものとなり、この加工位置誤差に基づいて加工ユニットの加工位置データを補正すると、加工精度が悪くなるといった問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、加工誤差を高精度に計測することができる基板計測装置を得ることを目的としている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、位置決め用のアライメントマークが設置されていてレーザ加工された被加工部を有する基板の画像データを取得する計測用カメラと、基板を搭載し、基板と計測用カメラとの相対位置を変更する計測テーブルと、画像データおよび計測テーブルの位置情報に基づいて、アライメントマークの計測位置座標および被加工部の計測位置座標を求める画像処理部と、を備える。本発明は、アライメントマークの計測位置座標からアライメントマークの設計位置座標への変換係数を求める変換係数計算部と、変換係数を用いて被加工部の計測位置座標を変換後位置座標に座標変換し、変換後位置座標と被加工部の設計位置座標との差から加工誤差を求める加工誤差計算部と、をさらに備える。
本発明によれば、加工誤差を高精度に計測することができる基板計測装置を実現できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる基板計測装置の構成を示す図 実施の形態1にかかる基板の様子を説明する図 実施の形態1にかかる基板計測装置の動作を説明するフローチャート 本発明の実施の形態2にかかるレーザ加工システムの構成を示す図 実施の形態2にかかるレーザ加工システムの動作を説明するフローチャート 本発明の実施の形態3にかかるレーザ加工システムの構成を示す図 実施の形態3にかかるレーザ加工システムの動作を説明するフローチャート 本発明の実施の形態5にかかるレーザ加工システムの構成を示す図 実施の形態5にかかるレーザ加工システムの別の構成を示す図 実施の形態1から5にかかるコンピュータシステムのハードウェア構成を示す図 実施の形態1から5にかかる計測制御部、システム指令部およびレーザ加工制御部の機能を専用のハードウェアで実現する場合の構成を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる基板計測装置およびレーザ加工システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる基板計測装置1の構成を示す図である。基板計測装置1は、基板に対するレーザ穴加工における加工誤差を計測するものである。基板計測装置1は、計測駆動部2と、計測駆動部2を制御する計測制御部3と、を備える。図2は、実施の形態1にかかる基板5の様子を説明する図である。図2は、図1の紙面の上下方向に上から下の方に基板5を見た図である。
図1において、計測制御部3については処理機能のブロック図が示してある。計測制御部3は、計測指令部9と、計測テーブル制御部10と、計測用カメラ制御部11と、画像処理部12と、変換係数計算部13と、加工誤差計算部14と、レーザ加工補正値計算部15と、加工不良判定部16と、を備える。
計測駆動部2は、XYテーブルである計測テーブル4を備える。計測テーブル4のトップテーブル4aにはレーザ穴加工された基板5が搭載されている。図1において、計測テーブル4の駆動方向は、紙面の垂直方向であるX方向および紙面の左右方向であるY方向である。計測テーブル4のトップテーブル4aは、X方向およびY方向に移動可能な計測テーブル4の部分である。なお、計測テーブル4のX軸およびY軸には、図示しないリニアエンコーダが設置されており、トップテーブル4aを高精度に位置決めすることが可能である。計測テーブル4のトップテーブル4aに設置された基板5には、レーザ加工された被加工部である加工穴6が形成され、さらに位置決め用のアライメントマーク7も印刷されている。
図2において、基板5には、多数の加工穴6が形成されている。このような基板5は、パソコンまたは携帯電話等の電子機器に備えられるプリント基板であり、レーザ加工される加工穴6は、主に多層プリント基板の層間を接続する穴、すなわちビア穴である。通常、加工穴6の穴径はφ20μmから200μmであり、加工穴6の穴数は基板一枚あたり数万穴から100万穴程度である。
また、基板5の周辺部には、基板5の位置決め用の位置決めマークであるアライメントマーク7が印刷により設けられている。アライメントマーク7は、通常、被加工物に2個から4個が印刷されている。図2においては、基板5にアライメントマーク7が4個印刷された例が示されている。
図1に示すように、計測駆動部2における計測テーブル4の上方には、基板5の加工面上に形成された被加工部である加工穴6およびアライメントマーク7の画像データを取得する計測用カメラ8が備えられている。計測用カメラ8は、図示していないZ軸テーブルに装着されている。Z軸テーブルが図1の紙面の上下方向であるZ方向に移動することにより、計測用カメラ8の焦点調整が可能となる。
計測テーブル4を移動させることにより、基板5と計測用カメラ8との相対位置が変更されるので、計測用カメラ8は、基板5上のすべての加工穴6およびアライメントマーク7の画像を撮像することができる。なお、図示していないが、計測用カメラ8には照明機能およびオートフォーカス機能が付加されている。計測用カメラ8は、具体的には、ラインセンサを用いたラインカメラである。ラインセンサによる画像情報と計測テーブル4の位置情報とに基づいて画像処理部12が画像処理を行い、加工穴6およびアライメントマーク7の位置座標を高速に計測する。
なお、ラインカメラは、計測幅が大きいものでも80mm程度であるので、基板5のサイズが例えば320mm×320mmであった場合は、ラインカメラを2往復走査させる、あるいは、4台のカメラを一方向に並べてそれと垂直方向に1回走査させるように計測テーブル4および計測用カメラ8を動作させて撮影して、基板5の全面の画像データを収集できるようにする。なお、画像処理部12、計測テーブル4および計測用カメラ8を用いて計測される位置座標を計測位置座標とする。
計測制御部3は、計測テーブル4および計測用カメラ8を制御する制御部である。計測制御部3の機能を実現するコンピュータシステムは、さらに図示しないモニタおよび各種外部インターフェース、サーボアンプ等を備える。
計測指令部9は、図1には示していないメモリに格納されているCAD(Computer−Aided Design)等から得られる加工穴6の設計位置座標およびアライメントマーク7の設計位置座標を計測プログラムに基づいて各部に出力する。それとともに、計測テーブル4への制御指令を計測テーブル制御部10に出力し、計測用カメラ8への制御指令を計測用カメラ制御部11に出力する。なお、設計位置座標はCAD等から与えられる設計上の位置座標である。
計測テーブル制御部10は、計測指令部9から入力された位置指令と、計測テーブル4に設置されている上述したリニアエンコーダからの位置情報とを用いて、計測テーブル4を位置決め制御する。また、計測テーブル制御部10は、計測用カメラ8が撮像するサンプリング周期に合わせてリニアエンコーダの位置情報を画像処理部12に出力する。
計測用カメラ制御部11は、計測指令部9から入力されたカメラ制御指令により計測用カメラ8の撮像を制御する。なお、通常、計測用カメラ8として用いられるラインカメラは、数kHzから数10kHzのサンプリング周期で画像を撮像する。また、計測用カメラ制御部11は、上記サンプリング周期毎に計測用カメラ8で撮像した画像データを画像処理部12に出力する。
なお、計測指令部9は、基板5の全ての加工穴6およびアライメントマーク7の画像情報を計測用カメラ8が撮像できるように、計測テーブル制御部10に移動指令を出すとともに、計測テーブル4の移動に合わせて計測用カメラ8に撮像させるように計測用カメラ制御部11に指令する。これにより、計測用カメラ制御部11は、計測用カメラ8が撮影した基板5の全面の画像データを収集する。
画像処理部12は、計測用カメラ制御部11から上記サンプリング周期毎に計測用カメラ8で撮像した画像データを収集するとともに、当該画像データを撮像したときの計測テーブル4のリニアエンコーダから得られるX方向およびY方向の位置座標を計測テーブル4の位置情報として計測テーブル制御部10から収集する。
上述した画像データおよび計測テーブル4の位置座標の収集が終わったら、画像処理部12は、画像データおよび計測テーブル4の位置座標に基づいて、パターンマッチングといった画像処理技術を適用して、基板5の被加工部である加工穴6の計測位置座標およびアライメントマーク7の計測位置座標を求める。
変換係数計算部13には、画像処理部12で求めたアライメントマーク7の計測位置座標が入力されるとともに、計測指令部9からアライメントマーク7の設計位置座標が入力される。変換係数計算部13は、入力されたアライメントマーク7の計測位置座標と、入力されたアライメントマーク7の設計位置座標とを用いて、アライメントマーク7の計測位置座標からアライメントマーク7の設計位置座標への変換係数を求める。
上記変換係数は、基板5の熱変形による誤差、計測テーブル4のX軸およびY軸の直角度のずれによる誤差または基板5のアライメント誤差を除去するために用いる。
上記変換係数を用いてアライメントマーク7の計測位置座標を座標変換した位置座標は、アライメントマーク7の設計位置座標とほぼ一致する。
また、各加工穴6の計測位置座標に上記変換係数を乗じると、基板5の熱変形による誤差、計測テーブル4のX軸およびY軸の直角度のずれによる誤差または基板5のアライメント誤差を除去した加工穴6の変換後位置座標に変換される。ここで、加工穴6に加工誤差がない場合は、加工穴6の変換後位置座標は加工穴6の設計位置座標とほぼ一致する。しかし、加工穴6に加工誤差がある場合は、加工穴6の設計位置座標に対して、加工穴6の変換後位置座標に加工誤差分の位置誤差が生じる。
アライメントマーク7が4点ある場合の変換係数の1例を以下に示す。各アライメントマーク7の計測位置座標を(Xam(k),Yam(k))(k=1,2,3,4)とし、それに対応する設計位置座標(Xar(k),Yar(k))(k=1,2,3,4)とする。そして、変換係数計算部13が求める変換係数の1例をP11、P12、P13、P21、P22、P23とすると、以下の数式(1)のような関係になっている。
Figure 2018012199
(k=1,2,3,4)
数式(1)の変換係数P11、P12、P13、P21、P22、P23は、アライメントマーク7が3点以上あれば、アライメントマーク7の計測位置座標およびそれに対応する設計位置座標から、数式(1)を用いて求めることができる。アライメントマーク7が、4点以上あるならば、最小自乗法を用いてさらに正確に求めることができる。
数式(1)のP11、P12、P13、P21、P22、P23は、アライメントマーク7の計測位置座標からアライメントマーク7の設計位置座標への座標変換行列の要素になっており、オフセット、ゲイン、回転および座標軸の直交ずれがある場合に有効な座標変換行列を構成する。
アライメントマーク7の計測位置座標とそれに対応する設計位置座標とから上記座標変換行列を求めると、この座標変換行列を用いて、画像処理部12で求めた加工穴6の計測位置座標を加工穴6の変換後位置座標に変換することができる。したがって、基板5が熱により膨張して変形した場合、計測テーブル4のX軸およびY軸に直交ずれがあった場合または基板5のアライメント誤差があった場合においても、これらの誤差を除去した加工穴6の変換後位置座標を求めることが可能となる。
なお、変換係数の他の1例を用いた以下の数式(2)のような関係を用いることも可能である。ただし、変換係数は数式(1)および数式(2)に示したものに限定はされない。
Figure 2018012199
(k=1,2,3,4)
加工誤差計算部14には、変換係数計算部13で求めた変換係数が入力されるとともに、画像処理部12より加工穴6の計測位置座標が入力され、計測指令部9より対応する加工穴6の設計位置座標が入力される。加工誤差計算部14は、入力された変換係数を用いて加工穴6の計測位置座標を変換後位置座標に座標変換するとともに、加工穴6の設計位置座標と加工穴6の変換後位置座標との差から加工誤差を計算する。
加工穴6の計測位置座標を(Xhm(n),Yhm(n))とし、それに対応する加工穴6の設計位置座標を(Xhr(n),Yhr(n))とすると、各加工穴6の加工誤差(ΔXe(n),ΔYe(n))は、以下の数式(3)により求める。ここで、n=1,2,3,4・・・,Nであって、Nは加工穴数である。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
レーザ加工補正値計算部15には、加工誤差計算部14で求めた加工誤差(ΔXe(n),ΔYe(n))が入力される。レーザ加工補正値計算部15は、加工誤差(ΔXe(n),ΔYe(n))に基づいて、基板5のレーザ穴加工を行ったレーザ加工装置に対するレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)を計算する。
レーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)を計算するには、複数または全ての加工誤差(ΔXe(n),ΔYe(n))を用いる。具体的には、平均値を用いてレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)を求める場合は、以下の数式(4)に示すように平均値計算を行う。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
数式(4)において、n=Nとすれば、全ての加工穴6の加工誤差(ΔXe(n),ΔYe(n))の平均値を用いてレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)を求めることになるが、nとして2以上N未満の値を用いて加工誤差の平均値を計算してレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)を求めてもよい。
加工不良判定部16は、加工誤差計算部14で求めた加工誤差の計算値(ΔXe(n),ΔYe(n))と、あらかじめ設定されている加工不良判定基準値とを比較して加工不良の有無を判定する。加工誤差をあらかじめ設定されている加工不良判定基準値と比較することにより信頼性の高い加工不良判定を行うことができる。
加工不良判定基準値をRemaxとした場合に、X方向の加工誤差ΔXe(n)およびY方向の加工誤差ΔYe(n)の2乗和の平方根とRemaxとが以下の数式(5)をいずれかのnにおいて満たす場合は、加工不良であると判定する。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
なお、加工不良判定部16が加工不良であると判定した場合は、図示しないモニタ装置にアラームを表示させる。なお、加工不良を判定するのに用いる数式は、数式(5)の他に以下の数式(6)または数式(7)を用いてもよい。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
図3は、実施の形態1にかかる基板計測装置1の動作を説明するフローチャートである。
まず、手動あるいは図示しない基板搬送装置により基板5が計測テーブル4に設置される(ステップS1)。
計測テーブル制御部10が計測テーブル4を駆動するとともに、計測用カメラ制御部11に制御された計測用カメラ8が基板5の全面の画像データを収集する(ステップS2)。
画像処理部12は、基板5の加工穴6およびアライメントマーク7にかかる画像データおよび計測テーブル4の位置情報である位置座標に基づいて、画像処理を行って、加工穴6およびアライメントマーク7の計測位置座標を求める(ステップS3)。
変換係数計算部13は、アライメントマーク7の計測位置座標および設計位置座標から数式(1)などを用いて変換係数を求める(ステップS4)。
加工誤差計算部14は、加工穴6の計測位置座標をステップS4で求めた変換係数を用いて変換後位置座標に座標変換するとともに、数式(3)などを用いて全ての加工穴6の加工誤差(ΔXe(n),ΔYe(n))を計算する(ステップS5)。
レーザ加工補正値計算部15は、加工誤差計算部14で求めた全ての加工穴6の加工誤差から、数式(4)を用いて基板5のレーザ穴加工を行ったレーザ加工装置に対するレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)を計算する(ステップS6)。
加工不良判定部16は、加工誤差計算部14がステップS5において求めた全ての加工穴6の加工誤差と加工不良判定基準値とを用いて、数式(5)、数式(6)または数式(7)を用いて、加工不良の判定を行う(ステップS7)。加工不良判定部16が加工不良であると判定した場合は、上述したモニタ装置にアラームを表示させる。
実施の形態1にかかる基板計測装置1によれば、基板5がレーザ加工後に熱変形した場合、計測テーブル4のX軸およびY軸の直角度が悪い場合または基板5にアライメント誤差が生じている場合であっても、これらの誤差要因の影響を除去して、加工誤差を高精度に計測することが可能となる。したがって、これらの誤差要因の影響を低減するレーザ加工の加工補正値を求めることができる。
なお、上記説明においては、レーザ加工補正値計算部15は数式(4)を用いて1つのレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)を求めた。しかし、数式(3)で求めた全ての加工穴6の加工誤差(ΔXe(n),ΔYe(n))をそのまま各加工穴6のレーザ加工補正値とすると、加工穴6毎に固有の加工誤差を補正することができる。これにより、レーザ加工のさらに正確な補正が可能となる。
なお、実施の形態1においては、計測用カメラ8としてラインセンサを使用して説明したが、エリアセンサカメラを使ったエリアカメラを使用しても同等の効果が得られる。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2にかかるレーザ加工システム20の構成を示す図である。実施の形態1の図1と同じ構成要素は同じ符号を付与してあるので説明は省略する。
レーザ加工システム20は、レーザ穴加工されていない基板にレーザ穴加工をするレーザ加工装置21と、レーザ加工装置21によりレーザ穴加工された基板の加工誤差を計測する実施の形態1で説明した基板計測装置1と、レーザ加工装置21および基板計測装置1を制御するシステム指令部22と、搬送装置17と、を備える。
システム指令部22は、レーザ加工装置21、基板計測装置1および搬送装置17といった周辺装置を制御するシステムコントローラであり、パーソナルコンピュータといったコンピュータシステムで構成される。システム指令部22は、CADシステムおよびCAM(Computer−Aided Manufacturing)システムとも接続され、加工穴6の設計位置座標、基板31のアライメントマーク7の設計位置座標および各種プログラムをレーザ加工装置21および基板計測装置1に送信する。
レーザ加工システム20は、レーザ加工装置21の温度上昇などを原因とする経時変化によるレーザ穴加工の加工誤差の拡大を防ぎ、長時間安定した加工精度を維持する。この目的のために、レーザ加工システム20においては、レーザ加工装置21でレーザ加工した基板について基板計測装置1で加工誤差を計測し、さらにレーザ加工の誤差を補正するレーザ加工誤差補正値を基板計測装置1において計算して、レーザ加工装置21の加工の指令を補正する。
レーザ加工装置21は、レーザ加工部23と、レーザ加工部23を制御するレーザ加工制御部24と、を備える。
レーザ加工部23は、レーザ光を出力するレーザ発振器25と、加工ヘッド32と、基板31を搭載するXYテーブルである加工テーブル33と、を備える。ここで基板5を第一の基板、レーザ加工の対象である基板31を第二の基板とする。なお、基板5は基板31より前に加工された基板である。加工ヘッド32は、ガルバノミラー27Xおよびモータ28Xを備えたガルバノスキャナ29Xと、ガルバノミラー27Yおよびモータ28Yを備えたガルバノスキャナ29Yと、Fθレンズ30と、を備える。ガルバノスキャナ29X,29Yはレーザ偏向器である。ガルバノスキャナ29X,29Yは、基板31に対してレーザ発振器25からのレーザ光26を偏向して基板31に位置決めする。加工ヘッド32は、図示していないZ軸テーブルに固定されており、基板31の加工面に垂直なZ方向に移動可能であり、レーザ光26の焦点調整ができるようになっている。加工テーブル33は、搭載している基板31と、ガルバノスキャナ29X,29Yとの相対位置を変更する。
レーザ加工部23のレーザ発振器25から出力されるレーザ光26は、ガルバノスキャナ29X,29Yにより2次元方向に偏向される。偏向されたレーザ光26は、Fθレンズ30で集光され、レーザ穴加工されていない被加工物である基板31上にレーザ加工穴を形成する。ここで、レーザ偏向器制御部43は、ガルバノスキャナ29X,29Yの角度を制御することにより、基板31上の50mm×50mm程度の範囲内にレーザ光26を位置決め制御することができる。
なお、基板31は実施の形態1の基板5と同等のプリント基板であるが、レーザ穴加工される前のものであり、基板31の周辺には、図2に示した基板5と同様に、位置決め用のアライメントマーク7が印刷されている。
図4に示すように、基板31は、加工テーブル33のトップテーブル33aに設置されている。加工テーブル33は、基板31を図4の紙面垂直方向であるX方向および図4に示したY方向に移動可能であり、ガルバノスキャナ29X,29Yと基板31との相対位置を制御する。加工テーブル33は、基板31の加工面の全面にレーザ加工ができるように、通常は600mm×600mm程度の範囲を移動することが可能である。なお、加工テーブル33には、位置決めセンサとして図示しないリニアエンコーダが設けられている。リニアエンコーダは、基板31を設置するトップテーブル33aの位置を高精度に計測し、この計測結果を用いて加工テーブル制御部37が加工テーブル33を位置決め制御する。
加工ヘッド32には、基板31のアライメントマーク7の位置座標を計測する加工用カメラ34が搭載されている。加工用カメラ34が基板31のアライメントマーク7を撮像できるように加工テーブル制御部37が加工テーブル33を位置決めし、その後、加工用カメラ34は、基板31のアライメントマーク7を撮像する。加工用カメラ34には、具体的には、CCDカメラまたはCMOS(Complementary Metal−Oxide−Semiconductor)カメラのような画像センサを用いたカメラを使用する。
加工用カメラ34で撮像したアライメントマーク7の画像データと、画像データを撮像した時の加工テーブル33の位置情報であるリニアエンコーダの値とを用いて、アライメントマーク7の位置座標を計測することができる。
アライメントマーク7の計測された位置座標である計測位置座標は、基板31のアライメント誤差または基板31の伸縮があっても、基板31上の目的の位置座標にレーザ光26を精度よく照射できるように、ガルバノスキャナ29X,29Yの指令または加工テーブル33の指令の補正に用いられる。
基板31に対するレーザ穴加工が終了した後、システム指令部22の指令によって、基板31は、搬送装置17によって基板計測装置1の計測テーブル4のトップテーブル4aに搬送される。レーザ穴加工がされた基板31が計測テーブル4のトップテーブル4aに設置されたものが基板5である。
図4におけるレーザ加工制御部24は、ブロック図を用いて機能が記載されている。レーザ加工制御部24は、加工指令部35と、レーザ発振器制御部36と、加工テーブル制御部37と、加工用カメラ制御部38と、第二画像処理部50と、アライメント補正値計算部39と、テーブルアライメント補正部40と、レーザ加工補正部41と、偏向器アライメント補正部42と、レーザ偏向器制御部43と、を備える。
レーザ加工制御部24は、レーザ加工部23を制御する装置であり、レーザ発振器25、ガルバノスキャナ29X,29Y、加工テーブル33および加工用カメラ34を制御する。
レーザ加工制御部24は、1個あるいは複数個のCPU(Central Processing Unit)、メモリ、さらには、デジタル入出力インターフェース、アナログインプット、アナログアウトプット、マンマシンインターフェースを備えたコンピュータシステムである。さらに、レーザ加工制御部24は、レーザ発振器25、ガルバノスキャナ29X,29Yおよび加工テーブル33を駆動するサーボアンプおよび電源も備えている。
加工指令部35は、加工穴6の設計位置座標、基板31のアライメントマーク7の設計位置座標および加工プログラムをシステム指令部22から取得するとともに、各種設定パラメータおよびレーザ加工条件等を保持している。加工指令部35は、システム指令部22から取得した加工プログラムに基づいて、レーザ発振器25、加工テーブル33およびガルバノスキャナ29X,29Yのそれぞれに、レーザ発振指令、加工テーブル33を位置決めするための指令位置座標、ガルバノスキャナ29X,29Yを位置決めするための指令位置座標といった指令を出力する。
なお、加工指令部35から出力される加工テーブル33への指令位置座標およびガルバノスキャナ29X,29Yへの指令位置座標は、加工穴6の設計位置座標から求めたものであり、基板31の変形、加工テーブル33の座標軸のずれおよびアライメント誤差を含んでいない。
また、基板31のサイズは通常300mm×300mm以上あるが、ガルバノスキャナ29X,29Yによるレーザ光26の走査エリアは50mm×50mm程度である。したがって、基板31の穴あけ加工する加工エリア全面をガルバノスキャナ29X,29Yを走査してレーザ加工するためには、加工テーブル33を移動させて、ガルバノスキャナ29X,29Yの走査エリアを基板31の加工面上で移動させる必要がある。
上記したような加工を行うための加工テーブル33の指令位置座標は、具体的には、基板31上の穴加工する加工エリアをガルバノスキャナ29X,29Yの走査エリアの大きさで分割し、分割された各加工エリアにおける加工穴6の中心座標として求める。分割された各加工エリアには1つ以上の加工穴6が存在し得る。したがって、上記中心座標は、上記分割された各加工エリア内に含まれる1つ以上の加工穴6のX方向の設計位置座標の最大値、最小値、およびY方向の設計位置座標の最大値、最小値で決まる四角形のエリアの中心座標として計算して求めることができる。上記分割された各加工エリアにおける加工穴6の中心座標を加工テーブル33の指令位置座標(Xtr0(m),Ytr0(m))とする。ここで、m=1,2,3,・・・,Mであって、Mは加工エリアの上記分割における分割数である。
したがって、各加工穴6に対するガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標は、加工穴6の設計位置座標から、当該加工穴6が含まれる分割された加工エリアにおける加工穴6の中心座標である加工テーブル33の指令位置座標を減ずることにより求められる。
ここで、CADデータから得られる加工穴6の設計位置座標を(Xhr(n),Yhr(n))とし、当該設計位置座標が含まれる分割された加工エリアにおける加工穴6の中心座標である加工テーブル33の指令位置座標(Xtr0(m),Ytr0(m))を(Xtr(n),Ytr(n))とすると、ガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標(Xgr(n),Ygr(n))は、以下の数式(8)で求められる。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
なお、上記のようにして求めた加工テーブル33の指令位置座標(Xtr(n),Ytr(n))およびガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標(Xgr(n),Ygr(n))は、加工指令部35から出力される。
また、加工指令部35がレーザ発振器制御部36にレーザ加工条件を入力するとともに、レーザ発振指令を入力すると、レーザ発振器制御部36は、レーザ発振器25がパルス状のレーザ光26を出力するようにレーザ発振器25にレーザ発振指令を出力する。
加工テーブル制御部37は、加工指令部35からテーブル指令位置座標を取得し、加工テーブル33を位置決め制御するとともに、加工テーブル33の位置情報をリニアスケールの位置座標に基づいて出力する。
加工用カメラ制御部38は、加工指令部35からのカメラ制御指令に基づいて動作し、加工用カメラ34の制御および加工用カメラ34が撮像した基板31のアライメントマーク7の画像データの収集を実行する。アライメントマーク7の画像データは加工テーブル33の位置決め完了後に収集する。
第二画像処理部50は、加工用カメラ制御部38で収集した画像データを用いてパターンマッチング等の画像処理手法を用いて、アライメントマーク7の加工用カメラ34の画像面における位置座標を求める。これとともに、第二画像処理部50には、加工テーブル制御部37から上記画像データの撮像時の加工テーブル33の位置座標が入力される。第二画像処理部50は、アライメントマーク7の上記画像面における位置座標と加工テーブル33の位置座標とを加算して、基板31のアライメントマーク7の加工テーブル33上の計測位置座標を求める。
アライメント補正値計算部39は、第二画像処理部50で求めた基板31のアライメントマーク7の計測位置座標を取得するとともに、加工指令部35から対応するアライメントマーク7の設計位置座標を取得し、基板31の加工テーブル33上でのアライメント誤差および基板31の変形を補正する変換係数を求める。実施の形態1において変換係数計算部13が求める変換係数を第1の変換係数、アライメント補正値計算部39が求める上記変換係数を第2の変換係数とする。
第2の変換係数の1例をQ11、Q12、Q13、Q21、Q22、Q23とし、基板31のアライメントマーク7が4点あるとする。基板31のアライメントマーク7の計測位置座標を(Xam2(k),Yam2(k))(k=1,2,3,4)とし、対応する設計位置座標を(Xar(k),Yar(k))(k=1,2,3,4)とすると、以下の数式(9)のような関係式で表わせる。
Figure 2018012199
(k=1,2,3,4)
数式(9)の第2の変換係数Q11、Q12、Q13、Q21、Q22、Q23は、基板31のアライメントマーク7が3点以上あれば、基板31のアライメントマーク7の計測位置座標、設計位置座標および数式(9)を用いて求めることができる。基板31のアライメントマーク7が4点以上あるならば、最小自乗法を用いてさらに正確に求めることができる。
数式(9)のQ11、Q12、Q13、Q21、Q22、Q23は、基板31のアライメントマーク7の設計位置座標から加工テーブル33上での計測位置座標への座標変換行列の要素になっており、基板31のオフセット、ゲイン、回転および座標軸の直交ずれがある場合に有効な座標変換行列を構成する。
アライメント補正値計算部39が求めた第2の変換係数は、テーブルアライメント補正部40および偏向器アライメント補正部42に出力される。
テーブルアライメント補正部40は、加工指令部35から出力される加工テーブル33を位置決めするための指令位置座標を第2の変換係数を用いて変換して、基板31のアライメント誤差および変形による誤差を補正した指令位置座標を求めて、これを加工テーブル制御部37に出力する。第2の変換係数を用いた変換による補正をアライメント補正と呼ぶ。加工指令部35から取得した加工テーブル33に対するアライメント補正前の指令位置座標を(Xtr(n),Ytr(n))、第2の変換係数によるアライメント補正後の指令位置座標を(Xtr2(n),Ytr2(n))とすると、以下の数式(10)のような関係となる。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
レーザ加工補正部41は、加工指令部35が出力するガルバノスキャナ29X,29Yを位置決めするための上記指令位置座標(Xgr(n),Ygr(n))を取得するとともに、基板計測装置1で求めたレーザ加工装置21のレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)を用いて、ガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標を補正する。
加工指令部35から入力されるガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標(Xgr(n),Ygr(n))と、基板計測装置1のレーザ加工補正値計算部15から入力されるレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)とから、レーザ加工補正部41は、以下に示す数式(11)を用いて、ガルバノスキャナ29X,29Yの補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を求める。なお、式(11)においては、レーザ加工補正値ΔXh、ΔYhにそれぞれ補正係数khx1、khy1を乗じて補正量を調整する。通常、補正係数khx1、khy1は0〜1の範囲に設定するが、この範囲に設定すると加工誤差が増大しない安定した補正ができる。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
ガルバノスキャナ29X,29Yの補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))は、レーザ加工装置21で過去に加工された基板5の加工誤差に対する補正を反映したものであり、レーザ加工装置21の温度変化といった経時変化で加工誤差が増大するのを改善するようにガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標を修正した値である。
偏向器アライメント補正部42は、レーザ加工補正部41の出力であるガルバノスキャナ29X,29Yの補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を第2の変換係数を用いて座標変換し、基板31のアライメント誤差および基板31の変形による誤差をアライメント補正したガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標を出力する。アライメント補正される前のガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標を(Xgr2(n),Ygr2(n))とし、アライメント補正されたガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標を(Xgrs(n),Ygrs(n))とすると、これらは以下の数式(12)に示すような関係となる。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
レーザ偏向器制御部43は、偏向器アライメント補正部42から入力された指令位置座標(Xgrs(n),Ygrs(n))にFθレンズ30等で発生する光学系の誤差に対する非線形補正を行い、その後ガルバノスキャナ29X,29Yの回転角に変換するとともに、基板31の目標とする位置にレーザ光26を照射できるようガルバノスキャナ29X,29Yを位置決め制御する。
図5は、実施の形態2にかかるレーザ加工システム20の動作を説明するフローチャートである。なお、図3と同じ処理をするステップS1からステップS7には同じステップ番号を付けて説明は省略する。
まず、レーザ加工システム20は、図示しない基板搬送装置を用いて基板31を加工テーブル33のトップテーブル33aに設置する(ステップS10)。
次に、レーザ加工制御部24が加工テーブル33および加工用カメラ34を制御し、基板31のアライメントマーク7を加工用カメラ34に撮像させる。加工用カメラ制御部38は、加工用カメラ34が撮像した画像データを収集する。第二画像処理部50は、収集された画像データを画像処理するとともに、加工テーブル33の位置座標を用いて、基板31のアライメントマーク7の計測位置座標(Xam2(k),Yam2(k))を計測する。アライメント補正値計算部39は、アライメントマーク7の計測位置座標(Xam2(k),Yam2(k))およびアライメントマーク7の設計位置座標(Xar(k),Yar(k))に基づいて、数式(9)を用いて基板31にかかる第2の変換係数を求める(ステップS11)。
次に、加工指令部35は、基板31の全ての穴加工が終了したか否かの判定を行う(ステップS12)。穴加工が終了していない場合(ステップS12:No)、ステップS13へ進み、全ての穴加工が終了している場合(ステップS12:Yes)、ステップS20へ進む。
穴加工が終了していない場合(ステップS12:No)、加工指令部35からのガルバノスキャナ29X,29Yの次の走査エリアに移動するための加工テーブル33の指令位置座標(Xtr(n),Ytr(n))に、ステップS11で求めたアライメント補正のための第2の変換係数を乗じて、テーブルアライメント補正部40がアライメント補正を実行する(ステップS13)。
アライメント補正された指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))は加工テーブル制御部37に入力され、加工テーブル制御部37は、アライメント補正された指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))に基づいて加工テーブル33を位置決めする(ステップS14)。
加工指令部35からのガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標(Xgr(n),Ygr(n))をレーザ加工補正値計算部15で求めたレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)で補正する(ステップS15)。なお、レーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)の初期値はそれぞれ0である。
レーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)により補正されたガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を第2の変換係数に乗じて偏向器アライメント補正部42がアライメント補正する(ステップS16)。
アライメント補正されたガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標(Xgrs(n),Ygrs(n))がレーザ偏向器制御部43に入力されて、レーザ偏向器制御部43がガルバノスキャナ29X,29Yを位置決めする(ステップS17)。
加工指令部35からのレーザ発振指令がレーザ発振器制御部36へ入力され、レーザ発振器制御部36は、レーザ発振器25からパルス状のレーザ光26を出力させる(ステップS18)。
次に、加工指令部35は、ガルバノスキャナ29X,29Yの走査エリア内の全ての穴加工が終了したか否かの判定を行う(ステップS19)。走査エリア内の穴加工が終了していない場合(ステップS19:No)、ステップS15へ進み、走査エリア内の全ての穴加工が終了している場合(ステップS19:Yes)、ステップS12へ進む。
ステップS12において全ての穴加工が終了している場合(ステップS12:Yes)、レーザ加工が終了した基板31を基板計測装置1の計測テーブル4に搬送装置17で移動する(ステップS20)。
ステップS20の後のステップS1からステップS7は実施の形態1で説明した内容である。基板計測装置1による基板5の計測の終了後、すなわちステップS7の後は、基板5を図示しない基板搬出装置を用いて計測テーブル4から外部の基板ストッカ等に移動して、基板計測装置1から搬出する(ステップS21)。
その後、システム指令部22は、未加工の基板の有無を判定する(ステップS22)。未加工の基板がある場合(ステップS22:Yes)、ステップS10へ進み、未加工の基板が無い場合(ステップS22:No)は、終了である。
以上説明したように、実施の形態2にかかるレーザ加工システム20は、レーザ加工装置21が基板31にレーザ穴加工を行い、レーザ穴加工の後は、基板計測装置1で基板5に形成されている加工穴6の加工誤差を計測するとともに、加工誤差を小さくするようにガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標を補正する。これにより、レーザ加工システム20は、複数枚連続して基板を加工する場合においても、レーザ加工装置21の温度変化といった原因により発生する経時変化による加工誤差を抑制して加工誤差が拡大しないようにすることが可能である。すなわち、実施の形態2にかかるレーザ加工システム20は、連続加工時でも、高精度で長時間にわたって安定なレーザ加工を実現することができる。
なお、上記説明においては、計測制御部3、システム指令部22およびレーザ加工制御部24はそれぞれ個別のコンピュータシステムとして説明したが、これらを同一コンピュータシステムで構成してもよい。これにより、計測制御部3、システム指令部22およびレーザ加工制御部24のそれぞれの処理部の間のデータ通信が円滑になるといった利点が得られる。
また、上記説明においては、レーザ加工装置21は、加工ヘッド32を1つ備える場合について説明したが、加工ヘッドを複数備えた構成であったとしても上記と同等の効果が得られる。また、基板計測装置1は、計測用カメラ8を複数個備えていてもかまわない。
また、レーザ加工補正部41は、ガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標(Xgr(n),Ygr(n))に対して、レーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)および数式(11)を用いて補正計算していた。しかし、レーザ加工補正値計算部15で求めるレーザ加工補正値として、数式(3)で求めた各加工穴6の加工誤差(ΔXe(n),ΔYe(n))を用いる場合は、数式(11)の代わりに以下の数式(13)を用いて加工穴6毎に補正すると、さらに加工誤差を抑制する効果が得られる。なお、数式(13)においては、各加工誤差ΔXe(n)、ΔYe(n)にそれぞれ補正係数khx2、khy2を乗じて補正量の調整を行う。通常、補正係数khx2、khy2は0〜1の範囲に設定するが、この範囲に設定すると加工誤差が増大しない安定した補正ができる。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
また、レーザ加工補正部41で用いる数式(11)または数式(13)におけるレーザ加工補正値に対して、ローパス特性を持ったフィルタでフィルタリングすることによりレーザ加工補正値を調整してもよい。
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3にかかるレーザ加工システム44の構成を示す図である。レーザ加工システム44は、レーザ穴加工されていない基板にレーザ穴加工をするレーザ加工装置51と、レーザ加工装置51によりレーザ穴加工された基板の加工誤差を計測する実施の形態1で説明した基板計測装置1と、レーザ加工装置51および基板計測装置1を制御するシステム指令部22と、搬送装置17と、を備える。レーザ加工装置51は、レーザ加工部23と、レーザ加工部23を制御するレーザ加工制御部54と、を備える。
図6において、図4で示した実施の形態2にかかるレーザ加工システム20と同じ構成要素は同じ符号を付与してあり、その説明は省略する。レーザ加工システム44のレーザ加工制御部54は、レーザ加工システム20のレーザ加工制御部24の偏向器アライメント補正部42に代えて偏向器アライメント補正部45を設け、レーザ加工補正部41に代えてレーザ加工補正部46を設け、テーブルアライメント補正部40に代えてテーブルアライメント補正部47を設けている。レーザ加工システム44のそれ以外の構成は、レーザ加工システム20と同じである。
実施の形態2にかかるレーザ加工システム20においては、レーザ加工補正値計算部15で求めたレーザ加工補正値を用いて、加工指令部35から出力されるガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標をレーザ加工補正部41が補正して、偏向器アライメント補正部42に入力した。これに対して、実施の形態3にかかるレーザ加工システム44は、加工指令部35から出力される加工テーブル33を位置決めするための指令位置座標をレーザ加工補正値計算部15で求めたレーザ加工補正値でレーザ加工補正部46が補正し、テーブルアライメント補正部47に入力する構成とした点がレーザ加工システム20とは異なる。
偏向器アライメント補正部45は、加工指令部35の出力であるガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標(Xgr(n),Ygr(n))を第2の変換係数を用いて座標変換して、基板31のアライメント誤差および基板31の変形による誤差をアライメント補正した指令位置座標(Xgrs(n),Ygrs(n))を出力する。
ガルバノスキャナ29X,29Yのアライメント補正する前の指令位置座標(Xgr(n),Ygr(n))と、ガルバノスキャナ29X,29Yのアライメント補正された指令位置座標(Xgrs(n),Ygrs(n))とは、以下の数式(14)のような関係となる。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
レーザ加工補正部46は、加工指令部35が出力した加工テーブル33を位置決めするための指令位置座標(Xtr(n),Ytr(n))を、基板計測装置1のレーザ加工補正値計算部15で求めたレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)を用いて補正する。レーザ加工補正部46は、加工指令部35から入力される加工テーブル33の指令位置座標(Xtr(n),Ytr(n))と、レーザ加工補正値計算部15から入力されるレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)とから、以下の数式(15)を用いて、加工テーブル33の補正された指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))を求める。なお、数式(15)においては、レーザ加工補正値ΔXh、ΔYhに補正係数khx3、khy3を乗じて補正量の調整を行う。通常、補正係数khx3、khy3は0〜1の範囲に設定するが、この範囲に設定すると加工誤差が増大しない安定した補正ができる。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
テーブルアライメント補正部47は、レーザ加工補正部46から出力される加工テーブル33の補正された指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))を第2の変換係数を用いて変換し、基板31のアライメント誤差および基板31の変形による誤差をアライメント補正したテーブル指令位置座標(Xtrs(n),Ytrs(n))を出力する。アライメント補正する前のテーブル指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))と、アライメント補正されたテーブル指令位置座標(Xtrs(n),Ytrs(n))とは、以下の数式(16)のような関係となる。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
図7は、実施の形態3にかかるレーザ加工システム44の動作を説明するフローチャートである。なお、図5と同じ処理をするステップには同じステップ番号を付けて説明は省略する。以下では、図5のフローチャートと異なる点を説明する。
ステップS12において穴加工が終了していない場合(ステップS12:No)、加工指令部35から入力された、ガルバノスキャナ29X,29Yの次の走査エリアに移動するための加工テーブル33の指令位置座標(Xtr(n),Ytr(n))を、レーザ加工補正値計算部15で求めたレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)でレーザ加工補正部46が補正する(ステップS23)。なお、レーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)の初期値はそれぞれ0である。
レーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)で補正された加工テーブル33の指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))に対して、テーブルアライメント補正部47は、アライメント補正係数である第2の変換係数を乗じてアライメント補正して(ステップS24)、テーブル指令位置座標(Xtrs(n),Ytrs(n))を得る。加工テーブル制御部37は、アライメント補正された指令位置座標(Xtrs(n),Ytrs(n))に基づいて加工テーブル33を位置決めする(ステップS14)。
偏向器アライメント補正部45は、加工指令部35からのガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標(Xgr(n),Ygr(n))に第2の変換係数を乗じて数式(14)に示すようにアライメント補正する(ステップS25)。ステップS25の後はステップS17に進む。また、ステップS19において走査エリア内の穴加工が終了していない場合(ステップS19:No)は、ステップS25へ進む。
以上説明したように、実施の形態3にかかるレーザ加工システム44によれば、実施の形態2にかかるレーザ加工システム20と同等の効果を、レーザ加工システム20とは異なる構成および手法で得ることが可能となる。
なお、実施の形態2および3においては、基板計測装置1の計測制御部3がレーザ加工補正値計算部15を備えるとして説明したが、レーザ加工装置21,51のレーザ加工制御部24,54がレーザ加工補正値計算部15を備えてもよい。この場合は、計測制御部3の加工誤差計算部14から出力される加工誤差をレーザ加工制御部24,54に入力し、レーザ加工制御部24,54内にレーザ加工補正値計算部15の機能を有する構成要素を設ければ上記と同等の効果が得られる。
また、レーザ加工装置21,51のレーザ加工制御部24,54が、実施の形態2のレーザ加工補正部41と、実施の形態3のレーザ加工補正部46と、を共に備えた構成にすることもできる。
実施の形態4.
実施の形態4にかかるレーザ加工システム20の構成は、実施の形態2と概略同一であり、図4で示される。実施の形態2との相違点は、レーザ加工補正部41におけるガルバノスキャナ29X,29Yの補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))の計算方法である。以下、実施の形態2との相違点について説明する。
実施の形態2にかかるレーザ加工補正部41は、加工指令部35から入力されたガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標(Xgr(n),Ygr(n))と、基板計測装置1から入力されたレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)あるいは(ΔXe(n),ΔYe(n))とから、数式(11)あるいは数式(13)を用いて、ガルバノスキャナ29X,29Yの補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を求めた。これに対して、実施の形態4にかかるレーザ加工補正部41は、さらに、基板5を基板計測装置1で計測する毎に求められるレーザ加工補正値の積分値を用いる。
実施の形態2にかかるレーザ加工システム20においては、レーザ加工補正値を用いたレーザ加工装置21によるレーザ加工と、レーザ加工補正値を求めるための基板計測装置1による計測とが繰り返し実行される。しかし、この繰り返し動作を行っても、レーザ加工補正値が0に収束しない定常偏差を生じる場合がある。このような場合、レーザ加工補正値の積分値を用いれば、定常偏差を小さくする効果がある。
基板計測装置1がi番目の基板を計測して求めたレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)を(ΔXh(i),ΔYh(i))とし、レーザ加工補正値の積分値を(XhI(i),YhI(i))と定義する。実施の形態2にかかるレーザ加工補正部41は、数式(11)を用いて補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を求めるのに対して、実施の形態4にかかるレーザ加工補正部41は、以下の数式(17)を用いて補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を求める。
Figure 2018012199
(i=1,2,3・・・:iは基板の計測の順番を示す変数)
数式(17)において、khx4、khy4、khx5、khy5は補正係数であり、(Xgr(n),Ygr(n))は、加工指令部35から入力されたガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標である。
また、レーザ加工補正値の積分値(XhI(i),YhI(i))は、以下の数式(18)で求められ、レーザ加工装置21の基板31を交換する毎に更新される。
Figure 2018012199
(i=1,2,3・・・:iは基板の計測の順番を示す変数)
ただし、レーザ加工補正値の積分値XhI(i)、YhI(i)それぞれの初期値XhI(1)、YhI(1)は、それぞれ0であるとする。
また、基板計測装置1がi番目の基板を計測して求めた各加工穴6のレーザ加工補正値(ΔXe(n),ΔYe(n))を(ΔXe(n)(i),ΔYe(n)(i))とし、各加工穴6のレーザ加工補正値の積分値を(XeI(n)(i),YeI(n)(i))と定義する。実施の形態2にかかるレーザ加工補正部41は、数式(13)を用いて補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を求めるのに対して、実施の形態4にかかるレーザ加工補正部41は、以下の数式(19)を用いて補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を求める。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
(i=1,2,3・・・:iは基板の計測の順番を示す変数)
数式(19)において、khx6、khy6、khx7、khy7は補正係数であり、レーザ加工補正値(ΔXe(n)(i),ΔYe(n)(i))は、i番目に計測した基板5のn番目の穴のレーザ加工補正値を意味する。また、数式(19)におけるレーザ加工補正値の積分値(XeI(n)(i),YeI(n)(i))は、以下の数式(20)で求められ、レーザ加工装置21の基板31を交換する毎に更新される。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,4・・・,N:Nは加工穴数)
(i=1,2,3・・・:iは基板の計測の順番を示す変数)
また、レーザ加工補正値の積分値XeI(n)(i)、YeI(n)(i)の初期値XeI(n)(1)、YeI(n)(1)は、それぞれ0とする。
以上説明したように、実施の形態4にかかるレーザ加工補正部41は、数式(17)および数式(19)において、レーザ加工補正値の積分値(XhI(i),YhI(i))または(XeI(n)(i),YeI(n)(i))を用いて、ガルバノスキャナ29X,29Yの補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を計算する。これにより、実施の形態4にかかるレーザ加工システム20は、実施の形態2にかかるレーザ加工システム20よりも、定常偏差を小さくして、加工誤差の少ない高精度な加工を長時間にわたって行うことが可能となる。
また、実施の形態4にかかるレーザ加工システムの別の構成であるレーザ加工システム44の構成は、実施の形態3と概略同一であり、図6で示される。実施の形態3との相違点は、レーザ加工補正部46における加工テーブル33の補正された指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))の計算方法である。以下、実施の形態3との相違点について説明する。
上述したように、基板計測装置1がi番目の基板を計測して求めたレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)を(ΔXh(i),ΔYh(i))とし、レーザ加工補正値の積分値を(XhI(i),YhI(i))とする。実施の形態3にかかるレーザ加工補正部46は、数式(15)を用いて補正された指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))を求めるのに対して、実施の形態4にかかるレーザ加工補正部46は、以下の数式(21)を用いて補正された指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))を求める。
Figure 2018012199
(i=1,2,3・・・:iは基板の計測の順番を示す変数)
数式(21)において、khx8、khy8、khx9、khy9は補正係数であり、(Xtr(n),Ytr(n))は、加工指令部35から入力された加工テーブル33の指令位置座標である。
以上説明したように、レーザ加工補正部46は、数式(21)においてレーザ加工補正値の積分値(XhI(i),YhI(i))を用いて、加工テーブル33の補正された指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))を計算する。これにより、実施の形態4にかかるレーザ加工システム44は、実施の形態3にかかるレーザ加工システム44よりも、定常偏差を小さくして、加工誤差の少ない高精度な加工を長時間にわたって行うことが可能となる。
実施の形態5.
図8は、本発明の実施の形態5にかかるレーザ加工システムの構成を示す図である。図4で示した実施の形態2にかかるレーザ加工システム20に対して、実施の形態5にかかるレーザ加工システム63では、レーザ加工補正値記憶部62が新たに追加され、システム指令部22はシステム指令部60に変更され、レーザ加工補正部41はレーザ加工補正部61に変更され、レーザ加工装置21はレーザ加工装置64に変更され、レーザ加工制御部24はレーザ加工制御部65に変更されている。システム指令部60はシステム指令部22とは動作が異なり、レーザ加工補正部61はレーザ加工補正部41とは動作が異なる。図8の図4と同一符号の要素の機能は、実施の形態2で説明した機能と同様である。
実施の形態2にかかるレーザ加工補正部41は、数式(11)あるいは数式(13)を用いて、ガルバノスキャナ29X,29Yの補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を計算していた。これに対して、実施の形態5にかかるレーザ加工補正部61は、基板計測装置1で計測した第一の基板である基板5をレーザ加工装置64が第二の基板である基板31として過去にレーザ加工した際に用いたガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標の補正値をさらに用いる点が異なる。
実施の形態2にかかるレーザ加工システム20においては、レーザ加工補正値を用いたレーザ加工装置21によるレーザ加工と、レーザ加工補正値を求めるための基板計測装置1による計測との繰り返し動作を行っても、レーザ加工補正値が0に収束しない定常偏差を生じる場合がある。このような場合、実施の形態4においてレーザ加工補正値の積分値を用いたのと同様に、レーザ加工補正部61は、基板計測装置1で計測した基板5をレーザ加工装置64が基板31として過去にレーザ加工した際に用いたガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標の補正値を用いることで上記定常偏差を小さくすることができる。
基板計測装置1からレーザ加工補正部61にレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)が入力される場合の動作について説明する。
システム指令部60は、実施の形態2にかかるシステム指令部22の動作に加えて、基板計測装置1で計測した基板5の基板番号pを出力する。基板番号pは、基板5および基板31を一意に特定する番号であり、システム指令部60が、レーザ加工装置64で基板31を加工するときに決定する。基板番号pは、例えば、加工された時間が早い順番に決定され、p=1,2,3,・・・,Pであり、Pは基板31の加工枚数とする。
レーザ加工補正部61には、実施の形態2のレーザ加工補正部41と同様に、加工指令部35からガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標(Xgr(n),Ygr(n))が入力され、基板計測装置1で基板5を計測することで求められたレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)が入力される。
さらに、レーザ加工補正部61は、基板番号(p+d)の基板31の加工に際して、システム指令部60から基板番号pが入力される。ここでdは、加工と計測との時間差に起因するオフセット値である。基板番号pを受け取ったレーザ加工補正部61は、レーザ加工補正値記憶部62から、あらかじめ保存されている基板番号pの基板31を加工した際に用いたガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標の補正値(ΔXgr2(p),ΔYgr2(p))を取得して、ガルバノスキャナ29X,29Yの補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を計算する。
ここで、基板計測装置1が基板番号pの基板5を計測して求めたレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)を(ΔXh(p),ΔYh(p))とし、基板番号pの基板31に対する指令位置座標の補正値を(ΔXgr2(p),ΔYgr2(p))と定義する。
実施の形態2にかかるレーザ加工補正部41は、数式(11)に基づいてガルバノスキャナ29X,29Yの補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を求めるのに対して、実施の形態5にかかるレーザ加工補正部61は、以下の数式(22)に基づいて、補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を求める。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,・・・,N:Nは加工穴数)
(p=1,2,3,・・・,P:Pは基板の加工枚数)
数式(22)において、khx10、khy10、khx11、khy11は補正係数である。さらに、数式(22)で用いた基板番号pの基板31の指令位置座標の補正値(ΔXgr2(p),ΔYgr2(p))は、以下の数式(23)で求められる。
Figure 2018012199
また、数式(23)のdは、上述したように加工と計測との時間差に起因するオフセット値である。レーザ加工装置64と基板計測装置1とが加工と計測とを交互に実行する場合はd=1、加工と計測とを同時に実行している場合はd=2、レーザ加工装置64の加工時間より基板計測装置1の計測時間が長い場合は、dはさらに大きな正の整数値になる。また、ΔXgr2(p−d)およびΔYgr2(p−d)の初期値、すなわち(p−d)が1以下の場合のΔXgr2(p−d)およびΔYgr2(p−d)はそれぞれ0とする。
レーザ加工補正値記憶部62は、レーザ加工補正部61から取得した基板番号pおよび数式(23)から求められる指令位置座標の補正値(ΔXgr2(p),ΔYgr2(p))をデータテーブルの形式で順次記憶する。なお、上述したように、ΔXgr2(p)およびΔYgr2(p)の初期値としては、それぞれ0が記憶される。
そして、レーザ加工補正値記憶部62は、レーザ加工補正部61から基板番号pが入力されると、基板番号pに対応する指令位置座標の補正値(ΔXgr2(p),ΔYgr2(p))を上記データテーブルより求めて、レーザ加工補正部61に出力する。
以上説明したように、レーザ加工補正部61は、数式(22)および数式(23)を用いて、ガルバノスキャナ29X,29Yの補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を計算する。これにより、実施の形態5にかかるレーザ加工システム63は、実施の形態2にかかるレーザ加工システム20よりも、定常偏差を小さくして、加工誤差の少ない高精度な加工を長時間にわたって行うことが可能となる。
次に、基板計測装置1からレーザ加工補正部61に入力されるレーザ加工補正値が各加工穴6の加工誤差(ΔXe(n),ΔYe(n))である場合について説明する。
基板計測装置1が基板番号pの基板5を計測して求めたレーザ加工補正値(ΔXe(n),ΔYe(n))を(ΔXe(n)(p),ΔYe(n)(p))とし、基板番号pの基板31の指令位置座標の補正値を(ΔXgr2(n)(p),ΔYgr2(n)(p))と定義する。
実施の形態2にかかるレーザ加工補正部41は、数式(13)に基づいてガルバノスキャナ29X,29Yの補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を求めるのに対して、実施の形態5にかかるレーザ加工補正部61は、以下の数式(24)に基づいて、補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を求める。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,・・・,N:Nは加工穴数)
(p=1,2,3,・・・,P:Pは基板の加工枚数)
数式(24)において、khx12、khy12、khx13、khy13は補正係数である。また、指令位置座標の補正値(ΔXgr2(n)(p),ΔYgr2(n)(p))は、基板番号pの基板を加工したときの加工穴番号nのガルバノスキャナ29X,29Yの指令位置座標の補正値を意味しており、以下の数式(25)で求める。
Figure 2018012199
数式(25)のdは、数式(23)と同様、加工と計測との時間差に起因するオフセット値である。また、ΔXgr2(n)(p−d)およびΔYgr2(n)(p−d)の初期値、すなわち(p−d)が1以下の場合のΔXgr2(n)(p−d)およびΔYgr2(n)(p−d)はそれぞれ0とする。
また、この場合、レーザ加工補正値記憶部62は、レーザ加工補正部61から取得した基板番号pおよび数式(25)から求められる指令位置座標の補正値(ΔXgr2(n)(p),ΔYgr2(n)(p))をデータテーブルの形式で順次記憶する。なお、上述したように、ΔXgr2(n)(p)、ΔYgr2(n)(p)の初期値としては、それぞれ0が記憶される。
以上説明したように、レーザ加工補正部61は、数式(24)および数式(25)を用いて、ガルバノスキャナ29X,29Yの補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を計算する。これにより、実施の形態5にかかるレーザ加工システム63は、実施の形態2にかかるレーザ加工システム20よりも、定常偏差を小さくして、加工誤差の少ない高精度な加工を長時間にわたって行うことが可能となる。
図9は、実施の形態5にかかるレーザ加工システムの別の構成を示す図である。図6で示した実施の形態3にかかるレーザ加工システム44に対して、実施の形態5にかかるレーザ加工システム73では、レーザ加工補正値記憶部72が新たに追加され、システム指令部22はシステム指令部70に変更され、レーザ加工補正部46はレーザ加工補正部71に変更され、レーザ加工装置51はレーザ加工装置74に変更され、レーザ加工制御部54はレーザ加工制御部75に変更されている。システム指令部70はシステム指令部22とは動作が異なり、レーザ加工補正部71はレーザ加工補正部46とは動作が異なる。図9の図6と同一符号の要素の機能は、実施の形態3で説明した機能と同様である。
実施の形態3にかかるレーザ加工補正部46は、数式(15)を用いて、加工テーブル33の補正された指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))を計算していた。これに対して、実施の形態5にかかるレーザ加工補正部71は、基板計測装置1で計測した第一の基板である基板5をレーザ加工装置74が第二の基板である基板31として過去にレーザ加工した際に用いた加工テーブル33の指令位置座標の補正値をさらに用いる点が異なる。
実施の形態3にかかるレーザ加工システム44においては、レーザ加工補正値を用いたレーザ加工装置51によるレーザ加工と、レーザ加工補正値を求めるための基板計測装置1による計測の繰り返し動作を行っても、レーザ加工補正値が0に収束しない定常偏差を生じる場合がある。このような場合、レーザ加工補正部61と同様に、実施の形態5にかかるレーザ加工補正部71は、基板計測装置1で計測した基板5をレーザ加工装置74が基板31として過去にレーザ加工した際に用いた加工テーブル33の指令位置座標の補正値を用いることで上記定常偏差を小さくすることができる。
基板計測装置1からレーザ加工補正部71にレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)が入力される場合の動作について説明する。
システム指令部70は、実施の形態3にかかるシステム指令部22の動作に加えて、基板計測装置1で計測した基板5の基板番号pを出力する。基板番号pは、基板5および基板31を一意に特定する番号であり、システム指令部70が、レーザ加工装置74で基板31を加工するときに決定する。基板番号pは、例えば、加工された時間が早い順番に決定され、p=1,2,3,・・・,Pであり、Pは基板31の加工枚数とする。
レーザ加工補正部71には、実施の形態3のレーザ加工補正部46と同様に、加工指令部35から加工テーブル33の指令位置座標(Xtr(n),Ytr(n))が入力され、基板計測装置1で基板5を計測することで求められたレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)が入力される。
さらに、レーザ加工補正部71は、基板番号(p+d)の基板31の加工に際して、システム指令部70から基板番号pが入力される。ここでdは、加工と計測との時間差に起因するオフセット値である。基板番号pを受け取ったレーザ加工補正部71は、レーザ加工補正値記憶部72から、あらかじめ保存されている基板番号pの基板31を加工した際に用いた加工テーブル33の指令位置座標の補正値(ΔXtr2(p),ΔYtr2(p))を取得して、加工テーブル33の補正された指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))を計算する。
ここで、基板計測装置1が基板番号pの基板5を計測して求めたレーザ加工補正値(ΔXh,ΔYh)を(ΔXh(p),ΔYh(p))とし、基板番号pの基板31に対する加工テーブル33の指令位置座標の補正値を(ΔXtr2(p),ΔYtr2(p))と定義する。
実施の形態3にかかるレーザ加工補正部46は、数式(15)に基づいて加工テーブル33の補正された指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))を求めるのに対して、実施の形態5にかかるレーザ加工補正部71は、以下の数式(26)に基づいて、補正された指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))を求める。
Figure 2018012199
(n=1,2,3,・・・,N:Nは加工穴数)
(p=1,2,3,・・・,P:Pは基板の加工枚数)
数式(26)において、khx14、khy14、khx15、khy15は補正係数である。さらに、数式(26)で用いた基板番号pの基板31に対する指令位置座標の補正値(ΔXtr2(p),ΔYtr2(p))は、以下の数式(27)で求められる。
Figure 2018012199
また、数式(27)のdは、数式(23)と同様、加工と計測との時間差に起因するオフセット値である。また、ΔXtr2(p−d)およびΔYtr2(p−d)の初期値、すなわち(p−d)が1以下の場合のΔXtr2(p−d)およびΔYtr2(p−d)はそれぞれ0とする。
レーザ加工補正値記憶部72は、レーザ加工補正部71から取得した基板番号pおよび数式(27)から求められる指令位置座標の補正値(ΔXtr2(p),ΔYtr2(p))をデータテーブルの形式で順次記憶する。なお、上述したように、ΔXtr2(p)およびΔYtr2(p)の初期値としては、それぞれ0が記憶される。
そして、レーザ加工補正値記憶部72は、レーザ加工補正部71から基板番号pが入力されると、基板番号pに対応する指令位置座標の補正値(ΔXtr2(p),ΔYtr2(p))を上記データテーブルより求めて、レーザ加工補正部71に出力する。
以上説明したように、レーザ加工補正部71は、数式(26)および数式(27)を用いて、加工テーブル33の補正された指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))を計算する。これにより、実施の形態5にかかるレーザ加工システム73は、実施の形態3にかかるレーザ加工システム44よりも、定常偏差を小さくして、加工誤差の少ない高精度な加工を長時間にわたって行うことが可能となる。
なお、実施の形態5にかかるレーザ加工補正部61は、ガルバノスキャナ29X,29Yの補正された指令位置座標(Xgr2(n),Ygr2(n))を求めるため、数式(22)あるいは数式(24)を用いたが、実施の形態4で用いた数式(17)あるいは数式(19)で用いたレーザ加工補正値の積分値(XhI(i),YhI(i))あるいは(XeI(n)(i),YeI(n)(i))をさらに加算して補正しても同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態5にかかるレーザ加工補正部71は、加工テーブル33の補正された指令位置座標(Xtr2(n),Ytr2(n))を求めるため、数式(26)を用いたが、実施の形態4で用いた数式(21)のレーザ加工補正値の積分値(XhI(i),YhI(i))をさらに加算して補正しても同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態1から5においてレーザ偏向器は、ガルバノスキャナであるとして説明したが、ポリゴンミラー、音響光学偏向器または電気光学偏向器のようなレーザ偏向器を用いても上記で説明したのと同等の効果を得ることができる。
図10は、実施の形態1から5にかかるコンピュータシステムのハードウェア構成を示す図である。上述したように、実施の形態1から5にかかる計測制御部3、システム指令部22,60,70およびレーザ加工制御部24,54,65,75はそれぞれ図10に示すようなコンピュータシステムにより実現することが可能である。この場合、計測制御部3、システム指令部22,60,70およびレーザ加工制御部24,54,65,75の機能のそれぞれまたはこれらを1つに纏めた機能は、CPU101およびメモリ102により実現される。計測制御部3、システム指令部22,60,70およびレーザ加工制御部24,54,65,75の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ102に格納される。CPU101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、計測制御部3、システム指令部22,60,70およびレーザ加工制御部24,54,65,75は、その機能がコンピュータにより実行されるときに、計測制御部3、システム指令部22,60,70およびレーザ加工制御部24,54,65,75の動作を実施するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ102を備える。また、これらのプログラムは、計測制御部3、システム指令部22,60,70およびレーザ加工制御部24,54,65,75の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ102とは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)といった不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disk)が該当する。また、加工不良判定部16にはディスプレイやプリンタ等の表示装置も含まれる。
図11は、実施の形態1から5にかかる計測制御部3、システム指令部22,60,70およびレーザ加工制御部24,54,65,75の機能を専用のハードウェアで実現する場合の構成を示す図である。図11に示すように計測制御部3、システム指令部22,60,70およびレーザ加工制御部24,54,65,75のそれぞれは、専用のハードウェアである処理回路103で構成される。処理回路103は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサー、並列プログラム化したプロセッサー、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。計測制御部3、システム指令部22,60,70およびレーザ加工制御部24,54,65,75の各部の機能それぞれを別々の複数の処理回路103で実現してもよいし、各部の機能をまとめて一つの処理回路103で実現してもよい。さらには、計測制御部3、システム指令部22,60,70およびレーザ加工制御部24,54,65,75の全体を一つの処理回路103で実現してもよい。
また、計測制御部3、システム指令部22,60,70およびレーザ加工制御部24,54,65,75の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、計測制御部3、システム指令部22,60,70およびレーザ加工制御部24,54,65,75は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 基板計測装置、2 計測駆動部、3 計測制御部、4 計測テーブル、4a,33a トップテーブル、5,31 基板、6 加工穴、7 アライメントマーク、8 計測用カメラ、9 計測指令部、10 計測テーブル制御部、11 計測用カメラ制御部、12 画像処理部、13 変換係数計算部、14 加工誤差計算部、15 レーザ加工補正値計算部、16 加工不良判定部、17 搬送装置、20,44,63,73 レーザ加工システム、21,51,64,74 レーザ加工装置、22,60,70 システム指令部、23 レーザ加工部、24,54,65,75 レーザ加工制御部、25 レーザ発振器、26 レーザ光、27X,27Y ガルバノミラー、28X,28Y モータ、29X,29Y ガルバノスキャナ、30 Fθレンズ、32 加工ヘッド、33 加工テーブル、34 加工用カメラ、35 加工指令部、36 レーザ発振器制御部、37 加工テーブル制御部、38 加工用カメラ制御部、39 アライメント補正値計算部、40,47 テーブルアライメント補正部、41,46,61,71 レーザ加工補正部、42,45 偏向器アライメント補正部、43 レーザ偏向器制御部、50 第二画像処理部、62,72 レーザ加工補正値記憶部、101 CPU、102 メモリ、103 処理回路。

Claims (8)

  1. 位置決め用のアライメントマークが設置されていてレーザ加工された被加工部を有する基板の画像データを取得する計測用カメラと、
    前記基板を搭載し、前記基板と前記計測用カメラとの相対位置を変更する計測テーブルと、
    前記画像データおよび前記計測テーブルの位置情報に基づいて、前記アライメントマークの計測位置座標および前記被加工部の計測位置座標を求める画像処理部と、
    前記アライメントマークの計測位置座標から前記アライメントマークの設計位置座標への変換係数を求める変換係数計算部と、
    前記変換係数を用いて前記被加工部の計測位置座標を変換後位置座標に座標変換し、前記変換後位置座標と前記被加工部の設計位置座標との差から加工誤差を求める加工誤差計算部と、
    を備える
    ことを特徴とする基板計測装置。
  2. 前記加工誤差に基づいてレーザ加工補正値を求めるレーザ加工補正値計算部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の基板計測装置。
  3. 前記加工誤差とあらかじめ設定された加工不良判定基準値とを比較することにより加工不良の有無を判定する加工不良判定部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の基板計測装置。
  4. 請求項2に記載の基板計測装置と、
    レーザ光を出力するレーザ発振器と、
    前記基板を第一の基板とする場合にレーザ加工の対象である第二の基板に対して、前記レーザ光を偏向して位置決めするレーザ偏向器と、
    前記第二の基板を搭載し、前記第二の基板と前記レーザ偏向器との相対位置を変更する加工テーブルと、
    前記レーザ偏向器を位置決めするための指令位置座標を出力する加工指令部と、
    前記指令位置座標を、前記レーザ加工補正値を用いて補正するレーザ加工補正部と、
    を備える
    ことを特徴とするレーザ加工システム。
  5. 請求項2に記載の基板計測装置と、
    レーザ光を出力するレーザ発振器と、
    前記基板を第一の基板とする場合にレーザ加工の対象である第二の基板に対して、前記レーザ光を偏向して位置決めするレーザ偏向器と、
    前記第二の基板を搭載し、前記第二の基板と前記レーザ偏向器との相対位置を変更する加工テーブルと、
    前記加工テーブルを位置決めするための指令位置座標を出力する加工指令部と、
    前記指令位置座標を、前記レーザ加工補正値を用いて補正するレーザ加工補正部と、
    を備える
    ことを特徴とするレーザ加工システム。
  6. 前記レーザ加工補正部は、前記レーザ加工補正値の積分値も用いて前記指令位置座標を補正する
    ことを特徴とする請求項4または5に記載のレーザ加工システム。
  7. 前記レーザ加工補正部は、前記第一の基板を前記第二の基板として過去にレーザ加工した際に用いた前記指令位置座標の補正値も用いて前記指令位置座標を補正する
    ことを特徴とする請求項4または5に記載のレーザ加工システム。
  8. 前記指令位置座標の補正値を記憶するレーザ加工補正値記憶部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項7に記載のレーザ加工システム。
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