JP5952875B2 - レーザ加工機、レーザ加工機のワーク歪補正方法 - Google Patents

レーザ加工機、レーザ加工機のワーク歪補正方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5952875B2
JP5952875B2 JP2014201939A JP2014201939A JP5952875B2 JP 5952875 B2 JP5952875 B2 JP 5952875B2 JP 2014201939 A JP2014201939 A JP 2014201939A JP 2014201939 A JP2014201939 A JP 2014201939A JP 5952875 B2 JP5952875 B2 JP 5952875B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser beam
error
workpiece
irradiation position
laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014201939A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016068133A (ja
Inventor
鈴木 正美
正美 鈴木
松本 潤一
潤一 松本
裕紀 糊田
裕紀 糊田
正治 神谷
正治 神谷
哲 徳岡
哲 徳岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kataoka Corp
Original Assignee
Kataoka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kataoka Corp filed Critical Kataoka Corp
Priority to JP2014201939A priority Critical patent/JP5952875B2/ja
Priority to TW104111256A priority patent/TWI577483B/zh
Priority to KR1020150085221A priority patent/KR101698269B1/ko
Priority to CN201510333958.7A priority patent/CN106181075B/zh
Publication of JP2016068133A publication Critical patent/JP2016068133A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5952875B2 publication Critical patent/JP5952875B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、レーザ光を被加工物(ワーク)の任意の箇所に照射して加工を施すレーザ加工機、及びレーザ加工機の使用方法に関する。
今日、入力装置としてタッチパネル装置が広く利用されている。タッチパネル装置は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置が組み込まれる機器に実装され、当該機器に対する直感的な入力手段となる。
タッチパネル装置は、タッチパネルセンサ、タッチパネルセンサ上の接触位置を知得する制御回路、配線及びフレキシブルプリント基板を含んでなる。タッチパネルセンサにおける、表示装置の画像表示領域に重なる領域は透明となっており、当該領域に対象物の接触位置を検出し得るアクティブエリアが構成される。
投影型容量結合方式のタッチパネルセンサは、誘電体と、その誘電体の両側に相異なるパターンで形成された第一センサ電極及び第二センサ電極とを要素とする。第一センサ電極及び第二センサ電極は、これらセンサ電極を支持する基材におけるアクティブエリア外の領域に敷設された取出配線(取出用の導電体)を介して、外部の制御回路に接続される。
アクティブエリアに敷設される第一センサ電極及び第二センサ電極には透明導電材料が使用されるが、非アクティブエリアに敷設される取出配線は透明である必要はない。従来は、高い導電率を有する金属等の導電性材料からなる配線パターンを、基材上にスクリーン印刷していた(以上、下記特許文献1を参照)。
昨今、表示装置の画像表示領域をさらに拡大し、及び/または、意匠性をより一層向上させる目的で、画像表示領域の周囲を取り囲んでいるいわゆる“額縁”領域(ベゼル)を狭小化することが求められている。額縁領域の狭小化の実現には、タッチパネルセンサにおける非アクティブエリアを小面積化する必要がある。
非アクティブエリアに敷設される取出配線を十分に高精細化すれば、非アクティブエリア及び額縁領域を縮小することが可能となる。だが、現状のスクリーン印刷法では、高精細な配線パターンを形成することが難しい。
これに対し、基材の表面に導電性材料からなる導電層を製膜した後、レーザ光を照射してこの導電層を切削することで配線パターンを形成するレーザ加工法を採用すれば、スクリーン印刷法では不可能な高精細な取出配線を具現することができる。
レーザ加工を行う場合には、被加工物の任意の箇所にレーザ光を照射し得るレーザ加工機を用いることになる。この種のレーザ加工機の例として、レーザ光軸の向きを変化させ得るガルバノスキャナと集光レンズとを組み合わせたものが挙げられる。
レーザビームの光軸を変位させる走査においては、ガルバノスキャナのミラーの回転位置決め誤差や集光レンズの光学的な歪み等によって、平面座標系に対する誤差が発生する。レーザ加工を実施するに際しては、この誤差を予め取り除いておく必要がある。
かつては、テストピースに試験用のパターンをレーザ加工し、これを顕微鏡で観察して理想のパターンと実際に形成されたパターンとの誤差を計測、その誤差を低減するような補正量をガルバノスキャナに対する指令値に加味することで、レーザ光の照射位置を較正(キャリブレーション)していた。このようなテストピースを用いた較正は、専ら人手によるために煩瑣であり、非常に時間がかかる。
近時では、レーザ光の照射を受けてその照射位置を検出する高解像度の検出センサ(CCD、CMOS等)を加工機に付設しておき、レーザ光の目標照射位置と当該センサを介して検出される実際の照射位置との誤差を計測する較正を自動で実行させるようになっている(以上、下記特許文献2を参照)。
特開2013−033558号公報 特許第5519123号公報
レーザ加工の対象となる被加工物が大判のフィルム(例えば、PETフィルム)や薄板等である場合、その一部分が伸長または収縮して歪みを生ずることがある。被加工物の表面には、加工に先んじて配線パターンの輪郭(導電層)や位置合わせのためのアラインメントマークを付しておくことが多いが、それらパターンの印刷後の乾燥工程で被加工物に熱が加わり、被加工物を歪ませるというのが原因の一つである。
従来より、被加工物の表面のアラインメントマークを参照して、被加工物のレーザ加工機に対する水平方向に沿った位置ずれ即ちX軸、Y軸方向の偏倚及び垂直軸であるZ軸回りの回転の量を検出し、レーザ光の目標照射位置を修正すること(アラインメント)は行われていた。しかしながら、被加工物の局所的な伸びや縮みによる歪みに対処することは行われておらず、レーザ光の照射位置の精度ひいてはレーザ加工の精度に改善の余地があると言える。
本発明は、レーザ加工機による加工の精度の一層の向上を実現することを所期の目的としている。
本発明では、被加工物を支持する支持体と、前記支持体に支持させた被加工物に向けてレーザ光を照射するレーザ光の光軸の向きを変化させることのできるガルバノスキャナを用いたレーザ光照射装置と、前記支持体に支持させた被加工物をカメラセンサにより撮像した画像を参照して被加工物に付されている複数のアラインメントマークの位置(x Mn ’,y Mn ’)を検出し、各アラインメントマークの本来あるべき位置(x Mn ,y Mn と実際に検出された各アラインメントマークの位置(x Mn ’,y Mn ’)との誤差(Δx Mn ,Δy Mn を知得するとともに、各アラインメントマークの位置の誤差(Δx Mn ,Δy Mn を用いてあるアラインメントマークと他のアラインメントマークとの間の箇所(x i ,y i における仮想的な位置の誤差(Δx Mi ,Δy Mi を算出した上、前記レーザ光照射装置に補正量を加味しない照射位置(x i ,y i を指令した場合におけるその指令照射位置(x i ,y i と実際のレーザ光の照射位置(x i ’,y i ’)との誤差(Δx i ,Δy i に、前記被加工物上の当該指令照射位置に対応する箇所(x i ,y i における前記アラインメントマークの位置の誤差(Δx Mi ,Δy Mi を加算して得られる誤差(Δx i +Δx Mi ,Δy i +Δy Mi に基づき、レーザ加工時にレーザ光を被加工物上の所望の目標照射位置に照射するための指令の補正量を決定する制御部とを具備するレーザ加工機を構成した。
また、本発明に係るレーザ加工機のワーク歪補正方法は、被加工物を支持する支持体、前記支持体に支持させた被加工物に向けてレーザ光を照射するレーザ光の光軸の向きを変化させることのできるガルバノスキャナを用いたレーザ光照射装置、及び前記レーザ光照射装置に補正量を加味しない照射位置(x i ,y i を指令した場合におけるその指令照射位置(x i ,y i と実際のレーザ光の照射位置(x i ’,y i ’)との誤差(Δx i ,Δy i に基づきレーザ加工時にレーザ光を前記被加工物上の所望の目標照射位置に照射するための指令の補正量を決定する制御部を具備するレーザ加工機を使用する方法であって、前記支持体に支持させた被加工物をカメラセンサにより撮像し、前記カメラセンサにより撮像した画像を参照して被加工物に付されている複数のアラインメントマークの位置(x Mn ’,y Mn ’)を検出し、各アラインメントマークの本来あるべき位置(x Mn ,y Mn と実際に検出された各アラインメントマークの位置(x Mn ’,y Mn ’)との誤差(Δx Mn ,Δy Mn を知得するとともに、各アラインメントマークの位置の誤差(Δx Mn ,Δy Mn を用いてあるアラインメントマークと他のアラインメントマークとの間の箇所(x i ,y i における仮想的な位置の誤差(Δx Mi ,Δy Mi を算出した上、前記制御部に対し、前記レーザ光照射装置に補正量を加味しない照射位置(x i ,y i を指令した場合におけるその指令照射位置(x i ,y i と実際のレーザ光の照射位置(x i ’,y i ’)との誤差(Δx i ,Δy i に、前記被加工物上の当該指令照射位置に対応する箇所(x i ,y i における前記アラインメントマークの位置の誤差(Δx Mi ,Δy Mi を加算して得られる誤差(Δx i +Δx Mi ,Δy i +Δy Mi を与えて前記補正量を決定させるものである。
本発明によれば、レーザ加工機によるレーザ加工の精度のより一層の向上を実現できる。
本発明の一実施形態のレーザ加工機の概要を示す斜視図。 同レーザ加工機におけるレーザ光照射装置の構成を示す斜視図。 同レーザ加工機のレーザ光照射装置自体の特性であるレーザ光の照射位置の誤差を模式的に示す平面図。 同レーザ加工機のハードウェア資源構成を示す図。 同レーザ加工機の機能ブロック構成図。 被加工物に付されるアラインメントマークの一例を示す図。 図7の要部拡大図。 同レーザ加工機がキャリブレーション時に実行する処理の手順を示すフロー図。 同レーザ加工機がアラインメント時に実行する処理の手順を示すフロー図。 同レーザ加工機がレーザ加工時に実行する処理の手順を示すフロー図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態のレーザ加工機0は、被加工物を設置する支持体たる設置台4と、設置台4に設置した被加工物に向けてレーザ光Lを照射するレーザ光照射装置1とを備え、被加工物の任意の箇所にレーザ加工を施すことのできるものである。
本実施形態では、被加工物として、ロールに巻かれたフィルムのような非常に長尺な物、または大形の物を想定している。そして、例えば、一方のロールから被加工物を繰り出し、他方のロールに巻き取りながら、被加工物の広範囲に亘ってレーザ加工を施す。そのために、本実施形態のレーザ加工機0では、レーザ光照射装置1を前後左右に移動可能とし、かつレーザ光照射装置1から出射するレーザ光Lの光軸を前後左右に変位可能としている。
レーザ光照射装置1は、駆動装置(または、XYステージ)3により、設置台4に対して略平行に移動する。駆動装置3は、前後方向に延伸するY軸レール31と、Y軸レール31に案内されて前後方向に走行するとともに左右方向に拡張してその上部にX軸レール321を設けているX軸ユニット32と、X軸レール321に案内されて左右方向に走行する台車322とを備えてなる。X軸ユニット32、台車322はともに、リニアサーボ可動子を駆動源とするリニアモータ台車である。レーザ光照射装置1は、上記の台車322に支持させてある。
駆動装置3には、リニアスケール(図示せず)が付帯する。X軸リニアスケールは、レーザ光照射装置1の左右方向即ちX軸方向の位置を検出するための位置検出機構、Y軸リニアスケールは、レーザ光照射装置1の前後方向即ちY軸方向の位置を検出するための位置検出機構である。X軸リニアスケールは、例えば、台車322に設けた磁気センサヘッドと、X軸ユニット32に設けた磁気格子縞を目盛りとした磁気式リボンスケールとを要素とする。そして、磁気センサヘッドでリボンスケールの目盛りを読み取ることにより、台車322ひいてはレーザ光照射装置1のX軸方向位置を検知してその位置座標を示す信号を出力する。同様に、Y軸リニアスケールも、X軸ユニット32に設けた磁気センサヘッドと、Y軸レール31に沿って設けた磁気式リボンスケールとを要素とし、X軸ユニット32ひいてはレーザ光照射装置1のY軸方向位置を検知してその位置座標を示す信号を出力する。
要するに、駆動装置3は、レーザ光照射装置1を任意のXY座標に位置づけることができる。
図2に示すように、レーザ光照射装置1は、レーザ光Lの供給源であるレーザ発振器(図示せず)と、レーザ発振器から発振されるレーザ光Lを走査するガルバノスキャナ11、12と、そのレーザ光Lを集光する集光レンズ13とを有する。
ガルバノスキャナ11、12は、レーザ光Lを反射するミラー112、122をサーボモータ、ステッピングモータ等111、121で回動させるものであり、光Lの光軸を変化させることができる。本実施形態では、光Lの光軸をX軸方向に変化させるX軸ガルバノスキャナ11と、光Lの光軸をY軸方向に変化させるY軸ガルバノスキャナ12とを両備し、光Lの照射位置をXY二次元方向に制御できる。集光レンズ13は、例えばFθレンズとする。
レーザ光照射装置1から出射されるレーザ光Lの照射位置は、ガルバノスキャナ11、12のモータ111、112の回転位置決め誤差の影響を受ける。加えて、集光レンズ13による光学的な歪みも発生する。これらの要因によるレーザ光Lの照射位置の誤差、即ちレーザ光照射装置1自体が特性として有している誤差は、ガルバノスキャナ11、12の走査範囲の中央から距離が離れるに従って大きくなる傾向にある。図2及び図3に、その誤差Aの様子を模式的に示している。図3において、破線で描画している枠線Bは、理想的なレーザ光Lの照射位置及び照射範囲である。他方、鎖線で描画している樽型に変形した枠線Aは、(誤差の較正のための補正量を加味していない)目標照射位置のXY座標(x,y)を単純にガルバノスキャナ11、12に与えた場合におけるレーザ光Lの照射位置及び照射範囲である。
レーザ加工機0を使用した加工を実施するにあたっては、上述した照射位置の誤差を較正するキャリブレーションを先に行っておく必要がある。照射位置の較正は、ビーム検出センサ2にレーザ光Lを照射することを通じて行う。
本実施形態では、被加工物として長尺または大形の物を想定しており、そのような被加工物は設置台4の略全域を覆うこととなる。故に、本実施形態では、被加工物によって覆われない、設置台4の傍らの部位に、ビーム検出センサ2を配置している。ビーム検出センサ2は、レーザ光Lの照射を受けてその照射位置を検出する高解像度の検出センサであって、典型的にはCCDセンサまたはCMOSセンサである。設置台4及びビーム検出センサ2は、レーザ加工中または較正中に移動しない。較正時には、駆動装置3を介してレーザ光照射装置1をビーム検出センサ2の上方の位置に移動させる。
レーザ光照射装置1自体の特性である照射位置の誤差を較正する際には、ビーム検出センサ2上に設定されるXY平面座標系の複数点(xi,yi)を目標としてレーザ光Lを出射し、その結果ビーム検出センサ2が感知した実際のレーザ光Lの照射位置(xi’,yi’)との誤差(Δxi,Δyi)=(xi−xi’,yi−yi’)を得る。ここで、添字iは、複数点のうちの何れかを指し示して特定する識別子である。そして、検出された各点i毎の誤差(Δxi,Δyi)に基づき、当該誤差を補償するために必要となる各点i毎の補正量を決定する。この誤差の較正では、数百点ないし数千点の誤差(Δxi,Δyi)の検出及び補正量の決定を行う。
レーザ加工の精度、換言すれば被加工物上の所望の位置に精確にレーザ光Lを照射できるか否かは、レーザ光照射装置1自体のレーザ光Lの照射精度だけでは決まらない。被加工物を設置台4上に設置したときのレーザ加工機0に対する位置決めの誤差もまた、レーザ加工の精度を悪化させる要因となる。即ち、被加工物のレーザ加工機0に対する水平方向に沿った位置ずれとして、X軸方向の偏倚及びY軸方向の偏倚が存在する。加えて、被加工物が、X軸及びY軸に対し直交する垂直軸であるZ軸回りに回転してしまうこともある。
これらの被加工物の位置決め誤差の補正は、被加工物の表面に付されているアラインメントマーク91、92を、レーザ光照射装置1に付設したカメラセンサ14で撮像することを通じて行う。
図6に、被加工物9及び被加工物9に付されているアラインメントマーク91、92を例示する。アラインメントマーク91、92は、被加工物9の隅角(特に、対角)の近傍に付されたり、被加工物9が包有する各セル毎に付されたりする。被加工物9がタッチパネル装置である場合、一個のセルが一個の製品に対応する。各セルの周縁部には、高い導電率を有する金属等(例えば、銀ペースト)の導電性材料を三方枠または四方枠状に塗布してなる薄膜層93を設けてある。製品に必要な配線パターンを形成する際には、その薄膜層93にレーザ光Lを照射して不要な部分を除去し、配線となる部分のみを残す。この場合の被加工物9の基材は、PETその他の樹脂製フィルムであり、アラインメントマーク91、92は予め当該樹脂製フィルムに印刷されている。なお、アラインメントマーク91、92の印刷と、薄膜層93の塗布とが、マスク印刷またはスクリーン印刷等により同一工程で行われることもある。
従来のレーザ加工機における、被加工物の加工機に対する位置決めの誤差を吸収するためのアラインメントでは、レーザ光照射装置1に付随するカメラセンサ14を用いて被加工物9に付されたアラインメントマーク91、92を撮影し、その撮影画像中のアラインメントマーク91、92の位置座標を検出して、被加工物9または被加工物9に包含される各セル(の切削対象となる薄膜層93)がX軸方向及びY軸方向にそってそれぞれどれだけ偏倚しているか、並びにZ軸回りにどれだけ回転しているかを知得する。その上で、この偏倚量及び/または回転量を相殺するように、ガルバノスキャナ11、12に与えるレーザ光Lの目標照射位置(x,y)を補正し、あるいは、設置台4に設置した被加工物に対するレーザ光照射装置1の相対的な位置を修正していた。なお、本実施形態のレーザ加工機0の設置台4は不動であるが、被加工物を支持する設置台がX軸方向及びY軸方向に沿って移動可能及び/またはZ軸回りに回動可能である場合には、当該設置台をレーザ光照射装置1に対して移動及び/または回動させることによって、上記の偏倚量及び/または回転量を相殺することができる。
樹脂製フィルムのような被加工物にあっては、その一部分が伸長し、または収縮して被加工物に歪みを生じさせることがある。特に、樹脂製フィルムの基材にアラインメントマーク91、92を印刷したり、導電性材料93を塗布したりした後、これを乾燥させる工程では、当該フィルムに熱が加わって局所的な伸びまたは縮みを惹起する可能性がある。また、搬送のために当該フィルムを巻き取るロールや当該フィルムを繰り出すロール等が与える張力も、被加工物の局所的な歪みの発生に寄与する。
しかしながら、従来のレーザ加工機におけるアラインメントでは、被加工物の一部分の伸びや縮みといった局所的な歪みは考慮されていなかった。そのため、被加工物の所望の位置、例えば薄膜層93において切削除去されるべき適正箇所に、精確にレーザ光Lを照射できないことがあり、レーザ加工結果に改善の余地が残っていた。
そこで、本実施形態では、被加工物のレーザ加工機0に対するXY方向のずれ及びZ軸回りの回転に加えて、被加工物の局所的な歪みにも対処できるよう、アラインメントの方法に改良を加えている。
本実施形態のレーザ加工機0にあって、駆動装置3及びガルバノスキャナ11、12を制御する制御部5は、図4に示すように、プロセッサ5a、メインメモリ5b、補助記憶デバイス5c、I/Oインタフェース5d等を有し、これらがコントローラ5e(システムコントローラやI/Oコントローラ等)によって制御されて連携動作するものである。補助記憶デバイス5cは、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、その他である。I/Oインタフェース5dは、サーボドライバ(サーボコントローラ)を含むことがある。また、制御部5は、汎用的なパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ワークステーション等を使用して構成されることがある。
制御部5が実行するべきプログラムは、補助記憶デバイス5cに記憶されており、プログラム実行の際に、メインメモリ5bに読み込まれ、プロセッサ5aによって解読される。そして、制御部5はプログラムに従い、図5に示す、照射位置指令部51、装置位置指令部52、較正用位置データ記憶部53、較正用誤差取得部54、アラインメントマーク位置データ記憶部55、アラインメント用誤差取得部56、加工用位置データ記憶部57、及び加工時制御部58としての機能を発揮する。
照射位置指令部51は、レーザ光照射装置1に対し、レーザ光Lを目標照射位置に照射させるための指令を行う。具体的には、目標照射位置を示すXY座標(x,y)にレーザ光Lを照射するべく、ガルバノスキャナ11、12に当該座標(x,y)に対応した制御信号を入力して、ミラー112、122の角度を操作する。
装置位置指令部52は、駆動装置3に対し、レーザ光照射装置1を目標照射位置の付近に移動させるための指令を行う。具体的には、レーザ光照射装置1の移動先を示すXY座標にレーザ光照射装置1を位置づけるべく、駆動装置3に当該XY座標に対応した制御信号を入力してX軸ユニット32及び台車322の位置を操作する。
較正用位置データ記憶部53は、メインメモリ5bまたは補助記憶デバイス5cの所要の記憶領域を利用して、較正用の位置データを記憶する。既に述べた通り、本実施形態では、レーザ光照射装置1自体の特性としての照射位置の誤差を較正するべく、XY平面座標系の複数の点(xi,yi)にレーザ光Lを照射し、各点i毎の照射位置の誤差(Δxi,Δyi)を検出する較正作業を行う。通常、数百点ないし数千点の誤差(Δxi,Δyi)の検出を行うので、その数百点ないし数千点のXY座標(xi,yi)を較正用位置データとして記憶する。
較正用誤差取得部54は、レーザ光Lの照射位置の誤差(Δxi,Δyi)を取得する。即ち、上記の較正用位置データに含まれる各点iのXY座標(xi,yi)と、そのXY座標を目標にレーザ光Lを照射した結果ビーム検出センサ2を介して検出される実際の照射位置のXY座標(xi’,yi’)との誤差(Δxi,Δyi)を取得する。そして、各点i毎の誤差(Δxi,Δyi)を、目標XY座標(xi,yi)に関連づけて、メインメモリ5bまたは補助記憶デバイス5cの所要の記憶領域に記憶する。
図8に、レーザ光Lの照射位置を較正するキャリブレーション時に制御部5が実行する処理の手順例を示す。制御部5は、記憶している較正用位置データに含まれるXY座標(xi,yi)を読み出し(ステップS1)、読み出した座標(xi,yi)を目標照射位置としてレーザ光Lを照射するべく、ガルバノスキャナ11、12を操作してレーザ光Lの光軸を調節する(ステップS2)。
並びに、ステップS2と相前後して、ガルバノスキャナ11、12を介して目標照射位置座標(xi,yi)を向いたレーザ光Lの光軸が、ビーム検出センサ2上に設定される照準位置に当たるように、駆動装置3を操作してレーザ光照射装置1の位置を調節する(ステップS3)。より具体的に述べると、レーザ光照射装置1の鉛直下方を目標照射位置としてレーザ光Lを出射するときの当該目標照射位置の座標が(0,0)であり、較正用位置データにより指示された(そして、ガルバノスキャナ11、12に指令する)目標照射位置の座標が(xi,yi)であるとき、レーザ光照射装置1を、ビーム検出センサ2における照準位置の直上からX軸方向に沿って−xiだけ偏倚し、かつY軸方向に沿って−yiだけ偏倚した位置に移動させる。これにより、照射位置の誤差が存在しなければ、レーザ光照射装置1から出射するレーザ光Lがビーム検出センサ2上の照準位置(0,0)に照射されることとなる。つまり、較正作業中、レーザ光照射装置1から出射するレーザ光Lの光軸は常にビーム検出センサ2上の照準位置(0,0)を指向する。
その上で、実際にレーザ光照射装置1からレーザ光Lを照射して(ステップS4)、ビーム検出センサ2上の照準位置と、ビーム検出センサ2が実際にレーザ光Lを感知した位置のXY座標とのX軸方向誤差及びY軸方向誤差を取得する(ステップS5)。この誤差が、レーザ光Lの目標照射位置(xi,yi)と実際の照射位置(xi’,yi’)との誤差(Δxi,Δyi)ということになる。
しかして、制御部5は、取得した誤差(Δxi,Δyi)と目標照射位置(xi,yi)との組を記憶する(ステップS6)。制御部5は、上述のステップS1ないしS7を、較正用位置データに含まれる全ての目標照射位置iについて誤差(Δxi,Δyi)を得るまで反復する(ステップS7)。
キャリブレーションの完了後、またはレーザ加工時には、駆動装置3を介してレーザ光照射装置1を被加工物が設置される設置台4の上方の位置に復帰させる。
アラインメント用位置データ記憶部55は、メインメモリ5bまたは補助記憶デバイス5cの所要の記憶領域を利用して、アラインメント用の位置データを記憶する。アラインメント用の位置データとは、レーザ加工の対象として設置台4に設置される被加工物に予め付されている、複数のアラインメントマーク91、92の本来あるべき位置を示すXY座標(xMn,yMn)の集合である。ここで、添字nは、被加工物上の複数のアラインメントマーク91、92のうちの何れかを指し示して特定する識別子である。アラインメント用位置データの要素となる座標(xMn,yMn)及びその個数は、被加工物の品種または個体に依存し、被加工物の品種や固体毎に変動し得る。因みに、各位置座標(xMn,yMn)は、被加工物の縁辺(端縁)や隅角を基点とした相対的な位置座標であることがある。
アラインメント用誤差取得部56は、設置台4に設置された被加工物の表面をレーザ光照射装置1に付設したカメラセンサ14により撮像することで得られる撮影画像を解析し、被加工物の表面に付されている複数のアラインメントマーク91、92を検出して、それらアラインメントマーク91、92の実際の位置のXY座標(xMn’,yMn’)を知得する。そして、各アラインメントマークn毎に、その実際の位置(xMn’,yMn’)と、当該アラインメントマーク91、92の本来あるべき位置(xMn,yMn)との誤差(ΔxMn,ΔyMn)=(xMn−xMn’,yMn−yMn’)を得る。誤差(ΔxMn,ΔyMn)は、設置台4に設置された被加工物のレーザ加工機0に対する位置ずれ即ちX軸、Y軸方向の偏倚及びZ軸回りの回転の量、並びに被加工物の局所的な歪みを表している。仮に、被加工物のレーザ加工機0に対する位置ずれが皆無であり、被加工物が局所的に伸びたり縮んだりもしていないのであれば、各アラインメントマークnについての誤差(ΔxMn,ΔyMn)は何れも0となるはずである。
さらに、アラインメント用誤差取得部56は、各アラインメントマークn毎の誤差(ΔxMn,ΔyMn)を基に、XY平面座標系の座標(xi,yi)における、被加工物の位置ずれ及び歪みに起因した誤差(ΔxMi,ΔyMi)を推算する。
図7に、レーザ光照射装置1自体のレーザ光Lの照射位置の誤差を較正するための較正点94の位置(xi,yi)を、仮想的に白丸で描画している。図7に示すように、これら較正点94のXY座標(xi,yi)と、被加工物の位置ずれ及び局所的な歪みの影響を排除するためのアラインメントマーク91、92のXY座標(xMn,yMn)とは、必ずしも一致しない。というよりも寧ろ、両者は一致しないことの方が多い。そもそも、被加工物に付されているアラインメントマーク91、92の個数は較正点94の個数よりも少なく、アラインメントマーク91、92の密度もまた較正点94の密度よりも粗い。従って、カメラセンサ14で撮像した被加工物の撮影画像から、座標(xi,yi)における誤差(ΔxMi,ΔyMi)を直接求めることはできない。
よって、本実施形態では、レーザ光照射装置1によるレーザ光Lの照射可能範囲即ちガルバノスキャナ11、12の走査範囲に分布配置されている、少なくとも十個のアラインメントマーク91、92の位置のX軸方向誤差ΔxMn及びY軸方向誤差ΔyMnから、同走査範囲内の任意のXY座標(x,y)におけるX軸方向誤差ΔxMを表す近似式F1(x,y)、及びY軸方向誤差ΔyMを表す近似式F2(x,y)を各々生成することとしている。
XY座標(x,y)の関数であるF1(x,y)及びF2(x,y)はそれぞれ、各アラインメントマークnについて計測した誤差(ΔxMn,ΔyMn)の集合から、最尤推定法その他の既知の手法を用いて推定できる。例えば、関数F1(x,y)の推定は、X軸、Y軸及びF1軸によって張られる三次元空間座標系において、各アラインメントマークnの理想位置(xMn,yMn)に対応する誤差ΔxMnと関数値F1(xMn,yMn)とが近似するような曲面F1を推定(最小二乗法によるのであれば、誤差ΔxMnとF1との残差の二乗和が最小となるように関数F1の係数を決定)することにより遂行できる。同様に、関数F2(x,y)の推定は、X軸、Y軸及びF2軸によって張られる三次元空間座標系において、各アラインメントマークnの理想位置(xMn,yMn)に対応する誤差ΔyMnと関数値F2(xMn,yMn)とが近似するような曲面F2を推定(最小二乗法によるのであれば、誤差ΔyMnとF2との残差の二乗和が最小となるように関数F2の係数を決定)することにより遂行できる。このようにして推定した近似式F1及びF2を用いれば、座標(xi,yi)における誤差(ΔxMi,ΔyMi)を推算することが可能となる。即ち、ΔxMi=F1(xi,yi)、ΔyMi=F2(xi,yi)である。
なお、座標(xi,yi)における誤差(ΔxMi,ΔyMi)を求めるにあたり、座標(xi,yi)に近い複数のアラインメントマーク(xMn,yMn)に係る誤差(ΔxMi,ΔyMi)の補間によってX軸方向誤差ΔxMi及びY軸方向誤差ΔyMiを算定しても構わない。例えば、XY平面座標系において、座標(xi,yi)からの距離が最も近い三つのアラインメントマーク(xMn,yMn)を選出する。そして、三つのアラインメントマーク91、92のX軸座標xMn及びY軸座標yMn並びに当該アラインメントマーク91、92に対応した誤差ΔxMnを、X軸、Y軸及びΔxM軸によって張られる三次元空間にプロットすれば、三点を通る平面を仮定することができ、この平面上における座標(xi,yi)に対応した誤差ΔxMiを算出することが可能である。同様に、三つのアラインメントマーク91、92のX軸座標xMn及びY軸座標yMn並びに当該アラインメントマーク91、92に対応した誤差ΔyMnを、X軸、Y軸及びΔyM軸によって張られる三次元空間にプロットし、三点を通る平面を仮定して、この平面上における座標(xi,yi)に対応した誤差ΔyMiを算出することも可能である。
しかして、各点i毎の誤差(ΔxMi,ΔyMi)を、目標XY座標(xi,yi)に関連づけて、メインメモリ5bまたは補助記憶デバイス5cの所要の記憶領域に記憶する。
図9に、被加工物の位置ずれ及び局所的な歪みを計測するアラインメント時に制御部5が実行する処理の手順例を示す。制御部5は、設置台4に設置された被加工物をレーザ光照射装置1に付設したカメラセンサ14により撮像し(ステップS8)、撮影画像中の各アラインメントマーク91、92の位置を検出してそのXY座標(xMn’,yMn’)を取得する(ステップS9)。そして、各アラインメントマークn毎に、その実際の位置のXY座標(xMn’,yMn’)と理想位置のXY座標(xMn,yMn)とのX軸方向誤差ΔxMn及びY軸方向誤差ΔyMnを算出する(ステップS10)。
しかして、各アラインメントマークnの位置(xMn,yMn)及びこれに対応した誤差(ΔxMn,ΔyMn)から、各較正点iのXY座標(xi,yi)における誤差(ΔxMi,ΔyMi)を推算し(ステップS11)、推算した誤差(ΔxMi,ΔyMi)と目標照射位置(xi,yi)との組を記憶する(ステップS12)。制御部5は、上述のステップS11ないしS12を、較正用位置データに含まれる全ての目標照射位置iについて誤差(ΔxMi,ΔyMi)を得るまで反復する(ステップS13)。
加工用位置データ記憶部57は、メインメモリ5bまたは補助記憶デバイス5cの所要の記憶領域を利用して、レーザ加工用の位置データを記憶する。加工用位置データ記憶部56は、被加工物のどの箇所にレーザ光Lを照射するかを規定するCADデータ等、または加工時にレーザ光Lを照射する複数点のXY座標を、加工用位置データとして記憶する。
加工時制御部58は、上記の加工用位置データで規定される照射位置にレーザ光Lを照射するべく、レーザ光照射装置1を制御する。具体的には、加工用位置データを読み出してレーザ光Lの目標照射位置のXY座標(xT,yT)を知得する。そして、当該目標照射位置座標(xT,yT)に精確にレーザ光Lを照射するために必要な補正量を、キャリブレーションの誤差(Δxi,Δyi)及びアラインメントの誤差(ΔxMi,ΔyMi)に基づいて算定する。
目標照射位置の座標(xT,yT)が、複数の較正点iのうちの何れかの座標(xi,yi)に等しい場合には、当該座標(xi,yi)に関連付けて記憶している誤差(Δxi,Δyi)及び誤差(ΔxMi,ΔyMi)を読み出し、両者を合算した誤差(ΔxT,ΔyT)=(Δxi+ΔxMi,Δyi+ΔyMi)を得る。この誤差(ΔxT,ΔyT)は、目標照射位置(xT,yT)をそのままガルバノスキャナ11、12に与えたときにレーザ光Lが実際に照射される被加工物上の位置と、本来所望される目標照射位置(xT,yT)との誤差であるといえる。
目標照射位置の座標(xT,yT)が、複数の較正点iのうちの何れの座標(xi,yi)にも等しくない場合には、各較正点i毎の誤差(Δxi+ΔxMi,Δyi+ΔyMi)を基に、目標座標(xT,yT)における誤差(ΔxT,ΔyT)を推算する。その推算の方法は、各アラインメントマークn毎の誤差(ΔxMn,ΔyMn)から座標(xi,yi)における誤差(ΔxMi,ΔyMi)を推算する方法と同様とすることができるので、ここでは説明を割愛する。
その上で、加工時制御部58は、本来の目標照射位置のX軸座標xT、Y軸座標yT、X軸方向誤差ΔxT及びY軸方向誤差ΔyTを所定の関数式に代入して、X軸方向補正量xA及びY軸方向補正量yAを算出する。当該補正量(xA,yA)により、レーザ光照射装置1自体のレーザ光Lの照射位置の誤差とともに、被加工物のレーザ加工機0に対する相対的な位置のずれ及び被加工物の局所的な歪みを相殺することができる。そして、照射位置指令部51を介して、目標照射位置のXY座標(xT,yT)に補正量(xA,yA)を加味した座標(xT+xA,yT+yA)に対応する制御信号を、ガルバノスキャナ11、12に入力する。結果、被加工物上の目標照射位置に正しくレーザ光Lが照射される。
図10に、加工時に制御部5が実行する処理の手順例を示す。制御部5は、記憶している加工用位置データで規定される目標照射位置のXY座標(xT,yT)を読み出し(ステップS14)、そのXY座標(xT,yT)にレーザ光Lを照射する際のガルバノスキャナ11、12に対する指令の補正量(xA,yA)を算出する(ステップS15)。
続いて、目標照射位置の座標(xT,yT)に補正量(xA,yA)を加味したXY座標(xT+xA,yT+yA)に対応する制御信号をガルバノスキャナ11、12に入力し、ガルバノスキャナ11、12を操作する(ステップS16)。そして、レーザ光Lを照射する(ステップS17)。制御部5は、上述のステップS4ないしS17を、加工用位置データに規定される必要な目標照射位置の全てについてレーザ加工を施すまで反復する(ステップS18)。
本実施形態では、被加工物を支持する支持体4と、前記支持体4に支持させた被加工物に向けてレーザ光Lを照射するレーザ光照射装置1と、前記支持体4に支持させた被加工物をカメラセンサ14により撮像した画像を参照して被加工物に付されている複数のアラインメントマーク91、92の位置(xMn’,yMn’)を検出し、各アラインメントマーク91、92の本来あるべき位置(xMn,yMn)と実際に検出された各アラインメントマーク91、92の位置(xMn’,yMn’)との誤差(ΔxMn,ΔyMn)を知得するとともに、各アラインメントマーク91、92の位置の誤差(ΔxMn,ΔyMn)を用いてあるアラインメントマーク91、92と他のアラインメントマーク91、92との間の箇所(xi,yi)における仮想的な位置の誤差(ΔxMi,ΔyMi)を推算した上、それら位置の誤差(ΔxMi,ΔyMi)に基づきレーザ加工時にレーザ光Lを前記被加工物上の所望の目標照射位置(xT,yT)に照射するために前記レーザ光照射装置1に与えるべき指令の補正量(xA,yA)を決定する制御部5とを具備するレーザ加工機0を構成した。
並びに、本実施形態では、被加工物を支持する支持体4、前記支持体4に支持させた被加工物に向けてレーザ光Lを照射するレーザ光照射装置1、及び前記レーザ光照射装置1に補正量を加味しない照射位置(xi,yi)を指令した場合におけるその指令照射位置(xi,yi)と実際のレーザ光Lの照射位置(xi’,yi’)との誤差(Δxi,Δyi)に基づきレーザ加工時にレーザ光Lを前記被加工物上の所望の目標照射位置(xT,yT)に照射するための指令の補正量(xA,yA)を決定する制御部5を具備するレーザ加工機0を使用するに際して、前記支持体4に支持させた被加工物をカメラセンサ14により撮像し、前記カメラセンサ14により撮像した画像を参照して被加工物に付されている複数のアラインメントマーク91、92の位置(xMn’,yMn’)を検出し、各アラインメントマーク91、92の本来あるべき位置(xMn,yMn)と実際に検出された各アラインメントマーク91、92の位置(xMn’,yMn’)との誤差(ΔxMn,ΔyMn)を知得するとともに、各アラインメントマーク91、92の位置の誤差(ΔxMn,ΔyMn)を用いてあるアラインメントマーク91、92と他のアラインメントマーク91、92との間の箇所(xi,yi)における仮想的な位置の誤差(ΔxMi,ΔyMi)を算出した上、前記制御部5に対し、前記レーザ光照射装置1に補正量を加味しない照射位置(xi,yi)を指令した場合におけるその指令照射位置(xi,yi)と実際のレーザ光Lの照射位置(xi’,yi’)との誤差(Δxi,Δyi)に、前記被加工物上の当該指令照射位置に対応する箇所(xi,yi)における前記アラインメントマーク91、92の位置の誤差(ΔxMi,ΔyMi)を加算して得られる誤差(Δxi+ΔxMi,Δyi+ΔyMi)を与えて前記補正量(xA,yA)を決定させることとした。
本実施形態によれば、被加工物に対するレーザ光Lの照射位置を所望の目標照射位置にさらに近づけることが可能となり、レーザ加工の精度及び加工された製品の品質のより一層の向上に奏効する。
前記レーザ光照射装置1が、レーザ発振器から発振されるレーザ光Lを走査するガルバノスキャナ11、12と、そのレーザ光Lを集光する集光レンズ13とを有するものであるため、既存のレーザ加工機0におけるそれらを流用できる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、レーザ加工時に、ガルバノスキャナ11、12に対し、目標照射位置(xT,yT)に補正量(xA,yA)を加味したXY座標(xT+xA,yT+yA)に対応する制御信号を入力することにより、レーザ光照射装置1から出射するレーザ光Lの光軸の向きを補正していた。
これに代えて、駆動装置3に対し、目標照射位置(xT,yT)に正確にレーザ光Lを照射するために必要となる補正量(xA,yA)に対応した制御信号を入力することにより、照射位置の誤差(ΔxT,ΔyT)を相殺する方向にレーザ光照射装置1を移動させた上で、当該レーザ光照射装置1から被加工物にレーザ光Lを照射するようにしてもよい。この場合、制御部5の加工時制御部58は、誤差(Δxi+ΔxMi,Δyi+ΔyMi)に基づき、加工時に目標照射位置(xT,yT)にレーザ光Lを照射するために駆動装置3に与えるべき指令の補正量(xA,yA)を決定するものとなる。被加工物を支持する支持体4がXY方向に移動可能である場合には、この支持体4を照射位置の誤差(ΔxT,ΔyT)を相殺する方向に移動させることもできる。
レーザ光照射装置1において、レーザ光Lの光軸を変化させる具体的手段は、ガルバノスキャナ11、12には限定されない。例えば、レーザ発振器から発振されたレーザ光Lを導く光ファイバの終端に取り付けたレーザビーム出射ノズルの角度を、サーボモータ等で制御する機構を採用してもよい。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、レーザ光を被加工物の任意の箇所に照射して加工を施すレーザ加工機に適用することができる。
0…レーザ加工機
1…レーザ光照射装置
11、12…ガルバノスキャナ
14…カメラセンサ
3…駆動装置
5…制御装置
9…被加工物
91、92…アラインメントマーク
L…レーザビーム

Claims (2)

  1. 被加工物を支持する支持体と、
    前記支持体に支持させた被加工物に向けてレーザ光を照射するレーザ光の光軸の向きを変化させることのできるガルバノスキャナを用いたレーザ光照射装置と、
    前記支持体に支持させた被加工物をカメラセンサにより撮像した画像を参照して被加工物に付されている複数のアラインメントマークの位置(x Mn ’,y Mn ’)を検出し、各アラインメントマークの本来あるべき位置(x Mn ,y Mn と実際に検出された各アラインメントマークの位置(x Mn ’,y Mn ’)との誤差(Δx Mn ,Δy Mn を知得するとともに、各アラインメントマークの位置の誤差(Δx Mn ,Δy Mn を用いてあるアラインメントマークと他のアラインメントマークとの間の箇所(x i ,y i における仮想的な位置の誤差(Δx Mi ,Δy Mi を算出した上、前記レーザ光照射装置に補正量を加味しない照射位置(x i ,y i を指令した場合におけるその指令照射位置(x i ,y i と実際のレーザ光の照射位置(x i ’,y i ’)との誤差(Δx i ,Δy i に、前記被加工物上の当該指令照射位置に対応する箇所(x i ,y i における前記アラインメントマークの位置の誤差(Δx Mi ,Δy Mi を加算して得られる誤差(Δx i +Δx Mi ,Δy i +Δy Mi に基づき、レーザ加工時にレーザ光を被加工物上の所望の目標照射位置に照射するための指令の補正量を決定する制御部と
    を具備するレーザ加工機。
  2. 被加工物を支持する支持体、前記支持体に支持させた被加工物に向けてレーザ光を照射するレーザ光の光軸の向きを変化させることのできるガルバノスキャナを用いたレーザ光照射装置、及び前記レーザ光照射装置に補正量を加味しない照射位置(x i ,y i を指令した場合におけるその指令照射位置(x i ,y i と実際のレーザ光の照射位置(x i ’,y i ’)との誤差(Δx i ,Δy i に基づきレーザ加工時にレーザ光を前記被加工物上の所望の目標照射位置に照射するための指令の補正量を決定する制御部を具備するレーザ加工機を使用する方法であって、
    前記支持体に支持させた被加工物をカメラセンサにより撮像し、
    前記カメラセンサにより撮像した画像を参照して被加工物に付されている複数のアラインメントマークの位置(x Mn ’,y Mn ’)を検出し、各アラインメントマークの本来あるべき位置(x Mn ,y Mn と実際に検出された各アラインメントマークの位置(x Mn ’,y Mn ’)との誤差(Δx Mn ,Δy Mn を知得するとともに、各アラインメントマークの位置の誤差(Δx Mn ,Δy Mn を用いてあるアラインメントマークと他のアラインメントマークとの間の箇所(x i ,y i における仮想的な位置の誤差(Δx Mi ,Δy Mi を算出した上、
    前記制御部に対し、前記レーザ光照射装置に補正量を加味しない照射位置(x i ,y i を指令した場合におけるその指令照射位置(x i ,y i と実際のレーザ光の照射位置(x i ’,y i ’)との誤差(Δx i ,Δy i に、前記被加工物上の当該指令照射位置に対応する箇所(x i ,y i における前記アラインメントマークの位置の誤差(Δx Mi ,Δy Mi を加算して得られる誤差(Δx i +Δx Mi ,Δy i +Δy Mi を与えて前記補正量を決定させるレーザ加工機のワーク歪補正方法。
JP2014201939A 2014-09-30 2014-09-30 レーザ加工機、レーザ加工機のワーク歪補正方法 Active JP5952875B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014201939A JP5952875B2 (ja) 2014-09-30 2014-09-30 レーザ加工機、レーザ加工機のワーク歪補正方法
TW104111256A TWI577483B (zh) 2014-09-30 2015-04-08 Laser processing machine, laser processing machine workpiece skew correction method
KR1020150085221A KR101698269B1 (ko) 2014-09-30 2015-06-16 레이저 가공기, 레이저 가공기의 워크 왜곡 보정 방법
CN201510333958.7A CN106181075B (zh) 2014-09-30 2015-06-16 激光加工机、激光加工机的工件歪斜校正方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014201939A JP5952875B2 (ja) 2014-09-30 2014-09-30 レーザ加工機、レーザ加工機のワーク歪補正方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016068133A JP2016068133A (ja) 2016-05-09
JP5952875B2 true JP5952875B2 (ja) 2016-07-13

Family

ID=55789828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014201939A Active JP5952875B2 (ja) 2014-09-30 2014-09-30 レーザ加工機、レーザ加工機のワーク歪補正方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5952875B2 (ja)
KR (1) KR101698269B1 (ja)
CN (1) CN106181075B (ja)
TW (1) TWI577483B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10131025B2 (en) * 2015-07-24 2018-11-20 Fanuc Corporation Workpiece positioning device for positioning workpiece

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6594545B2 (ja) * 2016-07-14 2019-10-23 三菱電機株式会社 基板計測装置およびレーザ加工システム
KR101938812B1 (ko) * 2016-11-29 2019-01-15 주식회사 알이디테크놀로지 자동 공급 및 포커싱 기능을 갖는 레이저 조각기
JP6422622B1 (ja) * 2017-05-25 2018-11-14 三菱電機株式会社 レーザ加工装置
CN110650818B (zh) * 2017-05-25 2021-08-27 三菱电机株式会社 激光加工装置
BE1025292B1 (nl) * 2017-06-06 2019-01-15 Layerwise N.V. Apparaat voor het additief vervaardigen van een product met een kalibratie-inrichting en werkwijze voor het kalibreren van een dergelijk apparaat
CN107649543B (zh) * 2017-10-26 2023-09-29 郑州万达重工股份有限公司 一种炮管智能矫正系统
CN108391847A (zh) * 2018-03-16 2018-08-14 山西大学 一种基于图像处理的卷烟激光打标系统和方法
CN110340936B (zh) * 2018-04-03 2024-01-30 泰科电子(上海)有限公司 校准方法和校准系统
CN108489592A (zh) * 2018-04-13 2018-09-04 东莞市鸿博电子有限公司 一种平行梁称重传感器自动四角输出误差修正系统
JP6574915B1 (ja) * 2018-05-15 2019-09-11 東芝機械株式会社 被加工物の加工方法および被加工物の加工機
JP7117903B2 (ja) * 2018-06-11 2022-08-15 住友重機械工業株式会社 加工方法及び加工装置
CN111515523B (zh) * 2019-01-17 2022-01-28 深圳市创客工场科技有限公司 激光加工方法及装置、激光加工设备、存储介质
US20220127018A1 (en) * 2019-01-21 2022-04-28 Sky Perfect Jsat Corporation Spacecraft and control system
JP7396851B2 (ja) 2019-10-18 2023-12-12 ファナック株式会社 制御装置、制御システム、及びプログラム
CN111275667A (zh) * 2020-01-13 2020-06-12 武汉科技大学 一种加工误差检测方法、装置和加工方法
CN111157533B (zh) * 2020-01-16 2022-07-08 东莞市兆丰精密仪器有限公司 一种匀速三维连续插补激光检测方法
CN114918195B (zh) * 2022-05-31 2023-08-25 深圳吉阳智能科技有限公司 激光清洗控制方法、系统和可读存储介质

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5519123A (en) * 1978-07-26 1980-02-09 Eiichirou Tani Falling gear in case of emergency
JP3209078B2 (ja) * 1996-03-18 2001-09-17 三菱電機株式会社 レーザ加工装置
JP2002160080A (ja) * 2000-11-28 2002-06-04 Hitachi Via Mechanics Ltd レーザ加工方法および加工装置
KR20020077589A (ko) * 2001-04-02 2002-10-12 주식회사 애트랩 광 이미지 검출장치의 조도 제어 방법
JP2006136923A (ja) * 2004-11-12 2006-06-01 Hitachi Via Mechanics Ltd レーザ加工機及びレーザ加工方法
JP4749092B2 (ja) * 2005-02-28 2011-08-17 パナソニック電工Sunx株式会社 レーザ加工方法、並びにレーザ加工装置
JP4297952B2 (ja) * 2007-05-28 2009-07-15 三菱電機株式会社 レーザ加工装置
JP5519123B2 (ja) 2008-06-10 2014-06-11 株式会社片岡製作所 レーザ加工機
JP5288987B2 (ja) * 2008-10-21 2013-09-11 三菱電機株式会社 レーザ加工装置
JP4958020B2 (ja) 2009-03-31 2012-06-20 大日本印刷株式会社 タッチパネルセンサ、タッチパネルセンサを作製するための積層体、および、タッチパネルセンサの製造方法
JP2010240694A (ja) * 2009-04-07 2010-10-28 Panasonic Corp レーザ加工方法及びレーザ加工装置
JP2013086145A (ja) 2011-10-19 2013-05-13 Toray Eng Co Ltd レーザビーム加工装置及び方法並びに薄膜太陽電池の製造装置及び方法
KR101398320B1 (ko) * 2012-02-01 2014-05-23 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 레이저 가공방법 및 레이저 가공장치

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10131025B2 (en) * 2015-07-24 2018-11-20 Fanuc Corporation Workpiece positioning device for positioning workpiece

Also Published As

Publication number Publication date
TWI577483B (zh) 2017-04-11
KR101698269B1 (ko) 2017-01-19
CN106181075A (zh) 2016-12-07
KR20160038712A (ko) 2016-04-07
TW201611931A (en) 2016-04-01
JP2016068133A (ja) 2016-05-09
CN106181075B (zh) 2018-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5952875B2 (ja) レーザ加工機、レーザ加工機のワーク歪補正方法
CN108568593B (zh) 激光加工装置
TWI415703B (zh) 雷射加工裝置及基板位置檢測方法
JP5089827B1 (ja) レーザ加工方法およびレーザ加工装置
JP5648692B2 (ja) 形状測定装置、形状測定方法、構造物の製造方法およびプログラム
JP2013086173A (ja) レーザ加工機
JP6223091B2 (ja) 位置計測装置、アライメント装置、パターン描画装置および位置計測方法
JP7084227B2 (ja) マーク位置検出装置、描画装置およびマーク位置検出方法
JP5519123B2 (ja) レーザ加工機
JP5728065B2 (ja) レーザ加工機
JP3644846B2 (ja) 描画装置の移動誤差検出装置及びその方法
KR102076790B1 (ko) 3차원 레이저 컷팅 장치
JP2009074849A (ja) 線幅測定装置の検査方法
TWI511821B (zh) Laser processing machine
KR20140118743A (ko) 묘화 장치 및 묘화 방법
WO2016147977A1 (ja) 描画装置
JP2009276491A (ja) ガルバノスキャナシステムの調整方法
KR101511645B1 (ko) 레이저빔의 조사위치 보정방법
KR101665764B1 (ko) 묘화 장치, 기판 처리 시스템 및 묘화 방법
JP2008135423A (ja) 輪郭検出装置、位置決め装置、パターン描画装置および輪郭検出方法
JP5762072B2 (ja) 位置検出方法、パターン描画方法、パターン描画装置およびコンピュータプログラム
JP2020138211A (ja) 印字装置および印字方法
JP2010227962A (ja) レーザ加工方法
JP2006054302A (ja) 部品実装装置
WO2022190706A1 (ja) 露光方法および露光装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160610

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5952875

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250