JP6422622B1 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

被加工物上でのレーザビーム(3)の照射位置を変更するレーザ走査装置(5)およびレーザ走査装置(5)と被加工物との相対位置を変更する並進ステージをレーザ走査装置(5)の目標位置および並進ステージの目標位置に基づいて制御するレーザ加工装置(1a)において、並進ステージの少なくとも1つの駆動軸に対して当該駆動軸方向の位置を検出するために異なる位置に設けられた2個以上の制御用位置センサと、制御用位置センサが検出した並進ステージの検出位置に基づいてヨーイング角度を求めるヨーイング角度演算処理部と、を備える。

Description

本発明は、レーザビームの照射位置を変更するレーザ走査装置およびレーザ走査装置とワークとの相対位置を変更する並進ステージを備えたレーザ加工装置に関するものである。
従来のレーザ加工装置においては、並進ステージの軸線と平行な基準面を設け、並進ステージの軸線と直交する方向の距離を計測する1対のセンサを並進ステージの互いに離れた位置に取り付け、基準面と並進ステージとの距離を計測し、並進ステージが本来の姿勢から逸脱することで生じる位置決め誤差であるアッベ誤差を推定することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2001/052004号
特許文献1に記載のようなレーザ加工装置にあっては、基準面の真直および基準面と軸線との平行に幾何的なずれがあった場合に、センサによる計測結果に基準面の幾何的なずれが付加されてしまい並進ステージの上下軸回りの回転角度であるヨーイング角度を正確に検出することができない。検出されたヨーイング角度がずれることで加工点のアッベ誤差の推定も不正確となり、補正を行っても十分な補正効果が得られないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、並進ステージがヨーイングを起こしても良好な加工精度を得ることが可能なレーザ加工装置を得ることを目的としている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、被加工物上でのレーザビームの照射位置を変更するレーザ走査装置と、少なくとも2以上の駆動軸を有しレーザ走査装置と被加工物との相対位置を変更する並進ステージとを備え、レーザ走査装置の駆動軸毎の目標位置および並進ステージの駆動軸毎の目標位置に基づいてレーザ走査装置および並進ステージを制御するレーザ加工装置において、駆動軸それぞれの方向の並進ステージの位置を検出するために、駆動軸毎に異なる位置に2個以上ずつ設けられた制御用位置センサを備える。さらに本発明は、制御用位置センサが検出した並進ステージの検出位置に基づいて並進ステージの駆動軸毎のヨーイング角度を求めるヨーイング角度演算処理部と、制御用位置センサが検出した並進ステージの駆動軸毎の検出位置、加工点の駆動軸毎の位置、制御用位置センサの配置およびヨーイング角度に基づいて、加工点における照射位置の駆動軸毎の誤差を推定し、レーザ走査装置の駆動軸毎の目標位置を駆動軸毎の誤差で補正するヨーイング加工誤差補正手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、並進ステージがヨーイングを起こしても良好な加工精度を得ることが可能なレーザ加工装置を実現できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかるレーザ加工装置の斜視図 実施の形態1にかかるXYテーブルの正面図 実施の形態1にかかるXYテーブルの側面図 実施の形態1にかかるX軸ヨーイングを表現したXYテーブルの平面図 実施の形態1にかかるY軸ヨーイングを表現したXYテーブルの平面図 実施の形態1にかかるトップテーブルが中央にある場合のXYテーブルの平面図 実施の形態1にかかる加工点を加工できるようにトップテーブルを移動したときのXYテーブルの平面図 実施の形態1にかかるX軸ヨーイングが発生したときのXYテーブルの平面図 実施の形態1にかかるX軸ヨーイングとY軸ヨーイングとが発生したときのXYテーブルの平面図 実施の形態1にかかるレーザ加工装置において制御部をブロック図で示した図 本発明の実施の形態2にかかるX軸メインエンコーダ上でのレーザ測長を表現したXYテーブルの平面図 実施の形態2にかかるX軸サブエンコーダ上でのレーザ測長を表現したXYテーブルの平面図 実施の形態2にかかるレーザ加工装置において制御部をブロック図で示した図 本発明の実施の形態3にかかるレーザ加工装置の斜視図 実施の形態3にかかるワーク特性把握試験におけるレーザ加工装置のブロック図 実施の形態3にかかるレーザ加工装置において制御部をブロック図で示した図 本発明の実施の形態4にかかる光学系歪特性把握試験におけるレーザ加工装置のブロック図 実施の形態4にかかるレーザ加工装置において制御部をブロック図で示した図 本発明の実施の形態5にかかるレーザ加工装置の斜視図 実施の形態5にかかるステージ特性把握試験におけるレーザ加工装置のブロック図 実施の形態5にかかるレーザ加工装置において制御部をブロック図で示した図 本発明の実施の形態6にかかるレーザ加工装置の斜視図 実施の形態6にかかる複数個のワーク保持台を載置したXYテーブルの平面図
以下に、本発明の実施の形態にかかるレーザ加工装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるレーザ加工装置1aの斜視図である。レーザ加工装置1aは、レーザ発振器2と、加工ヘッド4と、並進ステージであるXYテーブル9と、図1では省いてある制御部と、を備える。図1において示したX軸方向がレーザ加工装置1aの前後方向であり、Y軸方向がレーザ加工装置1aの左右方向であり、Z軸方向がレーザ加工装置1aの上下方向であるとする。レーザ発振器2からレーザビーム3が射出され、図示を省いた各種光学系を経由して加工ヘッド4に入射する。
加工ヘッド4内にはレーザビーム3の被加工物上での照射位置を変更するレーザ走査装置5が取り付けられている。図1では、レーザ走査装置5の具体例としてモータの先端にミラーが付いたガルバノスキャナ5a,5bが図示されている。加工ヘッド4にはガルバノスキャナ5a,5bの他にfθレンズ6が取り付けられている。ガルバノスキャナ5a,5bの回転角度を制御することでレーザビーム3の被加工物上での照射位置を制御することができる。ガルバノスキャナ5a,5bがそれぞれレーザビーム3のX軸方向、Y軸方向の位置決めを担っており、レーザビーム3の2次元の位置決めが可能である。fθレンズ6は、ガルバノスキャナ5a,5bで反射したレーザビーム3の向きを被加工物であるワーク7に対して垂直にしながらワーク7上に集光するものである。
ワーク7上にレーザビーム3を集光させることで加工穴8を形成する。ガルバノスキャナ5a,5bでレーザビーム3を走査できる範囲をスキャンエリア29と呼ぶ。スキャンエリア29はワーク7のサイズに比べて小さいことから、ワーク7の全面を加工するためには並進ステージにより加工ヘッド4とワーク7との相対位置を変更する必要がある。図1では、並進ステージの具体例としてX軸方向およびY軸方向の2次元方向にワーク7を駆動するXYテーブル9が示されている。XYテーブル9がワーク7を移動することにより、レーザ走査装置5とワーク7との相対位置を変更し、ワーク7上のレーザビーム3による加工範囲を変更することでワーク7の全面を加工する。
図2は、実施の形態1にかかるXYテーブル9の正面図である。図3は、実施の形態1にかかるXYテーブル9の側面図である。図2および図3を用いて、XYテーブル9について説明する。
XYテーブル9は、ベッド10と、X軸サーボモータ11と、X軸ボールねじ12と、X軸ナット14を含んだX軸可動部15と、を備える。X軸可動部15は、X軸ナット14と、Y軸サドル13と、Y軸サーボモータ18と、Y軸ボールねじ19と、Y軸ナット21を含んだY軸可動部22と、を備える。Y軸可動部22は、トップテーブル20と、トップテーブル20に取り付けられたY軸ナット21と、を備える。なお、トップテーブル20を並進ステージと捉えても構わない。
ベッド10の上にX軸サーボモータ11が取り付けられており、X軸サーボモータ11の回転運動をX軸ボールねじ12によってX軸ナット14の直線運動に変換する。Y軸サドル13の下部に取り付けられているX軸ナット14がX軸ボールねじ12から力を受けることにより、X軸ナット14より上のX軸可動部15がX軸方向に駆動される。また、ベッド10上に取り付けられているX軸リニアガイド16がX軸可動部15の移動時の摩擦を低減すると共にX軸可動部15の運動方向を拘束する。X軸可動部15の運動を拘束するためにY軸サドル13の下部に付けられたX軸ガイドブロック17がX軸リニアガイド16に沿って動くようになっている。
Y軸サドル13の上にはY軸サーボモータ18が搭載されており、Y軸サーボモータ18の回転運動をY軸ボールねじ19によってY軸ナット21の直線運動に変換する。トップテーブル20の下部に付けられたY軸ナット21がY軸ボールねじ19から力を受けることにより、Y軸ナット21より上のY軸可動部22であるトップテーブル20がY軸方向に駆動される。また、Y軸サドル13上に取り付けられているY軸リニアガイド23がY軸可動部22の移動時の摩擦を低減すると共にY軸可動部22の運動方向を拘束する。Y軸可動部22の運動を拘束するためにトップテーブル20の下部に付けられたY軸ガイドブロック24がY軸リニアガイド23に沿って動くようになっている。
実施の形態1にかかるXYテーブル9の位置決めのために、制御用位置センサとしてリニアエンコーダを用いる。XYテーブル9では1駆動軸毎に当該駆動軸方向の位置を計測する制御用位置センサとして2個のリニアエンコーダを用いる。
X軸方向に関しては、図2および図3に示すようにXYテーブル9においては、ベッド10上のX軸可動部15を挟んで互いに離れた異なる位置に、制御用位置センサとしてX軸リニアエンコーダ25を2個配置する。XYテーブル9の左側にX軸リニアエンコーダ25aが、XYテーブル9の右側にX軸リニアエンコーダ25bがそれぞれ取り付けられている。X軸リニアエンコーダ25a,25bを区別しないときはX軸リニアエンコーダ25と呼ぶ。そして、X軸方向の位置検出を行うX軸エンコーダヘッド26がY軸サドル13の左右にそれぞれX軸エンコーダヘッド26aおよびX軸エンコーダヘッド26bとして設けられている。X軸可動部15の移動に伴ってX軸リニアエンコーダ25とX軸エンコーダヘッド26との相対位置が変化することで、XYテーブル9のX軸方向の検出位置が変化する。X軸方向の位置決めはX軸リニアエンコーダ25a,25bのうちのいずれか一方を用いる。X軸方向の位置決めに用いる方のエンコーダをX軸メインエンコーダ、他方のエンコーダをX軸サブエンコーダと呼ぶ。
Y軸方向に関しては、図3に示すようにXYテーブル9においては、Y軸サドル13の前後方向の手前および奥の異なる位置に、制御用位置センサとしてY軸リニアエンコーダ27を2個配置する。Y軸サドル13の手前側にY軸リニアエンコーダ27aが、Y軸サドル13の奥側にY軸リニアエンコーダ27bがそれぞれ取り付けられている。Y軸リニアエンコーダ27a,27bを区別しないときはY軸リニアエンコーダ27と呼ぶ。そして、Y軸方向の位置検出を行うY軸エンコーダヘッド28がトップテーブル20の前後にそれぞれY軸エンコーダヘッド28aおよびY軸エンコーダヘッド28bとして設けられている。Y軸可動部22の移動に伴ってY軸リニアエンコーダ27とY軸エンコーダヘッド28との相対位置が変化することで、XYテーブル9のY軸方向の検出位置が変化する。Y軸方向の位置決めはY軸リニアエンコーダ27a,27bのうちのいずれか一方を用いる。Y軸方向の位置決めに用いる方のエンコーダをY軸メインエンコーダ、他方のエンコーダをY軸サブエンコーダと呼ぶ。
X軸メインエンコーダおよびY軸メインエンコーダから送られる信号は適切な回路等を介して位置データとして検出できるような信号に変換されて、後述する制御部で使用される。
XYテーブル9のX軸可動部15は、X軸ガイドブロック17を介してX軸リニアガイド16に沿って直線運動をする。しかしながら、X軸リニアガイド16を全くの歪みなく、真直かつ軸線に平行に組み付けることは困難である。X軸リニアガイド16が僅かに歪んで取り付けられていると、XYテーブル9はX軸リニアガイド16に沿って移動するため、移動とともに予期せぬZ軸回りの回転であるヨーイングが生じることになる。
図4は、実施の形態1にかかるX軸ヨーイングを表現したXYテーブル9の平面図である。XYテーブル9の任意の位置を初期位置として定めて、そのときのX軸リニアエンコーダ25a,25bの検出位置をXとする。その初期位置からX軸方向に移動量XだけX軸可動部15を移動させる。図4は、初期位置からX軸方向に移動量Xだけ移動したときにX軸リニアガイド16の歪によってX軸起因のヨーイングであるX軸ヨーイングが発生した状態を示したXYテーブル9の平面図である。ここでは左側のX軸リニアエンコーダ25aをX軸メインエンコーダとし、XYテーブル9のX軸方向の検出位置をフィードバックしてXYテーブル9のX軸の位置決めをしているものとする。X軸リニアエンコーダ25aを基準に位置決めしているので、X軸方向の検出位置は目標位置X+Xになっている。しかし、X軸ヨーイングが発生している場合、X軸サブエンコーダであるX軸リニアエンコーダ25bでは目標位置からΔだけずれてしまい、検出位置はX+X+Δとなる。ここで、X軸リニアエンコーダ25aとX軸リニアエンコーダ25bとの間のY軸方向の距離をLSXとすると、初期位置であるXでのヨーイング角度を0とした場合のX軸ヨーイング角度θは、以下の数式(1)のように表される。
Figure 0006422622
数式(1)に示すように、2個のX軸リニアエンコーダ25a,25bによるXYテーブル9の検出位置の差Δを求めて、X軸リニアエンコーダ25a,25b間のY軸方向の距離LSXで除することでX軸ヨーイング角度θを求めることが可能となる。
以上ではX軸方向について説明してきたが、同様の方法でY軸方向においても2個のY軸リニアエンコーダ27a,27bを用いることでY軸起因のヨーイング角度であるY軸ヨーイング角度を求めることが可能である。
図5は、実施の形態1にかかるY軸ヨーイングを表現したXYテーブル9の平面図である。XYテーブル9の任意の位置を初期位置として定めて、そのときのY軸リニアエンコーダ27a,27bによるXYテーブル9の検出位置をYとする。その初期位置からY軸方向に移動量YだけY軸可動部22を移動させる。図5は、初期位置からY軸方向に移動量Yだけ移動したときにY軸リニアガイド23の歪によってY軸ヨーイングが発生した状態を示したXYテーブル9の平面図である。Y軸リニアエンコーダ27aをY軸メインエンコーダとして、初期位置Yから移動量YだけY軸可動部22をY軸方向に移動させたとき、Y軸リニアエンコーダ27aの検出位置はY+Yとなる。しかし、Y軸ヨーイングが発生している場合、Y軸サブエンコーダであるY軸リニアエンコーダ27bでは目標位置からΔだけずれてしまい、検出位置はY+Y+Δとなる。ここで、Y軸リニアエンコーダ27aとY軸リニアエンコーダ27bとの間のX軸方向の距離をLSYとすると、初期位置Yでのヨーイング角度を0とした場合のY軸ヨーイング角度φは、以下の数式(2)のように表される。
Figure 0006422622
数式(2)に示すように、2個のY軸リニアエンコーダ27a,27bによるXYテーブル9の検出位置の差Δを求めて、Y軸リニアエンコーダ27a,27b間のX軸方向の距離LSYで除することでY軸ヨーイング角度φを求めることが可能となる。
以上説明したように、ワーク7を載せて移動するXYテーブル9においてヨーイングが生じる場合、XYテーブル9の1駆動軸毎に当該駆動軸方向の位置を計測する制御用位置センサであるリニアエンコーダを互いに離れた位置に2個以上設けることで、XYテーブル9のヨーイング角度の検出が可能となる。
上記方法によりXYテーブル9のヨーイング角度を求めることができるので、次に、XYテーブル9のヨーイングによる加工点での誤差を見積もる。図6は、実施の形態1にかかるトップテーブル20が中央にある場合のXYテーブル9の平面図である。誤差を見積もる上で簡単のために図6のようにレーザ加工装置1aを正面にして右方向をU軸方向、前後方向の奥側方向をV軸方向としたUV座標系を考える。U軸方向はY軸方向の逆向きの方向になっており、V軸方向はX軸方向と同じ方向になっている。図6において、一点鎖線はレーザ加工装置1aの中心軸を示しており、2つの中心軸同士が垂直に交わる点を原点として、原点から見たUV座標系における絶対座標で各点の位置を示す。図6においては、簡単のためサーボモータ等の記載は省略してある。レーザ照射位置53を×で示し、加工点51を○で示し、トップテーブル中央52を△で示す。そして、トップテーブル中央52(△)の座標を(U,V)で示し、加工点51(○)の座標を(U,V)で示し、レーザ照射位置53(×)の座標を(U×,V×)で示す。図6において、トップテーブル中央52の座標は(0,0)である。図6におけるレーザ照射位置53の座標を(p,q)とし、図6における加工点51の座標を(a,b)とする。したがって、図6の状態においては、以下の数式(3)〜数式(5)のようになっている。
Figure 0006422622
Figure 0006422622
Figure 0006422622
図6の状態からトップテーブル20を移動させて、レーザ照射位置53の直下に加工点51がくる状況を考える。図7は、実施の形態1にかかる加工点51を加工できるようにトップテーブル20を移動したときのXYテーブル9の平面図である。図7は、加工点51とレーザ照射位置53とを一致させたときの各位置関係を図示する。図6の状態からトップテーブル20をU軸方向にp−a、V軸方向にq−bだけ移動させると、図7に示すように加工点51とレーザ照射位置53とが一致する。図7の状態における加工点51、トップテーブル中央52およびレーザ照射位置53の座標は以下の数式(6)〜数式(8)のようになる。
Figure 0006422622
Figure 0006422622
Figure 0006422622
ここで、図8のようにX軸ヨーイングが生じた状況を考える。図8は、実施の形態1にかかるX軸ヨーイングが発生したときのXYテーブル9の平面図である。XYテーブル9のX軸ヨーイング角度をθとし、X軸駆動軸からX軸メインエンコーダであるX軸リニアエンコーダ25aまでの距離をLとする。図8の□は、X軸エンコーダヘッド26aの位置であり、この点での検出位置を基準にXYテーブル9のX軸方向の位置決めをしている。X軸ヨーイングが発生する前のX軸エンコーダヘッド26aの座標(U,V)は、以下の数式(9)のように表される。
Figure 0006422622
X軸ヨーイングが発生すると、XYテーブル9のX軸ヨーイングによってX軸エンコーダヘッド26aの位置(□)を中心にトップテーブル中央52(△)および加工点51(○)がX軸ヨーイング角度θだけ回転するので各座標は以下のように求められる。ただし、X軸ヨーイング角度θは微小角であるため、cosθ≒1、sinθ≒θと線形近似してトップテーブル中央52および加工点51の座標を、以下の数式(10)および数式(11)のように求める。
Figure 0006422622
Figure 0006422622
さらに、図9のようにX軸ヨーイングに加えてY軸ヨーイングが生じた場合を考える。図9は、実施の形態1にかかるX軸ヨーイングとY軸ヨーイングとが発生したときのXYテーブル9の平面図である。Y軸ヨーイング角度をφとし、Y軸駆動軸とY軸メインエンコーダであるY軸リニアエンコーダ27aとの距離をLとする。図9の▽は、Y軸エンコーダヘッド28aの位置であり、この点での検出位置を基準にXYテーブル9のY軸の位置決めをしている。Y軸ヨーイングが発生する前のY軸エンコーダヘッド28aの座標(U,V)は、以下の数式(12)のように表される。
Figure 0006422622
Y軸ヨーイングが発生すると、Y軸エンコーダヘッド28aの位置(▽)を中心に加工点51(○)はY軸ヨーイング角度φだけ回転するので、加工点51の座標は以下の数式(13)のようになる。
Figure 0006422622
数式(13)で示される加工点51(○)の座標と、数式(8)で示されるレーザ照射位置53(×)の座標との差は、XYテーブル9が本来の姿勢から逸脱することで生じる位置決め誤差、すなわちアッベ誤差となり、U軸アッベ誤差EおよびV軸アッベ誤差Eは、以下の数式(14)のように表される。
Figure 0006422622
UV座標系をXY座標系に変換して得られるX軸アッベ誤差EおよびY軸アッベ誤差Eは、以下の数式(15)のように表される。
Figure 0006422622
数式(15)からXYテーブル9のヨーイングによるアッベ誤差は、トップテーブル20の位置、加工点51の位置、XYテーブル9のヨーイング角度、X軸メインエンコーダであるX軸リニアエンコーダ25aの配置およびY軸メインエンコーダであるY軸リニアエンコーダ27aの配置に基づいて決定される。ここで、X軸リニアエンコーダ25aの配置およびY軸リニアエンコーダ27aの配置から得られるL、Lは既知の定数であるので、オンラインでアッベ誤差を求めるときは、トップテーブル20の位置、加工点51の位置およびXYテーブル9のヨーイング角度がオンラインで分かればよい。したがって、1駆動軸毎に2本以上のリニアエンコーダを用いてヨーイング角度を検出することができれば、トップテーブル20を移動させて加工する段階で各駆動軸のアッベ誤差を推定可能である。
以上のようにして推定したアッベ誤差を補正量として用いて、レーザ加工装置1aが加工位置を補正する方法について説明する。図10は、実施の形態1にかかるレーザ加工装置1aにおいて制御部201をブロック図で示した図である。制御部201によりアッベ誤差を用いた加工位置の補正が実行される。
制御部201は、加工計画処理部61と、X軸テーブル位置指令生成部65と、X軸テーブル制御部66と、Y軸テーブル位置指令生成部67と、Y軸テーブル制御部68と、ヨーイング加工誤差補正手段79と、ヨーイング角度演算処理部80と、X軸ガルバノスキャナ位置指令生成部69と、X軸回転角指令生成部70と、X軸回転角制御部71と、Y軸ガルバノスキャナ位置指令生成部72と、Y軸回転角指令生成部73と、Y軸回転角制御部74と、を備える。ヨーイング角度演算処理部80は、X軸ヨーイング角度演算処理部75と、Y軸ヨーイング角度演算処理部76と、を備える。ヨーイング加工誤差補正手段79は、アッベ誤差推定部77と、加算器78と、を備える。
加工計画処理部61は、穴データから加工計画を立て、XYテーブル9の目標位置とガルバノスキャナ5a,5bの目標位置とを生成する。
加工計画処理部61で生成されたトップテーブル20のX軸目標位置はX軸テーブル位置指令生成部65に入力され、X軸目標位置に基づいてX軸テーブル位置指令生成部65はトップテーブル20に対するX軸位置指令を生成する。X軸テーブル位置指令生成部65が生成したX軸位置指令と、フィードバックされたX軸リニアエンコーダ25aの検出位置に基づいて、X軸テーブル制御部66は、X軸サーボモータ11を制御する信号を生成して、X軸サーボモータ11を制御する。
同様に、加工計画処理部61で生成されたトップテーブル20のY軸目標位置はY軸テーブル位置指令生成部67に入力され、Y軸目標位置に基づいてY軸テーブル位置指令生成部67はトップテーブル20に対するY軸位置指令を生成する。Y軸テーブル位置指令生成部67が生成したY軸位置指令と、フィードバックされたY軸リニアエンコーダ27aの検出位置に基づいて、Y軸テーブル制御部68は、Y軸サーボモータ18を制御する信号を生成して、Y軸サーボモータ18を制御する。
X軸リニアエンコーダ25aおよびX軸リニアエンコーダ25bそれぞれが検出した検出位置はヨーイング角度演算処理部80のX軸ヨーイング角度演算処理部75に送られ、オンラインでX軸ヨーイング角度θの計算が数式(1)に基づいて行われる。同様に、Y軸リニアエンコーダ27aおよびY軸リニアエンコーダ27bそれぞれが検出した検出位置はヨーイング角度演算処理部80のY軸ヨーイング角度演算処理部76に送られ、オンラインでY軸ヨーイング角度φの計算が数式(2)に基づいて行われる。
X軸ヨーイング角度演算処理部75で計算されたX軸ヨーイング角度θおよびY軸ヨーイング角度演算処理部76で計算されたY軸ヨーイング角度φはアッベ誤差推定部77に送られる。アッベ誤差推定部77は、加工計画処理部61で生成されたガルバノスキャナ5a,5bの目標位置(X,Y)、X軸リニアエンコーダ25aおよびY軸リニアエンコーダ27aで検出されるトップテーブル20の位置、X軸ヨーイング角θおよびY軸ヨーイング角φから、数式(15)に基づいてアッベ誤差(E,E)を推定する。なお、ガルバノスキャナ5a,5bの目標位置は、加工点51の位置に対応しており、加工点51の位置からトップテーブル20の位置を差し引いた残距離がガルバノスキャナ5a,5bの目標位置となる。
加算器78は、加工計画処理部61で生成されたガルバノスキャナ5a,5bの目標位置(X,Y)を、アッベ誤差推定部77で推定した各駆動軸のアッベ誤差(E,E)を加算することにより補正し、ガルバノスキャナ5a,5bの補正後の目標位置(X+E,Y+E)を出力する。
加算器78から出力されたX軸用のガルバノスキャナ5aの補正後の目標位置(X+E)は、X軸ガルバノスキャナ位置指令生成部69に入力され、X軸ガルバノスキャナ位置指令生成部69は、X軸用のガルバノスキャナ5aへの位置指令を生成する。X軸回転角指令生成部70は、X軸用のガルバノスキャナ5aへの位置指令を回転角度指令に変換する。X軸回転角指令生成部70が生成した回転角度指令と、ガルバノスキャナ5aからフィードバックされたエンコーダ信号とに基づいて、X軸回転角制御部71は制御信号を生成してガルバノスキャナ5aに送ることにより、ガルバノスキャナ5aを制御する。
同様に、加算器78から出力されたY軸用のガルバノスキャナ5bの補正後の目標位置(Y+E)は、Y軸ガルバノスキャナ位置指令生成部72に入力され、Y軸ガルバノスキャナ位置指令生成部72は、Y軸用のガルバノスキャナ5bへの位置指令を生成する。Y軸回転角指令生成部73は、Y軸用のガルバノスキャナ5bへの位置指令を回転角度指令に変換する。Y軸回転角指令生成部73が生成した回転角度指令と、ガルバノスキャナ5bからフィードバックされたエンコーダ信号とに基づいて、Y軸回転角制御部74は制御信号を生成してガルバノスキャナ5bに送ることにより、ガルバノスキャナ5bを制御する。
以上説明したように、実施の形態1にかかるレーザ加工装置1aは、レーザの照射位置を変更するレーザ走査装置5であるガルバノスキャナ5a,5bと、ガルバノスキャナ5a,5bとワーク7との相対位置を変える並進ステージであるXYテーブル9とを備えた上、XYテーブル9の1駆動軸毎に当該駆動軸方向の位置を計測する制御用位置センサであるリニアエンコーダを互いに離れた位置に2個以上備える。さらに、レーザ加工装置1aは、ヨーイング角度演算処理部80を有する。ヨーイング角度演算処理部80は、リニアエンコーダの検出位置に基づいて、XYテーブル9のヨーイング角度を求める。そして、ヨーイング加工誤差補正手段79は、トップテーブル20の位置、加工点51の位置およびXYテーブル9のヨーイング角度からXYテーブル9のヨーイングに伴う加工点51におけるレーザビーム3の照射位置の誤差であるアッベ誤差を推定して、ガルバノスキャナ5a,5bの目標位置に推定したアッベ誤差を加えて補正する。これにより、レーザ加工装置1aは、XYテーブル9のヨーイングにおる誤差をガルバノスキャナ5a,5bでオンラインに補正しながらレーザ加工を行うことが可能となる。
すなわち、実施の形態1にかかるレーザ加工装置1aは、1駆動軸毎に2個以上の制御用位置センサを設けて、ヨーイング角度演算処理部80において並進ステージのヨーイング角度を検出し、ヨーイング加工誤差補正手段79においてヨーイングによる加工点51での誤差を推定する。すなわち、並進ステージの軸線と平行な基準面を必要とせずに並進ステージのヨーイング角度を検出して、加工点51でのアッベ誤差を正確に推定することができる。したがって、並進ステージがヨーイングを起こした場合でも、ヨーイングに伴う誤差を高い精度で推定できるので、良好な加工精度を得ることが可能となる。
実施の形態1においては、並進ステージとしてXYテーブル9を用いてワーク7を移動させて、ガルバノスキャナ5a,5bとワーク7との相対位置を変更するとして説明したが、並進ステージの構成としては他の構成も考えられる。例えば、ワーク7を固定して、ガルバノスキャナ5a,5bが備えられた加工ヘッド4をX軸方向およびY軸方向に移動させる構成の並進ステージも考えられる。また、ワーク7をX軸方向に移動させる並進ステージと、ガルバノスキャナ5a,5bをY軸方向に移動させる並進ステージとの組み合わせも考えられる。この場合、ワーク7の移動方向とガルバノスキャナ5a,5bの移動方向とを入れ替えることも可能である。
また、実施の形態1においては、XYテーブル9のアクチュエータとしてサーボモータとボールねじとの組み合わせを一例として示したが、XYテーブル9においてトップテーブル20に直線運動をさせることができるのであれば他の手段を用いてもよい。したがって、アクチュエータとして、サーボモータとラックアンドピニオン、リニアモータといったものを用いてもよい。
また、実施の形態1のXYテーブル9においては1駆動軸につき1個のアクチュエータで駆動していたが、タンデム駆動などの2個以上のアクチュエータで駆動するようにしてもかまわない。
また、実施の形態1においては、レーザ走査装置5としてはガルバノスキャナ5a,5bを例として説明したが、レーザビーム3の照射位置を変更できるものであれば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーアクチュエータ、音響学素子、ポリゴンミラースキャナなどでもかまわない。また、実施の形態1においては、リアルタイムに補正するためXYテーブル9は静止している状態または移動している状態のいずれでもかまわない。
また、実施の形態1においては、X軸方向およびY軸方向の両軸方向それぞれに2個ずつのリニアエンコーダを用いているが、ヨーイングの影響が大きいX軸方向またはY軸方向のいずれか一方向だけ2個以上のリニアエンコーダを用いる方法も考えられる。すなわち、XYテーブル9の少なくとも1つの駆動軸に対して、2個以上のリニアエンコーダを異なる位置に設けてもかまわない。また、メインエンコーダとサブエンコーダとはレーザ加工装置1aの駆動軸に対して、左右対称に配置されていなくてもかまわない。
実施の形態2.
図11は、本発明の実施の形態2にかかるX軸メインエンコーダ上でのレーザ測長を表現したXYテーブル9の平面図である。図12は、実施の形態2にかかるX軸サブエンコーダ上でのレーザ測長を表現したXYテーブル9の平面図である。図13は、実施の形態2にかかるレーザ加工装置1bにおいて制御部202をブロック図で示した図である。
リニアエンコーダの組付けに幾何的なずれがある場合、トップテーブル20の位置が目標からずれること、またはアッベ誤差の推定がずれることなどが考えられる。リニアエンコーダの組付けの幾何的なずれとは、リニアエンコーダの真直性のずれ、リニアエンコーダと並進ステージの駆動軸との平行性のずれといったずれである。
実施の形態2では、上記のようなリニアエンコーダの組付けに幾何的なずれが生ずる場合を考慮して、校正用位置センサであるレーザ干渉計31による測定結果に基づいたリニアエンコーダの校正を行い、リニアエンコーダの組付けに幾何的なずれがある場合でも良好な加工精度での加工を実現する方法について説明する。すなわち、X軸リニアエンコーダ25a,25bのレーザ干渉計31による校正方法を説明する。
図11は、X軸メインエンコーダであるX軸リニアエンコーダ25aのレーザ干渉計31を用いた校正方法を説明するためのXYテーブル9の平面図になっている。図11に示すように、レーザ干渉計31をXYテーブル9の前に設置して、位置決め制御用センサであるX軸リニアエンコーダ25aの真上を計測する。トップテーブル20上にビームスプリッタ33および可動側ミラー34を配置し、前後方向の後側に固定側ミラー35を配置する。レーザ干渉計31から射出されたレーザ光32はビームスプリッタ33で2方向に分割され、分割された2方向のレーザ光32は可動側ミラー34および固定側ミラー35でそれぞれ反射され、ビームスプリッタ33を再び経てレーザ干渉計31の受光部に戻るように調整されている。レーザ干渉計31、ビームスプリッタ33および固定側ミラー35の関係が真直であればレーザ干渉計31の受光部に十分な光量のレーザ光32が戻ってくるので、受光部が受けた光量に基づいて真直であるか否かを判断することが可能である。
そして、トップテーブル20がX軸方向に移動したときに、分割されたレーザ光32の光路差により干渉縞のパターンが変わることを利用して、レーザ干渉計31はX軸可動部15の移動距離を計測することができる。レーザ光32の波長を基準にして計測しているため、レーザ干渉計31は高精度な計測が可能である。したがって、レーザ干渉計31を校正用位置センサとして用いることができる。
初期位置から設定した任意の値のX軸移動量だけトップテーブル20をX軸方向に移動させ、移動後にトップテーブル20の移動距離をレーザ干渉計31で計測する。位置決めはX軸リニアエンコーダ25aによる検出位置を基準にして行うので、X軸リニアエンコーダ25aの組付けに幾何的なずれがあれば、レーザ干渉計31で計測した移動距離が示すX軸移動量とX軸リニアエンコーダ25aのX軸移動量とは一致しない。
そこで、レーザ干渉計31で計測した移動距離と、それに対応するX軸リニアエンコーダ25aのX軸移動量との差をトップテーブル20のX軸方向の位置に対応づけたX軸メインセンサ校正テーブル820を作成する。具体的には、X軸移動量を5mmと設定してX軸方向のフルストロークが1000mmであれば、X軸方向に5mm毎に移動と停止を繰り返して、停止したときのレーザ干渉計31で計測した移動距離とX軸リニアエンコーダ25aのX軸移動量との差を取得してX軸メインセンサ校正テーブル820を作成する。
X軸リニアエンコーダ25aの計測で、初期位置XからX軸方向に移動量Xだけトップテーブル20を移動させた場合に、レーザ干渉計31で計測したX軸方向の位置がX+X+δXaであるとすると、X軸メインセンサ校正テーブル820において、X軸リニアエンコーダ25aによるX軸方向の検出位置X+Xに対して補正量δXaが対応づけられる。
そして、レーザ加工装置1bがレーザ加工を実施する場合は、補正量δXaを考慮してトップテーブル20をX+Xに位置決めする。具体的には、加工計画処理部61から与えられたX軸目標位置X+Xと、目標位置X+Xに対応してX軸メインセンサ校正テーブル820に保存されている補正量δXaとを用いて、X軸メインセンサ補正処理部83が、X軸目標位置をX+X−δXaに補正する。このとき、X軸リニアエンコーダ25aの検出位置XSa、X軸リニアエンコーダ25aの真上の位置でのレーザ干渉計31による計測位置XLa、X軸メインセンサ校正テーブル820により与えられる補正量XPaは、それぞれ、以下の数式(16)〜数式(18)のように表される。
Figure 0006422622
Figure 0006422622
Figure 0006422622
このとき、以下の数式(19)に示す関係が成り立つ。
Figure 0006422622
図12は、X軸サブエンコーダであるX軸リニアエンコーダ25bのレーザ干渉計31を用いた校正方法を説明するためのXYテーブル9の平面図になっている。図12に示すように、レーザ干渉計31を制御用位置センサであるX軸リニアエンコーダ25bの真上を計測できるように設置する。トップテーブル20上にビームスプリッタ33および可動側ミラー34を配置し、前後方向の後側に固定側ミラー35を配置する。レーザ干渉計31から射出されたレーザ光32はビームスプリッタ33で2方向に分割され、分割された2方向のレーザ光32は可動側ミラー34および固定側ミラー35でそれぞれ反射され、ビームスプリッタ33を再び経てレーザ干渉計31の受光部に戻るように調整されている。
そして、トップテーブル20を設定した移動量だけX軸方向に移動させて、X軸リニアエンコーダ25bの真上においてレーザ干渉計31で計測した移動量とX軸リニアエンコーダ25bで計測した移動量との差を取得し、当該差をトップテーブル20のX軸リニアエンコーダ25aによるX軸方向の検出位置に対応させた補正量を示すX軸サブセンサ校正テーブル850を作成する。
X軸メインセンサ補正処理部83によるX軸目標位置の補正処理を実行している状態で、トップテーブル20を初期位置XからX軸移動量Xだけ移動させた場合、レーザ干渉計31による計測位置はヨーイングの影響によってX+X+Δとなる。このときX軸リニアエンコーダ25bの検出位置は、幾何的なずれによりX+X+δXbとなる。したがって、X軸サブセンサ校正テーブル850において、トップテーブル20のX軸方向の検出位置X+Xに対して、補正量Δ−δXbが対応づけられる。
X軸メインセンサ補正処理部83によるX軸目標位置の補正処理後のX軸リニアエンコーダ25bの検出位置XSb、X軸リニアエンコーダ25bの真上の位置でのレーザ測長による計測位置XLb、X軸サブセンサ校正テーブル850により与えられるピッチ補正量XPbは、以下の数式(20)〜数式(22)のように表される。
Figure 0006422622
Figure 0006422622
Figure 0006422622
このとき、以下の数式(23)に示す関係が成り立つ。
Figure 0006422622
ここで、数式(1)、数式(17)、数式(19)、数式(21)および数式(23)を用いると、X軸ヨーイング角度θは以下の数式(24)のように表される。
Figure 0006422622
Sa はX軸リニアエンコーダ25aの検出位置であり、XSbはX軸リニアエンコーダ25bの検出位置であり、XPaはX軸メインセンサ校正テーブル820から求められる値であり、XPbはX軸サブセンサ校正テーブル850から求められる値である。
したがって、X軸リニアエンコーダ25a,25bの取り付けに幾何的なずれがあった場合でも、予めレーザ干渉計31といった校正用位置センサを用いた試験によりX軸メインセンサ校正テーブル820およびX軸サブセンサ校正テーブル850を予め取得しておく。予め取得されたX軸メインセンサ校正テーブル820およびX軸サブセンサ校正テーブル850を用いて、X軸リニアエンコーダ25a,25bの校正を行えば、X軸ヨーイング角度θを正確に求めることができる。
Y軸リニアエンコーダ27a,27bのレーザ干渉計31による校正方法も上記したX軸リニアエンコーダ25a,25bの校正方法と同様である。レーザ干渉計31をY軸方向の計測ができるように配置を変え、Y軸リニアエンコーダ27aの真上で計測を行い、レーザ干渉計31で計測したY軸方向の位置とY軸リニアエンコーダ27aの検出位置との差からY軸メインセンサ校正テーブル900を求める。Y軸メインセンサ校正テーブル900を用いて、レーザ干渉計31の位置が目標位置に一致するようにY軸メインセンサ補正処理部88がY軸目標位置に対する補正を実施する。また、Y軸リニアエンコーダ27bの真上でレーザ干渉計31による計測を行い、レーザ干渉計31で計測したY軸方向の位置とY軸リニアエンコーダ27bの検出位置との差からY軸サブセンサ校正テーブル870を求める。Y軸リニアエンコーダ27a,27bの取り付けに幾何的なずれがあった場合でも、レーザ干渉計31といった校正用位置センサを用いた試験により、Y軸メインセンサ校正テーブル900およびY軸サブセンサ校正テーブル870を予め取得しておく。X軸ヨーイング角度θについて上で説明したのと同様に、予め取得されたY軸メインセンサ校正テーブル900およびY軸サブセンサ校正テーブル870を用いて、Y軸リニアエンコーダ27a,27bの校正を行えば、Y軸ヨーイング角度φを正確に求めることができる。
図13では、レーザ加工装置1bの制御部202をブロック図で示している。レーザ加工装置1bと実施の形態1にかかるレーザ加工装置1aとは制御部の構成に差異がある。以下、制御部202と制御部201との差異を説明する。
制御部202のヨーイング角度演算処理部81には、制御部201のヨーイング角度演算処理部80の構成に加えて、センサ校正テーブルであるX軸メインセンサ校正テーブル820を有するX軸メインセンサ校正部82と、センサ校正テーブルであるX軸サブセンサ校正テーブル850を有するX軸サブセンサ校正部85と、センサ校正テーブルであるY軸メインセンサ校正テーブル900を有するY軸メインセンサ校正部90と、センサ校正テーブルであるY軸サブセンサ校正テーブル870を有するY軸サブセンサ校正部87と、加算器91〜94と、が追加されている。制御部202には、制御部201に加えて、X軸メインセンサ補正処理部83と、Y軸メインセンサ補正処理部88と、がさらに追加されている。なお、センサ校正テーブルは、制御部202内のX軸メインセンサ校正部82、X軸サブセンサ校正部85、Y軸メインセンサ校正部90およびY軸サブセンサ校正部87以外の箇所に備えられていてもかまわない。
加工計画処理部61で生成されたトップテーブル20のX軸目標位置は、上述したようにX軸メインセンサ補正処理部83によりX軸メインセンサ校正テーブル820を用いて補正されてからX軸テーブル位置指令生成部65に入力される。同様に、加工計画処理部61で生成されたトップテーブル20のY軸目標位置はY軸メインセンサ補正処理部88によりY軸メインセンサ校正テーブル900を用いて補正されてからY軸テーブル位置指令生成部67に入力される。これにより、トップテーブル20をレーザ干渉計31で計測した位置に位置決めすることが可能となる。
X軸リニアエンコーダ25aの検出位置XSaは、X軸メインセンサ校正部82が出力するX軸メインセンサ校正テーブル820が示す補正量XPaが加算器91で加算されて校正され、加算器91の出力がX軸ヨーイング角度演算処理部75に入力される。すなわち、数式(19)で得られたXLaがX軸ヨーイング角度演算処理部75に入力される。X軸リニアエンコーダ25bの検出位置XSbは、X軸サブセンサ校正部85が出力するX軸サブセンサ校正テーブル850が示す補正量XPbが加算器92で加算されて校正され、加算器92の出力がX軸ヨーイング角度演算処理部75に入力される。すなわち、数式(23)で得られたXLbがX軸ヨーイング角度演算処理部75に入力される。これにより、X軸リニアエンコーダ25a,25bの検出位置を校正して、X軸ヨーイング角度θを正確に求めることが可能となる。
同様に、Y軸リニアエンコーダ27aの検出位置は、Y軸メインセンサ校正部90が出力するY軸メインセンサ校正テーブル900が示す補正量が加算器94で加算されて校正され、加算器94の出力がY軸ヨーイング角度演算処理部76に入力される。Y軸リニアエンコーダ27bの検出位置は、Y軸サブセンサ校正部87が出力するY軸サブセンサ校正テーブル870が示す補正量が加算器93で加算されて校正され、加算器93の出力がY軸ヨーイング角度演算処理部76に入力される。これにより、Y軸リニアエンコーダ27a,27bの検出位置を校正して、Y軸ヨーイング角度φを正確に求めることが可能となる。
以上説明したように、実施の形態2にかかるレーザ加工装置1bにおいては、制御用位置センサであるリニアエンコーダの真上の位置にレーザ干渉計31といった校正用位置センサを設置して、校正用位置センサを用いて計測したXYテーブル9といった並進ステージの位置と、リニアエンコーダが検出した並進ステージの検出位置との差を計算してセンサ校正テーブルを予めリニアエンコーダ毎に求めておく。リニアエンコーダ毎に備えらえたセンサ校正テーブルを用いて、リニアエンコーダを校正することでリニアエンコーダの真直性の幾何的なずれまたはリニアエンコーダの並進ステージの軸線との平行性の幾何的なずれといった幾何的なずれがある場合においても、並進ステージのヨーイング角度を正確に検出することができ、良好な加工精度を得ることが可能となる。
本実施の形態2で示したレーザ干渉計31、ビームスプリッタ33、可動側ミラー34および固定側ミラー35のセッティングは一例であり、レーザ干渉計31とトップテーブル20といった可動部との間にビームスプリッタ33および固定側ミラー35を配置して、可動側ミラー34を可動部に設置するようなセッティングでも良い。また、計測用の治具を可動部に設け、レーザ干渉計31を複数台用意して、各駆動軸に対して2本のリニアエンコーダを同時にレーザ干渉計で計測できるようにしても良い。また、本実施の形態2においては、X軸メインセンサ校正テーブル820およびX軸サブセンサ校正テーブル850を作成するために、トップテーブル20をX軸方向に移動させる移動量を5mm間隔に設定したが、設定間隔は任意である。また、X軸リニアエンコーダ25a,25bの検出位置が設定間隔の間の位置になった場合は、X軸メインセンサ校正テーブル820およびX軸サブセンサ校正テーブル850のデータから補間して補正量XPa、XPbが求められる。Y軸方向についても同様である。
また、校正用位置センサとしてレーザ干渉計31を用いるとして説明したが、リニアエンコーダの校正を行うことができる基準となるものであれば良いので、ミツトヨ社製高精度チェックマスタ515シリーズといった検査マスタなどを用いても代用可能である。
実施の形態3.
図14は、本発明の実施の形態3にかかるレーザ加工装置1cの斜視図である。図15は、実施の形態3にかかるワーク特性把握試験におけるレーザ加工装置1cのブロック図である。図16は、実施の形態3にかかるレーザ加工装置1cにおいて制御部203をブロック図で示した図である。図15は、ワーク特性把握試験のために必要なブロックが示されており、図10にワーク補正計画部101、ビジョン計測処理部102、ワーク補正パラメータ算出部103および減算器104が追加されているが、ワーク特性把握試験で不要なブロックの記載は省いてある。図15においては、X軸ヨーイング角度演算処理部75およびY軸ヨーイング角度演算処理部76がヨーイング角度演算処理部80を構成し、アッベ誤差推定部77、ワーク補正パラメータ算出部103および減算器104がヨーイング計測誤差補正手段105を構成する。図16は、実施の形態1で説明した図10にワーク補正処理部62が追加されているが、ワーク特性把握試験のために追加されたブロックは省いてある。図15および図16において、図10と同一符号のブロックは同じ機能を有している。
実施の形態3にかかるレーザ加工装置1cには加工穴8の加工誤差または真円度を計測するためにビジョンセンサとしてカメラ41が取り付けられている。加工時のXYテーブル9の位置のままカメラ41で加工穴8を撮影することが望ましいが、レーザビーム3がfθレンズ6を通ってワーク7上に照射される状況においては、XYテーブル9の位置を変えずにカメラ41で加工穴8を見るにはfθレンズ6とワーク7との間の光路上にカメラ41を配置する必要があり現実的には困難である。したがって、fθレンズ6とワーク7との間の光路から離れた位置にカメラ41を設置せざるを得ない。図14において、カメラ41は加工ヘッド4の前方に取り付けられている。
加工穴8をカメラ41で撮影するためには、加工時のXYテーブル9の位置から加工穴8がカメラ41の直下になる位置までの距離だけXYテーブル9を移動させる必要がある。したがって、加工を行うときのXYテーブル9の位置とカメラ41で加工穴8を撮影するときのXYテーブル9の位置とが異なり、それぞれの位置でのXYテーブル9のヨーイング角度も異なる。したがって、加工時のXYテーブル9の位置におけるX軸ヨーイング角度をθpとし、Y軸ヨーイング角度をφpとする。また、カメラ41で計測するときのXYテーブル9の位置におけるX軸ヨーイング角度をθcとし、Y軸ヨーイング角度をφcとする。加工時は、実施の形態1で示した数式(15)に基づいて、XYテーブル9の位置、加工点の位置、XYテーブル9のX軸ヨーイング角度θpおよびY軸ヨーイング角度φpから加工点のアッベ誤差を推定して、ガルバノスキャナ5a,5bの目標位置を補正する。
そして、カメラ41で加工穴8を計測するときもX軸ヨーイング角度θcおよびY軸ヨーイング角度φcの影響を排除する必要がある。ヨーイングによる計測時の誤差(Ecx,Ecy)は、数式(15)における実施の形態1のレーザ照射位置(p,q)をカメラ計測位置(p’,q’)と置き換えて、以下の数式(25)のようになる。
Figure 0006422622
図示していないが、カメラ41はビジョン計測処理部102に接続されている。カメラ41で撮影した加工穴8の画像をビジョン計測処理部102で解析して得られた位置誤差(Emx,Emy)としたときに、アッベ誤差推定部77は、数式(25)で求められるようにヨーイングによる誤差(Ecx,Ecy)を求めて出力する。減算器104において、ビジョン計測処理部102が出力した位置誤差(Emx,Emy)からヨーイングによる誤差(Ecx,Ecy)が除かれて、実際の加工誤差である(Emx−Ecx,Emy−Ecy)が出力される。このように、ヨーイング計測誤差補正手段105により、計測時のヨーイングによる誤差を取り除くことが可能となる。
すなわち、ヨーイング計測誤差補正手段105は、XYテーブル9の検出位置、計測点の位置およびXYテーブル9のヨーイング角度からXYテーブル9のヨーイングに伴う計測点の位置の計測誤差(Ecx,Ecy)を推定することができる。したがって、計測点を撮影するビジョンセンサとしてのカメラ41および計測点の位置を求めるビジョン計測処理部102を備えたレーザ加工装置1cが、ビジョン計測処理部102で求めた計測点の位置を推定した計測誤差(Ecx,Ecy)で補正するヨーイング計測誤差補正手段105を有することで、XYテーブル9のヨーイングの影響を排除して位置計測をすることが可能となる。この機能を以下に説明するワーク補正処理で利用することができる。
カメラ41による撮影が必要となる処理のひとつとして、ワーク補正処理がある。ワーク7をトップテーブル20上に置いたときの、ワーク7の置かれた角度またはワーク7自体の伸縮はワーク7毎に異なる。そのため、ワーク補正処理によるワーク7の回転および伸縮の補正が必要となる。ワーク7の姿勢および形状を認識するために、図14に一例として示すようにワーク7には、カメラ41の計測点としてアライメントマーク42が予め設けられている。図14のように、ワーク7の四隅にアライメントマーク42が設けられている場合、XYテーブル9を移動させてカメラ41でワーク7の四隅のアライメントマーク42およびその周辺を撮影し、各アライメントマーク42の相対位置関係をビジョン計測処理部102が把握する。しかし、カメラ41で計測した計測点の位置にはXYテーブル9のヨーイングによる誤差も含まれているため、四隅の各計測点でヨーイング計測誤差補正手段105を用いて計測位置を補正する必要がある。ヨーイング計測誤差補正手段105でヨーイングに伴う計測誤差を用いて補正した後の各アライメントマーク42の計測位置からワーク7の回転角度および伸縮倍率を求め、ワーク形状に応じて加工穴8の位置を再配置する。このときXYテーブル9の移動方向および移動量についてもワーク7の回転および伸縮に応じて変更する。補正後の各アライメントマーク42の計測位置から求めたワーク7のX軸方向の伸縮倍率RおよびY軸方向の伸縮倍率R、ワーク7の回転角度Ψを用いると、加工点の位置またはXYテーブル9の目標位置(X,Y)は座標変換により以下の数式(26)のように新しい目標位置(X’,Y’)として表される。
Figure 0006422622
したがって、ワーク7上の定められた位置に設けられているアライメントマーク42をカメラ41が撮影してビジョン計測処理部102が取得した各アライメントマーク42の計測位置を、ヨーイング計測誤差補正手段105がヨーイングに伴う計測誤差を用いて補正する。補正後の各アライメントマーク42の計測位置から得られたワーク7の回転および伸縮を考慮して加工点の位置およびXYテーブル9の目標位置を座標変換によって求めるワーク補正処理によって、XYテーブル9のヨーイングによる計測誤差を除去することができる。ヨーイングによる計測誤差を除去することで、ワーク7の状態を正しく把握できるので、加工誤差を低減することが可能となる。そして、このようなワーク補正処理を実行することにより、以下に説明するように、実施の形態1および2の説明では省いた初期ヨーイング角度θの影響を排除することが可能である。
実施の形態1および2で説明したヨーイング角度は、初期位置でのヨーイング角度を0であるとしたときの相対角度になっている。実際には、初期位置でヨーイング角度θが0以外の値を有しており、可動部の移動後のヨーイング角度はθ+θとなる。したがって実施の形態1、2ではヨーイング角度θによる誤差は補正されるが初期ヨーイング角度θに関しては考慮していない。実施の形態3にかかるレーザ加工装置1cにおいては、上記したワーク補正処理によって初期ヨーイング角度θの影響を除去することが可能である。ワーク7のアライメントマーク42を計測したときに各アライメントマーク42の計測位置に初期ヨーイング角度θの影響が残っている。したがって、アライメントマーク42の計測位置の誤差から求められるワーク7の回転角度Ψは、ワーク7の本来の回転角度と初期ヨーイング角度θとを足し合わせた角度になっている。したがって、初期ヨーイング角度θが0以外の値を有していたとしても、上記したワーク補正処理を行うことで初期ヨーイング角度θの影響を含めて加工点の位置およびXYテーブル9の目標位置を補正することができる。
図15を用いて、ワーク補正処理のパラメータを算出するワーク特性把握試験の詳細を説明する。ワーク補正計画部101は、アライメントマーク42をカメラ41で撮影するためのXYテーブル9の目標位置を生成し、XYテーブル9を駆動制御する。ワーク補正計画部101は、X軸リニアエンコーダ25およびY軸リニアエンコーダ27の検出位置に基づいて、目標位置にXYテーブル9が到達したことを検知すると、ビジョン計測処理部102に撮影を実施するように指示する。指示を受けたビジョン計測処理部102は、撮影を実施するようにカメラ41に信号を送り、カメラ41による撮影とアライメントマーク42の位置の計測を実施する。そして、ヨーイング角度演算処理部80において、X軸ヨーイング角度演算処理部75はXYテーブル9のX軸ヨーイング角度を計算し、Y軸ヨーイング角度演算処理部76はXYテーブル9のY軸ヨーイング角度を計算する。そして、アッベ誤差推定部77は、XYテーブル9のX軸リニアエンコーダ25およびY軸リニアエンコーダ27による検出位置、アライメントマーク42の位置およびXYテーブル9のヨーイング角度から、アライメントマーク42の計測誤差を求めて、アッベ誤差を計算する。減算器104は、ビジョン計測処理部102から得られたアライメントマーク42の計測位置とアッベ誤差推定部77で得られたアッベ誤差との差を求めることにより、ヨーイングの影響を排除したアライメントマーク42の位置を求めて補正後の各アライメントマーク42の計測位置として、ワーク補正パラメータ算出部103に出力する。ワーク補正パラメータ算出部103は、補正後の各アライメントマーク42の計測位置に基づいて、ワーク7の回転および伸縮を表現するパラメータであるワーク7のX軸方向の伸縮倍率RおよびY軸方向の伸縮倍率R、ワーク7の回転角度Ψの算出を行う。
図16は、加工時のレーザ加工装置1cの制御ブロック図を示している。加工計画処理部61はガルバノスキャナ5a,5bの目標位置およびXYテーブル9の目標位置を生成する。そして、ワーク補正パラメータ算出部103が上記のように求めたワーク補正処理のパラメータを用いて、ワーク補正処理部62はガルバノスキャナ5a,5bの目標位置およびXYテーブル9の目標位置を補正する。ワーク補正処理後のXYテーブル9の目標位置にXYテーブル9を位置決めし、そのときのXYテーブル9のヨーイング角度をヨーイング角度演算処理部80のX軸ヨーイング角度演算処理部75およびY軸ヨーイング角度演算処理部76で求める。XYテーブル9の位置、ワーク補正処理後の加工点の位置およびXYテーブル9のヨーイング角度からアッベ誤差推定部77はヨーイングによるアッベ誤差を推定し、加算器78がワーク補正処理後のガルバノスキャナ5a,5bの目標位置とアッベ誤差とを加算することで、ガルバノスキャナ5a,5bの目標位置をさらに補正する。加算器78が求めた目標位置でガルバノスキャナ5a,5bを位置決めすることで高精度な加工を実現することができる。
以上説明したように、実施の形態3にかかるレーザ加工装置1cは、ビジョン計測処理部102で求めたワーク7上のアライメントマーク42の計測位置をヨーイング計測誤差補正手段105によって補正し、ワーク補正処理のパラメータを決定するワーク補正パラメータ算出部103を設けることにより、アライメントマーク42の計測時の並進ステージのヨーイングによる計測誤差を除去することが可能になる。さらに、実施の形態3にかかるレーザ加工装置1cは、ワーク7の回転および伸縮による誤差を補正するワーク補正処理部62を備えることにより、ワーク補正処理の効果を向上させることができる。
なお、図15および図16は、実施の形態1の図10に実施の形態3で必要となる機能を追加しているが、実施の形態2の図13にも同じようにワーク補正処理部62を追加することにより実施の形態3の機能を実現することが可能である。また、ヨーイング角度演算処理部80の代わりに、実施の形態2のヨーイング角度演算処理部81を用いても実施の形態3の機能を実現することが可能である。
実施の形態3において、ワーク7の回転角度Ψの概念を表現するために数式(26)のような表記による補正を実行したが、一般的なワーク補正処理は以下の数式(27)のように表される。
Figure 0006422622
数式(27)において、a11,a12,a13,a21,a22,a23は定数であり、数式(27)は基板の歪みおよびオフセットも考慮している。数式(27)を用いてワーク補正処理をしても上記と同様の効果が得られる。
実施の形態3においてビジョンセンサとして使用したカメラ41は、エリアセンサが付いたCCD(Charge Coupled Device)カメラまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラでもよいし、ラインセンサカメラのようなカメラでもかまわない。また、ビジョンセンサを設ける位置は、加工ヘッド4でなくてもかまわない。また、ワーク7上のアライメントマーク42を4点設けた例で説明したが、数式(27)の係数を求めるためにアライメントマークは3点以上あればよく、補正精度の向上に繋がるので4点以上であってもかまわない。
実施の形態4.
図17は、本発明の実施の形態4にかかる光学系歪特性把握試験におけるレーザ加工装置1dのブロック図である。図18は、実施の形態4にかかるレーザ加工装置1dにおいて制御部204をブロック図で示した図である。図17は、光学系歪特性把握試験のために必要なブロックが示されており、実施の形態3で説明した図15に光学系歪補正計画部111、光学系歪補正パラメータ算出部112および減算器106が追加されているが、光学系歪特性把握試験で不要なブロックの記載は省いてある。図17においては、図15のヨーイング計測誤差補正手段105に減算器106が追加されている。図18は、実施の形態3で説明した図16に光学系歪補正処理部64がさらに追加されているが、光学系歪特性把握試験のために追加されたブロックは省いてある。図17および図18において、図10と同一符号のブロックは同じ機能を有している。
fθレンズ6など光学系の歪の影響でレーザ照射位置が目標位置からずれ、加工誤差が生じる場合がある。光学系の歪から生じる加工誤差を推定し、推定した加工誤差を補正量としてガルバノスキャナ5a,5bの目標位置を補正することで加工誤差を低減する。この補正を光学系歪補正と呼ぶ。
光学系の歪から加工誤差を推定するために、予め定めた方法で光学系歪特性把握試験を行う。図17は、光学系歪特性把握試験の一例を説明するための図である。光学系歪補正計画部111は、XYテーブル9の目標位置とスキャンエリア29内のガルバノスキャナ5a,5bの目標位置を決定する。XYテーブル9を目標位置に位置決めさせた状態で、XYテーブル9のヨーイング角度をヨーイング角度演算処理部80のX軸ヨーイング角度演算処理部75およびY軸ヨーイング角度演算処理部76が計算し、アッベ誤差推定部77でXYテーブル9のヨーイングに伴う加工点での加工誤差を算出し、ガルバノスキャナ5a,5bの目標位置に足し合わせることでガルバノスキャナ5a,5bの目標位置を補正する。補正後の目標位置にガルバノスキャナ5a,5bを位置決めして加工を実行する。ここでは、XYテーブル9を停止させた状態でガルバノスキャナ5a,5bの目標位置を変えて複数の加工穴8を形成する。このとき加工誤差からガルバノスキャナ5a,5bは位置決め後の振動などに起因する誤差を除去するため、位置決めしてから十分時間が経過した後にレーザビーム3をワーク7に照射して加工する。加工完了後、各加工穴8の真上にカメラ41が位置するようにXYテーブル9を移動し、光学系歪補正計画部111からビジョン計測処理部102に撮影のトリガを出力し、カメラ41による撮影および各加工穴8の位置のビジョン計測処理部102による計測を行い、加工誤差を抽出する。すなわち、カメラ41が撮影する計測点は各加工穴8となる。減算器106は、ビジョン計測処理部102で計測した誤差からアッベ誤差推定部77で計算されたヨーイングによる誤差を減ずることにより、ビジョン計測処理部102で計測した誤差を補正する。減算器106が出力した各加工穴8のヨーイング計測誤差による補正後の誤差に基づいて、光学系歪補正パラメータ算出部112は、光学系歪補正パラメータを以下の方法で算出する。光学系の歪の特性を表現するひとつの方法として、レーザ照射目標位置と実際の加工位置の多項式近似で表現する方法がある。
ここで、ガルバノスキャナ5a,5bの本来の目標位置を(xci,yci)、計測した加工穴8の位置を(xmi,ymi)として、加工穴8の位置に基づいて目標位置を近似する補正式を考える。補正式によって求められる推定目標位置(xci’,yci’)は、以下の数式(28)および数式(29)のように与える。ここで、iは加工点すなわち加工穴8の番号である。数式(28)および数式(29)は、補正式の一例であり、多項式の次数および形式は、以下に限定されない。
Figure 0006422622
Figure 0006422622
最小二乗法を使って、数式(28)および数式(29)の係数ax0〜ax9、ay0〜ay9を決定する。目標位置(xci,yci)と推定目標位置(xci’,yci’)の差の二乗和は以下の数式(30)および数式(31)で表される。ここで、Nは、光学系歪特性把握試験における加工点の数である。
Figure 0006422622
Figure 0006422622
そして、数式(30)および数式(31)が最小になるように光学系歪補正パラメータである係数ax0〜ax9、ay0〜ay9を光学系歪補正パラメータ算出部112が決定する。したがって以下の数式(32)および数式(33)が成り立つ。ここでnは係数の番号でn=0〜9である。
Figure 0006422622
Figure 0006422622
ここで行列X、X、Y、A、Aを以下の数式(34)〜数式(38)のように定義する。
Figure 0006422622
Figure 0006422622
Figure 0006422622
Figure 0006422622
Figure 0006422622
そして、数式(32)および数式(33)を数式(34)〜数式(38)を用いて整理すると以下の数式(39)および数式(40)が得られる。
Figure 0006422622
Figure 0006422622
したがって、数式(37)および数式(38)に示した補正式の係数ベクトルA、Aは、以下の数式(41)および数式(42)のように与えられる。
Figure 0006422622
Figure 0006422622
加工試験の結果をもとに上記の方法で多項式近似の係数ベクトルA、Aを決定する。係数ベクトルA、Aが求められたので加工穴8の位置(xmi,ymi)から推定目標位置(xci’,yci’)を求めることが可能となる。上記したように最小二乗法を用いて近似しているので、推定目標位置(xci’,yci’)は目標位置(xci,yci)とほぼ同じ位置になっている。したがって、推定目標位置(xci’,yci’)をガルバノスキャナ5a,5bの目標位置にしてレーザビーム3を照射すれば加工位置は(xmi,ymi)に近い位置になるはずである。そこで、数式(28)および数式(29)の加工穴8の位置(xmi,ymi)に、ガルバノスキャナ5a,5bの本来の目標位置(xci,yci)を代入して、以下の数式(43)および数式(44)のように新しい目標位置(xci”,yci”)を求める。
Figure 0006422622
Figure 0006422622
数式(43)および数式(44)により得られた新しい目標位置(xci”,yci”)をガルバノスキャナ5a,5bの目標位置として加工を行うことで、ガルバノスキャナ5a,5bの本来の目標位置(xci,yci)付近を加工することができる。
光学系歪特性把握試験における計測時にヨーイング計測誤差補正手段105を用いてXYテーブル9のヨーイングの影響を排除することで、光学系の歪を補正する多項式の係数が正確に求められ、求めた係数を用いて加工時に光学系歪補正処理部64がガルバノスキャナ5a,5bの目標位置を補正することにより加工精度の改善ができる。
図18の実施の形態4にかかるレーザ加工装置1dと実施の形態3にかかるレーザ加工装置1cとの差異は、加算器78の出力を光学系歪補正処理部64に入力し、光学系歪補正パラメータ算出部112が求めた光学系歪補正パラメータである係数ax0〜ax9、ay0〜ay9と数式(43)および数式(44)を使ってガルバノスキャナ5a,5bの本来の目標位置(xci,yci)を補正して、ガルバノスキャナ5a,5bの新しい目標位置を生成する点である。このような仕組みにすることで、ワーク7の回転および伸縮、XYテーブル9のヨーイング、fθレンズ6などの光学系に歪がある場合において、これらをオンラインで補正しながら加工を行うことが可能である。
以上説明したように実施の形態4にかかるレーザ加工装置1dによれば、fθレンズ6といった光学系の歪による誤差を補正する光学系歪補正処理部64を備えることにより、光学系歪特性把握試験の加工時にヨーイング加工誤差補正手段79によるガルバノスキャナ5a,5bの目標位置の補正を行い、加工穴8の計測時にヨーイング計測誤差補正手段105によるカメラ41の計測誤差の補正を行い、光学系歪補正パラメータ算出部112で光学系歪補正パラメータを決定することで、加工穴8の計測誤差からヨーイングによる誤差を除去して、レーザ加工装置1dの光学系の歪特性を正確に把握して補正することができ、加工誤差の低減が可能となる。
また、ヨーイング角度演算処理部80の代わりに、実施の形態2のヨーイング角度演算処理部81を用いても実施の形態4にかかるレーザ加工装置1dと同様の機能を実現することが可能である。
実施の形態5.
図19は、本発明の実施の形態5にかかるレーザ加工装置1nの斜視図である。図20は、実施の形態5にかかるステージ特性把握試験におけるレーザ加工装置1nのブロック図である。図21は、実施の形態5にかかるレーザ加工装置1nにおいて制御部205をブロック図で示した図である。
実施の形態5にかかるレーザ加工装置1nは、図15および図16に示した実施の形態3のレーザ加工装置1cにステージ補正計画部301、ステージ補正テーブル算出部302およびステージ補正処理部303が追加されている。図20に示すレーザ加工装置1nでは、ステージ特性把握試験のために必要なブロックが示されている。図20では、図15のレーザ加工装置1cにステージ補正計画部301およびステージ補正テーブル算出部302が追加されているが、ステージ補正処理部303、アッベ誤差推定部305といったステージ特性把握試験で不要なブロックの記載は省かれている。図21に示すレーザ加工装置1nでは、制御部205に実施の形態4で説明した光学系歪補正処理部64も追加して示しているが、ステージ特性把握試験のために追加されたステージ補正計画部301、ステージ補正テーブル算出部302といったブロックは省いてある。したがって、図21に示す制御部205は、実施の形態4で説明した図18の制御部204にステージ補正処理部303がさらに追加されている。ここで、図21のステージ補正処理部303、アッベ誤差推定部305および加算器78は、残存アッベ誤差推定部308を構成する。図20において、図15と同一符号のブロックは同じ機能を有している。図21において、図18と同一符号のブロックは同じ機能を有している。また、アッベ誤差推定部305は図18のアッベ誤差推定部77と同じ機能を有している。
実施の形態5においては、XYテーブル9の位置とX軸方向およびY軸方向における誤差との関係を予め把握するステージ特性把握試験を実施する。予め定められた位置に計測点であるアライメントマーク306が設けられた基準平板307をトップテーブル20上に配置する。基準平板307のサイズは補正したいエリアのサイズとする。基準平板307には、温度変化に対する膨張伸縮がほぼ無いものとするために、材料として低膨張ガラスなどを使用する。そして、基準平板307のアライメントマーク306は、それぞれが1μm以下といった位置決め精度であり、高精度に位置決めされて設けられているものとする。
ステージ特性把握試験では、ステージ補正計画部301で生成されたトップテーブル20のX軸目標位置およびY軸目標位置に従って、基準平板307上の各アライメントマーク306をビジョンセンサであるカメラ41で撮影できるようにXYテーブル9を移動させる。撮影可能な位置にトップテーブル20が移動したら、ビジョン計測処理部102がカメラ41に各アライメントマーク306を撮影させて各アライメントマーク306の位置誤差の計測を実施する。図示していないが、カメラ41はビジョン計測処理部102に接続されている。
各アライメントマーク306を撮影したときの、ビジョン計測処理部102によって求められた位置誤差であるX軸誤差およびY軸誤差、X軸ヨーイング角度演算処理部75により計算されるX軸ヨーイング角度、Y軸ヨーイング角度演算処理部76により計算されるY軸ヨーイング角度、X軸リニアエンコーダ25aの検出位置およびY軸リニアエンコーダ27aの検出位置といったデータがステージ補正テーブル算出部302に送られる。ここでは、X軸リニアエンコーダ25aをX軸メインエンコーダとし、X軸リニアエンコーダ25bをX軸サブエンコーダとし、Y軸リニアエンコーダ27aをY軸メインエンコーダとし、Y軸リニアエンコーダ27bをY軸サブエンコーダとする。ステージ補正テーブル算出部302は、受け取った上記データに基づいて、ステージ補正テーブル304を作成する。ステージ補正テーブル304においては、X軸誤差およびY軸誤差がそれぞれ位置に対するX軸補正量EgXおよびY軸補正量EgYとして設定されている。そして、ステージ補正テーブル304においては、X軸リニアエンコーダ25aの検出位置およびY軸リニアエンコーダ27aの検出位置に、ステージ特性把握試験で得たX軸補正量EgX、Y軸補正量EgY、X軸ヨーイング角度θおよびY軸ヨーイング角度Φが対応付けられている。ステージ補正テーブル算出部302によって作成されたステージ補正テーブル304は、図21のステージ補正処理部303内に保持される。ステージ特性把握試験が完了したら基準平板307はトップテーブル20上から取り除かれる。
レーザ加工装置1nがワーク7を加工する際は、トップテーブル20を目標位置まで移動させ、そのときのX軸リニアエンコーダ25aの検出位置およびY軸リニアエンコーダ27aの検出位置に応じて、ステージ補正処理部303は自らが保持しているステージ補正テーブル304からX軸補正量EgX、Y軸補正量EgY、X軸ヨーイング角度θおよびY軸ヨーイング角度Φを抽出する。ここで、X軸リニアエンコーダ25aの検出位置およびY軸リニアエンコーダ27aの検出位置がステージ補正テーブル304に記載されている位置と完全に一致しない場合は、ステージ補正処理部303は補間処理を行っても良い。
さらに、X軸リニアエンコーダ25a,25bおよびY軸リニアエンコーダ27a,27bの現在の検出位置に基づいて、ヨーイング角度演算処理部80のX軸ヨーイング角度演算処理部75およびY軸ヨーイング角度演算処理部76がX軸ヨーイング角度θおよびY軸ヨーイング角度φを算出する。そして、ステージ補正処理部303は、上記X軸ヨーイング角度θおよびY軸ヨーイング角度φと、ステージ特性把握試験で得たX軸ヨーイング角度θおよびY軸ヨーイング角度Φとを比較してヨーイング角度のずれΔθおよびΔΦを以下の数式(45)および数式(46)のように計算する。
Figure 0006422622
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ヨーイング角度のずれΔθおよびΔΦを求める必要があるのは、加工毎にX軸、Y軸サブエンコーダの検出位置が異なる可能性があるからである。トップテーブル20が目標位置に止まっている場合を想定すると、X軸、Y軸メインエンコーダの検出位置は必ず目標位置に一致しているが、X軸、Y軸サブエンコーダの検出位置は力がつりあう位置で止まっているだけで、検出位置が加工毎に異なる可能性がある。このことが原因となって、ステージ特性把握試験をしたときとワーク7を加工するときとでヨーイング角度に差が生じる場合がある。加工毎にヨーイング角度がずれることで加工毎にアッベ誤差が異なることになる。そこで、ステージ補正処理部303は、X軸補正量EgX、Y軸補正量EgY、ヨーイング角度のずれΔθおよびΔΦをアッベ誤差推定部305に送る。アッベ誤差推定部305には、さらにX軸、Y軸メインエンコーダの検出位置が与えられ、ワーク補正処理部62からワーク補正処理後のガルバノスキャナ5a,5bの目標位置の情報が送られている。アッベ誤差推定部305は、与えられた以上の情報に基づいてさらに補正を加えたX軸補正量EおよびY軸補正量Eを以下の数式(47)および数式(48)のように計算する。
Figure 0006422622
Figure 0006422622
そして、アッベ誤差推定部305が求めたX軸補正量EおよびY軸補正量Eとワーク補正処理後のガルバノスキャナ5a,5bの目標位置とが加算器78で加算されることにより、ワーク補正処理後のガルバノスキャナ5a,5bの目標位置に対してヨーイング角度のずれによる補正が行われる。
以上説明したように、実施の形態5にかかるレーザ加工装置1nは、基準平板307上のアライメントマーク306をカメラ41で計測したときのX軸誤差、Y軸誤差およびヨーイング角度をX軸、Y軸メインエンコーダの検出位置に対応付けたステージ補正テーブル304を求めるステージ補正テーブル算出部302を備える。そして、レーザ加工装置1nは、ステージ補正テーブル304、X軸、Y軸メインエンコーダの検出位置、加工点の位置に基づいて、ガルバノスキャナ5a,5bの目標位置を補正する残存アッベ誤差推定部308をさらに備える。これにより、レーザ加工装置1nは、加工毎にずれが発生した場合においても、ステージ特性把握試験から得た補正量をさらに修正することで高精度な加工を実現することが可能となる。
上記説明において、ステージ補正テーブル304は、X軸リニアエンコーダ25aの検出位置およびY軸リニアエンコーダ27aの検出位置に、アライメントマーク306をカメラ41で計測したときの誤差、X軸ヨーイング角度θおよびY軸ヨーイング角度Φを対応させた構成であるとした。しかし、X軸ヨーイング角度θおよびY軸ヨーイング角度Φの代わりにX軸リニアエンコーダ25bの検出位置およびY軸リニアエンコーダ27bの検出位置を用いても良い。この場合、ステージ補正処理部303は、加工毎のヨーイング角度のずれを、数式(1)または数式(2)のように求める。すなわち、ステージ補正処理部303は、加工毎のヨーイング角度のずれを、X軸リニアエンコーダ25a,25bによる検出位置の差およびY軸リニアエンコーダ27a,27bによる検出位置の差をそれぞれエンコーダ間の距離で除することで求める。また、図20および図21のヨーイング角度演算処理部80の代わりに、実施の形態2で説明した図13のヨーイング角度演算処理部81を用いても上記で説明した機能を実現することが可能である。
実施の形態6.
図22は、実施の形態6にかかるレーザ加工装置1eの斜視図である。実施の形態1から実施の形態5までは、ワーク7が1個、加工ヘッド4が1個の場合を考えていたが、ワーク7が複数個、加工ヘッド4が複数個ある場合においてもXYテーブル9のヨーイングの影響を補正することが可能である。図22のレーザ加工装置1eは、2個のワークであるワーク7a,7bと、2個の加工ヘッドである加工ヘッド4a,4bを備える。加工ヘッド4aは、ガルバノスキャナ5a,5bを備え、加工ヘッド4bは、ガルバノスキャナ5c,5dを備える。
さらに、ワーク7aの保持台であるワーク保持台L121およびワーク7bの保持台であるワーク保持台R122がトップテーブル20上に設けられている。ワーク保持台L121上にワーク7aが載置され、ワーク保持台R122上にワーク7bが載置されている。2個の加工ヘッド4a,4bは、それぞれ各ワーク7a,7bの加工を行う。ワーク保持台L121およびワーク保持台R122を設けるのはワーク毎に固定処理などが行えるようにするためである。
レーザ加工装置1eにおいては、ワーク7a,7bをそれぞれ加工するため、トップテーブル20の中央を原点としたときに加工点である加工穴8a,8bの座標が異なる。ヨーイングの補正量は、X軸ヨーイング角度、Y軸ヨーイング角度、XYテーブル9の位置、加工点の位置で決まるため加工点の座標が異なると補正量が異なる。したがって、複数の加工ヘッド4a,4bを有して、同時に複数の加工穴8a,8bを形成するレーザ加工装置1eにおいては、加工点に応じてヨーイングに起因する加工誤差を補正するための補正量を変化させる必要がある。
同様にカメラ41a,41bで加工穴8a,8b、アライメントマークといった計測対象を計測する際には、計測対象に応じて、ヨーイングに起因する計測誤差を補正するための補正量を変化させる必要がある。
さらに、ワーク保持台L121およびワーク保持台R122におけるワーク7aおよびワーク7bの支持状態の違いなどによりワーク保持台L121およびワーク保持台R122それぞれの移動量および姿勢がμmオーダで異なる。すなわち、実施の形態2で説明したように校正用位置センサとしてレーザ干渉計31を用いてY軸方向の移動距離を計測するとき、ワーク保持台L121にビームスプリッタ33および可動側ミラー34を載せて計測した場合と、ワーク保持台R122にビームスプリッタ33および可動側ミラー34を載せて計測した場合とでは定性的に同じような結果になるが定量的には計測結果が数μmだけ異なる。そのため、実施の形態2のY軸メインセンサ校正テーブル900およびY軸サブセンサ校正テーブル870をワーク保持台L121およびワーク保持台R122のそれぞれに対して備える必要がある。ワーク保持台L121およびワーク保持台R122でセンサ校正テーブルが異なるので、Y軸リニアエンコーダ27a,27bで検出する検出位置は同じでも算出されるY軸ヨーイング角度が左右に配置されたワーク保持台L121およびワーク保持台R122で異なることになる。
図23は、実施の形態6にかかる複数個のワーク保持台を載置したXYテーブル9の平面図である。図23は、2個のワーク7a,7bに対して、それぞれ加工ヘッド4a,4bで加工および計測する状況を示す。ワーク7aの加工点51aの座標を(a,b)、ワーク7bの加工点51bの座標を(a,b)、ワーク7aのレーザ照射位置53aの座標を(p,q)、ワーク7bのレーザ照射位置53bの座標を(p,q)とする。図23は、レーザ照射位置53a,53bの真下に加工点51a,51bがくるようにXYテーブル9を移動させた場合を示しており、X軸のヨーイング角θ、ワーク保持台L121のY軸ヨーイング角度φおよびワーク保持台R122のY軸ヨーイング角度φが生じた場合、ワーク7aのヨーイングによる加工誤差(EX1,EY1)、ワーク7bのヨーイングによる加工誤差(EX2,EY2)は以下の数式(49)および数式(50)のようになる。
Figure 0006422622
Figure 0006422622
このように、加工点51a,51b、レーザ照射位置53a,53b、ワーク7aを載置するワーク保持台L121およびワーク7bを載置するワーク保持台R122それぞれのヨーイング角度に応じてアッベ誤差の値が変化する。したがって、ヨーイング角度演算処理部81は、ワーク保持台毎にヨーイング角度を求めて、ヨーイング加工誤差補正手段79は、ワーク保持台毎に加工点におけるレーザ照射位置の誤差を加工誤差(EX1,EY1)および加工誤差(EX2,EY2)のように推定する。そして、ガルバノスキャナ5a,5bの目標位置は加工誤差(EX1,EY1)で補正し、ガルバノスキャナ5c,5dの目標位置は加工誤差(EX2,EY2)で補正する。
加工穴8a,8bを計測する際には、カメラ41a,41bで加工穴を計測できるようにXYテーブル9を移動して、計測を行う。その際に、加工時と同様にヨーイング角度演算処理部81は、ワーク保持台毎にヨーイング角度を求めて、ヨーイング計測誤差補正手段105は、ワーク保持台毎に加工穴8a,8bの計測誤差を推定する。この方法は、ヨーイング角度演算処理部80,81を含む実施の形態1〜5のいずれの場合においても応用が可能である。
以上説明したように、XYテーブル9上にワーク保持台L121およびワーク保持台R122を備えた実施の形態6にかかるレーザ加工装置1eにおいては、ワーク保持台L121およびワーク保持台R122のそれぞれにおいてリニアエンコーダのメインセンサ校正テーブルおよびサブセンサ校正テーブルを求める。そして、加工および計測の各状況において、ヨーイング角度演算処理部81はワーク保持台毎にヨーイング角度を求める。加工時はXYテーブル9の位置、加工点51a,51bの位置および各ワーク保持台のヨーイング角度に応じてヨーイング加工誤差補正手段79による加工点51a,51bでの誤差の補正を行う。計測時はXYテーブル9の位置、計測点の位置および各ワーク保持台のヨーイング角度に応じてヨーイング計測誤差補正手段105による計測点での計測誤差の補正とが実行されることで、レーザ加工装置1eは良好な加工精度で加工と計測を行うことが可能となる。これにより、ワーク保持台毎にヨーイングの特性が異なる場合においてもヨーイングによる誤差を除去することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1a,1b,1c,1d,1e,1n レーザ加工装置、2 レーザ発振器、3 レーザビーム、4,4a,4b 加工ヘッド、5 レーザ走査装置、5a,5b,5c,5d ガルバノスキャナ、6,6a,6b fθレンズ、7,7a,7b ワーク、8,8a,8b 加工穴、9 XYテーブル、10 ベッド、11 X軸サーボモータ、12 X軸ボールねじ、13 Y軸サドル、14 X軸ナット、15 X軸可動部、16 X軸リニアガイド、17 X軸ガイドブロック、18 Y軸サーボモータ、19 Y軸ボールねじ、20 トップテーブル、21 Y軸ナット、22 Y軸可動部、23 Y軸リニアガイド、24 Y軸ガイドブロック、25,25a,25b X軸リニアエンコーダ、26,26a,26b X軸エンコーダヘッド、27,27a,27b Y軸リニアエンコーダ、28,28a,28b Y軸エンコーダヘッド、29 スキャンエリア、31 レーザ干渉計、32 レーザ光、33 ビームスプリッタ、34 可動側ミラー、35 固定側ミラー、41,41a,41b カメラ、42,306 アライメントマーク、51,51a,51b 加工点、52 トップテーブル中央、53,53a,53b レーザ照射位置、61 加工計画処理部、62 ワーク補正処理部、64 光学系歪補正処理部、65 X軸テーブル位置指令生成部、66 X軸テーブル制御部、67 Y軸テーブル位置指令生成部、68 Y軸テーブル制御部、69 X軸ガルバノスキャナ位置指令生成部、70 X軸回転角指令生成部、71 X軸回転角制御部、72 Y軸ガルバノスキャナ位置指令生成部、73 Y軸回転角指令生成部、74 Y軸回転角制御部、75 X軸ヨーイング角度演算処理部、76 Y軸ヨーイング角度演算処理部、77,305 アッベ誤差推定部、78,91〜94 加算器、79 ヨーイング加工誤差補正手段、80,81 ヨーイング角度演算処理部、82 X軸メインセンサ校正部、83 X軸メインセンサ補正処理部、85 X軸サブセンサ校正部、87 Y軸サブセンサ校正部、88 Y軸メインセンサ補正処理部、90 Y軸メインセンサ校正部、101 ワーク補正計画部、102 ビジョン計測処理部、103 ワーク補正パラメータ算出部、104,106 減算器、105 ヨーイング計測誤差補正手段、111 光学系歪補正計画部、112 光学系歪補正パラメータ算出部、121 ワーク保持台L、122 ワーク保持台R、201〜205 制御部、301 ステージ補正計画部、302 ステージ補正テーブル算出部、303 ステージ補正処理部、304 ステージ補正テーブル、307 基準平板、308 残存アッベ誤差推定部、820 X軸メインセンサ校正テーブル、850 X軸サブセンサ校正テーブル、870 Y軸サブセンサ校正テーブル、900 Y軸メインセンサ校正テーブル。

Claims (8)

  1. 被加工物上でのレーザビームの照射位置を変更するレーザ走査装置と、少なくとも2以上の駆動軸を有し前記レーザ走査装置と前記被加工物との相対位置を変更する並進ステージとを備え、前記レーザ走査装置の前記駆動軸毎の目標位置および前記並進ステージの前記駆動軸毎の目標位置に基づいて前記レーザ走査装置および前記並進ステージを制御するレーザ加工装置において、
    前記駆動軸それぞれの方向の前記並進ステージの位置を検出するために、前記駆動軸毎に異なる位置に2個以上ずつ設けられた制御用位置センサと、
    前記制御用位置センサが検出した前記並進ステージの検出位置に基づいて前記並進ステージの前記駆動軸毎のヨーイング角度を求めるヨーイング角度演算処理部と、
    前記制御用位置センサが検出した前記並進ステージの前記駆動軸毎の検出位置、加工点の前記駆動軸毎の位置、前記制御用位置センサの配置および前記ヨーイング角度に基づいて、前記加工点における前記照射位置の前記駆動軸毎の誤差を推定し、前記レーザ走査装置の前記駆動軸毎の目標位置を前記駆動軸毎の前記誤差で補正するヨーイング加工誤差補正手段と、
    を備える
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記ヨーイング角度演算処理部は、前記検出位置に対応する補正量を示すセンサ校正テーブルを前記制御用位置センサ毎に備え、前記センサ校正テーブルを用いて前記検出位置を校正し、校正した前記検出位置に基づいて前記駆動軸毎の前記ヨーイング角度を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 計測点を撮影するビジョンセンサと、
    前記計測点の位置を求めるビジョン計測処理部と、
    前記検出位置および前記ヨーイング角度から前記計測点の計測誤差を推定し、前記計測点の位置を前記計測誤差で補正するヨーイング計測誤差補正手段と、
    をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記計測点は前記被加工物に設けられたアライメントマークであり、
    前記ヨーイング計測誤差補正手段が補正した前記計測点の位置に基づいて求めたパラメータを用いて前記レーザ走査装置の前記駆動軸毎の目標位置および前記並進ステージの前記駆動軸毎の目標位置を補正するワーク補正処理部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記計測点を複数の加工点としたときの前記ヨーイング計測誤差補正手段が補正した前記計測点の位置に基づいて光学系歪補正パラメータを決定する光学系歪補正パラメータ算出部と、
    前記光学系歪補正パラメータに基づいて、前記レーザ走査装置の前記駆動軸毎の目標位置を補正する光学系歪補正処理部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項またはに記載のレーザ加工装置。
  6. 前記並進ステージは、前記被加工物の保持台を複数備え、
    前記ヨーイング角度演算処理部は、前記保持台毎に前記ヨーイング角度を求める
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のレーザ加工装置。
  7. 被加工物上でのレーザビームの照射位置を変更するレーザ走査装置および前記レーザ走査装置と前記被加工物との相対位置を変更する並進ステージを前記レーザ走査装置の目標位置および前記並進ステージの目標位置に基づいて制御するレーザ加工装置において、
    前記並進ステージの少なくとも1つの駆動軸に対して当該駆動軸方向の位置を検出するために異なる位置に設けられた2個以上の制御用位置センサと、
    前記制御用位置センサが検出した前記並進ステージの検出位置に基づいてヨーイング角度を求めるヨーイング角度演算処理部と、
    計測点を撮影するビジョンセンサと、
    前記計測点の位置を求めるビジョン計測処理部と、
    前記検出位置および前記ヨーイング角度から前記計測点の計測誤差を推定し、前記計測点の位置を前記計測誤差で補正するヨーイング計測誤差補正手段と、
    前記制御用位置センサが検出した前記検出位置に、基準平板の前記計測点を前記ビジョンセンサで撮影して得られた位置誤差および前記ヨーイング角度が対応付けられたステージ補正テーブルを作成するステージ補正テーブル算出部と、
    前記ステージ補正テーブル、前記制御用位置センサの検出位置、加工点の位置に基づいて、前記レーザ走査装置の目標位置を補正する残存アッベ誤差推定部と、
    を備える
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
  8. 前記並進ステージは、互いに直交する2つの前記駆動軸としてX軸およびY軸を有し、
    前記X軸に配置された前記制御用位置センサとしてX軸メインエンコーダおよびX軸サブエンコーダを備え、
    前記Y軸に配置された前記制御用位置センサとしてY軸メインエンコーダおよびY軸サブエンコーダを備え、
    前記ヨーイング角度演算処理部は、
    前記X軸メインエンコーダの検出位置および前記X軸サブエンコーダの検出位置からX軸ヨーイング角度を求めるX軸ヨーイング角度演算処理部と、
    前記Y軸メインエンコーダの検出位置および前記Y軸サブエンコーダの検出位置からY軸ヨーイング角度を求めるY軸ヨーイング角度演算処理部と、
    を有し、
    前記ヨーイング加工誤差補正手段は、
    前記加工点における前記照射位置の前記X軸の方向の前記誤差であるX軸誤差を、前記Y軸メインエンコーダが検出した前記並進ステージの前記Y軸の方向の位置、前記加工点の前記Y軸の方向の位置、前記X軸メインエンコーダの配置、前記X軸ヨーイング角度および前記Y軸ヨーイング角度から求め、
    前記加工点における前記照射位置の前記Y軸の方向の前記誤差であるY軸誤差を、前記加工点の前記X軸の方向の位置、前記Y軸メインエンコーダの配置、前記X軸ヨーイング角度および前記Y軸ヨーイング角度から求め、
    前記レーザ走査装置の前記X軸の前記目標位置および前記Y軸の前記目標位置を、それぞれ前記X軸誤差および前記Y軸誤差で補正する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のレーザ加工装置。
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