JP2009092486A - 平面度測定装置および平面度測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定機構(測定子)などに振動や機械的歪みが生じても、正確に被測定材の平面度を測定することができる平面度測定装置および測定方法を提供すること。
【解決手段】被測定材3の表面の変位を測定する第一の変位測定手段11と、表面の平行度および/または表面のプロフィールが既知である標準プレート15aと、標準プレート15aの表面の変位を測定する第二の変位測定手段12と、を備え、第一の変位測定手段11と前記第二の変位測定手段12は一体的に結合しており、第一の変位測定手段11による被測定材3の表面の変位の測定と前記第二の変位測定手段12による標準プレート15aの表面に変位の測定とは同時に行うことができるとともに、前記第一の変位測定手段11の測定値に前記第二の変位測定手段の測定値12を加算および/または減算し、該加算結果または該減算結果から被測定材3の平面度を算出する平面度演算手段をさらに備える。
【選択図】図1
【解決手段】被測定材3の表面の変位を測定する第一の変位測定手段11と、表面の平行度および/または表面のプロフィールが既知である標準プレート15aと、標準プレート15aの表面の変位を測定する第二の変位測定手段12と、を備え、第一の変位測定手段11と前記第二の変位測定手段12は一体的に結合しており、第一の変位測定手段11による被測定材3の表面の変位の測定と前記第二の変位測定手段12による標準プレート15aの表面に変位の測定とは同時に行うことができるとともに、前記第一の変位測定手段11の測定値に前記第二の変位測定手段の測定値12を加算および/または減算し、該加算結果または該減算結果から被測定材3の平面度を算出する平面度演算手段をさらに備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、平面度測定装置および平面度測定方法に関するものであり、詳しくは、レーザなどによって、ワークの表面の平面度を測定する平面度測定装置および平面度測定方法に関するものである。
鋼材などの被測定材の表面の平行度を測定する装置および方法としては、たとえばレーザ干渉計方式の平面度測定装置および測定方法が用いられている(特許文献1参照)。レーザ干渉計方式の平面度測定装置および測定方法は、レーザの光路長の変化に対応する干渉縞の変化から変位を測定することにより、被測定材の平面度を測定するというものである。レーザ干渉計方式の平面度測定装置および測定方法によれば、高精度に被測定材の平面度を測定することができる。
しかしながら、レーザ干渉計方式による平面度測定装置および測定方法は、クリーンルーム内などの、特定の環境下でしか用いることができないものがある。また、レーザ干渉計方式による平面度測定装置には、測定レンジ(測定面の広さ、高さ方向の測定範囲)などに制限があることがある。このほか、レーザ干渉計方式による平面度測定装置は、一般的に高価である。
被測定材の平面度を測定する平面度測定装置としては、変位計がX−Yステージに装着された構成のものがある(特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)。このような構成の平面度測定装置においては、この変位計によって変位(すなわち被測定材の表面の凹凸)を測定することにより、被測定材の平面度を測定することができる。
平面度の測定の精度を向上を図る構成としては、たとえば特許文献5に記載のような構成がある。特許文献5に記載の構成は、面内移動部の誤差を補正するための補正ユニットを備え、この補正手段が被測定材との真の距離を演算することにより、測定精度の向上を図るものである。また、X軸方向とY軸方向に移動できる測定機構を備える構成において、測定治具の熱膨張による測定誤差や機械的な誤差を排除して精密な測定ができるような計算を行うものがある。
このような構成によれば、被測定材の平面度を精度よく測定することができる。しかしながらこれらの測定装置および測定方法においては、X−Yステージの振動(すなわち測定機構の振動)などの影響による誤差が考慮されていない。このため、測定機構と被測定材との間の距離が(時間的に)変化することがある。したがって、X−Yステージなどに振動が生じると、測定誤差が生じるおそれがある。また、ステージ自体に機械的な歪みが生じると、測定結果に悪影響を与えるおそれもある。
上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、測定機構(測定子)などに振動や機械的歪みが生じても、正確に被測定材の平面度を測定することができる平面度測定装置および測定方法を提供することである。
前記課題を解決するため、本発明は、被測定材の表面の変位を測定する第一の変位測定手段と、表面の平行度および/または表面のプロフィールが既知である標準プレートと、該標準プレートの表面の変位を測定する第二の変位測定手段と、を備え、前記第一の変位測定手段と前記第二の変位測定手段は一体的に結合しており、前記第一の変位測定手段による被測定材の表面の変位の測定と前記第二の変位測定手段による標準プレートの表面に変位の測定とは同時に行うことができるとともに、前記第一の変位測定手段の測定値に前記第二の変位測定手段の測定値を加算および/または減算し、該加算結果または該減算結果から被測定材の平面度を算出する平面度演算手段をさらに備えること要旨とするものである。
ここで、前記第二の変位測定手段は前記標準プレートに対向するように配設されるとともに、前記第一の変位測定手段の測定方向は、前記第二の変位測定手段の測定方向と180°異なる方向であることが好ましい。
また、前記標準プレートは光エネルギを透過できる材料からなり、第一の変位測定手段と第二の変位測定手段の測定方向は同じであり、第一の変位測定手段は標準プレートを透過して被測定材の表面の変位を測定できるものであってもよい。
また、前記標準プレートは、特定の波長の光エネルギを反射できるように表面処理が施してなり、前記第一の変位測定手段は前記特定の波長とは異なる波長の光エネルギを照射して前記標準プレートを透過して前記被測定材の表面の変位を測定できるとともに、前記第二の変位測定手段は、前記特定の波長の光エネルギを照射して前記標準プレートの前記表面処理が施された面の変位を測定できることが好ましい。
ここで、前記第一の変位測定手段および第二の変位測定手段には、レーザ式変位計が適用できる。
本発明は、第一の変位測定手段によって被測定材の表面の変位を行うと同時に、第二の変位測定手段によって表面の平行度および/または表面のプロフィールが既知である標準プレートの表面の変位を測定し、平面度演算手段によって、前記第一の変位測定手段の測定値に前記第二の変位測定手段の測定値を加算または減算し、該加算結果または減算結果から被測定材の平面度を算出することを要旨とするものである。
本発明によれば、第一の変位測定手段と第二の変位測定手段の振動などによる変位は相殺されるから、測定誤差を少なくすることができ、平面度を正確に測定することができる。
以下に、本発明の各種実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第一実施形態にかかる平面度測定装置1aの要部の構成を、模式的に示した外観斜視図である。図1に示すように、本発明の第一実施形態にかかる平面度測定装置1aは、第一の変位測定手段11と、第二の変位測定手段12と、X軸スライダ13と、Y軸スライダ14と、標準プレート15aと、被測定材載置台16と、を備える。
第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12は、それぞれ対象物(それぞれ被測定材3と標準プレート15a)の表面の変位を測定することができる。具体的には、たとえばレーザ式の変位計が適用できる。レーザ変位計のレーザとしては、たとえば青色レーザ(波長:408nm)や赤色レーザ(波長:670nm)などが適用できる。そして、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12には同じ変位計が適用でき、背中合わせに(すなわち、第一の変位測定手段と第二の変位測定手段とでは、測定方向が180°異なるように)一体的に結合される。このため、それぞれ反対向きにレーザを照射して所定の対象物の表面の変位を測定することができる。そして、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12とは、一体的に結合されているから、一体的に変位や振動をする。
X軸スライダ13、Y軸スライダ14は、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12との結合体を、それぞれX軸方向、Y軸方向に移動させることができる。これらX軸スライダ13やY軸スライダ14には、サーボモータなどで駆動する公知の各種スライダが適用できる。したがって、詳細な説明は省略する。
標準プレート15aは、既知の平面度または既知の表面プロフィールを有する面をもつ部材である。そしてこの既知の平面度又は既知の表面プロフィールを有する面が、第二の変位測定手段12に対向するように(すなわち、第二の変位測定手段12によって、その表面の変位が測定できるように)設けられる。この標準プレート15aには、各種定盤やセラミックプレートなどが適用できる。なお、この標準プレート15aは、表面の平面度又は表面プロフィールが既知な部材であればよく、材質、材料は限定されるものではない。この標準プレート15aは、図略のフレームなどに固定される。
被測定材載置台16は、平面度の測定対象である被測定材3を載置するための台である。この被測定材載置台16は、被測定材3が載置された状態において、載置された被測定材3と標準プレート15aとが、平行に対向するように構成される。この被測定材載置台16も、図略のフレームなどに固定される。なお、この被測定材載置台16は、載置された被測定材3をZ軸方向に移動させることができる。この被測定材載置台16には、公知の各種Z軸ステージ(高さを調整できるステージ)などが適用できる。
このように、本発明の第一実施形態にかかる平面度測定装置1aは、X−Y平面に平行に標準プレート15a(の既知の平面度又は既知の表面プロフィールを有する面)が配設されるとともに、被測定材3も、その測定対象面がX−Y平面に平行になるように、被測定材載置台16に載置することができる。
そして、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12とが、標準プレート15aと被測定材載置台16(すなわち被測定材3)との間に配設され、X−Y平面に平行な面内を移動することができる。したがって、第一の変位測定手段11は、被測定材載置台16に載置された被測定材3の表面の変位を、たとえばX軸方向に走査しつつ測定することができる。一方、第二の変位測定手段12は、標準プレート15aの表面の変位を走査しつつ測定することができる。なお、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12は、同時に被測定材3または標準プレート15aの表面の変位の測定を行うことができる。
図2は、本発明の第一実施形態にかかる平面度測定装置1aの構成を模式的に示したブロック図である。本発明の第一実施形態にかかる平面度測定装置1aは、さらに、第一の記憶手段17と、第二の記憶手段18と、平面度演算手段19と、出力手段20とを備える。
第一の記憶手段17は、第一の変位測定手段11から得られた被測定材3の表面の変位を記憶することができる。第二の記憶手段18は、第二の変位測定手段12から得られた標準プレート15aの表面の変位を測定することができる。平面度演算手段19は、第一の記憶手段17と第二の記憶手段18に記憶される被測定材3の表面の変位と標準プレート15aの表面の変位とを足し合わすことができる。換言するとこの平面度演算手段19は、被測定材3の表面プロフィールと、標準プレート15aの表面プロフィールとを合成したプロフィールを計算することができる。これらの第一の記憶手段17、第二の記憶手段18、平面度演算手段19、出力手段20は、たとえば、CPU、メモリ(RAMやROM)、表示装置などを備えるパーソナルコンピュータによって実現することができる。
出力手段20は、平面度演算手段19の計算結果を出力することができる。この出力手段には、前記パーソナルコンピュータの表示装置(ディスプレイ)やプリンタなどが適用できる。
本発明の第一実施形態にかかる平面度測定装置1aを用いた平面度測定方法(すなわち本発明の第一実施形態にかかる平面度測定方法)は、次のとおりである。本発明の第一実施形態にかかる平面度測定方法は、振動を補正する段階と、ひずみを補正する段階とを有する。
『振動を補正する段階』においては、第一の変位測定手段11および第二の変位測定手段12の振動に起因する測定誤差を補正する。『ひずみを補正する段階』においては、X軸スライダやY軸スライダのひずみに起因するひずみを補正する。
まず、『振動を補正する段階』について説明する。図3は、第一の変位測定手段11、第二の変位測定手段12、標準プレート15a、被測定材3の相互の位置関係を模式的に示した図である。図3中の矢印aは、平面度測定時における第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12の理想的な軌跡を示す。矢印bは、平面度測定時においてX軸スライダ13やY軸スライダ14が振動した場合の第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12の軌跡を模式的に示す。
被測定材3の平面度を正確に測定するためには、第一の変位測定手段11を、矢印aに示すようにX−Y平面内に平行な面内を移動させることが好ましい。すなわち、平面度測定時において、第一の変位測定手段11はZ軸方向に変位しないことが好ましい。しかしながら、実際には、X軸スライダ13やY軸スライダ14の振動などにより、第一の変位測定手段11がZ軸方向に変位することがある(図中の無印の矢印は、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12のZ方向の振動を模式的に示すものである)。すなわち、第一の変位測定手段11が、図3中の矢印bに示すような軌跡に沿って移動することがある。
図4(a)は、第一の変位測定手段11が取得した、被測定材3の模式的な表面の変位を示し、図4(b)は、第二の変位測定手段12が取得した、標準プレート15aの模式的な表面の変位を示す。また、図4(c)は、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12が取得した表面の変位を足し合わせた(合成した)変位を示す。
X軸スライダ13やY軸スライダ14に振動などが生じると、第一の変位測定手段11から得られる被測定材3の表面の変位は、振動などが生じていない場合における変位(すなわち現実の表面の変位)に、振動などによる変位を加算した変位となる。同様に第二の変位測定手段12から得られる標準プレート15aの表面の変位も、振動などが生じていない場合における表面の変位(すなわち現実の表面の変位)に、振動などによる変位を加算した距離となる。
第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12とは一体的に結合されているから、X軸スライダ13やY軸スライダ14に振動などが生じた場合には、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12は一体的に変位する。すなわち、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12の変位量の絶対値は略等しい。そして、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12とは背中合わせに配設されているから、第一の変位測定手段11が被測定材3に近付く向きに変位すると、第二の変位測定手段12は標準プレート15aから離れる向きに変位し、第一の変位測定手段11が被測定材3から離れる向きに変位すると、第二の変位測定手段12は標準プレート15aに近付く向きに変位する。
ここで、第一の変位測定手段11については、被測定材3から離れる向きの変位をプラスの変位とし、第二の変位測定手段12については、標準プレート15aから離れる向きの変位をマイナスの変位とする。そうすると、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12が振動などした場合における変位量の絶対値は略等しく、変位量のプラス・マイナスが逆になる。すなわち、第一の変位測定手段11が被測定材3に対して+n(単位は高さ。mmやμmなど)だけ変位すると、第二の変位測定手段12は標準プレート15aに対して−n(単位は高さ。mmやμmなど)だけ変位することになる。
したがって、第一の変位測定手段11が取得する被測定材3の表面の変位と、第二の変位測定手段12が取得する標準プレート15aまでの距離を足し合わせると、振動などによる変位の分は打ち消しあってゼロになり、正確な合算値(すなわち現実の表面表面の変位の合算値)が得られる。前記のように、レーザとして波長が408nmの青色レーザや、波長が670nmの赤色レーザを適用すると、±10μm程度の振動を相殺することができる。
そこで、平面度演算手段19は、第一の変位測定手段11から得られて第一の記憶手段17に記憶される被測定材3の表面の変位と、第二の変位測定手段12から得られて第二の記憶手段18に記憶される標準プレート15aの表面の変位を足し合わせる。足し合わされた値は、前記のように、X軸スライダ13やY軸スライダ14の振動や歪みなどによる変位が相殺された値である。標準プレート15aの平面度(または表面プロフィール)は既知であるから、合算された値から標準プレート15aの表面の変位を差し引くと、X軸スライダ13やY軸スライダ14の振動やひずみなどによる変位の影響が除去された被測定材の表面の変位が算出される。
そして平面度演算手段19は、このようにして算出された被測定材3までの表面の変位に基づいて、平面度を計算する。図5は、平面度の測定方法を模式的に示した斜視図である。平面度は、JIS B0182−320によると、「平面でなければならない機械部分の表面の幾何学的平面からの狂いの大きさ。指定された測定面内で、その面上のすべての点が、面の代表平面に平行な二つの平面内にあり、かつ、この平面の間の距離が最小となるときの二つの面の間の距離で表す。この距離が許容値内にあるとき、この面は平面であると見なす。」と定義される。したがって、ここでは、図5に示すように、被測定材3の四隅のうちの3点(a、b、c)を通る平面を代表平面Hとし、この代表面Hに平行でかつ被測定材3の最も高い点を通る平面Hhと、この代表面Hに平行でかつ被測定材3の最も低い点を通る平面Hlとの範囲tをもって平面度とする。
したがって、平面度は、被測定材3の四隅のうちの3点の変位(すなわちZ軸方向位置)と、被測定材3の表面変位(または表面プロフィール)から算出される。すなわち、被測定材3の各点において、測定された変位から代表平面の変位を差し引くと、各点における代表平面からの変位が算出される。この算出結果に基づいて、最も大きい変位と、最も小さい変位との差tを算出する。この値tが被測定材3のZ方向の範囲であり、平面度となる。
次に『ひずみを補正する段階』について説明する。図6は、ひずみの補正を模式的に示した図であり、図6(a)は第一の変位測定手段11および第二の変位測定手段12のX軸方向の軌跡cを模式的に示した図、図6(b)は、第一の変位測定手段11により得られた変位を示した図、図6(c)は第二の変位測定手段12により得られた変位を示した図、図6(d)は、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12の変位を合成(合算)した図であり、図6(b)と図6(c)の値を足し合わせた図である。
X軸スライダ13のひずみによって、第一の変位測定手段11および第二の変位測定手段12の軌跡が直線にならない場合がある。このような場合には、第一の変位測定手段11および第二の変位測定手段12は、たとえば図6(a)に示すような軌跡cを描くことになる。そうすると、第二の変位測定手段12から得られる変位(すなわち標準プレート15aまでの距離)は、図6(b)に示すように円弧状の曲線となる。また、第一の変位測定手段11から得られる変位(すなわち被測定材3までの距離)は、図6(c)に示すように、第二の変位測定手段12とは反対側に凸となるような(すなわち上下反対の)円弧状の曲線となる。
そして、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12から得られた変位を足し合わせても、図6(d)に示すように曲線となる。そこで、この合算値(すなわちZ軸方向の変位)がX軸方向の各位置において、理想的な直線(すなわち、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12の理想的な軌跡)からどの程度離れているかの『ずれ』をあらかじめ算出しておく。
そして、実際に測定された変位から、前記『ずれ』量を差し引く。そうすると、X軸スライダ13のひずみによる測定誤差を相殺することができ、正確な測定を行うことができる。なお、Y軸スライダ14についても同様にずれの補正を行ってもよい。
このように、平面度は、X軸スライダ13やY軸スライダ14の振動やひずみなどによる変位の影響が除去された測定値に基づいて算出されることになる。したがって、誤差のないまたは誤差の少ない正確な平面度を計算することができる。
なお、標準プレート15aの傾きの度合があらかじめ分かっている場合、つまり、周知の測長センサ等を用いて基準面からの傾きが測定できている場合には、その値を差し引くことで、傾きを補正することができる。
次に、本発明の第二実施形態にかかる平面度測定装置1bおよび平面度測定方法について説明する。図7は、本発明の第二実施形態にかかる平面度測定装置1bの要部の構成を、模式的に示した外観斜視図である。
図7に示すように、本発明の第二実施形態にかかる平面度測定装置1bは、第一の変位測定手段11と、第二の変位測定手段12と、X軸スライダ13と、Y軸スライダ14と、標準プレート15bと、被測定材載置台16と、を備える。なお、第一実施形態にかかる平面度測定装置1aと共通する構成については、第一実施形態と同じ符号を付して示し、説明は省略する。
第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12は、それぞれ、対象物の表面の変位を測定することができる。たとえばレーザ式の変位計が適用できる。第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12とは、一体的に固定されており、それぞれ同じ向きにレーザを照射して対象物(標準プレート15bと被測定材3)までの距離を測定することができる。
標準プレート15bは、既知の平面度または既知のプロフィールを有する面をもつ部材である。そして、既知の平面度または既知の表面プロフィールを有する面が、第二の変位測定手段12に対向するように設けられる。この標準プレート15bには、ガラスなどの透明な材料からなる部材が適用される。この標準プレート15bは、図略のフレームなどに固定される。
このように、本発明の第二実施形態にかかる平面度測定装置1bは、X−Y平面に平行となるように標準プレート15bが設けられるとともに、X−Y平面に平行となるように被測定材3を被測定材載置台16に載置することができる。すなわち、本発明の第二実施形態にかかる平面度測定装置1bは、被測定材3が被測定材載置台16に載置された状態において、標準プレート15bの既知の平面度または既知の表面プロフィールを有する面と、被測定材3の測定面とが平行になるように構成される。
そして、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12とが、被測定材載置台16(すなわち被測定材3)と標準プレート15bの上方に配設され、X−Y平面内を移動することができる。第一の変位測定手段11は、標準プレート15bを透過して被測定材載置台16に載置された被測定材3の表面の変位を測定することができる。一方、第二の変位測定手段12は、標準プレート15bの表面の変位を測定することができる。
このほか、本発明の第二実施形態にかかる平面度測定装置1bは、第一の記憶手段17、第二の記憶手段18、平面度演算手段19、出力手段20などを備えるが、これらは、第一実施形態にかかる平面度測定装置1aと同じ構成が適用できるため、説明は省略する。
本発明の第二実施形態にかかる平面度測定装置1bを用いた平面度測定方法は、次のとおりである。
X軸スライダ13やY軸スライダ14に振動やひずみが生じると、第一の変位測定手段11から得られる被測定材3までの距離は、被測定材3の本来の表面の変位に、振動などによる変位を加算した値となる。一方、第二の変位測定手段12から得られる標準プレート15bの表面の変位も、標準プレート15bの本来の表面の変位に、振動などによる変位を加算した値となる。
第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12とは一体的に結合されているから、X軸スライダ13やY軸スライダ14が振動などにより変位した場合において、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12とは一体的に変位する。すなわち、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12の変位量は、絶対値も略等しく、変位の向きも同じである。
そこで、平面度演算手段19は、第一の変位測定手段11から得られて第一の記憶手段17に記憶される被測定材3の表面の変位から、第二の変位測定手段12から得られて第二の記憶手段18に記憶される標準プレート15bの表面の変位を差し引く演算処理を行う。
そうすると、平面度演算手段19により演算された値は、X軸スライダ13やY軸スライダ14の振動や歪みによる測定誤差が打ち消された値となっている。すなわち前記のとおり、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12とは一体的に結合されているから、X軸スライダ13やY軸スライダ14の振動や歪みによる測定誤差は、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12とで同じ値となる。したがって、第一の変位測定手段11から得られて第一の記憶手段17に記憶される被測定材3の表面の変位から、第二の変位測定手段12から得られて第二の記憶手段18に記憶される標準プレート15bの表面の変位を差し引くと、前記測定誤差も差し引かれ、測定誤差が打ち消される。
そして平面度演算手段19は、このようにして算出された被測定材3の表面の変位に基づいて、被測定材3の表面の平面度を計算する。このように、平面度は、X軸スライダ13やY軸スライダ14の振動やひずみなどによる変位の影響が除去された測定値に基づいて算出されることになる。したがって、誤差のないまたは誤差の少ない正確な平面度を計算することができる。
なお、X軸スライダ13のひずみの補正については、第一の実施形態と同じ構成が適用できる。したがって、説明は省略する。
次に、本発明の第三実施形態にかかる平面度測定装置1cおよび平面度測定方法について説明する。本発明の第三実施形態にかかる平面度測定装置1cおよび平面度測定方法は、本発明の第二実施形態にかかる平面度測定装置1bおよび平面度測定方法の変形形態である。したがって、第二の実施形態と異なる部分について説明し、共通する部分は説明を省略する。
標準プレート15cは、既知の平面度または既知の表面プロフィールを有する面をもつ部材である。そして、既知の平面度または既知の表面プロフィールを有する面が、第二の変位測定手段12に対向するように設けられる。この標準プレート15cは、ガラスなどからなる透明な材料からなる。そして、既知の平面度または既知の表面プロフィールを有する面には、特定の波長の光エネルギを反射し、特定の波長の光エネルギは透過するような処理が施してある。たとえば、第二の変位測定手段12に対向する側の表面に、誘導体反射膜がコーティングされてなる。この誘導体反射膜の厚さは、たとえば600nm以上の波長のレーザ光を透過し、それ以下の波長のレーザ光を反射する厚みに設定される。
第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12は、それぞれ、対象物の表面の変位を測定することができる。たとえば、レーザ式の変位計が適用できる。そして、第一の変位測定手段11が照射するレーザ光には、前記標準プレート15cを透過することができる波長のレーザ光が適用される。たとえば波長が670nmの赤色レーザが適用される。一方、第二の変位測定手段12が照射するレーザ光には、標準プレート15cの前記処理が施された表面で反射する波長のレーザ光が適用される。たとえば、波長が408nmの青色レーザが適用される。すなわち、第一の変位測定手段11が発するレーザ(赤色レーザ)は、前記誘導体反射膜を透過し、第二の変位測定手段12が発するレーザ(青色レーザ)は、前記誘導体反射膜で反射する。
このような構成によれば、第一の変位測定手段11は、標準プレート15cの下方に配設される被測定材3の表面の変位を測定することができる。また、第二の変位測定手段12は、標準プレート15cの表面(前記処理が施された面)の変位を測定することができる。
このように、本発明の第三実施形態にかかる平面度測定装置1cは、X−Y平面に平行となるように標準プレート15cが設けられるとともに、X−Y平面に平行となるように被測定材3を被測定材載置台16に載置することができる。すなわち、本発明の第三実施形態にかかる平面度測定装置1cは、標準プレート15cの既知の平面度または既知の表面プロフィールを有し、かつ特定の波長の光エネルギを反射する面と、被測定材3の測定面とが平行になるように構成される。
そして、第一の変位測定手段11と第二の変位測定手段12とが、被測定材載置台16(すなわち被測定材3)と標準プレート15cの上方に配設され、X−Y平面内を移動することができる。第一の変位測定手段11は、標準プレート15cを透過して被測定材載置台16に載置された被測定材3の表面の変位を測定することができる。一方、第二の変位測定手段12は、標準プレート15cの表面(前記処理が施された面)の変位を測定することができる。
本発明の第三実施形態にかかる平面度測定装置1cを用いた平面度測定方法は、第二実施形態にかかる平面度測定方法と略同じであるので、説明は省略する。第三実施形態にかかる平面度測定装置1cにおいては、標準プレート15cと被測定材3とが比較的近接して配設されることになる。このため、第二の変位測定手段12の測定レンジが広い場合、受光したレーザが被測定材3の表面で反射したものか、標準プレート15cの表面で反射したものかの区別が困難となる場合がある。しかしながら、前記のように標準プレート15cの表面に誘導体反射膜がコーティングされてなると、第二の変位測定手段12から発せられたレーザ光(青色レーザ)は、標準プレート15cの表面で確実に反射する。したがって、第二の変位測定手段12の測定レンジが広い場合であっても、適切な測定を行うことができる。
このように、本発明の第三実施形態にかかる平面度測定装置1cとこれを用いた平面度測定方法(すなわち本発明の第二実施形態にかかる平面度測定方法)によれば、第一実施形態または第二実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
以上、本発明の各種実施形態および実施例について説明したが、本発明は、前記実施形態または実施例に何ら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変が可能であることはいうまでもない。
1a 第一実施形態にかかる平面度測定装置
11 第一の変位測定手段
12 第二の変位測定手段
13 X軸スライダ
14 Y軸スライダ
15a 第一実施形態にかかる平面度測定装置の標準プレート
16 被測定材載置台
17 第一の記憶手段
18 第二の記憶手段
19 平面度演算手段
20 出力手段
3 被測定材
11 第一の変位測定手段
12 第二の変位測定手段
13 X軸スライダ
14 Y軸スライダ
15a 第一実施形態にかかる平面度測定装置の標準プレート
16 被測定材載置台
17 第一の記憶手段
18 第二の記憶手段
19 平面度演算手段
20 出力手段
3 被測定材
Claims (6)
- 被測定材の表面の変位を測定する第一の変位測定手段と、表面の平行度および/または表面のプロフィールが既知である標準プレートと、該標準プレートの表面の変位を測定する第二の変位測定手段と、を備え、前記第一の変位測定手段と前記第二の変位測定手段は一体的に結合しており、前記第一の変位測定手段による被測定材の表面の変位の測定と前記第二の変位測定手段による標準プレートの表面に変位の測定とは同時に行うことができるとともに、前記第一の変位測定手段の測定値に前記第二の変位測定手段の測定値を加算および/または減算し、該加算結果または該減算結果から被測定材の平面度を算出する平面度演算手段をさらに備えることを特徴とする平面度測定装置。
- 前記第二の変位測定手段は前記標準プレートに対向するように配設されるとともに、前記第一の変位測定手段の測定方向は、前記第二の変位測定手段の測定方向と180°異なる方向であることを特徴とする請求項1に記載の平面度測定装置。
- 前記標準プレートは光エネルギを透過できる材料からなり、第一の変位測定手段と第二の変位測定手段の測定方向は同じであり、第一の変位測定手段は標準プレートを透過して被測定材の表面の変位を測定できることを特徴とする請求項1に記載の平面度測定装置。
- 前記標準プレートは、特定の波長の光エネルギを反射できるように表面処理が施してなり、前記第一の変位測定手段は前記特定の波長とは異なる波長の光エネルギを照射して前記標準プレートを透過して前記被測定材の表面の変位を測定できるとともに、前記第二の変位測定手段は、前記特定の波長の光エネルギを照射して前記標準プレートの前記表面処理が施された面の変位を測定できることを特徴とする請求項3に記載の平面度測定装置。
- 前記第一の変位測定手段および第二の変位測定手段は、レーザ式変位計であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の平面度測定装置。
- 第一の変位測定手段によって被測定材の表面の変位を行うと同時に、第二の変位測定手段によって表面の平行度および/または表面のプロフィールが既知である標準プレートの表面の変位を測定し、平面度演算手段によって、前記第一の変位測定手段の測定値に前記第二の変位測定手段の測定値を加算または減算し、該加算結果または減算結果から被測定材の平面度を算出することを特徴とする平面度測定方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102230789A (zh) * | 2011-05-27 | 2011-11-02 | 深圳市高能精密机械有限公司 | 一种高速铁路钢轨平直度测量仪及其测量面定位方法 |
JP2013195384A (ja) * | 2012-03-22 | 2013-09-30 | Toshiba Corp | 検査装置、検査方法、及び、電子部品の製造方法 |
CN108458644A (zh) * | 2018-05-21 | 2018-08-28 | 东莞塔菲尔新能源科技有限公司 | 一种极片表面弧形度测试装置及其工作流程 |
CN113483702A (zh) * | 2021-07-26 | 2021-10-08 | 宁波江丰电子材料股份有限公司 | 一种靶材表面粗糙度的无痕检测方法 |
-
2007
- 2007-10-08 JP JP2007262800A patent/JP2009092486A/ja active Pending
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