(第1の実施形態)
第1の実施形態につき図1〜図7を参照して説明する。図1は本実施形態に係る3軸のエンコーダ10の要部を示す斜視図である。図1において、一例として、第1部材6に対して第2部材7は3次元的に相対移動可能に配置され、第2部材7の互いに直交する相対移動可能な2つの方向に平行にX軸及びY軸を取り、X軸及びY軸によって規定される平面(XY面)に直交する相対移動方向に沿ってZ軸を取って説明する。また、X軸、Y軸、及びZ軸に平行な軸の回りの角度をそれぞれθx方向、θy方向、及びθz方向の角度とも呼ぶ。
図1において、エンコーダ10は、第1部材6の上面に固定された、XY面にほぼ平行な平板状の2次元の回折格子12と、第2部材7に固定されて回折格子12に計測光を照射するX軸、Y軸、及びZ軸(3軸)の検出ヘッド14と、検出ヘッド14に計測用のレーザ光を供給するレーザ光源16と、それぞれX方向の計測光(回折光)及び参照光を受光して干渉光にするX軸の1対の偏光板30XA,30XBと、偏光板30XA,30XBを通過した干渉光をそれぞれ受光するX軸の1対の光電センサ40XA,40XBと、それぞれY方向の計測光(回折光)及び参照光を受光して干渉光にするY軸の1対の偏光板30YA,30YBと、偏光板30YA,30YBを通過した干渉光をそれぞれ受光するY軸の1対の光電センサ40YA,40YBと、光電センサ40XA〜40YBから出力される検出信号を処理して第1部材6に対する第2部材7のX方向、Y方向、及びZ方向の相対移動量を求める計測演算部42と、を有する。光電センサ40XA〜40YBとしては、例えばフォトダイオード等が使用できる。なお、偏光板30XA〜30YB及び光電センサ40XA〜40YBを検出ヘッド14の一部とみなすことも可能である。
回折格子12のXY面にほぼ平行な格子パターン面12bには、X方向及びY方向に所定の周期(ピッチ)pを持ち、位相型でかつ反射型の2次元の格子パターン12aが形成されている。格子パターン12aのX方向、Y方向の周期pは、一例として100nm〜4μm程度(例えば1μm周期)である。なお、格子パターン12aのX方向、Y方向の周期が互いに異なっていてもよい。格子パターン12aは、例えばホログラム(例えば感光性樹脂に干渉縞を焼き付けたもの)として、又はガラス板等に機械的に溝等を形成して反射膜を被着することで作製可能である。さらに、格子パターン面12bは、保護用の平板ガラスで覆われていてもよい。
レーザ光源16は、例えばHe−Neレーザ又は半導体レーザ等よりなり、一例として偏光方向が互いに直交するとともに互いに周波数が異なる第1及び第2の直線偏光のレーザ光よりなる2周波ヘテロダイン光を射出する。それらの第1及び第2のレーザ光はそれぞれ回折格子12に照射される計測光、及び参照光(参照用の光束)であり、一例として計測光と参照光とは所定角度だけ交差する状態で射出される。それらのレーザ光は互いに可干渉(偏光方向を平行にした場合)であり、それらの平均波長をλとする。一例として、レーザ光源16は、それらのレーザ光から分岐した2つの光束の干渉光を光電変換して得られる基準周波数の信号(基準信号)を計測演算部42に供給している。なお、ホモダイン干渉方式も使用可能である。
検出ヘッド14は、プリズム型の偏光ビームスプリッターよりなる光学部材(以下、PBS部材という)18を有し、PBS部材18は、X軸及びY軸に平行な平面(XY平面)をθy方向に反時計回りに45度回転した平面に平行な偏光ビームスプリッター面(以下、PBS面という)18aを有する。PBS部材18の−Z方向の面(XY平面)は回折格子12に対向しており、その面に1/4波長板20が固定され、PBS部材18の−X方向の面(YZ平面)にも1/4波長板21が固定されている。また、PBS部材18の−X方向の面(1/4波長板21)に対向するように、ZY平面に平行な格子パターン面13bを有する参照用の回折格子(以下、参照格子という)13が配置され、参照格子13の格子パターン面13bに、Z方向に平行なXR方向(回折格子12上のX方向に対応する方向)、及びY方向に平行なYR方向(回折格子12上のY方向に対応する方向)にそれぞれ周期pを持ち、位相型でかつ反射型の2次元の格子パターン13aが形成されている。このように参照格子13の周期pは回折格子12の周期と同じであるため、後述のように計測光用の光学部材と参照光用の光学部材とを互いに同じ形状にすることができ、検出ヘッド14の製造コストを抑制できる。
なお、参照格子13の周期が回折格子12の周期と異なっていてもよい。また、参照格子13と参照光とは相対移動しないため、参照格子13は、参照光が照射される部分よりもわずかに大きい程度の大きさでよい。参照格子13は、回折格子12と同様に作製できる。PBS部材18、参照格子13、偏光板30XA〜30YB、及び光電センサ40XA〜40YBは、不図示の支持部材を介して第2部材7に支持されている。
本実施形態では、一例として、レーザ光源16から射出される計測光及び参照光からそれぞれ分岐光学部材22(図4参照)によって第1の計測光ML1及び第1の参照光RL1が分岐され、計測光ML1及び参照光RL1はほぼX軸に平行に、+X方向からPBS部材18のPBS面18aに入射する。また、計測光ML1はS偏光状態でPBS面18aに入射し、PBS面18aでほぼ−Z方向に反射され、反射された計測光ML1は、1/4波長板20を介して回折格子12の格子パターン面12bに概ね垂直に、格子パターン12a上の計測点EP1に入射する。概ね垂直に入射するとは、計測光ML1が格子パターン面12bに垂直に入射する場合の外に、0次光(正反射光)の影響を軽減するために、計測光ML1をZ軸に平行な軸に対してX方向(θy方向)及び/又はY方向(θx方向)に例えば0度〜1.5度程度傾斜させて格子パターン面12bに入射させる場合も含まれることを意味している。
計測光ML1及び参照光RL1は例えば直径が0.5〜数mm程度の円形の断面を有するため、計測光ML1は、実際には計測点EP1を中心として、計測光ML1の断面と同じ大きさの領域に入射する(以下、同様)。
一方、参照光RL1はP偏光状態でPBS面18aに入射し、PBS面18aを透過した参照光RL1は、1/4波長板21を介して参照格子13の格子パターン面13bに概ね垂直に、格子パターン13a上の参照用の計測点(以下、参照点という)EP2に入射する。参照光RL1は、実際には参照点EP2を中心として、参照光RL1の断面と同じ大きさの領域に入射する(以下、同様)。
本実施形態において、回折格子12の格子パターン12a上の計測点EP1に入射する計測光ML1によって、X方向にほぼ対称に±1次回折光MX1,MX3が発生するとともに、Y方向にほぼ対称に±1次回折光MY1,MY3が発生する。同様に、参照格子13の格子パターン13a上の参照点EP2に入射する参照光MR1によって、XR方向にほぼ対称に±1次回折光RX1,RX3が発生するとともに、YR方向にほぼ対称に±1次回折光RY1,RY3が発生する。
そして、検出ヘッド14は、+1次回折光MX1及び−1次回折光MX3の光路をそれぞれZ軸に平行な方向に近づくように偏向するX軸の第1及び第2の楔型プリズム26XA及び26XBと、楔型プリズム26XAを通過して1/4波長板20を通過した後、PBS面18aを透過した回折光MX1を反射するX軸の第1のコーナーキューブ24XAと、楔型プリズム26XB及び1/4波長板20を通過してPBS面18aを透過した回折光MX3を反射するX軸の第2のコーナーキューブ24XBと、を有する。コーナーキューブ24XAは、その回折光MX1を、PBS面18a及び1/4波長板20を通して回折格子12の格子パターン12a上の計測点EP1に、格子パターン面12bに対して例えばX方向に所定の角度φ2(図2参照)だけ傾斜させて入射させる。また、コーナーキューブ24XBは、その回折光MX3を、PBS面18a及び1/4波長板20を通して格子パターン12a上の計測点EP1に、格子パターン面12bに対して例えば−X方向に所定の角度φ3(図2参照)だけ傾斜させて入射させる。楔型プリズム26XA及び26XBは対称な形状である。
このとき、入射角φ2及びφ3は、それぞれ計測光ML1が回折格子12に垂直入射した場合に発生する±1次回折光の回折角よりも小さい値、例えばその回折角の1/10程度に設定されている。このため、+1次回折光MX1の入射によって、回折格子12から回折角が+1次回折光MX1の回折角と入射角との間にある2回目の+1次回折光MX2(再回折光)が発生し、−1次回折光MX3の入射によって、回折格子12から−X方向の回折角が−1次回折光MX3の回折角と入射角との間にある2回目の−1次回折光MX4(再回折光)が発生する。
一例として、回折格子12のピッチpを1μm、計測光ML1の波長λを633nm(He−Neレーザ)とすると、回折格子12に垂直入射した場合の±1次回折光の回折角はほぼ39度である。この場合、一例として、格子パターン面12bに対する計測光ML1のX方向の入射角φ1は0〜1度程度(例えば10分〜30分程度)、+1次回折光MX1のX方向の入射角φ2は3〜5度程度、−1次回折光MX3の−X方向の入射角φ3は2〜4度程度である。
また、回折格子12から発生した2回目の±1次回折光MX2,MX4は、それぞれ楔型プリズム26XA,26XBによってZ軸にほぼ平行な+Z方向に光路が変更された後、1/4波長板20を通過してPBS面18aでほぼ+X方向に反射される。この際に、±2次回折光MX2,MX4は、それぞれ±1次回折光MX1,MX3の光路の内側(入射する計測光ML1に近い方向の光路)を通過するため、楔型プリズム26XA,26XBを小型化できる。
また、検出ヘッド14は、Y方向の±1次回折光MY1及びMY3の光路をそれぞれZ軸に平行な方向に近づくように偏向するY軸の第1及び第2の楔型プリズム26YA及び26YBと、楔型プリズム26YA,26YB及び1/4波長板20を通過してPBS面18aを透過した回折光MY1,MY3を反射して、PBS面18a及び1/4波長板20を通して回折格子12の格子パターン12a上の計測点EP1に、格子パターン面12bに対して+Y方向及び−Y方向に所定の角度(図3参照)だけ傾斜させて入射させるY軸の第1及び第2のコーナーキューブ24YA及び24YBと、を有する。回折光MY1,MY3のY方向の入射角は、回折光MX1,MX3のX方向の入射角とほぼ同じである。楔型プリズム26YA及び26YBは、楔型プリズム26XA及び26XBを入射する計測光ML1の回りに90度回転した場合と同じ形状及び配置である。コーナーキューブ24YA,24YBは、X軸のコーナーキューブ24XA,24XBを回折格子12に入射する計測光ML1の回りに90度回転した形状及び配置である。
コーナーキューブ24XA〜24YBは、それぞれ3つの互いに直交する反射面を持ち、入射する光ビームを、入射方向と平行な方向に反射する反射部材である。一例として、コーナーキューブ24XA〜24YBの入射面(射出面)は、XY平面に平行になるように配置されている。また、以下では4個のコーナーキューブ24XA〜24YBをコーナーキューブ群24Aとも称し、4個の楔型プリズム26XA〜26YBを楔型プリズム群26Aとも称する。
なお、図1では、説明の便宜上、PBS部材18に対して楔型プリズム26XA〜26YB及びコーナーキューブ24XA〜24YBは離れて配置されているが、実際には一例として、楔型プリズム26XA〜26YBは、PBS部材18に固定された1/4波長板20の底面に固定され、コーナーキューブ24XA〜24YBは、PBS部材18の上面に固定されている(図2、図3参照)。これによって、PBS部材18を楔型プリズム26XA等及びコーナーキューブ24XA等を支持する部材として兼用できる。
なお、検出ヘッド14を小型化するために、コーナーキューブ24XA〜24YBの間隔を狭くするときに、コーナーキューブ24XA〜24YBが機械的に接触する場合には、コーナーキューブ24XA〜24YBのうちの光束(回折光)が通過しない部分を削除してもよい(図6参照)。これによって、コーナーキューブ24XA〜24YBの反射作用を利用しながら、検出ヘッド14を小型化できる。なお、コーナーキューブ24XA〜24YBの代わりに、3つの互いに直交する表面反射面を組み合わせた反射部材(レトロリフレクター)等を使用してもよい。
図2は、図1の検出ヘッド14を+Y方向に見た図、図3は、図1の検出ヘッド14を+X方向に見た図である。図2に示すように、楔型プリズム26XAの入射面26XAaと射出面26XAbとの間の角度(頂角)は所定の角度αであり、射出面26XAbの端部の回折光MX1,MX2が通過しない部分がXY平面に平行な平坦部26XAcとされ、平坦部26XAcが1/4波長板20に固定されている。他の楔型プリズム26XB等も同様である。これによって、楔型プリズム26XA〜26YBを1/4波長板20(PBS部材18)に安定に固定できる。
また、Y方向の±1次回折光MY1及びMY3の入射によって回折格子12から発生したY方向の2回目の±1次回折光(再回折光)MY2,MY4は、図3に示すように、それぞれ楔型プリズム26YA,26YBによってZ軸にほぼ平行に光路が変更された後、1/4波長板20を通過してPBS面18aでほぼ+X方向に反射される。
また、1/4波長板21と参照格子13との間に、参照格子13に入射する参照光RL1をXR方向に挟むように1対の楔型プリズム27XA,27XBが配置され、参照光RL1をYR方向に挟むように1対の楔型プリズム27YA,27YBが配置されている。楔型プリズム27XA〜27YBの構成は、楔型プリズム26XA〜26YBと同様であり、楔型プリズム27XA〜27YBは1/4波長板21に固定されている。以下では、4個の楔型プリズム27XA〜27YBを楔型プリズム群27Aとも称する。
参照光RL1によって参照格子13からXR方向に発生する±1次回折光RX1,RX3は、図2に示すように、XR方向の第1及び第2の楔型プリズム27XA及び27XBによって参照光RL1と平行な方向に近づくように光路が偏向された後、1/4波長板21を通過て、PBS面18aで反射されてコーナーキューブ24XA,24XBに入射する。コーナーキューブ24XA,24XB内の回折光RX1,RX3の光路は、回折格子12からの回折光MX1,MX3の光路とほぼ同じである。そして、コーナーキューブ24XA,24XBで反射された回折光RX1,RX3は、PBS面18aで反射されて1/4波長板21を通過して、参照格子13の格子パターン13a上の参照点EP2に、格子パターン面13bに対して+XR方向及び−XR方向に所定角度だけ傾斜して入射する。回折光RX1,RX3の入射角は、回折光MX1,MX3の入射角とほぼ同じである。
そして、参照格子13から発生したXR方向の2回目の±1次回折光RX2,RX4は、それぞれ楔型プリズム27XA,27XBによって参照光MR1(又はX軸)にほぼ平行な+X方向に光路が変更された後、1/4波長板21を通過してPBS面18aを通過して、計測光の回折光MX2,MX4とほぼ同軸に合成される。そして、回折光MX2及びRX2は、偏光板30XAを介して干渉光となって光電センサ40XAで受光され、回折光MX4及びRX4は、偏光板30XBを介して干渉光となって光電センサ40XBで受光される。
また、参照光RL1によって参照格子13からYR方向に発生する±1次回折光RY1,RY3は、YR方向の第1及び第2の楔型プリズム27YA及び27YBによって参照光RL1と平行な方向に近づくように光路が偏向された後、1/4波長板21を通過して、PBS面18aで反射されてコーナーキューブ24YA,24YBに入射する(図3参照)。コーナーキューブ24YA,24YB内の回折光RY1,RY3の光路は、回折格子12からの回折光MY1,MY3の光路とほぼ同じである。そして、コーナーキューブ24YA,24YBで反射された回折光RY1,RY3は、PBS面18aで反射されて1/4波長板21を通過して、参照格子13の格子パターン13a上の参照点EP2に、格子パターン面13bに対して+YR方向及び−YR方向に所定角度だけ傾斜して入射する。回折光RY1,RY3の入射角は、回折光MY1,MY3の入射角とほぼ同じである。
そして、参照格子13から発生したYR方向の2回目の±1次回折光RY2,RY4(図3参照)は、それぞれ楔型プリズム27YA,27YBによって参照光MR1(又はX軸)にほぼ平行な+X方向に光路が変更された後、1/4波長板21を通過してPBS面18aを通過して、計測光の回折光MY2,MY4とほぼ同軸に合成される。そして、回折光MY2及びRY2は、偏光板30YAを介して干渉光となって光電センサ40YAで受光され、回折光MY4及びRY4は、偏光板30YBを介して干渉光となって光電センサ40YBで受光される。
図1において、計測演算部42は、第1演算部42X、第2演算部42Y、及び第3演算部42Tを有する。そして、X軸の光電センサ40XAは、X軸の回折光MX2及び参照用の回折光RX2よりなる干渉光の検出信号(光電変換信号)SAを第1演算部42Xに供給し、X軸の光電センサ40XBは、X軸の回折光MX4及び参照用の回折光RX4よりなる干渉光の検出信号SBを第1演算部42Xに供給する。また、Y軸の光電センサ40YAは、Y軸の回折光MY2及びRY2よりなる干渉光の検出信号SCを第2演算部42Yに供給し(図3参照)、Y軸の光電センサ40YBは、Y軸の回折光MY4及びRY4よりなる干渉光の検出信号SDを第2演算部42Yに供給する。第1演算部42X及び第2演算部42Yには、レーザ光源16から基準周波数の信号(基準信号SE)も供給されている。
ここで、第1部材6と第2部材7とのX方向、Y方向、Z方向の相対移動量をX,Y,Zとして、第1演算部42X及び第2演算部42Yで求められるZ方向の相対移動量をそれぞれZX,ZYとする。このとき、一例として、第1演算部42Xは、検出信号SA及び基準信号SEから、既知の係数a,bを用いてX方向及びZ方向の第1の相対移動量(a・X+b・ZX)を求め、検出信号SB及び基準信号SEから、X方向及びZ方向の第2の相対移動量(−a・X+b・ZX)を求め、その第1及び第2の相対移動量からX方向の相対移動量(X)及びZ方向の相対移動量(ZX)を求め、求めた結果を第3演算部42Tに供給する。第2演算部42Yは、検出信号SC及び基準信号SEから、Y方向及びZ方向の第1の相対移動量(a・Y+b・ZY)を求め、検出信号SD及び基準信号SEから、Y方向及びZ方向の第2の相対移動量(−a・Y+b・ZY)を求め、その第1及び第2の相対移動量からY方向の相対移動量(Y)及びZ方向の相対移動量(ZY)を求め、求めた結果を第3演算部42Tに供給する。
第3演算部42Tは、演算部42X,42Yから供給される相対移動量(X)及び(Y)を所定のオフセットで補正した値を第1部材6と第2部材7とのX方向、Y方向の相対移動量として出力する。また、第3演算部42Tは、一例として、演算部42X,42Yから供給されるZ方向の相対移動量(ZX)及び(ZY)の平均値(=(ZX+ZY)/2)を所定のオフセットで補正した値を第1部材6と第2部材7とのZ方向の相対移動量として出力する。X方向、Y方向、Z方向の相対移動量の検出分解能は例えば0.5〜0.1nm程度である。エンコーダ10では、計測光ML1等の光路が短いため、その光路上の気体の温度揺らぎに起因する計測値の短期的な変動を低減できる。さらに、最終的に2回目の+1次回折光MX2,MY2及び−1次回折光MX4,MY4(再回折光)と、対応する参照用の回折光RX2〜RY4との干渉光を検出しているため、1回目の回折光のみを使用する場合に比べて相対移動量の検出分解能(検出精度)を1/2に向上(微細化)できる。
また、コーナーキューブ24XA,24XBで反射された1次回折光MX1,MX3が入射する回折格子12上の位置、及びコーナーキューブ24YA,24YBで反射された1次回折光MY1,MY3が入射する回折格子12上の位置は、それぞれ最初に計測光ML1が入射する回折格子12上の計測点EP1と同じである。このため、仮に回折格子12の格子パターン面12bに微小な凹凸が存在しても、コーナーキューブ24XA,24XB等で反射された1次回折光MX1,MX3等が入射する回折格子12上の位置が計測点EP1と異なる場合に比べて、その凹凸によるX方向及びY方向の計測誤差を低減できる。
ここで、検出ヘッド14を、回折格子12の格子パターン面に計測光を入射させるとともに、入射した計測光によって発生する複数の回折光のうち少なくとも2つの回折光MX1,MX3を前記格子パターン面に入射させる光学部材とみなすことができる。
また、±1次回折光MX1,MX2及びMX3,MX4、並びに±1次回折光MY1,MY2及びMY3,MY4を用いることによって、第1部材6と第2部材7とのθz方向の相対回転角による計測誤差を低減できる。
次に、本実施形態の検出ヘッド14の回折光の光路につき詳細に説明する。
図2において、計測光ML1が回折格子12の格子パターン12aに垂直に入射する(計測光ML1がZ軸に平行に入射する)とき、計測光ML1によるX方向の+1次回折光MX1の回折角φx1は、格子パターン12aの周期p及び計測光ML1の波長λを用いて次の関係を満たす。このとき、計測光ML1によるX方向の−1次回折光MX3の回折角は−φx1となる。
p・sin(φx1)=λ …(1)
また、回折光MX1は、楔型プリズム26XAを介して計測光ML1に近づく方向に偏向されて、PBS面18aを介してコーナーキューブ24XAに入射し、コーナーキューブ24XAで反射された回折光MX1はPBS面18aを介して回折格子12上の計測点EP1に、X方向の入射角φ2で入射する。そして、回折光MX1によって回折格子12から発生するX方向の+1次回折光MX2は、楔型プリズム26XAによって光路が計測光ML1(ここではZ軸に平行)に平行になるように折り曲げられてPBS部材18に入射する。
このため、+1次回折光MX2の回折角をφx2として、楔型プリズム26XAの入射光に対する振れ角をδとすると、次のように振れ角δはその回折角φx2と同じにしてもよい。
δ=φx2 …(2)
言い替えると、楔型プリズム26Aの頂角α、屈折率ng、及び回折光MX2の楔型プリズム26XAに対する入射角iは、振れ角δが回折角φx2となるように定められてもよい。さらに、本実施形態では、振れ角δの入射角iに関する変化率(dδ/di)は、次のようにcos(φx2)に設定されてもよい。
dδ/di=cos(φx2) …(3)
この式(3)の条件は、楔型プリズム26AXの振れ角δの変化率(dδ/di)は、回折格子12に対する計測光ML1の入射角が0から変化したとき(又は回折光MX1の入射角がφ2から変化したとき)の回折光MX2の回折角の変化率を、楔型プリズム26XAで相殺することを意味している。
このため、仮に回折格子12の格子パターン面12bが点線の面12Tのように傾斜しても、回折光MX2の光路は、格子パターン面12bが傾斜する前の光路に平行であり、X方向のシフトは生じない。このため、回折光MX2と参照用の回折光RX2とをPBS面18aで同軸に合成して干渉光を生成したとき、回折光MX2と回折光RX2との相対的な傾きのずれ及び相対的な横ずれがないため、その干渉光を光電変換したときに得られる検出信号SAのうちの交流信号(ビート信号又は信号成分)の割合が低下することがない。これは、X軸の−1次回折光MX3でも同様である。
また、図2において、検出ヘッド14に対して回折格子12の格子パターン面12bのZ方向の相対位置が+Z方向にδzだけ変化した場合、計測光ML1による+1次回折光MX1は、光路が計測光ML1に近い方向に平行にシフトしてコーナーキューブ24XAに入射するが、コーナーキューブ24XAでは入射光に対して射出光の光路は中心に関して対称にシフトする。このため、コーナーキューブ24XAで反射された回折光MX1は、計測点EP1に対してその変位δzに応じた距離だけ+X方向にずれた位置に入射し、その位置で発生する+1次回折光MX2の光路は、変位δzが0の場合の光路と同じである。このため、回折光MX2及びRX2をPBS面18aで同軸に合成して干渉光を生成したとき、回折光MX2及びRX2の相対的な横ずれ量がないため、その干渉光を光電変換したときに得られる検出信号SAのうちの交流信号(ビート信号又は信号成分)の割合が低下することがない。
これは、X軸の−1次回折光MX4及びY軸の±1次回折光MY2,MY4でも同様であり、格子パターン面12bのZ方向の相対位置が変化しても、格子パターン面12bが傾斜しても、図1の検出信号SB〜SDのうちのビート信号の割合は低下しない。従って、検出信号SA〜SDを用いて高いSN比で高精度に第1部材6と第2部材7との相対移動量を計測できる。
次に、本実施形態のエンコーダ10を用いる計測方法(使用方法)の一例につき図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、図8のステップ302において、第1部材6に設けた回折格子12の格子パターン面12bに概ね垂直に、格子パターン12aの計測点EP1に、第2部材7に設けたPBS部材18を介して計測光ML1を入射させ、参照格子13の格子パターン面13bに概ね垂直に、格子パターン13aの参照点EP2にPBS部材18を介して参照光RL1を入射させる。そして、回折格子12から発生するX方向の±1次回折光MX1,MX3を、第2部材7に設けた2つの共通のコーナーキューブ24XA,24XB(偏向部)により回折格子12の計測点EP1に入射させ、回折格子12から発生するX方向の±1次回折光MX2,MX4をPBS部材18に入射させる(ステップ304)。
そして、参照格子13から発生するXR方向の±1次回折光RX1,RX3を、2つの共通のコーナーキューブ24XA,24XBにより参照格子13の参照点EP2に入射させ、参照格子13から発生するXR方向の±1次回折光RX2,RX4をPBS部材18に入射させる(ステップ306)。また、PBS部材18のPBS面18aにより、±1次回折光MX1,MX3と±1次回折光RX2,RX4をそれぞれほぼX軸に平行な光束として重ね合わせる(ステップ308)。さらに、回折光MX1,MX3(計測光)と対応する回折光RX2,RX4(参照光)との干渉光を検出し、第1部材6と第2部材7とのX方向及びZ方向の相対移動量を求める(ステップ310)。また、このようにして求めた相対移動量が目標値になるように、不図示の駆動機構を用いて第1部材6と第2部材7とのX方向及びZ方向の相対移動量を補正する(ステップ312)。
この際に、エンコーダ10によって第1部材6と第2部材7との相対移動量を高精度に計測できるため、第1部材6と第2部材7との相対位置を高精度に制御できる。
また、本実施形態において、PBS部材18を大型化して、PBS部材18の−Z方向の面に楔型プリズム群26Aの他に、楔型プリズム群26Aと同様の複数の楔型プリズム群を配置し、PBS部材18の−X方向の面に楔型プリズム群27Aの他に、楔型プリズム群27Aと同様の複数の楔型プリズム群を配置し、PBS部材18の+Z方向の面にコーナーキューブ群24Aの他に、コーナーキューブ群24Aと同様の複数のコーナーキューブ群24Aを配置してもよい。これによって、回折格子12上の複数の位置で、第1部材6と第2部材7との相対移動量を計測でき、この計測結果より第1部材6に対する第2部材7のθx方向、θy方向、θz方向の相対的な傾斜角を求めることができる。
図4は、PBS部材18の−Z方向の面に4個の計測光ML1,ML2,ML3,ML4用(図5参照)の楔型プリズム群26A,26B,26C,26D(26C,26Dは不図示)を配置し、PBS部材18の−X方向の面に楔型プリズム群26A,26B等に対応させて、参照光RL1,RL2,RL3,RL4用(図5参照)の4個の楔型プリズム群27A,27B,27C,27D(27C,27Dは不図示)を配置し、PBS部材18の+Z方向の面に楔型プリズム群26A,26B等に対応させて4個のコーナーキューブ群24A,24B,24C,24Dを配置した検出ヘッド14を示す図、図5は、図4の検出ヘッド14を−X方向に見た図、図6は図4の検出ヘッド14を示す平面図、図7は、図4の検出ヘッド14を−X方向に見た図である。
図4において、不図示の光源から射出された偏光方向が互いに直交する計測光ML及び参照光RLが分岐光学部材22に入射し、ミラー面22bで反射された計測光ML及び参照光RLはPBS面(偏光ビームスプリッター面)22aで合成され、ミラー面22cで反射されてビームスプリッター面22dに入射し、ビームスプリッター面22dで反射された計測光ML1及び参照光RL1がPBS面18aを介して楔型プリズム群26A及び27Aに入射する。また、ビームスプリッター面22dを透過した計測光ML及び参照光RLから他の楔型プリズム群26A,27B等用の光束が分岐される。また、図4の場合には、一例として、楔型プリズム群26A,26B等と回折格子12との間に、検出ヘッド14を保護するための平板状の光透過性の保護部材23が配置されている。保護部材23は例えばガラス板である。
図5において、楔型プリズム群26A,27A用の計測光ML1及び参照光RL1は分岐光学部材22の部分光学系22gを介してPBS部材18に入射され、楔型プリズム群26B,27B用の計測光ML2及び参照光RL2は部分光学系22iを介してPBS部材18に入射され、楔型プリズム群26C,27C用の計測光ML3及び参照光RL3は部分光学系22gを介してPBS部材18に入射され、楔型プリズム群26D,27D用の計測光ML4及び参照光RL4は部分光学系22iを介してPBS部材18に入射される。また、この実施形態では、PBS部材18と回折格子12との間のZ方向の変位を複数箇所(例えば5箇所)で直接計測するためのZ軸の干渉計(不図示)も設けられている。そのため、図4の計測光ML及び参照光RLからそれぞれ分岐光学部材22によって分岐された計測光ML5及び参照光RL5、計測光ML6及び参照光RL6、計測光ML7及び参照光RL7、計測光ML8及び参照光RL8、並びに計測光ML9及び参照光RL9もPBS部材18に入射されている。計測光ML9及び参照光RL9は部分光学系22jを介してPBS部材18に入射されている。さらに、単に計測光ML及び参照光RLの干渉光を光電変換した信号(ローカル信号)を得るために、干渉計を含む部分光学系22kに、計測光ML及び参照光RLから分岐された計測光ML10及び参照光RL10が供給されている。
図6において、PBS部材18の上面には、X方向及びY方向に等間隔で4個のコーナーキューブ群24A,24B,24C,24Dが配置され、これらのコーナーキューブ群24A〜24Dの間に、5個のZ軸の干渉計用(不図示)のコーナーキューブ24E,24F,24G,24H,24Iが配置されている。コーナーキューブ24E〜24Iは、それぞれ対応するZ軸の干渉計から出力される参照光をその干渉計に戻すために使用される。
図7において、楔型プリズム群26A及びコーナーキューブ群24Aを持つ検出部から、回折光MX2,RX2及びMX4,RM4がそれぞれ同軸に合成された2つのX軸の光束、並びに回折光MY2,RY2及びMY4,RY4がそれぞれ同軸に合成された2つのY軸の光束が出力され、楔型プリズム群26B及びコーナーキューブ群24Bを持つ検出部から、それぞれ2つの回折光よりなる2つのX軸の光束MRB1,MRB2、及び2つのY軸の光束MRB3,MRB4が出力され、楔型プリズム群26C及びコーナーキューブ群24Cを持つ検出部から、それぞれ2つの回折光よりなる2つのX軸の光束MRC1,MRC2、及び2つのY軸の光束MRC3,MRC4が出力され、楔型プリズム群26D及びコーナーキューブ群24Dを持つ検出部から、それぞれ2つの回折光よりなる2つのX軸の光束MRD1,MRD2、及び2つのY軸の光束MRD3,MRD4が出力される。また、5個のZ軸の干渉計(不図示)より、それぞれ回折格子12から反射される0次光よりなる計測光とコーナーキューブ24E〜24Iから反射される参照光とが同軸に合成された光束MRZ1,MRZ2,MRZ3,MRZ4,MRZ5が出力され、部分光学系22k(図5参照)から計測光MLから分岐された計測光ML7と参照光RLから分岐された参照光RL7とを同軸に合成したローカル信号生成用の光束MRLが出力される。それらの光束は、それぞれ偏光板及び光電センサよりなる検出部で受光される。
それらの検出部の検出信号を処理することによって、PBS部材18の底面の4箇所の位置で、それぞれX方向、Y方向、及びZ方向の第1部材6に対する第2部材7の相対移動量を計測できるとともに、PBS部材18の底面の5箇所の位置で、第1部材6に対する第2部材7のZ方向の相対移動量を直接計測できる。これらの計測結果に基づいて、計測演算部42を含む演算部(不図示)では、第1部材6に対する第2部材7のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びθx方向、θy方向、及びθz方向の相対的な角度を求めることができる。
上述のように、本実施形態のエンコーダ10は、第1部材6に対してX方向、Y方向、Z方向に3次元的に相対移動する第2部材7の相対移動量を計測する3軸のエンコーダ装置である。そして、エンコーダ10は、第1部材6に設けられ、X方向(第1方向)及びY方向を周期方向とする2次元の格子パターン12aを有する反射型の回折格子12と、計測光ML1及び参照光RX1を含む光束を発生するレーザ光源16と、計測光ML1を回折格子12の格子パターン面12bの計測点EP1(入射位置)に入射させるPBS部材18(入射用光学部材、第1光学部材)と、を備えている。さらに、エンコーダ10は、第2部材7に設けられるとともに、計測光ML1によって回折格子12から発生するX方向の+1次回折光MX1(第1回折光)を、格子パターン面12bの計測点EP1に入射させるコーナーキューブ24XA(第2光学部材)と、第2部材7に設けられるとともに、計測光ML1によって回折格子12から発生するX方向の−1次回折光MX3(第3回折光)を、格子パターン面12bの計測点EP1に入射させるコーナーキューブ24XB(第3光学部材)と、回折格子12から回折光MX1によって発生する+1次回折光MX2(第2回折光)と、参照格子13から発生する回折光RX2(参照光)との干渉光を検出する光電センサ40XA(第1検出器)と、回折格子12から回折光MX3によって発生する−1次回折光MX4(第4回折光)と参照格子13から発生する回折光RX4(参照光)との干渉光を検出する光電センサ40XB(第2検出器)と、光電センサ40XA,40XBの検出信号を用いて第2部材7の相対移動量を求める計測演算部42(計測部)と、を備えている。
本実施形態によれば、回折格子12を用いて第1部材6に対する第2部材7の相対移動量を計測する際に、回折光MX2,MX4(再回折光)と対応する参照用の光束とを干渉させているため、計測の分解能を高めることができる。さらに、コーナーキューブ24XA,24XBによって、回折光MX1,MX3をそれぞれ格子パターン面12bの計測点EP1(計測光ML1の入射位置)に入射させているため、回折格子12の表面に微小な凹凸がある場合でも計測精度を高く維持することができる。
なお、計測光ML1の入射位置と、回折光MX1,MX3の入射位置とは、完全に同じ位置である必要はない。例えば計測光ML1が回折格子12の格子パターン面12b上に照射される領域(光照射領域、典型的には直径が0.5〜数mm程度の円形の領域)の中心から、回折光MX1,MX3の入射位置は、その直径の2倍以内の範囲で外れていても良い。言い換えると、計測光ML1の格子パターン面12bでの光照射領域の中心と、格子パターン面12b上において2つの回折光MX1,MX3が照射される領域(光照射領域)の中心とのそれぞれの距離とが計測光ML1の光照射領域の大きさ(直径)の2倍よりも小さくても良い。なお、計測光ML1の光照射領域の形状は円形には限られず、楕円形であっても矩形であっても良い。また、光照射領域の境界の位置は、格子パターン面12bに入射する計測光ML1又は回折光MX1,MX3のピーク強度の値から1/e2 (ほぼ13.5%)に落ちたときの強度の位置としてもよい(eは自然対数の底(ほぼ2.718))。また、ピーク強度の半値となる位置やピーク強度の1/eとなる位置を光照射領域の境界の位置としても良い。
さらに、光電センサ40XA,40XBの検出信号から、第1部材6と第2部材7とのX方向及びZ方向の相対移動量を高精度に計測できる。
さらに、エンコーダ10は、回折格子12から計測光ML1によってY方向に発生する±1次回折光MY1,MY3を反射して計測点EP1に入射させるコーナーキューブ24YA,24YBと、回折格子12から回折光MY1,MY3によって発生する±1次回折光MY2,MY4(再回折光)と参照格子13から発生する回折光RY2,RY4(参照用の光束)との干渉光を検出する光電センサ40YA,40YBと、を備えている。このため、光電センサ40XA〜40YBの検出信号から、第1部材6と第2部材7とのX方向、Y方向、及びZ方向の相対移動量を高精度に計測できる。
また、本実施形態では、参照用の光束として、回折格子12から発生する回折光MX2等と同様に参照格子13から発生する回折光RX2等を使用しているため、回折光MX2等(計測光)と回折光RX2等(参照光)との光路長をほぼ等しくすることができ、レーザ光源16から射出される計測光ML1と参照光RL1との可干渉距離が短い場合でも、高精度に計測を行うことができる。
また、本実施形態では、計測光ML1を格子パターン面12bに概ね垂直に(又は所定の小さい角度だけ傾斜させて)入射させて、回折格子12からほぼ対称に(又は所定の小さい角度だけ異なる方向に)発生する1次回折光MX1,MX3を使用しているため、光学系の構成が簡素化できる。
なお、上記の実施形態では以下のような変形が可能である。
上述の実施形態では、参照格子13を用いて回折光MX2等(計測光)と回折光RX2等(参照光)との光路長をほぼ等しくしている。これに対して、例えば計測光ML1と参照光RL1との可干渉距離が長い場合には、回折光MX2等と干渉させる参照用の光束としては、参照光RL1からビームスプリッター等で分岐された光束を使用してもよい。
また、上述の実施形態では、エンコーダ10は第1部材6に対する第2部材7の3次元的な相対移動量(相対変位)を計測しているが、エンコーダ10によって第1部材6及び第2部材7の間の例えばX方向(1次元方向)のみの相対移動量を計測してもよい。この場合、回折格子12としてはX方向にのみ周期性を持つ1次元格子を使用し、楔型プリズム26YA,26YB及びコーナーキューブ24YA,24YB等を省略することができる。
また、上述の実施形態では、計測光ML1を格子パターン面12bに概ね垂直に(又は所定の小さい角度だけ傾斜させて)入射させている。これに対して、計測光ML1を例えば、回折格子12から発生する1次回折光の方向と平行になるように傾斜させて回折格子12の計測点EP1に入射(斜入射)させてもよい。この場合には、回折格子12から発生する1次回折光は、コーナーキューブによって斜めにその計測点EP1に入射する。この場合にも、計測の分解能を高めることができるとともに、回折格子12の表面に微小な凹凸がある場合でも計測精度を高く維持することができる。
また、上述の実施形態においては、楔型プリズム26XA,26XB等を用いて回折光MX1,MX3等を偏向しているが、楔型プリズム26XA,26XB等の代わりに、ミラー及び/又は透過型の回折格子等を組み合わせた偏向用の光学系を使用してもよい。ここで、透過型の回折格子を用いる場合、この透過型の回折格子の格子パターンの周期(ピッチ)を、回折格子12の格子パターンの周期(ピッチ)pとほぼ同じ周期(ピッチ)にしてもよい。そして、この透過型の回折格子の格子パターンの周期は、回折格子12の格子パターンの周期(ピッチ)pに対して±10%以内であっても良い。なお、楔型プリズム26XA,26XB等を省略することや楔型プリズムに透過型の回折格子パターンを設けることも可能である。
また、上述の実施形態において、レーザ光源16から射出される計測光ML1及び参照光RL1が所定角度で互いに傾斜している場合には、図2のPBS部材18と偏光板30XAとの間に、例えば参照用の回折光RX2の光路を計測用の回折光MX2の光路に平行にするための例えば2つの相対回転可能な楔型プリズム(不図示)よりなる角度補正部材を配置してもよい。その2つの相対回転可能な楔型プリズム(不図示)は全体としても回転可能である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態につき図1及び図9を参照して説明する。本実施形態に係るエンコーダの基本的な構成は、図1のエンコーダ10の構成と同様であるが、回折格子12から発生する回折光(計測光)と参照光との相対的な角度を補正する角度補正光学系が付加される点が異なっている。また、本実施形態では、レーザ光源16から射出される計測光ML1と参照光RL1は、進行方向が所定角度で交差しているものとする。
図8は、本実施形態の角度補正光学系の一例を示す。図8において、角度補正光学系は、図1の第2部材7に設けられるとともに、回折格子12から計測光ML1(+1次回折光MX1)によって発生する+1次回折光MX2(計測用の第1回折光)と、参照格子13から参照光RL1によって発生する回折光RX2(参照光)を通過させて回折光MX2を反射する偏光ビームスプリッター18A(以下、PBS18Aという)と、PBS18A(合成部材)の上下の面(PBS部材18Aで反射される光束が通過する面、及びこの面に対向する面)に固定された1/4波長板20A及び20Bと、1/4波長板20Aに対向するように1/4波長板20Aにほぼ平行に配置されたミラーM1と、1/4波長板20Bに対向するように、かつ1/4波長板20Bに非平行になることが可能なように、例えば傾斜角が可変な状態で支持されたミラーM2(反射部材)と、を有する。一例として、ミラーM2は、調整用のねじ等を用いる機構(不図示)によって傾斜角が調整可能な状態で支持されている。
一例として、回折光MX2及びRX2は、それぞれPBS18Aの偏光ビームスプリッター面18Aa(以下、PBS面18Aaという)に対してS偏光及びP偏光の状態でPBS18Aに入射するものとする。このとき、参照用の回折光RX2は、PBS面18Aaを透過して偏光板30XAに入射する。一方、回折光MX2は、PBS18AのPBS面18Aaで反射されて1/4波長板20Aを介してミラーM1に入射する。ミラーM1で反射された回折光MX2は、1/4波長板20Aを介してPBS面18Aaを透過し、さらに1/4波長板20Bを介してミラーM2に入射する。そして、ミラーM2によって入射時とは異なる方向に反射された回折光MX2は、1/4波長板20Bを介してPBS面18Aaで反射され、回折光RX2と平行になり、PBS18Aから射出された回折光MX2,RX2は、偏光板30XAを介して干渉光となって光電センサ40XAで受光される。
このように、ミラーM2で反射された回折光MX2が、PBS18Aに戻されてPBS面18Aaで反射されたときに、PBS面18Aaを透過した回折光RX2と平行に、かつほぼ重ね合わせられるように、ミラーM2の角度が設定されている。さらに、共通の角度補正光学系を用いて他の回折光MX4等と対応する参照用の回折光RX4等とを平行にすることができる。
上述のように本実施形態のエンコーダは、第1部材6に対して少なくともX方向に相対移動する第2部材7の相対移動量を計測するエンコーダ装置である。そして、そのエンコーダは、第1部材6に設けられ、少なくともX方向を周期方向とする格子パターン12aを有する反射型の回折格子12と、計測光ML1及び参照光RX1を互いに非平行となるように射出するレーザ光源16と、計測光ML1を回折格子12の格子パターン面12bに入射させるPBS部材18(入射用光学部材、第1光学部材)と、上述の角度補正光学系と、回折光MX2,RX2の干渉光を受光ずる光電センサ40XAと、光電センサ40XAの検出信号を用いて第2部材7の相対移動量を求める計測演算部42と、を備えている。
また、その角度補正光学系において、ミラーM2で反射された回折光MX2はPBS18Aに戻されて、回折光RX2と平行にPBS18Aから射出されるようにミラーM2の角度が設定されている。本実施形態のエンコーダによれば、レーザ光源16から射出される計測光ML1及び参照光RX1が互いに非平行であっても、簡単な光学系を用いて光電センサ40XAに入射する回折光MX2,RX2を平行にすることができ、干渉縞のコントラストを高めて、干渉光の検出信号のSN比を向上できる。
なお、図9の角度補正光学系において、ミラーM2の角度が計算等で予め求められている場合には、PBS18Aの1/4波長板20Bが設けられた面の角度をその計算等で予め求められている角度に設定しておき、この面に1/4波長板20B及びミラーM2を重ねて固定してもよい。さらに、ミラーM1の傾斜角を調整して回折光MX2,RX2を平行にしてもよい。
また、本実施形態のエンコーダにおいては、コーナーキューブ24XAで反射される回折光MX1を計測光ML1が入射する計測点EP1と異なる位置に入射させてもよい。さらに、例えば1回目の回折光MX1と参照用の光束とを干渉させてもよい。この場合、図8において、回折光MX2の代わりに回折光MX1が使用され、回折光RM2の代わりに参照用の任意の光束が使用される。
また、PBS18Aの代わりに例えばウォラストンプリズム(Wollaston prism)等を使用することも可能である。
(第3の実施形態)
第3の実施形態につき図10〜図12を参照して説明する。図10は、この実施形態に係るエンコーダ装置を備えた露光装置EXの概略構成を示す。露光装置EXは、スキャニングステッパーよりなる走査露光型の投影露光装置である。露光装置EXは、投影光学系PL(投影ユニットPU)を備えており、以下、投影光学系PLの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに直交する面(ほぼ水平面に平行な面)内でレチクルRとウエハWとが相対走査される方向にY軸を、Z軸及びY軸に直交する方向にX軸を取って説明する。
露光装置EXは、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示される照明系110、及び照明系110からの露光用の照明光(露光光)IL(例えば波長193nmのArFエキシマレーザ光、固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波など)により照明されるレチクルR(マスク)を保持するレチクルステージRSTを備えている。さらに、露光装置EXは、レチクルRから射出された照明光ILをウエハW(基板)に投射する投影光学系PLを含む投影ユニットPU、ウエハWを保持するウエハステージWSTを含むステージ装置195、及び制御系等(図12参照)を備えている。
レチクルRはレチクルステージRSTの上面に真空吸着等により保持され、レチクルRのパターン面(下面)には、回路パターンなどが形成されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含む図12のレチクルステージ駆動系111によって、XY平面内で微少駆動可能であると共に、走査方向(Y方向)に指定された走査速度で駆動可能である。
レチクルステージRSTの移動面内の位置情報(X方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む)は、レーザ干渉計よりなるレチクル干渉計116によって、移動鏡115(又は鏡面加工されたステージ端面)を介して例えば0.5〜0.1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計116の計測値は、図12のコンピュータよりなる主制御装置120に送られる。主制御装置120は、その計測値に基づいてレチクルステージ駆動系111を制御することで、レチクルステージRSTの位置及び速度を制御する。
図10において、レチクルステージRSTの下方に配置された投影ユニットPUは、鏡筒140と、鏡筒140内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子を有する投影光学系PLとを含む。投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで所定の投影倍率β(例えば1/4倍、1/5倍などの縮小倍率)を有する。照明系110からの照明光ILによってレチクルRの照明領域IARが照明されると、レチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介して照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの像が、ウエハ(半導体ウエハ)Wの一つのショット領域の露光領域IA(照明領域IARと共役な領域)に形成される。
また、露光装置EXは、液浸法を適用した露光を行うため、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子である先端レンズ191を保持する鏡筒140の下端部の周囲を取り囲むように、局所液浸装置108の一部を構成するノズルユニット132が設けられている。ノズルユニット132は、露光用の液体Lq(例えば純水)を供給するための供給管131A及び回収管131Bを介して、液体供給装置186及び液体回収装置189(図12参照)に接続されている。なお、液浸タイプの露光装置としない場合には、上記の局所液浸装置108は設けなくともよい。
また、ウエハステージWSTは、不図示の複数の例えば真空予圧型空気静圧軸受(エアパッド)を介して、ベース盤112のXY面に平行な上面112aに非接触で支持されている。ウエハステージWSTは、例えば平面モータ、又は直交する2組のリニアモータを含むステージ駆動系124(図12参照)によってX方向及びY方向に駆動可能である。露光装置EXは、レチクルRのアライメントを行う空間像計測系(不図示)、ウエハWのアライメントを行うアライメント系AL(図12参照)、照射系90a及び受光系90bよりなりウエハWの表面の複数箇所のZ位置を計測する斜入射方式の多点のオートフォーカスセンサ90(図12参照)、及びウエハステージWSTの位置情報を計測するためのエンコーダ装置8Bを備えている。
ウエハステージWSTは、X方向、Y方向に駆動されるステージ本体191と、ステージ本体191上に搭載されたウエハテーブルWTBと、ステージ本体191内に設けられて、ステージ本体191に対するウエハテーブルWTB(ウエハW)のZ方向の位置、及びθx方向、θy方向のチルト角を相対的に微小駆動するZ・レベリング機構とを備えている。ウエハテーブルWTBの中央の上部には、ウエハWを真空吸着等によってほぼXY平面に平行な吸着面上に保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。
また、ウエハテーブルWTBの上面には、ウエハホルダ上に載置されるウエハの表面とほぼ同一面となる、液体Lqに対して撥液化処理された表面(又は保護部材)を有し、かつ外形(輪郭)が矩形でその中央部にウエハホルダ(ウエハの載置領域)よりも一回り大きな円形の開口が形成された高平面度の平板状のプレート体128が設けられている。
なお、上述の局所液浸装置108を設けたいわゆる液浸型の露光装置の構成にあっては、さらにプレート体128は、図11のウエハテーブルWTB(ウエハステージWST)の平面図に示されるように、その円形の開口を囲む、外形(輪郭)が矩形の表面に撥液化処理が施されたプレート部(撥液板)128aと、プレート部128aを囲む周辺部128eとを有する。周辺部128eの上面に、プレート部128aをY方向に挟むようにX方向に細長い1対の2次元の回折格子12A,12Bが配置され、プレート部128aをX方向に挟むようにY方向に細長い1対の2次元の回折格子12C,12Dが配置されている。回折格子12A〜12Dは、図1の回折格子12と同様にX方向、Y方向を周期方向とする2次元の格子パターンが形成された反射型の回折格子である。
また、図10において、投影ユニットPUを支持するフレーム(不図示)に連結部材(不図示)を介してXY面にほぼ平行な平板状の計測フレーム150が支持されている。計測フレーム150の底面に、投影光学系PLをX方向に挟むように、図1の3軸の検出ヘッド14と同じ構成の複数の検出ヘッド14が固定され、投影光学系PLをY方向に挟むように、図1の検出ヘッド14と同じ構成の複数の検出ヘッド14が固定されている(図12参照)。また、複数の検出ヘッド14にレーザ光(計測光及び参照光)を供給するための図1のレーザ光源16と同様の一つ又は複数のレーザ光源(不図示)も備えられている。ここで、図示無きフレームによって支持される投影ユニットPUを、ウエハWに露光光を照射する露光部とみなすことができる。
図11において、投影光学系PLからの照明光でウエハWを露光している期間では、常にY方向の一列A1内の複数の検出ヘッド14のいずれか2つが回折格子12A,12Bに対向し、X方向の一行A2の複数の検出ヘッド14のいずれか2つが回折格子12C,12Dに対向するように構成されている。一列A1内の各検出ヘッド14は、回折格子12A又は12Bに計測光を照射し、回折格子12A,12Bから発生する回折光と参照光との干渉光の検出信号を対応する計測演算部42(図12参照)に供給する。これらの計測演算部42では、図1の計測演算部42と同様に、ウエハステージWSTと計測フレーム150とのX方向、Y方向、Z方向の相対位置(相対移動量)を例えば0.5〜0.1nmの分解能で求めてそれぞれ計測値を切り替え部80Aに供給する。計測値切り替え部80Aでは、回折格子12A,12Bに対向している検出ヘッド14に対応する計測演算部42から供給される相対位置の情報を主制御装置120に供給する。
また、一行A2に対応する各検出ヘッド14は、回折格子12C又は12Dに計測光を照射し、回折格子12C,12Dから発生する回折光と参照光との干渉光の検出信号を対応する計測演算部42(図12参照)に供給する。これらの計測演算部42では、図1の計測演算部42と同様に、ウエハステージWSTと計測フレーム150とのX方向、Y方向、Z方向の相対位置(相対移動量)を例えば0.5〜0.1nmの分解能で求めて計測値切り替え部80Bに供給する。計測値切り替え部80Bでは、回折格子12C,12Dに対向している検出ヘッド14に対応する計測演算部42から供給される相対位置の情報を主制御装置120に供給する。
一列A1内の複数の検出ヘッド14、レーザ光源(不図示)、計測演算部42、及び回折格子12A,12Bから3軸のエンコーダ10Aが構成され、一行A2内の複数の検出ヘッド14、レーザ光源(不図示)、計測演算部42、及び回折格子12C,12Dから3軸のエンコーダ10Bが構成されている。そして、3軸のエンコーダ10A,10B、及び計測値切り替え部80A,80Bからエンコーダ装置8Bが構成されている。主制御装置120は、エンコーダ装置8Bから供給される相対位置の情報に基づいて、計測フレーム150(投影光学系PL)に対するウエハステージWSTのX方向、Y方向、Z方向の位置、及びθz方向の回転角等の情報を求め、この情報に基づいてステージ駆動系124を介してウエハステージWSTを駆動する。
そして、露光装置EXの露光時には、先ずレチクルR及びウエハWのアライメントが行われる。その後、レチクルRへの照明光ILの照射を開始して、投影光学系PLを介してレチクルRのパターンの一部の像をウエハWの表面の一つのショット領域に投影しつつ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを投影光学系PLの投影倍率βを速度比としてY方向に同期して移動(同期走査)する走査露光動作によって、そのショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。その後、ウエハステージWSTを介してウエハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作と、上記の走査露光動作とを繰り返すことによって、液浸法でかつステップ・アンド・スキャン方式でウエハWの全部のショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。
この際に、エンコーダ装置8Bの検出ヘッド14においては、計測光及び回折光の光路長はレーザ干渉計に比べて短いため、検出ヘッド14を用いた計測値に対する空気揺らぎの影響が非常に小さい。従って、本実施形態のエンコーダ装置8Bは、レーザ干渉計と比較して、空気が揺らぐ程度の短い期間における計測安定性(短期安定性)が格段に優れているため、レチクルRのパターン像をウエハWに高精度に転写できる。さらに、検出ヘッド14は回折格子12A〜12Dに微小な凹凸があっても、さらに回折格子12A〜12DのZ位置が変化しても常に高いSN比で相対移動量の情報を含む信号を検出できるため、常に高精度にウエハステージWSTを駆動できる。
上述の実施形態では、計測フレーム150側に検出ヘッド14を配置し、ウエハステージWST側に回折格子12A〜12Dを配置している。この他の構成として、計測フレーム150側に回折格子12A〜12Dを配置し、ウエハステージWST側に検出ヘッド14を配置してもよい。
また、ウエハステージWST内に例えばY方向に沿って開口を設け、この開口の内面に回折格子12A〜12Dと同様の回折格子を設け、その開口に差し込み可能なロッド状部材の先端に検出ヘッド14と同様の検出ヘッドを設け、この検出ヘッド及びその開口内の回折格子を含むエンコーダによってウエハステージWSTの投影光学系PLに対する移動量を計測してもよい。
また、上記の実施形態の露光装置EX又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(又はマイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図13に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたレチクル(マスク)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造してレジストを塗布するステップ223、前述した実施形態の露光装置(露光方法)によりレチクルのパターンを基板(感光基板)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い換えると、このデバイスの製造方法は、上記の実施例の露光装置EX(露光方法)を用いてレチクルのパターンの像を基板(ウエハ)に転写し、その基板を現像するリソグラフィ工程と、そのパターンの像が転写されたその基板をそのパターンの像に基づいて加工する工程(ステップ224のエッチング等)とを含んでいる。この際に、上記の実施例によれば、露光装置のウエハステージWSTの位置を高精度に制御できるため、電子デバイスを高精度に製造できる。
なお、本実施形態は、上述の走査露光型の投影露光装置(スキャナ)の他に、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ等)にも適用できる。さらに、本実施形態は、液浸型露光装置以外のドライ露光型の露光装置にも同様に適用することができる。
また、本実施形態は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本実施形態は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグフィ工程を用いて製造する際の、露光装置にも適用することができる。
また、上記の実施形態のエンコーダ10は、露光装置以外の検査装置又は計測装置等の検査又は加工対象の物体用の光学系(レーザ光を集光する光学系等)と、その物体を移動する移動装置(ステージ等)とを備えた光学装置において、その移動装置(物体)の例えばその光学系に対する相対移動量を計測するために適用することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。