JPWO2017146029A1 - 熱転写シートと被転写体との組合せ、及び印画物の形成方法、並びに熱転写シート - Google Patents

熱転写シートと被転写体との組合せ、及び印画物の形成方法、並びに熱転写シート Download PDF

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Abstract

意匠性の高い印画物を形成することができる熱転写シートと被転写体との組合せや、熱転写シートを提供すること、また、意匠性の高い印画物を形成することができる印画物の形成方法を提供すること。熱転写シート10と被転写体100との組合せであって、熱転写シート10は、熱転写シート10は、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、色材層3が面順次に設けられた構成を呈しており、被転写体100と不可視光線吸収材料含有層2との積層体と、被転写体100との色差(ΔE*ab)が10以下であることを特徴としている。

Description

本発明は、熱転写シートと被転写体との組合せ、及び印画物の形成方法、並びに熱転写シートに関する。
ゲームセンターや、商業施設等において設置・利用されているゲーム機の1つとして、カードに印刷されたコード情報を読み取り、読み取ったコード情報を利用してゲームを実行するアーケードゲーム機が知られている。これらアーケードゲーム機で用いられるカードには、アーケードゲーム機に再現されるキャラクタの画像、名称、及びステータス、並びに二次元コード等のコード情報が印刷されており、当該コード情報は、このキャラクタを定義するための情報を有している。
近時、その内部にプリンタを備え、ゲームの進行状況に応じてキャラクタのステータスが変化し、ゲーム終了後に、ゲームの進行時に変化したステータスが反映されたキャラクタのカードを、オンデマンドで発行可能なアーケードゲーム機が知られている。当該アーケードゲーム機によれば、ゲームの遊技者は、新たに発行されたカードを次回以降のゲームに利用し、キャラクタを強化、或いは育成等することができ、遊技者のカードに対する興趣を高めることができる。例えば、特許文献1には、利用者の操作によりゲームを実行し、実行されたゲームの結果を保存する携帯端末からゲーム結果情報を受信する通信部と、複数のキャラクタ画像のデータを記憶する記憶部と、受信したゲーム結果情報に基づいてキャラクタ画像を選択し、ゲーム結果情報に含まれるステータス情報と組み合わせてカード画像データを生成する画像データ生成部と、カード画像データを用いて、カード画像を印画紙にプリントし、ゲームカードを出力するプリンタとを備えるゲームカードプリント装置や、このゲームカードプリント装置と、操作を受け付ける入力部、ゲーム画面を表示する表示部、ゲームカードにプリントされたコード情報を読み取る読み取り部、投入された貨幣を識別計数する課金部、及び読み取ったコード情報に基づいてゲーム内にキャラクタを再現する再現部を有し、所定金額の投入に伴いゲームを実行するアーケードゲームシステムが提案されている。
近時、アーケードゲーム機の使用形態も多様化しており、赤外線スキャナ等を内蔵したアーケードゲーム機等も提案がされている。当該アーケードゲーム機では、キャラクタ等を示す可視画像とともに、キャラクタ等を定義するためのコード情報としての不可視画像が印画されているカードが用いられている。
特開2016−22208号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、意匠性の高い印画物を形成することができる熱転写シートと被転写体との組合せや、熱転写シートを提供すること、また、意匠性の高い印画物を形成することができる印画物の形成方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る熱転写シートと被転写体との組合は、前記熱転写シートが、基材の一方の面に、不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層、第1転写層、色材層が面順次に設けられた熱転写シートであり、前記被転写体と前記不可視光線吸収材料含有層との積層体と、前記被転写体との色差(ΔEab)が10以下であることを特徴とする。
また、本開示の実施の形態に係る熱転写シートと被転写体との組合せは、前記熱転写シートが、基材の一方の面に、不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層、第1転写層、色材層がこの順で面順次に設けられ、前記第1転写層は、受容層のみからなる単層構成、又は前記基材から最も近くに前記受容層が位置する積層構成を呈し、前記色材層が、昇華性染料を含有しており、前記被転写体と前記不可視光線吸収性材料含有層との積層体と、前記被転写体との色差(ΔEab)が10以下であることを特徴とする。
また、前記不可視光線吸収材料含有層が、さらに顔料又は有機染料を含有していてもよい。また、前記不可視光線吸収材料含有層が、不可視光線吸収材料を含有する層と、顔料又は有機染料を含有する層との積層構成を呈していてもよい。また、前記不可視光線吸収材料含有層を構成する層のうち前記基材から最も近くに位置する層が、前記不可視光線吸収材料を含有する層、或いは前記顔料又は有機染料を含有する層であってもよい。また、前記第1転写層が、受容層のみからなる単層構成、又は前記基材から最も近くに前記受容層が位置する積層構成を呈する転写層であってもよい。
また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法は、熱転写シートと被転写体とを用いた印画物の形成方法であって、被転写体を準備する被転写体準備工程と、基材の一方の面に、不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層、第1転写層、色材層が面順次に設けられた熱転写シートを準備する熱転写シート準備工程と、前記被転写体の一方の面に、前記熱転写シートの前記不可視光線吸収材料含有層を転写して不可視光線吸収材料を含有する特別画像を形成する特別画像形成工程と、前記特別画像上に、前記熱転写シートの第1転写層を転写する第1転写層転写工程と、前記転写された前記第1転写層上に、前記熱転写シートの前記色材層を熱転写して熱転写画像を形成する熱転写画像形成工程と、を含み、前記特別画像形成工程において形成される前記被転写体と前記特別画像との積層体と、前記被転写体準備工程で準備される前記被転写体との色差(ΔEab)が10以下であることを特徴とする。
また、前記第1転写層転写工程が、前記特別画像、及び前記被転写体の一方の面の全面を覆うように、前記第1転写層を転写する工程であってもよい。
また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る熱転写シートは、被転写体上に熱転写画像を形成する際に用いられる熱転写シートであって、基材の一方の面に、不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層、第1転写層、色材層が面順次に設けられ、前記被転写体と前記不可視光線吸収材料含有層との積層体と、前記被転写体との色差(ΔEab)が10以下であることを特徴とする。
また、本開示の実施の形態に係る熱転写シートは、被転写体上に熱転写画像を形成する際に用いられる熱転写シートであって、前記熱転写シートは、基材の一方の面に、不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層、第1転写層、色材層がこの順で面順次に設けられ、前記第1転写層は、受容層のみからなる単層構成、又は前記基材から最も近くに前記受容層が位置する積層構成を呈し、前記色材層は、昇華性染料を含有しており、前記被転写体と前記不可視光線吸収性材料含有層との積層体と、前記被転写体との色差(ΔEab)が10以下であることを特徴とする。
本開示の実施の形態に係る熱転写シートと被転写体との組合せ、熱転写シート、及び印画物の形成方法によれば、意匠性の高い印画物を形成することができる。
一実施形態の熱転写シートの概略断面図である。 一実施形態の熱転写シートの概略断面図である。 一実施形態の熱転写シートの概略断面図である。 一実施形態の熱転写シートの概略断面図である。 一実施形態の熱転写シートの概略断面図である。 一実施形態の印画物の形成方法を説明するための工程図であり、(a)〜(e)は全て概略断面図である。 一実施形態の熱転写シートの概略断面図である。
<<熱転写シートと被転写体の組合せ>>
以下、本発明の熱転写シートと被転写体との組合せについて、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。後述する本発明の印画物の形成方法、及び熱転写シートについても同様である。
<熱転写シート>
本開示の実施の形態に係る熱転写シートと被転写体との組合せ(以下、一実施形態の組合せと言う場合がある)に用いられる熱転写シートは、図1に示すように、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、色材層3が面順次に設けられた構成を呈している。基材1、不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、色材層3は、一実施形態の組合せに用いられる熱転写シート10における必須の構成である。
図1に示す形態の熱転写シート10は、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、色材層3がこの順で面順次に設けられた構成を呈しているが、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、色材層3を設ける順序について限定されることはない。以下、各構成について具体的に説明する。
(基材)
基材1についていかなる限定もされることはなく、熱転写シートの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができる。一例としては、グラシン紙、コンデンサー紙またはパラフィン紙等の薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。
また、基材1に、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、帯電防止層付与等の易接着処理を行ってもよい。また、基材1は、必要に応じて、充填材、可塑剤、着色剤、帯電防止剤等の添加材を含有していてもよい。基材1の厚さについて特に限定はないが、2μm以上10μm以下であることが好ましい。
(不可視光線吸収材料含有層)
図1に示すように、基材1の一方の面(図示する形態では基材1の上面)には、第1転写層(5)、色材層3と面順次に不可視光線吸収材料含有層2が設けられていている。不可視光線吸収材料含有層2は、必須の成分として不可視光線吸収材料を含有している。本願明細書で言う不可視光線吸収材料とは、赤外光や紫外光等を吸収する材料を意味する。一実施形態の組合せによれば、熱転写シート10と、被転写体100とを重ね合わせ、被転写体100上に不可視光線吸収材料含有層2を溶融転写することで、被転写体100上に、赤外光下或いは紫外光下で認識可能な画像50Aを形成することができる(図6参照)。また、不可視光線吸収材料含有層を、可視光を吸収せず、或いは殆ど吸収せず、赤外光や紫外光等を吸収する不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層とすることもできる。この場合、熱転写シート10と、被転写体100とを重ね合わせ、被転写体100上に不可視光線吸収材料含有層2を溶融転写することで、被転写体100上に、可視光下では視認することができない、或いは視認しにくく、赤外光下或いは紫外光下で認識可能な画像50Aを形成することができる。以下、不可視光線吸収材料を含有する画像のことを「特別画像」と言う場合がある。
不可視光線吸収材料としては、例えば、赤外線吸収材料や紫外線吸収材料を挙げることができる。なお、本願明細書で言う「赤外線」とは、極大吸収波長(λmax)領域が、750nm以上2000nm以下の波長領域を意味し、「紫外線」とは、極大吸収波長(λmax)領域が、280nm以上400nm以下の領域を意味する。
赤外線吸収材料としては、例えば、ジイモニウム系化合物、アミニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、ジチオール系有機金属錯体、シアニン系化合物、アゾ系化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、オキソール系化合物やカーボンブラック等を挙げることができる。不可視光線吸収材料含有層2は、これら赤外線吸収材料の1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。これらの中でも、赤外線吸収材料として、シアニン系化合物、ジイモニウム系化合物を好適に用いることができる。
紫外線吸収材料としては、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物等の有機系紫外線吸収材料や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム等の無機系紫外線吸収材料等を挙げることができる。不可視光線吸収材料含有層2は、紫外線吸収材料の1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
また、不可視光線吸収材料含有層2は、赤外線吸収材料と、紫外線吸収性材料の双方を含有していてもよい。
また、不可視光線吸収材料含有層2は、上記不可視光線吸収材料とともに、バインダー樹脂を含有していてもよい。バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂およびポリウレタン系樹脂等の公知の樹脂を挙げることができる。
一実施形態の組合せに用いられる熱転写シート10は、上記のように不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層2を備えており、当該不可視光線吸収材料含有層2により、被転写体100の上に、赤外光下、或いは紫外光下において認識することができる特別画像50Aを形成することができる。ところで、不可視光線吸収材料含有層2が含有している不可視光線吸収材料や、バインダー樹脂の中には、可視光の全部、或いは一部を吸収してしまうものもあり、このような不可視光線吸収材料や、バインダー樹脂を含有する不可視光線吸収材料含有層2を用いて、被転写体100上に特別画像50Aを形成した場合には、被転写体100の色相によっては、当該特別画像50Aが、可視光下において意図せず視認されてしまい、可視光下における意匠性を低下させてしまうといった問題が生ずる場合がある。
そこで、一実施形態の組合せでは、被転写体100と不可視光線吸収材料含有層2との積層体20と、被転写体100との色差(ΔEab)が10以下であることを特徴としている。換言すれば、被転写体100上に熱転写シート10の不可視光線吸収材料含有層2を転写することで形成される特別画像50Aと被転写体100との積層体20(図6(a)参照)と、被転写体100との色差(ΔEab)が10以下であることを特徴としている。以下、被転写体100と不可視光線吸収材料含有層2との積層体、換言すれば、被転写体100と特別画像50Aとの積層体のことを単に積層体と言う場合がある。
上記特徴を有する一実施形態の組合せによれば、積層体20と、被転写体100との色差(ΔEab)を10以下とすることにより、被転写体100上に形成された特別画像50Aが、可視光下において意図せずに認識されてしまうことを十分に抑制することができる。また、意匠性の高い印画物をオンデマンドで形成することが可能となる。なお、一実施形態の組合せにおいて、積層体20と被転写体100との色差(ΔEab)を10以下に規定しているのは、積層体20と被転写体100との色差(ΔEab)が10を超える場合には、可視光下において特別画像50Aが認識されやすくなり、印画物の意匠性を十分に高めることができないことによる。好ましい一実施形態の組合せは、被転写体100と不可視光線吸収材料含有層2との積層体20と、被転写体100との色差(ΔEab)が8以下となっている。
本願明細書で言う色差(ΔEab)とは、2色間の差異または距離であり、JIS−Z−8730(2009)に準拠するものである。色差(ΔEab)は、例えば、分光測定器(i1 X−rite社)を使用することにより測色し、国際証明委員会のL表色系における数値で定義するものである。なお、ΔEab=((ΔL2+(Δa2+(Δb21/2で表される値であり、値が大きいほど目視したときの色の違いが著しい。なお、(ΔL)、(Δa)、(Δb)は、積層体20と、被転写体100とのL、aおよびbの値の差である。なお、積層体20の測色は、被転写体100と特別画像50Aとが厚み方向で重なっている箇所で行うものとする。
積層体20と被転写体100との色差(ΔEab)を10以下とする手段について特に限定はなく、不可視光線吸収材料含有層2に、種々の添加材を含有せしめることにより実現可能である。添加材の一例としては、色相を有する化合物等、例えば、有機顔料や、無機顔料等を挙げることができる。有機顔料としては、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン等の有彩色顔料や、中空粒子等を挙げることができる。無機顔料としては、シリカ、酸化チタン、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、雲母チタン、白雲母、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、タルク等を挙げることができる。また、無機顔料からなるコアの周囲を有機顔料からなるシェルで被覆したコア・シェル顔料等を用いることもできる。これ以外にも、イエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料等の有機染料等を用いることもできる。
なお、被転写体100は、一般的に白色を呈するものが好ましく用いられることから、色差(ΔEab)を10以下とするための添加材としては、酸化チタン、炭酸カルシウム等の白色化合物が好適である。中でも、酸化チタンが特に好適である。
また、上記不可視光線吸収材料含有層2に、顔料又は有機染料を含有せしめることにかえて、図7(a)〜(c)に示すように、不可視光線吸収材料含有層2を、不可視光線吸収材料を含有する層2Aと、顔料を含有する層2Bとの積層構成とし、積層体20と被転写体100との色差(ΔEab)を10以下とすることもできる。
不可視光線吸収材料含有層2を積層構成とする場合において、不可視光線吸収材料を含有する層2Aは、図7(a)に示すように、基材1から最も近くに位置させてもよく、図7(b)に示すように、基材1から最も遠くに位置させてもよく、図7(c)、(d)に示すように、不可視光線吸収材料含有層2を、不可視光線吸収材料を含有する層2A、顔料を含有する層2B、及び1つ、又は2つ以上の任意の層2Cを含む積層構成とし、何れかの層間に不可視光線吸収材料を含有する層2Aを位置させてもよい。顔料を含有する層2Bについても同様である。
顔料を含有する層2Bとしては、上記で例示した有機顔料、無機顔料の少なくとも1種、及び必要に応じてバインダー等の添加材を含有している。バインダーとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリイソブチレン、エチルセルロース又はポリアセタール等を挙げることができる。また、バインダーとして、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス等がある。更に、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等、種々のワックスを用いることもできる。
顔料を含有する層2Bの厚みについて特に限定はないが、0.1μm以上5μm以下の範囲が好ましく、0.5μm以上1.5μm以下の範囲がより好ましい。
また、上記顔料を含有する層2Bを、有機染料を含有する層2Bとすることもできる。有機染料を含有する層としては、後述する色材層3を適宜選択して用いることができる。
なお、一実施形態の組合せで用いられる熱転写シート10は、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料含有層2、受容層5Aを含む第1転写層(5)、色材層3が面順次に設けられた構成を呈しており、不可視光線吸収材料含有層2と、受容層を含む第1転写層(5)との色相や、不可視光線吸収材料含有層2と、色材層3との色相が近しい場合には、プリンタ内において不可視光線吸収材料含有層2を正確に検知することができず、印画時の位置決めを正確にできないといった問題が生じ得る。一方で、上記の如く、不可視光線吸収材料含有層2に顔料等を含有せしめた場合には、不可視光線吸収材料含有層2と他の層との色相に差をもたせることができ、プリンタ内において不可視光線吸収材料含有層2を正確に検知することができる。
また、後述するように一例としての色材層3は、昇華性染料を含有していることから、不可視光線吸収材料含有層2に顔料を含有せしめることで、不可視光線吸収材料含有層2と色材層3との可視光透過率に差を持たせることができ、プリンタ内における不可視光線吸収材料含有層2の検知精度を向上させることができる。また、不可視光線吸収材料含有層2に、色材層3の色相と異なる有機染料を含有せしめることで、プリンタ内における不可視光線吸収材料含有層2の検知精度を向上させることもできる。また、不可視光線吸収材料含有層2に顔料や、有機染料を含有せしめることにかえて、不可視光線吸収材料含有層2を、不可視光線吸収材料を含有する層2Aと、顔料、又は色材層3の色相と異なる有機染料を含有する層2Bとの積層構成とすることで、プリンタ内における不可視光線吸収材料含有層2の検知精度を向上させることができる。
上記添加材の含有量について特に限定はなく、積層体20と被転写体100との色差(ΔEab)を10以下とすることができる範囲で適宜設定することができる。また、不可視光線吸収材料の含有量についても特に限定はないが、一例としては、不可視光線吸収材料含有層2の固形分総質量に対し、0.1質量%以上80質量%以下の範囲であり、好ましくは、5質量%以上40質量%以下の範囲である。
不可視光線吸収材料含有層2の厚みについて特に限定はないが、0.1μm以上5μm以下の範囲であることが好ましく、0.5μm以上1.5μm以下の範囲がより好ましい。不可視光線吸収材料含有層2の厚みを好ましい範囲とすることで、赤外光、或いは紫外光において十分に識別可能な特別画像50Aを形成することができる。換言すれば、不可視光線吸収材料含有層2を用いて形成される特別画像50Aを検知するときの検知性能を高めることができる。また、不可視光線吸収材料層2を被転写体上に転写するときに尾引きや文字潰れなどが生ずることを抑制することができる。なお、本願明細書で言う尾引きとは、転写層を被転写体上に転写するときに、転写層の転写領域と非転写領域の境界を起点とし、該境界から非転写領域側にはみ出すように転写層が転写されてしまう現象を意味する。また、本願明細書で言う文字潰れとは、文字として表される転写領域に囲まれた、若しくは挟まれた被転写領域が、尾引きと同様の現象で転写してしまい、本来の文字を再現できていない現象を意味する。
不可視光線吸収材料含有層2の形成方法について特に限定はないが、不可視光線吸収材料、バインダー樹脂、必要に応じて添加される各種の添加材をトルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド等の適当な溶媒に、分散ないし溶解した不可視光線吸収材料含有層用塗工液を調製し、これを基材1、或いは基材1上に設けられる任意の層上に、塗布・乾燥して形成することができる。不可視光線吸収材料含有層用塗工液の塗布方法について特に限定なく、従来公知の塗布方法を適宜選択して用いることができる。塗布方法としては、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等を挙げることができる。また、これ以外の塗布方法を用いることもできる。このことは、後述する各種塗工液の塗布方法についても同様である。
(離型層)
不可視光線吸収材料含有層2の転写性(離型性)を向上させるべく、基材1と不可視光線吸収材料含有層2との間に、離型層(図示しない)を設けることもできる。なお、離型層は、不可視光線吸収材料含有層2を被転写体100上に移行させるときに、基材1側に残る層である。離型層の材料としては、例えば、シリコーンワックス等の各種ワックス類、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の水溶性樹脂、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリルビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂等の各種樹脂等やこれらの混合物等を挙げることができる。離型層の厚みは、通常、0.5μm以上5μm以下の範囲内である。
(第1転写層)
図1に示すように、基材1上には、上記不可視光線吸収材料含有層2、色材層3と面順次に第1転写層(5)が設けられている。第1転写層(5)は、基材1から剥離可能に設けられており、熱転写によって、特別画像50Aが形成された被転写体100上に転写される(移行する)層である。
一実施形態の組合せを用いた印画物の形成では、被転写体100上に熱転写シート10の不可視光線吸収材料含有層2により特別画像50Aが形成され、さらに、この特別画像50A上には、第1転写層(5)が形成される。つまり、一実施形態の組合せによれば、当該組合せを用いて、被転写体100上に形成された特別画像50Aを第1転写層(5)によって覆うことができる。これにより、特別画像50Aが表面に露出することによる種々の問題、例えば、外部からの衝撃等による特別画像50Aの消失等を抑制できる。
一例としての第1転写層(5)は、少なくとも受容層5Aを含んでおり、受容層5Aのみからなる単層構成、或いは基材1側から受容層5A、他の層がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。なお、受容層5Aを含む第1転写層(5)とする場合は、第1の転写層(5)を構成する層のうち基材1から最も近くに位置する層が受容層5Aとなっている。これは、被転写体上に第1転写層(5)を転写したときに、当該転写層100の最表面に受容層5Aを位置させるためである。
「受容層」
受容層5Aの材料について特に限定はないが、色材層3が含有する昇華性染料が染着し易いバインダー樹脂を用いることが好ましい。このようなバインダー樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、アイオノマー、セルロース系樹脂等を挙げることができる。受容層5Aは、これらのバインダー樹脂の1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。また、これらバインダー樹脂の2種以上を共重合してなる共重合体を用いることもできる。中でも、セルロース系樹脂は、転写界面に位置する層である受容層5Aの転写性を十分に満足させることができ、熱転写シート10に印加されるエネルギーを高めていった場合であっても、受容層5Aを含む第1転写層(5)の転写性を満足させることができる点で受容層5Aの材料として好ましい。また、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、受容層5Aの染料染着性や、受容層5Aと色材層3との離型性を高めることができる点で、受容層5Aの材料として好ましい。
セルロース系樹脂としては、例えば、セルロースアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース等を挙げることができる。
受容層5Aは、印画時における色材層3との熱融着を抑制するために、離型剤を含有していてもよい。離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、および各種シリコーン樹脂などを挙げることができる。
受容層5Aは、上記バインダー樹脂、必要に応じて添加される離型剤等の添加材を適当な溶媒に、分散ないし溶解した受容層用塗工液を調製し、これを基材1、或いは基材1上に設けられる任意の層上に、塗布・乾燥して形成することができる。受容層5Aの厚みについて特に限定はなく、通常、0.3μm以上10μm以下の範囲である。
「ヒートシール層」
被転写体100と第1転写層(5)との密着性を向上させるべく、図2に示すように、第1転写層(5)を、基材1側から受容層5A、ヒートシール層5Cをこの順で積層してなる積層構成とすることもできる。ヒートシール層5Cの材料としては、被転写体100との接着性が良好な材料が好ましい。このような材料としては、例えば、エチルセルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂や、粘着付与剤としてのロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルゴム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリルニトリルゴム、ポリアミド樹脂、ポリ塩素化オレフィン等を挙げることができる。ヒートシール層5Cの厚みは、0.1μm以上20μm以下の範囲が好ましい。
「プライマー層」
図2に示すように、受容層5Aとヒートシール層5Cとの間に、プライマー層5Bを設けることもできる。プライマー層5Bを設けることで、受容層5Aとヒートシール層5Cとの密着性の向上、受容層5Aと色材層との離型性の向上を図ることができ、また、受容層5A上に形成された熱転写画像に生じ得る滲みの抑制や、帯電防止性を付与することができる。
一例としてのプライマー層5Bは、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等のバインダー樹脂、必要に応じて、アルミナ、シリカ、酸化チタン、カーボンブラック等の無機粒子を含有している。バインダー樹脂とともに、無機粒子を含有するプライマー層5Bによれば、プライマー層5Bを含む第1転写層(5)の箔切れ性を更に良好なものとすることができる。好ましい形態のプライマー層5Bは、バインダー樹脂とともに、アルミナ微粒子や、シリカ微粒子を含有している。特に好ましい形態のプライマー層5Bは、バインダー樹脂とともに、アルミナゾル由来のアルミナ微粒子や、コロイダルシリカ由来のシリカ微粒子を含有している。また、バインダー樹脂を用いずに、プライマー層5Bを無機微粒子から形成することもできる。
また、染料離型性の向上を主眼とする場合には、受容層5A上に、水系樹脂を含有するプライマー層5Bを設けることが好ましい。換言すれば、水系樹脂を、水系溶媒に分散或いは溶解してなるプライマー層用塗工液を用いて、受容層5A上にプライマー層5Bを設けることが好ましい。なお、本願明細書で言う「水系樹脂」とは、水溶性樹脂、或いは水系溶媒に不溶性であるが、エマルジョンやディスパージョンのように、水系溶媒に分散可能な樹脂を意味する。水系溶媒としては、水や、水とアルコールとの混合溶媒等を挙げることができる。
水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸、ポリヒドロキシエチルアクリレート、水溶性(或いは水分散)ポリエステル樹脂、水溶性(或いは水分散)ポリウレタン樹脂、水分散性塩化ビニル樹脂、水分散性塩化アクリル系樹脂、水分散性エポキシ樹脂、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。中でも、ポリビニルピロリドン樹脂、水溶性(或いは水分散)ポリウレタン樹脂は、受容層5Aとヒートシール層5Cとの密着性や、受容層5Aと色材層との離型性のさらなる向上を図ることができる点で好ましい。
プライマー層5Bの形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に溶解又は分散したプライマー層用塗工液を調製し、これを受容層5A上に、塗布・乾燥して形成することができる。
プライマー層5Bの厚みについて特に限定はないが、0.01μm以上5μm以下の範囲が好ましく、0.02μm以上3μm以下の範囲が特に好ましい。
なお、後述する色材層として、熱溶融インキを含む色材層とする場合には、受容層5Aを含まない第1転写層(5)とすることもできる。例えば、上記受容層5Aを含む第1の転写層(5)にかえて、保護層(剥離層と称される場合もある)を含む第1の転写層(5)とすることもできる(図示しない)。また、保護層以外の任意の層とすることもできる。この場合には、上記で説明した受容層5Aとある記載を、保護層、或いは任意の層と読み替えればよい。
保護層の材料としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、マレイン酸変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニルおよびその共重合体、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、アクリル系・メタクリル系などの(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリメチルメタクリレート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニル系樹脂、マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン・アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン−ブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等を挙げることができる。これらの材料は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組合せて使用してもよい。
保護層の厚みについて特に限定はないが、1μm以上15μm以下の範囲内が好ましい。
(色材層)
図1に示すように、基材1の一方の面には、上記不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)と面順次に色材層3が設けられている。一例としての色材層3は昇華性染料を含有しており、一実施形態の組合せにより形成される熱転写画像がモノカラーである場合には、図1に示すように適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望の画像がフルカラー画像である場合には、図2に示すように、イエローの昇華性染料を含有するイエロー色材層3Y、マゼンタの昇華性染料を含有するマゼンタ色材層3M、シアンの昇華性染料を含有するシアン色材層3Cを、基材1の同一面に面順次に繰り返し形成してもよい。また、イエロー色材層3Y、マゼンタ色材層3M、シアン色材層3Cのうちの2つの色材層を設けた構成としてもよい。
一例としての色材層3が含有している昇華性染料について特に限定はないが、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましい。このような昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、ピラゾロメチン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料、等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学(株))、Macrolex Red Violet R(バイエル社)、CeresRed 7B(バイエル社)、Samaron Red F3BS(三菱化学(株))等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社)、PTY−52(三菱化学(株))、マクロレックスイエロー6G(バイエル社)等の黄色染料、カヤセット(登録商標)ブルー714(日本化薬(株))、ホロンブリリアントブルーS−R(クラリアント社)、MSブルー100(三井東圧化学(株))、C.I.ソルベントブルー63等の青色染料等を挙げることができる。
昇華性染料の含有量は、後述するバインダー樹脂の固形分総量に対し、50質量%以上350質量%の範囲内であることが好ましく、80質量%以上300質量%の範囲内であることがより好ましい。昇華性染料の含有量を上記範囲内とすることで、印画濃度や、保存性を高めることができる。
一例としての色材層3に含まれ、上記昇華性染料を担持するためのバインダー樹脂についても特に限定はなく、ある程度の耐熱性を有し、昇華性染料と適度の親和性があるものを使用することができる。このようなバインダー樹脂としては、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等を挙げることができる。
バインダー樹脂の含有量について特に限定はないが、色材層3の固形分総量に対し、20質量%以上含有されていることが好ましい。バインダー樹脂の含有量を20質量%以上とすることで、色材層3中において昇華性染料を十分に保持することができ、保存性を高めることができる。バインダー樹脂の含有量の上限値について特に限定はなく、昇華性染料や、任意の添加材の含有量に応じて適宜設定することができる。
また、色材層3は、無機粒子、有機微粒子等の添加材を含有していてもよい。無機粒子としては、タルク、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられ、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス、シリコーン樹脂微粒子等が挙げられる。色材層3は、離型剤を含有していてもよい。離型剤としては、変性或いは未変性のシリコーンオイル(シリコーン樹脂と称されるものも含む)、リン酸エステル、脂肪酸エステル等を挙げることができる。
昇華性染料を含む色材層3の形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂、昇華性染料、必要に応じて添加される添加材や、離型剤を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、色材層用塗工液を調製し、これを基材1、或いは基材1上に設けられる任意の層上に塗布・乾燥して形成することができる。色材層3の厚みは、0.2μm以上2.0μm以下の範囲が一般的である。
(染料プライマー層)
基材1と色材層3との間に、基材1と色材層3との密着性の向上を目的とする染料プライマー層(図示しない)を設けることもできる。
染料プライマー層について特に限定はなく、熱転写シートの分野で従来公知の染料プライマー層を適宜選択して用いることができる。一例としての染料プライマー層は、樹脂材料から構成されている。染料プライマー層を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等の樹脂等を挙げることができる。また、染料プライマー層は、これら樹脂成分とともに、有機粒子や、無機粒子等の各種の添加材を含有していてもよい。
染料プライマー層の形成方法についても特に限定はなく、上記で例示した樹脂成分、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に溶解又は分散した染料プライマー層用塗工液を調製し、これを基材1上に、塗布・乾燥して形成することができる。染料プライマー層の厚みについて特に限定はないが、通常は、0.02μm以上1μm以下の範囲である。
また、上記昇華性染料を含む色材層3にかえて、熱溶融インキを含む色材層3としてもよい。また、昇華性染料を含む色材層3と、熱溶融インキを含む色材層3を面順次に設けた構成としてもよい。熱溶融インキを含む色材層3は、バインダー樹脂と、熱溶融インキとしての着色剤を含有している。着色剤としては、従来公知の有機または無機の顔料、あるいは染料の中から適宜選択することができ、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱等により変色、退色しないものが好ましい。また、加熱により発色する物質や、被転写体の表面に塗布されている成分と接触することにより発色するような物質であってもよい。着色剤の色としては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックに限定されるものではなく、種々の色の着色剤を使用することができる。例えば、蛍光顔料等を用いることもできる。蛍光顔料は、主に無機系の蛍光体材料であり、Ca、Ba、Mg、Zn、Cdなどの酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩などの結晶を主成分とし、Mn、Zn、Ag、Cu、Sb、Pbなどの金属元素もしくはランタノイド類などの希土類元素を活性剤として添加して焼成して得られる顔料である。これら無機系の蛍光体材料の具体的化合物としては、例えば、タングステン酸カルシウム、タングステン酸マグネシウム等の酸化物系、或いは硫化カルシウム・ビスマス、硫化亜鉛・銀、硫化亜鉛・銅、硫化亜鉛・金・アルミニウム等の硫化物系、酸化亜鉛・亜鉛、バナジウム酸イットリウム・ユウロピウム、酸化イットリウム・ユウロピウム、硫酸化イットリウム・ユウロピウム、硫酸化イットリウム・テルビウム、硫酸化ガドリニウム・テルビウム、硫酸化ランタン・テルビウム、酸臭化ランタン・テルビウム等の酸化物系等の蛍光体材料等を挙げることができる。
(第2転写層)
図2に示すように、基材1の一方の面に、上記不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、色材層3とともに、保護層7Aを含む第2転写層(7)を面順次に設けることもできる。第2転写層(7)は、保護層7Aのみからなる単層構成を呈していてもよく、図2に示すように、基材1側から剥離層7B、保護層7Aがこの順で積層されてなる積層構成を呈していてもよい。また、これ以外の構成を呈していてもよい。
「保護層」
保護層7Aを構成するバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、活性光線硬化性樹脂等を挙げることができる。なお、活性光線とは、活性光線硬化性樹脂に対して化学的に作用させて重合を促進せしめる光線を意味し、具体的には、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
保護層7Aを構成するバインダー樹脂の含有量について特に限定はないが、保護層7Aの固形分総量に対し、バインダー樹脂は20質量%以上含有されていることが好ましく、30質量%以上含有されていることがさらに好ましい。バインダー樹脂の含有量の上限について特に限定はなく、その上限は100質量%である。また、保護層7Aは、バインダー樹脂に加え、各種フィラーや、蛍光増白剤、耐侯性を向上させるための紫外線吸収剤等、その他の材料を含有していてもよい。
保護層7Aの形成方法についても特に限定はなく、上記で例示したバインダー樹脂、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に溶解又は分散した保護層用塗工液を調製し、これを基材1、或いは基材1上に設けられる任意の層上に、塗布・乾燥して形成することができる。保護層7Aの厚みについて特に限定はないが、通常は、2μm以上15μm以下の範囲である。
「剥離層」
第2転写層(7)の転写性を向上させるべく、第2転写層(7)を、基材1側から剥離層7B、保護層7Aがこの順で積層されてなる積層構成とすることもできる。剥離層7Bを構成するバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのビニル共重合体の熱可塑性樹脂や、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂、アミノアルキッド樹脂などの熱硬化型の樹脂、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。また、第2転写層(7)の箔切れ性の向上を図るべく、剥離層7Bに、マイクロシリカやポリエチレンワックスなどのフィラーを含有させてもよい。また剥離層は、上記に例示した樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成することとしてもよい。
剥離層7Bの形成方法についても特に限定はなく、上記で例示したバインダー樹脂、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に溶解又は分散した剥離層用塗工液を調製し、これを基材1上に、塗布・乾燥して形成することができる。剥離層7Bの厚みについて特に限定はないが、通常は、0.1μm以上5μm以下の範囲である。
(背面層)
また、基材1の他方の面に背面層(図示しない)を設けることもできる。なお、背面層は、一実施形態の組合せで用いられる熱転写シート10における任意の構成である。
背面層の材料について限定はなく、例えば、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物等を挙げることができる。
また、背面層は、固形あるいは液状の滑剤を含有していてもよい。滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、金属石鹸、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を挙げることができる。背面層の総質量に対する滑剤の質量は、5質量%以上50質量%以下の範囲、好ましくは10質量%以上40質量%以下の範囲である。
背面層の形成方法について特に限定はなく、樹脂、必要に応じて添加される滑剤等を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、背面層用塗工液を調製し、これを基材1上に塗布・乾燥して形成することができる。背面層の厚みは、1μm以上10μm以下の範囲が好ましい。
(一実施形態の組合せに用いられる変形形態の熱転写シート)
以上、一実施形態の組合せに用いられる熱転写シートとして、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、色材層3が面順次に設けられた構成の熱転写シートを中心に説明を行ったが、上記構成の熱転写シートにかえて、以下の熱転写シートの組合せを、被転写体と組合せる熱転写シートとしてもよい。
例えば、第1の基材の一方の面に、不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、色材層3のうちの何れか1つ、又は2つの層が面順次に設けられた第1の熱転写シート(図示しない)と、第2の基材の一方の面に、他の1つ、又は2つの層が面順次に設けられた第2の熱転写シート(図示しない)との組合せを、被転写体と組合される熱転写シートとしてもよい。第1の熱転写シートが有する層、第2の熱転写シートが有する層は、不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、色材層3のうちの1つ、又は2つを任意に選択すればよい。例えば、第1の基材の一方の面に不可視光線吸収材料含有層2が設けられた第1の熱転写シートと、第2の基材の一方の面に、第1転写層(5)、色材層3が面順次に設けられた第2の熱転写シートとの組合せを、被転写体と組合される熱転写シートとしてもよい。また、第1の基材の一方の面に不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)が面順次に設けられた第1の熱転写シートと、第2の基材の一方の面に、色材層3が設けられた第2の熱転写シートとの組合せを、被転写体と組合される熱転写シートとしてもよい。
また、第1の基材上に不可視光線吸収材料含有層が設けられた第1の熱転写シート、第2の基材上に第1転写層(5)が設けられた第2の熱転写シート、第3の基材上に色材層3が設けられた第3の熱転写シートとの組合せを、被転写体と組合される熱転写シートとしてもよい。さらに、色材層3を有する熱転写シートが、複数の色材層を有する熱転写シートである場合、例えば、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層を有する熱転写シートである場合、第3の基材上に、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層が面順次に設けられた熱転写シートとしてもよく、イエロー色材層のみを有する熱転写シート、マゼンタ色材層のみを有する熱転写シート、シアン色材層のみを有する熱転写シートとの組合せとしてもよい。また、これら熱転写シートを適宜組合せた構成としてもよい。
第1の基材、第2の基材、第3の基材としては、上記で説明した熱転写シートの基材を適宜選択して用いることができる。
また、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、色材層3が面順次に設けられた構成の熱転写シートにかえて、基材の一方の面に、少なくとも不可視光線吸収材料層2が設けられた熱転写シートを、被転写体と組合される熱転写シートとしてもよい。この組合せにおいても、被転写体と不可視光線吸収材料含有層2との積層体と、被転写体との色差(ΔEab)は10以下となっている。
<被転写体>
次に、一実施形態の組合せに用いられる被転写体100について説明する。一実施形態の組合せで用いられる被転写体100について特に限定はなく、天然繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等からなるものであり、単層からなるものであっても、複数層からなるものであっても良い。
被転写体100がプラスチックフィルムからなる場合、プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルム等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレート等のアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド等のイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイト等のエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース等のセルロース系フィルム、等が挙げられる。プラスチックフィルムは、上記した樹脂を主成分とする共重合体、若しくは混合体(アロイを含む)であってもよい。
一実施形態の組合せで用いられる熱転写シート10は、受容層5Aを含む第1転写層(5)を備えており、被転写体100自体は、受容層を備えていなくともよいが、被転写体100の両面に熱転写画像を形成することを所望する場合であって、一実施形態の組合せで用いられる熱転写シート10が、被転写体100の片面側にのみ第1転写層(5)を転写可能な構成をとる場合には、被転写体100は、一方の面に受容層を備えていることが好ましい。なお、一実施形態の組合せで用いられる熱転写シート10が、後述するように、被転写体100の両面に第1転写層(5)を転写可能な構成をとる場合には、被転写体100は受容層を備えていることを要しない。
また、上記では、不可視光線吸収材料含有層2に各種の添加材を含有して、不可視光線吸収材料含有層2と被転写体100との色差(ΔEab)を10以下とした場合を中心に説明を行ったが、被転写体100側からのアプローチによって、具体的には、被転写体100に各種の添加材を含有して、不可視光線吸収材料含有層2と被転写体100との色差(ΔEab)を10以下とすることもできる。また、不可視光線吸収材料含有層2と被転写体100の双方に各種の添加材を含有させてもよい。不可視光線吸収材料含有層2と被転写体100の双方に添加材を含有させる場合において、不可視光線吸収材料含有層2に含有せしめる添加材と、被転写体100に含有せしめる添加材は、同種のものであってもよく、異なるものであってもよい。この場合、不可視光線吸収材料含有層2に含有させる添加材と、被転写体100に含有させる添加材は同種の添加材であることが好ましい。同種の添加材を用いることで、色差(ΔEab)の調整を容易にすることができる。
被転写体100の厚みについて特に限定はないが、3μm以上800μm以下の範囲であることが好ましく、100μm以上600μm以下の範囲であることがより好ましい。
<熱転写シートの構成例>
図3〜図5は、一実施形態の組合せで用いられる熱転写シートの構成の一例を示す概略断面図である。
図3(a)に示す形態の熱転写シート10は、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、イエロー色材層3Y、マゼンタ色材層3M、シアン色材層3C、第2転写層(7)、イエロー色材層3Y、マゼンタ色材層3M、シアン色材層3C、第2転写層(7)がこの順で面順次に設けられている。図3に示す形態の熱転写シート10は、各層を「1パネル」としたときに、印刷上流側(図示する形態では図面の左側)から「6パネル」が、被転写体100の一方の面側に画像を形成する(1画面目の画像を形成する)ために用いられるパネルとなっており、残りの「4パネル」が被転写体100の他方の面側に画像を形成する(2画面目の画像を形成する)ために用いられるパネルとなっている。なお、被転写体100が受容層を有しない場合には、第2転写層(7)とイエロー色材層3Yとの間に、第1転写層(5)を設け、第1転写層(5)、イエロー色材層3Y、マゼンタ色材層3M、シアン色材層3C、第2転写層(7)から構成される「5パネル」によって、被転写体100の他方の面側に画像を形成することもできる。また、図3(b)に示すように、図3(a)の「6パネル」と「4パネル」を入れ替えることもできる。また、第2転写層(7)を除いた構成とすることもできる(図示しない)。また、図3(c)に示す形態では、不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、イエロー色材層3Y、マゼンタ色材層3M、シアン色材層3C、第2転写層(7)、イエロー色材層3Y、マゼンタ色材層3M、シアン色材層3C、第2転写層(7)の「10パネル」を「1ユニット」としたときに、当該「1ユニット」が繰り返し設けられている。以下、被転写体100の一方の面側に形成される画像のことを「1画面目の画像」と言い、被転写体の他方の面側に形成される画像のことを「2画面目の画像」と言う場合がある。
ところで、印画時における位置合わせや、頭出しは、各「パネル」の集合体を「1ユニット」としたときに、「1ユニット」単位で行われ、「1ユニット」は、他の「1ユニット」と、「1ユニット」を構成する「パネル」の配列が同一となっていることが必要となる。つまり、図3に示す形態では、被転写体100の一方の面側に「1画面目の画像」を形成する際に用いられる「6パネル」と、被転写体の他方の面に「2画面目の画像」を形成するために用いられる「4パネル」のそれぞれを「1ユニット」とすることはできず、「6パネル」と「4パネル」を纏めた「10パネル」を「1ユニット」とする必要がある。しかしながら、「1ユニット」を構成する「パネル」数が多くなるにつれ、各層を検知するためのプリンタの設計負荷が大きくなるといった問題が内在しており、「1ユニット」を構成する「パネル数」は少ないことが望まれている。
そこで、図4に示す形態の熱転写シート10は、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、イエロー色材層3Y、マゼンタ色材層3M、シアン色材層3C、第2転写層(7)の「6パネル」からなる集合体を「1ユニット」としたときに、当該「1ユニット」が繰り返し設けられている。つまり、図3に示す形態では、被転写体の一方の面側に「1画面目の画像」を形成するために用いられるパネルを「6パネル」から構成し、被転写体100の他方の面側に「2画面目の画像」を形成するために用いられるパネルを「4パネル」から構成しているのに対し、図4に示す形態では、「1画面目の画像」、及び「2画面目の画像」を形成するためのパネルを、ともに「6パネル」から構成し、この「6パネル」を「1ユニット」とすることで「1ユニット」を構成するパネル数を少なくしている。
一方で、図4に示す形態では、「1画面目の画像」を、特別画像50Aを含む画像とし、「2画面目の画像」を、特別画像50Aを含まない画像とする場合であっても、「1ユニット」を構成するパネル数を少なくすべく、「1ユニット」の全てに不可視光線吸収材料含有層2を含ませる必要があり、無駄が多くなるといった問題が生じ得る。
そこで、図5に示す形態の熱転写シート10は、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、イエロー色材層3Y、マゼンタ色材層3M、シアン色材層3C、第2転写層(7)の「6パネル」からなる集合体を「1ユニット」としたときに、1画面目の画像、及び2画面目の画像の形成に供されるパネルを一体化させ、2画面の長さの「パネル」としている。図示する形態では、イエロー色材層3Y、マゼンタ色材層3M、シアン色材層3Cのそれぞれが、2画面の長さの「パネル」となっている。つまり、1つの色材層を、1画面目の画像、及び2画面目の画像の形成に用いる構成としている。この形態の熱転写シート10によれば、被転写体の一方の面側、及び他方の面側に形成される画像に用いられる層の「パネル」長を2画面分の長さとし、何れか一方の面側に形成される画像に用いられる層の「パネル」長を1画面分の長さとすることで、使用されない「パネル」による無駄を抑制することができる。例えば、図5に示す形態の熱転写シート10によれば、「1ユニット」を用いて、被転写体100の一方の面に1画面目の画像を形成し、次いで、被転写体100を表裏反転させるとともに、熱転写シート10を巻き戻し、先に使用した「1ユニット」を再び用いて、被転写体100の他方の面に2画面目の画像を形成することができる。なお、図5に示す形態では、イエロー色材層3Y、マゼンタ色材層3M、シアン色材層3Cを、1画面目の画像、及び2画面目の画像の形成に用いるべく、その「パネル」長を2画面分の長さとしているが、これ以外の層、例えば、第1転写層(5)や、第2転写層(7)の「パネル」長を2画面分の長さとすることもできる。また「1ユニット」を繰り返し設けることもできる。
<<印画物の形成方法>>
次に、図6を参照して、本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法(以下、一実施形態の印画物の形成方法と言う)について説明する。
一実施形態の印画物の形成方法は、熱転写シートと被転写体とを用いた印画物の形成方法であって、被転写体100を準備する被転写体準備工程と、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層2と、受容層5Aのみからなる単層構成、又は基材1から最も近くに受容層5Aが位置する積層構成を呈する第1転写層(5)と、昇華性染料を含有する色材層3とがこの順で面順次に設けられた熱転写シート10を準備する熱転写シート準備工程と、図6(a)に示すように、被転写体100の一方の面に、熱転写シート10の不可視光線吸収材料含有層2を転写して不可視光線吸収材料を含有する特別画像50Aを形成する特別画像形成工程と、図6(b)に示すように、特別画像50A上に、熱転写シート10の受容層5Aを含む第1転写層(5)を転写する第1転写層転写工程と、図6(c)に示すように、転写された第1転写層(5)上に、熱転写シート10の色材層3を熱転写して熱転写画像50Bを形成する熱転写画像形成工程とを含み、特別画像形成工程において形成される被転写体100と特別画像50Aとの積層体20と、被転写体準備工程で準備される被転写体100との色差(ΔEab)が10以下であることを特徴としている。
また、一実施形態の印画物の形成方法は、熱転写シートと被転写体とを用いた印画物の形成方法であって、被転写体100を準備する被転写体準備工程と、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、色材層3が面順次に設けられた熱転写シートを準備する熱転写シート準備工程と、図6(a)に示すように、被転写体100の一方の面に、熱転写シート10の不可視光線吸収材料含有層2を転写して不可視光線吸収材料を含有する特別画像50Aを形成する特別画像形成工程と、図6(b)に示すように、特別画像50A上に、熱転写シート10の受容層5Aを含む第1転写層(5)を転写する第1転写層転写工程と、図6(c)に示すように、転写された第1転写層(5)上に、熱転写シート10の色材層3を熱転写して熱転写画像50Bを形成する熱転写画像形成工程とを含み、特別画像形成工程において形成される被転写体100と特別画像50Aとの積層体20と、被転写体準備工程で準備される被転写体100との色差(ΔEab)が10以下であることを特徴としている。
一実施形態の印画物の形成方法によれば、特別画像50Aが可視光下で意図せず視認されてしまうことを抑制することができ、意匠性の高い印画物を形成することができる。以下、各工程について具体的に説明する。
(被転写体を準備する工程)
本工程で準備される被転写体100は、上記一実施形態の組合せで説明した被転写体100をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。なお、図示する形態では、被転写体10の特別画像50Aが形成される面とは反対側の面に、受容層が設けられているが、被転写体100は受容層を有していなくともよい。
(熱転写シートを準備する工程)
本工程で準備される熱転写シート10は、上記一実施形態の組合せで説明した被転写体100をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
(特別画像形成工程)
本工程は、熱転写シート10と被転写体100とを、熱転写シート10の不可視光線吸収材料含有層2と被転写体100の一方の面とが対向するように重ね合わせ、図6(a)に示すように、被転写体100の一方の面に、熱転写シート10の不可視光線吸収材料含有層2を溶融転写して特別画像50Aを形成する工程である。特別画像50Aについて特に限定はなく、例えば、後述する熱転写画像50Bの画像情報を含む二次元コード等を挙げることができる。特別画像50Aの形成、及び第1転写層(5)の転写、並びに熱転写画像50Bの形成に用いられるプリンタとしては、サーマルヘッド等の加熱手段を有する従来公知のプリンタを適宜選択して用いることができる。
(第1転写層転写工程)
本工程は、熱転写シート10と、特別画像50Aが形成された被転写体100とを、熱転写シート10の第1転写層(5)と被転写体100の一方の面とが対向するように重ね合わせ、図6(b)に示すように、特別画像50Aが形成された被転写体100上に、熱転写シート10の第1転写層(5)を溶融転写する工程である。第1転写層(5)は、後述する熱転写画像50Bが形成される領域に転写されていればよく、その転写領域は、被転写体100の一方の面の全面であってもよく、被転写体100の一方の面の一部であってもよい(図示する形態では、被転写体の一方の面の全面)。
また、第1転写層(5)は、特別画像50Aと重ならない位置に転写してもよい。なお、特別画像50Aの保護の観点からは、特別画像50Aを覆うように第1転写層(5)を転写することが好ましい。
(熱転写画像形成工程)
本工程は、熱転写シート10と、特別画像50A、及び第1転写層(5)が形成された被転写体100とを、熱転写シート10の色材層3と被転写体100の一方の面とが対向するように重ね合わせ、色材層3が含有している昇華性染料を拡散移行させて、図6(c)に示すように、第1転写層(5)上に熱転写画像50Bを形成する工程である。又は、色材層3が熱溶融インキを含む場合には、当該色材層を溶融、或いは軟化させて、溶融、或いは軟化した色材層3を層ごと転写して、図6(c)に示すように、第1転写層(5)上に熱転写画像50Bを形成する工程である。本工程を経ることで、被転写体100の一方の面に、特別画像50A、及び熱転写画像50Bが形成されてなる印画物200を得る。
(第2転写層転写工程)
また、図6(d)に示すように、熱転写画像50Bの形成後、当該熱転写画像50B上に、第2転写層(7)を転写する第2転写層転写工程を含んでいてもよい。第2転写層転写工程は、一実施形態の印画物の形成方法における任意の工程である。第2転写層(7)の転写は、図2〜図5に示すように、第2転写層(7)を有する熱転写シート10を用いて行ってもよく、上記で準備した熱転写シート10とは異なる別途の熱転写シート(保護層転写シート等)を用いて行ってもよい。
(別途の熱転写画像形成工程)
また、図3〜図5に示す熱転写シート10を用い、上記の各種の工程に先立って、或いは、上記各種の工程を行った後に、図6(e)に示すように、被転写体100の他方の面に、別途の熱転写画像50Cを形成する工程を含んでいてもよい。この場合において、被転写体100の他方の面が受容層を有していない場合には、熱転写画像50Cの形成を行う前に、被転写体100の他方の面に、第1転写層(5)を転写する工程を含んでいてもよい。また、熱転写画像50C上に、第2転写層(7)を転写する工程を含んでいてもよい(図示しない)。別途の熱転写画像形成工程を含む一実施形態の印画物の形成方法によれば、両面に熱転写画像が形成された印画物を得ることができる。また、被転写体100の他方の面に、特別画像50Aを形成することもできる。
また、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、色材層3が面順次に設けられた熱転写シート10にかえて、上記一実施形態の組合せで説明した変形形態の熱転写シートを適宜選択して用い、印画物の形成を行うこともできる。
<<熱転写シート>>
次に、本開示の実施の形態に係る熱転写シート(以下、一実施形態の熱転写シートと言う)について説明する。一実施形態の熱転写シート10は、被転写体上に熱転写画像(50A、50B)を形成する際に用いられる熱転写シートであって、図1〜図5に示すように、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、色材層3が面順次に設けられ、第1転写層(5)は、受容層5Aのみからなる単層構成、又は基材1から最も近くに受容層5Aが位置する積層構成を呈し、色材層3は、昇華性染料を含有しており、被転写体100と不可視光線吸収材料含有層2との積層体20と、被転写体100との色差(ΔEab)が10以下であることを特徴としている。
また、一実施形態の熱転写シート10は、被転写体上に熱転写画像(50A、50B)を形成する際に用いられる熱転写シートであって、基材1の一方の面に、不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層2、第1転写層(5)、色材層3が面順次に設けられ、被転写体100と不可視光線吸収材料含有層2との積層体20と、被転写体100との色差(ΔEab)が10以下であることを特徴としている。
上記一実施形態の熱転写シート10によれば、当該熱転写シート10を用いて、不可視光線吸収材料を含有する画像50A(特別画像50A)が可視光下で意図せず視認されてしまうことを抑制することができ、意匠性の高い印画物を形成することができる。一実施形態の熱転写シート10は、上記一実施形態の組合せで説明した各種実施形態の熱転写シート10を適宜選択して用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部は質量基準である。
(熱転写シート1の作成)
基材として厚さ4.5μmPETフィルムを用い、この基材の一方の面に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時の厚みが1μmになるように塗布・乾燥し背面層を形成した。また、基材の他方の面に、下記組成の不可視光線吸収材料含有層用塗工液1を乾燥時の厚みが1μmになるように塗布・乾燥し不可視光線吸収材料含有層を形成した。また、基材の他方の面に、不可視光線吸収材料含有層と面順次に、下記組成の受容層用塗工液を乾燥時の厚みが1μmになるように塗布・乾燥して受容層を形成した。また、基材の他方の面に、不可視光線吸収材料含有層、受容層と面順次に、下記組成のプライマー層用塗工液を乾燥時の厚みが0.2μmになるように塗布・乾燥してプライマー層を形成し、このプライマー層上に下記組成のイエロー色材層用塗工液、マゼンタ色材層用塗工液、およびシアン色材層用塗工液を、グラビア印刷機により、各層の乾燥時の厚みが0.7μmになるように塗布・乾燥して色材層を形成した。次いで、基材の他方の面に、不可視光線吸収材料含有層、受容層、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層と面順次に、下記組成の剥離層用塗工液を乾燥時の厚みが1μmになるように塗布・乾燥して剥離層を形成し、この剥離層上に下記組成の保護層用塗工液を乾燥時の厚みが1μmになるように塗布・乾燥し、保護層を形成することで、基材の一方の面に、背面層が設けられ、基材の他方の面に、不可視光線吸収材料含有層、受容層、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層、剥離層と保護層との積層体がこの順で面順次に設けられた熱転写シート1を得た。
(背面層用塗工液)
・ポリビニルブチラール樹脂 1.8部
(エスレック(登録商標)BX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート 5.5部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.6部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.35部
(ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 18.5部
・メチルエチルケトン 18.5部
(不可視光線吸収材料含有層用塗工液1)
・アクリル樹脂 6.7部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・ジイモニウム塩 0.3部
(CIR−RL 日本カーリット(株))
・酸化チタン 2.9部
(TCA―888 堺化学工業(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
(受容層用塗工液)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15.8部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 1部
(ソルバイン(登録商標)C 日信化学工業(株))
・有機変性シリコーンオイル 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・有機変性シリコーンオイル 1.2部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・有機変性シリコーンオイル 0.8部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・トルエン 40部
・メチルエチルケトン 40部
(プライマー層用塗工液)
・アルミナゾル 2.5部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・ポリビニルピロリドン樹脂 2.5部
(PVP K−60 ISPジャパン(株))
・水 47.5部
・イソプロピルアルコール 47.5部
(イエロー色材層用塗工液)
・ソルベントイエロー93 2.5部
・ソルベントイエロー201 2.5部
・ポリビニルアセタール樹脂 5部
(KS−5 積水化学工業(株))
・トルエン 50部
・メチルエチルケトン 50部
(マゼンタ色材層用塗工液)
・ディスパースレッド60 3部
・ディスパースバイオレット26 4部
・ポリビニルアセタール樹脂 5部
(KS−5 積水化学工業(株))
・トルエン 50部
・メチルエチルケトン 50部
(シアン色材層用塗工液)
・ソルベントブルー63 4部
・ディスパースブルー354 4部
・ポリビニルアセタール樹脂 5部
(KS−5 積水化学工業(株))
・トルエン 50部
・メチルエチルケトン 50部
(剥離層用塗工液)
・アクリル樹脂 20部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・トルエン 40部
・メチルエチルケトン 40部
(保護層用塗工液)
・ポリエステル樹脂 24部
(バイロン(登録商標)700 東洋紡(株))
・紫外線吸収剤 6部
・トルエン 35部
・メチルエチルケトン 35部
(熱転写シート2の作成)
不可視光線吸収材料含有層用塗工液1にかえて、下記組成の不可視光線吸収材料含有層用塗工液2を用いて不可視光線吸収材料含有層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様の作成方法にて熱転写シート2を得た。
(不可視光線吸収材料含有層用塗工液2)
・アクリル樹脂 6.7部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・ジイモニウム塩 0.3部
(CIR−RL 日本カーリット(株))
・炭酸カルシウム 2.9部
(ホモカルD 白石工業(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
(熱転写シート3の作成)
不可視光線吸収材料含有層用塗工液1にかえて、下記組成の不可視光線吸収材料含有層用塗工液3を用いて不可視光線吸収材料含有層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様の作成方法にて熱転写シート3を得た。
(不可視光線吸収材料含有層用塗工液3)
・アクリル樹脂 6.7部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・ジイモニウム塩 0.3部
(CIR−RL 日本カーリット(株))
・アクリル系微粒子 2.9部
(MA1004 (株)日本触媒)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
(熱転写シート4の作成)
不可視光線吸収材料含有層用塗工液1にかえて、下記組成の不可視光線吸収材料含有層用塗工液4を用いて不可視光線吸収材料含有層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様の作成方法にて熱転写シート4を得た。
(不可視光線吸収材料含有層用塗工液4)
・アクリル樹脂 6.7部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・ジイモニウム塩 0.3部
(CIR−RL 日本カーリット(株))
・酸化チタン 3.3部
(TCA―888 堺化学工業(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
(熱転写シート5の作成)
不可視光線吸収材料含有層用塗工液1にかえて、下記組成の不可視光線吸収材料含有層用塗工液5を用いて不可視光線吸収材料含有層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様の作成方法にて熱転写シート5を得た。
(不可視光線吸収材料含有層用塗工液5)
・アクリル樹脂 8.5部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・ジイモニウム塩 1.5部
(CIR−RL 日本カーリット(株))
・酸化チタン 2.4部
(TCA―888 堺化学工業(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
(熱転写シート6の作成)
不可視光線吸収材料含有層用塗工液1にかえて、下記組成の不可視光線吸収材料含有層用塗工液6を用いて不可視光線吸収材料含有層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様の作成方法にて熱転写シート6を得た。
(不可視光線吸収材料含有層用塗工液6)
・アクリル樹脂 6.7部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・ジイモニウム塩 0.3部
(CIR−RL 日本カーリット(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
(熱転写シート7の作成)
不可視光線吸収材料含有層用塗工液1にかえて、下記組成の不可視光線吸収材料含有層用塗工液7を用いて不可視光線吸収材料含有層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様の作成方法にて熱転写シート7を得た。
(不可視光線吸収材料含有層用塗工液7)
・アクリル樹脂 6.7部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・ジイモニウム塩 0.7部
(CIR−RL 日本カーリット(株))
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
(熱転写シート8の作成)
不可視光線吸収材料含有層用塗工液1にかえて、下記組成の不可視光線吸収材料含有層用塗工液8を用いて不可視光線吸収材料含有層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様の作成方法にて熱転写シート8を得た。
(不可視光線吸収材料含有層用塗工液8)
・アクリル樹脂 6.7部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱レイヨン(株))
・ジイモニウム塩 0.3部
(CIR−RL 日本カーリット(株))
・ソルベントイエロー93 0.4部
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
(被転写体1の作成)
厚み35μmの多孔質ポリオレフィンフィルム(SP−U 三井化学東セロ(株))上に、下記組成のプライマー層用塗工液1を、バーコーターにより乾燥時の厚みが1.5μmとなるように塗布・乾燥(110℃、1分)してプライマー層を形成し、次いで、プライマー層上に、下記組成の受容層用塗工液をバーコーターにより、乾燥時の厚みが4μmとなるように塗布・乾燥(110℃、1分)して受容層を形成し、多孔質ポリオレフィンフィルム、プライマー層、受容層がこの順で積層された積層体を得た。次いで、厚み400μm(坪量310g/m)の芯材紙(OKLカード 王子製紙(株))の一方の面、及び他方の面の双方に、下記組成の接着層用塗工液を乾燥時の厚みが4μmとなるように塗布して接着層を形成し、当該接着層がウェットな状態で、芯材紙の一方の面、及び他方の面の双方に、接着層を介して上記で得られた積層体を貼合し、その後、接着層の乾燥を行った。これにより、芯材紙の一方の面、及び他方の面の双方に、接着層を介して多孔質ポリオレフィンフィルム、プライマー層、受容層がこの順で積層された積層体を貼合されてなる被転写体1を得た。
(プライマー層用塗工液1)
・ポリエステル樹脂 4.2部
(ポリエスター(登録商標)WR−905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 8.4部
(TCA−888 堺化学工業(株))
・蛍光増白剤 0.07部
(ユビテックス(登録商標)BAC BASF社)
・イソプロピルアルコール 7.2部
・水 21部
(受容層用塗工液)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10部
(ソルバイン(登録商標)C 日信化学工業(株))
・シリコーンオイル 1部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・トルエン 20部
・酢酸エチル 20部
(接着層用塗工液)
・ウレタン樹脂 30部
(タケラック(登録商標)A−969V 三井化学(株))
・イソシアネート 10部
(タケネート(登録商標)A−5 三井化学(株))
・酢酸エチル 60部
(被転写体2の作成)
プライマー層用塗工液1を下記プライマー層用塗工液2に変更した以外は、被転写体1と同様に被転写体2を得た。
(プライマー層用塗工液2)
・ポリエステル樹脂 10部
(MD−1480 東洋紡(株))
・合成ヘクトライト 10部
(ラポナイトJS ロックウッドアディティブス社)
・消泡剤 0.05部
(ダイノール604 日信化学工業(株))
・イソプロピルアルコール 10部
・水 80部
(熱転写シートと被転写体との組合せ)
上記で作成した熱転写シート、及び被転写体を下表1に示す組合せとし、各実施例、及び比較例の組合せとした。なお、後述する印画物の形成方法で形成した被転写体上に特別画像が形成されてなる積層体と、被転写体との色差(ΔEab)が10以下となる組合せを実施例とし、色差(ΔEab)が10を超える組合せを比較例としている。なお、色差(ΔEab)は、分光測定器(i1 X−rite社)を使用して、測色した。
(印画物の形成)
<不可視光線吸収材料含有層を含有する画像(特別画像)の形成>
下表1の組合せにより、下記テストプリンターを用いて、被転写体上へ、不可視光線吸収材料含有層を溶融転写し特別画像を形成した。特別画像の厚さは1.0μmであった。
(テストプリンター)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株))
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300(dpi)
副走査方向印字密度:300(dpi)
印画電圧:18(V)
ライン周期:1.5(msec./line)
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85(%)
<受容層の転写>
上記テストプリンターを用いて、上記で形成した特別画像上に、受容層の転写を行った。
<熱転写画像の転写>
上記テストプリンターを用い、上記で転写した受容層上に、128/256階調のグレー画像を形成し、各実施例、及び比較例の印画物を得た。
(印画物評価)
各実施例、及び比較例の組合せにより形成した各実施例、及び比較例の印画物を目視で確認し、特別画像のコードパターンを認識することができたか否かを、下記の評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1に併せて示す。
「評価基準」
A:予め特別画像の位置を知っている人が見ても、その位置、形状を認識することができなかった。
B:予め特別画像の位置を知っている人が見ると、その位置、形状を認識することができたが、知らない人が見た場合、その位置、形状を認識できなかった。
NG:予め特別画像の位置、形状を知らない人が見ても、その位置、形状を認識することができた。
(プリンタ検知評価)
カラーセンサー(CZ−H35S キーエンス(株))にて、各実施例、及び比較例の組合せで用いている熱転写シートの不可視光線吸収材料含有層を、各色材層(イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層)、及び保護層と区別して検知できるかどうかを、以下の評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1に併せて示す。
「評価基準」
A:問題なく検知でき、誤検知する可能性が極めて低い。
B:検知でき、誤検知される可能性が低い。
C:検知できるが、誤検知される可能性が高い。
Figure 2017146029
1・・・基材
2・・・不可視光線吸収材料含有層
2A・・・不可視光線吸収材料を含有する層
2B・・・顔料、又は有機染料を含有する層
3・・・色材層
5・・・第1転写層
5A・・・受容層
5B・・・プライマー層
5C・・・ヒートシール層
7・・・第2転写層
7A・・・保護層
10・・・熱転写シート
20・・・積層体
50A・・・不可視光線吸収材料を含有する画像(特別画像)
50B・・・熱転写画像
100・・・被転写体
200・・・印画物
(熱転写シートを準備する工程)
本工程で準備される熱転写シート10は、上記一実施形態の組合せで説明した熱転写シート10をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る熱転写シートと被転写体との組合せは、前記熱転写シートが、基材の一方の面に、不可視光線吸収材料、及び顔料を含有する不可視光線吸収材料含有層と、昇華性染料を受容可能な受容層を含む第1転写層と、昇華性染料を含有する色材層とが面順次に設けられた熱転写シートであり、前記被転写体が、顔料を含有する被転写体であり、前記不可視光線吸収材料含有層が含有している前記顔料により、前記不可視光線吸収材料含有層と前記色材層の可視光線透過率を異ならせ、前記不可視光線吸収材料含有層、及び前記被転写体が含有している前記顔料が、ともに酸化チタンであり、前記被転写体と前記不可視光線吸収材料含有層との積層体と、前記被転写体との色差(ΔE * ab)が8以下であることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る熱転写シートと被転写体との組合は、前記熱転写シートが、基材の一方の面に、不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層、第1転写層、色材層が面順次に設けられた熱転写シートであり、前記被転写体と前記不可視光線吸収材料含有層との積層体と、前記被転写体との色差(ΔE*ab)が10以下であることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法は、熱転写シートと被転写体とを用いた印画物の形成方法であって、被転写体を準備する被転写体準備工程と、基材の一方の面に、不可視光線吸収材料、及び顔料を含有する不可視光線吸収材料含有層と、昇華性染料を受容可能な受容層を含む第1転写層と、昇華性染料を含有する色材層とが面順次に設けられた熱転写シートを準備する熱転写シート準備工程と、前記被転写体の一方の面に、前記熱転写シートの前記不可視光線吸収材料含有層を転写して不可視光線吸収材料を含有する特別画像を形成する特別画像形成工程と、前記特別画像上に、前記熱転写シートの第1転写層を転写する第1転写層転写工程と、前記転写された前記第1転写層の前記受容層上に、前記熱転写シートの前記色材層が含有している前記昇華性染料を移行して熱転写画像を形成する熱転写画像形成工程と、を含み、前記被転写体が、顔料を含有する被転写体であり、前記不可視光線吸収材料含有層が含有している前記顔料により、前記不可視光線吸収材料含有層と前記色材層の可視光線透過率を異ならせ、前記不可視光線吸収材料含有層、及び前記被転写体が含有している前記顔料が、ともに酸化チタンであり、前記被転写体を準備する工程で準備される前記被転写体、及び前記熱転写シートを準備する工程で準備される前記熱転写シートが、前記特別画像形成工程において形成される前記被転写体と前記特別画像との積層体と、前記被転写体準備工程で準備される前記被転写体との色差(ΔE * ab)が8以下となる被転写体、及び熱転写シートであることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法は、熱転写シートと被転写体とを用いた印画物の形成方法であって、被転写体を準備する被転写体準備工程と、基材の一方の面に、不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層、第1転写層、色材層が面順次に設けられた熱転写シートを準備する熱転写シート準備工程と、前記被転写体の一方の面に、前記熱転写シートの前記不可視光線吸収材料含有層を転写して不可視光線吸収材料を含有する特別画像を形成する特別画像形成工程と、前記特別画像上に、前記熱転写シートの第1転写層を転写する第1転写層転写工程と、前記転写された前記第1転写層上に、前記熱転写シートの前記色材層を熱転写して熱転写画像を形成する熱転写画像形成工程と、を含み、前記特別画像形成工程において形成される前記被転写体と前記特別画像との積層体と、前記被転写体準備工程で準備される前記被転写体との色差(ΔE*ab)が10以下であることを特徴とする。

Claims (9)

  1. 熱転写シートと被転写体との組合せであって、
    前記熱転写シートが、基材の一方の面に、不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層、第1転写層、色材層が面順次に設けられた熱転写シートであり、
    前記被転写体と前記不可視光線吸収材料含有層との積層体と、前記被転写体との色差(ΔEab)が10以下であることを特徴とする熱転写シートと被転写体との組合せ。
  2. 前記不可視光線吸収材料含有層が、さらに顔料又は有機染料を含有していることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シートと被転写体との組合せ。
  3. 前記不可視光線吸収材料含有層が、不可視光線吸収材料を含有する層と、顔料又は有機染料を含有する層との積層構成を呈していることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シートと被転写体との組合せ。
  4. 前記不可視光線吸収材料含有層を構成する層のうち前記基材から最も近くに位置する層が、前記不可視光線吸収材料を含有する層、或いは前記顔料又は有機染料を含有する層であることを特徴とする請求項3に記載の熱転写シートと被転写体との組合せ。
  5. 前記第1転写層が、受容層のみからなる単層構成、又は前記基材から最も近くに前記受容層が位置する積層構成を呈する転写層であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱転写シートと被転写体との組合せ。
  6. 前記色材層が、昇華性染料を含有する色材層であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の熱転写シートと被転写体との組合せ。
  7. 熱転写シートと被転写体とを用いた印画物の形成方法であって、
    被転写体を準備する被転写体準備工程と、
    基材の一方の面に、不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層、第1転写層、色材層が面順次に設けられた熱転写シートを準備する熱転写シート準備工程と、
    前記被転写体の一方の面に、前記熱転写シートの前記不可視光線吸収材料含有層を転写して不可視光線吸収材料を含有する特別画像を形成する特別画像形成工程と、
    前記特別画像上に、前記熱転写シートの第1転写層を転写する第1転写層転写工程と、
    前記転写された前記第1転写層上に、前記熱転写シートの前記色材層を熱転写して熱転写画像を形成する熱転写画像形成工程と、
    を含み、
    前記特別画像形成工程において形成される前記被転写体と前記特別画像との積層体と、前記被転写体準備工程で準備される前記被転写体との色差(ΔEab)が10以下であることを特徴とする印画物の形成方法。
  8. 前記第1転写層転写工程が、前記特別画像、及び前記被転写体の一方の面の全面を覆うように、前記第1転写層を転写する工程であることを特徴とする請求項7に記載の印画物の形成方法。
  9. 被転写体上に熱転写画像を形成する際に用いられる熱転写シートであって、
    基材の一方の面に、不可視光線吸収材料を含有する不可視光線吸収材料含有層、第1転写層、色材層が面順次に設けられ、
    前記被転写体と前記不可視光線吸収材料含有層との積層体と、前記被転写体との色差(ΔEab)が10以下であることを特徴とする熱転写シート。
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