JP6631165B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は積層体の製造方法に関する。
ICカードや、カードゲーム等で使用されるカードの中には、赤外線等の不可視光線吸収性のインキを用いて、カード固有の情報が記録され、特定の装置により読み取ることのできるステルスインキ層(コードパターン)が形成された積層体が使用されている(特許文献1参照)。
ステルスインキ層が形成されたカードを表面から観察すると、カード表面には画像が形成されているにもかかわらず、しばしば目視であってもステルスインキ層のパターンが観察されてしまうことがあり、カードの偽造や改造が行われてしまうという問題があった。
さらに、特許文献1において開示される積層体は、その外面の画像情報が、オフセット印刷などを用いて形成させたものであり、オンデマンドによる製造には適していなかった。
特開2004−155081号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ステルスインキ層の位置および形状を認識することを困難なものとすることができ、偽造や改造等をより一層防止することができる積層体の製造方法を提供することを主たる課題とする。また、オンデマンドによる製造に適性した積層体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明による積層体の製造方法は、
被熱転写体を準備する工程と、
前記被熱転写体上の一部に、熱溶融転写により、不可視光線吸収材料を含んでなるステルスインキ層を形成する工程と、
前記被転写体上であって、前記ステルスインキ層を熱溶融転写した以外の部分に、熱溶融転写により、不可視光線非吸収性の色材層を形成する工程と、を含み、
前記ステルスインキ層の色と前記色材層の色とが同系色であることを特徴とする。
上記態様においては、ステルスインキ層と前記色材層との色差(ΔE*ab)が、5以下であることが好ましい。
上記態様においては、ステルスインキ層の厚さと色材層の厚さとの差が5μm以下であることが好ましい。
上記態様においては、ステルスインキ層および/または色材層が、ぼかし印刷を用いて形成されたものであることが好ましい。
上記態様においては、ステルスインキ層および色材層上に、熱溶融転写により、受容層を形成する工程をさらに含んでなることが好ましい。
上記態様においては、受容層上に、昇華転写により、画像を形成する工程をさらに含んでなることが好ましい。
本発明によれば、ステルスインキ層により形成されるコードパターンの位置および形状の認識を困難なものとすることができ、偽造や改造等をより一層防止することができる。また、本発明は、積層体が備える各層が熱溶融転写または昇華転写により形成させることができるものであるため、オンデマンド印刷に適したものである。
図1は、一実施形態における本発明の積層体の製造工程を示す図である。 図2は、図1に示す積層体の製造工程のII−II線水平断面図である。 図3は、一実施形態における本発明の積層体の製造工程を示す図である。 図4は、一実施形態における熱転写シートの断面模式図である。
(積層体の製造方法)
本発明による積層体10の製造方法は、
被熱転写体11を準備する工程と(図1(a)、図2(a)および図3(a)参照)、
被熱転写体11上に、熱溶融転写により、不可視光線吸収材料を含むステルスインキ層12を形成する工程と(図1(b)、図2(b)および図3(b)参照)、
被転写体11上であって、ステルスインキ層12を熱溶融転写した以外の部分に、熱溶融転写により、不可視光線非吸収性の色材層13を形成する工程(図1(c)、図2(c)および図3(c))とを含んでなる。
また、所望により、ステルスインキ層および色材層上に、熱溶融転写により、受容層14を形成する工程(図3(d)参照)を含んでなる。
また、所望により、受容層14上に、昇華転写により、画像を形成する工程(図示せず)を含んでなる。
また、所望により、受容層14上に、熱溶融転写により、保護層15を形成する工程(図3(e)参照)を含んでなる。
さらに、所望により、上記した任意の層間にプライマー層を形成する工程を含んでなる(図示せず)。
また、図示しないが、ステルスインキ層などが剥離層と共に転写される場合は、本発明の積層体は、剥離層を備える。
以下、上記工程について詳細に説明する。
(被熱転写体を準備する工程)
一実施形態において、本発明の方法に用いられる被熱転写体は、天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等からなるものであり、単層からなるものであっても、複数層からなるものであっても良い。
被熱転写体がプラスチックフィルムからなる場合、プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルム等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレート等のアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド等のイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイト等のエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース等のセルロース系フィルム、等が挙げられる。
プラスチックフィルムは、上記した樹脂を主成分とする共重合樹脂若しくは混合体(アロイを含む)であってもよい。
また、被熱転写体は、その一方の面または両面に受容層を備えてなるものであってもよく、後述するように、ステルスインキ層を設ける面とは反対の面に画像を形成してもよい。
被熱転写体の厚さは、特に限定されるものではないが、3μm以上、800μmであることが好ましく、100μm以上、600μm以下であることがより好ましい。
(ステルスインキ層の形成工程)
ステルスインキ層は、熱転写シート上のステルスインキ層を積層体が備える被熱転写体上の一部に溶融熱転写することにより、形成することができる。
一実施形態において、ステルスインキ層は、赤外線や紫外線を用いた光学的読取装置を使用することにより、積層体固有の情報を読み取ることができるコードパターンを形成している。
ステルスインキ層は、ぼかし印刷法、例えば、ディザ法等により形成させることが特に好ましい。ぼかし印刷法によりステルスインキ層を形成させることで、ステルスインキ層の輪郭をぼかすことができ、ステルスインキ層の形状の認識をさらに困難なものとすることができ、偽造や改造等をより一層防止することができる。
ステルスインキ層は、不可視光線吸収材料を含んでなる。不可視光線吸収材料としては、例えば、赤外線吸収材料や紫外線吸収材料を挙げることができる。
本明細書において、赤外線とは、極大吸収波長(λmax)領域が、700〜1000nmであるものをいう。また、紫外線とは、極大吸収波長(λmax)領域が、280〜400nmであるものをいう。
ステルスインキ層における不可視光線吸収材料の含有量は、0.1質量%以上、80質量%以下であることが好ましく、5質量%以上、40質量%以下であることがより好ましい。不可視光線吸収材料の含有量を上記数値範囲とすることにより、ステルスインキ層を熱溶融転写する際の転写性と、ステルスインキ層により形成されたコードパターンから積層体固有の情報を読み取る際の読取容易性とを向上させることができる。
赤外線吸収材料としては、例えば、ジイモニウム系化合物、アミニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、ジチオール系有機金属錯体、シアニン系化合物、アゾ系化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、オキソール系化合物やカーボンブラック等が挙げられ、ステルスインキ層は、上記のような赤外線吸収材料を1種または2種以上含んでいてもよい。
紫外線吸収材料としては、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物等の有機系紫外線吸収材料や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム等の無機系紫外線吸収材料が挙げられ、ステルスインキ層は、上記のような紫外線吸収材料を1種または2種以上含んでいてもよい。
ステルスインキ層は、バインダー樹脂を含んでなることができる。バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂およびポリウレタン系樹脂等の公知の樹脂を挙げることができる。
ステルスインキ層におけるバインダー樹脂の含有量は、20質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、60質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
ステルスインキ層の厚さは、0.1μm以上、5μm以下であることが好ましく、0.3以上、3μm以下であることがより好ましい。
ステルスインキ層の厚さの測定は、ステルスインキ層を塗布、乾燥した基材を20枚重ね、マイクロメーター(SONY製、商品名:Digital Micrometer M−30)にて厚みを測定し、ステルス層を塗布、乾燥する前の基材厚みの測定結果との差分を算出し、さらに1枚の厚みに換算することにより行うことができる。
(色材層の形成工程)
本発明の方法は、被転写体上であって、ステルスインキ層を熱溶融転写した以外の部分に、不可視光線非吸収性の色材層を形成する工程を含んでなる。
色材層は、熱転写シート上の色材層を積層体が備える被熱転写体上に溶融熱転写することにより、形成することができる。
本発明において、被熱転写体上に形成される色材層の色は、ステルスインキ層の色と同系色の色である。これにより、ステルスインキ層と、色材層との境目の認識を困難なものとすることができると共に、積層体におけるステルスインキ層により形成されるコードパターンの位置や形状の認識を困難なものとすることができ、偽造や改造等を防止することができる。
なお、本明細書において、同系色とは、色相、明度、彩度および光沢度の全て、あるいはいずれかにおいて同一または類似の色のことを意味する。例えば、銀色と灰色とは同系色である。
より具体的には、色材層と、ステルスインキ層との色差(ΔE*ab)は、5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、1以下であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、色差(ΔE*ab)とは、2色間の差異または距離であり、JIS Z8730:2009に準拠するものである。
色差(ΔE*ab)は、例えば、分光測定器(グレタグマクベス社製、商品名:spectrolino)を使用することにより測色し、国際証明委員会のL*a*b*表色系における数値で定義するものである。なお、ΔE*ab=((ΔL*)+(Δa*)+(Δb*)1/2で表される値であり、値が大きいほど目視したときの色の違いが著しい。なお、(ΔL*)、(Δa*)、(Δb*)は、ステルスインキ層と、色材層とのL*、a*およびb*の値の差である。
色材層は、ステルスインキ層同様、ぼかし印刷法、例えば、ディザ法等により形成させることが特に好ましい。これにより、ステルスインキ層と、色材層との境目をぼかすことができ、ステルスインキ層の形状の認識をさらに困難なものとすることができ、偽造や改造等をより一層防止することができる。ステルスインキ層および色材層がともにぼかし印刷法により形成させることにより、この性能をより顕著に向上させることができる。
色材層の厚さは、ステルスインキ層の厚さと同程度であることが好ましく、具体的には
色材層の厚さは、ステルスインキ層の厚さとの差の絶対値が5μm以下であることが好ましく、より好ましくは、3μm以下であり、さらに好ましくは1μm以下である。
色材層の厚さとステルスインキ層の厚さの差を上記範囲とすることにより、ステルスインキ層に起因する積層体表面の凹凸をより一層軽減することができる。
色材層の厚さは、ステルスインキ層の厚さ同様、色材層を塗布、乾燥した基材を20枚重ね、マイクロメーター(SONY製、商品名:Digital Micrometer M−30)にて厚みを測定し、色材層を塗布、乾燥する前の基材厚みとの差分を算出し、さらに1枚の厚みに換算することにより測定することができる。
色材層は、不可視光線非吸収性の着色剤を含んでなることができる。着色剤としては、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック等の着色剤を使用することができるが、色材層の色が、ステルスインキ層の色と同系色となるように適宜調節して着色剤を使用することが好ましい。
色材層における着色剤の含有量は、0.1質量%以上、80質量%以下であることが好ましく、5質量%以上、40質量%以下であることがより好ましい。
色材層は、ステルスインキ層において使用することができるバインダー樹脂と同様の樹脂を含んでなることができる。
色材層におけるバインダー樹脂の含有量は、20質量%以上、99.9質量%以下であることが好ましく、60質量%以上、95質量%以下であることがより好ましい。
(受容層の形成工程)
一実施形態において、本発明の方法は、ステルスインキ層および色材層上に、受容層を形成する工程を含んでなる。
受容層は、熱転写シート上の受容層を積層体が備えるステルスインキ層および色材層上に溶融熱転写することにより、形成することができる。
また、受容層は、不可視光線非吸収性であることが好ましい。
また、一実施形態において、被熱転写体のステルスインキ層等を形成させた面とは反対の面に受容層を形成させてもよい。
受容層を形成するための材料としては、昇華性染料の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、PETもしくはPBT等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、これらの中でも、塩化ビニル−酢酸ビニル系重合体、またはポリ塩化ビニル樹脂が好ましく、塩化ビニル−酢酸ビニル系重合体が特に好ましい。
受容層の厚さは、0.3μm以上、30μm以下であることが好ましく、0.5μm以上、5μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上、3μm以下であることがさらに好ましい。
(画像の形成工程)
一実施形態において、本発明の方法は、受容層上に画像を形成する工程を含んでなる。
受容層は、熱転写シート上の染料層を積層体が備える受容層上に、昇華熱転写することにより、形成することができる。なお、本明細書において、画像には、絵柄だけではなく、文字等も含まれる。
また、一実施形態において、画像を形成した受容層上に金銀の箔を押したり、ホログラムを付けたり等の加工処理を施してもよい。
また、一実施形態において、被熱転写体が、ステルスインキ層等を形成させた面とは反対の面に受容層を有する場合、この受容層上へ画像を形成させてもよい。
(保護層の形成工程)
一実施形態において、本発明の方法は、受容層上に、保護層を形成する工程を含んでなる。
保護層は、熱転写シート上の保護層を積層体が備え、画像が形成された受容層上に、溶融熱転写することにより、形成することができる。
また、保護層は、不可視光線非吸収性であることが好ましい。
保護層を形成するための材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、これら樹脂をシリコーン変性させた樹脂、活性光線硬化樹脂等を挙げることができる。
なお、本明細書において、活性光線硬化性樹脂とは活性光線を照射する前の前駆体または組成物を意味し、活性光線線を照射して活性光線硬化性樹脂を硬化させたものを活性光線硬化樹脂というものとする。
保護層の厚さは、0.3μm以上、50μm以下であることが好ましく、0.5μm以上、20μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上、10μm以下であることがさらに好ましい。
(プライマー層の形成)
一実施形態において、本発明の方法は、プライマー層を形成する工程を含んでなる。
プライマー層は、熱転写シート上のプライマー層を積層体が備える任意の層間に位置するように、熱転写、好ましくは、熱溶融転写することにより形成することができる。
また、プライマー層は、不可視光線非吸収性であることが好ましい。
プライマー層は、無機微粒子を含んでいてもよく、例えば、シリカ(コロダイルシリカ)、アルミナまたはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロダイルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物またはその水和物)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。
無機微粒子の平均粒子径は、0.01μm以上、5μm以下であることが好ましく、0.01μm以上、3μm以下であることがより好ましい。
なお、「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を意味し、粒度分布・粒径分布測定装置(例えば、ナノトラック粒度分布測定装置、日機装株式会社製等)を用いて公知の方法により測定することができる。
プライマー層における無機微粒子の含有量は、0質量%以上、20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上、10質量%以下であることがさらに好ましい。
また、プライマー層は、ステルスインキ層において使用することができるバインダー樹脂と同様の樹脂を含んでなることができる。プライマー層におけるバインダー樹脂の含有量は、80質量%以上、100質量%以下であることが好ましく、90質量%以上、99質量%以下であることがさらに好ましい。
(熱転写シート)
一実施形態において、上記した積層体が備えるステルスインキ層等の形成は、図4に示すような熱転写シートを用いて行われる。
熱転写シート20は、基材21と、ステルスインキ層12と、色材層13とを面順次に備えてなる。
また、ステルスインキ層12および色材層13等と面順次となるように、受容層14を備えていてもよい。
また、ステルスインキ層12および色材層13等と面順次となるように、染料層22を備えていてもよい。
また、ステルスインキ層12および色材層13等と面順次となるように、保護層15を備えていてもよい。
また、上記した任意の層と基材との間に剥離層23を備えていてもよい。
また、上記した任意の層と基材との間に離型層を備えていてもよい(図示せず)。
また、上記した任意の層間にプライマー層24を備えていてもよい。
さらに、ステルスインキ層等を形成した側とは反対の面に背面層25を備えていてもよい。
以下、熱転写シートを構成する各層について説明する。
(基材)
基材としては、ステルスインキ層等を積層体の被熱転写体へ転写する際の熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドの熱)に耐え得る耐熱性を有し、ステルスインキ層等を支持できる機械的強度や耐溶剤性を有しているものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。
基材は、上記した樹脂を主成分とする共重合樹脂若しくは混合体(アロイを含む)、または複数層からなる積層体であっても良い。また、基材は、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸されたフィルムを使用することが好ましい。
基材は、厚みが2.5μm以上、50μm以下であることが好ましい。基材の厚さを上記数値範囲とすることにより、機械的強度を維持しつつ、ステルスインキ層等の転写性を向上させることができる。
基材には、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、帯電防止層付与等の易接着処理を行ってもよい。また、基材には、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤等の添加剤を加えても良い。
(ステルスインキ層)
熱転写シートは、基材上にステルスインキ層を備えてなる。ステルスインキ層に含まれる材料等については上記した通りである。
ステルスインキ層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを基材等の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
(色材層)
熱転写シートは、ステルスインキ層等と面順次となるように色材層を備えてなる。色材層に含まれる材料等については上記した通りである。
色材層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを基材等の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
(受容層)
熱転写シートは、基材および色材層等と面順次となるように、受容層を備えていてもよい。受容層に含まれる材料等については上記した通りである。
受容層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを隠蔽層等の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
(染料層)
熱転写シートは、ステルスインキ層および色材層等と面順次となるように染料層を備えていてもよい。
染料層は昇華型の染料を含んでなり、例えば、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられ、より具体的には、MSRedG(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等の黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料を使用することができる。
染料層における染料の含有量は、30質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上、80質量%以下であることがさらに好ましい。
染料層は、上記染料を担持するためのバインダー樹脂を含んでなることが好ましく、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられる。
染料層におけるバインダー樹脂の含有量は、10質量%以上、70質量%以下であることが好ましく、20質量%以上、50質量%以下であることがさらに好ましい。
染料層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを基材等の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
(保護層)
熱転写シートは、ステルスインキ層および色材層等と面順次となるように保護層を備えていてもよい。保護層に含まれる材料等については上記した通りである。
保護層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを隠蔽層等の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。また、保護層が活性光線硬化性樹脂を含んでなる場合は、塗工液と塗布した後、活性光線を照射することが好ましい。
(剥離層)
熱転写シートは、ステルスインキ層等の任意の層と、基材との間に剥離層を備えていてもよい。熱溶融転写シートが剥離層を備えてなることにより、熱転写シートから被熱転写体へ転写される各層の基材から剥離性を向上させることができる。
本明細書において、剥離層とは熱転写の際、ステルスインキ層等と共に被熱転写体上へ転写される層のことを指す。
剥離層は、バインダー樹脂および離型性材料を含んでなることができる。
バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。
離型性材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、タルク、シリカ、界面活性剤等が挙げられる。
剥離層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを隠蔽層等の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
(離型層)
熱転写シートは、ステルスインキ層等の任意の層と、基材との間に離型層を備えていてもよい。熱溶融転写シートが離型層を備えてなることにより、熱転写シートから被熱転写体へ転写される各層の基材から剥離性を向上させることができる。
なお、本明細書において、離型層は、熱転写際、基材側に留まる層のことを指す。
離型層は、離型性を有する材料により形成することが好ましく、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂などが挙げられる。
離型層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを基材上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
(プライマー層)
熱転写シートは、基材と、ステルスインキ層との間等、任意の層間に、プライマー層を備えていてもよい。プライマー層に含まれる材料等については上記した通りである。
プライマー層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを基材等の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
(背面層)
熱転写シートは、ステルスインキ層等を形成した面とは反対の面(裏面)に背面層を備えていてもよい。背面層は、熱転写する際の基材の裏面側からサーマルヘッド等によって加熱される際に熱融着、スティキングやシワ等の悪影響を防止するために、所望により設けられる層である。
背面層の材料について限定はなく、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物等を挙げることができる。また、イソシアネート化合物などの硬化剤を使用して硬化させることのできる2液硬化型の樹脂を含んでいても良く、紫外線、電子線などを照射することにより硬化させることのできる活性光線硬化性樹脂を含んでいても良い。
また、背面層は、滑り剤を含んでなることが好ましく、例えば、金属石鹸、ワックス、シリコーンオイル、脂肪酸エステル、フィラー、タルク、界面活性剤等が挙げられる。また、背面層が2液硬化型樹脂を含んでなる場合、背面層は、イソシアネート化合物を含んでなることが好ましい。
背面層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを基材上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。また、背面層が、活性光線硬化型樹脂を含んでなる場合、塗工液の塗布後、活性光線を照射し、硬化させることによっても、背面層を形成させることができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<熱転写シートの作製>
基材として厚さ4.5μmPETフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時の塗工量が、1.0g/m(1.0μm)になるように塗工し、乾燥し、背面層を形成させた。
(背面層用塗工液)
・ポリビニルブチラール樹脂 1.8質量部
(積水化学工業(株)製、エスレックBX−1)
・ポリイソシアネート 5.5質量部
(DIC(株)製、バーノックD750)
・リン酸エステル系界面活性剤 1.6質量部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフA208N)
・タルク 0.35質量部
(日本タルク工業(株)製、ミクロエースP−3)
・トルエン 18.5質量部
・メチルエチルケトン 18.5質量部
上記基材の背面層を設けた側とは反対の面の一部に、下記組成の剥離層用塗工液を乾燥時の塗工量が、1.0g/m(1.0μm)になるように塗工し、乾燥し、剥離層Aを形成させた。
(剥離層用塗工液)
・アクリル樹脂 20質量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−87)
・メチルエチルケトン 40質量部
・トルエン 40質量部
上記のようにして形成させた剥離層A上に、下記組成のステルスインキ層用塗工液を乾燥時の塗工量が、2.0g/m(2.0μm)になるように塗工し、乾燥し、ステルスインキ層を形成させた。
(ステルスインキ層用塗工液)
・アクリル樹脂 8.5質量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−87)
・ジイモニウム塩 1.5質量部
(日本カーリット(株)製、CIR−RL)
・トルエン 45質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
次いで、ステルスインキ層と面順次となるように、上記組成の剥離層用塗工液を乾燥時の塗工量が、1.0g/m(1.0μm)になるように塗工し、乾燥し、剥離層Bを形成させ、さらに、この剥離層B上に下記組成の色材層用塗工液を乾燥時の塗工量が、2.0g/m(2.0μm)になるように塗工し、乾燥し、色材層を形成させた。
(色材層用塗工液)
・アクリル樹脂 8.5質量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−87)
・ソルベントイエロー93 1.0質量部
・ソルベントブルー63 0.5質量部
・トルエン 45質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
次いで、ステルスインキ層および色材層と面順次となるように、下記組成の受容層用塗工液を乾燥時の塗工量が、1.0g/m(1.0μm)になるように塗工し、乾燥し、受容層を形成させた。
(受容層用塗工液)
・塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体樹脂 15.8質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバインCNL)
・塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体樹脂 1.0質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバインC)
・有機変性シリコーンオイル 1.2質量部
(信越化学工業(株)製、X−22−3000T)
・有機変性シリコーンオイル 1.2質量部
(信越化学工業(株)製、X−24−510)
・有機変性シリコーンオイル 0.8質量部
(信越化学工業(株)製、KF−352A)
・メチルエチルケトン 40質量部
・トルエン 40質量部
次いで、ステルスインキ層、色材層および受容層と面順次となるように、下記組成のプライマー層用塗工液を乾燥時の塗工量が、0.2g/m(0.2μm)になるように塗工し、乾燥し、プライマー層を形成させた。
(プライマー層用塗工液)
・アルミナゾル 2.5質量部
(日産化学工業(株)製、アルミナゾル200)
・ポリビニルピロリドン樹脂 2.5質量部
(ISPジャパン(株)製、PVP K−60)
・水 47.5質量部
・イソプロピルアルコール 47.5質量部
上記のようにして形成させたプライマー層上に、下記組成のイエロー染料層用塗工液(Y)、マゼンタ染料層用塗工液(M)、およびシアン染料層用塗工液(C)を、グラビア印刷機により、各層の乾燥時塗工量が0.7g/m(0.7μm)になるように塗工、乾燥して、この順に面順次に繰返して染料層を形成させた。
(イエロー染料層用塗工液(Y))
・ソルベントイエロー93 6質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5質量部
(積水化学工業(株)製、KS−5)
・トルエン 50質量部
・メチルエチルケトン 50質量部
(マゼンタ染料層用塗工液(M))
・ディスパースレッド60 3質量部
・ディスパースバイオレット26 4質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5質量部
(積水化学工業(株)製、KS−5)
・トルエン 50質量部
・メチルエチルケトン 50質量部
(シアン染料層用塗工液(C))
・ソルベントブルー63 4質量部
・ディスパースブルー354 4質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5質量部
(積水化学工業(株)製、KS−5)
・トルエン 50質量部
・メチルエチルケトン 50質量部
次いで、ステルスインキ層、色材層および染料層と面順次となるように、上記組成の剥離層用塗工液を乾燥時の塗工量が、1.0g/m(1.0μm)になるように塗工し、乾燥し、剥離層Cを形成させ、さらに、この剥離層C上に下記組成の保護層用塗工液を乾燥時の塗工量が、1.0g/m(1.0μm)になるように塗工し、乾燥し、保護層を形成させ、図4に示すような熱転写シートを得た。
(保護層用塗工液)
・ポリエステル樹脂 24質量部
(東洋紡績(株)製、バイロン700)
・紫外線吸収剤 6質量部
・トルエン 35質量部
・メチルエチルケトン 35質量部
<積層体の形成>
(被熱転写体を準備する工程)
被熱転写体として、昇華型転写プリンター(株式会社DNPフォトルシオ製 DS−40)の純正ペーパーを準備した。
(ステルスインキ層の形成工程)
上記のようにして作製した熱転写シートが備えるステルスインキ層を、下記テストプリンターを用いて、被熱転写体上へ、コードパターンを形成するように熱溶融転写した。被熱転写体上のステルスインキ層の厚さは、2.0μmであった。
(テストプリンター)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
印画電圧:18(V)
1ライン周期:1.5(msec.)
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85%
(色材層の形成工程)
熱転写シートが備える色材層を、上記テストプリンターを用いて、被熱転写体およびステルスインキ層上へ、熱溶融転写した。色材層の厚さは、2.0μmであった。また、形成された色材層の色と、ステルスインキ層の色は同系色であり、その色差(ΔE*ab)は1であった。なお、色差(ΔE*ab)は、分光測定器(グレタグマクベス社製、商品名:spectrolino)を使用して、測色した。
(受容層の形成工程)
熱転写シートが備える受容層を、上記テストプリンターを用いて、ステルスインキ層および色材層上へ、熱溶融転写した。受容層の厚さは、1.0μmであった。
(画像の形成工程)
上記テストプリンターを用いて、熱転写シートが備える染料層から、染料を受容層上へ昇華転写し、画像を形成させた。
(保護層の形成工程)
画像を形成させた受容層上へ、熱転写シートが備える保護層を熱溶融転写し、積層体を得た。
(実施例2)
厚さが、1.0μmとなるよう、色材層用塗工液の塗布量を変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。なお、形成された色材層の色と、ステルスインキ層の色は同系色であり、その色差(ΔE*ab)は1.2であった。
(比較例1)
色材層塗工液の組成を以下のように変更し、色材層の色と、ステルスインキ層の色とが同系色ではないように、具体的には、色差(ΔE*ab)が10となるように変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
(色材層用塗工液)
・アクリル樹脂 8.5質量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−87)
・ソルベントイエロー93 0.5質量部
・ソルベントブルー63 1.0質量部
・トルエン 45質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
<目視認識試験>
実施例および比較例において作製した積層体を目視により観察し、ステルスインキ層の位置およびステルスインキ層が形成するコードパターンを認識することができるかを、下記評価基準に従い、評価した。評価結果を表1に表す。
(評価基準)
A:予めステルスインキ層の位置を知っている人が見ても、その位置、形状を認識することができなかった。
B:予めステルスインキ層の位置を知っている人が見ると、その位置、形状を認識することができたが、知らない人が見た場合、その位置、形状を認識できなかった。
C:予めステルスインキ層の位置、形状を知らない人が見ても、その位置、形状を認識することができた。
10:積層体
11:被熱転写体
12:ステルスインキ層
13:色材層
14:受容層
15:保護層
20:熱転写シート
21:基材
22:染料層
23:剥離層
24:プライマー層
25:背面層

Claims (4)

  1. 被熱転写体を準備する工程と、
    前記被熱転写体上の一部に、熱溶融転写により、不可視光線吸収材料を含んでなるステルスインキ層を形成する工程と、
    前記被転写体上であって、前記ステルスインキ層を熱溶融転写した以外の部分に、熱溶融転写により、不可視光線非吸収性の色材層を形成する工程と、を含み、
    前記ステルスインキ層の色と前記色材層の色とが同系色であり、
    前記ステルスインキ層および前記色材層上に、熱溶融転写により、受容層を形成する工程と、
    前記受容層上に、昇華転写により、画像を形成する工程と、をさらに含んでなることを特徴とする、積層体の製造方法。
  2. 前記ステルスインキ層と前記色材層との色差(ΔE*ab)が、5以下である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ステルスインキ層の厚さと前記色材層の厚さとの差が5μm以下である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ステルスインキ層および/または前記色材層が、ぼかし印刷を用いて形成されたものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
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