JPWO2016140316A1 - シリカガラス前駆体製造方法、シリカガラス前駆体、シリカガラス製造方法、及びシリカガラス - Google Patents

シリカガラス前駆体製造方法、シリカガラス前駆体、シリカガラス製造方法、及びシリカガラス Download PDF

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Abstract

複雑形状のシリカガラスが容易且つ低コストで形成できるシリカガラス前駆体であって、さらに、その他の用途としてその多孔質性を利用した吸着剤等にも利用可能なシリカガラス前駆体であって、低コストで緻密な多孔質を有するシリカガラス前駆体の製造方法を提供する。シリカガラス前駆体製造方法は、シリカ粒子及びpH調整剤を含むシリカ溶液を攪拌して分散溶液を生成する攪拌工程と、置換基で置換されていてもよいアルキル鎖の一の末端に水酸基を有すると共に、当該アルキル鎖の他の末端にアルキル基で置換されていてもよいアクリロイル基を有して構成されるアクリルモノマー及び光重合開始剤から成る開始剤溶液を、前記分散溶液に混合して混合溶液を生成する混合工程と、前記混合溶液に対して光照射を行い、シリカ含有成形体を形成する照射工程と、前記シリカ含有成形体を焼成及び/又は乾燥して固化して成るメソポーラス状のシリカガラス前駆体を生成する固化工程と、を含む。

Description

本発明は、シリカガラス前駆体(コンポジット成形体)及びシリカガラス、並びに、それらの製造方法に関し、特に低コストで緻密な多孔質を有するシリカガラス前駆体、その製造方法、及びその用途の提供を目的とする。
低熱膨張性、熱安定性、絶縁性、紫外〜可視域での高透過率などの諸物性に優れたシリカガラスは従来から多量に利用されてきた重要な基礎素材である。シリカガラスはこれらの特徴を利用して半導体単結晶引き上げ用ルツボ、高輝度ランプ菅、フォトマスク基板、各種光学部品などに用いられている。シリカガラスは、約2000度の高い温度域でも、10Pa・sの高い粘度を有する。
このため、複雑形状を有するシリカガラス製造法の主流は約2300〜2600℃で溶融し、一旦、ある程度に形に成形し、更に精密な加工には熟練した職人による加工技術が必要であった。また、レンズやルツボ等を作製する際、形状のみならず、表面の精密研磨が必要であった。特に表面形状が複雑になればなるほど、研磨により平滑な表面にすることは至難の業である。このため、低温焼結・成形が可能な省エネルギー型シリカガラス製造プロセスの開発が望まれている。
従来、所望の形状を有するシリカガラスを作製するためには、溶融法あるいは合成法で作製されたサンプルを機械加工あるいは職人の手によって成形や研削を行ない、最終的に表面を研磨する必要があった。しかしながら、現実的には至難の技である。そこで、これまでに、複雑な立体形状を有するシリカガラスを作製する手法としてスリップキャスト法、粉末焼結法などがあるが、いずれも、分散性を良くするために、シリカ粉末、分散剤や結合剤を蒸留水に加え、水溶液にしたシリカスラリーを調製するものである。
更に、所望の型枠にスラリーを流し込み、所望の形状になるまで、蒸発乾燥過程に1週間と長時間を要し、型枠を外していた。この手法は製造時間に多くを要し、結果的に高コストになる。さらに、シリカ粒子から透明度の高いシリカガラス(即ち透明体)を製造することは困難とされてきた。
このような状況の中、優れた特性を有するシリカガラスを簡易に得るための製造方法が模索され続けている。そのような製造方法の一つとして、先ずシリカガラス前駆体を製造しておき、当該シリカガラス前駆体を単に焼成することによってシリカガラスを製造するという手法が、コストの観点からも有望視されている。
シリカガラス前駆体は、コンポジット成形体とも呼ばれるものであり、鋳型等を利用して複雑な形状で形成しておくことにより、その後の焼成によって複雑な形状のシリカガラスを容易に製造できることのみならず、その多孔質性から、吸着材等としての様々な用途としても利用できるという非常に利用価値の高い材料として期待されている。
しかしながら、例えば、当該シリカガラス前駆体を焼成して、十分な強度と高い透明度が両立されたシリカガラスを製造することや、また、例えば、当該シリカガラス前駆体を吸着材等の機能性材料として利用できることを実現できるシリカガラス前駆体を製造できる方法は、現在のところ未だ知られていない。
例えば、従来のシリカガラス前駆体の製造方法としては、シリカナノ粒子を溶媒に分散させて分散液を調整し、有機高分子(例えばポリビニルアルコール)を溶媒に溶解させて有機溶液を調整し、前記分散液と前記溶液とを混合して混合液とし、前記混合液を乾燥させて、前記シリカナノ粒子と前記有機高分子とによる3次元ネットワークを有する成形体とするコンポジット成形体(シリカガラス前駆体)の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
しかし、例えば、上記の特許文献1では、上述したポリビニルアルコール等の有機高分子の添加を必須としており、当該有機高分子による結着作用を利用して、当該有機高分子をシリカ分子間に介在させることによって、シリカ分子間の分子間結合を促進させるものであるが、当該有機高分子による当該結着作用を奏するためには、十分な量の当該有機高分子がシリカ分子間に浸漬した状態で存在していることが必要であり、即ち、ある程度の量の当該有機高分子を含有する有機性溶液が必要となり、結果として、当該有機性溶液中のシリカの含有率が低下することとなり、前記コンポジット成形体に含まれるシリカは疎な状態とならざるを得ず、当該コンポジット成形体が焼成されたシリカガラスは、シリカの密度が低いことから、大幅な体積収縮が生じると共に脆くて崩れ易いものとなり、シリカガラスとしての十分な強度を保つことができないものとなっていた。
そのため、シリカの密度を高めることと透明性を高めることを両立できるようなシリカガラスが得られるシリカガラス前駆体の製造方法の実現が望まれているが、そのような製造方法は未だ知られていない。例えば、ポリビニルアルコールのような分子間の結合を促進する原料の代替材料を利用することも考えられるがそのような製造方法は未だ知られていない。
また、直接的にはシリカガラス前駆体の製造を目的とする技術ではないが、重合反応を適用してシリカを含有する固形物を製造し得る技術もある。
例えば、光積層造形法によりセラミック成型用の立体形状物を造形することを目的とするものであって、エチレン性不飽和モノマー、光重合開始剤、極性基を有する櫛形有機ポリマー、無機系微粒子(シリカやアルミナ等)を用いた光硬化性液状組成物の製造方法がある(例えば、特許文献2)。
この他にも、例えば、セラミックの光学的成形方法であって、特に複雑な立体形状を有するセラミックの成形体を、成形型を用いることなく形成できる製造方法の実現を目的として、セラミック粉末、光硬化性を有する結合剤、及び溶媒からなるスラリーを調製する工程、前記スラリーを用い所定厚さのセラミックラリー層を形成し、光照射して、該スラリー層を硬化させてセラミック硬化層とする工程、及びセラミック硬化層上に、前記光照射の操作を連続的に所定回数繰返して行う工程からなり所定形状にセラミック硬化層を順次積層してセラミック立体形状体を成形するセラミックの光学的成形方法もある(例えば、特許文献3)。
国際公開WO2011/004852号公報 特開2004−143247号公報 特開平6−329460号公報
しかし、従来のシリカガラス前駆体を製造し得る方法については、例えば、上記の特許文献2及び特許文献3に開示された製造方法のように、そもそも、一般的なセラミック成型用の立体形状物の製造を目的としたものでありシリカガラス製造の用途に特化したものではないため、得られた当該立体形状物について、シリカナノ粒子と有機材料とから形成される3次元ネットワークの結合がシリカガラスの形成に要求される緻密に張り巡らされた強固な結合を有するかどうかについては明らかとはされておらず、さらに、その強固な結合を有するための最適な製造条件についても明らかとはされていない。
即ち、仮にシリカを原料に用いて、上記の特許文献2及び特許文献3に開示された製造方法を用いたとしても、シリカガラス及びその前駆体に要求される十分な強度及び透明度を満足することは示されていない。このようなことからも、従来のシリカガラス前駆体の製造方法(例えば、特許文献1)で使われているポリビニルアルコールのような分子間の結合を促進するための有機高分子を用いることなく、十分な強度及び透明度を有するシリカガラス前駆体を製造し得る方法は未だに知られていない。
本発明は、従来シリカガラス前駆体の製造方法が抱えていた品質の課題さらには高コストの課題を解決するものである。即ち、本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、複雑形状のシリカガラスが容易且つ低コストで形成できるシリカガラス前駆体であって、さらに、その他の用途としてその多孔質性を利用した吸着剤等にも利用可能なシリカガラス前駆体であって、低コストで緻密な多孔質を有するシリカガラス前駆体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、僅か数秒程度で所望の形状(さらには複雑で繊細な形状にも)に硬化できるというシリカ粒子と樹脂とのナノコンポジット材料であるシリカガラス前駆体を見出すと共に、当該シリカガラス前駆体が緻密なメソポーラス構造を有することを見出し、さらに、当該シリカガラス前駆体を用いることによって、従来よりも低い焼成温度で、従来よりも透明且つ複雑形状を有することが可能な優れたシリカガラスが得られることを見出し、本発明を導き出した。
本願に開示するシリカガラス前駆体製造方法は、シリカ粒子及びpH調整剤を含むシリカ溶液を攪拌して分散溶液を生成する攪拌工程と、置換基で置換されていてもよいアルキル鎖の一の末端に水酸基を有すると共に、当該アルキル鎖の他の末端にアルキル基で置換されていてもよいアクリロイル基を有して構成されるアクリルモノマー及び光重合開始剤から成る開始剤溶液を、前記分散溶液に混合して混合溶液を生成する混合工程と、前記混合溶液に対して光照射を行い、シリカ含有成形体を形成する照射工程と、前記シリカ含有成形体を焼成及び/又は乾燥して固化して成るメソポーラス状のシリカガラス前駆体を生成する固化工程と、を含むものである。
また、本願に開示するシリカガラス前駆体製造方法は、必要に応じて、前記攪拌工程で生成する分散溶液のpH値が、前記シリカ粒子がナノオーダーからマイクロオーダーまで平均粒径が大きくなるにつれて、酸性からアルカリ性に制御されるものである。
また、本願に開示するシリカガラス前駆体製造方法は、必要に応じて、前記混合工程の前記開始剤溶液中の前記アクリルモノマーと前記光重合開始剤との重量比率が、99:1〜90:10であるものである。
また、本願に開示するシリカガラス前駆体製造方法は、必要に応じて、前記混合工程の前記混合溶液中の前記分散溶液と前記開始剤溶液との重量比率が、99:1〜80:20であるものである。
また、本願に開示するシリカガラス前駆体製造方法は、必要に応じて、前記攪拌工程が、平均粒径がナノオーダーのシリカ粒子、及び酸性のpH調整剤を含むシリカ溶液を攪拌して分散溶液を生成し、前記固化工程で得られたメソポーラス状のシリカガラス前駆体を、アルカリ条件下で加熱する加熱工程を含むものである。
また、本願に開示するシリカガラス前駆体は、上記シリカガラス前駆体製造方法により製造されるものである。
また、本願に開示するシリカガラス前駆体は、多孔体を有するシリカガラス前駆体であって、5nm〜50nmの空隙を有するメソポーラス状の多孔体表面に、1nm〜5nmの空隙を有する多孔質結晶が形成されているものである。
また、本願に開示するシリカガラス製造方法は、上記シリカガラス前駆体製造方法により製造されるシリカガラス前駆体を用いてシリカガラスを製造するシリカガラス製造方法であって、前記シリカガラス前駆体を本焼成し、透明状のシリカガラスを生成する本焼成工程と、を含むものである。
また、本願に開示するシリカガラスは、上記シリカガラス製造方法により製造されるものである。
本発明はシリカガラスの省エネルギー・低コスト製造プロセスを開発した。従来、シリカガラスを製造するには、製造プロセスの複雑さ、多大な熱エネルギーを消費し、最終的には高価格な製品として販売されていた。本発明により、立体形状物などのシリカガラスを安価に製造することができ、光・電子部品産業ならびに医療機器向けのみならず様々な分野で高性能ガラスとして世の中に広く普及させることができる。
シリカガラス焼結体の作製フローチャートを示す。 SiO分散液のpHとゼータ電位、平均粒子径の関係を示す。 得られた光硬化体の細孔直径と細孔体積変化率との関係(a)及びナノオーダーのシリカ粒子から得られた光硬化体から得られるミクロ/メソポーラス構造を有する結晶体(ミクロ/メソポーラス結晶体)の説明図(b)を示す。 本発明の実施形態に係るシリカガラス製造方法のフローチャートを示す。 本発明の実施例4に係るシリカガラス前駆体に対する各焼成温度と収縮率の測定結果を示す。 本発明の実施例4に係るシリカガラス前駆体に対する各焼成温度毎の細孔直径に対する細孔容積変化率についての測定結果を示す。 本発明の実施例5に係るメソポーラスシリカガラスへの水およびエタノールの脱着曲線測定結果を示す。
本発明者らは、シリカ粒子、光硬化性材料、光硬化増感剤を用いた水溶液を調製する過程において、ポーラス材料である高品質なシリカガラス前駆体が形成されることを見出し、さらに、当該シリカガラス前駆体を経由して得られるシリカガラス製造のための材料選択とその配合比、プロセスを見出した。さらに当該シリカガラス前駆体の多孔質性を利用した各種の用途に適するように、当該シリカガラス前駆体に対してさらに複雑な多孔質性を形成させる方法も見出した。
ここで、ポーラス材料とは、その表面または内部に細孔を有する材料のことであり、細孔の大きさによって3つに分類することができる。2nm以下をミクロポーラス、2〜50nmをメソポーラス、50nm以上のものがマクロポーラスとなる。
即ち、本実施形態に係るシリカガラス前駆体製造方法によれば、シリカ粒子及びpH調整剤を含むシリカ溶液を攪拌して分散溶液を生成する攪拌工程と、置換基で置換されていてもよいアルキル鎖の一の末端に水酸基を有すると共に、当該アルキル鎖の他の末端にアルキル基で置換されていてもよいアクリロイル基を有して構成されるアクリルモノマー及び光重合開始剤から成る開始剤溶液を、前記分散溶液に混合して混合溶液を生成する混合工程と、前記混合溶液に対して光照射を行い、シリカ含有成形体を形成する照射工程と、前記シリカ含有成形体を焼成及び/又は乾燥して固化して成るメソポーラス状のシリカガラス前駆体を生成する固化工程と、を含むものである。即ち、本製造方法によって、前記複数のシリカ粒子が集合・固化し、当該集合隙間が2〜50nmのメソポーラスサイズの細孔を有して成るメソポーラス状のシリカガラス前駆体が得られる。
なお、本実施形態に係るシリカガラス前駆体は、その用途として、焼成することによってシリカガラスを形成できるものに限定されず、他の用途として、シリカガラス前駆体自体をその多孔質性を利用した吸着剤等としても利用可能なシリカガラス前駆体が含まれる。
本実施形態に係るシリカガラス前駆体製造方法について、図1及び図4のシリカガラス焼結体の作製フローチャートに従い、以下説明する。
(攪拌工程)
先ず、シリカ粒子及びpH調整剤を含むシリカ溶液を攪拌して分散溶液を生成する(攪拌工程)。即ち、先ず、シリカ粒子を含むシリカ溶液のpH調整を行う(S1)
出発原料としてのシリカ粒子(シリカガラス粉末)は、特にその平均粒径は限定されないが、例えば、平均粒径がナノメートルオーダーのシリカ粒子や、平均粒径がマイクロメートルオーダーのシリカ粒子を含めて様々な粒径のものを用いることができる。
シリカ粒子の粒径については、ナノオーダーからマイクロオーダーまで平均粒径が大きくなるにつれて、シリカ溶液のpHが、酸性からアルカリ性となるように制御することが好ましい。即ち、シリカ粒子の平均粒径がナノオーダーのように微細であればシリカ溶液のpHは酸性であることが好ましく、この平均粒径が大きくなるにつれて、シリカ溶液のpHは中性に近付いていくことが好ましく、この平均粒径がマイクロオーダーとなった場合には、シリカ溶液のpHは、アルカリ性であることが好ましい。
例えば、出発原料として粒子径がナノメートルサイズ(ナノメートルオーダー)のシリカガラス粉末を用いることができるが、この場合には、特に溶液のpHが酸性領域であること(即ち、7より小さいpH値であり、好ましくは6.1より小さいpH値であり(例えば、pH値が4.7又は6.1)、より好ましくは4以下のpH値であり、より好ましくは1〜4のpH値であり、例えば、pH値が3であること)が好ましく、このpH値によって、当該ナノメートルサイズのシリカガラス粉末が溶液中でも凝集しやすくなることとなり、結果としてより強固なシリカガラス前駆体が得られる(S2)。
当該ナノメートルサイズのシリカ粒子の平均粒径は、ナノメートルオーダーの範囲内であれば特に限定されないが、メソポーラス状のシリカガラス前駆体が得られやすいという点からは、好ましくは、1〜100nmであり、さらに緻密なメソポーラス状のシリカガラス前駆体が得られやすいという点から、より好ましくは5nm〜50nmであり、例えば、平均粒径5nm〜10nm(例えば、平均粒径7nm)である。
また、この他の粒径として、例えば、粒子径がマイクロメートルサイズ(マイクロメートルオーダー)のシリカガラス粉末を用いることができる。この場合には、充填率が高い最密充填構造を有するノンポーラス状のシリカガラス前駆体が得られることから、高い強度を発揮することができる。この点において、上述したナノメートルサイズのシリカ粒子から構成されるメソポーラス状(5〜50nm細孔を含む)のものとは異なる特性を有する(上述したナノメートルサイズのシリカ粒子と同様の透明度の高いシリカガラスを得ることができる点では同じである)ことから、さらに高い強度が要求される用途での利用が可能となる。
このマイクロメートルオーダーの平均粒径のシリカガラス粉末を用いる場合には、溶液のpH値がアルカリ性領域であること(即ち、7より大きいpH値であり、より好ましくは7〜12のpH値であり、例えば、pH値が7.3であること)が好ましく、このpH値によって、当該マイクロメートルサイズのシリカガラス粉末が溶液中でも凝集しやすくなることとなり、結果としてより強固なシリカガラス前駆体が得られる(S2)。
当該マイクロメートルサイズのシリカ粒子の平均粒径は、マイクロメートルオーダーの範囲内であれば特に限定されないが、高品質な最密充填構造のシリカガラス前駆体が得られやすいという点からは、好ましくは、0.1〜100μmである。
即ち、前記攪拌工程で生成する分散溶液のpH値が、前記シリカ粒子の平均粒径がナノオーダーの場合には酸性に調製されることが好ましく、その場合の粒径は、1〜100nmであることが好ましく、その一方で、前記シリカ粒子の平均粒径がマイクロオーダーの場合にはアルカリ性に調製されることが好ましく、その場合の粒径は、0.1〜100μmであることが好ましい。
この分散溶液のpH値は、特に限定されるものではないが、前記シリカ粒子の平均粒径がナノオーダーの場合には、好ましくは6.1より小さいpH値であり(例えば、pH値が4.7又は6.1)、より好ましくは4以下のpH値であり、より好ましくは1〜4のpH値であり、例えば、pH値が3である酸性領域に調製されることが好ましく、前記シリカ粒子の平均粒径がマイクロオーダーの場合には、好ましくは7以上のpH値であり、より好ましくは7〜12のpH値であり、例えば、pH値が7.3であるアルカリ性領域に調製されることが好ましい。
pH調整剤としては、一般の酸性溶液やアルカリ性溶液から成るpH調整剤を用いることができ、特に限定されないが、例えば、アルカリ性に調整する場合には、水酸化ナトリウム溶液やアンモニウム溶液等を用いることができる。また、酸性に調整する場合には、例えば、硝酸溶液、塩酸溶液又は硫酸溶液等を用いることができる。
この分散溶液のpHと前記シリカ粒子の平均粒径との相関について、図2に一例としてSiO分散液(分散溶液)のpHとゼータ電位、平均粒子径の関係を示す。前記シリカ粒子の平均粒径がナノオーダーの場合には、図2に示すようにSiO分散液のpHが4以下でゼータ電位が0に近づき、平均粒子径が見かけ上200〜800nmと大きくなる。これは、通常シリカ粒子はpHが7近傍では、表面は負に帯電しているが、pHを4以下に調整しゼータ電位を0に近づけることでSiOの表面電荷が帯電していない状態となり斥力が働かないため、粒子間引力により凝集し、見かけ上の粒子が500nmと大きくなったことが確認された。
また、当該シリカ溶液を攪拌する方法については、特に限定されず、例えば、超音波分散や攪拌子等を用いた攪拌を用いることができる。
なお、当該シリカ溶液は、実質的には、上記のシリカ粒子及びpH調整剤を含んでいれば十分であるが、この他にも、当該シリカ溶液の特性を向上若しくは安定化させるための各種の添加物(例えば、造粒剤や分散剤等)を添加することができる。このような添加物としては、例えば、各種の分散剤、各種の金属酸化物が挙げられ、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ゲルマニウム等の種々の金属酸化物を当該シリカ溶液に添加することも可能である。
(混合工程)
次に、直鎖アルキル基の両末端に各々水酸基及びアクリロイル基を有して構成されるアクリルモノマー及び光重合開始剤から成る開始剤溶液を、前記分散溶液に混合して混合溶液を生成する(混合工程)
この混合によって、弱く結合したシリカ粒子の凝集体相互間で凝集されやすい状況が形成される(S3)。なお、必須ではないが、凝集を促進するために、水酸基を含有している有機高分子(例えば、ポリブチルアルコール、ポリイソブチルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール等)を、この開始剤溶液に添加してもよいが、これらを添加しなくても十分に凝集を促進することができる。
アクリルモノマーとしては、置換基で置換されていてもよいアルキル鎖の一の末端に水酸基を有すると共に、当該アルキル鎖の他の末端にアルキル基で置換されていてもよいアクリロイル基を有して構成されるアクリルモノマーであれば特に限定されず、例えば、4-HBA(アクリル酸4-ヒドロキシブチル)、2-HEA(2-ヒドロキシエチルアクリレート)、2-HEM(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、HPA(ヒドロキシプロピルアクリレート)、HPM(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、1-A,3-M,2-P(1-アクリロキシ-3-メタクリロキシ-2-プロパノール)等を1又は複数組み合わせて用いることができる。さらに、同種のアクリルモノマーとして、APG-400(ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート)、AE-400(ポリエチレングリコールモノアクリレート)、AP-400(ポリプロピレングリコールモノアクリレート)、CHDMMA(シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート)、IBA(イソブチルアクリレート)のうち1又は複数を加えることも可能である。
このようなアクリルモノマーのうち、より好ましくは、以下の一般式(I)で示されるアクリルモノマーを1又は複数用いることである。
上記式中、Rは、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい炭素数1〜5の直鎖アルキル基、Rは、炭素数1〜5のアルキル基又は水素原子を示す。
一般式(I)で示されるアクリルモノマーとしては、例えば、4-HBA(アクリル酸4-ヒドロキシブチル)、2-HEA(2-ヒドロキシエチルアクリレート)、2-HEM(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、HPA(ヒドロキシプロピルアクリレート)、HPM(ヒドロキシプロピルメタクリレート)が挙げられ、このうち好ましくは、以下の化学式(I−1)で示される4-HBA(アクリル酸4-ヒドロキシブチル)、化学式(I−2)で示される2-HEM(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、及び化学式(I−3)で示される2-HEA(2-ヒドロキシエチルアクリレート)である。
さらに好ましくは、上記の直鎖アルキル基の鎖長がより長い4-HBA(アクリル酸4-ヒドロキシブチル)であり、上記の凝集したシリカ粒子の結合が、このアクリルモノマーによって強固に結合し、緻密且つ良質なメソポーラス状の空隙が得られることとなる(S4)。
このような強い結合を生み出すメカニズムは、詳細には解明されていないが、pH調整によって上記アクリルモノマーの水酸基がシリカ粒子間に高い結合強度を生み出すと共に、上記アクリルモノマーを構成する適度な鎖長の直鎖アルキル基によってシリカ粒子間にしなやかな結合強度も生み出しているものと推察される。このことは、従来の技術のように、単なる混合や攪拌やpH操作という単位操作やそれらの組み合わせからは得られないものであり、その結果として、本実施形態に係るシリカガラス前駆体が、後述するように、従来では得られなかった強度及び透明度の高い特性が得られることとなる。
また、特に、アクリルモノマーに4-HBA(アクリル酸4-ヒドロキシブチル),2-HEM(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、又は2-HEA(2-ヒドロキシエチルアクリレート)を用いて形成される光硬化体(シリカガラス前駆体)により得られるシリカガラスは、極めて透明であると共に、複雑な形状を形成できるという従来には無い特性を有するシリカガラスとなることが確認されている。なお、本実施形態に係るシリカガラス前駆体は、十分な強度を有するものであるが、さらに柔軟性を加えたい場合には、上記のアクリルモノマーに加えて、所定の割合のウレタン系アクリルモノマーを混合させることが好ましい。このウレタン系アクリルモノマーとは、カルバメートとも呼ばれるカルバミン酸のエステルから構成される化合物である。当該ウレタン系アクリルモノマーを混合させることによって、得られるシリカガラス前駆体に適度な柔軟性を持たせることが可能となる。この混合比率については、得られるシリカガラス前駆体の用途や目的に応じて制御することが可能であり、例えば、上記のアクリルモノマーに対するウレタン系アクリルモノマーの混合比率を相対的に低い割合とすることで、柔軟性よりも強度の高さが重視されたシリカガラス前駆体を得ることが可能となる。また、例えば、上記のアクリルモノマーに対するウレタン系アクリルモノマーの混合比率を相対的に高い割合とすることで、強度よりも柔軟性の高さが重視されたシリカガラス前駆体を得ることが可能となる。
また、光重合開始剤は、一般に用いられている光重合開始剤であれば特に限定されないが、取り扱いの容易さから、ケトン化合物が好ましく、このような化合物としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)2−エチルアントラキノン等を用いることができる。
また、前記開始剤溶液中の前記アクリルモノマーと前記光重合開始剤との重量比率は、特に限定されないが、メソポーラス状の多孔質が形成され易いという点から、より好ましくは99:1〜80:20であり、さらに好ましくは、99:1〜90:10である。
(照射工程)
次に、前記混合溶液に対して光照射を行い、シリカ含有成形体を形成する(照射工程)。
光照射は、その光源は特に限定されないが、例えば、紫外線あるいは近紫外線を発光するLEDを用いることができる。この光照射によって、前記光重合開始剤がトリガーとなって重合反応が開始され、シリカ含有成形体が形成される(S5)。
(固化工程)
次に、前記シリカ含有成形体を焼成及び/又は乾燥して固化して成るメソポーラス状のシリカガラス前駆体を生成する(固化工程)。
この焼成及び/又は乾燥は、特に限定されず、焼成温度については、好ましくは、1000℃〜1500℃、より好ましくは、1200℃〜1400℃、例えば、1300℃の焼成を行うことができる。また、乾燥については、乾燥機による強制乾燥の他にも自然乾燥を行うこともできる(S6)。
ここで、特筆すべき点は、得られた光硬化体(シリカガラス前駆体)は、シリカ粒子と樹脂のコンポジット材料であり、図3(a)に示すように、平均細孔直径約30nmのメソポーラス構造(得られた結果から、全細孔容積:1.33cm−1、比表面積:196.4m−1、空隙率:68.3%であることが示された)を有するということである。
このように、本実施形態では、高い強度を有するシリカガラス前駆体が得られる。この優れたメカニズムは未だ詳細には解明されていないが、弱く結合したシリカ粒子の凝集体相互間同士をアクリルモノマーにより凝集体同士が強く結合した水溶液が得られることによって、光照射によりメソポーラス状の多孔質を豊富に内包する強固なシリカ含有成形体が確実に形成されることによって、当該シリカ含有成形体を焼成及び/又は乾燥するのみによって高い強度を有するシリカガラス前駆体が得られやすい状況が形成されているものと推察される。また、当該得られた水溶液を任意の形状を有する型に流し込むことによって、光照射(紫外線あるいは近紫外線)により、光重合開始剤が反応し、任意の形状の(複雑な形状も可能な)光硬化体を作製できるという優れた効果も奏する。
さらに、得られたシリカガラス前駆体(光硬化体)は、高温焼成することによってシリカガラスを得る用途に限定されず、この他にも、特にナノオーダーのシリカ粒子から形成された場合には、アルカリ条件下で加熱することによって、図3(b)に示すように、より微細な多孔質結晶としてのシリカガラス前駆体を得ることができる。このアルカリ条件下での加熱については、例えば、アルカリ溶液中にシリカガラス前駆体を浸漬させて溶解(例えば2〜24時間)させた後に、加熱(例えば150℃で12時間)を行う(所謂水熱反応も含まれる)ことにより実施することができる。このアルカリ溶液は、アルカリ性を示す溶液であれば特に限定されず、アンモニウム化合物等の界面活性剤を添加してもよい。
図3(a)では、メソポーラス状の多孔体11が形成されたシリカガラス前駆体(光硬化体)1が(図の上段)、アルカリ条件下で加熱(例えば水熱反応)されることによって、メソポーラス状の多孔体11の表面に、さらにメソポーラス状の多孔質結晶12が重畳的に形成されている複雑形状の空隙10が形成された構造が形成される(図の下段)ことが示されている。このように、シリカガラス前駆体(光硬化体)1は、5nm〜50nmの空隙10を有するメソポーラス状の多孔体11の表面に、1nm〜5nmの空隙を有する多孔質結晶12が形成されたものとなり、この複雑形状を有する空隙10によって、多層的な多孔構造(ミクロ/メソポーラス構造ともいう)を有するものとなる。
本発明者は、このシリカガラス前駆体に対して、最終的には1300℃にて焼成することで有機物が燃焼し、空隙率0%という極めて透明なシリカガラスを得ることに成功した(後述の実施例参照)。これにより、従来と比較し、複雑形状を有することも可能な極めて透明度の高いシリカガラスが容易にかつ低コストで製造できるようになったことが確認されている。
なお、前記照射工程において、例えば、図4に示すように、鋳型に収納された前記混合溶液を、光照射し、その後、鋳型から離型(型外し)し、固化工程によって、シリカガラス前駆体を所望の形状に造形することも可能である。
このように、ポーラス材料であるシリカガラス前駆体は、上記のように、シリカガラスの前駆体として優れた材料であることが示されたが、この用途に限定されるものではなく、その優れた多孔質性から、吸着剤、吸水、徐放性、フィルター等のさらに種々の用途への利用が可能である。
例えば、一般に、ポーラス材料は、その細孔を利用して分離膜や吸着剤として用いられている。そのポーラス材料の一例としては、シリカを主原料としたメソポーラスシリカ結晶であるMCM−41(Mobil Crystalline Material 41)が挙げられる。MCM−41は1992年にMobil社により開発されたメソポーラスシリカの結晶であり、SiがOを介して結合した6員環構造を有し、比表面積や細孔径はそれぞれ300−700m−1、1.5−10nmの値を示す。
MCM−41と同じく、二次元ヘキサゴナル構造(ハニカム構造)を持つメソポーラス材料には、FSM−16などがある。これらの用途としては、触媒の担体や、DNAやタンパク質などの比較的大きな分子の吸着剤として用いられている。同様にゼオライト(例えばZSM−5)も、規則的なミクロ孔(直径0.1−1nmの穴)と呼ばれる細孔を有し、陽イオン交換能・触媒能・吸着能などの性質を有することが知られており、ガス分離、有機溶媒中の水分除去、水質浄化剤などの多くの用途に利用されている。いずれも、現在では、上記のポーラスシリカ結晶は形状として粉末状が主である。
これらのポーラス結晶を膜にすることで、高効率膜分離法が期待されている。しかし、膜単体では使用に耐えうる強度を持たない。また、これを塊状にするためにはバインダーが必要となる。しかし、このバインダーを用いることで吸着特性などが低下するといったことが挙げられる。
これに対して、上述した本実施形態に係るナノ粒子を用いたシリカガラス前駆体(メソポーラスシリカガラス前駆体)は、その細孔(平均約20nm、即ち、メソ孔)の中に上記のミクロポーラス結晶を析出することで、高比表面積を有し、機械的強度に優れたミクロ/メソポーラスシリカの作製が可能であることから、応用範囲が広い。本発明者は、具体的に、本メソポーラスシリカガラス前駆体の約20nmを有する細孔(メソ孔)の表面にMCM−41やゼオライト(例えばZSM−5)の結晶を形成させることにも成功した。
このような本実施形態に係るシリカガラス前駆体(上記ミクロ/メソポーラス結晶体)の一例の作製方法を示す。
メソポーラスシリカガラス前駆体をシリカ源とし、水、水酸化ナトリウム、界面活性剤である臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAB)とし、所定のモル比で混合し、2〜24hの条件で溶解させる。溶解が終了した後、オートクレーブで150℃、12hの条件で水熱合成を行った。水熱合成が終わると、焼成を550℃、6h保持の条件で行い、界面活性剤の除去を行った。条件として、溶解時間が4hで、水熱合成が150℃、12hの条件で最後に焼成を行うことで比表面積が483m−1、平均細孔直径が7.84nmとこれまでにない、高比表面積を有し、機械的強度に優れたミクロ/メソポーラスシリカを作製することができた。
上記の製造方法は以下のようにも示される。
[1.シリカ粒子分散水溶液の調製(第1の調製工程)]
シリカ粒子(平均粒径7nm)を所望の濃度(例えば、33.5wt%)になるように水に加え、超音波分散を10〜30分、例えば、15分行う。これにより、シリカ粒子が凝集することなく溶媒に均一分散した、シリカ粒子分散水溶液(サスペンション)が得られる。なお、この超音波分散或いはその時間は単なる一例であり、シリカ粒子の凝集を解離できればその手法や時間は特に限定されない。攪拌子等を用いた攪拌によってシリカ粒子を溶媒中に分散させてもよい。
また、本実施形態では、平均粒径7nmのシリカ粒子を用いているが、シリカ粒子の平均粒径はこれに限られない。例えば、平均粒径が50nm未満、好ましくは5nm以上50nm以下のシリカ粒子を用いることができ、この場合には、前記シリカ粒子分散水溶液(サスペンション)のpH値を酸性に調製する。この場合のシリカ粒子の粒子径は、ナノオーダーであればよく、好ましくは100nm以下、より好ましくは5nm以上50nm以下である。
この他にも、マイクロオーダーのシリカ粒子の粒子径を用いることができ、前記シリカ粒子分散水溶液(サスペンション)のpH値をアルカリ性に調製する。この場合のシリカ粒子の粒子径は、マイクロオーダーであればよく、好ましくは100μm以上、より好ましくは5μm以上50μm以下である。
[2.アクリルモノマーと光重合開始剤溶液の調製(第2の調製工程)]
アクリルモノマーと光重合開始剤をそれぞれ99:1〜90:10の重量比率で混合し、溶液を調整する。そのときに使用可能なモノマーならびに光重合剤の一例を以下に示す。
[使用可能なモノマーおよび重合開始剤一覧]
[モノマー]
4−HBA(アクリル酸4−ヒドロキシブチル)
2−HEA(2−ヒドロキシエチルアクリレート)
2−HEM(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)
HPA(ヒドロキシプロピルアクリレート)
HPM(ヒドロキシプロピルメタクリレート)
1−A,3−M,2−P(1−アクリロキシ−3−メタクリロキシ−2−プロパノール)
[追加可能なモノマー]
APG−400(ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート)
AE-400(ポリエチレングリコールモノアクリレート)
AP-400(ポリプロピレングリコールモノアクリレート)
GM(グリシジルメタクリレート)
CHDMMA(シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート)
IBA(イソブチルアクリレート)
[重合開始剤]
IRGACURE 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
IRGACURE TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)2−エチルアントラキノン
第1で調製したシリカスラリーと第2の調製した溶液をそれぞれ99:1〜80:20の重量比率で混合し、溶液を調整する。調整した水溶液を任意の形状を有する型に流し込み、紫外あるいは可視光を5秒〜60秒程度照射することで、光硬化体(シリカガラス前駆体)が得られる。
以下に実施例を示すが、これらの実施例は本発明に係るシシリカガラス前駆体を単に例示するためのものであり、本発明を限定するものではない。
(実施例1)
上記実施例のの第1の調製工程で調製したシリカスラリーと第2の調製工程で調製した溶液をそれぞれ99:1〜80:20の重量比率で混合し、溶液を調整した。調整した水溶液を任意の形状を有する型に流し込み、紫外あるいは可視光を5秒〜60程度照射することで、光硬化が確認された。型枠からはずすことで任意の形状を有する成形体を得た。一例として、表1に実施例の結果を示す。
いずれも、硬化時間が10秒〜30秒以内で所望の形状に硬化するシリカガラス前駆体を得ることができた。この前駆体を乾燥機中で30℃、1時間乾燥することで平均細孔径:約30nm、比表面積:196.4m−1を有するメソポーラス構造を有した。また、このメソポーラス構造を有する立体形状物は1000℃で焼成すると、機械的強度に優れた吸着剤、吸水、徐放性、フィルターとしての機能を有する。最終的には1300℃にて焼成することで立体形状を有した透明なシリカガラスを得ることができた。これにより、従来法と比較し、複雑形状品が容易にかつ低コストで製造できるようになった。
また、原料となるアクリルモノマーについて、各種のものを用いて実験を行い、得られたシリカガラスの透明度等の各種特性を検証した結果を以下の表2及び表3に示す。得られた結果から、特に、アクリルモノマーに4-HBA(アクリル酸4-ヒドロキシブチル),2-HEM(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、又は2-HEA(2-ヒドロキシエチルアクリレート)を用いて形成される光硬化体(シリカガラス前駆体)により得られるシリカガラスは、極めて透明であると共に、複雑な形状を形成できるという従来には無い特性を有するシリカガラスとなることが確認された。
(実施例2)
(ナノ粒子)
シリカナノ粒子(平均一次粒子径7nm)を蒸留水66.5gに対して33.5g入れ、超音波分散を行い、100gの33.5wt%シリカナノ粒子分散液を作製した。これに対しHNO3を100μl入れて、pHを3に調整した。また、モノマー(4-Hydroxybuthyl acrylate,4-HBA)に光重合開始剤(IRGACURE TPO; Diphenyl(2,4,6-trimethylbenzoyl)phosphine Oxide)をモノマー:重合開始剤=98:2(wt%)の比率になるように加え、モノマー-重合開始剤混合液を作製した。得られたシリカナノ粒子分散液とモノマー-重合開始剤混合液を、所定の比率(例えば99:1〜70:30、より好適には99:1〜95:5)になるように混合し、SiO2-(4HBA)混合液を作製した。混合液を容器に流し込み、波長385nmのUV-LEDライトを照射することで、SiO2-(4-HBA)ゲルを得た。このゲルを型から取り外し、30℃で乾燥させることによりSiO2-(4-HBA)ナノコンポジットを得た。ナノコンポジットの細孔構造は平均細孔直径約30nmのメソポーラス構造を有していた。(全細孔容積:1.33cm3 g-1、比表面積:196.4 m2g-1、空隙率:68.3%)。得られたナノコンポジットを、大気あるいはN2,Ar, Heガスまたは真空雰囲気中、1200℃〜1300で焼成した結果、塊状のシリカガラス透明体を得た。得られたガラス透明体の化学組成を以下の表4に示す。
(実施例3) 上記の実施例2と同じ条件で、アクリルモノマー(4HBA)と光重合開始剤(IRGACURE TPO)を変化させたときの最終ガラス製品への影響を確認した。また、モノマー(4-Hydroxybuthyl acrylate,4-HBA)に光重合開始剤(IRGACURE TPO; Diphenyl(2,4,6-trimethylbenzoyl)phosphine Oxide)をモノマー:重合開始剤=(100-x):x(wt%)(但し、分散液:[アクリルモノマー(4HBA)及び光重合開始剤(IRGACURE TPO)]を一定の95:5とした)の比率になるように加え、重合開始剤の比率xを1〜10に変更しながら、モノマー-重合開始剤混合液を作製し、SiO2-(4HBA)混合液を作製した。得られたナノコンポジットを、大気あるいはN2,Ar, Heガスまたは真空雰囲気中、1200℃〜1300℃で焼成した結果、塊状のシリカガラス透明体を得た。得られたガラス透明体の化学組成を以下の表5に示す。
得られた結果から、光重合開始剤の含有量について、xが増加すると溶液の粘度が増加する傾向であった。x=10において粘度は大きく増加した。x=10において、光照射後サンプルの表面からわずかながら乾燥時割れが生じた。重合開始剤の量が増加し、シリカ粒子の溶液中での分散性が悪くなり、乾燥工程でサンプル内部が不均一な構造を有するため、表面から亀裂が発生しやすくなったことが考えられた。このような結果から、xの値は、好ましくは10以下であり、より好ましくは4以下であった。
(実施例4)
上記の実施例3と同じ条件で、x=2の場合、即ち、アクリルモノマー(4HBA)と光重合開始剤(IRGACURE TPO)を用いて、モノマー(4-Hydroxybuthyl acrylate,4-HBA)に光重合開始剤(IRGACURE TPO; Diphenyl(2,4,6-trimethylbenzoyl)phosphine Oxide)をモノマー:重合開始剤=98:2(wt%)(但し、分散液:[アクリルモノマー(4HBA)及び光重合開始剤(IRGACURE TPO)]を一定の95:5とした)の比率になるように加え、モノマー-重合開始剤混合液を作製し、SiO2-(4HBA)混合液を作製した。得られたナノコンポジットを、大気あるいはN2,Ar, Heガスまたは真空雰囲気中、500℃〜1250℃で焼成し、塊状のシリカガラス透明体を得た。焼成の際の各温度にて電気炉内1時間保持し、その後、炉内から取り出して収縮率を計測した。各焼成温度と収縮率の測定結果を図5(a)に示す。また、各焼成温度ごとの外観の撮影結果を図5(b)に示す。得られた結果から、焼成温度700℃まではほとんど収縮が起きず、焼成温度900℃から収縮が始まり焼成温度1250℃で緻密化したことが確認された。即ち、焼成前は内部に有機物が残存して乳白色を呈しており、焼成温度500℃では内部の有機物が炭化して黒色を呈するようになり、500℃より高温になると内部散乱光によって乳白色から白色を呈するようになり、最終的には1250℃で空隙率が0となって完全透明を呈するようになった。
さらに、各焼成温度とその特性( BET比表面積(m2/g)、平均細孔直径(nm)、全細孔容積(cm3/g)、空隙率(%))についての測定結果を以下の表6に示す。また、シリカガラス前駆体に対する各焼成温度毎の細孔直径に対する細孔容積変化率についての測定結果を図6に示す。得られた結果から、特に焼成温度500℃〜900℃で形成されたシリカガラス前駆体は、BET比表面積が300m2/g近くに達する高値を示すと共に、全細孔容積も1.14〜1.38cm3/gに達する高値を示したことから、特に広い表面積が要求される各種用途(例えば、脱臭剤、吸着剤、芳香剤等)に用いることに好適である。
(実施例5)
上記実施例4と同様の手順で得られたメソポーラスシリカガラスを、各々、水、エタノールへと浸漬させた。当該メソポーラスシリカガラス、焼成温度1100℃で5分の焼成を行ったシリカガラス前駆体、焼成温度1100℃で10分の焼成を行ったシリカガラス前駆体、焼成温度1100℃で20分の焼成を行ったシリカガラス前駆体を対象として、当該メソポーラスシリカガラスへの水およびエタノールの脱着曲線を測定した結果を図7に示す。図7(a)は水に対する脱着時間を示しており、図7(b)はエタノールに対する脱着時間を示している。各々、2〜3分経過した後に1gあたりのメソポーラスシリカガラスに対して、約1g 程度の水、エタノールをそれぞれ吸着した。図に示すように、その後、大気中に曝すと、時間とともに吸着された液体はサンプル外へ気化していくことで、重量減少が見られた。メソポーラスシリカガラスは、図7(a)から、水に対する脱着時間については、グラフ上の傾きが−0.0011の直線にほぼ乗るかたちを示していた。また、図7(b)から、エタノールに対する脱着時間については、100分まではグラフ上の傾きが−0.0045の直線にほぼ乗るかたちであり、100分以降はグラフ上の傾きが−0.0007の直線にほぼ乗るかたちであった。水の場合は最終的に気化するまで1200分を要し、エタノールの場合は850分で完全に気化した。この特性はサンプル内部に吸着された成分の放出がみられることで、様々な徐放性の効果を利用した様々な用途(例えば、脱臭剤、吸着剤、芳香剤等)への適用が可能であることが確認された。
(実施例6)
(マイクロ粒子)
シリカマイクロ粒子(平均一次粒子径1μm)を蒸留水20gに対して80g入れ、超音波分散を行い、100gのシリカナノ粒子分散液を作製した。これに対し水酸化テトラメチルアンモニウム(TMA)を水溶液100μl入れて、pHを7.3に調整した。また、モノマー(4-Hydroxybuthyl acrylate,4-HBA)に光重合開始剤(IRGACURE TPO; Diphenyl(2,4,6-trimethylbenzoyl)phosphine Oxide)をモノマー:重合開始剤=98:2(wt%)の比率になるように加え、モノマー-重合開始剤混合液を作製した。得られたシリカナノ粒子分散液とモノマー-重合開始剤混合液を、所定の比率(例えば99:1〜70:30)になるように混合し、SiO2-(4HBA)混合液を作製した。混合液を容器に流し込み、385nmのUV-LEDライトを照射することで、SiO2-(4-HBA)ゲルを得た。このゲルを型から取り外し、30℃で乾燥させることによりSiO2-(4-HBA)ナノコンポジットを得た。得られたナノコンポジットを、大気あるいはN2,Ar,またはHeガス雰囲気中、1200℃〜1300℃で焼成した結果、塊状のシリカガラス透明体を得た。得られたナノコンポジットを、大気あるいはN2,Ar, Heガスまたは真空雰囲気中、1300℃〜1600℃で焼成した結果、塊状のシリカガラス透明体を得た。得られたガラス透明体の化学組成を以下の表5に示す。
1 シリカガラス前駆体
10 空隙
11 多孔体
12 多孔質結晶

Claims (9)

  1. シリカ粒子及びpH調整剤を含むシリカ溶液を攪拌して分散溶液を生成する攪拌工程と、
    置換基で置換されていてもよいアルキル鎖の一の末端に水酸基を有すると共に、当該アルキル鎖の他の末端にアルキル基で置換されていてもよいアクリロイル基を有して構成されるアクリルモノマー及び光重合開始剤から成る開始剤溶液を、前記分散溶液に混合して混合溶液を生成する混合工程と、
    前記混合溶液に対して光照射を行い、シリカ含有成形体を形成する照射工程と、
    前記シリカ含有成形体を焼成及び/又は乾燥して固化して成るメソポーラス状のシリカガラス前駆体を生成する固化工程と、
    を含むことを特徴とする
    シリカガラス前駆体製造方法。
  2. 請求項1に記載のシリカガラス前駆体製造方法において、
    前記攪拌工程で生成する分散溶液のpH値が、前記シリカ粒子がナノオーダーからマイクロオーダーまで平均粒径が大きくなるにつれて、酸性からアルカリ性に制御されることを特徴とする
    シリカガラス前駆体製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のシリカガラス前駆体製造方法において、
    前記混合工程の前記開始剤溶液中の前記アクリルモノマーと前記光重合開始剤との重量比率が、99:1〜90:10であることを特徴とする
    シリカガラス前駆体製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のシリカガラス前駆体製造方法において、
    前記混合工程の前記混合溶液中の前記分散溶液と前記開始剤溶液との重量比率が、99:1〜80:20であることを特徴とする
    シリカガラス前駆体製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のシリカガラス前駆体製造方法において、
    前記攪拌工程が、平均粒径がナノオーダーのシリカ粒子、及び酸性のpH調整剤を含むシリカ溶液を攪拌して分散溶液を生成し、
    前記固化工程で得られたメソポーラス状のシリカガラス前駆体を、アルカリ条件下で加熱する加熱工程を含むことを特徴とする
    シリカガラス前駆体製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のシリカガラス前駆体製造方法により製造されることを特徴とする
    シリカガラス前駆体。
  7. 多孔体を有するシリカガラス前駆体であって、
    5nm〜50nmの空隙を有するメソポーラス状の多孔体表面に、1nm〜5nmの空隙を有する多孔質結晶が形成されていることを特徴とする
    シリカガラス前駆体。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載のシリカガラス前駆体製造方法により製造されるシリカガラス前駆体を用いてシリカガラスを製造するシリカガラス製造方法であって、
    前記シリカガラス前駆体を本焼成し、透明状のシリカガラスを生成する本焼成工程と、
    を含むことを特徴とする
    シリカガラス製造方法。
  9. 請求項8に記載のシリカガラス製造方法により製造されることを特徴とする
    シリカガラス。
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