JPWO2015152099A1 - パンその他穀物粉膨化食品の凝集性改善剤 - Google Patents

パンその他穀物粉膨化食品の凝集性改善剤 Download PDF

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Abstract

ブランチングエンザイムを有効成分として含有する、パンその他穀物粉膨化食品の凝集性改善剤。1つの実施形態では、上記凝集性改善剤は、α−アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトトリオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトテトラオヒドロラーゼ、ホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、乳化剤、オリゴ糖、および糖アルコールからなる群より選択される少なくとも1つの成分をさらに含む。ブランチングエンザイムを有効成分として含有するくちゃつき防止剤、口溶け向上剤、嚥下性向上剤およびケービング防止剤も開示される。本発明の凝集性改善剤によれば、パンその他穀物粉膨化食品において、凝集性低減などの品質が向上され得る。

Description

本発明は、パンその他穀物粉膨化食品用の凝集性改善剤に関する。より詳細には、本発明は、凝集性が低減した食品を提供することができるパンその他穀物粉膨化食品用の凝集性改善剤に関する。
ブランチングエンザイム(EC 2.4.1.18、以下「BE」とも称する)は、澱粉に作用する転移酵素(6−α−グルカノトランスフェラーゼ)である。本酵素は、澱粉、グリコーゲンなどのグルコース構成多糖においてα−1,6結合を合成する、分枝(枝つくり)酵素でもある。
古くから、BEは、食品への利用が期待されており、クラスターデキストリンの製造や飲食物の製造で知られている。特に、飲食物の製造においては、澱粉質の老化抑制、消化率低下の抑制だけでなく、飲食品の口当り、接着性、増粘性、賦形性、濃厚性、分散性、保湿性、照りなどの物性を改善し、品質劣化の抑制にも有効であることが報告されている(非特許文献1および特許文献1)。
また、パンまたはドウの改質の際、BE(例えば、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)由来のBE)のような分枝酵素が、α−アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼなどの酵素と併用されて、パンのボリュームアップまたは老化抑制に寄与すること、および上記分枝酵素が、パンにおける感覚刺激の質(例えば、芳香、口当たり、嗜好性、味およびパンの皮の色)を改善することが報告されている(特許文献2)。
さらに、高度分岐環状デキストリン(例えば、クラスターデキストリン)を添加したパンは、モチモチした食感である(特許文献3)。しかし、パンの凝集性低減については報告されていない。
他方、α−アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトトリオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトテトラオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトヘキサオシダーゼ、ホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、乳化剤、オリゴ糖、および糖アルコールなどは、パンの老化を抑制し、パンに柔らかさを付与するために用いられ得る。しかし、これらの物質をパンの製造に用いることで、一般的に、パンの凝集性を高める、口どけが悪くなる、歯切れが悪くなる、嚥下性が低下するという問題点がある。さらに、消費者の嗜好性により、柔らかいパンを製造する努力がなされてきているが、上記のような物質を添加することでパンの凝集性が高くなってしまうという課題があったため、柔らかくかつ凝集性の低いパンを供給することが望まれていた。
特公昭58−022182号公報 特表2000−513568号公報 特開2011−87513号公報
生物工学会誌、2006年、第84巻、第2号、61-66頁
本発明は、パンその他穀物粉膨化食品において、凝集性低減などの品質を向上させるための凝集性改善剤を提供することを目的とする。
本発明は、ブランチングエンザイムを有効成分として含有するパンその他穀物粉膨化食品の凝集性改善剤を提供する。
1つの実施形態では、上記ブランチングエンザイムはゲオバチルス・ステアロサーモフィルス由来である。
1つの実施形態では、上記凝集性改善剤は、α−アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトトリオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトテトラオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトヘキサオシダーゼ、ホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、乳化剤、オリゴ糖、および糖アルコールからなる群より選択される少なくとも1つの成分をさらに含む。
本発明はさらに、凝集性が改善されたパンその他穀物粉膨化食品を製造する方法を提供し、当該方法は、
パンその他穀物粉膨化食品の原料の穀物粉およびブランチングエンザイムを含む生地を得る工程
を含む、パンその他穀物粉膨化食品の製造方法である。
1つの実施形態では、上記生地を得る工程は、α−アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトトリオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトテトラオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトヘキサオシダーゼ、ホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、乳化剤、オリゴ糖、および糖アルコールからなる群より選択される少なくとも1つの成分をさらに含む生地を得る工程である。
本発明はなおさらに、パンその他穀物粉膨化食品の凝集性改善処理方法を提供し、当該方法は、
パンその他穀物粉膨化食品の原料の穀物粉およびブランチングエンザイムを含む生地を得る工程、
を含む。
本発明はまた、上記凝集性改善剤を含むくちゃつき防止剤を提供する。
本発明はまた、上記凝集性改善剤を含む口溶け向上剤を提供する。
本発明はまた、上記凝集性改善剤を含む嚥下性向上剤を提供する。
本発明はさらに、上記凝集性改善剤を含むケービング防止剤を提供する。
本発明は、パンその他穀物粉膨化食品の製造方法を提供し、当該方法は、
上記凝集性改善剤、くちゃつき防止剤、口溶け向上剤、嚥下性向上剤またはケービング防止剤と、パンその他穀物粉膨化食品の原料の穀物粉とを含む生地を得る工程、および
該生地を加熱する工程
を含む。
本発明によれば、ブランチングエンザイムを有効成分に用いることで、パンその他穀物粉膨化食品について、凝集性が改善された食品を製造することができる凝集性改善剤が提供される。
さらに、ブランチングエンザイムを、α−アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトトリオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトテトラオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトヘキサオシダーゼ、ホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、乳化剤、オリゴ糖、および糖アルコールからなる群より選択される少なくとも1つの成分と併用することで、パンその他穀物粉膨化食品の老化を抑制し、柔らかさを保持しつつ、パンその他穀物粉膨化食品を凝集性が改善された食品とすることができる。
さらに、本発明によれば、上記食品について、口腔内でのくちゃつきを低減し得るくちゃつき防止剤、口腔内でのほぐれ感を向上し得る口溶け向上剤、飲み込みやすさを向上し得る嚥下性向上剤、ならびにケービングを抑制し得るケービング防止剤もまた提供される。
BE添加食パン(実施例1:80ppmおよび実施例2:40ppm)およびBE無添加食パン(比較例1)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。 α−アミラーゼとBEとを添加した食パン(実施例3)、無添加食パン(比較例2)、およびα−アミラーゼのみを添加した食パン(比較例3)について、焼成翌日の凝集性を示すグラフである。 BE添加食パン(実施例4)、マルトジェニックアミラーゼのみを添加した食パン(比較例4)、およびマルトジェニックアミラーゼとBEとを添加した食パン(実施例5)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。 BE添加食パン(実施例4)、マルトジェニックアミラーゼのみを添加した食パン(比較例4)、およびマルトジェニックアミラーゼとBEとを添加した食パン(実施例5)について、焼成翌日、2日後および5日後の食パンの硬さを示すグラフである。 BE添加食パン(実施例6)、マルトテトラオヒドロラーゼのみを添加した食パン(比較例5)、およびマルトテトラオヒドロラーゼとBEとを添加した食パン(実施例7)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。 BE添加食パン(実施例6)、マルトテトラオヒドロラーゼのみを添加した食パン(比較例5)、およびマルトテトラオヒドロラーゼとBEとを添加した食パン(実施例7)について、焼成翌日、2日後および5日後の食パンの硬さを示すグラフである。 BE添加食パン(実施例8)、ホスホリパーゼのみを添加した食パン(比較例6)、およびホスホリパーゼとBEとを添加した食パン(実施例9)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。 BE添加食パン(実施例8)、ホスホリパーゼのみを添加した食パン(比較例6)、およびホスホリパーゼとBEとを添加した食パン(実施例9)について、焼成翌日、2日後および5日後の食パンの硬さを示すグラフである。 乳化剤添加食パン(比較例7)、乳化剤とBEとを添加した食パン(実施例10)、乳化剤とトレハロースとを添加した食パン(比較例8)、および乳化剤とトレハロースとBEとを添加した食パン(実施例11)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。 乳化剤添加食パン(比較例7)、乳化剤とトレハロースとを添加した食パン(比較例8)、および乳化剤とトレハロースとBEとを添加した食パン(実施例11)について、焼成翌日、3日後および5日後の食パンの硬さを示すグラフである。 乳化剤とBEとを添加した食パン(実施例10)の口溶け、くちゃつき低減、および軽さに関する食味評価点を示すグラフである。 乳化剤とBEとを添加した食パン(実施例10)、乳化剤とトレハロースとを添加した食パン(比較例8)、および乳化剤とトレハロースとBEとを添加した食パン(実施例11)の口溶けおよびくちゃつき低減に関する食味評価点の対比を示すグラフである。 BE添加食パン(実施例10)、BEとトレハロースとを添加した食パン(実施例12)、BEとマルトースとを添加した食パン(実施例13)、BEと直鎖オリゴ糖とを添加した食パン(実施例14)、およびBEとマルトトリオースとを添加した食パン(実施例15)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。 BE添加食パン(実施例10)、BEとトレハロースとを添加した食パン(実施例12)、BEとマルトースとを添加した食パン(実施例13)、BEと直鎖オリゴ糖とを添加した食パン(実施例14)、およびBEとマルトトリオースとを添加した食パン(実施例15)について、焼成翌日、2日後および5日後の食パンの硬さを示すグラフである。 BE添加食パン(実施例10)、BEと粉末マルチトールとを添加した食パン(実施例16)、およびBEとオリゴ糖還元物とを添加した食パン(実施例17)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。 BE添加食パン(実施例10)、BEと粉末マルチトールとを添加した食パン(実施例16)、およびBEとオリゴ糖還元物とを添加した食パン(実施例17)について、焼成翌日、2日後および5日後の食パンの硬さを示すグラフである。 BE添加食パン(実施例10)、BE無添加食パン(比較例9)、アルギン酸エステル添加食パン(比較例10)、および卵殻カルシウム添加食パン(比較例11)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。 BE添加食パン(実施例10)、BE無添加食パン(比較例9)、アルギン酸エステル添加食パン(比較例10)、および卵殻カルシウム添加食パン(比較例11)について、焼成翌日、2日後および5日後の食パンの硬さを示すグラフである。
1つの局面では、本発明は、ブランチングエンザイム(BE)を有効成分として含有するパンその他穀物粉膨化食品の凝集性改善剤を提供する。
ブランチングエンザイム(EC 2.4.1.18)は、澱粉に作用する転移酵素(6−α−グルカノトランスフェラーゼ)である。本酵素は、澱粉、グリコーゲンなどのグルコース構成多糖においてα−1,6結合を合成する、分枝(枝つくり)酵素でもある。
BEは、食品のデンプン分子の中に環状構造を作り出すことで、弾力のある骨格を形成し、食品の復元性を高め得る。さらに、BEは、デンプン分子を小型化し得る。BEによるデンプンに対するこれらの作用が、パンその他穀物粉膨化食品の凝集性改善、ならびに歯切れ感および口溶け感の向上などにつながり得る。
BEは、5〜9の範囲内に至適pHを有するものが好ましく、より好ましくは5〜7の範囲内に至適pHを有する。BEは、好ましくは20℃〜70℃、より好ましくは25℃〜50℃の範囲で最適な活性を有する。BEは、パンその他穀物粉膨化食品の生地の調製の間、活性であり得るが、より高い温度下となる加熱工程(例えば焼成工程)では活性が失われ得る。
BEは、その由来および調製方法は特に限定されない。BEの調製方法としては、例えば、BEを含有する天然に存在する生物(例えば植物または微生物)から、抽出、精製などの当業者が通常用いる方法を用いて調製する方法が挙げられる。また、BEは、当該技術分野で周知の組換えDNA技術を用いて調製することもできる。BEを含有する生物としては、アルスロバクタ・グロビホルミス(Arthrobacter globiformis);バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium);ストレプトコッカス・ミチス(Streptococcus mitis);サルモネラ・タイフィムリウム(Salmonella typhimurium);藻類シアニジウム・カルダリウム(Cyanidium caldarium);大腸菌;バチルス・カルドリチクス(Bacillus caldolyticus);ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus);シネココッカス(Synechococcus)種などが挙げられる。なかでも、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)由来のBEが好ましい。
BEを天然に存在する生物から調製する方法は、例えば、BEを生産する微生物を培養する工程、培養液から微生物菌体を分離する工程、および微生物菌体からBEを抽出かつ精製する工程を含む。BEを生産する微生物を培養する工程では、該微生物が利用し得る栄養源を含む培地で該微生物を培養する。培地の形態としては、BEの生産を促進する限り、液体状であっても固体状であってもよい。大量培養には、培地の調製が容易であり、かつ撹拌可能のため高い菌濃度にまで培養が可能であるという点から液体培地が好ましい。栄養源としては、例えば、炭素源、窒素源、および無機塩類が挙げられる。炭素源としては、例えば、グルコース、グリセリン、デキストリン、スターチ、糖蜜、および動植物油が挙げられる。窒素源としては、例えば、大豆粉、コーンスチープリカー、綿実かす、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモニウム、硝酸ソーダ、および尿素が挙げられる。無機塩類としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、およびリン酸が挙げられる。培養法としては、静置培養でも振盪培養または通気攪拌培養でもよいが、大量培養には、空気および栄養源を効率的に菌体に供給することができるという点から、通気攪拌培養が好ましい。培養温度としては、例えば、25℃〜70℃、好ましくは30℃〜60℃である。培地のpHとしては、pH5〜pH8が好ましい。培養時間としては、例えば、1日間〜7日間であり、当業者が通常用いる方法によるモニタリング下、BEの菌体内蓄積量が最高になったときに培養を停止する。培養液からBEを内部に含んだ微生物菌体を分離する工程では、例えば、遠心分離、ろ過、減圧蒸留が挙げられる。微生物菌体からBEを抽出する方法としては、例えば凍結融解、高圧ホモジナイザー処理、ビーズ処理といった物理的方法、細胞膜に損傷を与えるような薬剤での処理、浸透圧を急激に変化させる方法、アルカリ処理、酵素処理といった化学的方法が挙げられる。BEを含む液からBEを分離および精製する工程では、例えば、排除分子量5000または排除分子量10000のろ過膜を用いた限外ろ過、硫安またはエタノールを用いた分画、クロマトグラフィーによる精製などの公知の手段を目的のBEの精製度に応じて適宜組み合わせて用いることができる。BEとしては、BEを含む溶液をそのまま液体状で使用してもよいし、真空乾燥または凍結乾燥して得られた粉末状の酵素として使用してもよい。
BEとしては、市販の製剤に含まれる酵素を利用することもできる。市販の製剤としては、特に限定されないが、例えば、デナチームBBR LIGHT(50,000U/g)(ナガセケムテックス株式会社製)が挙げられる。
本発明において、BEの活性は、アミロース水溶液(0.1%アミロース(ポテト由来、シグマアルドリッチ社))に酵素液を加え、50℃、10分間反応させた後にヨウ素呈色させた時、1分間あたりの吸光度(660nm)の減少率が1%である酵素量を1ユニット(U)とすることにより算出することができる。
BEの含有量は限定されないが、本剤全体重量1gを基準とした場合、好ましくは1000U〜1000000U、より好ましくは5000U〜100000Uの割合でBEを含有する。本発明のパンその他穀物粉膨化食品の凝集性改善剤は、BEのみで構成されていてもよい。本発明においては、このような範囲内でBEを含有していることにより、上述したかつ後述する凝集性改善効果を一層向上させることができる。
凝集性改善剤は、食品の凝集性改善を含む品質改良を目的として、BEを含有する食品用品質改良剤として用いられ得る。対象とされる食品は、例えば、パンその他穀物粉膨化食品である。その他穀物粉膨化食品としては、洋菓子(例えば、ケーキ、ペイストリー、パイ、バームクーヘン、ビスケット、クッキー、クラッカーなど)、和菓子(例えば、焼き菓子、蒸菓子、揚げ菓子など)が挙げられる。ここで、穀物粉膨化食品とは、穀物粉を使用した食品で、焼成、蒸し、茹で、およびフライなどの加熱によって、穀物粉を含有する生地(すなわち、穀物粉ベースの生地)を膨化させた食品をいう。加熱により気泡を膨化させた食品などがその一例である。穀物粉の由来穀物としては、例えば、小麦、トウモロコシ、米、蕎麦、大麦、ライ麦、およびオーツ麦などが挙げられる。穀物粉は、当業者が通常用いる方法によって調製され得る。小麦粉としては、例えば強力粉、中力粉、高蛋白小麦粉、準強力粉、薄力粉などが挙げられる。穀物粉膨化食品は、例えば、デンプン分子を含む食品、好ましくはアミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストリンなどの糖質を含む食品であり得る。
「凝集性」とは、食品のテクスチャー測定(例えば、以下の「評価方法2」に従う測定)による物性評価、および食した際の口腔内における食品の凝集のいずれをも包含する。例えば、パンその他穀物粉膨化食品の凝集は、加熱後のパンその他穀物粉膨化食品(例えば、焼成後のパン)の復元力、および口腔内でのパンその他穀物粉膨化食品のくちゃつきに影響し得る。
「凝集性」の改善は、食品の物性の改善(凝集性の低下または復元力の向上)および/または凝集による望ましくない作用の改善もしくは抑制をいう。望ましくない作用の改善もしくは抑制としては、例えば、くちゃつきの低減、咀嚼性および嚥下性の向上、ケービング(腰折れ)の防止または抑制などが挙げられる。
凝集性改善剤により改良される品質としては、凝集性に加えて、例えば、歯切れ向上、口溶け向上、嚥下性向上、くちゃつきの低減、およびケービングの防止または抑制が挙げられる。「歯切れ」は、食品を口腔に導入した際および口腔内での噛みきり易さ(すなわち、一口目およびそれ以降の噛みきり易さ)を包含する。「口溶け(meltability)」は、口腔内でのほぐれ感を示す指標であり、「口当たり」が意味する口腔内全体で感じる心地よさとは異なる官能評価指標である。「嚥下性」は、飲み込みやすさを示す指標であり、凝集性改善および口溶け感向上の結果もたらされ得る。「くちゃつき(kuchatsuki)」とは、食した際の食品の口溶けの悪さ、凝集性およびこれらに伴う不快感を官能的に表現した性質をいう。「ケービング」は、加熱後のパンその他穀物粉膨化食品(例えば、焼成後のパン)にへこみが生じることであり、腰折れとも呼ばれる。本発明の凝集性改善剤は、凝集性改善に加え、上記の品質の向上と総合して、優れた食感を与えることができる。凝集性改善剤は、軽い食感(軽さ)を食品に与えるものであってもよい。
他の局面では、本発明は、凝集性改善剤を含む、くちゃつき防止剤、口溶け向上剤、嚥下性向上剤およびケービング防止剤もまた提供する。また、本発明の凝集性改善剤が、くちゃつきを防止するための添加剤、すなわち、くちゃつき防止剤として;口溶けを向上させるための添加剤、すなわち、口溶け向上剤として;飲み込みやすさを向上させるための添加剤、すなわち、嚥下性向上剤として;ケービングを防止するための添加剤、すなわち、ケービング防止剤として用いられてもよい。本明細書中、「凝集性改善剤」について記載するが、特に別段の記載がない限り、その記載は、くちゃつき防止剤、口溶け向上剤、嚥下性向上剤およびケービング防止剤も同様である。
本発明の凝集性改善剤の形態は特に制限されないが、例えば、粉末状、または水などの液体に溶解した液状が挙げられる。粉末状の場合、BEを水もしくは糖液などの溶媒に溶解した後、必要に応じてデキストリンなどの賦形剤を配合した後、乾燥させて粉末状としたものであってもよい。
本発明の凝集性改善剤は、本発明の効果を阻害しない程度において、酵素製剤が通常含有し得る他の成分(例えば、賦形剤、pH調整剤、保存料など)を含有していてもよい。これらの他の成分としては、例えば、酵素(例えば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトトリオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトテトラオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトヘキサオシダーゼ、へミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、グルコースオキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、カタラーゼ、グルタチオンデヒドロゲナーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、トランスグルタミナーゼ、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、β−グルカナーゼ、トリアシルグリセロールリパーゼなど)、増粘多糖類(例えば、加工澱粉、ガム類、アルギン酸、アルギン酸誘導体、ペクチン、カラギーナン、カードラン、プルラン、ゼラチン、セルロース誘導体、寒天、タマリンド、サイリウム、グルコマンナンなど)、乳化剤(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン、サポニンなど)、乳製品(例えば、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、ホエイ粉、カゼイン、チーズ、ヨーグルト、練乳、発酵乳、クリームなど)、エキス類(例えば、酵母エキス、モルトエキスなど)、糖質(例えば、ブドウ糖、果糖などの単糖;砂糖、マルトース、イソマルトース、トレハロース、ラクトース、ラクツロース、セロビオースなどの二糖;マルトトリオース以上のマルトオリゴ糖、ラフィノース、パノース、スタキオース、グルコオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ゲンチオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、ラクトスクロースなどの直鎖もしくは分岐オリゴ糖;異性化糖、水あめ、粉あめ、はちみつなどの糖混合物;デンプン、デキストリンなどの多糖;還元水あめ、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、パラチニット、エリスリトール、オリゴ糖還元物などの糖アルコール)、発酵液、発酵種、卵、甘味料および無機塩類(食塩、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなど)が挙げられる。pH調整剤としては、特に限定されず、例えば、酢酸、デヒドロ酢酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、およびアジピン酸、ならびにこれらの有機酸のナトリウム(Na)塩、カルシウム(Ca)塩、およびカリウム(K)塩;ならびに炭酸、リン酸、およびピロリン酸、ならびにこれらの無機酸のNa塩およびK塩が挙げられる。保存料としては、特に限定されず、例えば、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、および発酵プロピオン酸が挙げられる。本発明の凝集性改善剤に含有される他の成分の含有量は特に限定されず、当業者によって任意の量が選択され得る。
中でも、例えば、α−アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトトリオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトテトラオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトヘキサオシダーゼ、ホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、乳化剤、オリゴ糖、および糖アルコールなどは、パンおよびその他穀物粉膨化食品の老化を抑制し、それらの食品に柔らかさを付与するために用いられ得る(本明細書中においては、これらの成分をまとめて「老化抑制剤」ともいう)。本発明においては、これらの老化抑制剤は、いずれか1つまたはこれらの任意の2つ以上の組み合わせで用いられ得る。1つの実施形態では、乳化剤と他の1つ以上の老化抑制剤(特に、オリゴ糖および糖アルコールの少なくともいずれか)との組み合わせであり得る。
本発明の凝集性改善剤は、BEとともに老化抑制剤を含み得る。これは、老化抑制剤が、本発明の凝集性改善剤として、BEと共に配合されたもの、およびパンその他穀物粉膨化食品の製造の際にBEと共に併用されるように、別々に調製されたものの両方の実施形態を包含する。老化抑制剤は、パンその他穀物粉膨化食品についての通常の品質改良剤または酵素製剤が通常含有し得る成分として、本発明の凝集性改善剤中に配合されていてもよい。本発明の凝集性改善剤におけるBEおよび老化抑制剤の含有量、またはBEと老化抑制剤との使用比率は、当業者によって適宜決定され得る。
BEは、老化抑制剤と共存して、当該老化抑制剤成分等がパンその他穀物粉膨化食品に与える品質または性質を損なうことなく、凝集性の改善を提供し得る。BEと老化抑制剤とを併用することにより、例えば、パンその他穀物粉膨化食品に柔らかさを付与し、食味性を保持しながら、凝集性を低下させ、良好な歯切れ、口溶けおよび嚥下性を付与し、優れた食感を与えることができる。
本発明の凝集性改善剤は、パンその他穀物粉膨化食品の製造に用いることができる。例えば、パンその他穀物粉膨化食品の原料の穀物粉および本発明の凝集性改善剤を含有する生地(ドウ)を得、この生地を加熱することにより得られる。
本発明の凝集性改善剤は、穀物粉を含む原料(単に、穀物粉を含む原料をまとめて「製造原料」ともいう)を混合、混練、および混捏などの前、その間、またはその後に添加し、生地を作製し得る。パンその他穀物粉膨化食品の製造に際し、BEと老化抑制剤とを併用する場合は、凝集性改善剤としてこれらの両者を添加してもよく、あるいはBEと老化抑制剤とを別々に添加してもよい。
本明細書において「加熱」とは、焼成、蒸し、茹で、およびフライを包含する。加熱条件は、加熱装置の機種、加熱食品の配合、水分および品質等に合わせて適宜設定すればよい。
パンその他穀物粉膨化食品およびその生地は、凝集性改善剤を含有するように製造され得る。食品および生地は、製造原料中の穀物粉(例えば、小麦粉)100グラムに対して、本発明の凝集性改善剤中に含有されるBEを、好ましくは10U〜50000U、より好ましくは100U〜10000Uの割合で配合されてなる。本発明においては、食品および生地がこのような範囲内でBEを含有していることにより、上述したかつ後述する凝集性改善効果を一層向上させることができる。
本発明において1つの実施形態では、BEは、例えば、0.0075〜0.03mg(酵素重量)/kg穀物粉で配合することができる。これは、例えば、特許文献2に記載されるようなBE配合量(穀物粉1kg当たり、0.01〜1000mg、好ましくは0.1〜100mg、より好ましくは0.1〜10mgの酵素重量)と比較しても著しく低い量であり得る。本発明によれば、このような低いBE配合量にて、パンその他穀物粉膨化食品の凝集性を改善する効果を奏し得る。
BEと老化抑制剤とを併用する場合は、凝集性改善剤としてこれらの両者を添加してもよく、あるいはBEと老化抑制剤とを別々に添加してもよい。老化抑制剤は、パンその他穀物粉膨化食品の製造に通常用いられる量にて使用され得る。老化抑制剤の添加量(穀物粉重量に対する重量割合)は、酵素(α−アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトトリオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトテトラオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトヘキサオシダーゼ、ホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼなど)については、例えば1ppm〜5%、好ましくは10ppm〜2%、乳化剤については、例えば0.01%〜5%、好ましくは0.1%〜2%、オリゴ糖または糖アルコールについては、例えば0.5〜20%、好ましくは1〜10%である。
生地の調製に際し、凝集性改善剤またはBEおよび老化抑制剤に加えて、パンその他穀物粉膨化食品の品質または性質を改良するための他の成分をさらに配合してもよい。このような他の成分は、上述したとおりである。このような他の成分は、生地を調製する際に、凝集性改善剤は別に配合され得るが、他の成分のうち同じまたは異なる成分を含む凝集性改善剤と共に配合されてもよい。
以下、例示のため、製パンについて説明する。
パンの製造原料とは、パンの製造に用いられる通常の原料を意味し、穀物粉、イースト(例えば、生イースト、ドライイースト、インスタントドライイーストなど)、糖分(例えば、上白糖、グラニュー糖、三温糖、黒糖などの砂糖、異性化糖、粉飴、水あめ、糖アルコール、オリゴ糖、トレハロースなど)、食塩、乳成分(例えば、牛乳、クリーム、全粉乳、脱脂粉乳、乳タンパク質、濃縮乳など)、油脂(例えば、ショートニング、マーガリン、バターなど)、水などが挙げられる。
また、パン製造原料は、本発明の効果を阻害しない限り、さらに必要に応じて、植物性蛋白(例えば、大豆蛋白および小麦グルテンなど)、膨張剤(例えば、重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウムなど)、乳化剤(例えば、キラヤサポニン、レシチンなど)、増粘安定剤(キサンタンガム、グアーガム、カラギーナンおよびアルギン酸など)、pH調整剤(酢酸、酢酸塩など)、無機塩類、カカオおよびカカオ製品、コーヒーおよびコーヒー製品、茶類(例えば、紅茶、抹茶など)、着香料、調味料などの呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、ビタミンC、保存料(プロピオン酸、プロピオン酸塩、発酵プロピオン酸など)、甘味料(例えば、ステビア、アスパルテーム、グリチルリチン、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテームなど)なども含ませることができる。
パンは、パン製造原料と本発明の凝集性改善剤とを含有するパン生地を得、この生地を加熱することができる限り、ストレート法、中種法、ノータイム法など当該技術において知られるいずれの製パン法によっても製造することができる。
本発明の凝集性改善剤をパン生地またはパンに含有させる方法は特に限定されない。本発明の凝集性改善剤は、パン製造の混捏工程の前、間または後のいずれにおいても、添加もしくは配合することができる。パン製造原料と凝集性改善剤とが混捏されることが好ましい。この場合、凝集性改善剤は、混捏前または間のいずれで添加してもよい。凝集性改善剤をパン製造原料のいずれかに直接加えてもよく、水などの液体に予め溶解させておいてパン製造原料に加えてもよい。また、凝集性改善剤は、パン製造原料の全体に加えて混合してもよいし、パン製造原料の一部分、例えば穀物粉に加えて混合した後に、その他のパン製造原料を加えて混合してもよい。例えば、本発明の凝集性改善剤が粉末状の場合、粉体原料と粉末混合(好ましくは混合して篩がけする)してもよい。本発明の凝集性改善剤は、必要に応じて食塩もしくは糖と共に水に溶解(粉末状の場合)もしくは希釈(液状の場合)させてもよい。本発明の凝集性改善剤は、必要に応じてマーガリンなどの油脂に予め配合もしくは分散溶解させてから、使用してもよい。
本明細書において「混捏」(ミキシング)とは、パン製造原料と本発明の凝集性改善剤とを混合して捏ねることをいう。混捏は、通常のパンの製造において用いられる条件で行うことができる。
加熱処理は、通常のパンの製造において用いられる条件で行うことができ、パンの大きさや種類などにより適宜選択することができる。例えば、パン生地を100℃〜250℃で2分〜60分間保持する条件が挙げられる。
本明細書において「発酵」とは、パン製造原料中のイーストが炭酸ガスや代謝産物を生成することをいい、その結果パン生地が膨張し、また、風味が良くなる。パンの製造において、発酵は、下記の条件下に付すことがなくとも生じ得るが、混捏後に得られたパン生地に発酵処理を施してもよい。本明細書において、発酵処理とは、発酵が進行する条件下に積極的に付すことを意味する。発酵処理の条件としては、通常の製パン法において用いられる条件であってよく、パンの種類によって適宜選択することができる。発酵温度は、例えば0℃〜45℃、好ましくは25℃〜45℃で、発酵時間は、例えば0時間〜20時間、好ましくは0時間〜6時間、より好ましくは1時間〜5時間である。
例えば、製パン法としてストレート法を用いる場合、パンは、例えば次のようにして製造することができる。パン製造原料に本発明の凝集性改善剤を加えて混捏し、パン生地を得る。得られた生地を、例えば、25℃〜40℃で30分〜120分間発酵させる(一次発酵)。次いで、必要に応じて、所望のパンの形状に合わせてパン生地を適宜分割し、これを成型し、例えば、25℃〜45℃で適当な大きさに生地が膨張するまで(例えば、30分〜150分)さらに発酵させる。発酵後、160℃〜250℃で10分〜60分間加熱(例えば、焼成)してパンを製造することができる。
例えば、製パン法として中種法を用いる場合には、穀物粉およびイーストを主成分とする中種原料、または穀物粉、砂糖およびショートニングを主成分とする本捏原料の少なくとも一方に本発明の凝集性改善剤を配合することができる。
例えば、中種法では、パンは、次のようにして製造することができる。中種原料を混捏し、例えば、25℃〜35℃で2時間〜5時間発酵(中種発酵)させる。これを、本捏原料と混捏し、得られたパン生地を通常、15℃〜35℃で10分〜40分間放置する(フロアタイム)。次いで、所望のパンの形状に合わせて生地を適宜分割し、例えば、15℃〜35℃で10分〜30分間放置する(ベンチタイム)。これを成型し、例えば、25℃〜45℃で適当な大きさに生地が膨張するまで最終発酵させた後、160℃〜250℃で10分〜60分間焼成してパンを製造することができる。
パンは、冷凍処理を経て製造されてもよい。本明細書において「冷凍」とは、パン生地の一部分または全部を凍結させることをいう。
冷凍は、パン生地を得た後、加熱(例えば、焼成)処理を行う前のどの時期に行ってもよい。例えば、混捏直後に冷凍するか、混捏して得られたパン生地をフロアタイム後に分割してから冷凍するか、分割後のベンチタイム後に成型してから冷凍するか、または最終発酵後に冷凍してもよい。あるいは、焼成後の冷凍であってもまたは半焼成後の冷凍であってもよい。冷凍処理をする場合も、凝集性改善剤の付与の段階は特に制限されない。
冷凍処理は、パン生地を−80℃〜−10℃の温度条件下に保持することにより行うことができる。温度条件は、一定であってもよいが、適宜変化させることもできる。温度条件を変化させる場合、例えば−30℃〜−40℃の温度で1時間〜3時間程度保持した後に−10℃〜−20℃の温度で数日〜数ヶ月保持する条件を用いることもできるが、これに限定されない。冷凍処理の時間は、パンの種類および大きさにより、また所望の保存期間に応じて適宜調節することができる。
パンは、冷凍処理に付した場合、その後に解凍処理を施して製造するのが好ましい。解凍処理は、パン生地が完全に解凍されるまで例えば15℃〜30℃の温度に保持することにより行うことができる。
パンは、さらにフィリングを詰めたり、表面にスプレッドを塗ったりすることもできる。このようなフィリングまたはスプレッドとしては、例えば、カスタードクリーム、チョコクリーム、ジャム類、餡、惣菜類(カレー、焼きそば、ツナ、卵、ポテトなど)が挙げられる。パンとしては、例えば、食パン、菓子パン、ロールパン、フランスパン、蒸しパン、調理パン、コッペパン、フルーツブレッド、コーンブレッド、バターロール、バンズ、サンドイッチ、クロワッサン、デニッシュペーストリー、乾パン、ベーグルおよびプレッツェルが挙げられる。
本発明の凝集性改善剤は、その他の穀物粉膨化食品、例えば、洋菓子および和菓子などの食品において用いることもできる。洋菓子としては、例えば、ケーキ、ペイストリー、パイ、バームクーヘン、ビスケット、クッキー、クラッカー、タルト、シュークリーム、ドーナツ、スイートポテトなどが挙げられる。和菓子としては、例えば、どら焼き、桜餅、中花、金つば、つやぶくさ、茶通、唐饅頭、栗饅頭、月餅、かるかん、ういろう、ゆべし桃山、カステラ、あんドーナツ、揚げ月餅、最中、押し焼き、丸ボーロ、卵松葉、小麦せんべい、中華風クッキー、団子、まんじゅう、大福餅、かしわ餅、今川焼、タイ焼きなどが挙げられる。洋菓子および和菓子は、焼き菓子、蒸菓子、揚げ菓子などであり得(例えば、中華菓子として分類され得るものも含む)、焼成、蒸し、フライなどの加熱によって穀物粉ベースの生地を膨化させた菓子類である。このような穀物粉膨化食品の場合においては、本発明の凝集性改善剤は、例えば、製造原料の生地を加熱する前に加えられ得る。このような添加時期は、例えば、生地原料を混合、混練または混捏する直前に、これらの工程を行っている間、あるいは生地原料を混合、混練または混捏した後であり得る。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
下記試験例において、以下の成分をそれぞれ下記市販の製品の形態で用いた(なお、後述の配合量(ベーカリー%)は各製品重量に基づく値である):
BE(ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)由来BE、ナガセケムテックス株式会社製、製品名:デナチームBBR LIGHT)、
α−アミラーゼ(ナガセケムテックス株式会社製、製品名:デナチームSA−7)、
マルトジェニックアミラーゼ(ノボザイムズ社製、製品名:Novamyl conc.)、
グルカン 1,4−α−マルトテトラオヒドロラーゼ(ダニスコ社製、製品名:HPL G4)、
ホスホリパーゼ(ナガセケムテックス株式会社製、製品名:デナベイク RICH)、
乳化剤(グリセリンモノエステル製剤、理研ビタミン株式会社製、製品名:エマルジーMM−100)、
トレハロース(株式会社 林原製、製品名:トレハ)、
マルトース(株式会社 林原製、製品名:サンマルト)、
マルトトリオース(サンエイ糖化株式会社製、製品名:ピュアトースP)
直鎖オリゴ糖(三菱化学フーズ株式会社製、製品名:オリゴトース)、
粉末マルチトール(三菱商事フードテック株式会社、製品名:アマルティMR)、
オリゴ糖還元物(三菱商事フードテック株式会社製、製品名:PO−40)、
アルギン酸エステル(アルギン酸プロピレングリコールエステル、株式会社キミカ製、製品名:昆布酸501)、
卵殻カルシウム(キユーピータマゴ株式会社製、製品名:卵カルシウム)。
下記試験例において用いた製パン方法および評価方法を以下に示す。
(製パン方法1:70%中種法)
ミキサー(株式会社愛工舎製作所製:MT−20)を使用し、70%の粉と酵母をミキシングし、一次発酵を行った(28℃、湿度75%、4時間)。中種発酵終了後、他の材料を合わせて捏ね上げ、フロアタイムをとった(20分)。生地を216gずつに分割し、丸めてベンチタイム(20分)をとったのち、モルダー(株式会社コトブキベーキングマシン製)でガス抜き・成形した。1.5斤の食パン型に3個の生地を詰め、最終発酵(38℃、湿度85%、50分)を行った後、オーブンで40分間焼成した(上火200℃、下火210℃)。なお、酵素を添加する場合には中種に加えた。
本方法の工程表を表1に示す。
Figure 2015152099
(製パン方法2:標準ストレート法)
ミキサー(株式会社愛工舎製作所製:MT−20)を使用し、27℃で生地を捏上げ、一次発酵を行った(28℃、湿度80%、60分)。一次発酵終了後、生地を216gずつに分割し、丸めてベンチタイム(20分)をとった後、モルダー(株式会社コトブキベーキングマシン製)でガス抜き・成形した。1.5斤の食パン型に3個の生地をつめ、二次発酵(38℃、湿度80%、55分)を行った後、オーブンで40分間焼成した(上火200℃、下火210℃)。
本方法の工程表を表2に示す。
Figure 2015152099
(製パン方法3:ストレート法(オーバーナイト))
ミキサー(株式会社愛工舎製作所製:MT−20)を使用し、24℃で生地を捏上げ、一次発酵を行った(26℃、湿度75%、60分)。パンチ後、生地を平らに伸ばしてビニール袋に入れ、0℃で終夜冷却した。生地を216gずつに分割し、柔軟性が回復するまで生地を折り重ねた。丸めてベンチタイム(20分)をとった後、モルダー(株式会社愛工舎製作所製)でガス抜きを行い成形した。1.5斤の食パン型に3個の生地をつめ、二次発酵(32℃、湿度75%、90分)を行った後、オーブンで40分間焼成した(上火200℃、下火210℃)。
本方法の工程表を表3に示す。
Figure 2015152099
なお、ミキシングにおける1速、2速、3速および4速はそれぞれ、低速、中速、高速および最高速である。
(評価方法1:硬さの測定)
食パンをスライスし、クラムから3センチ角の立方体を切り出した。レオメーター(株式会社サン科学製)でNo.1(25mm円盤型)のアダプターを使用してクラムを15mm圧縮し、その応力を測定した。
(評価方法2:凝集性の測定)
食パンをスライスし、クラムから3センチ角の立方体を切り出した。レオメーター(株式会社サン科学製)でNo.1(25mm円盤型)のアダプターを使用してクラムの21mm圧縮を2回実施した。圧縮応力が示す波形の面積比(2回目の圧縮面積÷1回目の圧縮面積)を凝集性とした。
凝集性が高い場合、すなわちクラムを圧縮した際の復元性が低い場合には、上記面積比の数値は高くなり、反対にクラムの凝集性が低いすなわち復元性が高い場合には、面積比の数値は小さくなる。
(評価方法3:官能評価)
専門パネラー(8名)に、配合を伝えずにパンを食べてもらい、口溶け、凝集性(くちゃつき低減)および軽さを指標に、官能評価を実施した。評価はマイナス3からプラス3の7段階とした。
(試験例1:BEのパン凝集性改善効果)
以下の配合(表4)にて、70%中種法(製パン方法1)で食パンを焼成し、焼成の翌日に、評価方法2に従い、食パンの凝集性を測定した。
Figure 2015152099
図1は、BE添加食パン(実施例1:80ppmおよび実施例2:40ppm)およびBE無添加食パン(比較例1)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。80ppm添加および40ppm添加のBE添加食パン(実施例1および実施例2)は、無添加食パン(比較例1)と比べて凝集性が著しく低下していた。このように、製パン時にBEを添加することで、焼成翌日の食パンの凝集性を低下させることができた。
(試験例2:α−アミラーゼ併用下でのBEのパン凝集性改善効果の検討)
以下の配合(表5)にて、標準ストレート法(製パン方法2)で食パンを焼成し、焼成の翌日に、評価方法2に従い、食パンの凝集性を測定した。
Figure 2015152099
図2は、α−アミラーゼとBEとを添加した食パン(実施例3)、無添加食パン(比較例2)、およびα−アミラーゼのみを添加した食パン(比較例3)について、焼成翌日の凝集性を示すグラフである。α−アミラーゼのみを添加した食パン(比較例3)では、無添加食パン(比較例2)と比べて凝集性が増大したのに対し、α−アミラーゼとBEとを添加した食パン(実施例3)では、凝集性が低下した。このように、製パン時にBEを添加することで、α−アミラーゼ併用下でも、焼成翌日の食パンの凝集性を低下させることができた。
(試験例3:マルトジェニックアミラーゼ併用下でのBEの凝集性改善効果)
以下の配合(表6)にて、標準ストレート法(製パン方法2)で食パンを焼成した。
焼成の翌日、評価方法1に従って食パンの硬さを測定し、そして評価方法2に従って食パンの凝集性を測定した。さらに、食パンの硬さについて、焼成2日後および5日後にも同様に測定した。
Figure 2015152099
図3は、BE添加食パン(実施例4)、マルトジェニックアミラーゼのみを添加した食パン(比較例4)、およびマルトジェニックアミラーゼとBEとを添加した食パン(実施例5)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。マルトジェニックアミラーゼのみを添加した食パン(比較例4)では凝集性が増大しているのに対し、BE添加食パン(実施例4)およびマルトジェニックアミラーゼとBEとを添加した食パン(実施例5)では、凝集性の低下が見られた。このように、製パン時にBEを添加することで、マルトジェニックアミラーゼ併用下でも、焼成翌日の食パンの凝集性を低下させることができた。
図4は、BE添加食パン(実施例4)、マルトジェニックアミラーゼのみを添加した食パン(比較例4)、およびマルトジェニックアミラーゼとBEとを添加した食パン(実施例5)について、焼成翌日、2日後および5日後の食パンの硬さを示すグラフである。マルトジェニックアミラーゼとBEとを添加した食パン(実施例5)は、マルトジェニックアミラーゼのみを添加した食パン(比較例4)と同様に、焼成後の日数の経過によってパンが硬くなること、すなわち、パンの老化が抑制されていた。マルトジェニックアミラーゼは、パンの老化を抑制し、柔らかさを保持する効果があることが知られている。マルトジェニックアミラーゼのこの効果は、BEを併用した場合でも十分に発揮されていた。
製パン時にマルトジェニックアミラーゼおよびBEを添加した場合、柔らかく、かつ凝集性の低いパンが得られた。
(試験例4:マルトテトラオヒドロラーゼ併用下でのBEの凝集性改善効果)
以下の配合(表7)にて、標準ストレート法(製パン方法2)で食パンを焼成した。
焼成の翌日、評価方法1に従って食パンの硬さを測定し、そして評価方法2に従って食パンの凝集性を測定した。さらに、食パンの硬さについて、焼成2日後および5日後にも同様に測定した。
Figure 2015152099
図5は、BE添加食パン(実施例6)、マルトテトラオヒドロラーゼのみを添加した食パン(比較例5)、およびマルトテトラオヒドロラーゼとBEとを添加した食パン(実施例7)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。デンプンからグルコースが4個連なったマルトテトラオースを切り出すマルトテトラオヒドロラーゼのみを添加した食パン(比較例5)では凝集性が増大しているのに対し、BE添加食パン(実施例6)およびマルトテトラオヒドロラーゼとBEとを添加した食パン(実施例7)では、凝集性の低下が見られた。このように、製パン時にBEを添加することで、マルトテトラオヒドロラーゼ併用下でも、焼成翌日の食パンの凝集性を低下させることができた。
図6は、BE添加食パン(実施例6)、マルトテトラオヒドロラーゼのみを添加した食パン(比較例5)、およびマルトテトラオヒドロラーゼとBEとを添加した食パン(実施例7)について、焼成翌日、2日後および5日後の食パンの硬さを示すグラフである。マルトテトラオヒドロラーゼとBEとを添加した食パン(実施例7)は、マルトテトラオヒドロラーゼのみを添加した食パン(比較例5)と同様に、焼成後の日数の経過によってパンが硬くなること、すなわち、パンの老化が抑制されていた。マルトテトラオヒドロラーゼは、パンの老化を抑制し、柔らかさを保持する効果があることが知られている。マルトテトラオヒドロラーゼのこの効果は、BEを併用した場合でも十分に発揮されていた。
製パン時にマルトテトラオヒドロラーゼおよびBEを添加した場合、柔らかく、かつ凝集性の低いパンが得られた。
(試験例5:ホスホリパーゼ併用下でのBEの凝集性改善効果)
以下の配合(表8)にて、ストレート法(オーバーナイト)(製パン方法3)で食パンを焼成した。
焼成の翌日、評価方法1に従って食パンの硬さを測定し、そして評価方法2に従って食パンの凝集性を測定した。さらに、食パンの硬さについて、焼成2日後および5日後にも同様に測定した。
Figure 2015152099
図7は、BE添加食パン(実施例8)、ホスホリパーゼのみを添加した食パン(比較例6)、およびホスホリパーゼとBEとを添加した食パン(実施例9)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。ホスホリパーゼはリン脂質に作用して脂肪酸を切り出し、リゾリン脂質を生成する。リゾリン脂質は乳化剤として食品にも使用される化合物で、デンプン、タンパク質、脂質と相互作用し、パン生地を安定化する。特に糊化時にデンプンと複合体を形成することで、パンを柔らかくし、老化を抑制することが知られている。ホスホリパーゼのみを添加した食パン(比較例6)では凝集性が増大しているのに対し、BE添加食パン(実施例8)およびホスホリパーゼとBEとを添加した食パン(実施例9)では、凝集性の低下が見られた。このように、製パン時にBEを添加することで、ホスホリパーゼの併用下でも、焼成翌日の食パンの凝集性を低下させることができた。
図8は、BE添加食パン(実施例8)、ホスホリパーゼのみを添加した食パン(比較例6)、およびホスホリパーゼとBEとを添加した食パン(実施例9)について、焼成翌日、2日後および5日後の食パンの硬さを示すグラフである。ホスホリパーゼとBEとを添加した食パン(実施例9)は、ホスホリパーゼのみを添加した食パン(比較例6)と同様に、焼成後の日数の経過によってパンが硬くなること、すなわち、パンの老化が抑制されていた。ホスホリパーゼは、パンの老化を抑制し、柔らかさを保持する効果があることが知られている。ホスホリパーゼのこの効果は、BEを併用した場合でも十分に発揮されていた。
製パン時にホスホリパーゼおよびBEを添加した場合、柔らかく、かつ凝集性の低いパンが得られた。
(試験例6:乳化剤およびトレハロース併用下でのBEの凝集性改善効果)
以下の配合(表9)にて、標準ストレート法(製パン方法2)で食パンを焼成した。
焼成の翌日、評価方法1に従って食パンの硬さを測定し、そして評価方法2に従って食パンの凝集性を測定した。さらに、食パンの硬さについて、焼成3日後および5日後にも同様に測定した。
また、焼成後、パンが十分に冷めた後はポリ袋に入れて25℃で保管した。焼成翌日のパンを用いて、官能評価を行った。官能評価は、口溶け、くちゃつき低減(凝集性低減)、およびこれらの特性によって総合的に評価される「軽さ」を評価軸とした。
Figure 2015152099
図9は、乳化剤添加食パン(比較例7)、乳化剤とBEとを添加した食パン(実施例10)、乳化剤とトレハロースとを添加した食パン(比較例8)、および乳化剤とトレハロースとBEとを添加した食パン(実施例11)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。BEは、乳化剤との併用下、およびさらにトレハロースとの併用下でも、焼成翌日のパンの凝集性を低下させることができた。
図10は、乳化剤添加食パン(比較例7)、乳化剤とトレハロースとを添加した食パン(比較例8)、および乳化剤とトレハロースとBEとを添加した食パン(実施例11)について、焼成翌日、3日後および5日後の食パンの硬さを示すグラフである。乳化剤とトレハロースとBEとを添加した食パン(実施例11)は、乳化剤とトレハロースとを添加した食パン(比較例8)と比べても、焼成後の日数の経過によってパンが硬くなること、すなわち、パンの老化が抑制されていた。乳化剤およびトレハロースは、パンの老化を抑制し、柔らかさを保持する効果があることが知られている。この効果は、BEを併用した場合でも十分に発揮されていた。
図11は、乳化剤とBEとを添加した食パン(実施例10)の口溶け、くちゃつき低減、および軽さに関する食味評価点を示すグラフである。乳化剤とBEとを添加した食パン(実施例10)の口溶け、くちゃつき低減、および軽さのそれぞれの指標における食味評価点は、乳化剤添加食パン(比較例7)の各指標の点数を0とした場合の相対評価にて表した。実施例10の食パンは、口溶け、くちゃつき低減、および軽さの全ての指標で比較例7の食パンを上回っていた。特にくちゃつき低減および軽さにおいては、実施例10の食パンは、比較例7の食パンと比較して統計的にも優位な差で改善効果が認められた。
図12は、乳化剤とBEとを添加した食パン(実施例10)、乳化剤とトレハロースとを添加した食パン(比較例8)、および乳化剤とトレハロースとBEとを添加した食パン(実施例11)の口溶けおよびくちゃつき低減に関する食味評価点の対比を示すグラフである。各食パンの口溶けおよびくちゃつき低減に関する食味評価点は、乳化剤添加食パン(比較例7)の各指標の点数を0とした場合の相対評価にて表した。実施例10および実施例11の食パンでは、比較例7および比較例8の食パンと比べて、口溶けが良好であり、かつくちゃつきを低減する効果が認められた。
製パン時に乳化剤と併用、またはさらにトレハロースとも併用してBEを添加した場合、柔らかく、凝集性が低く、口溶けが良好であり、そしてくちゃつきが低減された、優れた食感のパンが得られた。
(試験例7:オリゴ糖併用下でのBEの凝集性改善効果)
オリゴ糖は、パンに添加することで老化抑制効果やしっとり感をもたらすことが知られている。その一方で、パンの凝集性を高めてしまうことも知られている。本試験では、オリゴ糖とBEとの併用の効果を検討した。
以下の配合(表10)にて、標準ストレート法(製パン方法2)で食パンを焼成した。
焼成の翌日、評価方法1に従って食パンの硬さを測定し、そして評価方法2に従って食パンの凝集性を測定した。さらに、食パンの硬さについて、焼成2日後および5日後にも同様に測定した。また、焼成翌日のパンについて、評価方法3に従って官能評価を行った。
Figure 2015152099
図13は、BE添加食パン(実施例10)、BEとトレハロースとを添加した食パン(実施例12)、BEとマルトースとを添加した食パン(実施例13)、BEと直鎖オリゴ糖とを添加した食パン(実施例14)、およびBEとマルトトリオースとを添加した食パン(実施例15)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。オリゴ糖とBEの併用系(実施例12〜実施例15)では、BE添加食パン(実施例10)と同程度か低い凝集性を示した。オリゴ糖の添加により凝集性が高くなるが、本結果は、BEが、オリゴ糖との併用下でも、焼成翌日のパンの凝集性を低下させることを示している。
図14は、BE添加食パン(実施例10)、BEとトレハロースとを添加した食パン(実施例12)、BEとマルトースとを添加した食パン(実施例13)、BEと直鎖オリゴ糖とを添加した食パン(実施例14)、およびBEとマルトトリオースとを添加した食パン(実施例15)について、焼成翌日、2日後および5日後の食パンの硬さを示すグラフである。オリゴ糖は、パンの老化を抑制し、柔らかさを保持する効果があることが知られている。この効果は、BEを併用した場合でも十分に発揮されていた。
製パン時にオリゴ糖とBEとを添加した場合、パンは、BEのみの場合と同程度またはより低い凝集性を示し、そしてより柔らかいものであった。さらに、官能評価により、各種オリゴ糖とBEとを添加した場合に得られたパンは、しっとり感も確認された。
(試験例8:糖アルコール併用下でのBEの凝集性改善効果)
以下の配合(表11)にて、標準ストレート法(製パン方法2)で食パンを焼成した。
焼成の翌日、評価方法1に従って食パンの硬さを測定し、そして評価方法2に従って食パンの凝集性を測定した。さらに、食パンの硬さについて、焼成2日後および5日後にも同様に測定した。また、焼成翌日のパンについて、評価方法3に従って官能評価を行った。
Figure 2015152099
図15は、BE添加食パン(実施例10)、BEと粉末マルチトールとを添加した食パン(実施例16)、およびBEとオリゴ糖還元物とを添加した食パン(実施例17)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。糖アルコールとBEの併用系(実施例16および実施例17)では、BEのみの場合と比べて低い凝集性を示した。糖アルコールの添加により凝集性が高くなるが、本結果は、BEが、糖アルコールとの併用下で、焼成翌日のパンの凝集性を低下させることを示している。
図16は、BE添加食パン(実施例10)、BEと粉末マルチトールとを添加した食パン(実施例16)、およびBEとオリゴ糖還元物とを添加した食パン(実施例17)について、焼成翌日、2日後および5日後の食パンの硬さを示すグラフである。糖アルコールは、パンの老化を抑制し、柔らかさを保持する効果があることが知られている。この効果は、BEを併用した場合でも十分に発揮されていた。
製パン時に糖アルコール(特に、オリゴ糖還元物)とBEとを添加した場合、パンは、BEのみの場合と同程度またはより低い凝集性を示し、そしてより柔らかいものであった。さらに、官能評価により、糖アルコール(特に、オリゴ糖還元物)とBEとを添加した場合に得られたパンは、しっとり感も確認された。
(試験例9:アルギン酸エステルおよび卵殻カルシウムとのBEの凝集性改善効果の対比)
アルギン酸エステルおよび卵殻カルシウムは、パンのケービング(腰折れ)防止効果があることが知られている。本試験では、アルギン酸エステルおよび卵殻カルシウムと対比して、BEの凝集性改善効果を検討した。
以下の配合(表12)にて、標準ストレート法(製パン方法2)で食パンを焼成した。
焼成の翌日、評価方法1に従って食パンの硬さを測定し、そして評価方法2に従って食パンの凝集性を測定した。さらに、食パンの硬さについて、焼成2日後および5日後にも同様に測定した。また、焼成翌日のパンについて、評価方法3に従って官能評価を行った。
Figure 2015152099
図17は、BE添加食パン(実施例10)、BE無添加食パン(比較例9)、アルギン酸エステル添加食パン(比較例10)、および卵殻カルシウム添加食パン(比較例11)について、焼成翌日のパンの凝集性を示すグラフである。アルギン酸エステル添加食パン(比較例10)および卵殻カルシウム添加食パン(比較例11)は、BE添加食パン(実施例10)と同程度の凝集性低下作用を示した。
図18は、BE添加食パン(実施例10)、BE無添加食パン(比較例9)、アルギン酸エステル添加食パン(比較例10)、および卵殻カルシウム添加食パン(比較例11)について、焼成翌日、2日後および5日後の食パンの硬さを示すグラフである。卵殻カルシウム添加食パン(比較例11)では、焼成後の日数の経過によってパンの硬さが著しく増大するのに対し、アルギン酸エステル添加食パン(比較例10)では、BE添加食パン(実施例10)と同程度の硬さであった。
官能評価では、アルギン酸エステル添加食パン(比較例10)は、歯ごたえの強いざらついた食感であり、BE添加食パン(実施例10)でみられるような口溶けの良さおよび軽さは感じられなかった。
以上の結果から、BEは、従来のケービング(腰折れ)防止剤のアルギン酸エステルおよび卵殻カルシウム剤と比較して、食味性を保持しながら凝集性を低下させ、パンのケービングを抑制する凝集性改善剤として、優れていることが明らかとなった。
本発明によれば、パンその他穀物粉膨化食品の凝集性を低減し、そのような食品の凝集性改善を可能とする。例えば、本発明によれば、口腔内でのくちゃつきが低減したパンその他穀物粉膨化食品を得ることができる。本発明により得られたパンその他穀物粉膨化食品は、口溶けが向上したパンその他穀物粉膨化食品となり得る。BEが添加されたパンその他穀物粉膨化食品は、唾液の吸収が少なく、嚥下性が向上して飲み込みやすさを感じさせ、そして軽い食感となり得る。本発明によれば、パンその他穀物粉膨化食品の食感を改善することができ、さらに、高齢者、幼児などの咀嚼および嚥下機能が低下したまたは困難な人にとって食べやすいものとすることもできる。さらに、α−アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトトリオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトテトラオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトヘキサオシダーゼ、ホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、乳化剤、オリゴ糖、および糖アルコールなどの他の成分とBEを併用することで、これらの他の成分が食品に与える品質の改良を損なうことなく、パンその他穀物粉膨化食品の凝集性を改善し得る。また、本発明の凝集性改善剤は、その有効成分であるBEの優れた復元性により、食味性が保持されながらもパンその他穀物粉膨化食品のケービングを抑制する凝集性改善剤として、アルギン酸エステル、卵殻カルシウムなどの従来のケービング防止剤より総合的に優れた凝集性改善剤となり得る。

Claims (10)

  1. ブランチングエンザイムを有効成分として含有する、パンその他穀物粉膨化食品の凝集性改善剤。
  2. 前記ブランチングエンザイムがゲオバチルス・ステアロサーモフィルス由来である、請求項1に記載の凝集性改善剤。
  3. α−アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトトリオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトテトラオヒドロラーゼ、ホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、乳化剤、オリゴ糖、および糖アルコールからなる群より選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、請求項1または2に記載の凝集性改善剤。
  4. 凝集性が改善されたパンその他穀物粉膨化食品を製造する方法であって、
    パンその他穀物粉膨化食品の原料の穀物粉およびブランチングエンザイムを含む生地を得る工程
    を含む、パンその他穀物粉膨化食品の製造方法。
  5. 前記生地を得る工程が、α−アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトトリオヒドロラーゼ、グルカン 1,4−α−マルトテトラオヒドロラーゼ、ホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、乳化剤、オリゴ糖、および糖アルコールからなる群より選択される少なくとも1つの成分をさらに含む生地を得る工程である、請求項4に記載の製造方法。
  6. パンその他穀物粉膨化食品の凝集性改善処理方法であって、
    パンその他穀物粉膨化食品の原料の穀物粉およびブランチングエンザイムを含む生地を得る工程、
    を含む、方法。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載の凝集性改善剤を含む、くちゃつき防止剤。
  8. 請求項1から3のいずれかに記載の凝集性改善剤を含む、口溶け向上剤。
  9. 請求項1から3のいずれかに記載の凝集性改善剤を含む、嚥下性向上剤。
  10. 請求項1から3のいずれかに記載の凝集性改善剤を含む、ケービング防止剤。
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