JP2022085207A - 冷凍パン生地及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】解凍後に発酵工程を実質的に行わずに焼成してパンを作製でき、比容積は小さいにも関わらず、焼成後のボリュームは大きく、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力と柔らかい食感のパンを得ることができる冷凍パン生地を提供すること。【解決手段】冷凍パン生地は、穀粉、酵母、及び水分を含み、比容積が1.9~3.0cm3/gであり、穀粉100gに対して、トランスグルタミナーゼの含有量が0~90単位(U)であり、耐熱性α-アミラーゼを15~200単位(U)含有し、穀粉100重量部に対して、グルテンを0.2~6重量部、酸化剤を0.001~0.2重量部、及び、ペクチンを0.1~5重量部含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、冷凍パン生地、該パン生地から得られるパン、及びそれらの製造方法に関する。
パンはその美味しさから、最も親しまれている食品の一つである。特に、焼き立てのパンの美味しさは格別であり、街中の個店ベーカリーのみならず、デパートやスーパーなどのインストアベーカリー、カフェ、ホテルなど業種を超えて広く焼き立てパンが提供されている。しかしパンの製造は、ミキサーや発酵槽、オーブン等の大型製造機器や熟練技術者が必要であって、熟練技術者や従業員の人手が限られている店舗や、十分な作業スペースの無い狭い店舗では一からパンを製造することは困難である。そこで、熟練技術者がいなかったり、店舗が狭くても、焼き立てのパンを提供できるように、別の場所で作製した製造途中のパン生地を冷凍した冷凍パン生地の活用が進みつつある。
しかし、このような冷凍パン生地は、通常、解凍した後にホイロ発酵(最終発酵)を経てから焼成する必要があり、解凍開始からパンの焼き上がりまでに数時間を要する。また冷凍パン生地は、輸送コストの観点から、比容積が小さいことが望ましい。しかし、比容積が小さな冷凍パン生地を使用して、特にコッペパンやロールパンなどの菓子パンや総菜パンに用いるパンなどを製造すると、パンのボリュームが小さくなり、食感は弾力が強すぎて、柔らかさに欠ける傾向がある。
特許文献1では、比容積が小さい冷凍パン生地を用いて、大きな体積および優れた外観を有し、食味、食感が良好で口溶けの良いパンを得ることを目的に、ホイロ発酵済みパン用冷凍生地をそのまま焼成するストレート法による製パン方法が記載されており、パン生地には、α-アミラーゼ、キシラナーゼ、ペクチン、アルギン酸、及び、L-アスコルビン酸を添加することが記載されている。
特開2012-196176号公報
特許文献1に記載された方法によると、比容積が小さい冷凍パン生地を作製することはできるものの、当該冷凍パン生地をそのまま焼成して製造されたパンのボリュームは不十分であり、食感は弾力が強すぎて、満足のいくものではなかった。
本発明の目的は、解凍後に発酵工程を実質的に行わずに焼成してパンを作製することができる冷凍パン生地であって、当該冷凍パン生地の比容積は小さいにも関わらず、焼成後のボリュームは大きく、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力と柔らかい食感のパンを得ることができる冷凍パン生地、及びその冷凍パン生地を焼成して得られるパン、並びに、それらの製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、冷凍パン生地の比容積を特定範囲とし、特定の耐熱性α-アミラーゼ、グルテン、酸化剤、及び、ペクチンをそれぞれ特定量配合し、トランスグルタミナーゼの含有量が特定量以下である冷凍パン生地は、解凍後に発酵工程を実質的に行わずに焼成してパンを作製することができ、当該冷凍パン生地の比容積は小さいにも関わらず、焼成後のボリュームは大きく、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力と柔らかい食感のパンを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、穀粉、酵母、及び水分を含む冷凍パン生地であって、前記冷凍パン生地は比容積が1.9~3.0cm/gであり、前記穀粉100gに対して、トランスグルタミナーゼの含有量が0~90単位(U)であり、下記耐熱性α-アミラーゼを15~200単位(U)含有し、前記穀粉100重量部に対して、グルテンを0.2~6重量部、酸化剤を0.001~0.2重量部、及び、ペクチンを0.1~5重量部含有する、冷凍パン生地に関する。
耐熱性α-アミラーゼ:至適温度が60~80℃の範囲にあり、70℃で10分間加熱処理を行った後の酵素活性が、加熱処理前の酵素活性の60%以上であり、かつ、90℃で10分間加熱処理を行った後の酵素活性が、加熱処理前の酵素活性の10%以下であるα-アミラーゼ
本発明の第二は、前記冷凍パン生地が解凍され、(解凍後焼成直前のパン生地の比容積)/(前記冷凍パン生地の比容積)が1~1.1の状態で焼成されたパンに関する。
本発明の第三は、冷凍パン生地の製造方法であって、穀粉、酵母、及び水分を含み、前記穀粉100gに対して、トランスグルタミナーゼの含有量が0~90単位(U)であり、前記耐熱性α-アミラーゼを15~200単位(U)含有し、前記穀粉100重量部に対して、グルテンを0.2~6重量部、酸化剤を0.001~0.2重量部、及び、ペクチンを0.1~5重量部含有するパン生地を準備し、前記パン生地のフロア発酵を行った後、分割・成形し、ホイロ発酵を行い、前記ホイロ発酵後の前記パン生地を-10℃以下まで冷凍して、比容積が1.9~3.0cm/gである冷凍パン生地を得ることを特徴とする、冷凍パン生地の製造方法に関する。好ましくは、前記ホイロ発酵の発酵条件は、25~40℃で25~70分間である。また、好ましくは、前記フロア発酵の発酵条件は、20~35℃で25~70分間である。
本発明の第四は、パンの製造方法であって、本発明の第一に係る冷凍パン生地、又は、本発明の第三に係る製造方法によって冷凍パン生地を得た後、前記冷凍パン生地を解凍し、(解凍後焼成直前のパン生地の比容積)/(前記冷凍パン生地の比容積)が1~1.1の状態で焼成することを特徴とする、パンの製造方法に関する。好ましくは、前記冷凍パン生地を解凍した後、発酵工程を経ずに焼成する。
本発明に従えば、解凍後に発酵工程を実質的に行わずに焼成してパンを作製することができる冷凍パン生地であって、当該冷凍パン生地の比容積は小さいにも関わらず、焼成後のボリュームは大きく、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力と柔らかい食感のパンを得ることができる冷凍パン生地、及びその冷凍パン生地を焼成して得られるパン、並びに、それらの製造方法を提供することができる。本発明の好適な態様に係る冷凍パン生地は、これを解凍した後に発酵工程を実施する必要がなく、解凍したものをそのまま焼成してパンを作製することができる。そのため、冷凍パン生地の解凍からパンの焼き上がりまでに要する時間を短縮化することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態における冷凍パン生地とは、穀粉、酵母、及び水分を含む原材料を混捏して得られたパン生地が冷凍されたものを指す。好ましくは、前記原材料を混捏して得られたパン生地のフロア発酵、分割・成形、及び、ホイロ発酵を行ってから、冷凍されたものを指す。
本実施形態におけるパンとは特に限定されないが、例えば、食パン、バンズ、ロールパン、ベーグル、バゲットやパリジャン等のフランスパン、菓子パン、包あんパン、惣菜パン等が挙げられる。本実施形態におけるパンは、層状膨化食品以外のパンであることが好ましい。ここで、層状膨化食品とは、穀粉、酵母、及び水分を含む捏ね粉生地(デトランプ)層と、折り込み用油脂組成物(例えばロールインマーガリン)層とが交互に積層されたものをいう。層状膨化食品としては、例えば、デニッシュ、ペストリー、パイ、クロワッサン、タルト等が挙げられる。
本実施形態に係る冷凍パン生地は、輸送コストの観点から比容積が小さいことが望ましい。具体的には、冷凍パン生地の比容積は1.9~3.0cm/gであることが好ましく、2.1~2.8cm/gがより好ましく、2.2~2.5cm/gが更に好ましい。冷凍パン生地の比容積が3.0cm/gを超えると、輸送コストが上昇することに加え、冷凍パン生地中の気泡膜が薄くなり、輸送やハンドリングの際の温度上昇や衝撃のために気泡膜が損傷し、焼成して得られるパンはボリュームが十分ではなかったり、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力と柔らかい食感を達成できない場合がある。一方、冷凍パン生地の比容積が1.9cm/g未満であると、焼成して得られるパンはボリュームが十分ではなかったり、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力と柔らかい食感を達成できない場合がある。冷凍パン生地の比容積は、主に、冷凍前に行う発酵、特にホイロ発酵の温度及び/又は時間を調節することによって制御することができる。
本実施形態に係る冷凍パン生地は、穀粉を主体とするもので、少なくとも、酵母、水に加え、特定の耐熱性α-アミラーゼ、グルテン、酸化剤、及び、ペクチンを含有する。更に、トランスグルタミナーゼを含有することもできる。
前記穀粉は、穀物を挽いて粉末状にしたものであり、パンの製造に通常用いられるものであれば、その由来や精製度合いに特に制限なく用いることができる。穀粉の由来としては、小麦、大麦、ライ麦、ソバ、コメ、とうもろこし、大豆等が例示できる。焼成して得られるパンのボリュームの観点から、小麦、大麦、ライ麦が好ましく、小麦がより好ましい。小麦由来の穀粉としては、強力粉、準強力粉、超強力粉、中力粉、薄力粉などを用いることができる。なお、精製度合いに関しては、精製度合いの高い通常の小麦粉等を用いても良いし、グラハム粉や全粒粉等の精製度合いの低いものを用いても良い。
前記酵母は、パンの製造に通常用いられるパン酵母であれば何れでも良い。酵母の形態としては、例えば、生イースト、セミドライイースト、ドライイースト等のパン酵母を使用することができる。
前記酵母は、冷凍・解凍後の焼成時にパン生地が充分膨化する観点から、冷凍耐性酵母であることが好ましい。ここで、冷凍耐性酵母とは、穀粉100重量部に対して、該酵母5.5重量部、及び、水80重量部を用いてパン生地を調製し、当該パン生地を30℃で発酵した際、発酵開始後30~90分の60分間に発生する総ガス発生量が0.5~4ml/gであり、-20℃で30日間冷凍保存した後の死滅率が30%以下のパン酵母をいう。前記総ガス発生量は、1.5~3ml/gがより好ましい。死滅率が30%を超えると、冷凍・解凍後に焼成して得られるパンのボリュームが十分でない場合がある。なお、前記ガス発生量は、ファーモグラフ(アトー社製)で測定される。
前記酵母の含有量は、前記穀粉100重量部に対して乾燥重量で0.1~3.5重量部が好ましく、0.5~3.4重量部がより好ましく、0.75~3.2重量部が更に好ましい。3.5重量部より多いと、酵母自体の好ましくない風味が付与される場合がある。また、酵母自体の風味が異味として残ってしまう場合もある。一方、0.1重量部より少ないと、酵母によって生成される二酸化炭素が少なすぎるため、パン生地中の気泡膜が厚すぎて十分な窯伸びが得られず、焼成して得られるパンのボリュームや、弾力又は柔らかい食感が劣る場合がある。
本実施形態に係る冷凍パン生地に含まれる水分としては、パン生地に添加される水分に加えて、穀粉、酵母、卵、乳原料など、パン生地に配合される成分に由来する水分が挙げられる。冷凍パン生地に含まれる水分量は、前記穀粉100重量部に対して70~110重量部が好ましく、75~100重量部がより好ましく、80~90重量部がさらに好ましい。70重量部よりも少なかったり、110重量部よりも多かったりすると、焼成して得られるパンの外観が荒れやすかったり、パンのボリュームや、弾力又は柔らかい食感が劣る場合がある。水分量は、常圧乾燥法、減圧乾燥法など常法に従って測定することができる。
本実施形態に係る冷凍パン生地は、耐熱性α-アミラーゼを含有する。α-アミラーゼとは、アミロースとアミロペクチンを構成するグルコースモノマーのα-1,4-グリコシド結合の加水分解反応を触媒する活性を有する酵素を指す。本実施形態では、パン生地を冷凍する前の工程ではα-アミラーゼの作用を抑制し、主に、パン生地を焼成する時にα-アミラーゼが作用するように、特定の耐熱性α-アミラーゼを使用する。該耐熱性α-アミラーゼとは、至適温度が60~80℃の範囲にあり、70℃で10分間加熱処理を行った後の酵素活性が、加熱処理前の酵素活性の60%以上であり、かつ、90℃で10分間加熱処理を行った後の酵素活性が、加熱処理前の酵素活性の10%以下であるα-アミラーゼのことをいう。
前記至適温度とは、酵素活性を損なわない特定のpH条件下で、酵素活性が最も高くなる温度のことを指し、例えばAspergillus niger由来の耐熱性α-アミラーゼであれば65℃付近、Bacillus subtilis由来の耐熱性α-アミラーゼであれば65~70℃である。酵素活性を損なわないpH条件は、耐熱性α-アミラーゼの起源生物や種類により様々であるが、例えばAspergillus niger由来の耐熱性α-アミラーゼであればpH4~6、Bacillus subtilis由来の耐熱性α-アミラーゼであれば4~6.5である。
前記加熱処理とは、該耐熱性α-アミラーゼを適切なpHの緩衝液に溶解させ、その溶液を特定の温度と時間で保持する操作を指す。前記緩衝液のpHは、該耐熱性α-アミラーゼの酵素活性を損なわない範囲で任意に選択することができるが、安定的な測定結果を得るためには、該耐熱性α-アミラーゼの至適pH付近に調整した緩衝液を用いることが望ましい。前記至適pHとは、酵素活性を損なわない特定の温度条件下で、酵素活性が最も高くなるpHのことを指す。該至適pHは、耐熱性α-アミラーゼの起源生物や種類により様々であるが、例えば、Aspergillus niger由来の耐熱性α-アミラーゼであればpH4.5付近、Bacillus subtilis由来の耐熱性α-アミラーゼであればpH5.0付近である。酵素活性を損なわない特定の温度条件は耐熱性α-アミラーゼの起源生物や種類により様々であるが、例えばAspergillus niger由来の耐熱性α-アミラーゼであれば45~75℃、Bacillus subtilis由来の耐熱性α-アミラーゼであれば50~75である。
緩衝液に該耐熱性α-アミラーゼを溶解させる際は、該耐熱性α-アミラーゼを緩衝液に均一分散させることができる濃度範囲で溶解させることが好ましい。均一分散させることができる濃度範囲は、該耐熱性α-アミラーゼの種類や起源生物、粉末製剤の場合は分散剤などによって異なるが、少なくとも緩衝液100cmあたり100~1000U程度の耐熱性α-アミラーゼを溶解させることができれば十分であり、それより高濃度でも均一分散させることができれば支障はない。また、緩衝液に該耐熱性α-アミラーゼを直接溶解させても良いし、パン生地中に該耐熱性α-アミラーゼが含まれている場合は、パン生地から緩衝液へ該耐熱性α-アミラーゼを抽出して溶解させてもよい。加熱処理前の酵素活性は、アミラーゼ活性即ちデンプン糖化力活性の定義に従い40℃にて測定する。加熱処理を行った後の酵素活性は、加熱処理された緩衝液を速やかに冷却し40℃にて測定する。
前記耐熱性α-アミラーゼとしては、前記活性を有するものであれば起源生物や種類は制限されないが、例えばAspergillus niger等のカビ由来のもの、Bacillus subtilis等の真正細菌由来のものが挙げられる。これらを単独で用いても良いし、2種以上を併用することもできる。
冷凍パン生地中の前記耐熱性α-アミラーゼの含有量は、前記穀粉100gに対して15~200単位(U)が好ましく、50~200Uがより好ましく、100~200Uが更に好ましい。15Uより少ないと、焼成中に作用するα-アミラーゼ活性が十分でなく、焼成中のパン生地が硬すぎるため、焼成して得られるパンはボリュームが十分ではなかったり、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力を達成できない場合がある。一方、200Uより多いと、焼成中に作用するα-アミラーゼ活性が過剰であり、パン生地が軟らかすぎるため、焼成して得られるパンはボリュームが十分ではなかったり、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力を達成できない場合がある。なお、耐熱性α-アミラーゼは、他の原材料にそのまま配合しても良いし、予め油脂や粉体原材料に分散させた状態で配合しても良い。
前記アミラーゼ活性は、日本工業規格の工業用アミラーゼ(JIS K7001-1972)欄に記載の測定法に従って測定することができる。当該測定方法は、アミラーゼ活性をデンプン糖化力で示す方法であり、1単位のデンプン糖化力活性は、40℃、10分間の反応条件下で1分間に1mgのグルコースに相当する還元糖を生成する酵素量を表す。従って、上記した穀粉100gに対する耐熱性アミラーゼの含有量(U)は、耐熱性アミラーゼの比活性(U/g)と含有重量(g)の積である。
前記グルテンは、穀類から選別されたものであれば特に制限はなく、小麦、大麦、ライ麦等の穀物由来のものを用いることができる。穀類の原産地にも特に制限はなく、北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなど各地の穀類由来のグルテンを用いることができる。焼成して得られるパンの外観の荒れの少なさ、ボリュームの観点から、穀類の原産地は、北アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアが好ましく、オーストラリアがより好ましい。
冷凍パン生地中の前記グルテンの含有量は、前記穀粉100重量部に対して0.2~6重量部であることが好ましく、0.5~5重量部がより好ましく、1~3重量部が更に好ましい。0.2重量部よりも少なかったり、6重量部よりも多いと、焼成して得られるパンはボリュームが十分でなかったり、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力を達成できない場合がある。
前記酸化剤は、ジスルフィド結合を増加させるものをいう。例えば、アスコルビン酸、ビタミンE、ブロメート、シスチン、グルコン酸類、カタラーゼ、グルコースオキシダーゼ等が例示できる。
冷凍パン生地中の前記酸化剤の含有量は、前記穀粉100重量部に対して0.001~0.2重量部であることが好ましく、0.005~0.2重量部がより好ましく、0.008~0.1重量部が更に好ましい。0.001重量部よりも少ないと、焼成して得られるパンのボリュームが十分でない場合がある。一方、0.2重量部よりも多いと、焼成して得られるパンはボリュームが十分ではなかったり、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力と柔らかい食感を達成できない場合がある。
前記ペクチンは、植物から選別されたものであれば特に制限はなく、柑橘類、りんご、ビート由来のものなどを用いることができる。一般にペクチンは、エステル化度が50%以上のHM(High Methylester)ペクチンと50%未満のLM(Low Methylester)ペクチンに大別できるが、本実施形態ではエステル化度に左右されずどちらのペクチンも使用することができる。焼成して得られるパンのボリュームや食感の観点からは、HMペクチンが好ましい。
冷凍パン生地中の前記ペクチンの含有量は、前記穀粉100重量部に対して0.1~5重量部であることが好ましく、0.5~4重量部がより好ましく、1~3重量部が更に好ましい。0.1重量部よりも少ないと、焼成して得られるパンはボリュームが十分ではなかったり、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力を達成できない場合がある。一方、5重量部よりも多いと、焼成して得られるパンはボリュームが十分ではなかったり、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力と柔らかい食感を達成できない場合がある。
本実施形態に係るトランスグルタミナーゼとは、タンパク質やペプチド中のグルタミン残基を供与体、リジン残基を受容体とするアシル転移反応を触媒する活性を有する酵素を指す。トランスグルタミナーゼの由来としては、動物由来、魚類由来、微生物由来等、種々の起源が知られているが、前記活性を有している酵素であれば、いかなる起源のトランスグルタミナーゼでも用いることができる。
冷凍パン生地中の前記トランスグルタミナーゼの含有量は、パンのボリュームや食感を改善する観点から、少ないほど良い。具体的には、前記穀粉100gに対して90単位(U)以下であることが好ましく、45U以下がより好ましく、10U以下がさらに好ましく、1U以下がより更に好ましく、0.2U以下が特に好ましく、0.02U以下が極めて好ましく、含有しないことが最も好ましい。含有量が90Uより多いと、焼成して得られるパンはボリュームが十分ではなかったり、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力と柔らかい食感を達成できない場合がある。なお、トランスグルタミナーゼは、他の原材料にそのまま配合しても良いし、予め油脂や粉体原材料に分散させた状態で配合しても良い。
前記トランスグルタミナーゼの酵素活性は、ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として反応を行い、生成したヒドロキサム酸からトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、525nmでの吸光度を測定し、ヒドロキサム酸の量を検量線より求めることで算出することができる。37℃、pH6.0で1分間に1μmolのヒドロキサム酸を生成する酵素量を1単位(U)とする。上述した穀粉100gに対するトランスグルタミナーゼの含有量(U)は、トランスグルタミナーゼの比活性(U/g)と含有重量(g)の積である。
本実施形態に係る冷凍パン生地は、油脂、イーストフード、食塩、乳原料、糖、卵、乳化剤、生地改良剤など、製パンに通常使用される原料をさらに含有してもよい。加えて、冷凍条件下で数カ月の長期に渡る保管後も良好な品質を維持させるため、氷結晶阻害物質をさらに含有してもよい。
前記油脂は、食用であれば特に限定はないが、例えば、コーン油、サフラワー油、胡麻油、綿実油、向日葵油、菜種油、大豆油、米糠油、オリーブ油、椰子油、パーム油、パーム核油、カカオ脂、シア脂等の植物油や、乳脂、魚油、牛脂、豚脂等の動物油が挙げられ、また、これらの油脂をエステル交換したものや、硬化、分別したもの等、通常食用に供されるすべての油脂類を用いることができる。
前記油脂は1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、油脂を、ショートニング、油中水型油脂組成物、又は水中油型油脂組成物の形態で配合することもできる。前記ショートニングとは、融解した食用油脂に、必要に応じて乳化剤や香料などの油溶性成分を添加、混合して得た油相を、急冷捏和して得られるものをいう。前記油中水型油脂組成物とは、融解した食用油脂に、必要に応じて乳化剤や香料などの油溶性成分を添加、混合して油相を得た後、必要に応じて水溶性成分が溶解した水相を前記油相に添加した後、急冷捏和して得られるものをいい、具体的には、マーガリン、ファットスプレッド等が挙げられる。前記水中油型油脂組成物とは、タンパク質等の水溶性成分が溶解した水相に、任意の油脂や油溶性成分を添加した後、ホモジナイズして得られるものをいい、具体的にはクリーム等が挙げられる。
前記油脂の含有量は、前記穀粉100重量部に対して、0.5~50重量部であることが好ましく、0.5~20重量部がより好ましい。油脂の含有量が0.5重量部以上であると、パンの老化を抑制することができる。しかし、50重量部より多いと、生地のミキシング時間が長くなり過ぎる場合がある。
前記イーストフードとは、前記酵母の発酵を促してパン生地の膨張を強化し、得られるパンのボリュームを向上させるための食品添加剤を指す。イーストフードの例としては、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム(無水)、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸三カルシウム、焼成カルシウム等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記イーストフードの含有量は、前記穀粉100重量部に対して、0.01~0.5重量部であることが好ましく、0.01~0.2重量部がより好ましい。含有量が0.01重量部以上であると、イーストフードの配合によってパンのボリュームを改善する効果を得ることができる。しかし、0.5重量部より多いと、パンの外観が荒れたり、イーストフードの異味が感じられる場合がある。
前記食塩としては、例えば、精製塩、上質塩、内地白塩、原塩、粉砕塩などが挙げられ、当該分野で使用される食塩であれば特に限定されない。前記食塩の含有量は、前記穀粉100重量部に対して、0.5~10重量部であることが好ましく、1~5重量部がより好ましく、1~3重量部が更に好ましい。含有量が0.5重量部より少ないと、焼成して得られるパンの味が乏しくなる場合があり、10重量部より多いと、パンの塩味が濃過ぎて食せない場合がある。
前記乳原料としては、例えば、全粉乳、脱脂粉乳、牛乳、脱脂乳、クリーム、バター、チーズ等が挙げられる。前記乳原料は1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記乳原料の含有量は、前記穀粉100重量部に対して、0.1~20重量部であることが好ましく、0.1~15重量部がより好ましい。含有量が0.1重量部より少ないと、パンの焼き色が劣ったり、所望の乳風味が不足する場合があり、20重量部より多いと、パン生地のまとまりが悪くなる場合がある。
前記糖としては、例えば、砂糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、異性化糖、オリゴ糖、水あめ、糖アルコール類などが挙げられる。前記糖は1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記糖としては、粉末状のものが好ましく、呈する甘みの点から、上白糖やグラニュー糖がより好ましい。
前記糖の含有量は、前記穀粉100重量部に対して、乾燥重量で1~20重量部であることが好ましく、1~15重量部がより好ましい。含有量が1重量部以上であると、酵母の栄養源が多くなることで、糖の配合によってパンのボリュームを改善する効果を得ることができる。しかし、20重量部より多いと、却って酵母の活性が抑えられることでパンのボリュームを改善する効果に劣る場合がある。
前記卵としては、例えば、生卵、冷凍卵、液状卵、乾燥卵などが挙げられる。前記卵の含有量は、前記穀粉100重量部に対して、乾燥重量で1~15重量部であることが好ましい。卵の含有量が1重量部以上であると、パンの老化を抑制することができる。しかし、15重量部より多いと、パンの柔らかい食感が劣る場合がある。
前記乳化剤としては、例えば、モノグリセリド、有機酸が結合したモノグリセリド誘導体、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウムなどが挙げられる。前記乳化剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、前記有機酸が結合したモノグリセリド誘導体とは、脂肪酸モノグリセリドにさらに有機酸がエステル結合したモノグリセリドのことである。前記有機酸としては、例えば、酢酸、乳酸、クエン酸、ジアセチル酒石酸、コハク酸等が挙げられる。
前記乳化剤の含有量は、前記穀粉100重量部に対して、0.05~5重量部であることが好ましい。乳化剤の含有量が0.05重量部以上であると、パンの老化を抑制することができる。しかし、5重量部より多いと、乳化剤の異味が感じられる場合がある。
前記生地改良剤は、例えば、前記アミラーゼ、前記トランスグルタミナーゼ、前記グルテン、前記ペクチン、前記乳化剤、前記酸化剤、ヘミセルラーゼなどの酵素を、小麦粉や澱粉などの分散剤に分散させたものが挙げられる。前記生地改良剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記生地改良剤の含有量は、前記穀粉100重量部に対して、0.01~0.5重量部であることが好ましく、0.01~0.2重量部がより好ましい。含有量が0.01重量部以上であると、生地改良剤の配合によってパンのボリュームを改善する効果を得ることができる。しかし、0.5重量部より多いと、パンの外観が荒れたり、生地改良剤の異味が感じられる場合がある。
前記氷結晶阻害物質は、例えば、植物由来の特定のタンパク質(特開2011-231089号公報)や、担子菌由来の特定の多糖類(国際公開WO2012/026339号)などの、氷結晶阻害活性を有する物質を使用することができる。一般に冷凍パン生地は、2~3カ月という長期冷凍保管後に焼成すると、氷結晶によって冷凍パン生地が損傷するため、1週間という短期冷凍保管後に焼成する時と比較して、得られるパンの品質が劣ることが知られている。前記氷結晶阻害物質は冷凍パン生地中で氷結晶の成長を阻害するため、冷凍パン生地を長期冷凍保管後に焼成しても良好な品質のパンが得られる。
前記氷結晶阻害物質の含有量は、氷結晶化阻害活性を有する物質の固形分が、前記穀粉100重量部に対して、0.000001~1重量部であることが好ましく、0.00001~0.1重量部がより好ましく、0.0004~0.01重量部が更に好ましい。含有量が0.000001重量部以上であると氷結晶化阻害活性を得ることができる。しかし、1重量部より多くなるとパンの風味に影響する場合がある。
本実施形態に係る冷凍パン生地は、各原材料を混合し、捏ね上げてパン生地を作製した後、得られたパン生地のフロア発酵を行い、パン生地を所望の分量に分割し、所望の形状に成形した後、ホイロ発酵を行い、その後、冷凍することで製造することができる。
より具体的に述べると、まず、小麦粉等の穀粉、酵母、水、耐熱性α-アミラーゼ、グルテン、酸化剤、ペクチン、必要によりトランスグルタミナーゼ、油脂、イーストフード、食塩、乳原料、糖、卵、乳化剤、生地改良剤等の原材料を混合し、捏ね上げてパン生地を作製する。得られたパン生地について、好適には20~35℃で25~70分間の条件で、フロア発酵を行う。次いで、該パン生地を分割及び成形する。分割及び成形されたパン生地を、好適には25~40℃で25~70分間の条件で、ホイロ発酵する。ホイロ発酵されたパン生地を、ショックフリーザー等の冷凍庫を用いて-10℃以下になるまで冷凍することで、本実施形態に係る冷凍パン生地を好適に得ることができる。なお、成形してホイロ発酵を行った後は、パン生地を圧延して薄くする必要はなく、成形されたままの形状で冷凍することができる。
前記フロア発酵時の温度は20~35℃であることが好ましく、25~32℃がより好ましい。フロア発酵時の温度が20℃より低いと、酵母によって生成される二酸化炭素が少なすぎるため、パン生地中の気泡膜が厚すぎて十分な窯伸びが得られず、焼成して得られるパンのボリュームや、弾力又は柔らかい食感が劣る場合がある。また、フロア発酵時の温度が35℃より高いと、冷凍パン生地中の気泡膜が薄くなり、輸送やハンドリングの際の温度上昇や衝撃のために気泡膜が損傷し、焼成して得られるパンのボリュームや、柔らかい食感が劣る場合がある。
前記フロア発酵時の時間は25~70分間であることが好ましいが、30~70分間がより好ましく、40~70分間が更に好ましい。フロア発酵時の時間が25分間より短いと、酵母によって生成される二酸化炭素が少なすぎるため、パン生地中の気泡膜が厚すぎて十分な窯伸びが得られず、焼成して得られるパンのボリュームや、弾力又は柔らかい食感が劣る場合がある。また、フロア発酵時の時間が70分間より長いと、冷凍パン生地中の気泡膜が薄くなり、輸送やハンドリングの際の温度上昇や衝撃のために気泡膜が損傷し、焼成して得られるパンは、ボリュームや、弾力に劣る場合がある。
前記ホイロ発酵時の温度は25~40℃であることが好ましいが、28~35℃がより好ましい。ホイロ発酵時の温度が25℃より低いと、酵母によって生成される二酸化炭素が少なすぎるため、パン生地中の気泡膜が厚すぎて十分な窯伸びが得られず、焼成して得られるパンはボリュームが十分ではなかったり、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力と柔らかい食感を達成できない場合がある。また、ホイロ発酵時の温度が40℃より高いと、冷凍パン生地の比容積が3.0cm/g以下になるように調整するのが困難であるため輸送コストが上昇することに加え、冷凍パン生地中の気泡膜が薄くなり、輸送やハンドリングの際の温度上昇や衝撃のために気泡膜が損傷し、焼成して得られるパンはボリュームが十分ではなかったり、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力と柔らかい食感を達成できない場合がある。
前記ホイロ発酵時の時間は25~70分間であることが好ましいが、30~65分間がより好ましく、35~60分間が更に好ましい。ホイロ発酵時の時間が25分間より短いと、酵母によって生成される二酸化炭素が少なすぎるため、パン生地中の気泡膜が厚すぎて十分な窯伸びが得られず、焼成して得られるパンはボリュームが十分ではなかったり、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力と柔らかい食感を達成できない場合がある。また、ホイロ発酵時の時間が70分間より長いと、冷凍パン生地の比容積が3.0cm/g以下になるように調整するのが困難であるため輸送コストが上昇することに加え、冷凍パン生地中の気泡膜が薄くなり、輸送やハンドリングの際の温度上昇や衝撃のために気泡膜が損傷し、焼成して得られるパンはボリュームが十分ではなかったり、解凍後に十分な発酵を行ってから焼成したパンに近い弾力と柔らかい食感を達成できない場合がある。
本実施形態に係る冷凍パン生地は、任意の期間冷凍保管された後、解凍して、公知の方法で焼成することによって、パンとすることができる。但し、前記解凍とは、前記冷凍パン生地の中心まで完全に解凍していることを求めるものではない。前記解凍時の温度及び時間は適宜選択することができ、例えば、3~10℃の冷蔵庫で4~14時間、又は、20~30℃の室温で5~120分間の条件で解凍を実施することができる。更に、短時間で90~250℃前後まで庫内温度を制御可能なコンベクションオーブン等を用いれば、オーブン内で解凍と焼成を連続的に実施することができるため、より簡便にパンを作製することができる。
本実施形態に係る冷凍パン生地は、解凍した後に発酵工程を実質的に行うことなく、焼成してパンを作製することができる。解凍した後に発酵工程を実質的に行っていない態様では、好ましくは、(解凍後焼成直前のパン生地の比容積)/(前記冷凍パン生地の比容積)の比率が1~1.1である要件を満足することができる。前記比率は、1~1.08であることがより好ましく、1~1.05がさらに好ましい。
本実施形態に係る冷凍パン生地は、冷凍前に発酵工程を行って製造されたものであり、解凍した後は発酵工程を実施せずに、解凍したパン生地をそのまま焼成してパンを作製することができる。そのため、冷凍パン生地の解凍からパンの焼き上がりまでに要する時間を短縮化することができる。
本実施形態に係る冷凍パン生地を解凍した後に焼成する際は、パンの製造に通常用いられるオーブンを使用すれば良く、例えば、デッキオーブン、リールオーブン、コンベクションオーブン等を使用できる。
以上のようにして、比容積が1.9~3.0cm/gと小さい冷凍パン生地から、解凍及び焼成を経て、ボリュームが大きいパン、具体的には、比容積が6.6cm/g以上、好ましくは7.1cm/g以上、より好ましくは7.5cm/g以上であるパンを得ることができる。パンの比容積の上限値は特に限定されないが、例えば、8cm/g以下であってよい。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
また、実施例及び比較例で使用した原料は以下のとおりである。
1)日清製粉(株)製「ミリオン」
2)(株)カネカ製「カネカイーストGA」(冷凍耐性酵母、水分量68.1%)
3)財団法人塩事業センター製「精製塩」
4)日新製糖(株)製「上白糖P」
5)よつ葉乳業(株)製「脱脂粉乳」
6)(株)カネカ製「エバーライトG」※油脂含量:100%
7)扶桑化学工業(株)製「ビタミンC TypeSS」
8)新日本化学工業(株)製「スミチームAS」(耐熱性α-アミラーゼ、比活性1500U/g、至適温度:65~70℃、70℃で10分間加熱処理を行った後の酵素活性(加熱処理前比):78%、90℃で10分間加熱処理を行った後の酵素活性(加熱処理前比):0%)
9)新日本化学工業(株)製「スミチームL」(本願の耐熱性α-アミラーゼに該当しないα-アミラーゼ、比活性:12000U/g、至適温度:50~55℃、70℃で10分間加熱処理を行った後の酵素活性(加熱処理前比):31%、90℃で10分間加熱処理を行った後の酵素活性(加熱処理前比):0%)
10)ナガセケムテックス(株)製「スピターゼCP3」(本願の耐熱性α-アミラーゼに該当しないα-アミラーゼ、比活性:635U/g、至適温度:90~95℃、70℃で10分間加熱処理を行った後の酵素活性(加熱処理前比):97%、90℃で10分間加熱処理を行った後の酵素活性(加熱処理前比):98%)
11)新日本化学工業(株)製「スミチームX」
12)長田産業(株)製「フメリットA2」
13)三晶(株)製「GENU HMペクチン BETA BI-J」
14)(株)キミカ製「アルギン酸NF」
15)キューピータマゴ(株)製「液全卵(殺菌)」※水分量67%
16)味の素(株)製「アクティバコシキープSTG-M」(比活性:27U/g)
<冷凍パン生地又は解凍後焼成直前のパン生地の比容積の測定>
実施例及び比較例で得られた冷凍パン生地又は解凍後焼成直前のパン生地の比容積は、冷凍パン生地又は解凍後焼成直前のパン生地の重量(g)を電子天びん「CB-III 1500」(イシダ社製)で、冷凍パン生地又は解凍後焼成直前のパン生地の体積(cm)をレーザー体積計測器「WinVM200」(ASTEX社製)で測定し、得られた体積を重量で割った値とした。
<パンのボリュームの評価>
実施例及び比較例で得られたパンの比容積は、パンの重量(g)を電子天びん「CB-III 1500」(イシダ社製)で、パンの体積(cm)をレーザー体積計測器「WinVM200」(ASTEX社製)で測定し、得られた体積を重量で割った値とした。得られた比容積を、以下の基準で評価した。
5点:比容積が7.5cm/g以上で、極めて良好なボリュームである。
4点:比容積が7.1cm/g以上7.5cm/g未満で、非常に良好なボリュームである。
3点:比容積が6.6cm/g以上7.1cm/g未満で、良好なボリュームである。
2点:比容積が5.5cm/g以上6.6cm/g未満で、あまりボリュームがない。
1点:比容積が5.5cm/g未満で、ボリュームがない。
<パンの食感の評価>
実施例、比較例及び参考例で得られたパンを熟練したパネラー10人に食してもらい、以下の基準で弾力と柔らかさの評価を行い、その平均を評価値とした。
(弾力)
5点:参考例のパンと同等で、強すぎも弱すぎもない弾力であり、極めて良好である
4点:参考例のパンよりも若干劣るものの、強すぎも弱すぎもない弾力であり、非常に良好である
3点:参考例のパンよりも劣るものの、強すぎも弱すぎもない弾力であり、良好である
2点:参考例のパンよりも悪く、強すぎる又は弱すぎる弾力であり、あまり良好でない
1点:参考例のパンよりも非常に悪く、強すぎる又は弱すぎる弾力であり、良好でない
(柔らかさ)
5点:参考例のパンと同等で、極めて良好な柔らかさである
4点:参考例のパンよりも若干劣るものの、非常に良好な柔らかさである
3点:参考例のパンよりも劣るものの、良好な柔らかさである
2点:参考例のパンよりも悪く、あまり柔らかではなく、悪い
1点:参考例のパンよりも非常に悪く、柔らかではなく、非常に悪い
<パンの総合評価>
ボリューム、弾力、及び、柔らかさの各評価結果を基に、それぞれのパンの総合評価を行った。その際の評価基準は以下の通りである。
A:ボリューム、弾力、及び、柔らかさの評価が全て4.0点以上5.0点以下を満たすもの。
B:ボリューム、弾力、及び、柔らかさの評価が全て3.5点以上5.0点以下であって、且つ3.5以上4.0未満が少なくとも一つあるもの。
C:ボリューム、弾力、及び、柔らかさの評価が全て3.0点以上5.0点以下であって、且つ3.0以上3.5未満が少なくとも一つあるもの。
D:ボリューム、弾力、及び、柔らかさの評価が全て2.0点以上5.0点以下であって、且つ2.0以上3.0未満が少なくとも一つあるもの。
E:ボリューム、弾力、及び、柔らかさの評価が、2.0未満が少なくとも一つあるもの。
(参考例) 冷凍パン生地を解凍後十分なホイロ発酵を行って焼成したパン
表1の配合に従って、原材料を縦型ミキサー(関東混合機工業(株)製「HPI-20M」)により、低速2分間、中速3分間、高速2分間混合し、油脂を添加した後、低速2分間、中速3分間、高速2分間24℃±1℃で捏ね上げた。得られたパン生地を、20℃で5分間フロア発酵させた後、60gに分割し、ロールパン成形を施した後、急速冷凍して、比容積が1.0cm/gの冷凍パン生地を得た。
得られた冷凍パン生地を-20℃で3日から1週間冷凍保管後、温度30℃、湿度75%の条件で30分間解凍し、温度20℃、湿度75%で120分間ホイロ発酵させた。解凍後のホイロ発酵によって焼成直前のパン生地の比容積は増加しており、(解凍後焼成直前のパン生地の比容積)/(前記冷凍パン生地の比容積)は4.0であった。ホイロ発酵後、デッキオーブン((株)フジサワ・マルゼン製「PrinceIII」)にて上火200℃、下火200℃の条件で10分間焼成し、ロールパンを得た。冷凍パン生地の比容積、ロールパンのボリューム、及び弾力及び柔らかさの官能評価の結果を表1に示した。
Figure 2022085207000001
(実施例1) ロールパンの作製
表1の配合に従って、原材料を縦型ミキサー(関東混合機工業(株)製「HPI-20M」)により、低速2分間、中速3分間、高速2分間混合し、油脂を添加した後、低速2分間、中速3分間、高速2分間24℃±1℃で捏ね上げた。得られたパン生地を、30℃で60分間フロア発酵させた後、60gに分割し、ロールパン成形を施し、温度30℃、湿度75%で36分間ホイロ発酵させた後、急速冷凍して、比容積が2.5cm/gの冷凍パン生地を得た。
得られた冷凍パン生地を-20℃で1週間冷凍保管後、温度30℃、湿度75%の条件で30分間解凍した。解凍後ホイロ発酵を行わずに、デッキオーブン((株)フジサワ・マルゼン製「PrinceIII」)にて上火190℃、下火190℃の条件で17分間焼成し、ロールパンを得た。(解凍後焼成直前のパン生地の比容積)/(前記冷凍パン生地の比容積)は1.0であった。冷凍パン生地の比容積、ロールパンのボリューム、及び弾力及び柔らかさの官能評価の結果を表1に示した。
(実施例2,3、及び、比較例1,2) ロールパンの作製
表1の配合に従って、穀粉100gに対する耐熱性α-アミラーゼの含有量を、15U(実施例2)、200U(実施例3)、7.5U(比較例1)、又は、300U(比較例2)に変更した以外は実施例1と同様にして、ロールパンを得た。冷凍パン生地の比容積、ロールパンのボリューム、及び弾力及び柔らかさの官能評価の結果を表1に示した。
表1から明らかなように、穀粉100gに対する耐熱性α-アミラーゼの含有量が15~200Uの範囲にある実施例1~3のロールパンは、ボリュームと、弾力及び柔らかさの全ての評価で良好な結果であった。即ち、実施例1~3のロールパンは、冷凍パン生地を解凍後、ホイロ発酵を行わずに焼成して作製されたものであるが、冷凍パン生地を解凍後十分なホイロ発酵を行ってから焼成した参考例のパンと比較して、ボリューム、弾力、及び柔らかさの点で大きく劣ることがない良好な結果であった。
一方、穀粉100gに対する耐熱性α-アミラーゼの含有量が7.5Uと少ない比較例1のロールパンは、得られたロールパンのボリュームと、弾力の評価が不十分な結果であった。また、穀粉100gに対する耐熱性α-アミラーゼの含有量が300Uと多い比較例2のロールパンは、ボリュームと弾力の評価が不十分な結果であった。
(比較例3,4) ロールパンの作製
表1の配合に従って、α-アミラーゼの種類を、非耐熱性α-アミラーゼ(比較例3)、又は、超耐熱性α-アミラーゼ(比較例4)に変更した以外は実施例1と同様にして、ロールパンを得た。冷凍パン生地の比容積、ロールパンのボリューム、及び弾力及び柔らかさの官能評価の結果を表1に示した。
表1から明らかなように、耐熱性α-アミラーゼではなく、非耐熱性α-アミラーゼ(比較例3)、又は、超耐熱性α-アミラーゼ(比較例4)を添加したロールパンは、ボリュームと弾力の評価が不十分な結果であった。
(比較例5) 特開2012-196176号公報の実施例1及び2に準拠
表1の配合に従って、グルテンを添加せず、α-アミラーゼの種類を超耐熱性α-アミラーゼに変更すると共にその配合量も変更し、ペクチンの配合量を1重量部に、添加水の量を47重量部に変更し、更にキシラナーゼ及びアルギン酸を添加した以外は実施例1と同様にして、ロールパンを得た。冷凍パン生地の比容積、ロールパンのボリューム、及び弾力及び柔らかさの官能評価の結果を表1に示した。
表1から明らかなように、得られたロールパンは、ボリュームと弾力の評価が不十分な結果であった。
(実施例4~6、及び、比較例6,7) ロールパンの作製
表2の配合に従って、穀粉100重量部に対するグルテンの配合量と添加水の量をそれぞれ、0.2重量部と54重量部(実施例4)、1.5重量部と56重量部(実施例5)、6重量部と60重量部(実施例6)、0.01重量部と54重量部(比較例6)、又は、8重量部と62重量部(比較例7)に変更した以外は実施例1と同様にして、ロールパンを得た。冷凍パン生地の比容積、ロールパンのボリューム、及び弾力及び柔らかさの官能評価の結果を表2に示した。
Figure 2022085207000002
表2から明らかなように、穀粉100重量部に対するグルテンの含有量が0.2~6重量部の範囲にある実施例1、4~6のロールパンは、ボリュームと、弾力及び柔らかさの全ての評価で良好な結果であった。
一方、穀粉100重量部に対するグルテンの含有量が0.01重量部と少ない比較例6のロールパンは、得られたロールパンのボリュームと弾力の評価が不十分な結果であった。また、穀粉100重量部に対するグルテンの含有量が8重量部と多い比較例7のロールパンは、ボリュームと弾力の評価が不十分な結果であった。
(実施例7~9、及び、比較例8,9) ロールパンの作製
表3の配合に従って、穀粉100重量部に対する、酸化剤であるビタミンCの配合量を、0.001重量部(実施例7)、0.005重量部(実施例8)、0.2重量部(実施例9)、0重量部(比較例8)、又は、0.25重量部(比較例9)に変更した以外は実施例1と同様にして、ロールパンを得た。冷凍パン生地の比容積、ロールパンのボリューム、及び弾力及び柔らかさの官能評価の結果を表3に示した。
Figure 2022085207000003
表3から明らかなように、穀粉100重量部に対する、酸化剤であるビタミンCの含有量が0.001~0.2重量部の範囲にある実施例1、7~9のロールパンは、ボリュームと、弾力及び柔らかさの全ての評価で良好な結果であった。
一方、酸化剤を添加しなかった比較例8のロールパンは、ボリュームの評価が不十分な結果であった。また、穀粉100重量部に対する、酸化剤であるビタミンCの含有量が0.25重量部と多い比較例9のロールパンは、ボリューム、弾力と柔らかさの評価が不十分な結果であった。
(比較例10) ロールパンの作製
表3の配合に従って、トランスグルタミナーゼを添加した以外は実施例1と同様にして、ロールパンを得た。冷凍パン生地の比容積、ロールパンのボリューム、及び弾力及び柔らかさの官能評価の結果を表3に示した。
表3から明らかなように、穀粉100gに対するトランスグルタミナーゼの含有量が95Uと多い比較例10のロールパンは、ボリューム、弾力と柔らかさの評価が不十分な結果であった。
(実施例10~14、及び、比較例11,12) ロールパンの作製
表4の配合に従って、穀粉100重量部に対するペクチンの配合量と添加水の量をそれぞれ、0.1重量部と53重量部(実施例10)、0.5重量部と54重量部(実施例11)、1.5重量部と56重量部(実施例12)、3重量部と58重量部(実施例13)、4重量部と60重量部(実施例14)、0重量部と53重量部(比較例11)、又は、6重量部と63重量部(比較例12)に変更した以外は実施例1と同様にして、ロールパンを得た。冷凍パン生地の比容積、ロールパンのボリューム、及び弾力及び柔らかさの官能評価の結果を表4に示した。
Figure 2022085207000004
表4から明らかなように、穀粉100重量部に対するペクチンの含有量が0.1~5重量部の範囲にある実施例1、10~14のロールパンは、ボリュームと、弾力及び柔らかさの全ての評価で良好な結果であった。
一方、ペクチンを添加しなかった比較例11のロールパンは、ボリュームと弾力の評価が不十分な結果であった。また、穀粉100重量部に対するペクチンの含有量が6重量部と多い比較例12のロールパンは、ボリューム、弾力と柔らかさの評価が不十分な結果であった。
(実施例15~18) ロールパンの作製
表5の記載に従って、フロア発酵の温度及び/又は時間を変更した以外は、実施例1と同様にして、ロールパンを得た。冷凍パン生地の比容積、ロールパンのボリューム、及び弾力及び柔らかさの官能評価の結果を表5に示した。
Figure 2022085207000005
表5から明らかなように、フロア発酵の温度が20~35℃で、時間が25~70分間の範囲にある実施例1、15~18のロールパンは、ボリュームと、弾力及び柔らかさの全ての評価で良好な結果であった。
(実施例19~22、及び、比較例13~16) ロールパンの作製
表6の記載に従って、ホイロ発酵の温度及び/又は時間を変更した以外は、実施例1と同様にして、ロールパンを得た。冷凍パン生地の比容積、ロールパンのボリューム、及び弾力及び柔らかさの官能評価の結果を表6に示した。
Figure 2022085207000006
表6から明らかなように、ホイロ発酵の温度が25~40℃で、時間が25~70分間の範囲にあり、冷凍パン生地の比容積が1.9~3.0cm/gの範囲にある実施例1、19~22のロールパンは、ボリュームと、弾力及び柔らかさの全ての評価で良好な結果であった。
一方、ホイロ発酵の温度が18℃と低く、冷凍パン生地の比容積が1.8cm/gと小さい比較例13のロールパンは、ボリューム、弾力と柔らかさの評価が不十分な結果であった。また、ホイロ発酵の温度が42℃と高く、冷凍パン生地の比容積が3.2cm/gと大きい比較例14のロールパンは、ボリューム、弾力と柔らかさの評価が不十分な結果であった。更に、ホイロ発酵の時間が20分間と短く、冷凍パン生地の比容積が1.8cm/gと小さい比較例15のロールパンは、ボリューム、弾力と柔らかさの評価が不十分な結果であった。加えて、ホイロ発酵の時間が90分間と長く、冷凍パン生地の比容積が3.5cm/gと大きい比較例16のロールパンは、ボリューム、弾力と柔らかさの評価が不十分な結果であった。

Claims (7)

  1. 穀粉、酵母、及び水分を含む冷凍パン生地であって、
    前記冷凍パン生地は比容積が1.9~3.0cm/gであり、
    前記穀粉100gに対して、トランスグルタミナーゼの含有量が0~90単位(U)であり、下記耐熱性α-アミラーゼを15~200単位(U)含有し、
    前記穀粉100重量部に対して、グルテンを0.2~6重量部、酸化剤を0.001~0.2重量部、及び、ペクチンを0.1~5重量部含有する、冷凍パン生地。
    耐熱性α-アミラーゼ:至適温度が60~80℃の範囲にあり、70℃で10分間加熱処理を行った後の酵素活性が、加熱処理前の酵素活性の60%以上であり、かつ、90℃で10分間加熱処理を行った後の酵素活性が、加熱処理前の酵素活性の10%以下であるα-アミラーゼ
  2. 請求項1に記載の冷凍パン生地が解凍され、(解凍後焼成直前のパン生地の比容積)/(前記冷凍パン生地の比容積)が1~1.1の状態で焼成されたパン。
  3. 冷凍パン生地の製造方法であって、
    穀粉、酵母、及び水分を含み、前記穀粉100gに対して、トランスグルタミナーゼの含有量が0~90単位(U)であり、下記耐熱性α-アミラーゼを15~200単位(U)含有し、前記穀粉100重量部に対して、グルテンを0.2~6重量部、酸化剤を0.001~0.2重量部、及び、ペクチンを0.1~5重量部含有するパン生地を準備し、
    前記パン生地のフロア発酵を行った後、分割・成形し、ホイロ発酵を行い、
    前記ホイロ発酵後の前記パン生地を-10℃以下まで冷凍して、比容積が1.9~3.0cm/gである冷凍パン生地を得ることを特徴とする、冷凍パン生地の製造方法。
    耐熱性α-アミラーゼ:至適温度が60~80℃の範囲にあり、70℃で10分間加熱処理を行った後の酵素活性が、加熱処理前の酵素活性の60%以上であり、かつ、90℃で10分間加熱処理を行った後の酵素活性が、加熱処理前の酵素活性の10%以下であるα-アミラーゼ
  4. 前記ホイロ発酵の発酵条件は、25~40℃で25~70分間である、請求項3に記載の冷凍パン生地の製造方法。
  5. 前記フロア発酵の発酵条件は、20~35℃で25~70分間である、請求項3又は4に記載の冷凍パン生地の製造方法。
  6. パンの製造方法であって、
    請求項1に記載の冷凍パン生地、又は、請求項3~5のいずれか1項に記載の製造方法によって冷凍パン生地を得た後、前記冷凍パン生地を解凍し、(解凍後焼成直前のパン生地の比容積)/(前記冷凍パン生地の比容積)が1~1.1の状態で焼成することを特徴とする、パンの製造方法。
  7. 前記冷凍パン生地を解凍した後、発酵工程を経ずに焼成する、請求項6に記載のパンの製造方法。
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CN115553458A (zh) * 2022-07-07 2023-01-03 牛环东 一种实用性健康饮食功能组方

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