JP2002186406A - パンの製造方法および食パンのケービング防止方法 - Google Patents

パンの製造方法および食パンのケービング防止方法

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JP2002186406A
JP2002186406A JP2000385261A JP2000385261A JP2002186406A JP 2002186406 A JP2002186406 A JP 2002186406A JP 2000385261 A JP2000385261 A JP 2000385261A JP 2000385261 A JP2000385261 A JP 2000385261A JP 2002186406 A JP2002186406 A JP 2002186406A
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calcium
water
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Shizuo Horikawa
静雄 堀川
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Musashino Chemical Laboratory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケービング防止したパンの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 パン用小麦粉に水不溶性カルシウムを配
合した原料を混捏してパン生地を得て、該パン生地を食
パン型に入れ、次いで焼成することを特徴とする、食パ
ンのケービング防止方法である。水不溶性カルシウムと
して、卵殻、貝殻、獣骨、魚骨、ウニ殻、珊瑚、乳清か
ら得たカルシウム製剤および炭酸カルシウム等を使用す
ることができる。本発明によれば、食味や風味に影響を
与えず、ケービングを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パンの製造方法、
特にはケービング防止したパンの製造方法に関し、より
詳細には、水不溶性カルシウムを添加したパン生地を焼
成することを特徴とするパンの製造方法、および食パン
のケービング防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】箱型の型を使って焼いたパンは、一般に
食パンと称され、パン用小麦粉に発酵用の菌体や他の添
加物を加えて練りこみ、箱型に寝かせた後に焼成して製
造される。パン生地には発酵用の菌体その他の添加物が
配合されているため、パン生地の中で発生する二酸化炭
素によって多数の気泡が形成され、出来上がった食パン
の柔らかさや食味に影響を与える結果となる。この気泡
は、均一かつ緻密にパン生地中に形成されることが食味
等の点で好ましいが、焼きあがったパンに、ケービング
といわれる内部に空洞が形成され、食パンの側面が窪む
現象が発生する場合がある。このような食パンは側面の
窪みとともに上部から下部に向かってつぶれた外観とな
り、またスライス加工しても空洞によって見かけに劣
り、極めて商品価値が劣り、その程度によっては不良品
と評価される。
【0003】このようなケービングを防止する方法とし
て、特開昭49−117639号公報には、パン用小麦
粉に対して30〜50ppmのL−アスコルビン酸と1
00〜250ppmのステアリル乳酸カルシウム、10
00〜1500ppmのグリシンとを共存させてパン生
地を調製し、これを焼成する食パンの製造方法が開示さ
れている。同公報によれば、L−アスコルビン酸とステ
アリル乳酸カルシウムのみの使用では、パンのケービン
グを十分に解決できなかったが、これにグリシンを存在
させるとケービングがなく、好ましい内相のパンが得ら
れるとしている。
【0004】また、特開平5−168394号公報に
は、ケービングを起こすことなく、常温及び低温状態に
おいて高い老化防止効果を発揮しうるパンの品質改良法
として、親水性−親油性バランスが8以上である乳化剤
0.1〜10質量%並びに小麦粉1kgに対してアミラ
ーゼ1〜500単位及びプロテアーゼ1〜10000単
位をパン生地に添加することを特徴とするパン類の品質
改良法が開示されている。また、特開平5−29287
0号公報には、パン類を製造するに際し、原料小麦粉に
対し1%以上のデキストリン類を使用することを特徴と
するパン類の品質改良法が開示されている。また、特開
平11−146753号公報には、パン用小麦粉に必要
な原料を加えて、通常法により混捏した生地に、フロア
タイムをとった後、機械的損傷を与え、ついで生地の体
積が通常の1.1〜1.5倍程度になるように最終発酵
をとった後、焼成することを特徴としたケービングを防
止した食パンの製造方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自然派
志向の風潮が高まる現在においては、原料自体による風
味を愉しむ傾向が強く、食味に影響を与える添加剤の使
用は好ましくない。特開昭49−117639号公報で
はグリシンを添加しているが、該公報に記載されるよう
に本来多量に添加して焼色をつけるものであり、多量に
配合すると異臭を発生する化合物であり、好ましくな
い。また、特開平5−168394号公報に開示される
発明は、本来、パン類の品質改良法であり、特に低温保
存におけるパンの老化防止法に関するものである。すな
わち、グリセリン脂肪酸エステル等のHLBの低い親油
性の乳化剤を添加すると小麦蛋白の老化防止効果が改良
されるが、添加量の増加に伴ってケービングが発生する
ため、このケービングを防止するものである。このた
め、親水性−親油性バランスが8以上の乳化剤に加え、
アミラーゼ、プロテアーゼ等という、パン本来の原料と
は異なる多種類の成分を配合することが要求される。ま
た、特開平5−292870号公報で使用するデキスト
リンは、デンプンがアミラーゼまたは酸で加水分解され
麦芽糖になる過程で生ずる中間物質の総称であり、本
来、接着剤,糊料,賦形剤などに利用される成分であっ
て、パンの食感に変化を付与する場合がある。更に、特
開平11−146753号公報で開示する方法では、フ
ロアタイムをとった後のパンに機械的損傷を与えるが、
機械的損傷の程度はグルテンのつながりを完全に破壊し
ない程度にすることを目途とするものであり、熟練を要
する。
【0006】このような現状から、簡単な方法でパンの
ケービングを防止できるパンの製造方法が望まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、ケービング
の発生原因について詳細に検討した結果、パン用小麦粉
に水不溶性カルシウムを添加して混捏すると、パン生地
中で発生した気泡が安定し、極めて有効にケービングを
防止できること、また、水不溶性カルシウムは食味に与
える影響がほとんど無いため、製造したパンが原料本来
の風味を維持しうることを見出し、本発明を完成させ
た。すなわち、上記課題は、以下の(1)〜(7)によ
って解決される。
【0008】(1) パン用小麦粉に水不溶性カルシウ
ムを配合した原料を混捏しパン生地を得て、次いでこれ
を焼成することを特徴とする、パンの製造方法。
【0009】(2) 該水不溶性カルシウムが、卵殻、
貝殻、獣骨、魚骨、ウニ殻、珊瑚、乳清から得たカルシ
ウム製剤および炭酸カルシウムからなる群から選ばれた
1種以上である、上記(1)記載のパンの製造方法。
【0010】(3) 該水不溶性カルシウムが、未焼成
カルシウムである上記(2)記載のパンの製造方法。
【0011】(4) 該水不溶性カルシウムの配合量
が、パン用小麦粉の0.01〜5.0質量%であること
を特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の
パンの製造方法。
【0012】(5) 該パン生地を食パン型に入れ、次
いで焼成することを特徴とする、上記(1)〜(4)の
いずれかに記載のパンの製造方法。
【0013】(6) パン用小麦粉に水不溶性カルシウ
ムを配合した原料を混捏してパン生地を得て、該パン生
地を食パン型に入れ、次いで焼成することを特徴とす
る、食パンのケービング防止方法。
【0014】(7) 該パン用小麦粉が、水不溶性カル
シウムとともに乳酸カルシウムの脂肪酸エステルを含有
することを特徴とする、上記(6)記載の食パンのケー
ビング防止方法。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第一は、パン用小麦粉に
水不溶性カルシウムを配合した原料を混捏しパン生地を
得て、次いでこれを焼成することを特徴とする、パンの
製造方法である。
【0016】一般に、パンは小麦粉またはライ麦粉に
水、砂糖、食塩、油脂、膨剤等を加えて捏ね、加熱して
多孔質の海綿状に膨らませて作ったものである。膨剤と
して酵母や膨らし粉を使用することによって二酸化炭素
を発生させ、生地中に気泡を形成させた食品である。こ
こに、酵母は、生地中の糖分を発酵して二酸化炭素を発
生させて膨らませるとともに香気と風味を与える。ま
た、砂糖は発酵基質となり、生地を柔らかくし、色沢、
香気、すだち、日持ちをよくするために添加される。本
発明では、パン用小麦粉に水不溶性カルシウムを添加し
たパン生地を得て、これを焼成することを特徴とする
が、この水不溶性カルシウムの添加によってケービング
が効果的に防止できることを見出したからである。該化
合物の添加によるケービング防止効果の理由については
明らかでないが、水不溶性カルシウムを添加すること
で、気泡が安定化した結果、ケービングが防止できると
考えられる。すなわち、パン用小麦粉に水を加えて練る
と、粘着性のグルテンが溶出される。酵母や膨らし粉の
添加によってパン生地中に気泡が形成するが、パンは小
麦粉中の成分であるグルテンが混捏中に組織から溶出さ
れ粘着性の成分となって気泡の外周を取り巻き、これに
よって気泡の形状が維持され海綿状組織をもつパンが作
られる。グルテンは、グルテニンやグリアジンなどのタ
ンパク質の混合物として存在するがいずれにしても加水
分解によってアミノ酸に分解する。しかしながら、パン
生地中に水不溶性カルシウムがあるとグルテンの粘着性
によって維持された気泡の形状を更に安定化し、または
パン生地中でのグルテンの加水分解を防止することで気
泡を安定化し、焼成時における加温による気泡体積の増
加に際しても、グルテンの粘着性を安定化または増強し
てケービングを防止するものと考えられる。
【0017】本発明で使用する水不溶性カルシウムとし
ては、複合物として焼成カルシウムと未焼成カルシウム
とがあり、更にカルシウム化合物とがある。
【0018】焼成カルシウムとは、原料を焼成したもの
であり、例えば、得られたカルシウムが酸化カルシウム
として含有される卵殻カルシウム(カルシウム含量が5
0〜70質量%)、牡蠣殻やホタテ貝などの貝殻カルシ
ウム(カルシウム含量が50〜70質量%)、ウニ殻カ
ルシウムや珊瑚カルシウム;得られたカルシウムが酸化
カルシウム・リン酸カルシウムとして含有される牛骨、
豚骨、魚骨などの魚獣骨カルシウム(カルシウム含量が
30〜50質量%);得られたカルシウムがリン酸カル
シウムとして含有される乳清カルシウムなどがある。
【0019】また、未焼成カルシウムとしては、得られ
たカルシウムが炭酸カルシウムとして含有される卵殻カ
ルシウム(カルシウム含量が38〜40質量%)、牡蠣
殻やホタテ貝などの貝殻カルシウム(カルシウム含量が
30〜50質量%);得られたカルシウムがリン酸カル
シウムとして含有される牛骨、豚骨、魚骨などの魚獣骨
カルシウム(リン酸カルシウム含量が60〜70質量
%、カルシウム含量20〜30質量%)などがある。
【0020】また、カルシウム化合物としては、炭酸カ
ルシウム(カルシウム含量40質量%)がある。
【0021】本発明で使用する水不溶性カルシウムとし
ては、これらのなかでも未焼成カルシウムや炭酸カルシ
ウムであることが好ましく、より好ましくは未焼成の卵
殻から得たカルシウムである。未焼成の卵殻カルシウム
としては、市販品でもよく、キューピー株式会社製の商
品名「カルホープ」などがある。これらはいずれもその
構造中にカルボキシル基を有するため、パン生地中で加
熱によって容易に二酸化炭素を発生して膨剤としての効
果を発揮すると同時に、カルシウムがグルテンによる海
綿状組織の形成の効果を安定化または増強するためと考
えられる。
【0022】本発明では、これらの水不溶性カルシウム
をパン用小麦粉に加えて混捏するのであるが、パン用小
麦粉としては、パンを製造できるものであれば、強力
粉、準強力粉、中力粉の別を問わずに使用することがで
きる。また、パン用小麦粉に加えて、本発明の効果を損
なわない範囲で他の穀物粉、例えば、ライ麦粉、麩、ト
ウモロコシ粉、そば粉等を配合してもよい。
【0023】水不溶性カルシウムのパン用小麦粉に対す
る配合比は、パン用小麦粉の0.01〜5.0質量%で
あることが好ましく、より好ましくは0.05〜2.0
質量%、特に好ましくは0.1〜0.5質量%である。
0.01質量%を下回ると、ケービング防止効果が十分
でなく、その一方、5.0質量%を越えても効果が変わ
らないからである。なお、水不溶性カルシウムはその由
来によってカルシウム含量や組成が異なるが、上記範囲
の使用量で効果的にケービングを防止することができ
る。
【0024】また、本発明ではパン用小麦粉に水不溶性
カルシウムを添加することが必須であるが、パン用小麦
粉には更に製パンに当たって通常添加されるイースト、
イーストフード、ショートニングなどのほか、L−アス
コルビン酸などを添加することもできる。
【0025】また、本発明では、水不溶性カルシウムに
加えて、乳酸カルシウムの脂肪酸エステルを添加する
と、パンをふっくらと焼き上げることができ、食感を向
上させることができる。特に、水不溶性カルシウムによ
ってケービング防止が防止される場合には、パン体積が
減少する場合があるが、乳酸カルシウムの脂肪酸エステ
ルを添加するとこの体積減少を相殺し、結果としてケー
ビングを防止しつつ、ふっくらとしたパン体積の減少の
少ないパンを製造することができる。
【0026】このような乳酸カルシウムの脂肪酸エステ
ルとしては、ステアロイル乳酸カルシウム、パルミトイ
ル乳酸カルシウム、ミリストイル乳酸カルシウム等があ
り、特にステアロイル乳酸カルシウムを配合することが
好ましい。このようなステアロイル乳酸カルシウムとし
ては市販品を使用することもでき、(株)武蔵野化学研
究所製の商品名「ステアロイル乳酸カルシウム」などが
ある。乳酸カルシウムの脂肪酸エステルの配合量は、パ
ン用小麦粉の0.02〜1.0質量%であることが好ま
しく、より好ましくは0.05〜0.7質量%、特に好
ましくは0.1〜0.5質量%である。0.02質量%
を下回るとふっくらとならず、その一方1.0質量%を
越えても物性がかわらず風味が損なわれる場合があるか
らである。
【0027】本発明では、パン用小麦粉に水不溶性カル
シウムを配合した原料を混捏しパン生地を得て、次いで
これを焼成すればよく、原料の混合の仕方やイーストに
よる発酵や膨らし粉による海綿状形成方法、その後のパ
ン生地の焼成方法について従来公知の方法を実施するこ
とができる。従って、パン原料を使用してパンを製造す
るには、材料全部を混ぜてこね、発酵させて焼く直捏式
や、粉の一部とイーストとで生地を作り、発酵させてか
ら残りの原料を加え再び発酵させる中種式があるが、本
発明はそのいずれでもよい。
【0028】本発明では、食パンに限られず、コッペパ
ンやその他の菓子パンなどにおいても海綿状組織を安定
にすることができ、不均一に大きな気泡を発生させるこ
とが無いため、本発明を適用することができる。すなわ
ち、本発明によるパンの製造方法としては、パンの形状
を問わず、バターロール、クロワッサン等のようにパン
生地を特徴的な型に成形するが特定のパン型を使用しな
いものと、パン生地をワンローフ型やプルマン型などの
特定の型にいれて焼成する食パンなどの双方が含まれ
る。
【0029】本発明の第二は、パン用小麦粉に水不溶性
カルシウムを配合した原料を混捏してパン生地を得て、
該パン生地を食パン型に入れ、次いで焼成することを特
徴とする、食パンのケービング防止方法である。
【0030】パンを製造する際に、食パンなどのように
特定の型に入れて焼成した製品ではケービング現象が顕
著に現れるが、本発明によれば、パン用小麦粉に水不溶
性カルシウムを配合することによってパンのケービング
の発生を効果的に抑制できる。この効果は、特に食パン
の場合に顕著である。
【0031】食パン型としては、ワンローフ型、プルマ
ン型のいずれでもよい。いずれにしても効果的にケービ
ングを防止することができるからである。しかしなが
ら、ワンローフ型では、パン生地中で形成された気泡が
焼型の上部方向に向かって成長するのに対して、プルマ
ン型の場合には気泡は焼型の全側面に向かって成長する
ため、特にワンローフ型の場合にケービングが発生しや
すい。従って、本発明では、水不溶性カルシウムの添加
によってグルテンの粘着性や海綿状組織が安定するた
め、気泡の焼型の上部に成長するためケービングが発生
しやすいワンローフ型において、特に効果的にケービン
グを防止することができると考えられる。
【0032】水不溶性カルシウムの種類や添加量等は、
上記したのと同様である。
【0033】また、該ケービング防止方法において、水
不溶性カルシウムとともに乳酸カルシウムの脂肪酸エス
テルを含有することが好ましい。水不溶性カルシウムの
添加によって海綿状組織が安定するが、得られた食パン
のふっくさに欠ける場合がある。乳酸カルシウムの脂肪
酸エステルは、食パンを柔らかくさせる効果があり、か
つ水不溶性カルシウムによる海綿状組織の安定とあいま
って海綿状組織を柔軟にかつふっくらとさせるために、
食パン型から抜いた後でも食パンのケービングが効果的
に防止できるからである。乳酸カルシウムの脂肪酸エス
テルの種類や添加量などについても、上記したのと同様
である。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、本発明の内容は、以下の実施例に限られるも
のではない。
【0035】(実施例1)通常の70質量%中種法を基
準に吸水量を2質量%増加してパン生地を調製した。こ
のパン生地の組成を表1に示す。具体的には、パン用小
麦粉として日清製粉の強力粉、生イースト(旭フーズ株
式会社製、「45赤イースト」、製造後2週間以内のも
の)、Cフードとしてオリエンタル酵母工業株式会社
製、「オリエンタルCフード」、ステアロイル乳酸カル
シウム((株)武蔵野化学研究所製、商品名「CS
L」)、水不溶性カルシウム(キューピー株式会社製:
卵殻カルシウム、「水不溶性カルシウム」)を使用し、
表1に示す中種材料をカントー20コートミキサーを用
いて、運転条件Lowで3分、Mediumで2分捏ね
上げた。捏ね上げ温度は、24±0.2℃とした。次い
で、発酵ボックスでビニールがけして中種材料を発酵温
度27℃、4時間で発酵した。次いで、これに表1に示
す本捏材料を加えて、カントー20コートミキサーを用
いて、運転条件Lowで3分、Mediumで2分、H
ighで3.5分間捏ね上げた。捏ね上げ温度は、28
±0.4℃とした。次いで、24〜26℃で15分間の
ベンチタイムをおいた。尚、表1における質量%は、強
力粉全量を100質量%とした場合の各添加の質量%を
示す。また、「*」は、添加量が変化することを示す。
【0036】このパン生地をワンローフ型、プルマン型
にして、表2に示す条件、すなわち通常よりも焼成時間
を33%短縮させた条件でケービング発生傾向を加速さ
せ、同ケービング現象が問題となりやすいサンドイッチ
食パン用途に近い配合工程条件で製パンを行った。得ら
れたワンローフ型、プルマン型の食パンについてケービ
ング現象を測定した。結果を表3に示す。表3に示すよ
うに、ワンローフ型においては、水不溶性カルシウムと
して卵殻カルシウムを添加しないパンI(測定値A:7
3.7)に比較して、強力粉に対して水不溶性カルシウ
ムを0.25質量%添加したパンIIIおよびパンVは
測定値Aがそれぞれ77.0、77.8であって、ケー
ビングが減少した。測定値Bについても、同様の傾向が
見られた。また、水不溶性カルシウムを強力粉に対して
0.5質量%添加したパンIVおよびパンVIは、測定
値Aがそれぞれ79.4、80.4であって、ケービン
グがより減少した。このケービング防止効果は、添加量
に依存するものであった。
【0037】また、プルマン型においては、水不溶性カ
ルシウムを添加しないパンI(測定値C:100.7
5)に比較して、強力粉に対して水不溶性カルシウムを
0.25質量%添加したパンIIIおよびパンVは測定
値Cがそれぞれ105.75、106.25であって、
ケービングが減少した。測定値Dについても同様の傾向
が見られた。また、水不溶性カルシウムを強力粉に対し
て0.5質量%添加したパンIVおよびパンVIは、測
定値Cがそれぞれ106.25、107.25であっ
て、ケービングがより減少した。プルマン型において
も、このケービング防止効果は、添加量に依存するもの
であった。
【0038】なお、ケービング現象は、図1に示すケー
ビングについて測定した。具体的には、ワンローフ型食
パンの測定検体数は5とした。ワンローフの横段面を得
て、横切り中心断面のワンローフケース上幅に接する部
分の幅を測定幅Aとし、検体数5つの測定値から平均値
と基準偏差値を算出した。また、ワンローフの長手方向
に上部から下部方向に切断した断面を得て、該断面のワ
ンローフケースに沿った直線から最大窪み点までの深さ
を測定幅Bとし、その絶対値が小さいために5つの測定
値の最大値と最小値を除いた3つの測定値から平均値と
基準偏差値を求めた。また、プルマン型食パンの測定検
体数は4とした。プルマンの横段面を得て、横切り中心
断面の最大窪み点の幅を測定幅Cとし、検体数4つの測
定値から平均値と基準偏差値を算出した。また、プルマ
ンの長手方向に上部から下部方向に切断した断面を得
て、該断面のプルマン型に沿った直線から最大窪みまで
の深さを測定幅Dとし、4つの検体の左右2箇所の合計
8つの測定値個所の最大値と最小値を除いた6つの測定
値から、それぞれ平均値と標準偏差を求めた。
【0039】また、製パンの各工程におけるパン生地の
物性について、通常の製パンにおける経験を基準に、各
工程におけるベタつき感となめらかさを滑らかさと締ま
り感で評価し、これについてハンドリングによる観察を
行なった。観察結果は各工程ごとに、製パン工程中の各
パン生地(パンI、パンII、パンIII、パンIV、
パンV、パンVI)の感触を表現するのに慣用的に使わ
れる言葉を用いて表現した。結果を表4に示す。パン
I、パンII、パンIIIの総合的な物性は通常の製パ
ンにおけるパン生地と同じ傾向を示したが、パンIV、
パンV、パンVIはパン生地に締りがあり、海綿状組織
が安定に維持されることが判明した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】(実施例2)実施例1のパン生地方法と同
様にしてパン生地を調製した。このパン生地400gを
使用し、ワンローフ型に入れ、最終発酵における生地頂
点の高さをワンローフ型の高さいっぱいまで膨脹した直
後に焼成を行なった。通常の焼成直後の体積測定ではパ
ンの冷却レベルの違いによる体積収縮割合に差が生じや
すいため、焼成時間を通常より35%延長することによ
りパン体積の固定化(安定化)を行ない、焼成翌日に体
積を測定した。得られたパンの体積を菜種置換法によっ
て測定した。パン体積は検体数3つの測定値から平均値
と基準偏差を求めた。
【0045】また、ホイロ所要時間は、ワンローフ型と
プルマン型のそれぞれについて所定の容積まで膨張する
のにかかった時間を測定した。各パン生地(パンI、パ
ンII、パンIII、パンIV、パンV、パンVI)と
も1回の測定値である。結果を図2に示す。なお、図2
においてcontrolは、ステアロイル乳酸カルシウムおよ
び水不溶性カルシウムのいずれも含まないもの、CSL
はステアロイル乳酸カルシウム、calhopeは水不
溶性カルシウムを示す。従って、controlはパン
Iに、CSL0.3%はパンIIに、CSL0.3%+
calhope0.25%はパンIIIに、CSL0.
3%+calhope0.5%はパンIVに、calh
ope0.25%はパンVに、calhope0.5%
はパンVIに該当する。
【0046】図2に示すとおり、添加物のないパンI
と、水不溶性カルシウムを0.25質量%、または0.
5質量%添加したパンIII〜パンVIとを比較する
と、パンIII〜パンVIではパンの体積が減少してい
ることから、パン生地のグルテンによる粘着力がパンI
II〜パンVIで特に増加していることが判明した。ま
た、このことは、ホイロ所要時間が水不溶性カルシウム
の増加に従って長くなることからも裏付けられた。
【0047】その一方、水不溶性カルシウムを添加せ
ず、ステアロイル乳酸カルシウム0.3質量%のみを添
加したパンIIでは、パン体積が対照のパンIと比較し
て大きくなっており、ステアロイル乳酸カルシウムによ
ってパンの膨らみが増強されることが判明した。また、
ステアロイル乳酸カルシウム0.3質量%と水不溶性カ
ルシウム0.25質量%とを添加したパンIIIでは、
パン体積の低減が少なかった。この結果をケービング防
止効果と重ねると、ステアロイル乳酸カルシウム0.3
質量%と水不溶性カルシウム0.25質量%との添加に
よってパンの膨らみを維持したままケービングが効果的
に予防できることが判明した。
【0048】(実施例3)表5の組成で示すパン生地を
調製し、得られたパン生地のガス発生量の測定を行なっ
た。具体的には、パン用小麦粉として日清製粉の強力
粉、生イースト(旭フーズ株式会社製、「45赤イース
ト」、製造後2週間以内のもの)、Cフードとしてオリ
エンタル酵母工業株式会社製、「オリエンタルCフー
ド」、ステアロイル乳酸カルシウム((株)武蔵野化学
研究所製、商品名「CSL」)、水不溶性カルシウム
(キューピー株式会社製:卵殻カルシウム、「水不溶性
カルシウム」)を使用した。まず、食塩40.0g、上
白糖120.0g、脱脂粉乳40.0gを加えて500
mlの水溶液(塩糖粉乳希釈液))を得た。同様に、生
イースト40.0gを水に溶かして250mlの水溶液
を得た。また、Cフード2gは、これを精秤し、強力粉
8gと(粉/粉)混合し希釈したものを1gの強力粉と
置換添加した。まず、水の使用量として、上記食塩、上
白糖、脱脂粉乳、生イーストの添加時に配合した水の量
を考量し、最終的に強力粉100質量部に対して70質
量部となるように65mlの水を用いた。ミキサーに水
65mlを加え、次いで、塩糖粉乳希釈液50ml、イ
ースト希釈液25mlの順に添加し、次いでCフード希
釈粉体1g、最後に強力粉199gを添加した。ミキシ
ングは、ピンミキサーによって3分間行い、捏ね上げ温
度を28.5±0.2℃とした。また、発酵はタイテッ
ク製サームミンダー温調ウォーターバスによって38℃
とし、20±0.1gに分割して試料とした。このパン
生地について300分間に亘り、ガス発生量を測定し
た。なお、表5における質量%は、強力粉に対する質量
%で表示し、*は、その割合が変動することを示す。
【0049】ガス発生量の測定は、ATTO社製ファー
モグラフを用いた。各パン生地(パンVII、パンVI
II、パンIX、パンX、パンXI、パンXII)のガ
ス発生量を経時的に測定した。その結果を図3〜8に示
す。なお、図3〜8においてcontrolは、ステア
ロイル乳酸カルシウムおよび水不溶性カルシウムのいず
れも含まないもの、CSLはステアロイル乳酸カルシウ
ム、calhopeは水不溶性カルシウムを示す。従っ
て、controlはパンVIIに、CSL0.3%は
パンVIIIに、CSL0.3%+calhope0.
25%はパンIXに、CSL0.3%+calhope
0.5%はパンXに、calhope0.25%はパン
XIに、calhope0.5%はパンXIIに該当す
る。
【0050】図3〜6に示すように、パン生地によって
ガス発生に差が認められた。各パン生地のガス発生量の
経時変化を図3に示す。
【0051】図4に、controlすなわちパンVI
Iと、CSL(ステアロイル乳酸カルシウム)0.3質
量%、すなわちパンVIIIのガス発生の経時的変化を
示すが、ガス発生量に変化は少ない。
【0052】一方、図5、6に示すように、水不溶性カ
ルシウムを添加すると発酵の後半で容量依存的にガス発
生量が低下する傾向が認められた。その傾向は、ホイロ
所要時間の測定で得られた傾向と相関する結果が得られ
た。
【0053】また、図7に示すように、発生ガス量の全
量で比較結果は、図2のホイロ所要時間の結果と一致し
た。このことから、パン体積の減少は、発生ガス量の低
下によることがより明確になった。
【0054】図9では、発生ガス量を前半、後半に分け
たが、特に水不溶性カルシウムを添加したパン生地で
は、後半のガス発生量の減少が顕著であった。
【0055】
【表5】
【0056】(実施例4)表6に示す組成を使用した以
外は実施例1と同様にして、パン生地を調製した。得ら
れたパン生地をワンローフ型、プルマン型にして、表7
に示す条件で焼成し、実施例1と同様の基準でケービン
グ現象を測定した。結果を表8に示す。尚、表6におけ
る質量%は、強力粉全量を100質量%とした場合の各
添加の質量%を示す。また、*はその数値が変動するこ
とを示す。なお、表6におけるWPC−CAは、乳カル
シウム高含有調整粉乳である。
【0057】表8に示すように、ワンローフ型において
は、水不溶性カルシウムとして卵殻カルシウムを添加し
ないパンXIII(測定値A:71.8)に比較して、
強力粉に対して水不溶性カルシウムを0.1質量%添加
したパンXV、水不溶性カルシウムを0.175質量%
添加したパンXVI、水不溶性カルシウムを0.25質
量%添加したパンXVIIは測定値Aがそれぞれ74.
6、75.4、78.0であって、ケービングが添加量
に依存して減少した。同様の傾向は、測定値Bについて
も同じであった。また、水不溶性カルシウムを強力粉に
対して添加せず、ステアロイル乳酸カルシウムのみ0.
3質量%と乳カルシウム高含有調整粉乳とを添加したパ
ンXVIIIは、測定値Aが76.6であって、ケービ
ングの低減は水不溶性カルシウム0.175質量%と
0.25質量%添加例の中間であった。
【0058】また、プルマン型においては、パンXII
I(測定値C:97.25)に比較して、強力粉に対し
て水不溶性カルシウムを0.1質量%添加したパンX
V、水不溶性カルシウムを0.175質量%添加したパ
ンXVI、水不溶性カルシウムを0.25質量%添加し
たパンXVIIは測定値Cがそれぞれ102.25、1
01.50、101.25であって、対照と比較してケ
ービングが減少した。同様の傾向は、測定値Dについて
も同じであった。また、水不溶性カルシウムを強力粉に
対して添加せず、ステアロイル乳酸カルシウムのみ0.
3質量%添加したパンXVIIIは、測定値Aが76.
6であって、ケービングの低減は水不溶性カルシウム
0.175質量%と0.25質量%添加例の中間であっ
た。
【0059】また、製パンの各工程におけるパン生地の
物性について、実施例1と同様にして評価した。結果を
表9に示す。
【0060】パンXIII、パンXIV、パンXV、パ
ンXVI、パンXVIIIの総合的な物性は通常の製パ
ンにおけるパン生地と同じ傾向を示し、パン生地に締り
があり、海綿状組織が安定に維持されることが判明し
た。
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】
【表8】
【0064】
【表9】
【0065】(実施例5)実施例4のパン生地の調製方
法と同様にしてパン生地を調製した。このパン生地40
0gを使用し、実施例2と同様にして、パン体積とホイ
ロ所要時間を測定した。結果を図9に示す。なお、図9
においてcontrolは、ステアロイル乳酸カルシウムおよ
び水不溶性カルシウムのいずれも含まないもの、CSL
はステアロイル乳酸カルシウム、calhopeは水不
溶性カルシウムを、WPC−CAは乳カルシウム高含有
調整粉乳を示す。従って、controlはパンXII
Iに、CSL0.3%はパンXIVに、CSL0.3%
+calhope0.1%はパンXVに、CSL0.3
%+calhope0.125%はパンXVIに、CS
L0.3%+calhope0.25%はパンXVII
に、CSL0.3%+WPC−CA2%はパンXVII
Iに該当する。
【0066】図9に示すとおり、水不溶性カルシウムを
添加せず、ステアロイル乳酸カルシウム0.3質量%の
みを添加したパンXIVでは、パン体積が対照のパンX
IIIと比較して大きくなっており、ステアロイル乳酸
カルシウムによってパンの膨らみが増強されることが判
明した。
【0067】また、添加物のないパンXIIIと、ステ
アロイル乳酸カルシウム0.3質量%に、更に水不溶性
カルシウムを0.1質量%〜0.25質量%添加したパ
ンXV、パンXVI、パンXVIIとを比較すると、パ
ンXV〜パンXVIIではパンの体積量にさほどの変化
が無いことが判明した。これは、ステアロイル乳酸カル
シウムによるパンをふっくらさせる効果によるものと考
えられる。また、この結果と同様の傾向がホイロ所要時
間にもあらわれた。
【0068】また、ステアロイル乳酸カルシウム0.3
質量%と乳カルシウム高含有調整粉乳とを添加したパン
XVIIIでは、パン体積の低減が少なかった。この結
果をケービング防止効果と重ねると、ステアロイル乳酸
カルシウム0.3質量%と水不溶性カルシウム0.25
質量%との添加によってパンの膨らみを維持したままケ
ービングが効果的に予防できることが判明した。
【0069】(実施例6)表10の組成で示すパン生地
を調製し、実施例3と同様にして得られたパン生地のガ
ス発生量の測定を行なった。なお、表10におけるWP
C−CAは、乳カルシウム高含有調整粉乳である。その
結果を図10〜12に示す。なお、図10〜12におい
てcontrolは、ステアロイル乳酸カルシウムおよ
び水不溶性カルシウムのいずれも含まないもの、CSL
はステアロイル乳酸カルシウム、calhopeは水不
溶性カルシウムを示す。従って、controlはパン
XIXに、CSL0.3%はパンXXに、CSL0.3
%+calhope0.1%はパンXXIに、CSL
0.3%+calhope0.175%はパンXXII
に、CSL0.3%+calhope0.25%はパン
XXIIIに、CSL0.3%+WPC−CA2%はパ
ンXXIVに該当する。
【0070】図10〜12に示すように、パン生地によ
るガス発生は、パン生地によって差が認められた。各パ
ン生地のガス発生量の経時変化を図10に示す。
【0071】図11の結果は、図4と同様にCSL(ス
テアロイル乳酸カルシウム)0.3質量%の添加では、
ガス発生量の変化が少ないことを示す。また、カルシウ
ムを含有する乳カルシウム高含有調整粉を添加した場合
にも、ガス発生量の変化が少ない。このことは、単にカ
ルシウムがガス発生量を変化させるもので無いことをし
めすものである。
【0072】図12は、図5と同様にCSL(ステアロ
イル乳酸カルシウム)と水不溶性カルシウムとの併用例
であるが、水不溶性カルシウムの配合量が減少するとガ
ス発生量の低下が少ないことが明確に示されている。
【0073】
【表10】
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、パン用小麦粉に水不溶
性カルシウムを添加するだけで、ケービングを効果的に
防止することができる。この際、ステアロイル乳酸カル
シウムを添加すると、パンのふっくら感を維持したま
ま、ケービングを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、食パンのケービング現象の測定個所を示す
図である。
【図2】は、実施例2で得た食パンの製パン体積と所要
ホイロ時間との関係を示す図である。パン体積は、棒グ
ラフはワンローフ型の体積を示し、折れ線は、それぞれ
ワンローフ型とプルマン型のホイロ所要時間を示す。
【図3】は、実施例3で調製したパン生地、パンVII
(黒丸)、VIII(白三角)、IX(白丸)、X(白
四角)、XI(白菱形)、XII(黒三角)のガス発生
量の経時変化を示す図である。
【図4】は、実施例3で調製したパン生地の、対照(パ
ンVII:黒丸)とステアロイル乳酸カルシウムを0.
3質量%添加した場合(パンVIII:白三角)のガス
発生量の経時変化を示す図である。
【図5】は、実施例3で調製したパン生地の、対照(パ
ンVII:黒丸)、ステアロイル乳酸カルシウムを0.
3質量%と水不溶性カルシウム0.25質量%とを添加
した場合(パンIX:白丸)、およびステアロイル乳酸
カルシウムを0.3質量%と水不溶性カルシウム0.5
質量%とを添加した場合(パンX:白四角)のガス発生
量の経時変化を示す図である。
【図6】は、実施例3で調製したパン生地の、対照(パ
ンVII:黒丸)、水不溶性カルシウムを0.25質量
%添加した場合(パンXI:白菱形)、および水不溶性
カルシウム0.5質量%とを添加した場合(パンXI
I:黒三角)のガス発生量の経時変化を示す図である。
【図7】は、実施例3で調製したパン生地を用いて、パ
ンVII、パンVIII、パンIX、パンX、パンX
I、パンXIIにおける240分間に発生したガスの発
生量を示グラフである。
【図8】は、実施例3で調製したパン生地を用いて、パ
ンVII、パンVIII、パンIX、パンX、パンX
I、パンXIIにおける発酵前半(最初の120分間)
と発酵後半(その後の120分間)に発生したガスの発
生量を示すグラフである。
【図9】は、実施例5で得た食パンの製パン体積と所要
ホイロ時間との関係を示す図である。パン体積は、棒グ
ラフはワンローフ型の体積を示し、折れ線は、それぞれ
ワンローフ型とプルマン型のホイロ所要時間を示す。
【図10】は、実施例6で調製したパン生地、パンXI
X(黒丸)、XX(白丸)、XXI(黒三角)、XXI
I(白四角)、XXIII(白菱形)、XXIV(白三
角)のガス発生量の経時変化を示す図である。
【図11】は、実施例6で調製したパン生地の、対照
(パンXIX:黒丸)、ステアロイル乳酸カルシウムを
0.3質量%添加した場合(パンXX:白丸)と、ステ
アロイル乳酸カルシウム0.3質量%と乳カルシウム高
含有調整粉乳2質量%を添加した場合(パンXXIV:
白三角)がガス発生量の経時変化を示す図である。
【図12】は、実施例6で調製したパン生地の、対照
(パンXIX:黒丸)、ステアロイル乳酸カルシウムを
0.3質量%と水不溶性カルシウム0.1質量%とを添
加した場合(パンXXI:白丸)、およびステアロイル
乳酸カルシウムを0.3質量%と水不溶性カルシウム
0.175質量%とを添加した場合(パンXXII:白
四角)およびステアロイル乳酸カルシウムを0.3質量
%と水不溶性カルシウム0.25質量%とを添加した場
合(パンXXIII:白菱形)のガス発生量の経時変化
を示す図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パン用小麦粉に水不溶性カルシウムを配
    合した原料を混捏しパン生地を得て、次いでこれを焼成
    することを特徴とする、パンの製造方法。
  2. 【請求項2】 該水不溶性カルシウムが、卵殻、貝殻、
    獣骨、魚骨、ウニ殻、珊瑚、乳清から得たカルシウム製
    剤および炭酸カルシウムからなる群から選ばれた1種以
    上である、請求項1記載のパンの製造方法。
  3. 【請求項3】 該水不溶性カルシウムが、未焼成カルシ
    ウムである請求項2記載のパンの製造方法。
  4. 【請求項4】 該水不溶性カルシウムの配合量が、パン
    用小麦粉の0.01〜5.0質量%であることを特徴と
    する、請求項1〜3のいずれかに記載のパンの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 該パン生地を食パン型に入れ、次いで焼
    成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記
    載のパンの製造方法。
  6. 【請求項6】 パン用小麦粉に水不溶性カルシウムを配
    合した原料を混捏してパン生地を得て、該パン生地を食
    パン型に入れ、次いで焼成することを特徴とする、食パ
    ンのケービング防止方法。
  7. 【請求項7】 該パン用小麦粉が、水不溶性カルシウム
    とともに乳酸カルシウムの脂肪酸エステルを含有するこ
    とを特徴とする、請求項6記載の食パンのケービング防
    止方法。
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