以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
<第1実施形態>まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る薬品払出装置100の概略構成について説明する。
図1及び図2に示すように、前記薬品払出装置100は、処方制御ユニット1、錠剤供給ユニット2、散薬供給ユニット3、手撒きユニット4、分包ユニット5、分包制御ユニット6、薬品撮影装置7、及びバーコードリーダー8などを備えている。本実施の形態では、前記薬品払出装置100が備える構成要素の一部である前記処方制御ユニット1及び前記薬品撮影装置7が本発明に係る薬品形状測定装置を構成する場合を例に挙げて説明する。一方、前記薬品撮影装置7と後述の薬品形状測定処理を実行する制御装置とを備える薬品形状測定装置が前記薬品払出装置100に接続されることも他の実施形態として考えられる。
前記処方制御ユニット1、前記錠剤供給ユニット2、前記散薬供給ユニット3、前記手撒きユニット4、前記分包ユニット5、及び前記分包制御ユニット6は内部バスN1によって接続されている。また、前記薬品撮影装置7は、USBケーブル、RS232Cケーブル、又はLANケーブルなどのケーブルN2を介して前記処方制御ユニット1に通信可能に接続される。さらに、前記処方制御ユニット1及び前記バーコードリーダー8は、無線LAN又はBluetooth(登録商標)などの通信規格に従って無線通信可能である。そして、前記薬品払出装置100は、前記処方制御ユニット1及び前記分包制御ユニット6によって制御され、前記錠剤供給ユニット2、前記散薬供給ユニット3、及び前記手撒きユニット4から供給される錠剤及び散薬を服用時期などの分包単位で前記分包ユニット5により分包して払い出す。
[錠剤供給ユニット2]前記錠剤供給ユニット2は、予め定められた特定種類の錠剤を1錠(単位量)ごとに払出可能な複数の固定カセット21と、駆動条件の変更により任意の種類の錠剤を1錠(単位量)ごとに払出可能な複数の可変カセット22(薬品カセットの一例)とを備える。
具体的に、図1に示す例では、前記固定カセット21が縦6×横9の合計54台設けられ、前記可変カセット22が縦1×横4の合計4台設けられている。なお、前記固定カセット21及び前記可変カセット22により払出可能な前記錠剤には、円盤状、球状、又はカプセル状などの各種形態の固形薬品が含まれる。なお、前記錠剤供給ユニット2が、前記固定カセット21を有さず、複数の前記可変カセット22のみを有することも他の実施形態として考えられる。
前記固定カセット21各々は、前記錠剤供給ユニット2に設けられた装着部211各々に着脱可能に構成されている。前記装着部211各々は、前記固定カセット21を個別に駆動させる第1駆動部23を備えている。前記第1駆動部23各々は、駆動モーター231及びRFIDリーダライタ232を備える。前記駆動モーター231は、前記固定カセット21の駆動機構に駆動力を供給する。前記RFIDリーダライタ232は、前記固定カセット21に設けられたRFIDタグ(不図示)に対してRFID(RadioFrequencyIdentification)の無線通信技術を利用して情報を読み書きする情報読取手段である。
なお、前記RFIDタグ(不図示)及び前記RFIDリーダライタ232の設置箇所は、前記固定カセット21が前記装着部211に装着された状態で前記RFIDリーダライタ232による前記RFIDタグ(不図示)の情報の読み書きが可能な範囲で相対的に定められていればよい。
前記RFIDタグ(不図示)は、前記固定カセット21各々を識別するためのカセット識別情報などが記憶される不揮発性の記録媒体であり、前記カセット識別情報は前記薬品払出装置100の初期設定などにおいて前記処方制御ユニット1により書き込まれる。
前記可変カセット22各々は、前記錠剤供給ユニット2に設けられた装着部221各々に着脱可能に構成されている。なお、前記可変カセット22各々が前記装着部221に対して引き出し可能な構成も他の実施形態として考えられる。前記装着部221各々は、前記可変カセット22を個別に駆動させる第2駆動部24を備えている。
前記第2駆動部24各々は、駆動モーター241〜244及びRFIDリーダライタ245を備える。前記駆動モーター241〜244は、前記可変カセット22の駆動機構に駆動力を供給する。前記RFIDリーダライタ245は、前記可変カセット22に設けられたRFIDタグ26(図6参照)に対してRFIDの無線通信技術を利用して情報を読み書きする情報読取手段である。
なお、前記RFIDタグ26及び前記RFIDリーダライタ245の設置箇所は、前記可変カセット22が前記装着部221に装着された状態で前記RFIDリーダライタ245による前記RFIDタグ26の情報の読み書きが可能な範囲で相対的に定められていればよい。
前記RFIDタグ26は、前記可変カセット22各々を識別するためのカセット識別情報、及び後述の薬品払出処理(図11参照)において前記可変カセット22に割り当てられた薬品情報などが記録される不揮発性の記録媒体である。
前記薬品情報は、錠剤(薬品)の種類を識別可能な情報であって、例えば薬品名、薬ID、薬品コード、JANコード、RSSコード、QRコード(登録商標)などである。なお、前記JANコード及び前記RSSコードは、一次元コード(バーコード、GS1コード)で表現される数値又は文字の情報であり、前記QRコード(登録商標)は、二次元コードで示される数値又は文字の情報である。
ところで、前記可変カセット22の数と前記装着部221の数とは一致していなくてもよい。例えば、ユーザーが、前記装着部221の数よりも多い数の前記可変カセット22から任意の前記可変カセット22を選択して前記装着部221に装着可能であることが考えられる。特に、一つの前記装着部221ごとに対応して装着可能な複数の前記可変カセット22を備える構成が考えられる。この点は、前記固定カセット21及び前記装着部211についても同様である。
[固定カセット21]ここで、図3を参照しつつ、前記固定カセット21の一例について説明する。なお、ここで説明する前記固定カセット21の構造は一例に過ぎず、同様の機能を有するものであれば他の構造であってもよい。なお、図3は、前記固定カセット21の上部を覆うカバー部材を省略した図である。
前記固定カセット21各々では、収容される錠剤の種類が予め定められているため、例えば前記固定カセット21各々の前面には、前記固定カセット21に収容される錠剤の薬品情報が予め記載されている。
図3に示すように、前記固定カセット21は、多数の錠剤が収容される錠剤収容部212、及び剤前記錠剤収容部212に収容された錠剤を個別に排出する錠剤排出部213を備えている。前記錠排出部213は、前記錠剤収容部212の略中央部に形成された凹部に設けられており、前記錠剤収容部212内の錠剤は前記錠剤排出部213に向けて順次下降する。
前記錠剤排出部213は、前記固定カセット21の筐体で回転可能に支持されたローター214と、前記ローター214の外周を覆う内壁214Aとを備えている。前記ローター214は、前記固定カセット21が前記装着部211に装着されたときに、各種のギアなどの駆動伝達系(不図示)を介して前記第1駆動部23の前記駆動モーター231に連結される。また、前記ローター214の外周面には、予め定められた配置間隔でリブ215及びリブ216が形成されている。これにより、前記ローター214の外周には、前記リブ215、前記リブ216、及び前記内壁214Aによって囲まれた間隙217が間欠的に形成されている。前記間隙217の幅は、前記固定カセット21に収容される錠剤として予め定められた錠剤の種類に応じて定められており、前記錠剤の1錠分の幅に相当する。
また
、前記リブ215及び前記リブ216の間には前記ローター214の外周面全体に亘る間隙218が形成されている。ここで、前記リブ215及び前記リブ216各々の上端の高さは、前記固定カセット21に収容される錠剤として予め定められた錠剤の種類に応じて定められている。具体的に、図3に示す前記リブ215の上端の高さは前記錠剤の3錠分の高さに相当するものであり、前記ローター213の前記間隙217各々には前記錠剤が3錠ずつ挿入される。また、前記リブ216の上端の高さは、前記錠剤の1錠分の高さに相当する。
一方、前記内壁214Aには、前記ローター214から錠剤を排出するための排出口219が形成されており、前記排出口219には前記間隙218に挿入される仕切板220が設けられている。これにより、前記排出口219では、前記間隙217に挿入されている3錠の錠剤のうち、上の2錠は前記仕切板220によって落下が規制され、下の1錠のみが排出される。従って、前記固定カセット21では、前記駆動モーター231によって前記ローター214が駆動されることにより、前記錠剤収容部212に収容された錠剤が1錠単位で払い出される。
[可変カセット22]次に、図4〜図7を参照しつつ、前記可変カセット22の一例について説明する。なお、ここで説明する前記可変カセット22の構造は一例に過ぎず、任意の錠剤を1錠ずつ払い出すことが可能なものであれば他の構造であってもよい。例えば、特表2010−535683号公報又は特開2010−115493号公報には、前記可変カセット22の他の例が開示されている。
図4〜図6に示すように、前記可変カセット22は、多数の錠剤が収容される錠剤収容部222と、前記錠剤収容部222から錠剤を払い出す第1回転体223及び第2回転体224とを備えている。なお、図4〜図6は、前記可変カセット22の上部を覆うカバー部材を省略した図である。また、前記可変カセット22は、予め定められた単位量ごとに錠剤を払い出すことが可能であればよく、例えば1錠単位ではなく複数錠ごとの払い出しが可能な構成であってもよい。
前記第1回転体223は、前記錠剤収容部222の底面を構成する円盤状の部材である。前記第1回転体223の回転軸は鉛直方向に対して予め定められた所定角度だけ傾斜しており、前記第1回転体223の上面が水平面に対して前記所定角度だけ傾斜している。また、前記第1回転体223の上面には放射状のリブ223Aが所定間隔ごとに形成されている。そして、前記第1回転体223は、前記可変カセット22の筐体によって回転可能に支持されており、図5及び図6に示す駆動ギア223Bに連結されている。
前記第2回転体224は、平面視で前記第1回転体223の周囲に配置された中空環状の部材であって、前記錠剤収容部222の錠剤を払出口225に搬送して前記払出口225から払い出す搬送部材の一例である。また、前記第1回転体223の上端部は、前記第2回転体224と同一水平面上に位置している。そして、前記第2回転体224は、前記可変カセット22の筐体によって回転可能に支持されており、図6に示す駆動ギア224Aが外周面に形成されている。
一方、図7に示すように、前記装着部221は、前記可変カセット22が装着されたときに前記第1回転体223の前記駆動ギア223Bに連結される駆動ギア221A、及び前記第2回転体224の前記駆動ギア224Aに連結される駆動ギア221Bを備える。前記駆動ギア221Aは、前記第2駆動部24の前記駆動モーター241に連結されており、前記駆動ギア221Bは、前記第2駆動部24の前記駆動モーター242に連結されている。
さらに、図4及び図5に示すように、前記可変カセット22は、前記第2回転体224により前記排出口225まで搬送される前記錠剤の払出経路上に配置された高さ規制部材226及び幅規制部材227を備えている。
前記高さ規制部材226は、前記第2回転体224により前記排出口225まで搬送可能な錠剤の高さ方向のサイズを規制し、前記幅規制部材227は、前記第2回転体224により前記排出口225まで搬送可能な錠剤の幅方向のサイズを規制する。これにより、前記可変カセット22では、前記第2回転体224に載置された錠剤のうち前記高さ規制部材226により規制される高さh1及び前記幅規制部材227により規制される幅w1に収まる錠剤のみが前記排出口225から払い出される。従って、前記可変カセット22では、前記高さh1及び前記幅w1が前記錠剤収容部222に収容される錠剤の1錠分の高さ及び幅以上であって少なくとも2錠分の高さ及び幅より小さい場合に、その錠剤を1錠単位で払い出すことが可能である。
そして、前記可変カセット22は、前記高さ規制部材226により規制される前記高さh1を変更するための高さ調整部226Aと、前記幅規制部材227により規制される前記幅w1を変更するための幅調整部227Aとを備えている。ここに、前記高さ調整部226A及び前記幅調整部227Aが経路調整手段の一例である。前記幅調整部227Aの外周面には、前記幅規制部材227に形成された長穴227Bの内周面に形成されたラック(ギア)に噛合されたピニオンギアが形成されている。
前記高さ調整部226Aは、前記可変カセット22の筐体によって回転可能に支持されており、図6に示す駆動ギア226Bに連結されている。前記高さ調整部226Aは、回転駆動されることにより前記高さ規制部材226の下端部の位置を上下に移動させ、前記高さ規制部材226により規制される前記高さh1を変更する。
前記幅調整部227Aは、前記可変カセット22の筐体によって回転可能に支持されており、図6に示す駆動ギア227Cに連結されている。前記幅調整部227Aは、回転駆動されることにより前記幅規制部材227の前記錠剤収容部222側への突出量を変更し、前記幅規制部材227により規制される前記幅w1を変更する。具体的に、前記幅規制部材227の前記錠剤収容部222側への突出量は、前記幅調整部227Aの回転により前記幅調整部227A及び前記長穴227B各々が矢印R3方向(図4参照)に相対的に移動することによって変更される。
一方、図7に示すように、前記装着部221は、前記可変カセット22が装着されたときに前記駆動ギア226Bに連結される駆動ギア221C、及び前記駆動ギア227Cに連結される駆動ギア221Dを備えている。前記駆動ギア221Cは、前記第2駆動部24の前記駆動モーター243に連結されており、前記駆動ギア221Dは、前記第2駆動部24の前記駆動モーター244に連結されている。
なお、図6及び図7に示すように、前記可変カセット22及び前記装着部221は、前記可変カセット22が前記装着部221に装着されたときに連結される駆動ギア228A及び駆動ギア228Bを備えている。前記駆動ギア228Aは、前記第1回転体223を上下方向に昇降させる不図示の昇降機構に連結されており、前記駆動ギア228Bは不図示の駆動モーターに連結されている。これにより、前記駆動モーターが駆動されると、前記駆動ギア228Bから前記駆動ギア228Aに駆動力が伝達され、前記昇降機構により前記第1回転体223が昇降可能である。従って、前記薬品払出装置100では、前記第1回転体223を昇降させることにより、前記錠剤収容部222内の容積を変更することが可能であり、前記錠剤収容部222内に収容可能な錠剤数を任意に調整することが可能である。そのため、前記可変カセット22は、収容される錠剤数が少ない用途、及び収容される錠剤数が多い用途の両方で使用可能である。
そして、前記可変カセット22では、前記第1回転体223が回転方向R1(図4及び図5参照)に回転されると、前記錠剤収容部222の錠剤が前記第1回転体223から前記第2回転体224に排出される。また、前記可変カセット22では、前記第2回転体224が回転方向R2(図4及び図5参照)に回転されると、前記第2回転体224上の錠剤が前記排出口225に向けて搬送される。ここに、前記第2回転体224が搬送手段の一例である。
但し、前記第2回転体224により搬送される錠剤のうち高さ方向に積み重なった錠剤は前記高さ規制部材226に接触して前記錠剤収容部222に戻される。また、前記第2回転体224により搬送される錠剤のうち幅方向に並んで搬送されている錠剤は前記幅規制部材227に接触して前記錠剤収容部222に戻される。
これにより、前記可変カセット22では、前記高さ規制部226により規制される前記高さh1及び前記幅規制部材227により規制される前記幅w1に対応するサイズの錠剤は、前記第2回転体224上の周方向に1錠ずつ並んだ状態で前記排出口225まで搬送される。そのため、前記可変カセット22では、前記錠剤収容部222に収容された錠剤を1錠単位で払い出すことが可能であり、前記錠剤の払出量を制御することが可能である。
このように、前記可変カセット22を用いれば、前記高さ規制部材226により規制される前記高さh1及び前記幅規制部材227により規制される前記幅w1が変更可能であるため、任意の種類の錠剤を1錠単位で払い出すことが可能である。
また、前記可変カセット22各々には、図1及び図4に示すように、表示内容が変更可能な表示部25が設けられている。ここに、前記表示部25は、通電により表示内容が書き込まれると、その後は無通電状態でも前記表示内容の表示が維持される電子ペーパーである。
具体的に、前記可変カセット22及び前記装着部221各々には前記可変カセット22が前記装着部221に装着されたときに接続される接点式のコネクタ(不図示)が設けられている。ここで、前記可変カセット22側の前記コネクタには前記表示部25が接続されており、前記装着部221側の前記コネクタには前記処方制御ユニット1が接続されている。そして、前記可変カセット22が前記装着部221に装着されると、前記表示部25及び前記処方制御ユニット1が前記コネクタによって電気的に接続される。これにより、前記処方制御ユニット1は、前記表示部25各々の表示を変更することが可能になる。なお、前記表示部25は、電子ペーパーに限らず、液晶ディスプレイ等の他の表示手段であってもよい。また、前記表示部25は、前記可変カセット22各々に対応して前記可変カセット22が装着される前記装着部221に設けられることも考えられる。
さらに、前記可変カセット22各々には、図6に示すように、各種の情報を記憶するRFIDタグ26が内蔵されている。前記RFIDタグ26は、前記RFIDリーダライタ245により記憶情報の書き換えが可能な不揮発性の記録媒体であって、前述したように前記可変カセット22各々のカセット識別情報、及び前記可変カセット22各々に割り当てられた前記薬品情報などの記憶に用いられる。前記RFIDタグ26は、前記可変カセット22各々に設けられる制御基板に搭載されたものであり、前記制御基板は前記処方制御ユニット1からの制御信号に従って前記可変カセット22の前記表示部25の表示を変更する機能も有している。なお、前記制御基板には、前記コネクタを介して供給される電力、前記制御基板に搭載された電池などの蓄電部から供給される電力、又は前記RFIDタグ26への情報の書き込み時に供給される電力により駆動する電気回路が搭載されている。また、前記可変カセット22各々が、前記RFIDタグ26に代えて、前記処方制御ユニット1が前記コネクタを介して情報を読み書きすることのできるEEPROM等の他の記録媒体を有することも他の実施形態として考えられる。
[散薬供給ユニット3]図1に示すように、前記散薬供給ユニット3は、二つの投入部31、32を備えており、前記投入部31、32各々に投入された散薬を、前記処方制御ユニット1により予め設定される服用時期などの分包単
位で前記分包ユニット5に供給する。
具体的に、前記散薬供給ユニット3は、前記投入部31に投入された散薬を円盤上に均等に展開して前記分包単位に相当する所定角度ごとに掻き出す払出部、及び前記投入部32に投入された散薬を円盤上に均等に展開して前記分包単位に相当する所定角度ごとに掻き出す払出部の二組の払出部を備えている。なお、前記散薬供給ユニット3に投入される散薬は、患者に処方する処方薬の総量として予め秤量装置を用いて計量されたものである。
[手撒きユニット4]前記手撒きユニット4は、予め設定された服用時期などの分包単位で錠剤が投入されるマスが複数設けられた手撒き収容部と、前記マス各々に収容された前記錠剤を前記マスごとに前記分包ユニット5に払い出す手撒き払出部とを備える。前記手撒き収容部では、複数の前記マスがマトリクス状に配置されている。前記手撒き払出部は、例えば前記手撒き収容部の前記マスの底面を個別に開閉することにより前記マスに収容された錠剤を払い出すことが可能な構成が考えられる。前記薬品払出装置100において、前記手撒きユニット4は、例えば1錠より小さい半錠などの錠剤を払い出すために用いられるものであり、従来周知であるためここでは説明を省略する。なお、従来、前記手撒きユニット4は、前記固定カセット21に予め収容されていない任意の錠剤を払い出す際にも用いられていたが、前記薬品払出装置100では、任意の錠剤は前記可変カセット22を利用して払い出すことが可能である。もちろん、前記固定カセット21に収容されていない任意の錠剤の払い出しに前記手撒きユニット4を用いることも可能である。
[分包ユニット5]前記分包ユニット5は、前記錠剤供給ユニット2、前記散薬供給ユニット3、及び前記手撒きユニット4から供給された薬品を服用時期などの分包単位で一つの分包紙に収容する。例えば、前記分包ユニット5は、透明又は半透明のロール状の薬包シートにより前記分包単位で薬品を包装して溶着等により封止する。これにより、前記分包単位で薬品が収容された前記薬包シートが前記分包ユニット5から排出される。
ここに、図8は、前記分包ユニット5から排出される薬包シート51の一例を示す図である。図8に示すように、前記薬包シート51には、前記分包単位で複数の錠剤が包装された複数の分包紙52が連続して形成されており、前記分包紙52各々の間には前記分包紙52各々を容易に切り離すための切り取り点線52A(ミシン目)が形成されている。なお、処方データに散薬が含まれている場合には、前記分包ユニット5において、前記散薬供給ユニット3から供給された散薬を前記分包紙52に合包することも可能である。また、前記分包ユニット5には、前記分包紙52各々に情報を印刷する印刷部(不図示)が設けられており、前記分包紙52各々の表面には、前記印刷部(不図示)によって患者の氏名、服用時期、処方薬、又は処方量などの処方情報が印刷可能である。
[分包制御ユニット6]前記分包制御ユニット6は、図2に示すように、制御部61及び記憶部62を備え、前記錠剤供給ユニット2、前記散薬供給ユニット3、前記手撒きユニット4、及び前記分包ユニット5などを制御することにより前記薬品払出装置100に分包動作を実行させる。なお、前記分包制御ユニット6は、前記薬品払出装置100に内蔵されている。
前記制御部61は、CPU、RAM、ROM及びEEPROMなどを有する制御手段である。前記制御部61は、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部62などの記憶手段に予め記憶された各種のプログラムに従った各種の処理を前記CPUによって実行する。なお、前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUによって実行される各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として利用される。なお、前記制御部61は、ASIC又はDSPなどの集積回路であってもよい。
前記記憶部62は、各種のデータを記憶するハードディスク装置又はSSD(SolidStateDrive)などの記憶手段である。具体的に、前記記憶部62には、前記制御部61等のコンピュータに後述の分包制御処理(図11右側参照)を実行させるための分包制御プログラムが予め記憶されている。なお、前記分包制御プログラムは、例えばCD、DVD、又は半導体メモリーなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、不図示のディスクドライブなどの読取装置によって前記記録媒体から読み取られて前記記憶部12にインストールされる。本発明は、前記分包制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な前記記録媒体の発明として捉えることができる。
[バーコードリーダー8]前記バーコードリーダー8は、薬品を識別するコードを読み取るものであり、薬局の薬品棚などに設けられた錠剤の収容容器(箱、瓶など)又はPTPシートなどに記載されたJANコード、RSSコード、又はQRコード(登録商標)を読み取る、例えばPDAなどの携帯端末である。なお、前記バーコードリーダー8は、例えば薬剤師などが薬品のピッキングに使用する従来周知のピッキング補助装置などであってもよい。前記ピッキング補助装置は、薬剤師等が処方箋に従って薬品棚から薬品を取り出して手動で調剤する際に用いられ、例えば、前記収容容器に記載されたJANコードから薬品を読み取って、その読み取られた薬品と処方データとの照合を行う。
そして、前記バーコードリーダー8により読み取られた情報は、前記バーコードリーダー8から無線通信により前記処方制御ユニット1に入力される。このように無線通信を利用すれば、前記バーコードリーダー8を前記薬品払出装置100又は前記薬品棚などに自由に持ち運び可能であり、前記可変カセット22への錠剤の投入作業を任意の場所で行うことも可能となる。もちろん、前記バーコードリーダー8が前記処方制御ユニット1に有線接続されることも考えられる。なお、薬局内に前記薬品払出装置100が複数台設けられる場合には、前記薬品払出装置100各々に予め対応付けられた前記バーコードリーダー8が個別に設けられる。
[処方制御ユニット1]前記処方制御ユニット1は、前記薬品払出装置100を統括的に制御するコンピュータである。図1及び図2に示すように、前記処方制御ユニット1は、制御部11、記憶部12、モニター13、操作部14、及び通信IF15等を備える。
前記制御部11は、CPU、RAM、ROM及びEEPROMなどを有する制御手段である。前記制御部11は、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部12などの記憶手段に予め記憶された各種のプログラムに従った各種の処理を前記CPUによって実行する。なお、前記CPUは、各種の処理を実行するプロセッサーであり、前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUによって実行される各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として利用される。なお、前記制御部11は、ASIC又はDSPなどの集積回路であってもよい。
前記記憶部12は、各種のデータを記憶するハードディスク装置又はSSD(SolidStateDrive)などの記憶手段である。具体的に、前記記憶部12には、前記制御部11等のコンピュータに後述の薬品払出処理(図11左側参照)及び後述の調整処理(図22参照)を実行させるための薬品払出プログラムが予め記憶されている。
なお、前記薬品払出プログラムは、例えばCD、DVD、又は半導体メモリーなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、不図示のディスクドライブなどの読取装置によって前記記録媒体から読み取られて前記記憶部12にインストールされる。本発明は、前記薬品払出プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な前記記録媒体の発明として捉えることができる。
また、前記記憶部12には、例えば医薬品マスター、患者マスター、カセットマスター、及び薬局マスターなどの各種のデータベースも記憶されている。なお、前記制御部11は、例えばCD、DVD、又は半導体メモリーなどの記録媒体から不図示のディスクドライブなどの読取装置によって読み取られたデータに基づいて、前記記憶部12に記憶されている前記各種のデータベースを更新することが可能である。また、前記制御部11は、前記操作部14に対するユーザー操作に応じて前記各種のデータベースの内容を変更することも可能である。
前記医薬品マスターには、薬ID、薬品コード、薬品名、JANコード(又はRSSコード)、薬瓶コード、区分(剤形:散薬、錠剤、水剤、外用薬など)、錠剤のサイズ(高さ及び幅)、比重、薬品種(普通薬、毒薬、麻薬、劇薬、抗精神薬、治療薬など)、配合変化、賦形薬品、注意事項などの医薬品各々に関する情報が含まれる。前記患者マスターには、患者ID、氏名、性別、年齢、既往歴、処方薬履歴、家族情報、診療科、病棟、及び病室などの患者に関する情報が含まれる。前記薬局マスターには、薬局名、薬剤師の氏名、薬剤師のIDなどの薬局に関する情報が含まれる。また、前記カセットマスターは、前記固定カセット21各々のカセット識別情報と前記固定カセット21各々に割り当てられた前記薬品情報との対応関係を示す情報である。前記カセットマスターは、例えば前記薬品払出装置100の初期設定における前記操作部14のユーザー操作に応じて前記制御部11によって登録される。
さらに、前記記憶部12には、前記可変カセット22と前記薬品情報との割当状態を示す割当情報121、及び前記薬品情報と前記可変カセット22の駆動条件との対応関係を示す駆動対応情報122が記憶されている。前記割当情報121及び前記駆動対応情報122は、前記制御部11によって実行される後述の薬品払出処理で用いられる。
ここに、図9は前記割当情報121の一例を示す図であり、図10は前記駆動対応情報122の一例を示す図である。
図9に示すように、前記割当情報121では、前記可変カセット22各々に現在割り当てられている錠剤の種類を示す薬IDが薬品情報として記憶されている。もちろん、前記薬IDに代えて錠剤名称、薬品コード、JANコード(又はRSSコード)などの薬品情報が記憶されていてもよい。また、ここでは前記錠剤供給ユニット2において左から右に向かって順に並べられた4つの前記可変カセット22に、カセット番号「C1」〜「C4」が前記カセット識別情報として予め設定されているものとする。前記カセット識別情報は、前記可変カセット22各々の前記RFIDタグ26にも記憶されている。なお、前記割当情報121において、現在薬品情報が割り当てられていない前記可変カセット22には未割当である旨が記憶されている。具体的に、図9に示す前記割当情報121では、前記可変カセット22のうちカセット番号「C1」には薬ID「M1」の薬品情報、カセット番号「C3」には薬ID「M2」の薬品情報が割り当てられており、カセット番号「C2」及び「C4」には、まだ薬品情報が割り当てられていない旨が示されている。なお、図9に示す前記割当情報121のデータ構造は単なる一例に過ぎず、前記割当情報121は、例えば前記薬品マスターの一つの項目として前記記憶部12に記憶されたものであってもよい。この場合、前記薬品マスターに含まれる薬品各々に対応付けて、その薬品に割り当てられた前記可変カセット22の前記カセット識別情報が記憶される。
また、図10に示すように、前記駆動対応情報122には、前記薬品情報ごとに対応して予め設定される駆動条件が記憶される。前記駆動条件には、前記可変カセット22からの錠剤の払い出しを開始する前の前記可変カセット22の調整に関する事前駆動条件、前記可変カセット22からの錠剤の払い出し中の駆動制御に関する駆動中条件、及び前記可変カセット22からの錠剤の払い出しを停止する際の駆動制御に関する駆動停止時条件の3種類の条件が含まれる。
具体的に、図10に示す前記駆動対応情報122の例では、薬IDが「M1」、「M2」、「
M3」、「M4」である錠剤ごとに対応する前記駆動条件として、払出経路の高さ、払出経路の幅、払出速度、第1スローダウン、第2スローダウン、及び逆回転動作の各項目に関する情報が記憶されている。なお、前記駆動条件は一例に過ぎず、例えば前記可変カセット22が振動により錠剤を1錠ごとに払い出すものである場合にはその振動の振動周波数又は振幅などが前記駆動条件として定められていることが考えられる。
前記払出経路の高さ及び前記払出経路の幅は、前記事前駆動条件の一例であって、前記可変カセット22の前記第2回転体224により錠剤を1錠ずつ前記払出口225から払い出すことが可能な値として予め設定された前記高さh1及び前記幅w1(図5参照)の値である。
前記払出速度は、前記駆動中条件の一例であって、前記可変カセット22から錠剤を払い出す際の前記第2回転体224の回転速度として薬品情報ごとに適した回転速度である。例えば、前記錠剤のサイズが小さければ、前記駆動モーター242の回転速度が速い場合、前記駆動モーター242が停止するまでの間に前記錠剤が余分に払い出されやすい。一方、前記錠剤のサイズが大きければ、前記駆動モーター242の回転速度が速くても、前記駆動モーター242が停止するまでの間に前記錠剤が余分に払い出されない。そのため、例えば前記駆動条件として設定されている錠剤の払出速度、即ち前記第2回転体224による錠剤の搬送速度が前記錠剤のサイズによって異なることが考えられる。具体的には、前記錠剤のサイズが大きい場合の前記払出速度は前記錠剤のサイズが小さい場合の前記払出速度に比べて遅い値に設定されていることが考えられる。なお、前記払出速度は、図10に示す[錠/min]の形式に限らず、前記第2回転体224の回転速度、又は前記駆動モーター242の回転速度などの形式で記憶されていてもよい。さらに、前記第2回転体224の回転速度だけでなく、前記第1回転体223の回転速度も前記駆動条件として設定されることも考えられる。
前記第1スローダウン及び前記第2スローダウンは、前記駆動停止時条件の一例であって、前記可変カセット22からの錠剤の払い出しを停止する際に前記第2回転体224の回転速度を徐々に減速するスローダウンの実行タイミングに関する情報である。前記第1スローダウンは、前記第2回転体224の回転速度を予め定められた第1回転速度まで減速するタイミングを規定する。また、前記第2スローダウンは、前記第2回転体224の回転速度を前記第1回転速度から更に遅い第2回転速度まで減速するタイミングを規定する。例えば、前記可変カセット22に収容されている錠剤の形状が丸みを帯びており転がりやすい場合には、前記第2回転体224の駆動を停止させた後に錠剤が転がって払い出されるおそれがある。そのため、例えば球形などの転がりやすい形状の錠剤については前記第1スローダウン及び前記第2スローダウン各々の開始タイミングが早めに設定される。本実施形態において、前記第1スローダウン及び前記第2スローダウンの開始タイミングは、前記可変カセット22から払い出される錠剤数の残りの錠数によって設定される。これにより、前記可変カセット22からの錠剤の払い出しの停止時に錠剤が余分に払い出されることが防止される。他方、前記第2回転体224の駆動が停止された場合に転がりにくい形状の錠剤についてはは前記第1スローダウン及び前記第2スローダウンの開始タイミングが遅く設定されるため、不要な前記スローダウンによる払い出し時間の遅延が抑制される。
なお、本実施の形態では、前記駆動停止時条件として、前記第1スローダウン及び前記第2スローダウンの開始タイミングが設定される場合について説明するが、前記第2回転体224の回転速度の減速度が前記駆動停止時条件として設定されることも考えられる。例えば、球形などの転がりやすい形状の錠剤については前記第2回転体224を急に停止させると、その後に転がって余分に払い出されるおそれがある。そのため、例えば転がりやすい形状の錠剤については、前記減速度を小さく設定することが考えられる。
また、前記逆回転動作の項目は、前記駆動停止時条件の一例であって、前記可変カセット22からの錠剤の払い出しを停止する際に前記第2回転体224による錠剤の搬送方向を逆方向に切り替える逆回転動作の実行の有無に関する情報である。例えば、前記第2回転体224の駆動を停止させるだけでは、前記第2回転体224上に残存した錠剤が転がって余分に払い出されるおそれがある球形などの転がりやすい形状の錠剤については前記逆回転動作が「有」に設定される。これにより、前記可変カセット22からの錠剤の払い出しの停止時に錠剤が余分に払い出されることが防止される。なお、前記第2回転体224の駆動が停止された場合に転がりにくい形状の錠剤については前記逆回転動作が「無」に設定され、不要な前記逆回転動作は実行されない。
なお、図10に示す前記駆動対応情報122のデータ構造は単なる一例に過ぎず、前記駆動対応情報122で定められた前記駆動条件は、例えば前記薬品マスターの一つの項目として前記記憶部12に記憶されたものであってもよい。
また、本実施の形態では、前記駆動対応情報122において、前記薬品情報ごとに対応する駆動条件(図10参照)として、払出経路の高さ、払出経路の幅、払出速度、第1スローダウン、第2スローダウン、及び逆回転動作の各項目が含まれている場合を例に挙げて説明する。一方、前記薬品払出装置100が、払出経路の高さ、払出経路の幅、払出速度、第1スローダウン、第2スローダウン、及び逆回転動作の項目のいずれか一つ又は複数を前記駆動条件として用いることも他の実施形態として考えられる。即ち、前記薬品払出装置100では、前記薬品情報ごとに対応する前記駆動条件として前記事前駆動条件、前記駆動中条件、及び前記駆動停止時条件のいずれか一つ又は複数が予め設定されていることが考えられる。また、前記薬品情報ごとに対応する前記駆動条件として前記事前駆動条件、前記駆動中条件、及び前記駆動停止時条件などの複数の条件が予め設定されており、前記薬品払出装置100において、使用する前記駆動条件として、前記事前駆動条件、前記駆動中条件、及び前記駆動停止時条件などの条件いずれか一つ又は複数を選択可能な構成も考えられる。
前記モニター13は、前記制御部11からの制御指示に従って各種の情報及び操作画面を表示する液晶モニター等の表示手段である。例えば、前記モニター13には、処方データの入力画面及び処方データの選択画面などの各種情報が表示される。
前記操作部14は、ユーザー操作を受け付けるキーボード、マウス及びタッチパネル等の操作手段であり、ユーザー操作に対応する操作信号を前記制御部11に入力する。前記操作部14は、例えば前記モニター13に表示された前記入力画面における処方データの入力操作、前記選択画面における処方データの選択操作、及び前記処方データの分包開始を要求する処方データの発行操作などの各種操作入力を受け付ける。
前記通信IF15は、前記薬品払出装置100をLAN等の通信網N3に接続するための通信インターフェースであって、前記通信網N3を介して接続された処方入力端末200などの上位システムとの間でデータ通信を実行する。なお、前記処方入力端末200は、例えば病院及び老健施設などに配置される電子カルテシステム、院内又は院外の薬局に配置される調剤管理システムなどである。また、前記通信IF15は、前記バーコードリーダー8等の各種の無線通信機器との間で無線データ通信を行う無線通信カードなどの無線通信インターフェースも備えている。
そして、前記通信IF15は、前記処方入力端末200から処方データを取得し、前記処方データを前記制御部11に入力する。例えば、前記通信IF15は、前記処方入力端末200に設けられた記憶手段の所定の記憶領域に処方データが記憶されたか否かを監視しており、前記所定の記憶領域に前記処方データが記憶された場合に前記処方データを前記所定の記憶領域から読み出す。もちろん、前記通信IF15は、前記処方入力端末200から送信された前記処方データを受信するものであってもよい。
[薬品払出処理及び分包制御処理]以下、図11を参照しつつ、前記薬品払出装置100において、前記処方制御ユニット1の前記制御部11により実行される薬品払出処理及び前記分包制御ユニット6の前記制御部61により実行される分包制御処理の手順の一例について説明する。ここに、前記制御部11が実行する処理手順(ステップ)をステップS1、S2、・・・と称し、前記制御部61が実行する処理手順(ステップ)をステップS11、S12、・・・と称する。なお、前記制御部11及び前記制御部61のいずれか一方により前記薬品払出処理及び前記分包制御処理の処理結果と同様の処理結果が得られる一連の処理が実行されることも考えられる。
(処方制御ユニット1側:ステップS1)まず、ステップS1において、前記制御部11は、処方データの発行要求があったか否かを判断する。具体的に、前記制御部11は、予め登録された処方データを発行するための発行操作が前記操作部14に対して行われた場合に前記処方データの発行要求が行われたと判断する。前記処方データは、前記処方入力端末200等の上位システムから取得され、又は前記操作部14に対するユーザー操作により登録されて、前記記憶部12に記憶された処方データである。
ここで、前記制御部11は、前記処方データの発行要求がなされるまでの間(S1のNo側)、処理を前記ステップS1で待機させる。一方、前記制御部11は、前記処方データの発行要求があったと判断すると(S1のYes側)、処理をステップS2に移行させる。なお、前記制御部11が、前記処方入力端末200等の上位システムから前記処方データを受信した場合に、前記発行操作を要することなく前記処方データの発行要求があったと判断して処理をステップS2に移行させることも他の実施形態として考えられる。
(処方制御ユニット1側:ステップS2)次に、ステップS2において、前記制御部11は、前記処方データにより払出対象の錠剤を示す薬品情報として入力された全ての薬品情報に対応する前記固定カセット21が存在するか否かを判断する。具体的に、前記制御部11は、前記記憶部12に記憶されている前記カセットマスターに基づいて、前記固定カセット21各々にない錠剤が処方薬として前記処方データに含まれているか否かを判断する。なお、前記カセットマスターは、前記装着部211各々に設けられた前記RFIDリーダライタ232などの読取装置によって、前記固定カセット21各々に設けられたRFIDタグ(不図示)から読み取られる薬品情報に基づいて前記制御部11によって更新される。また、前記制御部11は、前記カセットマスターを編集するための編集画面を前記モニター13に表示させ、前記編集画面における前記操作部14のユーザー操作に応じて前記カセットマスターを更新することも可能である。
ここで、前記払出対象の薬品情報に対応する前記固定カセット21が存在しないと判断された場合(S2のNo側)、即ち前記処方データに含まれた処方薬に前記固定カセット21に収容されていない種類の錠剤が含まれている場合、前記制御部11は処理をステップS3に移行させる。
一方、全ての前記払出対象の薬品情報に対応する前記固定カセット21が存在すると判断した場合(S2のYes側)、即ち前記処方データに処方薬として含まれた全ての種類の錠剤が前記固定カセット21に収容されている場合、前記制御部11は処理をステップS7に移行させる。この場合、前記ステップS7では、前記固定カセット21各々を用いて従来同様の分包動作の開始要求が前記制御部61に送信され、前記制御部61により前記分包動作を実行するための処理が実行される。
なお、前記薬品払出装置100が、前
記固定カセット21を具備しない構成では、前記ステップS2の処理を省略し、前記制御部11が、前記ステップS1で前記処方データの発行要求があったと判断された場合に処理をステップS3に移行させることも可能である。
また、前記可変カセット22への割り当てを実行しない薬品情報として予め設定された割当除外薬品情報が前記記憶部12に記憶されていることが考えられる。そして、前記制御部11が、前記払出対象の薬品情報に対応する前記固定カセット21が存在せず、且つ前記払出対象の薬品情報が前記割当除外薬品情報に該当する場合に、前記可変カセット22への割り当てを実行することなく前記手撒きユニット4を使用すべき旨を前記モニター13に表示させることが考えられる。例えば、前記可変カセット22内に有色の粉末が付着する可能性の高い錠剤が前記割当除外薬品情報として設定されていれば、その有色の粉末が次に前記可変カセット22に収容される錠剤に付着することなどを防止することができる。また、前記可変カセット22での払い出しが適切でない形状の薬品なども、前記手撒きユニット4を使用すべき旨を前記モニター13に表示させることが考えられる。なお、前記制御部11が、前記払出対象の薬品情報に対応する前記固定カセット21が存在するか否かを判断することなく、前記払出対象の薬品情報が前記割当除外薬品情報に該当するか否かを判断することも他の実施形態として考えられる。この場合、前記制御部11は、前記払出対象の薬品情報が前記割当除外薬品情報に該当する場合に、前記可変カセット22への割り当てを実行することなく前記手撒きユニット4を使用すべき旨を前記モニター13に表示させることも他の実施形態として考えられる。
(処方制御ユニット1側:ステップS3)ステップS3において、前記制御部11は、前記処方データにより入力された払出対象の薬品情報のうち対応する前記固定カセット21が存在しない薬品情報を未割当の前記可変カセット22に割り当てる。なお、前記制御部11は、対応する前記固定カセット21が存在しない薬品情報が前記処方データに複数含まれている場合には、その薬品情報各々について前記可変カセット22の割り当てを実行する。このように、前記処方データにより払出対象の薬品情報が入力された場合に、前記薬品情報を前記可変カセット22に割り当てるための処理(割当ステップ)を実行するときの前記制御部11が割当手段の一例である。
具体的に、前記制御部11は、前記可変カセット22各々のうち現在通信可能(制御可能)な前記可変カセット22を特定する処理を実行する。例えば、前記制御部11は、前記可変カセット22のうち前記RFIDリーダライタ232による前記RFIDタグ26からの情報の読み出しに成功した前記可変カセット22を通信可能な状態であると判断する。
そして、前記制御部11は、現在通信可能である前記可変カセット22各々に対する現在の薬品情報の割り当ての有無を、前記割当情報121(図9参照)に基づいて判断し、前記払出対象の薬品情報を未割当の前記可変カセット22に割り当てる。このとき、前記制御部11は、前記薬品情報を割り当てる前記可変カセット22を決定すると、その割当結果に応じて前記割当情報121の内容を更新する。このように前記薬品情報に割り当てられた前記可変カセット22は、前記制御部11との間で通信可能であり、前記制御部11による前記電子ペーパー25への情報の書き込みが可能である。なお、前記制御部11が、前記可変カセット22各々の通信の可否を判断することなく前記可変カセット22各々を割当対象の候補としてもよい。
ここで、前記薬品情報を割り当てる前記可変カセット22の候補が複数存在することが考えられる。この場合、前記制御部11は、例えば前記可変カセット22各々のうち予め設定された優先順位に基づいて前記薬品情報の割り当ての有無を判断し、最初に未割当であると判断された前記可変カセット22に前記薬品情報を割り当てることが考えられる。また、前記制御部11は、前記可変カセット22各々の使用回数が均等になるように、前記可変カセット22の使用回数が低いものから順に前記薬品情報の割り当ての有無を判断し、最初に未割当であると判断された前記可変カセット22に前記薬品情報を割り当てることも考えられる。さらに、前記制御部11は、前記可変カセット22各々のうち直前に割り当てられていた薬品情報が、今回の割当対象の薬品情報と同じ又は錠剤サイズが近い薬品情報である前記可変カセット22を選択することも考えられる。なお、未割当の前記可変カセット22が存在しない場合、前記制御部11は、その旨を前記モニター13に表示させることによりユーザーに報知する。
また、前記ステップS3において、前記制御部11は、前記RFIDリーダライタ232を制御することにより、前記薬品情報が割り当てられた前記可変カセット22各々の前記RFIDタグ26に前記可変カセット22に割り当てられた前記薬品情報を記録する。このとき、前記制御部11は、前記薬品情報と共に、前記薬品情報が示す錠剤の払出量、患者名、割当日時、担当薬剤師名、及び処方箋の識別情報などの各種の情報を前記処方データに基づいて記録することも考えられる。
一方、前記可変カセット22の前記RFIDタグ26に前記薬品情報が記録されないことも他の実施形態として考えられる。具体的に、前記RFIDタグ26に前記カセット識別情報が予め記録されており、前記RFIDリーダライタ245が情報の読み取りのみが可能なRFIDリーダーであることが考えられる。この場合でも、前記制御部11は、前記RFIDタグ26から読み取った前記カセット識別情報と前記割当情報(図9参照)とに基づいて、前記可変カセット22に割り当てられた前記薬品情報を認識することが可能である。
(処方制御ユニット1側:ステップS4)ステップS4において、前記制御部11は、前記払出対象の薬品情報に対応する駆動条件を前記駆動対応情報122(図10参照)に基づいて特定し、前記駆動条件と前記薬品情報が割り当てられた前記可変カセット22のカセット識別情報とを前記制御部61に送信する。これにより、前記制御部61は、前記駆動条件に従って前記可変カセット22を駆動させることになる。このように前記ステップS4の処理を実行することにより前記可変カセット22を前記駆動条件に従って駆動させるときの前記制御部11を駆動制御手段として捉えてもよい。
なお、前記制御部11が、前記可変カセット22各々のカセット識別情報及び前記可変カセット22各々に対応する前記駆動条件の設定内容を前記モニター13に表示し、前記操作部14に対するユーザー操作に応じて前記駆動条件の設定内容を変更することも他の実施形態として考えられる。なお、前記駆動条件の変更内容は、前記制御部11から前記制御部61に通知される。これにより、ユーザーの任意の操作入力により前記可変カセット22から錠剤を払い出す際の前記可変カセット22の駆動条件を変更することが可能である。また、ユーザーは前記モニター13を参照することにより前記払出対象の薬品情報に対応する前記駆動条件の設定内容を確認することができる。
また、前記ステップS4において、前記薬品情報に対応する前記駆動条件が前記駆動対応情報122に記憶されていない場合には、前記制御部11が、後述の調整処理を実行した後、処理をステップS5に移行させることが考えられる。これにより、前記駆動対応情報122に記憶されていない前記薬品情報に対応する錠剤についても前記可変カセット22を用いて払い出すことが可能となる。
(分包制御ユニット6側:ステップS11)一方、前記分包制御ユニット6では、前記制御部61が、ステップS11において、前記制御部11からの前記駆動条件の受信の有無を判断する。ここで、前記制御部61は、前記駆動条件が受信された場合には(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させ、前記駆動条件が受信されていない間は(S11のNo側)、処理をステップS13に移行させる。なお、前記制御部61は、前記制御部11から受信した前記駆動条件を、前記薬品情報が割り当てられた前記可変カセット22のカセット識別情報と対応付けて前記記憶部62に記憶する。
(分包制御ユニット6側:ステップS12)ステップS12において、前記制御部61は、前記駆動条件と共に受信した前記カセット識別情報に対応する前記可変カセット22を、前記駆動条件のうち前記事前駆動条件に従って駆動させ、前記払出経路の高さ及び前記払出経路の幅を変更する。このように、前記薬品払出装置100では、前記駆動条件に前記事前駆動条件が含まれている場合、前記制御部61が、前記事前駆動条件(払出経路の高さ及び幅)に従って前記可変カセット22を駆動させ、その後に、前記可変カセット22からの錠剤の払い出しを実行することになる(S14)。
具体的に、前記制御部61は、前記駆動条件に従って前記高さ調整部226A及び前記幅調整部227Aを制御することにより、前記可変カセット22から1錠単位で払出可能な錠剤の種類を前記ステップS3で割り当てられた前記薬品情報が示す錠剤に変更する。まず、前記制御部61は、前記駆動モーター233及び前記駆動モーター234を駆動させることにより前記高さ規制部材226及び前記幅規制部材227の位置を初期状態に戻す。そして、前記制御部61は、前記駆動モーター233により前記高さ調整部226Aを駆動させ、前記可変カセット22の前記高さ規制部材226により規制される前記高さh1を、前記駆動条件で定められた前記払出経路の高さに変更する。また、前記制御部61は、前記駆動モーター234により前記幅調整部227Aを駆動させ、前記可変カセット22の前記幅規制部材227により規制される前記幅w1を、前記駆動条件で定められた前記払出経路の幅に変更する。もちろん、前記高さ規制部材226及び前記幅規制部材227の現在の状態が検出可能な構成であれば、前記制御部61は、その検出結果に基づいて前記駆動モーター233及び前記駆動モーター234を駆動すればよい。
このように前記駆動条件に従って前記払出経路の高さh1及び幅w1が変更されると、前記可変カセット22では、前記ステップS3で割り当てられた前記薬品情報が示す錠剤を1錠単位で払い出すことが可能となり、前記錠剤の払出量が制御可能となる。ここに、前記ステップS12の処理(駆動制御ステップ)を実行するときの前記制御部61が駆動制御手段の一例である。
なお、前記薬品情報が前記可変カセット22に割り当てられる際に、前記可変カセット22が前記装着部221に装着されていない状態も考えられる。この場合、前記ステップS12では、前記事前駆動条件に従って前記可変カセット22を駆動させることができない。そこで、前記制御部61は、前記制御部11から受信した前記駆動条件の前記可変カセット22への反映の有無を示すフラグ情報を前記記憶部62に記憶させて随時更新する。そして、前記制御部61は、後述のステップS14における分包動作の開始時に前記フラグ情報を参照し、その分包動作で使用する前記可変カセット22について前記駆動条件の反映が行われていない場合には、その分包動作を実行する前に前記事前駆動条件に従って前記可変カセット22を駆動させ、前記払出経路の高さh1及び幅w1を変更する。
また、前記駆動条件に前記事前駆動条件が含まれておらず、前記可変カセット22の前記高さ調整部226A及び前記幅調整部227Aを手動で作動させて前記払出経路の高さh1及び幅w1を任意に調整することが可能な構成も他の実施形態として考えられる。この場合、ユーザーは、前記可変カセット22の前記払出経路の高さh1及び幅w1を調整した後、前記可変カセット22を前記錠剤供給ユニット2の前記装着部221に装着する。なお、前記高さ調整部226A及び前記幅調整部227Aは、例えばドライバー等の工具を用いた回転操
作により作動可能な構成であることが考えられる。
(処方制御ユニット1側:ステップS5)次に、ステップS5において、前記制御部11は、前記ステップS3で薬品情報が割り当てられた前記可変カセット22の前記表示部25に、前記可変カセット22に割り当てられた薬品情報を表示させる。
例えば、前記制御部11は、前記処方データから予め設定された表示項目の情報を抽出して前記表示部25に表示させる。具体的に、前記表示部25には、前記可変カセット22に割り当てられた錠剤の薬品名称(薬ID)、払出量、及びJANコード(バーコード)が表示される。なお、患者氏名、割当日時、又は割当担当者などの各種の情報が前記表示部25に表示されてもよい。
ここで、前記表示部25は電子ペーパーであるため、前記ステップS5で前記薬品情報が表示された後、前記可変カセット22が前記装着部221から取り外されても、前記表示部25の表示状態は維持される。そのため、ユーザーは、例えば前記可変カセット22を薬品棚などに移動させても、前記表示部25の表示により前記可変カセット22に投入するべき前記薬品情報を確認することができる。従って、前記可変カセット22への錠剤投入時におけるユーザーの人為的ミスを抑制することができる。また、前記制御部11は、前記可変カセット22の前記表示部25に前記薬品情報を表示するまでの間、前記装着部221に設けられたロック機構より前記可変カセット22の取り外しが禁止される構成も考えられる。なお、前記制御部11が、前記可変カセット22における前記事前駆動条件に従って前記可変カセット22における前記払出経路の高さ及び前記払出経路の幅の調整が完了したことを条件に前記ステップ5を実行することも考えられる。
(処方制御ユニット1側:ステップS6)その後、ステップS6において、前記制御部11は、前記可変カセット22に対する錠剤の充填が完了した旨を示す充填完了操作が前記操作部14に対して行われたか否かを判断する。具体的に、ユーザーは、前記ステップS3で前記薬品情報が前記可変カセット22に割り当てられ、前記可変カセット22の前記表示部25に前記薬品情報が表示されると、前記可変カセット22を前記錠剤供給ユニット2から取り外す。そして、ユーザーは、前記可変カセット22に、前記処方データに対応する処方箋、又は前記表示部25に表示された前記薬品情報を参照しながら必要な錠数の錠剤を前記可変カセット22に投入する。その後、ユーザーは、前記可変カセット22を前記錠剤供給ユニット2に装着し、前記操作部14に対して前記充填完了操作を行う。なお、前記ステップS3で複数の薬品情報が複数の前記可変カセット22に割り当てられた場合、前記ステップS6では、前記薬品情報各々に対応する全ての前記可変カセット22への前記錠剤の充填完了操作が行われたか否かを判断する。
ここで、前記充填完了操作が行われるまでの間(S6のNo側)、前記制御部11は処理を前記ステップS6で待機させる。一方、前記充填完了操作が行われたと判断すると(S6のYes側)、前記制御部11は処理をステップS7に移行させる。
(処方制御ユニット1側:ステップS7)ステップS7において、前記制御部11は、前記処方データに基づく分包動作の開始要求を前記制御部61に送信する。
特に、前記処方データに払出対象として含まれた薬品情報が示す錠剤のうち、前記固定カセット21に存在しない錠剤の分包動作について、前記制御部11は、例えば以下の手順で開始要求を送信する。
まず、前記制御部11は、前記装着部221各々に装着された前記可変カセット22の前記RFIDタグ26から前記可変カセット22のカセット識別情報を読み出し、前記装着部221各々に現在装着されている前記可変カセット22を特定する。これにより、前記制御部11は、前記装着部221各々に装着された前記可変カセット22を特定することができるため、ユーザーは前記可変カセット22各々を任意の前記装着部221に装着することが可能である。例えば、前記ステップS3で複数の薬品情報が複数の前記可変カセット22に割り当てられ、前記可変カセット22各々が取り外された後、前記可変カセット22各々が装着場所を入れ替えて装着された場合でも、前記制御部11は、前記可変カセット22各々が装着された前記装着部221を判断することができる。
そして、前記制御部11は、前記処方データに基づいて、前記可変カセット22のうち前記薬品情報各々が示す錠剤が収容された前記可変カセット22各々を前記割当情報121に基づいて特定する。その後、前記制御部11は、前記処方データに示された前記薬品情報各々について、前記薬品情報が割り当てられた前記可変カセット22のカセット識別情報、前記可変カセット22が装着された前記装着部221の識別情報、及び錠剤の払出量などの分包動作に必要な情報を前記制御部61に送信する。
(分包制御ユニット6側:ステップS13)一方、前記分包制御ユニット6では、前記制御部61が、ステップS13において、前記制御部11からの前記分包動作の開始要求の有無を判断する。ここで、前記制御部61は、前記分包動作の開始要求が受信された場合には(S13のYes側)、処理をステップS14に移行させ、前記分包動作の開始要求が受信されていない間は(S13のNo側)、処理をステップS14に移行させる。
(分包制御ユニット6側:ステップS14)ステップS14において、前記制御部61は、前記分包動作の開始要求に従って、前記錠剤供給ユニット2、前記散薬供給ユニット3、及び前記手撒きユニット4により必要な薬品を払い出し、前記分包ユニット5により服用時期などの分包単位で分包する分包動作を実行する。なお、前記散薬供給ユニット3、前記手撒きユニット4、及び前記分包ユニット5の制御については従来と同様であるためここでは説明を省略し、前記錠剤供給ユニット2による錠剤の払い出し動作のみについて説明する。
前記制御部61は、前記錠剤供給ユニット2について、前記ステップS3で割り当てられた前記薬品情報に対応する前記駆動条件に従って、前記可変カセット22から錠剤を払い出す際に駆動される前記第2駆動部24の前記駆動モーター242の回転速度を変更する。即ち、前記可変カセット22から前記錠剤を払い出す際の前記第2回転体224の回転速度が変更され、前記可変カセット22からの錠剤の払出速度が前記錠剤の種類に応じて変更される。ここに、係る処理を実行するときの前記制御部61が駆動制御手段の一例である。
具体的に、前記制御部61は、払出対象の薬品情報が割り当てられた前記可変カセット22に対応する前記駆動モーター241及び前記駆動モーター242を駆動させ、前記第1回転体223及び前記第2回転体224を回転させることにより錠剤を払い出させる。このとき、前記制御部61は、前記駆動対応情報122において前記薬品情報に対応する前記駆動条件として定められた払出速度に従って、前記駆動モーター242を駆動させる。これにより、前記可変カセット22では、前記第2回転体224による前記錠剤の払出速度が前記錠剤に適した速度に変更される。このように、前記薬品払出装置100では、前記駆動条件に前記駆動中条件が含まれている場合、前記制御部61が、前記駆動中条件(払出速度)に従って前記可変カセット22を駆動させることにより、前記可変カセット22から錠剤を払い出させる。
なお、前記可変カセット22が前記高さ規制部材226及び前記幅規制部材227を具備しない構成であれば、前記可変カセット22からの錠剤の払出速度のみを変更させることも考えられる。また、前記駆動モーター241の駆動速度は、一定であっても、或いは錠剤の種類に応じて変更してもよい。なお、前記分包動作において、前記可変カセット22から払い出される錠剤の数は、前記可変カセット22の前記払出口225に設けられた不図示の光学式センサーを有するカウンターによって計数されて前記制御部61に排出数として入力される。これにより、前記制御部61は、前記カウンターから入力される排出数に基づいて前記可変カセット22の駆動を制御し、予め設定された払出量(処方量)のみを前記可変カセット22から払い出す。
また、前記制御部61は、前記駆動対応情報122において前記薬品情報に対応する前記駆動条件として定められた前記第1スローダウン及び前記第2スローダウンの設定値に従って、前記可変カセット22からの錠剤の払い出しの停止制御を実行する。ここに、係る処理を実行するときの前記制御部11が駆動制御手段の一例である。このように、前記薬品払出装置100では、前記駆動条件に前記駆動停止時条件が含まれている場合、前記制御部61は、前記処方データで定められた前記処方量の払い出しが終了するときに、前記駆動停止時条件である前記第1スローダウン及び前記第2スローダウンに従って前記可変カセット22の駆動を停止させる。
具体的に、前記駆動対応情報122において前記第1スローダウンが「6錠」に設定され、前記第2スローダウンが「1錠」に設定されている場合を考える。この場合、前記制御部61は、前記払出口225に設けられた前記光学式センサー(不図示)を用いて前記カウンターによって計数された錠数に基づいて前記払出量の残りの錠数が「6錠」に達したと判断した場合に、前記駆動モーター242の回転速度を前記第1回転速度まで減速させる。その後、前記制御部61は、前記払出口225に設けられた前記光学式センサー(不図示)を用いて前記カウンターによって計数された錠数に基づいて前記払出量の残りの錠数が「1錠」に達したと判断した場合に、前記駆動モーター242の回転速度を前記第2回転速度までさらに減速させる。これにより、前記第2回転体224上に転がりやすい錠剤が載置されている場合に、その錠剤が前記払出口225から余分に払い出されることが防止される。
また、前記制御部61は、前記駆動対応情報122において前記薬品情報に対応する前記駆動条件として定められた前記逆回転動作の有無に従って、前記可変カセット22からの錠剤の払い出しの停止制御を実行する。ここに、係る処理を実行するときの前記制御部11が駆動制御手段の一例である。このように、前記薬品払出装置100では、前記駆動条件に前記駆動停止時条件が含まれている場合、前記制御部61は、前記処方データで定められた前記処方量の払い出しが終了するときに、前記駆動停止時条件である前記逆回転動作の有無に従って前記可変カセット22を駆動させた後、前記可変カセット22の駆動を停止させる。
具体的に、前記駆動対応情報122において前記逆回転動作が「有」に設定されている場合、前記制御部61は、前記可変カセット22からの錠剤の払い出しを停止する際に前記第2回転体224による状態の搬送方向を逆方向に切り替える逆回転動作を実行する。例えば、前記制御部61は、前記払出口225に設けられた前記光学式センサー(不図示)を用いて前記カウンターによって計数された錠数が前記払出量に達した場合に、前記駆動モーター242を予め設定された所定時間だけ逆回転させる。これにより、前記第2回転体224上に転がりやすい錠剤が載置されている場合に、その錠剤が前記払出口225から余分に払い出されることが防止される。なお、前記払出口225に開閉シャッターが設けられており、前記カウンターによって計数された錠数が前記払出量に達した場合に前記開閉シャッターが閉鎖される構成であってもよい。
一方、前記駆動対応情報122において前記逆回転動作が「無」に設定されている場合、前記制御部61は、前記可変カセット22からの錠剤の払い出しを停止する際には不要な前記逆回転動作を実行しない。また、前記逆回転動作を開始するタイミングは、前記カウンターによって計数された錠数が前記払出量から予め定められた所定数だけ少ない値に達したときでもよい。このようなタ
イミングで前記逆回転動作を開始する場合は、前記駆動対応情報122において、前記薬品情報ごとに対応する前記所定数を予め記憶しておけばよい。これにより、例えば前記カウンターによって計数された錠数が前記払出量に達する前に前記逆回転動作を開始させることができ、前記払出口225からの錠剤の余分な払い出しを防止することができる。さらに、前記カウンターによって計数された錠数が前記払出量よりも前記所定数だけ少ない値に達した後は、錠剤が一錠払い出される度に前記逆回転動作を開始させることが考えられる。
ところで、本実施の形態では、前記ステップS4において前記可変カセット22における前記高さ規制部材226の高さh1及び前記幅規制部材227の幅w1を前記駆動条件に従って変更する場合を例に挙げて説明した。一方、前記制御部61が、前記高さ規制部材226の高さh1及び前記幅規制部材227の幅w1を前記ステップS7における前記分包動作の開始直前に実行することも他の実施形態として考えられる。即ち、前記可変カセット22への前記事前駆動条件の反映は、前記分包動作が開始されるまでの任意のタイミングで実行されるものであればよい。
(分包制御ユニット6側:ステップS15)その後、前記制御部61は、前記ステップS14における前記分包動作が終了すると、続くステップS15において、前記制御部11に分包動作の完了通知を送信する。
(処方制御ユニット1側:ステップS8)これに対し、前記処方制御ユニット1では、前記制御部11が、前記制御部61からの前記分包動作の完了通知を待ち受けている(S8のNo側)。そして、前記分包動作の完了通知を受信すると(S8のYes側)、前記制御部11は処理をステップS9に移行させる。
(処方制御ユニット1側:ステップS9)続くステップS9において、前記制御部11は、払い出しが完了した前記可変カセット22の前記表示部25に払い出しが完了した旨の表示を行う。例えば、前記ステップS9では、前記表示部25に「払出完了」の文字が表示されること、又は前記表示部25の前記薬品情報の表示が消去されること等が考えられる。
以上説明したように、前記薬品払出装置100では、ユーザーは、前記固定カセット21各々に予め収容されていない任意の錠剤についても、その錠剤をまとめて前記可変カセット22に投入するだけで前記錠剤の自動払出が可能となる。従って、従来のように前記手撒きユニット4の前記マス各々に錠剤を投入する場合に比べてユーザーの作業負担が軽減され、ユーザーによる投入ミスも防止される。
また、前記薬品払出装置100には複数の前記可変カセット22が設けられているため、前記可変カセット22各々に異なる薬品情報を割り当てることが可能である。そのため、前記薬品払出装置100では、前記処方データに前記固定カセット21にない錠剤が払出対象として複数含まれている場合でも、前記処方データに基づく分包動作を複数の前記可変カセット22を用いて実行することができる。また、前記薬品払出装置100では、複数の前記処方データに基づく分包動作を複数の前記可変カセット22を用いて連続して実行することも可能である。
[調整機能]ところで、前記薬品払出装置100では、前記可変カセット22から任意の錠剤を払い出すために、前記薬品情報に対応する錠剤ごとに前記可変カセット22の駆動条件が予め設定される必要がある。これに対し、前記薬品払出装置100は、前記薬品撮影装置7を用いて、前記可変カセット22から錠剤を1錠ずつ払い出すための駆動条件を設定する調整機能を有する。これにより、前記薬品払出装置100では、前記記憶部12に予め記憶されている前記駆動対応情報に登録されていない錠剤についても前記調整機能によって前記駆動条件を設定することが可能となる。以下、前記調整機能について説明する。
[薬品撮影装置7]ここに、図12〜図14は、前記薬品撮影装置7の外観を示す図であり、図15は、前記薬品撮影装置7の内部構成を示す図であって前記薬品撮影装置7の外装を透視した図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図12〜図15で定義される前後、上下、及び左右を用いて説明することがある。
図12〜図15に示すように、前記薬品撮影装置7は、筐体71と、開閉部72と、操作部73と、薬品保持部81と、照明部82と、撮影部83と、を備える。ここに、前記照明部82及び前記撮影部83を含むユニットが本発明に係る撮影ユニットの一例であり、以下では、そのユニットを撮影ユニット84と称する。なお、前記撮影ユニット84は、前記照明部82及び前記撮影部83を一体構成したものではなく、前記薬品撮影装置7において、前記照明部82及び前記撮影部83は個別の部品として前記筐体71内に設けられている。もちろん、前記照明部82及び前記撮影部83が共通のフレームで支持された構成であってもよい。
前記筐体71及び前記開閉部72は、前記薬品撮影装置7の外装を構成しており、前記薬品保持部81及び前記撮影ユニット84などを収容する。また、前記筐体71及び前記開閉部72は、遮光性を有するアルミ又は鉄などで形成されている。即ち、前記開閉部72が閉じた状態では、前記薬品撮影装置7内に外光が遮蔽された暗室が形成される。
前記開閉部72は、回動軸721を介して前記筐体71に回動可能に支持されており、前記筐体71に対して開閉可能である。ここに、図12及び図13は、前記開閉部72を閉じた状態、図14は、前記開閉部72を開いた状態を示している。
前記操作部73は、前記薬品保持部81を回動させるためにユーザーによって操作される操作つまみであり、前記薬品保持部81に連結されている。ここに、図12及び図13は、前記操作部73の回動位置が90度異なる状態を示す図である。
[薬品保持部81]ここに、図16〜図19は、前記薬品保持部81の構成を示す図である。図16〜図19に示すように、前記薬品保持部81は、薬品載置部810と、一対の挟持部811、812と、載置基準部813と、挟持支持部814と、押下部815と、滑り止め部816と、当接部817と、当接部818と、当接部819と、を備える。ここで、前記薬品保持部81のうち錠剤を保持する部位を構成する前記薬品載置部810、前記挟持部811、812、及び前記載置基準部813は、前記照明部82から照射される光を透過させる材料で形成されている。例えば、前記薬品載置部810、前記挟持部811、812、及び前記載置基準部813は、ポリ塩化ビニル又はアクリル樹脂などの透光性を有する透明又は乳白色の材料で形成されている。
前記薬品載置部810は、前記薬品撮影装置7の撮影対象となる錠剤が載置される薬品載置面810Aを有する。前記一対の挟持部811、812は、前記薬品載置部810に載置された前記錠剤を挟持可能な挟持面811A、812Aを有する。また、前記載置基準部813は、前記挟持面811A、812Aによる前記錠剤の挟持方向(前後方向)に垂直で且つ前記薬品載置面810Aに平行な方向(左右方向)における前記錠剤の載置基準位置を定める載置基準面813Aを有する。前記載置基準面813Aは、前記薬品載置面810Aに垂直である。なお、前記載置基準面813Aは、前記薬品載置面810Aに垂直な方向に対して多少の傾斜を有するものであってもよい。
また、前記挟持部811は、前記薬品載置部810及び前記載置基準部813に固定されており、前記挟持部812は、前記挟持支持部814によって前記載置基準面813Aに平行な方向に摺動可能に支持されている。即ち、前記挟持部812の挟持面812Aは、前記挟持部811の挟持面811Aに対して近接及び離反可能である。なお、前記挟持支持部814は、前記挟持部811及び前記挟持部812の一方又は両方を摺動可能に支持し、前記挟持面811A及び前記挟持面812Aが相対的に近接及び離反し得る構成であればよい。また、前記挟持部811及び前記挟持部812は、いずれか一方が弾性を有する軟質のポリ塩化ビニルなどの材料で形成され、他方が硬質のアクリル樹脂などの材料で形成されることが考えられる。これにより、前記挟持部811及び前記挟持部812によって錠剤が安定して保持される。
前記滑り止め部816は、前記挟持支持部814に設けられており、前記薬品載置部810の裏面810Bと接触することにより前記挟持支持部814の摺動抵抗(移動抵抗)を高めるゴムなどの高摩擦係数を有する弾性部材である。また、前記押下部815と前記滑り止め部816との間にはバネなどの付勢部材が介在しており、前記滑り止め部816は前記付勢部材によって前記薬品載置部810の裏面810B側に向けて付勢されている。これにより、前記挟持部812の位置ずれが防止され、前記挟持面811A、812Aによる前記錠剤の挟持状態が維持される。
前記押下部815は、ユーザーによる押圧操作に応じて、前記滑り止め部816を前記薬品載置部810の裏面810Bから離間させることにより、前記挟持支持部814の摺動抵抗(移動抵抗)を低下させる。これにより、ユーザーは、前記押下部815を押下して前記挟持支持部814を容易に移動させることができる。
そして、前記薬品保持部81は、回動軸731及び回動軸732を介して前記開閉部72の前面及び背面で回動可能に支持されている。ここに、前記回動軸731及び前記回動軸732が回動支持部の一例である。前記回動軸731は、前記薬品保持部81及び前記操作部73を連結しており、ユーザーによる前記操作部73の回動操作に従って前記薬品保持部81を前記操作部73と同じ方向に回動させる。
ここで、前記薬品保持部81は、前記撮影部83による撮影時の姿勢として予め定められた第1姿勢及び第2姿勢の間で回動可能である。具体的に、前記第1姿勢は、前記薬品載置面810Aに垂直な方向に前記撮影部83が位置する姿勢である。また、前記第2姿勢は、前記挟持方向に垂直で且つ前記薬品載置面810Aに平行な方向に前記撮影部83が位置する姿勢である。即ち、前記第1姿勢は、前記薬品載置面810Aに垂直な方向から前記撮影部83により前記錠剤が撮影可能な姿勢であり、前記第2姿勢は、前記挟持方向に垂直で且つ前記薬品載置面810Aに平行な方向から前記撮影部83により前記錠剤が撮影可能な姿勢である。ここで、前記薬品載置面810Aは、前記第1姿勢及び前記第2姿勢各々において水平面及び鉛直面に対して予め定められた角度傾斜している。特に、前記薬品載置面810Aは、前記第1姿勢における水平面に対する傾きが、前記第2姿勢における水平面に対する傾きよりも小さい。例えば、前記第1姿勢における前記薬品載置面810Aの水平面に対する傾きは2度〜5度程度である。前記第2姿勢は、前記薬品撮影装置7を前方から見たときに、前記薬品保持部81が前記第1姿勢から時計回りに90度回動した状態である。ここに、図16は、前記第1姿勢の前記薬品保持部81を示しており、図19は、前記第2姿勢の前記薬品保持部81を示している。
また、前記当接部817、前記当接部818、及び前記当接部819は、前記薬品保持部81の回動を予め定められた位置で規制するために用いられる。具体的に、図18に示すように、前記開閉部72には、前記薬品保持部81が反時計回りに回動して前記第1姿勢となる位置で前記当接部817に接触し、前記薬品保持部81の回動を制限する当接部722が設けられている。また、前記開閉部72には、前記薬品保持部81が時計回りに回動して前記第2姿勢となる位置で前記当接部818に接触し、前記薬品保持部81の回動を制限する当接部723が設けられている。このように、前記薬品保持部81は、前記回動軸731、732、前記当接部817、818、及び前記当接部722、723によって前記第1姿勢及び前記第2姿勢の範囲で回動可能な状態である。
前記当接部722は鉄などの
強磁性体であり、前記当接部817における前記当接部722との接触箇所には磁石が設けられている。これにより、前記薬品保持部81が前記第1姿勢に移行するときに前記当接部722及び前記当接部817に吸着力が作用するため、前記第1姿勢に移行したことをユーザーに認識させることができる。また、前記当接部722及び前記当接部817の磁石は、前記薬品保持部81の前記第1姿勢から離脱する方向への回動抵抗を高める。これにより、前記薬品保持部81を前記第1姿勢で安定させることができる。ここに、前記当接部722及び前記当接部817が第1回動制限部の一例である。なお、前記当接部722及び前記当接部817各々が、相互に吸着力が作用する極性の磁石を有する構成であってもよい。
同じく、前記当接部723は鉄などの強磁性体であり、前記当接部818における前記当接部723との接触箇所には磁石が設けられている。これにより、前記薬品保持部81が前記第2姿勢に移行するときに前記当接部723及び前記当接部818に吸着力が作用するため、前記第2姿勢に移行したことをユーザーに認識させることができる。また、前記当接部723及び前記当接部818の磁石は、前記薬品保持部81の前記第2姿勢から離脱する方向への回動抵抗を高める。これにより、前記薬品保持部81を前記第2姿勢で安定させることができる。ここに、前記当接部723及び前記当接部818が第2回動制限部の一例である。なお、前記当接部723及び前記当接部818各々が、相互に吸着力が作用する極性の磁石を有する構成であってもよい。
さらに、前記筐体71には、前記開閉部72が開かれたときに前記当接部819に対向する位置に当接部711(図15参照)が設けられている。そして、前記当接部819は、前記開閉部72が開かれた状態で前記薬品保持部81が時計回りに回動されるときに前記当接部711に接触し、前記薬品保持部81の時計回りの回動を制限する。なお、前記開閉部72が開かれた状態における前記薬品保持部81の反時計回りの回動は、前述したように前記当接部722及び前記当接部817によって制限される。
これにより、ユーザーは、前記薬品保持部81の回動が規制されて安定した状態で前記薬品保持部81への錠剤の載置及び前記薬品保持部81からの錠剤の取り出しを行うことができる。また、前記薬品保持部81が前記第1姿勢の状態で開閉されることになるため、前記開閉部72の上下方向の幅は、前記第1姿勢における前記薬品保持部81が通過可能な範囲であればよい。
また、前記開閉部72が閉じられた状態で、前記薬品保持部81が前記第1姿勢から前記第2姿勢に移行した場合に、前記薬品保持部81の一部が前記筐体71の一部に係合し、前記開閉部72の開放を制限する構成が考えられる。より具体的には、前記第2姿勢の状態では、前記薬品保持部81に設けられた突起が前記筐体71に形成された凹部に挿入され、前記第1姿勢の状態では、前記突起が前記凹部から脱出する構成が考えられる。これにより、前記第2姿勢の状態における前記薬品保持部81の上下方向の幅が前記開閉部72の上下方向の幅よりも大きくなる構成であっても、前記薬品保持部81が前記筐体71に接触して破損することが防止されるため、前記薬品保持部81の設計の自由度が高まる。
ここに、図20は、前記薬品保持部81が前記第1姿勢である状態を示す要部模式図であり、図21は、前記薬品保持部81が前記第2姿勢である状態を示す要部模式図である。図20に示すように、前記第1姿勢は、前記薬品載置部810の薬品載置面810Aが前記載置基準部813の載置基準面813Aに向かって下方に傾斜する姿勢である。また、図21に示すように、前記第2姿勢は、前記薬品載置部810の薬品載置面810Aが前記載置基準部813の載置基準面813Aに向かって上方に傾斜する姿勢である。
そして、前記薬品保持部81は、前記載置基準部813における予め定められた位置P1を回動中心として前記回動軸731及び前記回動軸732によって回動可能に支持されている。また、前記撮影部83は、前記第2姿勢における前記薬品保持部81の前記薬品載置面810Aに載置されている錠剤を前記載置基準面810A側から撮影可能な位置に固定されている。このような構成によれば、前記第1姿勢及び前記第2姿勢各々において前記薬品載置面810Aに載置されている錠剤と前記撮影部83との間隔の変化が抑制される。従って、例えば前記撮影部83で撮影される画像のピントずれが抑制され、前記撮影部83から前記錠剤までの距離の変化に起因する測定寸法の誤差が抑制される。より具体的に、前記位置P1は、前記載置基準部813において前記薬品載置面810Aに垂直な方向の幅の中間の位置である。なお、前記載置基準面813Aの前記薬品載置面810Aに垂直な方向の幅は、予め使用が想定される複数の錠剤の厚み寸法の平均値であることが考えられる。これにより、前記撮影部83から前記錠剤までの距離の変化に起因する測定寸法の誤差が錠剤のサイズによって極端に偏ることが防止される。
ここに、図22は、前記第1姿勢における前記薬品保持部81を上方から見た図、図23は、前記第1姿勢における前記薬品保持部81を右側から見た図である。図22に示すように、前記挟持面811A及び前記挟持面812Aは、前記載置基準部813に近いほど間隔が広くなっており、前記載置基準面813Aに向かって拡開する形状である。より具体的に、前記挟持面811Aは、前記載置基準面813Aに垂直である。一方、前記挟持部812Aは、前記載置基準面813Aに垂直な方向に対して傾斜している。これにより、図19に示すように、前記薬品保持部81が前記第2姿勢の状態において、前記薬品載置部810の薬品載置面810Aに載置されている錠剤の落下が防止される。なお、前記挟持面811A及び前記挟持面812Aの間隔が前記載置基準面813Aに近いほど広くなるように、前記挟持面811A及び前記挟持面812Aが共に前記載置基準面813Aに垂直な方向に対して傾斜する構成であってもよい。また、前記挟持面811A及び前記挟持面812Aが共に前記載置基準部813に垂直な構成であってもよい。
さらに、図23に示すように、前記挟持面811A及び前記挟持面812Aは、前記薬品載置面810Aに近いほど間隔が広くなっており、前記薬品載置面810Aに向かって拡開する形状である。これにより、図19に示すように、前記薬品保持部81が前記第2姿勢の状態において、前記薬品載置面810Aに載置されている錠剤の浮き上がり又は傾きが防止される。なお、前記挟持面811A及び前記挟持部812Aの間隔が前記薬品載置面810Aに近いほど広くなるように、前記挟持面811A及び前記挟持面812Aが共に前記薬品載置面810Aに垂直な方向に対して傾斜する構成であってもよい。また、前記挟持面811A及び前記挟持面812Aが共に前記薬品載置面810Aに垂直な構成であってもよい。
ところで、前記挟持面811A及び前記挟持部812Aの間隔が前記薬品載置面810Aに近いほど広くなるように、前記挟持面812Aが前記薬品載置面810Aに垂直な方向に対して傾斜する構成では、前記撮影部83から見たときに前記薬品載置面810Aに載置された錠剤の一部が前記挟持面812Aで遮られるおそれがある。これに対し、前記薬品撮影装置7では、前記撮影部83の画角を利用して、前記薬品載置面810Aに載置される錠剤が前記撮影部83の撮影範囲に収まるように前記撮影部83の位置及び前記挟持面812Aの傾斜角度が設定されている。例えば、前記挟持面812Aの前記薬品載置面810Aに垂直な方向に対する傾斜角度は、1度又は2度以下に設定される。なお、前記挟持面812Aの前記薬品載置面810Aに垂直な方向に対する傾斜角度は、前記挟持面811Aの前記薬品載置面810Aに垂直な方向に対する傾斜角度より小さければこれに限らない。
また、前記薬品撮影装置7では、前記挟持面811A及び前記挟持面812Aの挟持方向における後述のカメラ831のレンズの光軸の位置が、前記挟持面811A及び前記挟持面812Aが開いた状態で前記挟持面811A側に予め定められた所定値だけオフセットされている。これにより、サイズの小さい錠剤についても、前記挟持面812Aの傾斜による前記錠剤の撮影画像の欠落が抑制される。
[照明部82]ここに、図24は、前記照明部82の構成を示す図である。図25は、前記薬品撮影装置7の内部構成を正面から見た図であって、前記薬品撮影装置7の外装を透視した図である。また、図25は、前記薬品保持部81が前記第1姿勢の状態を正面から見た内部構成を示す図である。図24及び図25に示すように、前記照明部82は、複数の光源821と、光源支持部822と、を備える。前記光源821各々は、前記薬品載置面810Aを介して前記錠剤に光を照射するLEDを備える。前記光源支持部822は、前記筐体71に固定され、前記光源821各々を上下方向に対して予め定められた角度傾斜した状態で固定支持する。
具体的に、前記光源821は、図25に示すように、前記第1姿勢における前記薬品保持部81の前記薬品載置面810Aに垂直な方向から前記薬品載置面810Aに載置された錠剤を照明可能な角度だけ傾斜した状態で前記光源支持部822に支持されている。これにより、前記薬品保持部81が前記第1姿勢から90度回動した前記第2姿勢の状態において、前記照明部82は、前記載置基準面813Aに垂直な方向から前記薬品載置面810Aに載置された錠剤を照明することが可能である。また、前記薬品撮影装置7では、前記制御部11が、左側に配置された二つの前記光源821と右側に配置された二つの前記光源821との点灯及び消灯を個別に制御することが可能である。
[撮影部83]また、図25に示すように、前記撮影部83は、カメラ831及びカメラ支持部832を備える。前記カメラ831は、前記薬品保持部81で保持されている錠剤をカラー画像として撮影可能である。前記カメラ支持部832は、前記筐体71に固定され、前記カメラ831を上下方向に対して予め定められた角度傾斜した状態で固定支持する。
具体的に、前記カメラ831は、前記第1姿勢における前記薬品保持部81の前記薬品載置面810Aに垂直な方向であって、前記照明部82に対向する位置から前記薬品保持部81で保持されている錠剤を撮影可能な角度だけ傾斜した状態で前記カメラ支持部832に支持されている。これにより、前記薬品撮影装置7では、前記撮影部83の撮影画像として、前記照明部82からの照明で前記薬品載置部810、前記挟持部811、812、及び前記載置基準部813が白飛びで写らず、前記錠剤の影画像が得られる。なお、前記カメラ831で撮影された画像は、前記制御部11に入力される。これにより、前記制御部11では、前記薬品撮影装置7による撮影画像に基づいて前記錠剤の形状を測定することが可能である。そして、前記薬品払出装置100では、前記薬品撮影装置7を用いて測定された前記錠剤の形状に基づいて前記可変カセット22の駆動条件を設定することが可能である。
[調整処理]以下、図26〜図35を参照しつつ、前記薬品払出装置100において、前記制御部11によって実行される調整処理の手順の一例について説明する。なお、前記制御部11は、前記薬品払出装置100の前記操作部14に対するユーザーの実行要求操作に応じて調整処理を実行する。また、前記制御部11が、前記薬品払出処理(図11)の前記ステップS4において、前記薬品情報に対応する前記駆動条件が前記駆動対応情報122に登録されていないと判断した場合に、前記調整処理の実行の要否を選択する操作キーを前記モニター13に表示させ、前記操作部14に対するユーザー操作に応じて前記調整処理を実行することも考えられる。なお、前記調整処理は、前記制御部61によって実行されてもよい。
<ステ
ップS31>まず、図26に示すように、ステップS31において、前記制御部11は、前記モニター13に前記可変カセット22の選択及び前記薬品情報を入力するための操作画面を表示させる。
<ステップS32>次に、ステップS32において、前記制御部11は、ユーザーによる前記操作部14に対する前記可変カセット22の選択操作を待ち受ける(S32:No側)。ここで、前記可変カセット22が選択されると(S32:Yes側)、処理はステップS33に移行する。
なお、前記薬品払出装置100では、前記可変カセット22各々の装着部221が、前記可変カセット22の前記高さ調整部226A及び前記幅調整部227Aを駆動させる構成を有しているため、任意の前記可変カセット22を選択することが可能である。即ち、当該調整処理では、前記ステップS31で選択された前記可変カセット22が装着される任意の前記装着部221により、前記可変カセット22の前記高さ規制部材226で規制される前記高さh1及び前記幅規制部材227で規制される前記幅w1の調整が実行される。
<ステップS33>ステップS33において、前記制御部11は、ユーザーによる前記操作部14に対する前記可変カセット22に収容する錠剤の薬品情報の入力を待ち受ける(S33:No側)。ここで、前記薬品情報が入力されると(S33:Yes側)、処理はステップS34に移行する。なお、前記ステップS32及び前記ステップS33の順序は逆であってもよい。
また、前記制御部11が、前記薬品払出処理(図11)の前記ステップS4において、前記薬品情報に対応する前記駆動条件が前記駆動対応情報122に登録されていないと判断した場合には、前記可変カセット22の選択及び前記薬品情報の入力が自動的に行われてもよい。即ち、前記制御部11が、前記薬品情報が割り当てられた前記可変カセット22を調整処理の対象として選択し、前記可変カセット22に割り当てられた前記薬品情報を前記可変カセット22に収容する錠剤の薬品情報として入力することが考えられる。
<ステップS34>ステップS34において、前記制御部11は、前記薬品保持部81の回動姿勢が異なる複数の状態で前記撮影部83により撮影される撮影画像に基づいて錠剤の形状を測定する薬品形状測定処理を実行する。ここに、前記制御部11は、前記薬品形状測定処理を実行する形状測定部111(図2参照)を含む。具体的に、前記制御部11は、前記記憶部12に記憶されている薬品払出プログラムに従った処理を実行することにより前記形状測定部111(形状測定手段の一例)として機能する。
ここで、図27〜図30を参照しつつ、前記薬品形状測定処理の手順の一例について説明する。なお、前記薬品撮影装置7にCPU又は電子回路などの制御部が設けられており、その制御部によって前記ステップS34における前記薬品形状測定処理が実行されることも他の実施形態として考えられる。
[薬品形状測定処理]<ステップS41>まず、図27に示すように、ステップS41において、前記制御部11は、前記第1姿勢における前記薬品保持部81の画像を前記撮影部83で撮影するための撮影開始操作を待ち受ける(S41:No側)。
例えば、前記ステップS41において、前記制御部11は、前記撮影開始操作を受け付けるための撮影開始キーを前記モニター13に表示させる。また、前記制御部11は、前記薬品撮影装置7に錠剤をセットして前記撮影開始キーを操作することを促すメッセージを前記モニター13に表示させる。これにより、ユーザーは、前記薬品撮影装置7に測定対象の錠剤をセットした後、前記操作部14に表示された前記撮影開始キーを操作する。ここで、前記撮影開始操作が行われると(S41:Yes側)、処理はステップS42に移行する。
<ステップS42>ステップS42において、前記制御部11は、前記薬品撮影装置7を制御することにより、前記薬品載置部810に載置された錠剤を前記照明部82の前記光源821で照明すると共に、前記撮影部83の前記カメラ831により前記錠剤の画像を撮影する。即ち、前記照明部82は、前記カメラ831により画像が撮影されるときに照明を開始し、前記カメラ831による撮影終了後は消灯する。なお、前記制御部11は、前記照明部82の4つの前記光源821を全て点灯させる。ここで前記カメラ831によって撮影された撮影画像は、前記記憶部12に記憶される。以下、前記ステップS42において、前記薬品保持部81が前記第1姿勢の状態で前記撮影部83によって撮影された画像を上撮影画像と称する。
なお、前記撮影部83により前記上撮影画像として撮影される範囲は、例えば前記薬品保持部81のうち前記薬品載置部810、前記挟持部811、812、及び前記載置基準部813のみを含む範囲である。また、前記撮影部83が、前記薬品載置部810、前記挟持部811、812、及び前記載置基準部813の外側を含む範囲を撮影し、前記制御部11が、その撮影画像から前記薬品載置部810、前記挟持部811、812、及び前記載置基準部813の範囲の画像を前記上撮影画像としてトリミングすることも考えられる。
<ステップS43>次に、ステップS43において、前記制御部11は、前記上撮影画像について画像加工処理を実行することにより前記上撮影画像に含まれた前記錠剤の輪郭を取得する。ここで、図28を参照しつつ、前記画像加工処理の手順の一例について説明する。
[画像加工処理]<ステップS51>まず、ステップS51において、前記制御部11は、前記記憶部12から前記上撮影画像を読み出す。ここに、図32(A)は、前記ステップS42で前記カメラ831によって撮影された前記上撮影画像の一例を示す図である。図32(A)に示すように、前記上撮影画像には、前記照明部82から照射される光が前記薬品載置面810Aに載置された前記錠剤で遮られることにより形成された前記錠剤の影画像M11が含まれる。一方、前記薬品載置部810、前記挟持部811、812、及び前記載置基準部813は透光性を有するため、前記上撮影画像において、前記薬品載置部810、前記挟持部811、812、及び前記載置基準部813の情報は白飛びにより失われている。
<ステップS52>ステップS52において、前記制御部11は、前記カメラ831で撮影されたカラー画像である前記上撮影画像を濃淡画像(グレースケール画像)に変換する濃淡変換処理を実行する。なお、前記濃淡変換処理は、周知の画像処理であるため詳細な説明は省略する。
<ステップS53>次に、ステップS53において、前記制御部11は、前記ステップS52による変換後の濃淡画像をモノクロの二値画像に変換する二値化処理を実行する。なお、前記二値化処理は、周知の画像処理であるため詳細な説明は省略する。
<ステップS54>その後、ステップS54において、前記制御部11は、前記ステップS53による変換後の二値画像について、所定回数だけ収縮処理及び膨張処理を繰り返すオープニング処理を実行する。前記オープニング処理では、前記二値画像について収縮処理が実行された後、膨張処理が実行されることにより、塵埃などのノイズが前記上撮影画像から除去される。例えば、前記オープニング処理では収縮処理及び膨張処理が3回繰り返し実行される。
<ステップS55>そして、ステップS55において、前記制御部11は、前記ステップS54によるノイズ除去後の前記上撮影画像についてエッジを検出するエッジ検出処理を実行する。これにより、前記制御部11は、図32(B)に示すように、前記上撮影画像に含まれる前記影画像M11の輪郭である上輪郭画像M12を検出することができる。なお、前記エッジ検出処理は、周知の画像処理であるため詳細な説明は省略する。
また、前記制御部11が、前記画像加工処理において、前記第1姿勢における撮影画像として予め記憶されている初期撮影画像と前記上撮影画像とを比較することにより不要な箇所を消去する差分処理を実行することも考えられる。これにより、前記撮影部83で撮影された前記上撮影画像に前記薬品保持部81の一部が写っている場合にその部位を除去して前記錠剤の画像を抽出することができる。例えば、前記照明部82及び前記撮影部83に求められる撮影精度が下がるため、前記薬品撮影装置7の構成をより簡素化することが考えられる。
<ステップS44>次に、図27に戻り、ステップS44において、前記制御部11は、前記ステップS43で取得された前記上輪郭画像M12に基づいて、前記錠剤の外接矩形を取得する外接矩形取得処理を実行する。なお、前記制御部11は、前記上輪郭画像M12の左エッジ、右エッジ、上エッジ、及び下エッジを順に検出し、これらを含む矩形を前記上輪郭画像M12の外接矩形として検出する。ここに、図32(C)には、前記上輪郭画像M12の外接矩形M121の一例が示されている。
<ステップS45>続いて、ステップS45では、前記制御部11は、前記第2姿勢における前記薬品保持部81の画像を前記撮影部83で撮影するための撮影開始操作を待ち受ける(S45:No側)。
例えば、前記ステップS45において、前記制御部11は、前記撮影開始操作を受け付けるための撮影開始キーを前記モニター13に表示させる。また、前記制御部11は、前記薬品保持部81を前記第2姿勢に移行させてから撮影開始キーを操作することを促すメッセージを前記モニター13に表示させる。これにより、ユーザーは、前記薬品撮影装置7の前記操作部73を操作して前記薬品保持部81を前記第2姿勢に移行させた後、前記操作部14に表示された前記撮影開始キーを操作する。ここで、前記撮影開始操作が行われると(S45:Yes側)、処理はステップS46に移行する。
また、前記薬品撮影装置7が、前記薬品保持部81が前記第2姿勢に移行したことを検出する機械式センサー又は光学式センサーなどの姿勢検出手段を備える構成も他の実施形態として考えられる。この場合、前記ステップS45では、前記制御部11が、前記姿勢検出手段により予め定められた前記第2姿勢が検出されたか否かを判断する。これにより、前記制御部11は、前記姿勢検出手段により前記第2姿勢が検出された場合に、次のステップS46において前記錠剤の撮影を開始することになり、ユーザー操作の手間が軽減される。なお、前記制御部11が、前記薬品保持部81が前記第1姿勢の状態で前記開閉部72が閉じられたことを機械式センサー又は光学式センサーなどで検出した場合に、前記上撮影画像の撮影を開始することも他の実施形態として考えられる。
さらに、前記ステップS45において、前記制御部11が、前記薬品載置部810への錠剤の載置の有無に関係なく前記カメラ831による撮影画像に含まれる特定画像の有無に基づいて、前記薬品保持部81が前記第2姿勢であると判断することも考えられる。この場合、前記制御部11及び前記カメラ831が姿勢検出手段の一例である。このような構成によれば、前記薬品保持部81が前記第2姿勢の状態であるか否かを検出するためのセンサーを設けることなく、前記制御部11が、前記カメラ831により撮影される映像に基づいて前記横撮影画像の撮影開始のタイミングを判断して自動的に撮影を開始することが可能である。
例えば、前記制御部11は、前記薬品保持部81が前記第2姿勢の状態である場合の前記薬品保持部81の一部又は全部の画像(特定画像の一例)の有無を識別することにより、前記薬品保持部81が前記第2姿勢の状態であるか否かを検出することが考えられる。また、前記薬品保持部81が前記第2姿勢の状態では前記カメラ831の撮影範囲内に位置し、前記第1姿勢の状態では前記カメラ831の撮影範囲外に位置する特定のマーク(特定画像の一例)が前記薬品保持部81に設けられていることも考えられる。この場合、前記制御部11は、前記カメラ
831によって撮影される映像に基づいて前記特定のマークの有無に応じて前記薬品保持部81の回動姿勢が前記第2姿勢の状態であるか否かを検出することが可能である。
<ステップS46>ステップS46において、前記制御部11は、前記薬品撮影装置7を制御することにより、前記薬品載置部810に載置された錠剤を前記照明部82の前記光源821で照明すると共に、前記撮影部83の前記カメラ831により前記錠剤の画像を撮影する。但し、前記制御部11は、前記ステップS46において、前記ステップS42とは異なり、前記照明部82の前記光源821各々のうち右側の二つの前記光源821を消灯し、左側の二つの前記光源821のみを点灯させる。これにより、前記薬品載置部81が前記第2姿勢において前記光源821各々から照射される。従って、全ての前記光源821を点灯させる場合に生じ得るハレーションを防止することができ、前記錠剤の形状の測定精度を高めることができる。ここで前記カメラ831によって撮影された撮影画像は、前記記憶部12に記憶される。以下、前記ステップS46において、前記薬品保持部81が前記第2姿勢の状態で前記撮影部83によって撮影される前記錠剤の画像を横撮影画像と称する。
なお、前記撮影部83により前記横撮影画像として撮影される範囲は、例えば前記薬品保持部81のうち前記薬品載置部810、前記挟持部811、812、及び前記載置基準部813のみを含む範囲である。また、前記撮影部83が、前記薬品載置部810、前記挟持部811、812、及び前記載置基準部813の外側を含む範囲を撮影し、前記制御部11が、その撮影画像から前記薬品載置部810、前記挟持部811、812、及び前記載置基準部813の範囲の画像を前記横撮影画像としてトリミングすることも考えられる。
<ステップS47>次に、ステップS47において、前記制御部11は、前記ステップS43と同様の前記画像加工処理(図28参照)を前記横撮影画像について実行する。これにより、前記横撮影画像に含まれる前記錠剤の影画像M13(図33(A)参照)の輪郭である横輪郭画像M14(図33(B)参照)が検出される。なお、この場合にも、前記制御部11が、前記画像加工処理において、前記第2姿勢における撮影画像として予め記憶されている初期撮影画像と前記横撮影画像とを比較することにより不要な箇所を消去する差分処理を実行することも考えられる。
<ステップS48>そして、ステップS48において、前記制御部11は、前記ステップS44と同様の前記外接矩形取得処理を前記横輪郭画像M14について実行する。これにより、前記制御部1は、前記横輪郭画像M14の左エッジ、右エッジ、上エッジ、及び下エッジを順に検出し、これらを含む矩形を前記横輪郭画像M14の外接矩形として検出する。ここに、図33(C)には、前記横輪郭画像M14の外接矩形M141の一例が示されている。
<ステップS49>そして、ステップS49において、前記制御部11は、前記上輪郭画像M12、前記外接矩形M121、前記横輪郭画像M14、及び前記外接矩形M141などに基づいて前記錠剤の形状種別及び寸法を特定する形状特定処理を実行する。ここで、図29を参照しつつ、前記形状特定処理の一例について説明する。
[形状特定処理]<ステップS61>ステップS61において、前記制御部11は、前記薬品載置部810に前記錠剤が予め定められた正常な状態で載置されているか否かを判定する。ここで、前記錠剤が正常な状態で載置されていないと判断されると(S61:No側)、処理はステップS611に移行する。一方、前記錠剤が正常な状態で載置されていると判断されると(S61:Yes側)、処理はステップS62に移行する。なお、前記薬品載置部810に載置されるときの前記錠剤の正常な状態とは、前記錠剤が前記可変カセット22の前記第2回転体224に載置されて搬送されるときと同じ状態である。具体的に、前記第2回転体224で搬送される際の前記払出経路における前記錠剤の状態は、前記第2回転体224による搬送方向と前記錠剤において寸法が最も長い方向とが平行であって、前記払出経路の幅方向と前記錠剤において寸法が二番目に長い方向とが平行である。即ち、前記錠剤の寸法が最も長い方向と前記錠剤の寸法が二番目に長い方向とを含む平面が前記薬品載置面810Aに平行となる状態が前記錠剤の前記薬品載置部への正常な載置状態である。
例えば、前記制御部11は、前記第1姿勢で撮影された前記上輪郭画像M12の前記外接矩形M121における前記挟持面811A、812Aによる挟持方向に平行な方向(以下、幅方向という)の寸法が前記挟持方向に垂直で且つ前記薬品載置面810Aに平行な方向(以下、縦方向という)の寸法より大きい場合に、錠剤が正常な状態で載置されていないと判断する。また、前記制御部11は、前記第2姿勢で撮影された前記横輪郭画像M14の前記外接矩形M141における前記薬品載置面810Aに垂直な方向(以下、高さ方向という)の寸法が前記幅方向の寸法より大きい場合に、錠剤が正常な状態で載置されていないと判断する。
このように、前記錠剤が前記薬品載置面810Aに正常な状態で載置されていることが確認されるため、前記錠剤の高さ方向が、前記幅方向又は前記縦方向と誤って判断されない。従って、前記可変カセット22の高さ規制部材226により規制される錠剤の高さ方向のサイズが適正に調整されないことが防止される。同じく、前記錠剤が前記薬品載置面810Aに正常な状態で載置されていることが確認されるため、前記錠剤の幅方向が、前記高さ方向又は前記縦方向と誤って判断されない。従って、前記可変カセット22の幅規制部材227により規制される錠剤の幅方向のサイズが適正に調整されないことが防止される。
なお、前記薬品撮影装置7で撮影される前記錠剤の画像データに基づいて複雑な画像処理を実行することが可能な構成であれば、前記薬品載置面810Aに任意の姿勢で前記錠剤が載置された場合でも前記錠剤の形状を正確に測定することが可能である。しかしながら、この場合には、複雑な画像処理が実行可能な構成が要求されるため、前記錠剤の形状を測定するためのハードウェア又はソフトウェアが高価となる。
これに対し、前記薬品払出装置100で使用される前記薬品撮影装置7では、ユーザーが前記薬品載置面810Aに前記錠剤を載置する際の前記錠剤の正常な状態が定められている。そして、前記薬品払出装置100では、前記錠剤が前記薬品載置面810Aに正常な状態で載置されていることが確認される。従って、前記薬品払出装置100では、前記錠剤の画像データに基づいて複雑な画像処理を実行することが可能なハードウェア又はソフトウェアが不要であるため、前記錠剤の形状を測定するための構成に要するコストが抑制される。そのため、前記撮影部83で撮影された画像データに基づいて前記錠剤の形状を測定可能な制御部を備え、前記薬品払出装置100と独立して使用可能な前記薬品撮影装置7を安価に実現することも可能である。また、前記薬品払出プログラムのうちコンピュータを前記形状測定部111として機能させるための形状測定プログラムを任意のラップトップなどのPC(パーソナルコンピュータ)にインストールし、そのPCにUSBケーブル、RS232Cケーブル、又はLANケーブルなどのケーブルN2を介して前記薬品撮影装置7を接続することも考えられる。これにより、前記PC及び前記薬品撮影装置7を用いて錠剤の形状(寸法及び形状種別など)を測定することが可能である。そして、前記薬品払出装置100では、前記処方制御ユニット1が、前記調整処理の前記ステップS34の薬品形状測定処理に代えて、前記PCにより測定された錠剤の形状(寸法及び形状種別など)を前記PCから受信し、その錠剤の形状に基づいて前記駆動条件を設定することが考えられる。この場合、前記処方制御ユニット1は、前記形状測定処理を実行する機能を有していなくてもよい。
また、前記制御部11は、前記横輪郭画像M14における前記外接矩形141の面積が前記上輪郭画像M12における前記外接矩形121の面積よりも大きい場合に錠剤が正常な状態で載置されていないと判断することも考えられる。なお、前記ステップS61における異常検出は、前記上撮影画像及び前記横撮影画像の撮影後に実行される場合に限らない。例えば、前記上撮影画像が撮影されたときに前記上輪郭画像M12の前記外接矩形M121に基づく異常検が行われ、前記横撮影画像が撮影されたときに前記横輪郭画像M14の前記外接矩形M141に基づく異常検出が行われることも他の実施形態として考えられる。
<ステップS611>ステップS611において、前記制御部11は、前記錠剤が前記薬品載置部810に正常な状態で載置されていない旨を報知し、当該薬品形状測定処理を終了する。例えば、前記制御部11は、前記ステップS611において、前記モニター14に前記錠剤の正常にセットされていない旨のエラーメッセージを表示させる。
<ステップS62>そして、ステップS62において、前記制御部11は、前記上輪郭画像M12及び前記横輪郭画像M14に基づいて前記錠剤の形状種別を特定する形状種別特定処理を実行する。なお、前記形状種別特定処理については後段で説明する。
<ステップS63>ステップS63において、前記制御部11は、前記横輪郭画像M14が扁平であるか否かを判断する。ここで、前記横輪郭画像M14が扁平であると判断されると(S63:Yes側)、処理はステップS65に移行する。一方、前記横輪郭画像M14が扁平でないと判断されると(S63:No側)、処理はステップS64に移行する。なお、扁平とは、図34に示すように、長手方向に平行な2つの直線、短手方向に平行な2つの直線、及びこれらを結ぶ曲線を有する形状である。
前記横輪郭画像M14が扁平である場合には、前記錠剤が前記薬品載置面810Aで傾いて載置される可能性が低いが、後述のステップS64において前記横輪郭画像M14の対角線上の端部の位置に基づいて傾きが大きいと判断されるおそれがある。そこで、前記ステップS63では、前記薬品載置面810Aに載置される錠剤に傾きが生じるおそれが少ない扁平をステップS64における傾き判定処理から除外するための判断が行われる。
<ステップS64>ステップS64において、前記制御部11は、前記横輪郭画像M14に予め定められた許容量以上の傾きが生じているか否かを判断する。具体的に、前記制御部11は、前記横輪郭画像M14の幅方向の両端部の高さ方向の位置ずれ量を検出し、その位置ずれ量が予め定められた許容値を超えている場合に、前記横輪郭画像M14に前記許容量以上の傾きが生じていると判断する。ここで、前記横輪郭画像M14に前記許容量以上の傾きが生じていると判断された場合には(S64:Yes側)、処理が前記ステップS611に移行し、前記許容量以上の傾きが生じていないと判断された場合には(S64:No側)、処理がステップS65に移行する。
<ステップS65>そして、ステップS65において、前記制御部11は、前記上輪郭画像M12及び前記横輪郭画像M14に基づいて前記錠剤の縦方向、幅方向、及び高さ方向の寸法を特定する寸法特定処理を実行する。なお、前記制御部11は、前記錠剤の幅方向のサイズとして、前記上輪郭画像M12及び前記横輪郭画像M14のいずれかの寸法を採用すること、或いは、前記上輪郭画像M12及び前記横輪郭画像M14の平均値を採用することが考えられる。また、前記制御部11が、前記上輪郭画像M12における幅方向の寸法と前記横輪郭画像M14における幅方向の寸法とに予め定められた誤差許容値以上の誤差が生じている場合にはエラーを報知することも考えられる。
さらに、前記横輪郭画像M14において前記許容量未満の傾きが生じている場合、前記制御部11は、前記傾きを考慮して前記上輪郭画像M
12及び前記横輪郭画像M14における前記錠剤の幅方向及び高さ方向などの寸法を補正する補正処理を実行することが望ましい。例えば、前記制御部11は、前記傾きの角度をθとし、前記上輪郭画像M12又は前記横輪郭画像M14の幅方向の寸法をα、前記錠剤の本来の幅方向の寸法をβとしたとき、β=α/cos(θ)に従って前記寸法βを算出する。
[形状種別特定処理]ここで、図30及び図31のフローチャートを参照しつつ、前記ステップS62で実行される前記形状種別特定処理の手順の一例について説明する。なお、当該種別特定処理で実行される直線又は丸などの検出処理には、例えばハフ変換などの画像処理技術が利用される。
<ステップS71>まず、図30に示すように、ステップS71において、前記制御部11は、前記第1姿勢で撮影された前記上撮影画像から得られた前記上輪郭画像M12の外接矩形M121が長方形であるか否かを判断する。具体的に、前記制御部11は、前記外接矩形M121の縦方向の寸法と幅方向の寸法との比率(幅方向の寸法/縦方向の寸法)が1.1以上である場合に長方形であると判断する。ここで、前記外接矩形M121が長方形であると判断されると(S71:Yes側)、処理はステップS72に移行する。他方、前記外接矩形M121が長方形でないと判断されると(S71:No側)、処理はステップS78(図31参照)に移行する。
<ステップS72>ステップS72において、前記制御部11は、前記上輪郭画像M12が長丸であるか否かを判断する。具体的に、前記制御部11は、前記上輪郭画像M12に縦方向の寸法の1/3以上の直線が縦方向に少なくとも一つ存在する場合、又は、前記上輪郭画像M12に縦方向の寸法の1/4以上の直線が縦方向に二つ存在する場合に、前記上輪郭画像M12が長丸であると判断する。ここで、前記上輪郭画像M12が長丸であると判断されると(S72:Yes側)、処理はステップS73に移行する。他方、前記上輪郭画像M12が長丸でないと判断されると(S72:No側)、処理はステップS75に移行する。
<ステップS73>ステップS73において、前記制御部11は、前記第2姿勢で撮影された前記横撮影画像から得られた前記横輪郭画像M14が丸であるか否かを判断する。ここで、前記横輪郭画像M14が丸であると判断されると(S73:Yes側)、処理はステップS74に移行する。他方、前記横輪郭画像M14が丸ではないと判断されると(S73:No側)、処理はステップS731に移行する。
<ステップS74>ステップS74において、前記制御部11は、前記錠剤の形状種別を「カプセル錠」と特定する。ここに、図34は、前記錠剤の形状種別の一覧表を示す図である。図34に示すように、前記上輪郭画像M12が長丸であり、前記横輪郭画像M14が丸である場合には、錠剤の形状種別が「カプセル錠」と特定される。
<ステップS731>一方、ステップS731において、前記制御部11は、前記錠剤の形状種別を「長丸形」と特定する。即ち、図34に示すように、前記上輪郭画像M12が長丸であり、前記横輪郭画像M14が丸ではない扁平又は膨らみ形などである場合には、錠剤の形状種別が「長丸形」と特定される。なお、長丸とは、図34に示されているように、長手方向に平行な二つの直線及びこれらを結ぶ曲線を有する形状である。
<ステップS75>ステップS75において、前記制御部11は、前記上輪郭画像M12が楕円であるか否かを判断する。具体的に、前記制御部11は、前記上輪郭画像M12に直線が存在せず、前記上輪郭画像M12に存在する山が一つである場合(凹凸が存在しない場合)に、前記上輪郭画像M12が楕円であると判断する。ここで、前記上輪郭画像M12が楕円であると判断されると(S75:Yes側)、処理はステップS76に移行する。他方、前記上輪郭画像M12が楕円ではないと判断されると(S75:No側)、処理はステップS81(図31参照)に移行する。
<ステップS76>ステップS76において、前記制御部11は、前記横輪郭画像M14が丸であるか否かを判断する。ここで、前記横輪郭画像M14が丸であると判断されると(S76:Yes側)、処理はステップS77に移行する。他方、前記横輪郭画像M14が丸ではないと判断されると(S76:No側)、処理はステップS761に移行する。
<ステップS77>ステップS74において、前記制御部11は、前記錠剤の形状種別を「卵形」と特定する。即ち、図34に示すように、前記上輪郭画像M12が楕円であり、前記横輪郭画像M14が丸である場合には、錠剤の形状種別が「卵形」と特定される。
<ステップS761>ステップS761において、前記制御部11は、前記横輪郭画像M14が楕円であるか否かを判断する。具体的に、前記制御部11は、前記横輪郭画像M14の高さ方向に直線が存在しない場合に、前記横輪郭画像M14が楕円であると判断する。ここで、前記横輪郭画像M14が楕円であると判断されると(S761:Yes側)、処理はステップS762に移行する。他方、前記横輪郭画像M14の高さ方向に直線が存在し、前記横輪郭画像M14が楕円ではないと判断されると(S761:No側)、処理はステップS763に移行する。
<ステップS762>ステップS762において、前記制御部11は、前記錠剤の形状種別を「膨らみ形(その他)」と特定する。即ち、図34に示すように、前記上輪郭画像M12が楕円であり、前記横輪郭画像M14も楕円である場合には、錠剤の形状種別が「膨らみ形(その他)」と特定される。なお、膨らみ形とは、図34に示されているように、短手方向に平行な二つの直線及びこれらを結ぶ曲線を有する形状である。
<ステップS763>また、ステップS763において、前記制御部11は、前記錠剤の形状種別を「楕円形」と特定する。即ち、図34に示すように、前記上輪郭画像M12が楕円であり、前記横輪郭画像M14が丸でも楕円でもない扁平又は膨らみ形である場合には、錠剤の形状種別が「楕円形」と特定される。
<ステップS78>次に、図31に示すように、ステップS78において、前記制御部11は、前記上輪郭画像M12が丸であるか否かを判断する。ここで、前記上輪郭画像M12が丸であると判断されると(S78:Yes側)、処理はステップS79に移行する。他方、前記上輪郭画像M12が丸ではないと判断されると(S78:No側)、処理はステップS81に移行する。
<ステップS79>ステップS79において、前記制御部11は、前記横輪郭画像M14が丸であるか否かを判断する。ここで、前記横輪郭画像M14が丸であると判断されると(S79:Yes側)、処理はステップS80に移行する。他方、前記横輪郭画像M14が丸ではないと判断されると(S79:No側)、処理はステップS791に移行する。
<ステップS80>ステップS80において、前記制御部11は、前記錠剤の形状種別を「球形」と特定する。即ち、図34に示すように、前記上輪郭画像M12が丸であり、前記横輪郭画像M14も丸である場合には、錠剤の形状種別が「球形」と特定される。
<ステップS791>ステップS791において、前記制御部11は、前記ステップS761と同様に前記横輪郭画像M14が楕円であるか否かを判断する。ここで、前記横輪郭画像M14が楕円であると判断されると(S791:Yes側)、処理はステップS792に移行する。他方、前記横輪郭画像M14が楕円ではないと判断されると(S791:No側)、処理はステップS793に移行する。
<ステップS792>ステップS792において、前記制御部11は、前記錠剤の形状種別を「膨らみ形(丸)」と特定する。即ち、図34に示すように、前記上輪郭画像M12が丸であり、前記横輪郭画像M14が楕円である場合には、錠剤の形状種別が「膨らみ形(丸)」と特定される。
<ステップS793>ステップS793において、前記制御部11は、前記錠剤の形状種別を「丸形」と特定する。即ち、図34に示すように、前記上輪郭画像M12が丸であり、前記横輪郭画像M14が丸でも楕円でない扁平又は膨らみ形などである場合には、錠剤の形状種別が「丸形」と特定される。
<ステップS81>ステップS81において、前記制御部11は、前記横輪郭画像M14が扁平であるか否かを判断する。具体的に、前記制御部11は、前記横輪郭画像M14の縦方向及び幅方向各々に直線が存在する場合に前記横輪郭画像M14が扁平であると判断する。ここで、前記横輪郭画像M14が扁平であると判断されると(S81:Yes側)、処理はステップ82に移行する。他方、前記横輪郭画像M14が扁平ではないと判断されると(S81:No側)、処理はステップS811に移行する。
<ステップS82>ステップS82において、前記制御部11は、前記錠剤の形状種別を「変形錠」と特定する。即ち、図34に示すように、前記上輪郭画像M12が長丸、楕円、丸でなく、前記横輪郭画像M14が丸でも楕円でない扁平又は膨らみ形などである場合には、錠剤の形状種別が「変形錠」と特定される。
<ステップS811>ステップS811において、前記制御部11は、前記横輪郭画像M14が膨らみ形であるか否かを判断する。具体的に、前記制御部11は、前記横輪郭画像M14の縦方向に直線が存在し、前記横輪郭画像M14の幅方向に円弧が存在する場合に前記横輪郭画像M14が膨らみ形であると判断する。ここで、前記横輪郭画像M14が膨らみ形であると判断されると(S811:Yes側)、処理は前記ステップ82に移行し、前記錠剤の形状種別が「変形錠」と特定される。即ち、図34に示すように、前記上輪郭画像M12が長丸、楕円、丸でなく、前記横輪郭画像M14が丸、楕円、扁平、膨らみ形のいずれにも該当しない場合には、錠剤の形状種別が「変形錠」と特定される。他方、前記横輪郭画像M14が膨らみ形ではないと判断されると(S811:No側)、処理はステップS812に移行する。
<ステップS812>ステップS812において、前記制御部11は、前記錠剤の形状種別を「膨らみ形(その他)」と特定する。即ち、図34に示すように、前記上輪郭画像M12が長丸、楕円、丸でなく、前記横輪郭画像M14が膨らみ形である場合には、錠剤の形状種別が「膨らみ形(その他)」と特定される。
このように、形状種別特定処理では、前記上輪郭画像M12及び前記横輪郭画像M14の形状の組み合わせに応じて、前記錠剤の形状種別が、予め定められた9種類の形状種別からの選択によって特定される。これにより、ユーザーによる前記錠剤の形状の測定の手間を軽減することができる。また、前記上輪郭画像M12及び前記横輪郭画像M14の形状を認識するための処理は例えばハフ変換などの汎用的な処理のみによって実現可能であるため、前記錠剤の形状測定のために要する構成を簡素且つ安価にすることができる。
<ステップS35>その後、図26に戻り、ステップS35において、前記制御部11は、前記薬品形状測定処理で測定された前記錠剤の形状に基づいて、前記可変カセット22の駆動条件(事前駆動条件、駆動中条件、駆動停止時条件)を設定する設定処理を実行する。ここに、前記制御部11は、前記駆動条件の設定処理を実行する駆動条件設定部112(図2参照)を含む。具体的に、前記制御部11は、前記記憶部12に記憶されている薬品払出プログラムに従った処理を実行することにより前記駆動条件設定部112(駆動条件設定手段の一例)として機能する。
ここに、図35は、前記錠剤の形状と前記駆動条件の設定内容との関係を示す設定情報の一例を示す図であり、前記設定情報は前記記憶部12などに予め記憶されている。図35に示す例では、前記錠剤の形状ごとに、前記駆動条件である、払出経路の高さ、払出経路の幅、払出速度、第1スローダウン、第2スロー
ダウン、及び逆回転動作の各項目の設定内容が定められている。そして、前記制御部11は、前記薬品形状測定処理で測定された前記錠剤の形状と前記設定情報とに基づいて前記錠剤に対応する前記駆動条件を設定する。
例えば、前記払出経路の高さ及び幅は、前記薬品形状測定処理で測定された前記錠剤の高さ及び幅と前記可変カセット22の前記高さ規制部材226で規制される前記高さh1及び前記幅規制部材227で規制される前記幅w1の設定値との関係を示す。具体的に、前記錠剤の形状がカプセル錠である場合、前記高さ規制部材226で規制される前記高さh1は、前記カプセル錠の高さ寸法の1.3倍の値に設定される。同じく、前記錠剤の形状がカプセル錠である場合、前記幅規制部材227で規制される前記幅w1は、前記カプセル錠の幅寸法の1.4倍の値に設定される。
また、前記払出速度は、前記可変カセット22による錠剤の払出速度、即ち前記第2回転体224の回転速度を示す。ここで、前記払出速度は、前記可変カセット22から余分な数の錠剤が払い出されないように前記錠剤の形状種別ごとに予め設定された値である。より具体的には、転がりやすい錠剤は前記払出速度が早ければ余分に払い出される可能性が高くなる。また、側端部に浮き上がりが生じる錠剤は、隣接する錠剤が上下にオーバーラップした状態で搬送されることがあり、錠剤の搬送時のピッチが狭くなって余分に錠剤が払い出される可能性が高くなる。そのため、前記払出速度は、前記錠剤の形状種別ごとに、転がりやすさ及びオーバーラップのしやすさなどを考慮して定めることが望ましい。
具体的に、図35に示す払出速度v21〜v24は、v21>v22>v23>v24の関係にある。例えば、前記錠剤の形状種別が転がりやすい球形、卵形などである場合は、転がりにくい丸形、変形錠などの場合に比べて前記払出速度が遅く設定される。また、前記錠剤の形状種別がオーバーラップのしやすい楕円形などである場合は、オーバーラップしにくいカプセル錠、丸形などの場合に比べて遅く設定される。
さらに、同一種別の形状の前記錠剤について、前記錠剤の寸法ごとに異なる前記払出速度が予め設定されていることも考えられる。具体的に、形状種別が同一であっても、サイズが大きい錠剤は、前記可変カセット22から払出経路に並べられて搬送される際のピッチが大きくなり、サイズが小さい錠剤はそのピッチが小さくなる。そのため、形状種別が同一の錠剤であっても、その寸法ごとに対応する前記払出速度が設定されていることが考えられる。具体的には、前記錠剤のサイズが小さく前記搬送経路で搬送されるときの錠剤間のピッチが小さいほど、カウントミスすることなく前記錠剤をカウントするために要求される前記可変カセット22の前記カウンターの精度が高くなる。従って、前記錠剤のサイズが大きいほど前記払出速度が速くなり、前記錠剤のサイズが小さいほど前記払出速度が遅くなるように、前記錠剤の寸法と前記払出速度との関係が設定されることが考えられる。これにより、前記錠剤のサイズが大きい場合における前記払出速度を無駄に抑制することなく、前記錠剤のサイズが小さい場合における前記カウンターのカウントミスを防止することができる。また、例えば前記カウンターに用いられる光学式センサーとして安価なセンサーを用いることも可能である。
また、前記第1スローダウン及び前記第2スローダウンは、前記可変カセット22による錠剤の払出停止時のスローダウンのタイミングを示す。ここで、前記第1スローダウン及び前記第2スローダウンの項目に設定された錠数は、前記可変カセット22から余分な数の錠剤が払い出されないように前記錠剤の形状種別ごとに予め設定された値である。例えば、前記錠剤の形状種別が転がりやすい球形である場合は、転がりにくい長丸形又は楕円形などの場合に比べて前記第1スローダウン及び前記第2スローダウンの錠数が多く設定される。
なお、前記逆回転動作は、前記可変カセット22による錠剤の払出停止時に逆回転動作を実行するか否かの設定内容を示す。ここで、前記逆回転動作は、前記可変カセット22から余分な数の錠剤が払い出されないように前記錠剤の形状種別ごとに予め設定される。例えば、前記錠剤の形状が転がりやすい球形は前記逆回転動作が実行され、転がりにくい丸形又は変形錠などは前記逆回転動作が実行されないように設定される。
<ステップS36>その後、ステップS36において、前記制御部11は、前記ステップS35で設定された前記駆動条件と前記錠剤の薬品情報とを対応付けて前記駆動対応情報122に登録する記憶処理を実行する。これにより、前記駆動対応情報122に未登録であった錠剤に対応する前記駆動条件が前記駆動対応情報122に登録されるため、前記調整処理の実行後は、前記薬品払出処理(図11参照)において前記錠剤を前記可変カセット22から払い出すことが可能である。
<ステップS37>そして、ステップS37において、前記制御部11は、前記ステップS35で設定された前記駆動条件を前記制御部61に送信する。これにより、前記制御部61は、前記駆動条件に従って前記可変カセット22を駆動させることになる。具体的に、前記制御部61は、前記可変カセット22の前記高さ調整部226A及び前記幅調整部227Aを制御し、前記高さ規制部材226で規制される前記高さh1と、前記幅規制部材227で規制される前記幅w1とを、前記ステップS35で設定された前記駆動条件に従って調整する。また、前記制御部61は、前記可変カセット22による錠剤の払出速度、前記可変カセット22による錠剤の払い出し停止時における前記第1スローダウン及び前記第2スローダウンのタイミング、前記可変カセット22による錠剤の払い出し停止時における前記逆回転動作の有無を設定する。なお、前記薬品情報が割り当てられた前記可変カセット22の調整処理を実行する際には、前記制御部11は、前記可変カセット22のカセット識別情報を前記駆動条件と共に前記制御部61に送信する。ここに、前記制御部61に前記駆動条件を送信することにより前記可変カセット22を前記駆動条件に従って駆動させるための処理を実行するときの前記制御部11を駆動制御手段の一例として捉えてもよい。
なお、前記調整処理において、前記ステップS37は省略可能である。即ち、前記調整処理では、前記錠剤の形状の測定及び前記錠剤の形状に応じた前記駆動条件の設定のみが実行されることが考えられる。これにより、前記可変カセット22を駆動させることなく、事前に錠剤に対応する前記駆動条件を前記駆動対応情報122に登録することが可能である。
以上、説明したように、前記薬品払出装置100では、前記薬品撮影装置7を用いて前記調整処理が実行されることにより、前記駆動対応情報122に前記駆動条件が登録されていない錠剤についても前記駆動条件を設定し、前記可変カセット22から前記錠剤を払い出すことが可能になる。そして、前記調整処理では、ユーザーは、前記薬品撮影装置7を用いて錠剤の形状を特定するために必要な画像を、前記薬品撮影装置7を用いて容易に撮影することができる。また、前記薬品撮影装置7では、前記錠剤を保持する部分が除外された前記錠剤の撮影画像が得られるため、前記薬品撮影装置7で実行される前記画像加工処理などは、困難な画像処理を含まない簡素な処理にすることができる。従って、前記薬品形状測定処理に高価な画像処理ソフトも用いる必要がなく、前記薬品撮影装置7を用いた前記錠剤の形状測定を安価に実現することが可能である。
さらに、前記薬品撮影装置7では、前記カメラ831及び前記光源821が固定されており、その間に配置されており回転半径が小さい前記薬品保持部81のみが回動可能な構成である。そのため、前記カメラ831及び前記光源821を回動させる構成に比べて前記薬品撮影装置7を小型化することが可能である。また、前記薬品撮影装置7に用いられる電子部品は、前記光源821及び前記カメラ831のみであって、他の構成は機械的構造によって実現される点においても前記薬品撮影装置7を安価に構成可能である。但し、本発明の他の実施形態として、前記薬品撮影装置7において、前記薬品保持部81が前記開閉部72に回動不能に固定され、前記カメラ831及び前記照明部82を含む前記撮影ユニット84を前記薬品保持部81を中心に回動可能に支持する回動支持部が設けられる構成も考えられる。この場合、例えば前記回動支持部は、前記カメラ831及び前記照明部82を支持するフレーム部材と、前記フレーム部材を前記位置P1と同軸上の位置で回動可能に支持する回動軸とを有することが考えられる。また、前記薬品保持部81及び前記撮影ユニット84をそれぞれ回動可能に支持する回動支持部が設けられる構成も考えられる。
[薬品撮影装置7の他の使用例]ところで、前記薬品撮影装置7を用いれば、前記錠剤を払い出すための前記可変カセット22の駆動条件だけでなく、前記固定カセット21の内部構造を判断することも可能である。即ち、前記薬品撮影装置7を用いることにより、前記錠剤に対応する前記固定カセット21を製造するために必要な前記錠剤の形状種別及び寸法を容易に取得することが可能である。
より具体的に、本発明は、前記薬品撮影装置7とパーソナルコンピュータなどの情報処理装置とを備える薬品形状測定装置として捉えてもよい。そして、前記情報処理装置は、前記薬品形状測定処理(図27参照)を実行することにより、前記薬品撮影装置7で撮影された前記上輪郭画像M12及び前記横輪郭画像M14に基づいて前記錠剤の形状種別及び寸法を測定する。これにより、前記錠剤の形状種別及び寸法に適合する前記固定カセット21の内部構造を容易に設計することが可能になる。また、前記錠剤の寸法を手作業で計測する手間が軽減されると共に、前記錠剤の形状種別及び寸法を目視及び手作業による計測で特定する作業者の人的要因による誤差も防止される。
例えば、前記固定カセット21に対応する前記錠剤の形状種別及び寸法に基づいて、前記間隙217内における一つ又は複数の壁部に前記錠剤の形状に応じた凹部又は凸部を形成することにより、前記間隙217の内部形状を前記錠剤に近似させることが考えられる。これにより、前記固定カセット21の前記間隙217の内部形状を前記錠剤の形状に合わせることができるため、前記間隙217における前記錠剤の揺動が抑制される。
<第2実施形態>前記第1実施形態では、使用可能な前記可変カセット22が比較的少ない前記薬品払出装置100を例に挙げて説明した。一方、多数の前記可変カセット22が使用可能な薬品払出装置300に本発明を適用することも可能である。ここに、図36及び図37は、前記薬品払出装置300の外観図である。なお、多数の薬剤カセットを備える構成は、例えば国際公開第2013/118838号にも記載されている。図36及び図37に示すように、前記薬品払出装置300は、前記薬品撮影装置7、調整部301、バイアル瓶払出部302、及び操作モニター303などを備えている。また、前記薬品払出装置300は、前記制御部11と同様に前記調整処理(図26参照)を実行する制御装置(不図示)を備える。そして、前記薬品払出装置300には、複数の前記可変カセット22が装着可能であり、前記薬品払出装置300では、前記可変カセット22各々から供給される錠剤が収容されたバイアル瓶が前記バイアル瓶払出部302から払い出される。
このように構成された前記薬品払出装置300では、前記可変カセット22各々について前記可変カセット22における錠剤の搬送経路の幅w1及び高さh1を変更するための機構を設けると装置が大型化すると共にコストが増大する。そこで、前記薬品払出装置300では、複数の前記可変カセット22に共通する前記調整部301が設けられている。前記調整部301は、前記薬品払出装置100の前記装着部221と同様の構成を有しており、前記可変カセッ
ト22における錠剤の搬送経路の幅w1及び高さh1を変更することが可能である。そして、このように構成された前記薬品払出装置300では、前記制御装置(不図示)が前記調整部301に装着された前記可変カセット22を対象に前記調整処理を実行することにより、前記可変カセット22を任意の錠剤に適合させて使用することが可能となる。従って、前記薬品払出装置300の構成を小型化すると共に低コスト化を図ることができる。
<第3実施形態>ここに、図38及び図39は、前記可変カセット22及び前記装着部221の変形例を示す図であって、前記可変カセット22を前記装着部221に装着した状態を正面から見た模式図である。なお、図38及び図39に示すように、前記装着部221には前面カバー2210が装着されている。また、前記可変カセット22及び前記装着部221について、前記第1実施形態で説明した構成と同様の構成については説明を省略する。なお、ここでは、前記薬品払出装置100について説明するが、前記薬品払出装置300についても同様に構成することが可能である。
前述したように、前記可変カセット22では、不図示の前記昇降機構により前記第1回転体223が昇降可能であって、前記第1回転体223を昇降させることにより前記錠剤収容部222内の容積を変更することが可能である。また、前記薬品払出装置100では、前記第2回転体224に載置された錠剤を検出するための光学式センサーなどの錠剤検出部が設けられており、その錠剤検出部によって前記第2回転体224上に錠剤があるか否かが検出される。
このように構成された前記薬品払出装置100では、前記薬剤検出部によって錠剤が検出されない場合に、前記駆動ギア228Bが駆動モーターによって駆動され、前記錠剤収容部222において前記第1回転体223が上昇する。これにより、前記錠剤収容部222内の錠剤が前記第1回転体223から前記第2回転体224に供給されることになる。なお、前記第1回転体223の駆動は、例えば前記錠剤検出部によって錠剤が検出されるまで、或いは予め設定された時間が経過するまで継続される。
また、前記可変カセット22の払出口225に設けられた前記カウンターによって前記錠剤が検出される間隔が所定時間を超えた場合に、前記駆動ギア228Bが駆動モーターによって駆動されて前記第1回転体223が上昇する構成も考えられる。この場合、前記第1回転体223の駆動は、例えば前記カウンターによって錠剤が検出されるまで、或いは予め設定された時間が経過するまで継続される。なお、前記昇降機構については、例えば国際公開第2013/118838号にも記載されている。
ところで、前記可変カセット22が前記装着部221に装着された状態において、ユーザーが前記可変カセット22内に収容されている錠剤の残数を把握することができなければ、前記可変カセット22への錠剤の補充のタイミングを図ることが難しい。
そこで、当該第3実施形態に係る前記薬品払出装置100では、前記可変カセット22の外装を形成する前面部2211及び前記錠剤収容部222が透明又は半透明である樹脂などの材料によって形成されている。なお、前記前面部2211及び前記錠剤収容部222の透明度は、前記可変カセット22内の前記第1回転体223の昇降位置を視認可能な程度であればよい。また、前記可変カセット22の前面にユーザーが把持するために設けられた把持部2212についても透明又は半透明であることが考えられる。さらに、前記前面部2211には、前記第1回転体223の昇降方向D1における位置を示す目盛り2213が設けられている。前記目盛り2213では、前記可変カセット22内の錠剤の残量を把握するための指標となる位置が、前記第1回転体223の昇降範囲において予め設定された間隔で示されている。
ここに、図38及び図39では、前記可変カセット22の外側から視認可能な前記第1回転体223を破線で示している。図38及び図39に示すように、当該第3実施形態に係る前記薬品払出装置100では、前記可変カセット22を前記装着部221に装着した状態であっても、ユーザーは、前記可変カセット22の外から前記第1回転体223の昇降方向D1における現在の位置を視認可能である。特に、図38及び図39に示すように、前記可変カセット22には、前記第1回転体223の昇降方向R1における位置を容易に認識するための前記目盛り2213が設けられているため、前記目盛り2213と前記第1回転体223の位置とを目視することにより、容易に前記可変カセット22内における錠剤の残量を把握することができる。
従って、ユーザーは、前記可変カセット22を前記装着部221に装着した状態で、前記可変カセット22内に収容されている錠剤の残数を把握することが可能である。そのため、ユーザーは、前記可変カセット22の錠剤量が少なくなったことに気づいた時点でタイミング良く前記可変カセット22に錠剤を補充することが可能である。これにより、例えば、前記薬品払出装置100による払出中に前記可変カセット22内の錠剤が不足し、そのタイミングで補充作業が必要となることが防止される。
また、前記可変カセット22内の様子が外部から視認可能であり、例えば前記可変カセット22の前記第1回転体223が回転中であることを視認可能であるため、ユーザーは、前記可変カセット22から錠剤が払い出されていることを認識することができる。例えば、ユーザーは、前記可変カセット22の前記把持部2212を把持する際などに、前記可変カセット22が駆動中であることを認識する。従って、前記薬品払出装置100では、駆動中の前記可変カセット22がユーザーにより取り出されることが抑止される。
ところで、本実施形態では、前記可変カセット22が、前記第1回転体223の回転動作によって錠剤の払い出しが可能であると共に、前記第1回転体223の昇降動作によって錠剤収容部222の容積が可変である構成について説明したが、これに限らない。即ち、本実施形態から抽出される発明の概念には、前記可変カセット22が、所定の駆動源からの駆動力を受けて錠剤を払い出すための動作を実行する払出動作部と、所定の駆動源からの駆動力を受けて前記錠剤収容部222の容積を変更する容積変更部とを備える構成が含まれる。前記払出動作部の一例には、前記第1回転体223の回転動作を伴う機構の他に、例えば振動を利用して錠剤を払い出す機構も含まれる。また、前記容積変更部の一例には、前記第1回転体223の昇降動作を行う昇降機構の他に、例えば回転動作又はスライド動作により前記錠剤収容部222の内壁面又は仕切板などを移動させることにより容積が変更可能な機構も含まれる。
そして、このように前記払出動作部及び前記容積変更部などを備える前記可変カセット22に対し、前述のように前記前面部2211が透明又は半透明であって前記可変カセット22内の様子が外部から視認可能な構成が好適である。即ち、ユーザーが前記払出動作部の動作の有無を視認可能であることにより錠剤払い出し動作中の前記可変カセット22の取り出しが防止され、ユーザーが前記容積変更部の状態を視認可能であることにより前記錠剤収容部222内の錠剤の残量を容易に把握することが可能である。なお、前記可変カセット22による錠剤の払い出し機能に影響がなければ、前記可変カセット22の外装の一部に前記可変カセット22内の様子が外部から視認可能な開口が設けられる構成も考えられる。また、前記可変カセット22が前記薬品払出装置100に装着されたときに前記可変カセット22の上面、側面、又は背面が外部から視認可能な状態であれば、その外部から視認可能な面が透明又は半透明であること、或いはその外部から視認可能な面に開口が設けられることも考えられる。尚、カメラ831が撮像した錠剤のカラー画像を、医薬品マスタに登録してもよい。登録された各カラー画像を薬品コードと共に、他の薬品払出装置100に送信しても良い。